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JP2023039944A - 塗料組成物、接着層付き基材及び積層体 - Google Patents

塗料組成物、接着層付き基材及び積層体 Download PDF

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JP2023039944A
JP2023039944A JP2022143687A JP2022143687A JP2023039944A JP 2023039944 A JP2023039944 A JP 2023039944A JP 2022143687 A JP2022143687 A JP 2022143687A JP 2022143687 A JP2022143687 A JP 2022143687A JP 2023039944 A JP2023039944 A JP 2023039944A
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直矢 栃下
Naoya TOCHISHITA
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Abstract

【課題】塗料安定性に優れ、かつ、透明性、密着性及び耐候性に優れた塗膜を形成できる、塗料組成物、接着層付き基材及び積層体を提供する。
【解決手段】
ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有する重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、及び/又は、当該重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との複合体(C)を含む塗料組成物であって、
前記単位(a)の重量平均分子量が1万~500万であり、
前記塗料組成物のpHが7~11である、塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、接着層付き基材及び積層体に関する。
近年、作業現場への衛生状態や地球環境への負荷への配慮から、塗料の水系化が望まれている。所定成分を重合して得られる水分散体は、常温あるいは加熱下で乾燥して成膜することができ、このようにして得られる塗膜には、バリア性、耐汚染性、耐薬品性、難燃性、耐熱性、耐候性、耐擦過性、耐摩耗性を付与し得る。しかし、このような塗料を透明性が要求される用途に用いると、屋外や紫外線に長期間曝露されることに起因し、透明性や曇りといった光学特性、変色、白化、クレーズの発生などが問題となり得る。紫外線による劣化を抑制するため、塗料中に紫外線吸収剤を含有することが望ましいが、紫外線吸収剤の多くは水に不溶であるために、水系塗料への適用が困難である。
塗膜の光学特性を改善するための技術として、特許文献1には、エマルション粒子にシリカを含有させる方法が記載されている。また、特許文献2では、アクリル共重合体に紫外線吸収性基を含有させる方法が記載されている。
特開2010-100742号公報 特開2005-97631号公報
特許文献1の方法で作成した塗料組成物は、透明性に優れた塗膜を形成することが可能であるが、多量の紫外線吸収剤を塗料中に含有させることが困難であり、耐候性の観点で改良の余地がある。
特許文献2の方法で作成した塗料組成物は、紫外線吸収剤を含むために耐候性に優れる塗膜を形成することができるが、溶剤系塗料として使用することが前提とされており、かかる技術をそのまま水系塗料として適用することは困難である。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗料安定性に優れ、かつ、透明性、密着性及び耐候性に優れた塗膜を形成できる、塗料組成物、接着層付き基材及び積層体を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構成を有する塗料組成物により当該課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有する重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、及び/又は、当該重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との複合体(C)を含む塗料組成物であって、
前記単位(a)の重量平均分子量が1万~500万であり、
前記塗料組成物のpHが7~11である、塗料組成物。
[2]
前記単位(a)が、紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)に由来する単位(a-1)を含む、[1]に記載の塗料組成物。
[3]
前記単位(a)が、水酸基含有ビニル単量体(a-2)に由来する単位(a-2)を含み、
前記単位(a)における前記単位(a-2)の含有量が、10~40質量%である、[1]又は[2]に記載の塗料組成物。
[4]
有機系紫外線吸収剤(D)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の塗料組成物。
[5]
ブロックポリイソシアネート化合物(E)をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載の塗料組成物。
[6]
前記単位(a)の重量平均分子量が10万~100万である、[1]~[5]のいずれかに記載の塗料組成物。
[7]
前記塗料組成物の全固形分に対する前記無機酸化物(B)の質量比が25%~60%である、[1]~[6]のいずれかに記載の塗料組成物。
[8]
前記単位(a-1)と前記有機系紫外線吸収剤(D)との質量比が、1:0.5~1:40である、[4]~[7]のいずれかに記載の塗料組成物。
[9]
前記無機酸化物(B)が、球状及び/又は連結構造のシリカである、[1]~[8]のいずれかに記載の塗料組成物。
[10]
連鎖移動剤をさらに含む、[1]~[9]のいずれかに記載の塗料組成物。
[11]
前記重合体粒子(A)が、前記単位(a)を有するエマルション粒子を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の塗料組成物。
[12]
基材と、
前記基材上に配される接着層と、
を備える接着層付き基材であって、
前記接着層が、[1]~[11]のいずれかに記載の塗料組成物を含む、接着層付き基材。
[13]
[12]に記載の接着層付き基材と、
前記接着層付き基材上に配されるハードコート層と、
を備える積層体であって、
前記ハードコート層が、無機酸化物(F)と重合体ナノ粒子(G)とを含有するマトリクス成分(H)を含み、
前記重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、前記マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHとが、HMH/HMG>1の関係を満たす、積層体。
[14]
前記接着層付き基材のヘイズ値H1が、前記積層体のヘイズ値H2よりも大きい、[13]に記載の積層体。
本発明の塗料組成物は、塗料安定性に優れ、かつ、透明性、密着性及び耐候性に優れた被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本明細書における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」、及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。また、本明細書での「~」とは、特に断りがない場合、その両端の数値を上限値、及び下限値として含む意味である。
本実施形態の塗料組成物は、ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有する重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、及び/又は、当該重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との複合体(C)を含む塗料組成物であって、前記単位(a)の重量平均分子量が1万~500万であり、前記塗料組成物のpHが7~11である。本実施形態の塗料組成物は、このように構成されているため、塗料安定性に優れ、かつ、塗膜を形成した際に、透明性、密着性及び耐候性に優れる。
[重合体粒子(A)]
本実施形態における重合体粒子(A)は、主に基材への密着性向上の役割を果たすものであり、ビニル単量体(a)を構成単位として含む。すなわち、重合体粒子(A)は、ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有するものである。重合体粒子(A)は、ビニル単量体(a)を構成単位として含む粒子状の重合体であれば特に限定されないが、ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有するエマルション粒子を含むことが好ましい。
本実施形態において、単位(a)は、紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)に由来する単位(a-1)を有することが好ましい。単位(a-1)が含有されていることで、塗料組成物中に紫外線吸収性剤が併存する場合でもエマルション内部に当該紫外線吸収剤を取り込みやすくなるため、塗料安定性が向上し、後述する接着層(I)、及び、積層体(K)を形成した際、密着性や耐候性の低下を防ぐことができる。
本実施形態において、紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)とは、紫外線吸収性基を有するビニル単量体を意味し、紫外線吸収性基とは、紫外線領域(波長400nm以下)に吸収を有する官能基を意味する。すなわち、紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)は、分子内に紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリル系単量体が挙げられ、その具体例としては、以下に限定されるものではないが、2-ヒドロキシ-4-アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メタクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メタクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(アクリロキシ-エトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタクリロキシ-エトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタクリロキシ-ジエトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(アクリロキシ-トリエトキシ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物や、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(大塚化学株式会社製の商品名「RUVA-93」)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチル-3-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリリルオキシプロピル-3-tert-ブチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、3-メタクリロイル-2-ヒドロキシプロピル-3-〔3’-(2’’-ベンゾトリアゾリル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー株式会社製の商品名「CGL-104」)などのベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。
単位(a-1)の含有量としては、後述する接着層(I)、及び、積層体(K)の耐候性と密着性の観点から、重合体粒子(A)を構成する単位(a)の全質量に対して1~20質量%含まれることが好ましく、1~10質量%含まれることがより好ましい。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれる重合体粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記含有量を算出する。
本実施形態における重合体粒子(A)は、単位(a-1)に該当しない単量体であって水酸基を有する水酸基含有ビニル単量体(a-2)に由来する単位(a-2)を有することが好ましい。水酸基含有ビニル単量体(a-2)としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド等のヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド;ジ-2-ヒドロキシエチルフマレート、モノ-2-ヒドロキシエチルモノブチルフマレート等のフマル酸のヒドロキシアルキルエステル;アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート;プロピレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート;、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類などが挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
上記(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
単位(a-2)の含有量としては、重合体粒子(A)を構成するビニル単量体(a)の全質量に対して10%~40質量%、より好ましくは20~40質量%含まれることが好ましい。上記含有量が上記範囲にある場合、前記紫外線吸収性ビニル単量体とその他のビニル単量体との反応が好ましく進行する傾向にあり、また、重合体粒子(A)の親水性が確保されることに起因して、後述する接着層(I)や積層体(K)を形成した際、透明性の低下を防止できる傾向にある。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれる重合体粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記含有量を算出する。
本実施形態における重合体粒子(A)は、上記単位(a-1)及び(a-2)以外に、その他のビニル単量体に由来する単位を有していてもよい。その他のビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体を挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アルキル部の炭素数が1~50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、4-ビニルトルエン等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの2塩基酸のハーフエステル等が挙げられる。カルボキシル基含有のビニル単量体を用いる場合、本実施形態における重合体粒子(A)にカルボキシル基を導入することができ、粒子間の静電的反発力をもたせることでエマルションとしての安定性を向上させ、例えば攪拌時の凝集といった外部からの分散破壊作用への抵抗力が向上する傾向にある。この際、静電的反発力をさらに向上させる観点から、上記導入したカルボキシル基は、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
上記エポキシ基含有ビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、グリシジル基含有ビニル単量体等が挙げられる。グリシジル基含有ビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記カルボニル含有ビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、N-アルキル又はN-アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等を例示することができる。具体的には、例えば、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルメタアクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N-メチル-N-エチルメタアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタアクリルアミド、N-n-プロピルメタアクリルアミド、N-メチル-N-n-プロピルアクリルアミド、N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド、N-アクリロイルピロリジン、N-メタクリロイルピロリジン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N-アクリロイルモルホリン、N-メタクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。
また、上記以外のビニル単量体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、さらに4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
前記重合体粒子(A)は乳化剤に由来する構造を有していてもよい。乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸などの酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K、など)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸などのアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレートなどの四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンボロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルなどのノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤などが挙げられる。
前記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エレミノールJS-2(商品名、三洋化成株式会社製)、ラテムルS-120、S-180A又はS-180(商品名、花王株式会社製)、アクアロンHS-10、KH-1025、RN-10、RN-20、RN30、RN50(商品名、第一工業製薬株式会社製)、アデカリアソープSE1025、SR-1025、NE-20、NE-30、NE-40(商品名、旭電化工業株式会社製)、p-スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、p-スチレンスルホン酸のナトリウム塩、p-スチレンスルホン酸のカリウム塩、2-スルホエチルアクリレートなどのアルキルスルホン酸(メタ)アクリレートやメチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸のアンモニウム塩、アリルスルホン酸のナトリウム塩、アリルスルホン酸のカリウム塩などが挙げられる。
本実施形態において、前記重合体粒子(A)は連鎖移動剤を含むことが好ましい。すなわち、本実施形態の塗料組成物は、連鎖移動剤を含むことが好ましい。連鎖移動剤としては、特に限定されず、例えば、オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ヘキサデシルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、t-テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;及びアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2-エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、ジペンテン、α-メチルスチレンダイマー(2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンが50重量%以上のものが好ましい)、さらに9,10-ジヒドロアントラセン、1,4-ジヒドロナフタレン、インデン、1,4-シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;キサンテン、2,5-ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を組合せて使用してもよい。
本実施形態の塗料組成物における連鎖移動剤の含有量としては、特に限定されないが、塗料安定性及び接着層(I)の密着性の観点から、単位(a)100質量%に対して、0.1質量%~2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.25質量%~1質量%である。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれる重合体粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記含有量を算出する。
本実施形態に用いる重合体粒子(A)の調製方法としては、特に限定されず、例えば、乳化重合や溶液重合等、種々の調製方法が選択できるが、水及び乳化剤の存在下に、ビニル単量体を乳化重合して調製することが好ましい。すなわち、重合体粒子(A)は水及び乳化剤の存在下に、ビニル単量体(a)を重合する調製方法によって得られる重合体粒子(ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有するエマルション粒子)であることが好ましい。換言すると、重合体粒子(A)は、乳化剤とビニル単量体(a)とに由来する重合体粒子(ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有するエマルション粒子)であることが好ましい。このようにして得られる重合体粒子(A)が接着層に含まれる場合、基材への密着性の維持により優れる傾向にある。なお、上記のようにして得られる重合体粒子(A)には、典型的には、水が同伴することから、本実施形態に用いる塗料組成物は水系塗料組成物であることが好ましい。ここで、「水系」とは、後述する溶媒(M)に含まれる成分の中で最も多い成分が水であることを意味する。
重合体粒子(A)の調製において、重合開始剤を使用することができる。前記重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド類、及び2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)プロピオンアミド]}、2,2’-アゾビス[(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド]、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチル-プロピオンジアミン]四水塩、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類などの有機系重合開始剤、並びに過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などの無機系重合開始剤などが挙げられる。また、重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸及びその塩等の還元剤を重合開始剤と組合せて用いる、いわゆるレドックス系重合開始剤も使用することができる。
[単位(a)の重量平均分子量]
本実施形態において、前記単位(a)の重量平均分子量は、1万以上500万以下である。上記重量平均分子量が前記範囲内にあることで、塗料組成物中に紫外線吸収性剤が併存する場合でも塗料安定性に優れ、後述する接着層(I)、及び、積層体(K)を形成した際、透明性、密着性、及び耐候性に優れる。また、塗料安定性のさらなる向上、及び後述する接着層(I)の密着性の観点から、前記単位(a)の重量平均分子量は100万以下であることがより好ましく、前記重合体粒子(A)合成時の安定性の観点から、前記単位(a)の重量平均分子量は10万以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、重合体粒子(A)中の単位(a)の含有量W1及び重量平均分子量Mw1と複合体(C)中の単位(a)の含有量W2及び重量平均分子量Mw2より次式にて当該塗料組成物中の単位(a)の重量平均分子量Mwを算出することとする。
Mw={Mw1×(W1/(W1+W2))+Mw2×(W2/(W1+W2))}/2
単位(a)の重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。また、単位(a)の重量平均分子量は、例えば、前述した連鎖移動剤の使用等により上述した範囲に調整することができる。
[重合体粒子(A)の平均粒子径]
本実施形態における重合体粒子(A)の平均粒子径は、動的光散乱法により観測される粒子の大きさから求められる。重合体粒子(A)の平均粒子径は、特に限定されないが、200nm以下であることが好ましい。重合体粒子(A)の平均粒子径を上記範囲に調整することにより、基材との接触面積向上により密着性がより一層優れた接着層を形成できる傾向にある。また、後述する接着層(I)の透明性向上の観点から、平均粒子径は100nm以下であることがより好ましく、貯蔵安定性が良好となる観点から、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。重合体粒子(A)の平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。重合体粒子(A)の平均粒子径は、例えば、重合条件等により上述した範囲に調整することができる。
本実施形態における重合体粒子(A)の含有量は、透明性、密着性及び耐候性により優れた塗膜を得る観点から、塗料組成物100質量%に対して、1%~40%が好ましく、2%~20%がより好ましく、4%~10%がさらに好ましい。
また、接着層(I)を形成した際、接着層100質量%に対する重合体粒子(A)の含有量は、上記と同様の観点から、20%~60%であることが好ましく、より好ましくは25%~50%である。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれる重合体粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記含有量を算出する。
[無機酸化物(B)]
本実施形態の塗料組成物は、必須成分として無機酸化物(B)を含む。塗料組成物が無機酸化物(B)を含むことで、後述する接着層(I)とハードコート層(J)の相互作用によって、後述する積層体(K)を形成した際の透明性、密着性、耐熱性に優れる。
本実施形態における無機酸化物(B)の具体例としては、以下に限定されないが、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、セリウム、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、マグネシウム、ビスマス、コバルト、銅などの酸化物が挙げられる。これらは単体であっても混合物でもよい。
前記無機酸化物(B)は、ハードコート層との密着性の観点から、乾式シリカやコロイダルシリカに代表される、シリカ粒子が好ましい。また、水性分散液の形態でも使用できるため、コロイダルシリカが好ましい。
[無機酸化物(B)の形状]
本実施形態における無機酸化物(B)の形状は、以下に限定されないが、例えば、球状、角状、多面体形状、楕円状、扁平状、線状、数珠状、鎖状などのうち1種または2種以上の混合物が挙げられる。本実施形態において、積層体(K)の透明性、耐摩耗性の観点から、無機酸化物(B)は、球状、及び/又は数珠状や鎖状等の連結構造を有するものであることが好ましい。さらに、後述する接着層(I)とハードコート層(J)との密着性の観点から、無機酸化物(B)は、数珠状や鎖状等の連結構造を有するものことがより好ましい。ここで、数珠状とは、球状の一次粒子が数珠状に連結した構造であり、鎖状とは、球状の一次粒子が鎖状に連結した構造である。本実施形態においては、無機酸化物(B)が球状、及び/又は連結構造を有するシリカであることがとりわけ好ましく、連結構造を有するシリカであることが最も好ましい。
本実施形態における無機酸化物(B)の平均粒子径は、水系原料組成物の貯蔵安定性が良好となる観点から、2nm以上であることが好ましい。積層体全体としての透明性が良好となる観点から、150nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以下である。このため、一次平均粒子径は、好ましくは2nm以上100nm以下であり、より好ましくは2nm以上50nm以下であり、さらに好ましくは4nm以上50nm以下である。平均粒子径は、以下に限定されないが、例えば、後述する実施例に記載の方法(動的光散乱法)に基づいて測定することができる。
[無機酸化物(B)として好適に用いられるコロイダルシリカ]
本実施形態で好適に用いられる水を分散溶媒とする酸性のコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、ゾル-ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。ゾル-ゲル法で調製する場合には、Werner Stober etal;J.Colloid and Interface Sci.,26,62-69(1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6,792-801(1990)、色材協会誌,61[9]488-493(1988)などを参照できる。
市販品を利用する場合、例えば、スノーテックス-O、スノーテックス-OS、スノーテックス-OXS、スノーテックス-O-40、スノーテックス-OL、スノーテックスOYL、スノーテックス-OUP、スノーテックス-PS-SO、スノーテックス-PS-MO、スノーテックス-AK-XS、スノーテックス-AK、スノーテックス-AK-L、スノーテックス-AK-YL、スノーテックス-AK-PS-S(商品名、日産化学工業株式会社製)、アデライトAT-20Q(商品名、旭電化工業株式会社製)、クレボゾール20H12、クレボゾール30CAL25(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)などが挙げられる。
また、塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、特に限定されないが、例えば、スノーテックス-20、スノーテックス-30、スノーテックス-XS、スノーテックス-50、スノーテックス-30L、スノーテックス-XL、スノーテックス-YL、スノーテックスZL、スノーテックス-UP、スノーテックス-ST-PS-S、スノーテックスST-PS-M、スノーテックス-C、スノーテックス-CXS、スノーテックス-CM、スノーテックス-N、スノーテックス-NXS、スノーテックス-NS、スノーテックス-N-40(商品名、日産化学工業株式会社製)、アデライトAT-20、アデライトAT-30、アデライトAT-20N、アデライトAT-30N、アデライトAT-20A、アデライトAT-30A、アデライトAT-40、アデライトAT-50(商品名、旭電化工業株式会社製)、クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)、ルドックスHS-40、ルドックスHS-30、ルドックスLS、ルドックスAS-30、ルドックスSM-AS、ルドックスAM、ルドックスHSA及びルドックスSM(商品名、デュポン社製)などが挙げられる。
また、水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、日産化学工業株式会社製MA-ST-M(粒子径が20~25nmのメタノール分散タイプ)、IPA-ST(粒子径が10~15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG-ST(粒子径が10~15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EGST-ZL(粒子径が70~100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC-ST(粒子径が10~15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)、TOL-ST(粒子径が10~15nmのトルエン分散タイプ)などが挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、特に限定されないが、例えば、日本アエロジル株式会社製 AEROSIL、株式会社トクヤマ製レオロシールなどが挙げられる。
シリカ粒子は、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミンなど)を含んでいてもよい。
[重合体粒子(A)と無機酸化物(B)の複合体(C)]
本実施形態の塗料組成物において、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)とは、両成分の混合により得られる混合物として含まれていてもよく、また、予め重合体粒子(A)と無機酸化物(B)とを複合化して得られる複合体(C)として含まれていてもよい。本実施形態の塗料組成物は、塗料安定性、及び、後述する接着層(I)や積層体(K)の透明性の観点から、複合体(C)を含むことが好ましい。重合体粒子(A)と無機酸化物(B)の複合体(C)は、例えば、無機酸化物(B)の存在下に、前述した重合体粒子(A)を構成するビニル単量体を重合することで得られる。当該ビニル単量体は、無機酸化物(B)との相互作用の観点から、前述した水酸基含有ビニル単量体、及び/又は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体を含むことが好ましく、それによって無機酸化物(B)の水酸基との水素結合により、好ましく複合体(C)が形成される傾向にある。
本実施形態において、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、及び/又は、複合体(C)の平均粒子径が、後述する接着層(I)、及び、積層体(K)の透明性の観点から、2nm以上200nm以下であることが好ましく、50nm以上150nm以下であることがより好ましい。上記平均粒子径は、動的光散乱法により観測される粒子の大きさから求められる。
[塗料組成物の全固形分に対する無機酸化物(B)の質量比]
本実施形態において、後述する接着層(I)や積層体(K)の透明性、密着性、耐熱性の観点から、塗料組成物の全固形分に対する前記無機酸化物(B)の質量比が、25%~60%であることが好ましく、35%~50%であることがより好ましい。ここで、塗料組成物の全固形分とは、塗料組成物中に含まれる揮発成分以外の成分の合計重量を表す。塗料中の揮発成分としては、後述する溶媒(M)が主に該当する。なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の無機酸化物(B)とを含む場合、複合体(C)に含まれる無機酸化物と、それとは別体の無機酸化物(B)の合計量として上記質量比を算出する。
[有機系紫外線吸収剤(D)]
本実施形態の塗料組成物は、耐候性向上の観点から、有機系紫外線吸収剤(D)を含むことが好ましい。有機系紫外線吸収剤(D)の具体例としては、以下に限定されないが、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’ジメトキシベンゾフェノン(BASF社製の商品名「UVINUL3049」)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(BASF社製の商品名「UVINUL3050」)、4-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、5-ベンゾイルー2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ステアリルオキシベンゾフェノン、4,6-ジベンゾイルレゾルチノール、などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル-3-〔3-tert-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(BASF社製の商品名「TINUVIN1130」)、イソオクチル-3-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(BASF社製の商品名「TINUVIN384」)、2-(3-ドデシル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製の商品名「TINUVIN571」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール〕、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(BASF社製の商品名「TINUVIN900」)、TINUVIN384-2、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN109、TINUVIN970、TINUVIN328、TINUVIN171、TINUVIN970、TINUVIN PS、TINUVIN P、TINUVIN99-2、TINVIN928(商品名、BASF社製)などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシー4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビスブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(BASF社製の商品名「TINUVIN460」)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(BASF社製の商品名「TINUVIN479」)、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンとを含む混合物(BASF社製の商品名「TINUVIN400」)、TINUVIN405、TINUVIN477、TINUVIN1600(商品名、BASF社製)などのトリアジン系紫外線吸収剤;HOSTAVIN PR25、HOSTAVIN B-CAP、HOSTAVIN VSU(商品名、クラリアント社製)、などのマロン酸エステル系紫外線吸収剤;HOSTAVIN3206 LIQ、HOSTAVINVSU P、HOSTAVIN3212 LIQ(商品名、クラリアント社製)、などのアニリド系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート、などのサリシレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
有機系紫外線吸収剤(D)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機系紫外線吸収剤(D)は、耐候性の観点から、トリアジン系紫外線吸収剤を含むことが好ましく、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、及び/又は、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンとを含む混合物を含むことがより好ましい。
[単位(a-1)と有機系紫外線吸収剤(D)の質量比]
本実施形態において、前記紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)と前記有機系紫外線吸収剤(D)の質量比は1:0.5~1:40の範囲にあることが好ましく、1:1~1:10の範囲にあることがより好ましく、1:2~1:6の範囲にあることがさらに好ましい。単位(a-1)と前記有機系紫外線吸収剤(D)の質量比が上記範囲内にあることで、塗料中での紫外線吸収剤の分散性が良好となり、後述する接着層(I)、及び/又は、積層体(K)を形成した際の透明性や密着性、耐候性に優れる傾向にある。なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれるエマルション粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記質量比を算出する。
[イソシアネート化合物]
本実施形態における塗料組成物は、後述する接着層(I)や積層体(K)の密着性、耐熱性向上の観点から、硬化剤として、イソシアネート化合物及び/又はウレタン化合物を含有することが好ましい。イソシアネート化合物とは、少なくともイソシアネート基を1分子中に1個以上有する化合物のことをいう。イソシアネート化合物は、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物であってよい。前記イソシアネート化合物としては、以下に限定されないが、例えば、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6-ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ-ト;1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアナート-4-イソシアナートメチルオクタン、2-イソシアナートエチル(2,6-ジイソシアナート)ヘキサノエートなどの脂肪族トリイソシアネート;1,3-または1,4-ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3-または1,4-ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5-トリメチル(3-イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,5-または2,6-ジイソシアナートメチルノルボルナンなどの脂環族ジイソシアネ-ト;2,5-または2,6-ジイソシアナートメチル-2-イソシネートプロピルノルボルナンなどの脂環族トリイソシアネート;m-キシリレンジイソシアネート、α,α,α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネートなどのアラルキレンジイソシアネート;m-またはp-フェニレンジイソシアネート、トリレン-2,4-または2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナート-3,3’-ジメチルジフェニル、3-メチル-ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’-ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェートなどの芳香族トリイソシアネート、さらには上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するジイソシアネートあるいはポリイソシアネート;上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを二酸化炭素と反応せしめて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを種々のアルコールと反応せしめて得られるアロファネート構造を有するポリイソシアネート;上記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートを、ポリヒドロキシ化合物、ポリカルボキシ化合物、ポリアミン化合物の如き活性水素を含有する化合物と反応させて得られるポリイソシアネート等が挙げられる。さらに分子内にアルコキシシラン部位及び/又はシロキサン部位を有するイソシアネート化合物として、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等及び/又は3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等の加水分解縮合物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して使用できる。
[ブロックポリイソシアネート化合物(E)]
前記イソシアネート化合物は、塗料中での分散性の観点から、イソシアネート基をブロック化剤と反応させたブロックポリイソシアネート化合物(E)であることがより好ましい。
前記ブロック化剤としては、特に限定されないが、硬化剤として機能するものを適宜選択でき、例えば、オキシム系化合物、アルコール系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物、活性メチレン系化合物、イミダゾール系化合物、及びピラゾール系化合物が挙げられる。オキシム系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、及びシクロヘキサノンオキシムが挙げられる。アルコール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、及び2-ブトキシエタノールが挙げられる。酸アミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、及びγ-ブチロラクタムが挙げられる。酸イミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸イミド、及びマレイン酸イミドが挙げられる。フェノール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、及びヒドロキシ安息香酸エステルが挙げられる。アミン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、及びイソプロピルエチルアミンが挙げられる。活性メチレン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、及びアセチルアセトンが挙げられる。イミダゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール、及び2-メチルイミダゾールが挙げられる。ピラゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール、3-メチルピラゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールが挙げられる。
前記ブロックポリイソシアネート化合物(E)としては、水分散性の観点からは、上記1分子中にイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物と、ノニオン性及び/又はイオン性の親水基を有する水酸基含有親水性化合物とをイソシアネート基/水酸基の当量比が1.05~1000の範囲で反応させてなる水分散性イソシアネート化合物を、前記ブロック化剤と反応させたものが好ましい。かかる水分散性ブロックポリイソシアネート化合物(E)としては特に限定されず、市販品を採用することもでき、例えば、旭化成(株)製のWT30-100や旭化成(株)製のWM44-L70Gが上述した特徴を備えるものとして好ましく用いられる。
[NCO/OH比]
本実施形態の塗料組成物における前記イソシアネート化合物の水酸基含有ビニル単量体(a-2)を含む単量体から重合された重合体粒子(A)に対する含有量は、重合体粒子(A)中に含まれる水酸基のモル数と前記イソシアネート化合物中に含まれるイソシアネート基のモル数との比(NCO/OH比)が0.1~1.0であることが好ましく、0.3~0.8であることがより好ましい。NCO/OH比が上記範囲内にあることで、後述する接着層(I)、及び、積層体(K)を形成した際に、透明性を損なうことなく、優れた密着性、耐熱性を発現できる。
なお、本実施形態においては、塗料組成物が複合体(C)とそれとは別体の重合体粒子(A)とを含む場合、複合体(C)に含まれる重合体粒子と、それとは別体の重合体粒子(A)の合計量として上記含有量を算出する。
[溶媒(M)]
本実施形態の塗料組成物は溶媒(M)を含有することが好ましい。作業現場への衛生状態や地球環境への負荷低減の観点から、溶媒(M)中の50質量%以上が水であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは75質量%以上である。水以外の使用可能な溶媒としては、特に限定されず、一般的な溶媒を用いることができる。溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、エタノール、メタノール、変性エタノール、2-メトキシ-1-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコールグリセリン、モノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのアルコール類;トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化合物類;ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン;などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用しても構わない。溶媒(M)の含有量は、塗料組成物の分散安定性の観点から、塗料組成物100質量%に対して、75質量%以上が好ましく、接着層成膜時の膜厚担保の観点から、95質量%以下が好ましい。
[塗料組成物に含んでもよい成分]
本実施形態の塗料組成物は、用途に応じて、乳化剤、可塑剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤、触媒を含んでもよい。特に耐候性向上の観点から、光安定剤を含むことが好ましい。具体的には、以下に限定されないが、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、1-〔2-〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕-4-〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル-セバケートの混合物(BASF社製の商品名「TINUVIN292」)、ビス(1-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN152、TINUVIN249、TINUVIN292、TINUVIN5100(商品名、BASF社製)などのヒンダードアミン系光安定剤;1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルアクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,-テトラメチル-4-イミノピペリジルメタクリレート、4-シアノ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、4-シアノ-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレートなどのラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤;ユーダブルE-133、ユーダブルE-135、ユーダブルS-2000、ユーダブルS-2834、ユーダブルS-2840、ユーダブルS-2818、ユーダブルS-2860(商品名、日本触媒株式会社製)などの光安定性を有する重合体などが挙げられる。
[塗料組成物の濃度、粘度]
本実施形態の塗料組成物は、塗装性の観点から、好ましい固形分濃度は0.01~60質量%、より好ましくは1~40質量%である。また、塗装性の観点から、本実施形態の塗料組成物の20℃における粘度としては、0.1~100000mPa・sが好ましく、1~10000mPa・sがより好ましい。
[塗料組成物のpH]
本実施形態において、塗料組成物のpHは7~11である。pHが前記範囲内にあることで、重合体粒子(A)の分散性が向上し、結果として塗料安定性が向上する。また、後述する接着層(I)の透明性の観点から、pHは8~11の範囲にあることがより好ましい。pHは後述する実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。また、pHは、例えば、アンモニアを添加すること等により上述した範囲に調整することができる。
[接着層(I)付き基材]
本実施形態の接着層(I)付き基材は、基材と、前記基材上に配される接着層(I)と、を備える接着層付き基材であって、前記接着層(I)が、本実施形態の塗料組成物を含む。「接着層(I)が本実施形態の塗料組成物を含む」とは、接着層(I)が本実施形態の塗料組成物から得られることを包含する趣旨である。すなわち、接着層(I)は、例えば、本実施形態における塗料組成物を基材に塗装し、熱処理、紫外線照射、赤外線照射などによって塗膜化することにより得ることができる。さらに、前記塗装方法としては、以下に限定されないが、例えばスプレー吹付法、フローコート法、刷毛塗法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。なお、塗装された本実施形態の塗料組成物は、好ましくは室温~250℃、より好ましくは40℃~150℃での熱処理や紫外線、赤外線照射などにより塗膜化することができる。さらに、この塗装は、すでに成型した基材だけでなく、防錆鋼板を含むプレコートメタルのように、成型加工する前にあらかじめ平板に塗装することも可能である。
上記接着層(I)の厚みは、後述する密着性の観点から、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.3μm以上あり、透明性の観点から、好ましくは100.0μm以下であり、より好ましくは50.0μm以下である。
上記基材としては、特に限定されないが、樹脂、金属、ガラス等が挙げられる。基材の形状としては、以下に限定されないが、例えば、板状、凹凸を含む形状、曲面を含む形状、中空の形状、多孔体の形状、それらの組み合わせ、などが挙げられる。また、基材の種類は問わず、例えば、シート、フィルム、繊維、などが挙げられる。その中で、耐摩耗性の付与や成形性の観点から樹脂であることが好ましい。基材として用いられる樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。基材として用いられる熱可塑性樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂などが挙げられる。また基材として用いられる熱硬化性樹脂としては、以下に限定されないが、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、シリコーンゴム、SBゴム、天然ゴム、熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。
[積層体(K)]
本実施形態における積層体(K)は、本実施形態の接着層付き基材と、前記接着層付き基材上に配されるハードコート層と、を備える積層体であって、前記ハードコート層が、無機酸化物(F)と重合体ナノ粒子(G)とを含有するマトリクス成分(H)を含み、前記重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、前記マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHとが、HMH/HMG>1の関係を満たす。本実施形態における積層体(K)は、前記接着層(I)付き基材上に、前記ハードコート層(J)を備えるため、優れた耐摩耗性、密着性、耐久性及び光学特性を有する。本実施形態の積層体(K)は、高いレベルでの耐摩耗性、密着性、耐久性及び光学特性を発現するため、以下に限定されないが、例えば、建材、自動車部材や電子機器や電機製品等のハードコートとして有用であり、とりわけ自動車部材用とすることが好ましい。
[ハードコート層(J)]
本実施形態におけるハードコート層(J)は、前記接着層(I)付き基材上に配されると共に無機酸化物(F)と重合体ナノ粒子(G)を含有するマトリクス成分(H)を含むものであり、積層体(K)の耐久性に寄与する。
本実施形態において、積層体(K)の耐摩耗性の観点から、前記重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、前記マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHとが、HMH/HMG>1の関係を満たす。なお、上記マルテンス硬度HMG及びマルテンス硬度HMHの大小関係を確認し難い場合でも、後述する重合体ナノ粒子(G)及びマトリクス成分(H)の凝着力を比較することで、前述したマルテンス硬度の大小関係を推定することができる。凝着力は、低いほど弾性が高いため、凝着力が低いほど塗膜は変形しにくく、硬度が高いことを表す。具体的には、上述した好ましいハードコート層(J)は、次のように特定することもできる。すなわち、本実施形態におけるハードコート層(J)は、重合体ナノ粒子(G)と、マトリクス成分(H)と、を含み、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の凝着力モードで測定される、前記重合体ナノ粒子Gの凝着力Fと、前記マトリクス成分(H)の凝着力Fとが、F/F>1の関係を満たす。
本実施形態のハードコート層(J)において、重合体ナノ粒子(G)は、マトリクス成分(H)に分散していることが好ましい。本実施形態における「分散」とは、重合体ナノ粒子(G)を分散相とし、マトリクス成分(H)を連続相とし、重合体ナノ粒子(G)がマトリクス成分(H)中へ均一または構造を形成しながら分布することである。上記分散は、ハードコート層の断面SEM観察によって確認することができる。本実施形態におけるハードコート層においては、重合体ナノ粒子(G)が、マトリクス成分(H)に分散していることにより、積層体(K)が高い耐摩耗性を有する傾向にある。
[マルテンス硬度]
本実施形態におけるマルテンス硬度は、ISO14577-1に準拠した硬度であり、測定条件(ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件2mN/20sec、荷重の減少条件2mN/20sec)において2mNでの押し込み深さから算出される値である。本実施形態におけるマルテンス硬度は、例えば、微小硬度計フィッシャースコープ(フィッシャー・インストルメンツ社製HM2000S)、超微小押し込み硬さ試験機(株式会社エリオニクス社製ENT-NEXUS)、ナノインデンター(東陽テクニカ社製iNano、G200)、ナノインデンテーションシステム(ブルカー社製TI980)を用いて測定でき、押し込み深さが浅い程マルテンス硬度は高く、深い程マルテンス硬度は低い。
[凝着力]
本実施形態における凝着力は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)で測定することができ、凝着力が低いほど弾性が高いため、凝着力が低いほど塗膜は変形しにくく、硬度が高い。凝着力の測定方法は、以下に限定されないが、例えば、島津製作所製SPM-970、SPM-9700HT、Bruker AXS社製Dimension ICON、日立ハイテクサイエンス社製AFM5000II等を用いて測定することができる。
[他の硬度]
上述した本実施形態におけるマルテンス硬度や凝着力の大小関係は、他の硬度を指標として測定値の大小関係を確認することによっても推定することができる。他の硬度としては、材料に力が加えられた際の、材料の変形のしにくさを示す指標であれば特に限定されず、微小硬度計やナノインデンテーション測定機器に代表される押し込み硬度計で測定されるビッカース硬度、インデンテーション硬度や、剛体振り子型物性試験器に代表される振り子型粘弾性で測定される対数減衰率で表現される指標を挙げることができる。その他、走査型プローブ顕微鏡(SPM)で測定される、位相、摩擦力、粘弾性、吸着力、硬さ及び弾性率で表現される指標を挙げることもできる。これらの指標において、マトリクス成分(H)の硬度が重合体ナノ粒子(G)の硬度よりも高いことが確認されれば、マルテンス硬度や凝着力についても、マトリクス成分(H)の方が重合体ナノ粒子(G)よりも硬質であることが推定される。
[重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGとマトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMH]
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHとは、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
HMH/HMG>1 式(1)
式(1)は、柔軟な重合体ナノ粒子(G)が硬質なマトリクス成分(H)中に存在することを表しており、このように硬度が3次元的に傾斜をもつことで、ハードコート層(J)は、従来の塗膜では発現しなかったような耐摩耗性を付与できる傾向にある。この要因としては、以下に限定する趣旨ではないが、柔軟なナノ粒子が衝撃を吸収し、硬質なマトリクス成分が変形を抑制しているためと推察される。HMGの範囲としては、衝撃吸収性の観点から、50N/mm以上が好ましく、100N/mm以上がより好ましく、成膜性の観点から2000N/mm以下が好ましく、800N/mm以下がより好ましく、350N/mm以下が更に好ましい。HMHの範囲としては衝撃吸収性の観点から100N/mm以上が好ましく、150N/mm以上がより好ましく、成膜性の観点から4000N/mm以下が好ましく、2000N/mm以下がより好ましい。
なお、ハードコート層(J)は、後述する塗料組成物(L)を加水分解縮合等により硬化させた硬化物として得ることができる。重合体ナノ粒子(G)は、かかる硬化の過程においてその組成は変化しないことが通常である。したがって、後述する実施例に記載された方法により測定される塗料組成物(L)中の重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGの値は、ハードコート層(J)中の重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGによく一致するものとして、ハードコート層(J)におけるマルテンス硬度HMGの値を決定することができる。また、マトリクス成分(H)は、後述するマトリクス原料成分(H’)を加水分解縮合等により硬化させた硬化物に該当する。したがって、後述する実施例に記載された方法により測定されるマトリクス原料成分(H’)のマルテンス硬度HMHの値は、対応するマトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHによく一致するものとして、マルテンス硬度HMHの値を決定することができる。
上記HMG及びHMHの値は、それぞれ、重合体ナノ粒子(G)及び後述するマトリクス原料成分(H’)の構成成分の構造及び組成比等により、前述した大小関係となるように調整できるが、特にこの方法に限定されるものではない。
[重合体ナノ粒子(G)の凝着力Fとマトリクス成分(H)の凝着力F
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)の凝着力Fと、マトリクス成分(H)の凝着力Fとは、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
/F>1 式(2)
上記式(1)と同様に、式(2)も柔軟な重合体ナノ粒子(G)が硬質なマトリクス成分(H)中に存在することを表しており、このように硬度が3次元的に傾斜をもつことで、ハードコート層(J)は、従来の塗膜では発現しなかったような耐摩耗性を付与できる傾向にある。この要因としては、以下に限定する趣旨ではないが、柔軟なナノ粒子が衝撃を吸収し、硬質なマトリクス成分が変形を抑制しているためと推察される。
上述のとおり、重合体ナノ粒子(G)の凝着力F及びマトリクス成分(H)の凝着力Fとは各成分の硬度と相関があり、重合体ナノ粒子(G)及び後述するマトリクス原料成分(H’)の構成成分の構造及び組成比等により、前述した大小関係となるように調整できるが、特にこの方法に限定されるものではない。
[ハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJ]
ハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJは、積層体(K)の耐摩耗性の観点から100N/mm以上であり、高いほど衝撃に対し変形が少なく、破壊を伴う傷付きが少ない点で有利である。ハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJは、好ましくは100N/mm以上であり、より好ましくは150N/mm以上であり、更に好ましくは200N/mm以上であり、耐屈曲性の観点から、好ましくは4000N/mm以下、より好ましくは2000N/mm以下、更に好ましくは1500N/mm以下である。ハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJを上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、後述する式(3)で表される所定の関係を満たす、重合体ナノ粒子(G)と後述するマトリクス原料成分(H’)を混合した組成物を溶媒中で分散、溶解させた塗料組成物を、基材上に塗装し、熱処理、紫外線照射、赤外線照射などによって塗膜化することが挙げられる。特に、重合体ナノ粒子(G)とマトリクス成分(H)の合計量に対するマトリクス成分(H)の含有量を増やすと、ハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJは上がる傾向にあり、マトリクス成分(H)の含有量を減らすとハードコート層(J)のマルテンス硬度HMJは下がる傾向にある。
[テーバー摩耗試験におけるヘイズ変化量]
本実施形態におけるテーバー摩耗試験とは、ASTM D1044に記載の方法で測定される方法に準じており、摩耗輪CS-10F、荷重500gの条件下で測定を実施する。ヘイズ変化量が小さいほど耐摩耗性に優れた材料となり、試験前におけるヘイズに対する500回転におけるヘイズ変化量、すなわち回転数500回におけるヘイズと前記テーバー摩耗試験前のヘイズとの差が10以下であれば、ECE R43のリアクオーターガラスの規格に適合し、4以下であれば、ANSI/SAE Z.26.1の規格に適合し、自動車用窓材として好適に使用可能である。また、1000回転におけるヘイズ変化量、すなわち、回転数1000回におけるヘイズと前記テーバー摩耗試験前のヘイズとの差が10以下であれば、自動車窓の規格に適合し、自動車用窓材として好適に使用でき、2以下であればANSI/SAE Z.26.1、ECE R43、JIS R3211/R3212の規格に適合し、全ての自動車用窓材に好適に使用可能である。1000回転におけるヘイズ変化量が10以下であれば好ましく、6以下であればより好ましく、2以下であれば、更に好ましい。ヘイズ変化量を上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、後述する式(3)で表される所定の関係を満たす、重合体ナノ粒子(G)と後述するマトリクス原料成分(H’)を混合した組成物を溶媒中で分散、溶解させた塗料組成物を、基材上に塗装し、熱処理、紫外線照射、赤外線照射などによって塗膜化することが挙げられる。
[ハードコート層(J)中の重合体ナノ粒子(G)の体積分率]
本実施形態において、ハードコート層(J)中の重合体ナノ粒子(G)の体積分率は成膜性の観点から、好ましくは2%以上であり、より好ましくは3%以上であり、更に好ましくは5%以上であり、透明性の観点から、好ましくは80%以下であり、より好ましくは70%以下であり、更に好ましくは45%以下である。ハードコート層(J)中の重合体ナノ粒子(G)の体積分率は、例えば、ハードコート層(J)の断面SEM画像における塗膜全体の中での重合体ナノ粒子(G)の割合や、ハードコート層(J)を構成させる成分中の重合体ナノ粒子(G)の成分比から算出することができる。
[重合体ナノ粒子(G)の構成成分]
[加水分解性珪素化合物(g)]
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)は、加水分解性珪素化合物(g)を含むことが好ましい。加水分解性珪素化合物(g)は、加水分解性を有する珪素化合物、その加水分解生成物、及び縮合物であれば、特に限定されない。
加水分解性珪素化合物(b)は、耐摩耗性や耐候性が向上する観点から、下記式(g-1)で表される原子団を含有する化合物、その加水分解生成物、及び縮合物であることが好ましい。
-R n1SiX 3-n1 (g-1)
式(g-1)中、Rは、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表し、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、又はエポキシ基を含有する置換基を有していてもよく、Xは、加水分解性基を表し、n1は、0~2の整数を表す。加水分解性基は、加水分解により水酸基が生じる基であれば特に限定されず、このような基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基などが挙げられる。
式(g-1)で表される原子団を含有する化合物の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシラン、ヘキシルトリエトキシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、1,1-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,3-ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6-ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,7-ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、1,7-ビス(トリエトキシシリル)ヘプタン、1,8-ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、トリアセトキシシラン、トリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリス(トリフルオロアセトキシ)シラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス-(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、メチルトリフルオロシラン、トリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルシラン、2-[(トリエトキシシリル)プロピル]ジベンジルレゾルシノール、2-[(トリメトキシシリル)プロピル]ジベンジルレゾルシノール、2,2,6,6-テトラメチル-4-[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]ピペリジン、2-ヒドロキシ-4-[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]ベンゾフェノンなどが挙げられる。
加水分解性珪素化合物(g)は、ハードコート層に高い硬度を付与でき、より耐摩耗性が向上する観点から、下記式(g-2)で表される化合物、その加水分解生成物、及び縮合物を含むことが好ましい。
SiX (g-2)
式(a-2)中、Xは、加水分解性基を表す。加水分解性基は、加水分解により水酸基が生じる基であれば特に限定されず、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基などが挙げられる。
式(g-2)で表される化合物の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n-プロポキシ)シラン、テトラ(i-プロポキシ)シラン、テトラ(n-ブトキシ)シラン、テトラ(i-ブトキシ)シラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラ(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラ(トリフルオロアセトキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラフルオロシラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(例えば、多摩化学工業社製の商品名「Mシリケート51」、「シリケート35」、「シリケート45」、「シリケート40」、「FR-3」;三菱化学社製の商品名「MS51」、「MS56」、「MS57」、「MS56S」;コルコート社製の商品名「メチルシリケート51」、「メチルシリケート53A」、「エチルシリケート40」、「エチルシリケート48」、「EMS-485」、「N-103X」、「PX」、「PS-169」、「PS-162R」、「PC-291」、「PC-301」、「PC-302R」、「PC-309」、「EMSi48」)などが挙げられる。
以上のとおり、本実施形態において、加水分解性珪素化合物(g)が、上記式(g-1)で表される原子団を含有する化合物、その加水分解生成物及び縮合物、並びに上記式(g-2)で表される化合物、その加水分解生成物及び縮合物より選択される1種以上を含むことが好ましい。
[重合体ナノ粒子(G)中の加水分解性珪素化合物(g)の含有量]
本実施形態における加水分解性珪素化合物(g)の含有量とは、重合体ナノ粒子(G)中に含まれる加水分解性珪素化合物(g)の固形分重量割合を示し、含有量が高いほど耐摩耗性や耐候性、耐熱性が向上する観点から、含有量が高いほど好ましく、含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。重合体ナノ粒子(G)中の加水分解性珪素化合物(g)の含有量は、以下に限定されないが、例えば、重合体ナノ粒子(G)のIR解析、NMR解析、元素分析等で測定することができる。
[マトリクス成分(H)]
本実施形態におけるマトリクス成分(H)を用いることにより、ハードコート層(J)に衝撃吸収性を付与でき、ハードコート層(J)のテーバー摩耗試験におけるヘイズ変化量を小さくできる。マトリクス成分(H)の硬度HMHについては、後述するマトリクス原料成分(H’)の構成成分の構造及び組成比により、前述した範囲に制御できるが、特にこの方法に限定されるものではない。
[マトリクス成分(H)の構成成分]
[加水分解性珪素化合物(h)]
本実施形態におけるマトリクス成分(H)は、重合体ナノ粒子(G)が分散できるような成分であれば特に限定されない。本実施形態において、高靭性の観点から、マトリクス成分(H)は、加水分解性珪素化合物(h)を含むことが好ましい。本明細書において、「マトリクス成分(H)が加水分解性珪素化合物(h)を含む」とは、マトリクス成分(H)が、加水分解性珪素化合物(h)に由来する構成単位を有する高分子を含むことを意味する。加水分解性珪素化合物(h)は、加水分解性を有する珪素化合物、その加水分解生成物及び縮合物であれば、特に限定されない。
マトリクス成分(H)としては、上述した高分子以外にも、重合体ナノ粒子(G)を除く様々な成分が含まれていてもよい。その中でも、上述した高分子以外に含まれ得るその他の高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性樹脂;PMMA、PAN、ポリアクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、PTFE、PVDF、EVA等のポリマー;及びこれらのコポリマー等が挙げられる。
加水分解性珪素化合物(h)は、積層体(K)の耐摩耗性及び耐候性が一層向上する観点から、下記式(h-1)で表される原子団を含有する化合物、その加水分解生成物、及び縮合物、並びに下記式(h-2)で表される化合物、その加水分解生成物、及び縮合物からなる群より選択される1種以上を含むことが好ましい。
-R n2SiX 3-n2 (h-1)
式(h-1)中、Rは、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表し、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、又はエポキシ基を含有する置換基を有していてもよく、Xは、加水分解性基を表し、n2は、0~2の整数を表す。加水分解性基は、加水分解により水酸基が生じる基であれば特に限定されず、そのような基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基などが挙げられる。
SiX (h-2)
式(h-2)中、Xは、加水分解性基を表す。加水分解性基は、加水分解により水酸基が生じる基であれば特に限定されず、そのような基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基などが挙げられる。
一般式(h-1)で表される原子団を含む化合物の具体例としては、以下に限定されないが、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシラン、ヘキシルトリエトキシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3-ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、1,1-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3-ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ブタン、1,5-ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、1,3-ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4-ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4-ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,6-ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,7-ビス(トリメトキシシリル)ヘプタン、1,7-ビス(トリエトキシシリル)ヘプタン、1,8-ビス(トリメトキシシリル)オクタン、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、トリアセトキシシラン、トリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリス(トリフルオロアセトキシ)シラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス-(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、メチルトリフルオロシラン、トリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルシラン、2-[(トリエトキシシリル)プロピル]ジベンジルレゾルシノール、2-[(トリメトキシシリル)プロピル]ジベンジルレゾルシノール、2,2,6,6-テトラメチル-4-[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]ピペリジン、2-ヒドロキシ-4-[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]ベンゾフェノンなどが挙げられる。
式(h-2)で表される化合物の具体例としては、以下に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n-プロポキシ)シラン、テトラ(i-プロポキシ)シラン、テトラ(n-ブトキシ)シラン、テトラ(i-ブトキシ)シラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラ(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラ(トリフルオロアセトキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラフルオロシラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(例えば、多摩化学工業社製の商品名「Mシリケート51」、「シリケート35」、「シリケート45」、「シリケート40」、「FR-3」;三菱化学社製の商品名「MS51」、「MS56」、「MS57」、「MS56S」;コルコート社製の商品名「メチルシリケート51」、「メチルシリケート53A」、「エチルシリケート40」、「エチルシリケート48」、「EMS-485」、「N-103X」、「PX」、「PS-169」、「PS-162R」、「PC-291」、「PC-301」、「PC-302R」、「PC-309」、「EMSi48」)などが挙げられる。
以上のとおり、本実施形態において、加水分解性珪素化合物(h)が、上記式(h-1)で表される原子団を含有する化合物、その加水分解生成物及び縮合物、並びに上記式(h-2)で表される化合物、その加水分解生成物及び縮合物より選択される1種以上を含むことが好ましい。
本実施形態において、「重合体ナノ粒子(G)に含まれる加水分解性珪素化合物(g)」は、「マトリクス成分(H)に含まれる加水分解性珪素化合物(h)」と同一種のものであってもよく、別種のものであってもよい。両者が同一種である場合であっても、重合体ナノ粒子(G)に含まれる方を加水分解性珪素化合物(g)とし、マトリクス成分(H)に含まれる方を加水分解性珪素化合物(h)とすることで区別するものとする。
[無機酸化物(F)]
本実施形態におけるマトリクス成分(H)は、無機酸化物(F)を含む。無機酸化物(F)を含むことにより、マトリクス成分(H)の硬度を向上させ耐摩耗性が向上する。また、無機酸化物(F)の粒子表面の水酸基の親水性によって塗膜の耐汚染性が向上する傾向にある。
本実施形態における無機酸化物(F)の具体例としては、以下に限定されないが、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、セリウム、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデン、ニオブ、マグネシウム、ビスマス、コバルト、銅などの酸化物が挙げられる。これらは形状を問わず、単独で用いてもよく、混合物として用いてもよい。無機酸化物(F)としては、前述した加水分解性珪素化合物(h)との相互作用の観点から、乾式シリカやコロイダルシリカに代表されるシリカ粒子を更に含むことが好ましく、分散性の観点から、シリカ粒子の形態としてコロイダルシリカを更に含むことが好ましい。無機酸化物(F)がコロイダルシリカを含む場合、水性分散液の形態であることが好ましく、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができる。
また、本実施形態において、無機酸化物(F)は、Ce、Nb、Al、Zn、Ti、Zr、Sb、Mg、Sn、Bi、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも1種の無機成分(以下、単に「無機成分」ともいう。)を含有することが好ましい。無機酸化物(F)が当該無機成分を含むことにより、耐摩耗性と耐久性を損ねることなく耐候性が向上する傾向にある。以下に限定されないが、市販品を利用する場合、例えば、CIKナノテック株式会社製の酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化銅、酸化錫、酸化チタンの超微粒子マテリアル製品;多木化学社製の酸化チタン「タイノック」(商品名)、酸化セリウム「ニードラール」(商品名)、酸化錫「セラメース」(商品名)、酸化ニオブゾル、酸化ジルコニウムゾルが挙げられる。耐候性向上性能の観点から、無機酸化物(F)が、Ce、Nb、Zn、Ti及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の無機成分を含むことが好ましく、Ceを含むことがより好ましい。
本実施形態における無機酸化物(F)は、耐摩耗性、耐久性及び耐候性のバランスの観点から、Ce、Nb、Zn、Ti及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の無機酸化物(F’)を含有することが好ましく、ハードコート塗膜中における無機酸化物(F’)の含有量は、特に限定されないが、耐摩耗性、耐久性及び耐候性のバランスの観点から、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上である。また、透明性の観点から、上記含有量は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下である。ここで、上記含有量は、ハードコート塗膜を100質量%としたときのCe、Nb、Zn、Ti及びZrの総量として特定することができる。
[無機酸化物(F)の平均粒子径]
本実施形態における無機酸化物(F)の平均粒子径は、ハードコート層(J)の組成物の貯蔵安定性が良好となる観点から、2nm以上であることが好ましい。積層体全体としての透明性が良好となる観点から、150nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以下であり、更に好ましくは50nm以下である。このため、平均粒子径は、好ましくは2nm以上100nm以下であり、より好ましくは2nm以上50nm以下である。無機酸化物の平均粒子径(F)の測定方法は、以下に限定されないが、例えば、水分散コロイダルシリカに対し、透過型顕微鏡写真を用いて50,000~100,000倍に拡大して観察し、粒子として100~200個の無機酸化物が写るように撮影して、その無機酸化物粒子の長径及び短径の平均値から測定することができる。
[無機酸化物(F)に含まれうるコロイダルシリカ]
本実施形態で好適に用いられる水を分散溶媒とする酸性のコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、ゾル-ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。ゾル-ゲル法で調製する場合には、Werner Stober etal;J.Colloid and Interface Sci.,26,62-69(1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6,792-801(1990)、色材協会誌,61[9]488-493(1988)などを参照できる。市販品を利用する場合、例えば、スノーテックス-O、スノーテックス-OS、スノーテックス-OXS、スノーテックス-O-40、スノーテックス-OL、スノーテックスOYL、スノーテックス-OUP、スノーテックス-PS-SO、スノーテックス-PS-MO、スノーテックス-AK-XS、スノーテックス-AK、スノーテックス-AK-L、スノーテックス-AK-YL、スノーテックス-AK-PS-S(商品名、日産化学工業株式会社製)、アデライトAT-20Q(商品名、旭電化工業株式会社製)、クレボゾール20H12、クレボゾール30CAL25(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)などが挙げられる。
また、塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、特に限定されないが、例えば、スノーテックス-20、スノーテックス-30、スノーテックス-XS、スノーテックス-50、スノーテックス-30L、スノーテックス-XL、スノーテックス-YL、スノーテックスZL、スノーテックス-UP、スノーテックス-ST-PS-S、スノーテックスST-PS-M、スノーテックス-C、スノーテックス-CXS、スノーテックス-CM、スノーテックス-N、スノーテックス-NXS、スノーテックス-NS、スノーテックス-N-40(商品名、日産化学工業株式会社製)、アデライトAT-20、アデライトAT-30、アデライトAT-20N、アデライトAT-30N、アデライトAT-20A、アデライトAT-30A、アデライトAT-40、アデライトAT-50(商品名、旭電化工業株式会社製)、クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)、ルドックスHS-40、ルドックスHS-30、ルドックスLS、ルドックスAS-30、ルドックスSM-AS、ルドックスAM、ルドックスHSA及びルドックスSM(商品名、デュポン社製)などが挙げられる。
また、水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、特に限定されないが、例えば、日産化学工業株式会社製MA-ST-M(粒子径が20~25nmのメタノール分散タイプ)、IPA-ST(粒子径が10~15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG-ST(粒子径が10~15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EGST-ZL(粒子径が70~100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC-ST(粒子径が10~15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)、TOL-ST(粒子径が10~15nmのトルエン分散タイプ)などが挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、特に限定されないが、例えば、日本アエロジル株式会社製 AEROSIL、株式会社トクヤマ製レオロシールなどが挙げられる。
また、これらシリカ粒子は、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミンなど)を含んでいてもよい。
[無機酸化物(F)の形状]
さらに、本実施形態における無機酸化物(F)の形状は、以下に限定されないが、例えば、球状、角状、多面体形状、楕円状、扁平状、線状、数珠状、鎖状などが挙げられ、ハードコート層の硬度及び透明性の観点から、球状であることが特に好ましい。
[官能基(g-3)]
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)は、マトリクス成分(B)中への重合体ナノ粒子(G)の分散性が向上し、耐摩耗性を向上させることができる観点から、マトリクス成分(H)と相互作用する官能基(g-3)を有することが好ましい。重合体ナノ粒子(G)が官能基(g-3)を有することは、例えば、IR、GC-MS、熱分解GC-MS、LC-MS、GPC、MALDI-MS、TOF-SIMS、TG-DTA、NMRによる組成解析、及びこれらの組み合わせによる解析等により確認することができる。
本実施形態における官能基(g-3)の具体例としては、以下に限定されないが、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エーテル結合からなる官能基が挙げられ、相互作用の観点から水素結合を有する官能基であることが好ましく、高い水素結合性の観点から、アミド基であることがより好ましく、2級アミド基及び/又は3級アミド基であることが更に好ましい。
官能基(g-3)を含有している化合物及びその反応物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル若しくは4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、(メタ)アクリル酸、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジ-n-プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、4-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N-[2-(メタ)アクリロイルオキシ]エチルモルホリン、ビニルピリジン、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルキノリン、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルメタアクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N-メチル-N-エチルメタアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタアクリルアミド、N-n-プロピルメタアクリルアミド、N-メチル-N-n-プロピルアクリルアミド、N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド、N-アクリロイルピロリジン、N-メタクリロイルピロリジン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N-アクリロイルモルホリン、N-メタクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタアクリルアミド、ブレンマーPE-90、PE-200、PE-350、PME-100、PME-200、PME-400、AE-350(商品名、日本油脂社製)、MA-30、MA-50、MA-100、MA-150、RA-1120、RA-2614、RMA-564、RMA-568、RMA-1114、MPG130-MA(商品名、日本乳化剤社製)などが挙げられる。なお、本明細書中で、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタアクリレートを、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタアクリル酸を簡便に表記したものである。
[重合体ナノ粒子(G)のコア/シェル構造]
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)は、コア層と、コア層を被覆する1層又は2層以上のシェル層とを備えたコア/シェル構造を有することが好ましい。重合体ナノ粒子(G)は、コア/シェル構造の最外層におけるマトリクス成分(H)との相互作用の観点から、官能基(g-3)を有することが好ましい。
[重合体ナノ粒子(G)に含んでもよいその他の化合物]
本実施形態による重合体ナノ粒子(G)は、粒子間の静電反発力をもたせることで粒子の安定性を向上させる観点から、以下に示す重合体を含んでもよい。例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系の重合体、又はポリ(メタ)アクリレート-シリコーン系、ポリスチレン-(メタ)アクリレート系、スチレン無水マレイン酸系の共重合体が挙げられる。
上述の重合体ナノ粒子(G)に含んでもよい重合体の中でも、静電反発に特に優れる化合物として、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートの重合体又は共重合体が挙げられる。具体例としては、以下に限定されないが、メチルアクリレート、(メタ)アクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの重合体または共重合体が挙げられる。この際、(メタ)アルクリ酸は、静電反発力をさらに向上させるために、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどのアミン類や、NaOH、KOHなどの塩基で中和してもよい。
また、重合体ナノ粒子(G)は乳化剤を含んでもよい。乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸などの酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K、など)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸などのアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレートなどの四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンボロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルなどのノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤などが挙げられる。
前記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エレミノールJS-2(商品名、三洋化成株式会社製)、ラテムルS-120、S-180A又はS-180(商品名、花王株式会社製)、アクアロンHS-10、KH-1025、RN-10、RN-20、RN30、RN50(商品名、第一工業製薬株式会社製)、アデカリアソープSE1025、SR-1025、NE-20、NE-30、NE-40(商品名、旭電化工業株式会社製)、p-スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、p-スチレンスルホン酸のナトリウム塩、p-スチレンスルホン酸のカリウム塩、2-スルホエチルアクリレートなどのアルキルスルホン酸(メタ)アクリレートやメチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸のアンモニウム塩、アリルスルホン酸のナトリウム塩、アリルスルホン酸のカリウム塩などが挙げられる。
[ハードコート層(J)に含んでもよいその他の成分]
本実施形態におけるハードコート層(J)は、用途に応じて、マトリクス成分(H)として、溶媒、乳化剤、可塑剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤、触媒を含んでもよい。特に屋外用途では高い耐候性が求められることから、紫外線吸収剤、光安定剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤及び光安定剤の具体例としては、以下に限定されないが、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’ジメトキシベンゾフェノン(BASF社製の商品名「UVINUL3049」)、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(BASF社製の商品名「UVINUL3050」)、4-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、5-ベンゾイルー2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ステアリルオキシベンゾフェノン、4,6-ジベンゾイルレゾルチノール、などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル-3-〔3-tert-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(BASF社製の商品名「TINUVIN1130」)、イソオクチル-3-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(BASF社製の商品名「TINUVIN384」)、2-(3-ドデシル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製の商品名「TINUVIN571」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-(3”,4”,5”,6”-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス〔4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール〕、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(BASF社製の商品名「TINUVIN900」)、TINUVIN384-2、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN109、TINUVIN970、TINUVIN328、TINUVIN171、TINUVIN970、TINUVIN PS、TINUVIN P、TINUVIN99-2、TINVIN928(商品名、BASF社製)などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシー4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビスブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(BASF社製の商品名「TINUVIN460」)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(BASF社製の商品名「TINUVIN479」)、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN477、TINUVIN1600(商品名、BASF社製)などのトリアジン系紫外線吸収剤;HOSTAVIN PR25、HOSTAVIN B-CAP、HOSTAVIN VSU(商品名、クラリアント社製)、などのマロン酸エステル系紫外線吸収剤;HOSTAVIN3206 LIQ、HOSTAVINVSU P、HOSTAVIN3212 LIQ(商品名、クラリアント社製)、などのアニリド系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート、などのサリシレート系紫外線吸収剤;エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(BASF社製の商品名「UVINUL3035」)、(2-エチルヘキシル)-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(BASF社製の商品名「UVINUL3039」、1,3-ビス((2’-シアノ-3’,3’-ジフェニルアクリロイル)オキシ)-2,2-ビス-(((2’-シアノ-3’,3’-ジフェニルアクリロイル)オキシ)メチル)プロパン(BASF社製の商品名「UVINUL3030)、などのシアノアクリレート系紫外線吸収剤;2-ヒドロキシ-4-アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メタクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-アクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メタクリロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(アクリロキシ-エトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタクリロキシ-エトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(メタクリロキシ-ジエトキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(アクリロキシ-トリエトキシ)ベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(大塚化学株式会社製の商品名「RUVA-93」)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチル-3-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリリルオキシプロピル-3-tert-ブチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、3-メタクリロイル-2-ヒドロキシプロピル-3-〔3’-(2’’-ベンゾトリアゾリル)-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー株式会社製の商品名「CGL-104」)などの分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性紫外線吸収剤;UV-G101、UV-G301、UV-G137、UV-G12、UV-G13(日本触媒株式会社製の商品名)などの紫外線吸収性を有する重合体;ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、1-〔2-〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕-4-〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケートとメチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル-セバケートの混合物(BASF社製の商品名「TINUVIN292」)、ビス(1-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN152、TINUVIN249、TINUVIN292、TINUVIN5100(商品名、BASF社製)などのヒンダードアミン系光安定剤;1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルアクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,-テトラメチル-4-イミノピペリジルメタクリレート、4-シアノ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、4-シアノ-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレートなどのラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤;ユーダブルE-133、ユーダブルE-135、ユーダブルS-2000、ユーダブルS-2834、ユーダブルS-2840、ユーダブルS-2818、ユーダブルS-2860(商品名、日本触媒株式会社製)などの光安定性を有する重合体;シラノール基、イソシアネート基、エポキシ基、セミカルバジド基、ヒドラジド基との反応性を有する紫外線吸収剤;酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化銅、酸化スズ、酸化チタンなどの無機系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上を併用しても構わない。
[ハードコート層(J)の製法]
本実施形態におけるハードコート層の製法は、特に限定されないが、例えば、後述する塗料組成物(L)を塗装し、熱処理、紫外線照射、赤外線照射などによって塗膜化することにより得ることができる。さらに、前記塗装方法としては、以下に限定されないが、例えばスプレー吹付法、フローコート法、刷毛塗法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。なお、前記塗装された塗料組成物(L)は、好ましくは室温~250℃、より好ましくは40℃~150℃での熱処理や紫外線、赤外線照射などにより塗膜化することができる。さらに、この塗装は、すでに成型した基材だけでなく、防錆鋼板を含むプレコートメタルのように、成型加工する前にあらかじめ平板に塗装することも可能である。
[ハードコート層の表面加工]
本実施形態におけるハードコート層(J)は、耐候性の観点から、表面をシリカ加工してシリカ層を形成してもよい。シリカ層の形成方法としては、特に限定されないが、具体例としては、シリコーン又はシラザンを蒸着/硬化させるPECVDによるシリカ加工、155nm紫外線照射によって表面をシリカに改質させるシリカ加工技術が挙げられる。特に、表面を劣化させることなく酸素や水蒸気を通しにくい層を作製できることから、PECVDによる表面加工が好ましい。PECVDに用いることのできるシリコーン又はシラザンは、以下に限定されないが、具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルメトリキシラン、ビニルメトキシシラン、ジメチルジメトキシラン、TEOS、テトラメチルジシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられ、これらを1種もしくは2種以上を併用しても構わない。
本実施形態において、ハードコート層(J)の少なくとも1つの表面上に機能層をさらに有してもよい。機能層としては、以下に限定されないが、例えば、反射防止層、防汚層、偏光層、衝撃吸収層などが挙げられる。
[塗料組成物(L)]
本実施形態において、ハードコート層(J)は、例えば、下記の塗料組成物(L)を用いることで好ましく得られる。塗料組成物(L)は、無機酸化物(F)と重合体ナノ粒子(G)、マトリクス原料成分(H’)と、を含む塗料組成物であって、ISO14577-1に準拠し、インデンテーション試験から測定される、前記重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGが、0.30以上0.90以下であり、前記重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、前記マトリクス原料成分(H’)のマルテンス硬度HMH’とが、HMH’/HMG>1の関係を満たすことが好ましい。
塗料組成物(L)に含まれる各成分については、以下で言及のない点についての詳細はハードコート層(J)に含まれる各成分について前述したとおりである。
[重合体ナノ粒子(G)の硬度HMGとマトリクス原料成分(H’)の硬度HMH’]
塗料組成物(L)において、重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、マトリクス原料成分(H’)のマルテンス硬度HMH’とは、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
HMH’/HMG>1 式(3)
上記のとおり、塗料組成物(L)において、上記関係が満たされるため、塗料組成物(L)を用いることで得られるハードコート層(J)において、重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、マトリクス原料成分(H’)のマルテンス硬度HMH’も上記式(3)関係を満たすこととなる。塗料組成物(L)における各マルテンス硬度は、例えば、遠心分離、限外濾過等の操作により重合体ナノ粒子(G)とマトリクス原料成分(H’)とを分離し、分離された各成分に対し、後述する実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。
上記HMG及びHMHの値は、それぞれ、重合体ナノ粒子(G)及びマトリクス原料成分(H’)の構成成分の構造及び組成比等により、前述した大小関係となるように調整できるが、特にこの方法に限定されるものではない。
[重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITG
本実施形態における重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGは、ISO14577-1でWelast/Wtotalの比ηITとして記載されているパラメータを、成膜した重合体ナノ粒子(G)の塗膜で測定したものであり、くぼみの全機械的仕事量Wtotalとくぼみの弾性戻り変形仕事量Welastとの比で示される。弾性回復率ηITGが高いほど、塗膜が衝撃を受けた際、元の状態に戻ることが可能であり、衝撃に対する自己修復能が高い。自己修復能を効果的に発揮する観点から、重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGは、測定条件(ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件2mN/20sec、荷重の減少条件2mN/20sec)において0.30以上であることが好ましく、塗膜にする際の基材やマトリクス原料成分(H’)の変形に追従できる観点からηITGは0.90以下であることが好ましい。重合体ナノ粒子(A)の弾性回復率ηITGは0.50以上であるとより好ましく、0.60以上であれば更に好ましい。重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率の測定は、以下に限定されないが、例えば、遠心分離、限外濾過等の操作により重合体ナノ粒子(G)とマトリクス原料成分(H’)とを分離し、分離された重合体ナノ粒子(G)を溶媒中に分散させて得られる組成物を塗装し、乾燥させて成膜した塗膜を微小硬度計フィッシャースコープ(フィッシャー・インストルメンツ社製HM2000S)、超微小押し込み硬さ試験機(株式会社エリオニクス社製ENT-NEXUS)、ナノインデンター(東陽テクニカ社製iNano、G200)、ナノインデンテーションシステム(ブルカー社製TI980)等を用いて測定することができる。弾性回復率ηITGを上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、重合体ナノ粒子(G)の構成成分の構造及び組成比を調整すること等が挙げられる。
なお、ハードコート層(J)は、塗料組成物(L)を加水分解縮合等により硬化させた硬化物として得ることができる。重合体ナノ粒子(G)は、かかる硬化の過程においてその組成は変化しないことが通常である。したがって、後述する実施例に記載された方法により測定される塗料組成物(L)中の重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGの値は、ハードコート層(J)中の重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGによく一致するものとして、ハードコート層(J)における弾性回復率ηITGの値を決定することができる。
[マトリクス原料成分(H’)の弾性回復率ηITH’及びマトリクス成分(H)の弾性回復率ηITH
塗料組成物(L)において、マトリクス原料成分(H’)の弾性回復率ηITH’は、ISO14577-1で「Welast/Wtotalの比ηIT」として記載されているパラメータで、成膜したマトリクス原料成分(H’)の塗膜を測定したものであり、くぼみの全機械的仕事量Wtotalとくぼみの弾性戻り変形仕事量Welastとの比で示される。弾性回復率ηITH’が高いほど、塗膜が衝撃を受けた際、元の状態に戻ることが可能であり、衝撃に対する自己修復能が高い。自己修復能を効果的に発揮する観点から、マトリクス原料成分(H’)の弾性回復率ηITH’は、測定条件(ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件2mN/20sec、荷重の減少条件2mN/20sec)において0.60以上が好ましく、より好ましくは0.65以上である。また、塗膜にする際の基材や成分(G)の変形に追従できる観点から、ηITH’は0.95以下であることが好ましい。マトリクス原料成分(G’)の弾性回復率の測定は、以下に限定されないが、例えば、遠心分離等の操作により重合体ナノ粒子(G)とマトリクス原料成分(H’)とを分離し、分離されたマトリクス原料成分(H’)を溶媒中に溶解させた組成物を塗装し、乾燥させて成膜した塗膜を微小硬度計フィッシャースコープ(フィッシャー・インストルメンツ社製HM2000S)、超微小押し込み硬さ試験機(株式会社エリオニクス社製ENT-NEXUS)、ナノインデンター(東陽テクニカ社製iNano、G200)、ナノインデンテーションシステム(ブルカー社製TI980)等を用いて測定することができる。
なお、前述したとおり、マトリクス原料成分(H’)を加水分解縮合等により硬化させた硬化物がマトリクス成分(H)に該当する。したがって、後述する実施例に記載された方法により測定されるマトリクス原料成分(H’)の弾性回復率ηITH’の値は、対応するマトリクス成分(H)の弾性回復率ηITHによく一致するものとして、弾性回復率ηITHの値を決定することができる。すなわち、本実施形態におけるマトリクス成分(H)の弾性回復率ηITHは、0.60以上が好ましく、より好ましくは0.65以上である。また、塗膜にする際の基材や成分(G)の変形に追従できる観点から、ηITHは0.95以下であることが好ましい。
弾性回復率ηITH’及び弾性回復率ηITHを上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、マトリクス原料成分(H’)の構成成分の構造及び組成比を調整すること等が挙げられる。
[溶媒(N)]
本実施形態における塗料組成物(L)は溶媒(N)を含有することが好ましい。使用可能な溶媒は、特に限定されず、一般的な溶媒を用いることができる。溶媒としては、以下に限定されないが、例えば、水;エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、エタノール、メタノール、変性エタノール、2-メトキシ-1-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコールグリセリン、モノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのアルコール類;トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化合物類;ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン;などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用しても構わない。その中で、溶媒除去時の環境負荷低減の観点から、水、アルコール類を含む方が特に好ましい。
[塗料組成物(L)の性状]
塗料組成物(L)は、塗装性の観点から好ましい固形分濃度は0.01~60質量%、より好ましくは1~40質量%である。また、塗装性の観点から、塗料組成物(L)の20℃における粘度としては、好ましくは0.1~100000mPa・s、好ましくは1~10000mPa・sである。
[接着層(I)付き基材のヘイズ値H1と積層体(K)のヘイズ値H2]
本実施形態において、接着層(I)付き基材のヘイズ値H1は、積層体のヘイズ値H2よりも大きいことが好ましい。このような関係を満たすことで、本実施形態の積層体(K)は、接着層(I)付き基材とハードコート層(J)との界面に散乱層が形成される結果、干渉縞の生成が抑制され、光学特性が向上する傾向にある。
本実施形態において、透明性の観点から、接着層(I)付き基材のヘイズ値H1は60%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは20%以下である。同様の観点から、積層体(K)のヘイズ値H2は5%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。各ヘイズ値を上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、H1は重合体粒子(A)の粒径、無機酸化物(B)の粒子径や形状、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)の重量比率、有機系紫外線吸収剤(D)の含有量、ブロックポリイソシアネート化合物(E)やその他添加剤の含有量を制御することが挙げられ、H2は重合体ナノ粒子(G)の粒径、重合体ナノ粒子(G)とマトリクス成分(H)の成分比及びマトリクス成分(H)中の無機酸化物(F)の含有率を制御することが挙げられる。特に、無機酸化物(B)あるいは無機酸化物(F)の量を増やすと各ヘイズ値は上がる傾向にあり、減らすと下がる傾向にある。
各ヘイズ値は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。なお、ヘイズ値H1については、接着層付き基材を対象として測定し、ヘイズ値H2については、積層体(K)(接着層(I)付き基材及びハードコート層(J))を対象として測定することができる。ヘイズ値H1及びH2は、接着層(I)付き基材及び積層体(K)を形成させた後にそれぞれ測定してもよい。
[接着層(I)付き基材の表面粗さRa1と積層体(K)の表面粗さRa2]
本実施形態の積層体において、接着層(I)付き基材の表面粗さRa1は、積層体の積層体(K)の表面粗さRa2よりも大きいことが好ましい。このような関係を満たすことで、本実施形態の積層体(K)は、接着層(I)付き基材とハードコート層(J)との界面に散乱層が形成される結果、干渉縞の生成が抑制され、光学特性が向上する傾向にある。
本実施形態において、透明性の観点から、接着層(I)付き基材の表面粗さRa1は500nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、最も好ましくは150nm以下である。また、本実施形態において、密着性の観点から、接着層(I)付き基材の表面粗さRa1は10nm以上であることが好ましく、より好ましくは20nm以上であり、さらに好ましくは40nm以上である。
また、透明性の観点から、積層体(K)の表面粗さRa2は100nm未満であることが好ましく、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下であり、よりさらに好ましくは20nm以下である。
表面粗さRa1及びRa2を上記範囲内に調整するための方法としては、以下に限定されないが、例えば、Ra1は重合体粒子(A)の粒径、無機酸化物(B)の粒子径や形状、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)の重量比率、有機系紫外線吸収剤(D)の含有量、ブロックポリイソシアネート化合物(E)やその他添加剤の含有量を制御することが挙げられ、Ra2は重合体ナノ粒子(G)の粒径、重合体ナノ粒子(G)とマトリクス成分(H)の成分比及びマトリクス成分(H)中の無機酸化物(F)の含有率を制御することが挙げられる。特に、無機酸化物(B)あるいは無機酸化物(F)の量を増やすと各表面粗さRaは上がる傾向にあり、減らすと下がる傾向にある。
各表面粗さRa1及びRa2は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。なお、表面粗さRa1については、接着層(I)付き基材を対象として測定し、表面粗さRa2については、積層体(K)を対象として測定することができる。表面粗さRa1及びRa2は、接着層(I)付き基材及び積層体(K)を形成させた後にそれぞれ測定してもよい。また、積層体(K)の断面SEM像から、接着層(I)、及びハードコート層(J)界面の形状を測定し、表面粗さRaを算出してもよい。
[積層体の用途]
本実施形態の積層体(K)は、優れた耐摩耗性と耐久性を有する。したがって、上記積層体(K)の用途としては、特に限定されないが、例えば、建材、車両用部材や電子機器、電機製品などが挙げられる。
建材用途としては、以下に限定されないが、例えば、建設機械の窓ガラス、ビルや家屋、温室などの窓ガラス、ガレージ及びアーケードなどの屋根、照明や信号機等の照灯類、壁紙表皮材、看板、浴槽や洗面台のようなサニタリー製品、台所用建材外壁材、フローリング材、コルク材、タイル、クッションフロア、リノリウムのような内装用床材が挙げられる。
車両用部材としては、以下に限定されないが、例えば、自動車、航空機、列車の各用途で使用される部品が挙げられる。具体的な例としては、フロント、リア、フロントドア、リアドア、リアクォーター、サンルーフ等の各ガラス、フロントバンパーやリアバンパー、スポイラー、ドアミラー、フロントグリル、エンブレムカバー、ボディー等の外装部材、センターパネル、ドアパネル、インストルメンタルパネル、センターコンソールなどの内装部材、ヘッドランプやリアランプ等のランプ類の部材、車載カメラ用レンズ部材、照明用カバー、加飾フィルム、さらには種々のガラス代替部材が挙げられ。
電子機器や電機製品としては、以下に限定されないが、例えば、携帯電話、携帯情報端末、パソコン、携帯ゲーム機、OA機器、太陽電池、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、DVDやブルーレイディスク等の光ディスク、偏光板や光学フィルター、レンズ、プリズム、光ファイバー等の光学部品、反射防止フィルムや配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学フィルム等が好ましく挙げられる。
本実施形態における積層体(K)は、上記の他、機械部品や農業資材、漁業資材、搬送容器、包装容器、遊戯具及び雑貨など、様々な領域への適用が可能である。
以下、実施例及び比較例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例によって何ら限定されるものでない。
後述する実施例及び比較例における、各種の物性は下記の方法で測定した。
(1)重合体粒子(A)、及び、複合体(C)、に含まれる単位(a)の重量平均分子量
後述する方法により得られた重合体粒子(A)を、ジメチルホルムアミドで0.5質量%に希釈し、口径0.45μmのメンブレンフィルターに通すことで抽出された単位(a)をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから、標準ポリスチレンの分子量を基準にして、重合体粒子(A)に含まれる単位(a)の重量平均分子量を算出した。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC-8420GPC」(東ソー株式会社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel guardcolumn SuperAW-H」、「TSKgel SuperAWM-H」2本、「TSKgel SuperH-RC」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の計4本を用い、移動相;ジメチルホルムアミド、測定温度;40℃、流速;0.6mL/分、検出器;RIの条件で行った。
また、後述する方法により得られた複合体(C)に含まれる単位(a)の重量平均分子量も上記と同様にして算出した。
なお、塗料組成物中に重合体粒子(A)及び複合体(C)の双方が含まれる場合、重合体粒子(A)中の単位(a)の含有量W1及び重量平均分子量Mw1と複合体(C)中の単位(a)の含有量W2及び重量平均分子量Mw2より(ここで、含有量W1及びW2は仕込み比より求めた。)、質量比を考慮し、次式にて当該塗料組成物中の単位(a)の重量平均分子量Mwを算出した。
Mw={Mw1×(W1/(W1+W2))+Mw2×(W2/(W1+W2))}/2
(2)重合体粒子(A)、無機酸化物(B)、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、複合体(C)、及び重合体粒子(F)の平均粒子径
重合体粒子(A)、無機酸化物(B)、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、複合体(C)、又は重合体粒子(F)を用いて、大塚電子株式会社製動的光散乱式粒度分布測定装置(品番:ELSZ-1000)によりキュムラント粒子径を測定し、重合体粒子(A)、無機酸化物(B)、重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、複合体(C)、又は重合体粒子(F)の平均粒子径とした。
(3)塗料組成物の塗料安定性評価
塗料組成物を、調製直後から塗料組成物の調製用の容器内にて室温環境下で1h静置し、静置後の塗料状態から、塗料安定性を下記のように目視評価した。
S:凝集物の発生なし、
A:少量の凝集物が発生(容器の壁面に凝集物の付着がみられる状態)、
B:多量の凝集物が発生(容器の底面に凝集物の沈殿がみられる状態)
(4)塗料組成物のpH
東亜ディーケーケー株式会社製pHメーター(HM-25R型)により、塗料組成物のpHを測定した。
(5)接着層(I)付き基材、積層体(K)の透明性の評価
接着層(I)付き基材、積層体(K)の透明性は、日本電色工業株式会社製濁度計(品番:NDH5000SP)を用いて、JIS K7136に規定される方法により測定されたヘイズ値により評価した。ヘイズ値H1については、接着層付き基材を対象として上記方法にて測定した。ヘイズ値H2については、積層体(接着層付き基材(I)及びハードコート層(J))を対象として上記方法にて測定した。
(6)重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMG及び弾性回復率ηITGの測定
重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGは、重合体ナノ粒子(G)の水分散体を、バーコーターを用いて膜厚が3μmになるようにガラス基材(材質:白板ガラス、厚み:2mm)上に塗布し、130℃2時間かけて乾燥することにより、得られた塗膜を用い、前記塗膜を形成する側の表面を対象として測定した。測定は、フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープ(品番:HM2000S)を用いた押し込み試験(試験条件;圧子:ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件:2mN/20sec、荷重の減少条件:2mN/20sec)により微小硬度を測定し、ISO14577-1準拠のインデンテーション試験法に基づき、重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGを測定した。また、上記のとおりに得られた塗膜を用い、フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープ(品番:HM2000S)を用いた押し込み試験(試験条件;圧子:ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件:2mN/20sec、荷重の減少条件:2mN/20sec)により微小硬度を測定し、ISO14577-1準拠のインデンテーション試験法に基づき、くぼみの全機械的仕事量Wtotalに対するくぼみの弾性戻り変形仕事量Welastの比、すなわち、Welast/Wtotalの値を重合体ナノ粒子(G)の弾性回復率ηITGとして測定した。
(7)成分(H’)のマルテンス硬度HMH’及び弾性回復率ηITH’の測定
成分(H’)のマルテンス硬度HMH’は、成分(H’)を固形分濃度8質量%として水/エタノール/酢酸(組成比77質量%/20質量%/3質量%)へ溶解又は分散させ、得られた溶液はバーコーターを用いて膜厚が3μmになるようにガラス基材(材質:白板ガラス、厚み:2mm)上に塗布し、130℃で2時間かけて乾燥することにより、得られた塗膜を用いて測定した。測定は、フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープ(品番:HM2000S)を用いた押し込み試験(試験条件;圧子:ビッカース四角錘ダイヤモンド圧子、荷重の増加条件:2mN/20sec、荷重の減少条件:2mN/20sec)により微小硬度を測定し、ISO14577-1準拠のインデンテーション試験法に基づき、HMH’及びηITH’(=Welast/Wtotal)を計測した。後述するとおり、成分(H)は、対応する成分(H’)の加水分解縮合物に該当することから、上記のようにして測定された成分(H’)のマルテンス硬度HMB’及び弾性回復率ηITH’の値は、それぞれ、マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMH及び弾性回復率ηITHによく一致するものとしてマルテンス硬度HMH及び弾性回復率ηITHの値を決定した。
(8)積層体(K)の耐摩耗性の評価
積層体(K)の耐摩耗性の評価は、安田精機株式会社製テーバー式アブレーションテスター(No.101)を用い、ASTM D1044の規格に準拠して行った。すなわち、摩耗輪CS-10F、及び荷重500gの条件でテーバー摩耗試験を実施し、当該試験前のヘイズ、回転数500回におけるヘイズを各々、日本電色工業株式会社製濁度計(品番:NDH5000SP)を用いて、JIS R3212に規定される方法により測定し、試験前のヘイズとの差(ΔHaze)をとることによって耐摩耗性を下記のように評価した。
回転数500回の場合
S:ΔHazeが4以下、
A:ΔHazeが4超10以下、
B:ΔHazeが10超
(9)接着層(I)、ハードコート層(J)の密着性評価
<碁盤目試験>
JIS K5600-5-6に規定されるクロスカット法により、積層体のハードコート層側にカッター刃で1mm間隔で25マス切込みを入れ、テープ(ニチバン社製クロスカット試験・碁盤目試験準拠テープ)をマス上に張り付け、剥がした際に塗膜が残存しているマス数から、密着性を下記のように評価した。また、接着層(I)付き基材の接着層(I)側に対して上記と同様の操作を行い、接着層(I)の密着性を下記のように評価した。
S:25マス
A:20~24マス、
B:10~19マス
C:10マス未満
(10)耐候性の評価
積層体(K)の耐候性は、積層体のハードコート層側に、キセノンアーク(スガ試験機社製、製品名SX-75)による紫外線照射をANSI/SAE Z26.1の規格の条件に従って行い、2000MJ/m照射前後のΔbで下記のように評価した。
S:Δb<1
A:Δb=1~4
B:Δb>4
(11)耐熱性の評価
積層体(K)の耐熱性の評価は、積層体を120℃の乾燥機内に24時間静置した後の外観変化を、下記のように目視評価した。
S:クラックなし
A:一部にクラックあり
B:全面にクラックあり
C:成膜時にクラックあり
(12)耐薬品性の評価
積層体(K)の耐薬品性の評価は、ECE UN R43に従い5種の化学薬品に対する浸漬試験を実施し、化学薬品5種の内で、浸漬試験実施後の積層体(K)に外観変化が見られた化学薬品の数から下記のように評価した。
S: 0種
A: 1種~2種
B: 3種~5種
(13)各成分の質量比(含有量)
単位(a)における単位(a-2)の含有量は、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルの仕込み量から、仕込み量比より求めた。
単位(a-1)と有機系紫外線吸収剤(D)との質量比は、単量体(a)とD成分との仕込み量比で求めた。
(14)NCO/OHモル比
NCO/OHモル比は、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルと2-ヒドロキシエチルアクリルアミドの使用量とブロックポリイソシアネート化合物(E)の使用量から算出した。ここでNCOのモル数は仕込み量と有効NCO%から算出した。
(15)塗料組成物固形分中の無機酸化物(B)の比率
塗料組成物固形分中の無機酸化物(B)の比率は、塗料組成物の仕込み時の全質量から溶媒(M)を除いた質量(塗料組成物の固形分質量)に対するB成分の質量比を仕込み量比から算出した。
〔重合体粒子(A-1)水分散体の調製〕
後述する実施例において用いた重合体粒子(A-1)水分散体を以下のとおりに合成した。
<重合体粒子(A-1)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水500g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液22g、2%過硫酸アンモニウム水溶液28gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)5.8gをアクリル酸ブチル62.1g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル46.0g、アクリル酸1.2gと1-ドデカンチオール0.58gの混合物に溶解させたモノマー混合液、を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15質量%に調整して重合体粒子(A-1)の水分散体を得た。得られた重合体粒子(A-1)の粒子径は39nm、単位(a)の重量平均分子量は60万であった。
[重合体粒子(A)と無機酸化物(B)の複合体(C)の調製]
後述する実施例において用いた複合体(C)水分散体を以下のとおりに合成した。
<複合体(C-1)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%、動的光散乱法による平均粒子径80nm)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液33g、2%過硫酸アンモニウム水溶液42gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)8.6gをアクリル酸ブチル162.2g、アクリル酸1.7gと1-ドデカンチオール0.86gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH8に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-1)の水分散体を得た。得られた複合体(C-1)の平均粒子径は40nm、単位(a)の重量平均分子量は160万であった。
<複合体(C-2)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液33g、2%過硫酸アンモニウム水溶液42gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)8.6gをアクリル酸ブチル144.9g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル17.3g、アクリル酸1.7gと1-ドデカンチオール1.73gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH9に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-2)の水分散体を得た。得られた複合体(C-2)の平均粒子径は48nm、単位(a)の重量平均分子量は20万であった。
<複合体(C-3)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液33g、2%過硫酸アンモニウム水溶液42gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)8.6gをアクリル酸ブチル127.7g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル34.5g、アクリル酸1.7gと1-ドデカンチオール0.43gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH9に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-3)の水分散体を得た。得られた複合体(C-3)の平均粒子径は56nm、単位(a)の重量平均分子量は90万であった。
<複合体(C-4)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液33g、2%過硫酸アンモニウム水溶液42gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)8.6gをアクリル酸ブチル127.7g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル34.5g、アクリル酸1.7gと1-ドデカンチオール0.17gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH10に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-4)の水分散体を得た。得られた複合体(C-4)の平均粒子径は54nm、単位(a)の重量平均分子量は440万であった。
<複合体(C-5)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液22g、2%過硫酸アンモニウム水溶液28gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)5.8gをアクリル酸ブチル62.1g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル46.0g、アクリル酸1.2gと1-ドデカンチオール0.58gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH9に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-5)の水分散体を得た。得られた複合体(C-5)の平均粒子径は68nm、単位(a)の重量平均分子量は60万であった。
<複合体(C-6)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液22g、2%過硫酸アンモニウム水溶液28gと、紫外線吸収性ビニル単量体「RUVA-93」(商品名、大塚化学株式会社製)5.8gをアクリル酸ブチル50.6g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル57.5g、アクリル酸1.2gと1-ドデカンチオール0.58gの混合物に溶解させたモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH7.5に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-6)の水分散体を得た。得られた複合体(C-6)の平均粒子径は79nm、単位(a)の重量平均分子量は40万であった。
<複合体(C-7)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水150g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)1150g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液22g、2%過硫酸アンモニウム水溶液28gと、アクリル酸ブチル67.9g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル46.0gとアクリル酸1.2gのモノマー混合液を用いて、80℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、25%アンモニア水溶液でpH9.0に調整し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を15%に調整して複合体(C-7)の水分散体を得た。得られた複合体(C-7)の平均粒子径は65nm、単位(a)の重量平均分子量は720万であった。
〔重合体ナノ粒子(G)水分散体の調製〕
後述する実施例において用いた重合体ナノ粒子(G)水分散体を以下のとおりに合成した。
<重合体ナノ粒子(G-1)水分散体>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器で、イオン交換水1500g、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液45g、メチルトリメトキシシラン105g、フェニルトリメトキシシラン23g、テトラエトキシシラン27gを用いて、50℃の環境下で一般的な乳化重合の方法で重合を行った。重合後、温度を80℃とした後、更に2%過硫酸アンモニウム水溶液43g、アクリル酸ブチル11g、ジエチルアクリルアミド12g、アクリル酸1g、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1gを用いて、一般的な乳化重合の方法で重合を行い、100メッシュの金網で濾過し、精製水で固形分濃度を5%に調整して重合体ナノ粒子(G-1)の水分散体を得た。得られた重合体ナノ粒子(G-1)はコアシェル構造を有するものであり、その平均粒子径は60nmであった。また、上述の測定方法に従い測定した重合体粒子(G-1)のマルテンス硬度HMGは150N/mm、弾性回復率ηITGは0.70であった。
[マトリクス原料成分(H’)コーティング組成液の調製]
後述する実施例において用いたマトリクス原料成分(H’)コーティング組成液を以下のとおりに調製した。
<マトリクス原料成分(H’-1)コーティング組成液>
加水分解性珪素化合物(h)として、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタン35g、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート81g、無機酸化物(F)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスOXS」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分10質量%、TEM観察法による平均粒子径5nm)333gを室温条件下で混合し、マトリクス原料成分(H’-1)のコーティング組成液を得た。上述の測定方法に従い測定したマトリクス原料成分(H’-1)のマルテンス硬度HMH’は420N/mm、弾性回復率ηITH‘は0.71であった。
[ハードコート層組成液の調製]
<ハードコート層(J-1)組成液>
重合体ナノ粒子(G)とマトリクス成分(H)が固形分質量比で(G-1):(H-1)=100:200となるように、上記で調整した重合体ナノ粒子(G-1)水分散体と、上記で調整したマトリクス原料成分(H’-1)とを混合して混合物を得た。エタノール濃度20質量%の水溶液を溶媒とし、固形分濃度が10質量%となるように混合物を添加し、ハードコート組成液(J-1)を得た。また、上述の測定方法に従い測定したハードコート層(J-1)のマルテンス硬度HMJ’は380N/mm、弾性回復率ηITJは0.70であった。
[実施例1]
重合体粒子(A-1)を15g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)19g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.52g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.07g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)2.15g、水12.86g、エタノール10gを室温条件下で混合し、25%アンモニア水溶液でpH10.0に調整し、実施例1の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%であった。
次いで、実施例1の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例1の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例1の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例1の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例2]
複合体(C-1)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.51g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.07g、水3.90g、エタノール6.91gを室温条件下で混合し、実施例2の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは7.5であった。
次いで、実施例2の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例2の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例2の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例2の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例3]
複合体(C-2)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.51g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.07g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)0.53g、水6.06g、エタノール7.45gを室温条件下で混合し、実施例3の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.5であった。
次いで、実施例3の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例3の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例3の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例3の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例4]
複合体(C-3)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.52g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.07g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.07g、水8.29g、エタノール8.01gを室温条件下で混合し、実施例4の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.3であった。
次いで、実施例4の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例4の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例4の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例4の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例5]
複合体(C-4)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.52g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.07g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.07g、水8.30g、エタノール8.01gを室温条件下で混合し、実施例5の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは9.4であった。
次いで、実施例5の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例5の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例5の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例5の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例6]
複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.41g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.06g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.71g、水10.30g、エタノール8.60gを室温条件下で混合し、実施例6の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.1であった。
次いで、実施例6の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例6の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例6の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例6の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例7]
複合体(C-5)水分散体を30g、紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)とTinuvin479(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度100%)の混合物(表1中「U1」、固形分比85/15、固形分濃度87.0%)0.40g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.06g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.71g、水10.24g、エタノール8.59gを室温条件下で混合し、実施例7の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.3であった。
次いで、実施例7の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例7の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例7の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例7の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例8]
複合体(C-6)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.41g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.06g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)2.13g、水12.05g、エタノール9.04gを室温条件下で混合し、実施例8の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは7.1であった。
次いで、実施例8の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例8の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例8の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例8の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表1に示す。
[実施例9]
複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.10g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.01g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)3.41g、水15.50g、エタノール10.16gを室温条件下で混合し、実施例9の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.2であった。
次いで、実施例9の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例9の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例9の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例9の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例10]
複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.21g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.03g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)3.41g、水16.10g、エタノール10.23gを室温条件下で混合し、実施例10の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.3であった。
次いで、実施例10の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例10の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例10の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。
実施例10の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例11]
複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.62g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.09g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.28g、水9.75g、エタノール8.29gを室温条件下で混合し、実施例11の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.6であった。
次いで、実施例11の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例11の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例11の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例11の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例12]
複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)1.03g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.15g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.28g、水12.15g、エタノール8.54gを室温条件下で混合し、実施例12の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.4であった。
次いで、実施例12の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例12の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例12の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例12の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例13]
重合体粒子(A-1)を16g、複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.96g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.14g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)3.98g、水23.31g、エタノール14.79gを室温条件下で混合し、実施例13の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは7.2であった。
次いで、実施例13の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例13の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例13の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例13の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例14]
重合体粒子(A-1)を6g、複合体(C-5)水分散体を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.62g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.09g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)2.56g、水15.18g、エタノール10.92gを室温条件下で混合し、実施例14の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.0であった。
次いで、実施例14の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例14の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例14の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例14の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例15]
複合体(C-5)水分散体を30g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)5g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.41g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.06g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.71g、水10.45g、エタノール9.70gを室温条件下で混合し、実施例15の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.4であった。
次いで、実施例15の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例15の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例15の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例15の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[実施例16]
複合体(C-5)水分散体を30g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)16g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.41g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.06g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.71g、水10.78g、エタノール12.12gを室温条件下で混合し、実施例16の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは7.6であった。
次いで、実施例16の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして実施例16の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を実施例16の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。実施例16の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表2に示す。
[比較例1]
無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.62g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.09g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.28g、水9.75g、エタノール8.29gを室温条件下で混合し、25%アンモニア水溶液でpH9.0に調整し、比較例1の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%であった。
次いで、比較例1の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層を形成しようとしたが、評価可能な膜を形成することができなかった。比較例1の塗料組成物について各種評価を行った結果を表3に示す。
[比較例2]
重合体粒子(A-1)を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)1.54g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.22g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)3.20g、水23.02g、エタノール10.82gを室温条件下で混合し、25%アンモニア水溶液でpH9.0に調整し、比較例2の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%であった。
次いで、比較例2の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして比較例2の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を比較例2の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。比較例2の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表3に示す。
[比較例3]
重合体粒子(A-1)を15g、無機酸化物(B)として水分散コロイダルシリカ「スノーテックスPS-SO」(商品名、日産化学工業株式会社製、固形分15質量%)19g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.77g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.11g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.60g、水12.08g、エタノール9.59gを室温条件下で混合し、25%アンモニア水溶液でpH6.0に調整し、比較例3の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%であった。
次いで、比較例3の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして比較例3の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を比較例3の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。比較例3の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表3に示す。
[比較例4]
複合体(C-7)を30g、有機系紫外線吸収剤としてTinuvin400(商品名、BASFジャパン株式会社製、固形分濃度85%)0.62g、光安定剤としてTinuvin123(商品名、BASFジャパン株式会社製)0.09g、硬化剤としてWM44-L70G(商品名、旭化成株式会社製、固形分濃度70質量%、有効NCO5.3質量%)1.29g、水9.79g、エタノール8.30gを室温条件下で混合し、比較例4の塗料組成物を得た。塗料組成物の固形分濃度は12質量%、pHは8.4であった。
次いで、比較例4の塗料組成物を、バーコーターを用いてポリカーボネート基材上に塗布し、130℃で1時間乾燥することで、膜厚5.0μmの接着層をポリカーボネート基材上に形成した。このようにして比較例4の接着層付き基材を得た。
さらに、バーコーターを用いてハードコート層組成液(J-1)を比較例4の接着層付き基材へ塗布した後、130℃で1.5時間乾燥し、膜厚3.0μmのハードコート層を有する、積層体を得た。比較例4の塗料組成物、接着層付き基材、及び、積層体について各種評価を行った結果を表3に示す。
実施例1~16及び比較例1~4の各種評価結果を表1~3に示す。
Figure 2023039944000001
Figure 2023039944000002
Figure 2023039944000003
[評価結果]
表1~3より、本実施形態の塗料組成物は、透明性、密着性及び耐候性に優れる被膜を形成できることがわかった。また、上記のとおり、実施例1~16の積層体は、高いレベルでの透明性と耐摩耗性、さらには高いレベルでの耐候性をも発現するため、自動車用の窓材として好ましく適用できるものと評価された。
本発明によって提供される、塗料組成物、接着層付き基材及び積層体は、建材、自動車部材や電子機器や電機製品などのハードコートとして有用である。

Claims (14)

  1. ビニル単量体(a)に由来する単位(a)を有する重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との混合物、及び/又は、当該重合体粒子(A)と無機酸化物(B)との複合体(C)を含む塗料組成物であって、
    前記単位(a)の重量平均分子量が1万~500万であり、
    前記塗料組成物のpHが7~11である、塗料組成物。
  2. 前記単位(a)が、紫外線吸収性ビニル単量体(a-1)に由来する単位(a-1)を含む、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記単位(a)が、水酸基含有ビニル単量体(a-2)に由来する単位(a-2)を含み、
    前記単位(a)における前記単位(a-2)の含有量が、10~40質量%である、請求項1に記載の塗料組成物。
  4. 有機系紫外線吸収剤(D)をさらに含む、請求項1に記載の塗料組成物。
  5. ブロックポリイソシアネート化合物(E)をさらに含む、請求項1に記載の塗料組成物。
  6. 前記単位(a)の重量平均分子量が10万~100万である、請求項1に記載の塗料組成物。
  7. 前記塗料組成物の全固形分に対する前記無機酸化物(B)の質量比が25%~60%である、請求項1に記載の塗料組成物。
  8. 前記単位(a-1)と前記有機系紫外線吸収剤(D)との質量比が、1:0.5~1:40である、請求項4に記載の塗料組成物。
  9. 前記無機酸化物(B)が、球状及び/又は連結構造のシリカである、請求項1に記載の塗料組成物。
  10. 連鎖移動剤をさらに含む、請求項1に記載の塗料組成物。
  11. 前記重合体粒子(A)が、前記単位(a)を有するエマルション粒子を含む、請求項1に記載の塗料組成物。
  12. 基材と、
    前記基材上に配される接着層と、
    を備える接着層付き基材であって、
    前記接着層が、請求項1~11のいずれか1項に記載の塗料組成物を含む、接着層付き基材。
  13. 請求項12に記載の接着層付き基材と、
    前記接着層付き基材上に配されるハードコート層と、
    を備える積層体であって、
    前記ハードコート層が、無機酸化物(F)と重合体ナノ粒子(G)とを含有するマトリクス成分(H)を含み、
    前記重合体ナノ粒子(G)のマルテンス硬度HMGと、前記マトリクス成分(H)のマルテンス硬度HMHとが、HMH/HMG>1の関係を満たす、積層体。
  14. 前記接着層付き基材のヘイズ値H1が、前記積層体のヘイズ値H2よりも大きい、請求項13に記載の積層体。
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