基板処理装置で扱われる基板は、大型化してきている。そのうえ、製造工程において基板が薄型化される場合もある。このような、大型で薄い基板は、基板処理装置のハンドで支持したときに、重力によって、中央部が大きく垂れた状態に変形する。
従来からのハンドは、このような大型で薄い基板の保持に必ずしも適さない場合があり、改善の余地がある。
そこで、この発明の一実施形態は、大型で薄い基板の保持に適した基板保持ハンド、それを有する基板搬送ロボットを備えた基板処理装置、および基板保持ハンドを用いる基板搬送方法を提供する。
この発明の一実施形態は、基板を搬送する基板搬送ロボットに備えられて用いられ、基板を水平に保持するための基板保持ハンドを提供する。この基板保持ハンドは、基部と、前記基部から所定の延伸方向に水平に延びたフィンガと、前記フィンガから下方に垂れ下がり、前記フィンガよりも下で基板の縁部を下方から支持する前爪部と、前記前爪部よりも前記基部に近い位置で前記フィンガまたは前記基部から下方に垂れ下がり、前記フィンガよりも下で基板の縁部を下方から支持する後爪部と、前記前爪部と前記後爪部との前記延伸方向の間隔を変更する爪部間隔変更機構と、を含む。前記前爪部および前記後爪部の各々は、下方に向かうに従って保持対象の基板の内方に向かうように水平面に対して傾斜した第1基板支持テーパー面を有し、前記第1基板支持テーパー面で基板の縁部を下方から支持するように構成された第1基板支持部を備えている。
この構成によれば、フィンガが延伸方向に沿って基部から水平に延びており、そのフィンガから下方に垂れ下がるように前爪部が設けられている。一方、前爪部よりも基部に近い位置には、フィンガまたは基部から下方に垂れ下がるように後爪部が設けられている。前爪部および後爪部は、フィンガよりも下方で基板の縁部を下方から支持するように構成されている。したがって、基板保持ハンドに基板が保持されるとき、フィンガは、前爪部および後爪部によって支持される基板よりも上方に位置するので、基板が重力によって中央部が下方に垂れるように変形したとしても、基板がフィンガに接触する可能性はない。このように、基板保持ハンドは、大型でかつ薄型の基板を保持するのに適した構成を有している。
一方、この実施形態によれば、前爪部と後爪部との前記延伸方向の距離が爪部間隔変更機構によって増減される。換言すれば、前爪部および後爪部は、それらの間隔が大きく開いた爪部開状態と、それらの間隔が爪部開状態よりも狭められた爪部閉状態との間で、開閉することができる。よって、爪部開状態で基板を前爪部および後爪部の間に進入させ、その後に爪部閉状態とすることにより、前爪部および後爪部を基板の縁部の下方に進入させることができる。それにより、前爪部および後爪部によって、基板の縁部を下方から支持できるように抱えることができ、基板保持ハンドを上昇させることにより、フィンガの下方に吊り下げる状態で基板を保持できる。
また、この実施形態によれば、前爪部および後爪部の各々は、下方に向かうに従って基板の内方に向かうように傾斜した第1基板支持テーパー面を有しており、この第1基板支持テーパー面で基板の縁部が下方から支持される。よって、前爪部および後爪部の第1基板支持テーパー面で基板が支持されるときに、第1基板支持テーパー面によって、基板が適正位置へと案内され、その適正位置で基板保持ハンドによって基板を保持できる。それにより、基板保持ハンドは、基板を位置合わせして保持する位置合わせ機能を有することになる。したがって、このような基板保持ハンドを備えた基板搬送ロボットは、基板を正確に搬送することができる。
一つの実施形態においては、前記爪部間隔変更機構は、前記後爪部を、前記前爪部に対して前記延伸方向に沿って相対往復移動させる爪部移動機構を含む。
一つの実施形態においては、前記延伸方向に交差する水平な交差方向に沿って対向する2本の前記フィンガが備えられる。そして、各フィンガが、前記前爪部を備えている。
この構成によれば、2本のフィンガにそれぞれ設けられた前爪部により、フィンガの下方において、基板の縁部が下方から支持される。それにより、基板をより安定に、すなわち確実に保持することができる。したがって、大型で薄型の基板の保持に一層適した構造の基板保持ハンドを提供できる。
一つの実施形態では、前記第1基板支持テーパー面の上縁および下縁の平面視における距離が、1mm~2mm(より具体的には、1mm超、2mm以下)である。
一つの実施形態では、前記前爪部および前記後爪部の各々は、前記第1基板支持テーパー面よりも下方で基板の縁部を下方から支持するように構成された第2基板支持部を備えている。
この構成によれば、第1基板支持テーパー面の下縁よりも内方に周縁を有する基板を第2基板支持部によって支持できる。より具体的には、第1基板支持テーパー面で支持される基板よりも小さな基板を第2基板支持部で支持し、それよって、そのような小さな基板を、前爪部および後爪部によって支持した状態で、フィンガの下方で保持できる。したがって、2種類以上の大きさの基板を保持できる基板保持ハンドを提供できる。しかも、第2基板支持部は、第1基板支持テーパー面よりも下方において基板を支持するように構成されているので、基板は、第1基板支持テーパー面によって、第2基板支持部に向けて位置合わせされることになる。よって、第2基板支持部によって基板を支持するときにも、その基板は位置合わせされた状態で保持される。それにより、この基板保持ハンドを備える基板搬送ロボットは、サイズの異なる基板を正確に搬送することができる。
一つの実施形態では、前記第1基板支持テーパー面は、第1の大きさ(たとえば第1の径)の基板の周端面が前記第1基板支持テーパー面に接して当該第1の大きさの基板が当該第1基板支持テーパー面に支持され、前記第1の大きさよりも小さい第2の大きさ(たとえば第1の径よりも小さな第2の径)の基板の縁部が前記第2基板支持部に支持されるように構成されている。
一つの実施形態では、前記第1基板支持テーパー面は、301mmの径の円形基板の周端面が前記第1基板支持テーパー面に接して当該301mmの径の円形基板が当該第1基板支持テーパー面に支持され、300mmの径の円形基板が前記第2基板支持部に支持されるように構成されている。
一つの実施形態では、前記第2基板支持部は、前記第1基板支持テーパー面の下縁に連なり、前記第1基板支持テーパー面よりも水平面に対する傾斜角が小さい第2基板支持テーパー面を有し、当該第2基板支持テーパー面で基板の縁部を下方から支持するように構成されている。
この構成により、第2基板支持テーパー面の傾斜角が小さいので、第1基板支持テーパー面で支持されない比較的小さい基板を第2基板支持テーパー面で確実に支持できる。また、そのような比較的小さい基板の縁部と第2基板支持テーパー面との接触は、実質的に点接触となるので、基板に対する影響が少なくなる。
なお、実質的に点接触による基板の支持は、テーパー面による支持のほか、上端に凸曲面を有する突起を第2基板支持部に備えることによっても達成できる。
一つの実施形態では、前記基板保持ハンドは、前記基部または前記フィンガに配置され、前記フィンガの下方で前記前爪部および前記後爪部によって基板が保持されているかどうかを検出するように構成された基板センサをさらに含む。
この構成により、基板保持ハンドに基板が保持されているかどうかを確認できるので、確実な基板保持を実現できる。
この発明の一つの実施形態は、基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットに対して基板を搬送する基板搬送ロボットと、を含む、基板処理装置を提供する。前記基板搬送ロボットが、前述のような特徴を有する基板保持ハンドを備えている。
一つの実施形態では、前記基板処理装置は、処理対象の基板を一時載置しておくための基板載置場所を提供する基板載置ユニットをさらに含む。前記基板搬送ロボットは、前記基板載置ユニットと前記処理ユニットとの間で基板を搬送する。
一つの実施形態では、前記基板搬送ロボットは、前記前爪部および前記後爪部の間隔が基板の大きさよりも開いた爪部開状態で、平面視において、前記前爪部および前記後爪部の内側に搬送元の基板が位置するまで、前記延伸方向に沿って前記基板保持ハンドを前進させるステップと、前記フィンガの下面と前記第1基板支持テーパー面との間の高さに基板の周縁部が位置するまで、前記基板保持ハンドを下降させるステップと、前記基板保持ハンドを後退させて基板の周縁部に前記前爪部の前記第1基板支持テーパー面を接近させるステップと、前記爪部間隔変更機構によって前記後爪部を前記延伸方向に前進させて、基板の周縁部に前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面を接近させるステップと、前記基板保持ハンドを上昇させて、前記前爪部および前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面で基板の周縁部を下方から支持するステップと、を順に実行して、基板を前記搬送元から受け取るように動作する。
前記基板処理装置は、前記ステップを主搬送ロボットに実行させるように当該主搬送ロボットを制御するように構成およびプログラムされた制御装置を備えていることが好ましい。
一つの実施形態では、前記基板搬送ロボットは、基板の搬送先において、前記基板保持ハンドを下降させ、前記前爪部および前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面で下方から周縁部を支持されている基板を前記搬送先に渡し、当該基板よりも上に前記フィンガが位置し、当該基板の周縁部よりも下方に前記第1基板支持テーパー面が位置する状態とするステップと、前記爪部間隔変更機構によって前記後爪部を後退させて、前記前爪部および前記後爪部の間隔が基板の大きさよりも開いた爪部開状態とするステップと、平面視において、前記前爪部および前記後爪部の内側に基板が位置するまで、前記延伸方向に沿って前記基板保持ハンドを前進させるステップと、前記前爪部および前記後爪部が前記基板よりも高くなるまで、前記基板保持ハンドを上昇させるステップと、前記基板保持ハンドを前記延伸方向に沿って後退させて、前記基板の上方から前記基板保持ハンドを退避させるステップと、を順に実行して、基板を前記搬送先に渡すように動作する。
前記基板処理装置は、前記ステップを主搬送ロボットに実行させるように当該主搬送ロボットを制御するように構成およびプログラムされた制御装置を備えていることが好ましい。
この発明の一実施形態は、前述のような特徴を有する基板保持ハンドを用いて基板を搬送する方法を提供する。この方法は、搬送元において、前記前爪部および前記後爪部によって基板を支持し、前記フィンガの下方に当該基板を保持することによって、前記搬送元から当該基板を受け取る基板受取ステップと、前記基板保持ハンドによって前記フィンガの下方に保持した前記基板を、前記搬送元から搬送先まで搬送するステップと、前記搬送先において、前記前爪部および前記後爪部による前記基板の支持を解放し、前記基板保持ハンドから前記搬送先に当該基板を渡す基板渡しステップと、を含む。
一つの実施形態では、前記基板受取ステップは、前記前爪部および前記後爪部の間隔が基板の大きさよりも開いた爪部開状態で、平面視において、前記前爪部および前記後爪部の内側に搬送元の基板が位置するまで、前記延伸方向に沿って前記基板保持ハンドを前進させるステップと、前記フィンガの下面と前記第1基板支持テーパー面との間の高さに基板の周縁部が位置するまで、前記基板保持ハンドを下降させるステップと、前記基板保持ハンドを後退させて基板の周縁部に前記前爪部の前記第1基板支持テーパー面を接近させるステップと、前記爪部間隔変更機構によって前記後爪部を前進させて、基板の周縁部に前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面を接近させるステップと、前記基板保持ハンドを上昇させて、前記前爪部および前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面で基板の周縁部を下方から支持するステップと、を含む。
一つの実施形態では、前記基板渡しステップは、前記搬送先において、前記基板保持ハンドを下降させ、前記前爪部および前記後爪部の前記第1基板支持テーパー面で下方から周縁部を支持されている基板を前記搬送先に渡し、当該基板よりも上に前記フィンガが位置し、当該基板の周縁部よりも下方に前記第1基板支持テーパー面が位置する状態とするステップと、前記爪部間隔変更機構によって前記後爪部を後退させて、前記前爪部および前記後爪部の間隔が基板の大きさよりも開いた爪部開状態とするステップと、平面視において、前記前爪部および前記後爪部の内側に基板が位置するまで、前記延伸方向に沿って前記基板保持ハンドを前進させるステップと、前記前爪部および前記後爪部が前記基板よりも高くなるまで、前記基板保持ハンドを上昇させるステップと、前記基板保持ハンドを前記延伸方向に沿って後退させて、前記基板の上方から前記基板保持ハンドを退避させるステップと、を含む。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図解的な平面図である。基板処理装置100は、半導体ウエハ等の基板Wを処理する装置である。基板Wは、この実施形態では、円形の基板である。基板Wの径は、たとえば、300mm程度である。より詳細には、この実施形態の基板処理装置100は、300mm径の円形基板と、301mm径の円形基板とを共通の搬送機構で搬送して、処理することができるように構成されている。
基板処理装置100は、インデクサブロック1と、処理ブロック2とを備えている。基板処理装置100は、さらに、インデクサブロック1および処理ブロック2の各部を制御する制御装置7を備えている。制御装置7は、典型的には、プロセッサ(CPU)およびメモリを備え、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行することによって、様々な機能を実現する。
インデクサブロック1は、キャリヤ保持部11と、インデクサロボット12とを備えている。複数のキャリヤ保持部11が設けられており、各キャリヤ保持部11は一つのキャリヤCを保持できるように構成されている。キャリヤCは、複数枚(たとえば25枚)の水平姿勢の基板Wを垂直方向に間隔を空けた状態で積層して収容できるように構成されている。具体的には、キャリヤCは、各一枚の基板Wを水平に保持する複数段のスロット(基板保持棚)を備えている。複数のキャリヤ保持部11は、図1の左側から見た正面視において左右方向Xに沿ってほぼ同じ高さに一列に配列されている。
インデクサロボット12は、任意のキャリヤ保持部11に配置されたキャリヤCの任意の段のスロットにアクセスして、基板Wを搬入および搬出することができるように構成されている。インデクサロボット12は、具体的には、基板Wを保持するハンド13と、そのハンド13を左右方向X、それに直交する前後方向Yおよび上下方向Zに移動させ、かつ鉛直軸線まわりに回転させるハンド移動機構14とを備えている。このような構成により、インデクサロボット12は、キャリヤCと処理ブロック2との間で基板Wを搬送する。具体的には、未処理の基板WをキャリヤCから処理ブロック2に搬送し、処理ブロック2で処理された処理済みの基板Wを処理ブロック2からキャリヤCへと搬送する。インデクサロボット12は、より具体的には、キャリヤCから処理ブロック2に備えられた基板通過ユニット5に未処理の基板Wを搬送し、基板通過ユニット5からキャリヤCへと処理済みの基板Wを搬送するように動作する。
処理ブロック2は、複数の処理ユニット3と、主搬送ロボット4とを備えている。この実施形態では、さらに、主搬送ロボット4とインデクサロボット12との間で受け渡される基板Wが一時的に載置される基板載置場所(基板待機場所、バッファ)を提供する基板通過ユニット5が備えられている。基板通過ユニット5は、基板載置ユニットの一例である。基板通過ユニット5は、基板Wが一時的に載置される一つ以上の基板ホルダ5aを備えている。基板ホルダ5aは、基板Wを水平姿勢で支持する基板支持棚であってもよい。複数段の基板支持棚が上下方向Zに積層されて、複数枚の基板Wを上下方向に間隔を空けて保持できる複数段のスロットが形成されていてもよい。
処理ブロック2は、インデクサロボット12の左右方向Xに関する中央付近から前後方向Yに延びた搬送路6を有しており、この搬送路6の両側に、それぞれ複数の処理ユニット3が配置されている。複数の処理ユニット3は、この実施形態では、4つのユニットタワーT1~T4を構成している。2つのユニットタワーT1,T2が搬送路6の一方側に前後方向Yに沿って配置されており、別の2つのユニットタワーT3,T4が搬送路6の他方側に前後方向Yに沿って配置されている。搬送路6を挟んで2つのユニットタワーT1,T3が左右方向Xに沿って対向しており、搬送路6を挟んで別の2つのユニットタワーT2,T4が左右方向Xに沿って対向している。
インデクサブロック1に近い位置で左右方向Xに沿って対向している2つのユニットタワーT1,T3の間の搬送路6内に、基板通過ユニット5が配置されている。主搬送ロボット4は、平面視において、4つのユニットタワーT1~T4に取り囲まれるように、それらの4つのユニットタワーT1~T4から実質的に等距離の位置に動作中心を整合させて配置されている。それにより、主搬送ロボット4とインデクサロボット12との間に基板通過ユニット5が位置している。
各ユニットタワーT1~T4は、処理ユニット3を複数層(たとえば3層)に積層して構成されている。主搬送ロボット4は、各処理ユニット3にアクセスして、各処理ユニット3に対して未処理の基板Wを搬入し、かつ処理済みの基板Wを搬出するように動作する。
処理ユニット3は、この実施形態では、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の処理ユニットである。具体的には、各処理ユニット3は、1枚の基板Wを保持する基板ホルダ3aと、基板ホルダ3aに保持された基板Wに対して処理液を供給する処理液ノズル3bとを備えている。基板ホルダ3aは、具体的には、1枚の基板Wを水平姿勢で保持して回転するスピンチャックであってもよい。主搬送ロボット4は、基板ホルダ3aとの間で基板Wを受け渡すように構成されている。
図2は、主搬送ロボット4の構成例を説明するための図解的な斜視図である。主搬送ロボット4は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持する基板保持ハンドHと、基板保持ハンドHを移動させるハンド移動機構40とを含む、基板搬送ロボットである。ハンド移動機構40は、基台46と、基台46を鉛直な回転軸線45まわりに回転させる回転駆動機構41と、基台46を上下動させる上下駆動機構42と、基板Wに対して基板保持ハンドHを水平方向に進退させる進退駆動機構43とを含む。
回転軸線45は、平面視において、主搬送ロボット4の動作中心を既定する。回転軸線45は、たとえば、平面視において、4つのユニットタワーT1~T4から等距離に配置されている。
進退駆動機構43は、回転軸線45から放射方向(半径方向)に向けて基板保持ハンドHを進退させる。基板保持ハンドHは、上下方向に重なるように複数個(たとえば2個)設けられていてもよい。この場合、進退駆動機構43は、複数の基板保持ハンドHを個別に進退させることができるように構成されていることが好ましい。複数の基板保持ハンドHは、たとえば、処理前の基板Wを保持する場合と、処理済みの基板Wを保持する場合とで使い分けることができる。
図3Aは、基板保持ハンドHの平面図であり、図3Bは、基板保持ハンドHを下方から見た底面図である。
基板保持ハンドHは、基板Wを水平に保持するように構成されている。基板保持ハンドHは、基部Bと、基部Bから所定の延伸方向81に水平に延びたフィンガFとを備えている。基部Bは、ハンド移動機構40(より具体的には進退駆動機構43)に結合されている。この実施形態では、2本のフィンガFが、延伸方向81に沿ってほぼ平行に延びており、その延伸方向81に交差する水平方向である交差方向82に対向している。2本のフィンガFは平面視において、互いに線対称をなす構成を有していてもよい。この場合の対称軸83は、2本のフィンガFの間の中間位置において延伸方向81に延びる直線である。各フィンガFは、この実施形態では、耐薬液性を有する材料、たとえばセラミック材料で構成されている。各フィンガFは、板状に構成されており、基部Bに近い基端部が幅広で、基部Bから離れて先端部に向かうに従って幅狭となる台形形状を有している。各フィンガFの基端部が基部Bに結合され、片持ち梁状に基部Bに支持されている。
各フィンガFの先端部には、フィンガFから下方に垂れ下がった前爪部(Front Claw)FCが設けられている。前爪部FCは、耐薬液性を有する材料、たとえばセラミック材料または樹脂材料で構成されている。前爪部FCは、フィンガFよりも下で基板Wの縁部を下方から支持するように構成されている。一対のフィンガFの先端部にそれぞれ結合された一対の前爪部FCは、一対のフィンガFの対称軸83を含む鉛直な面に対して対称な構造を有している。
前爪部FCよりも基部Bに近い位置には、後爪部(Rear Claw)RCが配置されている。後爪部RCは、爪部移動機構50に結合されており、爪部移動機構50は、基部Bに結合されている。したがって、この実施形態では、後爪部RCは、爪部移動機構50を介して基部Bに取り付けられており、基部Bから下方に垂れ下がるように配置されている。ただし、後爪部RCは、フィンガFに取り付けられ、フィンガFから下方に垂れ下がるように配置されてもよい。後爪部RCは、フィンガFよりも下で基板Wの縁部を下方から支持するように構成されている。この実施形態では、一対の後爪部RCが設けられている。一方の後爪部RCは、一方のフィンガFの近くに配置され、他方の後爪部RCは他方のフィンガFの近くに配置されている。この実施形態では、一対の後爪部RCは、一対のフィンガFの平面視における対称軸83を含む鉛直な面に対して対称な配置および構造を有している。
爪部移動機構50は、後爪部RCを、前爪部FCに対して、延伸方向81に沿って相対移動させるように構成されている。したがって、爪部移動機構50は、前爪部FCと後爪部RCとの延伸方向81に関する間隔を変更する爪部間隔変更機構を構成している。爪部移動機構50は、具体的には、一対の後爪部RCを支持するブラケット51と、ブラケット51を延伸方向81に移動させるプッシャ52とを含む。プッシャ52は、エアシリンダとバネとを含むエア駆動型のアクチュエータであってもよい。爪部移動機構50によって、前爪部FCと後爪部RCとの間隔を変化させることができ、それによって、前爪部FCおよび後爪部RCは、それらの間隔を広げた開状態(爪部開状態)と、それらの間隔を狭めた閉状態(爪部閉状態)とをとることができる。爪部移動機構50は、非作動状態において、閉状態となる、ノーマルクローズ型の構成を有していることが好ましい。たとえば、プッシャ52は、後爪部RCを閉状態の位置に付勢するバネと、そのバネ力に抗して後爪部RCを開状態に位置に移動させるアクチュエータ(たとえばエアアクチュエータ)とを有していてもよい。
図4は、前爪部FCおよび後爪部RCの断面図であり、保持対象の基板W(円形の基板)の想定中心(重心)位置84(以下「保持中心位置84」という。図3Aおよび図3Bを併せて参照。)からの放射方向に沿った鉛直面での断面を示す。
前爪部FCおよび後爪部RCは、下方に向かうに従って保持中心位置84に向かうように水平面に対して傾斜した第1基板支持テーパー面71を有する第1基板支持部61を備えている。前爪部FCおよび後爪部RCは、さらに、第1基板支持テーパー面71よりも下方で基板Wの縁部を下方から支持するように構成された第2基板支持部62を備えている。この実施形態では、第2基板支持部62は、第1基板支持テーパー面71の下縁に連なり、当該第1基板支持テーパー面71よりも水平面に対する傾斜角が小さい第2基板支持テーパー面72を有しており、この第2基板支持テーパー面72で基板Wの縁部を下方から支持するように構成されている。第1基板支持テーパー面71の上縁には鉛直方向に沿った円筒面70が形成されている。
前爪部FCおよび後爪部RCが爪部閉状態(図4に実線で示す状態)のとき、第1の大きさ(円形基板の場合には第1の径)φ1の基板Wの周端面が第1基板支持テーパー面71に接することにより当該基板Wが第1基板支持テーパー面71に支持されるように設計されている。その一方で、第1の大きさφ1よりも小さい、第2の大きさ(円形基板の場合には径)φ2の基板Wの縁部が第2基板支持部62(より具体的には第2基板支持テーパー面72)に支持されるように設計されている。
第1の大きさφ1の基板Wとは、たとえば301mmの径の円形基板であってもよく、第2の大きさφ2の基板Wとは、たとえば300mmの径の円形基板であってもよい。この場合、閉状態における円筒面70の径φ70(φ1<φ70)は、302mm程度であってもよい。また、第1基板支持テーパー面71の下縁(すなわち、第2基板支持テーパー面72の上縁)は、300.3mm程度の径φ71(φ2<φ71<φ1)の円周上にあってもよい。第1基板支持テーパー面71の上縁および下縁の平面視における距離75は、1mm~2mm程度(1mm超、2mm以下)であることが好ましい。
第2の大きさφ2の基板Wは、たとえば、薄型化された基板W1と、それを支持するための支持基板W2(たとえばガラス基板)とを貼り合わせた、貼り合わせ基板であってもよい。一般的には、支持基板W2は基板W1よりも大きいので、支持基板W2の大きさが貼り合わせ基板Wの大きさとなる。
前爪部FCおよび後爪部RCの間隔が広い爪部開状態(図4に二点鎖線で示す状態)のときには、前爪部FCおよび後爪部RCのそれぞれの内周端73は、第1の大きさφ1および第2の大きさφ2のいずれの基板Wをもそれらの間に受け容れるように離間している。つまり、爪部開状態のとき、前爪部FCおよび後爪部RCの内周端73は、301mmよりも大きな直径の円周上に位置している。この直径の数値は、より具体的には、302mmよりも大きい値、たとえば305mmをとる。直径の数値は、310mm以上をとることが好ましい。最終的な直径の数値については、 基板保持ハンドHのストロークの大きさなどとの設計の兼ね合いにより決められる。
この実施形態では、基板保持ハンドHは、フィンガFの下方で基板Wが保持されているかどうかを検出するための基板センサ55を備えている。この実施形態では、一対のフィンガFのうちの一方に基板センサ55が配置されている。ただし、基板センサ55は、基部Bに配置されてもよい。基板センサ55は、たとえば、基板Wに向けて投光し、基板Wからの反射光の有無を検出する反射型センサであってもよい。
図5は、300mmの径(第2の大きさφ2の一例)の基板の保持動作を説明するための図解的な断面図であり、図4と同様の断面が示されている。
基板保持ハンドHは、爪部開状態(図5の左図二点鎖線参照)で、300mm径の基板W(φ300ウエハ)の上方から下降し、第1基板支持テーパー面71の上縁よりも上方に基板Wが位置する状態とされる。それにより、前爪部FCおよび後爪部RCが基板Wの周端面に対向する高さに配置され、前爪部FCおよび後爪部RCの内方に基板Wが受け容れられる。その状態で、爪部閉状態(図5の左図実線参照)とすることにより、前爪部FCおよび後爪部RCが基板Wの周縁部に下方から対向する状態となる。次に、基板保持ハンドHが上昇させられる(図5の右図参照)。すると、300mm径の基板Wの周縁部は、第2基板支持テーパー面72によって、その下方から支持される。
基板Wの中心が保持中心位置84からずれている場合には、基板保持ハンドHが上昇するときに、基板Wの周縁部は、第1基板支持テーパー面71によって第2基板支持テーパー面72へと案内される。こうして、300mm径の基板Wは、保持中心位置84に中心位置が導かれた位置合わせ状態で、第2基板支持部62(第2基板支持テーパー面72)によって保持されることになる。
図6は、301mmの径(第1の大きさφ1の一例)の基板の保持動作を説明するための図解的な断面図であり、図4と同様の断面が示されている。
基板保持ハンドHは、爪部開状態(図6の左図二点鎖線参照)で、301mm径の基板W(φ301ウエハ)の上方から下降し、第1基板支持テーパー面71の上縁よりも上方に基板Wが位置する状態とされる。それにより、前爪部FCおよび後爪部RCが基板Wの周端面に対向する高さに配置され、前爪部FCおよび後爪部RCの内方に基板Wが受け容れられる。その状態で、爪部閉状態(図6の左図実線参照)とすることにより、前爪部FCおよび後爪部RCが基板Wの周縁部に下方から対向する状態となる。
次に、基板保持ハンドHが上昇させられる(図6の右図参照)。すると、301mm径の基板Wの周縁部は、前爪部FCおよび後爪部RCに対して相対的に下降していく。第1基板支持テーパー面71の下縁の径が301mmよりも小さいので、301mm径の基板Wの周縁部は、第1基板支持テーパー面71の上下方向途中位置で停止し、その状態で、第1基板支持テーパー面71によって下方から支持される。
基板Wの中心が保持中心位置84からずれている場合には、基板保持ハンドHが上昇するときに、基板Wの周縁部は、第1基板支持テーパー面71によって案内され、それより、基板Wの中心位置は保持中心位置84に導かれる。こうして、301mm径の基板Wは、保持中心位置84に中心位置が導かれた位置合わせ状態で、第1基板支持部61(第1基板支持テーパー面71)によって保持されることになる。
図7は、処理ユニット3の基板ホルダ3aまたは基板通過ユニット5の基板ホルダ5aから主搬送ロボット4が基板Wを取る動作(GET動作)、すなわち、搬送元から基板を受け取る基板受取ステップのシーケンスを説明するための図である。この動作は、制御装置7(図1参照)が主搬送ロボット4を制御することによって実現される。
主搬送ロボット4は、前爪部FCおよび後爪部RCの間隔が基板Wの大きさよりも開いた爪部開状態で、平面視において、前爪部FCおよび前記後爪部RCの間に基板Wが位置するまで、延伸方向81に沿って基板保持ハンドHを前進させる(ステップS1)。このとき、前爪部FCは、搬送元である基板ホルダ3a,5aに保持された基板Wの上方の所定の高さの進入経路を通過し、基板Wを保持するときの位置である基準位置(ステップS3~S5の位置)を所定距離だけ超えるまで前進する。所定距離の値は、具体的には、円筒面70から前爪部FCの内周端73までの距離よりも大きく、より具体的には、当該距離に所定のフロントクリアランス87(図6参照。たとえば0.5mm)を加えた値よりも大きいことが好ましい。
次に、主搬送ロボット4は、フィンガFの下面と第1基板支持テーパー面71との間の高さに基板Wの周縁部が位置するまで、前記基板保持ハンドHを下降させる(ステップS2)。より具体的には、第1基板支持テーパー面71の上縁よりも上方で基板Wの周端面が前爪部FCおよび後爪部RCに対向(すなわち、円筒面70に対向)する高さまで基板保持ハンドHが下降させられる。
次に、主搬送ロボット4は、基板保持ハンドHを延伸方向81に沿って後退させ、基板Wの周縁部に前爪部FCの第1基板支持テーパー面71を接近させる(ステップS3)。後退後の基板保持ハンドHの位置は、基板Wの径が301mmであり、その中心が保持中心位置84に一致しているときに、基板Wの周端面と前爪部FCの円筒面70とが水平方向に対向し、それらの間に所定のフロントクリアランス87(図6参照。たとえば0.5mm)が形成される位置である。
次に、主搬送ロボット4は、爪部移動機構50によって後爪部RCを延伸方向81に沿って前進させて、爪部閉状態とし、基板Wの周縁部に後爪部RCの第1基板支持テーパー面71を接近させる(ステップS4)。前進後の後爪部RCの位置は、基板Wの径が301mmであり、その中心が保持中心位置84に一致しているときに、基板Wの周端面と後爪部RCの円筒面70とが水平方向に対向し、それらの間に所定のリヤクリアランス88(図6参照。たとえば0.5mm)が形成される位置である。フロントクリアランス87とリヤクリアランス88とは、互いに等しいことが好ましい。
次に、主搬送ロボット4は、基板保持ハンドHを上昇させて、前爪部FCおよび後爪部RCで基板Wの周縁部を下方から支持する(ステップS5)。上昇後の基板保持ハンドHの高さは、第2基板支持テーパー面72が基板ホルダ3a,5aの基板保持高さよりも上方に配置されるように設定されている。より具体的には、基板保持ハンドHの上昇後には、前爪部FCおよび後爪部RCの下端が、基板ホルダ3a,5aの上端よりも上に位置する。これにより、基板Wを基板ホルダ3a,5aから取り上げることができる。300mm径の基板Wの場合には、基板Wの周縁部は、第2基板支持テーパー面72によって支持される。301mm径の基板Wの場合には、基板Wの周縁部は、第1基板支持テーパー面71によって支持される。
その後、主搬送ロボット4は、基板保持ハンドHを後退させ、処理ユニット3または基板通過ユニット5から基板保持ハンドHを退避させる(ステップS6)。それにより、基板Wを基板通過ユニット5または処理ユニット3から搬出できる。
制御装置7は、たとえば、ステップS5以降において、基板センサ55の出力を参照して、基板保持ハンドHに基板Wが保持されているかどうかを検出する基板有無検知を行う。
図8は、主搬送ロボット4が処理ユニット3の基板ホルダ3aまたは基板通過ユニット5の基板ホルダ5aに基板Wを置く動作(PUT動作)、すなわち、搬送先に基板を渡す基板渡しステップのシーケンスを説明するための図である。
主搬送ロボット4は、搬送元から基板Wを受け取る基板受取ステップ(図7参照)の後、搬送先までその基板Wを搬送するステップを実行し、その後、搬送先に基板Wを渡す基板渡しステップを実行する。この基板搬送動作は、制御装置7(図1参照)が主搬送ロボット4を制御することによって実現される。
主搬送ロボット4は、爪部閉状態で基板保持ハンドHが基板Wを保持した状態で、基板Wの搬送先である基板ホルダ3a,5aの基板保持位置の上方に設定された所定の高さの進入経路に沿って基板保持ハンドHを延伸方向81に沿って前進させる(ステップS11)。それにより、基板Wが搬送先の基板保持位置の上方に配置される。
次に、主搬送ロボット4は、基板保持ハンドHを下降させる。それにより、前爪部FCおよび後爪部RCの第1基板支持テーパー面71または第2基板支持テーパー面72によって下方から周縁部を支持されている基板Wが基板ホルダ3a,5aに渡される(ステップS12)。下降後の基板保持ハンドHの高さは、基板Wよりも上にフィンガFが位置し、当該基板Wの周縁部よりも下方に第1基板支持テーパー面71が位置する状態となり、前爪部FCおよび後爪部RCのそれぞれの円筒面70がフロントクリアランス87およびリヤクリアランス88(図6参照)をそれぞれ空けて水平方向に沿って基板Wの周端面と対向する高さである。
次に、主搬送ロボット4は、爪部移動機構50によって後爪部RCを後退させて、爪部開状態とする(ステップS13)。それにより、前爪部FCおよび後爪部RCの間隔が基板Wの大きさよりも開いた状態となる。
次に、主搬送ロボット4は、平面視において、前爪部FCおよび後爪部RCの間に基板Wが位置するまで、延伸方向81に沿って基板保持ハンドHを前進させる(ステップS14)。この基板保持ハンドHの前進後には、平面視において、前爪部FCおよび後爪部RCのそれぞれの内周端73が、基板Wの周端面よりも外方に配置される。
次に、主搬送ロボット4は、前爪部FCおよび後爪部RCが基板Wよりも高くなるまで、より具体的には、前爪部FCおよび後爪部RCの最下端が基板Wよりも高くなるまで、基板保持ハンドHを上昇させる(ステップS15)。
そして、主搬送ロボット4は、基板保持ハンドHを延伸方向81に沿って後退させて、基板Wの上方から基板保持ハンドHを退避させる(ステップS16)。これにより、基板保持ハンドHは、搬送先である処理ユニット3または基板通過ユニット5の外方に退出する。
このようにして、主搬送ロボット4は、処理ユニット3または基板通過ユニット5に基板を搬入して、基板保持ハンドHをそれらから退出させて、基板渡しステップを終える。
制御装置7は、たとえば、ステップS12以前の期間において、基板センサ55の出力を参照して、基板保持ハンドHに基板Wが保持されているかどうかを検出する基板有無検知を行い、その後は、基板有無検知を行わない。
以上のように、この実施形態の基板保持ハンドHにおいては、フィンガFが延伸方向81に沿って基部Bから水平に延びており、そのフィンガFから下方に垂れ下がるように前爪部FCが設けられている。一方、前爪部FCよりも基部Bに近い位置には、基部Bから下方に垂れ下がるように後爪部RCが設けられている。前爪部FCおよび後爪部RCは、フィンガFよりも下方で基板Wの縁部を下方から支持するように構成されている。したがって、基板保持ハンドHに基板Wが保持されるとき、フィンガFは、前爪部FCおよび後爪部RCによって支持される基板Wよりも上方に位置するので、基板Wが重力によって中央部が下方に垂れるように変形したとしても、基板WがフィンガFに接触する可能性はない。このように、基板保持ハンドHは、大型でかつ薄型の基板を保持するのに適した構成を有している。
一方、この実施形態によれば、前爪部FCと後爪部RCとの延伸方向81の距離が爪部間隔変更機構の一例である爪部移動機構50によって増減される。換言すれば、前爪部FCおよび後爪部RCは、それらの間隔が大きく開いた爪部開状態と、それらの間隔が爪部開状態よりも狭められた爪部閉状態との間で、開閉することができる。よって、爪部開状態で基板Wを前爪部FCおよび後爪部RCの間に進入させ、その後に爪部閉状態とすることにより、前爪部FCおよび後爪部RCを基板Wの縁部の下方に進入させることができる。それにより、前爪部FCおよび後爪部RCによって、基板Wの縁部を下方から支持できるように抱えることができ、基板保持ハンドHを上昇させることにより、フィンガFの下方に吊り下げる状態で基板Wを保持できる。
また、この実施形態によれば、前爪部FCおよび後爪部RCの各々は、下方に向かうに従って基板Wの内方に向かうように傾斜した第1基板支持テーパー面71を有しており、この第1基板支持テーパー面71で基板Wの縁部が下方から支持される。よって、前爪部FCおよび後爪部RCの第1基板支持テーパー面71で基板Wが支持されるときに、第1基板支持テーパー面71によって、基板Wが適正位置へと案内され、その適正位置で基板保持ハンドHによって基板を保持できる。それにより、基板保持ハンドHは、基板Wを位置合わせして保持する位置合わせ機能を有することになる。したがって、このような基板保持ハンドHを備えた主搬送ロボット4は、基板Wを正確に搬送することができる。
また、この実施形態においては、延伸方向81に交差する水平な交差方向82に沿って対向する2本のフィンガFが備えられる。そして、各フィンガが、前爪部FCを備えている。したがって、2本のフィンガにそれぞれ設けられた前爪部FCにより、フィンガFの下方において、基板Wの縁部が下方から支持される。それにより、基板Wをより安定に、すなわち確実に保持することができる。したがって、大型で薄型の基板Wの保持に一層適した構造の基板保持ハンドHを提供できる。しかも、この実施形態では、2つの後爪部RCが備えられているので、より一層確実に基板Wを安定した状態で保持することができる。
また、この実施形態においては、前爪部FCおよび後爪部RCの各々は、第1基板支持テーパー面71よりも下方で基板Wの縁部を下方から支持するように構成された第2基板支持部62を備えている。それにより、第1基板支持テーパー面71の下縁よりも内方に周縁を有する基板Wを第2基板支持部62によって支持できる。より具体的には、第1基板支持テーパー面71で支持される基板W(たとえば、301mm径の基板)よりも小さな基板W(たとえば、300mm径の基板)を第2基板支持部62で支持し、それよって、そのような小さな基板Wを、前爪部FCおよび後爪部RCによって支持した状態で、フィンガFの下方で保持できる。したがって、2種類以上の大きさの基板Wを保持できる基板保持ハンドHを提供できる。しかも、第2基板支持部62は、第1基板支持テーパー面71よりも下方において基板Wを支持するように構成されているので、基板Wは、第1基板支持テーパー面71によって、第2基板支持部62に向けて位置合わせされることになる。よって、第2基板支持部62によって基板Wを支持するときにも、その基板Wは位置合わせされた状態で保持される。それにより、この基板保持ハンドHを備える主搬送ロボット4は、サイズの異なる基板Wを正確に搬送することができる。
この実施形態では、第2基板支持部62は、第1基板支持テーパー面71の下縁に連なり、第1基板支持テーパー面71よりも水平面に対する傾斜角が小さい第2基板支持テーパー面72を有し、当該第2基板支持テーパー面72で基板Wの縁部を下方から支持するように構成されている。第2基板支持テーパー面72の傾斜角が小さいので、第1基板支持テーパー面71で支持されない比較的小さい基板Wを第2基板支持テーパー面72で確実に支持できる。また、そのような比較的小さい基板Wの縁部と第2基板支持テーパー面72との接触は、実質的に点接触となるので、基板Wに対する影響が少なくなる。
また、この実施形態では、基板保持ハンドHは、フィンガFの下方で前爪部FCおよび後爪部RCによって基板Wが保持されているかどうかを検出するように構成された基板センサ55を備えている。それにより、基板保持ハンドHに基板Wが保持されているかどうかを確認できるので、確実な基板保持を実現できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、以下に変形例を示すとおり、さらに他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、2本のフィンガFが備えられているが、フィンガの数は、2に限られない。たとえば、1本のフィンガを備えてもよい。より具体的には、1本のフィンガの前端部に2つの前爪部を備えてもよい。
前述の実施形態では、基部Bに爪部移動機構50を介して後爪部RCが取り付けられているが、爪部移動機構50をフィンガFに配置し、フィンガFに後爪部RCを取り付ける構成としてもよい。
前述の実施形態では、爪部移動機構50によって後爪部RCを移動させることにより、前爪部FCと後爪部RCとの間隔を変更する爪部間隔変更機構を構成している。しかし、前爪部FCを延伸方向81に移動させる構成によって爪部間隔変更機構を構成してもよい。たとえば、後爪部RCを基部Bに固定する一方で、フィンガFを基部Bに対して延伸方向81に移動させるフィンガ移動機構によって爪部間隔変更機構を構成してもよい。
前述の実施形態では、第2基板支持部62は、第2基板支持テーパー面72によって基板Wの周縁に下方から点接触する構成を有しているが、凸湾曲面上の頭部を有する突起を設けても、同様な点接触支持が可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。