発明の詳細な説明
本明細書において使用される科学的および技術的用語は、当業者により一般に理解される意味を有するものと意図される。かかる用語は、例示的に以下を含む様々な標準的な参考文献における文脈中に定義され、使用されているものが見出される:J. Sambrook and D.W. Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; 3rd Ed., 2001;F.M. Ausubel, Ed., Short Protocols in Molecular Biology, Current Protocols; 5th Ed., 2002;B. Alberts et al., Molecular Biology of the Cell, 4th Ed., Garland, 2002;D.L. Nelson and M.M. Cox, Lehninger Principles of Biochemistry, 4th Ed., W.H. Freeman & Company, 2004;Herdewijn, P. (Ed.), Oligonucleotide Synthesis: Methods and Applications, Methods in Molecular Biology, Humana Press, 2004;A. Nagy, M. Gertsenstein, K. Vintersten, R. Behringer, Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; December 15, 2002, ISBN-10: 0879695919;and Kursad Turksen (Ed.), Embryonic stem cells: methods and protocols in Methods Mol Biol. 2002;185, Humana Press;Current Protocols in Stem Cell Biology, ISBN: 9780470151808。
単数形の用語「a」、「an」および「the」は、明白に定まった他のものか、または文脈が明確に他を指示しない限りは、限定されることを意図されず複数の対象物を包含する。
用語「含む(comprising)」は、例えば、A、B、およびCのメンバーを含む群が追加のメンバーを包含するように開放群を指す。用語「からなる(consisting of)」は、例えば、A、B、およびCのメンバーからなる群が追加のメンバーを包含しないように閉鎖群を指す。
用語「異種の(xenogeneic)」は、「異種の」ものと呼ばれる材料がホスト細胞または生物のそれと比べて別の種を由来とすることを指示するために、ホスト細胞または生物と関連して本明細書において使用される。
ヒト幹細胞因子(hSCF)、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(hGM-CSF)、ヒトインターロイキン-3(hIL-3)、およびヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)を発現する遺伝子組換え免疫不全マウス(本明細書において「免疫不全QUADマウス」と呼ばれる)が、本発明の側面に従って提供される。
本発明の様々な側面が、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1をそのゲノム中でコードするヌクレオチド配列を包含する免疫不全QUADマウスに関連し、ここで免疫不全QUADマウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1タンパク質を発現する。核酸配列は、本明細書において示され、記載されており、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、hCSF1タンパク質およびそのバリアントをコードする。遺伝情報の縮重の性質に起因して、代替の核酸配列がhCSF1、hGM-SCF、hSCF、hIL-3およびそのバリアントをコードし、かかる代替の核酸が本明細書において記載された組成物および方法に使用されてもよいことは当業者によって理解されるであろう。
用語「ヒトコロニー刺激因子1」、「ヒトCSF1」、および「hCSF1」は、本明細書において同義的に単球、マクロファージ、および骨髄前駆細胞の増殖、分化、および生存に関係するサイトカインを指すよう使用される。ヒトCSF1遺伝子座は、1番染色体上に存在し、ゲノムリファレンスコンソーシアムヒトリファレンス38ゲノム(GRCh38/hg38)の109,910,242~109,930,992ヌクレオチドとして生じる。ヒトCSF1遺伝子は、少なくとも4つの転写バリアント(例えば、NCBI Reference Sequences NM_000757.5、NM_172210.2、NM_172211.3、およびNM_172212.2を参照する)として発現され、a、b、およびcの少なくとも3つのアイソフォーム(例えば、NCBI Reference Sequences NP_000748.3、NP_757349.1、NP_757350.1、およびNP_757351.1を参照する)を産出する。用語「hCSF1」は、本明細書において具体的に同定されたhCSF1のアミノ酸配列のバリアントを包含する。ヒトCSF1タンパク質は、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10として本明細書において同定され、そのバリアントは本発明に役立つ。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、そのゲノム中にプロモーターに作動可能に連結されたhCSF1をコードする核酸を包含し、ここでhCSF1は、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10のアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:2にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:3にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、または高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:4にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列を包含する。
用語「ヒト幹細胞因子」、「ヒトSCF」、および「hSCF」は本明細書においてc-Kit受容体(CD117)に結合する周知のサイトカインを指すものとして同義的に使用される。SCFは、kitリガンド、SF、Kit1、KL-1および他の名称としても知られている。様々なSCFのアイソフォームは、代替のスプライシングにより生成された膜透過型および可溶型アイソフォームを包含することが知られている。特定のアイソフォームは、ヒト膜結合型幹細胞因子248(SCF248)、ヒト膜結合型幹細胞因子220(SCF220)および可溶型幹細胞因子(SCF)を包含し、Anderson, D.M. et al., 1990, Cell 63, 235;Flannagan, J.G. et al., 1991, Cell 64, 1025;Anderson, D.M. et al., 1991, Cell Growth Differ. 2, 373;Martin, F.H. et al., Cell, 63:203, 1990;Huang E.J. et al., Mol. Biol. Cell, 3:349, 1992;およびHuang E. et al., Cell, 63:225, 1990を参照する。ヒト可溶型SCF、ヒトSCF220およびヒトSCF248のアミノ酸配列が、ヒト可溶型SCF、ヒトSCF220またはヒトSCF248をコードする例示的な核酸配列と共に本明細書において示されている。用語「hSCF」は、本明細書において具体的に同定されたhSCFのアミノ酸配列のバリアントを包含する。ヒトSCFタンパク質は、配列番号:11、配列番号:13、および配列番号:16として本明細書において同定されており、およびそのバリアントは、本発明に役立つ。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、そのゲノム中にプロモーターに作動可能に連結されたhSCFをコードする核酸を包含し、ここでhSCFは、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:16のアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:12にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:14にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:15にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、または高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:17にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列を包含する。
用語「ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子」、「ヒトGM-CSF」、および「hCM-CSF」は、本明細書において同義的に使用される。ヒトGM-CSFは、顆粒球およびマクロファージの生産、分化および機能を制御する周知のサイトカインである。用語「GM-CSF」は、本明細書において具体的に同定されたGM-CSFのアミノ酸配列のバリアントを包含する。ヒトGM-CSFタンパク質は、配列番号:18、および配列番号:20ならびに本発明におけるそのバリアントとして本明細書において同定される。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、そのゲノム中にプロモーターに作動可能に連結されたhGM-CSFをコードする核酸を包含し、ここでhGM-CSFは、配列番号:18、配列番号:20のアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:19にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、または高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:21にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列を包含する。
用語「ヒトインターロイキン-3」、「ヒトIL-3」、および「hIL-3」は本明細書において同義的に使用される。IL-3は、顆粒球およびマクロファージの生産、分化および機能を制御することにより血球の生産を調節する周知のサイトカインである。用語「hIL-3」は、本明細書において具体的に同定されたhIL-3のアミノ酸配列のバリアントを包含する。ヒトIL-3タンパク質は、配列番号:22、および配列番号:24ならびに本発明におけるそのバリアントとして本明細書において同定される。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、そのゲノム中にプロモーターに作動可能に連結されているhIL-3をコードする核酸を包含しており、ここでhIL-3は、配列番号:22、配列番号:24のアミノ酸配列、高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:23にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列、または高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:25にハイブリダイズする核酸の相補鎖によりコードされるアミノ酸配列を包含する。
本発明の側面は、そのゲノムがhCSF1をコードするヌクレオチド配列、hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、およびhIL-3をコードするヌクレオチド配列を包含する免疫不全QUADマウスに関連し、ここで免疫不全QUADマウスは、hCSF1、hSCF、hGM-CSF、およびhIL-3を発現する。
本発明の側面に従うと、包含されるhCSF1をコードするヌクレオチド配列は、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、または配列番号:4に記載されたヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、および配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、または配列番号:10に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhCSF1をコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhCSF1をコードするヌクレオチド配列は、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、または配列番号:4に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するmRNA転写産物をコードし、ここで前述の配列のデオキシチミジン塩基は、ウリジンで置換され、およびここでmRNAは、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、または配列番号:10に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhCSF1をコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhSCFをコードするヌクレオチド配列は、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:15、または配列番号:17に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、および配列番号:11、配列番号:13、または配列番号:16に記載のアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhSCFをコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhSCFをコードするヌクレオチド配列は、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:15、または配列番号:17に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するmRNA転写産物をコードし、ここで前述の配列のデオキシチミジン塩基は、ウリジンで置換され、およびここでmRNAは、配列番号:11、配列番号:13、または配列番号:16に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhSCFをコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhGM-CSFをコードするヌクレオチド配列は、配列番号:19、または配列番号:21に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、および配列番号:18、または配列番号:20に記載されるアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhGM-CSFをコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhGM-CSFをコードするヌクレオチド配列は、配列番号:19、または配列番号:21に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するmRNA転写産物をコードし、ここで前述の配列のデオキシチミジン塩基は、ウリジンで置換されており、およびここでmRNAは、配列番号:18、または配列番号:20に記載のアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhGM-CSFをコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhIL-3をコードするヌクレオチド配列は、配列番号:23、または配列番号:25に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有し、および配列番号:22、または配列番号:24に記載のアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhIL-3をコードする。
本発明の側面に従うと、包含されるhIL-3をコードするヌクレオチド配列は、配列番号:23、または配列番号:25に記載されるヌクレオチド配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するmRNA転写産物をコードし、ここで前述の配列のデオキシチミジン塩基は、ウリジンで置換されておりここでmRNAは、配列番号:22、または配列番号:24に記載されたアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するhIL-3をコードする。
2つのアミノ酸配列または2つのヌクレオチド配列の同一性のパーセントを決定するために、配列は、最適な比較目的のためにアラインされる(例えば、ギャップは、アラインメントのソフトウェアプログラムのデフォルトパラメーターを使用して最適アラインメントのために第一のアミノ酸またはヌクレオチド配列を第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列と共に導入され得る)。アミノ酸または対応するアミノ酸位置のヌクレオチドもしくはヌクレオチド位置が次いで比較される。第一の配列における位置が、第二の配列における相当する位置のものと同じアミノ酸またはヌクレオチドにより占められる場合に、次いで分子は、その位置で同一である。2つの配列の間の同一性のパーセントは、配列により共有される同一の位置の数に相関する(すなわち、%同一性=同一であるアラインされた位置の数÷アラインされた位置の総数x100%)。いくつかの態様において、2つの配列は同じ長さを有している。
2つの配列の間の同一性のパーセントの決定は、数学アルゴリズムを使用して達成され得る。2つの配列の比較に利用される数学アルゴリズムの非限定例は、Karlin and Altschul,1990,PNAS USA 87:2264-68のアルゴリズム、Karlin and Altschul,1993,PNAS USA 90:5873-77において修正された物である。かかるアルゴリズムは、Altschul et al, 1990, J. Mol. Biol. 215:403のNBLASTおよびXBLASTのプログラムに組み入れられている。BLASTのヌクレオチドの検索は、本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るために、例えばスコア=100、ワード長=12といったNBLASTのヌクレオチドプログラムのパラメーターセットを用いて任意に実行され得る。BLASTのタンパク質の検索は、本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るために、例えばスコア=50、ワード長=3といったXBLASTのプログラムのパラメーターセットを用いて任意に実行され得る。比較目的のためのギャップアラインメントを得るために、Gapped BLASTが、Altschul et al, 1997, Nucleic acids Res. 25:3389-02に記載されたように利用され得る。代わりに、PSI BLASTは、分子間の離れた関係を検出する繰り返し検索を実行するために使用され得る(同上)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI Blastを利用する場合に、それぞれのプログラムの(例えば、XBLASTおよびNBLASTの)デフォルトのパラメーターが使用される(例えば、NCBIのウェブサイトを参照する)。別の好適な、配列を比較するために利用される数学アルゴリズムの非限定例は、Myers and Miller, 1988, CABIOS 4:11-17のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの部分である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)において組み入れられている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合に、PAM120重量残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティー、および4のギャップペナルティーが使用された。一連のソフトウェアプログラムであるClustalは、配列同一性のパーセントを決定するためのさらなる方法を提供する。
2つの配列間の同一性のパーセントは、ギャップの許可を伴った、または伴わない上記のそれらと類似した技術を使用して決定される。同一性のパーセントを計算することにおいて、完全な一致のみが典型的には計上される。
用語「ハイブリダイゼーション」および「ハイブリダイズする」は、相補的な核酸の対合および結合を指す。ハイブリダイゼーションは、核酸の相補性の程度、核酸の融解温度であるTmおよびハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーなどの当該技術分野において周知である要因に依存して2つの核酸の間でさまざまな範囲で生じる。用語「ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー」は、ホルムアミドおよびデンハルト溶液などの特定の一般的な添加物に関しては温度、イオン強度、およびハイブリダイゼーション培地の組成の条件を指す。特定の核酸に関連する特定のハイブリダイゼーション条件の決定は、例えば、J. Sambrook and D.W. Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press; 3rd Ed., 2001;およびF.M. Ausubel, Ed., Short Protocols in Molecular Biology, Current Protocols; 5th Ed., 2002に記載されるように、ルーチンであり、当該技術分野において周知である。高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーションの条件は、実質的に相補的な核酸のハイブリダイゼーションを可能にするのみであるものである。典型的に、約85~100%の相補性を有する核酸は、非常に相補的であると考えられ、高ストリンジェンシーな条件下でハイブリダイズする。中間のストリンジェンシーな条件は、高い相補性の程度を有するものと同様に約50~84%といった中間の相補性を有する核酸がハイブリダイズする条件により例示される。これとは対照に、低いストリンジェンシーなハイブリダイゼーションの条件は、低い相補性の程度を有する核酸がハイブリダイズするものである。
用語「特異的なハイブリダイゼーション」および「特異的にハイブリダイズする」は、核酸の試料中の標的核酸以外への実質的なハイブリダイゼーションのない、標的核酸への特定の核酸のハイブリダイゼーションを指す。
ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件のストリンジェンシーは、プローブならびに標的のTmおよびハイブリダイゼーションのイオン強度および洗浄条件を包含する、当業者に周知であるいくつかの要因に依存する。ハイブリダイゼーションおよび望ましいハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを達成するための条件は、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001;およびAusubel, F. et al., (Eds.), Short Protocols in Molecular Biology, Wiley, 2002に記載されている。
変異は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介の変異誘発などの標準的な分子生物学の技術を使用して導入され得る。当業者は、1つ以上のアミノ酸変異がhSCF、hGM-CSF、hIL-3、またはhCSF1タンパク質の機能特性を変更することなく導入され得ることを認識するだろう。
保存的なアミノ酸置換が、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、またはhCSF1タンパク質バリアントを生産するために、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、またはhCSF1タンパク質においてなされ得る。保存的なアミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した特徴を有する別のアミノ酸への置換と認識される技術である。例えば、それぞれのアミノ酸は、以下の特徴の1つ以上を有するものとして記載され得る:正の電荷を有する、負の電荷を有する、脂肪族、芳香族、極性、疎水性、および親水性。保存的な置換は、特定の構造的または機能的な特徴を有する1つのアミノ酸の同じ特徴を有する別のアミノ酸への置換である。酸性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸を包含する;塩基性アミノ酸は、ヒスチジン、リジン、アルギニンを包含する;脂肪族アミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、およびバリンを包含する;芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンを包含する;極性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、およびチロシンを包含する;および疎水性アミノ酸は、アラニン、システイン、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、およびトリプトファンを包含する;および保存的置換は、それぞれの群の内部のアミノ酸の間の置換を包含する。アミノ酸は、立体的または相対サイズの点についても記載され得、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グリシン、アスパラギン、プロリン、スレオニン、セリン、およびバリンは、すべて典型的に小さいものであると考えられる。
用語「核酸」は、単一鎖、二本鎖、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを包含するいずれかの形態において1より多いヌクレオチドを有するRNAまたはDNA分子を指す。用語「ヌクレオチド配列」は、核酸におけるヌクレオチドの順序を指す。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、hCSF1、およびそのバリアントをコードする核酸は、周知の方法論を使用して組換えまたは合成で単離または生成され得る。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、またはhCSF1をコードするヌクレオチド配列は、プロモーターに作動可能に連結され得る。プロモーターは、構成的プロモーターであり得る。プロモーターは、ホストマウス(例えば、免疫不全マウス)において遺伝子発現を駆動することができ得る。例えば、プロモーターは、CAGプロモーターであり得る。CAGプロモーターは、サイトメガロウイルス初期エンハンサーエレメント(「C」)、ニワトリベータ-アクチン遺伝子の第一エクソンおよび第一イントロン(「A」)、およびウサギベータ-グロブリン遺伝子のスプライスアクセプター(「G」)を包含する。CAGプロモーターは、周知であり、マウス細胞における強固な発現を表示している(例えば、Jun-ichi et al, 1989, Gene, 79(2):269を参照する)。CAGプロモーターは、例えばエクソンを取り除くように修飾され得る。他のプロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)最初期プロモーターおよびサルウイルス40(SV40)初期プロモーターを包含するマウスにおいて遺伝子発現を強固に駆動することが知られている。発現コンストラクトにおいて遺伝子を設計することおよびプロモーターの位置調節をするための方法は、周知である(例えば、Haruyama et al, 2009, Curr. Protoc. Cell Biol., 19.10を参照する)。
免疫不全QUADマウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1をコードする核酸を包含し得、それぞれの核酸は、構成的プロモーターに作動可能に連結されている。
免疫不全マウスは、そのゲノムが異種CSF1をコードするヌクレオチド配列を包含する発現カセットを包含する本発明の態様に従って提供され、ここでヌクレオチド配列は、プロモーターおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結されており、マウスは、コードされる異種CSF1をを発現する。
用語「発現コンストラクト」および「発現カセット」は、本明細書において所望のコード配列を含有し、作動可能に連結されたコード配列の発現のための必要であるかまたは望ましい1つ以上の調節エレメントを含有する二本鎖組換えヌクレオチド配列を指すものとして使用される。本明細書において使用される用語「調節エレメント」は、ヌクレオチド配列の発現のいくつかの側面を制御するヌクレオチド配列を指す。例示的な調節エレメントは、エンハンサー、内部リボソーム侵入部位(IRES)、イントロン、複製開始点、ポリアデニル化シグナル(pA)、プロモーター、転写終結配列、ならびにヌクレオチド配列の複製、転写、および転写後プロセッシングに寄与する上流調節ドメインを例示的に包含する。当業者は、単なるルーチンの実験を伴う発現コンストラクトにおけるこれらおよび他の調節エレメントを選択および使用することが可能である。発現コンストラクトは、周知の方法論を使用して組換えで、または合成的に生成され得る。
本明細書において使用される用語「作動可能に連結された」は、第二のヌクレオチド配列と機能的な関係にあるヌクレオチド配列を指す。
発現カセットに包含される調節エレメントは、プロモーターであり得る。本明細書において使用される用語「プロモーター」は、所望のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列などに転写されるヌクレオチド配列をコードするものに作動可能に連結された調節性ヌクレオチド配列を指す。プロモーターは、転写されるヌクレオチド配列の上流に一般的に位置し、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子により特異的に結合するための部位を提供する。プロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターであり得る。プロモーターは、ユビキタスな、組織特異的な、または細胞型特異的な発現を任意に提供し得る。
発現コンストラクトに包含され得るユビキタスなプロモーターは、これらに限定されないが、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK-1)プロモーター、ベータ-アクチンプロモーター、ROSA26プロモーター、熱ショックタンパク質70(Hsp70)プロモーター、伸長因子1アルファ(EF-1)をコードするEF-1アルファ遺伝子プロモーター、真核生物翻訳開始因子4A(eIF-4A1)プロモーター、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)プロモーター、およびサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを包含する。
発現コンストラクトに包含され得る組織特異的なプロモーターは、これらに限定されないが、hSCFプロモーター、hCSF1プロモーター、hIL-3プロモーター、hGM-CSF、IFN-βプロモーター、ウィスコット・アルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群タンパク質(WASP)プロモーター、CD45(白血球共通抗原とも呼ばれる)プロモーター、Flt-1(fms-様チロシンキナーゼ、VEGF受容体1)プロモーター、エンドグリン(CD105)プロモーター、およびICAM-2(細胞間接着分子2)プロモーターなどの造血系における遺伝子発現のプロモーターを包含する。
これらおよび他のプロモーターは、Abboud et al, 2003, J. Histochem & Cytochem., 51(7):941-49;Schorpp et al, 1996, Nucl. Acids Res., 24(9):1787-88;McBurney et al, 1994, Devel. Dynamics, 200:278-93;およびMajumder et al, 1996, Blood, 87(8):3203-11において例示されるように当該技術分野において公知である。
プロモーターに加えて、これらに限定されないが、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメントおよびSV40エンハンサーエレメントなどの1つ以上のエンハンサー配列が包含され得る。
追加の包含される配列は、ベータグロビンイントロンまたはジェネリックイントロン、転写終結配列、およびこれらに限定されないが、SV40-pA、ベータ―グロビン―pA、hIL-3-pA、hGM-CSF-pA、hSCF-pA、およびhCSF1-pAなどのmRNAポリアデニル化(pA)配列などのイントロン配列を包含する。
発現コンストラクトは、選択マーカー(例えば、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子)および複製開始点などの細菌細胞において増幅のために必要である配列を任意に含み得る。
マウス着床前胚への発現コンストラクトのDNA注入の方法について、発現コンストラクトは、胚への注入前に直線状になり得る。好ましくは、発現コンストラクトは、受精卵母細胞へと注入される。受精卵母細胞は、交配の次の日(交尾後0.5日)に過排卵するメスであって発現コンストラクトを注入されたものから収集される。注入された卵母細胞は、一晩中培養されたものであるかまたは交尾後0.5日の偽妊娠のメスの卵管へと直接移植されたものである。過排卵、卵母細胞の採取、発現コンストラクトの注入、および胚移植についての方法は、当該技術分野において公知であり、例えば、Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press;December 15, 2002, ISBN-10: 0879695919において記載されている。子は、発現コンストラクト、またはその関連部分の存在について、PCR、サザンブロッティング、または核酸シーケンシングなどによるDNA分析により、実験され得る。発現コンストラクト、またはその関連部分を保持するマウスは、ELISAまたはウェスタンブロッティング分析などによりタンパク質発現について実験され得る。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1をコードする異種のヌクレオチド配列は、マウスのいくつかまたはすべての細胞のゲノムに統合され得る。例えば、異種のヌクレオチド配列は、本発明の側面に従ってマウスの生殖系細胞のゲノムに統合され、それによってマウスの子孫へ当該遺伝子の遺伝を可能にする。
代わりに、発現コンストラクトは、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、またはリポフェクションなどの周知の方法を使用して幹細胞(胚性幹細胞または人工多能性幹細胞)へと遺伝子導入され得る。細胞は、発現コンストラクト、またはその関連部分の統合について、PCR、サザンブロッティング、または核酸シーケンシングなどのDNA分析によりスクリーニングされる。正しい統合を伴う細胞は、例えば、ELISAまたはウェスタンブロッティング分析を使用して、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、および/またはhCSF1についてのタンパク質分析により機能的発現について試験され得る。
胚性幹細胞は、特定の細胞株のために最適化された培地において成長する。典型的に、胚性幹細胞培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に15%のウシ胎仔血清(FBS)または合成もしくは半合成の同等物、2mMのグルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、50U/mLペニシリンおよびストレプトマイシン、0.1mMの2-メルカプトエタノール、および1000U/mLのLIF(加えて、いくつかの細胞株については、化学的分化阻害剤)を含有する。詳細な記述は、当該技術分野において公知である(Tremml et al, 2008, Current Protocols in Stem Cell Biology, Chapter 1:Unit 1C.4)。胚性幹細胞の分化の阻害のレビューについて、Buehr et al, 2003, Genesis of embryonic stem cells, Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences 358:1397-1402を参照する。
発現コンストラクトを組み入れている選択細胞は、着床前胚に注入され得る。マイクロ注入法について、胚性幹細胞または人工多能性幹細胞は、トリプシンおよびEDTAの混合物を使用して単一細胞の状態とされ、続いて胚性幹細胞培地中で再懸濁される。単一細胞の群は、細く長いガラスニードル(20~25マイクロメーターの内径)を使用して選択され、マイクロマニピュレーターを備えた倒立顕微鏡を使用して胚の透明帯を通して胚盤胞腔(卵割腔)の中へ導入される。幹細胞は、初期胚(例えば、2細胞、4細胞、8細胞、前桑実胚(premorula)、または桑実胚)にもまた注入され得る。注入は、透明帯におけるレーザーまたはピエゾパルスのドリル開口に補助され得る。胚盤胞または8細胞期胚毎におおよそ9~10個の選択された幹細胞(胚性幹細胞または人工多能性幹細胞)が、4細胞期胚毎に、6~9個の幹細胞が、および2細胞期胚毎に約6個の幹細胞が注入される。幹細胞の導入に続いて、胚は、窒素中の5%CO2、5%O2、37℃数時間で回復可能であるか、または偽妊娠のレシピエントのメスに移植される前に一晩培養される。幹細胞注入のさらなる代替において、幹細胞は、桑実胚期胚と一体となり得る。これらの方法の全ては、十分に確立されており、幹細胞キメラを生産するために使用され得る。より詳細な説明について、例えば、Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, 3rd edition (Nagy, Gertsenstein, Vintersten, and Behringer, Cold Spring Harbor Laboratory Press, December 15, 2002, ISBN-10: 0879695919);またNagy et al, 1990, Development 110:815-821;Kraus et al, 2010, Genesis 48:394-399;および米国特許第7,576,259号、同7,659,442号、および同7,294,754号を参照する。
偽妊娠の胚レシピエントは、当該技術分野において公知の方法を使用して準備される。簡潔に言うと、6~8週齢の繁殖能力のあるメスの動物が、精管切除されたか不妊のオスと交配させられ、外科的に導入された胚を支持するための伝導性のホルモン状態を誘導した。交尾後2.5日(dpc)に、胚盤胞を含有する幹細胞が15個まで子宮-卵管接合点の非常に近くである子宮角内に導入される。初期胚および桑実胚について、かかる胚は、胚盤胞内でin vitroで培養されるか、または胚のステージに従って0.5dpcまたは1.5dpcの偽妊娠のメスの卵管に埋め込まれるかのいずれかである。埋め込まれた胚を由来とするキメラの子は、埋め込まれた胚の年齢に依存して移植の16~20日後に生まれる。キメラのオスは繁殖のために選択される。子孫は、毛色およびPCR、サザンブロッティング、または核酸シーケンシングなどの遺伝子分析により胚性幹細胞ゲノムの伝達について分析され得る。タンパク質発現(例えば、hSCF、hGM-SCF、hIL-3、および/またはhCSF1の)は、タンパク質分析(ウェスタンブロッティング、ELISA)または他の機能アッセイにより分析され得る。所望の遺伝子修飾を発現している子は、相互交配し、遺伝子修飾について非ヒト動物のホモ接合を作り出すことができる。遺伝子組換えマウスは、免疫不全マウスと交配し、hSCF、hGM-SCF、hIL-3、およびhCSF1を発現するコンジェニックな遺伝子組換え免疫不全系統を作り出すことができる。
発現されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、HprtまたはROSA26の遺伝子座などの確実な発現をもたらすことが知られている幹細胞ゲノムの特異的遺伝子座に標的化され得る。標的化された遺伝子導入について、標的コンストラクトは、組み換えDNA技術を使用して作られ得る。標的コンストラクトは、内在性の遺伝子標的にホモログである5’および3’配列を任意に包含し得る。標的コンストラクトは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ハイグロマイシン、またはピューロマイシンなどの選択マーカー、hSCF、hGM-SCF、hIL-3、および/またはhCSF1をコードする核酸、およびポリアデニル化シグナルを例えば任意にさらに包含する。所望の異種タンパク質をコードするヌクレオチド配列の正確な転写および翻訳を保証するために、例えば配列は、インフレームにある内在性の遺伝子座、またはスプライスアクセプター部位であり、内部リボソーム侵入部位(IRES)配列が包含される。かかる標的コンストラクトは、幹細胞に遺伝子導入され得る、および幹細胞は、PCR、サザンブロッティング、または核酸シーケンシングを使用してホモログな組み換えの事象を検出するためにスクリーニングされ得る。正確でホモログな組み換え事象を伴う細胞は、ELISAまたはウェスタンブロッティング分析によってなどのタンパク質分析により導入遺伝子発現についてさらに分析され得る。望むのなら、選択マーカーは、幹細胞をCreリコンビナーゼで処置することにより取り除かれ得る。Creリコンビナーゼ処置後に、細胞は、発現コンストラクトまたはその関連部分をコードするヌクレオチド配列の存在について分析される。正確なゲノム事象を伴う細胞は、上記のとおり選択され、着床前胚に注入され得る。キメラのオスは繁殖のために選択される。子孫は、毛色およびPCR、サザンブロッティング、またはヌクレオチドシーケンシングなどの遺伝子分析により胚性幹細胞ゲノムの伝達について分析され得、およびタンパク質分析(ウェスタンブロッティング、ELISA)または他の機能アッセイによってなどで異種のタンパク質発現について実験され得る。所望の遺伝子修飾を発現する子は、相互交配され、遺伝子修飾についてホモ接合の動物を作り出すことができる。hSCF、hGM-SCF、hIL-3、およびhCSF1を発現するよう遺伝子の組み替えられたマウスは、次いで免疫不全動物と交配させてhSCF、hGM-SCF、hIL-3、およびhCSF1を発現するよう遺伝子の組み替えられたコンジェニックな免疫不全系統を作り出すことができる。
本発明の態様は、実質的にそれらの細胞の全てにおいてhSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含する遺伝子組換え免疫不全QUADマウスと同様にそれらの細胞の全てではないがそのいくつかにおいてhSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含する遺伝子組換え免疫不全QUADマウスを提供する。hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、および/またはhCSF1をコードするヌクレオチド配列の1または複数のコピー(コンカテマーなど)は、免疫不全QUADマウスの細胞のゲノムに統合され得る。
様々な方法の内いずれかは、hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を免疫不全マウスに導入するために使用され、免疫不全QUADマウスを生産することができる。かかる技術は、当該技術分野において周知であり、これらに限定されないが、前核マイクロインジェクション法および胚性幹細胞の形質転換を包含する。使用することができる遺伝子組換えマウスを生成するための方法は、これらに限定されないが、Sundberg and Ichiki, (Eds.), Genetically Engineered Mice Handbook, CRC Press, 2006;Hofker and van Deursen, (Eds.), Transgenic Mouse Methods and Protocols, Humana Press, 2002;Joyner, Gene Targeting: A Practical Approach, Oxford University Press, 2000;Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, 3rd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, December 15, 2002, ISBN-10: 0879695919;Turksen (Ed.), Embryonic stem cells: methods and protocols in Methods Mol Biol. 2002, 185, Humana Press; Current Protocols in Stem Cell Biology, ISBN: 978047015180;Meyer et al, PNAS USA, 107 (34):15022-26に記載されているものを包含する。
ホモロジーベースの組換え遺伝子修飾戦略は、「ノックイン(knock-in)」によって免疫不全マウスに遺伝子修飾するために使用され、内在性タンパク質をコードする核酸またはタンパク質を導入することができ、例えば、ホーミングエンドヌクレアーゼ、インテグラーゼ、メガヌクレアーゼ、トランスポゾン、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を使用したヌクレアーゼ媒介プロセス、転写活性化因子様(TAL)、クラスター化等間隔短鎖回文リピート(CRISPR)-Cas、またはDrosophila組換え関連タンパク質(DRAP)アプローチなどで免疫不全マウスのゲノム内にhSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を導入する。例えば、Cerbini et al., PLoS One. 2015; 10(1): e0116032;Shen et al., PLoS ONE 8(10): e77696;およびWang et al., Protein & Cell, February 2016, Volume 7, Issue 2, pp 152-156を参照する。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現し、それぞれ少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、300pg/mL、400pg/mL、500pg/mL、600pg/mL、750pg/mL、1ng/mL、2ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、15ng/mL、20ng/mL、25ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、50ng/mL、60ng/mL、75ng/mL、100ng/mL、150ng/mL、200ng/mL、250ng/mL、300ng/mL、400ng/mL、500ng/mL、600ng/mL、または750ng/mLの血清濃度である。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現し、それぞれ約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、約50pg/mL~約500pg/mL、約100pg/mL~約1ng/mL、約500pg/mL~約5ng/mL、約1ng/mL~約10ng/mL、約5ng/mL~約50ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約50ng/mL~約500ng/mL、約0.5ng/mL~約50ng/mL、約1ng/mL~約25ng/mL、約0.5ng/mL~約20ng/mL、約0.1ng/mL~約5ng/mL、約0.5ng/mL~約10ng/mL、約2ng/mL~約20ng/mL、約1ng/mL~約5ng/mL、または約2ng/mL~約4ng/mLの血清濃度である。
本発明の側面である、免疫不全QUADマウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現し、それぞれ約1ng/mL~約10ng/mLの血清濃度である。
免疫不全
用語「免疫不全マウス」は、1つ以上の以下により特徴づけられたマウスを指す:T細胞およびB細胞などの機能的免疫細胞の欠乏;DNA修復の不良;リンパ球上の抗原特異的受容体をコードする遺伝子の再編における不良;およびIgM、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgAなどの免疫機能分子の欠乏。免疫不全マウスは、Rag1およびRag2などの免疫機能に関係する遺伝子における1つ以上の欠陥により特徴づけられ得る(Oettinger, M.A et al., Science, 248:1517-1523, 1990;およびSchatz, D. G. et al., Cell, 59:1035-1048, 1989)。免疫不全マウスは、マウスにおいて異常な免疫機能をもたらすこれらまたは他の不良のいずれかを有していてもよい。
特定の側面に従うと、免疫不全QUADマウスは、インターロイキン-2受容体γサブユニット(IL-2RG)をコードするその内在性遺伝子において不良を有し、そのことがマウスに欠陥のある内在性インターロイキン-2受容体γサブユニットおよび/または量の減じた内在性インターロイキン-2受容体γサブユニットを発現することを引き起こすかまたは、マウスは内在性インターロイキン-2受容体γサブユニットを少しも発現しないであろう。免疫不全QUADは、機能的内在性IL-2RG遺伝子を欠くように、任意にIL-2RG欠損であり得る。
さらなる側面において、免疫不全QUADマウスは、DNA依存性プロテインキナーゼ、触媒サブユニット(Prkdc)をコードするその内在性遺伝子において不良を有し、マウスに欠陥のある内在性DNA依存性プロテインキナーゼ、触媒サブユニットおよび/または量の減じた内在性DNA依存性プロテインキナーゼ、触媒サブユニットを発現することを引き起こすかまたは、マウスは内在性DNA依存性プロテインキナーゼ、触媒サブユニットを少しも発現しないであろう。免疫不全QUADマウスは、機能的内在性Prkdc遺伝子を欠くように、任意にPrkdc欠損であり得る。
本明細書において遺伝子およびそれらのコードするタンパク質に関して使用される「内在性」は、マウスのゲノム中に存在するそれらの天然遺伝子座での遺伝子を指す。
本発明の様々な側面において、免疫不全QUADマウスは、IL-2rg欠損および/またはPrkdc欠損、機能的内在性IL-2rgおよびPrkdc遺伝子を欠くものである。免疫不全QUADマウスは、Prkdcノックアウトおよび/またはIL-2rgノックアウトを任意に包含し得る。本発明の様々な側面において、免疫不全QUADマウスは、IL-2RGを発現しないか、Prkdcを発現しないか、またはIL-2RGおよびPrkdcの両方を発現しない。
本発明の様々な側面において、免疫不全QUADマウスは、重症複合型の免疫不全を有する。用語「重症複合型免疫不全」または「SCID」は、T細胞およびB細胞の機能の不存在または重篤な減少により特徴づけられる症状を指す。
一般的なSCIDの形態は以下を包含する:IL-2RG遺伝子中のガンマ鎖遺伝子変異ならびにリンパ球表現型T(-)B(+)NK(-).により特徴づけられるX連鎖SCID、および常染色体劣勢のSCID。常染色体劣勢のSCIDは、Jak3遺伝子変異およびリンパ球表現型T(-)B(+)NK(-)、ADA遺伝子変異およびリンパ球表現型T(-)B(-)NK(-)、IL-7Rアルファ鎖変異およびリンパ球表現型T(-)B(+)NK(+)、CD3デルタまたはイプシロン変異およびリンパ球表現型T(-)B(+)NK(+)、RAG1/RAG2変異およびリンパ球表現型T(-)B(-)NK(+)、アルテミス遺伝子変異およびリンパ球表現型T(-)B(-)NK(+)、およびCD45遺伝子変異およびリンパ球表現型T(-)B(+)NK(+)により特徴づけられ得る。
本発明の側面に従うと、免疫不全QUADマウスは、一般にscid変異と呼ばれる重症複合型の免疫不全変異(Prkdcscid)を有する。scid変異は、Bosma et al, 1989, Immunogenetics 29:54-56に記載されるように周知であり、マウス16番染色体に位置する。scid変異についてのマウスホモ接合は、機能的T細胞およびB細胞の不存在、リンパ球減少症、低グロブリン血症、および正常な造血(hematopoetic)微小環境により特徴づけられる。scid変異は、例えばPCRまたはフローサイトメトリーなどの周知の方法を使用してscid変異についてのマーカーの検出により、検出され得る。
本発明の側面に従った遺伝子組換え免疫不全マウスは、IL-2受容体ガンマ鎖欠損を有する。用語「IL-2受容体ガンマ鎖欠損」は、減少したIL-2受容体ガンマ鎖を指す。減少したIL-2受容体ガンマ鎖は、遺伝子の欠失または変異に起因し得る。減少したIL-2受容体ガンマ鎖は、例えば周知の方法を使用して、IL-2受容体ガンマ鎖遺伝子の欠失または変異の検出および/または減少したIL-2受容体ガンマ鎖の発現の検出により、検出され得る。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、重症複合型の免疫不全またはIL-2受容体ガンマ鎖欠損と重症複合型の免疫不全組み合わせを有する。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスは、scid変異またはIL-2受容体ガンマ鎖の欠損とscid変異の組み合わせを有する。
本発明の様々な側面において、免疫不全QUADマウスは、遺伝子組換えNSGマウス、遺伝子組換えNRGマウスまたは遺伝子組換えNOGマウスであり、ここで遺伝子組換えNSG、NRGまたはNOGマウスのゲノムは、hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含し、ここでマウスはhSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1タンパク質を発現する。
用語「NOD scidガンマ」、「NOD- scid IL2rg null 」および「NSG」は、Shultz LD et al, 2005, J. Immunol, 174:6477-89中で詳細に記載される周知の免疫不全マウス系統NOD.Cg-Prkdcscid IL-2rgtm1Wjl/SzJを指すように本明細書において交換可能に使用される。NSGマウスは、NOD/ShiLtJ背景由来の複数の免疫不全、重症複合型の免疫の欠損(scid)変異、およびインターロイキン-2受容体ガンマ鎖の完全なノックアウトを兼ね備えている。結果として、NSGマウスは、成熟マウスT、B、およびNK細胞を欠乏し、それらは複数のマウスサイトカインシグナル経路が不足している。NSGマウスは、マウスIL-2R-γ(ガンマc)の発現の欠乏、検出できるほどのマウス血清免疫グロブリンはなく、マウス溶血性補体はなく、成熟マウスTリンパ球はなく、および成熟マウスナチュラルキラー細胞はないこと、によって特徴づけられる。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現するNSGマウスは、「NSG-QUAD」マウスと呼ばれ、それは遺伝子組換えNSGマウスのゲノムが、NOD.Cg-Prkdcscid IL-2rgtm1Wjl/SzJ背景上にhSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含し、ここでマウスはhSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1タンパク質を発現することを指し示す。
NRGマウスは、NOD.Cg-Rag1tm1Mom Il2rgtm1Wjl/SzJとして周知であり、Shultz LD et al, 2008 Clin Exp Immunol 154(2):270-84中に詳細に記載されている。
好都合なことに、NSG-QUADマウスは、ヒト造血幹細胞を移植したときにNSGマウスと比較したとき、血中に著しく高められたレベルのCD33+/CD14+ヒト単球およびCD56+ヒトNK細胞を示す。
NSG-QUADマウスは、ヒト造血幹細胞を移植したときに、ヒト単球およびNK細胞の増加した発生という驚くべき特性もまた示す。HSC移植NSG-QUADマウスにおけるリポ多糖(LPS)による先天的な刺激への増加した機能的ヒト免疫応答が開示され、様々な刺激へのヒト免疫応答の研究において、このマウスモデルを特に価値あるものにしている。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現するNRGマウスは、「NRG-QUAD」マウスと呼ばれ、それはNOD.Cg-Rag1tm1Mom Il2rgtm1Wjl/SzJ背景上に遺伝子組換えNRGマウスのゲノムが、hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含し、ここでマウスがhSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1タンパク質を発現することを示す。
NOGマウスは、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Sug/JicTacとして周知であり、Ito, M. et al., Blood 100, 3175-3182 (2002)中に詳細に記載されている。
hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現するNOGマウスは、「NOG-QUAD」マウスと呼ばれ、それは遺伝子組換えNOGマウスのゲノムが、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Sug/JicTac背景上で、hSCFをコードするヌクレオチド配列、hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列、hIL-3をコードするヌクレオチド配列、およびhCSF1をコードするヌクレオチド配列を包含することを示す。
造血幹細胞の異種移植片
本発明の様々な側面は、免疫不全QUADマウスに異種の造血幹細胞(HSC)を投与すること、HSCを移植された免疫不全QUADマウスを生産することに関係する。
異種のHSCは、本発明の側面に従ったヒトHSCである。
本明細書において使用される用語「異種のHSC」は、c-Kit受容体を発現している複能性幹細胞を指す。c-Kit受容体を発現している複能性幹細胞の例は、これに限定されないが、血球芽細胞としてもまた知られている造血幹細胞を包含する。C-Kit受容体は、当該技術分野において周知であり、例えばVandenbark GR et al., 1992, Cloning and structural analysis of the Human c-kit gene, Oncogene 7(7): 1259-66;およびEdling CE, Hallberg B, 2007, c-Kit--a hematopoietic cell essential receptor tyrosine kinase, Int. J. Biochem. Cell Biol. 39(11):1995-8中に記載されている。
異種のHSCの単離、異種のHSCをホストマウスに投与することおよびホストマウスにおけるその生着を評価する方法は、当該技術分野において周知である。
免疫不全QUADマウスへの投与のための造血幹細胞は、これらに限定されないが、臍帯血、骨髄、GM-CSF-動員末梢血および胎児肝臓などのHSCを含有するいずれかの組織から得られ得る。
異種のHSCは、これらに限定されないが、心臓、肝臓および/または顔面静脈中へなどの、様々な経路を介した投与により新生マウス中へと投与され得る。異種のHSCは、これらに限定されないが、尾静脈、大腿骨の骨髄腔または脾臓中への投与などの、様々な経路を介して成体マウス中へ投与され得る。さらなる例において、異種のHSCを含有する胎児肝臓は、腎被膜下で移植され得る。
マウスに異種の細胞を投与することは、マウスに異種の細胞を含む組成物を投与することを包含し得る。組成物は、例えばさらに、水、張度調節剤(tonicity-adjusting agent)(例えば、塩化ナトリウムなどの塩)、pH緩衝液(例えば、クエン酸)、および/または糖(例えば、グルコース)を包含し得る。
免疫不全動物における異種の造血幹細胞の生着は、免疫不全QUADマウスにおける分化した異種の造血細胞の存在によって特徴づけられる。異種のHSCの生着は、これに限定されないが、1以上の時点で異種のHSCを投与された動物におけるHSCの投与に続く細胞のフローサイトメトリー分析などの、様々な方法のいずれかによって評価され得る。
異種のHSCの単離、異種のHSCのホストマウスへの投与の例示的な方法およびその生着の評価についての方法は、本明細書およびT. Pearson et al., Curr. Protoc. Immunol. 81:15.21.1-15.21.21, 2008; Ito, M. et al, Blood 100: 3175-3182;Traggiai, E. et al, Science 304: 104-107;Ishikawa, F. et al, Blood 106: 1565-1573;Shultz, L. D. et al, J. Immunol. 174: 6477-6489;Holyoake TL et al, Exp Hematol., 1999, 27(9):1418-27中に記載される。
本発明の側面に従うと、免疫不全QUADマウスに投与された異種のHSCは、HSCが豊富な細胞の集団を得るために、提供元の材料から単離される。単離された異種のHSCは、純系であってもよいし、なくてもよい。側面に従うと、異種のHSCは、CD34などの細胞マーカーの選択によって精製される。側面に従うと、投与された異種のHSCは、CD34+細胞が全細胞の約1%より少ない細胞の集団が使用され得るにも関わらず、CD34+細胞が全細胞の約1~100%を構成している細胞の集団である。態様に従うと、投与された異種のHSCは、CD34+細胞が全細胞の約1~3%を構成するT細胞の枯渇した臍帯血細胞、CD34+細胞が全細胞の約50%を構成する系統の枯渇した臍帯血細胞、またはCD34+細胞が全細胞の約90%を構成するCD34+陽性の選択された細胞である。
投与された異種のHSCの数は、免疫不全QUADマウスにおける異種の造血および免疫系の生成に関して限定するものとは考えられない。単一の異種のHSCは、ホスト免疫不全QUADマウスにおいて造血および免疫系を生成し得る。したがって、投与された異種のHSCの数は、レシピエントがマウスの場合に、より多くまたはより少ないものが使用され得るが、一般に約1x103~1x106(1,000~1,000,000)の範囲のCD34+細胞である。
したがって、本発明の側面に従った方法は、約103(1000)~約106(1,000,000)、約103~約105、約104~約106、約105~約107、約1x103~約1x104、約5x103~約5x104、約1x104~約1x105、約5x104~約5x105、約1x105~約1x106、約5x105~約5x106、約1x106~約1x107、約2x104~約5x105、または約5x104~約2x105のヒト造血幹細胞などの異種のHSCを免疫不全QUADマウスに投与することを包含し得る。方法は、少なくとも約1x102、約2x102、約3x102、約4x102、約5x102、約6x102、約7x102、約8x102、約9x102、約1x103、約2x103、約3x103、約4x103、約5x103、約6x103、約7x103、約8x103、約9x103、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、または約1x107のヒト造血幹細胞などの異種のHSCを免疫不全QUADマウスに投与することを包含し得る。方法は、約1x102、約2x102、約3x102、約4x102、約5x102、約6x102、約7x102、約8x102、約9x102、約1x103、約2x103、約3x103、約4x103、約5x103、約6x103、約7x103、約8x103、約9x103、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、または約1x107のヒトHSCなどの異種のHSCを免疫不全QUADマウスに投与することを包含し得る。当業者は、単なるルーチンの実験を使用して、特異的マウスに投与されるべき異種の細胞の数を決定することができるであろう。
いずれかの投与された非HSCの大部分が変性した時にレシピエントの免疫不全QUADマウスにおける異種のHSCおよび/または異種のHSCから分化した細胞が検出された場合に、生着は成功である。分化した異種のHSC細胞の検出は、例えば、レシピエントの免疫不全QUADマウスにおける異種のDNAの検出またはインタクトな異種のHSCおよび異種のHSCから分化した細胞の検出により達成され得る。第二レシピエントへのCD34+細胞の連続移植および異種の造血系の生着は、第一レシピエントにおけるHSCの生着のさらなる試験である。生着は、異種のHSCの投与後6~12週のレシピエントの免疫不全QUADマウスの血液、脾臓、または骨髄における0.05%またはそれ以上の異種のCD45+細胞としてフローサイトメトリーにより検出され得る。
本発明の側面に従った免疫不全QUADマウスにおける異種の造血幹細胞(HSC)の生着は、例えば、高周波電磁波照射、もしくはガンマ線照射を用いたレシピエント動物の亜致死線量照射、またはブスルファンまたはナイトロジェンマスタードなどの放射線様作用薬を用いた処置により異種のHSCの投与の前に免疫不全QUADマウスを「調整すること」を包含する。調整することは、ホストの造血幹細胞の数を減少させ、異種のHSCの生着のための適切な微小環境の要因を作成し、および/または異種のHSCの生着のための微小環境のニッチを作成すると考えられる。調製することについての標準的な方法は、本明細書およびJ. Hayakawa et al, 2009, Stem Cells, 27(1):175-182に記載されるように当該技術分野において公知である。
方法は、異種のHSCの投与前に免疫不全QUADマウスを「調整すること」なしに、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与を包含する本発明の側面に従って提供される。方法は、異種のHSCの投与前の免疫不全QUADマウスの放射線照射または放射線作用薬により「調整すること」なしに、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与を包含する本発明の側面に従って提供される。
本発明の様々な側面は、異種の造血幹細胞(HSC)の免疫不全QUADマウスへの投与に関係し、HSCを移植される免疫不全QUADマウスを生産する。移植された異種のHSCは、異種の免疫系またはその成分を有する免疫不全QUADマウスを生産するよう分化する。
異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウスにおける分化した造血系の異種の細胞の産生をもたらす。例えば、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、異種のCD33+骨髄細胞、異種の骨髄前駆細胞、異種のマスト細胞、異種の骨髄樹上細胞、異種のB細胞、異種のT細胞、異種のヘルパーT細胞、異種の細胞傷害性T細胞、および/または異種のTreg細胞などのマウスによる異種の骨髄細胞系列および異種のリンパ系細胞の産生をもたらす。本発明の側面に従うと、マウスが、以下の内の1つ以上を包含するように分化するヒトHSCが、免疫不全QUADマウスに投与される:ヒトCD33+骨髄細胞、ヒト骨髄前駆細胞、ヒトマスト細胞、ヒト骨髄樹状細胞、ヒトB細胞、ヒトT細胞、ヒトヘルパーT細胞、ヒト細胞傷害性T細胞、および/またはヒトTreg細胞。
異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、フローサイトメトリーにより特徴づけられ得る分化した造血系の異種の細胞の産生をもたらす。例えば、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスの投与は、フローサイトメトリーにより特徴づけられ得る分化した造血系のヒト細胞の産生をもたらし、それは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはすべてのCD45+、CD20+、CD20+CD45+、CD3+、CD3+CD45+、CD33+、CD33+CD45+、CD14+、CD14+CD45+、CD56+、およびCD56+CD45+ヒト白血球から選択されるヒト白血球を包含する。
本明細書に開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、ヒトCD45+白血球などの分化したヒト造血系細胞の産生をもたらし、ここで少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、またはそれ以上のマウスのヒトCD45+白血球が、CD3+CD45+白血球であり;少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、またはそれ以上のマウスのヒトCD45+白血球が、CD33+CD45+白血球であり;少なくとも約5%、10%、15%、20%、またはそれ以上のマウスのヒトCD45+白血球が、CD14+CD45+白血球であり;および/または少なくとも約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、またはそれ以上のマウスのヒトCD45+白血球が、CD56+CD45+白血球である(例えば、腫瘍または抗原攻撃などの免疫学的攻撃の不存在において)。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、ヒト白血球などの分化したヒト造血系細胞の産生をもたらし、ここで少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、またはそれ以上のマウスのヒト白血球が、細胞傷害性T細胞またはヘルパーT細胞のいずれかであり;少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、またはそれ以上のマウスのヒト白血球が、骨髄細胞系列細胞であり;少なくとも約5%、10%、15%、20%、またはそれ以上のマウスのヒト白血球が、マクロファージであり;および/または少なくとも約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、またはそれ以上のマウスのヒト白血球が、ナチュラルキラー細胞である(例えば、腫瘍または抗原攻撃などの免疫学的攻撃の不存在において)。
本明細書において開示された側面に従うと、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、インターロイキン-8、インターロイキン-1β、腫瘍壊死因子、インターロイキン-12p70、および/またはインターロイキン-6などのマウスによる異種のサイトカインの産生をもたらす。例えば、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、1、2、3、4、またはすべてのヒトインターロイキン-8、ヒトインターロイキン-1β、ヒト腫瘍壊死因子、ヒトインターロイキン-12p70、およびヒトインターロイキン-6の産生をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、例えば、検出可能なレベルおよび/または抗原投与に対する異種の免疫応答を媒介することが可能なレベルで、免疫の抗原投与に応答した異種のサイトカインの産生をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、300pg/mL、400pg/mL、500pg/mL、600pg/mL、750pg/mL、1ng/mL、2ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、15ng/mL、またはそれ以上の血清ヒトインターロイキン-8をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、またはそれ以上の血清ヒトインターロイキン-1βの産生をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、300pg/mL、400pg/mL、500pg/mL、600pg/mL、750pg/mL、1ng/mL、2ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、15ng/mL、20ng/mL、25ng/mL、30ng/mL、40ng/mL、50ng/mL、またはそれ以上の血清ヒト腫瘍壊死因子をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、またはそれ以上の血清ヒトインターロイキン-12p70をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で少なくとも約0.1pg/mL、0.5pg/mL、1pg/mL、2pg/mL、5pg/mL、10pg/mL、15pg/mL、20pg/mL、25pg/mL、30pg/mL、40pg/mL、50pg/mL、60pg/mL、75pg/mL、100pg/mL、150pg/mL、200pg/mL、250pg/mL、300pg/mL、400pg/mL、500pg/mL、600pg/mL、750pg/mL、1ng/mL、2ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、15ng/mL、20ng/mL、25ng/mL、30ng/mL、またはそれ以上の血清ヒトインターロイキン-6をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、約50pg/mL~約500pg/mL、約100pg/mL~約1ng/mL、約500pg/mL~約5ng/mL、約1ng/mL~約10ng/mL、約5ng/mL~約50ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約50ng/mL~約500ng/mL、約0.5ng/mL~約50ng/mL、約1ng/mL~約25ng/mL、約0.5ng/mL~約20ng/mL、約0.1ng/mL~約5ng/mL、約0.5ng/mL~約10ng/mL、または約2ng/mL~約20ng/mLの血清ヒトインターロイキン-8をもたらす。
本発明において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、約50pg/mL~約500pg/mL、または約100pg/mL~約1ng/mLの血清ヒトインターロイキン-1βをもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、約50pg/mL~約500pg/mL、約100pg/mL~約1ng/mL、約500pg/mL~約5ng/mL、約1ng/mL~約10ng/mL、約5ng/mL~約50ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約50ng/mL~約500ng/mL、約0.5ng/mL~約50ng/mL、約1ng/mL~約25ng/mL、または約0.5ng/mL~約20ng/mLの血清ヒト腫瘍壊死因子をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、または約50pg/mL~約500pg/mLの血清ヒトインターロイキン-12p70をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約0.1pg/mL~約1000ng/mL、約0.1pg/mL~約100ng/mL、約0.5pg/mL~約50ng/mL、約1pg/mL~約10ng/mL、約0.1pg/mL~約100pg/mL、約1pg/mL~約1ng/mL、約10pg/mL~約10ng/mL、約100pg/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約10pg/mL、約1pg/mL~約100pg/mL、約10pg/mL~約1ng/mL、約100pg/mL~約10ng/mL、約1ng/mL~約100ng/mL、約0.1pg/mL~約1pg/mL、約0.5pg/mL~約5pg/mL、約1pg/mL~約10pg/mL、約5pg/mL~約50pg/mL、約10pg/mL~約100pg/mL、約50pg/mL~約500pg/mL、約100pg/mL~約1ng/mL、約500pg/mL~約5ng/mL、約1ng/mL~約10ng/mL、約5ng/mL~約50ng/mL、約10ng/mL~約100ng/mL、約50ng/mL~約500ng/mL、約0.5ng/mL~約50ng/mL、約1ng/mL~約25ng/mL、約0.5ng/mL~約20ng/mL、約0.1ng/mL~約5ng/mL、約0.5ng/mL~約10ng/mL、または約2ng/mL~約20ng/mLの血清ヒトインターロイキン-6をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、マウス中で約5~15ng/mLの血清ヒトインターロイキン-8、約5~250pg/mLの血清ヒトインターロイキン-1β、約10~50ng/mLの血清ヒト腫瘍壊死因子、約20~100pg/mLの血清ヒトインターロイキン-12p70、および/または約15~30ng/mLの血清ヒトインターロイキン-6(例えば、約50~250ngの静脈内のリポ多糖で抗原投与するとき)をもたらす。
本明細書において開示された側面に従うと、異種のHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、異種の腫瘍浸潤性リンパ球および異種の骨髄系由来サプレッサー細胞などの、腫瘍に流入する異種の白血球の免疫不全QUADマウスにおける産生をもたらす。本明細書において開示された側面に従うと、ヒトHSCの免疫不全QUADマウスへの投与は、ヒト腫瘍浸潤性リンパ球およびヒト骨髄系由来サプレッサー細胞などの、腫瘍に流入するヒト白血球の免疫不全QUADマウスにおける産生をもたらす。例えば、かかる腫瘍浸潤性白血球は、CD20+、CD3+、CD33+、CD14+、およびCD56+白血球から選択される。
腫瘍異種移植片
本発明の様々な側面は、異種の腫瘍細胞の免疫不全QUADマウスへの投与に関係する。
本発明の免疫不全QUADマウスに投与された異種の腫瘍細胞は、これらに限定されないが、腫瘍細胞株の細胞および原発性腫瘍細胞を包含する様々な腫瘍細胞のいずれかであり得る。異種の腫瘍細胞は、様々な生物のいずれかを由来としていてもよいが、好ましくはヒト、非ヒト霊長類、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタおよびヒツジを包含する哺乳動物である。
本発明の特定の側面に従うと、異種の腫瘍細胞は、ヒト腫瘍細胞である。本発明の特定の側面に従うと、ヒト腫瘍細胞は、これらに限定されないが、血液試料、組織試料、またはヒト腫瘍の生検から得た試料の中などのヒトから得た試料中に存在する。
ヒトから得た腫瘍細胞は、本発明の免疫不全QUADマウスに直接投与され得るか、または免疫不全QUADマウスへの投与の前に、in vitroで培養されてもよい。
本明細書において使用されるように、用語「腫瘍」は、これらに限定されないが、新生物発生前の過剰増殖、本来の位置のがん、新生物、転移および固形ならびに非固形腫瘍を包含する未制御の成長により特徴づけられる細胞を指す。腫瘍の例は、これらに限定されないが、リンパ腫、白血病、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がん、肺扁平上皮がん、腹膜のがん、副腎がん、肛門がん、胆管がん、膀胱がん、脳がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、中枢または末梢神経系がん、子宮頚がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆のうがん、胃腸がん、神経膠芽腫、頭頚部がん、腎がん、肝がん、上咽頭がん、鼻腔がん、中咽頭がん、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、下垂体がん、前立腺がん、網膜芽腫、肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がん、精巣がん、胸腺がん、甲状腺がん、子宮がん、膣がんおよび外陰がんを包含するがんにより引き起こされるものである。
腫瘍細胞は、BR1126、MDA-MB-231、TM1149、またはBL0293細胞を包含し得る。
腫瘍細胞の免疫不全QUADマウスへの投与は、当該技術分野において適切であると認識されているいずれかの方法であり得る。例えば、投与は、皮下および/または腹腔内への埋め込みなどの注入または埋め込みといった組織、体腔、または血管中への細胞の投与を包含し得る。腫瘍細胞は、腫瘍塊、腫瘍細胞の集団として、または解離細胞として投与されてもよい。
腫瘍細胞は、これらに限定されないが、皮下注入、腹腔内注入または尾静脈注入によってなど様々な経路で投与され得る。
異種の腫瘍細胞の生着は、これに限定されないが、腫瘍形成の徴候についてのマウスの目視検査などの様々な方法のいずれかにより評価され得る。
これらに限定されないが、生存しているマウスの測定、生存しているマウスから切除した腫瘍の測定またはin situでのもしくは死亡したマウスから切除した腫瘍の測定を包含する様々な方法のいずれかが、異種の腫瘍の成長を測定するために使用され得る。測定値は、カリパスなどの測定器具、超音波検査、コンピューター断層撮影、陽電子放出型断層撮影、蛍光イメージング、生物発光イメージング、磁気共鳴イメージングおよびこれらかまたは他の腫瘍測定方法のいずれか2以上の組み合わせなどの1つ以上のイメージング技術を使用する測定を使用して得ることができる。異種の腫瘍細胞を帯びているマウスから得た試料中の腫瘍細胞の数は、腫瘍成長、特に非固形腫瘍について測定するために使用され得る。例えば、血液試料中の非固形腫瘍細胞の数は、マウスにおける非固形腫瘍の成長の測定値を得ることで評価することができる。
投与された腫瘍細胞の数は、限定するものとは考えられない。単一の腫瘍細胞は、本明細書に記載されている遺伝子組換え免疫不全動物において検出可能な腫瘍に発展し得る。投与された腫瘍細胞の数は、より多いかまたはより少ないものが投与され得るが、一般的に1,000~1x106の範囲にある腫瘍細胞である。
したがって、本発明の側面に従った方法は、約102(100)~約107(10,000,000)、約103~約105、約104~約106、約105~約107、約1x103~約1x104、約5x103~約5x104、約1x104~約1x105、約5x104~約5x105、約1x105~約1x106、約5x105~約5x106、約1x106~約1x107、約2x104~約5x105、または約5x104~約2x105のヒト腫瘍細胞などの異種の腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスへ投与することを包含し得る。方法は、少なくとも約1x102、約2x102、約3x102、約4x102、約5x102、約6x102、約7x102、約8x102、約9x102、約1x103、約2x103、約3x103、約4x103、約5x103、約6x103、約7x103、約8x103、約9x103、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、または約1x107のヒト腫瘍細胞などの異種の腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスへ投与することを包含し得る。方法は、約1x102、約2x102、約3x102、約4x102、約5x102、約6x102、約7x102、約8x102、約9x102、約1x103、約2x103、約3x103、約4x103、約5x103、約6x103、約7x103、約8x103、約9x103、約1x104、約2x104、約3x104、約4x104、約5x104、約6x104、約7x104、約8x104、約9x104、約1x105、約2x105、約3x105、約4x105、約5x105、約6x105、約7x105、約8x105、約9x105、約1x106、約2x106、約3x106、約4x106、約5x106、約6x106、約7x106、約8x106、約9x106、または約1x107のヒト腫瘍細胞などの異種の腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスへ投与することを包含し得る。当業者は、単なるルーチンの実験を使用して特異的マウスに投与されるべき異種の腫瘍細胞の数を決定することができるだろう。
本発明の側面に従うと、異種の腫瘍細胞および異種のHSCは、免疫不全QUADマウスに投与される。異種の腫瘍細胞および異種のHSCは、同時にかまたは異なる時間で投与され得る。
本発明の側面に従うと、腫瘍細胞は、投与されたHSCと同じ種由来である。側面に従うと、免疫不全QUADマウスに投与された腫瘍細胞およびHSCの両方は、ヒト細胞である。
本発明の側面に従うと、投与されたHSCおよび腫瘍細胞は、ヒト白血球抗原(HLA)が一致している(例えば、MHCクラスIが一致している、および/またはMHCクラスIIが一致している)。HLAの一致は、HLA細胞表面タンパク質に対する移植片対移植片免疫応答の可能性を減少させるだろう。HLAに対する免疫応答は、異種の免疫細胞が成功裏に異種のがん細胞を標的化していることを誤って示唆するだろう。
投与されたHSCおよび腫瘍細胞は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の一致するHLAアリルを包含し得る。投与されたHSCおよび腫瘍細胞は、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8の一致するHLA-A、HLA-B、HLA-C、およびHLA-DRB1についてのアリルから選択されるHLAアリルを包含し得る。完全なHLAの一致は、遺伝子操作なしにはめったにありえなく、完全なHLAの一致は、不必要であるだろう。例えばコントロール実験は、いずれかのHLAを媒介した移植片対移植片免疫応答について説明し得る。
アッセイ方法
本発明の側面に従って提供される方法および免疫不全QUADマウスは、in vivoでのヒトのがんに対する物質の試験などの様々な有用性を有する。
本発明の側面に従った検体の抗腫瘍活性を同定するための方法は、以下を包含する:免疫不全QUADマウスを提供すること;異種の腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスに投与すること、ここで異種の腫瘍細胞は免疫不全QUADマウスにおいて固形または非固形腫瘍を形成する;検体を免疫不全QUADマウスに投与すること;検体に対する異種の腫瘍および/または腫瘍細胞の反応をアッセイすること、ここで腫瘍および/または腫瘍細胞に対する検体の阻害効果は、検体を、抗腫瘍活性を有するものと同定する。
本発明の側面に従った検体の抗腫瘍活性を同定するための方法は、以下を包含する:免疫不全QUADマウスを提供すること、ここで免疫不全QUADマウスは異種のHSCを移植されている;異種の腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスに投与すること、ここで異種の腫瘍細胞は免疫不全QUADマウスにおいて固形または非固形腫瘍を形成している;検体を免疫不全QUADマウスに投与すること;検体に対する異種の腫瘍および/または腫瘍細胞の反応をアッセイすること、ここで腫瘍および/または腫瘍細胞に対する検体の阻害効果は、検体を、抗腫瘍活性を有するものと同定する。
本発明の側面に従った検体の抗腫瘍活性を同定するための方法は、以下を包含する:免疫不全QUADマウスを提供すること、ここで免疫不全QUADマウスはヒトHSCを移植されている;ヒト腫瘍細胞を免疫不全QUADマウスに投与すること、ここでヒト腫瘍細胞は免疫不全QUADマウスにおいて固形または非固形腫瘍を形成する;検体を免疫不全QUADマウスに投与すること;検体に対するヒト腫瘍および/または腫瘍細胞の反応をアッセイすること、ここで腫瘍および/または腫瘍細胞に対する検体の阻害効果は、検体を、抗腫瘍活性を有するものと同定する。
本発明の側面に従った検体の抗腫瘍活性を同定するためのアッセイにおいて使用される免疫不全QUADマウスは、NSG-QUADマウス、NRG-QUADマウスまたはNOG-QUADマウスである。
本明細書において使用される用語「阻害効果」は、1つ以上の以下を阻害する検体の効果を指す:腫瘍成長、腫瘍細胞の代謝および腫瘍細胞の分裂。
検体に対する異種の腫瘍および/または腫瘍細胞の反応をアッセイすることは、本発明の方法の側面に従い、異種の腫瘍細胞に対する検体の効果を決定するための標準物質との反応を比較することを包含し、ここで異種の腫瘍細胞に対する検体の阻害効果は、検体を抗腫瘍組成物として同定する。標準物質は当該技術分野において周知であり、使用された標準物質は適切な標準物質であり得る。一例において、標準物質は、抗腫瘍効果を有すると知られた化合物である。さらなる例において、処置されていない同等の異種の腫瘍は、検体の効果の比較のための、処置のない腫瘍成長の基準レベルの指示を提供する。標準物質は、個別の同等のマウスにおいてかまたは同等のマウスの集団において以前に決定され、アッセイの結果の想起および比較のための印刷物または電子媒体において保管される、予期される腫瘍成長の参照レベルであってもよい。
アッセイの結果は、検体が腫瘍に対して阻害効果を有するかどうか決定するための様々な方法のいずれかによる統計分析を使用して分析され得、パラメトリックまたはノンパラメトリックな試験、分散分析、共分散分析、多変量解析についてのロジスティック回帰分析、フィッシャー直接検定、カイ二乗検定、スチューデントのT検定、マン-ホイットニーの検定、ウィルコクソン符号順位検定、マクネマー検定、フリードマン検定およびペイジのL傾向検定(Page's L trend test)により例示される。これらおよび他の統計検定は、Hicks, CM, Research Methods for Clinical Therapists: Applied Project Design and Analysis, Churchill Livingstone (publisher); 5th Ed., 2009;およびFreund, RJ et al., Statistical Methods, Academic Press; 3rd Ed., 2010中に詳述されるように当該技術分野において周知である。
本発明の方法において使用される検体は、合成または天然由来の化合物または合成または天然由来の化合物の組み合わせ、小さな有機または無機分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、オリゴ糖、脂質もしくはこれらのいずれかの組み合わせを実例として包含するいずれかの化学成分であり得る。本発明の側面に従うと、検体は免疫療法薬である。
本発明の側面に従うと、検体は抗がん剤である。本発明の側面に従うと、検体は、抗がん抗体またはそれらの抗原結合フラグメントなどの抗がん免疫療法薬である。
例えば、抗がん剤はBrunton et al. (eds.), Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 12th Ed., Macmillan Publishing Co., 2011中に記載されている。
抗がん剤は、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アムボマイシン、アメタントロン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、亜ヒ素、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾテパ(benzodepa)、ビカルタミド、ビスアントレン、メシル酸ビスナフィド、ビセレシン、ブレオマイシン、ブレキナル、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン、カルゼルシン、セデフィンゴール、セレコキシブ、クロラムブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、クラドリビン、コビメチニブ、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロモスタノロン、ズアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキサート、エフロルニチン(eflomithine)、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシン、エルブロゾール、エソルビシン、エストラムスチン、エタニダゾール、エトポシド、エトプリン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、フォストリエシン、フルベストラント、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、インターロイキンII(IL-2、組換えインターロイキンIIまたはrIL2を包含する)、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia、インターフェロンガンマ-Ib、イプロプラチン、イリノテカン、ランレオチド、レトロゾール、リュープロリド、リアロゾール、ロメテレキソール、ロムスチン、ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン(mechlorethamine hydrochlride)、メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン(mitocarcin)、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ネララビン、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルムナプラチン(ormnaplatin)、オキシスラン、パクリタキセル、ペグアスパルガーゼ、ペリオマイシン(peliomycin)、ペンタムスチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロン塩酸塩、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマー、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルホサート(sparfosate)、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン(spiroplatin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、タモキシフェン、テコガラン(tecogalan)、テガフール、テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トポテカン、トレミフェン、トレストロン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシナート(vinglycinate)、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン(vinrosidine)、ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾレドロネート、およびゾルビシンを実例として包含する。
本発明の側面に従うと、抗がん剤は抗がん抗体である。使用される抗がん抗体は、腫瘍、特にヒト腫瘍の少なくとも1つの型を阻害するのに有効ないずれかの抗体であり得る。抗がん抗体は、これらに限定されないが、3F8、8H9、アバゴボマブ(abagovomab)、アビツズマブ(abituzumab)、アダリムマブ、アデカツムマブ、アデュカヌマブ、アフツズマブ、アラシズマブ・ペゴル(alacizumab pegol)、アレムツズマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ・マフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アネツマブ・ラブタンシン、アポリズマブ、アルシツモマブ、アスクリンバクマブ(ascrinvacumab)、アテゾリズマブ、バビツキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ビヴァツヅマブ・マータンシン、ブレンツキシマブ・ベドチン、ブロンチクツズマブ、カンツズマブ・メルタンシン、カンツズマブ・ラブタンシン、カプロマブ・ペンデチド、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ・ボガトクス(citatuzumab bogatox)、シクスツムマブ、クリバツズマブ・テトラキセタン、コルツキシマブ・ラブタンシン(coltuximab ravtansine)、コナツムマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、デムツズマブ、デニンツズマブ・マホドチン(denintuzumab mafodotin)、デパツキシズマブ・マホドチン、デュルバルマブ、ドゥシギツマブ、エドレコロマブ、エロツズマブ、エマクツズマブ、エミベツズマブ(emibetuzumab)、エノブリツズマブ(enoblituzumab)、エンホルツマブ・ベドチン、エナバツズマブ、エプラツズマブ、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、エタラシズマブ、ファーレツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ(futuximab)、ガリキシマブ、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ・ベドチン、イブリツモマブ・チウキセタン、イゴボマブ(igovomab)、imab362、イマルマブ(imalumab)、イムガツズマブ、インダツキシマブ・ラブタンシン(indatuximab ravtansine)、インデュサツマブ・ベドチン(indusatumab vedotin)、イネビリズマブ(inebilizumab)、イノツズマブ・オゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イサツキシマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リファスツズマブ・ベドチン、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブ・メルタンシン(lorvotuzumab mertansine)、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、ルムレツズマブ、マパツムマブ、マルジェツキシマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミルベツキシマブ・ソラブタンシン、ミツモマブ、モガムリズマブ、モキセツモマブ・パスードトクス、ナコロマブ・タフェナトクス(nacolomab tafenatox)、ナプツモマブ・エスタフェナトクス、ナルナツマブ、ネシツムマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オンツキシズマブ(ontuxizumab)、オレゴボマブ、オポルツズマブ・モナトクス(oportuzumab monatox)、オトレルツマブ(otlertuzumab)、パニツムマブ、パンコマブ(pankomab)、パルサツズマブ(parsatuzumab)、パトリツマブ、ペンブロリズマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)、ペルツズマブ、ピディリズマブ、ピナツズマブ・ベドチン(pinatuzumab vedotin)、ポラツズマブ・ベドチン(polatuzumab vedotin)、プリツムマブ(pritumumab)、ラコツモマブ(racotumomab)、ラドレツマブ(radretumab)、ラムシルマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サシツズマブ・ゴビデカン、サマリズマブ、セリバンツマブ(seribantumab)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シルツキシマブ、ソフィツズマブ・ベドチン、タカツズマブ・テトラキセタン、タレクスツマブ(tarextumab)、テナツモマブ(tenatumomab)、テプロツムマブ、テツロマブ(tetulomab)、ティガツズマブ、トシツモマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ・セルモロイキン(tucotuzumab celmoleukin)、ウブリツキシマブ(ublituximab)、ウトミルマブ、バンドルツマブ・ベドチン、バンチクツマブ、バヌシズマブ、バルリルマブ、ベセンクマブ(vesencumab)、ボロシキシマブ、ボルセツズマブ・マフォドチン(vorsetuzumab mafodotin)、ボツムマブ(votumumab)、ザルツムマブおよびザツキシマブ(zatuximab)を包含する。
本発明の側面に従うと、検体は1つ以上の以下のものに特異的に結合するものである:1)分化クラスター(CD)細胞表面分子などの細胞表面タンパク質;2)キナーゼなどの細胞内タンパク質;および3)シェディングされた細胞表面受容体(shed cell-surface receptor)または可溶性リガンドの細胞表面受容体などの細胞外タンパク質。
本発明の側面に従うと、検体は、白血球により発現されるタンパク質(例えば、リンパ球または骨髄細胞系列白血球)に特異的に結合するものである。さらなる選択肢において、検体は、白血球のリガンドに特異的に結合するものである。よりさらなる選択肢において、検体はがん細胞により発現される分子に特異的に結合するものである。
本発明の側面に従うと、検体は化学療法剤または免疫療法薬である。本発明の側面に従うと、検体はPD-1、PD-L1、またはCTLA-4に特異的に結合し得る。本発明の側面に従うと、検体は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、またはCTLA-4阻害剤などの免疫チェックポイント阻害剤であり得る。本発明の側面に従うと、検体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、および前述のいずれか1つの抗原結合性フラグメントから選択される免疫チェックポイント阻害剤である。
検体は、これらに限定されるものではないが、経口、直腸、口腔、経鼻、筋肉内、膣内、眼球、耳、皮下、経皮、腫瘍内、静脈内、および腹腔内などのいずれかの好適な経路により投与され得る。
発明の組成物および方法の態様は、以下の例中に説明される。これらの例は、説明の目的のために提供されるのであり、発明の組成物および方法の範囲を限定するするものと考えられない。
例
例1.ヒト造血幹細胞異種移植片を有するNSG-Quadマウスの分析
ヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)をコードする導入遺伝子を恒常的に発現するマウスは、ルーチン技術を使用してNSG背景において生成され、本明細書において「NSG-CSF1」マウスと呼ぶ。NSG-CSF1マウスを作成するために、ヒトCSF1(hCSF1)をコードする導入遺伝子が設計される。hCSF1の発現は、ヒトサイトメガロウイルスのプロモーター/エンハンサー配列によって駆動し、ヒト成長ホルモンカセットおよびポリアデニル化(polyA)配列により続く。hCSF1導入遺伝子を、受精したC57BL/6xC3H/HeNの卵母細胞中にマイクロ注入した。hCSF1導入遺伝子を保有する、結果として生じたファウンダーをBALB/c- Prkdcscidマウスと数世代の間戻し交配し、その後NOD.CB17-Prkdcscidマウスと数世代の間戻し交配する。これらのマウスを、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjlマウスと戻し交配し、次いで全ての子孫がhCSF1導入遺伝子およびIL2rgに標的化された変異についてホモ接合性となるまで交雑する。これらの遺伝子組換えマウスを、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJマウス(NSGマウス、Jackson Laboratory Stock No. 005557)と繁殖させ、コロニーを確立する。その後、Prkdcscidについてホモ接合性、Il2rgtm1Wjlについてホモ接合性、hCSF1導入遺伝子についてホモ接合性であるメスを、Prkdcscidについてホモ接合性、X連鎖性Il2rgtm1Wjlについて半接合性、およびhCSF1導入遺伝子についてホモ接合性であるオスと繁殖させる。
NSG-CSF1を、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJマウス(Stock No. 005557)背景上で維持し、および恒常的に検出可能な血清レベルのヒトCSF1を産生させる。
NSG-SGM3マウスは、幹細胞因子(hSCF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(hGM-CSF)、およびインターロイキン-3(hIL-3)についてのヒト導入遺伝子を発現する。NSG-SGM3マウスは、ヒトインターロイキン-3(IL-3)、ヒト顆粒球/マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、およびヒト造血幹細胞因子(SF)遺伝子の3つの導入遺伝子を含有し、それぞれヒトサイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー配列により駆動する。NSG-SGM3マウスを作成するために、3つの別個の導入遺伝子をそれぞれ以下のうちの1つを保有するように設計した:ヒトインターロイキン-3(IL-3)遺伝子、ヒト顆粒球/マクロファージ刺激因子(GM-CSF)遺伝子、またはヒト造血幹細胞因子(SF)遺伝子。それぞれの遺伝子の発現は、ヒトサイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー配列により駆動し、ヒト成長ホルモンカセットおよびポリアデニル化(polyA)配列により続く。3つの導入遺伝子を、受精したC57BL/6xC3H/HeN卵母細胞中にマイクロ注入した。3つの導入遺伝子(3GS)すべてを保有する、結果として生じたファウンダーを、BALB/c- Prkdcscidマウスと数世代の間戻し交配し、その後NOD.CB17-Prkdcscid マウスと少なくとも11世代の間戻し交配した。これらのマウスを、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjlマウスと繁殖させ、次いで全ての子孫が3GSおよびIL2rgに標的化された変異についてホモ接合性となるまで交雑した。これらの遺伝子組換えマウスを、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJマウス(NSGマウス、Jackson Laboratory Stock No. 005557)と1世代繁殖させ、コロニーを確立した。その後、Prkdcscidについてホモ接合性、Il2rgtm1Wjlについてホモ接合性および3GS導入遺伝子についてホモ接合性であるメスを、Prkdcscidについてホモ接合性、X連鎖性Il2rgtm1Wjlについて半接合性および3GS導入遺伝子についてホモ接合性であるオスと繁殖させた。
NSG-SGM3を、NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJマウス(Stock No. 005557)背景上で維持し、恒常的にヒトIL-3、GM-CSF、およびSCFを産生させる。NSG-SGM3は、The Jackson Laboratory(メイン州;Stock No. 013062)から商業的に入手することができる。
NSG-Quadマウスを、50cGyで全身の放射線照射を実施した。NSG-SGM3マウスを、50cGyで全身の放射線照射を実施し、NSGマウスを対照として100cGyで全身の放射線照射を実施した。それぞれのマウスは、注入により同じドナー由来の約100,000のヒトCD34+造血幹細胞を受容した。生着後10週に後眼窩の出血により得られた血球は、マウスCD45、ヒトCD45、ヒトCD20、ヒトCD3、ヒトCD33、ヒトCD14、およびヒトCD56についてのフローサイトメトリーにより評価された(図1A~F)。生存細胞は、LIVE/DEAD(登録商標)(ThermFisher Scientific)を使用してゲーティングされた。
NSG-Quadマウスは、NSGマウスに対するヒトCD45+細胞の割合として、より少ないヒトCD20+細胞の数、増加したヒトCD3+細胞、CD33+細胞、CD14+細胞、およびCD56+細胞の数を示し、そのことはNSG-Quadマウスは、NSGマウスよりもよくヒト造血前駆細胞からT-リンパ球、マクロファージ、およびナチュラルキラー細胞に分化できることを示唆する(図1B~F)。NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対して、ヒトCD45+細胞の割合として増加したヒトCD14+細胞およびCD56+細胞の数を示し、そのことはNSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスよりもよくヒト造血前駆細胞からマクロファージ(骨髄細胞系列)およびナチュラルキラー細胞(リンパ系列)へと分化できること示唆する(図1E~F)。NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対して、ヒトCD45+細胞の割合として増加したヒトCD3+細胞の総数および増加したヒトCD33+細胞の総数の傾向があったが、これらの傾向は、統計学的有意性を示さなかった(図1C~D)。増加したヒトCD3+細胞の計数についての傾向は、それにもかかわらず骨髄細胞系列サイトカインであると考えられている、CSF1のNSG-SGM3マウスへの追加がリンパ系細胞に影響を与えたことを示唆する。
例2.ヒト造血幹細胞異種移植片を有するNSG-Quadマウスの免疫機能
例1において記載されるようにヒトCD34+細胞の移植されたNSG-Quadマウス、NSG-SGM3半接合性マウス、NSG-SGM3ホモ接合性マウス、およびNSGマウスに、異種移植の10週後に0.15μgのリポ多糖(LPS)を静脈内注入投与した。血清は、LPS抗原投与の6時間後に収集され、およびヒトサイトカイン濃度をBD(商標)Cytometric Bead Array(BD Biosciences)を使用して決定した。NSG-Quadマウスは、マクロファージに分泌されたサイトカインの濃度についてNSG-SGM3半接合性マウス、NSG-SGM3ホモ接合性マウス、およびNSGマウスに対して増加を示した(図2A-E)。
例3.NSG-Quadマウスにおける腫瘍成長
CD34+細胞の生着の7~12週後にBR1126、MDA-MB-231、TM1149、およびBL0293腫瘍細胞を、NSG-QuadおよびNSG-SGM3マウスの皮下に個別に移植した(例1を参照する)。腫瘍サイズを、カリパスを使用して測定した。BR1126、TM1149、およびBL0293腫瘍は、NSG-QuadおよびNSG-SGM3マウスの両方において類似した成長を示した(図3A、3C、3D)。NSG-Quadマウスは、MDA-MB-231腫瘍細胞の移植後15日に著しく小さい腫瘍を示した(図3B)。
ヒトTM1149(乳がん)腫瘍を、腫瘍細胞の生着の17週後にNSG-QuadおよびNSG-SGM3マウスから採取され、細胞を、マウスCD45、ヒトCD45、ヒトCD20、ヒトCD3、ヒトCD33、ヒトCD14、およびヒトCD56についてフローサイトメトリーにより分析した(図4A~F)。生存細胞は、LIVE/DEAD(登録商標)(ThermoFisher Scientific)を使用してゲーティングした。NSG-Quadは、NSG-SGM3マウスよりも著しく多くの腫瘍内の白血球を示した(図4A)。興味深いことに、NSG-Quadマウスは、ヒトCD20+細胞の計数が増加する傾向があったが、この傾向は統計学的有意性を示さなかった(図4C)。
ヒトBL0293腫瘍細胞(膀胱がん細胞)を異種移植されたNSG-Quadマウスを、腫瘍が60~100mm3に達したときにグループ分けし、次いでマウス静脈内にペンブロリズマブを第0日に10mg/kg、続いて5、10、および15日に5mg/kg投与した。腫瘍サイズをカリパスで測定した。ペンブロリズマブは、NSG-Quadマウスにおいて腫瘍成長速度を減少させた(図5)。
図面
図1は、6つのパネルから構成され、図1A、図1B、図1C、図1D、図1E、および図1Fと標記した。図1A、1B、1C、1D、1E、および1Fのそれぞれは、マウスにおいて観察されたフローサイトメトリーでゲーティングされた血球のパーセントを表示するチャートである。それぞれのデータの点は、単一のマウスに相当する。x軸の標記は、それぞれが本明細書において記載されるNSG、NSG-SGM3、およびNSG-Quadの3つのマウスの系統を同定する。y軸は、ゲーティングされた細胞のパーセントを同定する。NSG、NSG-SGM3、およびNSG-Quadマウスに、それぞれ100,000のヒトCD34+造血幹細胞を投与し、および血球を、生着後10週の後眼窩の出血よりフローサイトメトリー分析のために収集した。統計学的に有意な結果が、p値として示される。NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対してヒトCD14+細胞(マクロファージ)およびヒトCD56+細胞(ナチュラルキラー細胞)の相対数において統計学的に有意な増加を示した。加えて、NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対してヒトCD3+細胞(Tリンパ球)の増加の傾向があったが、この観察は、統計学的有意性には至らなかった。
図2は、5つのパネルから構成され、図2A、図2B、図2C、図2D、および図2Eと標記した。図2A、2B、2C、2D、および2Eのそれぞれは、マウス血清中に観察されたサイトカインの濃度を示すチャートである。それぞれのデータの点は、単一のマウスに相当する。x軸の標記は、それぞれ本明細書において記載されたNSG、NSG-SGM3/+、NSG-SGM3/SGM3、およびNSG-Quadの4つのマウスの系統を同定する。y軸は、サイトカインの濃度を同定する。NSG、NSG-SGM3/+、NSG-SGM3/SGM3、およびNSG-Quadマウスに、100,000のヒトCD34+造血幹細胞をそれぞれ投与し、続いて10週後に静脈内に0.15μgのリポ多糖を投与した。血清サイトカインの濃度を、リポ多糖投与の6時間後にマクロファージ関連サイトカインについてのBD(商標) Cytometric Bead Arrayを使用して測定した。恒常的にヒトマクロファージ分化サイトカインhCSF1を発現するNSG-Quadマウスは、対象動物に対して高いマクロファージ関連サイトカインの濃度を示した。
図3は、6つのパネルから構成され、図3A、図3B、図3C、および図3Dと標記した。図3A、3B、3C、および3Dのそれぞれは、患者由来異種移植片(PDX)を有するマウスの平均腫瘍量を表示するグラフである。それぞれのデータの点は、特定の時点でのマウスの1群における観察された平均腫瘍量に相当する。円(●)は、NSG-Quad群のマウスに相当し、四角(■)は、NSG-SGM3群に相当する。x軸は、マウスが患者由来異種移植片を受容した後の日数を同定する。y軸は、mm3の単位での平均腫瘍量を同定する。エラーバーは、標準誤差に相当する。それぞれの患者由来異種移植片は、NSG-Quad群およびNSG-SGM3群において、ヒトMDA-MB-231異種移植片を除いて類似した成長を示し、そのことは生着後15日に始まってNSG-Quad群において、NSG-SGM3群に対して著しく低い成長を示した。
図4は、6つのパネルから構成され、図4A、図4B、図4C、図4D、図4E、および図4Fと標記した。図4A、4B、4C、4D、4E、および4Fのそれぞれは、フローサイトメトリーにてゲーティングされたマウス中に観察された腫瘍内の白血球のパーセントを描いたチャートである。それぞれのデータの点は単一のマウスに相当する。x軸の標記は、それぞれが本明細書において記載されているNSG-SGM3およびNSG-Quadの2つのマウスの系統を同定する。y軸は、ゲーティングされた細胞のパーセントを同定する。NSG-SGM3およびNSG-Quadマウスに、100,000のヒトCD34+造血幹細胞をそれぞれ投与し、7~12週後に皮下にTM1149を異種移植した。腫瘍を、TM1149の異種移植後17週で採取し、フローサイトメトリーにより分析した。統計学的に有意な結果が、p値として示される。NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対して総ヒトCD45+細胞(白血球)において統計学的に有意な増加を示し、そのことは、NSG-Quadマウスが、腫瘍浸潤性リンパ球依存性のがんの免疫療法の研究についてNSG-SGM3マウスよりも優れているだろうことを示唆する。NSG-Quadマウスは、NSG-SGM3マウスに対してヒトCD3+細胞(Tリンパ球)の数の増加の傾向があったが、この観察は、統計学的有意性を示さなかった。
図5は、ヒトCD34+造血幹細胞の異種移植片およびBL0293患者由来異種移植片を有し、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))またはビヒクルのいずれかを受容しているNSG-Quadマウスについての腫瘍量を示すグラフである。それぞれのデータの点は、特定の時点での単一のマウスに相当する。円(●)は、ビヒクル処置のマウスに相当し、四角(■)は、ペンブロリズマブ処置のマウスに相当する。x軸は、マウスがペンブロリズマブまたはビヒクルを受容し始めた後の日数を同定する。y軸は、mm3の単位での平均腫瘍量を同定する。ペンブロリズマブを処置したNSG-Quadマウスは、ビヒクルを受容したマウスよりも平均してゆっくりとした腫瘍成長を示した。
本明細書中にて言及されるすべての特許および刊行物は、あたかもそれぞれ個別の刊行物が参照によって組み入れられることを明確かつ個別的に示されたのと同程度に参照により本明細書に組み入れられる。
個々の態様の文脈中に明確に記載された、本発明のある特徴が、単一の態様を組み合わせてもまた提供されるだろうことを理解すべきである。反対に、単一の態様の文脈中に簡潔に記載された、本発明の様々な特徴が、個々にまたはいずれかの好適な部分の組み合わせにおいてもまた提供されるだろう。
本明細書において記載されるマウスおよび方法は、目下好ましい態様の例示的、代表的なものであり、発明の範囲の限定としては意図されない。それらの改変およびさらなる使用を、当業者は想到するであろう。かかる改変および使用は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。
項目
項目1.以下を含む遺伝子組換え免疫不全マウス:(a)ヒト幹細胞因子(hSCF)をコードするヌクレオチド配列;(b)ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(hGM-CSF)をコードするヌクレオチド配列;(c)ヒトインターロイキン-3(hIL-3)をコードするヌクレオチド配列;および(d)ヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)をコードするヌクレオチド配列、ここでヌクレオチド配列のそれぞれは、プロモーターに作動可能に連結されており、ここで遺伝子組換え免疫不全マウスは、hSCF、hGM-CSF、hIL-3、およびhCSF1を発現する。
項目2.マウスが、遺伝子組換えのNOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウス;遺伝子組換えのNOD.Cg-Rag1tm1Mom Il2rgtm1Wjl/SzJ(NRG)マウスまたは遺伝子組換えのNOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Sug/JicTac(NOG)マウスである、項目1の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目3.hSCF、hGM-CSF、hIL-3、またはhCSF1をコードするヌクレオチド配列のいずれか1つ以上が、構成的プロモーターに作動可能に連結されている項目1または2に記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目4.さらにヒト造血幹細胞を含む項目1~3のいずれか1つに記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目5.マウスが、ヒト骨髄前駆細胞、ヒトリンパ球前駆細胞、ヒトCD33+骨髄細胞、ヒトマスト細胞、ヒト単球、ヒトマクロファージ、ヒト骨髄樹上細胞、ヒトB細胞、ヒトプラズマ細胞、ヒトT細胞、ヒトヘルパーT細胞、ヒト細胞傷害性T細胞、ヒトTreg細胞、およびヒトナチュラルキラー細胞からなる群より選択される分化したヒト造血幹細胞を含む、項目1~4のいずれか1つに記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目6.マウスが、CD45+、CD20+、CD20+CD45+、CD3+、CD3+CD45+、CD33+、CD33+CD45+、CD14+、CD14+CD45+、CD56+、およびCD56+CD45+白血球からなる群より選択されるヒト白血球を含む、項目1~5のいずれか1つに記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目7.項目6の遺伝子組換え免疫不全マウスであって、ここで前記マウスは、免疫学的攻撃の不存在における以下の1つ、2つ、3つまたはすべてのを含む:マウスのヒトCD45+白血球の少なくとも約20%が、CD3+CD45+白血球であり;マウスのヒトCD45+白血球の少なくとも約10%が、CD33+CD45+白血球であり;マウスのヒトCD45+白血球の少なくとも約5%が、CD14+CD45+白血球であり;マウスのヒトCD45+白血球の少なくとも約0.5%が、CD56+CD45+白血球である。
項目8.マウスが、ヒトインターロイキン-8、ヒトインターロイキン-1β、ヒト腫瘍壊死因子、ヒトインターロイキン-12p70、およびヒトインターロイキン-6からなる群より選択されるヒトサイトカインを発現する、項目4~7のいずれか1つに記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目9.ヒト腫瘍細胞を含むヒト異種移植片をさらに含む、項目1~8のいずれか1つに記載の遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目10.項目1~3のいずれか1つに従った遺伝子組換え免疫不全マウスを提供すること、および遺伝子組換え免疫不全マウスにヒト造血幹細胞を投与することを含む、遺伝子組換え免疫不全ヒト化マウスモデルを作成する方法。
項目11.ヒト造血幹細胞を投与する前に、遺伝子組換え免疫不全マウスにマウスのマウス造血幹細胞を減少させるよう調整するステップをさらに含む、項目10に記載の方法。
項目12.調整するステップが、遺伝子組換え免疫不全マウスに放射線を照射すること、および/または遺伝子組換え免疫不全マウスに放射線様作用薬を投与すること含む、項目11に記載の方法。
項目13.遺伝子組換え免疫不全マウスにヒト腫瘍細胞を含むヒト異種移植片を投与するステップをさらに含む、項目10~12のいずれか1つに記載の方法。
項目14.項目13の方法であって、ここでヒト造血幹細胞およびヒト腫瘍細胞は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、または少なくとも20一致するHLAアリルを含む。
項目15.以下を含む検体の抗腫瘍活性を同定する方法:項目1~8のいずれか1つに従った遺伝子組換え免疫不全マウスを提供すること;遺伝子組換え免疫不全マウスにヒト腫瘍細胞を投与すること、ここでヒト腫瘍細胞は遺伝子組換え免疫不全マウス中で固形または非固形の腫瘍を形成する;遺伝子組換え免疫不全マウスに検体を投与すること;および固形または非固形の腫瘍の検体に対する反応をアッセイすること、ここで腫瘍および/または腫瘍細胞に対する検体の阻害効果は、検体を、抗腫瘍活性を有するものと同定する。
項目16.異種の腫瘍細胞に対する検体の効果を決定するために、標準物質との反応と比較することをさらに含む項目15に記載の方法であって、ここで異種の腫瘍細胞に対する検体の阻害効果が検体を、抗腫瘍活性を有するものと同定する。
項目17.検体が免疫療法薬である、項目15または16に記載の方法。
項目18.検体が免疫チェックポイント阻害剤である、項目15~17のいずれか1つに記載の方法。
項目19.免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、またはCTLA-4阻害剤である、項目18に記載の方法。
項目20.免疫チェックポイント阻害剤が、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、またはペンブロリズマブであるかまたは免疫チェックポイント阻害剤が、前述のいずれか1つの抗原結合性フラグメントを含む、項目18または19に記載の方法。
項目21.検体が抗体である、項目15~20のいずれか1つに記載の方法。
項目22.検体が抗がん剤である、項目15~21のいずれか1つに記載の方法。
項目23.実質的に本明細書において記載されているかまたは示されている、遺伝子組換え免疫不全マウス。
項目24.実質的に本明細書において記載されているかまたは示されている、遺伝子組換え免疫不全ヒト化マウスを作成する方法。
項目25.実質的に本明細書において記載されているかまたは示されている、検体の抗腫瘍活性を同定する方法。
配列
配列番号:1:Homo sapiensコロニー刺激因子1(CSF1)のアイソフォームa(NM_000757.5に基づく)をコードするトランスクリプトバリアント1、1662ヌクレオチド
配列番号:2:Homo sapiensコロニー刺激因子1(CSF1)、アイソフォームbをコードするトランスクリプトバリアント2(NM_172210.2に基づく)、1314ヌクレオチド
配列番号:3:Homo sapiensコロニー刺激因子1(CSF1)、アイソフォームcをコードするトランスクリプトバリアント3(NM_172211.3に基づく)、619ヌクレオチド
配列番号:4:Homo sapiensコロニー刺激因子1(CSF1)、アイソフォームaをコードするトランスクリプトバリアント4(NM_172212.2に基づく)、1662ヌクレオチド
配列番号:5:ヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)アイソフォームaのアミノ酸配列-554アミノ酸(32アミノ酸のN末端シグナルペプチドを包含する)(NP_000748.3)
配列番号:6:シグナルペプチドを除くヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)のアミノ酸配列-522アミノ酸(NP_000748.3に基づく)
配列番号:7:ヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)アイソフォームbのアミノ酸配列-438アミノ酸(32アミノ酸のN末端シグナルペプチドを包含する)-(NP_757349.1)トランスクリプトバリアント2によりコードされる
配列番号:8:シグナルペプチドを除くヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)アイソフォームbのアミノ酸配列-406アミノ酸(NP_757349.1に基づく)
配列番号:9:ヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)アイソフォームcのアミノ酸配列-256アミノ酸-(32アミノ酸のN末端シグナルペプチドを包含する)(NP_757350.1)トランスクリプトバリアント3によりコードされる
配列番号:10:シグナルペプチドを除くヒトコロニー刺激因子1(hCSF1)アイソフォームcのアミノ酸配列-224アミノ酸(NP_757350.1に基づく)
配列番号:12:ヒトSCF220をコードするヌクレオチド配列、738ヌクレオチド
配列番号:14:ヒトSCF248をコードするヌクレオチド配列、822ヌクレオチド
配列番号:15:5’および3’の非コード配列を包含するヒトSCF248をコードするヌクレオチド配列、1405ヌクレオチド
配列番号:16:ヒト可溶型SCF(164aaおよび25aaのN末端シグナルペプチド)
配列番号:17:ヒト可溶型SCFをコードするヌクレオチド配列(164aaおよび25aaのN末端シグナルペプチド)、567ヌクレオチド
配列番号:18:hGM-CSF(17アミノ酸のシグナルペプチドを包含する)-144アミノ酸
配列番号:19:hGM-CSFをコードするヌクレオチド配列(17アミノ酸のシグナルペプチドを包含する)-435ヌクレオチド
配列番号:20:シグナルペプチドを除くhGM-CSF-127アミノ酸
配列番号:21:シグナルペプチドを除くhGM-CSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列-352ヌクレオチド
配列番号:22:ヒトインターロイキン-3(19アミノ酸のシグナルペプチドを包含する)-152アミノ酸
配列番号:23:インターロイキン-3をコードするヌクレオチド配列(19アミノ酸のシグナルペプチドを包含する)-459ヌクレオチド
配列番号:24:シグナルペプチドを除くヒトインターロイキン-3-133アミノ酸
配列番号:25:シグナルペプチドを除くインターロイキン-3をコードするヌクレオチド配列-402ヌクレオチド