JP2023012774A - ラップフィルム巻回体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
【選択図】なし
Description
[1]
ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、該ラップフィルム巻回体を23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
[2]
前記グロス測定値の標準偏差が10%以下である、[1]に記載のラップフィルム巻回体。
[3]
前記紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、ラップフィルムと触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上である領域を含む、[1]又は[2]に記載のラップフィルム巻回体。
[4]
ラップフィルムがアセチル化脂肪酸グリセライドを含む、[1]~[3]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
[5]
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
[6]
ラップフィルムの厚みが30μm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
また、フィルム切れのトラブル抑制、カット性、及び密着性のバランスの観点から、ラップフィルムの厚みが特定範囲に調整される。特に、厚みが6~30μmのラップフィルムを用いる場合、引裂強度の著しい低下はないものの、決して十分ではなく、フィルムの裂けトラブルが起こりやすい傾向にあるため、本発明の効果が顕著となる。ラップフィルムの厚みは、公知の方法により調整することができ、例えば、押出速度により適宜調整することができる。
Gs(θ)(%)=(ζs/ζos)×100
ここで Gs:グロス
θ :入射角
ζs :試料面からの鏡面反射光束
ζos:基準面からの鏡面反射光束
このグロス測定値の算術平均値が45%以上であると、紙管にフィルムを巻付けた際にもフィルム表面のシワの発生が抑制され、フィルムの平滑性が良好となる。このシワの発生の抑制により、フィルムをカットした際に千切れの起点が減少し、カット性能が向上する。このシワの発生は、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルム巻回体の積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、特に発生しやすい。そのため、この範囲におけるグロスを制御すればシワの発生を抑制でき、カット性能が向上すると考えられる。このグロス測定値の算術平均値の好ましい範囲としては、45~100%であり、より好ましくは、51~100%であり、更に好ましくは、58~100%であり、更により好ましくは、70~100%であり、特に好ましくは、83~100%である。
このグロス測定値の算術平均値を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
D2=((X-X(1))2+(X-X(2))2+…(X-X(10))2)/10
との式から算出される、Dの値が10%以下であるときをいうものである。
この標準偏差が10%以下の場合には、フィルム表面の平滑性が向上して、シワが少ないために、フィルムのカット性能が向上する傾向にある。この標準偏差の好ましい範囲としては、0~10%であり、より好ましくは、0~9%であり、更に好ましくは、0~8%であり、更により好ましくは、0~7%であり、特に好ましくは、0~6%である。
このグロス測定値の標準偏差を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
なお、本実施形態において、グロスは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
この縞模様の明部分の個数/巻回体長軸方向距離を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
また、本実施形態のラップフィルム巻回体は、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が100MPa以上であることが好ましい。
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が100MPa以上の場合には、フィルムが変形しにくく、紙管の寸法が変化した際に、巻回体表面は平滑性を保持してシワの発生が妨げられるため、カット性能は低下しない傾向にある。一方、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下の場合には、フィルムが柔軟であり、鋸刃に沿ってフィルムをカットした際に、鋸刃に沿ってフィルムをカットしやすく、千切れが発生しにくくなる傾向にある。同様の観点から、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率のより好ましい範囲としては、200~600MPaであり、更に好ましくは、300~600MPaであり、更により好ましくは、400~600MPaであり、特に好ましくは、500~600MPaである。
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
なお、本実施形態において、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
しかしながら、本実施形態のラップフィルム巻回体は、上述したとおり特定範囲のグロスを制御することにより、ラップフィルムの引張弾性率が低い場合であっても、フィルムのシワ発生を抑制し、フィルムを引き出し、カットする際に途中切れを抑制することができる。
また、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が上述の範囲において、例えば、紙管の含水率を8%以下まで乾燥させてフィルムを巻きつけると紙管の寸法変化に伴ってフィルム表面のシワが伸ばされることになるため、カット性能を低下させるフィルムのシワ発生を一層抑制することができる。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上であることよって、巻回体表面が平滑な状態となり、シワが少ないために、フィルムのカット性能が一層向上する傾向にある。ここで、動摩擦係数は、巻回体表面の凹凸に関係すると考えられる。動摩擦係数は、触覚接触子を使用して測定する。触覚接触子とは、幾何学的指紋パターンを模し、指先相当の硬度を有する接触子であって、ラップフィルム巻回体を取り扱うヒト指腹部構造の触感に相応する摩擦感が得られるので、本実施形態において、動摩擦係数を測定することで、巻回体表面の凹凸を検出するのに好適である。
触覚接触子との動摩擦係数を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
具体的には、後述の実施例に記載の方法により触覚接触子との動摩擦係数を測定することができる。
紙管の含水率を上述の範囲に制御する手法は、特に限定されないが、例えば、紙管を保管するケースに乾燥材を入ること、低湿度環境下で保管することが挙げられる。
この際の前記紙管の扁平圧縮強度は、含水率6質量%と調整した際に、100N以上であることが好ましい。
本実施形態に用いるラップフィルムは、塩化ビニリデン系樹脂を含有する塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムであることが好ましい。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンを含むものであれば特に限定されず、塩化ビニリデン以外に、例えば塩化ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル等、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体が一種又は二種以上共重合されていてもよい。
試料 0.5gをTHF(テトラヒドロフラン)10mlに溶解し、メタノール約30mlを加えて樹脂分を析出した後、濾過して析出物を分離、乾燥する。
こうして得た再沈濾過物を、真空乾燥し、5質量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気23±2℃、50±10%RHにてH-NMR測定する(積算回数:512回)。得られたスペクトル中のテトラメチルシランを基準とした特有の化学シフトを用いて塩化ビニリデン由来の構成単位及び塩化ビニル由来の構成単位を計算する。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)をBのCHシグナル(塩化ビニル由来の構成単位のメチン(CH)基)に帰属する。
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)をAAの片方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属する。
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)をAB及びBA両方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属する。
・Aのモル分率(mol%):P(A)
・Bのモル分率(mol%):P(B)
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)の積分値をBの1H1個分
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)の積分値をAの1H2個分
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)の積分値をAの1H4個分
・P(A) + P(B) = 100
・P(B):P(A) =シグナル1の積分値:(シグナル2の積分値+シグナル3の積分値/2)/2
・P(A)=100-P(B)
・Aの質量分率(質量%):Q(A)
・Bの質量分率(質量%):Q(B)
・Q(A) =
(P(A) × 97.0) /
(P(A) × 97.0 + P(B) × 62.5 ) × 100
・Q(B) = 100 - Q(A)
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、ラップフィルムの色調変化の抑制の観点から、エポキシ化植物油を含有することが好ましい。エポキシ化植物油は、塩化ビニリデン系樹脂押出加工用安定剤としても作用する。
エポキシ化植物油含有量のNMRを使用した測定方法は下記の手順に従う。
積分比=積分値(2.23~2.33ppm)/積分値(8.05~8.11ppm)
本実施形態において、ラップフィルムに含まれるクエン酸エステルは、特に限定されないが、例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル(以下「ATBC」とも記す)、アセチルクエン酸トリ-n-(2-エチルヘキシル)などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる観点から、ATBCが好ましい。
本実施形態において、ラップフィルムに含まれる二塩基酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジn-ヘキシル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル系;アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシル、アゼライン酸オクチル等のアゼライン酸エステル系;セバシン酸ジブチル(以下「DBS」とも記す)、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等のセバシン酸エステル系などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる観点から、DBSが好ましい。
本実施形態において、ラップフィルムに含まれるアセチル化脂肪酸グリセライドとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリンジアセチルモノラウレートなどが挙げられる。
アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量は、特に限定されないが、塩化ビニリデン系樹脂に対し、0.5~2.8質量%が好ましく、0.5~2.5質量%がより好ましく、0.5~2.1質量%がさらに好ましく、0.5~1.5質量%がよりさらに好ましく、0.5~0.8質量%が特に好ましい。アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量が0.5質量%以上であれば、フィルムが柔軟であり、鋸刃に沿ってフィルムをカットした際に、鋸刃に沿ってフィルムをカットしやすく、千切れが発生しにくくなる傾向にある。アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量が2.8質量%以下であれば、フィルムが変形しにくく、紙管の寸法が変化した際に、巻回体表面は平滑性を保持してシワの発生が妨げられるため、カット性能は低下しない傾向にある。
なお、上記理由は推定であり、これに限定されるものではない。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、前記エポキシ化植物油、クエン酸エステル、二塩基酸エステル及びアセチル化脂肪酸グリセライド以外の配合物(以下、「その他の配合物」という。)、例えば可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料等の着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤、ポリエステル等のオリゴマー、MBS(メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)等のポリマー等を含有してもよい。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニリデン系樹脂等を含む樹脂組成物を溶融押し出しした後、MD方向及びTD方向に延伸する方法を用いることができる。このとき、例えば、MD方向の延伸倍率を4~9倍、TD方向の延伸倍率を2~6倍とすることができる。
実施例及び比較例において、各物性及び各特性を以下のとおり測定した。
塩化ビニリデン由来の構成単位及び塩化ビニル由来の構成単位の含有量は、高分解のプロトン核磁気共鳴測定装置を用いて測定した(積算回数:512回)。ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、5質量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気23±2℃、50±10%RHにてH-NMR測定した。
ここで、塩化ビニリデン由来の構成単位(-CH2-CCl2-)をA、塩化ビニル由来の構成単位(-CH2-CHCl-)をBと表記し、スペクトル上に得られたシグナル1、2、及び3を以下の通り帰属した。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)をBのCHシグナル(塩化ビニル由来の構成単位のメチン(CH)基)に帰属した。
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)をAAの片方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属した。
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)をAB及びBA両方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属した。
・Aのモル分率(モル%):P(A)
・Bのモル分率(モル%):P(B)
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)の積分値をBの1H1個分
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)の積分値をAの1H2個分
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)の積分値をAの1H4個分
・P(A) + P(B) = 100
・P(B):P(A) =シグナル1の積分値:(シグナル2の積分値+シグナル3の積分値/2)/2
・P(A)=100-P(B)
・Aの質量分率(質量%):Q(A)
・Bの質量分率(質量%):Q(B)
・Q(A) =
(P(A) × 97.0) /
(P(A) × 97.0 + P(B) × 62.5 ) × 100
・Q(B) = 100 - Q(A)
精密ダイアルゲージ(株式会社テクロック製、TM-1201)を利用し、23±2℃、50±10%RHの雰囲気中で、ラップフィルムの厚みの測定を行った。
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率はオートグラフAG-IS(株式会社島津製作所製)を使用し、23±2℃、50±10%RHの雰囲気中にて測定した。
長さ150mm、幅10mmに切り出し、試験片とした。切り出す際には、試験片に傷が入らないようにするため、短冊状に切り出し、刃を1試験片毎に交換した。
5mm/分の引張速度、チャック間距離100mm、フィルム幅10mmの条件でクロスヘッド間の引張伸び歪が2%時点での荷重を測定した。
2%の歪で荷重を割り返す。即ち荷重を50倍にしてから、試験片の断面積で割り返し、TD方向の2%引張弾性率を測定した。測定の際には、試験機の軸に試験片のTD方向が一致するように、つかみ具に取り付けた。
試験材料に損傷を与えにくい材料(朱肉など)で長さ方向両端から25mmの部位に印をつけて、チャック位置とした。試験片は、ねじれがなく、表面、辺縁部には傷、穴がないことを、直線定規を用いた目視及びマイクロスコープを用いて確認した。
これらの条件を満たさない試験片は廃棄した。試験片は、滑りを防ぐために、かつ、試験中につかみ部分がずれないように、つかみ具で均等にしっかりと締めた。
また、つかみ具間の圧力によって、試験片の割れ、及び、圧延が起きてはならない。5回測定した内、最も高い値と最も低い値を除いた3回の結果の算術平均を算出し、有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を、商標名:サランラップ(登録商標)[旭化成ホームプロダクツ株式会社製]の収納箱へ入れ、フィルムを30cmずつ引き出して切断した時に、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置(表中、位置Aと記す)において、フィルムの切断端面に亀裂が発生した回数(合計測定回数20回)を評価した。
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体について、23±2℃50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、JIS-Z-8741の方法(入射角45度、受光角45度の鏡面光沢度)に従い、グロスメーター(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用いて1mm間隔でグロス(45°照射角度)を測定し、10回の測定値を算術平均した。有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
図7に、ラップフィルム巻回体における当該グロスの測定範囲を示す。図7に示すラップフィルム巻回体において、巻回体の中央(18)から、紙管長軸方向距離(19)の4分の1までの範囲(20)(点線で囲まれた範囲)を、当該グロスの測定範囲とした。
測定はラップフィルム巻回体の状態で行い、図8に一例として示す専用のラップフィルム巻回体固定治具を用いて行った。但し、ラップフィルム巻回体固定治具としては、図8の形態に限定されるものではなく、ラップフィルム巻回体を固定する事が出来れば、任意の固定治具を使用することができる。図9に、当該グロスを測定する際に、前記固定治具にラップフィルム巻回体を固定した状態の写真を示す。
さらに、上記10回の測定値の標準偏差を下式に基づいて算出した。すなわち、グロス測定値の算術平均値をXとし、各測定値をX(1)、X(2)、…、X(10)とし、グロス測定値の標準偏差をDとすると
D2=((X-X(1))2+(X-X(2))2+…(X-X(10))2)/10
として算出した。
紙管中の含水率は、以下のとおり測定した。赤外線式電子水分計(株式会社シービーシー製、MB-30)を用いて、ISO11093-3に則して、紙管中の含水率を測定した。
株式会社トリニティーラボ製静動摩擦測定機TL201Ttにてラップフィルムと触覚接触子との摩擦力の測定を以下のとおり行った。触覚接触子は購入後1年以内で汚れや摩耗の無いものを用いた。また、測定前には触覚接触子を水を用いて洗浄し、やわらかい布を用いて拭いてから測定を行った。実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を摩擦測定機のテーブル表面に固定し、紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、巻回体曲面の最も高い位置と触覚接触子の中心を合わせて、触覚接触子を荷重100g重で、測定表面を10mm/秒で70mm移動させて、領域Xにおけるラップフィルムと触覚接触子との摩擦力を測定し、開始10mm後から、試験終了の10mm手前までの範囲から、動摩擦係数を算出した。図11に、ラップフィルム巻回体の中央18を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線22の一例を示す。測定距離が70mm取れない場合は、測定できた長さにおける動摩擦係数を算出した。当該測定は23±2℃、50±10%RHの雰囲気中で行った。サンプルを変えて計5回測定を行い、5回測定した内、最も高い値と最も低い値とを除いた3回の結果の算術平均を算出し、有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を23±2℃50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みLを、定規を用いて測定した。図10に、当該厚みLを測定する際の測定位置の例を示す。測定は位置を変えて、計5回測定を行い、5回測定した内、最も高い値と最も低い値とを除いた3回の結果の算術平均を算出した。
重量平均分子量120,000の塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン由来の構成単位が85質量%、塩化ビニル由来の構成単位が15質量%)、ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、田岡化学工業(株))、DALG(グリセリンジアセチルモノラウレート、理研ビタミン(株))、ESO(ニューサイザー510R、日本油脂(株))を、それぞれ順に92.6質量%、4.4質量%、0.5質量%、2.5質量%の割合で混ぜたもの合計10kgをヘンシェルミキサーにて5分間混合させ、24時間以上熟成して塩化ビニリデン系樹脂組成物を得た。
上記の塩化ビニリデン系樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融し、押出機の先端に取り付けられた環状ダイでのスリット出口での溶融樹脂温度が170℃になるように押出機の加熱条件を調節しながら、環状に14kg/時間の押出速度で押出した。ホットディスタンスは80mmとした。
これを過冷却した後、インフレーション延伸によって、延伸温度:25℃で、MD方向:4.7倍に延伸し、TD方向:5.5倍に延伸して筒状フィルムとし、折幅270mmの2枚重ねのフィルムを巻取速度18m/分にて巻き取った。このフィルムを、200mmの幅にスリットし、1枚のフィルムに剥がしながら外径97mmの紙管に巻き直した。その後、30時間の間15℃で保管し、外径36mm、長さ305mm、含水率6質量%の紙管に20m巻き取ることで、ラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を4.1質量%とし、DALGの添加量を0.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.7質量%とし、DALGの添加量を1.2質量%と、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.4質量%とし、DALGの添加量を1.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.1質量%とし、DALGの添加量を1.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.8質量%とし、DALGの添加量を2.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.4質量%とし、DALGの添加量を2.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.1質量%とし、DALGの添加量を2.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
塩化ビニリデン系樹脂94.4質量%、ATBCの添加量を3.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂94.6質量%、ATBCの添加量を2.9質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂94.8質量%、ATBCの添加量を2.7質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂95.0質量%、ATBCの添加量を2.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂95.2質量%、ATBCの添加量を2.3質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂95.4質量%、ATBCの添加量を2.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂95.6質量%、ATBCの添加量を1.9質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
塩化ビニリデン系樹脂87.5質量%、ATBCの添加量を10.0質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
一方、比較例1~8のラップフィルム巻回体は、可塑剤の可塑化効果により、紙管含水率が11質量%の条件でリワインドを行うと途中切れの起点となるシワが発生し、グロス測定値は低くなり、シワの発生が多く、端面の千切れが発生した。
Claims (6)
- ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、該ラップフィルム巻回体を23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
- 前記グロス測定値の標準偏差が10%以下である、請求項1に記載のラップフィルム巻回体。
- 前記紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、ラップフィルムと触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上である領域を含む、請求項1又は2に記載のラップフィルム巻回体。
- ラップフィルムがアセチル化脂肪酸グリセライドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
- ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
- ラップフィルムの厚みが30μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
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