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JP2023012774A - ラップフィルム巻回体 - Google Patents

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JP2023012774A
JP2023012774A JP2021116447A JP2021116447A JP2023012774A JP 2023012774 A JP2023012774 A JP 2023012774A JP 2021116447 A JP2021116447 A JP 2021116447A JP 2021116447 A JP2021116447 A JP 2021116447A JP 2023012774 A JP2023012774 A JP 2023012774A
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roll
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真司 広崎
Shinji Hirosaki
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】本発明は、紙管にラップフィルムを巻付けた巻回体において、フィルムのシワ発生を抑制し、切断刃にてフィルムを切断するときに発生する切断不良を削減することができるラップフィルム巻回体を提供することを目的とする。
【解決手段】ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラップフィルム巻回体に関する。
従来、ポリ塩化ビニリデンやポリオレフィンからなる食品包装用ラップフィルムが、15~45cm程度の長さの巻芯用紙管に巻回された形態(巻回体)で提供されている。この種の巻芯用紙管としては、一般的には、細長い板紙に接着剤を塗った後に、マンドレルへらせん状に位置をずらして多層に巻付け、ベルトを使って締めることで製造される、所謂スパイラル紙管が用いられている。
食品包装用ラップフィルムにおいて、フィルムのカット性を向上させる種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、フィルムの表面に電離放射線を照射し、同時にフィルム引き取り方向に延伸加工することにより、フィルムのカット性、電子レンジ適正を向上させた自己粘着性包装用フィルムが開示されている。
特開平9-141794号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、電離放射線の照射が必要になるため、大規模な設備が必要となる。また、上記特許文献1に記載のフィルムにおいて、電離放射線を照射したフィルムを紙管に巻付けた巻回体とした際に、紙管乾燥による紙管収縮のためにフィルム表面にシワが発生する傾向にある。図3に、シワが発生したラップフィルム一例の写真を示す。このようにラップフィルムにシワが発生すると、図2に示すとおり、ラップフィルム17を化粧箱14から引き出して、フィルム切断刃15でカットする際、シワを起点とした途中切れが発生し易くなる。図4に、カット時のフィルムの千切れの一例の写真を示す。
具体的には、例えば、詰替後の使用時(ラップフィルムの引き出し時)に、そのシワを起点としてラップフィルムが引き裂けて、千切れてしまう傾向にある。
また、このようにラップフィルムが引き裂けてしまうと、使用者がラップフィルムの巻終り端を見失い易く、その後の引き出しが困難になる。さらには、上述したラップフィルムの引き裂けをともなった複数周回の引き出しが行われると、完全な状態で(引き裂けが生じていない状態で)ラップフィルムを引き出すことはもはや困難となり、その後の使用が不可能な状態になり得る。とりわけ、ラップフィルム巻回体の短軸方向のシワは、ラップフィルムの巻終り端を見失わせ易く、また、ラップフィルムの引き裂けをともなった複数周回の引き出しを誘因し易いという傾向があるため、ラップフィルム巻回体の短軸方向沿って平行に生じるシワが特に問題となる。
本発明は、紙管にラップフィルムを巻付けた巻回体において、フィルムのシワ発生を抑制し、切断刃にてフィルムを切断するときに発生する切断不良を削減ことができるラップフィルム巻回体を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上述したようなラップフィルムにおけるシワの発生は、ラップフィルム巻回体表面の平滑性と密接に関係があり、シワ発生が顕著なラップフィルム巻回体では表面の平滑性が低下して光沢度が失われる傾向があることを見出した。そして、ラップフィルム巻回体の特定の位置の光沢度を特定の範囲に制御することにより、途中切れの起点となるシワを削減することができることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]
ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、該ラップフィルム巻回体を23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
[2]
前記グロス測定値の標準偏差が10%以下である、[1]に記載のラップフィルム巻回体。
[3]
前記紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、ラップフィルムと触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上である領域を含む、[1]又は[2]に記載のラップフィルム巻回体。
[4]
ラップフィルムがアセチル化脂肪酸グリセライドを含む、[1]~[3]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
[5]
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
[6]
ラップフィルムの厚みが30μm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のラップフィルム巻回体。
本発明のラップフィルム巻回体は、紙管にフィルムを巻付けた際にもフィルムのシワの発生を抑制し、フィルムの切断時に発生する切断不良を削減することができる。
本発明の製膜プロセスで使用された装置の一例の概略図である。 本発明に用いるラップフィルムを収容したラップフィルム収容体の一例の斜視図である。 本発明で発生を抑制するシワの一例の写真である。 本発明で発生を抑制するカット時の千切れの一例の写真である。 本発明に用いる紙管の形態の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体の形態の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体において、当該グロスの測定範囲(巻回体の中央から、「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲)の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体において、当該グロスを測定するための、巻回体の固定治具の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体において、当該グロスを測定する際に、巻回体を固定した状態の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みLの測定位置の一例の写真である。 ラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線の一例の写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について以下詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施形態のみに限定されるものではない。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である。本実施形態のラップフィルム巻回体は、グロス測定値の算術平均値を45%以上とすることにより、紙管にフィルムを巻付けた際にもフィルムのシワ発生を抑制し、切断刃にてフィルムを切断するときに発生する切断不良を削減ことができる。
図5は、本実施形態に用いる紙管の形態の一例の写真である。図5に示す紙管は広く汎用されている円柱形状の紙管の一例である。図2は、本実施形態に用いるラップフィルムを収容したラップフィルム収容体の一例の斜視図である。また、ラップフィルム収納箱も広く市販され汎用されている四角柱状形のものの一例である。図6は、本実施形態に用いるラップフィルム巻回体の形態の一例の写真である。
本実施形態に用いるラップフィルムの具体例としては、特に限定されないが、例えば、カット性に優れているという観点から、塩素系樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルム、及びエステル系樹脂フィルム等が挙げられる。ここで、塩素系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂及びポリ塩化ビニル系樹脂並びにこれらの混合物が挙げられる。オレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂並びにこれらの混合物が挙げられる。エステル系樹脂の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリブチレンテレフタレートアジペート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンサクシネート系樹脂、ポリエチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートサクシネート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート系樹脂及びポリグリコール酸系樹脂並びこれらの混合物が挙げられる。
本実施形態に用いるラップフィルムは、上記の樹脂以外に、当業界で公知の各種添加剤、特に限定されないが、例えば、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、結晶核剤、分解防止剤、流動性調整剤、相溶化剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
可塑剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、可塑化性能に優れているという観点から、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、ジアセチルモノラウリルグリセレート(DALG)等が挙げられる。なお、本実施形態に用いるラップフィルムは、単層構造のものであっても、例えば、オレフィン系樹脂層とエステル系樹脂層とを積層した積層フィルムのように、異なる系統の樹脂層を複数積層した積層構造のものであっても、組成の異なる同じ系統の樹脂層を複数積層した積層構造のものであってもよい。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、例えば、紙製の筒状芯体(巻芯用紙管)の外周に、筒状芯体の軸長さよりも幅狭で、厚み6~30μmのラップフィルムを所定の数量分、巻きつけた(巻回した)巻回体が挙げられる。本実施形態のラップフィルム巻回体において、ラップフィルムの厚みが6μm以上である場合、フィルムの引張強度が高く、使用時のフィルム切れを抑制できる傾向にある。また、引裂強度の著しい低下がなく、巻回体からフィルムを引き出す際、及び化粧箱の中に巻き戻ったフィルム端部を摘み出す際、化粧箱付帯の切断刃でカットした端部からフィルムが裂けるトラブルを低減できる傾向にある。一方、本実施形態のラップフィルム巻回体において、ラップフィルムの厚みが30μm以下である場合、フィルム切断刃でフィルムをカットするのに必要な力を低減でき、カット性が良好であり、カット時に千切れが発生しにくく、フィルムが裂けるトラブルを低減できる傾向にある。
また、フィルム切れのトラブル抑制、カット性、及び密着性のバランスの観点から、ラップフィルムの厚みが特定範囲に調整される。特に、厚みが6~30μmのラップフィルムを用いる場合、引裂強度の著しい低下はないものの、決して十分ではなく、フィルムの裂けトラブルが起こりやすい傾向にあるため、本発明の効果が顕著となる。ラップフィルムの厚みは、公知の方法により調整することができ、例えば、押出速度により適宜調整することができる。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後に、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から、「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である。図7に、ラップフィルム巻回体における当該グロスの測定範囲を示す。図7に示すラップフィルム巻回体において、巻回体の中央(18)から、紙管長軸方向距離(19)の4分の1までの範囲(20)(点線で囲まれた範囲)が、当該グロスの測定範囲である。成型品表面の光沢性は通常鏡面光沢度(グロス)として把握するのが適当であり、このグロスとはJIS-Z-8741に決められた方法に従って測定した値を意味する。即ち試料に既定の入射角で既定の開き角の光束を測定し基準面(屈折率1.567のガラス表面)の反射光束との比で表した値であり、通常次式で定義される。
Gs(θ)(%)=(ζs/ζos)×100
ここで Gs:グロス
θ :入射角
ζs :試料面からの鏡面反射光束
ζos:基準面からの鏡面反射光束
このグロス測定値の算術平均値が45%以上であると、紙管にフィルムを巻付けた際にもフィルム表面のシワの発生が抑制され、フィルムの平滑性が良好となる。このシワの発生の抑制により、フィルムをカットした際に千切れの起点が減少し、カット性能が向上する。このシワの発生は、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルム巻回体の積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、特に発生しやすい。そのため、この範囲におけるグロスを制御すればシワの発生を抑制でき、カット性能が向上すると考えられる。このグロス測定値の算術平均値の好ましい範囲としては、45~100%であり、より好ましくは、51~100%であり、更に好ましくは、58~100%であり、更により好ましくは、70~100%であり、特に好ましくは、83~100%である。
このグロス測定値の算術平均値を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
さらに、本実施形態のラップフィルム巻回体は、上記グロス測定値の標準偏差が10%以下であることが好ましい。すなわち、グロス測定値の算術平均値をXとし、各測定値をX(1)、X(2)、…、X(10)とし、グロス測定値の標準偏差をDとすると
2=((X-X(1))2+(X-X(2))2+…(X-X(10))2)/10
との式から算出される、Dの値が10%以下であるときをいうものである。
この標準偏差が10%以下の場合には、フィルム表面の平滑性が向上して、シワが少ないために、フィルムのカット性能が向上する傾向にある。この標準偏差の好ましい範囲としては、0~10%であり、より好ましくは、0~9%であり、更に好ましくは、0~8%であり、更により好ましくは、0~7%であり、特に好ましくは、0~6%である。
このグロス測定値の標準偏差を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
なお、本実施形態において、グロスは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、上述したとおり特定範囲におけるグロスを制御することにより、シワの発生が抑制されている。図3に、ラップフィルム巻回体に発生したシワの一例の写真を示す。図3に示すとおり、シワはラップフィルム巻回体の短軸方向に対してなす角度が0~45°の明暗の縞模様として目視が可能である。ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、巻回体の短軸方向に対してなす角度が0~45°の明暗の縞模様が形成されている場合、該縞模様の明部分の個数/巻回体長軸方向距離が1個/2mm以下であることが好ましい。明暗の縞模様の確認は目視で行うことができる。ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、巻回体の短軸方向に対してなす角度が0~45°の明暗の縞模様が形成されている場合、該縞模様の明部分の個数/巻回体長軸方向距離が1個/2mm以下である場合には、フィルム表面の平滑性が向上して、シワが少ないために、フィルムのカット性能が一層向上する傾向にある。
この縞模様の明部分の個数/巻回体長軸方向距離を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下であることが好ましい。
また、本実施形態のラップフィルム巻回体は、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が100MPa以上であることが好ましい。
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が100MPa以上の場合には、フィルムが変形しにくく、紙管の寸法が変化した際に、巻回体表面は平滑性を保持してシワの発生が妨げられるため、カット性能は低下しない傾向にある。一方、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下の場合には、フィルムが柔軟であり、鋸刃に沿ってフィルムをカットした際に、鋸刃に沿ってフィルムをカットしやすく、千切れが発生しにくくなる傾向にある。同様の観点から、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率のより好ましい範囲としては、200~600MPaであり、更に好ましくは、300~600MPaであり、更により好ましくは、400~600MPaであり、特に好ましくは、500~600MPaである。
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
なお、本実施形態において、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
例えば、ラップフィルムをスパイラル紙管へ巻付ける際に、ラップフィルムがスパイラル紙管の寸法変化とともに変形し易い場合、すなわち、ラップフィルムの引張弾性率が低い場合には、ラップフィルム巻回体が変形しやすく、巻回体表面の平滑性も保持しにくい。その結果、スパイラル紙管の寸法変化とともに、ラップフィルムにシワが発生し、シワを起点として、フィルムを引き出し、カットする際に途中切れが発生しやすくなる。
しかしながら、本実施形態のラップフィルム巻回体は、上述したとおり特定範囲のグロスを制御することにより、ラップフィルムの引張弾性率が低い場合であっても、フィルムのシワ発生を抑制し、フィルムを引き出し、カットする際に途中切れを抑制することができる。
また、ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が上述の範囲において、例えば、紙管の含水率を8%以下まで乾燥させてフィルムを巻きつけると紙管の寸法変化に伴ってフィルム表面のシワが伸ばされることになるため、カット性能を低下させるフィルムのシワ発生を一層抑制することができる。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、ラップフィルムと触覚接触子との動摩擦係数(以下「触覚接触子との動摩擦係数」とも記す)が0.20以上である領域を含むことが好ましい。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上であることよって、巻回体表面が平滑な状態となり、シワが少ないために、フィルムのカット性能が一層向上する傾向にある。ここで、動摩擦係数は、巻回体表面の凹凸に関係すると考えられる。動摩擦係数は、触覚接触子を使用して測定する。触覚接触子とは、幾何学的指紋パターンを模し、指先相当の硬度を有する接触子であって、ラップフィルム巻回体を取り扱うヒト指腹部構造の触感に相応する摩擦感が得られるので、本実施形態において、動摩擦係数を測定することで、巻回体表面の凹凸を検出するのに好適である。
本実施形態のラップフィルム巻回体は、上記の触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上である領域を有することにより、巻回体表面が平滑な状態となり、シワが少ないために、フィルムのカット性能が一層向上する傾向にある。触覚接触子との動摩擦係数は0.30以上がより好ましく、0.40以上がさらに好ましく、0.50以上がよりさらに好ましく、0.60以上がさらにより好ましく、0.70以上が特に好ましく、0.80以上が極めて好ましい。触覚接触子との動摩擦係数の上限は特に限定されないが、例えば、1.00以下である。
触覚接触子との動摩擦係数を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラップフィルムに添加する可塑剤を調整する方法、紙管の含水率を調整する方法、フィルムを紙管に巻き返す際の張力を制御する方法等が挙げられる。
触覚接触子を使用して測定する動摩擦係数の測定方法は、以下のとおりである。すなわち、ラップフィルム巻回体を摩擦測定機のテーブル表面に固定し、紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、触覚接触子を荷重100g重で、測定表面を10mm/秒で70mm移動させて、領域Xにおけるラップフィルムと触覚接触子との摩擦力を測定し、動摩擦係数を算出する。測定は23±2℃、50±10%RHの雰囲気中で行い、サンプルを変えて計5回測定を行い、5回測定した内、最も高い値と最も低い値とを除いた3回の結果の算術平均を算出し、有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入する。
具体的には、後述の実施例に記載の方法により触覚接触子との動摩擦係数を測定することができる。
本実施形態において、ラップフィルムとしては、例えば、幅(TD)方向又はこれに直交する流れ(MD)方向の少なくとも一方向に延伸された延伸フィルムを用いることが好ましい。かかる延伸フィルムは、一般的には、融点から結晶化温度以下に冷却した後、再度昇温し融点以下の温度で延伸するプロセスで高分子鎖を配向させることにより作製される。その延伸プロセスとして、例えば、サーキュラーダイを用いるダブルバブル延伸法、Tダイを用いたロール式延伸法、ロールとテンターを組み合わせて縦横両方向に延伸操作を行う逐次二軸延伸法或いは同時二軸延伸法等が例示されるが、これらに特に限定されず、当業界で公知の各種手法を適宜採用することができる。延伸フィルムは、極めて時間経過とともに収縮しやすいという特性を有し、ラップフィルム巻付け時によりシワが生じ易いため、本実施形態において、ラップフィルムとして延伸フィルムを用いた場合に、上述したようにシワの発生の抑制効果が殊に顕著となる。ラップフィルム(延伸フィルム)は、流れ(MD)方向(フィルム面内において押出方向に対して平行な方向)又は幅(TD)方向(フィルム面内において押出方向に対して直交する方向)の少なくとも一方の延伸倍率が、1.5倍以上であることが好ましい。少なくとも一方の延伸倍率を1.5倍以上にすることにより、使用上十分なフィルム強度が得られ易く、また、フィルムの引裂強度が低くなる傾向にあるので、使用時のカット性が高められる。巻取方法としては幾種類かあり、特に限定されないが、例えば、巻取工程前にスリットを行いチューブ状の単層フィルムを切り開き巻き取る方法、また巻取った2枚重ねの原反単層フィルムを次の工程のスリット機で切り開きさらに所定のサイズの製品にスリットする方法等が挙げられる。
本実施形態において、紙管の含水率は、フィルムが巻付けられるまでは8質量%以下とすることが好ましく、6質量%以下とすることがより好ましく、5~6質量%であることがさらに好ましい。紙管の含水率を前記範囲とすることにより、ラップフィルム巻回体の特定範囲のグロスを上述した範囲に制御することができる。
紙管の含水率を上述の範囲に制御する手法は、特に限定されないが、例えば、紙管を保管するケースに乾燥材を入ること、低湿度環境下で保管することが挙げられる。
この際の前記紙管の扁平圧縮強度は、含水率6質量%と調整した際に、100N以上であることが好ましい。
以下、本実施形態に用いるラップフィルムの一例として塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムについて詳細に説明する。
<塩化ビニリデン系樹脂>
本実施形態に用いるラップフィルムは、塩化ビニリデン系樹脂を含有する塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムであることが好ましい。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂は、塩化ビニリデンを含むものであれば特に限定されず、塩化ビニリデン以外に、例えば塩化ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル等、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体が一種又は二種以上共重合されていてもよい。
塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは80.000~200,000であり、より好ましくは90,000~180,000であり、さらに好ましくは100,000~170,000である。塩化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることにより、ラップフィルムの機械強度がより向上する傾向にある。重量平均分子量が上記範囲内である塩化ビニリデン系樹脂は、例えば、塩化ビニリデンモノマーと塩化ビニルモノマーとの仕込み比率や、重合開始剤の量、又は重合温度を制御することにより得ることができる。なお、本実施形態において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエ-ションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
塩化ビニリデン系樹脂が共重合樹脂である場合、塩化ビニリデン由来の構成単位の比率は、特に限定されないが、塩化ビニリデン由来の構成単位を72~93質量%含むものが好ましく、81~90質量%含むものがより好ましい。塩化ビニリデン由来の構成単位が72質量%以上である場合、塩化ビニリデン系樹脂のガラス転移温度が低くフィルムが軟らかくなるため、冬場等の低温環境下での使用時にもフィルムの裂けを低減できる傾向にある。一方、塩化ビニリデン由来の構成単位が93質量%以下である場合、結晶性の大幅な上昇を抑制し、フィルム延伸時の成形加工性の悪化を抑制できる傾向にある。
特に、塩化ビニリデン由来の構成単位を72質量%以上含む塩化ビニリデン系樹脂からなるラップフィルムは、夏場等の高温下で保管・流通する際、熱を受けて微結晶が形成・成長し、物理的な劣化が起こりやすく、結果としてフィルム使用時の裂けトラブルが発生しやすい傾向にあるため、本発明の効果がより顕著となる。
塩化ビニリデン由来の構成単位及び塩化ビニル由来の構成単位の含有量は、特に限定されないが、例えば、高分解のプロトン核磁気共鳴測定装置を用いて測定することができる。より具体的には、ラップフィルムの再沈濾過物を、下記の手順に従って得る。
試料 0.5gをTHF(テトラヒドロフラン)10mlに溶解し、メタノール約30mlを加えて樹脂分を析出した後、濾過して析出物を分離、乾燥する。
こうして得た再沈濾過物を、真空乾燥し、5質量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気23±2℃、50±10%RHにてH-NMR測定する(積算回数:512回)。得られたスペクトル中のテトラメチルシランを基準とした特有の化学シフトを用いて塩化ビニリデン由来の構成単位及び塩化ビニル由来の構成単位を計算する。
以下、塩化ビニリデン由来の構成単位(-CH2-CCl2-)をA、塩化ビニル由来の構成単位(-CH2-CHCl-)をBと表記し、スペクトル上に得られたシグナル1、2、及び3を以下の通り帰属する。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)をBのCHシグナル(塩化ビニル由来の構成単位のメチン(CH)基)に帰属する。
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)をAAの片方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属する。
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)をAB及びBA両方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属する。
これらのシグナルのスペクトル面積値(NMRスペクトルにおけるシグナルの面積)から、構成単位のモル分率を求めた。なお、各モル分率を以下の通り表記する。
・Aのモル分率(mol%):P(A)
・Bのモル分率(mol%):P(B)
上記の通り帰属したシグナル1、2、及び3の面積値(NMRスペクトルにおけるピークの面積)から、上記スペクトル上のシグナルの積分値を以下の通りに割り当てる。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)の積分値をBの1H1個分
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)の積分値をAの1H2個分
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)の積分値をAの1H4個分
下記の式が成り立つのを用いて、各モル分率を計算する。
・P(A) + P(B) = 100
P(A)及びP(B)を次式により求める。
・P(B):P(A) =シグナル1の積分値:(シグナル2の積分値+シグナル3の積分値/2)/2
・P(A)=100-P(B)
塩化ビニリデン由来の構成単位(-CH2-CCl2-)であるAの分子量を97.0とし、塩化ビニル由来の構成単位(-CH2-CHCl-)であるBの分子量を62.5として、下記の式が成り立つのを用いて、各質量分率を計算する。なお、各質量分率を以下の通り表記する。
・Aの質量分率(質量%):Q(A)
・Bの質量分率(質量%):Q(B)
・Q(A) =
(P(A) × 97.0) /
(P(A) × 97.0 + P(B) × 62.5 ) × 100
・Q(B) = 100 - Q(A)
塩化ビニリデン系樹脂の含有量は、ラップフィルムの総量に対して、好ましくは77~94質量%であり、より好ましくは85~94質量%である。塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、添加剤等による可塑化効果によってフィルムが伸びやすくなるのを抑制でき、フィルムのカット性が一層高くなる傾向にある。
ラップフィルム中の各成分の含有量を測定する方法は分析対象物によって異なる。例えば、塩化ビニリデン系樹脂の含有量は、ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、質量測定して得ることができる。一方、エポキシ化植物油の含有量は、例えば、NMRを使用する方法を用いることができる。また、クエン酸エステル及び二塩基酸エステルの含有量は、アセトン等の有機溶媒を用いてラップフィルムから添加剤を抽出し、ガスクロマトグラフィー分析して得ることができる。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、前記塩化ビニリデン系樹脂に加えて、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。前記添加剤としては、特に制限されず、例えば、エポキシ化植物油等の公知の安定剤、及びクエン酸エステルや二塩基酸エステルやアセチル化脂肪酸グリセライド等の公知の可塑剤等が挙げられる。
<エポキシ化植物油>
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、ラップフィルムの色調変化の抑制の観点から、エポキシ化植物油を含有することが好ましい。エポキシ化植物油は、塩化ビニリデン系樹脂押出加工用安定剤としても作用する。
エポキシ化植物油としては、特に限定されないが、一般的に、食用油脂をエポキシ化して製造されるものが挙げられる。具体的には、例えば、エポキシ化大豆油(ESO)、エポキシ化アマニ油が挙げられるが、これらの中でも、高温下にラップフィルムを保管した際、化粧箱からのフィルムの引出性悪化を抑制できる傾向にあるため、ESOが好ましい。
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムがエポキシ化植物油を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、ラップフィルムの色調変化の抑制、ブリードによるべたつき防止等の観点から、塩化ビニリデン系樹脂に対し、0.5~3質量%が好ましく、1~3質量%がより好ましい。
エポキシ化植物油含有量のNMRを使用した測定方法は下記の手順に従う。
サンプルを50mg秤量し、重溶媒(溶媒:重水素化THF、内部標準:テレフタル酸ジメチル、容量:0.7ml)に溶かし、400MHzプロトンNMR(積算回数:512回)測定する。8.05~8.11ppmの積分値に対する2.23~2.33ppmの積分値の比を積分比とし、絶対検量線法で定量値を計算する。
積分比=積分値(2.23~2.33ppm)/積分値(8.05~8.11ppm)
本実施形態に用いるラップフィルムは、成形加工性等の観点から、クエン酸エステル、二塩基酸エステル、及び、アセチル化脂肪酸グリセライドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。特に、ラップフィルムにアセチル化脂肪酸グリセライドを含有させることにより、ラップフィルム巻回体の特定範囲のグロスを上述した範囲に制御することができる。
<クエン酸エステル>
本実施形態において、ラップフィルムに含まれるクエン酸エステルは、特に限定されないが、例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル(以下「ATBC」とも記す)、アセチルクエン酸トリ-n-(2-エチルヘキシル)などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる観点から、ATBCが好ましい。
<二塩基酸エステル>
本実施形態において、ラップフィルムに含まれる二塩基酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジn-ヘキシル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル系;アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシル、アゼライン酸オクチル等のアゼライン酸エステル系;セバシン酸ジブチル(以下「DBS」とも記す)、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等のセバシン酸エステル系などが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニリデン系樹脂に対する可塑化効果が高く、少量でも十分に樹脂を可塑化し、成形加工性を向上させる観点から、DBSが好ましい。
<アセチル化脂肪酸グリセライド>
本実施形態において、ラップフィルムに含まれるアセチル化脂肪酸グリセライドとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリンジアセチルモノラウレートなどが挙げられる。
アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量は、特に限定されないが、塩化ビニリデン系樹脂に対し、0.5~2.8質量%が好ましく、0.5~2.5質量%がより好ましく、0.5~2.1質量%がさらに好ましく、0.5~1.5質量%がよりさらに好ましく、0.5~0.8質量%が特に好ましい。アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量が0.5質量%以上であれば、フィルムが柔軟であり、鋸刃に沿ってフィルムをカットした際に、鋸刃に沿ってフィルムをカットしやすく、千切れが発生しにくくなる傾向にある。アセチル化脂肪酸グリセライドの含有量が2.8質量%以下であれば、フィルムが変形しにくく、紙管の寸法が変化した際に、巻回体表面は平滑性を保持してシワの発生が妨げられるため、カット性能は低下しない傾向にある。
なお、上記理由は推定であり、これに限定されるものではない。
<その他の配合物>
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、前記エポキシ化植物油、クエン酸エステル、二塩基酸エステル及びアセチル化脂肪酸グリセライド以外の配合物(以下、「その他の配合物」という。)、例えば可塑剤、安定剤、耐候性向上剤、染料又は顔料等の着色剤、防曇剤、抗菌剤、滑剤、核剤、ポリエステル等のオリゴマー、MBS(メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体)等のポリマー等を含有してもよい。
前記可塑剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセリンエステル、ワックス、流動パラフィン、及びリン酸エステル等が挙げられる。
前記安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、2,5-t-ブチルハイドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、4,4’-チオビス-(6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4’-チオビス-(6-t-ブチルフェノール)等の酸化防止剤;ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2-エチル-ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤が挙げられる。
前記耐候性向上剤としては、特に限定されないが、具体的には例えば、エチレン-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾリトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)5-クロロベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、及び2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
前記染料又は顔料等の着色剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、及びベンガラ等が挙げられる。
前記防曇剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記抗菌剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、銀系無機抗菌剤等が挙げられる。
前記滑剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、エチレンビスステロアミド、ブチルステアレート、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸炭化水素系滑剤、高級脂肪酸滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、及び脂肪酸エステル滑剤等が挙げられる。
前記核剤としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、リン酸エステル金属塩等が挙げられる。
前記その他の配合物の含有量は、ラップフィルムに対して5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
〔塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法〕
本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニリデン系樹脂等を含む樹脂組成物を溶融押し出しした後、MD方向及びTD方向に延伸する方法を用いることができる。このとき、例えば、MD方向の延伸倍率を4~9倍、TD方向の延伸倍率を2~6倍とすることができる。
以下、本実施形態に用いる塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムの好ましい製造方法について説明する。
まず、塩化ビニリデン系樹脂と、必要に応じて、エポキシ化植物油、クエン酸エステル、二塩基酸エステル及びアセチル化脂肪酸グリセライドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、必要に応じて種々の添加剤とを、リボンブレンダー又はヘンシェルミキサー等で均一に混合させ、24時間熟成させて塩化ビニリデン系樹脂組成物を製造する。その後、図1にラップフィルムの製造工程の一例の概略図を示すように、該樹脂組成物を押出機(1)により溶融させ、ダイ(2)から管状に押出し、ソック(4)を形成する。ソック(4)の外側を冷水槽(6)にて冷水に接触させ、ソック(4)の内部にはソック液(5)を注入することにより、内外から冷却して固化させる。固化されたソック(4)は、第1ピンチロール(7)にて折り畳まれ、パリソン(8)が成形される。
続いて、パリソン(8)の内側にエアを注入することにより、再度パリソン(8)は開口されて管状となる。このとき、ソック(4)内面に表面塗布したソック液(5)はパリソン(8)の開口剤としての効果を発現する。パリソン(8)は、温水により延伸に適した温度まで再加熱される。パリソン(8)の外側に付着した温水は、第2ピンチロール(9)にて搾り取られる。適温まで加熱された管状のパリソン(8)にエアを注入してバブル(10)を成形し、延伸フィルムが得られる。その後延伸フィルムは、第3ピンチロール(11)で折り畳まれ、ダブルプライフィルム(12)となる。ダブルプライフィルム(12)は、巻き取りロール(13)にて巻き取られる。さらに、このフィルムはスリットされて、1枚のフィルムになるように剥がしながら巻き取られ、一時的に1~3日間原反の状態で保管される。最終的には原反から紙管に巻き返され、化粧箱に詰められることで、化粧箱に収納された塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム巻回体が得られる。
上記記載の第1ピンチロール(7)から第3ピンチロール(11)までの工程が延伸工程であり、第1ピンチロール(7)と第3ピンチロール(11)の回転速度比でMD方向の延伸倍率が決まり、パリソン(8)の延伸温度やバブル(10)の大きさでTD方向の延伸倍率を調整できる。
これに対して、カット時に発生する千切れの原因となるシワが少ない塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムは、特に制限されないが、延伸温度10~28℃条件下において、MD方向の延伸倍率を2~6倍、TD方向の延伸倍率を2~6倍とし、フィルムを巻き付ける迄は、紙管の含水率を8質量%以下にすることにより、好適に製造できる。
ここで、MD方向とは、フィルムの流れ方向であり、ラップフィルムとしたときに、巻回体からラップフィルムを引き出す方向をいい、TD方向とは、前記MD方向と垂直な方向であり、ラップフィルムとしたときに、巻回体からラップフィルムを引き出す方向に垂直な方向をいう。
また、MD方向の延伸倍率は、パリソン(8)をMD方向に伸ばした延伸比をいい、例えば、図1においては、第1ピンチロール(7)の回転速度に対する第3ピンチロール(11)の回転速度の比によって算出できる。TD方向の延伸倍率は、パリソン(8)をTD方向に伸ばした延伸比をいい、例えば、図1においては、パリソン(8)の幅の長さに対するダブルプライフィルム(12)の幅の長さの比によって算出できる。
スリット原反は、保管後、特に制限されないが、例えば紙管等に巻き返され、図2に示すような巻回体(16)として、フィルム切断刃(15)を備える化粧箱(14)に収納される。図2に例示するように、ラップフィルム(17)は、使用時に引き出されて使用される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。実施例及び比較例における各物性の測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(測定方法)
実施例及び比較例において、各物性及び各特性を以下のとおり測定した。
1.塩化ビニリデン由来の構成単位、及び、塩化ビニル由来の構成単位の含有量
塩化ビニリデン由来の構成単位及び塩化ビニル由来の構成単位の含有量は、高分解のプロトン核磁気共鳴測定装置を用いて測定した(積算回数:512回)。ラップフィルムの再沈濾過物を真空乾燥し、5質量%を重水素化テトラヒドロフランに溶解させた溶液を、測定雰囲気23±2℃、50±10%RHにてH-NMR測定した。
ここで、塩化ビニリデン由来の構成単位(-CH2-CCl2-)をA、塩化ビニル由来の構成単位(-CH2-CHCl-)をBと表記し、スペクトル上に得られたシグナル1、2、及び3を以下の通り帰属した。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)をBのCHシグナル(塩化ビニル由来の構成単位のメチン(CH)基)に帰属した。
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)をAAの片方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属した。
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)をAB及びBA両方のAのCH2シグナル(塩化ビニリデン由来の構成単位のメチレン(CH2)基)に帰属した。
これらのシグナルのスペクトル面積値(NMRスペクトルにおけるシグナルの面積)から、構成単位のモル分率を求めた。なお、各モル分率を以下の通り表記した。
・Aのモル分率(モル%):P(A)
・Bのモル分率(モル%):P(B)
上記の通り帰属したシグナル1、2、及び3の面積値(NMRスペクトルにおけるピークの面積)から、上記スペクトル上のシグナルの積分値を以下の通りに割り当てた。
・シグナル1(約5.2~4.5ppm)の積分値をBの1H1個分
・シグナル2(約4.2~3.8ppm)の積分値をAの1H2個分
・シグナル3(約3.5~2.8ppm)の積分値をAの1H4個分
下記の式が成り立つのを用いて、各モル分率を計算した。
・P(A) + P(B) = 100
P(A)及びP(B)を次式により求めた。
・P(B):P(A) =シグナル1の積分値:(シグナル2の積分値+シグナル3の積分値/2)/2
・P(A)=100-P(B)
塩化ビニリデン由来の構成単位(-CH2-CCl2-)であるAの分子量を97.0とし、塩化ビニル由来の構成単位(-CH2-CHCl-)であるBの分子量を62.5として、下記の式が成り立つのを用いて、各質量分率を計算した。なお、各質量分率を以下の通り表記した。
・Aの質量分率(質量%):Q(A)
・Bの質量分率(質量%):Q(B)
・Q(A) =
(P(A) × 97.0) /
(P(A) × 97.0 + P(B) × 62.5 ) × 100
・Q(B) = 100 - Q(A)
2.フィルムの厚み
精密ダイアルゲージ(株式会社テクロック製、TM-1201)を利用し、23±2℃、50±10%RHの雰囲気中で、ラップフィルムの厚みの測定を行った。
3.2%引張弾性率
ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率はオートグラフAG-IS(株式会社島津製作所製)を使用し、23±2℃、50±10%RHの雰囲気中にて測定した。
長さ150mm、幅10mmに切り出し、試験片とした。切り出す際には、試験片に傷が入らないようにするため、短冊状に切り出し、刃を1試験片毎に交換した。
5mm/分の引張速度、チャック間距離100mm、フィルム幅10mmの条件でクロスヘッド間の引張伸び歪が2%時点での荷重を測定した。
2%の歪で荷重を割り返す。即ち荷重を50倍にしてから、試験片の断面積で割り返し、TD方向の2%引張弾性率を測定した。測定の際には、試験機の軸に試験片のTD方向が一致するように、つかみ具に取り付けた。
試験材料に損傷を与えにくい材料(朱肉など)で長さ方向両端から25mmの部位に印をつけて、チャック位置とした。試験片は、ねじれがなく、表面、辺縁部には傷、穴がないことを、直線定規を用いた目視及びマイクロスコープを用いて確認した。
これらの条件を満たさない試験片は廃棄した。試験片は、滑りを防ぐために、かつ、試験中につかみ部分がずれないように、つかみ具で均等にしっかりと締めた。
また、つかみ具間の圧力によって、試験片の割れ、及び、圧延が起きてはならない。5回測定した内、最も高い値と最も低い値を除いた3回の結果の算術平均を算出し、有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
4.フィルム切断時端面ちぎれ評価
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を、商標名:サランラップ(登録商標)[旭化成ホームプロダクツ株式会社製]の収納箱へ入れ、フィルムを30cmずつ引き出して切断した時に、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置(表中、位置Aと記す)において、フィルムの切断端面に亀裂が発生した回数(合計測定回数20回)を評価した。
5.グロス(光沢度)
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体について、23±2℃50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、JIS-Z-8741の方法(入射角45度、受光角45度の鏡面光沢度)に従い、グロスメーター(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用いて1mm間隔でグロス(45°照射角度)を測定し、10回の測定値を算術平均した。有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
図7に、ラップフィルム巻回体における当該グロスの測定範囲を示す。図7に示すラップフィルム巻回体において、巻回体の中央(18)から、紙管長軸方向距離(19)の4分の1までの範囲(20)(点線で囲まれた範囲)を、当該グロスの測定範囲とした。
測定はラップフィルム巻回体の状態で行い、図8に一例として示す専用のラップフィルム巻回体固定治具を用いて行った。但し、ラップフィルム巻回体固定治具としては、図8の形態に限定されるものではなく、ラップフィルム巻回体を固定する事が出来れば、任意の固定治具を使用することができる。図9に、当該グロスを測定する際に、前記固定治具にラップフィルム巻回体を固定した状態の写真を示す。
さらに、上記10回の測定値の標準偏差を下式に基づいて算出した。すなわち、グロス測定値の算術平均値をXとし、各測定値をX(1)、X(2)、…、X(10)とし、グロス測定値の標準偏差をDとすると
2=((X-X(1))2+(X-X(2))2+…(X-X(10))2)/10
として算出した。
6.含水率
紙管中の含水率は、以下のとおり測定した。赤外線式電子水分計(株式会社シービーシー製、MB-30)を用いて、ISO11093-3に則して、紙管中の含水率を測定した。
7.動摩擦係数
株式会社トリニティーラボ製静動摩擦測定機TL201Ttにてラップフィルムと触覚接触子との摩擦力の測定を以下のとおり行った。触覚接触子は購入後1年以内で汚れや摩耗の無いものを用いた。また、測定前には触覚接触子を水を用いて洗浄し、やわらかい布を用いて拭いてから測定を行った。実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を摩擦測定機のテーブル表面に固定し、紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、巻回体曲面の最も高い位置と触覚接触子の中心を合わせて、触覚接触子を荷重100g重で、測定表面を10mm/秒で70mm移動させて、領域Xにおけるラップフィルムと触覚接触子との摩擦力を測定し、開始10mm後から、試験終了の10mm手前までの範囲から、動摩擦係数を算出した。図11に、ラップフィルム巻回体の中央18を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線22の一例を示す。測定距離が70mm取れない場合は、測定できた長さにおける動摩擦係数を算出した。当該測定は23±2℃、50±10%RHの雰囲気中で行った。サンプルを変えて計5回測定を行い、5回測定した内、最も高い値と最も低い値とを除いた3回の結果の算術平均を算出し、有効数字を2桁として、3桁目を四捨五入した。
8.ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みLの測定方法
実施例1~8及び、比較例1~8で得られたラップフィルム巻回体を23±2℃50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みLを、定規を用いて測定した。図10に、当該厚みLを測定する際の測定位置の例を示す。測定は位置を変えて、計5回測定を行い、5回測定した内、最も高い値と最も低い値とを除いた3回の結果の算術平均を算出した。
[実施例1]
重量平均分子量120,000の塩化ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン由来の構成単位が85質量%、塩化ビニル由来の構成単位が15質量%)、ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、田岡化学工業(株))、DALG(グリセリンジアセチルモノラウレート、理研ビタミン(株))、ESO(ニューサイザー510R、日本油脂(株))を、それぞれ順に92.6質量%、4.4質量%、0.5質量%、2.5質量%の割合で混ぜたもの合計10kgをヘンシェルミキサーにて5分間混合させ、24時間以上熟成して塩化ビニリデン系樹脂組成物を得た。
上記の塩化ビニリデン系樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融し、押出機の先端に取り付けられた環状ダイでのスリット出口での溶融樹脂温度が170℃になるように押出機の加熱条件を調節しながら、環状に14kg/時間の押出速度で押出した。ホットディスタンスは80mmとした。
これを過冷却した後、インフレーション延伸によって、延伸温度:25℃で、MD方向:4.7倍に延伸し、TD方向:5.5倍に延伸して筒状フィルムとし、折幅270mmの2枚重ねのフィルムを巻取速度18m/分にて巻き取った。このフィルムを、200mmの幅にスリットし、1枚のフィルムに剥がしながら外径97mmの紙管に巻き直した。その後、30時間の間15℃で保管し、外径36mm、長さ305mm、含水率6質量%の紙管に20m巻き取ることで、ラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を4.1質量%とし、DALGの添加量を0.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.7質量%とし、DALGの添加量を1.2質量%と、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.4質量%とし、DALGの添加量を1.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を3.1質量%とし、DALGの添加量を1.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.8質量%とし、DALGの添加量を2.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.4質量%とし、DALGの添加量を2.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
塩化ビニリデン系樹脂92.6質量%、ATBCの添加量を2.1質量%とし、DALGの添加量を2.8質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
塩化ビニリデン系樹脂94.4質量%、ATBCの添加量を3.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
塩化ビニリデン系樹脂94.6質量%、ATBCの添加量を2.9質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例3]
塩化ビニリデン系樹脂94.8質量%、ATBCの添加量を2.7質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例4]
塩化ビニリデン系樹脂95.0質量%、ATBCの添加量を2.5質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例5]
塩化ビニリデン系樹脂95.2質量%、ATBCの添加量を2.3質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
塩化ビニリデン系樹脂95.4質量%、ATBCの添加量を2.1質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例7]
塩化ビニリデン系樹脂95.6質量%、ATBCの添加量を1.9質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
[比較例8]
塩化ビニリデン系樹脂87.5質量%、ATBCの添加量を10.0質量%とし、ESOの添加量を2.5質量%とし、DALGを添加せず、紙管の含水率を11質量%とした以外は実施例1と同様の方法にてラップフィルムの巻回体を得た。得られたラップフィルムの巻回体の各種評価を上記方法のとおり行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2023012774000001
Figure 2023012774000002
実施例1~8のラップフィルム巻回体は、いずれもグロス測定の10回の算術平均値が45%以上と高く、且つ標準偏差が10%以下でバラつきが小さく、十分な光沢度を有していた。また、実施例1~8のラップフィルム巻回体において、フィルム表面は十分な平滑度を有しており、ラップフィルムのシワが発生しにくく、フィルム切断時の端面ちぎれの発生も抑制されたものであることが確認された。
一方、比較例1~8のラップフィルム巻回体は、可塑剤の可塑化効果により、紙管含水率が11質量%の条件でリワインドを行うと途中切れの起点となるシワが発生し、グロス測定値は低くなり、シワの発生が多く、端面の千切れが発生した。
以上説明したとおり、本発明のラップフィルム巻回体は、巻芯用紙管に食品包装用ラップフィルムを巻付ける際に発生する、シワを防ぎ、フィルムの切断不良の削減効果があり、産業上の利用可能性がある。
1…押出機、2…ダイ、3…ダイ口、4…ソック、5…ソック液、6…冷水槽、7…第1ピンチロール、8…パリソン、9…第2ピンチロール、10…バブル、11…第3ピンチロール、12…ダブルプライフィルム、13…巻き取りロール、14…化粧箱、15…フィルム切断刃、16…巻回体、17…ラップフィルム、18…巻回体の中央、19…紙管長軸方向距離、20…巻回体の中央から、「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲、21…ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みLの測定位置、22…ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)。

Claims (6)

  1. ラップフィルムが巻芯用紙管に巻回されたラップフィルム巻回体であって、該ラップフィルム巻回体を23±2℃、50±10%RHで24時間保管した後、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、巻回体の中央から「紙管長軸方向距離/4」mmの範囲内において、グロス(45°照射角度)を1mm間隔で10点測定した際に、グロス測定値の算術平均値が45%以上である、ラップフィルム巻回体。
  2. 前記グロス測定値の標準偏差が10%以下である、請求項1に記載のラップフィルム巻回体。
  3. 前記紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みをLとし、このラップフィルムを巻きほどいていき、ラップフィルム巻回体の紙管の外表面から、ラップフィルムの積層した巻回体の外表面迄の厚みがL/2になる位置における、ラップフィルム巻回体表面の領域X(上述したラップフィルム巻回体の中央を基準として、「長軸方向に±35」mmの直線)において、ラップフィルムと触覚接触子との動摩擦係数が0.20以上である領域を含む、請求項1又は2に記載のラップフィルム巻回体。
  4. ラップフィルムがアセチル化脂肪酸グリセライドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
  5. ラップフィルムのTD方向の2%引張弾性率が600MPa以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
  6. ラップフィルムの厚みが30μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のラップフィルム巻回体。
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