JP2023008161A - 自動運転安定化装置、自動運転安定化方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】切削加工プロセスのびびり振動の発生を、工場等の外乱が発生しうる環境中であっても、高精度にびびり振動検知して抑制する。【解決手段】切削工具5を主軸7に装着し、前記主軸7と共に前記切削工具5を回転させて、被削材6の切削加工を行う加工装置4に対して切削加工を制御する指令を出力する自動運転安定化装置17において、前記被削材の寸法を算出する被削材寸法算出部21と、前記被削材の寸法に基づいて、前記切削加工における前記被削材の相対移動速度を示す送り速度を算出する加工条件算出部22と、前記切削加工における前記加工装置4の送り軸モータ10の電流である送り軸モータ電流のばらつきに基づき判定された前記加工装置4でのびびり振動の発生に応じて、前記送り速度および前記主軸7の回転数のうち少なくとも一方を変更する変更指令を、前記加工装置4に出力する加工装置指令部25を備える自動運転安定化装置17である。【選択図】図1
Description
本発明は、切削加工プロセスにおけるびびり振動に基づき、加工装置を制御するための技術に関する。
加工装置を用いて切削工具と被削材とを相対運動させ、被削材に加工を施す切削加工プロセスにおいては、びびり振動の発生や切削工具が破損することがある。びびり振動が発生すると加工品質の低下や、切削工具の刃先欠損などを引き起こす場合がある。また、切削工具の刃先欠損はびびり振動以外に、被削材に内在する異物などの噛み込み等によっても発生し、刃先が欠損したまま加工を継続すると切削工具が大きく損傷する場合がある。刃先交換式の切削工具では交換可能なインサートチップと呼ばれる刃先だけでなく、インサートチップを取り付けるボディにまで損傷が及ぶ場合がある。
特許文献1に記載のびびり振動制御装置では、振動を検出する振動検出手段と、振動検出手段が検出した振動に基づいて切削工具の振動を解析する振動解析手段と、振動解析手段における解析結果に基づいて、切削工具の送り速度を制御する工具制御手段とを有し、切削工具のびびり振動の大きさが閾値を超える大きさのびびり振動を検出すると工具制御手段が、切削工具の回転数や送り速度を変更してびびり振動を抑制する。振動検出手段として、加速度センサやマイクロフォン等を例示することができると記載されている。
また、特許文献2に記載の工具異常の検出装置では、加工装置のモータの負荷の単位時間当たりの変動幅を算出して、閾値との比較に基づいて切削工具の異常を検知する。
しかしながら、工場等の切削加工現場では、複数の異なる加工装置が近い場所に設置されていたり、クレーンによる被削材の積み下ろし等による環境要因の振動や音が突発的に発生し、びびり振動事象を検知するうえでの外乱が多数存在する。このような外乱が発生しうる環境下で従来の振動検出手段によるびびり振動検知装置を稼働させると、加速度センサやマイクロフォンの設置位置を調整しても外乱による誤報を発生する可能性が高くなる。
また、びびり振動が発生した際は、切削工具の回転数や送り速度の減速、切削加工の一時停止等、切削加工の設定値を変更することでびびり振動の対策をする。このため、びびり振動を確実に検知できたとしても誤報が多発する場合には、切削加工プロセスの生産性を下げてしまうとの課題が生じる。
また、鍛造や圧延などで成型した板状材料の側面を切削加工して所望の寸法(幅)に調整する切削加工プロセスがある。板状の被削材の幅や厚さが一定でなく寸法が変動し、また、板状の被削材には曲がりも発生している。このため、主軸サーボモータ電流には切削抵抗が反映されるが、このような不定形な寸法の板状の被削材の切削加工では正常状態の電流値の変動が大きく、正常状態と異常状態を高精度に判別することが難しい。ゆえに、寸法が変動する被削材の切削加工では、加工装置のサーボモータ電流などの測定データを用いて切削工具の異常を検知する場合に、正常状態と異常状態とを高精度に判別することが課題となる。
更に、寸法が変動する被削材に対して、高能率な切削加工プロセスを実現するには、被削材の寸法に合わせて適正な送り速度を設定するのが有効である。しかし、頻繁に被削材の寸法が変わる場合には、作業者が手動で送り速度を調整して対応する場合が多く、自動化の妨げとなっている。ゆえに切削加工プロセスの自動運転において高能率化を図ることも課題である。
そこで、本発明の目的は、不定形な寸法の被削材の切削加工において、切削加工現場などの従来のびびり振動検知方法に対して外乱が多数存在する環境下で、高精度にびびり振動を検知して抑制することである。また、より望ましくは、更に高精度に工具異常を検出して工具の破損拡大を抑制できる自動運転の安定化を図ることである。加えて、不定形な被削材の寸法を自動で取得して被削材の寸法に合わせ、適正な送り速度を自動で設定が可能な自動運転の安定化を図ることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明では、駆動部から得られる送り軸モータ電流のばらつきに基づいて、びびり振動の発生を検知する。より詳細には、切削工具を主軸に装着し、前記主軸と共に前記切削工具を回転させて、被削材の切削加工を行う加工装置に対して切削加工を制御する指令を出力する自動運転安定化装置において、前記被削材の寸法を算出する被削材寸法算出部と、前記被削材の寸法に基づいて、前記切削加工における前記被削材の相対移動速度を示す送り速度を算出する加工条件算出部と、前記切削加工における前記加工装置の送り軸モータの電流である送り軸モータ電流のばらつきに基づき判定された前記加工装置でのびびり振動の発生に応じて、前記送り速度および前記主軸の回転数のうち少なくとも一方を変更する変更指令を、前記加工装置に出力する加工装置指令部を備える自動運転安定化装置である。
なお、本発明には、自動運転安定化装置を用いた自動運転安定化方法や、自動運転安定化装置をコンピュータとして機能させるプログラムおよびこのプログラムを格納した記憶媒体も含まれる。
本発明によれば、より高精度にびびり振動を検知し、これを抑止できる加工制御が可能となる。
以下、本発明の一実施例について、説明する。本実施例では、様々な形状の被削材、つまり、不定形な寸法の被削材の切削加工を行う加工装置4を対象とする。なお、本実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一の符号を付するようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更しえることは当業者であれば容易に理解される。
以下、本実施例の詳細に説明する。本実施例では、不定形な寸法の被削材の切削加工を行う加工装置4において、被削材の寸法を自動で取得して送り速度を設定し、送り軸モータ電流のばらつき増加を閾値判定してびびり振動を検出する。そして、その後、送り速度を自動制御により変化させてびびり振動を抑制し、また、送り軸モータ電流のばらつきが再度閾値超過する場合には、工具異常と判定して工具の破損を検知する。
図1は、本実施例における自動運転安定化システム1の構成を示す図である。図1は加工装置4に自動運転安定化システム1が取り付けられた例である。また、自動運転安定化システム1での切削プロセスは板状の被削材6の側面を切削加工する例である。加工装置4は、NCプログラム(Numerical Control)で制御が可能なNCフライス盤やマシニングセンタなどである。
加工装置4では、切削工具5を主軸7に固定し主軸モータ8で主軸7を回転させ、被削材6をテーブル9に固定して、切削工具5と被削材6を相対的に移動し接触させることで被削材6を所望の形状に加工する。このとき、NCプログラムが記憶されたNC装置12からの指令により、サーボアンプ11aが主軸モータ8に入力する電流値を制御する。これにより指令通りの回転数にて主軸モータ8を回転させる。また、同様にNC装置12からの指令により、サーボアンプ11bが送り軸モータ10に入力する電流値を制御する。これにより指令通りの送り速度となるように送り軸モータ10を回転させる。切削工具5は、複数の刃を有する刃先交換式のエンドミルなどである。
自動運転安定化システム本体である自動運転安定化装置17は、汎用の計算機上に構成することができる。そのハードウェア構成は、以下の構成要素で構成される。
・CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される演算部2
・ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどを用いたSSD(Solid State Drive)などにより構成される記憶部3
・キーボードやマウス等の入力デバイスより構成される入力部13
・LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどの表示装置、各種出力装置などにより構成される表示部14
・NIC(Network Interface Card)、入出力インターフェース機器などにより構成される通信部15。
・CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される演算部2
・ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどを用いたSSD(Solid State Drive)などにより構成される記憶部3
・キーボードやマウス等の入力デバイスより構成される入力部13
・LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどの表示装置、各種出力装置などにより構成される表示部14
・NIC(Network Interface Card)、入出力インターフェース機器などにより構成される通信部15。
通信部15は、有線ネットワーク若しくは無線ネットワーク、または個別の専用ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等と接続する。そして、通信部15はこれらと介して、加工装置4のサーボアンプ11bと送り軸モータ10の間より電流値を測定する測定部16と、NC装置12および被削材情報取得部18と接続されている。
測定部16は、電流センサやAD変換器などから構成される。被削材情報取得部18はカメラや変位計などから構成される。自動運転安定化システム1は、自動運転安定化装置17と測定部16および被削材情報取得部18から構成される。
演算部2は、記憶部3に記憶されている各プログラムをRAMへロードしてCPUで実行することにより各機能部を実現する。プログラムには、被削材寸法算出プログラム31、加工条件算出プログラム32、測定信号処理プログラム33、異常検知プログラム34、加工装置指令プログラム35が存在する。演算部2は、各プログラムに該当する被削材寸法算出部21、加工条件算出部22、測定信号処理部23、異常信号処理部24、加工装置指令部25を有する。ここで、これらの機能は、プログラムに従った処理で実現してもよいし、専用ハードウェアでの処理で実現してもよい。なお、本実施例では、各部と各プログラムが1対1で対応しているが、これに限定されない。また、プログラムに従った処理を行う場合、演算部2は各部に分けられなくともよいが、本実施例では、各部で処理を実行するものとして説明する。なお、これらプログラム
記憶部3は、上述の各プログラムと、制御パラメータ36、被削材情報37、被削材寸法38、測定信号39の各情報を記憶する記憶領域を有する。
記憶部3は、上述の各プログラムと、制御パラメータ36、被削材情報37、被削材寸法38、測定信号39の各情報を記憶する記憶領域を有する。
自動運転安定化システム1は、被削材6が加工装置4に投入される信号をNC装置12から受けて起動する。そして、測定部16が測定してサーボアンプ11bと送り軸モータ10の間より得られた電流値(以後、送り軸モータ電流と称する)の測定信号により加工終了を判定するまで動作する。または、切削工具の異常が検知された場合は、事前に設定された加工装置4の制御の指示を発行し終えるまで動作する。
被削材寸法算出部21は、記憶部3の被削材寸法算出プログラム31を用いて被削材情報37に記憶された被削材情報取得部18で取得した測定データから被削材の寸法を算出する。算出した被削材の寸法は、記憶部3の被削材寸法38に記憶される。
加工条件算出部22は、記憶部3の加工条件算出プログラム32を用いて被削材寸法38に記憶された被削材の寸法に応じた送り速度を算出する。算出する送り速度は、被削材の寸法に応じた正常時の送り速度と、びびり振動が検知された際の異常検知時の送り速度である。異常検知時の送り速度は、正常時の送り速度を基に算出する。算出した送り速度は、記憶部3の制御パラメータ36に記憶される。また、正常時の送り速度は、加工装置指令部25により、加工装置指令プログラム35に従って、切削加工開始前に加工装置4のNC装置12に出力される。
測定信号処理部23は、記憶部3の測定信号処理プログラム33を用いて測定信号39に記憶された送り軸モータ電流の測定信号を演算処理して、びびり振動と工具異常を判定する。
異常信号処理部24は、測定信号処理部23でびびり振動が判定された場合には、制御パラメータ36に記憶された異常検知時の送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を、加工装置指令部25により、加工装置4のNC装置12に出力する。
また、測定信号処理部23で工具異常と判定された場合には、制御パラメータ36に予め記憶された加工装置4の動作を実施する変更指令を、加工装置指令部25により加工装置4のNC装置12に出力する。このときの指令は、工具退避や工具交換などである。
次に、図1に示す自動運転安定化システム1と加工装置4にて行われる処理フローを図2のフローチャートの例に沿って、以下で説明する。
まず、ステップS01では、自動運転安定化システム1の稼働を開始する。操作者により、表示部14に表示した後述する自動運転安定化システムのGUI画面の稼働開始ボタンが押されることで、自動運転安定化システム1の稼働が開始して、被削材投入開始信号の待機状態となる。
次に、ステップS02では、自動運転安定化システム1は、被削材6が加工装置4に投入されるトリガ信号により被削材6が投入されたことを認識する。この認識は、被削材寸法算出部21などが実行することができる。ここで、被削材6が加工装置4に投入されたことを認識するトリガ信号には、NCプログラムの情報を監視して特定の文字列の読み込みなどをトリガとしてもよい。もしくは、加工装置4に内蔵するPLC(Programmable logic controller)や後付けしたPCLから被削材6が加工装置4に投入される信号を出力してトリガとしてもよい。また、加工装置4の被削材6の移動経路にセンサを取り付けて、被削材6の移動を検知した信号などをトリガとしてもよい。
次に、ステップS03では、被削材情報取得部18により、切削加工の加工負荷(切削抵抗)に影響を及ぼす形状および寸法を取得する。例えば、板状の被削材6の側面を切削加工する場合には板材の厚さ、板状の被削材6の上面を加工する場合には幅を取得する。被削材情報取得部18にカメラや変位計などを用いる。被削材情報取得部18にカメラを用いる場合には、測定したデータは、記憶部3の被削材情報37に記憶する。被削材情報取得部18に被削材の寸法を直接取得できる変位計等を用いる場合には、記憶部3の被削材寸法38に測定した被削材の寸法を記憶する。
なお、被削材情報取得部18に被削材6の寸法を直接的に取得できる変位計などを用いるには、加工装置4において、被削材6の移動経路で切削加工に支障がない位置で被削材6に接触または近づけて変位計などのセンサを設置する必要がある。一方、被削材情報取得部18にカメラを用いる場合は、変位計などに比べて被削材6から離れた位置に設置できるため設置場所の選択肢が多い利点がある。
次に、ステップS04では、被削材寸法算出部21により、被削材情報37に記憶された被削材情報取得部18で取得した測定データから被削材寸法算出プログラム31を用いて被削材6の寸法を算出する。算出した被削材6の寸法は、記憶部3の被削材寸法38に記憶する。なお、被削材情報取得部18に変位計などを用いた場合は、このステップは省略される。
次に、ステップS05では、加工条件算出部22により、被削材情報37に記憶された被削材6の寸法データから加工条件算出プログラム32を用いて、被削材6の寸法に応じた正常時の送り速度と、びびり振動を検知した際の異常時の送り速度を算出する。算出した正常時の送り速度と異常時の送り速度は記憶部3の制御パラメータ36に記憶する。なお、異常時の送り速度は、正常時の送り速度を基に算出する。また、通常の加工は正常時の送り速度にて切削加工し、びびり振動検知時には、自動運転安定化システム1により異常時の送り速度に自動で切り替えを行う。また、正常時とは、びびり振動を検知しない場合を示し、異常時とは、びびり振動を検知した場合を示す。
次に、ステップS06では、加工装置指令部25により、制御パラメータ36に記憶された正常時の送り速度を含む指令を、加工装置指令部25により加工装置4のNC装置12に出力する。
ステップS07では、加工装置4が、ステップS07で出力された指令に含まれる送り速度指令値により、送り速度を変更する。そして、ステップS08では、加工装置4により、変更された送り速度に従って切削加工を行う。つまり、加工装置4は、切削工具5を固定した主軸7を回転させ、また、テーブル9に固定した被削材6を切削工具5と相対的に移動させて加工を開始する。
そして、ステップS09では、測定部16により、サーボアンプ11bと送り軸モータ10の間より得られた送り軸モータ電流の取得を開始する。取得した測定信号は記憶部3の測定信号39に時系列データとして逐次記憶される。電流取得開始は、NCプログラムの情報を監視して特定の文字列の読み込みや主軸7のモータ電流の増加などをトリガとする。また、電流の取得間隔(周期)は、切削工具の回転数の刃数倍の周波数から得られる周期に比べて短くする方が工具の状態が反映され易く好適である。
次に、ステップS10では、異常信号処理部24により、異常検知プログラム34を用いて測定信号39に記憶された測定信号を、予め設定した時間間隔毎にデータを抽出して、ばらつきである標準偏差を算出する。びびり振動検知後は、加工面の加工品質の低下や、切削工具5の刃先のダメージを低減するために、短時間(数秒間)で対応する必要がある。
このため、びびり振動を検知するための特徴量であるばらつきを算出する時間間隔としては、なるべく短い方がよく、1秒間以下が好ましい。また、ばらつきを安定的に算出するには、データ数としては少なくとも100データ以上が好ましく、例えば1秒間隔で100データを得るには、電流取得間隔は10ミリ秒以下に設定するのが好適である。
また、送り軸モータ電流には、被削材6と切削工具5を相対移動する送り速度が反映される。送り軸モータ電流値が低い状態で一定時間経過した場合には、被削材6と切削工具5の相対移動が行われずに切削加工が停止していると判定できる。後述するステップS12で加工状態を判定するためにステップS10では送り軸モータ電流の平均値も算出している。
また、ステップS11では、異常信号処理部24にて、ステップS10で算出したばらつきと予め設定した異常判定閾値とを比較する。異常判定閾値を超えた場合は、びびり振動が発生したと判定し、ステップS13に進む。異常判定閾値は、前もって取得した既存のびびり振動発生時のデータと、工具破損が発生したデータに基づいて予め設定する。
一方、異常判定閾値を超えない場合は、ステップS12において、異常信号処理部24により加工状態を判定する。ステップS12では、加工中と判定した場合には、ステップS10に戻って、予め設定した時間間隔毎に送り軸モータ電流データを抽出してばらつきを算出する。このばらつきには、標準偏差が好適であるが、分散など他の指標を用いてもよい。
一方、ステップS12において加工終了と判定した場合には、送り軸モータ電流の取得を停止した後、ステップS02に戻り、次の被削材6が投入されるまで待機する。なお、ステップS12では、ステップS10で算出した送り軸モータ電流の平均値が予め決めたより低い状態が連続する場合に加工終了と判定する。例えば、加工状態判定閾値を5[A]とたした場合、送り軸モータ電流の平均値が5秒間連続して加工状態判定閾値以下となった場合などで加工終了を判定する。
また、ステップS13では、異常信号処理部24にて、ステップS11で異常判定閾値を超えた場合に、閾値超過回数nをカウントする。閾値超過回数nの初期値は0(ゼロ)であり、閾値を1回超えた場合は閾値超過回数n=1となり、その後、閾値を超える毎に閾値超過回数nは増加する。なお、ステップS12にて加工終了を判定した場合と、ステップS17で工具異常を判定した場合には、閾値超過回数nは0(ゼロ)にリセットする。
また、ステップS14では、異常信号処理部24にて、閾値超過回数n=1の場合は、異常時の送り速度信号を出力するステップS15に進む。これにより、びびり振動が発生している場合には、送り速度および主軸7の回転数のうち少なくとも一方を制御することで、びびり振動を抑制することが可能となる。一方、閾値超過回数nが1でない場合はステップS17に進む。
ステップS15では、加工装置指令部25が、記憶部3の制御パラメータ36に記憶された異常時の送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を含む変更指令を、加工装置4のNC装置12に出力する。
ステップS16では、加工装置4がNC装置12に入力された異常時の送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を含む変更指令に従って、送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を変更する。その後、ステップS10に戻る。
ステップS17では、異常信号処理部24にて、予め決定した工具異常を判定する閾値超過回数mとステップS13でカウントした閾値超過回数nを比較する。工具異常を判定する閾値超過回数mより閾値超過回数nが小さい場合は、工具異常なしと判定してステップS10に戻る。一方、閾値超過回数nが工具異常を判定する閾値超過回数m以上の場合は、工具異常と判定してステップS18に進む。なお、切削工具5の工具破損が発生した場合には、送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を制御しても送り軸モータ電流のばらつきが低減されずに閾値超過を繰り返す。このため閾値超過回数nの増加を、工具異常を判定する閾値超過回数mと比較して判定することで工具破損を検知することが可能となる。
なお、工具異常の判定は、必ずしも工具異常を判定する閾値超過回数m以上と限定するわけではなく、閾値超過回数mを超えた場合など、設定した閾値超過回数mを基準に判定してもよい。
ただし、工具異常を判定する閾値超過回数mが小さすぎる場合、びびり振動が抑制される前に工具異常と誤判定される恐れがある。ステップS11で送り軸モータ電流のばらつきが異常判定閾値を超過してびびり振動発生と判定した後、ステップS16で加工装置4が送り速度および主軸7の回転数の少なくとも一方を変更してびびり振動が抑制されるまでに、数秒間のタイムラグがある。このためこのタイムラグを考慮して工具異常を判定する閾値超過回数mを設定する必要がある。
また、ステップS18では、加工装置指令部25が、記憶部3の制御パラメータ36に予め記憶された加工装置4の動作を実施する変更指令を、加工装置4のNC装置12に出力する。このときの指令は、前述したように工具退避や工具交換等である。
ステップS19では、加工装置4が、NC装置12に入力された指令に基づき、工具異常検知時の動作をする。工具異常検知時の動作が工具退避の場合には、加工装置4は被削材6の送りを停止した後、切削工具5を被削材6から離し、加工装置4に備えられた被削材を固定する治具などに接触しない安全な位置まで移動させる。
また、加工装置4に切削工具5の自動工具交換装置が備えられている場合には、切削加工に用いている切削工具5と同じものを別に準備しておき、工具異常と判定後に以下の処理を行うことができる。加工装置4は被削材6の送りを停止した後、切削工具5を被削材から離して、自動工具交換装置の別の切削工具と自動交換して、工具異常と判定された切削工具5の続きを加工することが可能である。
この場合は、自動運転安定化装置17では、切削加工の再稼働に合わせてステップS09の送り軸サーボモータ電流の取得から再開する。また、閾値超過回数nは0(ゼロ)にリセットする。これにより、加工装置4の切削加工プロセスの自動運転と自動運転安定化システム1の稼働が継続される。ただし、既に加工された領域を正確に把握して、交換した切削工具の被削材6への衝突防止など十分に注意する必要がある。
次に、ステップS09~ステップS16で行われるびびり振動検知とびびり振動の抑制処理の詳細を、測定データと演算データの例を用いて説明する。図3は、びびり振動が発生した後、自動でびびり振動を抑制した際の送り軸モータ電流の時系列チャート図の例である。これは、図2に示すステップS09で記憶部3の測定信号39に時系列データとして記憶されたものである。厚さ約100mm、長さ約3500mm、の板状の被削材の側面を複数の切れ刃を有する刃先交換式のフライス工具で切削加工した例である。横軸は加工時間[秒]を示し、縦軸は送り軸モータ電流値(A)である。
図3に示す送り軸モータ電流の信号波形では、加工時間が約5秒から電流値が増大している。これは被削材6を搭載したテーブル9を正常時の送り速度で移動させるのに、サーボアンプ11bから送り軸モータ10を回転させる制御が働いたためである。また、加工時間約5秒のスパイク状の波形40は、モータ回転始動時のオーバシュートである。スパイク状の波形40の後は、送り軸モータ電流波形の上下の幅(以後、振幅と称する)が徐々に拡大し、加工時間が約15秒以後はほぼ一定となる。
本例の切削工具5はフライス工具のため断、その加工は続切削加工となり、切削抵抗は周期的に変化する。被削材6が進行する送り方向の送り分力も同様の傾向となる。このため、送り軸モータ電流は送り速度を一定に保つために、送り分力に応じて周期的に変化する。スパイク状の波形40の後、信号波形の振幅が徐々に増加しているのは、切削工具5が被削材6に徐々に侵入して切削工具5の径切込み量が増加し、それに伴い切削抵抗が増加しているためである。加工時間が約15秒以後は、信号波形の振幅がほぼ一定なのは、切削工具5の径切込み量が一定となって切削抵抗もほぼ一定となったからである。
図3に示す送り軸モータ電流の信号波形では、加工時間が約135秒に振幅が大きい波形41が見られる。これは、びびり振動が発生したことで切削抵抗の変動が大きくなり、送り分力の変動増加に応じて送り軸モータ電流が変化したことを示す。また、振幅が大きい波形41は10秒以内に変動が小さくなり、その後、送り軸モータ電流が0[A]近傍に減少するまで、振幅に大きな増加は見られない。これは、びびり振動が10秒以内に抑制されて、その後、切削加工プロセスの終了までびびり振動が発生していない、もしくは、抑制されていることを示す。
次に、図4は、本実施例において、びびり振動が発生した後、自動でびびり振動を抑制した際の送り軸モータ電流の標準偏差の時系列チャート図の例である。これは図3に示す送り軸モータ電流を1秒間隔で抽出して標準偏差を算出したものである。図4に示す異常判定閾値43は、前もって取得した既存のびびり振動発生時のデータと、また、工具破損が発生したデータに基づいて予め設定したものである。図4に示す送り軸モータ電流の標準偏差の時系列チャート図では、図3に示す送り軸モータ電流の振幅が大きい波形41に対応する加工時間約135秒の標準偏差の波形42が突出して大きく、異常判定閾値43を超過した。これによりびびり振動の発生を検知することが可能である。なお、上述のように、標準偏差はばらつきの一種であり、ばらつきを示す他の指標を用いることも可能である。
また、送り軸モータ電流の振幅の大きさは、送り軸モータ電流の変動であり、ばらつきである。このばらつきを特徴量として閾値と比較することで、びびり振動と工具異常を検知する。このばらつき算出方法に、最大値と最小値の差を用いるとノイズなどにより最大値および最小値が1点だけでも大きく外れた場合に、最大値と最小値の差が大きくなるためびびり振動の発生を誤って検知する恐れがある。これに対して、標準偏差は、より多数のデータを用いて算出することでノイズなどの大きく離れたデータの影響を極力抑えることが可能となる。よって、びびり振動を高精度に検知するための送り軸モータ電流のばらつき算出方法としては、多数のデータにより算出した標準偏差が好ましく、また、データ数としては100以上が好適である。
図5は、本実施例におけるびびり振動が発生した後、自動でびびり振動を抑制した際の送り速度の時系列チャート図の例である。この送り速度は、加工装置4のNC装置12から別途取得したデータである。図4で示す送り軸モータ電流の標準偏差が加工時間約135秒で閾値を超過してびびり振動を検知したことにより、正常時の送り速度45から、異常時の送り速度46に自動で制御した結果である。
また、正常時の送り速度45と異常時の送り速度46は、自動運転安定化システム1により被削材情報取得部18で取得した被削材情報を基に算出したものである。ここでは、びびり振動検知時の送り速度は正常時の送り速度の90%に設定した。びびり振動の抑制は切削抵抗を下げることが有効であり、送り速度を下げると切削工具の1刃当たりの送り量が小さくなるため切削抵抗が減少する。これにより、びびり振動が抑制される。一方、送り速度を下げると加工能率が低下する。このため、加工能率とびびり振動抑制の両立を考慮して、びびり振動検知時の送り速度は正常時の80~95%が好ましい。
図6は、本実施例におけるびびり振動発生前後の送り軸モータ電流の標準偏差の時系列チャート図である。これは、図4に示す範囲44の加工時間120~150秒の送り軸モータ電流の標準偏差データを抜き出したものである。マーカ(〇)は1秒間ごとに算出した標準偏差を示す。マーカ47が異常判定閾値43を超えたため、びびり振動発生と判定して閾値超過回数nが1となり、異常時の送り速度に加工装置4の送り速度を変更した。
ここで、先述したようにびびり振動を検知した後、送り速度を変更して、その後、びびり振動が抑制されるまでにはタイムラグがある。マーカ47の後、3つのマーカが異常判定閾値43を超えている。しかし、図2に示すステップS17において、工具異常を判定する閾値超過回数mを、ここでは10に設定したため工具異常と判定せず、その後、びびり振動が抑制されたため、標準偏差は減少している。びびり振動検知からびびり振動抑制までの時間48は約5秒であった。このデータを取得した被削材6の加工面には、びびり振動起因のツールマークは見られず、また、切削工具5においても刃先の欠け等は見られなかった。
次に、図2に示すステップS12で行われる加工状態判定の処理を、演算データの例を用いて説明する。図7は、本実施例における送り軸モータ電流の平均値の時系列チャート図の例である。これは、図3に示す送り軸モータ電流を1秒間隔で抽出して平均値を算出したものである。また、加工状態判定閾値49は、前もって取得した既存の加工中と加工停止時のデータを比較して、それぞれの状態を判別できるように決定したものである。送り軸モータ電流の平均値が加工状態判定閾値49を1回超えた後で、加工状態判定閾値49より小さくなった状態が連続した場合に加工停止と判定した。ここでは加工状態判定閾値49より小さくなった状態が連続10回(10秒間)を超えた場合に加工終了と判定した。波形50は加工終了と判定した波形である。
次に、図2に示すステップS09~ステップS14とステップS17~ステップS19で行われる工具異常判定と工具異常検知後の処理を、測定データと演算データの例を用いて説明する。
図8は、本実施例における工具異常を検出して、加工を停止した際の送り軸モータ電流の時系列チャート図の例である。厚さ約120mm、長さ約3000mm、の板状の被削材6の側面を複数の切れ刃を有する刃先交換式のフライス工具で切削加工した例である。これは加工中に工具異常と判定し、加工時間45秒で送りを停止して切削工具5を被削材6から離して安全な位置まで工具を退避させた際の送り軸モータ電流の測定波形である。
図9は、本実施例における工具異常を検出して、加工を停止した際の送り軸モータ電流の標準偏差の時系列チャート図の例であり、また、図10は、本実施例における工具異常を検出して、加工を停止した際の送り速度の時系列チャート図の例である。また、図9は、図8で示す送り軸モー電流を1秒間ごとに抽出して標準偏差を算出したものである。図中のマーカ(〇)が1秒間ごとに算出した標準偏差を示す。マーカ51で異常判定閾値43を超えた。閾値超過回数が1回目のため、図10に示すように正常時の送り速度53から異常時の送り速度54に自動で変更した。なお、被削材6の厚さが異なるため、図5と図10に示す正常時と異常時の送り速度は異なる。
ここで、図9に示す送り軸モータ電流の標準偏差は、異常時の送り速度に変更した後も異常判定閾値43を超過し続けた。マーカ52で、10回以上に設定した工具異常を判定する閾値超過回数mに閾値超過回数nが到達したため工具異常発生と判定した。その後、送り速度を0(m/min)にして、切削工具5を安全な位置に退避した。加工装置4の送り速度を0(m/min)にするまでにタイムラグがあるため、マーカ52の後に閾値を超過したマーカが2つ見られるが、その後は送り速度が減少している。退避した切削工具5を確認したところ、切削工具5の刃先に最大約0.35mmの欠け(チッピング)が見られた。ただし、切削工具5のボディには破損が見られず、刃先のみの交換で再び切削加工に用いることが可能であった。
次に、図2に示すステップS04で行われる被削材寸法算出の処理を、取得データ用いて説明する。ここで、図11は、本実施例において、被削材情報取得部18により取得した被削材6のデータの例である。図11は、カメラからなる被削材情報取得部18により、板状の被削材6の側面に対して、斜め上方から取得した画像データである。
ここでは、加工対象部位である側面56の寸法をこの画像から算出する方法の例を説明する。まず板状の被削材6の辺となるエッジが判別しやすいように、グレースケール化や白黒反転などの処理をする。次に、エッジ検出方法により各エッジを抽出した後、側面の上辺となる直線59と側面の下辺となる直線58を選定する。そして、直線59と直線58の2直線の距離61を算出する。なお、画像データにて得られた距離の単位は画像データのピクセル(pixel)である。このため、予め寸法測定して厚さが既知の板材からなる被削材6の情報を被削材情報取得部18により同じ画角で取得して、画像データにおけるピクセルのmm換算値を算出して設定する。これにより、新たに取得した被削材6の画像データから加工対象部位の側面の寸法(mm)の算出が可能となる。
なお、画像データの上から2番目の直線59が板状の被削材6の側面上部の辺であり、最下部の直線58が側面下部の辺である。重ねた板状の被削材であっても、同じ選定規則で総厚を算出するための側面上部と下部の辺となる直線の選定が可能である。また、画像データに被削材6を固定する治具などの情報が入っている場合には、被削材6以外は空間となるように、画像を切り出してから処理するのが好ましい。更に、その場合には、画像データを取得するタイミングなどを調整して、被削材6以外が空間となる位置が画像データに対してなるべく同じ位置とした方が、切り出し位置が同じとなるため好適である。
次に、図2に示すステップS05で行われる被削材寸法による送り速度の算出処理を、算出規則の例を用いて説明する。図12は、本実施例における被削材寸法による送り速度の算出処理のための算出規則を示す例である。本図では、横軸は板厚を示し、縦軸は送り速度である。基準とする板厚を1.0に正規化し、それに対応する送り速度も同様に1.0に正規化している。また、横軸の板厚は、板状の被削材6を重ねている場合には総厚となる。
ここで、板厚0.5~2.0までは、板厚1.0を基準にして加工負荷(切削抵抗)が均等になるように、板厚の比率で送り速度を変化させている。ただし、板厚が0.5以下では、板厚の比率で送り速度を設定した場合、送り速度が大きくなり過ぎて、1刃当たりの送り量の増加により切削工具5の刃先の負担が大きくなって破損する恐れがあるため、板厚0.5以下は一定とした。
例えば、板厚100mmを基準(1.0)とした場合、板厚120mmの被削材6の送り速度は、板厚の比により板厚100mmの約83%に設定し、板厚75mmの被削材の送り速度は、板厚の比より板厚100mmの約133%に設定する。これにより、被削材6の厚さが大きい場合には、送り速度を下げて、切削工具にかかる負荷を下げて工具破損などの抑制が図られ、一方、被削材6の厚さが小さい場合には送り速度を上げて、加工能率を向上することができる。
なお、板厚に対して送り速度を比率で設定するのではなく、板厚の範囲を区分けして、区分けした板厚の範囲毎に送り速度を段階的に設定するなどの算出規則としても構わない。また、ここで示したのは正常時の送り速度であり、異常時の送り速度は、先述したように、正常時の送り速度を基に、例えば正常時の送り速度の80~95%に設定する。
次に、自動運転安定化システム1の表示部14に表示する操作画面(GUI画面)について、説明する。図13は、本実施例における自動運転安定化システム1における表示部14のGUI(Graphical User Interface)画面を示す図である。表示部14の画面上において、自動運転安定化システム1の操作と設定した加工条件および動作状態を表すGUI画面の概要である。GUI画面801は、自動運転安定化システム1の稼働を開始するための稼働開始ボタン802、稼働を終了するための稼働中断ボタン803、被削材寸法表示部804、正常時送り速度表示部805、異常時送り速度表示部806、工具異常検知ライト807、びびり振動検知ライト808を備える。
被削材寸法表示部804には、被削材情報取得部18で取得した情報を用いて算出した被削材6の寸法が表示される。また、正常時送り速度表示部805には、被削材6の寸法に応じて算出した正常時の送り速度、異常時送り速度表示部806には、異常時の送り速度が表示される。
ここで、図2に示すステップS11において、異常判定閾値の超過によりびびり振動を検知した場合には、びびり振動検知ライト808が点灯し、びびり振動が抑制された場合には再び消灯する。また、図2に示すステップS17において、工具異常を判定した場合には、工具異常検知ライト807が点灯する。これにより、切削加工プロセスの監視者に対して、工具異常の発生有無を視覚的に伝えることが可能である。
本実施例によれば、不定形な寸法の板状の被削材の切削加工において、取得した送り軸モータ電流により、びびり振動を検知して自動でびびり振動を抑制できる。これにより、従来の加速度センサやマイクロフォンを用いたびびり振動検知装置に比べて、環境要因の外乱の影響なく、精度良くびびり振動を検出できる。更に、工具異常を検知して工具破損の拡大を抑制できるため、切削加工の自動運転の安定化が可能となり、また、加工不良に関わる対策費用の低減や、工具費低減などの効果が得られる。
加えて、自動で被削材の寸法を取得して、寸法に応じた送り速度に設定して切削加工できるため、一定の送り速度で加工する場合に比べて、加工能率の向上や、切削工具にかかる切削抵抗の適正化により工具の破損抑制に貢献できる。また、被削材の寸法に合わせて作業者が送り速度を調整している場合には、作業者の省人化を図ることができる。
加えて、自動で被削材の寸法を取得して、寸法に応じた送り速度に設定して切削加工できるため、一定の送り速度で加工する場合に比べて、加工能率の向上や、切削工具にかかる切削抵抗の適正化により工具の破損抑制に貢献できる。また、被削材の寸法に合わせて作業者が送り速度を調整している場合には、作業者の省人化を図ることができる。
なお、測定信号に送り軸モータ電流を用いた例を説明したが、電力値も同様の処理を行えばよい。パラメータの単位が電流値(A)から電力値(W)に変わり、それ以外は同様である。
また、びびり振動検知後に、送り速度を制御する例を説明したが、切削工具5の回転数(主軸7の回転数)を制御することでもびびり振動の抑制が可能である。その場合、正常時の回転数に対して、びびり振動を検知した際の異常時の回転数は、正常時の回転数の約80~95%に変化させることで、びびり振動の抑制が可能となる。また、びびり振動検知後に送り速度と回転数を同時に制御して、びびり振動を抑制することも可能である。
また、送り速度と主軸7の回転数の制御後に、送り軸モータ電流のばらつきが異常判定閾値を繰り返し超過することにて工具異常を判定することも可能である。
以上で、本実施例の説明を終了するが、本実施例によれば、不定形な寸法の被削材の切削加工を行う加工装置において、送り軸モータ電流のばらつき増加を閾値判定してびびり振動を検出し、加工条件を自動で制御して変化させ、びびり振動を抑制することができる。また、送り軸モータ電流のばらつき増加を再度閾値判定して、閾値を超える回数が、予め決めた回数以上となった場合には、工具異常と判定して工具の破損を検知することができる。これにより、びびり振動と工具の破損拡大を抑制でき、自動運転の安定化を図ることが可能となる。更に、不定形な寸法の被削材の寸法を自動で取得して、被削材の寸法に適した送り速度を自動で設定ができるため、切削加工の高能率化を図ることが可能となる。
1…自動運転安定化システム、2…演算部、3…記憶部、4…加工装置、5…切削工具、6…被削材、7…主軸、8…主軸モータ、9…テーブル、10…送り軸モータ、11a…サーボアンプ、11b…サーボアンプ、12…NC装置、13…入力部、14…表示部、15…通信部、16…測定部、17…自動運転安定化装置、18…被削材情報取得部、21…被削材寸法算出部、22…加工条件算出部、23…測定信号処理部、24…異常信号処理部、25…加工装置指令部、31…被削材寸法算出プログラム、32…加工条件算出プログラム、33…測定信号処理プログラム、34…異常検知プログラム、35…加工装置指令プログラム、36…制御パラメータ、37…被削材情報、38…被削材寸法、39…測定信号、40…スパイク状の波形、41…振幅が大きい波形、42…標準偏差の波形、43…異常判定閾値、45…正常時の送り速度、46…異常時の送り速度、49…加工状態判定閾値、53…正常時の送り速度、54…異常時の送り速度、56…被削材の側面、61…直線間の距離、801…GUI画面、802…稼働開始ボタン、803…稼働中断ボタン、804…被削材寸法表示部、805…正常時送り速度表示部、806…異常時送り速度表示部、807…工具異常検知ライト、808…びびり振動検知ライト
Claims (15)
- 切削工具を主軸に装着し、前記主軸と共に前記切削工具を回転させて、被削材の切削加工を行う加工装置に対して切削加工を制御する指令を出力する自動運転安定化装置において、
前記被削材の寸法を算出する被削材寸法算出部と、
前記被削材の寸法に基づいて、前記切削加工における前記被削材の相対移動速度を示す送り速度を算出する加工条件算出部と、
前記切削加工における前記加工装置の送り軸モータの電流である送り軸モータ電流のばらつきに基づき判定された前記加工装置でのびびり振動の発生に応じて、前記送り速度および前記主軸の回転数のうち少なくとも一方を変更する変更指令を、前記加工装置に出力する加工装置指令部を備える自動運転安定化装置。 - 請求項1に記載の自動運転安定化装置において、
さらに、前記送り軸モータ電流を所定の時間間隔ごとに抽出して、前記送り軸モータ電流のばらつきを算出する測定信号処理部を備える自動運転安定化装置。 - 請求項2に記載の自動運転安定化装置において、
前記測定信号処理部は、前記送り軸モータ電流のばらつきと予め定められた異常判定閾値を比較し、当該比較の結果に応じてびびり振動を判定する自動運転安定化装置。 - 請求項3に記載の自動運転安定化装置において、
さらに、前記変更指令の出力後に、前記送り軸モータ電流のばらつきと前記異常判定閾値の比較結果に応じて、前記加工装置の工具異常を検知する異常信号処理部を有し、
前記加工装置指令部は、前記工具異常に応じた変更指令を出力する自動運転安定化装置。 - 請求項4に記載の自動運転安定化装置において、
前記加工装置指令部は、前記被削材の寸法に基づいた変更指令を出力する自動運転安定化装置。 - 切削工具を主軸に装着し、前記主軸と共に前記切削工具を回転させて、被削材の切削加工を行う加工装置に対して切削加工を制御する指令を出力する自動運転安定化装置を用いた自動運転安定化方法において、
被削材寸法算出部により、前記被削材の寸法を算出し、
加工条件算出部により、前記被削材の寸法に基づいて、前記切削加工における前記被削材の相対移動速度を示す送り速度を算出し、
加工装置指令部により、前記切削加工における前記加工装置の送り軸モータの電流である送り軸モータ電流のばらつきに基づき判定された前記加工装置でのびびり振動の発生に応じて、前記送り速度および前記主軸の回転数のうち少なくとも一方を変更する変更指令を、前記加工装置に出力する自動運転安定化方法。 - 請求項6に記載の自動運転安定化方法において、
さらに、測定信号処理部により、前記送り軸モータ電流の電流を所定の時間間隔ごとに抽出して、前記送り軸モータ電流のばらつきを算出する自動運転安定化方法。 - 請求項7に記載の自動運転安定化方法において、
前記測定信号処理部により、前記送り軸モータ電流のばらつきと予め定められた異常判定閾値を比較し、当該比較の結果に応じてびびり振動を判定する自動運転安定化方法。 - 請求項8に記載の自動運転安定化方法において、
さらに、異常信号処理部により、前記変更指令の出力後に、前記送り軸モータ電流のばらつきと前記異常判定閾値の比較結果に応じて、前記加工装置の工具異常を検知し、
前記加工装置指令部により、前記工具異常に応じた変更指令を出力する自動運転安定化方法。 - 請求項9に記載の自動運転安定化方法において、
前記加工装置指令部により、前記被削材の寸法に基づいた変更指令を出力する自動運転安定化方法。 - 切削工具を主軸に装着し、前記主軸と共に前記切削工具を回転させて被削材の切削加工を行う加工装置に対して切削加工を制御する指令を出力する自動運転安定化装置を、
前記被削材の寸法を算出する被削材寸法算出部と、
前記被削材の寸法に基づいて、前記切削加工における前記被削材の相対移動速度を示す送り速度を算出する加工条件算出部と、
前記切削加工における前記加工装置の送り軸モータの電流である送り軸モータ電流のばらつきに基づき判定された前記加工装置でのびびり振動の発生に応じて、前記送り速度および前記主軸の回転数のうち少なくとも一方を変更する変更指令を、前記加工装置に出力する加工装置指令部を備えるコンピュータとして機能させるプログラム。 - 請求項11に記載のプログラムにおいて、
さらに、前記送り軸モータ電流の電流を所定の時間間隔ごとに抽出して、前記送り軸モータ電流のばらつきを算出する測定信号処理部を機能させるプログラム。 - 請求項12に記載のプログラムにおいて、
前記測定信号処理部に、前記送り軸モータ電流のばらつきと予め定められた異常判定閾値を比較し、当該比較の結果に応じてびびり振動を判定させるプログラム。 - 請求項13に記載のプログラムにおいて、
さらに、前記変更指令の出力後に、前記送り軸モータ電流のばらつきと前記異常判定閾値の比較結果に応じて、前記加工装置の工具異常を検知する異常信号処理部を機能させ、
前記加工装置指令部に、前記工具異常に応じた変更指令を出力させるプログラム。 - 請求項14に記載のプログラムにおいて、
前記加工装置指令部に、前記被削材の寸法に基づいた変更指令を出力させるプログラム。
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|---|---|---|---|---|
| WO2025234201A1 (ja) * | 2024-05-09 | 2025-11-13 | 村田機械株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法及び工作機械 |
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2021
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