以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
最初に、プリフォーム供給装置から供給されたプリフォームを殺菌する殺菌部、殺菌されたプリフォームをボトルに成形する温度まで加熱する加熱部、加熱されたプリフォームをボトルに成形し、同時に内容物を充填する成形充填部及び内容物が充填されたボトルを密封する密封部を備える無菌充填機の概要を図1により説明し、さらに無菌充填機および無菌充填方法の詳細を図面により説明する。この実施の形態によれば、殺菌されたプリフォームを成形と同時に内容物を充填することが可能であり、従来に比べ少ない工程により内容物が充填された無菌製品を得ることができる。
(無菌充填機の概要)
図1に示すように、本実施形態に係る無菌充填機は、プリフォーム1を供給するプリフォーム供給装置3、プリフォームを殺菌する殺菌部6、プリフォーム1をボトル2に成形する温度に加熱する加熱部14、加熱されたプリフォーム1をボトル2に成形すると同時に殺菌された内容物を充填する成形充填部21、内容物が充填されたボトル2を殺菌されたキャップ35により密封する密封部26を備えている。さらに、密封されたボトル2が排出コンベヤ31に載置され、非無菌ゾーンに排出される排出部30を備える。
殺菌部6は殺菌部チャンバー5、加熱部14は加熱部チャンバー18、成形充填部21は成形充填部チャンバー22、密封部26及び排出部30は密封部チャンバー27により各々遮蔽されている。成形充填部21及び密封部26は単一のチャンバーにより遮蔽されていても構わない。殺菌部6におけるプリフォームの殺菌手段によっては、殺菌部チャンバー5内に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物やオゾンが発生する。これらが加熱部14に流入しないように、殺菌部6は殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物やオゾンを無害化する排ガス処理装置32を通して排気ブロワ33により排気される。
無菌充填機の運転開始前に、殺菌部チャンバー5、加熱部チャンバー18、成形充填部チャンバー22及び密封部チャンバー27のうち、少なくとも成形充填部チャンバー22及び密封部チャンバー27には殺菌装置が設けられ、各チャンバー内は殺菌される。殺菌部チャンバー5内はプリフォーム1を殺菌することで殺菌されることもあり、無菌充填機を運転する前に殺菌しなくても構わない。また、加熱部チャンバー18内がプリフォーム1を加熱するために比較的高温になっていること、プリフォーム1の口部1aにはスピンドル52が挿入されているためにプリフォーム1の内部に菌等が流入しにくいことから、加熱部チャンバー18内は無菌充填機運転前に殺菌されなくても構わない。
殺菌装置は、例えば一流体スプレーまたは殺菌剤を圧縮エアと混合して噴霧する二流体スプレーのような殺菌剤吹き付けノズルとこれらに殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置を備える。殺菌剤吹き付けノズルは、殺菌剤を各チャンバー内の全域に付着するように吹き付ける。吹き付けられた殺菌剤により、各チャンバー内が殺菌される。殺菌剤吹き付けノズルは各チャンバー内の全域に殺菌剤が付着するように配置される。殺菌剤が吹き付けられた後に各チャンバー内には常温又は加熱された無菌エアが吹き付けられ、各チャンバー内に残存する殺菌剤を活性化させ、さらに排除する。無菌エアの吹き付け前に無菌水を各チャンバー内に吹き付けることにより殺菌剤を除去しても構わない。また、成形充填部チャンバー22及び密封部チャンバー27内は内容物が飛散している場合もあるため、殺菌前に洗浄することが好ましい。
少なくとも、成形充填部チャンバー22及び密封部チャンバー27には無菌エア供給装置が設けられ、各チャンバー内が殺菌された後に、除菌フィルタにより無菌化された無菌エアが各チャンバー内に供給され、各チャンバーの内部が陽圧に保持される。殺菌部チャンバー5、加熱部チャンバー18にも無菌エア供給装置を設けても構わない。各チャンバー内が無菌エアにより陽圧に保持されることにより、無菌充填機の無菌性が維持される。各チャンバー内を陽圧に保持する圧力は、成形充填部チャンバー22内が最も高く、加熱部チャンバー18、密封部チャンバー27は成形充填部チャンバーよりも低く設定される。殺菌部チャンバー5は排気されるために、大気圧とほぼ同一の圧力に保持される。殺菌部チャンバー5は無菌エア供給装置を備えず、加熱部チャンバー18内の無菌エアが流入するだけでも構わない。また、殺菌部チャンバー5以外の各チャンバーにも排気装置を設け、無菌エア供給装置と併用して、各チャンバー内を適正な圧力に保持しても構わない。成形充填部21及び密封部26が単一のチャンバーにより遮蔽されている場合は、無菌エア供給装置、排気装置は単一のチャンバーにそれぞれ1個設けることでも構わない。
(無菌充填機及び無菌充填方法の詳細)
図2に示すプリフォーム1が、図1に示すプリフォーム供給装置3から、プリフォーム供給コンベヤ4により所望の速度で連続的に殺菌部6に搬送される。
本発明の実施の形態におけるプリフォーム1は試験管状の有底筒状体であり図2に示す。プリフォーム1は図12に示すボトル2と同様な口部1aがその成形当初に付与される。この口部1aにはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。また、プリフォーム1には口部1aの下部に搬送のためのサポートリング1bが形成される。プリフォーム1又はボトル2はこのサポートリング1bを介してグリッパ34により把持され、無菌充填機内を走行する。プリフォーム1は射出成形、圧縮成形等によって成形される。プリフォーム1の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなり、これらの樹脂単体又は混合物であっても構わないし、リサイクルされた熱可塑性樹脂を含んでも構わない。また、バリア性を付与するために、エチレン-ビニルアルコール共重合体、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンをモノマーとするポリアミド等の熱可塑性樹脂を層として、又は混合物として含んでも構わない。
殺菌部6に搬送されたプリフォーム1は、多数のグリッパ34が一定ピッチで設けられた殺菌ホイール7に搬送され、ここで殺菌される。プリフォーム1を殺菌する殺菌工程は、殺菌剤の接触、電子線の照射、紫外線を含む光の照射、温水の接触、過熱蒸気の接触のいずれか1又は2以上により行われる。殺菌ホイール7には殺菌工程を行うための殺菌手段8が設けられる。プリフォーム1は、殺菌される前にホットエアにより予熱されても構わない。プリフォーム1を予熱するために、殺菌ホイール7の前に予熱のためのホイールを設けても構わない。プリフォーム1を予熱することで殺菌効果が向上する。
本発明の実施の形態に係るプリフォーム1への殺菌剤の接触とは、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を図3に示すようにプリフォーム1に吹き付ける、若しくは図4に示すように倒立させたプリフォーム1に液状の殺菌剤を吹き付けることである。
ガス若しくはミスト又はこれらの混合物としてプリフォーム1に吹き付ける殺菌剤とは、少なくとも過酸化水素を含有することが好ましい。その含有量は0.5質量%~65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。さらに好適なのは0.5質量%~40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、過酸化水素が低濃度となるために殺菌後の殺菌剤の残留量を低減できる。また、殺菌剤は水を含んでいるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸等の有機酸、硝酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
プリフォーム1に吹き付ける殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、図5に示す殺菌剤ガス生成器36により得られる。殺菌剤ガス生成器36は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部37と、この殺菌剤供給部37から供給された殺菌剤を分解温度以下に加熱して気化させる気化部38とを備える。殺菌剤供給部37は、殺菌剤供給路37a及び圧縮空気供給路37bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して、殺菌剤を気化部38内に噴霧するようになっている。気化部38は、内外壁間にヒーター38aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル39から気化部38外に噴出する。ヒーター38aに換えて誘電加熱や過熱水蒸気により気化部38を加熱しても構わない。
殺菌剤供給部37の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa~0.6MPaの範囲で調整される。このとき、圧縮空気の供給量は50L/min.~300L/min.が適当である。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えられても構わないし、殺菌剤の供給量は自由に設定することができ、例えば殺菌剤は殺菌剤供給路37aに、1g/min.~100g/min.の範囲で供給される。また、気化部38の内表面は120℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
殺菌剤のガスは、図3に示すように殺菌剤ガス吹き付けノズル39からプリフォーム1に吹き付けられる。殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル39内で二手に分かれて流れ、その一方のノズル39aからプリフォーム1の内部に向かって吹き付けられ、他方のノズル39bからプリフォーム1の外面に向かって吹き付けられる。殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル39から出た後、ガス状態のままで、若しくはミストとなって又はそれらの混合物となって、プリフォーム1の内部に流入し、あるいはプリフォーム1の外面に接触する。
プリフォーム1の内部に向かって吹き付けられる殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、プリフォーム1内に流入した後、プリフォーム1の口部1aから溢れ出るが、この溢れ出た殺菌剤のガス等の流れは傘状部材40に衝突し、傘状部材40の内面に案内されて、プリフォーム1の外面へと向かって流れを変え、プリフォーム1の外面に接触する。傘状部材40に環状溝40aが設けられると、溢れ出た殺菌剤のガス等はプリフォーム1の外面に沿って流れる。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、殺菌剤ガス生成器36に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。殺菌剤ガス生成器36は複数備えても構わない。吹き付け量はプリフォーム1の大きさによっても変動する。殺菌剤ガス吹き付けノズル39から噴出する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物をホットエアにより希釈してプリフォーム1に吹き付けても構わない。
殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素水のガス等の吹き付け量は以下の通りとなる。殺菌剤のガス吹き付けノズル39からプリフォーム1に吹き付けられる過酸化水素水のガス等により、プリフォーム1に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水の量として、0.0035μL/cm2~0.35μL/cm2が好ましい。また、プリフォーム1に吹き付けられる過酸化水素水のガス等の過酸化水素濃度は、2mg/L~20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L~10mg/Lである。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられたプリフォーム1は、除菌されたエアによりリンスされることが好ましい。プリフォーム1にエアを吹き付けるノズルはプリフォーム1の口部1aに対向させて設けても、プリフォーム1の搬送速度に追従するノズルをプリフォーム1の内部に挿入させても構わない。このような無菌エアリンスには、プリフォーム1に吹き付けられた殺菌剤を活性化することと、プリフォーム1の内面に吹き付けられた殺菌剤と、内面に存在する異物やほこりを排除するという効果がある。無菌エアリンスするエアは常温でも加熱されても構わない。加熱される方が殺菌剤の活性化には効果がある。また、無菌エアリンスはプリフォーム1を正立させて行っても、倒立させて行っても構わない。異物を排除するには倒立させる方が効果がある。さらに、異物を排除するためには、倒立させたプリフォーム1の口部1aの近傍を吸引することが好ましい。吹き付けられるエアの量は0.04L/プリフォーム~400L/プリフォームが好ましい。殺菌剤が過酸化水素水の場合、無菌エアリンス後のプリフォーム1に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算して、0.0003μL/cm2~0.35μL/cm2の範囲が好適である。より好ましくは0.0004μL/cm2~0.2μL/cm2である。この過酸化水素の付着量が0.0003μL/cm2以上となることにより、十分な殺菌効果を得ることができる。また、過酸化水
素の付着量が0.35μL/cm2を超えると、ボトル2への過酸化水素の残留が多くな
る。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物をプリフォーム1に吹き付ける殺菌方法においては、吹き付け工程及びその後のエアリンス工程において殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が発生するため、殺菌部チャンバー5内を排気する必要がある。排気されるエアは、排ガス処理装置32により無害化されて、排気ブロワ33により放出される。
倒立させたプリフォーム1への液状の殺菌剤の吹き付けとは、図4に示すように行う。プリフォーム1の内面全域に液状の殺菌剤が接触するように、倒立したプリフォーム1のサポートリング1bをグリッパ34により把持し、上向きの殺菌剤吹き付けノズル41aにより、口部1aからプリフォーム1の内面に液状の殺菌剤を吹き付ける。また、プリフォーム1の外面には、その全域に液状の殺菌剤が接触するように、下向きの殺菌剤吹き付けノズル41bにより液状の殺菌剤をプリフォーム1の外面に吹き付ける。殺菌剤吹き付けノズル41aは、プリフォーム1の口部1aに対向させて設けても、プリフォーム1の内部に挿入させるためにプリフォーム1の搬送速度に追従するように設けても構わない。また、殺菌剤吹き付けノズル41bは複数本としても構わない。さらに、プリフォーム1の内外面に液状の殺菌剤が接触することができれば、ノズルにより液状の殺菌剤を吹き付けるのではなく、プリフォーム1を液状の殺菌剤に浸漬しても構わない。
液状の殺菌剤は、過酢酸を含むことが好ましく、さらに液状の殺菌剤は過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水からなる平衡過酸化物組成物が好ましい。過酢酸の濃度は500mg/L~4000mg/Lが好ましい。500mg/L未満では殺菌力が不十分であり、4,000mg/Lを超えると過酢酸の濃度が高いために、無菌充填機で使用するパッキン等の部材を劣化させる可能性がある。この他に過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、オゾン等の殺菌成分を含む殺菌剤を液状の殺菌剤として使用しても構わない。また、液状の殺菌剤は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。さらに、硝酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
液状の殺菌剤は、常温でも構わないが、40℃~80℃に加温されることが好ましい。加温されると殺菌剤の殺菌効果が向上する。殺菌剤吹き付けノズル41a及び41bの1本当たりの流量は、1L/min.~15L/min.、好ましく3L/min.~10L/min.が適当である。また、吹き付け時間は0.2秒~5秒が適当である。プリフォーム1への液状の殺菌剤の吹き付け量は殺菌剤吹き付けノズル41a及び41bの流量と吹き付け時間によって決定されるが、プリフォーム1の表面積に対して、0.05ml/cm2~20ml/cm2であることが好ましい。0.05ml/cm2未満では殺菌が不十分となり、20ml/cm2を超えると過大であり、エネルギー及び殺菌剤の浪費と
なる。
液状の殺菌剤を接触させたプリフォーム1は、付着した殺菌剤を除去するために無菌水によりリンスされる。無菌水は水を121℃以上で4分以上加熱することや除菌フィルタを通すことによって製造される。また、無菌水は充填される内容物と同等以上の殺菌条件で処理された水であっても良い。例えば、充填される内容物がミネラルウォーターの場合、充填されるミネラルウォーターでプリフォーム1をリンスしても構わない。無菌水によるプリフォーム1のリンスは、図4に示す殺菌剤の吹き付けと同様の工程及び装置により行われる。プリフォーム1の内面全域が無菌水によりリンスされるように、倒立したプリフォーム1のサポートリング1bをグリッパ34により把持し、上向きのノズルにより口部1aからプリフォーム1の内面に無菌水を吹き付ける。また、プリフォーム1の外面には、その全域が無菌水によりリンスされるように、下向きのノズルにより無菌水をプリフォーム1の外面に吹き付ける。上向きのノズルはプリフォーム1の口部1aに対向させて設けても、プリフォーム1の内部に挿入させるためにプリフォーム1の搬送速度に追従するノズルを設けても構わない。また、下向きのノズルは複数本としても構わない。
無菌水は10℃~80℃、好ましくは30℃~70℃に調温される。無菌水を吹き付けるノズルの1本当たりの流量は、1L/min.~15L/min.、好ましく3L/min.~10L/min.が適当である。また、吹き付け時間は0.1秒~15秒が適当である。プリフォーム1への無菌水の吹き付け量は、ノズルの流量と吹き付け時間によって決定されるが、プリフォーム1の表面積に対して、0.05ml/cm2~20ml/
cm2であることが好ましい。0.05ml/cm2未満ではリンスが不十分となり、20ml/cm2を超えると過大であり、エネルギーの浪費となる。
無菌水によりリンスされたプリフォーム1に付着した無菌水は、無菌エアをプリフォーム1の内外面に吹き付けることにより排除することが好ましい。プリフォーム1は加熱部14で成形温度に加熱されるが、無菌水が付着した部分に加熱ムラが発生し、成形されるボトル2に白化、偏肉等の成形不良を発生するおそれがあるためである。無菌エアはブロアーエアよりも圧縮エアが好ましく、無菌エアの圧力は0.01MPa以上、好ましくは
0.1MPa~0.6MPaである。無菌エアを吹き付けるノズル内径はφ1mm~φ10mm、好ましくは内径φ2~φ8mmである。液状の殺菌剤が過酸化水素水の場合、無菌エアリンス後のプリフォーム1に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水に換算して、0.0003μL/cm2~0.35μL/cm2の範囲が好適である。より好ましくは0.0004μL/cm2~0.2μL/cm2である。この過酸化水素の付着量が0.0003μL/cm2以上となることにより、十分な殺菌効果を
得ることができる。また、過酸化水素の付着量が0.35μL/cm2を超えると、ボト
ル2への過酸化水素の残留が多くなる。
本発明の実施の形態に係るプリフォーム1への電子線の照射とは、図6に示すように電子線照射装置42a、42b及び42cにより、搬送されるプリフォーム1の内外面に電子線を照射することである。電子線には殺菌作用があり、プリフォーム1の表面に付着している菌等は電子線の照射により殺菌される。図6はプリフォーム1の三方向から電子線を照射しているが、プリフォーム1の内外面に電子線が照射されるのであればどのような方法でも構わない。例えば、プリフォーム1を回転させれば電子線照射装置42bは不要となる。また、プリフォーム1の口部1aの上方に反射ミラーを設けて、電子線照射装置42aから照射される電子線をプリフォーム1の口部1aからプリフォーム1の内部に導入しても構わない。さらに、プリフォーム1の内部に棒状の電子線照射装置を挿入してプリフォーム1の内面に電子線を照射しても構わない。
電子線照射装置42a、42b、42cはどのような構造でも構わない。例えば、走査型やモノフィラメント型があり、出力は100kV~500kVの低出力タイプが扱い易く好ましい。
プリフォーム1に電子線を照射する前に、プリフォーム1の内外面に付着している異物を除去することが好ましい。プリフォーム1の表面に異物が付着している場合、その部分に電子線が照射されないため、殺菌不良を起こす可能性があるためである。プリフォーム1から異物を除去するためには、プリフォーム1を正立又は倒立させてエアを吹き付ける、又は水を吹き付けることにより行う。水を吹き付けた場合は、さらにこれを除去する必要があるため、エアの吹き付けが好ましい。エアの吹き付け前に、プリフォーム1にイオン化エアを吹き付ける等を行い、除電することが好ましい。さらに、プリフォーム1の口部1aの近傍に吸引ノズルを設け、異物を吸引して無菌充填機の外部に排除することが好ましい。プリフォーム1の異物除去の工程は殺菌部チャンバー5外のプリフォーム供給コンベヤ4で行い、異物を除去した後、プリフォーム1は殺菌部チャンバー5内に搬送される。
電子線は酸素をオゾンに変化させるため、電子線照射を行う雰囲気に酸素が存在するとオゾンが発生する。発生するオゾンを除去するために、殺菌部チャンバー5内は排気される必要がある。電子線照射を行う雰囲気を窒素等により置換することでオゾンの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るプリフォーム1への紫外線を含む光の照射とは、図7に示すように光照射ランプ43から発する紫外線を含む光をプリフォーム1の内外面に照射することである。光照射ランプ43に対するプリフォーム1の反対側には、照射される光を反射してプリフォーム1に向ける光反射板44を設けることが好ましい。
照射される光に含まれる紫外線は、100nm~380nmの波長を有する電磁波の1種である。照射される光はこの波長のいずれかを含むが、特にUV-Cと称せられる100nm~280nmの波長の紫外線が殺菌には効果的である。さらに、もっとも殺菌効果を有するのは253.7nmの波長の紫外線であり、これを含むことが最適である。
100nm~380nmの紫外線を発する光照射ランプ43は、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプ等である。特に、内部にキセノンガスを封入したキセノンフラッシュランプから発する光(波長:100~950nm)の殺菌効果が高いため、光照射ランプ43はキセノンフラッシュランプであることが最適である。
紫外線を含む光の照射による殺菌効果は、光の単位面積当たりの照射量と照射時間に比例する。しかし、キセノンフラッシュランプによる光は、低圧水銀ランプや高圧水銀ランプにより発する光に比べ、殺菌効果が高いことから、短時間の照射で十分に殺菌を行うことができ、光の照射によるプリフォーム1の口部の温度上昇を避けることができる。
光照射ランプ43は、プリフォーム1の内外面全域に照射されるなら個数は問わない。図7に示すように外面、内面に紫外線を含む光を照射するために多数設けることもある。しかし、プリフォーム1を回転させればプリフォーム1の側面に照射する光照射ランプ43は1列としても構わない。プリフォーム1の内面に紫外線を含む光を照射するには、プリフォーム1の口部1aに対向して光照射ランプ43を設け、口部1aの開口部を通して紫外線を含む光をプリフォーム1の内面に照射することが好ましい。また、光反射板44を口部1aに向けてドーム状に設け、光照射ランプ43から発する紫外線を含む光を効率的にプリフォーム1の内面に照射することが好ましい。プリフォーム1の内面に紫外線を含む光を照射するために、棒状の光照射ランプをプリフォーム1の内部に挿入して、プリフォーム1の内面に紫外線を含む光を照射しても構わない。なお、光照射ランプ43の形状は、丸型、棒状、U字形など、どのようなものでも構わない。
図7に示す光反射板44は、光照射ランプ43から発する紫外線を含む光を効率的にプリフォーム1に照射する目的がある。したがって、光照射ランプ43のプリフォーム1に対して反対側に設けられる。光反射板44は平面でも、曲面でもいずれの形状の複数の面の組み合わせでも構わない。光反射板44は紫外線を含む光を反射することができればどのようなものでも構わない。例えば、合成樹脂、金属、ガラスからなり、その表面を平滑にしたものであったり、さらに平滑にするために、コーティング、金属などのメッキ、金属や金属酸化物などの蒸着加工を行ったり、これらを組み合わせたものであっても構わない。
プリフォーム1に紫外線を含む光を照射する前に、プリフォーム1の内外面に付着している異物を除去することが好ましい。プリフォーム1の表面に異物が付着している場合、その部分に紫外線を含む光が照射されないため、殺菌不良を起こす可能性があるためである。プリフォーム1から異物を除去するためには、プリフォーム1を正立又は倒立させてエアを吹き付ける、又は水を吹き付けることにより行う。水を吹き付けた場合はこれを除去する必要があるため、エアの吹き付けが好ましい。エアの吹き付け前に、プリフォーム1にイオン化エアを吹き付ける等を行い、除電することが好ましい。さらに、プリフォーム1の口部1aの近傍に吸引ノズルを設け、異物を吸引して無菌充填機の外部に排除することが好ましい。プリフォーム1の異物除去の工程は、殺菌部チャンバー5外のプリフォーム供給コンベヤ4で行い、異物を除去した後、プリフォーム1は殺菌部チャンバー5内に搬送される。
紫外線を含む光は酸素をオゾンに変化させるため、紫外線を含む光の照射を行う雰囲気に酸素が存在する場合、オゾンが発生する。発生するオゾンを除去するために、殺菌部チャンバー5内は排気される必要がある。紫外線を含む光の照射を行う雰囲気を窒素等により置換することでオゾンの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るプリフォーム1への温水の接触とは、図4に示す倒立させたプリフォーム1に液状の殺菌剤を吹き付ける工程と同様に、温水をノズルによりプリフォーム1の内外面に吹き付けることにより行う。温水の熱によりプリフォーム1の表面に付着している菌等を殺菌する。プリフォーム1の内面全域が温水により殺菌されるように、倒立したプリフォーム1のサポートリング1bをグリッパ34により把持し、口部1aから上向きのノズルによりプリフォーム1の内面に温水を吹き付ける。また、プリフォーム1の外面には、その全域が温水により殺菌されるように、下向きのノズルにより温水をプリフォーム1の外面に吹き付ける。上向きのノズルはプリフォーム1の口部1aに対向させて設けても、プリフォーム1の内部に挿入させるためにプリフォーム1の搬送速度に追従するノズルを設けても構わない。また、下向きのノズルは複数本としても構わない。
温水とは70℃~100℃に加温された水又は無菌水である。温水を吹き付けるノズルの1本当たりの流量は、1L/min.~15L/min.、好ましく3L/min.~10L/min.が適当である。ノズルの内径はφ1mm~φ10mm、好ましくはφ2mm~φ8mmである。また、吹き付け時間は0.1秒~15秒が適当である。プリフォーム1への温水の吹き付け量は、ノズルの流量と吹き付け時間によって決定されるが、プリフォーム1の表面積に対して、0.05ml/cm2~20ml/cm2であることが好ましい。0.05ml/cm2未満では殺菌が不十分となり、20ml/cm2を超えると過大であり、エネルギーの浪費となる。
温水により殺菌されたプリフォーム1に付着した温水は、エアをプリフォーム1の内外面に吹き付けることにより排除されることが好ましい。プリフォーム1は加熱部14で成形温度に加熱されるが、温水が付着した部分に加熱ムラが発生し、成形される容器に白化、偏肉等の成形不良が発生するおそれがあるためである。プリフォーム1に吹き付けられるエアは、除菌フィルタを通した無菌エアであることが好ましい。
本発明の実施の形態に係るプリフォーム1への過熱蒸気の接触とは、図8に示すように、過熱蒸気発生装置45から発生する過熱蒸気を過熱蒸気吹き付けノズル46及び過熱蒸気吹き付けスリット47からプリフォーム1の内外面に過熱蒸気を吹き付けることである。過熱蒸気の熱によりプリフォーム1の表面に付着する菌等を殺菌する。
過熱蒸気とは、過熱蒸気発生装置45に供給される水から過熱蒸気発生装置45により生成される、200℃~500℃であって、大気圧よりも高い0.1MPa~0.3MPaの圧力の蒸気である。過熱蒸気発生装置45は通水パイプをヒーターや誘導コイルにより加熱し、過熱蒸気を発生させる。発生した過熱蒸気は、過熱蒸気吹き付けノズル46から噴出してプリフォーム1の内面に吹き付けられる。また、過熱蒸気発生装置45で発生した過熱蒸気を過熱蒸気吹き付けスリット47に導入し、プリフォーム1の外面に過熱蒸気を吹き付ける。
過熱蒸気発生装置45に供給される水は、過酸化水素のような殺菌作用のある化合物を添加しても構わない。例えば、1質量%~5質量%の過酸化水素を添加することで殺菌効果は向上する。
プリフォーム1を回転させることで、外面への過熱蒸気の吹き付けは効率的に行われる。また、過熱蒸気吹き付けノズル46をプリフォーム1の内部に挿入してプリフォーム1の内面に過熱蒸気を吹き付けても構わない。短時間の吹き付けにより殺菌されるので、口部1aが変形したり、プリフォーム1を形成する樹脂が過度に加熱されることはない。また、蒸気のドレインがプリフォーム1の内部に残留することもないため、ドレイン除去をすることなく加熱部14にプリフォーム1を搬送することができる。過熱蒸気吹き付け後、無菌エアを吹き付けることにより異物除去ならびにプリフォームの冷却を行っても構わない。
上記のように、プリフォーム1は殺菌部6において、殺菌ホイール7に設けられた殺菌手段8により、殺菌剤の接触、電子線の照射、紫外線を含む光の照射、温水の接触、過熱蒸気の接触のいずれか1又は2以上の方法により殺菌される。殺菌手段8は殺菌ホイール7の回りに設けられるが、殺菌ホイール7以外に1又は2以上のホイールを設け、複数のホイールに殺菌手段を設けても構わない。殺菌ホイール7以外にプリフォーム供給装置3やプリフォーム供給コンベヤ4で殺菌を行っても良い。
殺菌部チャンバー5内は無菌充填機の運転前に、過酸化水素水等の殺菌剤を殺菌部チャンバー5内に噴霧する等の手段により殺菌されることもある。そのために、殺菌部チャンバー5内の壁面には、殺菌剤吹き付けノズルが設けられる。また、殺菌部チャンバー5に接する無菌エア供給装置の除菌フィルタの殺菌部チャンバー5側の面を殺菌するために、同様の殺菌剤吹き付けノズルも設けられる。
殺菌部6で殺菌されたプリフォーム1はサポートリング1bをグリッパ34に把持されて、ホイール9を経て加熱部搬送ホイール11に搬送される。ホイール9及び加熱部搬送ホイール11におけるプリフォーム1には、図9に示すようにプリフォーム1の搬送路を囲むようにプリフォームトンネル10を設けても構わない。プリフォームトンネル10はプリフォーム1の口部1aをその上方から覆い、天井部分は傾斜面を有する屋根状に形成される。また、天井部分には、無菌エアをプリフォーム1の口部1aの方に向かって吹き出すプリフォーム無菌エア供給ノズル48が、パイプの列状又はスリット状に設けられる。これにより、無菌エアがプリフォーム1へと効率的に供給され、プリフォーム1は加熱部チャンバー18内にあって無菌性を維持しつつ走行することができる。無菌エアはブロワによるエアを除菌フィルタを通している。また、推進力の高い圧縮空気を除菌フィルタで無菌化したものであっても構わない。プリフォーム1は加熱部搬送ホイール11を経て加熱装置49に導入される。
プリフォームの加熱装置49は図10に示すように、加熱炉50及び駆動部51からなる。加熱炉50は少なくとも、プリフォーム1を加熱するためのヒーター15、ヒーター15の熱を反射して効率的にプリフォーム1を加熱するためのリフレクター16、プリフォーム1を保持して回転させるためのスピンドル52、スピンドル52が一定間隔で設けられ、スピンドル52を移動させるための無端チェーン12及び無端チェーン12を回転させるためのプーリ13a及び13bを備えている。また、ヒーター15の熱がプリフォームの加熱炉50の外部に伝導するのを防止するために、ヒーター15の外側に断熱材53を設けても構わない。
駆動部51には、モーター、動作伝達手段等が備えられる。駆動部51の装備は潤滑剤を必要として、汚れが蓄積されるため無菌性を維持することは困難である。
ヒーター15は赤外線を放射するハロゲンランプが好ましい。ハロゲンランプはヒーター15として、プリフォーム1の軸方向に対して垂直に複数本が並列に設けられる。ヒーター15のハロゲンランプから放射される近赤外線、赤外線、遠赤外線によりプリフォーム1は加熱される。複数本設けられるハロゲンランプは加熱温度が制御され、プリフォーム1の軸方向の加熱温度について、温度差が設けられても構わない。また、プリフォーム1の移動方向に対して図1のようにハロゲンランプのユニットが複数設けられる。図1では片列に6ユニットずつ計12ユニット設けられているが、ユニット数は任意に定められる。これらのハロゲンランプユニットの温度は制御され、加熱序盤は高温に、加熱終盤は低温に設定されても構わない。
加熱炉50に搬送されたプリフォーム1は、図10に示すように、ヒーター15により、赤外線加熱又はその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。この温度は90℃から130℃であると好適である。なお、プリフォーム1の口部1aの温度は、変形等を防止するため70℃以下の温度に抑えられる。
プリフォーム1の口部1aの過熱を防ぐために、図10に示すように、プリフォーム1のサポートリング1bの下部に、プリフォーム1の軸方向に対して垂直な面として形成される口部保護材54が設けられる。口部保護材54は、ヒーター15から放射される赤外線等が必要以上にプリフォーム1の口部1aに達しないようにする。また、ヒーター15の熱により発生する上昇気流による口部1aの温度上昇を防ぐために、プリフォーム1の軸方向に対して90°以下の角度を付けた面状の遮熱板55を設けても構わない。
しかし、口部1aの温度が40℃未満の場合、口部1aの殺菌効果が低下する場合がある。これを回避するために、口部1aの温度を積極的に上昇させるフォーカスランプを加熱部19に設け、当該フォーカスランプにより口部1aを加熱し、口部1aの温度を40~70℃にしても構わない。これにより、口部1aの殺菌効果向上と口部1aの表面に付着した殺菌剤を揮散させて除去することができる。
ヒーター15から放射された赤外線等によりプリフォーム1は加熱されるが、プリフォーム1に吸収されずに、プリフォーム1の後方に到達する赤外線等は加熱に寄与しない。そこで図10に示すように、プリフォーム1の後方にリフレクター16を設けることにより、プリフォーム1の後方に到達する赤外線等を反射させて、プリフォーム1の加熱を効率的に行うことができる。リフレクター16は、金属に金、銀又はアルミニウムなどを蒸着又はメッキしたものが用いられる。赤外線等を反射できればどのようなものでも構わない。リフレクター16は平面でも曲面でも、平面と曲面を組み合わせても構わない。リフレクター16はプリフォーム1の後方だけでなく、ヒーター15の後方にも設けて、ヒーター15の後方に放射される赤外線等を反射させても構わない。
プリフォーム1は、図10に示すように、スピンドル52が口部1aに挿入され、回転しながら、加熱炉50内を搬送される。プリフォーム1は、口部1a内にスピンドル52の下部が挿入される際に、ゴム又はバネのような弾性体の弾性変形によりスピンドル52に支持される。スピンドル52は無端チェーン12に保持される。無端チェーン12はプーリ13a及び13bにより回転する。スピンドル52に代えてマンドレルをプリフォーム1に挿入することによって、プリフォーム1を倒立状態で回転させつつ搬送することも可能である。
加熱部チャンバー18内は、プリフォームの加熱装置49が運転される前に殺菌されることもある。そのために、加熱部チャンバー18には殺菌装置が設けられる。殺菌装置とは少なくとも加熱部チャンバー18内に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける吹き付けノズル56、及び殺菌剤のガスを生成する殺菌剤ガス生成器36である。
図10に示すように、加熱部チャンバー18の壁面に吹き付けノズル56が設けられ、吹き付けズル56から、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が加熱部チャンバー18内に吹き付けられる。吹き付けノズル56からは、図5に示すような殺菌剤ガス生成器36により生成された殺菌剤のガスが、加熱部チャンバー18内の加熱炉50、ホイール9、加熱炉搬送ホイール11、ホイール17及び加熱部チャンバー18の壁面に吹き付けられる。
吹き付けノズル56から加熱部チャンバー18内に、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けた後に、加熱部チャンバー18内に無菌エアが吹き付けられる。無菌エアは、加熱部チャンバー18内に残存する殺菌剤を気化させて除去させる。また、この際、気化する殺菌剤が殺菌効果を発揮する場合もある。
無菌エアを加熱部チャンバー18内に下部から吹き付けるため、図10に示すように、加熱部チャンバー18の下部に無菌エア供給装置57が設けられる。無菌エア供給装置57はブロワ58及び除菌フイルタ59を備える。また、無菌エアを加熱する場合もあり、ブロワ58と除菌フィルタ59の間に無菌エア加熱装置60を設けると好ましい。
ブロワ58によるエアが無菌エア加熱装置60により加熱され、除菌フィルタ59により除菌された後に、無菌ホットエアとなって加熱部チャンバー18内に下部から吹き付けられる。無菌エアは加熱されなくても構わないが、加熱されることで、殺菌剤の除去が速やかに行われ、殺菌剤の殺菌効果も高まる。プリフォームの加熱装置49の稼働時に加熱部チャンバー18内の無菌性を維持するために、加熱部チャンバー18内に無菌エアを供給する場合、無菌エアを加熱しなくても構わない。
プリフォームの加熱装置49を運転する前の加熱部チャンバー18内の殺菌において、吹き付けノズル56により、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられることにより、HEPAフィルタ等からなる除菌フィルタ59の内面側も殺菌される。
加熱部チャンバー18内はヒーター15によって加熱されるために、上昇気流が発生する。この上昇気流と同一の方向に無菌エアを流す方が、上方から下方に無菌エアを流すよりも、加熱部チャンバー18内で乱流を生じることなくスムーズに無菌エアを流すことができる。したがって、無菌エアは加熱部チャンバー18の下部から上部に吹き込む。下部から吹き込まれた無菌エアは図10に示すように、ヒーター15及びリフレクター16の外側及び内側を上部に向かって流れていく。
プリフォーム1の加熱を効率良く行うために、ヒーター15とリフレクター16の間に流す無菌エアの流量を、プリフォーム1の下部に設ける板の開口面積を調整することにより制御しても構わない。また、無菌エアを加熱することで、ヒーター15とリフレクター16の間の無菌エアの流れによる冷却効果を抑制しても構わない。
図10に示すように、加熱部チャンバー18の上部に排気装置61を設け、無菌エアをプリフォームの加熱装置49の機外に排気することにより、加熱部チャンバー18内の圧力を適正に保持する。図10に示すように、圧力センサー62が加熱部チャンバー18の上部に設けられることにより、加熱部チャンバー18内の圧力は常に測定される。測定されるエア圧力値によりブロワ58及び排気装置61を制御して、加熱部チャンバー18内の圧力を適正に保持する。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル52から解放され、グリッパ34に把持されて、ホイール17を経て成形充填部21の成形充填ホイール20に搬送される。ホイール17もホイール9と同様に、図9に示すようなプリフォーム1の搬送路を囲むようにプリフォームトンネル19を設け、プリフォーム1に無菌エアを吹き付けても構わない。
成形充填部21は、図11に示すように、金型23、ブローノズル62、バルブブロック63、延伸ロッド64及び加圧装置65を備える。また、成形充填部21を駆動させるための駆動部66を備える。成形充填部21は、プリフォーム1及びボトル2の無菌性を確保するために、運転前に洗浄及び殺菌され、稼働時に無菌性が保持されなければならない。駆動部66は図示しないが、モーター、油圧装置、動作伝達手段、エアシリンダーなどを備える。駆動部66の装備は潤滑剤を必要として汚れが蓄積されるため、無菌性を保持することは困難である。
図11に示すように、成形充填部21の無菌性を確保するために、成形充填部21は成形充填部チャンバー22により遮蔽される。成形充填部チャンバー22は、無菌充填機を運転する前に成形充填部チャンバー22内を洗浄及び殺菌するための洗浄装置及び殺菌装置を備えている。また、図11に示すように、成形充填部チャンバー22は、成形充填部21を保持し、成形充填部21を駆動部66と隔離する可動部67と、成形充填部21を外部から遮蔽する固定部68からなる。可動部67は二重管69を中心軸として回転する。可動部67に保持される成形充填部21も回転し、回転に伴ってプリフォーム1はボトル2に成形されると同時に内容物が充填される。
ホイール17から、金型23が閉じることでプリフォーム1は成形充填ホイール20に受け渡される。その後、ブローノズル62がプリフォーム1の口部1aに接合され、延伸ロッド64がブローノズル62に設けられた孔に誘導されてプリフォーム1内に挿入され、延伸ロッド64はプリフォーム1の底面を金型23の底面に接触するまでプリフォーム1を長手方向に延伸する。その後、延伸ロッドを上昇させ、同時にバルブブロック63の電磁弁の動作により中圧内容物P1、高圧内容物P2が順次プリフォーム1に送り込まれ、プリフォーム1はボトル2に成形され、同時に内容物が充填される。高圧内容物P2はプリフォーム1が金型23の形状に成形されるまで充填されなければならない。したがって、口部1a下端まで高圧内容物P2は充填される。口部1a上端近傍まで充填されると、成形充填されたボトル2の搬送時に、内容物がボトル2から横溢するおそれがある。高圧内容物P2の充填量は口部1a下端付近までに制御しなければならない。中圧内容物P1の圧力とは1MPa~2.5MPaであり、高圧内容物P2の圧力とは2.5MPa~4MPaである。中圧内容物P1及び高圧内容物P2は図11に示すように、図示しない殺菌装置により殺菌された内容物を加圧装置65により加圧することにより得られる。加圧装置とは例えば、多連式の高圧プランジャーポンプである。
成形されたボトル2は金型23が開き、ホイール24のグリッパ34に把持されて、成形充填部21から、密封部28内のホイール25に搬送される。プリフォーム1のボトル2への成形及び同時に行われる充填は、成形充填部チャンバー22の可動部67と可動部67に保持される成形充填部21の回転に伴う金型23の開閉、延伸ロッド64の下降及び上昇、プリフォーム1内への中圧内容物P1及び高圧内容物P2の充填を繰り返すことで行われる。
図11に示すように、成形充填部チャンバー22内は、無菌充填機の稼働時は無菌雰囲気保持される。駆動部66は非無菌雰囲気に設けられる。無菌雰囲気と非無菌雰囲気とは、可動部67の下部に設けられる液体シール装置70により可動部67の下部がシールされることにより隔離される。液体は水等の液体であれば構わないが、過酢酸(液体に含まれる濃度として100ppm以上、3000ppm以下が好ましい。)や過酸化水素(液体に1質量%以上、36質量%以下含まれることが好ましい。)のような殺菌剤を含む液体が好ましい。液体シール装置70の液体に浸漬される可動部67の端面は、液体シール装置70の底部と接触しないように設けられる。液体は可動部67の浸漬する両面に通じている。しかし、成形充填部チャンバー22内が無菌エアの供給により陽圧になっている場合、液体シール装置70の非無菌雰囲気側の液体の液面高さは、無菌雰囲気側の液体の液面よりも高くなっている。
図11に示すように、プリフォーム1をボトル2に成形し、同時に充填するために必要な中圧内容物P1及び高圧内容物P2は、成形充填部21の上部から二重管69内に設けられる配管により供給される。二重管69と固定部68はロータリージョイント71により接合されている。中圧内容物P1と高圧内容物P2は無菌雰囲気内を通過する二重管69内の配管から非無菌雰囲気にある高圧内容物供給マニホールド72に導入される。高圧内容物供給マニホールド72から中圧内容物P1及び高圧内容物P2が可動部67に保持されるバルブブロック63に供給されるため、高圧内容物供給マニホールド72は回転可能となっている。
成形充填部チャンバー22内は無菌充填機の運転前に洗浄される。そのために成形充填部チャンバー22には洗浄装置が設けられる。洗浄装置とは、図11に示すように、成形充填部チャンバー22の固定部68に設けられる吹き付けノズル56及び吹き付けノズル56に洗浄剤を供給する洗浄剤供給装置である。吹き付けノズル56は、1流体または洗浄剤を圧縮エアと混合して噴霧する二流体スプレーが使用され、成形充填部チャンバー22の内部及び内面を殺菌する前、又は殺菌と同時に洗浄剤を吹き付けノズル56から成形充填部チャンバー22内へ吹き付ける。その後、水または無菌水を吹き付けノズル56から成形充填部チャンバー22内に吹き付けて、洗浄剤を洗い流す。
金型23の内部が開放されるエリアは限定されており、金型23の内部を洗浄するためには、吹き付けノズル56は金型が開いているエリア(ホイル17とホイル24の短距離間)に数多く設けることが望ましい。さらに、金型23を洗浄する際には、金型23を60rpm以下の速度で回転させながら洗浄剤を吹き付けることが好ましい。洗浄により成形充填部チャンバー22の内部に存在する金型23、ブローノズル62、延伸ロッドチャンバー64a、バルブブロック63等の外面及び成形充填部チャンバー22の内面が洗浄される。洗浄剤の吹き付け圧は少なくとも0.05MPa以上、好ましくは0.2MPa以上である。
図11に示すように、延伸ロッド64は延伸ロッド保持材73により保持されている。延伸ロッド64の上昇又は下降の動作は、延伸ロッド保持材73を動作させることによって行う。延伸ロッド保持材73は、延伸ロッド保持材動作軸73aの動きにより上下に動作する。延伸ロッド保持材73は、延伸ロッド保持材動作軸73aをサーボモーターにより回転させたり、延伸ロッド保持材動作軸73aを空気圧シリンダーに結合させたりすることにより動作させる。しかし、空気圧シリンダーによる場合は、シリンダー内に殺菌剤のガスを導入する等して、シリンダー内を殺菌したり、圧力を発生させる空気を除菌フィルタを通して無菌化する必要がある。また、空気圧シリンダー外を出入りする軸をベローズで保護しても構わない。延伸ロッド64を延伸ロッド保持材73に直接保持させず、磁性体を使用して上昇及び下降させても構わない。
延伸ロッド64はブローノズル62に挿入されるが、延伸ロッド64の外周部分から内容物がプリフォーム1に充填されるため、延伸ロッド64は内容物と接触する。延伸ロッド64に付着した内容物が成形充填部チャンバー22内に飛散するのを防止するために、延伸ロッド64、延伸ロッド保持材73及び延伸ロッド保持材動作軸73aは延伸ロッドチャンバー64aにより遮蔽される。よって、延伸ロッド64、延伸ロッド保持材73及び延伸ロッド保持材動作軸73aの洗浄は、延伸ロッドチャンバー64a内に設けられる吹き付けノズル56により洗浄剤を延伸ロッド64、延伸ロッド保持材73および延伸ロッド保持材動作軸73aに吹き付けることにより行われる。延伸ロッドチャンバー64aは例えば円筒形であるが、延伸ロッド64、延伸ロッド保持材73及び延伸ロッド保持材動作軸73aを遮蔽することができれば、どのような形状でも構わない。
延伸ロッド64がブローノズル62に挿入されていると、挿入されている部分が洗浄できない。そこで、延伸ロッド64を洗浄する際には、延伸ロッド64はブローノズルに非挿入の状態で行われる。このため、延伸ロッド64は延伸ロッド保持材73及び延伸ロッド保持材作動軸73aにより、延伸ロッド64がブローノズル62から非挿入の位置まで上昇するような駆動装置とされている。図11はプリフォーム1の口部を上としているが、プリフォーム1は倒立させても構わない。この場合、延伸ロッド64は下方に移動することで、ブローノズル62から非挿入とされる。
洗浄剤は、酸性化合物若しくは塩基性化合物を含む水である。水は加熱や濾過により無菌化した水又は純水、イオン交換水、蒸留水又は水道水であっても構わない。酸性化合物とは、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸又は酢酸、蟻酸、オクタン酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸等の有機酸である。また塩基性化合物とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性化合物、又はエタノールアミン、ジエチルアミン等の有機塩基性化合物である。この他に、有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸等の金属イオン封鎖剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等の非イオン界面活性剤、クメンスルホン酸ナトリウム等の可溶化剤、ポリアクリル酸などの酸系高分子又はこれらの金属塩、腐食抑制剤、防腐剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤などを含んでも構わない。また、これらの洗浄用液体を50℃以上に加温すると殺菌作用も有するため、これらを成形充填部チャンバー22内を殺菌するための殺菌剤として使用しても構わない。
成形充填部チャンバー22の内部及び内面を洗浄した後、又は洗浄と同時に成形充填部チャンバー22の内部及び内面は殺菌される。吹き付けノズル56から、殺菌剤が成形充填部チャンバー22内に吹き付けられる。そのために、成形充填部チャンバー22には殺菌装置が設けられる。殺菌装置とは、図11に示すように、少なくとも成形充填部チャンバー22の固定部68に設けられる吹き付けノズル56、及び吹き付けノズル56に殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置である。吹き付けノズル56は、洗浄剤を吹き付けるノズルと兼用しても別個に設けても構わない。殺菌剤は成形充填部チャンバー22内の全域に付着するように吹き付けられる。吹き付けられた殺菌剤により、成形充填部チャンバー22内が殺菌される。吹き付けノズル56は、成形充填部チャンバー2内の全域に殺菌剤が付着するように配置される。
金型23の内部が開放されるエリアは限定されており、金型23の内部を殺菌するためには、吹き付けノズル56は金型が開いているエリア(ホイル17とホイル24の短距離間)に数多く設けることが望ましい。さらに、金型23を殺菌する際には、金型23を60rpm以下の速度で回転させながら殺菌剤を吹き付けることが好ましい。殺菌により成形充填部チャンバー22の内部に存在する金型23、ブローノズル62、延伸ロッド64及びバルブブロック63等及び成形充填部チャンバー22の内面が殺菌される。また、殺菌剤の吹き付け圧は少なくとも0.05MPa以上、好ましくは0.2MPa以上である。
延伸ロッド64、延伸ロッド保持材73、延伸ロッド保持材動作軸73a及び延伸ロッドチャンバー64a内は、延伸ロッドチャンバー64a内に設けられる吹き付けノズル56から吹き付けられる殺菌剤により殺菌される。この場合も延伸ロッド64はブローノズル62に非挿入の状態で行われる。
殺菌剤はプリフォーム1を殺菌するために使用される殺菌剤と同様のものが使用でき、過酢酸や過酸化水素を含む殺菌剤を使用することが好ましい。殺菌剤の吹き付けは、異なる殺菌剤を複数回吹き付けても構わない。
吹き付けノズル56から殺菌剤を吹き付けた後に、吹き付けノズル56を使用するか又は別に設けるノズルにより、成形充填部チャンバー22の全域に無菌水が吹き付けられる。当該無菌水により、成形充填部チャンバー22内に残存する殺菌剤が洗浄される。無菌水は121℃以上で4分以上加熱されたり、除菌フィルタを通すことで無菌化された水が使用される。成形充填部チャンバー22内に吹き付けられる無菌水は60℃~100℃に加熱されることが好ましい。
成形充填部チャンバー22内に無菌水が吹き付けられた後、成形充填部チャンバー22内に無菌エアが吹き付けられる。無菌エアは、成形充填部チャンバー22内に残存する無菌水を気化させて除去させる。無菌エアを成形充填部チャンバー22内に吹き付けるため、図11に示すように、成形充填部チャンバー22の固定部68の上部に無菌エア供給装置57が設けられる。無菌エア供給装置57はブロワ58及び除菌フイルタ59を備える。また、無菌エアを加熱する場合もあり、ブロワ58と除菌フィルタ59の間に無菌エア加熱装置60を設けると好ましい。
ブロワ58によるエアが加熱装置60により加熱され、除菌フィルタ59により除菌された後に、無菌ホットエアとなって成形充填部チャンバー22内に吹き付けられる。無菌エアは加熱されなくても構わないが、加熱されることで、無菌水の除去が速やかに行われる。この時、加熱部チャンバー18から排気される、加熱された無菌エアを成形充填部チャンバー22に吹き付けても構わない。 無菌充填機の稼働時に、成形充填部チャンバー22内の無菌性を維持するために成形充填部チャンバー22に無菌エアを供給する場合、無菌エアを加熱しなくても構わない。
成形充填部チャンバー22内の洗浄及び殺菌は、例えば以下のような手順で行う。塩基性化合物である水酸ナトリウムを含む洗浄剤を成形充填部チャンバー22内に吹き付けた後、無菌水を吹き付けて洗浄剤を洗い流し、過酢酸を含む殺菌剤を成形充填部チャンバー22内に吹き付け、さらに無菌水を吹き付けて殺菌剤を洗い流し、その後、プリフォームの殺菌に使用する過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を成形充填部チャンバー22内に吹き付け、無菌加熱エアを供給して成形充填部チャンバー22内を乾燥させることで殺菌を完了する。
過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける場合、ブローノズル62内部の流路を洗浄又は殺菌することにより、成形充填部チャンバー22内に露出している、ブローノズル62及びバルブブロック63の外面温度が、60℃以上になっていて、且つ濃度5mg/L以上の過酸化水素ガスに暴露されると、これらの部位の外面は好適に殺菌される。
無菌充填機の運転前の殺菌において、吹き付けノズル56により、殺菌剤が吹き付けられることにより、除菌フィルタ59の内面側も殺菌される。
除菌フィルタ59を通った無菌エアは成形充填部チャンバー22内に吹き付けられ、成形充填部チャンバー22に設けられた排気装置61により排気されても構わない。また、無菌エアは成形充填部チャンバー22から加熱部チャンバー18へと流入し、加熱部チャンバー18に設けられた排気装置により排気されても構わない。
成形充填部チャンバー22内に洗浄剤及び殺菌剤が吹き付けられることで、成形充填部チャンバー22内に露出している部材は洗浄及び殺菌される。しかし、露出していない、ブローノズル62及びバルブブロック63の中圧内容物P1及び高圧内容物P2の配管内は洗浄及び殺菌されない。そのため、無菌充填機を運転する前に、配管内の洗浄(CIP)及び殺菌(SIP)を行う。
CIPは、図12に示すように、ブローノズル62の先端にカップ状の閉塞装置74を取り付けて行う。洗浄剤タンク75を設け、洗浄剤タンク75内の洗浄剤は洗浄剤供給ポンプ76により圧送され、必要に応じて加温装置77により洗浄剤は加温され、加圧装置65を経て、バルブブロック63からブローノズル62、延伸ロッド64へ洗浄剤は送液される。ブローノズル62の先端に装着されたカップ状の閉塞装置74によりブローノズルから吐出される洗浄剤は受けられ、バルブブロック63内の通路を経由して、高圧内容物供給マニホールド72に流入し、駆動部66の中心に設けられた管体内部の配管により、駆動部66の下部のロータリージョイント78を経て、洗浄剤タンク75に還る。この循環路内に洗浄剤を循環させることでCIPが行われる。内容物と接する部位が全て洗浄できるのであれば、循環経路の順番は適宜変更しても良い。
洗浄剤は、成形充填部チャンバー22内の洗浄に使用される洗浄剤と同様のものが使用される。洗浄剤は50℃以上に加温されることで殺菌作用を有する洗浄剤もあり、加温装置77により加温されても構わない。
SIPは図12に示すように、過熱蒸気供給装置79により加圧装置65に過熱蒸気を供給することで行う。加圧装置65に供給された過熱蒸気は、高圧内容物供給マニホールド72、バルブブロック63を経て、ブローノズル62、延伸ロッド64に供給される。さらに、ブローノズル62により吐出される過熱蒸気は、ブローノズル62の先端に装着されたカップ状閉塞装置74によりを受けられ、駆動部66の下部から排出される。過熱蒸気の熱によりSIPは行われる。過熱蒸気は121℃以上で供給される。
また、SIPは温水により行っても構わない。温水によるSIPは図12に示すように無菌水タンク80から無菌水供給ポンプ81により無菌水は圧送される。圧送される無菌水は加温装置77により、70℃~100℃に加温され、加圧装置65を経て、バルブブロック63からブローノズル62へ送液される。ブローノズル62の先端に装着されたカップ状の閉塞装置74によりブローノズルから吐出される無菌水は受けられ、バルブブロック63内の通路を経由して、高圧内容物供給マニホールド72に流入し、駆動部66の中心に設けられれた管体内部の配管により、駆動部66の下部のロータリージョイント78を経て、無菌水タンク80に還る。この循環路内に温水を循環させることでSIPが行われる。加温装置77は洗浄剤加熱とは別に設けても構わない。製品液と接する部位が全て殺菌できるのであれば、循環経路の順番は適宜変更しても良い。
内容物が充填されたボトル2は、図1に示すホイール24を経て密封部26に搬送される。密封部26に設けられた密封ホイール25に、ボトル2は搬送され、図13に示す密封工程のように、キャップ殺菌装置28により殺菌されたキャップ41が、密封ホイール25に供給され、図示しないキャッパーにより、ボトル2の口部1aに巻き締められ、ボトル2は密封される。
密封されたボトル2は、密封ホイール25のグリッパ34から排出部30の排出ホイール29のグリッパ34に受け渡される。排出ホイール29に受け渡されたボトル2は排出コンベヤ31に載置される。排出コンベヤ31に載置されたボトル2は充填部チャンバー27内から無菌充填機の外部に排出される。
密封部チャンバー27内は無菌充填機運転前に、成形充填部チャンバー22と同様に、洗浄剤の吹き付けによる洗浄、無菌水の吹き付けによる洗浄、殺菌剤の吹き付けによる殺菌、無菌水の吹き付けによる殺菌剤の除去、無菌エアの吹き付けによる無菌水の除去等の操作が行われる。さらに無菌充填機の稼働中は、密封部チャンバー27に備えられる無菌エア供給装置により供給される無菌エアにより、密封部チャンバー27内の圧力を陽圧に保持することにより、密封部チャンバー27内の無菌性が維持される。密封部チャンバー27内の圧力を適正に保持するために、密封部チャンバー27に排気装置を設けても構わない。そのために、少なくとも密封部チャンバー27には、密封部チャンバー27の内部及び内面を殺菌する殺菌装置、及び密封部チャンバー27の内部に無菌エアを供給する無菌エア供給装置が設けられる。また、密封部チャンバー27内を洗浄する洗浄装置も設けられる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、無菌充填機の形態として、上述したホイール式の無菌充填機ではなく、直線式の無菌充填機など本発明の要旨内において種々変更可能である。