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JP2023090081A - ポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法 Download PDF

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JP2023090081A JP2021204839A JP2021204839A JP2023090081A JP 2023090081 A JP2023090081 A JP 2023090081A JP 2021204839 A JP2021204839 A JP 2021204839A JP 2021204839 A JP2021204839 A JP 2021204839A JP 2023090081 A JP2023090081 A JP 2023090081A
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Abstract

【課題】
フレキシブルディスプレイ用として好適な、高温条件下において優れた耐屈曲性を有するポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、熱処理が施されたポリエステルフィルムであって、
熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)が、0.95以下である、ポリエステルフィルムである。
(ここで、カール角度とは、以下の測定条件後につく折れ跡のなす角度を180°から引いた値を指す。
測定条件:2.0mmの隙間にフィルムを180°折り畳んで屈曲保持し、90℃のオーブンに6時間静置する。その後、室温に取り出して屈曲を開放し、そのまま24時間放置する。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムは、耐熱性、耐候性、機械的強度、透明性、耐薬品性等に優れており、かつ、価格的にも入手し易いことから、汎用性が高く、各種用途に使用されている。
ポリエステルフィルムを構成する樹脂であるポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステルは、優れた耐熱性を有することから高温高湿下で連続使用することが可能である。
しかしながら、高温下では材料が塑性変形し、特に屈曲によってフィルムなどの成形品が容易に変形するため、耐屈曲性が必要とされる用途においては、使用が制限されているのが現状である。
一方で、近年、電子機器などの小型化、軽量化に伴い、フレキシブル基板やフレキシブルプリント回路が用いられる傾向にある。その流れに伴い、ディスプレイ用途においてもフレキシブル性の要求が高まり、復元性に優れ、繰り返しの折り曲げ耐性(耐屈曲性)に優れるフィルムが強く求められている。
例えば特許文献1には、量産性に優れており、折り曲げた後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがない折りたたみ型ディスプレイと、そのような折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器を提供できるようにするため、折りたたみ部に折り跡やクラックが発生することのない、折りたたみ型ディスプレイ用ポリエステルフィルムが開示されている。
国際公開第2021/182191号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリエステルフィルムは、室温下での耐屈曲性には優れているものの、高温条件下における耐屈曲性が十分でなく、フレキシブルディスプレイへの適用が困難な場合があった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フレキシブルディスプレイ用として好適な、高温条件下において優れた耐屈曲性を有するポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の態様を有するものである。
[1]熱処理が施されたポリエステルフィルムであって、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)が、0.95以下である、ポリエステルフィルム。
(ここで、カール角度とは、以下の測定条件後につく折れ跡のなす角度を180°から引いた値を指す。
測定条件:2.0mmの隙間にフィルムを180°折り畳んで屈曲保持し、90℃のオーブンに6時間静置する。その後、室温に取り出して屈曲を開放し、そのまま24時間放置する。)
[2]熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Xb)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Yb)との比(Xb/Yb)が、1.01以上である、上記[1]に記載のポリエステルフィルム。
[3]厚みが9~125μmである、上記[1]又は[2]に記載のポリエステルフィルム。
[4]二軸延伸フィルムである、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のポリエステルフィルム。
[5]フレキシブルディスプレイ用である、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリエステルフィルム。
[6]上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のポリエステルフィルムを備えたフレキシブルディスプレイ。
[7]ポリエステルフィルムの製造方法であって、温度100~160℃、時間15~90分で熱処理を施す工程を有し、前記熱処理を熱固定処理工程後に施す、ポリエステルフィルムの製造方法。
[8]前記熱処理が、アニール処理である、上記[7]に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
[9]前記熱処理をオフラインで施す、上記[7]又は[8]に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、フレキシブルディスプレイ用として好適な、高温条件下において優れた耐屈曲性を有するポリエステルフィルム及びポリエステルフィルムの製造方法が提供される。
カール角度の測定方法を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<ポリエステルフィルム>>
本発明のポリエステルフィルム(以下、「本フィルム」とも称する)は、熱処理が施され、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)が、0.95以下である。
(ここで、カール角度とは、以下の測定条件後につく折れ跡のなす角度を180°から引いた値を指す。
測定条件:2.0mmの隙間にフィルムを180°折り畳んで屈曲保持し、90℃のオーブンに6時間静置する。その後、室温に取り出して屈曲を開放し、そのまま24時間放置する。)
本フィルムのより具体的な態様として、以下の第1~3態様のフィルムが挙げられる。
第1態様のフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも称する)を含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値が、151°以下である。
第2態様のフィルムは、ホモポリエチレンナフタレート(以下、「ホモPEN」とも称する)を含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値が、121°以下である。
第3態様のフィルムは、ポリエチレンナフタレート共重合体(以下、「PEN共重合体」とも称する)を含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値が、128°以下である。
ここで、本発明において、フィルムの長手方向(MD)とは、フィルムの製造工程でフィルムが進行する方向、すなわちフィルムロールの巻き方向をいう。フィルムの幅方向(TD)とは、フィルム面に平行かつ長手方向(MD)と直交する方向をいう、すなわち、フィルムロール状としたときのロールの中心軸と平行な方向である。
本フィルムは、単層構造であっても、多層構造(すなわち、積層フィルム)であってもよい。本フィルムが多層構造の場合、2層構造、3層構造などでもよいし、本発明の要旨を逸脱しない限り、4層又はそれ以上の多層であってもよく、層数は特に限定されない。
中でも、本フィルムの製造コストを抑える観点からは、単層構造又は2層以上3層以下の多層構造であることが好ましい。
また、本フィルムは、未延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよい。中でも、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましく、力学特性のバランス、平面性及び薄膜化の観点から、二軸延伸フィルムであることがより好ましい。
<ポリエステル>
本フィルムの原料であるポリエステルは、特に限定されず、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。具体的には、ジカルボン酸とジオールとを重縮合してなるポリエステルが挙げられる。
本フィルムは、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。また、本フィルムが多層構造の場合にあっては、各層の主成分樹脂がポリエステルであることが好ましい。
なお、「主成分樹脂」とは、各層を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば各層を構成する樹脂のうち50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含み)を占める樹脂である。
上記ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、2,4-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、3,3’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
上記ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ダイマージオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF若しくはビスフェノールS等のビスフェノール化合物若しくはその誘導体又はそれらのエチレンオキサイド付加物)等が挙げられる。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示される。
共重合ポリエステルとしては、ポリエステルを構成するジカルボン酸の主成分となる化合物、及び、ジオールの主成分となる化合物以外の第3成分を共重合成分として含む、共重合ポリエステルを挙げることができる。例えば、第3成分とは、ポリエチレンテレフタレートではテレフタル酸及びエチレングリコール以外の成分である。
本フィルムに使用されるポリエステルとしては、機械的特性、耐熱性、透明性及びコストなどの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はこれらのポリエステルの構成成分を主成分とする共重合ポリエステルが好ましい。
なお、通常、エチレングリコールを原料の1つとしてポリエステルを製造(重縮合)する場合、エチレングリコールからジエチレングリコールが副生する。本明細書においては、このジエチレングリコールを副生ジエチレングリコールと称する。エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生量は、重縮合の様式等によっても異なるが、エチレングリコールのうち5モル%以下程度である。本発明においては、5モル%以下のジエチレングリコールを副生ジエチレングリコールとした上で、前記副生ジエチレングリコールもエチレングリコールに包含されるものとし、共重合成分とは区別される。一方、ジエチレングリコールの含有量によっては、より具体的にはジエチレングリコールが5モル%を超えて含有されている場合には、ジエチレングリコールは副生ジエチレングリコールとしてではなく、共重合成分として扱う。
次に、第1~3態様のフィルムに含まれるポリエステルについて説明する。
(第1態様)
第1態様のフィルムは、PETを含む。
本フィルムにおけるPETの含有量は、本フィルムを構成する樹脂中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)である。
なお、本フィルムが多層構造である場合には、いずれかの層がPETを含み、かつ、フィルム全体におけるPETの合計含有量が上記と同様であればよい。中でも、各層がPETを含み、かつ、各層中に含まれるPETの含有量がいずれも上記と同様であることが好ましい。
前記PETとは、具体的には、ジカルボン酸(a-1)及びジオール(b-1)を含み、より具体的には、前記ジカルボン酸(a-1)としてテレフタル酸、前記ジオール(b-1)としてエチレングリコールを含む。
前記PETは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよく、中でもホモポリエステルであることが好ましい。
ホモポリエステルである場合は、前記ジカルボン酸(a-1)の全て(100モル%)がテレフタル酸であり、かつ、前記ジオール(b-1)の全て(100モル%)がエチレングリコールである。
共重合ポリエステルである場合は、前記ジカルボン酸(a-1)としてテレフタル酸、前記ジオール(b-1)としてエチレングリコールを含み、前記ジカルボン酸(a-1)及び前記ジオール(b-1)の少なくともいずれかに共重合成分を含有する。共重合成分としては、テレフタル酸以外の上述のジカルボン酸及び/又はエチレングリコール以外の上述のジオールを選択することができる。より具体的には、ジカルボン酸の30モル%以下程度でテレフタル酸以外のジカルボン酸を有し、また、ジオールの30モル%以下程度でエチレングリコール以外のジオールを有していてもよい。30モル%以下であれば、フィルム強度、透明性、耐熱性が十分に保持される。
(第2態様)
第2態様のフィルムは、ホモPENを含む。
本フィルムにおけるホモPENの含有量は、本フィルムを構成する樹脂中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)である。
なお、本フィルムが多層構造である場合には、いずれかの層がホモPENを含み、かつ、フィルム全体におけるホモPENの合計含有量が上記と同様であればよい。中でも、各層がホモPENを含み、かつ、各層中に含まれるホモPENの含有量がいずれも上記と同様であることが好ましい。
前記ホモPENとは、具体的には、ジカルボン酸(a-2)及びジオール(b-2)を含み、より具体的には、前記ジカルボン酸(a-2)の全て(100モル%)が2,6-ナフタレンジカルボン酸であり、かつ、前記ジオール(b-2)の全て(100モル%)がエチレングリコールである。
(第3態様)
第3態様のフィルムは、PEN共重合体を含む。
本フィルムにおけるPEN共重合体の含有量は、本フィルムを構成する樹脂中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)である。
なお、本フィルムが多層構造である場合には、いずれかの層がPEN共重合体を含み、かつ、フィルム全体におけるPEN共重合体の合計含有量が上記と同様であればよい。中でも、各層がPEN共重合体を含み、かつ、各層中に含まれるPEN共重合体の含有量がいずれも上記と同様であることが好ましい。
前記PEN共重合体とは、具体的には、ジカルボン酸(a-3)及びジオール(b-3)を含み、より具体的には、前記ジカルボン酸(a-3)として2,6-ナフタレンジカルボン酸、前記ジオール(b-3)としてエチレングリコールを含み、ジカルボン酸(a-3)及びジオール(b-3)の少なくともいずれかに共重合成分を含有する。
前記PEN共重合体は、ジカルボン酸(a-3)中に2,6-ナフタレンジカルボン酸を80モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくはジカルボン酸(a-3)の全て(100モル%)が2,6-ナフタレンジカルボン酸である。
ジカルボン酸(a-3)中の2,6-ナフタレンジカルボン酸の含有量を80モル%以上とすることにより、フィルム強度、透明性、耐熱性が十分に保持される。
前記PEN共重合体は、ジオール(b-3)中にエチレングリコールを30モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、とりわけ好ましくは90モル%以上である。一方、ジオール(b-3)中のエチレングリコールの上限値は、好ましくは99モル%以下、より好ましくは98モル%以下、さらに好ましくは97モル%以下、特に好ましくは96モル%以下、とりわけ好ましくは95モル%以下である。
ジオール(b-3)中のエチレングリコールの含有量をかかる範囲とすることにより、フィルム強度、透明性、耐熱性が十分に保持される。
前記PEN共重合体は、ジカルボン酸(a-3)中に共重合成分を好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下含有し、さらに好ましくはジカルボン酸(a-3)の全てが2,6-ナフタレンジカルボン酸であり、すなわち共重合成分は0モル%である。
また、前記PEN共重合体は、ジオール(b-3)中に共重合成分を70モル%以下含有することが好ましく、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下、特に好ましくは20モル%以下、とりわけ好ましくは10モル%以下含有する。一方、ジオール(b-3)中の共重合成分の下限値は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは2モル%以上、さらに好ましくは3モル%以上、特に好ましくは4モル%以上、とりわけ好ましくは5モル%以上である。
ジカルボン酸(a-3)及び/又はジオール(b-3)中の共重合成分の含有量をかかる範囲とすることにより、フィルム強度、透明性、耐熱性を十分に保持しながら、耐屈曲性を良好なものとすることができる。
上記ジカルボン酸(a-3)に加えられる共重合成分としては、2,6-ナフタレンジカルボン酸以外の上述のジカルボン酸を例示することができる。成形性の観点から、イソフタル酸、2,5-フランジカルボン酸、2,4-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸が好ましい。これらの共重合成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、上記ジオール(b-3)に加えられる共重合成分としては、エチレングリコール以外の上述のジオールを例示することができる。耐屈曲性の観点から、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ダイマージオール、ビスフェノール類が好ましい。中でも、フィルムの強度保持の観点から、ビスフェノール類がより好ましく、ビスフェノール類としては、ビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。これらの共重合成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記PEN共重合体は、ジカルボン酸(a-3)として2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジオール(b-3)としてエチレングリコールを含み、共重合成分としてビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物を含むことが最も好ましい。このPEN共重合体において、ビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物の含有量は、ジオール(b-3)全量に対して、1モル%以上70モル%以下であることが好ましく、より好ましくは2モル%以上50モル%以下、さらに好ましくは3モル%以上30モル%以下、特に好ましくは4モル%以上20モル%以下、とりわけ好ましくは5モル%以上10モル%以下である。
なお、本フィルムが多層構造である場合には、いずれかの層、好ましくは各層中に含まれるPEN共重合体を構成する共重合成分の種類と含有量は、上記と同様であればよく、各層を構成する樹脂や各層中のPEN共重合体は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以降は、第1~3態様のフィルムに限らず、本フィルムについて説明する。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えばチタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物等が挙げられる。中でも、チタン化合物及びアンチモン化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、オリゴマー成分の析出量を抑えるために、オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルを用いてフィルムを製造してもよい。オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルの製造方法としては、種々公知の方法を用いることができ、例えばポリエステル製造後に固相重合する方法等が挙げられる。
本フィルムを3層以上の構成とし、本フィルムの最外層を、オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルを用いた層とすることで、オリゴマー成分の析出量を抑えてもよい。
ポリエスエルは、エステル化もしくはエステル交換反応をした後に、さらに反応温度を高くして、減圧下で溶融重縮合して得てもよい。
さらに、製造コストを抑えることを目的として、リサイクル原料を用いてフィルムを製造してもよい。
本フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリエステル以外のその他の樹脂を含むことができる。
その他の樹脂としては、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂等を例示することができる。
なお、第1~3態様のフィルムにおいて、本フィルムを構成する樹脂は、特定のポリエステルを含有していればそれ以外のポリエステルを含有していてもよい。
<粒子>
本フィルムには、易滑性の付与及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有させることも可能である。粒子の種類は、易滑性の付与が可能な粒子であれば、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、ポリエステル等の原料の製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されず、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、1種単独で使用してもよいし、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
用いる粒子の平均粒径は、5μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。一方、下限値は0.01μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。粒子の平均粒径がかかる範囲内であれば、本フィルムの透明性と取り扱い性の両立が可能となる。
粒子の平均粒径は、粒子が粉体の場合には、遠心沈降式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製「SA-CP3型」)を用いて粉体を測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径(d50)を平均粒径とすることができる。フィルム、層又はポリエステル中の粒子の平均粒径については、10個以上の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。後述する粒子についても同様である。
本フィルムが多層構造である場合には、粒子は、少なくとも1つの層に含有させればよいが、表層に含有させることが好ましい。表層に粒子を含有させることで、フィルム全体における粒子の含有量を少なくしつつ、効果的に易滑性を付与できる。
なお、粒子は、一方の表層に含有させてもよいし、両方の表層に含有させてもよい。
前記粒子の含有量は、本フィルムに対して5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。一方、下限値は0.0003質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%以上である。
粒子の含有量が、0.0003質量%以上であれば、フィルム表面に易滑性を付与することができ、また、各工程での傷の発生を防止することができる。一方、含有量が5質量%以下であれば、透明性が良好となる。
なお、ここでいう粒子の含有量とは、本フィルムが単層構造である場合には、フィルム全体を意味し、多層構造である場合には、粒子を含有する層における含有量を意味する。
本フィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、ポリエステル等の原料を製造する任意の段階において添加することができる。本フィルムはポリエステルフィルムであるから、好ましくはエステル化若しくはエステル交換反応終了後、添加するのがよい。
<その他>
本フィルムには、上述の粒子以外に必要に応じて、従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等の添加剤を添加することができる。
本フィルムが多層構造である場合には、各添加剤は、全ての層に含有させる必要はなく、少なくとも1つの層に含有させればよい。
<厚み>
本フィルムの厚みは、フィルム強度の観点から、9μm以上であることが好ましく、より好ましくは12μm以上、さらに好ましくは20μm以上である。一方、本フィルムの厚みの上限値は、耐屈曲性を良好なものとする観点から、125μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下である。
<<ポリエステルフィルムの製造方法>>
本発明の別の態様によれば、温度100~160℃、時間15~90分で熱処理を施す工程を有し、前記熱処理を熱固定処理工程後に施す、ポリエステルフィルムの製造方法(以下、「本フィルムの製造方法」とも称する)が提供される。
本フィルムの製造方法として、本フィルムが逐次二軸延伸方法により得られる二軸延伸フィルムである場合を例に、説明する。
本フィルムが二軸延伸フィルムである場合には、まず、未延伸シートを製造し、その後、二方向に延伸させて二軸延伸フィルムを得るとよい。
未延伸シートは、先に述べたポリエステル等の原料と、必要に応じて添加される添加剤とを押出機に供給して適宜混合して、押出機を用いてダイから溶融シートとして押し出し、回転冷却ドラム(冷却ロール)で冷却固化して得ることが好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法及び/又は液体塗布密着法が好ましく採用される。
また、本フィルムが、多層構造である場合には、共押出法によって複数層を共押出して、多層構造を有する未延伸シートとするとよい。
なお、ポリエステル等の原料は、ペレットなどとして、適宜乾燥されたうえで押出機に供給されるとよく、粒子、紫外線吸収剤などの添加剤は、適宜ペレットなどに配合されてもよい。
得られた未延伸シートは、次に一軸方向に、さらには二軸方向に延伸される。
具体的には、まず未延伸シートを一方向にロール又はテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70~140℃、好ましくは80~130℃であり、延伸倍率は通常2.5~7.0倍、好ましくは3.0~6.0倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70~170℃、好ましくは110~140℃であり、延伸倍率は通常3.0~7.0倍、好ましくは3.5~6.0倍である。
そして、引き続き通常180~270℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うことが好ましい。
なお、本発明において、上記熱処理は熱固定処理と称し、後述の熱固定処理工程後に施される熱処理とは区別される。
本フィルムの製造方法における熱固定処理工程後の熱処理としては、アニール処理やエージング処理等が挙げられ、中でもアニール処理であることが好ましい。
また、これらの熱処理は、製膜されたフィルムを一旦ロール状に巻き取った後オフラインで施されてもよく、フィルムの製膜中にインラインで施されてもよいが、後述する熱処理温度及び時間を考慮するとオフラインで施されることが好ましい。
熱固定処理工程後の熱処理温度は、100~160℃であり、好ましくは105~140℃、より好ましくは110~120℃である。
また、熱固定処理工程後の熱処理時間は、特に制限されないが、15~90分であり、好ましくは30~80分、より好ましくは45~75分である。
熱固定処理工程後の熱処理温度及び時間を、上記範囲内とすることで、フィルムを構成する高分子鎖が安定なコンフォメーションとなり、高温条件下での耐屈曲性を良好なものとすることができる。
本発明では、熱固定処理工程後に前記熱処理を施すことによって、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)を所望の値の範囲に調整することができる。
また、熱固定処理工程後に前記熱処理を施すことによって、第1~3態様のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値をそれぞれ所望の値の範囲に調整することができる。
<<本フィルムの物性>>
<カール角度>
本フィルムの高温(90℃)における耐屈曲性評価は、2.0mmの隙間に180°折り畳んで折り曲げた状態に保持したフィルムを90℃のオーブン中に6時間静置後、室温に取り出して直ちに折り曲げを開放し、そのまま24時間放置した後のカール角度によって評価することができる。より具体的には、実施例に記載の方法で評価できる。
上記カール角度は小さければ小さいほど、屈曲後のフィルムの元の状態に戻ろうとする復元力が大きい、すなわち耐屈曲性が良好であると評価することができる。前記カール角度は平均値で評価し、ここでいう平均値とは、長手方向(MD)のカール角度と幅方向(TD)のカール角度の平均値を意味する。
なお、カール角度の下限値は、小さければ小さいほど良く、0°以上である。
前記カール角度は、使用するポリエステル、延伸倍率及び延伸温度等の製膜条件によって調整することができるが、カール角度の減少は、ポリエステルフィルムに熱固定処理工程後に熱処理を施したり、また、熱固定処理工程後の熱処理条件を調整したりすることによって制御することができる。
本フィルムは、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)が、0.95以下である。
当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)は、熱処理前のフィルムに対する、熱処理後のフィルムの耐屈曲性の改良度合いを表し、当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)が小さければ小さいほど、熱固定処理工程後の熱処理による耐屈曲性の改良効果が大きいといえる。
したがって、当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)が0.95を超えると、熱固定処理工程後の熱処理による耐屈曲性改良効果が足りず、高温条件下での耐屈曲性が不十分となる。耐屈曲性が不十分となる場合には、例えばディスプレイを開いたときにフィルムに変形が生じ、ディスプレイの視認性を低下させるなど、ディスプレイの機能に悪影響を与える可能性がある。一方、当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)が0.95以下であれば、高温条件下における耐屈曲性が良好といえ、高温条件下であっても、フィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
かかる観点から、当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)は、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.85以下である。当該カール角度の平均値の比(Xa/Ya)の下限値は、0.40程度である。
次に、第1~3態様のフィルムの物性について説明する。
前記カール角度の絶対値は、上述のとおり、延伸倍率及び延伸温度等の製膜条件によって調整することができるが、使用するポリエステルに大きく依存する。
第1~3態様のフィルムにおいて、特定のポリエステルを含み、かつ、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値を特定の値の範囲とすることで、熱処理前後のカール角度の平均値の比(Xa/Ya)も所望の値の範囲となる。
したがって、第1~3態様のフィルムにおいて、特定のポリエステルを含有し、カール角度の平均値を特定の値とすることで、具体的には熱処理工程後の熱処理による高温条件下での耐屈曲性改良効果が十分となる。そして、結果として、フレキシブルディスプレイ用として好適な、高温条件下において優れた耐屈曲性を有するポリエステルフィルムとなる。
(第1態様)
第1態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれで上記屈曲試験を行った後のカール角度の平均値は、151°以下である。
当該カール角度の平均値が151°を超えると、屈曲後のフィルムの元の状態に戻ろうとする復元力が足りず、高温条件下での耐屈曲性が不十分となる。耐屈曲性が不十分となる場合には、例えばディスプレイを開いたときにフィルムに変形が生じ、ディスプレイの視認性を低下させるなど、ディスプレイの機能に悪影響を与える可能性がある。一方、当該カール角度の平均値が151°以下であれば、高温条件下における耐屈曲性が良好といえ、高温条件下であっても、フィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
かかる観点から、当該カール角度の平均値は、好ましくは147°以下、より好ましくは143°以下である。
(第2態様)
第2態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれで上記屈曲試験を行った後のカール角度の平均値は、121°以下である。
当該カール角度の平均値が121°を超えると、屈曲後のフィルムの元の状態に戻ろうとする復元力が足りず、高温条件下での耐屈曲性が不十分となる。耐屈曲性が不十分となる場合には、例えばディスプレイを開いたときにフィルムに変形が生じ、ディスプレイの視認性を低下させるなど、ディスプレイの機能に悪影響を与える可能性がある。一方、当該カール角度の平均値が121°以下であれば、高温条件下における耐屈曲性が良好といえ、高温条件下であっても、フィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
かかる観点から、当該カール角度の平均値は、好ましくは114°以下、より好ましくは108°以下である。
(第3態様)
第3態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれで上記屈曲試験を行った後のカール角度の平均値は、128°以下である。
当該カール角度の平均値が128°を超えると、屈曲後のフィルムの元の状態に戻ろうとする復元力が足りず、高温条件下での耐屈曲性が不十分となる。耐屈曲性が不十分となる場合には、例えばディスプレイを開いたときにフィルムに変形が生じ、ディスプレイの視認性を低下させるなど、ディスプレイの機能に悪影響を与える可能性がある。一方、当該カール角度の平均値が128°以下であれば、高温条件下における耐屈曲性が良好といえ、高温条件下であっても、フィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
かかる観点から、当該カール角度の平均値は、好ましくは121°以下、より好ましくは115°以下である。
<歪み5%時の応力>
本フィルムの歪み5%時の応力は、実施例に記載の方法で測定できる。
歪み5%においてフィルムを構成する高分子鎖は塑性変形し、除荷しても元の形状に戻らずに永久歪みが残る。熱処理によって歪み5%時の応力が上昇することは、高分子鎖のコンフォメーションが安定化していることを示す。すなわち変形に対する抵抗が増大し、変形跡が付きにくく、変形耐性に優れるよう変質したと評価することができる。前記歪み5%時の応力は平均値で評価し、ここでいう平均値とは、長手方向(MD)の歪み5%時の応力と幅方向(TD)の歪み5%時の応力の平均値を意味する。
前記歪み5%時の応力は、使用するポリエステル、延伸倍率及び延伸温度等の製膜条件によって調整することができるが、歪み5%時の応力の増加は、ポリエステルフィルムに熱固定処理工程後に熱処理を施したり、また、熱固定処理工程後の熱処理条件を調整したりすることによって制御することができる。
本フィルムは、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Xb)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Yb)との比(Xb/Yb)が、1.01以上であることが好ましい。
当該歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)は、熱処理前のフィルムに対する、熱処理後のフィルムの変形耐性の改良度合いを表し、当該歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)が大きければ大きいほど、熱固定処理工程後の熱処理による変形耐性の改良効果が大きいといえる。
したがって、当該歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)が1.01以上であれば、熱固定処理工程後の熱処理による変形耐性の改良効果が十分といえる。そして、変形によって加えられる応力への耐性が良好となり、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことが可能となる。
かかる観点から、当該歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)は、好ましくは1.02以上である。当該歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)の上限値は、1.70程度である。
次に、第1~3態様のフィルムの物性について説明する。
前記歪み5%時の応力の絶対値も、上述のとおり、延伸倍率及び延伸温度等の製膜条件によって調整することができるが、使用するポリエステルに大きく依存する。
第1~3態様のフィルムにおいて、特定のポリエステルを含み、かつ、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値を特定の値の範囲とすることで、熱処理前後の歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)も所望の値の範囲となる。
したがって、第1~3態様のフィルムにおいて、特定のポリエステルを含有し、歪み5%時の応力の平均値を特定の値とすることで、具体的には熱処理工程後の熱処理によって高分子鎖のコンフォメーションが安定化し、結果として変形耐性が向上する。
(第1態様)
第1態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値は、110MPa以上であることが好ましい。
当該歪み5%時の応力の平均値が110MPa以上であれば、変形によって加えられる応力への耐性が良好となり、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことが可能となる。
かかる観点から、当該歪み5%時の応力の平均値は、より好ましくは111MPa以上、さらに好ましくは112MPa以上である。
なお、当該歪み5%時の応力の平均値の上限値は、特に制限されないが、140MPa程度である。
(第2態様)
第2態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値は、147MPa以上であることが好ましい。
当該歪み5%時の応力の平均値が147MPa以上であれば、変形によって加えられる応力への耐性が良好となり、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことが可能となる。
かかる観点から、当該歪み5%時の応力の平均値は、より好ましくは148MPa以上、さらに好ましくは149MPa以上である。
なお、当該歪み5%時の応力の平均値の上限値は、特に制限されないが、180MPa程度である。
(第3態様)
第3態様のフィルムは、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値は、140MPa以上であることが好ましい。
当該歪み5%時の応力の平均値が140MPa以上であれば、変形によって加えられる応力への耐性が良好となり、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことが可能となる。
かかる観点から、当該歪み5%時の応力の平均値は、より好ましくは141MPa以上、さらに好ましくは142MPa以上である。
なお、当該歪み5%時の応力の平均値の上限値は、特に制限されないが、170MPa程度である。
<<用途>>
本フィルムは、高温条件下において優れた耐屈曲性を有することから、ディスプレイ用、特にフレキシブルディスプレイ用として好適に用いることができる。フレキシブルディスプレイとしては、折り畳めるフォルダブルディスプレイ、折り返し曲げが可能なベンダブルディスプレイ、巻き取ることができるローラブルディスプレイ、伸縮されるストレッチャブルディスプレイ等が挙げられる。本フィルムは、中でもフォルダブルディスプレイ用として好ましく用いられる。
なお、上記フォルダブルディスプレイは3つ折り、4つ折りであってもよい。
また、ディスプレイは、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、パソコン等において使用するとよい。ディスプレイの種類は、特に制限されないが、LCD、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LED、FED等が挙げられ、折り曲げ可能なLCD、有機EL、無機ELが好ましい。中でも、層構成を少なくすることができる有機EL、無機ELがより好ましく、色域の広い有機ELがさらに好ましい。
本発明において、フレキシブルディスプレイ用とは、フレキシブルディスプレイの構成部材であれば、どの部分に用いられてもよく、例えば表示装置の表面側を保護するフィルム(表面保護フィルム)、タッチセンサー用基材フィルム、表示装置の裏面側を保護するフィルム(裏面保護フィルム)等が挙げられる。
<<語句の説明>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」あるいは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<評価方法>
(1)粒子の平均粒径
ポリエステルフィルムに添加される粒子の平均粒径を以下の方法で測定した。株式会社島津製作所製の遠心沈降式粒度分布測定装置(SA-CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分布50%の粒径(d50)を平均粒径とした。
(2)高温(90℃)条件下での耐屈曲性(カール角度)
ポリエステルフィルムの任意の場所から長手方向(MD)100mm×幅方向(TD)30mmに試験片を切り出し、長手方向(MD)が半分に折り畳まれる形で2.0mmの隙間にフィルムを保持し、加湿をしていない90℃のオーブンに6時間静置した。その後室温に取り出して直ちに屈曲を開放し、そのまま24時間放置した後のカール角度(MD)を測定した。カール角度(MD)は同一フィルムから3箇所測定し、平均値をカール角度(MD)とした。カール角度(TD)は、ポリエステルフィルムの任意の場所から長手方向(MD)30mm×幅方向(TD)100mmに試験片を切り出し、幅方向(TD)が半分に折り畳まれる形で2.0mmの隙間にフィルムを保持し、以降は同様にしてカール角度(TD)を測定した。
前記カール角度は、より詳細には以下のとおりに測定した。24時間放置後の試験片を、折れ跡の方向が鉛直方向となるように台上に静置し、図1のように、真上から見た場合の折れ跡のなす角度(折れ跡角度)を測定した。カール角度は、180°から折れ跡角度を引いた値とした。
また、測定した長手方向(MD)のカール角度(前記カール角度(MD))と幅方向(TD)のカール角度(前記カール角度(TD))の平均値を算出し、カール角度の平均値とした。
(3)歪み5%時の応力
ポリエステルフィルムの任意の場所から長手方向(MD)150mm×幅方向(TD)15mmに試験片を切り出し、株式会社インテスコ製引張試験機 Model2005にて、チャック間50mm、試験速度200mm/minで引張試験を行い、歪み5%時の応力(MD)を測定した。同様にして長手方向がTD、幅方向がMDとなるよう切り出した試験片を用い、歪み5%時の応力(TD)を測定した。
また、測定した長手方向(MD)の歪み5%時の応力(前記歪み5%時の応力(MD))と幅方向(TD)の歪み5%時の応力(前記歪み5%時の応力(TD))の平均値を算出し、歪み5%時の応力の平均値とした。
<使用した材料>
[ポリエチレンテレフタレート(PET)]
ジカルボン酸(a-1):テレフタル酸=100モル%、ジオール(b-1):エチレングリコール=100モル%を用いた。
また、PETに平均粒径2.3μmのシリカ粒子を0.7質量%含有するマスターバッチ(PET-粒子マスターバッチ)も用いた。
[ホモポリエチレンナフタレート(ホモPEN)]
ジカルボン酸(a-2)2,6-ナフタレンジカルボン酸=100モル%、ジオール(b-2):エチレングリコール=100モル%を用いた。
[ポリエチレンナフタレート共重合体(PEN共重合体)]
ジカルボン酸(a-3):2,6-ナフタレンジカルボン酸=100モル%、ジオール(b-3):エチレングリコール=95モル%、ビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物=5モル%を用いた。
(実施例1)
表層としてPET(70質量%)とPET-粒子マスターバッチ(30質量%)をドライブレンドした原料を、中間層としてPET(100質量%)をそれぞれ用いて、それぞれ別個の二軸スクリュー押出機に投入し、共に280℃で押出をして、静電印加密着法を用いて25℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、2種3層の未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に86℃で3.2倍に延伸した。さらに、テンター内にて100℃で予熱した後、幅方向(TD)に115℃で4.2倍に延伸した。最後に235℃で熱固定処理を施し、厚み50μm(厚み比;表層/中間層/表層=1/8/1)のポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに110℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ホモPENを二軸スクリュー押出機に投入し、300℃で押出をして、静電印加密着法を用いて50℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に128℃で3.4倍に延伸した。さらに、テンター内にて125℃で予熱した後、幅方向(TD)に135℃で4.1倍に延伸した。最後に230℃で熱固定処理を施し、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに100℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3~6)
表1に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例2と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
PEN共重合体を二軸スクリュー押出機に投入し、300℃で押出をして、静電印加密着法を用いて50℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に128℃で3.4倍に延伸した。さらに、テンター内にて125℃で予熱した後、幅方向(TD)に135℃で4.1倍に延伸した。最後に210℃で熱固定処理を施し、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに100℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(実施例8~10)
表1に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例7と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1~2)
表1に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例1と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
表1に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例2と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
表1に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例7と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
(参考例1)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
なお、実施例1及び比較例1~2を熱処理後のフィルムとすると、参考例1がそれらの熱処理前のフィルムに相当する。
(参考例2)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例2と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
なお、実施例2~6及び比較例3を熱処理後のフィルムとすると、参考例2がそれらの熱処理前のフィルムに相当する。
(参考例3)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例7と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
なお、実施例7~10及び比較例4を熱処理後のフィルムとすると、参考例3がそれらの熱処理前のフィルムに相当する。
Figure 2023090081000001
Figure 2023090081000002
以上の実施例に示すように、ポリエステルフィルムに熱固定処理工程後に熱処理を施し、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)を特定の値以下とすることで、熱固定処理工程後の熱処理による耐屈曲性の改良効果が十分なものとなり、高温条件下における耐屈曲性が優れるものとなった。
これに対し、比較例のポリエステルフィルムは、実施例と同じ組成であるにも関わらず、上記のカール角度の平均値の比(Xa/Ya)が特定の値を超えていたため、高温条件下での耐屈曲性が十分なものとならなかった。
また、以上の実施例に示すように、熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Xb)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Yb)との比(Xb/Yb)を特定の値以上とすることで、熱固定処理工程後の熱処理による変形耐性の改良効果が十分なものとなる。
これに対し、比較例のポリエステルフィルムは、実施例と同じ組成であるにも関わらず、上記の歪み5%時の応力の平均値の比(Xb/Yb)が特定の値を満たさなかったため、変形耐性の十分なものとならなかった。
したがって、実施例のポリエステルフィルムは、高温条件下における耐屈曲性、そして変形によって加えられる応力への耐性が良好であることから、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
次に、第1~3態様のフィルムの実施例を示す。
<第1態様>
(実施例1-1)
表層としてPET(70質量%)とPET-粒子マスターバッチ(30質量%)をドライブレンドした原料を、中間層としてPET(100質量%)をそれぞれ用いて、それぞれ別個の二軸スクリュー押出機に投入し、共に280℃で押出をして、静電印加密着法を用いて25℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、2種3層の未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に86℃で3.2倍に延伸した。さらに、テンター内にて100℃で予熱した後、幅方向(TD)に115℃で4.2倍に延伸した。最後に235℃で熱固定処理を施し、厚み50μm(厚み比;表層/中間層/表層=1/8/1)のポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに110℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例1-1~1-2)
表3に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例1-1と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例1-3)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例1-1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
Figure 2023090081000003
第1態様においては、以上の実施例に示すように、ポリエチレンテレフタレートを含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値を、151°以下とすることで、高温条件下における耐屈曲性が優れるものとなった。
これに対し、比較例のポリエステルフィルムは、実施例と同じ組成であるにも関わらず、カール角度の平均値が151°を超えていたため、高温条件下での耐屈曲性が十分なものとならなかった。
<第2態様>
(実施例2-1)
ホモPENを二軸スクリュー押出機に投入し、300℃で押出をして、静電印加密着法を用いて50℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に128℃で3.4倍に延伸した。さらに、テンター内にて125℃で予熱した後、幅方向(TD)に135℃で4.1倍に延伸した。最後に230℃で熱固定処理を施し、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに100℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表4に示す。
(実施例2-2~2-5、比較例2-1)
表4に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例2-1と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表4に示す。
(比較例2-2)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例2-1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表4に示す。
Figure 2023090081000004
第2態様においては、以上の実施例に示すように、ホモポリエチレンナフタレートを含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値を、121°以下とすることで、高温条件下における耐屈曲性が優れるものとなった。
これに対し、比較例のポリエステルフィルムは、実施例と同じ組成であるにも関わらず、カール角度の平均値が121°を超えていたため、高温条件下での耐屈曲性が十分なものとならなかった。
<第3態様>
(実施例3-1)
PEN共重合体を二軸スクリュー押出機に投入し、300℃で押出をして、静電印加密着法を用いて50℃に設定した冷却ロール上で冷却固化させることで、未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートをロール延伸機で長手方向(MD)に128℃で3.4倍に延伸した。さらに、テンター内にて125℃で予熱した後、幅方向(TD)に135℃で4.1倍に延伸した。最後に210℃で熱固定処理を施し、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
そして、得られたポリエステルフィルムに100℃で1時間オフラインアニール処理を実施して、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表5に示す。
(実施例3-2~3-4、比較例3-1)
表5に記載の熱処理条件でオフラインアニール処理を実施したこと以外は、実施例3-1と同様にして、熱固定処理工程後に熱処理が施されたポリエステルフィルムを得た。評価結果を表5に示す。
(比較例3-2)
熱固定処理工程後に熱処理を施さなかったこと以外は、実施例3-1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表5に示す。
Figure 2023090081000005
第3態様においては、以上の実施例に示すように、ポリエチレンナフタレート共重合体を含み、長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値を、128°以下とすることで、高温条件下における耐屈曲性が優れるものとなった。
これに対し、比較例のポリエステルフィルムは、実施例と同じ組成であるにも関わらず、カール角度の平均値が128°を超えていたため、高温条件下での耐屈曲性が十分なものとならなかった。
本発明のポリエステルフィルムは、高温条件下において優れた耐屈曲性を有することから、高温条件下であっても、例えばディスプレイを開いたときのフィルムの変形が少なく、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
このように、本発明のポリエステルフィルムは、従来課題とされていた、高温下での耐屈曲性改良が達成されており、特にフレキシブルディスプレイ用に好適に用いることができる。
したがって、本開示の実施形態は、折り畳んだり、折り返し曲げたり、丸めたり、伸縮したりできるフレキシブルディスプレイパネルの長所を利用したフォルダブルディスプレイ、ベンダブルディスプレイ、ローラブルディスプレイ、ストレッチャブル等のフレキシブルディスプレイに有用である。

Claims (9)

  1. 熱処理が施されたポリエステルフィルムであって、
    熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Xa)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれのカール角度の平均値(Ya)との比(Xa/Ya)が、0.95以下である、ポリエステルフィルム。
    (ここで、カール角度とは、以下の測定条件後につく折れ跡のなす角度を180°から引いた値を指す。
    測定条件:2.0mmの隙間にフィルムを180°折り畳んで屈曲保持し、90℃のオーブンに6時間静置する。その後、室温に取り出して屈曲を開放し、そのまま24時間放置する。)
  2. 熱処理後のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Xb)と、熱処理前のフィルムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)それぞれの歪み5%時の応力の平均値(Yb)との比(Xb/Yb)が、1.01以上である、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 厚みが9~125μmである、請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 二軸延伸フィルムである、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  5. フレキシブルディスプレイ用である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリエステルフィルムを備えたフレキシブルディスプレイ。
  7. ポリエステルフィルムの製造方法であって、
    温度100~160℃、時間15~90分で熱処理を施す工程を有し、
    前記熱処理を熱固定処理工程後に施す、
    ポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 前記熱処理が、アニール処理である、請求項7に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  9. 前記熱処理をオフラインで施す、請求項7又は8に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
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