なお本明細書において、案件とは顧客からの注文を意味し、その登録情報は、顧客名、納入先などから構成されているものとする。しかし、これに限定されるものではない。
また以下の説明では、製品として昇降機を例示するが、これ以外の製品として、受注生産方式による製品であり、かつ部品数が多品種少量である傾向を示す製品であれば広く適用可能であり、本発明による効果が顕著に表れる。
以下、本発明に係る部品型式予測装置の一実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る部品型式予測装置1の機能ブロックの一例を示す図である。本実施例の部品型式予測装置1は、各々ネットワークNwを介して、ユーザが使用するユーザ端末50と、データが保存された外部のデータベースDB2に接続されている。
ユーザ端末50は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。ユーザは、ユーザ端末50を通して計算機で構成された部品型式予測装置1に処理の実行指示を出す。また、ユーザ端末50は、部品型式予測装置1が出力する情報を、出力部40を介して、ユーザへ表示する機能を有する。なお、外部のデータベースDB2は、例えばERP(Enterprise Resources Plannning)等のシステム、またはそれに準じるデータを蓄積したデータベース、または記憶装置である。
ネットワークNwは、ユーザ端末50と、データベースDB2と、部品型式予測装置1を通信可能に接続する。ネットワークNwは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、インターネット等の一般公衆回線を一部または全部に用いた通信網のいずれかである。
部品型式予測装置1は、PCまたはサーバーコンピュータ等の情報処理装置であり、記憶部DB1と、演算部CPUと、入力部30と、出力部40を備える。
記憶部DB1は、入庫・出庫・在庫情報D1と、予測部品情報D2と、過去案件情報D3と、類似仕様情報D4と、統一仕様情報D5と、新過去案件情報D6と、仕様グループ情報D7と、相関度情報D8と、スコア情報D9と、仕様選定結果情報D10と、予測対象案件情報D11と、型式予測情報D12を記憶する。
なお、これらの情報は、あらかじめ記憶されている初期情報と、演算結果である最終成果物情報と、演算途中に求められる中間生成物情報とに分けて把握することができる。初期情報は入庫・出庫・在庫情報D1と過去案件情報D3と予測対象案件情報D11であり、図1では点線で表示している。最終成果物情報は予測部品情報D2と型式予測情報D12であり、図1では太実線で表示している。これ以外は中間生成物情報であり、図1では細実線で表示している。これらの情報の詳細については、逐次の説明の中で説明する。
演算部CPUは、ここで実行される処理内容を機能的に表すと、情報取得部11と、対象部品選定部12と、仕様グルーピング部13と、相関度測定部14と、仕様選定部15と、型式予測部16を有するものということができる。ここでは、各機能の概要のみを説明する。
このうちまず情報取得部11は、記憶部DB1から、対象部品選定部12と、仕様グルーピング部13と、相関測定部14と、仕様選定部15と、型式予測部16での処理に必要な情報を取得し、記憶部DB1に処理結果を格納する。
なお処理開始時点において記憶部DB1には、図1に細線により表記した初期情報として、入庫・出庫・在庫情報D1と過去案件情報D3と予測対象案件情報D11が格納されている。
対象部品選定部12は、入庫・出庫・在庫情報D1から、昇降機全部品の中で、欠品や過剰在庫の可能性がある部品を抽出し、予測部品情報D2として記憶部DB1に処理結果を格納する。
仕様グルーピング部13は、予測部品情報D2に基づき、初期情報である過去案件情報D3から抽出した各仕様項目の類似性を分析後、分析データを類似仕様情報D4として記憶部DB1に格納する。さらに類似仕様情報D4を用いて、表記は異なるが同一内容の仕様の項目名を統一化し、統一仕様情報D5として記憶部DB1に格納する。その後統一仕様情報D5に基づき、過去案件情報D3の仕様項目を統一化し、新過去案件情報D6として記憶部DB1へ格納する。次に、新過去案件情報D6から、仕様の入力傾向を基に仕様を複数のグループに分類し、仕様グループ情報D7として記憶部DB1へ格納する。
相関度測定部14は、仕様グループ情報D7のグループごとに、仕様と型式の相関度が高い順に仕様を並替え、相関度情報D8として記憶部DB1に格納する。また、使用頻度が少ない仕様を削除するため、新過去案件情報D6を用いて、各仕様で該当する過去案件数を集計し、相関度情報D8の過去案件数として記憶部DB1格納する。
仕様選定部15は、相関度情報D8から、過去案件数が少ない仕様情報を除き、グループごとに相関度の高い順に仕様の組合せを抽出する。そして新過去案件情報D6から、予測モデルを学習し、学習したモデルの予測精度をスコア情報D9として記憶部DB1に格納する。また、スコア情報D9から、グループごとに最もスコアの小さい仕様の組合せを抽出し、仕様選定結果情報D10として記憶部DB1へ格納する。
型式予測部16は、仕様選定結果情報D10と、新過去案件情報D6から、仕様グループごとに予測モデルを学習し、予測対象案件情報D11の案件ごとに、予測対象の部品型式を予測し、予測結果を型式予測情報D12として記憶部DB1へ格納する。
入力部30は、ネットワークNwを介してユーザ端末50と、データベースDB2に接続され、データベースDB2から入庫・出庫・在庫情報D1と、過去案件情報D3と、予測対象案件情報D11を受け取り、記憶部DB1へ格納する。これにより記憶部DB1には、以降の処理を実施するに必要な初期情報が確保されたことになる。
出力部40は、記憶部DB1に記憶している予測部品情報D2と、仕様グループ情報D7と、相関度情報D8と、スコア情報D9と、仕様選定結果情報D12と、型式予測情報D12をユーザ端末50へ送信し、ユーザに結果を表示する機能を有する。
次に、本実施例における部品型式予測装置1が実行する処理の流れについて、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の一連の処理は、外部のデータベースDB2に入庫・出庫・在庫情報D1と、過去案件情報D3と、予測対象案件情報D11が記録されていることを前提とし、例えば、ユーザ端末50へのユーザからの開始コマンドに応じて開始される。
ユーザからの開始コマンドに応じて、情報取得部11は、ネットワークNwを介して、データベースDB2から、入庫・出庫・在庫情報D1と、過去案件情報D3を取得し、記憶部DB1へ格納する。これにより記憶部DB1には、以降の処理を実施するに必要な初期情報が確保されたことになる。
係る状態において、処理ステップS1では、対象部品選定部12が、入庫・出庫・在庫情報D1から、欠品や過剰在庫の可能性がある部品を対象部品として選定する。この時に使用される初期情報である入庫・出庫・在庫情報D1は、図3に例示されるところのデータを含んでいる。
図3は入庫・出庫・在庫情報D1のデータ構造の一例である。入庫・出庫・在庫情報D1には、昇降機全部品の入庫実績D1d・出庫実績D1e・在庫実績D1f・安全在庫D1gの情報が、部品D1aと、型式D1bと、日付D1cとともに格納されている。
ここでは、部品D1aは、部品を識別する番号情報を示す。型式D1bは、部品を構成する部品型式の番号を示す。日付D1cは、入庫・出庫・在庫実績の集計日を示す。入庫量D1dは、部品の入庫実績数を示し、例えば図3の「型式1」は、「’21/1」に100台入庫したことを示す。出庫量D1eは、部品の出庫実績数を示し、例えば図2の「型式1」は、「’21/1」に300台出庫したことを示す。在庫量D1fは、部品の在庫実績数を示し、例えば図3の「型式1」は、「’21/1」に350台の在庫が存在したことを示す。安全在庫量D1gは、部品の安全在庫数を示し、例えば図3の「型式1」の安全在庫数は、300台であることを示す。
処理ステップS2での欠品や過剰在庫の判断では、例えば、図3の型式D1bが「型式1」で、日付D1cが「‘21/2~’21/6」の場合、在庫数D1fは50台~40台と、安全在庫D1gの「300台」以下となっている。このように、在庫数D1fが安全在庫数D1gを下回る部品は、欠品の可能性があると判断する。また同様に、図3の型式D1bが「型式2」で、日付D1cが「‘21/1~’21/6」の場合、在庫数D1fは1000台~D40台と、安全在庫数D1fの「100台」以上になっていることが分かる。このように、在庫数D1fが安全在庫数D1fを上回る部品は、過剰在庫の可能性があると判断する。そのため型式1と、型式2は対象部品として扱われることとし、図4の予測部品情報D2として記憶部DB1に格納する。以下においては、処理ステップS1で選定した対処部品ごとに処理ステップS2~処理ステップS9の処理を繰り返すことになる。
図4は、処理ステップS1で作成された予測部品情報D2のデータ構造の一例である。予測部品情報D2には、図3の入庫・出庫・在庫情報D1に登録された部品情報から、欠品や過剰在庫の可能性が高い部品を抽出した結果が格納されており、予測対象部品D2aと、部品型式D2bから構成される。予測対象部品D2aは、予測対象の部品名を示す。部品型式D2bは、部品の型式を示し、例えば図4の予測対象部品D2aが「部品1」の場合、部品型式D2bには型式1、型式2、型式3、型式4、型式5の型式がある。
次に図2のフローの処理ステップS2では、初期情報である過去案件情報D3を読みこむ。図5は過去案件情報D3のデータ構造の一例である。
図5の過去案件情報には、予測部品情報D2に登録された部品の過去案件に関する情報が格納されており、案件D3aと、顧客名D3bと、納期D3cと、積載重量D3d、重量D3e、積載D3f、重さD3g、速度D3h、速さD3i、ドア幅D3j、開き方向D3k、ドア形式D3lなどの昇降機の仕様情報と、部品名D3mと、型式名D3nから構成される。
このうち案件D3aは、案件を識別する番号情報を示す。顧客名D3bは、各案件の顧客名称を示す。納期D3cは、顧客への製品引渡の期限を示す。
積載重量D3d、重量D3e、積載D3f、重さD3gは、顧客が希望する製品の積載重量を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、顧客は500kgまで積載可能な製品を希望している。なお積載重量について、積載重量D3d、重量D3e、積載D3f、重さD3gなどの表記をしているのは、仕様の内容は同一だが表記にゆれが生じている例も少なくないことから、表記の揺れがあっても仕様を一義的に把握可能としたものである。
速度D3h、速さD3iは、顧客が希望する製品の速度を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、顧客は120m/minの速度の製品を希望している。ドア幅D3jは、顧客が希望する製品のドア幅を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、顧客は1000mmのドア幅の製品を希望している。開き方向D3kは、顧客が希望する製品の開き方向を示す。例えば、図5の案件D3aが「2」の案件の場合、顧客はLの開き方向の製品を希望している。ドア形式D3lは、構成するドアの製品形式を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、顧客は形式1のドアを希望している。部品名D3mは、対象の部品名を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、部品名は部品1を構成している。型式名D3nは、対象の部品型式を示す。例えば、図5の案件D3aが「1」の案件の場合、部品型式は型式1である。なお、各データ項目において、データが無記入の場合は「―」としている。
次に図2のフローの処理ステップS3では、仕様ごとにグルーピングを行う。この処理は、オーダ機種などにより、案件ごとに使われる仕様情報が異なるため、仕様を複数のグループに分ける必要があることによるものである。
そこで処理ステップS3においては、仕様グルーピング部13が過去案件情報D3の仕様項目を抽出した後、第1番目の処理として抽出した各仕様項目の類似性を、自然言語処理などを用いて分析し、類似する仕様項目と、類似度のスコアを類似仕様情報D4として記憶部DB1へ格納する。さらに第2番目の処理として類似仕様情報D4において、例えば類似度が0.5以上の類似仕様を異なる表記だが同じ内容の仕様としてグルーピングし、統一仕様情報D5として記憶部DB1へ格納する。さらに第3番目の処理として統一仕様情報D5を用いて、過去案件情報D3内で同じ内容で異なる表記の仕様項目を統一化し、新過去案件情報D6として記憶部DB1へ処理結果を格納する。その第4番目の処理として後新過去案件情報D6において、使用される仕様の傾向から、仕様情報をグルーピングし、仕様グループ情報D7へ処理結果として記憶部DB1を格納する。
第1番目の処理に関して、具体的にはまず、仕様グルーピング部13は、図5の過去案件情報D3について、仕様項目(積載重量D3d、重量D3e、積載D3f、重さD3g、速度D3h、速さD3i、ドア幅D3j、開き方向D3k、ドア形式D3l)に着目し、類似する仕様項目を分析し、類似仕様と、類似度を図6の類似仕様情報D4として記憶部DB1へ格納する。
図6は、類似仕様情報D4のデータ構造の一例である。類似仕様情報D4には、過去案件情報D3に登録された各仕様項目に類似した仕様が格納されており、仕様項目D4aと、類似仕様D4bと、スコアD4cから構成される。仕様項目D4aは、過去案件情報D3に登録された仕様項目名を示す。例えば、図6の類似仕様情報D4の仕様項目D4aは、図5の過去案件情報D3の仕様項目が「積載重量D3d」の場合のデータを示している。類似仕様D4bは、過去案件情報D3に登録された仕様項目のうち、類似仕様情報D4の各仕様項目以外の仕様項目を示している。例えば、図6の類似仕様情報D4の仕様項目D4aが「積載重量」の場合、類似仕様D4bは、図5の過去案件情報D3の仕様項目のうち積載重量以外の仕様項目である、重量D3e、積載D3f、重さD3g、速度D3hなどとなる。スコアD4cは、各仕様項目D4aと類似仕様D4bの類似度を数値で示している。例えば、図6の類似仕様情報D4の仕様項目が「積載重量」で、類似仕様が「重量」の場合、スコアは、この2仕様の類似度が0.98である事を示す。
例えば、仕様項目D4aが「積載重量」の場合、コサイン類似度などを用いて、「重量」、「積載」、「重さ」、「ドア幅」などの他の仕様項目D4aとの類似性を分析し、類似仕様情報D4として記憶部DB1へ処理結果を格納する。ここで、図5の類似仕様情報D4の仕様項目が「積載重量」である場合、類似仕様の「重量」との類似度は、「0.98」、類似仕様の「積載」との類似度は、「0.83」となる。
次に第2番目の処理に関して、図6の類似仕様情報D4を用いて、仕様表記は異なるが同じ内容の仕様項目を統一化し、図7の統一仕様情報D5として記憶部DB1へ処理結果を格納する。
図7は、統一仕様情報D5のデータ構造の一例である。統一仕様情報D5は、統一前D5aと統一後D5bから構成される。例えば、図6の類似仕様情報D4の類似度(スコア) D4cが「0.5」以上の類似仕様D4bを、表記が異なるが同じ内容の仕様とした時、図6の類似仕様情報D4の仕様項目D4aが「積載重量」と同一内容の仕様は、「重量」、「積載」、「重さ」となる。
その後、図7の統一仕様情報D5において、グルーピングした類似仕様である「積載重量」、「積載」、「重量」、「重さ」を統一前D5aへ、最初に分析した仕様項目である「積載重量」を統一後D5bへ格納する。ここで、類似仕様の分析は、図5の過去案件情報D3の仕様項目順に進めて行くが、仕様項目が、前に分析した仕様項目の類似仕様としてグルーピング済である場合、分析は行わないものとする。
例えば、図4の過去案件情報D3の仕様項目が「重量」の場合、仕様項目が「積載重量」の分析の際に類似仕様としてグルーピングされ、図6の統一仕様情報D5の「統一前」カラムD5aに格納済なため分析は行わず、次の仕様項目である「速度」の分析を開始する。
次に第3番目の処理に関して、その後、図7の統一仕様情報D5を用いて、図5の過去案件情報D3の仕様項目の表記を統一化し、新過去案件情報D6として記憶部DB1へ処理結果を格納する。
図8は新過去案件情報D6のデータ構造の一例である。新過去案件情報D6には、統一仕様情報D5の仕様表記の統一化に基づき、過去案件情報D3の仕様情報を修正した結果が格納されており、案件D6aと、顧客名D6bと、納期D6cと、積載重量D6dと、速度D6eと、ドア幅D6fと、開き方向D6gと、ドア形式D6hと、部品名D6iと、型式名D6jから構成される。
それぞれの項目の内容は、過去案件情報D3の項目と同一である。例えば、図8の新過去案件情報D6の場合、図5の過去案件情報D3の「積載重量」、「重量」、「積載」、「重さ」の仕様表記が「積載重量」に、「速度」、「速さ」の仕様表記が「速度」に統一化され、統一前のカラムは全て統一後のカラムに集約される。
例えば、図5の過去案件情報D3で、案件が「1」の場合、重量が「500kg」、積載が「500kg」、重さが「500kg」の仕様項目は、図7の統一仕様情報D5の統一後によると「積載重量」であるため、「積載重量」へ表記を統一化し、新過去案件情報D6として記憶部DB1へ処理結果を格納する。
さらに第4番目の処理に関して、新過去案件情報D6を用いて、使用される仕様の傾向が似ている仕様情報を、他クラス分類などの過去の傾向から対象の特性を分類できる解法により分類し、分類の結果を仕様グループ情報D7として記憶部DB1へ格納する。
図9は仕様グループ情報D7のデータ構造の一例である。仕様グループ情報D7には、図8の新過去案件情報D6において、仕様を複数のグループに分類した結果が格納されており、仕様グループD7aと、仕様情報D7bから構成される。仕様グループD7aは、仕様情報のグループを識別する仕様グループ名称を示す。仕様情報D7bは、仕様グループに属する仕様情報を示す。例えば、図9の仕様グループが「グループ1」の場合、属する仕様情報は、「積載重量」、「速度」、「ドア幅」、「ドア形式」である。
例えば、図8の新過去案件情報D6で案件が「1」の場合、開き方向の記載が無いため、使用される仕様は「積載重量・速度・ドア幅・ドア形式」となる。また、案件が「2」や「3」の場合、ドア幅の記載が無いため、使用される仕様は、「積載重量・速度・開き方向・ドア形式」となる。このように使われる仕様の傾向から、「積載重量・速度・ドア幅・ドア形式」の仕様グループ1と、「積載重量・速度・開き方向・ドア形式」の仕様グループ2に分け、その結果を仕様グループ情報D7として記憶部DB1へ格納する。
図2に戻り、処理ステップS4において、相関度測定部14が、新過去案件情報D6と、仕様グループ情報D7から、仕様グループごとに仕様と型式の相関度を測定し、相関度情報D8として記憶部DB1へ格納する。
図10は相関度情報D8のデータ構造の一例である。相関度情報D8には、仕様グループ情報D7の仕様グループごとに、新過去案件情報D6の仕様情報と部品型式との相関度を分析した結果が格納されており、仕様グループD8aと、仕様情報D8bと、相関度D8cと、過去案件数D8dから構成される。仕様グループD8aは、仕様情報D8aのグループを識別する仕様グループ名称を示す。仕様情報D8aは、仕様グループに属性する仕様情報を示す。相関度D8cは、新過去案件情報D6における仕様情報と予測対象の型式との相関度を示す。
例えば、図10の仕様グループD8aが「グループ1」で、仕様情報D8bが「積載重量」の場合、相関度D8cは、0.97となる。過去案件数D8dは、新過去案件情報D6における該当する仕様の案件数を示す。例えば、図9の仕様グループが「グループ1」で、仕様情報が「積載重量」の場合、過去案件数は、33となる。
具体的には、例えば、図9の仕様グループ情報D7が「グループ1」の場合、仕様情報は、「積載重量」、「速度」、「ドア幅」、「ドア形式」となる。図8の新過去案件情報D6から、これらの仕様情報と予測対象の型式との相関度をクラメールの連関係数などを用いて算出し、相関度情報D8として記憶部DB1へ格納する。また、新過去案件情報D6を用いて、各仕様情報が使われた案件数を集計し、相関度情報D8の過去案件数D8dとして記憶部DB1へ格納する。
次に、図2の処理ステップS5において、情報取得部11が、ネットワークNwを介して、データベースDB2から、最新の予測対象案件情報D11を取得し、記憶部DB1へ格納する。次に、仕様選定部13は、処理ステップS6からS7の処理を、後述の処理ステップS7で生成したスコアが改善しなくなるまで繰り返す。
処理ステップS6からS7の繰り返し処理において、まず処理ステップS6では、仕様情報選定部13は、相関度情報D8から、仕様グループごとに仕様の組合せ候補を抽出し、スコア情報D9として記憶部DB1へ処理結果を格納する。
具体的には、まずは、相関度情報D8から、無相関検定などを用いて使用頻度の低い仕様を除外する。例えば、図9の相関度情報D8の仕様グループが「グループ1」の場合、相関度の高い仕様情報は、上から順に、「積載重量」、「速度」、「ドア幅」、「ドア形式」となる。無相関検定を用いた結果、予測で必要な案件数が10であった場合、仕様情報が「速度」の過去案件数は8であるため、この仕様は対象外する。このように使用頻度の低い仕様を除外した後、相関度の高い仕様情報を上から順に組合せ、スコア情報D9として記憶部DB1へ結果を格納する。例えば、前述の例の場合、相関度の高い仕様順に、仕様の組合せを設定すると、「積載重量」、「積載重量・ドア幅」、「積載重量・ドア幅・ドア形式」となる。これらの仕様の組合せ候補をスコア情報D9として記憶部DB1へ格納する。
繰り返し処理の処理ステップS7では、仕様選定部13は、新過去案件情報D6と、スコア情報D9から、仕様組合せ候補の上から順に、型式予測モデルを学習し、予測モデルの予測誤差を算出し、その結果をスコア情報D9として記憶部DB1へ格納する。
図11はスコア情報D9のデータ構造の一例である。スコア情報D9には、相関度情報D8と、新過去案件情報D6から、仕様グループごとに相関度の高い仕様を組合せ、予測モデルを学習した際の予測精度の測定結果が格納されており、仕様グループD9aと、仕様組合せD9bと、スコアD9cからなる。
仕様グループD9aは、仕様情報のグループを識別する仕様グループ名称を示す。仕様組合せD9aは、相関度情報D8から仕様グループごとに相関度の高い仕様情報を組合せた結果を示す。スコアD9cは、仕様組合せの仕様情報を基に新過去案件情報D6を用いて予測モデルを学習した際の予測誤差を示し、誤差が小さいほど予測モデルの精度が高いことを示す。例えば、図11の仕様グループが「グループ1」で、仕様組合せが「積載重量」の場合、スコアは0.431となる。また、図11の仕様グループが「グループ1」で、仕様組合せが「積載重量・ドア幅」の場合、スコアは0.282となる。また、図10の仕様グループが「グループ1」で、仕様組合せが「積載重量・ドア幅・ドア形式」の場合、スコアは0.644となる。
具体的には、処理ステップS6で算出した仕様の組合せ候補それぞれに対し、仕様情報を説明変数、型式を目的変数とし、重回帰分析などを用いて新過去案件情報D6の予測モデルを学習する。予測モデル学習後、予測値と実績値の二乗和誤差などの予測モデルの損失関数をスコア情報D9として記憶部DB1へ格納する。例えば、図11のスコア情報D9の仕様組合せが「積載重量」の場合、損失関数のスコアは「0.431」となるので、スコアへ「0.431」が格納される。
最後に図2において、仕様グループごとに、仕様組合せのスコアが改善しなくなるまで、処理ステップS6と処理ステップS7を繰返す。例えば、図11のスコア情報D9の仕様グループが「グループ1」の場合、仕様の組合せを増やしていくと、仕様の組合せが「積載重量・ドア幅」の時、スコアが「0.282」のパターンが最小となる。そのため、次の仕様組合せである「積載重量・ドア幅・ドア形式」のスコアを算出した時点で、繰返しを終了する。
図2において処理ステップS8では、仕様選定部13は、スコア情報D9から、仕様グループごとに最もスコアの小さい仕様の組合せを抽出し、仕様選定結果情報D10として記憶部DB1へ格納する。例えば、図11のスコア情報D9の仕様グループが「グループ1」の場合、スコアが最も小さい仕様の組合せは「積載重量・ドア幅」なるため、この結果を仕様選定結果情報D10として記憶部DB1へ格納する。
図12は仕様選定結果D10のデータ構造の一例である。仕様選定結果D10には、スコア情報D9で求めた仕様組合せの中で、最もスコアの低い仕様の組合せを、仕様グループごとに求めた結果が格納されており、仕様グループD10aと、予測で用いる仕様D10bから構成される。仕様グループD10aは、仕様情報のグループを識別する仕様グループ名称を示す。予測で用いる仕様D10bは、スコア情報D9で求めた仕様組合せの中で最もスコアが低い仕様の組合せを示す。例えば、図11の仕様グループが「グループ1」の場合、予測で用いる仕様は、積載重量・ドア幅となる。
図2において処理ステップS9では、情報取得部11が、ネットワークNwを介して、データベースDB2から、予測対象案件情報D10を取得し、記憶部DB1へ格納する。
図13は予測対象案件情報D11のデータ構造の一例である。予測対象案件情報D11には、現在の受注案件の登録情報が格納されており、案件D11aと、顧客名D11bと、納期D11cと、積載重量D11d、重量D11e、積載D11f、重さD11g、速度D11h、速さD11i、ドア幅D11j、開き方向D11k、ドア形式D11lの昇降機の仕様情報から構成される。
その後処理ステップS9では、型式予測部16は、予測対象案件情報D11と、新過去案件情報D6と、仕様選定結果情報D10から、仕様グループごとに型式予測モデルを学習し、予測対象の各案件で使用される型式を予測する。そして型式予測情報D12として記憶部DB1へ処理結果を格納する。
図14は型式予測情報D12のデータ構造の一例である。型式予測情報D12には、仕様選定結果D10と、新過去案件情報D6から、グループごとに予測モデルを構築した後、予測対象案件情報D11の各案件の予測対象型式を予測した結果が格納されており、案件D12aと、仕様グループD12bと、仕様D12cと、部品D12dと、型式予測D12eから構成される。案件D12aは、予測対象案件を識別する番号情報を示す。仕様グループD12bは、予測対象の案件の仕様グループを示す。例えば、図14の案件D12aが「1」の場合、仕様グループD12bはグループ1に属する。仕様D12cは、予測モデルを構築する際に用いる仕様の組合せを示す。例えば、図13の案件D12aが「1」で、仕様グループD12bが「グループ1」の場合、仕様D12cは積載重量・ドア幅となる。部品D12dは、各案件における予測対象部品を示す。予測型式D12eは、各案件で使用される部品の型式を予測した結果を示す。例えば、図13の案件D12aが「1」の場合、部品D12eは部品1、予測型式は型式1となる。
例えば、図12の仕様選定結果情報D12の仕様グループが「グループ1」の場合、予測で用いる仕様は「積載重量・ドア幅」である。次に図8の新過去案件情報D6から、仕様グループが「グループ1」に属する過去案件を抽出し、重回帰分析などを用いて仕様情報「積載重量・ドア幅」と型式との関係性を学習する。後に予測した結果を、型式予測情報D12として記憶部DB1へ格納する。
上記のようにして求められた最終成果物としての情報は、必要に応じて適宜初期情報や、中間生成物の情報とともに図1の出力部40を介して外部出力され、視覚可能な状態に画面構成され、モニタを通じてユーザに提示される。
図15は、この場合のモニタ出力画面400の構成例を示す。図示の出力画面400では、最終成果物としての情報である対象部品選定結果401、仕様選定結果402、型式予測結果403を表示している。
ここでは、対象部品選定結果401がリスト形式で表示され、リストは部品欄151と、型式欄152と、リスク欄153と、選定結果欄154で形成される。仕様選定結果402は、案件を選択する案件ボタン155と選択された案件の仕様選定結果のリストで構成され、リストは仕様グループ欄156と、仕様情報欄1577と、相関度欄158と、過去案件数欄159欄と、仕様選定結果欄160で形成される。型式予測結果403のリストは、部品欄161と、予測型式欄162から構成される。
この表示画面において、部品欄151には、昇降機の全部品名称が表示される。型式欄152には、各部品で構成される部品型式名称が表示される。リスク欄153には、前述型式欄152に属する型式が欠品や過剰在庫の可能性があるかどうか表示される。選定結果欄154には、前述リスク欄153で欠品や過剰在庫の可能性がある品目か否かが表示される。案件No欄155には、ユーザが指定した案件Noに関する情報が表示される。仕様グループ欄156には、仕様グループが表示される。仕様情報欄157には、前述仕様グループ欄156に属する仕様情報が表示される。相関度欄158には、前述仕様情報欄157と型式との相関度が表示される。過去案件数欄159には、前述仕様情報欄157を使用した過去案件数が表示される。仕様選定結果欄160には、前述仕様情報欄157のうち、型式予測に使用するか否かの判定結果が表示される。部品欄161には、前述仕様選定結果欄160に基づき、型式を予測した際の部品名称が表示される。予測型式欄162には、前述仕様選定結果欄160に基づき、型式を予測した際の型式名称が表示される。
以上、実施例に基づいて本発明を詳細に説明したが、これをごく簡便に言うならば、本発明は最新の受注案件情報を読込んで、仕様情報および過去の出庫情報を基に未設完案件の型式を予測したものである。また予測にあたり、さらに詳細には、過去案件を読込んで、膨大な仕様の中から型式を予測する上で候補となる仕様を選定して、絞った候補の中から、予測で用いる仕様を選定し、予測モデルを構築して、仕様情報を用いて、最新の受注案件における未設完の部品型式を予測したものである。
これを実現する場合に、膨大な仕様の中から型式を予測する上で候補となる仕様を選定することと、絞った候補の中から予測で用いる仕様を選定し、予測モデルを構築することをどのように実現するのかが肝要である。
このため、仕様候補選定について、前処理と本処理に分け、前処理では昇降機では機種や商流ごとに設計者が異なり、仕様記述が統一化できていないことから設計者に依存する属人的な要素を標準化している。例えば、同じ仕様でも、設計者により、表記のゆれが生じていることから、自然言語処理により、重複する仕様情報を統一化し、あるいは機種などにより使われる仕様が異なるが、機種などの分類は属人的なため、レジリエンスでないことから、使用される仕様の組合せを分析することで、設計者に依存しない複数のグループに分類している。仕様候補を選定する本処理では、前処理後、グループごとに案件固有の仕様など使用頻度の低い仕様を除外し、予測対象の型式と相関度の高い仕様の候補を選定することにしている。
また予測モデルを構築することに関して、グループごとに、相関度の高い仕様から順に予測で用いる仕様の組合せを抽出し、モデルの精度が最小となるまで繰返し予測モデルを学習することにした。
この結果、従来方式と比較した場合に本発明では、過去データを用いて、仕様情報と型式の関係を学習し、型式予測モデルを構築することで、未設完の型式を特定するので、都度予測モデル学習により、仕様が追加・削除されても対応できる。また、予測で必要な仕様情報を、相関性を考慮し抽出しているため、予測精度が高くすることができる。
また本発明では、未設完の仕様情報は使わず、設完済の仕様の範囲内で部品の型式を予測するので、設完済の仕様から直接型式を予測しているため、精度が良い。また仕様が膨大でも対応可能である。
以上に述べたようにして、本発明によれば、欠品や過剰在庫のリスクがある長納期部品を選定した後、膨大な仕様情報から型式と相関性の高い仕様を選定し、高精度に型式を予測することができる。