以下、本発明の実施の形態に係る金型装置について、図1~図11を参照しながら説明する。なお、以下に示す各図は模式図であり、縦・横・厚みの寸法及び縮尺は必ずしも実際のものと同じとなっていない。
[第1の実施の形態]
図1は、金型装置1の概略構成を示す断面図である。金型装置1は、板材である被加工材W1からワークW2の外形抜き加工を行う金型装置である。なお、ワークW2が製品となる場合もあれば、ワークW2を打ち抜いた後の被加工材W1が製品となる場合もある。金型装置1は、被加工材W1が樹脂製やAl、Cu、樹脂、或いは回路基板や硬質の鋼板などに適用可能であり、材質は特に限定されない。
金型装置1は、ダイセット10とパンチセット11とから構成されている。図1に示す例においては、ダイセット10を上型、パンチセット11を下型としているが、プレス加工機の構造によってダイセット10を下型、パンチセット11を上型とすることが可能である。ダイセット10は、ダイ12、ダイ12を固定するダイホルダ13と、ダイホルダ13をプレス加工機(図示は省略)に取り付けるためのバックプレート14とから構成されている。本例においては、ダイ12は、分割された4個のダイブロック12A,12B,12C,12Dが環状に一体となり機能するように配置されている(図4参照)。ダイ12の内周には連続した切れ刃部15が形成されている。
パンチセット11は、パンチ16、パンチ16を固定するパンチホルダ17と、パンチホルダ17をプレス加工機(図示は省略)に取り付けるためのバックプレート18とから構成されている。本例においては、パンチ16は、分割された4個のパンチブロック16A,16B,16C,16Dが環状に一体となり機能するように配置されている(図2参照)。パンチホルダ17の上面には、パンチブロック16C,16Dを水平横方向からスライド移動させながら位置を規定する(所定の位置に位置決めする)ためのガイドブロック19が固定されている。パンチブロック16A~16D及びガイドブロック19の構成については、図2を参照して説明する。
ガイドブロック19は、パンチブロック16A,16B,16C,16Dが固定される平面22上に配置される。パンチ16の外周には切れ刃部20が形成されている。ダイ12の切れ刃部15とパンチ16の切れ刃部20との間には、クリアランス21が構成される。なお、パンチ16は、パンチブロックに分割せずに、ブロック状の一体構成とすることや、環状の一体構成とすることも可能である。図示は省略するが、ダイセット10及びパンチセット11は、ガイドピン又はガイドポストによって、互いの相対位置が高精度に管理されている。
図2は、パンチセット11をダイセット10側から見た構成を示す平面図である。なお、図2は、ワークW2の外形(打抜き形状)が正方形の例を示している。パンチ16は、分割された同じ形状、同じ寸法の4個のパンチブロック16A,16B,16C,16Dによって構成されている。ワークW2が長方形の場合には、対向するパンチブロック16A,16Cは同じ形状、同じ寸法であり、対向するパンチブロック15B,15Dが同じ形状、同じ寸法となる。各パンチブロックには、外周に切れ刃部20が構成されている。パンチブロック16A~16Dは直方体である。
パンチホルダ17は、互いに90度に交差する基準壁面25,26を有している。基準壁面25と基準壁面26との間でなす角度は高精度に管理されている。パンチブロック16Aは、切れ刃部20を基準壁面25に当接させ、先端面27を基準壁面26に当接させた状態で3本の固定ネジ28によってパンチホルダ17に固定される。パンチブロック16Bは、基準壁面26に切れ刃部20を当接させ、先端面29をパンチブロック16Aの背面30に当接させた状態で3本の固定ネジ28によってパンチホルダ17に固定される。図2において、パンチブロック16A,16Bを移動させる方向を実線の矢印で表している。各パンチブロックにおいて、切れ刃部20と背面30は互いに平行であり、各パンチブロックの長さ、幅及び厚みは高精度に管理されている。なお、パンチブロック16Aの先端面27は、パンチブロック16Bの切れ刃部20の延長上にあり、切れ刃部20の一部となる。
なお、切れ刃部20は、パンチホルダ17の厚み方向配置基準面となる平面22(図1参照)に対して垂直な面の延長上に構成されている。従って、以降に説明において、切れ刃部20を当接させる、又は切れ刃部20に当接させるとは、切れ刃部の構成面を当接させる又は切れ刃部の構成面に当接させることをさす。次いで、パンチブロック16C,16Dの配置について説明する。ガイドブロック19は、互いに90度に交差する基準壁面31,32を有している。基準壁面31と基準壁面32との間でなす角度は高精度に管理されている。パンチブロック16C,16Dを組み立てる際には、ガイドブロック19は、図2において二点鎖線で示す位置に配置されており、パンチブロック16A,16Bとガイドブロック19との間にパンチブロック16C,16Dをセットすることが可能な位置にある。
パンチブロック16C,16Dは、パンチブロック16A,16Bと同様に、隣接するパンチブロックの一方のパンチブロックの背面30に他方のパンチブロックの先端面29を当接させることが可能な姿勢で配置される。パンチブロック16Dは、一方の先端面27をパンチホルダ17の基準壁面25に突き当てることが可能になるように配置する。そして、基準壁面31,32でパンチブロック16C,16Dそれぞれの切れ刃部20を案内しながらガイドブロック19をスライド移動させ、パンチブロック16C,16Dをパンチブロック16A,16Bに密着するように突き当てる。なお、図2において、ガイドブロックの移動方向を太い矢印で示している。パンチブロック16A~16Dを相互に突き当てた状態で、4本の固定ネジ33によってガイドブロック19をパンチホルダ17に固定し、3本の固定ネジ28でパンチブロック16C,16Dそれぞれをパンチホルダ17に固定する。なお、パンチホルダ17とガイドブロック19の間には、互いに干渉を避けるための隙間34が設けられる。
このように、パンチブロック16A~16Dを組み合わせ、パンチホルダ17に固定することによって、ワークW2の打抜き形状である連続した正方形の切れ刃部20が構成される。なお、図2に示す構成例においては、各パンチブロックを3本の固定ネジ28によってパンチホルダ17に固定しているために、パンチブロック16A~16Dが一体構成ではない環状の構成であっても、ワークW2を打ち抜く際に打抜き形状が変形する虞はない。
図2に示す例は、パンチブロック16A~16Dが切れ刃部20を基準に配置される、いわゆる外側基準であるが、これに対して内側基準でパンチブロック16A~16Dを配置する構成も可能である。内側基準の構成について、図3を参照して説明する。
図3は、内側基準でパンチブロック16A~16Dを配置する例を示す平面図である。なお、パンチブロック16A~16Dは図2で説明したものと同じものであり、パンチ16の配置構成は、図2で示した構成例と同じである。パンチホルダ17の中央部には、パンチブロック16A~16Dが配置基準面である平面22から上方に突出する凸部35が形成されている。凸部35は、互いに90度に交差する基準壁面36,37を有している。基準壁面36と基準壁面37との間でなす角度は高精度に管理されている。凸部35は、パンチ16の上面より下方、かつ、パンチブロック16A,16Bの位置を規定することが可能な高さを有して形成されている(図1参照)。
パンチブロック16A~16Dの組み立て方法について説明する。まず、パンチブロック16A,16Bそれぞれをスライド移動させ、背面30を基準壁面36、37に当接させる。パンチブロック16A、16Bを移動させる方向を実線の矢印で示している。パンチブロック16A,16Bは、凸部35に当接させた状態で、それぞれ3本の固定ネジ28によってパンチホルダ17に固定される。パンチブロック16Aとパンチブロック16Bは、図2に示した配置と同じように配置される。パンチブロック16C,16Dは、図2で示した外側基準と同様に、ガイドブロック19の基準壁面31,32でパンチブロック16C,16Dの切れ刃部20を案内しながらスライド移動させ、パンチブロック16A,16Bに突き当てた状態でそれぞれ3本の固定ネジ28によってパンチホルダ17に固定される。ガイドブロック19を移動させる方向を太い矢印で示している。ガイドブロック19は、外側基準と同様に4本の固定ネジ33によってパンチホルダ17に固定される。各パンチブロックの幅及び長さ寸法は高精度に管理されていることから、内側基準であっても連続した切れ刃部20を高精度に構成することが可能となる。続いて、ダイ12の構成について図4を参照して説明する。
図4は、ダイセット10をパンチセット11側から見た構成を示す平面図である。なお、図4は、パンチ16をダイ12に嵌入させた状態を表している。厚み方向の構成は、図1を参照する。本例においては、ダイ12は、分割された同じ形状、同じ寸法の4個のダイブロック12A、12B,12C,12Dで構成されている。なお、パンチ16は、図2において説明した構成例を示している。ダイブロック12A~12Dは直方体である。このように構成されるダイ12は、隣接する2個のダイブロックの切れ刃部15が直線で交差するために内角の隅部に丸み(アールという)がつくことがない打抜き形状を形成することが可能となる。
ダイブロック12A~12Dは、パンチブロック16A~16Dの切れ刃部20に倣うように配置される。すなわち、隣接する2個のダイブロックにおいて、一方のダイブロックの切れ刃部15に他方のダイブロックの先端面41を突き当てることによって正方形に連続した切れ刃部15が構成される。パンチブロック16A~16Dは、ダイホルダ13に設けられた凹部23の底面(図1参照)に配置される。ダイホルダ13に設けられた凹部23(図1参照)の内側において、パンチブロック16A~16Dはスライド移動が可能な構成となっている。
パンチ16の切れ刃部20とダイ12の切れ刃部15との間には、全周に亘ってクリアランス21が構成される。クリアランス21は、パンチ16の切れ刃部20とダイ12の切れ刃部15との間の直線部にクリアランス規定手段としてのシム40を介在させることによって規定化される。規定化とは、クリアランス21が所望の値に形成されていることをさす。ダイブロック12A~12Dは凹部23内に図4に示すように配置した後、それぞれ3本の固定ネジ28によって仮固定する。なお、仮固定とは、ダイセット10の姿勢を変える程度では移動しない締付け力を有し、移動させようとすれば移動可能な締め付け力を有している状態である。
この状態で、パンチ16の切れ刃部20とダイ12の切れ刃部15との間にシム40を介在させ、パンチ16をダイ12に嵌入させる。そして、ダイブロック12A~12Dそれぞれの切れ刃部15がシム40に当接するまでパンチ16に向かってスライド移動させ、固定ネジ28によって本固定する。本固定とは、ワークW2を打ち抜く際にダイブロック12A~12Dが移動したり、変形したりしない程度の締めつけ力で固定することである。なお、図4において、ダイブロック12A~12Dそれぞれの移動方向を実線の矢印で示している。各ダイブロックを固定した後、シム40を取り除くことによって、シム40の厚みに相当するクリアランス21を有する金型装置1が構成される。なお、シム40の厚みは高精度に管理されている。
クリアランス21は、被加工材W1の厚みに対応して規定化される。従って、所要のクリアランス21に相当する厚みのシム40を選択することによって、クリアランス21を容易に、かつ高精度に規定することが可能となる。ダイブロック12A~12Dの構成について、図5を参照しながらさらに詳しく説明する。
図5は、ダイブロック12A~12Dの構成の詳細例を示す図である。図5(a)は全体構成をパンチ側から見た斜視図、図5(b)は1個のダイブロックの幅方向断面を示す断面図である。図5は、打抜き形状が正方形の場合を例示し、組み立て構造は図4おいて説明した例と同じなので説明を省略する。ダイブロック12A~12Dそれぞれの形状は直方体である。ダイブロック12A~12Dの各々は同じ寸法であり、幅、長さ及び厚みが高精度に加工され、直方体を構成する長辺を構成する4面は鏡面に近い表面仕上げ加工が施されている。このことから、平面視して、ダイ12を構成したときの各ダイブロックの内側及び外側の2か所における辺A1,A2,B1,B2は切れ刃部15になり得る。
図5に示す例において、4個の各ダイブロックには、ダイホルダ13にダイブロックを固定するための3個のネジ挿通孔24a、24b、24cが設けられている。ダイブロック12Aを代表例として説明する。ネジ挿通孔24aは、ダイブロック12Aの上面の中心位置(図心)に配置され、ネジ挿通孔24b,24cは、それぞれネジ挿通孔24aからの距離Lが同じである。従って、ネジ挿通孔24aを中心にダイブロック12Aを平面方向に180度回転すれば辺B1が切れ刃部15になる。また、ダイブロック12Aの表裏を反転すれば、辺A2及び辺B2が切れ刃部15になり得る。ダイブロック12B,12C,12Dも同様な構成である。各ダイブロックをこのような構成にすることによって、各ダイブロックは配置位置、或いは表裏に拘らずに自在に組み立てることが可能となる。
なお、図5においては、打抜き形状が正方形の例を説明したが、隣接する一方のダイブロックの当接位置を他方の切れ刃部15に沿って移動させれば、ダイブロックの長さの範囲で任意の縦横比の長方形の打抜き形状に対応することが可能となる。また、対向するダイブロック12A,12Bと対向するダイブロック12B、12Dの長さが異なる連続する切れ刃部15が長方形の場合、対向するダイブロック12A,12C、対向するダイブロック12B,12Dは共に長辺の4辺が切れ刃部15になり得る。従って、対向するダイブロックにおいて、各ダイブロックは配置位置、或いは表裏に拘らずに自在に組み合わせることが可能となる。
なお、図4において説明した例では、4個のダイブロックでダイ12を構成しているが、ダイブロックの構成はこれに限らない。例えば、ダイブロック12A、12Bを一体構成として位置を規定したうえでダイホルダ13に固定し、ダイブロック12C,12Dをそれぞれスライド移動させて位置を規定してダイホルダ13に固定する構成も可能である。また、ダイブロック12A、12Bを一体構成とし、ダイブロック12C,12Dも一体構成として、二体のダイブロックを相互に突き合わせて位置を規定する構成も可能である。また、例えば、ダイブロック12B、12Dの位置に予め抜き加工が施されている被加工材W1を配置する場合には、ダイをダイブロック12A及びダイブロック12Cで構成し、ワークW2を打ち抜くように構成することも可能となる。さらに広義に本例を適用するならば、被加工材W1に予め抜き加工が施され、ワークW2の1辺のみが被加工材W1に連続している場合には、ダイブロックを1ブロック構成とし、ワークW2を切断抜きすることも可能であり、本例の範疇に含まれる。
また、ダイ12は、ダイブロック12A~12Dを分割せずに正方形に一体化した構成とすることが可能である。このような構成においては、シム40を介在させてダイをパンチに嵌入させることによってクリアランス21を規定することが可能となる。
以上説明したダイ12及びパンチ16は、打抜き形状が正方形や長方形の場合について説明したが、このような金型装置1を構成する考え方は、正方形に限らず、菱形や台形など四角形に適用することが可能である。また、四角形に限らず、三角形、多角形、及び、曲線を有するワークW2にも適用することが可能である。このことについて適用例を例示し、図6~図9を参照しながら説明する。
(適用例1)
図6は、適用例1に係る金型装置1を説明する説明図であり、打抜き形状が正三角形の場合のダイ121及びパンチ161の構成を表している。なお、図6は、パンチ161をダイ121に嵌入させた状態を表している。適用例1に係る金型装置1は、正三角形のダイ121及びパンチ161で構成されている。ダイ121は、分割されたダイブロック121A,121B,121Cで構成され、各ダイブロックのそれぞれが切れ刃部151を有している。三角形の頂部となる3か所の各位置において、ダイ121は、隣接するダイブロックの一方のダイブロックの切れ刃部151に、他方のダイブロックの先端面42を突き当てることによって正三角形に連続した切れ刃部151が構成される。
一方、パンチ161は、分割されたパンチブロック161A,161B,161Cで構成され、各パンチブロックのそれぞれが切れ刃部201を有している。ダイ121と同様に、パンチ161は、三角形の頂部となる3か所の各位置において、隣接するパンチブロックの一方に、他方のパンチブロックの先端面43を突き当てることによって連続した正三角形の切れ刃部201が構成される。パンチ161が正三角形の場合、各パンチブロックの先端面43の切れ刃部201に対する角度は同じであることから、先端面43は切れ刃部201の延長上にあり、切れ刃部201の一部となる。従って、パンチ161の外周全体に亘って連続した正三角形の切れ刃部201が構成される。パンチ161は、図2に示した外側基準又は図3に示した内側基準の両方で構成することが可能である。なお、厚み方向の構成は、図1においてダイ12をダイ121に置き換え、パンチ16をパンチ161に置き換えることで説明できる。
ダイ121の切れ刃部151とパンチ161の切れ刃部201との間のクリアランス21は、切れ刃部151と切れ刃部201との間にシム40(図示は省略)を介在させ、パンチ161をダイ121に嵌入させた後に、ダイブロック121A、121B,121Cをそれぞれシム40に当接させることによって規定することができる。また、このように構成されるダイ121は、隣接する2個のダイブロックで構成される切れ刃部151が直線で交差するために、内角の隅部に丸み(アールという)がつくことがない抜き形状を形成することが可能となる。なお、このような金型装置1の構成においては、正三角形、直角三角形及び二等辺三角形は勿論、他の三角形にも適用可能である。なお、3個のダイブロックのうち、2個を一体化し、他の1個をスライド移動させる構成とすることも可能である。
なお、図示は省略するが、打抜き形状としては、三角形及び四角形に限らず五角形や六角形などの多角形にも適用することができる。これら多角形は、三角形の組み合わせで構成されていると考えることができ、図6に示すダイ121及びパンチ161による三角形の構成の考え方を応用して多角形のダイ及びパンチを実現することが可能である。また、以上説明した金型装置1は、円弧(アール)や曲線を含む打抜き形状にも適用可能である。そのことについて適用例2、適用例3、適用例4として図7、図8及び図9を参照しながら説明する。
(適用例2)
図7は、適用例2に係る打抜き形状が円弧(アール部という)を含むダイ122及びパンチ162の構成例を示す平面図である。なお、図7は、パンチ162をダイ122に嵌入させた状態を表している。なお、図7に示す適用例2は、4個のダイブロック122A~122Dが同じ形状、同じ寸法の例であり、隣接する2個のダイブロックは同じ構成でとなることからダイブロック122A,122Bを代表例として説明する。
ダイブロック122Aは、切れ刃部152が直線部S1と、直線部S1に連続するアール部R1とで構成されている。また、ダイブロック122Aの両端の先端面44,45は直線部S1に対して直角に形成されている。ダイブロック122Bの一方の先端面45は、切れ刃部152の直線部S1に当接するように配置される。従って、ダイブロック122Bは、ダイブロック122Aの直線部S1に沿ってスライド移動させることが可能であり、ダイブロック122Bのアール部R1とダイブロック122Aの直線部S1とが連続する。
ダイブロック122Bとダイブロック122Cとの配置関係、ダイブロック122Cとダイブロック122Dとの配置関係、及び、ダイブロック122Dとダイブロック122Aとの配置関係は、ダイブロック122Aとダイブロック122Bとの配置関係と同じ構成であることから説明を省略する。
一方、パンチ162は、分割された4個のパンチブロック162A,162B,162C,162Dで構成されている。本例は、4個のパンチブロック162A~162Dが同じ形状、同じ寸法の例であり、隣接する2個のダイブロックは同じ構成となることからパンチブロック162A,162Bを代表例として説明する。
パンチブロック162Aは、切れ刃部202が直線部S2と、直線部S2に連続するアール部R2で構成されている。また、パンチブロック162Aのアール部R2に対し反対側の先端面46は、直線部S2に対して直角に形成されている。パンチブロック162Bの先端面46は、パンチブロック162Aの直線で構成される背面30に当接するように配置される。パンチブロック162A,162Bは、図2及び図3で説明したようにパンチホルダ17に対して外側基準又は内側基準でそれぞれの位置が規定されていることから、パンチブロック162Aのアール部R2と、パンチブロック162Bの切れ刃部202とが連続する。
パンチブロック162Bとパンチブロック162Cとの配置関係、パンチブロック162Cとパンチブロック162Dとの配置関係、及び、パンチブロック162Dとパンチブロック162Aとの配置関係は、パンチブロック162Aとパンチブロック162Bとの配置関係と同じ構成であることから説明を省略する。なお、パンチ162は、4個のパンチブロックが連続した一体構成とすることが可能であり、中央部が開口しない一体構成とすることも可能である。
また、ダイ122の切れ刃部152とパンチ162の切れ刃部202との間にクリアランス規定手段としてのシム40(図4参照)を介在させることによって、クリアランス21を規定することができる。シム40は、切れ刃部152と切れ刃部202との間の直線部分に配置される。このような構成にすることによって、外周の4か所に円弧(アール部)を有するワークW2の打ち抜き加工が可能となる。また、ダイ122は、ダイブロック122A~122Dを分割せずに正方形に一体化した構成とすることが可能である。なお、図示は省略するが、打抜き形状が三角形又は多角形の場合においても、四角形の場合と同じ考え方で頂部に円弧を有するワークW2の打抜き加工を行うことが可能となる。
(適用例3)
図8は、適用例3に係るダイ130及びパンチ162の構成を示す平面図である。適用例3は、打抜き形状が円弧(アール部R1)を含む場合の他の適用例の一つであり、打抜き形状が正方形であり、4隅にアール部R1が設けられる場合の構成例を示している。パンチ162は、図7で説明した構成と同じ構成例を適用しているため説明は省略する。なお、図8は、パンチ162をダイ130に嵌入させた状態を表している。
ダイ130は、アール部R1で構成される切れ刃部131Aを有するコーナーブロック132A,132B,132C,132D、及び、アール部R1(切れ刃部131A)に接続し、直線状に延びる切れ刃部131Bを有する直線ブロック133A,133B,133C,133Dから構成されている。コーナーブロック132A~132Dは同じ形状、同じ寸法であり、所定の位置及び所定の姿勢でダイホルダ13(図1参照)に固定されている。コーナーブロック132A~132Dは、パンチ162のアール部R2を基準にして位置及び姿勢が高精度に調整され、固定ネジなどでダイホルダ13に固定される。なお、コーナーブロック132A~132Dは、ダイホルダ13と一体で形成する構成とすることも可能である。
直線ブロック133A~133Dは直方体であり、同じ形状、同じ寸法で構成されている。直線ブロック133Aは、コーナーブロック132Aとコーナーブロック132Dとの間に配置される。直線ブロック133Aの先端面51,52は、直線ブロック133Aの切れ刃部131Bに対して直角な面である。コーナーブロック132A,132Dの直線ブロック133Aに接続する先端面53,54は、直線ブロックの先端面51,52に対して平行な面である。直線ブロック133Aは、コーナーブロック132Aの端面53とコーナーブロック132Dの先端面54との間において、パンチ162に向かってスライド移動させることが可能であり、シム40に当接させた状態で固定ネジなどによってダイホルダ13に固定される。シム40は、ダイ130とパンチ162との間の直線部に配置される。図8において、各直線ブロックの移動方向を実線の矢印で示している。コーナーブロック132Aとコーナーブロック132Dとの間の距離は、直線ブロック133Aをスライド移動させることが可能な最小限の隙間となるように設定される。
コーナーブロック132A,132Bと直線ブロック133Bとの配置関係、コーナーブロック132B,132Cと直線ブロック133Cとの配置関係、及び、コーナーブロック132C、132Dと直線ブロック133Dとの配置関係は、コーナーブロック132A,132Dの直線ブロック133Aとの配置関係と同じように構成される。このような構成にすることによって、ダイ130に連続した切れ刃部131を構成することが可能となる。なお、図8に示すダイ130においても、図5で説明した構成と同じ考え方によって、少なくとも対向する各直線ブロックの2か所以上の複数辺が切れ刃部131Bになり得る。従って、各直線ブロックは配置位置、或いは表裏に拘らずに自在に組み合わせることが可能となる。
なお、適用例3のダイ130の構成は、4か所に配置するコーナーブロックと、4個の直線ブロックとで構成されているが、このような構成に限らない。図示は省略するが、適用例3の変形例として図8を参照しながら説明する。この変形例によるダイ130は、コーナーブロック132Aと直線ブロック133Aとを一体化したダイブロックA、コーナーブロック132Dと直線ブロック133Dとを一体化したダイブロックB、及び、コーナーブロック132B,132Cを固定ブロックとすることが可能である。このような構成においては、ダイブロックAとコーナーブロック132Bの間に直線ブロック133Bを配置し、コーナーブロック132Bとコーナーブロック132Cとの間に直線ブロック133Cを配置し、直線ブロック133B、133Cをクリアランス調整ブロックとする。
ダイブロックA,B及びコーナーブロック132B,132Cの切れ刃部の形状及び配置位置は高精度に管理された状態でダイホルダ13(図4参照)に固定されている。従って、本例においては、直交する直線ブロック133B,133Cをスライド移動させることによってクリアランス21を規定することが可能となる。なお、固定ブロック及びクリアランス調整ブロックの構成は、本例に限らず適宜組み合わせて構成することが可能である。
また、図示は省略するが、打抜き形状が四角形で、アール部R1が、1か所、2か所又は3か所の場合においては、適用例3のようにコーナーブロックを用いる構成と、図4に示すような直線状のダイブロックを用いる構成とを適宜組み合わせることによって実現することが可能となる。また、抜き形状が三角形や多角形などにおいても、適用例3及び適用例3の変形例と同じ考え方を適用することが可能となる。
(適用例4)
続いて、曲線を含む打抜き形状に適用するダイ123及びパンチ163の構成例について説明する。適用例4は、ダイ123の切れ刃部153、及びパンチ163の切れ刃部203が曲線を含む構成例である。
図9は、適用例4に係る曲線を含む打抜き形状に適用するダイ123及びパンチ163の構成例を示す図である。ダイ123は、分割された4個のダイブロック123A,122B,122C,122Dで構成されている。各ダイブロックは、それぞれが曲線を含む切れ刃部153A,153B,153C,153Dを有している。切れ刃部153Aの曲線部の一方の延長上には直線部L1を有し、切れ刃部153Bの曲線部の一方の延長上には直線部L2を有し、切れ刃部153Cの曲線部の一方の延長上には直線部L3を有し、切れ刃部153Dの一方の延長上には直線部L4を有している。
ダイブロック123Aの直線部L1にはダイブロック123Bの先端面47が当接され、ダイブロック123Bの直線部L2にはダイブロック123Cの先端面48が当接される。また、ダイブロック123Cの直線部L3にはダイブロック123Dの先端面49が当接され、さらに、ダイブロック123Dの直線部L4にはダイブロック123Aの先端面50が当接される。このように隣接するダイブロックにおいて、一方のダイブロックの切れ刃部の直線部に他方のダイブロックの先端面を当接させることによって、曲線を含む連続した切れ刃部153が構成される。図示は省略するが、シム40は、ダイ123とパンチ163との間において、クリアランス21が一定になるように、少なくとも4か所以上に配置する。
直線部L1,L2,L3,L4の長さは、各直線部に当接する先端面47~50の当接長さよりも長く設定している。このようにすることによって、隣接するダイブロックのうち、一方のダイブロックの直線部L1,L2,L3,L4のいずれかに、他方のダイブロックの先端面47,48,49,50を組み合わせてスライド移動させることが可能となる。切れ刃部153Bと切れ刃部153Cとの間、切れ刃部153Cと切れ刃部153Dとの間、切れ刃部153Dと切れ刃部152Aとの間の接合部には直線部を介在させている。言い換えれば、隣接する2個のダイブロックにおいて、一方のダイブロックの直線に延在する切れ刃部と他方のダイブロックの先端面を当接させることを構成要件にすれば、曲線を有する打抜き形状の切れ刃部を構成することが可能となる。
なお、適用例4においても、適用例3(図8参照)の考え方を適用することが可能である。図示は省略するが、図9に示す4隅にコーナーブロックを配置し、コーナーブロック間にクリアランス調整用のダイブロックを配置する構成が適用可能となる。
なお、図9に示すパンチ163は、複数のパンチブロックを環状に接続した構成ではなく、外周に切れ刃部203を有する一体構成としている。切れ刃部203は、パンチ本体部の外周を加工して形成することができることから、直線及び曲線を含む打ち抜き形状に対応して形成することが可能である。
[第2の実施の形態]
続いて、第2の実施の形態に係るダイ124の構成について図面を参照して説明する。前述した第1の実施の形態の各ダイブロックは、長辺(切れ刃部)154に直交する断面(縦断面)形状が矩形であることに対して、第2の実施の形態においては、各ダイブロックの切れ刃部に前傾斜角θ1を設けていることを特徴としている。打抜き形状が正方形の場合を例にあげて説明する。
図10は、第2の実施の形態に係るダイ124の構成を示す図であり、図10(a)は、ダイ124をパンチ16側からみた斜視図、図10(b)は、ダイブロック124Aの縦断面図である。なお、厚み方向の構成については図1を参照する。ダイ124は、分割された4個のダイブロック124Aで構成されている。ダイブロック124Aには、切れ刃部154を始点として上面側幅方向外側に傾斜する前傾斜角θ1が構成されている。ダイ124は、隣接する2個のダイブロックのうち、一方のダイブロックの切れ刃部構成面154aに他方のダイブロックの先端面51を当接させることによって構成されている。
なお、ダイブロック124Aにおいて、切れ刃部154を含む垂直な面を切れ刃部構成面154aとする。切れ刃部構成面154aは、ダイホルダ13に対して垂直な平面である(図1参照)。各ダイブロックの切れ刃部154(稜線)は同じ高さで連続する。なお、パンチは、図2、図3に示す構成とする。前傾斜角θ1は、被加工材W1の材質及び厚みに対応して設定される。なお、ダイブロックに前傾斜角θ1を構成するという考え方は、打抜き形状に関わらず、切れ刃部構成面154aが平面で延長されていて、切れ刃部の稜線が同一高さに連続するように構成される限り、3角形や他の四角形にも適用することが可能である。
図10に示すダイブロック124Aにおいては、前傾斜角θ1は切れ刃部154を始点としてパンチ16側の上面全体に亘って形成されている。図示は省略するが、ダイブロック124Aの長辺に前傾斜角θ1を有する切れ刃部154を凸条に構成することができる。このような凸条の切れ刃部154は、ダイブロック124Aの幅方向の両側に構成することが可能であり、前傾斜角θ1を有していても各ダイブロックは配置位置に拘らずに自在に組み立てることが可能となる。また、上記凸条の切れ刃部154は、ダイホルダ13に固定する面側にも形成することが可能であり、各ダイブロックは配置位置及び表裏に拘らずに自在に組み立てることが可能となる。
[第3の実施の形態]
続いて、第3の実施の形態に係る金型装置について図11を参照して説明する。前述した第2の実施の形態に記載の各ダイブロックには、各ダイブロックの切れ刃部154に前傾斜角θ1が構成されていることに対して、第3の実施の形態においては、前傾斜角θ1と、各ダイブロックの切れ刃部の長さ方向に傾斜するシャー角θ2とを設けていることを特徴としている。打抜き形状が正方形の場合を例にあげて説明する。なお、厚み方向の構成については、図1を参照する。
図11は、第3の実施の形態に係るダイ125を示す図であり、図11(a)は、ダイ125をパンチ16側からみた斜視図、図11(b)は、ダイブロック125Aの正面図、図11(c)はダイブロック125Aの右側面図、図11(d)はダイブロック125Aの左側面図、図11(e)は、ダイブロック125Aの斜視図である。ダイ125は、分割された4個のダイブロック125A、125B,125C,125Dで構成されている。ダイブロック125A~125Dは、同じ形状、同じ寸法である。ダイブロック125Aを代表例として説明する。ダイブロック125Aは、右側端部125Aaから左側端部125Abにかけて傾斜する切れ刃部155が構成されている。この傾斜角度をシャー角θ2という。さらに、ダイブロック125Aには、切れ刃部155の稜線を始点とする前傾斜角θ1が設けられている。
図11(a)に示すように、隣接する2個のダイブロックにおいて、ダイブロック125Bの切れ刃部155の高さが高い側(ダイブロック125Aの右側端部125Aa側に相当し、シャー角θ2の始点側とする)の先端面55は、ダイブロック125Aの切れ刃部155の高さが低い側(左側端部125Ab側、シャー角θ2の終点側とする)の切れ刃部構成面155aに当接される。一方、ダイブロック125Aのシャー角の始点側の先端面55は、ダイブロック125Dのシャー角の終点側の切れ刃部構成面155aに当接される。ダイブロック125Bとダイブロック125Cとの配置関係、ダイブロック125Cとダイブロック125Dとの配置関係は、ダイブロック125Aとダイブロック125B及びダイブロック125Cとダイブロック125Dの配置関係と同じである。パンチは、第1の実施の形態(図2参照)で説明した構成のものとする。
なお、図11に示す例においては、前傾斜角θ1及びシャー角θ2は、切れ刃部155が、前傾斜角θ1によって形成された隣接するダイブロックの稜線60と交差するように構成されている。ダイ125の4隅において、隣接する2個のダイブロックのうち、一方のダイブロックの切れ刃部155の頂部61は、他方のダイブロックの切れ刃部155よりパンチブロック側に突出している。従って、打抜き動作において、各頂部61から時計回りに剪断力が被加工材W1に加えられていくことになる。また、抜き形状を構成する4辺それぞれにかかる剪断力が同じになるため、ワークW2に反りや変形の発生を抑えることができる。
ダイブロック125A~125Dの突き合わせの構成は図11(a)に示す構成に限らない。図示は省略するが、隣接する2個のダイブロックにおいて、例えば、ダイブロック125Bのシャー角θ2の始点側の先端面55を、ダイブロック125Aのシャー角θ2の始点側の切れ刃部構成面155aに突き当てることが可能である。従って、隣接する2個のダイブロックにおいてシャー角θ2の終点側の切れ刃部構成面155aにシャー角θ2の終点側の先端面55を突き当てることになる。このような構成においては、対向するシャー角θ2の始点(頂点)がパンチブロック側に突出する。従って、対向する頂点のそれぞれから90度方向にシャー角θ2及び前傾斜角θ1によって構成される切れ刃部155に沿いながら剪断力を被加工材W1に加えていくことになり、剪断力を抑えながら鋼板などの硬質材料の打抜きが可能となる。
図11では、打抜き形状が正方形の場合を例にあげ説明したが、長方形又は三角形或いは多角形であっても、切れ刃部構成面が平面で構成される形状であれば、前傾斜角θ1及びシャー角θ2を有するダイを構成することが可能である。なお、構成するダイブロックの長さが異なる場合においては、各ダイブロックのシャー角θ2を同じにする構成が好ましいが、各ダイブロックのシャー角θ2を同じにしない構成も可能である。また、ダイ125の構成としては、被加工材W1の材質や厚みなどに対応して、前傾斜角θ1を設けずにシャー角θ2のみを設ける構成とすることも可能である。
以上説明した第1の実施の形態に係る金型装置1は、被加工材W1からワークW2を外形抜きする金型装置である。金型装置1は、打抜き形状の切れ刃部20を有するパンチ16と、パンチ16の切れ刃部20を基準に配置されるダイブロック12A,12B,12C,12Dで構成されるダイ12と、を有している。また、ダイブロック12A,12B,12C,12Dのいずれかが、パンチ16の切れ刃部20に向かってスライド移動させることが可能であり、ダイブロック12A,12B,12C,12Dは、クリアランス規定手段としてのシム40によってパンチ16の切れ刃部20とダイ12の切れ刃部15との間のクリアランス21が規定化された状態でダイホルダ13に固定されている。
高精度の外形打抜きに用いるダイの材質としては、材料が高価な窒化珪素または超硬合金を使用することが一般的である。従って、ワークW2のサイズが大型化すれば、従来技術による一体型のダイは必然的に大型化し高価なものとなってしまう。しかし、本発明によれば、分割された4個のダイブロック12A,12B,12C,12Dを組み立てることによって連続した切れ刃部15を構成している。このような構成にすることによって、ワークW2が大型化しても、従来の一体型のダイに対してコストを格段に下げることが可能となる。
また、金型装置1においては、パンチ16の切れ刃部20とダイ12の切れ刃部15との間にシム40を介在させ、ダイブロック12A~12Dそれぞれをスライド移動させてシム40に突き当てて配置している。すなわち、パンチ16の切れ刃部20を基準とし、シム40の厚みによってダイ12とパンチ16との位置関係を規定している。すなわち、シム40の厚みによってクリアランス21を規定することができることから、クリアランス21を容易に、かつ高精度に管理することが可能となる。
また、分割されたダイブロック12A~12Dの一つひとつは、形状を単純化しているため、加工を単純化することができ、高精度な切れ刃部15を形成することが可能となる。また、従来の一体型のダイを形成するための大型、且つ、複雑加工を可能にする加工設備が必要とならないため、設備費用を含めてコストを下げることが可能となる。
ダイ12は、隣接する2個のダイブロック12A,12Bのうち、一方のダイブロック12Bの直線状に延びる切れ刃部15に他方のダイブロック12Aの先端面41を突き当てることによって連続した切れ刃部15が構成されている。ダイブロック12C及びダイブロック12Dもダイブロック12A,12Bと同様に構成される。
このような構成にすることによって、ダイブロック12A~12Dのそれぞれは、隣接するダイブロックの切れ刃部15に沿ってスライド移動させることが可能となり、クリアランス21を高精度に管理することが可能となる。また、このような構成によれば、複数のダイブロックの一つが損傷した際に、損傷したダイブロックだけを補修したり、交換したりすることが可能であり、メンテナンス性に優れた金型装置1を実現することが可能となる。
また、ダイブロックには、2か所以上の複数辺に切れ刃部が構成される。図5に示す例においては、ダイブロック12A~12Dの辺A1,A2及び辺B1,B2に切れ刃部15が構成される。各ダイブロックをこのような構成にすることによって、各ダイブロックの配置位置、或いは表裏に拘らずに自在に組み立てることが可能となり、金型装置1の組み立て性を飛躍的に向上させることが可能となる。また、このことによって、メンテナンス性に優れた金型装置1を実現できる。
また、ワークW2の平面形状がアール部R1を有する場合、ダイ130は、アール部R1を構成する切れ刃部131Aを有するコーナーブロック132A,132B,132C,132D、及びアール部R1に接続することが可能な直線状に延びる切れ刃部131Bを有する直線ブロック133A,133B,133C,133Dから構成されており、コーナーブロック132A~132Dは、所定の位置及び所定の姿勢で固定され、直線ブロック133A~133Dは、コーナーブロックの直線ブロックに接続する先端面53,54に沿ってクリアランス21を規定する位置にスライド移動させることが可能に構成されている。
ダイ130は、コーナーブロック132A~132Dと直線ブロック133A~133Dを組み合わせてアール部R1を有する環状の連続した切れ刃部131を構成することが可能となり、前述した適用例2(図7参照)と同様な効果が得られる。また、直方体である直線ブロック133A~133Dの長さを変更すれば、アール部R1を有する打抜き形状のサイズを変えたり、長方形にしたりすることにも容易に適用することが可能となる。
金型装置1において、パンチ16は、スライド移動させることが可能なパンチブロック16A、16B,16C,16Dで構成される。パンチ16は、隣接する2個のパンチブロックのうち、一方のパンチブロックの切れ刃部20の背面30に他方のパンチブロックの先端面29を突き当てることによって連続した切れ刃部20を構成した状態でパンチホルダ17に固定されている。
パンチブロック16A,16Bは、パンチホルダ17の基準壁面25,26を基準に配置される。パンチブロック16C,16Dは、パンチブロック16A,16Bを基準に配置される。パンチ16は、上述したダイ12と同様な考え方で、分割された複数のパンチブロック16A~16Dを配置して環状の連続した切れ刃部20を構成する。このような構成にすることによって、パンチ16においても、従来の一体型のパンチに対してコストを格段に下げることが可能となり、設備費用を低減することが可能となる。また、複数のパンチブロックの一つが損傷した際に、損傷したパンチブロックだけを補修したり、交換したりすることが可能であり、メンテナンス性に優れた金型装置1を実現することが可能となる。
また、第2の実施の形態に係るダイ124においては、ダイブロック124A,124B,124C,124Dには、切れ刃部154を始点とする前傾斜角θ1が設けられている。前傾斜角θ1を設けるということは、切れ刃部154の刃先角を鋭角にするということであり、被加工材W1が、金属板は勿論、シートやフィルムなどの薄く、軟質な材質であっても良好な打抜き加工を行うことが可能となる。
また、第3の実施の形態に係るダイ125においては、ダイブロック125A,125B,125C,125Dには、切れ刃部155を長さ方向に傾斜させるシャー角θ2と、傾斜した切れ刃部155を始点とする前傾斜角θ1とが設けられている。
ダイ125にシャー角θ2を設けることによって、剪断力を抑えながら鋼板などの硬質材料の打抜きを行うことが可能となる。また、シャー角θ2及び前傾斜角θ1を合成した切れ刃部155を構成することによって、被加工材W1がシートやフィルムなどの薄く、軟質な材質であっても、或いは、鋼板などの硬質材料であっても良好な打抜き加工を行うことが可能となる。