本開示の実施形態を、添付図を用いて以下説明する。参照する各図は模式的に示され詳細が省略されることもある。前後左右上下の各方向は、図2を基準として、Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。上記にいう前後左右上下の各方向は、添付された図面との関係において用いられ、実空間における前後左右上下に限定されない。即ち、上記各方向は、実空間において所定方向に限定される意図を有しない。
(工作機械)
図1を参照する。例えば、工作機械Mtは、被削材Ob(例えば木材又は金属等)及び切削工具10を保持可能であってよい。工作機械Mtは、被削材Obを回転可能であってよいし、切削工具10を前後左右上下に移動可能であってよい。ここで、切削工具10の先端には、被削材Obを切削可能な切削インサート11(以下、インサートと呼ぶ)が位置してよい。インサート11が回転する被削材Obに押し当てられることにより、被削材Obは、所望の大きさ及び形状に切削される。
(切削工具)
切削工具10は、工作機械Mt(より詳細には刃物台MtA)に着脱可能に取り付けられる。切削工具10は、図示の例では、回転する被削材Obを切削する旋削工具である。切削工具10としては、被削材Obの外径を切削する外径切削工具、被削材Obの内径を切削する内径切削工具、被削材Obに溝等を施す溝入れ工具、ねじ切り工具及び突っ切り工具等が挙げられる。
図2を参照する。図2に示すように、切削工具10は、インサート11と、このインサート11を支持するホルダ70と、インサート11をホルダ70に向かって付勢しているクランプ13と、を有してよい。インサート11は、ホルダ70の先端70a(以下、第1端70aとも呼ぶ)に固定されてもよい。以下、切削工具10を構成する各要素の説明をする。最初に、ホルダ70から取り外された状態のインサート11に着目し、これを説明する。次に、インサート11が取り付けられた状態のホルダ70に着目し、これを説明する。クランプ13の説明については、インサート11及びホルダ70の説明中において行う。
(インサート)
インサート11は、スローアウェイチップとも呼ばれ、交換式の刃先を構成する。インサート11は、ホルダ70の先端70a側に構成された凹状のポケット72a内に位置し、クランプ13によって固定されてよい。
インサート11の形状は、任意である。インサート11の形状は、被削材Ob(図1参照)の材質及び形状並びに加工形状等に応じて設定されてよい。図2に例示するように、インサート11は、四角形の板状を呈してよい。その他の態様において、インサート11は、他の多角形(例えば三角形又は五角形)の板状を呈してよい。
インサート11の大きさは、任意である。例えば、インサート11の厚さ(上下方向の長さ)は、5mm以上でもよく、20mm以下でもよい。例えば、インサート11の幅(左右方向の長さ)は、10mm以上でもよく、20mm以下でもよい。
インサート11の材料は、任意である。例えば、インサート11の材料は、PCD(多結晶ダイヤモンド)、CBN(立方晶窒化ホウ素)及び超硬合金等であってよい。PCDは、例えば、単結晶のダイヤモンド粉末を結合剤で固めた焼結体であってもよいし、結合剤を含まないものであってもよい。CBNは、例えば、CBNの粉末を結合剤で固めた焼結体であってもよいし、結合剤を含まない焼結体であってもよい。CBNの結合剤としては、例えば、コバルト、TiC及びTiNが挙げられる。超硬合金は、例えば、WC-Co、WC-TiC-Co及びWC-TiC-TaC-Coであってよい。WC、TiC及びTaCは、硬質粒子である。一方、Coは結合相である。
インサート11は、1種類の材料から構成されてもよいし、複数の部位にそれぞれ位置する複数の材料から構成されてもよい。複数の材料を含むインサート11は、例えば、一部がCBNによって構成され、残部が超硬合金によって構成されてよい。CBNと超硬合金とから構成されるインサート11において、CBNがインサート11の全体積に占める割合は、例えば、1%以下、3%以下、7%以下又は7%以上とされてよい。インサート11は、例えば、被削材Ob(図1参照)に押し当てられる先端のみがCBNで構成されてよい。即ち、CBNの体積は、超硬合金の体積に対して小さくされてよい。これにより、超硬合金より高価なCBNの量を少なくできる。結果、安価なインサート11を提供できる。本段落におけるCBNに関する説明は、PCDに援用されてよい。
図3を参照する。インサート11は、本体部30と、切削部40と、を有してよい。例えば、本体部30は、インサート11の大部分を占めてよい。本体部30がインサート11の大部分を占めている場合、本体部30の概略形状及び大きさについては、インサート11の形状及び大きさについての既述の説明が援用されてよい。本体部30は、クランプ13によってホルダ70側に付勢されてよい。
切削部40は、被削材Ob(図1参照)を切削可能な部位である。切削部40は、例えば、平面視において多角形状(図3では四角形状)を呈する本体部30の角に位置してよい。切削部40は、外方に臨む刃部41を有している。刃部41は、インサート11がホルダ70に固定された状態において被削材Obに接触し、これを切削可能である。刃部41は、後述する、切刃41a、すくい面53及び逃げ面43aによって構成されている。
切削部40の材料は、本体部30の材料と同一であってもよいし、本体部30の材料と異なっていてもよい。1つの態様では、切削部40がCBNにより構成され、本体部30が超硬合金により構成されてよい。1つの態様では、切削部40がPCDにより構成され、本体部30が超硬合金により構成されてよい。1つの態様では、切削部40及び本体部30は、超硬合金により構成されてよい。本体部30及び切削部40の材料による組み合わせは、任意である。切削部40の材料と本体部30の材料とが異なる場合、両者の固定は、ろう付けなどの適宜な方法とされてよい。
図3では、切削部40を1つのみ有するインサート11が示されている。しかしながら、インサート11は、切削部40を2つ有してもよいし、切削部40を3つ以上有してもよい。例えば、インサート11が四角形の板状を呈する場合、インサート11は、互いに対向する2つの角のそれぞれに切削部(合計2つの切削部)を有してもよいし、4つの角のそれぞれに切削部(合計4つの切削部)を有してもよい。また、例えば、インサート11が三角形の板状を呈する場合、インサート11は、3つの角のそれぞれに切削部(合計3つの切削部)を有してよい。また、例えば、インサート11が五角形の板状を呈する場合、インサート11は、5つの角のそれぞれに5つの切削部(合計5つの切削部)を有してよい。このように、切削部40は、多角形状のインサート11の複数の角に対して任意の数で位置してよい。
インサート11は、上面21と、下面22と、これらを繋ぐ側面23と、を有してよい。更に、インサート11には、上面21及び下面22に開口する貫通穴11aがあけられてよい。上面21及び側面23は、インサート11の刃部41を構成している。刃部41が被削材Ob(図1参照)に接触し、これが切削される。
(上面)
上面21は、本体部30及び切削部40の上方に臨む面であってよい。上面21は、インサート11がホルダ70に固定された状態においてクランプ13が当接する面であってよい。
上面21は、四角形状(図示の例)を呈してもよいし、四角形状以外の多角形状(例えば三角形状又は五角形状)を呈してもよい。上面21は、下面22と平行であってもよいし、下面22と平行でなくてもよい。上面21は、少なくとも一部に凹凸を有してよい。
上面21は、本体部30によって構成されている本体部上面31と、切削部40によって構成されている切削部上面50と、を有してよい。本体部上面31は、全体が平滑な面であってもよいし、所々に凹凸を有する面であってもよい。
(切削部上面)
平面視において切削部上面50が上面21に占める面積割合は、任意に設定されてよく、例えば、3%以下、7%以下、15%以下又は15%以上とされてよい。平面視において切削部上面50の形状は、任意である。例えば、切削部上面50は、三角形状を呈してもよいし(図示の例)、矩形状を呈してもよいし、略V字状(U字状も含む)を呈してもよい。
図4~図8を参照する。平面視において、切削部上面50の外縁(切削部上面50と側面23との境界線)は、外方に向かって膨らんだ線状(凸曲線状)を呈する角部51と、この角部51に接続されている辺部52、52と、を有してよい。角部51及び辺部52、52は、被削材Ob(図1参照)の切削に直接寄与する切刃41aを構成してよい。別の観点では、切刃41a(又はそのうちの平面視における外縁)のうち、凸曲線状を呈している部分が角部51とされ、他の部分が辺部52、52と捉えられてよい。
切削部上面50は、角部51及び辺部52、52に沿って延びるすくい面53と、このすくい面53を介して角部51及び辺部52、52から離れている立ち上がり面60と、この立ち上がり面60と本体部上面31とを繋ぐ接続面55と、を有してよい。切削部上面50の形状は、下面22に直交するとともに角部51の二等分線(図5のVI-VI線を参照)を含む仮想平面に対して面対称の形状とされてもよいし(図示の例)、非対称の形状とされてもよい。
(角部)
凸曲線状を呈する角部51の曲率は、任意であり、また、角部51内の位置によらずに一定であってもよいし、角部51内の位置によって異なっていてもよい。凸曲線状を呈する角部51は、凸部の頂点から辺部52、52に向かう方向において上方に傾斜していてもよいし、凸部の頂点から辺部52、52に向かう方向において水平に延びていてもよいし、凸部の頂点から辺部52、52に向かう方向において下方に傾斜していてもよい。
(辺部)
辺部52、52は、互いに所定の角度を成すように直線状に延びてよい。ここでいう直線状は、厳密な直線を意味しなくてよい。例えは、平面視において角部51の曲線状と区別できるだけでもよい。図4及び図5の例では、辺部52は、角部51に繋がる直線状の第1部位52aと、第1部位52aに繋がり、第1部位52aよりも長い、直線状の第2部位52bとを有している。両者のなす角は比較的小さい。第1部位52aは、切刃41aのうち、いわゆるさらい刃を構成する部分である。このように、辺部52は、直線状とは言っても、厳密に見たときに、2直線から構成されていても構わない。もちろん、辺部52は、1直線から構成されていても構わない(さらい刃を含んでいなくても構わない。)。
辺部52、52は、角部51から本体部上面31(接続面55)に向かって上方に傾いていてもよいし、角部51から本体部上面31に向かって水平であってもよいし、角部51から本体部上面31に向かって下方に傾いていてもよい。一方の辺部52は、他方の辺部52との関係で、傾斜角度が同一であってもよいし、傾斜角度が異なってもよい。例えば、一方の辺部52が上方に向かう傾斜角度を有し、他方の辺部52が下方に向かう傾斜角度を有してもよい。
辺部52、52の長さは、任意である。例えば、辺部52、52は、互いの長さが同一であってもよいし、互いの長さが異なってもよい。辺部52、52は、それぞれ、角部51より長くてもよいし、角部51より短くてもよいし、角部51と長さが同一であってもよい。
(切刃)
切刃41aは、ホーニングがなされていてもよいし、ホーニングがなされていなくてもよい。ホーニングは、切刃41aを丸くする丸ホーニングであってもよいし、切刃41aに平面状の斜面を形成するチャンファホーニングであってもよい。図示の例では、切刃41aは、チャンファホーニングがなされている。従って、切削部上面50の外縁を構成している角部51及び辺部52、52の内側には、概略平面状で、これらに沿って延びるホーニング面41bが形成されている。丸ホーニングの場合においては、ホーニング面41bは曲面状である。
平面視において、切刃41aの長さに占める角部51及び辺部52、52の割合は適宜に設定されてよい。例えば、角部51の長さ(曲線に沿う長さ)は、一方の辺部52の長さよりも長くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、短くてもよい。別の観点では、角部51の曲率半径は、切刃51aの長さに対して比較的大きくてもよいし、比較的小さくてもよい。図5の例では、角部51の長さは、一方の辺部52の長さに対して、1.1倍以上3倍以下、又は1.5倍以上2倍以下とされている。
(すくい面)
辺部52、52及び角部51(別の観点では切刃41a)に沿って延びているすくい面53は、辺部52、52及び角部51から離れるほど下方(下面22)に向かってよい。なお、通常、すくい面の語は、切刃41aから離れるほど下方に向かっているか否かを問わず、逃げ面43aと交差して切刃41aを構成する面を指す。ただし、本実施形態の説明では、便宜上、上記のように切刃41aから離れるほど下方に向かっている面がすくい面53として捉えられてよい。すくい面53は、切刃41aに沿う方向において、切刃41aの長さの大部分(例えば8割以上)又は全部に亘る長さを有していてよい。
すくい面53の傾斜角度は、任意である。例えば、すくい面53の傾斜角度(最小値、平均値又は最大値)は、10度以下、25度以下又は25度以上とされてよい。すくい面53の傾斜角度は、角部51及び辺部52、52に沿う方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらず一定であってもよい。また、すくい面53の傾斜角度は、切刃51aから離れる方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらずに一定であってもよい。
なお、傾斜角度の平均値は、例えば、下面22に直交するとともに平面視において切刃41aに直交する断面において、傾斜面の各位置における傾斜角度を傾斜面に沿って積分した値を傾斜面に沿う長さによって割ることによって求められてよい。また、例えば、上記の断面において、傾斜面の下端と上端とを結ぶ線の傾斜角度を平均値として扱ってもよい。
すくい面53は、辺部52、52及び角部51に繋がっていてよい。言い換えると、すくい面53は、切刃41aに繋がっていてよい。ただし、すくい面53は、切刃41aに繋がっていなくてもよい。例えば、すくい面53と切刃41aとの間には、下面22に平行なランドが設けられていてもよい。
平面視における、すくい面53の形状は、任意である。例えば、図示の例のように、すくい面53は、平面視において略V字形状(略U字形状を含む)を呈してよい。平面視において、すくい面53は、外方に凸となる曲線状であってもよいし、辺部52、52に沿う直線状であってもよいし、両者の組み合わせであってもよい。下面22に直交するとともに平面視において切刃41aに直交する断面において、すくい面53は、凹状の曲線状であってもよいし、直線状であってもよいし、両者の組み合わせであってもよい。
すくい面53の幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落において以下同様。)は、その大きさが任意に設定されてよい。すくい面53の幅は、角部51及び辺部52、52に沿う方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらずに一定であってもよい。図示の例では、すくい面53は、角部51に沿った部分の幅が辺部52、52に沿った部分の幅よりも大きくされている。
(立ち上がり面)
すくい面53を介して辺部52、52及び角部51から離れている立ち上がり面60は、すくい面53(別の観点では角部51及び辺部52、52)から離れるほど上方に向かっていてよい。ただし、後述するように、立ち上がり面60は、一部に、すくい面53から離れるほど上方に向かわない部位を含んでいてもよい。
立ち上がり面60の傾斜角度は、任意である。例えば、立ち上がり面60の傾斜角度の平均値又は最大値は、10度以下と比較的小さくてもよいし、逆に、傾斜角度の平均値又は最小値は、60°以上と比較的大きくてもよい。立ち上がり面60の傾斜角度は、角部51及び辺部52、52に沿う方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらず一定であってもよい。また、立ち上がり面60の傾斜角度は、切刃41aから離れる方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらずに一定であってもよい。
立ち上がり面60は、すくい面53の、角部51及び辺部52、52とは反対側の部分に繋がっていてよい。既述のように、すくい面53は、角部51及び辺部52、52から離れるほど下方に向かっていてよい。従って、下面22に直交するとともに平面視において切刃41aに直交する断面において、すくい面53と立ち上がり面60との境界は、両者の間の最も低い部分であってよい。上記断面において、図示の例では、すくい面53と立ち上がり面60との境界及びその周囲の部位は、下方に凹む曲線状とされている。ただし、当該部位は、角を成していてもよい。また、当該部位は、下面22に対して平行であってもよい。別の観点では、すくい面53と立ち上がり面60とは、直接に繋がらす、他の面を介して繋がっていてもよい。
平面視における、立ち上がり面60の形状は、任意である。すくい面53の形状についての既述の説明は、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60に援用されてよい。例えば、立ち上がり面60は、すくい面53と同様に、平面視において略V字形状(略U字形状を含む)を呈してよい。
立ち上がり面60の切刃41aに沿う長さは任意に設定されてよい。例えば、立ち上がり面60は、切刃41aに沿う方向において、切刃41aの長さの大部分(例えば8割以上)又は全部に亘る長さを有していてよい。
立ち上がり面60の幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落において以下同様。)は、その大きさが任意に設定されてよい。立ち上がり面60の幅は、角部51及び辺部52、52に沿う方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらずに一定であってもよい。立ち上がり面60の幅は、すくい面53の幅に対して、大きくてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、小さくてもよい。例えば、立ち上がり面60の幅は、角部51の二等分線上において、すくい面53の幅の0.5倍以上5倍以下、又は1倍以上3倍以下とされてよい。
立ち上がり面60は、すくい面53を介して辺部52、52及び角部51(切刃41a)から離れている第1立ち上がり面61と、第1立ち上がり面61の上部に繋がっている第2立ち上がり面62と、を有していてよい。また、立ち上がり面60は、角部51の二等分線上において第1立ち上がり面61の一部と第2立ち上がり面62の一部との間に介在している連結面63を有してよい。
第1立ち上がり面61と第2立ち上がり面62とは、例えば、傾斜角度が互いに相違する。例えば、第2立ち上がり面62の傾斜角度は、第1立ち上がり面61の傾斜角度よりも大きい。ただし、後述する第1角領域61aを含む面を第1立ち上がり面61とし、後述する第2角領域62aを含む面を第2立ち上がり面62としてもよい。すなわち、第1立ち上がり面61及び第2立ち上がり面62は、その傾斜角度から区別ができなくてもよい。
なお、一方の面(又は領域)の傾斜角度が他方の面(又は領域)の傾斜角度よりも大きいという場合、例えば、一方の面の傾斜角度の平均値が他方の面の傾斜角度の平均値よりも大きいこととされてよい。また、例えば、一方の面(又は領域)の傾斜角度の最小値が他方の面の傾斜角度の最大値よりも大きいこととされてもよい。
(第1立ち上がり面)
第1立ち上がり面61は、例えば、立ち上がり面60のうちの最もすくい面53側の部位とされてよい。立ち上がり面60とすくい面53との境界についての既述の説明は、第1立ち上がり面61に援用されてよい。なお、図示の例とは異なり、立ち上がり面60は、第1立ち上がり面61とすくい面53との間に第3立ち上がり面を有していてもよい。
第1立ち上がり面61は、辺部52、52及び角部51(切刃41a)から離れるほど上方に向かってよい。第1立ち上がり面61の傾斜角度については、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の傾斜角度についての既述の説明が援用されてよい。第1立ち上がり面61の傾斜角度は、立ち上がり面60内において、相対的に小さくされてよい。例えば、立ち上がり面60の傾斜角度の最大値が70度以上であるのに対して、第1立ち上がり面61の傾斜角度の最大値又は平均値は、60度未満、又は50度未満とされてよい。
第1立ち上がり面61の平面視における形状、及び切刃41aに沿う長さについては、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の平面視における形状についての既述の説明が援用されてよい。例えば、第1立ち上がり面61は、平面視において略V字形状(略U字形状を含む)を呈してよい。
第1立ち上がり面61の幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落において以下同様。)については、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の幅についての既述の説明(すくい面53の幅との対比を除く)が援用されてよい。また、第1立ち上がり面61の幅は、立ち上がり面60の幅に対して、1/2以上であってもよいし(図示の例)、1/2未満であってもよい。図示の例では、切刃41aに沿う各位置において、第1立ち上がり面61の幅は、立ち上がり面60の幅の1/3以上2/3以下であり、すくい面53の幅の0.5倍以上5倍以下である。
第1立ち上がり面61は、角部51に沿う第1角領域61aと、辺部52、52に沿う第1辺領域61b、61bと、を有してよい。なお、図4では、第1角領域61aのおおよその範囲を点線で示している。第1角領域61aは、角部51の二等分線に直交する断面視(図7)において凹状であってよい。別の観点では、第1立ち上がり面61のうち、角部51の二等分線に直交する断面視において凹状となっている領域が第1角領域61aとされ、第1角領域61a以外の領域が第1辺領域61b、61bとされてよい。
(第1角領域)
切刃41aに沿う方向において、第1角領域61aの範囲(換言すれば凹状となっている範囲)は、適宜に設定されてよい。例えば、平面視において、第1角領域61aと第1辺領域61bとの境界を通り、切刃41aに直交する直線を仮定したとき、当該直線は、角部51を通ってもよいし(図示の例)、辺部52を通ってもよい。換言すれば、第1角領域61aは、例えば、少なくとも一部が角部51の少なくとも一部に沿っている。
図5に示すように、平面視において、角部51の二等分線に直交する方向における角部51の長さを長さL0とする。また、上記方向における第1角領域61aの長さ(最大長さ又は平均長さ)を長さL1とする。このとき、長さL1は、長さL0よりも短くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、長くてもよい。長さL1が長さL0よりも短い場合において、両者の相違も適宜に設定されてよい。例えば、長さL1は、長さL0の0.8倍以下であってもよいし、0.6倍以下であってもよいし、0.4倍以下であってもよい。
第1角領域61aの幅(例えば、平面視における、切刃41aに直交する方向の長さ、又は角部51の二等分線に沿う方向の長さ。本段落において以下同様。)は適宜に設定されてよい。第1角領域61aの幅については、矛盾等が生じない限り、第1立ち上がり面61の幅についての既述の説明が援用されてよい。図示の例では、角部51の二等分線上において、第1角領域61aの幅(図5に示す長さL5)は、立ち上がり面60の幅の1/3以上2/3以下、又は2/5以上3/5以下であり、すくい面53の幅の0.7倍以上1.5倍以下である。
平面視において、上記の長さL1は、上記の長さL5よりも長くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、短くてもよい。また、長さL1が長さL5よりも長い場合において、その相違も適宜に設定されてよい。例えば、図示の例では、長さL1は、長さL5に対して、1.1倍以上5倍以下、又は2倍以上3倍以下である。
平面視において、第1角領域61aの形状は適宜に設定されてよい。図示の例では、第1角領域61aは、概略、角部51の二等分線に直交する長辺を有する長方形において短辺を外側に膨らむ曲線状にした形状とされている。この他、例えば、第1角領域61aは、楕円状(数学で定義されるものに限定されない。以下、同様。)とされたり、角部51側に角を有する三角形状、V字状(U字状を含む)とされたりしてよい。
平面視において、第1角領域61aの面積は適宜に設定されてよい。例えば、平面視において、第1角領域61aの面積は、第1立ち上がり面61の面積の1/2未満であってもよいし(図示の例)、1/2以上であってもよい。図示の例では、平面視において、第1角領域61aの面積は、第1立ち上がり面61の面積に対して、1/20以上1/2以下、又は1/10以上1/5以下である。
角部51の二等分線に直交する断面視(図7)における第1角領域61aの凹形状の深さは適宜に設定されてよい。例えば、第1角領域61aの凹形状の深さは、第1角領域61aの中央(例えば図形重心)を通る上記断面において、すくい面53の最も高い位置から最も深い位置までの深さに対して、0.1倍以上、0.5倍以上又は1倍以上とされてよく、5倍以下、2倍以下又は1倍以下とされてよく、上記の下限値と上限値とは、矛盾が生じない限り、適宜に組み合わされてよい。
角部51の二等分線に直交する断面視(図7)における第1角領域61aの凹形状の具体的な形状は適宜に設定されてよい。例えば、凹形状は、その全体が曲線状であってよい(図示の例)。また、例えば、凹形状は、底面の中央側が直線状とされるなど、直線と曲線との組み合わせであってもよい。また、例えば、第1角領域61aは、四角形のように直線の組み合わせであってもよい。
角部51の二等分線に沿う断面視(図6)において、第1角領域61aの形状は、凹状であってもよいし(図示の例)、直線状であってもよいし、凸状であってもよい。凹形状又は凸形状は、その全体が曲線状であってもよいし、直線と曲線との組み合わせであってもよいし、2以上の直線の組み合わせであってもよい。凹形状である場合の深さ等も適宜に設定されてよい。
第1角領域61aは、角部51(切刃41a)から離れるほど上方に向かってよい。第1角領域61aの傾斜角度については、矛盾等が生じない限り、第1立ち上がり面61の傾斜角度についての既述の説明が援用されてよい。図示の例では、角部51の二等分線上の各位置において、第1角領域61aの傾斜角θ1(図6では最大傾斜角に符号を付している。)は、10度以上50度未満とされている。
(第1辺領域)
第1辺領域61b、61bは、既述のように、第1立ち上がり面61のうちの第1角領域61a以外の領域である。従って、第1辺領域61bの範囲については、第1立ち上がり面61の範囲及び第1角領域61aの範囲の説明から理解できることから、ここでは説明を省略する。また、第1辺領域61bの、平面視における形状、傾斜角度、及び幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落及び次段落において以下同様。)については、矛盾等が生じない限り、第1立ち上がり面61の、平面視における形状、傾斜角度、及び平面視における幅の説明が援用されてよい。
図示の例では、第1辺領域61bの大部分(例えば6割以上の面積の部分。本段落において以下同様。)は平面状とされている。ただし、第1辺領域61bの大部分は、凹状、凸状又はこれらの組み合わせとされていても構わない。また、図示の例では、平面視において、第1辺領域61bの大部分は、一定の幅で辺部52に沿って直線状に延びる形状とされている。ただし、第1辺領域61bの大部分は、平面視において、外側に膨らむ形状、又は外側から窪む形状とされていても構わない。
(第2立ち上がり面)
第2立ち上がり面62は、辺部52、52及び角部51(切刃41a)から離れるほど上方に向かってよい。第2立ち上がり面62の傾斜角度については、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の傾斜角度についての既述の説明が援用されてよい。第2立ち上がり面62の傾斜角度は、立ち上がり面60内において、相対的に大きくされてよい。例えば、立ち上がり面60の傾斜角度の最小値が30度以下であるのに対して、第2立ち上がり面62の傾斜角度の平均値又は最小値は50度以上とされてよい。
第2立ち上がり面62の平面視における形状、及び切刃41aに沿う長さについては、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の平面視における形状についての既述の説明が援用されてよい。例えば、第2立ち上がり面62は、平面視において略V字形状(略U字形状を含む)を呈してよい。
第2立ち上がり面62の幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落において以下同様。)についても、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の幅についての既述の説明(すくい面53の幅との対比を除く)が援用されてよい。第2立ち上がり面62の幅は、立ち上がり面60の幅に対して、1/2未満であってもよいし(図示の例)、1/2以上であってもよい。図示の例では、切刃41aに沿う各位置において、第2立ち上がり面61の幅は、立ち上がり面60の幅の1/3以上2/3以下であり、すくい面53の幅の0.5倍以上3倍以下である。
図示の例では、第2立ち上がり面62の傾斜角度が第1立ち上がり面61の傾斜角度に対して大きいことから、平面視において、第2立ち上がり面62の幅は、第1立ち上がり面61の幅に対して小さくなりやすい。第2立ち上がり面62の当該面に概略沿う方向における幅は、第1立ち上がり面61の当該面に概略沿う方向における幅に対して、大きくてもよいし、概略同等でもよいし(図示の例)、小さくてもよい。
第2立ち上がり面62は、角部51に沿う第2角領域62aと、辺部52、52に沿う第2辺領域62b、62bと、を有してよい。なお、図4では、第2角領域62aのおおよその範囲を点線で示している。第2角領域62aは、第1角領域61aとは逆に、角部51の二等分線に直交する断面視(図8)において凸状であってよい。別の観点では、第2立ち上がり面62のうち、角部51の二等分線に直交する断面視において凸状となっている領域が第2角領域62aとされ、第2角領域62a以外の領域が第2辺領域62b、612とされてよい。
(第2角領域)
切刃41aに沿う方向において、第2角領域62aの範囲(換言すれば凸状となっている範囲)は、適宜に設定されてよい。例えば、切刃41aに沿う方向において、第2角領域62aの範囲は、第1角領域61aの範囲よりも長くてもよいし、概略同等でもよいし(図示の例)、短くてもよい。いずれにせよ、切刃41aに沿う方向における第2角領域62aの範囲については、矛盾等が生じない限り、切刃41aに沿う方向における第1角領域61aについての既述の説明が適用されてよい。例えば、第2角領域62aは、少なくとも一部が角部51の少なくとも一部に沿っている。
図5に示すように、平面視において、角部51の二等分線に直交する方向における第2角領域62aの長さ(最大長さ又は平均長さ)を長さL2とする。このとき、長さL2は、第1角領域61aの既述の長さL1に対して、短くてもよいし、概略同等でもよいし(図示の例)、長くてもよい。図示の例では、長さL2は、長さL1に対して、3/5以上7/5以下、又は4/5以上6/5以下である。いずれにせよ、長さL2ついては、矛盾等が生じない限り、長さL1についての既述の説明が援用されてよい。
第2角領域62aの幅(例えば、平面視における、切刃41aに直交する方向の長さ、又は角部51の二等分線に沿う方向の長さ。本段落において以下同様。)は適宜に設定されてよい。第2角領域62aの幅については、矛盾等が生じない限り、第2立ち上がり面62の幅についての既述の説明が援用されてよい。図示の例では、角部51の二等分線上において、第2角領域62aの幅(図5に示す長さL6)は、立ち上がり面60の幅の1/3以上2/3以下、又は1/3以上1/2以下であり、すくい面53の幅の0.5倍以上1.3倍以下である。長さL6は、第1角領域61aの長さL5に対して、短くてもよいし(図示の例)、概略同等でもよいし、長くてもよい。
平面視において、上記の長さL2は、上記の長さL6よりも長くてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、短くてもよい。また、長さL2が長さL6よりも長い場合において、その相違も適宜に設定されてよい。例えば、図示の例では、長さL2は、長さL6に対して、1.1倍以上5倍以下、又は3倍以上4倍以下である。
平面視において、第2角領域62aの形状は適宜に設定されてよい。図示の例では、第2角領域62aは、概略、角部51側に下底が位置する台形状とされている。別の観点では、第2角領域62aは、概略、角部51側に角を有するV字状(U字状を含む)とされている。この他、例えば、第2角領域62aは、矩形状とされたり、楕円状とされたりしてよい。また、平面視において、第2角領域62aの形状は、第1角領域61aの形状と相似とされていてもよいし、全く異なる形状とされていてもよい。
平面視において、第2角領域62aの面積は適宜に設定されてよい。例えば、平面視において、第2角領域62aの面積は、第2立ち上がり面62の面積の1/2未満であってもよいし(図示の例)、1/2以上であってもよい。図示の例では、平面視において、第2角領域62aの面積は、第2立ち上がり面62の面積に対して、1/20以上1/2以下、又は1/8以上1/3以下である。また、平面視において、第2角領域62aの面積は、第1角領域61aの面積に対して、小さくてもよいし、概略同等でもよいし(図示の例)、大きくてもよい。図示の例では、平面視において、第2角領域62aの面積は、第1角領域61aの面積に対して、2/5以上8/5以下、又は2/3以上4/3以下である。
角部51の二等分線に直交する断面視(図8)における第2角領域62aの凸形状の高さ(突出量)は適宜に設定されてよい。例えば、凸形状の高さは、第2角領域62aの中央(例えば図形重心)を通る上記断面において、すくい面53の最も高い位置から最も深い位置までの深さに対して、0.1倍以上、0.5倍以上、1倍以上又は1.5倍以上とされてよく、10倍以下又は5倍以下とされてよく、上記の下限値と上限値とは、適宜に組み合わされてよい。また、角部51の二等分線に直交する断面視において、第2角領域62aの凸形状の高さは、第1角領域61aの凹形状の深さよりに対して、小さくてもよいし、概略同等でもよいし、大きくてもよい。
なお、角部51の二等分線に直交する断面視(図7及び図8)においては、凹形状の深さ及び凸形状の高さに傾斜角度等も影響している。図7及び図8の例では、第2角領域62aにおける凸形状の高さが、第1角領域61aにおける凹形状の深さよりも大きくなっている。ただし、各領域の傾斜角度で傾斜する平面に対する凸形状の高さ及び凹形状の深さの大小関係は、必ずしも上記のとおりとは限らない。
角部51の二等分線に直交する断面視(図8)における第2角領域62aの凸形状の具体的な形状は適宜に設定されてよい。例えば、凸形状は、その全体が曲線状であってよい(図示の例)。また、例えば、凹形状は、頂面の中央側が直線状とされるなど、直線と曲線との組み合わせであってもよい。また、例えば、第2角領域62aは、四角形のように直線の組み合わせであってもよい。
角部51の二等分線に沿う断面視(図6)において、第2角領域62aの形状は、凸状であってもよいし(図示の例)、直線状であってもよいし、凹状であってもよい。凹形状又は凸形状は、その全体が曲線状であってもよいし、直線と曲線との組み合わせであってもよいし、2以上の直線の組み合わせであってもよい。凸形状である場合の高さ(突出量)等も適宜に設定されてよい。
第2角領域62aは、角部51(切刃41a)から離れるほど上方に向かってよい。第2角領域62aの傾斜角度については、矛盾等が生じない限り、第2立ち上がり面62の傾斜角度についての既述の説明が援用されてよい。図示の例では、角部51の二等分線上の各位置において、第2角領域62aの傾斜角θ2(図6では最大傾斜角に符号を付している。)は、50度以上80度以下とされている。
(第2辺領域)
第2辺領域62b、62bは、既述のように、第2立ち上がり面62のうちの第2角領域62a以外の領域である。従って、第2辺領域62bの範囲については、第2立ち上がり面62の範囲及び第2角領域62aの範囲の説明から理解できることから、ここでは説明を省略する。また、第2辺領域62bの、平面視における形状、傾斜角度、及び幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ。本段落及び次段落において以下同様。)については、矛盾等が生じない限り、第2立ち上がり面62の、平面視における形状、傾斜角度、及び平面視における幅の説明が援用されてよい。
図示の例では、第2辺領域62bの大部分(例えば6割以上又は8割以上の面積の部分。本段落において以下同様。)は平面状とされている。ただし、第2辺領域62bの大部分は、凹状、凸状又はこれらの組み合わせとされていても構わない。また、図示の例では、平面視において、第2辺領域62bの大部分は、一定の幅で辺部52に沿って直線状に延びる形状とされている。ただし、第2辺領域62bの大部分は、平面視において、外側に膨らむ形状、又は外側から窪む形状とされていても構わない。
(連結面)
既述のように、第1角領域61aは、角部51の二等分線に直交する断面視(図7)において凹状の領域とされてよい。また、第2角領域62aは、角部51の二等分線に直交する断面視(図8)において凸状の領域とされてよい。そして、両者の間には、凹状の領域とも凸状の領域とも特定できない連結面63が介在してよい。特に図示しないが、連結面63は、例えば、角部51の二等分線に直交する断面視において直線状とされてよい。なお、連結面63が設けられず、平面視において第1角領域61aと第2角領域62aとが繋がっていてもよい。
連結面63は、その少なくとも一部が第1角領域61aの少なくとも一部と第2角領域62aの少なくとも一部との間に介在して両者を繋いでいてよい。別の観点では、第1角領域61aと第2角領域62aとは、少なくとも一部同士(例えば角部51の二等分線上の部位同士)が繋がらずに離れていてよい。図示の例では、連結面63は、角部51に沿う方向において、第1角領域61a及び第2角領域62aの少なくとも一方の概ね全体に亘っている。別の観点では、第1角領域61a及び第2角領域62aは、その全体同士が離れており、互いに繋がっている部分を有していない。
平面視において、連結面63の切刃41aに沿う長さ、及び角部51の二等分線に直交する方向の長さは適宜に設定されてよい。例えば、既述の説明から理解されるように、切刃41aに沿う方向、又は二等分線に直交する方向において、連結面63は、第1角領域61a及び第2角領域62aの少なくとも一方に対して、短くてもよいし、概略同等でもよいし(図示の例)、長くてもよい。図示の例では、平面視において、二等分線に直交する方向における連結面63の長さは、既述の長さL1及び長さL2の少なくとも一方に対して、3/5以上7/5以下、又は4/5以上6/5以下である。
連結面63の幅(例えば平面視における切刃41aに直交する方向の長さ、又は角部51の二等分線に沿う方向の長さ。本段落において以下同様。)は、その大きさが任意に設定されてよい。連結面63の幅は、角部51に沿う方向の位置によって異なっていてもよいし、当該方向の位置によらずに一定であってもよい。連結面63の幅は、第1角領域61a及び/又は第2角領域62aの幅に対して、小さくてもよいし(図示の例)、同等でもよいし、大きくてもよい。図示の例では、二等分線上において、連結面63の幅は、既述の長さL5及びL6の少なくとも一方に対して、1/20以上又は1/10以上であり、1/2以下又は1/3以下であり、上記の下限と上限とは適宜に組み合わされてよい。
平面視における、連結面63の形状は、任意である。第1角領域61a及び第2角領域62aの平面視における形状についての既述の説明は、矛盾等が生じない限り、連結面63に援用されてよい。図示の例では、平面視において、連結面63の形状は、概略長方形とされている。
連結面63の傾斜角度は、任意である。連結面63の傾斜角度については、矛盾等が生じない限り、立ち上がり面60の傾斜角度についての既述の説明が援用されてよい。連結面63の傾斜角度は、最大値同士又は平均値同士を比較したときに、第1角領域61aの傾斜角度及び第2角領域62aの傾斜角度の少なくとも一方に対して、小さくてもよいし、同等でもよいし、大きくてもよい。図6に示す例では、連結面63の傾斜角度は、第2角領域62aとの接続部分を除いて、第1角領域61aの傾斜角度及び第2角領域62aよりも小さい。また、図6に示す例では、角部51の二等分線上において、連結面63の傾斜角度の平均値は30度以下又は20度以下である。
(立ち上がり面内の傾斜角度の大小関係)
既述のように、1つの態様では、第2立ち上がり面62の傾斜角度は、第1立ち上がり面61の傾斜角度よりも大きくされてよい。この場合の2つの面の傾斜角度の具体的な大きさ及び差も適宜に設定されてよい。例えば、第1立ち上がり面61の傾斜角度の平均値(又は最大値)は、50度未満又は60度未満とされてよい。一方で、第2立ち上がり面62の傾斜角度の平均値(又は最小値)は50度以上(ただし第1立ち上がり面61の傾斜角度の平均値又は最大値は50度未満)又は60度以上とされてよい。また、第1立ち上がり面61の傾斜角度の平均値と第2立ち上がり面62の傾斜角度の平均値の差、又は第1立ち上がり面61の傾斜角度の最大値と第2立ち上がり面62の傾斜角度の最小値との差は、1度以上であってもよいし、10度以上であってもよい。
上記の説明は、矛盾等が生じない限り、第1角領域61aの傾斜角度と第2角領域62aの傾斜角度との関係に援用されてよい。同様に、上記の説明は、矛盾等が生じない限り、第1辺領域61bの傾斜角度と第2辺領域62bの傾斜角度との関係に援用されてよい。さらに上記の説明は、矛盾等が生じない限り、角部51の二等分線を含む断面視(図6)において、第1角領域61aの傾斜角度θ1と第2角領域62aの傾斜角度θ2との関係に援用されてよい。図6に示す例では、既述のように、第1角領域61aの各位置において、傾斜角度θ1は、10度以上50度未満とされている。また、図6に示す例では、第2角領域62aの各位置において、傾斜角度θ2は、50度以上80度以下とされている。換言すれば、傾斜角度θ2の最大値、平均値及び最小値は、傾斜角度θ1の最大値よりも大きくされている。
図6に示すように、角部51の二等分線を含む断面視において、第2角領域62aに接する接線Lt2を考える。このとき、接線Lt2は、第1角領域61aから下方へ離れてよい。すなわち、接線Lt2は、第1角領域61a(曲線)に対して交差しないようにされてよい。これは、第2角領域62a(曲線)のいずれの位置(点)に対する接線Lt2についても成り立ってよい。図6では、接線Lt2として、第1角領域61aに最も交差しやすい位置におけるものが例示されている。図示の例とは異なり、接線Lt2は、第1角領域61aに交差しても構わない。
(接続面)
接続面55は、立ち上がり面60の上部(図示の例では第2立ち上がり面62の上部)に繋がってよい。また、接続面55は、立ち上がり面60の上部から本体部上面31に向かって下面22に平行に広がってよい。平面視において、接続面55は、切削部上面50から接続面55を除いた部位より大きくてもよいし、同等でもよいし、小さくてもよい。接続面55は、切削部上面50を構成する面のうち、最も上方に位置する面であってもよい。
(下面)
図2及び図3に示す下面22は、インサート11がホルダ70(図2参照)に固定された状態においてホルダ70側に臨み、ホルダ70に当接してよい。下面22の形状については、上面21の形状の説明を援用してよい。下面22は、例えば、上面21とは異なる構成とされてもよいし、同様の構成とされてもよい。前者としては、例えば、下面22の全体が凹凸を有さない平面状である態様を挙げることができる。後者の構成では、下面22にも切削部40が設けられている。
(側面)
側面23は、外側に向かって膨出していてもよいし、内側に向かって窪んでいてもよいし、曲率を有しない面であってもよい。更に、側面23は、全体が平滑な面であってもよいし、所々に凹凸を有する面であってもよい。
側面23は、本体部30の側面である本体部側面33(図3)と、切削部40の側面のである切削部側面43(図4)と、を有してよい。切削部側面43は、本体部側面33と連続していてもよいし、連続していなくてもよい。
切削部側面43は、刃部41を構成する逃げ面43aを含んでよい。逃げ面43aは、すくい面53に繋がり、被削材Obにインサート11が必要以上に接触しないようすくい面53に対し所定の角度だけ傾いている。逃げ面43a及びすくい面53の境界には、切刃41aが位置している。即ち、切刃41aは、逃げ面43a及びすくい面53の稜線を含んでいる。
(ホルダ)
図2を参照する。ホルダ70は、例えば、先端70a(第1端70a)から後端70b(以下、第2端70bとも呼ぶ。)に延びる形状とされてよい。換言すれば、ホルダ70は、棒形状を呈してよい。ホルダ70の長さは、任意に設定できる。例えば、ホルダ70の長さは、50mm~200mmの範囲で設定されてもよい。
ホルダ70の大きさは、任意に設定できる。例えば、ホルダ70の幅(左右方向)及び厚さ(上下方向)は、10mm以上、20mm以上又は50mm以上とされてよい。ホルダ70の幅及び厚さは、互いに異なっていてもよいし、互いに同一であってもよい。ホルダ70の厚さは、先端70aに向かって大きくなっていてもよい。
ホルダ70の材料は、任意に設定できる。例えば、ホルダ70の材料は、鋼又は鋳鉄等であってよい。ホルダ70の材料が鋳鉄である場合においては、例えば、ホルダ70の柔靭性が向上する。
ホルダ70は、シャンク部71と、固定部72と、を有してよい。シャンク部71は、ホルダ70の第2端70b側を構成している。シャンク部71の形状は、任意である。例えば、シャンク部71が延びる方向に垂直な断面において、シャンク部71は、矩形状を呈してもよいし、円形状を呈してもよい。シャンク部71は、第1面71aと、第2面71bと、第3面71cと、第4面71dと、を有してよい。
第1面71aは、インサート11の逃げ面43aが臨む方向を向いていてよい。第2面71bは、第1面71aの反対側に位置してよい。第3面71cは、第1面71a及び第2面71bを繋ぐと共に、すくい面53が臨む方向を向いていてよい。第4面71dは、第1面71a及び第2面71bを繋ぐと共に、第3面71cの反対側に位置してよい。
固定部72は、ホルダ70の第1端70a側に位置している。固定部72には、インサート11が固定されている。例えば、固定部72に位置する凹状のポケット72aにインサート11が嵌め込まれてよい。インサート11は、クランプ13によって下方に付勢されることによって、ポケット72aの底面及びクランプ13に挟まれて固定されてよい。更には、インサート11にあけられた貫通穴11aには、ホルダ70に向かってインサート11を付勢するクランプ13の先端が挿入されてよい。クランプ13は、ホルダ70に螺合されたねじによって固定されてよい。
(切削加工物の製造方法)
図9を参照する。図9には、切削加工物(加工後の被削材Ob)の製造方法(別の観点では切削方法)の各工程が示されている。以下に述べる各工程は、工作機械Mtによって自動でなされてもよいし、オペレータの操作及び/又は人力によって手動でなされてもよい。
製造方法は、例えば、工作機械Mtに切削前の被削材Obを取り付ける工程(被削材を固定する工程)から始められてよい。その後、例えば、工作機械Mtの刃物台MtAに切削工具10が取り付けられてよい(工具を固定する工程)。尚、被削材を固定する工程は、例えば、工具を固定する工程を終えた後に行われてもよい。
工作機械Mtに対し被削材Ob及び切削工具10が固定されたら、切削工具10(インサート11)の位置決めが行われてよい(位置決め工程)。次に、工作機械Mtによって被削材Obが回転されてよい(回転工程)。被削材Obが回転している状態において、切削工具10が被削材Obに接触されてよい(切削工程)。具体的には、インサート11の切削部40が被削材Obに接触されてよい。そして、被削材Obが所望の大きさ及び形状になるまで切削されてよい。
被削材Obが所望の大きさ及び形状になったら、切削工具10が被削材Obから離されてよい(切削工具を離す工程)。その後、被削材Obの回転が停止され(停止工程)、工作機械Mtから被削材Obが取り外されてよい(被削材取り外し工程)。このようにして、切削された被削材Ob(切削加工物)が得られる。
以上のとおり、本実施形態では、切削インサート11は、上面21と、上面21の反対側に位置する下面22と、上面21及び前記下面22を繋ぐ側面23と、を有している。上面21は、第1角(角部51)と、第1辺(辺部52)と、すくい面53と、第1立ち上がり面61と、第2立ち上がり面62と、を有している。角部51は、平面視において外方に向かって膨らんだ凸曲線状を呈している。辺部52は、角部51に接続されている。すくい面53は、辺部52及び角部51に沿って延びていると共に、辺部52及び角部51から離れるほど下方に向かっている。第1立ち上がり面61は、すくい面53を介して辺部52及び角部51から離れ、すくい面53から離れるほど上方に向かっている。第2立ち上がり面62は、第1立ち上がり面61の上部に繋がっていると共に、第1立ち上がり面61から離れるほど上方に向かっている。第1立ち上がり面61は、角部51に沿った第1角領域61aを有している。第2立ち上がり面62は、角部51に沿った第2角領域62aを有している。第1角領域61aは、角部51の二等分線(VI-VI線参照)に直交する断面視(図7)において凹状である。第2角領域62aは、二等分線に直交する断面視(図8)において凸状である。
従って、例えば、切りくずの処理性を向上させることができる。例えば、切りくずを安定して処理できる。具体的には、例えば、以下のとおりである。
1つの切削インサート11は、種々の切削条件において使用されることがある。切削条件としては、例えば、切り込み及び切削速度が挙げられる。その結果、1つの切削インサート11において生じる切りくずは、厚み、幅、切刃41aのうち切りくずが生じる範囲、並びに切刃41aから流れる方向等が異なる種々のものとなる。
切りくずの幅が狭く厚みが薄い場合、切りくずは、角部51から角部51の二等分線上を進みやすく、また、すくい面53をなぞるように進みやすい。このとき、第1角領域61aが角部51の二等分線に直交する断面視において凸状であると、切りくずの流れが不安定になりやすい。その理由としては、例えば、切りくずは、凸形状に対して右側及び左側のいずれへも流れることができること、凸形状の頂点から離れる度合いも特に限定されないことが挙げられる。しかし、本実施形態のように第1角領域61aが角部51の二等分線に直交する断面視において凹状であると、第1角領域61aによって切りくずを案内することができ、切りくずの流れが安定しやすい。その結果、例えば、意図されていない位置へ流れた切りくずが切削に影響を及ぼす蓋然性が低減される。また、例えば、角部51から二等分線に沿って流れる切りくずがカールする場合に、第1角領域61aが凹状であることによって、凸状である態様に比較して、カールのためのスペースが確保されやすい、というメリットもある。
切りくずが厚い場合、第2角領域62aも凹状であると、切りくずが上面21に過度に接触する恐れがあり、切りくずが第2角領域62aの凹形状に詰まる蓋然性が高くなる。しかし、第2角領域62aが凸状であることによって、そのような詰まりの蓋然性を低減することができる。なお、切りくずの厚みが大きい場合は、切りくずは、すくい面53から離れて進みやすい。そのため、第2角領域62aよりもすくい面53に近い第1角領域61aが凹状であっても、第2角領域62aが凹状である態様に比較して、第1角領域61aで切りくずが詰まる蓋然性は低い。また、切りくずの幅が広い場合、第2角領域62aも凹状であると、第1角51から第2角領域62aまでの距離が長くなり、切りくずの流れが不安定になる恐れがある。しかし、第2角領域62aが凸状であることによって、切りくずの流れが安定し易い。
第2角領域62aの幅を広くして、第2角領域62aの形状をゆったりとした凹曲線状にすることによって、切りくずが第2角領域62aの凹形状に詰まる蓋然性を低減することも考えられる。しかし、この場合、すくい面53のうち辺部52に沿う部分の幅が狭くなる。その結果、辺部52で生じる切りくずの処理性が低下する可能性が生じる。また、第2角領域62aの幅を広くするためには、立ち上がり面60を角部51から離さなければならない。その結果、すくい面53をなぞって進む、幅が狭く薄い切屑の流れが不安定になる蓋然性が高くなる。しかし、第2角領域62aを凸状にすることによって切りくずの詰まりの蓋然性を低減し、第2角領域62aの幅を広くしないことから、上記のような不都合が生じる蓋然性を低減することができる。
本実施形態において、上面21を平面視した場合に、二等分線に直交する方向における第1角領域61aの長さL1は、二等分線に直交する方向における角部51の長さL0よりも短くされてよい。
この場合、例えば、別の観点では、第1角領域61aは、辺部52からの距離が確保されやすい。その結果、例えば、辺部52で生じる切りくずが第1角領域61aの凹形状に巻き込まれにくい。また、長さL1が長さL0よりも短い、すなわち、第2角領域62aの幅が、第1角領域61aの幅よりも狭い場合には、辺部52と第2角領域62aとの間隔が広く確保され易い。そのため、辺部52において生じる切屑の流れるスペースが確保されやすい。
本実施形態において、上面21を平面視した場合に、二等分線に直交する方向における第2角領域62aの長さL2は、二等分線に直交する方向における角部51の長さL0よりも短くされてよい。
この場合、例えば、別の観点では、第2角領域62aは、辺部52からの距離が確保されやすい。その結果、例えば、辺部52で生じる切りくずがカールするスペースが確保されやすい。
本実施形態において、下面22に直交するとともに二等分線を含む断面視(図6)において、第2角領域62aの傾斜角θ2の最大値は、第1角領域61aの傾斜角θ1の最大値よりも大きくされてよい。
この場合、例えば、第1角領域61aにおいて切りくずに過度にブレーキが掛かることが避けられる。その一方で、第2角領域62aにおいて安定して切りくずをカールさせることができる。
本実施形態において、第2角領域62aは、第1角領域61aから離れていてよい。換言すれば、連結面63が設けられていてよい。
この場合、第1角51で生じた切屑の流れるスペースが、連結面63の分、広く確保される。そのため、切りくずが詰まりにくい。また、例えば、第2角領域62aに当接してカールするように流れる切りくずが第1角領域61aに当接する蓋然性が低減される。その結果、切りくずが第1角領域61aの凹形状に巻き込まれる蓋然性が低減される。
本実施形態において、下面22に直交するとともに二等分線を含む断面視(図6)において、第2角領域62aに接する接線Lt2は、第1角領域61aから下方へ離れていてよい。換言すれば、接線Lt2は、第1角領域61aと交差しないように設定されてよい。
この場合、例えば、第2角領域62aにおいて切りくずがカールする際に、切りくずが第1角領域61aの凹形状に巻き込まれにくくなる。その理由としては、例えば、第2角領域62aにおいてカールが生じやすくなる結果、切りくずが平たい状態よりも切りくずが第1角領域61aから浮き上がりやすくなることが挙げられる。
また、第1角領域61aは、その接する接線Lt1が第2角領域62aと交差する部分を有してもよい。この場合、第1角領域61aに接触した切りくずが、第2角領域62aにも接触し易い。そのため、切りくずが安定してカールし易い。
本実施形態において、第2角領域62aは、角部51よりも高くに位置してよい。
この場合、角部51において生じた切りくずが安定して第2角領域62aに接触し易い。そのため、角部51において生じた切りくずが第1角領域61a及び第2角領域62aのいずれにも接触したい事態が避けられ易く、切りくずが安定してカールし易い。
本実施形態において、上面21を平面視した場合に、二等分線に直交する方向における第1角領域61aの長さL1は、二等分線に沿った方向における第1角領域61aの長さL5よりも長くされてよい。
この場合、例えば、細く薄い切りくずが角部51からすくい面53上を進む際に切りくずの流れる方向がばらついたとしても、長さL1が相対的に長いため、切りくずが第1角領域61aの凹形状の外側に流れる蓋然性が低減される。その結果、第1角領域61aによる切りくずの流れのコントロールが安定して行われる。その一方で、長さL5が相対的に小さいため、第1角領域61aにおいて切りくずに過度にブレーキが掛かりにくい。
なお、以上の実施形態において、角部51は第1角の一例である。辺部52は第1辺の一例である。
本開示に係る技術は、上記に述べた実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、切削工具は、回転する被削材を切削する旋削工具に限定されず、自らが回転して被削材を切削する転削工具であってもよい。インサートのホルダに対する固定は、クランプ以外の方法とされてよい。例えば、インサートの貫通孔に挿通されたねじがホルダに螺合されることによって固定が行われてもよい。
実施形態では、立ち上がり面は、第1及び第2立ち上がり面によって構成された。しかし、立ち上がり面は、3つ以上の立ち上がり面を有していてもよい。例えば、実施形態の第2立ち上がり面の上部に繋がる第3立ち上がり面が設けられてもよい。