以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図8は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
複合容器の構成
まず、図1および図2により、本実施の形態による複合容器の概要について説明する。
なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
図1および図2に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形型50を用いてプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図5および図6参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
他方、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に、容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。容器本体10に内容液等の内容物が充填され、口部11に図示しないキャップが螺着されることにより、内容物入り複合容器が作製される。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状(水平断面において徐々に面積が拡大する形状)を有している。
胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。胴部20の外面には、後述する凸条部22および凹条部23を含む凹凸構造21以外の凹凸、例えば、減圧吸収パネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
一方、底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なお容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10aを射出成形後、ブロー成形することによりガスバリア性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次に、プラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。または、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、首部13および底部30の中心部を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられていても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去することができる。具体的には、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め図示しない切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができる。
このようなプラスチック製部材40としては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40は、プリフォーム10aの外側に設けられ、このプリフォーム10aと一体となって加熱され、2軸延伸ブロー成形されることにより得られる。
プラスチック製部材40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン-1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等を挙げることができる。このうち低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性非弾性樹脂を用いることが好ましい。また、それらのブレンド材料や多層構造、部分的多層構造のものであってもよい。さらに、プラスチック製部材40の材料には、その特性が損なわれない範囲において、主成分の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
プラスチック製部材40は、紫外線等の不可視光線をバリアする光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。このような材料としては、ブレンド材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保冷性又は保温性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなっていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保冷性又は保温性が高められる。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、冷たすぎたり熱すぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上200μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル-アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP-1055、ローペイクHP-91、ローペイクOP-84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH-5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることも出来る。中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなっていても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。
プラスチック製部材40は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上500μm以下程度とすることができる。
ところで、図1乃至図4に示すように、本実施の形態において、プラスチック製部材40の外面に、凹凸構造21(図1において、縦線でパターニングされた領域)が形成されている。図3および図4に示すように、この凹凸構造は、第1方向d1に沿って延在する複数の凸条部22と、互いに隣接する凸条部22間に位置する凹条部23とを含んでいる。本実施の形態において、第1方向d1は、上下方向(すなわち、複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上下方向)となっている。なお、第1方向d1は、上下方向に直交する方向(水平方向)であってもよく、上下方向から傾斜する方向であってもよい。
この凹凸構造21の形状は、後述するように、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の表面形状から転写された形状である。図4に示すように、第1方向d1に直交する第2方向d2に沿った断面において、凸条部22は三角形状をもっている。この際、凸条部22の頂角24の角度θは、20°以上90°以下であり、好ましくは30°以上60°以下である。凸条部22の頂角24の角度θが20°以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。また、凸条部22の頂角24の角度θが90°以下であることにより、プラスチック製部材40にビロード(天鵞絨)のような光沢感を付与することができる。さらに、角度θを60°以下にすることで、光沢感のみならず良好な黒みを付与することができる。なお、本明細書中、「頂角24の角度θ」とは、任意に選択した5箇所の凸条部22の頂角24の角度の平均値を意味する。また、頂角24の角度(並びに後述する第1角度および第2角度)は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1は、5μm以上70μm以下となっている。互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が5μm以上であることにより、プラスチック製部材40の表面における回折光の影響を低減することができ、プラスチック製部材40において、虹色の光沢が発現されることを抑制することができる。また、間隔L1が5μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。また、間隔L1が70μm以下であることにより、間隔L1が長くなることに起因して、凸条部22の後述する高さHが高くなってしまうことを抑制することができる。このため、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。なお、本明細書中、「凸条部22の頂角24間の間隔L1」とは、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔を、任意に5箇所選択して測定した平均値を意味する。また、頂部24間の間隔は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
また、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1は、10μm以上25μm以下であることが好ましい。間隔L1が10μm以上であることにより、プラスチック製部材40の表面における回折光の影響をより効果的に低減することができ、プラスチック製部材40において、虹色の光沢が発現されることをより効果的に抑制することができる。また、間隔L1が10μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を更に良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を更に向上させることができる。また、間隔L1が25μm以下であることにより、間隔L1が長くなることに起因して、凸条部22の後述する高さHが高くなってしまうことを更に抑制することができる。このため、ブロー成形時の賦形性を更に良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を更に向上させることができる。
また、第2方向d2に沿った断面において、凸条部22は、頂角24が丸められた逆V字形状をもっている。この場合、頂角24の曲率半径R1は、2μm以上15μm以下であることが好ましい。頂角24の曲率半径R1が2μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。とりわけ、上述したように、凹凸構造21の形状は、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の表面形状から転写された形状である。このため、頂角24の曲率半径R1が2μm以上であることにより、後述するように、複合プリフォーム70(図5参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施した際、および、ブロー成形型50内から複合容器10Aを取出す際に、プラスチック製部材40が、ブロー成形型50の後述する表面形状部53に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。また、頂角24の曲率半径R1が15μm以下であることにより、入射角の小さい光線の反射率が大きくなることを抑制することができ、プラスチック製部材40にビロードのような光沢感を効果的に付与することができる。なお、本明細書中、「頂角24の曲率半径R1」とは、任意に選択した5箇所の凸条部22の頂角24の曲率半径の平均値を意味する。また、頂角24の曲率半径は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
凸条部22の高さH(最も突出した部分と最も凹んだ部分との差)は、2.5μm以上200μm以下であることが好ましく、8μm以上50μm以下であることがより好ましい。凸条部22の高さHが2.5μm以上であることにより、プラスチック製部材40の表面で回折光の影響を低減させつつ、ビロードのような光沢感を付与することができる。また、凸条部22の高さHが200μm以下であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。なお、本明細書中、「凸条部22の高さH」とは、任意に選択した5箇所の凸条部22の高さの平均値を意味する。また、凸条部22の高さは、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
また、凸条部22の幅L2(互いに隣接する凹条部23の最も凹んだ部分間の間隔)は、頂角24の角度θ、隣接する凸条部22の間隔L1および凸条部22の高さH等に応じて適宜設定され得る。凸条部22の幅L2は、例えば、5μm以上70μm以下程度であってもよい。また、凸条部22の幅L2は、10μm以上25μm以下程度であることが好ましい。凸条部22の幅L2が5μm以上であることにより、プラスチック製部材40の表面における回折光の影響を低減することができ、プラスチック製部材40において、虹色の光沢が発現されることを抑制することができる。また、凸条部22の幅L2が5μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。また、凸条部22の幅L2が70μm以下であることにより、幅L2が長くなることに起因して、凸条部22の高さHが高くなってしまうことを抑制することができる。このため、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。なお、本明細書中、「凸条部22の幅L2」とは、任意に選択した5箇所の凸条部22の幅の平均値を意味する。また、凸条部22の幅は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
また、上述したように、第2方向d2に沿った断面において、凸条部22は三角形状をもっている。この際、凸条部22は、第2方向d2に沿った断面において、二等辺三角形状をもっていることが好ましい。なお、本明細書中、「二等辺三角形状」とは、第1角度θ1と第2角度θ2との差分が0°以上30°以下である三角形形状を意味する。ここで、第1角度θ1は、プラスチック製部材40を展開させた状態における第2方向d2に沿った断面(図4)において、頂角24を通り、かつ、第2方向d2に直交する直線Xと、凸条部22を構成する第1辺22aとによって形成される角度である。また、第2角度θ2は、直線Xと、凸条部22を構成する第2辺22bとによって形成される角度である。
次に、凹条部23について説明する。凹条部23は、第2方向d2に沿った断面において、角部25が丸められたV字形状をもっている。凹条部23が、角部25が丸められたV字形状をもっていることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができる。
凹条部23の角部25の曲率半径R2は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。角部25の曲率半径R2が1μm以上であることにより、ブロー成形時の賦形性を良好にすることができるとともに、後述するブロー成形型50の表面形状部53の成形性を向上させることができる。とりわけ、上述したように、凹凸構造21の形状は、複合容器10Aを成形するブロー成形型50の表面形状から転写された形状である。このため、角部25の曲率半径R2が1μm以上であることにより、後述するように、複合プリフォーム70(図5参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施した際、および、ブロー成形型50内から複合容器10Aを取出す際に、プラスチック製部材40が、ブロー成形型50の後述する表面形状部53に引っ掛かってしまうことを抑制することができる。また、角部25の曲率半径R2が15μm以下であることにより、入射角の小さい光線の反射率が大きくなることを抑制することができ、プラスチック製部材40にビロードのような光沢感を効果的に付与することができる。なお、本明細書中、「角部25の曲率半径R2」とは、任意に選択した5箇所の凹条部23の角部25の曲率半径の平均値を意味する。また、角部25の曲率半径は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)やレーザー顕微鏡(例えば、OLYMPUS社製OLS5000等)等を用いて測定することができる。
このような凹凸構造21は、胴部20に位置するプラスチック製部材40の外面全体または外面の一部のみに形成されていても良い。また、凹凸構造21は、胴部20に限らず、肩部12、首部13、および/または、底部30に位置するプラスチック製部材40の一部または全体に形成されていても良い。
複合プリフォームの構成
次に、図5および図6により、複合プリフォームの構成について説明する。
図5および図6に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
プリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、胴部20aの全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、プラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。または、プラスチック製部材40aは、底部30を除く、胴部20aを覆うように設けられていても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
なお、プラスチック製部材40aが熱収縮作用をもつ場合、円筒状のプラスチック製部材40aをプリフォーム10aに嵌め込んだ後、プラスチック製部材40aの下端部(口部11aとは反対側の端部)に形成された余白部を熱圧着しても良い。
プラスチック製部材40aとしては、例えばダイレクトブロー成形により作製されたダイレクトブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、射出成形により作製された射出成形チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
次にプラスチック製部材40aの形状について説明する。
図7(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対してもバリア性等の様々な機能や特性を付与することができる。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したダイレクトブローチューブやシート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。
また、図7(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。また、プラスチック製部材40aは、全周にわたって繋ぎ目がない円筒形状からなっていても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブを用いることができる。
また、図7(c)および図7(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図7(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図7(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
複合プリフォーム及び複合容器の製造方法
次に、図8(a)-(f)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図8(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図8(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図8(a)-(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図8(c)-(f))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図8(c)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
また、ブロー成形型50を準備する。そして、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、複合容器10Aを作製するためのブロー成形型50に送られる(図8(d)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形型50は、プラスチック製部材40の外面に、第1方向d1に沿って延在する複数の凸条部22(図3および図4参照)を含む凹凸構造21を形成するための表面形状部53(図8(d)-(f)の網掛部)を備えている。本実施の形態では、ブロー成形型50は、金属型または樹脂型である型本体52を備えており、型本体52の内面のうち、複数の凸条部22を含む凹凸構造21に対応する位置に表面形状部53が設けられている。この表面形状部53は、凹凸構造21の凹凸形状に対応する凹凸模様を有している。本実施の形態において、このような表面形状部53を備えたブロー成形型50も提供する。
型本体52は、互いに分割された一対の胴部型50a、50bと、底部型50cとからなる(図8(d)参照)。型本体52の内面は、容器本体10の肩部12、首部13、胴部20および底部30に対応する形状を有している。図8(d)において、一対の胴部型50a、50b間は互いに開いており、底部型50cは上方に上がっている。この状態で型本体52の一対の胴部型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、図8(e)に示すように、底部型50cが下がったのちに一対の胴部型50a、50bが閉鎖され、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cにより密閉されたブロー成形型50が構成される。次に、プリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
これにより、複合プリフォーム70は、ブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形され、ブロー成形型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。また、ブロー成形型50内では、ブロー成形型50(型本体52)の表面形状が転写され、ブロー成形後のプラスチック製部材40の外面に、複数の凸条部22(図3および図4参照)を含む凹凸構造21が形成される。この際、ブロー成形型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
その後、図8(f)に示すように、型本体52の一対の胴部型50a、50bおよび底部型50cが互いに離れ、ブロー成形型50内から複合容器10Aが取出される。このようにして、図1および図2に示す複合容器10Aが得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40の外面に、第1方向d1に沿って延在する複数の凸条部22を含む凹凸構造21が形成されている。また、第2方向d2に沿った断面において、凸条部22が三角形状をもち、凸条部22の頂角24の角度θが20°以上90°以下であり、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が5μm以上70μm以下である。このような高精度の凹凸構造21をプラスチック製部材40の外面に形成することにより、プラスチック製部材40にビロードのような光沢感を付与することができる。このため、複合容器10Aの意匠性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2方向d2に沿った断面において、凸条部22が二等辺三角形状をもっている。これにより、プラスチック製部材40を第2方向d2における一方の側から見た場合および他方の側から見た場合の両方において、プラスチック製部材40に付与されたビロードのような光沢感をより確実に視認することができる。
また、本実施の形態によれば、第1方向d1が上下方向である。すなわち、凹凸構造21の凸条部22が、上下方向に沿って延在している。この場合、ブロー成形型50の表面形状部53が、上下方向に沿って延びるように形成される。ここで、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形を施す際、複合プリフォーム70において、上下方向への延伸倍率は、円周方向への延伸倍率よりも大きくなる。このため、ブロー成形型50の表面形状部53が上下方向に沿って延びるように形成されていることにより、複合プリフォーム70が上下方向へ延伸した際に、複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aが、ブロー成形型50の表面形状部53に引っ掛かってしまうことを効果的に抑制することができる。このため、ブロー成形時の賦形性をより良好にすることができる。
また、本実施の形態によれば、ブロー成形型50を用いてブロー成形を行い、複合容器10Aを作製する。このとき、プラスチック製部材40の外面に、型本体52の表面形状が転写される。これにより、複合容器10Aの表面に、複数の凸条部22を含む凹凸構造21を容易に形成することができる。
また、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
また、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40として、容器本体10の材料(例えばポリエチレンテレフタレート)よりも賦形性の良好な材料(例えばポリエチレンやポリプロピレン)を用いることが可能である。このため、型本体52の表面形状を直接容器本体10に転写する場合と比較して、型本体52の表面形状を明確にプラスチック製部材40に転写することができる。これにより、より微細(例えば3μm以下)な凹凸形状をプラスチック製部材40の表面に発現させることができる。
変形例
次に、図9および図10により、本実施の形態による複合容器10Aの変形例について説明する。図9および図10において、図1乃至図8に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
上記実施の形態において、複数の凸条部22を含む凹凸構造21の形状が、型本体52の内面に設けられた表面形状部53から転写された形状である場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、複数の凸条部22を含む凹凸構造21の形状が、複合容器10Aを成形するブロー成形型50に貼着された転写シート60から転写された形状であっても良い。
本変形例において、ブロー成形型50は、型本体52の内面に貼着され、プラスチック製部材40の外面に、第1方向d1に沿って延在する複数の凸条部22(図3および図4参照)を含む凹凸構造21を形成するための表面形状を有する転写シート60を更に備えている(後述する図10(a)参照)。図9に示すように、ブロー成形用の転写シート60は、ブロー成形型50の型本体52に貼着される貼着層61と、貼着層61上に配置され、複合容器10Aの外面に転写される形状を有する転写層62と、を備えている。
貼着層61は、粘着剤を含むものであっても良い。この粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレン-ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジンなどのロジン系樹脂が適用できる。貼着層61の厚みは、例えば5μm以上300μm以下の範囲としても良い。
貼着層61は、型本体52から剥がすことが可能であり、手作業または機械作業にて剥がすことが可能で、仮に貼着層61が型本体52に残存してしまう場合であっても水やアルコールで清掃することによって除去可能である。貼着層61を除去することにより、型本体52を、転写シート60を貼る前の状態に戻すことが可能である。この場合、型本体52に、再度、別の転写シート60を貼ることも可能となる。
転写層62としては、例えば塩化ビニル樹脂から作製された塩ビ紙等、耐候性および耐熱性に優れた材料を用いることが好ましい。転写層62の厚みは、例えば10μm以上3000μm以下の範囲としても良く、ボトル形状をより保ちたい場合には10μm以上100μm以下としても良い。
また、転写層62の表面に、複数の凸条部22(図3および図4参照)を含む凹凸構造21をプラスチック製部材40の外面に形成するための表面形状部64が設けられている。表面形状部64の構成は、上述した型本体52の表面形状部53と同様であり、ここでは、詳細な説明を省略する。
また、貼着層61上には、剥離紙63が設けられている。剥離紙63は、貼着層61上であって、転写層62の反対側に剥離可能に貼着されている。この剥離紙63を貼着層61から剥離し、貼着層61を型本体52の外面に貼り付けることにより、転写層62が型本体52の内面に向けられる。この状態で、ブロー成形を行うことにより、複合容器10Aの外面に転写層62の凹凸形状が転写される。
剥離紙63は、例えば上質紙、コート紙、含浸紙、又はプラスチックフィルムなどの基材と、基材の片面に設けられた離型層とを有している。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
次に、図10(a)-(c)により、本変形例による複合容器10Aの製造方法について説明する。
まず、例えば図8(a)-(c)に示す方法により、プリフォーム10aの外側に、プラスチック製部材40aを設け、加熱装置51によって加熱する。
続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、ブロー成形型50に送られる(図10(a)参照)。
プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、このブロー成形型50を用いて成形され、上述した図8(d)~(f)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる(図10(a)-(c)参照)。この際、転写シート60は、一対の胴部型50a、50bの内面にそれぞれ貼着されており、上述した複数の凸条部22(図3および図4参照)を含む凹凸構造21に対応する位置に設けられている。これにより、ブロー成形型50内では、転写シート60の表面形状が転写され、ブロー成形後のプラスチック製部材40の外面に、複数の凸条部22を含む凹凸構造21が形成される。
以上説明したように、本変形例によれば、凹凸構造21の形状が、複合容器10Aを成形するブロー成形型50に貼着された転写シート60から転写された形状である。この場合においても、プラスチック製部材40の外面に、型本体52に貼着された転写シート60の表面形状が転写されることにより、複合容器10Aの表面に、複数の凸条部22を含む凹凸構造21を容易に形成することができる。また、型本体52に貼着された転写シート60を剥離し、他の転写シート60に交換することを容易に行うことができる。このため、複合容器10Aの表面の凹凸形状を容易かつ短時間で変更することができる。この場合、型本体52そのものを製造し直す必要がないので、型本体52の製造に必要な費用や時間を節減することができる。また、転写シート60は、既存の型本体52に貼着することができるので、既存の型本体52の全体的な形状を維持しつつ、複合容器10Aの表面に所望の様々な凹凸形状を付与することができる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、図1乃至図4に示す構成からなる、複合容器10Aを作製した。
この場合、まず、射出成形によりプリフォーム10aを作製し、このプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、複合プリフォーム70を作製した。また、型本体52の内面に所望の形状を有する表面形状部53を設けたブロー成形型50を準備した。そして、複合プリフォーム70に対してブロー成形型50を用いて二軸延伸ブロー成形することにより複合容器10Aを作製した。その後、複合容器10Aの成形性を観察した。
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θは、20°であり、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1は、20μmであった。また、凸条部22の高さHは、57μmであった。さらに、頂角24の曲率半径R1は、5μmであり、凹条部23の角部25の曲率半径R2は、3μmであった。
そして、複合容器10Aの意匠性を観察した。
(実施例2)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが30°であったこと、凸条部22の高さHが37μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例3)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例4)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが60°であったこと、凸条部22の高さHが17μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例5)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが90°であったこと、凸条部22の高さHが10μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例6)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が5μmであったこと、凸条部22の高さHが5μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例7)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が10μmであったこと、凸条部22の高さHが11μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例8)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例9)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が25μmであったこと、凸条部22の高さHが27μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例10)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が70μmであったこと、凸条部22の高さHが75μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例11)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、頂角24の曲率半径R1が1.5μmであったこと、凹条部23の角部25の曲率半径R2が0.5μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例12)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、頂角24の曲率半径R1が2μmであったこと、凹条部23の角部25の曲率半径R2が1μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例13)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例14)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、頂角24の曲率半径R1が15μmであったこと、凹条部23の角部25の曲率半径R2が15μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(実施例15)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、凸条部22の高さHが21μmであったこと、頂角24の曲率半径R1が17μmであったこと、凹条部23の角部25の曲率半径R2が17μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(比較例1)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが15°であったこと、凸条部22の高さHが76μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(比較例2)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが110°であったこと、凸条部22の高さHが7μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(比較例3)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が2μmであったこと、凸条部22の高さHが2μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
(比較例4)
作製された複合容器10Aにおいて、凸条部22の頂角24の角度θが50°であったこと、互いに隣接する凸条部22の頂角24間の間隔L1が80μmであったこと、凸条部22の高さHが86μmであったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aの成形性および意匠性を観察した。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
なお、表1の「成形性」の欄において、評価基準「◎」は、「優(excellent)」を示し、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が極めて優れているとともに、プラスチック製部材40にシワ等の不良が発生していなかったことを示す。また、評価基準「○」は、「良(good)」を示し、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が優れているとともに、プラスチック製部材40にシワ等の不良が発生していなかったことを示す。さらに、評価基準「×」は、「不可(poor)」を示し、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が劣っていたこと、または、プラスチック製部材40にシワ等の不良が発生していたことを示す。
また、表1の「見た目」の欄において、評価基準「◎」は、「優(excellent)」を示し、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが極めて優れていたことを示す。また、評価基準「○」は、「良(good)」を示し、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが優れていたことを示す。さらに、評価基準「×」は、「不可(poor)」を示し、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが劣っていたこと、またはプラスチック製部材40から虹色の光沢が発現されていたことを示す。
この結果、比較例1では、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が劣っており、複合容器10Aを作製することができなかった。また、比較例4の複合容器10Aでは、プラスチック製部材40にシワが発生していた。
これに対して、実施例1乃至実施例15の複合容器10Aでは、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が優れているとともに、プラスチック製部材40にシワ等の不良が発生していなかった。とりわけ、実施例2乃至実施例9および実施例13乃至実施例15の複合容器10Aでは、ブロー成形型50からの複合容器10Aの離型性が極めて優れているとともに、プラスチック製部材40にシワ等の不良が発生していなかった。
また、比較例2の複合容器10Aでは、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが劣っていた。さらに、比較例3の複合容器10Aでは、プラスチック製部材40から虹色の光沢が発現されていた。
これに対して、実施例1乃至実施例15の複合容器10Aでは、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが優れていた。とりわけ、実施例1乃至実施例4および実施例7乃至実施例13の複合容器10Aでは、プラスチック製部材40の光沢感および黒みが極めて優れていた。
このように、本実施の形態によれば、複合容器10Aの成形性を向上させることができることが分かった。また、本実施の形態によれば、複合容器10Aの意匠性を向上させることができることが分かった。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。