本開示は、CD20発現細胞の数を減少させるか、またはCD20発現に関連する疾患または障害を処置する(例えば、B細胞の数を減少させるか、または異常なB細胞活性に関連する疾患または障害を処置する)ための組成物および方法であって、被験体を、治療有効量の、融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む宿主細胞を用いて処置するステップを含み、当該融合タンパク質が、細胞外成分および疎水性部分によって細胞外成分と連結した細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、当該細胞内成分がエフェクタードメインを含む、組成物および方法を提供する。任意選択で、方法は、CD20に特異的な融合タンパク質を発現する宿主細胞と組み合わせた治療有効量のCD20特異的結合分子をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、キメラ抗原受容体(CAR)である。さらに別の実施形態では、CARは、抗CD20抗体由来のscFvまたはCD20抗原に特異的なTCR由来のscTCRを含む。
背景として、一般に、残留する抗CD20抗体レベルがCD20標的化CAR T細胞に対する主要な制約になり得ると考えられている。例えば、他の標的を用いた以前の試験により、癌胎児性抗原、Lewis−Y抗原、またはCD30を標的とするCAR T細胞のサイトカイン分泌および細胞傷害が、最大10μg/mlのレベルの可溶性同族抗原の存在下ではほとんど損なわれないことが実証された(Hombachら、Gene Ther、2000年;7巻(12号):1067〜75頁;Hombachら、Gene Ther、1999年;6巻(2号):300〜4頁;Nolanら、Clin Cancer Res、1999年;5巻(12号):3928〜41頁;Westwoodら、J Immunother、2009年;32巻(3号):292〜301頁);これよりも高いレベルが潜在的に阻害性であることが観察された(Hombachら、Gene Ther、2000年;7巻(12号):1067〜75頁)。本開示において、驚いたことに、様々な抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)が、臨床的に意義のある濃度で、in vitroまたはin vivoのいずれかでは、抗CD20 CARを発現しているT細胞の活性にほとんど影響を及ぼさないことが見出された(Gallら、Exp. Hematol.、33巻:452頁、2005年も参照されたい)。さらに、本開示のマウス実験により、併用療法を受けた群がCAR T細胞を単独で用いて処置されたマウスと同様に良好なまたはより良好な転帰を有することが実証される。
本開示をより詳細に説明する前に、本明細書で使用される特定の用語の定義を示すことは、それを理解するのに有用であり得る。付加的な定義は、本開示を通して説明する。
本説明では、任意の濃度範囲、百分率範囲、比率範囲または整数範囲は、特に示さない限り、列挙範囲内の任意の整数および、適切な場合、その分数(整数の十分の一および百分の一など)の値を含むと理解すべきである。また、ポリマーのサブユニット、サイズまたは厚さなどの、任意の物理的特徴に関連して本明細書で列挙する任意の数の範囲は、特に示さない限り、列挙範囲内の任意の整数を含むと理解すべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特に示さない限り、表示された範囲、値または構造の±20%を意味する。「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、本明細書で使用される場合、「1つまたは複数」の列挙された構成要素を意味することが理解されるものとする。選択肢(例えば、「または」)の使用は、選択肢のいずれか1つ、両方またはその任意の組み合わせを意味すると理解すべきである。本明細書で使用される場合、「包含する」、「有する」および「含む」という用語は、同義で使用され、それらの用語およびその変形形態は、非限定的と解釈するものとする。
「任意選択の」または「任意選択で」とは、その後に記載されている要素、成分、事象、または状況が存在してもしなくてもよいこと、ならびに、記載が、要素、成分、事象、または状況が存在する例およびそれらが存在しない例を含むことを意味する。
さらに、本明細書に記載の構造およびサブユニットの様々な組み合わせに由来する個々の構築物、または構築物の群は、あたかも各構築物または構築物の群が個別に記載されたものと同じ程度に本出願によって開示されることが理解されるべきである。したがって、特定の構造または特定のサブユニットの選択は本開示の範囲内である。
「から本質的になる」という用語は、指定された材料もしくはステップに、または特許請求の範囲に記載されている発明の基本的特性に実質的に影響を及ぼさない材料もしくはステップに特許請求の範囲を限定する。例えば、タンパク質ドメイン、領域、モジュールまたは断片(例えば、結合ドメイン、ヒンジ領域、リンカーモジュールまたはタグ)もしくはタンパク質(1つまたは複数のドメイン、領域、またはモジュールを有し得る)は、ドメイン、領域、モジュール、断片またはタンパク質のアミノ酸配列が、一緒に、ドメイン、領域、モジュール、カセットまたはタンパク質の長さの多くて20%(例えば、多くて15%、10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%または1%)に寄与し、ドメイン(複数可)、領域(複数可)、モジュール(複数可)、カセット(複数可)またはタンパク質の活性(例えば、結合ドメインの標的結合親和性)に実質的に影響を及ぼさない(すなわち、活性を40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%または1%以下など、50%超低下させない)挿入、欠失、置換またはそれらの組み合わせ(例えば、アミノもしくはカルボキシ末端またはドメイン間におけるアミノ酸の付加)を含む場合、特定のアミノ酸配列「から本質的になる」。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体(mimetic)を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によりコードされるアミノ酸、ならびに後で修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、およびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基と結合したα−炭素を有する化合物(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)を指す。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化学化合物を指す。
「保存的置換」は、特定のタンパク質の結合特性に有意に影響を及ぼさないまたは変化させないアミノ酸置換を指す。一般に、保存的置換は、置換されるアミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられる置換である。保存的置換は、以下の群のうちの1つにおいて見出される置換を含む:群1:アラニン(AlaまたはA)、グリシン(GlyまたはG)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT);群2:アスパラギン酸(AspまたはD)、グルタミン酸(GluまたはZ);群3:アスパラギン(AsnまたはN)、グルタミン(GlnまたはQ);群4:アルギニン(ArgまたはR)、リシン(LysまたはK)、ヒスチジン(HisまたはH);群5:イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、メチオニン(MetまたはM)、バリン(ValまたはV);および群6:フェニルアラニン(PheまたはF)、チロシン(TyrまたはY)、トリプトファン(TrpまたはW)。それに加えて、またはその代わりに、アミノ酸を、同様の機能、化学構造、または組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、または硫黄含有)によって保存的置換群に群分けすることができる。例えば、脂肪族の群分けは、置換の目的上、Gly、Ala、Val、Leu、およびIleを含み得る。他の保存的置換群は、硫黄含有:Metおよびシステイン(CysまたはC);酸性:Asp、Glu、Asn、およびGln;小さな脂肪族、非極性またはわずかに極性残基:Ala、Ser、Thr、Pro、およびGly;極性、負に荷電した残基およびそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、およびGln;極性、正に荷電した残基:His、Arg、およびLys;大きな脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、およびCys;ならびに大きな芳香族残基:Phe、Tyr、およびTrpを含む。追加的な情報は、Creighton(1984年)、Proteins、W.H. Freeman and Companyに見出すことができる。
本明細書で使用される場合、「タンパク質」または「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマーを指す。タンパク質は、天然に存在するアミノ酸ポリマー、ならびに1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに当てはまる。
「パーセント配列同一性」は、2つまたはそれよりも多くの配列を比較することによって決定されるそれらの配列間の関係を指す。配列同一性を決定するための好ましい方法は、比較される配列間に最良のマッチがもたらされるように設計される。例えば、最適に比較するために配列をアラインメントする(例えば、最適なアラインメントのために、第1のアミノ酸配列または核酸配列および第2のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができる)。さらに、比較する目的上、非相同配列を無視することができる。本明細書において参照されるパーセント配列同一性は、別段の指定のない限り、参照配列の長さにわたって算出される。配列同一性および類似性を決定するための方法は、公的に入手可能なコンピュータープログラムに見出すことができる。配列アラインメントおよびパーセント同一性の算出は、BLASTプログラム(例えば、BLAST2.0、BLASTP、BLASTN、またはBLASTX)を使用して実施することができる。BLASTプログラムにおいて使用される数学的アルゴリズムは、Altschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:3389〜3402頁、1997年に見出すことができる。本開示に関しては、配列分析ソフトウェアを分析に使用する場合、分析の結果は、参照されるプログラムの「デフォルト値」に基づくことが理解されよう。「デフォルト値」とは、ソフトウェアに最初の初期化時に元々ロードされている任意の値またはパラメーターのセットを意味する。
「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」とは、天然のサブユニット(例えば、プリンまたはピリミジン塩基)で構成されてもよく、または非天然サブユニット(例えば、モルホリン環)で構成されてもよい、共有結合により連結したヌクレオチドを含むポリマー化合物を指す。プリン塩基は、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、およびキサンチンを含み、ピリミジン塩基は、ウラシル、チミン、およびシトシンを含む。核酸分子は、ポリリボ核酸(RNA)、ポリデオキシリボ核酸(DNA)を含み、これは、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを含み、これらはいずれも一本鎖であっても二本鎖であってもよい。一本鎖である場合、核酸分子は、コード鎖であっても非コード(アンチセンス鎖)であってもよい。アミノ酸配列をコードする核酸分子は、同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列を含む。ヌクレオチド配列のいくつかのバージョンは、イントロン(複数可)が同時転写機構または転写後機構によって除去される限りでは、イントロン(複数可)も含み得る。言い換えれば、遺伝暗号の冗長性または縮重の結果として、またはスプライシングによって、異なるヌクレオチド配列が同じアミノ酸配列をコードし得る。
本開示の核酸分子の改変体も意図されている。改変体核酸分子は、本明細書に記載の定義されたまたは参照ポリヌクレオチドと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、および好ましくは95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%同一の核酸分子であるか、または、ポリヌクレオチドと、0.015Mの塩化ナトリウム、0.0015Mのクエン酸ナトリウム、約65〜68℃、もしくは0.015Mの塩化ナトリウム、0.0015Mのクエン酸ナトリウム、および50%ホルムアミド、約42℃のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする核酸分子である。核酸分子改変体は、標的分子(例えば、CD20)への特異的結合などの本明細書に記載の機能性を有する融合タンパク質またはその結合ドメインをコードする能力を保持する。
「機能的改変体」とは、本開示の親または参照化合物と構造的に類似したまたは実質的に構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる(例えば、1つの塩基、原子または官能基が異なる、付加されている、または除去されている)ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指し、したがって、ポリペプチドまたはコードされるポリペプチドがコードされる親ポリペプチドの少なくとも1つの機能を、少なくとも50%の効率、好ましくは親ポリペプチドの活性の少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%のレベルで実施することができる。言い換えれば、本開示のポリペプチドまたはコードされるポリペプチドの機能的改変体は、機能的改変体が、結合親和性を測定するためのアッセイ(例えば、会合定数(Ka)または解離定数(KD)を測定するBiacore(登録商標)または四量体染色)などの選択されたアッセイにおいて親または参照ポリペプチドと比較して50%以下の性能の低下を示す場合、「同様の結合性」、「同様の親和性」または「同様の活性」を有する。
本明細書で使用される場合、「機能的部分」または「機能的断片」は、親または参照化合物のドメイン、部分または断片のみを含むポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指し、ポリペプチドまたはコードされるポリペプチドは、親または参照化合物のドメイン、部分または断片に関連する少なくとも50%の活性、好ましくは親ポリペプチドの活性の少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%のレベルを保持する、または生物学的利益(例えば、エフェクター機能)をもたらす。本開示のポリペプチドまたはコードされるポリペプチドの「機能的部分」または「機能的断片」は、機能的部分または断片が、結合親和性を測定するためまたはエフェクター機能(例えば、サイトカインの放出)を測定するためのアッセイなどの選択されたアッセイにおいて親または参照ポリペプチドと比較して50%以下の性能の低下(親和性に関しては親または参照と比較して、好ましくは20%以下もしくは10%以下、または1log以下の差異)を示す場合、「同様の結合性」または「同様の活性」を有する。
本明細書で使用される場合、「異種性」または「非内因性」または「外因性」は、宿主細胞もしくは被験体にとって天然ではない任意の遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子、もしくは活性、または、変更された宿主細胞もしくは被験体にとって天然である、任意の遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子、もしくは活性を指す。異種性、非内因性、または外因性は、構造、活性、またはその両方が、天然の遺伝子、タンパク質、化合物または核酸分子と変更された遺伝子、タンパク質、化合物または核酸分子の間で異なるように変異したまたは他のやり方で変更された遺伝子、タンパク質、化合物または核酸分子を含む。ある特定の実施形態では、異種、非内因性または外因性の遺伝子、タンパク質または核酸分子(例えば、受容体、リガンドなど)は、宿主細胞または被験体に対して内因性ではなくてよいが、その代わりに、そのような遺伝子、タンパク質または核酸分子をコードする核酸が、宿主細胞に、コンジュゲーション、形質転換、トランスフェクション、電気穿孔などによって付加されていてよく、ここで、付加された核酸分子は、宿主細胞のゲノム内に組み込まれていてもよく、染色体外遺伝物質として(例えば、プラスミドまたは他の自己複製性ベクターとして)存在していてもよい。「相同」または「ホモログ」という用語は、宿主細胞、種、または株において見いだされるまたはそれに由来する遺伝子、タンパク質、化合物、核酸分子または活性を指す。例えば、異種性または外因性ポリヌクレオチドまたはポリペプチドをコードする遺伝子は、天然のポリヌクレオチドまたは遺伝子と相同であり、相同なポリペプチドまたは活性をコードするものであり得るが、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、変更された構造、配列、発現レベル、またはそれらの任意の組み合わせを有してよい。非内因性ポリヌクレオチドまたは遺伝子、ならびにコードされるポリペプチドまたは活性は、同じ種、異なる種、またはこれらの組み合わせに由来するものであり得る。
本明細書で使用される場合、「内因性」または「天然」という用語は、宿主細胞または被験体に通常存在するポリヌクレオチド、遺伝子、タンパク質、化合物、分子、または活性を指す。
「発現」は、発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結した核酸分子の転写または翻訳を指す。
本明細書で使用される場合、「操作された」、「組換え」または「非天然」という用語は、少なくとも1つの遺伝学的変更を含む、または外因性核酸分子の導入により改変された生物体、微生物、細胞、核酸分子、またはベクターを指し、そのような変更または改変は、遺伝子工学(すなわち、ヒトによる介入)により導入される。遺伝学的変更は、例えば、タンパク質、融合タンパク質または酵素をコードする発現可能な核酸分子を導入する改変、または他の核酸分子の付加、欠失、置換または細胞の遺伝物質の他の機能的破壊を含む。追加的な改変は、例えば、改変によりポリヌクレオチド、遺伝子またはオペロンの発現が変化する非コード調節領域を含む。
本明細書で使用される場合、「融合タンパク質」は、単鎖で少なくとも2つの別個のドメインを有し、それらのドメインが天然ではタンパク質において一緒には見いだされない、タンパク質を指す。融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、PCR、組換え操作などを使用して構築することができる、または、そのような融合タンパク質は、合成することができる。融合タンパク質は、タグ、リンカーモジュールまたは形質導入マーカーなどの他の成分をさらに含有し得る。ある特定の実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)により発現または産生される融合タンパク質は細胞表面に位置し、そこで、融合タンパク質は細胞膜につなぎ止められ(例えば、膜貫通ドメインを介して)、細胞外部分(例えば、結合ドメインを含有する)および細胞内部分(例えば、シグナル伝達ドメイン、エフェクタードメイン、共刺激ドメインまたはそれらの組み合わせを含有する)を含む。
抗体技術の当業者により理解される用語には、本明細書において明確に異なって定義されていなければ、それぞれ、当技術分野において得られる意味が与えられる。「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互連結した少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むインタクトな抗体、ならびに標的分子に結合する能力を有するまたは保持するインタクトな抗体の抗原結合部分を指す。抗体は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む。抗体は、天然に存在するもの、組換えによって産生されたもの、遺伝子操作されたもの、または改変されたものであってよく、例えば、細胞内抗体(intrabody)、ペプチボディ(peptibody)、ナノボディ、単一ドメイン抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、タンデムジ−scFV、タンデムトリ−scFv)などの、改変された形態の免疫グロブリンを含む。抗体由来の「抗原結合部分」、「抗原結合性断片」または「抗原結合ドメイン」は、インタクトな抗体の一部を含み、抗体の抗原性決定可変領域または相補性決定領域を含有する「抗体断片」を指す。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片、Fab’−SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖抗体、単鎖抗体、scFv(すなわち、一般に約10〜約25アミノ酸の短い連結ペプチドで連結した、Ig分子の可変重(VH)および可変軽(VL)領域の融合タンパク質)、VHH、単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)、ならびに抗体断片を含む多重特異性抗体を含む。モノクローナル抗体またはその抗原結合部分は、非ヒト、キメラ、ヒト化またはヒトのものであってもよく、好ましくは、ヒト化またはヒトのものである。免疫グロブリン構造および機能は、例えば、Harlowら編、Antibodies: A Laboratory Manual、14章(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、1988年)に総説されている。抗体は、IgGおよびそのサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgE、IgAおよびIgDを含む任意のクラスまたはサブクラスのものであり得る。
用語「VL」および「VH」は、抗体軽鎖および重鎖それぞれからの可変結合領域を指す。可変結合領域は、「相補性決定領域」(CDR)および「フレームワーク領域」(FR)として公知の、別個の明確に定義された部分領域(sub−region)で構成されている。
用語「相補性決定領域」(CDR)または「超可変領域」(HVR)が、抗原特異性または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指すことは、当技術分野において公知である。一般に、各重鎖可変領域に3つのCDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)があり、各軽鎖可変領域に3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)がある。
本明細書で使用される場合、「フレームワーク領域」(FR)は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指す。一般に、各完全長重鎖可変領域に4つのFR(FR−H1、FR−H2、FR−H3およびFR−H4)があり、各完全長軽鎖可変領域に4つのFR(FR−L1、FR−L2、FR−L3およびFR−L4)がある。
用語「CL」は、「免疫グロブリン軽鎖定常領域」または「軽鎖定常領域」、すなわち、抗体軽鎖からの定常領域を指す。用語「CH」は、「免疫グロブリン重鎖定常領域」または「重鎖定常領域」を指し、この領域は、抗体アイソタイプに依存して、CH1、CH2およびCH3(IgA、IgD、IgG)、またはCH1、CH2、CH3およびCH4ドメイン(IgE、IgM)へとさらに分割可能である。
「抗原結合性断片」(Fab)領域は、抗原に結合し、鎖間ジスルフィド結合を介して軽鎖と連結した重鎖の可変領域およびCH1を含む抗体の部分である。「結晶化可能断片」(Fc)領域は、Fab領域ではなく、CH1以外のCH領域(例えば、IgG、IgA、もしくはIgD抗体のCH2およびCH3、またはIgE抗体のCH2、CH3、およびCH4)を含む抗体の部分である。背景として、Fc領域は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)および補体結合、Fc受容体(例えば、CD16、CD32、FcRn)への結合、Fc領域を欠くポリペプチドと比べて長いin vivoにおける半減期、プロテインA結合、および、おそらく、さらには胎盤移行(placental transfer)などの、免疫グロブリンのエフェクター機能に関与する(Caponら、Nature、337巻:525頁、1989年を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「Fc領域部分」は、CH2、CH3、CH4、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の定常ドメインを含む、抗体由来のFc断片の重鎖定常領域セグメントを指す。ある特定の実施形態では、Fc領域部分は、IgG、IgA、もしくはIgD抗体のCH2ドメインおよびCH3ドメインもしくはそれらの任意の組み合わせ、またはIgMもしくはIgE抗体のCH2、CH3、およびCH4ドメインおよびそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、CH2CH3またはCH3CH4構造は、同じ抗体のアイソタイプに由来する小領域ドメインを有し、ヒト、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgE、またはIgMなど(例えば、ヒトIgG1またはIgG4に由来するCH2CH3)である。ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質において見出されるFc領域部分は、免疫グロブリンのエフェクター機能の1つもしくは複数を媒介することができる、1つもしくは複数の増強されたエフェクター機能を媒介することができる、またはこれらの活性の1つもしくは複数もしくは全てを、例えば、当技術分野で公知の1つまたは複数の変異によって欠く。
さらに、抗体は、一般にはFab領域とFc領域の間に位置するヒンジ配列を有する(しかし、ヒンジの下位区域はFc領域のアミノ末端部分を含み得る)。背景として、免疫グロブリンヒンジは、Fab領域が空間内を自由に移動するのを可能にする柔軟なスペーサーとして作用する。定常領域とは対照的に、ヒンジは構造的に多様であり、免疫グロブリンのクラス間で、およびさらにはサブクラスの中でも、配列および長さの両方が変動する。例えば、ヒトIgG1ヒンジ領域は制限されずに柔軟であり、それにより、Fab領域がそれらの対称軸の周りを回転し、2つの重鎖間ジスルフィド架橋の最初のものを中心とした球体内を移動することが可能になる。比較すると、ヒトIgG2ヒンジは、比較的短く、4つの重鎖間ジスルフィド架橋によって安定化された剛性のポリ−プロリン二重らせんを含有し、これにより柔軟性が制限される。ヒトIgG3ヒンジは、他のサブクラスとは、62アミノ酸(21個のプロリンおよび11個のシステインを含む)を含有し、柔軟でないポリ−プロリン二重らせんを形成し、Fab領域がFc領域から比較的遠いことに起因してより大きな柔軟性をもたらす独特の伸長したヒンジ領域(IgG1ヒンジの約4倍長い)によって異なる。ヒトIgG4ヒンジは、IgG1よりも短いがIgG2とは同じ長さであり、また、その柔軟性はIgG1の柔軟性とIgG2の柔軟性との間の中間である。
「T細胞」は、胸腺において成熟し、T細胞受容体(TCR)を生成する免疫系細胞である。T細胞は、ナイーブ(抗原に曝露されていない;TCMと比較してCD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127およびCD45RAの発現の増大、ならびにCD45ROの発現の低下)、メモリーT細胞(TM)(抗原経験済みおよび長寿命)およびエフェクター細胞(抗原経験済み、細胞傷害性)であり得る。TMは、セントラルメモリーT細胞(TCM、ナイーブT細胞と比較してCD62L、CCR7、CD28、CD127、CD45ROおよびCD95の発現の増大、ならびにCD54RAの発現の低下)およびエフェクターメモリーT細胞(TEM、ナイーブT細胞またはTCMと比較してCD62L、CCR7、CD28、およびCD45RAの発現の低下、ならびにCD127の発現の増大)のサブセットにさらに分けることができる。エフェクターT細胞(TE)は、TCMと比較してCD62L、CCR7、CD28の発現の低下を有し、グランザイムおよびパーフォリンについて陽性である抗原経験済みCD8+細胞傷害性Tリンパ球を指す。Tヘルパー細胞(TH)は、抗原シグナル伝達を補助するサイトカインを放出し、また、成熟すると、表面タンパク質CD4を発現する(CD4+である)。本明細書で使用される場合、「T細胞」または「Tリンパ球」は、霊長類、イヌ、またはウマ、好ましくはヒトを含めた任意の哺乳動物に由来するものである。一部の実施形態では、T細胞は、自己、同種異系、または同系である。
「T細胞受容体」(TCR)は、CD3と会合すると、一般に、主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原の認識に関与する、T細胞(またはTリンパ球)の表面上に見いだされる分子を指す。大多数のT細胞では、TCRは、高度に可変性のα鎖およびβ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても公知)のジスルフィド連結ヘテロダイマーを有する。T細胞の小さなサブセットでは、TCRは、可変性のγ鎖およびδ鎖(それぞれTCRγおよびTCRδとしても公知)ヘテロダイマーで構成される。TCRの各鎖は、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、N末端免疫グロブリン可変ドメイン1つ、免疫グロブリン定常ドメイン1つ、膜貫通領域、およびC末端における短い細胞質尾部を有する(Janewayら、Immunobiology: The Immune System in Health and Disease、第3版、Current Biology Publications、4:33頁、1997年を参照されたい)。本開示において使用されるTCRは、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヤギ、ウマ、または他の哺乳動物を含めた、様々な動物種に由来し得る。TCRは、細胞に結合した形態(すなわち、膜貫通領域もしくはドメインを有する)または可溶性形態であり得る。本明細書で考察されている通り、本開示による結合ドメインは、免疫グロブリンに由来するscFvと類似しており、例えばペプチドリンカーまたは非ペプチドリンカーを使用しておよび任意選択でジスルフィド結合によって一緒に連結したTCRα鎖由来の可変ドメインとTCRβ鎖由来の可変ドメインを含む単鎖TCR(scTCR)を含み得る。
「主要組織適合性遺伝子複合体分子」(MHC分子)は、ペプチド抗原を細胞表面に送達する糖タンパク質を指す。MHCクラスI分子は、膜を貫通するα鎖(3つのαドメインを有する)および非共有結合により会合したβ2ミクログロブリンからなるヘテロダイマーである。MHCクラスII分子は、どちらも膜を貫通する2つの膜貫通糖タンパク質、αおよびβで構成される。各鎖は2つのドメインを有する。MHCクラスI分子は、細胞質ゾルにおいて生じたペプチドを細胞表面に送達し、そこで、ペプチド:MHC複合体がCD8+T細胞によって認識される。MHCクラスII分子は、小胞系において生じたペプチドを細胞表面に送達し、そこでペプチドはCD4+T細胞によって認識される。MHC分子は、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ヤギ、ウマまたは他の哺乳動物を含めた、様々な動物種に由来し得る。
「T細胞系列の細胞」は、T細胞またはその前駆体または前駆細胞の、それらの細胞を他のリンパ系細胞および赤血球または骨髄系列の細胞と区別する少なくとも1つの表現型特性を示す細胞を指す。そのような表現型特性は、T細胞に特異的な1つもしくは複数のタンパク質の発現(例えば、CD3+、CD4+、CD8+)、またはT細胞に特異的な生理的特徴、形態学的特徴、機能的特徴、もしくは免疫学的特徴を含み得る。例えば、T細胞系列の細胞は、T細胞系列に拘束された前駆体または前駆細胞;CD25+未成熟および不活性化T細胞;CD4またはCD8分化系列拘束を受けた細胞;CD4+CD8+2重陽性である胸腺前駆細胞;単一陽性CD4+またはCD8+;TCRαβまたはTCRγδ;または成熟および機能的なまたは活性化T細胞であり得る。
本明細書で使用される場合、混合物中の細胞型の量に関して「濃縮された」または「枯渇した」とは、1つまたは複数の濃縮または枯渇プロセスまたはステップの結果生じた、細胞の混合物中の「濃縮された」型の数の増加、「枯渇した」細胞の数の減少、またはその両方を指す。したがって、濃縮プロセスに供される元の細胞の集団の供給源に応じて、混合物または組成物は、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%またはそれよりも多い(数または計数で)「濃縮された」細胞を含有し得る。枯渇プロセスに供された細胞からは、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%パーセントまたはそれよりも少ない(数または計数で)「枯渇した」細胞を含有する混合物または組成物が生じ得る。ある特定の実施形態では、混合物中のある特定の細胞型の量は濃縮され、異なる細胞型の量は枯渇する、例えば、CD4+細胞が濃縮される一方でCD8+細胞が枯渇する、またはCD62L+細胞が濃縮される一方でCD62L−細胞が枯渇する、またはこれらの組み合わせなどである。
「処置する」または「処置」または「改善する」は、被験体(例えば、ヒト、または、霊長類、ウマ、ネコ、イヌ、ヤギ、マウスもしくはラットなどの非ヒト哺乳動物)の疾患、障害、または状態の医学的管理を指す。一般に、融合タンパク質を発現する宿主細胞であって、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含む、宿主細胞、および任意選択でアジュバントを含む適切な用量または処置レジメンを、治療的利益または予防的利益を引き出すために十分な量で投与する。治療的または予防的/防止的利益は、臨床転帰の改善;疾患に関連する症状の軽減または緩和;症状の出現の減少;生活の質の改善;より長い無病状態;疾患の程度の低下、疾患状態の安定化;疾患の進行の遅延;寛解;生存;生存の持続;またはそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書にさらに記載されているとおり、処置レジメンは、1つまたは複数のCD20特異的結合分子、例えば抗CD20抗体などを、1つまたは複数の第2のまたは補助的治療薬の投与の前、それと同時に、それと同時発生的に、またはその後に投与する併用療法を含み得る。本明細書に記載の治療方法における使用に適した例示的な抗CD20抗体は、1.5.3、1F5、Leu16、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブ(ublituximab)、およびオクレリズマブを含む。
CD20特異的結合分子、融合タンパク質、または本開示の融合タンパク質(例えば、CD20 CAR)を発現する宿主細胞の「治療有効量」または「有効量」は、臨床転帰の改善;疾患に関連する症状の軽減もしくは緩和;症状の出現の減少;生活の質の改善;より長い無病状態;疾患の程度の低下、疾患状態の安定化;疾患の進行の遅延;寛解;生存;または生存の持続を含めた治療効果を統計的に有意な様式でもたらすために十分なCD20特異的結合分子、融合タンパク質、または宿主細胞の量を指す。単独で投与される個々の活性成分または単一の活性成分を発現する細胞について言及する場合、治療有効量は、その成分またはその成分を発現する細胞の単独での効果を指す。組み合わせについて言及する場合、治療有効量は、逐次的に投与されるか同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす、活性成分または組み合わされる補助的活性成分と活性成分を発現する細胞とを合わせた量を指す。組み合わせはまた、1つ超の活性成分、例えば2つの異なるCD20 CAR、または1つのCD20 CARとCD20 TCR、またはCD20 CARと別の関連する治療薬などを発現する細胞であり得る。
「薬学的に許容される賦形剤または担体」または「生理学的に許容される賦形剤または担体」という用語は、本明細書においてより詳細に記載されている、ヒトまたは他の非ヒト哺乳動物被験体への投与に適しており、また、一般に安全であるまたは重篤な有害事象を引き起こさないと理解されている、生物学的に適合性のビヒクル、例えば、生理食塩水を指す。
本明細書で使用される場合、「統計的に有意」とは、スチューデントt検定を使用して算出したp値が0.050またはそれ未満であることを指し、測定された特定の事象または結果が偶然に生じる可能性は低いことを示す。
本明細書で使用される場合、「養子免疫療法(adoptive immune therapy)」または「養子免疫療法(adoptive immunotherapy)」という用語は、天然に存在するまたは遺伝子操作された、疾患抗原に特異的な免疫細胞(例えば、T細胞)の投与を指す。養子細胞免疫療法は、自己(免疫細胞がレシピエントに由来する)、同種異系(免疫細胞が同じ種のドナーに由来する)または同系(免疫細胞がレシピエントと遺伝的に同一のドナーに由来する)であり得る。
融合タンパク質
ある特定の態様では、本開示は、疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分とを含む融合タンパク質を提供する。
「細胞外成分」は、CD20に特異的に結合する結合ドメインを含む。「結合ドメイン」(「結合領域」または「結合部分」とも称される)は、本明細書で使用される場合、標的分子(例えば、CD20)と特異的かつ非共有結合により会合する、1つに合わさる、または組み合わさる能力を保有するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質などの分子を指す。結合ドメインは、目的の生体分子または他の標的の、任意の天然に存在する、合成、半合成、または組換えにより生成した結合パートナーを含む。一部の実施形態では、結合ドメインは、抗体またはTCR、または機能的結合ドメインまたはその抗原結合性断片などの抗原結合ドメインである。
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、可変領域リンカー(例えば、scFv)を含む。「可変領域リンカー」は、具体的には、重鎖免疫グロブリン可変領域(VH)と軽鎖免疫グロブリン可変領域(VL)を連結する、またはTCR Vα/β鎖とCα/β鎖を連結する(例えば、Vα−Cα、Vβ−Cβ、Vα−Vβ)または各Vα−Cα対、Vβ−Cβ対、またはVα−Vβ対とヒンジまたは疎水性ドメインを連結する、5アミノ酸から約35アミノ酸の配列を指し、得られる単鎖ポリペプチドが抗体またはTCRと同じ標的分子に対する特異的結合親和性を保持するように2つのサブ結合ドメインの相互作用に十分なスペーサー機能および柔軟性をもたらす。
ある特定の実施形態では、可変領域リンカーは、約10アミノ酸から約30アミノ酸まで、または約15アミノ酸から約25アミノ酸までを含む。特定の実施形態では、可変領域リンカーペプチドは、1〜10のGlyxSeryの反復を含み、式中、xおよびyは、独立に、0〜10の整数であるが、ただし、xおよびyの両方が0になることはなく(例えば、Gly4Ser)、Gly3Ser、Gly2Ser、または(Gly3Ser)n(Gly4Ser)1、(Gly3Ser)n(Gly2Ser)n、(Gly3Ser)n(Gly4Ser)n、または(Gly4Ser)n、式中、nは、1、2、3、4、5、または6の整数である)、また、連結した可変領域は機能的な免疫グロブリン様結合ドメイン(例えば、scFvまたはscTCR)を形成する。
例示的な結合ドメインは、単鎖抗体可変領域(例えば、ドメイン抗体、sFv、scFv、もしくはFab)、TCRの抗原結合領域、例えば単鎖TCR(scTCR)など、または生体分子に結合する特異的な能力に関して選択された合成ポリペプチドを含む。
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」は、試料中の任意の他の分子もしくは成分と有意に会合することも1つに合わさることもなしに、105M−1に等しいもしくはより大きい親和性もしくはKa(すなわち、1/Mの単位を有する特定の結合相互作用の平衡会合定数)で標的分子に結合ドメイン、もしくはその融合タンパク質が会合することもしくは1つに合わさることを指す。結合ドメイン(またはその融合タンパク質)は、「高親和性」結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)または「低親和性」結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)と分類することができる。「高親和性」結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)は、少なくとも107M−1、少なくとも108M−1、少なくとも109M−1、少なくとも1010M−1、少なくとも1011M−1、少なくとも1012M−1、または少なくとも1013M−1のKaを有する結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)を指す。「低親和性」結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)は、最大で107M−1まで、最大で106M−1まで、最大で105M−1までのKaを有する結合ドメイン(もしくはその融合タンパク質)を指す。
あるいは、親和性は、Mの単位を有する特定の結合相互作用の平衡解離定数(Kd)(例えば、10−5M〜10−13M)と定義することができる。ある特定の実施形態では、結合ドメインは、「増強された親和性」を有し得、これは、標的抗原に対して野生型(または親)結合ドメインよりも強力な結合を有する、選択または操作された結合ドメインを指す。例えば、増強された親和性は、標的抗原に対するKa(平衡会合定数)が野生型結合ドメインよりも大きいことに起因し得る、標的抗原に対するKd(解離定数)が野生型結合ドメインよりも低いことに起因し得る、または標的抗原に対する解離速度(off−rate)(Koff)が野生型結合ドメインよりも低いことに起因し得る。ウエスタンブロット、ELISA、およびBiacore(登録商標)分析などの、特定の標的に特異的に結合する本開示の結合ドメインを同定するためならびに結合ドメインまたは融合タンパク質親和性を決定するための様々なアッセイが公知である(例えば、Scatchardら、Ann. N.Y. Acad. Sci.、51巻:660頁、1949年;および米国特許第5,283,173号、同第5,468,614号、または同等物も参照されたい)。
タンパク質の三次構造を分析するための結合ドメインの一次および二次アミノ酸構造の分析またはコンピューターモデリングは、構造を有意に変更させることなく、および結果として結合ドメインの結合特異性および親和性を潜在的に有意に低下させることなく置換する、付加する、または欠失させることができる特定のアミノ酸残基を同定するために役立ち得る。
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、VH領域を含む。例えば、本開示の結合ドメインにおける領域は、公知のモノクローナル抗体のVHに由来するものまたはそれに基づくものであり得、公知のモノクローナル抗体のVHと比較して1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の挿入、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の欠失、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換)、または上記の変化の組み合わせを含有し得る。挿入、欠失または置換は、各CDRが、公知のモノクローナル抗体のVH領域のCDRから変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つまたは4つの変化を含み、また、改変されたVH領域を含有する結合ドメインがその標的に野生型の結合ドメインと同様の親和性で特異的に結合するのであれば、領域のアミノ末端、カルボキシ末端または両末端を含めた、VH領域内のどこにあってもよい。
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、VL領域を含む。例えば、本開示の結合ドメイン内のVL領域は、公知のモノクローナル抗体のVLに由来するまたはそれに基づくものであり、公知のモノクローナル抗体のVLと比較して1つもしくは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10)の挿入、1つもしくは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10)の欠失、1つもしくは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10)のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)、または上記の変化の組み合わせを含有し得る。挿入、欠失、または置換は、各CDRが公知のモノクローナル抗体のVL領域のCDRから変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つまたは4つの変化を含み、また、改変されたVL領域を含有する結合ドメインがその標的に野生型結合ドメインに類似した親和性で特異的に結合するのであれば、アミノ末端、カルボキシ末端、またはこれらの領域の両末端を含めた、VL領域のどこにあってもよい。
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列;例えば、1.5.3(配列番号1)、1F5(配列番号3)、Leu16(配列番号2)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVLと少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。
さらなる実施形態では、結合ドメインは、重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列;例えば、1.5.3(配列番号4)、1F5(配列番号6)、Leu16(配列番号5)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVHと少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。
なおさらなる実施形態では、結合ドメインは、(a)VLのアミノ酸配列;例えば、1.5.3(配列番号1)、1F5(配列番号3)、Leu16(配列番号2)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVLと少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるアミノ酸配列;および(b)VHのアミノ酸配列;例えば、1.5.3(配列番号4)、1F5(配列番号6)、Leu16(配列番号5)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVHと少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。上記の実施形態のいずれかでは、VL、VHまたは両方の各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体もしくはその断片もしくは誘導体と比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし改変されたVL、VHまたは両方領域を含有する結合ドメインは、CD20に野生型結合ドメインに類似した親和性で特異的に結合する.
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、scFv、例えば、1.5.3(配列番号64)、1F5(配列番号66)、Leu16(配列番号65)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブの抗体由来のscFvのアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるアミノ酸配列を含み、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体もしくはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する.
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、軽鎖可変領域(VL);例えば、1.5.3(配列番号70)、1F5(配列番号72)、Leu16(配列番号71)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVLをコードするポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるポリヌクレオチドにコードされる。
さらなる実施形態では、結合ドメインは、重鎖可変領域(VH);例えば、1.5.3(配列番号73)、1F5(配列番号75)、Leu16(配列番号74)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVHをコードするポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるポリヌクレオチドを含む。
なおさらなる実施形態では、結合ドメインは、(a)VL;例えば、1.5.3(配列番号70)、1F5(配列番号72)、Leu16(配列番号71)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVLをコードするポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるポリヌクレオチド;および(b)VH;例えば、1.5.3(配列番号73)、1F5(配列番号75)、Leu16(配列番号74)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブ由来のVHをコードするポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるポリヌクレオチドを含む。上記の実施形態のいずれかでは、VL、VHまたは両方の各CDRをコードするポリヌクレオチドは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体もしくはその断片もしくは誘導体をコードするのポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1〜6のヌクレオチド変化を含み、ただし改変されたVL、VHまたは両方の領域を含有する結合ドメインは、CD20に野生型結合ドメインに類似した親和性で特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、結合ドメインは、scFv、例えば、1.5.3(配列番号67)、1F5(配列番号69)、Leu16(配列番号68)、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、ウブリツキシマブまたはオクレリズマブの抗体由来の可変ドメインを含むコードされたscFvをコードするポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるポリヌクレオチドを含む。上述の実施形態のそれぞれでは、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体由来の親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1〜6のヌクレオチド変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、結合ドメインは、ウブリツキシマブ(例えば、US2015/0290317を参照されたい)、リツキシマブ(例えば、US2014/0004037を参照されたい)、オクレリズマブ(例えば、US8,679,767を参照されたい)、オファツムマブ(例えば、US2009/0169550を参照されたい)、またはベルツズマブ(例えば、US2009/0169550を参照されたい)に由来するVH、VLまたはその両方からなる、それを含む、それに基づく、またはそれに由来するものであってよく、そのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本明細書に記載の方法のいずれかでは、CD20結合分子は、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、またはオクレリズマブ、ウブリツキシマブ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
本開示の融合タンパク質は、エフェクタードメインを含む細胞内成分を含む。本明細書で使用される場合、「エフェクタードメイン」は、適切なシグナルを受け取った際に細胞における生物学的応答または生理学的応答を直接または間接的に促進することができる、融合タンパク質または受容体の細胞内部分またはドメインである。ある特定の実施形態では、エフェクタードメインは、結合の際、または、タンパク質またはその一部またはタンパク質複合体が標的分子に直接結合し、エフェクタードメインからのシグナルを誘発した際にシグナルを受け取る、タンパク質またはタンパク質複合体に由来するまたはその一部である。エフェクタードメインは、1つまたは複数のシグナル伝達ドメインまたはモチーフ、例えば、共刺激分子に見出される免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)などを含有する場合、細胞応答を直接促進することができる。ITAMを含む共刺激分子またはその一部は、一般に、リガンドとの会合後にT細胞活性化シグナル伝達を開始できることが公知である。さらなる実施形態では、エフェクタードメインは、細胞応答を直接促進する1つまたは複数の他のタンパク質と会合することによって細胞応答を間接的に促進する。
ある特定の実施形態では、エフェクタードメインは、リンパ球受容体シグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ζ)、共刺激分子(例えば、CD28、4−1BB(CD137)、OX40(CD134))に由来する1つまたは複数のITAMを有するポリペプチド、またはこれらの組み合わせを含む。さらに別の実施形態では、エフェクタードメインは、細胞質シグナル伝達タンパク質と会合する細胞質部分を含み、細胞質シグナル伝達タンパク質は、リンパ球受容体またはそのシグナル伝達ドメイン、複数のITAMを含むタンパク質、共刺激因子、またはそれらの任意の組み合わせである。
例示的なエフェクタードメインとして、4−1BB(CD137)、CD3ε、CD3δ、CD3ζ、CD25、CD27、CD28、CD79A、CD79B、CARD11、DAP10、FcRα、FcRβ、FcRγ、Fyn、HVEM、ICOS、Lck、LAG3、LAT、LRP、NKG2D、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、Wnt、OX40(CD134)、ROR2、Ryk、SLAMF1、Slp76、pTα、TCRα、TCRβ、TRIM、Zap70、PTCH2由来のもの、またはその任意の組み合わせが挙げられる。
ある特定の実施形態では、エフェクタードメインは、任意選択で天然のCD28タンパク質(配列番号15;Nguyenら、Blood、102巻:4320頁、2003年を参照されたい)の186〜187位にLL→GG変異を含み得る、共刺激分子CD28に由来する部分またはドメインを含む。さらなる実施形態では、エフェクタードメインは、CD3ζまたはその機能的部分(配列番号17)、および、1つまたは複数の、共刺激分子に由来する部分またはドメイン、例えば、CD28(配列番号15)、4−1BB(配列番号16)、CD27、またはOX40などを含む。特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質のエフェクタードメインは、CD3ζ(配列番号17)およびCD28(配列番号15);CD3ζ(配列番号17)および4−1BB(配列番号16);またはCD3ζ(配列番号17)、CD28(配列番号15)、および4−1BB(配列番号16)に由来するエフェクタードメインまたはその機能的部分を含む。
ある特定の実施形態では、エフェクタードメインは、配列番号86と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるCD3ζもしくはその機能的部分を含む。さらなる実施形態では、エフェクタードメインは、配列番号84と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドにコードされる共刺激分子CD28由来の部分もしくはドメインを含む。なおさらなる実施形態では、エフェクタードメインは、配列番号85と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドにコードされる共刺激分子4−1BB由来の部分もしくはドメインを含む。
本開示の細胞外ドメインおよび細胞内ドメインは、疎水性部分によって連結されている。「疎水性部分」は、本明細書で使用される場合、細胞膜において熱力学的に安定な三次元構造を有する任意のアミノ酸配列を意味し、一般に、約15アミノ酸から約30アミノ酸までの長さにわたる。疎水性部分の構造は、アルファヘリックス、ベータバレル、ベータシート、ベータへリックス、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ある特定の実施形態では、疎水性部分は、細胞膜に挿入され得るまたはまたがり得る膜貫通タンパク質の部分である、公知の膜貫通タンパク質由来の「膜貫通ドメイン」で構成される。一部の実施形態では、疎水性部分は、CD4膜貫通ドメイン、CD8膜貫通ドメイン、CD28(例えば、配列番号14)、CD27膜貫通ドメイン、および4−1BB膜貫通ドメインなどの膜貫通ドメインである。ある特定の実施形態では、疎水性部分は、CD28膜貫通ドメイン(配列番号14)である。さらなる実施形態では、疎水性部分はCD28膜貫通ドメインであり、これは、配列番号83にコードされると少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドにコードされる。
本開示の融合タンパク質は、リンカーモジュールをさらに含み得る。「リンカーモジュール」は、約2アミノ酸から約500アミノ酸までを有するアミノ酸配列であってよく、リンカーによって連結された2つの領域、ドメイン、モチーフ、断片、またはモジュール間のコンフォメーション運動のための柔軟性および余地をもたらすものである。ある特定の実施形態では、リンカーモジュールは、結合ドメインと疎水性領域との間に位置してよい。そのような実施形態では、リンカーモジュールにより、結合ドメインを細胞表面から離して位置づけて、適切な細胞/細胞接触、抗原結合、および活性化を可能にすることができる(Patelら、Gene Therapy、6巻:412〜419頁、1999年)。リンカーモジュールの長さは、選択された標的分子、選択された結合エピトープ、または抗原結合ドメインのサイズおよび親和性に基づいて、腫瘍認識が最大になるように変動させることができる(例えば、Guestら、J. Immunother.、28巻:203〜11頁、2005年;PCT公開番号第WO2014/031687号を参照されたい)。例示的なリンカーモジュールは、1〜約10のGlyxSeryの反復(式中、xおよびyは、独立に、0から10までの整数であるが、ただし、xおよびyの両方が0になることはない(例えば、(Gly4Ser)2、(Gly3Ser)2、Gly2Ser、またはこれらの組み合わせ、例えば(Gly3Ser)2Gly2Serなど))を有するグリシン−セリン(Gly−Ser)リンカーを有するものを含む。ある特定の実施形態では、リンカーモジュールは、1つまたは複数の免疫グロブリン重鎖定常領域、例えば、CH3単独、またはCH2CH3構造、CH3CH4構造、免疫グロブリンヒンジ、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、ヒンジと一緒になったCH2CH3構造)などを含む。さらなる実施形態では、リンカーモジュールは、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはこれらの組み合わせから選択されるFcドメインの全部または一部を含む(例えば、PCT公開第WO2014/031687号を参照されたい)。
例示的なリンカーモジュールは、長さが変動することができ、例えば、約5アミノ酸〜約500アミノ酸、約10アミノ酸〜約350アミノ酸、約15アミノ酸〜約100アミノ酸、約20アミノ酸〜約75アミノ酸、または約25アミノ酸〜約35アミノ酸であり得る。さらなる実施形態では、リンカーモジュールは、ヒンジ領域、タグまたは両方をさらに含み得る。リンカーモジュールのそのような成分のそれぞれは、相互排他的ではない。
ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質のリンカーモジュールは、N297Q変異を伴うIgG1 CH2領域(配列番号10);IgG4 CH2領域(配列番号11);IgG1 CH3領域(配列番号12);またはIgG4 CH3領域(配列番号13)を含み得る。ある特定の実施形態では、リンカーモジュールは、グリシン−セリンリンカー(配列番号89にコードされ得る配列番号20、または配列番号90にコードされ得る配列番号21)を含み得る。
さらなる実施形態では、本開示の融合タンパク質のリンカーモジュールは、配列番号79と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるN297Q変異を伴うIgG1 CH2領域を含み得る。別の実施形態では、本開示の融合タンパク質のリンカーモジュールは、配列番号80と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるIgG4 CH2領域を含み得る。なお別の実施形態では、本開示の融合タンパク質のリンカーモジュールは、配列番号81と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるIgG1 CH3領域を含み得る。さらに別の実施形態では、本開示の融合タンパク質のリンカーモジュールは、配列番号82と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるIgG4 CH3領域を含み得る。
ある特定の実施形態では、リンカーモジュールは、ヒンジ領域をさらに含む。本明細書で使用される場合、「ヒンジ領域」または「ヒンジ」は、(a)免疫グロブリンヒンジ配列(例えば、上部およびコア領域で構成されている)もしくはその機能的断片もしくは改変体、(b)II型C−レクチンドメイン間(スターク(stalk))領域もしくはその機能的断片もしくは改変体、または(c)表面抗原分類(CD)分子スターク領域もしくはその機能的改変体を指す。本明細書で使用される場合、「野生型免疫グロブリンヒンジ領域」は、抗体の重鎖に見出されるCH1およびCH2ドメイン間に介在し、それらを連結する天然に存在する上部および中間ヒンジアミノ酸配列を指す。ある特定の実施形態では、ヒンジ領域は、ヒトのものであり、また特定の実施形態では、ヒトIgGヒンジ領域を含む。さらなる実施形態では、ヒンジ領域は、PCT公開第WO2014/031687号に記載されている変更されたIgG4ヒンジ領域である。特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質のヒンジ領域は、IgG1ヒンジ(配列番号7)であり得る。関連する実施形態では、本開示の融合タンパク質のヒンジ領域は、配列番号76に記載のポリヌクレオチドによりコードされるIgG1ヒンジであり得る。
本開示の融合タンパク質は、接合部アミノ酸をさらに含み得る。「接合部アミノ酸」または「接合部アミノ酸残基」は、タンパク質の2つの隣接するドメイン、モチーフ、領域、モジュール、または断片の間、例えば、結合ドメインと隣接するリンカーモジュールとの間、疎水性ドメインと隣接するエフェクタードメインとの間、または、2つのドメイン、モチーフ、領域、モジュール、または断片を連結するリンカーモジュールの一方の末端もしくは両方の末端上(例えば、リンカーモジュールと隣接する結合ドメインとの間もしくはリンカーモジュールと隣接するヒンジとの間)の1つまたは複数(例えば、約2〜20)のアミノ酸残基を指す。接合部アミノ酸は、融合タンパク質の構築デザインに起因し得る(例えば、融合タンパク質をコードする核酸分子の構築中の制限酵素部位の使用に起因するアミノ酸残基)。例えば、融合タンパク質の疎水性部分は、アミノ末端、カルボキシ末端、またはその両方に1つまたは複数の接合部アミノ酸を有し得る。接合部アミノ酸の例は、IgG2由来の接合部アミノ酸(例えば、配列番号9、配列番号78によりコードされ得る)を含む。一部の実施形態では、ヒンジ領域がIgG4に由来する場合、ヒンジ領域は、接合部アミノ酸(例えば、配列番号8、配列番号77によりコードされ得る)を含み得る。ある特定の実施形態では、疎水性部分は、配列番号14のアミノ酸を有するCD28膜貫通ドメインであり、ここで、CD28膜貫通ドメインは、例えば、メチオニンのアミノ末端接合部アミノ酸を含む(例えば、配列番号30、31、39、および40の融合タンパク質を参照されたい)。したがって、ある特定の実施形態では、リンカーモジュールは、IgG4ヒンジ、IgG4接合部アミノ酸、およびIgG4 CH2−CH3を含む。ある特定の他の実施形態では、リンカーモジュールは、IgG1ヒンジ、IgG2接合部アミノ酸、およびIgG1 CH2−CH3を含む。
一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質は、タグをさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「タグ」は、異種性または非内因性の同族結合分子(例えば、受容体、リガンド、抗体、または他の結合パートナー)が特異的に結合することができる、目的のタンパク質に添付された、融合した、またはその一部である独特のペプチド配列を指し、特に、タグを付けたタンパク質がタンパク質もしくは他の材料の不均質な集団の一部である場合、またはタグを付けたタンパク質を発現する細胞が、細胞の不均質な集団(例えば、末梢血のような生体試料)の一部である場合に、タグを付けたタンパク質またはタグを付けたタンパク質を発現する細胞を検出する、同定する、単離するまたは精製する、追跡する、濃縮する、または標的化するために結合特性を使用することができる(例えば、WO2015/095895を参照されたい)。提供される融合タンパク質では、タグ(複数可)の同族結合分子(複数可)と特異的に結合する能力は、結合ドメイン(複数可)の標的分子(複数可)に特異的に結合する能力とは別個のものであるまたはそれに加えたものである。タグは、一般には抗原結合分子ではない、例えば、抗体またはTCRまたはその抗原結合部分ではない。タグの例は、Strepタグ、Hisタグ、Flagタグ、Xpressタグ、Aviタグ、カルモジュリンタグ、ポリグルタミン酸タグ、HAタグ、Mycタグ、Nusタグ、Sタグ、Xタグ、SBPタグ、Softag、V5タグ、CBP、GST、MBP、GFP、チオレドキシンタグを含む。特定の実施形態では、Strepタグは、配列番号62または配列番号63のアミノ酸配列を有する。
本開示の融合タンパク質は、シグナルペプチドを含み得る。「シグナルペプチド」は、融合タンパク質を細胞表面発現のために標的化するために使用される短い(例えば、5〜30アミノ酸)配列である。例示的なシグナルペプチドは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)シグナル伝達ペプチド(配列番号18、配列番号87によりコードされ得る)およびマウスカッパシグナルペプチド(配列番号19、配列番号88によりコードされ得る)を含む。
ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、キメラ抗原受容体である。「キメラ抗原受容体」(CAR)は、天然には存在しないまたは宿主細胞において天然には存在しないやり方で一緒に連結した2つまたはそれよりも多くの天然に存在するアミノ酸配列を含有するように操作された本開示の融合タンパク質を指し、融合タンパク質は、細胞の表面に存在すると、受容体として機能し得る。
一部の実施形態では、CARは、完全ヒトCARまたはヒト化CARである。ある特定の実施形態では、CARは、抗CD20抗体由来のscFvまたはCD20抗原に特異的なTCR由来のscTCRを有する。特定の実施形態では、CARは、1.5.3、1F5、Leu16、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、ウブリツキシマブ、またはその任意の組み合わせ由来のscFvを含む。特定の実施形態では、CARは、IgG1ヒンジ、IgG4ヒンジ、またはその任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含む。さらなる実施形態では、CARは、N297Q変異を伴うIgG1 CH2領域、IgG4 CH2領域、IgG1 CH3領域、IgG4 CH3領域、またはその任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含む。なおさらなる実施形態では、CARの疎水性部分は、CD28膜貫通ドメインを含む。一部の実施形態では、CARは、CD3ζ、4−1BB、CD28、またはそれらの任意の組み合わせに由来する部分またはドメインを含む細胞内ドメインを含む。上記の実施形態のいずれかでは、CARは、2つの隣接するドメイン、モチーフ、領域、モジュール、または断片の間の接合部アミノ酸を含む。
ある特定の実施形態では、CARは、1.5.3−NQ−28−BB−z(配列番号26);1.5.3−NQ−28−z(配列番号27);1.5.3−NQ−BB−z(配列番号28);1.5.3−NQ−z(配列番号29);Leu16−28−BB−z(配列番号30);Leu16−28−z(配列番号31);1F5−NQ−28−BB−z(配列番号32);1F5−NQ−28−z(配列番号33);または1F5−NQ−BB−z(配列番号34)と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であり得る。特定の実施形態では、CARは、配列番号26〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、CARは、配列番号44〜52のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であり得る。特定の実施形態では、CARは、配列番号44〜52のいずれか1つの配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドにコードされる。
CARを含む融合タンパク質を作製する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第6,410,319号;米国特許第7,446,191号;米国特許公開第2010/065818号;米国特許第8,822,647号;PCT公開WO2014/031687;米国特許第7,514,537号;およびBrentjensら、2007、Clin. Cancer Res. 13:5426に記載される。
宿主細胞、核酸およびベクター
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に記載の融合タンパク質の任意の1つまたは複数をコードする核酸分子を提供する。所望の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、例えば、所望の配列もしくはその一部を発現する細胞由来のライブラリーのスクリーニング、配列を、それを含むことが分かっているベクターから引き出すことによって、または配列もしくはその一部を、それを含有する細胞もしくは組織から直接単離することによってなど、標準の技法を使用する当技術分野で公知の組換え方法を使用して得るまたは産生させることができる。あるいは、目的の配列を合成により作製することができる。そのような核酸分子は、目的の宿主細胞(例えば、免疫細胞、例えば、T細胞)への導入のために、適切なベクター(例えば、ウイルスベクターまたは非ウイルスプラスミドベクター)に挿入することができる。
「ベクター」は、別の核酸を輸送することができる核酸分子である。一部の実施形態では、ベクターは、所望の核酸配列の発現を調節するための転写もしくは翻訳ターミネーター、開始配列、またはプロモーターを含有する。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス、またはファージ、またはトランスポゾン系(例えば、Sleeping Beauty、例えば、Geurtsら、Mol. Ther.、8巻:108頁、2003年;Matesら、Nat. Genet.、41巻:753頁、2009年を参照されたい)であり得る。「発現ベクター」は、適切な環境に存在すると、ベクターに担持されている1つまたは複数の遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を導くことができるベクターである。
コアウイルスをコードするベクターは、本明細書では、「ウイルスベクター」と呼ばれる。ヒト遺伝子療法への適用のために同定されたものを含め、本開示の組成物と共に使用するのに適した多数の入手可能なウイルスベクターが存在する(PfeiferおよびVerma、Ann. Rev. Genomics Hum. Genet.、2巻:177頁、2001年を参照されたい)。適切なウイルスベクターは、RNAウイルスに基づくベクター、例えば、レトロウイルス由来ベクターを含む。
「レトロウイルス」は、RNAゲノムを有するウイルスであり、当該RNAゲノムは、逆転写酵素を使用してDNAに逆転写され、次いで、逆転写されたDNAは宿主細胞のゲノムに組み入れられる。「ガンマレトロウイルス」は、Retroviridae科の属を指す。ガンマレトロウイルスの例は、マウス幹細胞ウイルス、マウス白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、およびトリ細網内皮症ウイルスを含む。「レンチウイルス」は、分裂細胞および非分裂細胞に感染することができる、レトロウイルスの別の属を指す。レンチウイルスのいくつかの例は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV;1型HIV、および2型HIV);ウマ伝染性貧血ウイルス;ネコ免疫不全ウイルス(FIV);ウシ免疫不全ウイルス(BIV);およびサル免疫不全ウイルス(SIV)を含む。
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、ガンマレトロウイルス、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)由来ベクターであり得る。別の実施形態では、ウイルスベクターは、より複雑なレトロウイルス由来ベクター、例えば、レンチウイルス由来ベクターであり得る。HIV−1由来ベクターはこのカテゴリーに属する。他の例は、HIV−2、FIV、ウマ伝染性貧血ウイルス、SIV、およびマエディ−ビスナウイルス(ヒツジレンチウイルス)に由来するレンチウイルスベクターを含む。CAR導入遺伝子を含有するウイルス粒子を用いて哺乳動物宿主細胞に形質導入するための、レトロウイルスウイルスベクターおよびレンチウイルスウイルスベクターならびにパッケージング細胞の使用方法は当技術分野で公知であり、以前に、例えば、米国特許第8,119,772号;Walchliら、PLoS One、6巻:327930頁、2011年;Zhaoら、J. Immunol.、174巻:4415頁、2005年;Engelsら、Hum. Gene Ther.、14巻:1155頁、2003年;Frechaら、Mol. Ther.、18巻:1748頁、2010年;Verhoeyenら、Methods Mol. Biol.、506巻:97頁、2009年に記載されている。レトロウイルスおよびレンチウイルスベクター構築物および発現系はまた、市販もされている。例えばアデノウイルスに基づくベクターおよびアデノ随伴ウイルス(AAV)に基づくベクターを含めた、DNAウイルスベクター;アンプリコンベクター、複製欠損HSVおよび弱毒化HSVを含めた、単純ヘルペスウイルス(HSV)に由来するベクターを含めた他のウイルスベクターも、ポリヌクレオチド送達のために使用することができる(Kriskyら、Gene Ther.、5巻:1517頁、1998年)。
遺伝子療法への使用のために最近開発された他のベクターも本開示の組成物および方法と共に使用することができる。そのようなベクターは、バキュロウイルスおよびα−ウイルスに由来するもの(Jolly, D J.、1999年、Emerging Viral Vectors.、209〜40頁、Friedmann T.編、The Development of Human Gene Therapy.、New York: Cold Spring Harbor Lab)、またはプラスミドベクター(例えば、sleeping beautyまたは他のトランスポゾンベクターなど)を含む。
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターを使用して、CD20などの標的に特異的な融合タンパク質をコードする非内因性ポリヌクレオチドを導入する。そのような実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであり得る。ウイルスベクターは、形質導入についてのマーカーをコードする核酸配列も含み得る。ウイルスベクター用の形質導入マーカーは当技術分野で公知であり、薬物耐性を付与することができる選択マーカー、または、フローサイトメトリーなどの方法によって検出することができる蛍光マーカーまたは細胞表面タンパク質などの検出可能なマーカーを含む。
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、形質導入マーカーを含む。本明細書で使用される場合、「形質導入マーカー」は、トランスフェクション効率をモニターするためまたは目的の融合タンパク質を発現する細胞を検出するための手段として任意の構築物に含めることができる。例示的な形質導入マーカーは、緑色蛍光タンパク質、ヒトCD2の細胞外ドメイン、切断されたヒトEGFR(huEGFRt;配列番号25、配列番号94によりコードされ得る;Wangら、Blood、118巻:1255頁、2011年を参照されたい)、または切断されたCD19(配列番号24、配列番号93によりコードされ得る)である。ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、iCasp9(例えば、GargettおよびBrown、Front. Pharmacol.、5巻:235頁、2104を参照されたい)、またはHSV−TK(例えば、Fillatら、Curr. Gene Ther.、3巻:13頁、2003年を参照されたい)などの自殺遺伝子を含む。
ウイルスベクターゲノムが、別々の転写物として宿主細胞において発現される複数ポリヌクレオチドを含む場合、ウイルスベクターは、2つ(またはそれ超)の転写物の間に、バイシストロン性または多シストロン性の発現を可能にする追加的な配列も含み得る。ウイルスベクターに使用するそのような配列の例は、配列内リボソーム進入部位(IRES)、フューリン切断部位、ウイルス2Aペプチド、またはそれらの任意の組み合わせを含む。ある特定の実施形態では、ベクター構築物は、自己切断性ペプチド(例えば、E2A(配列番号22、配列番号91によりコードされ得る)、T2A(配列番号23、配列番号92によりコードされ得る)、P2A(配列番号95、配列番号97によりコードされ得る)、またはF2A(配列番号96、配列番号98によりコードされ得る))をコードするポリヌクレオチドを含み得、したがって、成熟融合タンパク質は形質導入マーカーまたは自殺遺伝子を含有しない。ある特定の実施形態では、核酸ベクターは、任意選択で形質導入マーカー(例えば、tCD19またはtEGFRなど)を含有する本開示の融合ペプチドをコードし得る。さらなる実施形態では、本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子は、T細胞などの特定の型の細胞における発現が増強または最大化されるようにコドン最適化することができ(Scholtenら、Clin. Immunol.、119巻:135〜145頁、2006年)、また、任意選択で形質導入マーカー(例えば、tCD19またはtEGFRなど)を含有し得る。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するベクターは、形質導入マーカーをコードするポリヌクレオチドも含有してよく、これを、形質導入マーカーを発現する宿主細胞を消失または死滅の標的とするために使用することができる。機能的な抗原標的化CAR T細胞の持続性により、抗原を内因的に発現する健康な細胞の持続した枯渇が引き起こされ得ることが示されている(例えば、Paskiewiczら、J. Clin. Invest.、126巻(11号):4262〜4272頁(2016年)を参照されたい)。したがって、所望の抗腫瘍効果を達成した後に、移入されたT細胞の調節(例えば、消失、殺滅、または別の細胞傷害効果の生成)を可能にする制御機構が望ましい。本明細書で使用される場合、「細胞傷害効果」という用語は、細胞の消失、殺滅、または他のやり方で細胞の成長、分裂もしくは生存する能力を損なうまたは低下させることを包含する。細胞傷害効果の非限定的な例は、壊死、溶解、アポトーシス、腫脹、膜完全性の喪失、転写のレベルまたは速度の低下、翻訳のレベルまたは速度の低下、ATP産生のレベルまたは速度の低下、反応性酸素種のレベルまたは率の上昇、ミトコンドリア機能の低下、核凝縮、細胞のDNAの切断の増大、分裂または増殖の速度の低下、および特異的な細胞機能の低下または喪失(例えば、Bリンパ球の免疫グロブリンを産生する能力)を含む。1つの例示的な手法は、抗体(例えば、セツキシマブ)または抗体−薬物コンジュゲートにより認識できるマーカー(例えば、tEGFR)であって、マーカーに結合した際に、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)応答もしくは補体依存性細胞傷害(CDC)応答を容易にして、または、細胞傷害性分子を送達して、移入T細胞を消失させる、殺滅させる、もしくは他のやり方で移入T細胞に対する細胞傷害効果を引き起こすマーカーを使用することである。したがって、ある特定の実施形態では、ベクターは、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、また、形質導入マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む。細胞傷害性抗体、抗体−薬物コンジュゲートまたは他の細胞傷害性薬剤が特異的に結合することができる形質導入マーカーは、本明細書では「自殺形質導入マーカー」と称される。ある特定の実施形態では、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法は、本開示に従って治療有効量の形質転換された宿主細胞を被験体に投与することを含み、当該形質転換された宿主細胞は、融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドおよび自殺形質導入マーカーをコードする異種ポリヌクレオチドを含み、当該方法は、任意選択で、自殺形質導入マーカーと特異的に会合する、結合する、またはそれと複合体を形成する細胞傷害性抗体、抗体−薬物コンジュゲートまたは他の細胞傷害性薬剤を投与することを含む。一部の実施形態では、自殺形質導入マーカーは、例えばセツキシマブなどの抗EGFR抗体に特異的に結合する、切断されたEGFR(例えば、配列番号25)を含むまたはそれからなる。さらなる実施形態では、自殺形質導入マーカーは、例えばブリナツモマブ、コルツキシマブ・ラブタンシン(coltuximabravtansine)、MOR208、MEDI−551、デニンツズマブ・マホドチン(denintuzumabmafodotin)、Merck patent抗CD19、タプリツモマブパプトクス(taplutumomabpaptox)、XmAb 5871、MDX−1342、SAR3419、SGN−19A、またはAFM11などの細胞傷害性抗CD19抗体または抗体−薬物コンジュゲートが特異的に結合する、切断されたCD19(例えば、配列番号24)を含むまたはそれからなる(例えば、NaddafiおよびDavami、Int. J. Mol. Cell. Med.、4巻(3号):143〜151頁(2015年)を参照されたい)。
任意の本明細書に記載の実施形態では、本開示のコードされる融合タンパク質は、CAR、例えば、CD20特異的CARであり得る。ある特定の実施形態では、本開示のベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされるCARもしくはその結合ドメインは、完全ヒトであるかまたはヒト化されている。さらなる実施形態では、本開示のベクターにコードされるCARは、抗CD20抗体由来のscFvまたはCD20抗原由来のscTCRに特異的なTCRを有する。なおさらなる実施形態では、本開示のベクターにコードされるCARは、1.5.3、1F5、Leu16、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、ウブリツキシマブ、またはその任意の組み合わせ由来のscFvを含む。特定の実施形態では、本開示のベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされるCARは、IgG1ヒンジ、IgG4ヒンジ、またはその任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含む。さらなる実施形態では、本開示のベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされるCARは、N297Q変異を伴うIgG1 CH2領域、IgG4 CH2領域、IgG1 CH3領域、IgG4 CH3領域、またはその任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含む。特定の実施形態では、本開示のベクターにコードされるCARのリンカーモジュールまたは可変領域リンカーは、グリシン−セリンリンカーを含む。なおさらなる実施形態では、本開示のベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされるCARの疎水性部分は、CD28膜貫通ドメインを含む。一部の実施形態では、本開示のベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされるCARは、CD3ζ、4−1BB、CD28、またはその任意の組み合わせ由来の部分もしくはドメインを含む細胞内ドメインを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示のベクターに含有されるポリヌクレオチドによりコードされるCARは、隣接するドメイン、モチーフ、領域、モジュール、または断片の間の接合部アミノ酸を含む。
任意の本明細書に記載の実施形態では、ベクターは、1.5.3−NQ−28−BB−z(配列番号26);1.5.3−NQ−28−z(配列番号27);1.5.3−NQ−BB−z(配列番号28);1.5.3−NQ−z(配列番号29);Leu16−28−BB−z(配列番号30);Leu16−28−z(配列番号31);1F5−NQ−28−BB−z(配列番号32);1F5−NQ−28−z(配列番号33);または1F5−NQ−BB−z(配列番号34)と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるCARをコードするポリヌクレオチドを含み得る。さらなる実施形態では、ベクターは、配列番号26〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むまたはそれからなるCARをコードするポリヌクレオチドを含み得る。
なおさらなる実施形態では、CD20特異的CARは、ベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされ、ポリヌクレオチドは、配列番号44〜52のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の同一性を有する。関連の実施形態では、CD20特異的CARはベクターに含まれるポリヌクレオチドにコードされ、ポリヌクレオチドは、配列番号44〜52のいずれか1つの配列を含むまたはそれからなる。
任意選択で、本開示のCARをコードするポリヌクレオチドを含む本開示の任意のベクターは、形質導入マーカーとCARが別々の分子−CARおよび形質導入マーカーに分離されるように自己切断性ペプチドも含み得る形質導入マーカー(例えば、tCD19)もコードすることができる。ある特定の実施形態では、ベクターは、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置された自己切断性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことができ、このポリヌクレオチドは、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一である。さらなる実施形態では、ベクターは、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置された自己切断性ペプチドをコードし、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドを含み得る。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、単離されたポリヌクレオチドは、CD20に特異的に結合することができる融合タンパク質をコードし、ポリヌクレオチドは、以下:(a)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(b)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(c)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(d)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(e)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなるか;または(f)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、融合タンパク質は、本明細書に記載の単離されたポリヌクレオチドによりコードされる。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、アミノ酸配列からなるかまたは含み、融合タンパク質は、(a)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号26〜29および35〜38および32〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質と少なくとも90%同一であるか;(b)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質で構成されるか;(c)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質からなるか;(d)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるか;(e)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列で構成されるか;または(f)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列からなる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の異種ポリヌクレオチドを含み、異種ポリヌクレオチドにコードされる融合タンパク質を発現することができる宿主細胞が提供される。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、宿主細胞は、CD20に特異的に結合することができる融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチドは、以下:(a)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(b)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(c)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(d)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(e)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなるか;または(f)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、アミノ酸配列からなるかまたは含む融合タンパク質を含み、融合タンパク質は、(a)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号26〜29および35〜38および32〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質と少なくとも90%同一であるか;(b)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質で構成されるか;(c)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質からなるか;(d)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるか;(e)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列で構成されるか;または(f)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列からなる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の異種ポリヌクレオチドを含み、異種ポリヌクレオチドにコードされる融合タンパク質を発現することができる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、結合ドメインを含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、結合ドメインは、以下:(a)配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む1.5.3 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;(b)配列番号64のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる1.5.3
scFvであるか;(c)配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む1F5 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;(d)配列番号66のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる1F5 scFvであるか;(e)配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含むLeu16 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;あるいは(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むまたはそれからなるLeu16 scFvである。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、scFvを含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、scFvは、scFvが、以下:(a)配列番号67の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;(b)配列番号67の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチド;(c)配列番号69の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;(d)配列番号69の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチド;(e)配列番号68の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;あるいは(f)配列番号68の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドによりコードされる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、融合タンパク質はキメラ抗原受容体であり、配列番号26〜3443のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、疎水性部分を含む融合タンパク質を含みをコードする異種ポリヌクレオチド、疎水性部分は膜貫通ドメインである。ある特定の実施形態では、疎水性部分は、CD4、CD8、CD28またはCD27膜貫通ドメインである。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、エフェクタードメインもしくはその機能的部分を含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、エフェクタードメインもしくはその機能的部分は、4−1BB(CD137)、CD3ε、CD3δ、CD3ζ、CD25、CD27、CD28、CD79A、CD79B、CARD11、DAP10、FcRα、FcRβ、FcRγ、Fyn、HVEM、ICOS、Lck、LAG3、LAT、LRP、NKG2D、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、OX40(CD134)、ROR2、Ryk、SLAMF1、Slp76、pTα、TCRα、TCRβ、TRIM、Zap70、PTCH2、またはその任意の組み合わせである。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、細胞内成分を含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、細胞内成分は、以下:(a)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD28共刺激ドメインもしくはその機能的部分および4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその一部;(b)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD28共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部;(c)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分および4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその一部;(d)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部;(e)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびCD28共刺激ドメインもしくはその一部;あるいは(f)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部を含む。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の融合タンパク質を含有するベクターを宿主細胞に形質導入する。「形質導入」は、核酸分子(例えば、本開示の融合タンパク質をコードするベクター)を宿主細胞に導入することを指す。形質導入後、宿主細胞は、ベクターを染色体外に担持し得るまたは染色体内に組み込み得る。宿主細胞のゲノムまたは自己複製性ベクターへの組込みの結果、一般に、形質転換されたベクターの遺伝的に安定な遺伝がもたらされる。任意の適切な形質導入方法を利用することができる。ベクターは、物理的手段、化学的手段、または生物学的手段によって宿主細胞に移入することができる。形質転換された核酸分子を含有する宿主細胞は、「操作された」、「組換え」または「非天然」と称される。
ある特定の実施形態では、被験体から得たT細胞などの細胞を、本明細書に記載の細胞表面に位置する融合タンパク質をコードする核酸分子を導入することによって、操作された細胞、非天然細胞、または組換え細胞(例えば、操作されたT細胞、非天然T細胞、または組換えT細胞)に変換することができ、ここで、細胞は融合タンパク質を発現する。
ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質を発現するようにトランスフェクトされる宿主細胞は、ウイルス特異的T細胞、腫瘍抗原特異的細胞傷害性T細胞、ナイーブT細胞、メモリー幹T細胞、セントラルまたはエフェクターメモリーT細胞、γδ T細胞、またはCD4+CD25+調節T細胞などの機能的T細胞である。さらなる実施形態では、本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子を、バルクCD8+T細胞、ナイーブCD8+T細胞、CD8+TCM細胞、CD8+TEM細胞、またはそれらの任意の組み合わせに導入する。さらに別の実施形態では、本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子を、バルクCD4+T細胞、ナイーブCD4+T細胞、CD4+TCM細胞、CD4+TEM細胞、またはそれらの任意の組み合わせに導入する。他の実施形態では、本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子を、ナイーブCD8+T細胞およびCD8+TCM細胞が濃縮されたT細胞の集団に導入する。さらに他の実施形態では、本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子を、ナイーブCD4+T細胞およびCD4+TCM細胞が濃縮されたT細胞の集団に導入する。上述の実施形態のいずれかにおいて、T細胞は、操作されたCD20特異的TCR、操作されたCD20特異的高親和性TCR、CD20特異的CAR、またはそれらの任意の組み合わせをコードする核酸分子をさらに含有する。
ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質構築物を用いたT細胞の拡大増殖および遺伝子改変の前に、T細胞の供給源を被験体(例えば、末梢血単核細胞(PBMC)、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、または脾臓組織)から得、それから、当技術分野で公知の方法を使用してT細胞を単離する。特定のT細胞サブセットを公知の技法に従って回収し、抗体への親和性結合、フローサイトメトリー、または免疫磁気選択などの公知の技法によって濃縮または枯渇させることができる。濃縮または枯渇ステップおよび融合タンパク質の導入後、所望の改変T細胞のin vitro拡大増殖を公知の技法(米国特許第6,040,177号に記載されているものを含む)または当業者には明らかであろうその変形に従って行うことができる。
例えば、所望のT細胞集団または亜集団を、最初のT細胞集団を培養培地にin vitroで添加し、次いで、非分裂性PBMCなどのフィーダー細胞を培養培地に添加することによって拡大増殖し(例えば、得られる細胞の集団が、拡大増殖される最初の集団中の各T細胞当たり少なくとも約5、10、20、または40またはそれよりも多くのPBMCフィーダー細胞を含有するように)、培養物をインキュベートすることができる(例えば、T細胞の数を拡大するために十分な時間にわたって)。非分裂性フィーダー細胞は、ガンマ照射PBMCフィーダー細胞を含み得る。一部の実施形態では、PBMCにガンマ線約3000〜3600radの範囲で照射する。T細胞およびフィーダー細胞を培養培地に添加する順序は所望であれば逆にすることができる。培養物を、一般には、T細胞の成長に適した、温度などの条件下でインキュベートすることができる。ヒトTリンパ球の成長のためには、例えば、温度を、一般に、少なくとも約25℃、好ましくは少なくとも約30℃、より好ましくは約37℃にする。
任意選択で、拡大増殖方法は、非分裂性エプスタイン・バーウイルス(EBV)で形質転換したリンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として添加することをさらに含み得る。LCLにガンマ線を約6000〜10,000radの範囲で照射することができる。LCLフィーダー細胞は、LCLフィーダー細胞の最初のTリンパ球に対する比が少なくとも約10:1のなどの任意の適切な量で提供することができる。
Tリンパ球の単離後、CD8+細胞傷害性Tリンパ球およびCD4+ヘルパーTリンパ球の両方を、ナイーブT細胞亜集団、メモリーT細胞亜集団、およびエフェクターT細胞亜集団に分類し、その後、融合タンパク質を用いて遺伝子改変し、拡大増殖させることができる。ある特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質を発現するように改変されるT細胞は、バルクT細胞(例えば、バルクCD4+T細胞またはバルクCD8+T細胞)であるか、または、セントラルメモリーT細胞(例えば、CD8+セントラルメモリーT細胞)もしくはセントラルメモリーT細胞(TCM)とナイーブT細胞(TN)の組み合わせ(例えば、CD4+TCM+TN細胞)などのT細胞の亜集団である。
任意の本明細書に記載の実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、1.5.3−NQ−28−BB−z(配列番号26);1.5.3−NQ−28−z(配列番号27);1.5.3−NQ−BB−z(配列番号28);1.5.3−NQ−z(配列番号29);Leu16−28−BB−z(配列番号30);Leu16−28−z(配列番号31);1F5−NQ−28−BB−z(配列番号32);1F5−NQ−28−z(配列番号33);または1F5−NQ−BB−z(配列番号34)と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一であるCARをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む。さらなる実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、配列番号26〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むまたはそれからなるCARをコードするポリヌクレオチを含むベクターを含む。任意のこれらの実施形態では、宿主細胞はT細胞であり、T細胞は、バルクCD4+T細胞、バルクCD8+T細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、またはCD4+セントラルメモリー(TCM)およびCD4+ナイーブ(TN)T細胞の組み合わせである。CAR改変CD4+T細胞およびCAR改変CD8+T細胞は、被験体への投与の前に3:1〜1:1〜1:3の比に混合することができ、または同じまたは類似の比で別々に被験体に投与することができる。
なおさらなる実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含み、ポリヌクレオチドは、配列番号44〜52のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の同一性を有する。関連の実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含み、ポリヌクレオチドは、配列番号44〜52のいずれか1つの配列を含むまたはそれからなる。任意のこれらの実施形態では、宿主細胞はT細胞であり、T細胞は、バルクCD4+T細胞、バルクCD8+T細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、またはCD4+セントラルメモリー(TCM)およびCD4+ナイーブ(TN)T細胞の組み合わせである。CAR改変CD4+T細胞およびCAR改変CD8+T細胞は、被験体への投与の前に3:1〜1:1〜1:3の比に混合することができ、または同じまたは類似の比で別々に被験体に投与することができる。
任意選択で、本開示のCARをコードするポリヌクレオチドを含有する本開示の任意のベクターを含む宿主細胞は、形質導入マーカーとCARが別々の分子−CARおよび形質導入マーカーに分離されるように自己切断性ペプチドも含み得る形質導入マーカー(例えば、tCD19)もコードし得る。ある特定の実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置された自己切断性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを含み、ポリヌクレオチドは、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子の配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一である。さらなる実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置されており、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子の配列を含むまたはそれからなる自己切断性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを含む。
T細胞またはT細胞集団が特定の細胞表面マーカーについて陽性であるかどうかは、表面マーカーに特異的な抗体およびアイソタイプを適合させた対照抗体を用いた染色を使用したフローサイトメトリーによって決定することができる。マーカーについて「陰性」である細胞集団は、特異的な抗体を用いてアイソタイプ対照を上回る細胞集団の有意な染色がないことを指し、「陽性」は、アイソタイプ対照で見られるレベルを上回る細胞集団の均一な染色を指す。一部の実施形態では、1つまたは複数のマーカーの発現の低下は、MFIにおける1log10の喪失、または参照T細胞集団と比較した場合の、少なくとも20%の細胞、25%の細胞、30%の細胞、35%の細胞、40%の細胞、45%の細胞、50%の細胞、55%の細胞、60%の細胞、65%の細胞、70%の細胞、75%の細胞、80%の細胞、85%の細胞、90%の細胞、95%の細胞、または100%の細胞、あるいは20%および100%の間の任意の割合のマーカーを提示するT細胞の割合の減少を指す。一部の実施形態では、マーカーについて陽性であるT細胞集団とは、参照T細胞集団と比較した場合の、少なくとも50%の細胞、55%の細胞、60%の細胞、65%の細胞、70%の細胞、75%の細胞、80%の細胞、85%の細胞、90%の細胞、95%の細胞、または100%の細胞、あるいは50%および100%の間の任意の割合であり得る、マーカーを提示する細胞の割合を指す。
市販の臨床グレードの抗体ビーズコンジュゲートを使用してT細胞亜集団を精製するために、CliniMACSデバイスを使用した免疫磁気選択方法を使用することもできる(例えば、Terakuraら、2012年、Blood、119巻:72〜82頁;Wangら、2012年、J. Immunother.、35巻:689〜701頁を参照されたい)。例えば、ヒトCD8+TCM細胞を単離するために、CD4+、CD14+、およびCD45RA+細胞を、抗体とコンジュゲートした常磁性ビーズを用いて枯渇させることによって末梢血単核細胞から除去し、次いで、残りの細胞からのCD62L+画分を、抗CD62L標識ビーズを用いて陽性選択してCD45RO+、CD62L+、CD8+TCM亜集団を濃縮する。濃縮したCD8+TCM亜集団は、抗CD3/CD28ビーズまたは抗原で活性化し、レトロウイルスもしくはレンチウイルスベクターを使用して腫瘍特異的CARで改変し、そして細胞免疫療法における使用のために拡大増殖させることができる(例えば、Terakuraら、上記;Wangら、上記を参照されたい)。
あるいは、Strep−タグIIと融合した低親和性Fab断片を使用してT細胞サブセットを選択することができる。Fabモノマーは、細胞表面上の標的抗原に安定に結合するために十分な結合親和性を有さない。しかし、StrepTactinビーズ上でマルチマーを形成すると、これらの試薬は、標的細胞に安定に結合し、細胞表面マーカー特異性に基づく選択が可能になる。Fabマルチマー結合は、StrepTactinに対して高い親和性を有し、Fab断片上のStrep−タグとStrep−Tactin「骨格」と間の結合を妨害するD−ビオチンを過剰に添加することによって急速に逆転させることができる。Fabモノマーは、細胞への安定な結合を維持することができない。この「Fab−Streptamers」技術は、複数の細胞表面マーカーに基づくT細胞の逐次的な陽性濃縮を可能にするものであり、任意の所望のT細胞サブセットを選択するために使用することができる(例えば、Stembergerら、PloS One、7巻:e35798頁、2012年を参照されたい)。
バルクCD8+T細胞は、標準の方法を使用することによって得ることができる。一部の実施形態では、バルクCD8+T細胞を、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、およびエフェクターT細胞に、これらのCD8+T細胞の型のそれぞれに関連付けられる特定の細胞表面マーカーを同定することによってさらに分類する。ある特定の実施形態では、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L−サブセットの両方に存在する。例えば、PBMCは、抗CD8および抗CD62L抗体を用いた染色後にCD62L−CD8+およびCD62L+CD8+画分に分類することができる。一部の実施形態では、CD8+セントラルメモリーT細胞の表現型マーカーの発現は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、またはCD127を含むか、または、グランザイムBについて陰性である。一部の実施形態では、セントラルメモリーT細胞は、CD45RO+、CD62L+、CD8+T細胞である。一部の実施形態では、CD8+エフェクターT細胞は、CD8+セントラルメモリーT細胞と比較して、CD62L、CCR7、CD28、またはCD127の発現について陰性であるもしくは発現が低下している、または、グランザイムBまたはパーフォリンの発現について陽性であるもしくは発現が増大している。一部の実施形態では、ナイーブCD8+T細胞は、CD62L、CCR7、CD28、CD3、CD127、またはCD45RAを含めたナイーブT細胞の表現型マーカーの発現を特徴とする。
バルクCD4+リンパ球は、標準の方法によって得ることができる。一部の実施形態では、バルクCD4+T細胞を、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞に、特定の細胞表面マーカーを有する細胞集団を同定することによってさらに分類する。一部の実施形態では、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO−、CD45RA+、CD62L+、CD4+T細胞である。一部の実施形態では、セントラルメモリーCD4+細胞は、CD62L陽性かつCD45RO陽性である。一部の実施形態では、エフェクターCD4+細胞は、CD62LもしくはCD45RO陰性であるまたはセントラルメモリーCD4+細胞と比較してCD62LもしくはCD45ROの発現が低下している。
抗原に特異的なTCRを有するCD4+およびCD8+の集団は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得ることができる。例えば、抗原特異的TCRを有するT細胞クローンを、例えば、サイトメガロウイルス抗原に対して、感染させた被験体由来のT細胞から単離し、細胞をin vitroにおいて同じ抗原を用いて刺激することによって生成することができる。ナイーブT細胞を、抗原提示細胞またはペプチド−MHC複合体の状況で提示されたペプチド抗原に曝露することによって使用することもできる。腫瘍細胞、がん細胞、または病原因子由来の任意の数の抗原を利用することができる。そのような抗原の例は、HIV抗原、C型肝炎ウイルス(HCV)抗原、B型肝炎ウイルス(HBV)抗原、サイトメガロウイルス(CMV)抗原、EBV抗原、寄生生物抗原、および腫瘍抗原、例えば、オーファンチロシンキナーゼ受容体ROR1、EGFR、EGFRvIII、GD2、GD3、HPV E6、HPV E7、Her2、L1−CAM、Lewis A、Lewis Y、MUC1、MUC16、PSMA、CD19、CD20、CD22、CD56、CD23、CD24、CD37、CD30、CD33、CD38、CD56、CD123、CA125、c−MET、FcRH5、WT1、葉酸受容体α、VEGF−α、VEGFR1、VEGFR2、IL−13Rα2、IL−11Rα、MAGE−A1、PSA、エフリンA2、エフリンB2、NKG2Dリガンド、NY−ESO−1、TAG−72、メソテリン、CEAなどを含む。そのような抗原特異的TCRを有するT細胞は、本明細書に記載の融合タンパク質を含有するようにさらに改変することができ、ここで、融合タンパク質は、同じ抗原に特異的である、同じ抗原上の異なるエピトープに特異的である、または異なる抗原に特異的である。これらの実施形態のいずれかでは、CD4+T細胞とCD8+T細胞は異なるCARを含有し、特に、CARの細胞内シグナル伝達成分が別個である。
T細胞を、本開示の融合タンパク質を発現するように調製および改変する方法、融合タンパク質で改変されたT細胞活性を確認する方法、融合タンパク質で改変されたT細胞集団を拡大増殖する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、Hollymanら、2009年、J. Immunother.、32巻:169〜180頁;PCT公開第WO2012/079000号;米国特許第8,802,374号;Brentjensら、Blood、118巻:4817〜4828頁、2011年;米国特許出願公開第US2014/0271635号に記載されている。
使用
本開示は、被験体における疾患、状態または障害を処置する方法であって、本明細書に記載の融合タンパク質のいずれかを被験体に投与するステップを含む方法を提供する。複数の実施形態では、本開示の方法は、被験体におけるB細胞の数を減少させるか、または異常なB細胞活性に関連する疾患または障害を処置する方法を含む。別の実施形態は、被験体における疾患、状態または障害を処置する方法であって、被験体の生体試料を疾患、状態、または障害に関連する抗原の存在について分析するステップ、および、抗原に特異的に結合する、本明細書に記載の融合タンパク質を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、疾患、状態、または障害に関連する抗原は腫瘍関連抗原である。
本開示に記載の組成物および方法を用いて処置することができる疾患、状態、または障害は、がんおよび免疫疾患(例えば、自己免疫性)を含む。例えば、ある特定の実施形態では、CD20発現細胞はB細胞を含む。さらなる実施形態では、CD20発現に関連する疾患または障害はB細胞または異常なB細胞活性に関するもの、例えば、B細胞関連がんである。養子免疫および遺伝子療法は、様々な型のがん(Morganら、Science、314巻:126頁、2006年;Schmittら、Hum. Gene Ther.、20巻:1240頁、2009年;June、J. Clin. Invest.、117巻:1466頁、2007年)に対して有望な処置である。
固形腫瘍または白血病を含む、様々ながんは、本明細書で開示する組成物および方法に感受性(amenable)である。処置することができる例示的な種類のがんは、乳房、前立腺および結腸の腺癌;肺のすべての型の気管支原性癌;骨髄性白血病;黒色腫;肝がん;神経芽腫;乳頭腫;アプドーマ;分離腫;鰓腫;悪性カルチノイド症候群;カルチノイド心疾患;ならびに癌腫(例えば、ウォーカー、基底細胞、基底有棘細胞、ブラウン−ピアス、管、エールリッヒ腫瘍、クレブス2、メルケル細胞、粘液性、非小細胞肺、エンバク細胞、乳頭、硬性、細気管支、気管支原性、扁平上皮細胞および移行細胞)を含む。処置することができるさらなる種類のがんは、組織球性障害;悪性組織球症;白血病;ホジキン病;免疫増殖性小細胞(immunoproliferative small):非ホジキンリンパ腫;形質細胞腫;細網内皮症;黒色腫;軟骨芽細胞腫;軟骨腫;軟骨肉腫;線維腫;線維肉腫;巨細胞腫;組織球腫;脂肪腫;脂肪肉腫;中皮腫;粘液腫;粘液肉腫;骨腫;骨肉腫;脊索腫;頭蓋咽頭腫;未分化胚細胞腫;過誤腫;間葉腫;中腎腫;筋肉腫;エナメル上皮腫;セメント質腫;歯牙腫;奇形腫;胸腺腫;栄養膜腫瘍を含む。さらに、以下の種類のがんも処置に感受性であると考えられる:腺腫;胆管腫;コレステリン腫;円柱腫(cyclindroma);嚢胞腺がん;嚢胞腺腫;顆粒膜細胞腫;半陰陽性卵巣腫瘍;肝がん;汗腺腫;膵島細胞腫瘍;ライジッヒ細胞腫;乳頭腫;セルトリ細胞腫;卵胞膜細胞腫;平滑筋腫(leimyoma);平滑筋肉腫;筋芽細胞腫;筋腫(myomma);筋肉腫;横紋筋腫;横紋筋肉腫;上衣腫;神経節神経腫;神経膠腫;髄芽腫;髄膜腫;神経鞘腫;神経芽細胞腫;神経上皮腫;神経線維腫;神経腫;傍神経節腫;非クロム親和性傍神経節腫。処置することができる種類のがんは、被角血管腫;好酸球増加随伴性血管類リンパ組織増殖症;硬化性血管腫;血管腫症;グロムス血管腫;血管内皮腫;血管腫;血管外皮細胞腫;血管肉腫;リンパ管腫;リンパ管筋腫;リンパ管肉腫;松果体腫;癌肉腫;軟骨肉腫;葉状嚢肉腫;線維肉腫;血管肉腫;平滑筋肉腫;白血肉腫(leukosarcoma);脂肪肉腫;リンパ管肉腫;筋肉腫;粘液肉腫;卵巣癌腫;横紋筋肉腫;肉腫;新生物;神経線維腫症(nerofibromatosis);および子宮頸部異形成をも含む。
本明細書に記載される本明細書に開示の組成物および方法に感受性である例示的なさまざまな過剰増殖性障害は、CD20発現と関連する障害または疾患、例えば、B細胞がんを含む異常なB細胞活性化、例えば、B細胞リンパ腫(様々な種類のホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)または中枢神経系リンパ腫など)、白血病(急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病、慢性骨髄性白血病のB細胞芽球化反応など)ならびに骨髄腫(多発性骨髄腫など)である。さらなるB細胞がんは、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、CD37+樹状細胞リンパ腫、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、骨の孤立性形質細胞腫、骨外性形質細胞腫、粘膜関連(MALT)リンパ組織型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、悪性の可能性のあるB細胞増殖、リンパ腫様肉芽腫症および移植後リンパ増殖性障害を含む。ある特定の実施形態では、本開示の組成物および方法は、多発性骨髄腫、黒色腫、幹細胞の多発性骨髄腫および幹細胞の黒色腫を含めた、CD20発現に関連する非B細胞障害または疾患を処置するために使用することができる。
本明細書に開示の組成物および方法に感受性である炎症性疾患および自己免疫疾患は、関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症、多発性軟骨炎、乾癬性関節炎、乾癬、皮膚炎、特発性炎症性ミオパチー、多発性筋炎/皮膚筋炎、封入体筋炎、炎症性筋炎、中毒性表皮壊死症、全身性強皮症および硬化症、CREST症候群、炎症性腸疾患、クローン病、グレーブス病、潰瘍性大腸炎、呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、髄膜炎、脳炎、ぶどう膜炎、大腸炎、糸球体腎炎、アレルギー性状態、湿疹、喘息、T細胞の浸潤および慢性炎症性応答を伴う状態、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性心筋炎、白血球接着不全症、全身性エリテマトーデス(SLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス、円板状ループス、ループス脊髄炎、ループス脳炎、若年発症糖尿病、多発性硬化症、アレルギー性脳脊髄炎、視神経脊髄炎、リウマチ熱、シドナム舞踏病、サイトカインおよびT−リンパ球によって媒介される急性過敏症および遅延型過敏症に関連する免疫応答、結核、サルコイドーシス、ウェゲナー肉芽腫症およびチャーグ・ストラウス病を含めた肉芽腫症、顆粒球減少症、血管炎(過敏性血管炎(hypersensitivity vasculitis)/過敏性血管炎(hypersensitivity angiitis)、ANCAおよびリウマチ性血管炎を含む)、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を含めた免疫性溶血性貧血、悪性貧血、赤芽球ろう(PRCA)、第VIII因子欠乏症、血友病A、自己免疫性好中球減少症、汎血球減少、白血球減少症、白血球漏出を伴う疾患、中枢神経系(CNS)炎症性障害、多臓器傷害症候群、重症筋無力症、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜抗体病、抗リン脂質抗体症候群、アレルギー性神経炎、ベーチェット病、キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群、ランバート・イートン筋無力症症候群、レイノー症候群(Reynaud’s syndrome)、シェーグレン症候群(Sjorgen’s syndrome)、スティーブンス・ジョンソン症候群、実質臓器移植片拒絶、移植片対宿主病(GVHD)、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、自己免疫性多発性内分泌腺症、血清反応陰性脊椎関節症、ライター病、スティフ・マン症候群、巨細胞性動脈炎、免疫複合体腎炎、IgA腎症、IgM多発ニューロパチーまたはIgM媒介性ニューロパチー、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic throbocytopenic purpura)(TTP)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性精巣炎および卵巣炎を含めた精巣および卵巣の自己免疫疾患、原発性甲状腺機能低下症;自己免疫性甲状腺炎、慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)、亜急性甲状腺炎、特発性甲状腺機能低下症、アジソン病、グレーブス病、自己免疫性多腺性症候群(autoimmune polyglandular syndrome)(または多腺性内分泌疾患症候群)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)とも呼ばれる1型糖尿病およびシーハン症候群を含めた自己免疫性内分泌疾患;自己免疫性肝炎、リンパ性間質性肺炎(HIV)、閉塞性細気管支炎(非移植)、非特異的間質性肺炎(NSIP)、ギラン・バレー症候群、大型血管炎(リウマチ性多発筋痛および巨細胞(高安)動脈炎を含む)、中型血管炎(川崎病および結節性多発性動脈炎を含む)、結節性多発性動脈炎(PAN)強直性脊椎炎、ベルジェ病(IgA腎症)、急速進行性糸球体腎炎、原発性胆汁性肝硬変、セリアックスプルー(グルテン腸症)、寒冷グロブリン血症、肝炎に関連する寒冷グロブリン血症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、冠動脈疾患、家族性地中海熱、顕微鏡的多発血管炎、コーガン症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群および閉塞性血栓性血管炎を含む。
本発明によって処置することができる被験体は、一般に、ヒトおよび他の霊長類被験体、例えば、獣医学的医療の目的に関してはサルおよび類人猿などである。被験体は雄であっても雌であってもよく、また、乳児、若年、青年、成体、および老齢被験体を含めた、任意の適切な年齢の被験体であってよい。
本開示の融合タンパク質は、当業者に理解される任意の適切な様式で投与するために製剤化することができる。本開示のCD20特異的融合タンパク質(例えば、CAR)(または異なる標的に特異的な融合タンパク質)は、細胞に結合した形態で被験体に投与することができる(例えば、標的細胞集団(成熟T細胞(例えば、CD8+またはCD4+T細胞)または他のT細胞系列の細胞)のex vivo改変)。特定の実施形態では、被験体に投与される本開示のCD20特異的融合タンパク質(または異なる標的に特異的な融合タンパク質)を発現するT細胞系列の細胞は、被験体に対して同系細胞、同種異系細胞、または自己細胞である。一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質を含む細胞は、(生体試料、組織、または培養培地から)細胞を回収し、洗浄し、濃縮し、投与に適した媒体および容器系中に製剤化することによって調製される。
本開示は、本明細書で開示される融合タンパク質を発現する細胞および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む組成物を提供する。適切な賦形剤は、水、食塩水、デキストロース、グリセロールなどおよびこれらの組み合わせを含む。複数の実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質を発現する細胞を含む組成物は、適切な注入媒体をさらに含む。適切な注入媒体は、任意の等張性媒体製剤であり得、一般には、ノーマルセーライン、Normosol R(Abbott)またはPlasma−Lyte A(Baxter)、水中5%デキストロース、乳酸リンゲル液を利用することができる。注入媒体にはヒト血清アルブミンまたは他のヒト血清成分を補充することができる。
他の実施形態では、本開示のCD20特異的融合タンパク質(または異なる標的に特異的な融合タンパク質)は、可溶性の形態で被験体に投与することができる。例えば、可溶性TCRは、当技術分野で公知である(例えば、Molloyら、Curr. Opin. Pharmacol.、5巻:438頁、2005年;米国特許第6,759,243号を参照されたい)。
本開示の融合タンパク質、またはそれを含む細胞は、医療技術分野の当業者によって決定される、処置される疾患、状態または障害に適した様式で投与することができる。上記の実施形態のいずれかでは、本明細書に記載の融合タンパク質を含む細胞を、静脈内、腹腔内、腫瘍内、骨髄内、リンパ節内、または脳脊髄液内に投与する。一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質を含む細胞を腫瘍の部位に送達する。
組成物の適切な用量、適切な持続時間、および投与の頻度は、患者の状態;疾患、状態、または障害のサイズ、型、および重症度;活性成分の特定の形態;および投与の方法などの因子によって決定される。
上記の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、治療有効量の本開示の融合タンパク質を発現する宿主細胞または本開示の融合物を発現する宿主細胞を投与するステップを含む。組成物中の細胞の治療有効量は、少なくとも1つの細胞(例えば、1つの融合タンパク質で改変されたCD8+T細胞亜集団;1つの融合タンパク質で改変されたCD4+T細胞亜集団)であるか、または、より一般には、102個よりも多くの細胞、例えば、最大106個、最大107個、最大108個の細胞、最大109個の細胞、または1010個超の細胞である。ある特定の実施形態では、細胞を、1m2当たり約106〜約1010個の細胞の範囲、好ましくは、1m2当たり約105〜約109個の細胞の範囲で投与する。細胞の数は、組成物に関して意図されている最終的な使用ならびに組成物中に含まれる細胞の型に依存する。例えば、特定の抗原に特異的な融合タンパク質を含有するように改変された細胞は、そのような細胞を少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれよりも多く含有する細胞集団を含む。本発明で提供される使用に関しては、細胞は、一般に、1リットルまたはそれ未満、500mlまたはそれ未満、250mlまたはそれ未満、または100mlまたはそれ未満の体積のものである。複数の実施形態では、所望の細胞の密度は、一般には、1ml当たり細胞104個よりも大きく、一般に、1ml当たり細胞107個よりも大きく、一般に、1ml当たり細胞108個またはそれよりも大きい。細胞は、単回注入として投与することもでき、ある範囲の時間にわたって複数回注入で投与することもできる。臨床的に意義のある免疫細胞の数を、累積的に106個、107個、108個、109個、1010個、または1011個の細胞と同等になるまたはそれを超える複数回注入に配分することができる。
一部の実施形態では、本開示の方法は、完全ヒトまたはヒト化CARである本開示のCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、抗CD20抗体由来のscFvまたはCD20抗原に特異的なTCR由来のscTCRを有するCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、1.5.3、1F5、Leu16、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ、オクレリズマブ、ウブリツキシマブ、またはそれらの任意の組み合わせに由来するscFvを含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。上記の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、IgG1ヒンジ、IgG4ヒンジ、またはそれらの任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、N297Q変異を伴うIgG1 CH2領域、IgG4 CH2領域、IgG1 CH3領域、IgG4 CH3領域、またはそれらの任意の組み合わせを含むリンカーモジュールを含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本開示の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、グリシン−セリンリンカーモジュールまたはグリシン−セリン可変領域リンカーを含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、CD28膜貫通ドメインで構成される疎水性部分を含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、CD3ζ由来のドメイン、4−1BB由来のドメイン、CD28由来のドメイン、またはそれらの任意の組み合わせを含む細胞内ドメインを含むCARを発現する宿主細胞を投与することを含む。上記の実施形態のいずれかでは、本開示の方法は、隣接するドメイン、モチーフ、領域、モジュール、または断片の間の接合部アミノ酸を含むCARを投与することを含む。
任意の本明細書に記載の実施形態では、本開示の方法は、被験体に融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む宿主細胞を投与するステップを含み、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含み、コードされる融合タンパク質(例えば、CAR)は、1.5.3−NQ−28−BB−z(配列番号26);1.5.3−NQ−28−z(配列番号27);1.5.3−NQ−BB−z(配列番号28);1.5.3−NQ−z(配列番号29);Leu16−28−BB−z(配列番号30);Leu16−28−z(配列番号31);1F5−NQ−28−BB−z(配列番号32);1F5−NQ−28−z(配列番号33);または1F5−NQ−BB−z(配列番号34)と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%同一である。さらなる実施形態では、本開示の方法は、被験体に融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む宿主細胞を投与するステップを含み、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含み、コードされる融合タンパク質(例えば、CAR)は、配列番号26〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。任意のこれらの実施形態では、宿主細胞はT細胞であり、T細胞は、バルクCD4+T細胞、バルクCD8+T細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、またはCD4+セントラルメモリー(TCM)およびCD4+ナイーブ(TN)T細胞の組み合わせである。CAR改変CD4+T細胞およびCAR改変CD8+T細胞は、被験体への投与の前に3:1〜1:1〜1:3の比に混合することができ、または同じまたは類似の比で別々に被験体に投与することができる。
なおさらなる実施形態では、本開示の方法は、被験体に融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む宿主細胞を投与するステップを含み、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含み、当該融合タンパク質(例えば、CAR)は、配列番号44〜52のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%の同一性を有するポリヌクレオチドにコードされる。関連の実施形態では、方法は、被験体に融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む宿主細胞を投与するステップを含み、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含み、当該融合タンパク質(例えば、CAR)は、配列番号44〜52のいずれか1つの配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドにコードされる。任意のこれらの実施形態では、宿主細胞はT細胞であり、T細胞は、バルクCD4+T細胞、バルクCD8+T細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、またはCD4+セントラルメモリー(TCM)およびCD4+ナイーブ(TN)T細胞の組み合わせである。CAR改変CD4+T細胞およびCAR改変CD8+T細胞は、被験体への投与の前に3:1〜1:1〜1:3の比に混合することができ、または同じまたは類似の比で別々に被験体に投与することができる。
任意選択で、本明細書に記載の方法における使用のための、本開示の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む本開示の任意のベクターを含む宿主細胞は、形質導入マーカーとCARが別々の分子−CARおよび形質導入マーカーに分離されるように自己切断性ペプチドも含み得る形質導入マーカー(例えば、tCD19)もコードすることができる。ある特定の実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置された自己切断性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターを含み、このポリヌクレオチドは、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子配列と少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一である。さらなる実施形態では、宿主細胞(例えば、T細胞)は、CD20特異的CARとtCD19形質導入マーカーの間に配置された自己切断性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有し、配列番号53〜61のいずれか1つの核酸分子配列を含むまたはそれからなるベクターを含む。
したがって、本明細書に記載の方法のいずれかでは、宿主細胞は、CD20に特異的に結合することができる融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを含み、ポリヌクレオチドは、以下:(a)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(b)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるか;(c)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(d)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列を含むか;(e)配列番号53〜56のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなるか;または(f)配列番号44〜47のいずれか1つのポリヌクレオチド配列からなる。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、アミノ酸配列からなるかまたは含む融合タンパク質を含み、融合タンパク質は、(a)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号26〜29および35〜38および32〜34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質と少なくとも90%同一であるか;(b)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質で構成されるか;(c)tCD19形質導入マーカーが除去された配列番号35〜38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む成熟融合タンパク質からなるか;(d)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるか;(e)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列で構成されるか;または(f)配列番号26〜29のいずれか1つのアミノ酸配列からなる。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、本明細書に記載の異種ポリヌクレオチドを含み、融合タンパク質を発現することができる。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、結合ドメインを含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、結合ドメインは、以下:(a)配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む1.5.3 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;(b)配列番号64のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる1.5.3 scFvであるか;(c)配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む1F5 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;(d)配列番号66のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる1F5 scFvであるか;(e)配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含むLeu16 scFvであり、scFvの各CDRは、CD20に特異的に結合する親モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体の対応するCDRと比較して変化がないかまたは最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合するか;あるいは(f)配列番号65のアミノ酸配列を含むまたはそれからなるLeu16 scFvである。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、scFvを含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、scFvは、scFvが、以下:(a)配列番号67の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;(b)配列番号67の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチド;(c)配列番号69の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;(d)配列番号69の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチド;(e)配列番号68の核酸分子の配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリヌクレオチドであって、scFvの各CDRをコードするポリヌクレオチド配列は、CD20に特異的に結合するモノクローナル抗体に由来する親scFvをコードするポリヌクレオチドと比較して変化がないかまたは最大で1つ〜6つのヌクレオチドの変化を含み、ただし1つまたは複数の改変されたCDRを含有するscFvは、CD20に野生型scFvまたは対応する抗体に類似した親和性で特異的に結合する、ポリヌクレオチド;あるいは(f)配列番号68の核酸分子の配列を含むまたはそれからなるポリヌクレオチドによりコードされる。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、融合タンパク質は、キメラ抗原受容体であり、配列番号26〜43のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、疎水性部分を含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、疎水性部分は膜貫通ドメインである。ある特定の実施形態では、疎水性部分は、CD4、CD8、CD28またはCD27膜貫通ドメインである。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、エフェクタードメインもしくはその機能的部分を含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、エフェクタードメインもしくはその機能的部分は、4−1BB(CD137)、CD3ε、CD3δ、CD3ζ、CD25、CD27、CD28、CD79A、CD79B、CARD11、DAP10、FcRα、FcRβ、FcRγ、Fyn、HVEM、ICOS、Lck、LAG3、LAT、LRP、NKG2D、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、OX40(CD134)、ROR2、Ryk、SLAMF1、Slp76、pTα、TCRα、TCRβ、TRIM、Zap70、PTCH2、またはその任意の組み合わせである。
ある特定の実施形態では、方法で使用される宿主細胞は、細胞内成分を含む融合タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含み、細胞内成分は、以下:(a)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD28共刺激ドメインもしくはその機能的部分および4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその一部;(b)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD28共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部;(c)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分および4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその一部;(d)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部;(e)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、CD27共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびCD28共刺激ドメインもしくはその一部;あるいは(f)CD3ζエフェクタードメインもしくはその機能的部分、4−1BB(CD137)共刺激ドメインもしくはその機能的部分およびOX40(CD134)共刺激ドメインもしくはその一部を含む。
本開示の組成物は、1つまたは複数の他の治療剤の投与と同時に、その前に、またはその後に投与することもできる。そのような併用療法は、本開示の融合タンパク質および1つまたは複数の追加的な活性薬剤を含有する単一の投与製剤を投与すること、ならびに本開示の融合タンパク質および各活性薬剤を独自の別々の投与製剤で投与することを含む。例えば、本開示の融合タンパク質および別の活性薬剤は、被験体に、単一の注入投与組成物として一緒に投与することもでき、各薬剤を別々の注入投与製剤で投与することもできる。別々の投与製剤を使用する場合、本開示の融合タンパク質と1つまたは複数の追加的な活性薬剤を同じ時に、すなわち同時に、基本的に同じ時に、すなわち並行して、または別々にずらした時に、すなわち逐次的に、投与することができる;併用療法は、これらのレジメンの全てを包含するものと理解される。
本開示は、CD20特異的結合分子、本明細書に開示される融合タンパク質を発現する細胞またはその両方、および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態では、CD20特異的結合分子は、抗体である。そのような実施形態では、CD20特異的抗体は、リツキシマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、オビヌツズマブ、ウブリツキシマブ、ベルツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
ある特定の実施形態では、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法は、CD20発現に関連する疾患または障害を有するまたは有する疑いがある被験体に、融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む有効量の宿主細胞を投与するステップを含み、当該融合タンパク質が疎水性部分によって連結された細胞外成分と細胞内成分を含み、当該細胞外成分がCD20に特異的に結合する結合ドメインを含み、細胞内成分が本開示のエフェクタードメインを含み、方法は、任意選択で治療有効量のCD20特異的結合分子、化学療法薬、または免疫抑制成分の阻害剤を投与するステップを含む。さらなる実施形態では、方法は、B細胞の数を減少させるか、または異常なB細胞活性に関連する疾患または障害を処置する。
したがって、ある特定の実施形態では、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法であって、CD20発現に関連する疾患または障害を有するまたは有する疑いがある被験体に、配列番号26〜29および32〜38、および41〜43のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列から構成される融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む有効量の宿主細胞を投与するステップ、および任意選択でCD20特異的結合分子、化学療法薬、免疫抑制成分の阻害剤、またはこれらの組み合わせを投与するステップを含む、方法が提供される。さらなる実施形態では、方法は、B細胞の数を減少させるか、または異常なB細胞活性に関連する疾患または障害を処置する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、化学療法剤もしくは免疫修飾物質(例えば、免疫抑制剤、または免疫抑制成分の阻害剤、例えば、免疫チェックポイント阻害剤)と共に投与される。免疫チェックポイント阻害剤として、CTLA−4、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、IDO、KIR、LAG−3、PD−1、PD−L1、PD−L2、Tim−3、VISTA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、TGFRベータ、CEACAM−1、CEACAM−3、CEACAM−5、CD244の阻害剤、またはその任意の組み合わせが挙げられる。免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗体またはその抗原結合性断片、融合タンパク質、小分子、RNAi分子(例えば、siRNA、shRNA、もしくはmiRNA)、リボザイム、アプタマー、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。化学療法薬は、B−Raf阻害剤、MEK阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗有糸分裂剤、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
任意の本明細書に記載の実施形態では、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法は、CD20発現に関連する疾患または障害を有するまたは有する疑いがある被験体に、本明細書に記載の融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む有効量の宿主細胞と、治療有効量の免疫抑制成分の阻害剤、例えば、免疫チェックポイント阻害剤とを投与するステップを含む。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、IDO、KIR、LAG−3、PD−1、PD−L1、PD−L2、Tim−3、VISTA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、TGFRベータ、CEACAM−1、CEACAM−3、CEACAM−5、CD244の阻害剤、またはその任意の組み合わせである。
したがって、ある特定の実施形態では、本開示は、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法であって、CD20発現に関連する疾患または障害を有するまたは有する疑いがある被験体に、配列番号26−29および32−38、および41−43のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む有効量の宿主細胞と、治療有効量の免疫抑制成分の阻害剤、例えば、免疫チェックポイント阻害剤とを投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA−4、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、HVEM、GAL9、IDO、KIR、LAG−3、PD−1、PD−L1、PD−L2、Tim−3、VISTA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、TGFRベータ、CEACAM−1、CEACAM−3、CEACAM−5、CD244の阻害剤、またはその任意の組み合わせである。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、(a)PD−1に特異的な抗体、例えば、ピジリズマブ、ニボルマブ、もしくはペムブロリズマブなど;(b)PD−L1に特異的な抗体、例えば、MDX−1105、BMS−936559、MEDI4736、MPDL3280A、もしくはMSB0010718Cなど;または(c)CTLA4に特異的な抗体、例えば、トレメリムマブもしくはイピリムマブなどから選択される。
さらなる実施形態では、本開示は、CD20発現に関連する疾患または障害を処置する方法であって、CD20発現に関連する疾患または障害を有するまたは有する疑いがある被験体に、配列番号26〜29、32〜38、および41〜43のいずれか1つのアミノ酸配列を含むまたはそれからなる融合タンパク質をコードする異種核酸分子を含む有効量の宿主細胞と、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤とを投与するステップを含み、任意選択で、免疫チェックポイント阻害剤は、(a)PD−1に特異的な抗体、例えば、ピジリズマブ、ニボルマブ、もしくはペムブロリズマブなど;(b)PD−L1に特異的な抗体、例えば、MDX−1105、BMS−936559、MEDI4736、MPDL3280A、またはMSB0010718Cなど;または(c)CTLA4に特異的な抗体、例えば、トレメリムマブもしくはイピリムマブなどから選択される、方法を提供する。
例示的な化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ブスルファン、ニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、例えば、ベンダムスチン、ウラムスチン(uramustine)、テモゾロミド)、代謝拮抗薬(例えば、アミノプテリン、メトトレキサート、メルカプトプリン、フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)、タキサン(例えば、パクリタキセル、nab−パクリタキセル、ドセタキセル)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン(idaruicin)、ミトキサントロン、バルルビシン)、ブレオマイシン、マイトマイシン(mytomycin)、アクチノマイシン、ヒドロキシウレア、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、エトポシド、テニポシド)、モノクローナル抗体(例えば、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アベルマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、シクロホスファミド、プレドニゾン、ロイコボリン、オキサリプラチン、ヒアルロニダーゼ(hyalurodinase)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。ある特定の実施形態では、化学療法薬は、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、スニチニブ、エルロチニブ、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの任意の組み合わせである。一部の実施形態では、患者を、まず、他の免疫細胞を阻害または破壊する化学療法剤を用いて処置し、その後、本明細書に記載の医薬組成物を用いて処置する。一部の場合では、化学療法を完全に回避することができる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、本開示の方法を、CD20特異的結合分子を用いて前処置された被験体に適用し、ここで、任意選択で、CD20特異的結合分子は、リツキシマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、ウブリツキシマブ、ベルツズマブ、もしくはそれらの任意の組み合わせ;または化学療法薬(例えば、CHOP[シクロホスファミド−ヒドロキシダウノルビシン−オンコビン−プレドニゾン]、CHOP−R[Rはリツキシマブである]、もしくは、CHOEPもしくはCHOEP−R[Eはエトポシドである]レジメン);または免疫抑制成分の阻害剤(例えば、PD−1に対する抗体、PD−L1に対する抗体、CTLA4に対する抗体など)である。
本開示のある特定の化合物(例えば抗体、化学療法剤もしくは免疫修飾物質)、またはそれらの薬学的に許容される塩の、純粋な形態でまたは適切な医薬組成物としての投与は、同様の有用性がある薬剤についての任意の投与形式を使用して行うことができる。本開示の医薬組成物は、本開示の化合物を適切な薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせることによって調製することができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体または気体の形態の調製物に製剤化することができる。そのような医薬組成物を投与する例示的な経路は、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、頬側、直腸、膣、および鼻腔内を含む。
「非経口的な」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技法を含む。本開示の医薬組成物(例えば、化学療法剤または免疫修飾物質)は、その中に含有される活性成分が、組成物が患者に投与された際に生物学的に利用可能なものであることが可能になるように製剤化される。被験体または患者に投与される組成物は、1つまたは複数の投与単位の形態をとり、例えば、錠剤が単一の投与単位であってよく、また、エアロゾル形態の本開示の化合物の容器に複数の投与単位を保持することができる。そのような剤形を調製する実際の方法は公知であるか、または当業者には明らかになろう(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第22版(Pharmaceutical Press、2012年を参照されたい)。投与される組成物は、いずれにしても、本開示の教示に従った治療方法のための、治療有効量の本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する。
経口投与用の固体組成物として、医薬組成物を散剤、顆粒剤、圧縮錠剤、丸剤、カプセル剤、チューインガム、ウェーハなどの形態に製剤化することができる。例示的な固体組成物は、1つまたは複数の不活性な希釈剤または食用担体を含有し得る。さらに、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトースもしくはデキストリンなどの賦形剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotexなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤(glidant);スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香味剤などの矯味矯臭剤(flavoring agent);または着色剤を含めた1つまたは複数の添加剤が存在し得る。医薬組成物がゼラチンカプセルなどのカプセル剤の形態である場合、上記の型の材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは油またはこれらの組み合わせなどの液体担体を含有し得る。
医薬組成物は、エリキシル剤、シロップ剤、溶液、エマルション、または懸濁物などの液体の形態であり得る。ある特定の実施形態では、液体組成物は、2つの例として、経口投与用にまたは注射による送達用に製剤化することができる。経口投与が意図されている場合、例示的な組成物は、1つまたは複数の本開示の化合物に加えて、甘味剤、防腐剤、染料/着色剤、香味増強剤(flavor enhancer)、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含有し得る。注射による投与が意図されている例示的な組成物は、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝液、安定剤、等張化剤、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含有し得る。
本開示の液体医薬組成物は、溶液、懸濁物または他の同様の形態のいずれであるかにかかわらず、注射用水、食塩溶液、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム、溶媒もしくは懸濁媒としての機能を果たし得る合成モノグリセリドもしくはジグリセリドなどの不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤;酢酸、クエン酸またはリン酸などの緩衝液、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの、張度を調整するための薬剤を含めたアジュバントをさらに含み得る。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数回用量バイアルに封入することができる。生理食塩水が好ましいアジュバントである。注射用医薬組成物は、無菌であることが好ましい。
本開示の医薬組成物は、局所的投与が意図され得、その場合、担体は、適切な溶液、エマルション、軟膏剤、ゲル基剤、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。基剤は、例えば、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、みつろう、鉱油、水およびアルコールなどの希釈剤、乳化剤、安定剤、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。局所的投与用の本開示の医薬組成物には増粘剤が存在し得る。経皮投与が意図されている場合、組成物は、経皮パッチまたはイオン導入デバイスを含み得る。
本開示の医薬組成物は、例えば、直腸内で融解し、活性化合物(複数可)を放出する坐薬の形態で、直腸投与が意図され得る。直腸投与用の組成物は、適切な非刺激性賦形剤として油性基剤を含有し得る。例示的な基剤は、ラノリン、カカオバター、ポリエチレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
本開示の医薬組成物は、固体または液体の投与単位の物理的形態を改変する様々な材料を含み得る。例えば、組成物は、活性成分(複数可)の周囲に被覆殻を形成する材料を含み得る。被覆殻を形成するための例示的な材料は、糖、シェラック、または他の腸溶コーティング剤などの不活性なものであり得る。あるいは、活性成分(複数可)をゼラチンカプセルで包むことができる。
ある特定の実施形態では、本開示の化合物および組成物は、固体または液体の形態であり得る。例示的な固体または液体製剤は、半固体、半液体(semi liquid)、懸濁物、およびゲルの形態を含む。固体または液体の形態の本開示の医薬組成物は、本開示の化合物に結合し、それにより、化合物の送達を補助する薬剤をさらに含み得る。この能力で作用し得る適切な薬剤は、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、タンパク質、またはリポソームを含む。
本開示の医薬組成物は、エアロゾルとして投与することができる投与単位からなり得る。エアロゾルという用語は、コロイド性の系から加圧パッケージからなる系までにわたる様々な系を示すために使用される。送達は、液化もしくは圧縮ガスによるものまたは活性成分を分配する適切なポンプ系によるものであり得る。活性成分(複数可)を送達するために、本開示の化合物のエアロゾルを一相、二相、または三相系で送達することができる。エアロゾルの送達は、必要な容器、活性化因子、弁、サブ容器などを含み、これらはまとめてキットを形成することができる。
本開示の医薬組成物は、製薬技術分野において周知の方法体系によって調製することができる。例えば、注射による投与が意図されている医薬組成物は、本開示の化合物を滅菌蒸留水と組み合わせて溶液を形成することによって調製することができる。均一な溶液または懸濁物の形成を容易にするために界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、本開示の化合物と非共有結合的に相互作用して、水性送達系中への化合物の溶解または均一な懸濁を容易にする化合物である。
本開示の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は治療有効量で投与され、治療有効量は、使用される特定の化合物の活性;化合物の代謝安定性および作用の長さ;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、および食事;投与の様式および時間;排出速度;薬物の組み合わせ;特定の障害または状態の重症度;ならびに療法を受ける被験体を含めた様々な因子に応じて変動する。本開示の製剤および方法に従った療法の投与後、試験被験体は、プラセボで処置されたまたは他の適切な対照被験体と比較して、処置される疾患または障害に関連する1つまたは複数の症状の約10%から約99%に至るまでの低減を示す。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される誘導体を1つまたは複数の他の治療剤の投与と同時に、その前に、またはその後に投与することもできる。そのような併用療法は、本開示の化合物および1つまたは複数の追加的な活性薬剤を含有する単一の医薬投与製剤を投与すること、ならびに本開示の化合物および各活性薬剤を独自の別々の医薬投与製剤で投与することを含む。例えば、本開示の化合物および他の活性薬剤は、錠剤またはカプセル剤などの単一の経口投与組成物にまとめて患者に投与することもでき、各薬剤を別々の経口投与製剤で投与することもできる。別々の投与製剤を使用する場合、本開示の化合物および1つまたは複数の追加的な活性薬剤は、基本的に同じ時、すなわち並行して投与することもでき、別々にずらした時に、すなわち逐次的に投与することもできる;併用療法は、これらのレジメンの全てを包含するものと理解される。
本明細書に記載のプロセスにおいて、中間体化合物の官能基を適切な保護基によって保護する必要がある場合があることも当業者には理解されよう。そのような官能基は、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、およびカルボン酸を含む。ヒドロキシに対する適切な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどを含む。アミノ、アミジノおよびグアニジノに対する適切な保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。メルカプトに対する適切な保護基は、C(O)R’’(式中、R’’はアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、pメトキシベンジル、トリチルなどを含む。カルボン酸に対する適切な保護基は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルを含む。保護基は、当業者に公知であり、本明細書に記載されている標準の技法に従って付加または除去することができる。保護基の使用は、Green, T.W.およびP.G.M. Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999年)、第3版、Wileyに詳細に記載されている。当業者には理解されるとおり、保護基は、Wang樹脂、Rink樹脂または2−クロロトリチル−クロリド樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
本開示の化合物のそのような保護された誘導体はそれ自体では薬理活性を有さない場合があるが、哺乳動物に投与され、その後、体内で代謝されて薬理活性のある本開示の化合物を形成することができることも当業者には理解されよう。したがって、そのような誘導体は、「プロドラッグ」と記載することができる。ある特定の実施形態では、本開示の化合物はプロドラッグの形態である。
さらに、遊離塩基または酸の形態で存在する本開示の化合物は全て、当業者に公知の方法によって適切な無機または有機塩基または酸で処理することによってそれらの薬学的に許容される塩に変換することができる。本開示の化合物の塩は、標準の技法によってそれらの遊離塩基または酸の形態に変換することができる。
本開示による融合タンパク質を発現する形質転換された宿主細胞の場合では、投与は、細胞の個々のアリコートを使用して実施することができる。ある特定の実施形態では、形質転換された宿主細胞はT細胞を含み、当該T細胞は、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞、またはその両方を含み得る。ある特定の実施形態では、T細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする異種核酸を含む。ある特定の実施形態では、T細胞を、被験体への投与のためにCD4
+CD20 CAR T細胞とCD8
+CD20 CAR T細胞との1:1の比がもたらされるように分類する。細胞は、各被験体に対して指定の細胞用量でおよそ20〜30分にわたって静脈内に投与することができる。指定の細胞用量は、ベクターにおいて融合タンパク質と協調的に発現する形質導入マーカーの発現レベルによって決定することができる。例えば、ある特定の実施形態では、T細胞を、切断されたCD19形質導入マーカーとCARを協調的に発現する1つまたは複数のベクターを使用して形質転換する。本開示の種々の実施形態における使用のための例示的なCD20 CAR
T細胞の投与レベルを以下の表1に記載する。
ある特定の実施形態では、細胞は、被験体から標準の非動員白血球アフェレーシスによって得た自己末梢血単核細胞(PBMC)産物から製造される。免疫磁気選択を実施してCD8+細胞またはCD4+T細胞を濃縮することができる。ある特定の実施形態では、CD8+細胞およびCD4+T細胞を別々に濃縮し、各サブセットを別々に、例えば、抗CD3/CD28常磁性ビーズで刺激し、その後、融合タンパク質および任意選択で例えばtCD19形質導入マーカーなどの形質導入マーカーをコードするベクター(例えば、レンチウイルスベクター)を用いて形質導入する。形質導入T細胞を拡大増殖し、次いでCD20を発現している標的細胞株で再刺激して成長をブーストし、さらにex vivoで拡大増殖させ、次いで、製剤化して、注入のための指定の細胞用量を達成することができる。例えば、ある特定の実施形態では、本開示による抗CD20 CAR T細胞(例えば、1.5.3−NQ−28−BB−z)は、以下を含む方法に従って製造することができる:
1.白血球アフェレーシス産物または全血からの末梢血単核細胞(PBMC)の画分からCD4+T細胞を濃縮する。
2.CD4+T細胞の濃縮と並行して、残りの白血球アフェレーシス産物またはPBMCからCD8+T細胞を濃縮する。
3.濃縮されたCD4+およびCD8+細胞を、別々の培養で、グルタミン、βメルカプトエタノール、およびウシ胎仔血清を補充したRPMI1640培地(CTL培地+10%FBS)、50IU/mLのIL−2中、臨床グレードの抗CD3および抗CD28でコーティングされた常磁性ビーズ(抗CD3/CD28ビーズ)で刺激する。
4.抗CD3/CD28ビーズ刺激後の1日目、CD4+およびCD8+細胞に1.5.3−NQ−28−BB−z CARレンチウイルスベクターを形質導入する。
5.形質導入CD4+T細胞およびCD8+T細胞をCTL培地+10%FBSおよび50IU/mLのIL−2中で拡大増殖させる。
6.CD3/CD28刺激後の4日目、磁気枯渇によって抗CD3/CD28ビーズを2回除去する。
7.抗CD3/CD28刺激後の7日目、照射された、臨床的に適格な形質転換CD20+B細胞株(TM−LCL)で刺激する。このステップは、7日目のインプロセス細胞計数によりTM−LCL刺激なしでも十分な細胞拡大増殖が予測される場合には省略することができる。
8.CD4+およびCD8+細胞を、CTL培地+10%FBSおよび50IU/mLのIL−2を伴うG−Rexフラスコ中で拡大増殖させる。
9.抗CD3/CD28刺激後の15日目(13日目〜17日目の範囲)に各サブセットの細胞を回収し、組み合わせたCD4+/CD8+T細胞産物を凍結保存または注入用に製剤化する。
10.インプロセスおよび最終的なリリース(release)試験のために製造手順中の適切な時点でCD8+T細およびCD4+T細胞のそれぞれから試料を回収する。
11.患者に、tCD19+CD4+T細胞とtCD19+CD8+T細胞との比1:1で、示されている用量で静脈内注入によって投与する。被験体は、リンパ球枯渇化学療法で前処置され、化学療法が完了してから少なくとも36時間後にT細胞注入を受ける。
ある特定の実施形態では、被験体に対して生成された細胞は、製造のすぐ後に新鮮な細胞として供給することもでき、まず凍結保存し、液体窒素冷凍庫内で保管した後、解凍した細胞を洗浄して残留する凍結保護物質を除去し、その後、注入用に製剤化することもできる。細胞の総数は、解凍からの回収中の細胞の喪失を説明するため、および臨床プロトコールで指定されている細胞用量レベルを達成するために十分なものである。CD4+T細胞とCD8+T細胞の両方を含むある特定の実施形態では、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の総比率は、個々の被験体における個々のサブセットの形質導入の差異に起因して1:1とは異なる可能性がある。このような理由で、サブセットを別々に形質導入して形質導入T細胞の所望の製剤を達成することができる。CD4 CAR T細胞およびCD8 CAR T細胞により、動物モデルにおける相乗効果が実証されている(Sommermeyerら、Leukemia、2015年)。
形質転換された細胞を、速度制御冷凍庫内での凍結保存のために適切な凍結保存培地(例えば、CryoStor CS10(登録商標))に懸濁することができる。凍結保存された細胞を液体窒素冷凍庫の気相で保管することができる。次いで、新鮮なまたは解凍した細胞をNormosol+1%HSAに再懸濁させ、臨床プロトコールで指定されている総細胞用量レベルで移入用パックに移すことができる。製剤化された産物を2〜8℃で保管し、次いで、投与のために、適切な条件下で臨床の場に移動させることができる。
白血球アフェレーシスの後、被験体は、形質転換された細胞が産生される間、疾患を制御するために細胞減少性化学療法を受けることができる。例えば、ある特定の実施形態では、被験体は、白血球アフェレーシス後に低強度の化学療法(例えば、レナリドマイド、イブルチニブ)を受けることができる。本開示による形質転換された細胞を投与する前に、移入T細胞の生存を容易にするため、および細胞の注入前の腫瘍負荷を低減するために、リンパ球枯渇をもたらすために化学療法または免疫調節療法が適切である場合がある。例えば、被験体は、リンパ球枯渇化学療法を細胞注入前の所定の時間(例えば、36〜96時間)にわたって受けることができる。ある特定の実施形態では、被験体は、最初にシクロホスファミド(CY)などの化学治療剤のi.v.単回用量(例えば、1g/m2)の処置を受けることができる。しかし、被験体奏効率が不十分であると決定された場合、リンパ球枯渇レジメンを、その後に患者が第2のさらなる化学療法薬または免疫調節剤(例えば、CY+フルダラビン)を受けるように変化させることができる。さらに、被験体は、細胞を投与する前に前投薬を受けることができるが、必ずしもそうである必要はない。
本明細書に記載の細胞の1回または複数回の静脈内注入を、被験体に、リンパ球枯渇化学療法の完了後(例えば、36〜96時間後)に行うことができる。被験体に投与される細胞の用量は、表1に示されている用量レベルに従って決定することができ、その後、調整して、投与される細胞の量、組成、比、または速度を増大させる、低減させる、または他の点で変化させることができる。ある特定の実施形態では、被験体に単回注入を行う。さらなる実施形態では、第1の注入により完全奏効(CR)がもたらされなかった場合、またはCR後に疾患が再発した場合には、第2の注入を行うことができる。さらに別の実施形態では、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、またはさらなる注入を行うことができる。ある特定の実施形態では、細胞注入は、非経口薬物についての内毒素限界(£5 EU/kg/時間)に関するガイドラインに従って必要に応じて調整された、選択された期間(例えば、およそ20〜30分)にわたって静脈内に行うことができる。被験体が軽度の注入に関連する有害事象(グレード2またはそれ未満)を経験した場合には注入速度を調整することもできる。
(実施例1)
材料および方法
細胞株
Raji、Daudi、およびRamos(バーキットリンパ腫)、Rec−1(マントル細胞リンパ腫)、ならびにK562(CD20陰性赤白血病(erythroid leukemia))腫瘍細胞株をATCCから入手した。Granta−519(マントル細胞リンパ腫)をDSMZから入手し、FL−18(形質転換された濾胞性リンパ腫)をDr.David Maloney(Fred Hutchinson Cancer Research Center)から入手した。実験前にCD20発現をすべての細胞株に対してフローサイトメトリーによって立証した。細胞株を、25mMのHEPES、10%ウシ胎仔血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および1%L−グルタミンを伴うRPMI1640中で培養し、37℃、5%CO2でインキュベートした。K562細胞に、CD20を発現させるためにレトロウイルスベクターを形質導入し、一部の細胞にはヒトCD80を発現させるために再度レンチウイルスベクターを形質導入した。限界希釈クローニング後に選択することによって低、中、および高CD20発現K562−CD80細胞株を得た。Raji細胞にホタルルシフェラーゼ−Thy1.1−Neoをコードするレトロウイルスを形質導入し、以前に記載されているとおりG418を用いて選択することによってRaji−ffLuc細胞を作製した(Jamesら、Blood、2009年;114巻(27号):5454〜63頁)。以前に記載されているとおりリツキシマブ濃度を漸増させる繰り返しの断続的サイクルでリツキシマブ不応性Raji−ffLuc細胞を生成した(Czuczmanら、Clin Cancer Res、2008年;14巻(5号):1561〜70頁)。
フローサイトメトリー
Ramos細胞株を0μg/mlから200μg/mlまでにわたる濃度のリツキシマブと共に室温で30分インキュベートした。CD20遮断後、抗CD20−PE抗体(クローンL27[Leu16]、BD Biosciences)を添加し、細胞を4℃または37℃のいずれかで30分インキュベートした。細胞を冷FACS緩衝液(PBS中、0.5%ウシ胎仔血清および2.5mMのEDTA)で洗浄し、BD Canto 2フローサイトメーターで分析した。データを、FlowJoバージョン7.6.1(TreeStar)を使用して分析した。別々の実験において、FL−18細胞を様々な濃度のリツキシマブで遮断し、FACS緩衝液で1回洗浄し、次いで、抗CD20−FITC抗体(クローン1F5、ハイブリドーマから所内で作製;Pressら、Blood、1987年;69巻(2号):584〜91頁)を添加し、遮断した細胞と共に4℃で15分インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、上記のとおり分析した。リツキシマブの代わりにオファツムマブを使用した同様の実験も行った。
ベクター構築物
CD20特異的Leu16−28−BB−z−tEGFR構築物(配列番号57)を、Leu16 scFv(Wangら、Hum Gene Ther、2007年;18巻(8号):712〜25頁;Wangら、Mol Ther、2004年;9巻(4号):577〜86頁)をPCRによって増幅し、IgG4−Fc、CD28、および41BBドメイン、およびCD3ζドメインをコードするepHIV7レンチウイルスベクターのNheI部位およびRsrII部位中にクローニングすることによって生成した(Hudecekら、Clin Cancer Res、2013年;19巻(12号):3153〜64頁)。Leu16−28−z構築物(配列番号49または58)を、41BBドメインおよび切断されたEGFRを除去するためのLeu16−28−BB−z−tEGFRベクターのスプライスオーバーラップPCR(splice overlap PCR)によって生成した。CD20特異的1F5−28−BB−z CARをコードするレンチウイルスベクターは以前記載されているが(Buddeら、PLoS one、2013年;8巻(12号):e82742頁)、HIV−1に基づくRRL.sin.cPPT.PGK.GFP.wpre自己不活性化第3世代レンチウイルスベクター骨格(Beckerら、Gene Ther、2010年;17巻(10号):1244〜52頁;Dr.Hans−Peter Kiem、FHCRCより)に移入した。この構築物のFcスペーサー領域を、以前に記載されているとおり(Hudecekら、Cancer immunology research、2014年;3巻(2号):125〜35頁;Hombachら、Gene Ther、2010年;17巻(10号):1206〜13頁)、IgG1接合部アミノ酸をIgG2接合部アミノ酸(配列番号9)で置換し、N297Q変異(配列番号10)を付加することにより、Fcγ受容体への結合が抑止されるように改変して、1F5−NQ−28−BB−z構築物(配列番号50または59)を作製した。1.5.3−NQ−28−BB−z CAR構築物(配列番号44または53)を生成するために、コドン最適化アルゴリズム(GenScript)を使用して1.5.3完全ヒト抗CD20抗体からVL配列およびVH配列を合成することによって新規のscFv配列を作製し(例えば、Bornsteinら、Invest New Drugs、2010年;28巻(5号):561〜74頁;PCT公開第WO2006/130458号を参照されたい)、15アミノ酸グリシン−セリンリンカー(配列番号20)によって分離し、GM−CSFシグナルペプチド(配列番号18)を先行させた。スプライスオーバーラップPCRにより生じた重複する断片を使用して1F5−NQ−28−BB−z構築物のscFvドメインを置き換え、それをAgeI/SacII制限部位にクローニングした。誘導性カスパーゼ9自殺遺伝子および下流の2A配列(配列番号22または23)をスプライスオーバーラップPCRによってこの構築物から除去した。1.5.3−NQ−28−z構築物(配列番号27)を、1.5.3−NQ−28−BB−zからスプライスオーバーラップPCRによって41BBドメインを除去することによって生成した。全ての構築物をSanger配列決定によって確認した。レンチウイルスは、記載の骨格ベクターならびにパッケージングベクターpCGHP−2、pCMV−Rev2、およびpCMV−Gを一過性にトランスフェクトした293T細胞を使用して作製し、パッケージングされたレンチウイルスを含有する上清を遠心分離によって100倍に濃縮した。
T細胞の単離および形質導入
末梢血単核細胞(PBMC)を、FHCRCにおける治験審査委員会(IRB)により承認された研究プロトコールの下で同意を得た健康なドナーからのアフェレーシスまたはPuget Sound Blood Centerから購入した使用済みPall白血球フィルターからのいずれかで得た。Ficoll−Paque密度勾配培地を用いて遠心分離によって単離したPBMCにアンモニウム−塩化物−カリウム(ACK)緩衝液を用いた赤血球溶解を行い、10%DMSOおよび90%FBS中で凍結保存した。in vitro実験のために、T細胞を解凍されたPMBCからPan T cell Isolation Kit II(Miltenyi Biotec)を使用したMACSによる陰性選択を行った。細胞傷害実験のために、CD8+T細胞を健康なドナーアフェレーシスPBMCから抗CD8抗体をコーティングしたビーズ(Miltenyi Biotec)を使用してMACSによって正に選択した後に凍結保存した。一部の実験については、セントラルメモリーT細胞(TCM)を、凍結保存前に、健康なドナーアフェレーシスPBMCから、CliniMACS抗CD14および抗CD45RAビーズ(Miltenyi Biotec)と共にインキュベートした後に、AutoMACSデバイスを使用した陰性選択によって単離し、その後、CliniMACS CD62Lビーズを用いた陽性選択を行った。他の実験では、CD4細胞およびCD8細胞を抗CD4または抗CD8ビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して陽性免疫磁気選択によって濃縮した。選択されたT細胞を、αCD3/αCD28AbでコーティングしたヒトT−Expander Beads(Invitrogen)を3:1のビーズ:T細胞比で用いて刺激した。翌日、活性化T細胞に、CD20 CAR構築物のうちの1つ(感染多重度2〜6)をコードするレンチウイルスベクターおよび4〜8μg/mlのポリブレンをスピン形質導入(spin−transduce)した(32℃、2100rpmで60分)。形質導入T細胞を、10ng/mlのrhIL−15(Miltenyi Biotec)を伴うまたは伴わない50IU/mlの組換えヒトインターロイキン2(rhIL−2)を含有する培地で培養し、刺激後4〜5日間インキュベートした後、αCD3/αCD28ビーズを磁気により除去し、フローサイトメトリーによって分析してCAR発現を確認した。CAR+T細胞を機能アッセイに使用した。
in vivoマウス実験のために、TCMまたはCD4およびCD8濃縮T細胞を解凍し、活性化し、翌日、濃縮した、各実験に示されている構築物をコードするレンチウイルスの上清を形質導入した。5日目にCD3/CD28ビーズを除去し、細胞を50IU/mLのrhIL−2中で拡大増殖し、7〜10日目に照射CD20+LCLをレスポンダー:ステミュレーター比1:1で再刺激し、LCLを用いた再刺激の8〜11日後にマウスに注射した。
増殖およびサイトカイン分泌アッセイ
T細胞(総細胞2×105個)を5μMのカルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色し、次いで、8000〜10000cGyで照射を行った腫瘍標的株と1:1の比で共培養した。リツキシマブ遮断実験では、照射を受けた標的細胞を様々な濃度のリツキシマブと共に室温で30分インキュベートした後にT細胞と共インキュベートした。プレーティングの24時間後に上清を回収し、その後、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)、インターロイキン2(IL−2)、およびTNF−αを定量するために以前に記載されている(Tillら、Blood、2012年;119巻(17号):3940〜50頁)Luminexアッセイによってサイトカイン分析を行うまで−20℃で保管した。4〜5日後、細胞を抗CD3−APC(BioLegend)で染色し、増殖の尺度として、CD3でゲーティングしたリンパ球のCFSE希釈物をフローサイトメトリーによって決定した。活性化の別の尺度として、細胞サイズを、前方散乱(FSC−A)パラメーターの幾何平均を使用したフローサイトメトリーによって決定し、休止状態のT細胞の細胞サイズを差し引いた。フローサイトメトリーのデータをFlowJoソフトウェア(v7.6.1;Treestar、Ashland、OR)を使用して分析した。一部の実験では、リツキシマブの代わりにオファツムマブを使用した。
IFN−γの細胞内染色によってサイトカイン分泌の評価も決定した。CD20 CAR+CD4+またはCD8+T細胞を、照射を受けたK562またはK562−CD20細胞と24時間共培養した。細胞内染色のために、細胞を固定し、BD Cytofix/Cytopermキット(BD Biosciences)を用いて氷上で15分にわたって透過処理した。次いで、細胞を、固定および透過処理後に抗IFN−γ(Biolegend)を用いて氷上で1時間にわたって染色した。データをBD FACSCanto(BD Biosciences)で分析した。データを分析するためにFlowJo Softwareを使用した。
細胞傷害アッセイ
以前に記載されているとおりCD20 CAR CD8+T細胞を51Crで標識した標的細胞株と4〜5時間共インキュベートすることによって標準の51Cr放出アッセイを実施した(Wangら、Hum Gene Ther.、2007年;18巻:712〜725頁)を参照されたい。最大51Cr放出を、5%IGEPAL CA−630で溶解された、標識された細胞の上清の51Cr含有量を直接測定することによって決定した。上清を回収して96ウエルLumaplateに入れ、終夜風乾し、TopCount(PerkinElmer)を用いて計数をアッセイした。パーセント細胞傷害を方程式:[試料−Minavg]/[Maxavg−Minavg]*100によって算出した。
リツキシマブ遮断実験に関しては、51Crで標識した標的細胞株を様々なリツキシマブ濃度(0μg/mLから200μg/mLまでにわたる)で30分(10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、および200μg/mlの最終濃度をもたらすために最初のインキュベーション時には2倍の最終濃度で)インキュベートした後、CAR+CD8+T細胞を様々なエフェクター対標的(E:T)比で添加した。細胞を、2連で、U底96ウエルプレートにおいて、熱により不活性化したFBSを含有する培地中、51Crで標識したリツキシマブで遮断した標的細胞と共に37℃で5時間培養した。対照ウエルには、リツキシマブに誘導されるCDCの可能性を排除するために、リツキシマブを含有する培地中、T細胞を伴わずにインキュベートした標的細胞を含有させた(図に「0:1」E:T比として示されている)。一部の実験では、リツキシマブの代わりにオファツムマブを使用した。
CAR T細胞の有効性に対するリツキシマブの影響のin vivo評価
6〜10週齢のNOD.Cg−PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ(NOD/SCID/γ−/−[NSG])マウス(Jackson Laboratory)5〜10匹の群に、リツキシマブ抵抗性Raji−ffLucまたはGranta−519リンパ腫細胞5×105個を2〜7日間、尾静脈に接種した。2〜7日後(各実験に示されているとおり)、CD20 CAR T細胞(tCD19+)または空ベクターT細胞107個を尾静脈に注射した。リツキシマブ遮断実験では、リツキシマブ25μgまたは200μgを腫瘍接種の5日後かつCAR T細胞投与の1日前に腹腔内(i.p.)投与した。腫瘍成長を決定するための生物発光画像化を、公知の方法を使用して実施した(Jamesら、Blood、2009年;114巻(27号):5454〜63頁;Rufenerら、Cancer Immunol Res.、2016年;4巻:509〜519頁を参照されたい)。画像の飽和を導くことなく最大感度を達成するためにビニングおよび露出を調整した。GraphPad Prism 6ソフトウェアを用い、カプラン・マイヤー方法を使用して生存曲線を生成した。
養子移入T細胞の持続性を試験するために、様々な時点で後眼窩出血によって回収した全血をACK溶解緩衝液(Quality Biological)によって溶解させた。腫瘍接種後6日目および13日目に後眼窩叢からの凝血した血液検体を遠心分離することによってマウス血清を得、以前に記載されているとおりELISAアッセイを使用して血清リツキシマブレベルを測定してリツキシマブ濃度を決定した(Gopal AKら、Blood、2008年;112巻(3号):830〜5頁;Maloney DGら、Blood、1997年;90巻(6号):2188〜95頁を参照されたい)。単離された細胞のFc受容体を静脈内免疫グロブリン(IVIG)で遮断し、細胞をmCD45に対するモノクローナル抗体(mAb)(30−F11、Biolegend)、hCD3に対するモノクローナル抗体(HTT3a、Biolegend)、およびhCD19に対するモノクローナル抗体(HIB19、BD Bioscience)で染色した。BD Canto 2を用いてデータを収集し、FlowJo Software(Treestar)で分析した。マウス試験は、FHCRC Institutional Animal Care and Use Committeeにより承認された。
患者血清試料
ヒト血清試料は、B細胞リンパ腫患者から、Declaration of Helsinkiに従ってIRBの認可およびインフォームドコンセントを得た後に提供された。リツキシマブを含有するサルベージ化学免疫療法後4カ月以内に血清試料を回収した。血清リツキシマブ濃度を以前公開されたとおり決定した(Maloneyら、Blood、1997年;90巻(6号):2188〜95頁)。
(実施例2)
抗CD20 scFvを含有するCARによるCD20への結合に対するリツキシマブの影響
それぞれCD20分子の大きな細胞外ループ上のエピトープに結合する2つの異なるマウスモノクローナル抗体、Leu16抗体(L27;Tillら、Blood、2008年;112巻(6号):2261〜71頁;Tillら、Blood、2012年;119巻(17号):3940〜50頁を参照されたい)または1F5抗体(Wang Jら、Hum Gene Ther、2007年;18巻(8号):712〜25頁;Buddeら、PLoS One、2013年;8巻(12号):e82742頁を参照されたい)のいずれかに由来するscFvを使用した、CD20を対象とするCARは以前に試験されている(Polyakら、Blood、2002年;99巻(9号):3256〜62頁を参照されたい)。これらのCD20エピトープはリツキシマブエピトープと重複し(Polyakら、Blood、2002年;99巻(9号):3256〜62頁を参照されたい)、したがって、リツキシマブはこれらのCARの結合を遮断すると予測される。フローサイトメトリーを使用して、様々な濃度のリツキシマブの、Ramosリンパ腫細胞上に発現するCD20へのLeu16抗CD20抗体の結合を遮断する能力を、これらの細胞を、Leu16 Abと共にインキュベートする前にリツキシマブと共にプレインキュベートすることによって評価した。CD20の用量依存的遮断が観察され、4℃、50μg/mlのリツキシマブでほぼ完全な遮断が観察された。しかし、抗CD20−PE(Leu16)を生理的に関連する温度の37℃でインキュベートした場合、200μg/mlのリツキシマブであっても低レベルのCD20結合が生じた(図2A〜2F)。FL−18細胞に対して1F5抗CD20抗体を使用した実験において同様の所見が観察された(データは示していない)。したがって、リツキシマブは、本開示の抗CD20 CARと重複するエピトープに結合し、CD20+標的細胞に対するCAR T細胞活性に干渉する潜在性を有する。
(実施例3)
CAR T細胞のin vitro機能に対するリツキシマブの影響
CD20 CAR T細胞の機能に対するリツキシマブによるCD20遮断の影響を、5種の異なるCD20 CARレンチウイルス構築物を使用して、様々なCD20+B細胞NHL細胞株と共にインキュベートした後に増殖、サイトカイン分泌、および細胞傷害を測定することによって評価した。CAR構築物(図1Aおよび1B)は、第3世代Leu16−28−BB−z−tEGFRおよび1F5−28−BBz構築物(Buddeら、PLoS One、2013年;8巻(12号):e82742頁を参照されたい)、第2世代Leu16−28−z構築物、ならびに完全ヒト1.5.3抗CD20 Ab(リツキシマブと重複するエピトープにも結合する)に由来する2種のCD20 CAR(1.5.3−NQ−28−BB−zおよび1.5.3−NQ−28−z)であった(Bornsteinら、Invest New Drugs、2010年;28巻(5号):561〜74頁を参照されたい)。典型的に、T細胞の40〜80%でCAR発現が達成された(データは示していない)。
CFSEで標識したCAR T細胞の増殖は、様々なNHL標的細胞株(Raji、Daudi、Rec−1、およびFL−18)と共にリツキシマブの存在下で培養した場合、大きくは損なわれなかった。最大200μg/mlの濃度のリツキシマブの存在下で標的細胞により刺激したCAR T細胞は、リツキシマブの非存在下での刺激後に観察された増殖の>96%を示した(図3A)。T細胞活性化の別の尺度は細胞サイズである(Grumontら、Immunity、2004年;21巻(1号):19〜30頁を参照されたい)。CAR+T細胞を、細胞サイズの推定として前方散乱についてフローサイトメトリーによって分析し、CAR T細胞が、リツキシマブと共にプレインキュベートしたRaji、Daudi、またはRec−1腫瘍細胞による刺激後に、リツキシマブに曝露していない対照細胞のサイズの>85%のサイズ中央値を示したことが見出された(図3A)。FL−18細胞と共にインキュベートしたT細胞は、リツキシマブと共にインキュベートした後、わずかにより明白であるが、それでもなお中程度の細胞サイズの縮小を示した(200μg/mlで対照細胞サイズの73%)。
増殖とは対照的に、CAR T細胞によるサイトカインの分泌は漸増リツキシマブレベルの存在下で減少することが見出された(図3B)。しかし、100μg/mlのリツキシマブであってさえ、サイトカインIFN−γ、IL−2、およびTNF−αの産生はそれぞれベースラインレベルの34〜51%、70〜92%、および79〜108%であった。標的としてCD80およびCD20を発現するように遺伝子改変されたK562細胞を使用し、CD20 CAR T細胞活性の抗原特異性を実証するための対照としてCD20陰性K562−CD80細胞を用いて、同様の所見が観察された(図6Aおよび6B)。
様々なCD20+NHL標的細胞株に対するCAR+T細胞の細胞溶解活性に対するリツキシマブの影響も調査した。CAR+/CD8+T細胞をエフェクターとして用い、Raji、FL−18、Granta、またはRec−1を標的として用いた標準の51Cr放出アッセイを使用して、試験した全ての標的細胞株に対して、細胞傷害は、最大50μg/mlのリツキシマブ濃度で最小限でしか損なわれず(図4)、また、100μg/mlのリツキシマブ濃度でベースライン細胞溶解活性の>65%が保持されたことが見出された。
完全ヒト1.5.3−NQ−28−z CAR T細胞および1.5.3−NQ−28−BB−z CAR T細胞のin vitro機能性をリツキシマブの存在下で試験した。Leu16 CARおよび1F5 CARと同様に、リツキシマブで前処理した標的細胞に対するサイトカイン分泌および細胞傷害の中程度の用量依存的低減が観察されたが、増殖では観察されなかった。
(実施例4)
抗CD20に対するCAR T細胞感受性に対するCD20の発現レベルの影響
腫瘍細胞上のCD20発現のレベルがリツキシマブ遮断に対する感受性に影響を及ぼし得るかどうかを調査するために、限界希釈クローニング後に低、中、および高CD20発現レベルを有するK562−CD80細胞株(図10)を試験のために選択した。in vitroにおけるCAR T細胞機能を様々な濃度のリツキシマブの存在下で再度評価した。NHL細胞株と同様に、CAR T細胞の増殖は、標的細胞上のCD20の発現レベルにかかわらず完全にインタクトであった(図5A)。細胞サイズは、CD20high細胞を標的として使用した場合には縮小しなかったが、より低いレベルのCD20を発現する細胞に関しては細胞サイズの中程度の縮小が見出された。増殖および細胞サイズとは対照的に、サイトカイン分泌は、CD20low標的細胞で刺激すると有意に損なわれ、100〜200μg/mlのリツキシマブでIFN−γ、IL−2、およびTNF−αレベルはそれぞれベースライン値の5%、17%、および22%の低さであったが(図5B;図11A〜11E)、CD20high標的で刺激したT細胞では、100μg/mlのリツキシマブ濃度でベースライン活性の>75%が保持された。
CAR T細胞細胞溶解活性のリツキシマブにより媒介される阻害に対するCD20抗原密度の影響が図5Cに示されている。高レベルのCD20を発現する標的細胞のT細胞による殺滅へのリツキシマブの影響は、低E:T比であっても、最小であった。しかし、CD20lowおよびCD20mediumK562−CD80標的に対してはT細胞細胞傷害が用量依存的に低減し、これは、より低いエフェクター対標的(E:T)比で最も明白であった。CD20low標的に対する細胞溶解活性は、200μg/mlのリツキシマブにおける50:1のE:T比でベースラインの47%に保持されたが、2:1のE:T比ではベースラインのたった16%であった。
(実施例5)
残留するリツキシマブの存在下でのCD20 CAR T細胞のin vivo抗腫瘍活性
上記のin vitro実験により、CD20 CAR T細胞が、中程度のレベルのリツキシマブが存在するにもかかわらず、CD20+腫瘍に対する有意な機能性を保持することが示された。これらの知見がどのようにin vivoの状況に転換されるかを評価するために、マウスリンパ腫モデルにおけるCAR T細胞活性に対する残留するリツキシマブの影響を調査した。
背景として、リツキシマブは、単一の薬剤として、免疫無防備状態のマウス異種移植モデルにおけるRaji細胞に対する有意な抗腫瘍活性を有する(Hernandez−Ilizaliturri FJら、Clin Cancer Res、2003年;9巻(16号、第1部):5866〜73頁を参照されたい)。併用療法実験におけるリツキシマブ由来の潜在的な交絡治療効果を克服するために、以前に記載された方法を使用してリツキシマブ不応性Raji細胞株(RR−Raji)を生成し(Czuczman MSら、Clin Cancer Res、2008年;14巻(5号):1561〜70頁を参照されたい)、この細胞株においてCD20発現が保持されることが見出された(図12)。
NSGマウスにRR−Raji細胞をi.v.接種し、一部の群を、接種の5日後に腫瘍が確立したら高用量または低用量リツキシマブで処置し、次いで、翌日にCD20 CAR+T細胞をi.v.投与した(図7A)。リツキシマブを単独で受けたマウスでは、中程度の一過性の抗腫瘍効果が実証されたが、全てが24日目までに腫瘍進行のため死亡し、一方、CAR T細胞単独で処置したマウスでは有意に腫瘍が退縮し、マウスの40%において腫瘍が根絶され、生存期間中央値が倍加した(52日間)。T細胞注入の前日にリツキシマブを受けたマウスでは、in vivoにおけるCAR T細胞活性はCAR T細胞を単独で受けたマウスと比較して損なわれなかった;25μg/mlのリツキシマブ群では1匹を除いて全てのマウス、および200μg/mlのリツキシマブ群では全てのマウスで腫瘍の根絶が実証された(図7Bおよび7C;図13Aおよび13B)。
生理的に関連する血清中レベルのリツキシマブの存在下で生じるこれらの腫瘍の寛解を確認するために、リツキシマブで処置したマウスから、T細胞注入日および1週間後に血清を回収し、血清リツキシマブレベルを測定した。200μg/mlのリツキシマブを受けたマウスでは、最初の血清リツキシマブ濃度中央値が138.5μg/ml(54.5〜173.6の範囲)であり、1週間後には39.7μg/ml(1.6〜51.9の範囲)であり、25μg/mlのリツキシマブを受けたマウスの濃度中央値はベースラインでは11.7μg/ml(2.8〜17.8にわたる)であり、T細胞注入の1週間後には0μg/mlであった(図7D)。
さらに、腫瘍注射の28日後に循環CAR T細胞レベルをフローサイトメトリーによって定量した。CAR T細胞を単独で受けたマウスとリツキシマブおよびCAR T細胞を受けたマウスとの間でCAR T細胞レベルに有意な差異はなく、これにより、リツキシマブの存在によりCAR T細胞のin vivo持続性は損なわれなかったことが示される(図14A〜14C)。
(実施例6)
サルベージリツキシマブ含有レジメンで処置された患者の血清リツキシマブ濃度
上記の結果を臨床の状況に置くために、意図された患者集団における残留する血清リツキシマブレベルの臨床的に意義のある範囲を、調査プロトコールで自己幹細胞移植を受け、移植前の血清リツキシマブ測定値が入手可能であるB細胞NHL患者のデータベースにおいて照会した(Gopalら、Blood、2008年;112巻(3号):830〜5頁を参照されたい)。血清採血の4カ月以内にリツキシマブを含有する化学療法レジメンを受けた患者合計103名(0.5〜3.8カ月の範囲、中央値1.8)を同定し、これらの患者におけるリツキシマブ濃度中央値は、38.3μg/mlであり、四分位数間範囲は19.1〜71.7μg/mlであった(図7E)。リツキシマブ濃度は、患者の86%において100μg/mlまたはそれ未満であった。
(実施例7)
CD20 CAR T細胞機能に対するオファツムマブの影響
抗CD20抗体のCAR機能に対する効果に対するエピトープ位置の重要性を決定するために、CD20のより小さな細胞外ループならびに大きなループの異なる領域を伴うリツキシマブとは別個のエピトープに結合する抗CD20抗体であるオファツムマブを用いてin vitroアッセイを繰り返した(Duら、Mol Immunol、2009年;46巻(11〜12号):2419〜23頁;Teelingら、J Immunol、2006年;177巻(1号):362〜71頁を参照されたい)。まず、Leu16抗CD20抗体の結合を遮断するオファツムマブの能力をフローサイトメトリーによって評価し、それにより、異なるエピトープにもかかわらず、第2の抗体の結合がオファツムマブによって顕著に遮断されたことが示された。さらに、リツキシマブよりも低濃度であっても結合が遮断された(図2D〜F)。次いで、様々な濃度のオファツムマブと共にプレインキュベートしたRec−1およびRaji−ffLucリンパ腫細胞に対してin vitro機能アッセイを実施した(図8A〜8C)。結果は、増殖および細胞サイズは最小の影響を受けたが、サイトカイン産生はより強い影響を用量依存的に受けたという点で、リツキシマブを用いたアッセイと同様であった。リツキシマブと比較して、細胞傷害はオファツムマブの存在下でさらに顕著に損なわれた。これらの所見から、抗CD20抗体の阻害効果が立体的阻害に起因し、CAR結合エピトープの直接遮断に起因するものではないことが示された。したがって、オファツムマブのより強力な阻害効果は、リツキシマブと比較して解離速度がより遅いことに起因するものであった。これは、以前報告された(Teelingら、Blood、2004年;104巻(6号):1793〜800頁を参照されたい)データと一致してオファツムマブのはるかに低い解離が確認された4℃または37℃での競合的な細胞結合フローサイトメトリー試験により裏付けられた(図2D〜F)。
(実施例8)
in vitroにおける様々なCAR構築物によるサイトカインの分泌
セントラルメモリー(CD14−CD45RA−CD62L+)T細胞を、抗CD3/CD28抗体をコーティングしたビーズを用いて刺激し、24時間後に、示されているCAR構築物をコードするレンチウイルスベクターで形質導入し、in vivoで拡大増殖させた。14日目に、細胞を、照射Raji−ffLuc細胞(図15Aおよび図15C)、Granta−519細胞(図15B)、およびJeko細胞(図15D)のいずれかで再刺激した。「19−BB−z」構築物は、臨床試験において使用される臨床グレードのCD19標的化CARであり、陽性対照として提供される。24時間後に上清を回収し、Luminexアッセイによってインターフェロン(IFN)−γ、IL−2、および腫瘍壊死因子−αレベルについて分析した。
(実施例9)
CD20 CAR T細胞によるサイトカインの分泌
1.5.3−NQ−28−BB−zレンチウイルスベクターで形質導入し、ex vivoにおいて拡大増殖したCD4+T細胞およびCD8+T細胞を、照射Raji−ffLucCD20+リンパ腫細胞で再刺激した。24時間後に細胞の上清中の示されているサイトカインの分泌をLuminexアッセイによって測定した。(図16A)。凍結保存したCD4+CD20 CAR T細胞およびCD8+CD20 CAR T細胞を解凍し、K562細胞またはCD20を発現するK562細胞で再刺激し、24時間の時点で細胞内染色によってIFN−γについてフローサイトメトリーによって分析した。(図16B)。
(実施例10)
様々なCAR構築物のin vitro細胞傷害
セントラルメモリー(CD14−CD45RA−CD62L+)T細胞を、抗CD3/CD28抗体をコーティングしたビーズを用いて刺激し、24時間後に、示されているCAR構築物をコードするレンチウイルスベクターで形質導入し、in vivoで拡大増殖させた。14日目に、細胞を、(図17Aおよび17B)Raji−ffLuc細胞、および(図17B)Jeko細胞を標的として使用した標準の4時間51Cr放出アッセイにおけるエフェクターとして使用した。「19−BB−z」構築物は、臨床試験において使用される臨床グレードのCD19標的化CARであり、陽性対照として提供される。各CAR T細胞集団の特異的な標的細胞溶解が示されている。
(実施例11)
CD20 CAR T細胞の増殖
CD8+T細胞を1.5.3−NQ−28−BB−zレンチウイルスベクターで形質導入し(または模擬形質導入し)、ex vivoで拡大増殖させ、次いで、凍結保存した。次いで、細胞を解凍し、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色し、照射CD20+Raji−ffLucリンパ腫細胞、K562細胞、またはCD20を発現するK562細胞で再刺激した。4日後に細胞をフローサイトメトリーによって分析した。(図18A)CAR+細胞(CD3+/tCD19+についてゲーティングした)のCFSE希釈物が示されている。破線のヒストグラムは、培養培地のみにおけるT細胞のCFSE蛍光を示し、実線のヒストグラムは、標的細胞と共インキュベートしたT細胞である。(図18B)各群について、分裂した細胞の百分率が示されている。
(実施例12)
様々なCAR構築物のin vivo抗腫瘍活性
セントラルメモリー(CD14−CD45RA−CD62L+)T細胞を、抗CD3/CD28抗体をコーティングしたビーズを用いて刺激し、24時間後に、示されているCAR構築物をコードするレンチウイルスベクターで形質導入し、in vivoで拡大増殖させた。「19−BB−z」構築物は、本発明者らのセンターで臨床試験において使用される臨床グレードのCD19標的化CARであり、ベンチマーク対照として提供される。NSGマウスにRaji−ffLuc腫瘍細胞をi.v.注射し、続いて、2日後に、1.5.3−NQ−28−BB−z CAR、1.5.3−NQ−28−z CAR、JCAR−014(抗CD19−41BB−ζ)、または空ベクターで形質導入した、拡大増殖させたセントラルメモリー(CD14−CD45RA−CD62L+)T細胞をi.v.注射した。(図19A)生物発光画像化によって評価される経時的な腫瘍負荷;および(図19B)全生存のカプラン・マイヤープロット。
(実施例13)
マントル細胞リンパ腫に対するCD20 CAR T細胞のin vivo活性
CD4+CD20 CAR T細胞およびCD8+CD20 CAR T細胞を1.5.3−NQ−28−BBz CARで形質導入し、7日前にGranta−ffLucマントル細胞リンパ腫細胞を尾静脈に接種したNSGマウスを処置するために使用した。全生存のカプラン・マイヤープロットが図20に示されている。
(実施例14)
in vivoにおけるCAR T細胞の持続性および関連する生理学的効果
Raji−ffLuc播種性腫瘍を担持するNSGマウスにおけるCD20 CAR T細胞または空ベクターtCD19発現T細胞のいずれかの注入後の逐次的な時点で後眼窩血液試料を得た。各時点でtCD19形質導入マーカーを発現するCD20 CAR T細胞をフローサイトメトリーによってヒトCD3+/マウスCD45陰性/ヒトCD19+細胞として定量した。(図21A)注入後の3つの時点でのtCD19+T細胞が血液中の総有核細胞の百分率として示されている(CAR T細胞群において最初n=9)。空ベクターマウスからの切断されたCD19+細胞が参照として示されている。(図21B)別々の実験において、各群(空ベクター 対 CAR T細胞)における2匹のマウス由来のtCD19+細胞が毎週の測定値とともに縦方向に示されている。
さらに、CD20 CAR T細胞で処置したマウスを毒性の徴候について、体重、全般的な挙動および外観、身体活動、姿勢、毛づくろいの癖、皮膚色、下痢の存在、眼、口、もしくは皮膚の炎症の徴候、嗜眠、または重症の貧血の徴候(青白い耳介もしくは足もしくは粘膜)に基づいてモニターした。CD20 CAR T細胞を用いた11回の実験にわたって、いずれのマウスにおいてもT細胞に関連する毒性の徴候は観察されなかったが、例外として、後の時点で一部のマウスに異種移植片対宿主病の所見が生じた。この所見は、CD20 CAR T細胞を受けたマウスならびに空ベクター細胞を受けたマウスのどちらにおいても生じ、したがって、CARベクターに関連するものではなく、異種T細胞移入の公知の結果である。各実験において、各マウスの体重を1週間当たり少なくとも3回記録し、これは、生涯の最後の数日間に体重減少が生じた末期腫瘍進行を経験したマウス以外は概して安定であった(データは示していない)。
最後に、2回の実験においてマウスのサブセットから血液試料を取得して動物の生理機能を決定した。第1の実験では、Grantaマントル細胞リンパ腫腫瘍を担持するマウスを形質導入されていないT細胞、CD20+TM−LCL細胞で再刺激されていないCD20 CAR T細胞、またはTM−LCL細胞で再刺激されたCD20 CAR T細胞のいずれかを用いて処置した(新鮮に注入するか、または、まず凍結保存し、次いで解凍し注入した)。処置したマウスの後眼窩血液試料における血中尿素窒素(BUN)およびクレアチニンを使用して腎機能を測定し、アラニンおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ALTおよびAST)を使用して肝機能を測定し、白血球数(WBC)、ヘモグロビン、および血小板数によって骨髄機能を測定した(データは示していない)。無処置のマウスと比較して、CAR T細胞で処置したマウスにおいてBUNもしくはクレアチニンの増加も肝機能の有意な変化も見られなかった。TM−LCL細胞で再刺激していないCAR T細胞で処置したマウスでは、無処置のマウスと比較してWBCが降下したが、これは、TM−LCLで再刺激したT細胞で処置したマウスでは観察されなかった。TM−LCLで再刺激したCAR T細胞で処置したマウスではヘマトクリットのわずかな降下が観察されたがヘモグロビンでは観察されなかったが、これは、再刺激されていないCAR T細胞を受けたマウスにおいては見られなかった。血小板数は、再刺激されていないCAR T細胞を受けたマウスでは増加したが、再刺激されたCAR T細胞を受けたマウスでは有意な変化は見られなかった。
第2の実験では、Raji−ffLuc腫瘍を担持するマウスを低用量(マウス当たりCAR+細胞1×106個)または高用量(マウス当たりCAR+細胞5×106個)のいずれかを用いて処置し、腎機能および肝機能を評価した。T細胞を受けたマウスではBUNがより高い傾向が見られたが、血清クレアチニンに変化はなかった(データは示していない)。肝臓トランスアミナーゼの上昇は観察されなかった。
(実施例15)
抗CD20 CAR療法の臨床研究
CD20特異的CAR、1.5.3−NQ−28−BB−zを発現するように形質導入した自己CD4+T細胞とCD8+T細胞の1:1混合物を用いた養子T細胞療法の安全性および最大耐量(MTD)を評価するために、I/II相試験をデザインした。本研究においてT細胞に形質導入するために使用した、この構築物を保有する自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクターは、ヒトCD20の大きな細胞外ループ内のエピトープを認識し、また、改変ヒトIgG1ヒンジ/スペーサー領域、ヒトCD28膜貫通および細胞内ドメイン、およびヒト4−1BBおよびCD3ζシグナル伝達ドメインと連結した1.5.3完全ヒトモノクローナル抗体由来のscFvをコードする第3世代HIV−1由来レンチウイルスである(図1A)。ベクターはまた、CAR T細胞をin vivoで追跡することを容易にする自己切断性E2AエレメントによってCARカセットから分離された非機能性の切断された細胞表面ヒトCD19(tCD19)をコードする。CD19の切断により、細胞内ドメインが19アミノ酸に短縮され、リン酸化部位としての機能を果たす全てのチロシン残基が除去されるが、抗CD19抗体によって認識される細胞外エピトープは保持される。例えば、持続性B細胞形成不全の場合では、CAR T細胞を排除するためにtCD19をCD19標的化抗体または抗体−薬物コンジュゲートの標的として使用することもできる。
抗CD20 CAR T療法を調査した以前の試みにより、いくらかの成功が示されたが、トランスフェクション効率が低いこと(<0.1%)により、抗生物質の選択および持続的なex vivo成長が必要になり、その結果、低CAR発現およびT細胞消耗が生じた(例えば、Tillら、Blood、119巻(17号):3940〜3950頁、2012年;Tillら、Blood、112巻(6号):2261〜2271頁、2008年;Wangら、J. Clin. Immunol.、155巻(2号):160〜75頁、2014年;da Silvaら、Blood ASH Annual Meeting Abstracts: 抄録#1851、2016年を参照されたい)。
少なくとも1つの以前の療法レジメンへの応答後に再発したまたは以前の療法に不応性である、マントル細胞、濾胞性、リンパ形質細胞性、辺縁帯、形質転換した低悪性度B細胞リンパ腫(形質転換したCLLを含む)、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含めたB細胞非ホジキンリンパ腫の被験体30名が臨床試験に登録される。重大な適格性基準は、18歳またはそれよりも上であること(任意の性別、人種、または民族性);CD20発現の証拠を伴う測定可能な疾患;女性参加者は妊娠中でも授乳中でもない可能性があること;臨床プロトコールにおいて定義される適切な肝機能、腎機能、肺機能、心機能、および血液機能;活動性の中枢神経系への転移または過去/現在の臨床的に意義のある中枢神経系の病理がないこと;全身免疫抑制療法を必要とするHIVも、活動性の制御されていない感染も、活動性の自己免疫疾患もないこと。
新規DLBCLの患者は、以下の基準のうちの1つを満たさなければならない:
・アントラサイクリンとリツキシマブまたは他の抗CD20抗体の両方を含有する最先端のレジメン後に生検により診断された不応性疾患(すなわち「一次不応性」)、ここで、レジメンが完了してから3カ月以内に再発したすべての疾患が不応性とみなされる。
・以下の少なくとも1つの後に再発したまたは不応性疾患:
〇少なくとも2系統の療法(アントラサイクリンおよび抗CD20抗体を用いた少なくとも1つを含む)自己幹細胞移植
〇同種異系幹細胞移植
一般的な処置スキームの図は図24に提示されており、CAR T細胞の投与の製剤およびモデルの図表示は図25Aおよび25Bに提示されている。
各患者に白血球アフェレーシスを実施して末梢血単核細胞を得る。静脈間アフェレーシスに不適格な患者には、経皮中心静脈カテーテルを設置してこの回収を可能にすることを選択することができる。ヘマトクリットが少なくとも38%であり、総非悪性(正常な)リンパ球数が>2000/mclである、アフェレーシスに不適格な患者は、CAR T細胞の生成に必要なPBMCを得るための血液400mlの静脈切開術を受けることができる。この手法は、用量レベル0(1kg当たりtCD19+細胞1×105個)、1(1kg当たりtCD19+細胞3.3×105個)および2(1kg当たりtCD19+細胞1×106個)に登録された患者にのみ行われる。参加者は、白血球アフェレーシスの前に腫瘍生検を受ける。リンパ節への接近可能性に応じて腫瘍生検および白血球アフェレーシスの前、またはその後にPET CTを実施することができる。
各患者について、標準の非動員白血球アフェレーシスによって得た自己末梢血単核細胞(PBMC)産物からCAR T細胞を製造する。PBMCに免疫磁気選択を行ってCD8+T細胞およびCD4+T細胞を別々に濃縮し、各サブセットを別々に、抗CD3/CD28常磁性ビーズで刺激し、その後、完全ヒト第3世代CD20特異的CARおよびtCD19形質導入マーカーをコードする1.5.3−NQ−28−BB−ζレンチウイルスベクターを用いて形質導入する。形質導入T細胞を拡大増殖し、次いで、CD20を発現している標的細胞株で再刺激して成長をブーストし、さらにex vivoで拡大増殖させ、次いで、CD4/CD8比1:1に製剤化して、注入のために指定の細胞用量を達成する。細胞産物を新鮮に注入することもでき、凍結保存し、次いで解凍し、洗浄し、そして注入することもできる。
CD20 CAR T細胞産物は、1:1の比のtCD19+CD4+細胞とtCD19+CD8+T細胞からなり、tCD19は、CARと同時発現し、CAR+細胞を同定する形質導入マーカーである。各患者について生成されたCD20 CAR T細胞産物は、製造のすぐ後に新鮮な細胞として与えることもでき、まず凍結保存し、液体窒素冷凍庫内で保管し、次いで、解凍した細胞を洗浄して残留する凍結保護物質を除去し、次いで、注入用に製剤化することもできる。細胞の総数は、解凍からの回収中の細胞の喪失を説明するため、および臨床プロトコールで指定されている細胞用量レベルを達成するために十分なものにする。CD4+T細胞およびCD8+T細胞の総比率は、個々のサブセットの形質導入は同様であるが個々の患者では同一ではないので、1:1とは異なる可能性がある。このような理由で、サブセットを別々に形質導入して形質導入T細胞の正確な製剤を可能にすることができる。この比についての理論的根拠は、動物モデルにおけるCD4
CAR T細胞とCD8 CAR T細胞の相乗作用を実証している公開された研究(Sommermeyerら、Leukemia、2015年)、および、あらゆる患者が異なる組成物を受ける場合には難しい、毒性および有効性の評価を補助するために全ての患者に均一な細胞産物を提供するという本発明者らの目的に基づく。
CD20 CAR T細胞を、速度制御冷凍庫内で凍結保存するためにCryoStor CS10(登録商標)または他の適切な凍結保存培地に懸濁させる。凍結保存された細胞を液体窒素冷凍庫の気相に保存する。新鮮なまたは解凍したCD20 CAR T細胞をNormosol+1%HSAに再懸濁させ、臨床プロトコールで指定されている総細胞用量レベルで移入用パックに移すことができる。製剤化された産物を2〜8℃で保管し、次いで、投与のためにUniversity of WashingtonまたはSeattle Cancer Care Allianceのいずれかの臨床の場に冷蔵ゲルパックで移入させる。産物をFHCRC Cell Processing Facilityからリリースする。細胞産物は、研究参加者に製剤化から6時間以内に注入されなければならない。FHCRC Cell Processing Facilityは、分配の記録および調査産物の返却(適用可能な場合)に責任を負う。
患者は、CD20 CAR T細胞の注入の36〜96時間前にリンパ球枯渇化学療法を受ける。化学療法薬の最後の用量とT細胞注入との間には少なくとも36時間の間隔を空けなければならない。化学療法の投与の目標は、移入T細胞の生存を容易にするためにリンパ球枯渇をもたらす、およびCD20 CAR T細胞の注入前の腫瘍負荷を低下させるためのものである。プロトコールの統計学的考察において概説したとおり、患者は、最初に、シクロホスファミド(CY)i.v.1g/m2の単回用量で処置される。しかし、奏効率が不十分である場合、リンパ球枯渇レジメンを、その後に患者がCY+フルダラビンを受けるように変化させる。
参加者は、CD20 CAR T細胞を受ける前に、プロトコールにより禁じられているいかなる肺毒性、心血管毒性、肝毒性、腎毒性、または神経毒性が発生していないこと;制御されていない活動的かつ重篤な感染が発生していないこと;およびT細胞注入の30日以内に他の調査薬剤を用いた処置を受けていないこと確実にするために評価される。
CD20 CAR T細胞産物を投与する前の前投薬は必要ない。標準の前投薬は研究者の自由裁量で使用することができる。
各患者は、リンパ球枯渇化学療法が完了してから36〜96時間後にCD20 CAR
T細胞の単回の静脈内注入を受ける。各患者に投与されるCD20 CAR T細胞の用量は、臨床プロトコールに記載されている統計学的設計に従って決定される。以下の表2に用量レベルが示されている。第1の注入でCRが生じなかった場合、またはCR後に疾患が再発した場合には、CD20 CAR T細胞の第2の注入を行うことができる。この目的のために、患者は、以下の臨床プロトコールに指定されている基準を満たさなければならない。
細胞投与:1:1の比のCD4
+CD20 CAR T細胞およびCD8
+CD20 CAR T細胞の個々のアリコートから合わせた単一細胞産物を、各被験体に対する指定の細胞用量でおよそ20〜30分にわたって静脈内に投与する。指定のT細胞用量は、ベクター内のCARと協調的に発現する切断されたCD19形質導入マーカーの発現によって決定されるCAR
+T細胞を指す。提唱されたプロトコールの下で投与のために計画された用量レベルは、以下のとおりである:
全ての患者を各T細胞注入中モニターする。生命徴候(酸素飽和度を含む)を注入前および注入中、ならびに注入後1時間ごとに2時間にわたって記録すべきである。酸素飽和度は、T細胞注入中およびT細胞注入後2時間にわたって、連続的なパルスオキシメトリーを用いてモニターすべきである。被験体は、注入後最低でも2時間、または、外来患者としての試験被験体に有意なリスクをもたらすとみなされるあらゆる注入に関連する毒性が消散するまで細胞注入ユニットに留まる。
注入速度:各細胞注入は、静脈内におよそ20〜30分にわたって投与されるべきであり、非経口薬物についての内毒素限界(£5 EU/kg/時間)に関するガイドラインに従って必要に応じて調整される。被験体が、軽度の注入に関連する有害事象(グレード2またはそれ未満)を経験した場合にも注入速度を調整することができる。
この試験の主要目的は、CAR T細胞の最大耐量(MTD)を推定することである。これらの目的に関するMTDは、真の用量制限毒性率25%と定義され、DLTは、注入から28日以内に生じ、少なくとも4日間続き、トシリズマブ(tociluzimab)、デキサメタゾン、または他の抗炎症薬に対して応答性でない、CAR T細胞注入に起因するグレード3またはそれよりも高い非血液毒性と定義される。連続再評価方法(CRM)の改変を使用してMTDを推定する。改変は、患者を(1つではなく)2つの群で処置し、群間で1回用量レベルの最大の増加を可能にすることを含む。患者は、CD20 CAR T細胞を患者2名の第1群について用量レベル1から始まる4つの漸増用量レベルのうちの1つで単回の静脈内注入を受ける。各用量レベル(上記を参照されたい)で重篤な毒性を経験する患者の数を考慮に入れて、CRMアルゴリズムによって用量漸増または漸減を決定する。
用量漸増/漸減群の患者の処置は交互に行い、したがって、患者2名の各セット間で、注入後、次の用量レベルに漸増するまで最低28日の間隔が必要になる。これらの用量レベルを最初にCY単独と組み合わせて評価し、CR率を評価して、CY単独で十分な活性を有するかどうかまたはフルダラビンを追加するかどうか(CY/flu)を決定する。いずれかの基準がCY/fluへの切り換えに適合する場合、CRMを、暫定の推奨用量(CY単独で用いて)を下回る1回用量レベルから出発して、CY/fluと組み合わせて再度開始する。暫定の推奨用量は、これまでに評価された最大用量、またはmCRMに基づいて1回目、2回目および3回目の暫定分析につき8番目、16番目、または20番目の患者の後に選択された次の用量のいずれか低い方と定義される。この評価を合計30名の患者まで続ける。これらの基準のいずれも満たされない場合には、追加的な10名の患者にCYを単独で用いてCRM手法を続ける(合計30名の患者に達するまで)。第2の注入を受ける患者に関しては、DLTおよび有効性転帰を最初の注入の用量に基づいて評価する。
CD20 CAR T細胞を受ける患者では、腫瘍抗原と遭遇した後のT細胞活性化、増殖、およびサイトカイン分泌に起因する重篤な毒性が発生する可能性がある。サイトカイン放出症候群、マクロファージの活性化、および神経毒性が生じ、集中治療サポートが必要になる可能性があり、また、これらの毒性がコルチコステロイドおよび/またはトシリズマブを用いた4連続日の処置後に可逆的でない場合を除き、腫瘍のT細胞による認識に起因するとみなされる場合にはDLTとはみなされない。
100日目までの処置に関連する死亡の真の確率が20%を超える(用量にかかわらず)ことが示唆される十分な証拠がこれまでに存在する場合、PI、試験モニター、統計学者、およびDSMBによる詳細な再調査の間、患者の登録は一時中断する。この目的のための十分な証拠は、下方80%信頼限界が20%を超える任意の観察された転帰と定義される。
有効性の予備評価を提供するための評価も実施する。試験の副次目的は、有効性の調査を含む(寛解率、無増悪生存期間、およびT細胞のin vivoにおける持続性に関して)。これらの分析では、最終的なリンパ球枯渇レジメン(CY単独またはCY/フルダラビン)と組み合わせた、全ての用量で処置された患者を使用し、用量に応じて転帰をモデリングして実施する。ロジスティック回帰モデルを使用してバイナリー転帰(CRおよびCR/PR)を評価する。コックス比例ハザードモデルを使用して事象までの時間転帰(PFS、OS)を評価する。これらのエンドポイントに関して形式的な統計学的仮説を検定するのではなく、推定値および関連する信頼区間を説明的にもたらす。
追加的な副次目的は、養子移入されたCD20 CAR T細胞の持続性に関する持続時間および養子移入されたCD20 CAR T細胞の移動を評価することである。CAR T細胞の持続性を評価するために、患者−レベル曲線下面積(AUC)を推定し、AUCの概算統計値を評価する。移動(CAR T細胞が処置後に存在する場合)は、10〜16日目に腫瘍内にCAR T細胞が存在すること、および該当する場合には28日目にBMが存在することと定義される。AUCおよび移動と臨床転帰との関連性は、大部分は、図式的な提示を含めて本質的に説明されるものである。
処置への抵抗性の生物学的原因の評価に関連する副次目的を評価するために、以下の分析を実施する。対応のあるt検定を使用して、ベースラインの腫瘍と処置後の腫瘍の間でバイオマーカープロファイルを必要であれば適切な転換を伴って比較する。ロジスティック回帰モデルを使用してベースラインのバイオマーカー値と応答の関連性を評価する。その時点で生検材料が取得された患者についてCR/PR時に測定された相関の関連性を評価するための、コックス比例ハザード回帰モデルを使用してランドマーク時間(landmark time)からの生存時間(PFSおよびOS)を測定する、1カ月の時点でCRまたはPRが達成された患者の間でのランドマーク分析。モデルは、全ての患者/用量レベルについての値を含み、用量レベルに関する変数を含む。
内因性抗腫瘍応答の発生およびエピトープ拡散(epitope spreading)も、大半は探索的な様式で評価した。各時点のデータを要約し、十分なデータを用いて、混合効果モデルを使用して時間により変動する転帰をモデリングした。実証されたエピトープ拡散を有する患者と有さない患者の間で示差的な遺伝子発現分析を行って免疫応答に関連するバイオマーカーを同定する。
試験においてCRを達成できなかった患者、または完全奏効(CR)が達成されたが後で再発した患者、CD20 CAR T細胞の第2の注入を受けることを望む患者は、十分な数のCD20 CAR T細胞を産生することができ、かつ以下に列挙されている基準を満たすという条件で、CD20 CAR T細胞の第2の注入を受けるのに適格であり得る:
a.第1のT細胞注入後に疾患が持続している、またはCR後に腫瘍が再発した証拠が存在すること
b.用量を制限するまたは用量漸減が必要な、第1の注入に帰する毒性がなかったこと
c.患者が第1のT細胞注入から30日以上経っていること
d.臨床的および/または実験室除外基準がないこと(CRを達成し、後で再発した患者は、腫瘍細胞上の進行中のCD20発現を実証する再発後生検を有さなければならない)
参加者は、スクリーニング時、リンパ球枯渇化学療法の前、T細胞注入中、および各T細胞注入後の合間に評価を受ける。臨床プロトコールに従った安全性および毒性評価のために以下のデータを得る:
・病歴ならびにT細胞注入の前およびT細胞注入後の合間の身体検査
・注入前および注入中のパルスオキシメトリー
・T細胞注入前およびT細胞注入後の合間の血液検査、肝臓検査、腎臓検査、および電解質血液検査
・T細胞注入前およびT細胞注入後の合間の、腫瘍崩壊症候群、凝固障害、およびサイトカイン放出症候群について評価する臨床検査
・NCI CTCAE バージョン4.0に従った毒性悪性度分類
・血清サイトカインレベル
・B細胞再構成
・血清免疫グロブリンレベル
・複製コンピテントレンチウイルス検査
・遺伝子改変されたT細胞の持続性
・有害事象報告
上に記載の種々の実施形態をさらなる実施形態を提供するために組み合わせることができ。本明細書で言及された、および/または出願データシートに示された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物のすべては、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。さらなる実施形態を提供するために様々な特許、出願および刊行物の概念を用いることが必要である場合、実施形態の態様を修正することができる。
上記の詳細な説明に照らして実施形態についてこれらおよび他の変更を行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書および特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、すべての可能な実施形態、加えてそのような特許請求の範囲により権利が与えられる同等物のすべての範囲を含むと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示に限定されない。