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JP2022080051A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2022080051A JP2020191001A JP2020191001A JP2022080051A JP 2022080051 A JP2022080051 A JP 2022080051A JP 2020191001 A JP2020191001 A JP 2020191001A JP 2020191001 A JP2020191001 A JP 2020191001A JP 2022080051 A JP2022080051 A JP 2022080051A
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Abstract

【課題】 ポンプアウト抑制効果の高い高信頼性の熱伝導グリースを簡易的に判別・選択し、高信頼性の熱伝導グリースを用いた半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】 候補となる熱伝導グリースの、温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力FTを得る工程と、半導体装置の管理温度範囲で、FTが100Pa以上200Pa以下を満たす熱伝導グリースを選択する工程と、積層基板2上に実装された半導体素子1を含む樹脂封止体10を、前記選択する工程にて選択された熱伝導グリース8を介して、冷却器9に取り付ける工程とを含む、半導体装置の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は半導体装置の製造方法に関する。本発明は、熱伝導グリースのポンプアウト抑制効果に優れ、長期信頼性の高い半導体装置の製造方法に関する。
電力制御のスイッチング用途に用いられるパワーモジュールは、一般的に、金属ワイヤやリードフレーム、金属ピンで配線された半導体素子が、積層基板上にはんだで接合され、これらが樹脂により封止された構造を備える。このようなパワーモジュールには、半導体素子で発生する熱を冷却するために、冷却器が取り付けられる。通常、パワーモジュールと冷却器の接触面には、表面粗さによる凹凸があるために、熱伝導性の低い空気層が形成されてしまう。そのため、接触面での放熱性を向上する目的で、パワーモジュールと冷却器の間には、熱伝導性の高い粘弾性体である熱伝導グリースを適用する。
パワーモジュールに熱伝導グリースを適用した場合、半導体素子の発熱によってパワーモジュールが反り変形し、熱伝導グリースがパワーモジュールの外側に押し出される機械的要因のポンプアウトが発生する。その結果としてパワーモジュールの熱抵抗が上昇する場合がある。また、パワーモジュールの高温動作中には、熱伝導グリースの化学的要因であるオイルの染み出し、オイルの揮発、酸化劣化などによっても、パワーモジュールの熱抵抗が上昇してしまう場合がある。
熱伝導グリースの信頼性を評価する方法としては、一般的にΔTjパワーサイクルやΔTcパワーサイクル試験が実施されてきた。しかしながら、これらの試験方法は、多大な試験時間を要する。そのため、より簡便な代替的な方法として、ポンプアウト抑制効果の高い熱伝導グリースを判別する評価方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1は、カッソン式に基づき、ずり応力の1/2乗とずり速度の1/2乗をプロットした直線のy軸切片から降伏値を得て、熱伝導グリースを評価する方法を開示している。
特開2014-4468号公報
しかしながら、特許文献1で提案された方法は、熱伝導グリースの20℃での降伏値を評価するに過ぎず、パワーモジュールの実動作温度を想定した評価としては十分ではない。一方、実動作を模擬したパワーサイクル試験を行って評価する場合、多大な時間がかかっていた。
上記の問題を鑑み、本発明の目的は、ポンプアウト抑制効果の高い高信頼性の熱伝導グリースを簡易的に判別・選択し、選択された熱伝導グリースを用いて高信頼性の高い半導体装置を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、半導体装置の管理温度範囲にて、熱伝導グリースの貯蔵弾性率と損失弾性率の値が等しくなるときのせん断応力値を評価することにより、熱伝導グリースのポンプアウト特性を得ることに想到し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は一実施形態によれば、半導体装置の製造方法であって、
候補となる熱伝導グリースの、温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力Fを得る工程と、
半導体装置の管理温度範囲において、Fが100Pa以上200Pa以下である熱伝導グリースを選択する工程と、
積層基板上に実装された半導体素子を含む樹脂封止体を、前記選択する工程にて選択された熱伝導グリースを介して、冷却器に取り付ける工程と
を含む。
前記半導体装置の製造方法において、前記管理温度範囲が、25℃から175℃であることが好ましい。
前記半導体装置の製造方法において、前記候補となる熱伝導グリースの貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定する工程をさらに含むことが好ましい。
前記半導体装置の製造方法において、前記測定する工程が、振動レオメータ測定により行われることが好ましい。
前記半導体装置の製造方法において、前記樹脂封止体が、長手方向寸法/短手方向寸法の値が、1.5以上の封止体であることが好ましい。
前記半導体装置の製造方法において、前記半導体素子が、SiまたはSiCから選択されることが好ましい。
本発明によれば、熱伝導グリースを実機に適用した場合におけるポンプアウト特性を評価することでき、熱伝導グリースの適用検討に要する開発時間を削減した、効率的な半導体装置の製造方法が可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係るパワーモジュールの構成を示す概念的な断面図である。 図2は、実施例のグリース1を用いて製造したパワーモジュールにおいてパワーサイクル試験を行った後の導電性板裏面を撮像した写真である。 図3は、実施例のグリース3を用いて製造したパワーモジュールにおいてパワーサイクル試験を行った後の導電性板裏面を撮像した写真である。 図4は、5種の熱伝導グリースの25℃におけるせん断応力-ひずみ曲線である。 図5は、5種の熱伝導グリースの125℃におけるせん断応力-ひずみ曲線である。 図6は、5種の熱伝導グリースの175℃におけるせん断応力-ひずみ曲線である。 図7は、図4~6の各グラフにおいて、ひずみが300%の時のせん断応力(降伏応力)を、横軸を温度としてプロットしたグラフである。 図8は、5種の熱伝導グリースについて、T=25℃においてせん断応力を掃引したときに得られる貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の比(tanδ)を示したグラフである。 図9は、5種の熱伝導グリースについて、T=125℃においてせん断応力を掃引したときに得られる貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の比(tanδ)を示したグラフである。 図10、5種の熱伝導グリースについて、T=175℃においてせん断応力を掃引したときに得られる貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の比(tanδ)を示したグラフである。 図11は、5種の熱伝導グリースについて、温度T(25℃、125℃、175℃)に対して、図8~10から取得したFをプロットしたグラフである。 図12は、5種の熱伝導グリースについて、温度Tに対して、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の比(tanδ)をプロットしたグラフである。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明は一実施形態によれば、半導体装置の製造方法に関する。本実施形態による半導体装置の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)候補となる熱伝導グリースの、温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力Fを得る工程
(2)半導体装置の管理温度範囲で、Fが100Pa以上200Pa以下を満たす熱伝導グリースを選択する工程
(3)積層基板上に実装された半導体素子を含む樹脂封止体を、前記選択する工程にて選択された熱伝導グリースを介して、冷却器に取り付ける工程
上記製造方法により製造される半導体装置について説明する。半導体装置は、積層基板上に実装された半導体素子を含む樹脂封止体が、選択された所定の熱伝導グリースを介して、冷却器に取り付けられたものであってよい。
図1は、本実施形態に係る製造方法により製造される半導体装置の一例である、パワーモジュールの概念的な断面図である。図示するパワーモジュールは冷却器9上に熱伝導グリース8を介して樹脂封止体10が配置されている。樹脂封止体10は、積層基板2上に、はんだ接合層3にて接合された半導体素子1と、半導体素子1にはんだ接合層4で接合されたインプラントピン5と、インプラントピン5に接続された配線基板6とを封止樹脂7にて封止してなる。
半導体素子1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)あるいはダイオードチップ等のパワーチップであり、種々のSiデバイス、SiCデバイス、GaNデバイスなどを用いることができる。また、これらのデバイスを組み合わせて用いても良い。例えば、Si-IGBTとSiC-SBDを用いたハイブリッドモジュールなどを用いることができる。半導体素子の積層基板への搭載数は、1つであってもよく、複数搭載することもできる。
積層基板2は、絶縁基板22とその一方の主面に形成される第1導電性板21と、他方の主面に形成される第2導電性板23とから構成することができる。絶縁基板22としては、電気絶縁性、熱伝導性に優れた材料を用いることができる。絶縁基板22の材料としては、例えば、Al、AlN、SiNなどが挙げられる。特に高耐圧用途では、電気絶縁性と熱伝導率を両立した材料が好ましく、AlN、SiNを用いることができるが、これらには限定されない。第1導電性板21、第2導電性板23としては、加工性の優れているCu、Alなどの金属材料を用いることができる。このようなCu等からなる導電性板のうち、半導体素子1と接していない第2導電性板23を、裏面銅箔または裏面導電性板と指称することもある。また、第1導電性板21、第2導電性板23は、防錆などの目的で、Niめっきなどの処理を行ったCu、Alであっても良い。絶縁基板22上に第1導電性板21、第2導電性板23を配設する方法としては、直接接合法(Direct Copper Bonding法)もしくは、ろう材接合法(Active Metal Brazing法)が挙げられる。積層基板の変形例として、図示はしないが、絶縁基板上に、非連続的に2つの第1導電性板が設けられ、一方が、半導体素子と接合される電極、他方がリードフレーム等の導電性接続部材と接続される電極として機能する態様も可能である。
はんだ接合層3、4は、鉛フリーはんだを用いて形成することができる。例えば、Sn-Ag-Cu系、Sn-Sb系、Sn-Sb-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Sb-Ag-Cu系、Sn-Cu-Ni系、Sn-Ag系はんだ合金などを用いることができるが、これらには限定されない。また、ナノ銀粒子の焼結体などの微小金属粒子を含む接続材を用いて接合層を形成することもできる。
配線基板6としては、ポリイミドフィルム基板やエポキシフィルム基板にCu、Alなどの導電層が形成されているものを用いることができる。インプラントピン5としては、銅を用いた銅ピンを用いることができる。配線基板6の導電層も、インプラントピン5も、CuやAlに、防錆などの目的でNiメッキなどの処理を施したものであってもよい。
熱伝導グリース8は、樹脂封止体10と冷却器9の間に層状に塗布される。特には、熱伝導グリース8は、樹脂封止体10から露出した第2導電性板23と接触して、半導体素子1が発する熱を冷却器9に伝える。本発明の製造方法においては、特定の温度範囲にて特定の物性を備える熱伝導グリース8を選択する工程を備える。詳細は後述する。
冷却器9としては、熱伝導性に優れた銅やアルミニウムなどの金属が用いられる。また、腐食防止のために、冷却器9にNiおよびNi合金を被覆することもできる。冷却器9は、板状のものでも良いし、冷却フィンを有しても良い。また、冷却器9は、その内部を水などの冷媒が通るように構成された水冷冷却器でも良い。冷却器9の、樹脂封止体10の裏面と熱伝導グリースを介して対向する面(冷却器9上面)は平坦であることが好ましい。
封止樹脂7は、半導体装置の絶縁封止のための樹脂として一般に用いられるものであればよく、特には限定されないが、熱硬化性樹脂主剤と、無機充填材とを含み、任意選択的に硬化剤、硬化促進剤、及び添加剤をさらに含むものであってよい。
熱硬化性樹脂主剤としては、特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂等を挙げることができる。中でも、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が、寸法安定性や耐水性・耐薬品性および電気絶縁性が高いことから、特に好ましい。具体的には、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
脂肪族エポキシ樹脂とは、エポキシ基が直接結合する炭素が、脂肪族炭化水素を構成する炭素であるエポキシ化合物をいうものとする。したがって、主骨格に芳香環が含まれている化合物であっても、上記条件を満たすものは、脂肪族エポキシ樹脂に分類される。脂肪族エポキシ樹脂を単独で、または二種類以上混合して使用することができる。また、ナフタレン型エポキシ樹脂や3官能以上の多官能型エポキシ樹脂はガラス転移点温度が高いため、これらのエポキシ樹脂を含むことで耐熱性を向上させることができる。
脂環式エポキシ樹脂とは、エポキシ基を構成する2つの炭素原子が、脂環式化合物を構成するエポキシ化合物をいうものとする。脂環式エポキシ樹脂としては、単官能型エポキシ樹脂、2官能型エポキシ樹脂、3官能以上の多官能型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。脂環式エポキシ樹脂も、単独で、または異なる二種以上の脂環式エポキシ樹脂を混合して用いることができる。なお、脂環式族エポキシ樹脂を酸無水物硬化剤と混合して硬化すると、ガラス転移温度が高くなるため、脂肪族エポキシ樹脂に脂環式族エポキシ樹脂を混合して用いると高耐熱化を図ることができる。熱硬化性樹脂主剤は、上記の脂肪族エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを混合したものであってもよく、混合する場合の混合比は任意であってよい。
無機充填材は、金属酸化物または金属窒化物であってよく、例えば、溶融シリカ、シリカ(酸化ケイ素)、アルミナ、水酸化アルミニウム、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げられるが、これらには限定されない。無機充填材は、単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの無機充填材は、マイクロフィラーであってもよく、ナノフィラーであってもよく、粒径及びまたは種類が異なる2種以上の無機充填材を混合して用いることもできる。
本実施形態による熱硬化性樹脂組成物には、任意選択的な成分として、硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、熱硬化性樹脂主剤、好ましくはエポキシ樹脂主剤と反応し、硬化しうるものであれば特に限定されないが、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましく、例えば芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物等を挙げることができる。硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂主剤100質量部に対し、50質量部以上であって170質量部以下程度とすることが好ましく、80質量部以上であって150質量部以下程度とすることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、さらに、任意選択的な成分として、硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、イミダゾールまたはその誘導体、三級アミン、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、有機酸金属塩等を適宜配合することができる。硬化促進剤の添加量は、熱硬化性樹脂主剤100質量部に対して、0.01質量部以上であって50質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部以上であって20質量部以下とすることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、また、その特性を阻害しない範囲で、任意選択的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、難燃剤、樹脂を着色するための顔料、耐クラック性を向上するための可塑剤やシリコーンエラストマーが挙げられるが、これらには限定されない。これらの任意成分、およびその添加量は、半導体装置及び/または封止材に要求される仕様に応じて、当業者が適宜決定することができる。
本発明において製造される半導体装置は、図示する態様、形状の装置には限定されず、様々な変形態様が可能である。樹脂封止体は、樹脂ケースを有し、そのケース内にて積層基板と半導体素子が樹脂封止されている態様であってもよい。半導体素子と積層基板の電極や取出し端子は、導電性接続部材であるリードフレームで接続され、半導体素子と外部端子はアルミワイヤにて接続されていてもよい。配線基板は、封止樹脂にて封止されていてもよく、封止樹脂の外部に設けられていてもよい。また、封止樹脂は、一種類の組成物からなる一層構造であっても、二種類以上の組成物からなる二層以上の積層構造であってもよい。図示しないこれらの変形態様も、本発明による樹脂封止体に含まれるものとする。
いずれの態様においても、樹脂封止体の裏面には、積層基板の裏面の第2導電性板および封止樹脂が露出している。第2導電性板の露出面(裏面)と封止樹脂面は凡そ面一でも良いし、第2導電性板が封止樹脂面から突出していても良いし、封止樹脂面が第2導電性板の露出面から突出していても良い。封止樹脂面が第2導電性板裏面より突出し、第2導電性板の周囲を囲むように封止樹脂が設けられた態様は、熱伝導グリースがポンプアウトしづらいので好ましい。第2導電性板裏面に対する封止樹脂面の突出量(段差)は、10~100μmが好ましい。100μmを超えて突出すると熱抵抗が大きくなり好ましくない。また、モジュールの熱変形による第2導電性板に反りが生じた場合でも、封止樹脂面が第2導電性板面より下方に突出するためには、突出量は10μm以上が好ましい。また、熱伝導グリースに含まれうるフィラーの平均粒子径が、通常、1μm~100μm程度なので、ポンプアウトを抑制するには突出量は10μm以上が好ましい。また、第2導電性板が封止樹脂面から突出する場合は、100μm以下が好ましい。第2導電性板が、100μmを超えて突出すると、熱伝導グリースが封止樹脂面側にポンプアウトし易くなるため好ましくない場合がある。
また、半導体装置は、積層基板の下にはんだ材等の接合材で樹脂封止体に接合された放熱板をさらに有しても良い。放熱板は金属等でできており、半導体素子から発する熱を放熱させる役割を有する。このように、樹脂封止体の裏面に露出した放熱板を有する場合は、放熱板は熱伝導グリースを介して冷却器に接続される。いずれの態様にて半導体装置を製造する場合も、後述する本発明の一工程である、樹脂封止体を、熱伝導グリースを介して冷却器に取り付ける工程を含む。
次に、本発明に係る半導体装置の製造方法における、具体的な工程について説明する。
(1)Fを得る工程
第1工程では、候補となる熱伝導グリースについて、管理温度範囲にある温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力を得る。本明細書において、熱伝導グリースについて測定した、温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力をFと定義する。
本工程において候補となる熱伝導グリースは、半導体装置において一般的に用いられる熱伝導グリースであってよく、グリースと、フィラーとを含んでいてよい。グリースは、例えば、シリコーン系またはノンシリコーン系のベースオイルに、繊維状構造体である増ちょう剤と、各種添加剤を含むものである。増ちょう剤としては、リチウム石けんなどの金属石けんを含むものと、ベントナイトなどの非石けん成分を含むものがあり、いずれであってもよい。また、添加剤としては、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤などの一般的な添加剤を含んでいてよい。フィラーは、熱伝導率の高いアルミナ、純アルミニウム、酸化亜鉛などであってよい。フィラーは、熱伝導性を向上させるために熱伝導グリースに添加することができる。フィラーの平均粒径は1μm~100μmが可能であり、10μm~50μmがより好ましい。この範囲であると、前記Fを容易に所定の範囲にすることができる。また、粒径が小さすぎると、グリースへの分散性が劣り、凝集しやすくなり、大きすぎると熱伝導グリースの粘弾性に悪影響を与える場合がある。また、フィラーの粒径は、熱伝導グリースの膜厚に関係し、所定の熱伝導グリースの膜厚より小さいことが好ましい。熱伝導グリースの塗布時の好ましい膜厚については後述する。
候補となる熱伝導グリースは、市販品から選択することもでき、上記のような成分を含む組成物を適宜調製することもでき、候補の選択範囲は特には限定されない。半導体装置の動作温度範囲となる、-40℃程度から175℃程度において必要とされる耐熱性や、粘度、熱伝導率等の観点から、候補となる熱伝導グリースを当業者が適宜決定することができる。なお、市販品の熱伝導グリースを候補として用いる場合に、市販品の粘度等の物性を調節する操作、例えば、加熱や光照射、成分の添加、除去等などを行った熱伝導グリースを候補とすることは好ましくない。半導体装置の製造において、操作後の熱伝導グリースを使用すると、特性の変動が大きく、工程管理が増加し、製品の品質が変動するおそれがあるためである。
本発明において、半導体装置の管理温度範囲とは、室温から半導体装置の動作温度上限までの温度範囲をいい、下限値をt、上限値をtとして、t≦T≦tで表すことができる。室温よりも低い温度領域では、熱伝導グリースのポンプアウト特性に対する温度の影響が小さいことが知られている。そのため、室温から半導体装置の動作温度上限までの温度範囲で熱伝導グリースのポンプアウト特性を管理すれば、半導体装置の動作温度範囲内における信頼性を確保することができる。下限値t及び上限値tの値は、製造する半導体装置の種類や用途によって異なり、本発明において限定されるものではない。一般的には、下限値tは常温、例えば20~25℃であってよい。上限値tは、例えば150~200℃程度であってよい。一例として、下限値tは25℃であってよく、上限値tは175℃であってよい。
貯蔵弾性率及び損失弾性率は、粘弾性体である熱伝導グリースのもつ物性値であり、いずれも温度に依存しうる値である。貯蔵弾性率はG’とも表記し、粘弾性体である熱伝導グリースの弾性(硬さ)を表す。損失弾性率はG’’とも表記し、熱伝導グリースの粘性を表す。本工程で得る損失弾性率G’’/貯蔵弾性率G’は、tanδと表記することもあり、損失正接ともいわれる。tanδは、粘弾性体における粘性の寄与度を表すパラメータである。本明細書において、所定温度Tにおける貯蔵弾性率をG’と、損失弾性率をG’’と表記し、また、G’’/G’をtanδと表記する場合がある。
貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G’ ’の値は、いずれも、所定温度T(℃)における振動レオメータ測定により得ることができる。測定時の押し込み厚さの条件は、最小の可能なグリース塗布厚み(Bond Line Thickness:BLT)の10倍程度とすることができ、概ね500μm程度以上とすることが好ましい。塗布厚みが小さいと、フィラー粒子間での相互作用、例えば衝突や接触の影響により、ノイズや誤差の発生を防止するためである。また、ひずみを印可する周波数は、1Hzとすることが好ましい。なお、測定時の押し込み厚さとは、振動レオメータで測定する際のグリースの膜厚である。また、tanδ=1となるせん断応力Fは、所定温度T(℃)における振動レオメータ測定において、せん断応力を掃引することによって得ることができる。具体的には、後述する実施例の図8から10において、縦軸のtanδが1の時のせん断応力(横軸)である。tanδ=1となるせん断応力は、当該温度Tにおいて、粘弾性体である熱伝導グリースが、弾性から粘性に変化するときに必要な応力を表す。
tanδの値は温度Tに依存するため、t≦T≦tを満たす温度範囲にて、温度Tにおけるtanδ、並びにtanδ=1となるせん断応力Fを得る。せん断応力Fは、t≦T≦tを満たす少なくとも3つの異なる温度において得ることが好ましい。温度に対して、弾性や粘性は単調に変化しない場合を考慮した測定が好ましいためである。また、後述する実施例において実証されたtanδの温度特性(図12)では、tanδは175℃で極大値をとっており、少なくとも3点調べれば挙動を把握することが可能である。例えば、T=tにおけるせん断応力Ft1、T=tにおけるせん断応力Ft2、とtのほぼ中間の値となる温度tにおけるせん断応力Ftmを得ることが好ましい。より詳細には、tが25℃、tが175℃の場合には、tは100~125℃とすることができ、T=25℃、125℃、175℃の3点にて測定することができる。しかしながら、せん断応力Fは4点、またはそれ以上の点において測定してもよい。
(2)熱伝導グリースを選択する工程
第2工程では、半導体装置の管理温度範囲で、Fが100Pa以上200Pa以下をとなる熱伝導グリースを選択する。本工程では、t≦T≦tの範囲内の複数の測定温度TにおけるFが100Pa以上200Pa以下の範囲内にあることを条件として、条件を満たす候補となる熱伝導グリースを抽出する。条件を満たす熱伝導グリースは、製造する半導体装置の所定の管理温度範囲、t≦T≦tにおいてポンプアウト抑制効果があると判断することができ、後述する第3工程にて使用する半導体装置の部材として選択される。
ここで、ポンプアウトについて説明する。ポンプアウトとは、パワーサイクルなどで繰り返しの温度変化を経ると、パワーモジュール自体、特に樹脂封止体が変形(反り)を繰り返し、その際に、熱伝導グリースが外に排出されてしまう現象をいう。本実施形態による製造方法の第1工程、第2工程により、ポンプアウトしにくい熱伝導グリースを選択することができる。一般的に、同じ熱伝導グリースを用いても、パワーモジュールの形状により、反りが大きいパワーモジュールほど、ポンプアウトが起こりやすくなる。そのため、第1工程、第2工程による熱伝導グリースの選択は、複数の半導体素子が長手方向に配置され、長手方向の寸法と、短手方向の寸法との比が大きい形状のモジュールにおいて、ポンプアウトの抑制に特に有効である。ここでいう長手方向の寸法、短手方向の寸法とは、積層基板面に平行な断面における、樹脂封止体の寸法をいうものとする。長手方向の寸法と、短手方向の寸法との比が大きいとは、例えば、長手方向の寸法/短手方向の寸法の値が1.5以上となることをいう。ポンプアウトの抑制に有効な、長手方向の寸法/短手方向の寸法の値は、例えば、1.5~4程度であってよく、2~3.5程度、または、2.5~3程度である場合もある。長手方向の寸法と、短手方向の寸法との比が大きい形状のモジュールとしては、例えば、図1に示すように、2つの積層基板から構成されるハーフブリッジを1つのモジュール内に備える2in1型がありうる。また、2in1を二組備える4in1型や、2in1型を三組備える6in1型においても、同様に本発明による熱伝導グリースの選択により、有効にポンプアウトを防ぐことができる。
第2工程には、任意選択的に、半導体装置の管理温度範囲における、熱伝導グリースの耐熱性をも評価して、熱伝導グリースを選択する工程を含んでもよい。耐熱性の評価は、熱伝導グリースに含まれるオイルの1%重量減少温度を測定することにより行う。1%重量減少温度が、先に定義した管理温度範囲よりも高い場合に、熱伝導グリースは耐熱性があると判断することができる。1%重量減少温度が管理温度範囲にあるか、これよりも低い場合は、熱伝導グリースに含まれるオイルが揮発しやすく、半導体装置の長期信頼性が低下するおそれがあるため、好ましくないと判断することができる。
候補となる熱伝導グリースがFの条件を満たさない場合は、当該熱伝導グリースは、本工程の基準によるポンプアウト抑制効果が十分ではなく、半導体装置の部材としては選択しないと判断することができる。また、任意選択的に、候補となる熱伝導グリースがオイルの1%重量減少温度の条件を満たさない場合は、長期信頼性が十分ではなく、半導体装置の部材としては選択しないと判断することができる。
なお、第1工程と第2工程は、半導体装置の管理温度でポンプアウトを抑制することができる熱伝導グリースの評価方法ということもできる。したがって、本発明は、上述の第1工程と第2工程とを含む熱伝導グリースの信頼性評価方法にも関する。
(3)取り付け工程
第3工程は、図1に例示される、積層基板2上に実装された半導体素子1を含む樹脂封止体10を、前記選択する工程にて選択された熱伝導グリース8を介して、冷却器9に取り付ける工程である。本工程は、選択した熱伝導グリース8を用いて半導体装置を組み立てる工程ともいうことができる。樹脂封止体10の製造は、封止体の構造に適合する通常の方法で実施することができ、特には限定されるものではない。例えば、図示する半導体装置を製造する場合には、積層基板2、半導体素子1、インプラントピン5、並びに配線基板6をはんだ接合層3、4にて接合し、適切な金型に載置する。次いで、封止樹脂7を金型に充填して、封止樹脂7に適合する加熱温度、加熱時間条件にて熱硬化することにより成形する。図示する実施形態には限定されず、樹脂封止体は、少なくとも導電性板の裏面が露出するように成形されればよい。成形法の例としては、真空注型、トランスファー成形、液状トランスファー成形、ポッティングなどが挙げられるが、所定の成形法には限定されない。
このようにして樹脂封止体10を製造し、熱伝導グリース8を塗布し、冷却器9と組み合わせて、半導体装置とする。具体的には、熱伝導グリースを樹脂封止体10の裏面に塗布し、冷却器9の所定の場所に配置し、ネジなど締結部材により、樹脂封止体10と冷却器9を固定する。この際、少なくとも第2導電性板23の裏面全体に熱伝導グリースを形成することが好ましい。放熱性能を向上させるために、第2導電性板23の露出面を含む樹脂封止体10の裏面全体に形成することがより好ましい。または、冷却器9の所定の場所に、マスクなどを用いて熱伝導グリース8の層を形成し、樹脂封止体10を配置し締結してもよい。マスクは、円形や多角形の開口部を複数設けたメタルマスク等であってよい。熱伝導グリースの塗布時の膜厚は、70~150μm程度とすることができる。塗布時の膜厚は、マスクの厚さにより調節することができる。塗布後、締結部材により、樹脂封止体10に冷却器9を締結した後の膜厚は、35~75μm程度とすることができる。熱抵抗の観点から、35~50μm程度とすることがより好ましい。35μmよりも膜厚が薄いと、均一な膜厚とならず、グリースの存在しない箇所ができるおそれがある。
本実施形態による半導体装置の製造方法によれば、従来技術によるパワーサイクル試験を経ることなく、簡便に熱伝導グリースを選択することができ、選択した熱伝導グリースを用いて、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例の範囲に限定されるものではない。
[候補となる熱伝導グリースの選定]
市販の5種類の熱伝導グリースを、候補となる熱伝導グリースとして選定した。表1に、候補となる熱伝導グリースの仕様を示す。
Figure 2022080051000002
[パワーモジュールの熱抵抗及びポンプアウト評価]
パワーモジュールの実動作における熱伝導グリースのポンプアウト耐性を評価した。図1に示す樹脂封止体に候補となる5種類の熱伝導グリースをそれぞれ実装し、パワーモジュールを製造した。図示するパワーモジュールにおいて、封止体の長手方向の寸法/短手方向の寸法の値は、2.6であった。これらのパワーモジュールに対し、ON時間を1秒、OFF時間を2秒として、ΔTjパワーサイクル試験を実施した。表2に、ΔTjパワーサイクル試験の条件及び試験前後の熱抵抗上昇率ΔRj(%)を示す。熱抵抗測定には、ΔTjパワーサイクル装置から、試験前と試験後の温度変化ΔTjを評価し、消費電力で除して熱抵抗を算出した。
Figure 2022080051000003
パワーサイクル試験後の樹脂封止体を冷却器から剥がして、裏面の導電性板を観察した。図2はグリース1、図3はグリース3を用いて製造したパワーモジュールにおいてパワーサイクル試験を行った後の導電性板裏面を撮像した写真である。図2では、グリース1が、実装初期状態(図示せず)と大きく変化することなく、導電性板上に保持されていることが視認された。図2では、白色とグレーのまだら模様のグリースが面全体に形成されている。これに対し、図3では、グリース3が導電性板上に残っておらず、枯渇(ポンプアウト)したことが確認された。図3では、左端部以外、グリースは抜け落ちている。図示はしないが、グリース2、4、5についても同様の写真を撮影した。グリース2はグリース1と概ね同様の結果であり。グリース4、5は、グリース3と同様にポンプアウトが確認された。以上より、表2に示す熱抵抗上昇ΔRjの主な要因は、モジュールの反り変形によって生じる熱伝導グリースのポンプアウトによるものと考えられる。
[熱伝導グリースの粘弾性評価]
5種類の熱伝導グリースについて、振動レオメータ測定によるせん断応力-ひずみ曲線、せん断応力の掃引に対して得られる貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’が一致する値(tanδ=1となる値)に基づいて、ポンプアウト抑制効果の高い熱伝導グリースを判別することを試みた。レオメータの測定条件は、パワーモジュールの実機を想定し、測定温度Tは25℃、125℃、175℃の条件でそれぞれ測定を実施した。振動レオメータとしては、Anton Paar社製 Physica MCR301を用い、ひずみを印可する周波数は1Hzとし、押し込み厚さはすべて500μmとした。
図4は25℃、図5は125℃、図6は175℃における、5種の熱伝導グリースについて測定したせん断応力-ひずみ曲線である。図7は、図4~6の各グラフにおいて、ひずみが300%の時のせん断応力(降伏応力)を、横軸を温度としてプロットしたグラフである。せん断応力-ひずみ曲線からは、一定せん断応力に対して、ひずみの小さい熱伝導グリースはパワーモジュールの外に押し出されにくいため、ポンプアウト抑制効果が高いと類推される。しかしながら、温度に対してのせん断応力-ひずみ曲線とそれぞれの熱伝導グリースの熱抵抗上昇ΔRjとの間での明確な相関はみられず、せん断応力-ひずみ曲線からポンプアウト抑制効果を判別することはできないことがわかった。
次に、せん断応力の掃引に対して得られる貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’が一致するときのせん断応力の値Fを評価した。図8はT=25℃、図9はT=125℃、図10はT=175℃において、各グリースに対し、せん断応力を掃引したときに得られる貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の比(tanδ)を示したものである。図11は、温度T(25℃、125℃、175℃)に対して、図8~10から取得したFをプロットしたグラフである。また、表3に各温度TにおけるFの測定値を示す。
Figure 2022080051000004
図11に示されるように、ΔTjパワーサイクル試験において熱抵抗上昇が起きなかったグリース1、2については、一般的なパワーモジュールの動作温度である室温(25℃)から175℃の温度範囲において、Fが100Paから200Paの間の値にあった。そして、100℃から175℃の温度領域に、Fの極大値をもつことがわかった。Fが大きいことは、熱伝導グリースが流動するために必要な力が大きいことを意味していると考えられ、その結果として、高いポンプアウト抑制効果が得られると想定される。なお、Fが200Paを超える熱伝導グリースは、半導体装置の製造においては塗布が困難であり、作業性の観点から好適とはいえない。
以上の検討により、上記の方法で降伏値を評価することで、ポンプアウト抑制効果の高い熱伝導グリースを判別することができた。
[室温での粘性とポンプアウト特性の相関]
5種類の熱伝導グリースについて、振動レオメータ測定により、室温におけるせん断粘度を評価した。せん断速度に対してせん断粘度をプロットし、せん断粘度が安定な値をとるせん断速度50sec-1における、グリース1からグリース5のせん断粘度を得た。結果を表4に示す。
Figure 2022080051000005
表4から、室温での粘性とポンプアウト特性は相関がないことが示された。
[熱伝導グリースの熱安定性]
5種類の熱伝導グリースについて、温度に対する安定性を評価するために、tanδの温度特性を調べた。温度Tに対してtanδの値をプロットしたグラフを図12に示す。このプロット結果は、熱伝導グリースの温度に対する安定性を示す指標となる。図12並びに下記表5に示すように、グリース1、2、4、5はtanδの最大値も小さく、変動幅も小さいことがわかった。
Figure 2022080051000006
[熱伝導グリースの耐熱性]
熱伝導グリースの選定にあたっては、パワーモジュールの実動作温度である100℃以上よりも高い温度において重量減の少ない、つまり、変質の少ないことが必要であり、高い耐熱温度を備えることも必要である。耐熱温度は、熱重量分析により評価した。熱重量分析の測定条件は、大気雰囲気下、温度範囲30℃~800℃、昇温速度20℃/min.とした。
表6は、熱重量分析から得られた本発明で評価した熱伝導グリースの耐熱温度(オイルの1%重量減少温度)である。
Figure 2022080051000007
熱伝導グリースの耐熱温度は、熱伝導グリースに含まれる成分のひとつであるオイルの揮発温度と想定される。ここでは、耐熱温度としてオイルの1%重量減少温度を熱伝導グリースの選定基準として評価した。オイルの1%重量減少温度は、後述する方法で算出する。熱伝導グリースに含まれるフィラーは熱重量分析の測定温度領域である30℃~800℃の間では熱分解しないため、重量減少分はオイル成分の割合に相当すると考えることができる。したがって、熱伝導グリース内のオイル成分の割合は、全体の重量100%から重量パーセントの極小値を減算したものに対応する。このオイル成分の割合を100%として換算し、その1%重量減少温度からオイルの1%重量減少温度を算出する。本発明では、この温度を熱伝導グリースの耐熱温度と定義している。ポンプアウトの少ないグリース1、2は、耐熱性も良好であった。
1 半導体素子
2 積層基板、21 第1導電性板、22 絶縁基板 23 第2導電性板、
3、4 はんだ接合層、5 インプラントピン、6 配線基板、7 封止樹脂
8 熱伝導グリース、9 冷却器、10 樹脂封止体
特開2012-4468号公報

Claims (6)

  1. 候補となる熱伝導グリースの、温度Tにおける損失弾性率/貯蔵弾性率=1となるせん断応力Fを得る工程と、
    半導体装置の管理温度範囲において、Fが100Pa以上200Pa以下である熱伝導グリースを選択する工程と、
    積層基板上に実装された半導体素子を含む樹脂封止体を、前記選択する工程にて選択された熱伝導グリースを介して、冷却器に取り付ける工程と
    を含む、半導体装置の製造方法。
  2. 前記管理温度範囲が、25℃から175℃である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記候補となる熱伝導グリースの貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記測定する工程が、振動レオメータ測定により行われる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記樹脂封止体が、長手方向寸法/短手方向寸法の値が、1.5以上の封止体である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記半導体素子が、SiまたはSiCから選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
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