生物学的配列の簡単な説明
配列番号1は、Cas9タンパク質をコードする合成核酸配列である。
配列番号2は、N末端核局在シグナル(NLS)配列のアミノ酸配列である。
配列番号3は、C末端NLS配列のアミノ酸配列である。
配列番号4は、デカ−ヒスチジン(10−H)タグを含むアミノ酸配列である。
配列番号5は、B.サブチリス(B.subtilis)aprEプロモーターを含む核酸配列である。
配列番号6は、Cas9フォワードプライマー核酸配列である。
配列番号7は、Cas9リバースプライマー核酸配列である。
配列番号8は、プラスミドpKB320骨格の核酸配列である。
配列番号9は、プラスミドpKB320の核酸配列である。
配列番号10は、pKB320フォワードプライマー核酸配列である。
配列番号11は、pKB320リバースプライマー核酸配列である。
配列番号12は、Cas9「リバースシーケンシングプライマー1」核酸配列である。
配列番号13は、Cas9「リバースシーケンシングプライマー2」核酸配列である。
配列番号14は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー1」核酸配列である。
配列番号15は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー2」核酸配列である。
配列番号16は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー3」核酸配列である。
配列番号17は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー4」核酸配列である。
配列番号18は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー5」核酸配列である。
配列番号19は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー6」核酸配列である。
配列番号20は、Cas9「フォワードシーケンシングプライマー7」核酸配列である。
配列番号21は、pRF694の核酸配列である。
配列番号22は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)野生型glcT ORF配列である。
配列番号23は、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT遺伝子標的部位の核酸配列である。
配列番号24は、glcT VTドメインをコードする合成核酸配列である。
配列番号25(AGG)は、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT標的部位の3ヌクレオチドPAM配列である。
配列番号26は、Cas9エンドヌクレアーゼ認識ドメインをコードする合成核酸配列である。
配列番号27は、glcTガイドRNA(gRNA)核酸配列を含む合成RNA配列である。
配列番号28は、glcT gRNAをコードする合成DNA配列である。
配列番号29は、rrnIp2プロモーター配列を含むバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)核酸配列である。
配列番号30は、ラムダファージt0ターミネーター核酸配列である。
配列番号31は、glcTgRNA発現カセットを含む核酸配列である
配列番号32は、アミノ酸残基67位のロイシン(L)(L67)をコードするヌクレオチド199位の上流(5’)にある500bp(相同アーム)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号33は、glcT 5’フォワードプライマー核酸配列である。
配列番号34は、glcT 5’リバースプライマー核酸配列である。
配列番号35は、アミノ酸残基67位のロイシン(L)(L67)をコードするヌクレオチド199位の下流(3’)にある500bp(相同アーム)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号36は、glcT 3’フォワードプライマー核酸配列である。
配列番号37は、glcT 3’リバースプライマー核酸配列である。
配列番号38は、pRF731の核酸配列である。
配列番号39は、pRF724の核酸配列である。
配列番号40は、rghR2遺伝子コドン24〜29の重複を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号41は、重複を有するrghR2遺伝子を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)rghR2核酸配列である。
配列番号42は、pRF694の8.3kb PCR産物である。
配列番号43は、pRF694フォワードプライマーである。
配列番号44は、pRF694リバースプライマーである。
配列番号45は、合成rghR2編集テンプレートgRNAカセットである。
配列番号46は、合成rghR2核酸配列編集テンプレートである。
配列番号47は、rghR2 gRNA発現カセットである。
配列番号48は、rghR2カセットフォワードプライマーである。
配列番号49は、rghR2カセットリバースプライマーである。
配列番号50は、プラスミドpBL.comK.を含む核酸配列である。
配列番号51は、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT遺伝子座である。
配列番号52は、合成glcT遺伝子座フォワードプライマーである。
配列番号53は、合成glcT遺伝子座リバースプライマーである。
配列番号54は、合成glcT遺伝子座フォワードシーケンシングプライマーである。
配列番号55は、配列番号56のglcT ORFによってコードされる変異GlcT(L67F)タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号56は、配列番号55の変異GlcT(L67F)タンパク質をコードする変異glcT ORF(C199T)を含む合成核酸配列である。
配列番号57は、rghr2遺伝子座を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号58は、合成rghR2遺伝子座フォワードプライマーである。
配列番号59は、合成rghR2遺伝子座リバースプライマーである。
配列番号60は、合成rghR2遺伝子座シーケンシングプライマーである。
配列番号61は、arghR2回復遺伝子座を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号62は、aprE 5’−UTRを含むB.サブチリス(B.subtilis)核酸配列である。
配列番号63は、改変aprE 5’−UTR(以下、「aprE mod−5’UTR」と称する)を含む合成核酸配列である。
配列番号64は、野生型5’−UTR(WT 5’−UTR)発現コンストラクトを含む合成核酸配列である。
配列番号65は、改変5’−UTR発現コンストラクトを含む合成核酸配列である。
配列番号66は、5’catH相同アームを含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号67は、catH遺伝子を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号68は、spoVGrrnIpハイブリッドプロモーターを含む合成核酸配列である。
配列番号69は、latシグナル配列を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号70は、変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)α−アミラーゼをコードするG.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)核酸配列である。
配列番号71は、latターミネーターを含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号72は、3’catH相同アームを含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)核酸配列である。
配列番号73は、変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)α−アミラーゼのアミノ酸配列である。
配列番号74は、野生型catH遺伝子座コンストラクトを含む合成核酸配列である。
配列番号75は、改変5’−UTR catH遺伝子座コンストラクトを含む合成核酸配列である。
配列番号76は、合成catH遺伝子座フォワードプライマーである。
配列番号77は、合成catH遺伝子座リバースプライマーである。
配列番号78は、合成catHフォワードシーケンシングプライマー1である。
配列番号79は、合成catHフォワードシーケンシングプライマー2である。
配列番号80は、合成catHフォワードシーケンシングプライマー3である。
配列番号81は、配列番号82の野生型GlcTタンパク質をコードするB.リケニフォルミス(B.licheniformis)野生型glcT遺伝子を含む核酸配列である。
配列番号82は、配列番号22のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT ORF又は配列番号81のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT遺伝子によってコードされる、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)野生型GlcTタンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号83は、6つのアミノ酸(AAAISR)の反復(重複):A32A33A34I35S36R37−A38A39A40I41S42R43を含む、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)変異RghR2タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号84は、回復(天然)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)RghR2タンパク質のアミノ酸配列である。
本開示は一般に、増強されたタンパク質産生能力、増強された二次代謝産物産生能力などを備えたバチルス属(Bacillus)種(宿主)細胞(例えば、タンパク質産生宿主細胞、細胞工場)を作製し、構築するための組成物及び方法に関する。より詳細には、本開示の特定の実施形態は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcT(転写抗終結)タンパク質をコードするglcT遺伝子を含む変異バチルス属(Bacillus)種細胞を対象とする。特定の他の実施形態は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードする導入ポリヌクレオチドを含む遺伝子改変バチルス属(Bacillus)種細胞に関する。
本開示の他の実施形態は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードする編集(改変)glcT遺伝子を含む改変バチルス属(Bacillus)種細胞を対象とする。例えば、本開示の特定の実施形態(実施例2)は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードするCas9編集(改変)glcT遺伝子を含むglcT Cas9ターゲティングベクター及びその改変バチルス属(Bacillus)細胞に関する。
特定の他の実施形態では、本開示は、不活化(内因性)天然染色体glcT遺伝子(すなわち、配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(L67)野生型GlcTタンパク質をコードする)を含み、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードする導入ポリヌクレオチドを含む改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞に関する。したがって、特定の実施形態では、本開示は、そのような改変バチルス属(Bacillus)細胞(例えば、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)GlcTタンパク質をコードする改変glcT遺伝子を含む)に関し、この改変バチルス属(Bacillus)細胞は目的タンパク質(POI)を、それらが由来する(すなわち、同じPOIを発現/産生する)親細胞と比較して、より多く産生する。
特定の他の実施形態では、本開示は、変異バチルス属(Bacillus)種GlcT(抗終結)タンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む単離ポリヌクレオチドに関し、変異GlcTタンパク質は、配列番号55のアミノ酸67位にロイシン(L)のフェニルアラニン(F)への置換(L67F)を含む。関連する実施形態では、ポリヌクレオチドORFは、配列番号55又は配列番号82と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を含む変異GlcTタンパク質をコードし、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号22、配列番号81又は配列番号56と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチドは、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードする。
他の実施形態では、本開示は、本開示の変異GlcTタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクター、DNA発現コンストラクトなどに関する。例えば、特定の実施形態では、変異GlcTタンパク質をコードするORFを含むベクターは、ORF配列に作動可能に連結された(5’)上流(5’)相同領域(5’−HR)、及び/又はORF配列に作動可能に連結された(3’)下流(3’)相同領域(3’−HR)をさらに含み、この5’−HR及び/又は3’−HRは、ベクターが相同組み換えによって(すなわち、ベクターがコンピテントバチルス属(Bacillus)細胞に形質転換された場合に)、標的化ゲノム遺伝子座へ組み込まれるのに十分なバチルス属(Bacillus)(宿主)細胞の標的化ゲノム遺伝子座との相同性を含む。例えば、特定の実施形態では、このようなベクターは、配列番号82の野生型GlcTタンパク質(すなわち、配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(L67))をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を有するglcT遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞に導入され、この導入ベクターは、相同組換えによってベクターの組み込み、それによって配列番号82のGlcTタンパク質をコードするORFを欠失させ、配列番号55のGlcTタンパク質をコードするORFを置換するのに十分な、glcT遺伝子ORF染色体遺伝子座のすぐ上流(5’)及び/又はすぐ下流(3’)の親バチルス属(Bacillus)(内因性)核酸配列に対して相同性を含む5’−HR及び/又は3’−HRによりフランキングされている配列番号55の変異GlcTタンパク質(すなわち、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67))をコードするORFを含む。
したがって、上述したように、本開示の特定の実施形態は、1種以上の目的タンパク質をより多く産生する、そうした遺伝子改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞(すなわち、同じ目的タンパク質を産生するバチルス属(Bacillus)親細胞と比較して(ここで、娘細胞及び親細胞は、同様の条件下で培養される))に関する。より詳細には、本開示の実施例の項(例えば、実施例1を参照)に記載されるように、出願人は日常的なNTG変異誘発を実施して、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)変異体(すなわち、バチルス属(Bacillus)娘細胞)のプールを作製し、続いて、このNTG改変(変異)娘細胞をスクリーニングして、目的の工業関連タンパク質(例えば、アミラーゼ、プロテアーゼなど)の産生を増加させ得るB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(変異)娘細胞変異を同定した。実施例1に示すように、アミラーゼタンパク質をより多く産生することができる特定のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(変異)娘細胞を同定し、この(変異)娘細胞は、変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子における一塩基多型(SNP)によってその親と異なっていた。より詳細には、親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞が配列番号82の野生型GlcTタンパク質(配列番号82の67位にロイシン(L)アミノ酸を含む)をコードするglcT遺伝子を含むのに対して、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(変異)娘細胞は配列番号55の変異GlcTタンパク質(配列番号55の67位にフェニルアラニン(F)アミノ酸を含む)をコードするglcT遺伝子を含む。
さらに、実施例2に示すように、本出願人はコドン67の第1の位置をCTCからTTC(すなわち、glcT遺伝子のコドン67)に変化させ、それによってコドン67をロイシン(L)からフェニルアラニン(F)に変換する特定のglcT Cas9ターゲティングベクターを構築した。実施例3に示し、説明するように、このようなglcT Cas9ターゲティングベクターを、コンピテント(親)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に形質転換して、Cas9編集glcT遺伝子を含む改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞を生成及び選択した。この改変細胞は、したがって、L67F置換を含む変異GlcTタンパク質をコードする。例えば、実施例3に記載するように、シーケンシングデータを野生型glcT遺伝子座と比較する配列アラインメントにより、回収されたコロニーのいくつかが、GlcTタンパク質においてL67F変異(配列番号55)を引き起こす所望のゲノム編集を含むことがわかった。より具体的には、L67F GlcTタンパク質(配列番号55)をコードする改変/編集glcT遺伝子(配列番号56)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)コロニー(本明細書において、アレル「glcT1」と称する)を、BF63株(glcT1 pBL.comK)として保存した。
特定の他の実施形態では、変異GlcTタンパク質をコードする改変glcT遺伝子(例えば、アレルglcT1)を含む、本開示の改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(娘)細胞は、変異(mutated)/変異(variant)rghr2遺伝子を回復する遺伝子改変をさらに含む。例えば、本出願人が2017年2月24日に出願した係属中の米国仮特許出願第62/463,268号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)には、そのような回復rgh2遺伝子(以下、「rgh2rest」)を含む改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(宿主)細胞及びその作製方法について詳しく記述されている。より詳細には、上記参照仮出願に記載されるように、特定のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)株/宿主細胞のゲノムの配列が決定され、これにより、これらの配列決定された株のrghr2遺伝子に18ヌクレオチド(18bp)の重複(すなわち、反復)が含まれ、この18ヌクレオチド(反復)配列はアミノ酸「AAAISR」をコードし、その結果、変異RghR2タンパク質はAAAISRアミノ酸配列の反復(すなわち、AAAISR−AAAISR)を含むことが明らかになった。さらに、上記参照出願に記載されるように、18bp重複を除去するように遺伝子改変されたB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞(rghr2restと称する)は、18bp重複を含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(非回復rghr2)と比較して(相対的に)工業関連タンパク質をより多く産生することができた。
したがって、特定の実施形態では、本開示の改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)細胞は、変異GlcTタンパク質をコードする改変glcT遺伝子を含む。特定の他の実施形態では、本開示の改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)細胞は、改変glcT遺伝子及び改変rghr2遺伝子(すなわち、rghr2rest)を含む。より詳細には、本開示の実施例4〜6に示すように、出願人はさらにrghr2 Cas9ターゲティングベクター(実施例4)を構築し、回復rghr2アレルを含む改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(娘)細胞(すなわち、rghr2rest;実施例5、BF62細胞)と、回復rghr2アレル及び改変glcTアレルを含む改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞(すなわち、rghr2rest及び改変glcTアレル;実施例6、BF169細胞)を生成した。
本開示の実施例7に記載されるように、異種α−アミラーゼ発現カセットを、親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞BF62、BF63及びBF169に導入した(例えば、表17を参照)。より具体的には、異種α−アミラーゼの発現/産生に対する、作動可能に連結された「野生型5’−UTR配列」の効果、対、作動可能に連結された「改変5’−UTR配列」の効果をさらに試験するため、実施例7に示すα−アミラーゼ発現カセットを構築した。したがって、α−アミラーゼ発現カセットは、上流(5’)プロモーター及びα−アミラーゼをコードする下流(3’)オープンリーディングフレームに作動可能に連結した、野生型B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−UTR(配列番号62)又は改変5’−UTR(配列番号63)を含んだ。したがって、実施例7で構築された親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(異種α−アミラーゼ発現カセットを含み発現する)を、実施例8においてα−アミラーゼの産生についてスクリーニングした。
実施例8(表18)に示すように、以下のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞をα−アミラーゼ産生についてスクリーニングした:(i)導入「WT−5’−UTR α−アミラーゼ発現カセット」(配列番号62)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(本明細書中、「BF134」株/細胞と称する)、(ii)導入「改変5’−UTR α−アミラーゼ発現カセット」(配列番号63)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(本明細書中、「BF117」株/細胞と称する)、(iii)アレルglcT1及び導入「WT−5’−UTR α−アミラーゼ発現カセット」(配列番号62)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(本明細書中、「HM151」株/細胞と称する)、並びに(iv)アレルglcT1及び導入「改変5’−UTR α−アミラーゼ発現カセット」(配列番号63)を含むB.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(本明細書中、「HM150−1」株/細胞と称する)。さらに、図2A及び図2Bに示すように、野生型glcT遺伝子を含むバチルス属(Bacillus)宿主細胞(すなわち、BF117及びBF134細胞)と比較して、アレルglcT1を含むバチルス属(Bacillus)宿主細胞(すなわち、HM150−1及びHM151細胞)のα−アミラーゼ活性及び比生産性は有意に増加する。
上記で簡単に述べたように、本開示の特定の他の実施形態は、アレルglcT1を含み、さらに回復rghr2遺伝子(rghr2rest)を含む改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)細胞に関する。例えば、本開示の実施例9に示すように、改変Bacillus細胞BF118(rghr2rest+mod−5’−UTRアミラーゼカセット)、BF171(rghr2rest+glcT1+mod−5’−UTRアミラーゼカセット)、BF169(rghr2rest+WT−5’−UTRアミラーゼカセット)及びBF260(rghr2rest+glcT1+WT−5’−UTRアミラーゼカセット)を、小規模でのアミラーゼ産生についてスクリーニングし、バチルス属(Bacillus)細胞BF171及びBF260の相対的アミラーゼ産生は、バチルス属(Bacillus)細胞BF118及びBF169のアミラーゼ産生と比較して有意に増加した。
したがって、特定の他の実施形態では、本開示は、本開示のORFを含むDNA発現コンストラクトに関し、このDNAコンストラクトはバチルス属(Bacillus)種細胞において機能的なプロモーター核酸配列をさらに含み、このプロモーター配列は、ORF配列の上流(5’)に作動可能に連結されている。特定の実施形態では、DNAコンストラクトは、配列番号63の改変B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−非翻訳領域配列(mod−5’−UTR)をさらに含み、このmod−5’−UTRはプロモーター配列の下流(3’)に作動可能に連結され、且つORF配列の上流(5’)に作動可能に連結されている。別の実施形態では、DNAコンストラクトは、ORF配列の下流(3’)に作動可能に連結されたターミネーター配列をさらに含んでいる。
本開示の他の実施形態は、本開示の改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞において、内因性の目的タンパク質(POI)及び/又は異種POIをより多く生産するための組成物及び方法に関する。例えば、特定の実施形態では、本開示の改変されたバチルス属(Bacillus)(宿主)細胞において、内因性の目的タンパク質(POI)をより多く生産するための方法は、(a)内因性POIの産生に適した培地において、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)GlcTタンパク質をコードするglcT遺伝子を含む改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞を培養する工程、及び(b)その培養培地から内因性POIを回収する工程を含み、同一の条件下で培養された場合、改変バチルス属(Bacillus)細胞は内因性POIを、その同じ内因性POIを産生する未改変(親)バチルス属(Bacillus)細胞と比較してより多く産生する。
特定の他の実施形態では、本開示は、本開示の改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞において異種POIをより多く生産する方法であって、(a)異種POIの産生に適した培地で、変異GlcTタンパク質(すなわち、配列番号55のアミノ酸67位(F67)にフェニルアラニン(F)を含む)をコードする改変glcT遺伝子を含む改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞を培養する工程(ここで、改変細胞及び親細胞は異種POIの合成を指示する導入ポリヌクレオチド配列を含む)、及び(b)その培養培地から異種POIを回収する工程を含み、同一の条件下で培養された場合、改変バチルス属(Bacillus)細胞は親バチルス属(Bacillus)細胞(すなわち、配列番号82の野生型GlcTタンパク質をコードする野生型glcT遺伝子を含む)と比較して異種POIをより多く産生する方法に関する。
したがって、本開示の特定の他の実施形態は、目的の異種及び/又は内因性タンパク質をより多く生産することができる、そのような改変バチルス細胞を構築するための組成物及び方法に関する。例えば、特定の組成物及び方法は、(a)配列番号82と少なくとも90%の配列同一性を含み、且つ配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(L67)GlcTタンパク質をコードする内因性染色体野生型glcT遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞を得る工程、(b)配列番号55と90%の配列同一性を含み、且つ配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質の合成を指示するポリヌクレオチド配列を導入することによって、工程(a)の親細胞を改変する工程、及び(c)POIの産生に適した培地で、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞を培養する工程を含む、未改変バチルス属(Bacillus)(親)細胞に由来する改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞に関連し、娘細胞と親細胞が同一の条件下で培養された場合、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞はPOIを、その同じPOIを産生する親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と比較して、より多く産生する。したがって、特定の他の実施形態では、本発明の改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞は未改変バチルス属(Bacillus)(親)細胞に由来し、その親細胞の内因性染色体野生型glcT遺伝子(すなわち、配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(L67))は、Cas9ターゲティングベクターによって改変され、この編集された(改変された)glcT遺伝子は配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードする。したがって、本開示の特定の実施形態は、Cas9編集遺伝子、例えば、限定はされないが、Cas9編集glcT遺伝子、Cas9編集rghr2遺伝子、これらの組み合わせなどに関する。
特定の実施形態では、POIは異種POIであり、この異種POIの合成を指示するポリヌクレオチド配列が娘細胞及び親細胞に導入される。他の実施形態では、POIが内因性又は異種酵素である。
I.定義
本明細書中に記載される、目的の1種以上の異種及び/又は内因性タンパク質を産生する改変バチルス属(Bacillus)種細胞、並びにその方法を考慮して、以下の用語及び句が定義される。本明細書中で定義されていない用語には、当該技術分野で通常使用されている意味が与えられるべきである。
他に定義されていない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語は全て、本組成物及び本方法が属する当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本組成物及び本方法を実施又は試験する際、本明細書に記載のものに類似した、又は同等の方法及び材料もまた使用することができるが、説明に役立つ代表的な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で引用する刊行物及び特許は全て、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
特許請求の範囲が、任意選択的な要素を排除するように記載され得ることにもさらに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の構成要素の列挙に関連して「唯一(solely)」、「〜のみ(only)」、「〜を除いて(excluding)」、「〜を含まない(not including)」などの排他的な用語の使用、又はその「否定的な」限定若しくは条件の使用のための先行文として機能することを意図している。
本開示を読めば当業者には明らかなように、本明細書に記載及び例示する個々の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載する本組成物及び方法の範囲又は精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離又はそれと組み合わせることができる別個の構成要素及び特徴を有する。記載した方法はいずれも、記載した事象の順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」は、新たに導入されるDNA配列のための宿主又は発現ビヒクルとして作用する能力を有する細胞を指す。したがって、本開示の特定の実施形態では、宿主細胞は、バチルス属(Bacillus)種細胞又はE.コリ(E.coli)細胞である。
本明細書で定義されるように、「親細胞」又は「親(宿主)細胞」は、互換的に使用され得、「未改変(の)」親細胞を指す。例えば、「親」細胞は、「親」細胞のゲノムが(例えば親細胞に導入された1つ以上の変異/改変によって)変更されて、その改変「娘」細胞を生成する微生物の任意の細胞又は株を指す。
本明細書中で使用される場合、「改変細胞」又は「改変(宿主)細胞」は、互換的に使用され得、改変細胞が由来する「親」宿主細胞中に存在しない少なくとも1つの遺伝子改変を含む組み換え(宿主)細胞を指す。
特定の実施形態では、「未改変」(親)細胞は、特に、「改変」バチルス属(Bacillus)(娘)細胞と比較した場合、又はそれに対して、「対照細胞」と称し得る。本明細書で使用される場合、「未改変」(親)細胞(すなわち、対照細胞)における目的タンパク質(POI)の発現及び/又は産生が、「改変」(娘)細胞における同一POIの発現及び/又は産生と比較される場合、「改変」及び「未改変」細胞は、同一条件(すなわち、培地、温度、pHなどの同一条件)下で増殖/培養/発酵されることは理解されるであろう。
本明細書で使用される場合、「バチルス(Bacillus)属」又は「バチルス属(Bacillus)種」細胞には、当業者に知られる「バチルス(Bacillus)」属内の全ての種、例えば、以下に限定されないが、B.サブチリス(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.レンツス(B.lentus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィルス(B.alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.クラウシイ(B.clausii)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.サークランス(B.circulans)、B.ラウツス(B.lautus)及びB.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)が含まれる。バチルス(Bacillus)属が分類学的再編成を受け続けていることは認識されている。したがって、この属には、再分類されている種、例えば、以下に限定されないが、現在、「ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)」という名称のB.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)などの生物が含まれることが意図されている。
本明細書で使用される場合、配列番号22のポリヌクレオチド配列は配列番号82の野生型GlcTタンパク質をコードし、配列番号56のポリヌクレオチド配列は、配列番号55の変異GlcTタンパク質をコードする。例えば、本開示の図1Aに示すように、2つのアラインしたポリヌクレオチド(ORF)配列(配列番号22対配列番号56)は、ヌクレオチド199位のSNPによって異なり、配列番号22の199位はシトシン(C)を含み、配列番号56の199位はチミン(T)を含む(例えば、図1Aの黒の四角で囲んだ199位のヌクレオチド(C)及び(T)を参照)。同様に、図1Bは、コードされた野生型GlcTタンパク質(配列番号82)及びコードされた変異GlcTタンパク質(配列番号55)のアラインメントを示し、配列番号56の199位における(C)から(T)へのSNP(図1Aを参照)は、配列番号55のアミノ酸残基67位におけるロイシン(L)からフェニルアラニン(F)への置換をもたらす(例えば、それぞれ、図1Bの配列番号22及び配列番号55の残基67位の黒の四角で囲んだ(L)及び(F)アミノ酸を参照)。
本明細書で使用される場合、用語「glcT1」又は「アレルglcT1」は特に、配列番号55のL67F GlcTタンパク質をコードする、変異、改変、編集又は導入されたglcT遺伝子(すなわち、アレルglcT1;配列番号56)を含むバチルス属(Bacillus)種細胞を指す。特定の実施形態では、アレルglcT1は、配列番号55と約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するGlcTタンパク質をコードし、且つ配列番号55のアミノ酸67位でのL67F置換を含む。
本明細書で使用される場合、「野生型B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−UTR」(以下、「WT−5’−UTR」と略す)は配列番号62を含み、「改変aprE 5’−UTR」(以下、「mod−5’−UTR」と略す)は配列番号63を含む。例えば、実施例7に記載のα−アミラーゼ発現カセット(すなわち、配列番号64及び配列番号65)は、異種α−アミラーゼの発現/産生に対する、作動可能に連結された「WT−5’−UTR配列」対作動可能に連結された「mod−5’−UTR配列」の効果をさらに試験するために構築された。したがって、α−アミラーゼ発現カセットは、上流(5’)プロモーター及びα−アミラーゼをコードする下流(3’)オープンリーディングフレームに作動可能に連結した、WT−5’−UTR配列(配列番号62)又はmod−5’−UTR配列(配列番号63)のいずれかを含んだ。
本明細書で使用される場合、「BF134」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、配列番号64の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF117」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、配列番号65の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF63」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、配列番号55のL67F GlcTタンパク質をコードするアレルglcT1(glcT1(L67F)/pBL.comK)、及びComKタンパク質をコードする/発現するプラスミドpBL.comKを含む。
本明細書で使用される場合、「HM151」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、アレルglcT1及び配列番号64の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「HM150−1」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、アレルglcT1及び配列番号65の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF62」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、回復rghr2遺伝子(以下、「rghr2rest」)を含む。rghr2遺伝子及びその回復形態「rghr2rest」を以下でさらに説明する。
本明細書で使用される場合、「BF165」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、rghr2rest及び配列番号64の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF118」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、rghr2rest及び配列番号65の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF260」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、アレルglcT1及びrghr2rest、並びに配列番号64の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、「BF171」と名付けた「バチルス属(Bacillus)(娘)細胞/株」は、アレルglcT1及びrghr2rest、並びに配列番号65の導入アミラーゼ発現コンストラクトを含む。
本明細書で使用される場合、配列番号41「変異B.リケニフォルミス(B.licheniformis)染色体rghR2遺伝子」は、「Ala−Ala−Ala−Ile−Ser−Arg」(以下、「AAAISR」)である6アミノ酸の連続反復をコードする18ヌクレオチド(18bp)重複を含み、コードされた配列番号83の変異RghR2タンパク質の一次(1°)アミノ酸配列は、以下のように、これら6アミノ酸の直鎖状(連続)反復を含む:「Ala−Ala−Ala−Ile−Ser−Arg−Ala−Ala−Ala−Ile−Ser−Arg」(以下「AAAISRAAAISR」)。例えば、配列番号83のRghR2タンパク質中に存在する6アミノ酸反復は下の表1に記載されており、この140アミノ酸タンパク質の反復アミノ酸残基は、配列番号83の38〜43位に太字テキストで表示のアミノ酸を含む。
対照的に、本開示の「回復B.リケニフォルミス(B.licheniformis)染色体rghR2遺伝子」(配列番号61)は、この18ヌクレオチド(18bp)重複を含んでいない。したがって、配列番号61の回復rghR2遺伝子は、配列番号84の天然RghR2タンパク質(すなわち、連続反復「AAAISR」を含まない)をコードする。
したがって、本明細書で使用される場合、「18ヌクレオチド重複を欠失させる」又は「18bp重複を欠失させる」又は「18ヌクレオチド重複を欠失させることにより細胞を改変する」という句は、特に、18ヌクレオチド重複を含む変異rghR2遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞の遺伝子改変を意味しており、その重複は、変異RghR2タンパク質のアミノ酸「AAAISR」の反復をコードする(例えば、表1;配列番号83を参照;配列番号83の32〜37位のアミノ酸「AAAISR」は、配列番号83の38〜43位で連続的に反復される)。したがって、特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、「AAAISR」反復配列をコードする18ヌクレオチド重複を含む変異染色体rghR2遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞に由来し、改変バチルス属(Bacillus)細胞は「18ヌクレオチド重複を欠失させる」ことによって改変され、それによって、配列番号84の天然rghR2タンパク質をコードする「回復(された)」rghR2遺伝子(rghR2rest)配列を含む改変バチルス属(Bacillus)細胞を生じる。rghR2遺伝子、その(18bp重複)rghR2変異体(配列番号83)、及びrghR2変異体の天然rghR2遺伝子への回復(rghR2rest;配列番号84)のより詳細な説明については、出願人の米国仮特許出願第62/463,268号明細書(2017年2月24日出願、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
本明細書で定義される場合、「発現の増加」、「発現の強化」、「POIの発現の増加」、「産生の増加」、「POIの産生の増加」などの用語は、「改変」バチルス属(Bacillus)(娘)細胞を指し、ここで、「増加する(increase)」は、常に同じPOIを発現/産生する「未改変」バチルス属(Bacillus)(親)細胞と比較して(相対的に)である。
本明細書で使用される場合、用語「発現」は、本開示の核酸分子に由来するセンス(mRNA)又はアンチセンスRNAの転写及び安定した蓄積を指す。発現はまた、mRNAのポリペプチドへの翻訳を指すことがある。したがって、用語「発現」には、ポリペプチドの産生、例えば、以下に限定されないが、転写、転写後改変、翻訳、翻訳後改変、分泌などに関与する任意の工程が含まれる。
本明細書で定義する場合、「改変宿主細胞は(未改変)親宿主細胞と比較して目的タンパク質をより多く発現/産生する」などの句で使用する複合語「発現/産生する」は、本開示の宿主細胞における目的タンパク質の発現及び産生に関与する任意の工程を含むことが意図されている。
同様に、本明細書で使用される場合、「改変宿主細胞が(未改変)親宿主細胞に比較して1種以上の目的タンパク質を「より多く発現/産生する」」などの句で使用した場合の「より多く」は、特に、改変宿主細胞内で発現/産生した任意の目的タンパク質(POI)の「より多く」を指すが、この「より多く」は常に同じPOIを発現/産生する(未改変)親バチルス属(Bacillus)細胞と比較してであり、改変及び未改変細胞は、実質的に同一条件(例えば、培地、温度、pHなどの同一条件)下で増殖/培養/発酵される。例えば、より多くのPOIは、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞において発現した内因性バチルス属(Bacillus)POIであっても異種POIであってもよい。
したがって、本明細書で使用される場合、タンパク質の産生を「増加させる(increasing)」、又は「増加した(increased)」タンパク質の産生は、産生されるタンパク質(例えば、目的タンパク質)の量の増加を意味する。タンパク質は、宿主細胞の内部で産生されても、培養培地中へ分泌(又は、輸送)されてもよい。特定の実施形態では、目的タンパク質は、培養培地中へ産生(分泌)される。増加したタンパク質の産生は、例えば、親宿主細胞と比較して、より高いタンパク質の最大レベル、若しくはより高い酵素活性(例えば、プロテアーゼ活性、アミラーゼ活性、セルラーゼ活性、ヘミセルラーゼ活性など)、又は産生される総細胞外タンパク質として検出され得る。
本明細書で使用される場合、「核酸」は、ヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列、及びその断片又は部分、並びに、センス鎖であるか又はアンチセンス鎖であるかにかかわらず、二本鎖であっても一本鎖であってもよい、ゲノム又は合成起源のDNA、cDNA及びRNAを指す。遺伝子コードの縮重の結果として、多数のヌクレオチド配列が所与のタンパク質をコードし得ることが理解されよう。
本明細書に記載したポリヌクレオチド(又は核酸分子)には、「遺伝子」、「ベクター」及び「プラスミド」が含まれることは理解されている。
したがって、用語「遺伝子」は、あるタンパク質のコード配列の全て又は一部を含む、ある特定のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを指し、例えば、遺伝子が発現される条件を決定する、プロモーター配列などの調節(非転写)DNA配列を含み得る。遺伝子の転写領域は、イントロン、5’−非翻訳領域(UTR)及び3’−UTRを含む非翻訳領域(UTR)、並びにコード配列を含み得る。
本明細書で使用される場合、「コード配列」という用語は、その(コードする)タンパク質産物のアミノ酸配列を直接特定するヌクレオチド配列を指す。コード配列の境界は、一般にオープンリーディングフレーム(以下「ORF」)によって決定され、それは、通常、ATG開始コドンで開始する。コード配列は通常、DNA、cDNA、及び組み換えヌクレオチド配列を含む。
本明細書で定義する場合、用語「オープンリーディングフレーム」(以下「ORF」)は、(i)開始コドン、(ii)アミノ酸を示す一連の2つ以上のコドン、及び(iii)終止コドンからなる中断されていないリーディングフレームを含む核酸又は核酸配列(天然に存在するか、天然に存在しないか、又は合成であるかにかかわらず)を意味し、ORFは、5’から3’の方向に読まれる(又は、翻訳される)。
本明細書で使用される場合、用語「プロモーター」は、コード配列又は機能的RNAの発現を制御できる核酸配列を指す。一般に、コード配列は、プロモーター配列の3’側(下流)に位置する。プロモーターは、その全体が天然遺伝子に由来してもよく、又は天然に存在する種々のプロモーターに由来する種々のエレメントから構成されていてもよく、又は合成核酸セグメントを含んでいてさえよい。種々のプロモーターが、種々の細胞型で、又は種々の生育段階で、又は種々の環境若しくは生理的条件に応答して、遺伝子の発現を指示し得ることは、当業者には理解されている。ほとんどの場合にほとんどの細胞型で遺伝子の発現をもたらすプロモーターは一般に、「構成的プロモーター」と呼ばれる。ほとんどの場合、調節配列の正確な境界は、完全には明らかになっていないため、種々の長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有し得ることがさらに認識されている。
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結した」という用語は、一方の機能が他方により影響されるような、単一核酸断片上での核酸配列の会合を指す。例えば、プロモーターは、それがそのコード配列の発現に影響を及ぼすことができる(すなわち、コード配列がプロモーターの転写制御下にある)場合、コード配列(例えばORF)に作動可能に連結している。コード配列は、センス又はアンチセンス配向で調節配列に作動可能に連結され得る。
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に置かれた場合、「作動可能に連結され」ている。例えば、分泌リーダー(すなわち、シグナルペプチド)をコードするDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現する場合、ポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結しており;プロモーター若しくはエンハンサーは、コード配列の転写に影響を及ぼす場合、そのコード配列に作動可能に連結しており、又はリボソーム結合部位は、翻訳を促進するように配置されている場合、コード配列に作動可能に連結している。一般に、「作動可能に連結された」とは、連結されるDNA配列が隣接していることを意味し、分泌リーダーの場合、隣接し、且つリーディング期にあることを意味する。しかし、エンハンサーは隣接している必要はない。連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによってなされる。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法にしたがって、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが使用される。
本明細書で使用される場合、「目的タンパク質のコード配列の遺伝子に連結した目的遺伝子(又はそのオープンリーディングフレーム)の発現を制御する機能的プロモーター配列」は、バチルス属(Bacillus)におけるコード配列の転写及び翻訳を制御するプロモーター配列を指す。例えば、特定の実施形態では、本開示は、5’プロモーター(又は、5’プロモーター領域若しくはタンデム5’プロモーターなど)を含むポリヌクレオチドであって、そのプロモーター領域が目的タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結しているポリヌクレオチドを対象としている。したがって、特定の実施形態では、機能的プロモーター配列は、目的タンパク質をコードする目的遺伝子の発現を制御する。他の実施形態では、機能的プロモーター配列は、バチルス属(Bacillus)細胞における目的タンパク質をコードする異種遺伝子又は内因性遺伝子の発現を制御する。
本明細書で定義する場合、「好適な調節配列」は、コード配列の上流(5’非コード配列)、配列内、又は下流(3’非コード配列)に位置するヌクレオチド配列を指し、関連コード配列の転写、RNAプロセシング若しくは安定性、又は翻訳に影響を与える。調節配列には、プロモーター、翻訳リーダー配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位及びステムループ構造が含まれ得る。
本明細書で定義する場合、少なくとも1つのポリヌクレオチドオープンリーディングフレーム(ORF)、又はその遺伝子、又はそのベクターを、「細菌細胞内に導入する」又は「バチルス属(Bacillus)細胞内に導入する」などの句で使用される「導入する」という用語には、ポリヌクレオチドを細胞内に導入するための当該技術分野で知られた方法、例えば、以下に限定されないが、プロトプラスト融合法、天然若しくは人工形質転換(例えば、塩化カルシウム、エレクトロポレーション)法、形質導入法、トランスフェクション法、共役法などが含まれる(例えば、Ferrari et al.,1989を参照)。
本明細書で使用される場合、「形質転換された」又は「形質転換」は、細胞が組み換えDNA技術の使用によって形質転換されていることを意味する。形質転換は通常、1つ以上のヌクレオチド配列(例えば、ポリヌクレオチド、ORF又は遺伝子)の細胞内への挿入によって発生する。挿入されたヌクレオチド配列は、異種ヌクレオチド配列(すなわち、形質転換されることになる細胞では天然に存在しない配列)であってもよい。本明細書で使用される場合、「形質転換」は、外来性DNAを宿主細胞内へ、そのDNAが染色体組み込み体又は自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、導入することを指す。本明細書で使用される場合、「形質転換DNA」、「形質転換配列」、及び「DNAコンストラクト」は、配列を宿主細胞又は生物内に導入するために使用されるDNAを指す。形質転換DNAは、配列を宿主細胞又は生物内に導入するために使用されるDNAである。このDNAは、インビトロでPCR又は任意の他の好適な技術によって生成され得る。いくつかの実施形態では、形質転換DNAは入来配列を含むが、他の実施形態では、形質転換DNAは、相同ボックスによってフランキングされた入来配列をさらに含む。さらに別の実施形態では、形質転換DNAは、末端に付加された、他の非相同配列(すなわち、スタッファー配列又はフランキング配列)を含む。末端は、例えば、ベクター内への挿入など、形質転換DNAが閉環を形成するように閉じることができる。
本明細書で使用される場合、「入来配列」は、バチルス属(Bacillus)染色体内に導入されるDNA配列を指す。いくつかの実施形態では、入来配列は、DNAコンストラクトの一部である。他の実施形態では、入来配列は、1種以上の目的タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、入来配列は、形質転換対象の細胞のゲノム内に既に存在していても存在していなくてもよい(すなわち、相同配列であっても非相同配列であってもよい)配列を含む。いくつかの実施形態では、入来配列は、1種以上の目的タンパク質、遺伝子及び/又は変異若しくは改変遺伝子をコードする。代替の実施形態では、入来配列は、機能的な野生型遺伝子若しくはオペロン、機能的な変異遺伝子若しくはオペロン又は非機能的な遺伝子若しくはオペロンをコードする。いくつかの実施形態では、非機能的配列は、遺伝子の機能を崩壊させるために遺伝子内に挿入され得る。別の実施形態では、入来配列は、選択マーカーを含む。さらなる実施形態では、入来配列は、2つの相同ボックス(例えば、上流及び下流の相同アーム)を含む。
本明細書で使用される場合、「相同ボックス」は、バチルス属(Bacillus)染色体内の配列と相同である核酸配列を指す。より詳細には、相同ボックスは、本発明にしたがって、欠失される、破壊される、不活化される、下方制御されるなどの遺伝子又は遺伝子の一部の直接的フランキングコード領域と約80〜100%の配列同一性、約90〜100%の配列同一性、又は約95〜100%の配列同一性を有する上流又は下流領域である。これらの配列は、バチルス属(Bacillus)染色体内にDNAコンストラクトが組み込まれる場所を指示し、バチルス属(Bacillus)染色体のどの部分を入来配列で置換するかを指示する。本開示を限定することを意図するものではないが、相同ボックスには、約1塩基対(bp)〜200キロ塩基(kb)が含まれ得る。好ましくは、相同ボックスは、約1bp〜10.0kb;1bp〜5.0kb;1bp〜2.5kb;1bp〜1.0kb、及び0.25kb〜2.5kbを含む。相同ボックスはまた、約10.0kb、5.0kb、2.5kb、2.0kb、1.5kb、1.0kb、0.5kb、0.25kb及び0.1kbを含み得る。いくつかの実施形態では、選択マーカーの5’側及び3’側末端は、相同ボックス(相同アーム)によってフランキングされ、この相同ボックスは、遺伝子のコード領域を直接的にフランキングする核酸配列を含む。
本開示のさらにまた別の実施形態では、DNAアレイ解析(例えば、本明細書に記載するようなトランスクリプトーム解析)によって決定される不適切なときに活性である遺伝子の欠失、破壊、不活化又は下方制御は、目的タンパク質の発現の強化を提供する。本明細書で使用される場合、「トランスクリプトーム解析」は、遺伝子転写の解析を指す。
本明細書で使用される場合、「選択可能マーカーをコードするヌクレオチド配列」という用語は、宿主細胞中で発現可能であり、選択可能マーカーの発現が、発現された遺伝子を含む細胞に、対応する選択剤の存在下又は必須栄養素の欠如下で増殖する能力を付与する、ヌクレオチド配列を指す。
本明細書で使用される場合、「選択可能マーカー」及び「選択マーカー」という用語は、ベクターを含有するそれらの宿主の選択を容易にさせる、宿主細胞内で発現することができる核酸(例えば、遺伝子)を指す。このような選択可能マーカーの例としては抗微生物剤が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、「選択可能マーカー」という用語は、宿主細胞が目的の入来DNAを取り込んだか、又は何らかの他の反応が起こったことを示す遺伝子を指す。通常、選択可能マーカーは、形質転換中に外来性の配列を受け取っていない細胞から外来性DNAを含む細胞を区別することを可能にする抗微生物剤耐性又は代謝有利性を宿主細胞に付与する遺伝子である。
「存在する選択可能マーカー」は、形質転換対象の微生物の染色体に位置する選択マーカーである。存在する選択可能マーカーは、形質転換DNAコンストラクト上の選択可能マーカーとは異なる遺伝子をコードする。選択マーカーは、当業者にはよく知られている。上記で示したように、マーカーは、抗微生物耐性マーカー(例えば、ampR、phleoR、specR、kanR、eryR、tetR、cmpR及びneoR(例えば、Guerot−Fleury,1995;Palmeros et al.,2000;及びTrieu−Cuot et al.,1983を参照)であり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、クロラムフェニコール耐性遺伝子(例えば、pC194上に存在する遺伝子、並びにバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のゲノム内に存在する耐性遺伝子)を提供する。この耐性遺伝子は、本発明において、並びに染色体に組み込まれたカセット及び統合的プラスミドの染色体増幅を包含する実施形態において、特に有用である(例えば、Albertini and Galizzi,1985;Stahl and Ferrari,1984を参照)。本発明にしたがって有用な他のマーカーとしては、セリン、リシン、トリプトファンなどの栄養要求性マーカー、及びβ−ガラクトシダーゼなどの検出マーカーが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で定義する場合、宿主細胞「ゲノム」、細菌(宿主)細胞「ゲノム」、又はバチルス属(Bacillus)(宿主)細胞「ゲノム」には、染色体遺伝子及び染色体外遺伝子が含まれる。
本明細書で使用される場合、「プラスミド」、「ベクター」及び「カセット」という用語は、多くは、細胞の中心的な代謝には通常関与しない遺伝子を持ち、通常、環状の二本鎖DNA分子の形態の染色体外エレメントを指す。このようなエレメントは、任意のソースに由来する、直鎖状又は環状で、一本鎖又は二本鎖のDNA又はRNAからなる自己複製配列、ゲノム組み込み配列、ファージ又はヌクレオチド配列であり得、それらにおいては、選択された遺伝子産物のためのプロモーター断片及びDNA配列を適切な3’非翻訳配列と共に細胞に導入することができる固有の構成に、多くのヌクレオチド配列が結合又は再結合している。
本明細書で使用される場合、「形質転換カセット」は、遺伝子(又は、そのORF)を含み、外来遺伝子に加えて、特定の宿主細胞の形質転換を促進するエレメントを有する特異的ベクターを指す。
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」は、細胞内で複製(増殖)することができ、新たな遺伝子又はDNAセグメントを細胞中に運ぶことができる任意の核酸を指す。したがって、この用語は、様々な宿主細胞間で移動するために設計された核酸コンストラクトを指す。ベクターとしては、「エピソーム」(すなわち、自律的に複製するか、又は宿主生物の染色体に組み込むことができる)である、ウイルス、バクテリオファージ、プロウイルス、プラスミド、ファージミド、トランスポゾン、及びYAC(酵母人工染色体)、BAC(細菌人工染色体)、PLAC(植物人工染色体)などの人工染色体が挙げられる。
「発現ベクター」は、細胞内で異種DNAを組み込み、発現させる能力を有するベクターを指す。多数の原核生物及び真核生物の発現ベクターが市販されており、当業者に知られている。適切な発現ベクターの選択は、当業者の知識の範囲内である。
本明細書で使用される場合、「発現カセット」及び「発現ベクター」という用語は、標的細胞中の特定の核酸の転写を許容する一連の特定の核酸要素を用いて、組み換えにより、又は合成的に生成される核酸コンストラクトを指す(すなわち、これらは、上述したベクター又はベクター要素である)。組み換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、プラスチドDNA、ウイルス、又は核酸断片内に組み込むことができる。通常、発現ベクターの組み換え発現カセット部分には、他の配列の中でも、転写されることになる核酸配列及びプロモーターが含まれる。いくつかの実施形態では、DNAコンストラクトには、標的細胞内の特定の核酸の転写を可能にする一連の特定の核酸エレメントも含まれる。特定の実施形態では、本開示のDNAコンストラクトは、本明細書で定義する選択マーカー及び不活化染色体セグメント又は遺伝子セグメント又はDNAセグメントを含む。
本明細書で使用される場合、「ターゲティングベクター」は、ターゲティングベクターが形質転換される宿主細胞の染色体の領域に相同なポリヌクレオチド配列を含み、その領域で相同組み換えを駆動できるベクターである。例えば、ターゲティングベクターは、相同組み換えによって宿主細胞の染色体に変異を導入するのに使用される。いくつかの実施形態では、ターゲティングベクターは、例えば末端に付加された他の非相同配列(すなわち、スタッファー配列又はフランキング配列)を含む。末端は、例えば、ベクター内への挿入など、ターゲティングベクターが閉環を形成するように閉じることができる。適切なベクターの選択及び/又は構成は、十分に当業者の知識の範囲内である。
本明細書で使用される場合、用語「プラスミド」は、クローニングベクターとして使用され、多くの細菌及び一部の真核生物において染色体外の自己複製遺伝要素を形成する、環状の二本鎖(ds)DNAコンストラクトを指す。いくつかの実施形態では、プラスミドは、宿主細胞のゲノム内に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「目的タンパク質」又は「POI」という用語は、改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞中で発現することが望まれる目的ポリペプチドを指し、このPOIは、より高いレベル(すなわち、「未改変」(親)細胞と比較して)で発現することが好ましい。したがって、本明細書で使用される場合、POIは、酵素、基質結合タンパク質、表面活性タンパク質、構造タンパク質、受容体タンパク質、抗体などであり得る。
同様に、本明細書で定義する場合、「目的遺伝子」又は「GOI」は、POIをコードする核酸配列(例えば、ポリヌクレオチド、遺伝子又はORF)を指す。「目的タンパク質」をコードする「目的遺伝子」は、天然に存在する遺伝子であっても、変異遺伝子であっても、合成遺伝子であってもよい。
特定の実施形態では、本開示の改変細胞は、親細胞に比較して異種POI又は内因性POIをより多く産生する。特定の実施形態では、本開示の改変細胞によって産生されたPOIの増加した量は、親細胞と比較して、少なくとも0.05%の増加、少なくとも0.10%、少なくとも1.0%の増加、少なくとも5.0%の増加、又は5.0%超の増加である。非限定的な例として、特定の実施形態では、POIは酵素(例えば、アミラーゼ、プロテアーゼなど)であり、改変細胞によって産生されるPOIのレベルの増加(すなわち、その非改変親と比較して)は、酵素活性の増加及び/又は比生産性(Qp)の増加として検出又は測定される。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸残基を含む任意の長さのポリマーを指す。本明細書では、アミノ酸残基に対し、従来の1文字又は3文字コードを使用する。ポリペプチドは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、改変アミノ酸を含んでもよく、また、非アミノ酸によって分断されていてもよい。ポリポチペプチドという用語はまた、自然に、或いは介入;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は標識化成分との結合などの任意の他の操作若しくは改変によって改変されているアミノ酸ポリマーを包含する。また、この定義の範囲には、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1つ以上のアナログを含有するポリペプチド、及び当該技術分野において知られる他の改変も含まれる。
特定の実施形態では、本開示の遺伝子は、酵素(例えば、アセチルエステラーゼ、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アラビナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、炭酸脱水酵素、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、キモシン、クチナーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エピメラーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルカナーゼ、グルカンリアーゼ、エンド−β−グルカナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グリコシルヒドロラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ヒドロラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、酸化還元酵素、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチン分解酵素、ペルヒドロラーゼ、ポリオールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、ラムノ−ガラクツロナーゼ、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、輸送タンパク質、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、及びこれらの組み合わせなど)などの商業に関連した工業用の目的タンパク質をコードする。
本明細書で使用される場合、「変異」ポリペプチドは、一般的には組み換えDNA技術による1つ以上のアミノ酸の置換、付加又は欠失による親(又は参照)ポリペプチドに由来するポリペプチドを指す。変異ポリペプチドは、少数のアミノ酸残基によって親ポリペプチドと異なる可能性があり、親(参照)ポリペプチドとの一次アミノ酸配列の相同性/同一性のレベルによって定義され得る。
好ましくは、変異ポリペプチドは、親(参照)ポリペプチド配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有する。本明細書で使用される場合、「変異」ポリヌクレオチドは、変異ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを指し、この「変異ポリヌクレオチド」は、親ポリヌクレオチドと特定の程度の配列相同性/同一性を有するか、又はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で親ポリヌクレオチド(又はその相補体)とハイブリダイズする。好ましくは、変異ポリヌクレオチドは、親(参照)ポリヌクレオチド配列と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のヌクレオチド配列同一性を有する。
本明細書で使用される場合、「変異」は、核酸配列内の任意の変化又は変更を指す。点変異、欠失変異、サイレント変異、フレームシフト変異、スプライシング変異などを含む数種類の変異が存在する。変異は、特異的に(例えば、部位特異的変異誘発によって)、又はランダムに(例えば、化学薬品、修復マイナス細菌株による継代によって)行われ得る。
本明細書で使用される場合、ポリペプチド又はその配列に関連した用語「置換」は、1つのアミノ酸と別のアミノ酸との置き換え(すなわち、置換)を意味する。
本明細書で定義する場合、「内因性遺伝子」は、生物のゲノム中の天然の位置にある遺伝子を指す。
本明細書で定義する場合、「異種」遺伝子、「非内因性」遺伝子、又は「外来」遺伝子は、通常は宿主生物に見出されないが、遺伝子導入によって宿主生物に導入される遺伝子(又はORF)を指す。本明細書で使用される場合、「外来」遺伝子という用語は、非天然生物中に挿入された天然遺伝子(若しくはORF)及び/又は天然若しくは非天然生物中に挿入されたキメラ遺伝子を含む。
本明細書で定義する場合、「異種」核酸コンストラクト又は「異種」核酸配列は、それが発現する細胞から生じたものではない配列の部分を有する。
本明細書で定義する場合、「異種制御配列」は、天然では目的遺伝子の発現を調節(制御)するように機能しない遺伝子発現制御配列(例えば、プロモーター又はエンハンサー)を指す。一般に、異種核酸配列は、細胞、又はそれらの配列が存在するゲノムの一部に対して内因性(天然)ではなく、感染、トランスフェクション、形質転換、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどによって細胞に付加されている。「異種」核酸コンストラクトは、天然宿主細胞内で見出される制御配列/DNAコード配列の組み合わせと同一、又は異なる制御配列/DNAコード(ORF)配列の組み合わせを含有し得る。
本明細書で使用される場合、「シグナル配列」及び「シグナルペプチド」という用語は、成熟タンパク質又はタンパク質の前駆体形態の分泌又は直接輸送に関与する可能性があるアミノ酸残基の配列を指す。シグナル配列は、一般的には、前駆体又は成熟タンパク質配列のN末端に位置する。シグナル配列は、内因性であっても外来性であってもよい。シグナル配列は、通常は、成熟タンパク質には存在しない。シグナル配列は、一般的には、タンパク質が輸送された後にシグナルペプチダーゼによってタンパク質から切断される。
用語「由来する」は、「〜に起源を持つ」、「〜から得られた」、「入手可能な」及び「作製された」という用語を包含し、一般に、1つの特定の材料若しくは組成物が、別の特定の材料若しくは組成物にその起源があるか、又は別の特定の材料若しくは組成物に関連して記載できる特徴を有することを示している。
本明細書で使用される場合、用語「相同性」は、相同ポリヌクレオチド又は相同ポリペプチドに関連する。2つ以上のポリヌクレオチド又は2つ以上のポリペプチドが相同である場合、これは、相同のポリヌクレオチド又はポリペプチドが、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より一層好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましくは少なくとも98%の「同一性度」を有することを意味する。2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列が、本明細書で定義するような相同であるほどの十分に高い同一性度を有するか否かは、当該技術分野で知られるコンピュータープログラム、例えば、GCGプログラムパッケージで提供される「GAP」(Program Manual for the Wisconsin Package,Version 8,August 1994,Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison,Wisconsin,USA 53711)を使用して2つの配列をアラインすることにより適切に調べることができる(Needleman and Wunsch,(1970))。DNA配列比較のために以下の設定でGAPを使用:GAP作成ペナルティ(creation penalty)5.0及びGAP伸長ペナルティ(extension penalty)0.3。
本明細書で使用される場合、用語「同一性パーセント(%)」は、配列アライメントプログラムを使用してアラインさせたときの、ポリペプチドをコードする核酸配列間又はポリペプチドのアミノ酸配列間の核酸又はアミノ酸の配列同一性のレベルを指す。
本明細書で使用される場合、「比生産性」は、所定の期間にわたって、細胞1個当たり、単位時間当たりに産生されるタンパク質の総量である。
本明細書で定義する場合、「精製された」、「単離された」又は「濃縮された」という用語は、生体分子(例えば、ポリペプチド又はポリヌクレオチド)が、それが本来関連している、天然に存在する構成要素の一部又は全てから分離することによって、その天然状態から変えられていることを意味する。このような単離又は精製は、最終組成物中において望ましくない全細胞、細胞片、不純物、外来タンパク質又は酵素を除く、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性分離、透析、プロテアーゼ処理、硫酸アンモニウム沈澱若しくは他のタンパク質塩析、遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、濾過、精密濾過、ゲル電気泳動、又は勾配による分離などの当該技術分野で認められている分離技術によって実施され得る。精製又は単離した生体分子組成物には、その後さらに、追加の便益を付与する構成要素、例えば、活性化剤、抗阻害剤、望ましいイオン、pHを制御する化合物又は他の酵素若しくは化学物質を添加することができる。
本明細書で使用される場合、「変異ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)アミラーゼ」は、国際公開第2009/149130号パンフレットに開示された変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)α−アミラーゼである。
本明細書で使用される場合、用語「ComKポリペプチド」は、comK遺伝子の産物;コンピテンスの発達の前の最終自己調節制御スイッチとして作用する転写因子として定義され;DNA結合及び取込み並びに組み換えに関与する後期コンピテンス遺伝子の発現の活性化に関与する(Liu and Zuber,1998,Hamoen et al.,1998)。comK核酸配列を含み、発現するプラスミド(pBL.comK)を配列番号50に示す。
本明細書で使用される場合、「相同遺伝子」は、異なるが通常は関連する種に由来する、相互に対応し、且つ相互に同一であるか又は極めて類似する1対の遺伝子を指す。この用語は、種分化(すなわち、新規な種の発生)によって分離された遺伝子(例えば、オルソロガス遺伝子)、及び遺伝子重複によって分離されてきた遺伝子(例えば、パラロガス遺伝子)を包含する。
本明細書で使用される場合、「オルソログ」及び「オルソロガス遺伝子」は、種分化によって共通の先祖遺伝子(すなわち、相同遺伝子)から生じた異なる種の遺伝子を指す。通常、オルソログは、進化の過程で同じ機能を保持している。オルソログの同定は、新しく配列が決定されたゲノムにおける遺伝子機能の信頼性の高い予測に使用される。
本明細書で使用される場合、「パラログ」及び「パラロガス遺伝子」は、ゲノム内での重複に関係する遺伝子を指す。オルソログは進化の過程を通して同じ機能を保持し、一方、パラログはいくつかの機能は多くは元の機能に関連するものの新しい機能を生じる。パラロガス遺伝子の例としては、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ及びトロンビン(これらはいずれも、セリンプロテイナーゼであり、同じ種において同時に発生する)をコードする遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「相同性」は、配列の類似性又は同一性を指し、好ましくは同一性である。この相同性は、当該技術分野で知られる標準技術を使用して決定される(例えば、Smith and Waterman,1981;Needleman and Wunsch,1970;Pearson and Lipman,1988;Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group,Madison,WI)のGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTAなどのプログラム;並びにDevereux et al.,1984を参照)。
本明細書で使用する「アナログ配列」は、遺伝子の機能がバチルス属(Bacillus)細胞に由来する遺伝子と実質的に同一である配列である。さらに、アナログ遺伝子は、バチルス属(Bacillus)種細胞の配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を含む。アナログ配列は、既知の配列アラインメント法によって決定される。一般に使用されるアラインメント法はBLASTであるが、配列をアラインさせる際には他の方法もまた使用される。
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」という用語は、当該技術分野で知られた塩基対合により、核酸鎖を相補鎖と接合させるプロセスを指す。核酸配列は、2つの配列が中程度〜高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件及び洗浄条件下で互いに特異的にハイブリダイズするなら、参照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ可能」であると考えられる。ハイブリダイゼーション条件は核酸結合複合体又はプローブの融解温度(Tm)に基づく。例えば、「最大ストリンジェンシー」は、通常、約Tm−5℃(プローブのTmを5°下回る)で;「高ストリンジェンシー」はTmを約5〜10℃下回り;「中程度ストリンジェンシー」はプローブのTmを約10〜20℃下回り;且つ「低ストリンジェンシー」はTmを約20〜25℃下回って生じる。機能上、最大ストリンジェンシー条件は、ハイブリダイゼーションプローブと厳密な同一性、又はほぼ厳密な同一性を有する配列を同定するために用いることができ;一方、中程度又は低ストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチド配列ホモログを同定又は検出するために用いることができる。中程度及び高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は当該技術分野でよく知られている。高ストリンジェンシー条件の例としては、50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS及び100pg/mlの変性キャリアDNA中における約42℃でのハイブリダイゼーション、その後の2×SSC及び0.5%SDS中における室温(RT)での2回の洗浄、並びに0.1×SSC及び0.5%SDS中における42℃でのさらなる2回の洗浄が挙げられる。中程度のストリンジェント条件の例としては、20%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン及び20mg/ml変性断片処理済みサケ精子DNAを含む溶液中、37℃で終夜インキュベートし、続いて1×SSC中、約37〜50℃でフィルターを洗浄することが挙げられる。当業者は、プローブ長などの因子を適合させるために必要な温度、イオン強度などを調整する方法を知っている。
本明細書で使用される場合、「組み換え」は、異種核酸配列の導入によって改変されているか、又は細胞がそのように改変された細胞に由来する細胞又はベクターへの言及を含む。したがって、例えば、組み換え細胞は、細胞の天然(非組み換え)形態内の同一形態においては見出されない遺伝子を発現するか、又はヒトが意図的に介入した結果として、さもなければ異常に発現する、過少発現する、若しくは全く発現しない天然遺伝子を発現する。「組み換え(recombination)」、「組み換える」、又は「組み換え(recombined)」核酸を生成することは、一般に、2つ以上の核酸断片の集合体であり、この集合体は、キメラ遺伝子を発生させる。
本明細書で使用される場合、「フランキング配列」は、対象配列の上流又は下流のいずれかにある任意の配列を指す(例えば、遺伝子A−B−Cでは、遺伝子BはA及びC遺伝子配列にフランキングされている)。特定の実施形態では、入来配列は両側で相同ボックスにフランキングされている。別の実施形態では、入来配列及び相同ボックスは両側にスタッファー配列がフランキングしている単位を含む。いくつかの実施形態では、フランキング配列は一方の側(3’又は5’のいずれか)にのみ存在するが、好ましい実施形態では、フランキングされている配列の両側に存在する。各相同ボックスの配列は、バチルス属(Bacillus)染色体内の配列と相同である。これらの配列は、バチルス属(Bacillus)染色体のどこに新規なコンストラクトが組み込まれ、バチルス属(Bacillus)染色体のどの部分が入来配列により置換されるかを指示する。他の実施形態では、選択マーカーの5’側及び3’側末端は、不活化染色体セグメントの一部を含むポリヌクレオチド配列によってフランキングされている。いくつかの実施形態では、フランキング配列は一方の側(3’又は5’のいずれか)にのみ存在するが、他の実施形態では、フランキングされている配列の両側に存在する。
本明細書で使用される場合、用語「スタッファー配列」は、相同ボックス(一般的には、ベクター配列)にフランキングしている任意のエクストラDNAを指す。しかし、この用語は、任意の非相同DNA配列を包含する。いかなる理論によっても限定されるものではないが、スタッファー配列は細胞がDNA取込みを開始するために重要ではない標的を提供する。
II.GlcT抗終結タンパク質
以下の実施例の項で記載されるように、出願人は、定型の全宿主変異誘発(NTG)を実施して、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)変異体(すなわち、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)娘細胞)のプールを作製し、定型のスクリーニング手順を使用して、目的の工業関連タンパク質(例えば、異種酵素、内因性酵素)をより多く産生し得るそのような改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)娘細胞を同定した。より詳細には、出願人は、変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子の一塩基多型(SNP)を含む改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(娘)細胞を同定した。この改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞はアミラーゼタンパク質を、野生型GlcTタンパク質をコードする遺伝子を含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と比較して(すなわち、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞を同様の条件下で培養した場合)、より多く産生することができた。
Schmalisch et al.,(2003)に一般的に記されているように、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)GlcTタンパク質は転写抗ターミネーターのBglGファミリーのメンバーであり、この抗ターミネーターは、N末端RNA結合ドメイン(約60アミノ酸)と、インデューサーの利用可能性に応答してタンパク質の調節出力を調節する、2つの反復ホスホトランスフェラーゼシステム(PTS)調節ドメイン(PRD;PRD−I及びPRD−II)を含む(Manival et al.,1997;Stulke et al.,1998)。例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びその他のいくつかの細菌では、グルコースが取り込まれると同時にホスホエノールピルビン酸塩によってリン酸化される:糖ホスホトランスフェラーゼ系(PTS)(Postma et al.,1993)。ホスホトランスフェラーゼ系(PTS)は、2つの一般的なエネルギーカップリングタンパク質、酵素I(EI)及びHPrと、いくつかのマルチドメイン糖特異的パーミアーゼ(例えば、酵素II(EII))から構成され、これらは、個々のタンパク質として存在するか、又は単一のポリペプチドに融合され得る。
例えば、B.サブチリス(B.subtilis)では、グルコースパーミアーゼ(EII)の全てのドメインが融合されて、ドメイン配置(EIIC)(EIIB)−(EIIA)を有する単一のポリペプチドを形成する(例えば、Postma et al.,1993;Stulke and Hillen,2000を参照)。さらに、グルコースPTSの構成要素をコードする遺伝子は細菌で構成的に発現していると長い間考えられていた。これは一般的なタンパク質をコードするptsI及びptsH遺伝子についての事例であるが、グルコース特異的パーミアーゼ(EIIGlc)をコードするptsG遺伝子は、E.コリ(E.coli)及びB.サブチリス(B.subtilis)の両方においてグルコースにより誘導される(Postma et al.,1993;Stulkeand Hillen,2000;Plumbridge,2002.)。B.サブチリス(B.subtilis)では、ptsG発現のグルコース誘導は転写抗終結によって媒介される。例えば、グルコースがないと、ptsGプロモーターで開始された転写はmRNAのリーダー領域で終結する。グルコースが存在すれば、GlcT抗終結タンパク質は活性であり(すなわち、二量体)、ターミネーターと重なるRNA抗ターミネーター(RAT)配列に結合することによって転写終結を妨げる。GlcTのRATへの結合はRAT構造を安定化し、ターミネーターの形成を妨げると考えられる(Stulke et al.,1997;Langbein et al.,1999)。
特定の理論、機構、又は作用様式に拘束されることを望むものではないが、出願人は驚くべきことに、変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子又はそのORFを含む、本開示の改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞が、目的の工業関連タンパク質をより多く産生し得ることを発見した。より詳細には、出願人は、変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子の一塩基多型(SNP)を含む改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)(娘)細胞を同定した。この改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞はアミラーゼタンパク質を、野生型GlcTタンパク質をコードする遺伝子を含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と比較して(すなわち、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞を同様の条件下で培養した場合)、より多く産生することができた。
例えば、図1Aは、変異GlcTタンパク質(配列番号55)をコードする改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)ORF(配列番号56)と比較した、野生型GlcTタンパク質(配列番号82)をコードする親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)ORF(配列番号22)の核酸配列アラインメントを示す。図1Aに示すように、2つのアラインしたORF配列(配列番号22対配列番号56)は、ヌクレオチド199位のSNPによって異なり、配列番号22の199位はシトシン(C)を含み、配列番号56の199位はチミン(T)を含む(例えば、図1Aの黒の四角で囲んだ199位のヌクレオチド(C)及び(T)を参照)。同様に、図1Bは、コードされた野生型GlcTタンパク質(配列番号82)及びコードされた変異GlcTタンパク質(配列番号55)のアラインメントを示し、配列番号56の199位における(C)から(T)へのSNP(図1Aを参照)は、配列番号55のアミノ酸残基67位におけるロイシン(L)からフェニルアラニン(F)への置換をもたらす(例えば、それぞれ、図1Bの配列番号22及び配列番号55の残基67位の黒の四角で囲んだ(L)及び(F)アミノ酸を参照)。
出願人は、配列番号82の野生型GlcTタンパク質配列を用いて、BLASTタンパク質配列の検索、アラインメント、及びその分析をさらに行い、この分析により、配列番号82の67位のロイシン(L)アミノ酸がバチルス属(Bacillus)種細胞の間で高度に保存されていることが明らかになった。同様に、完全長GlcTタンパク質配列の配列同一性はバチルス属(Bacillus)種細胞間で高度に保存されている(例えば、80〜100%のアミノ酸配列同一性)。したがって、特定の実施形態では、アレルglcT1は、配列番号55と約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するGlcTタンパク質をコードし、且つ配列番号55のアミノ酸残基67位にフェニルアラニン(F)を含む。
III.RghR2rest B.リケニフォルミス(B.Licheniformis)細胞
上記のセクションIIで一般的に記載したように、本開示の特定の実施形態は、改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞(すなわち、例えば、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)、変異GlcTタンパク質をコードする改変glcT遺伝子を含む)に関連し、この改変細胞は目的タンパク質(POI)を、同じPOIを産生する親バチルス属(Bacillus)細胞と比較して、より多く産生する。特定の関連する実施形態において、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、米国仮特許出願第62/463,268号明細書に記載され、説明されている回復rghR2遺伝子(rghR2rest)を含む、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞である。
例えば、本開示の特定の実施形態では、改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)細胞は、配列番号61のrghR2遺伝子に対して90%の配列同一性を含む回復rghR2遺伝子を含む。他の実施形態では、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は、配列番号61のrghR2遺伝子に対して95%の配列同一性を含む、回復rghR2遺伝子を含む。さらに他の実施形態では、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は、配列番号61の回復rghR2遺伝子を含む。
他の実施形態では、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は、配列番号84のRghR2タンパク質に対して90%の配列同一性を含むRghR2タンパク質をコードする回復rghR2遺伝子を含む。特定の他の実施形態では、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は、配列番号84のRghR2タンパク質に対して95%の配列同一性を含むRghR2タンパク質をコードする回復rghR2遺伝子を含む。さらに他の実施形態では、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は、配列番号84のRghR2タンパク質をコードする回復rghR2遺伝子を含む。したがって、本開示の特定の実施形態は、回復rghR2(rghR2rest)遺伝子及びアレルglcT1を含む改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に関する。
IV.改変B.サブチリス(B.subtilis)APRE 5’−UTR核酸配列
上で一般的に記載したように、本発明の特定の実施形態は、アレルglcT1を含む改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞に関し、この改変バチルス属(Bacillus)細胞は、天然/野生型glcT遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞と比較して、目的の内因性及び/又は異種タンパク質をより多く産生することができる。したがって、特定の関連する実施形態では、バチルス属(Bacillus)親細胞及びその改変娘細胞(例えば、アレルglcT1を含む)は、目的タンパク質をコードする発現コンストラクトで形質転換される。例えば、特定の実施形態では、親及び改変バチルス属(Bacillus)細胞は、POI(例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなど)をコードする発現コンストラクトで形質転換される。
したがって、特定の関連する実施形態では、POIをコードする核酸配列(例えば、ORF)は、改変B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−非翻訳領域(mod−5’−UTR)配列(配列番号63)に作動可能に連結されている。例えば、出願人が2017年9月13日に出願した米国仮特許出願第62/558,304号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)では、そのようなmod−5’−UTR配列、そのベクター、その改変宿主細胞などを開示し、十分に説明している。
より詳細には、本開示の実施例7に示すように、出願人は、改変aprE 5’非翻訳領域(mod−5’−UTR)配列の、バチルス属(Bacillus)細胞における目的タンパク質をコードする遺伝子の発現に対する効果を(例えば、野生型B.サブチリス(B.subtilis)aprE5’−UTR(配列番号62)又は改変aprE 5’−UTR(配列番号63)のいずれかを含むα−アミラーゼ発現カセットを構築することによって)試験した。したがって、実施例7では、様々な(改変)5’−UTRコンストラクトの評価のためのバチルス属(Bacillus)宿主細胞の作製、並びにそのような改変5’UTRコンストラクトが上流(5’)プロモーター及び目的タンパク質をコードする下流(3’)オープンリーディングフレームに作動可能に連結されているときの目的タンパク質の産生に与えるそれらの影響/作用を記載している。
例えば、キシロース誘導性comK発現カセット(配列番号50)を有するプラスミド(pBL.ComK)を含む、親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞BF63、BF62、及びBF169(表17及び表18を参照)を構築した。より詳細には、以下の実施例の項に記載されるように、野生型(WT)5’−UTR発現コンストラクト(配列番号64)又は改変5’−UTR発現コンストラクト(配列番号65)のいずれかを構築し、試験した。ここで、各発現カセット(すなわち、配列番号64又は配列番号65)は、WT−5’−UTR(配列番号62)又はmod−5’−UTR(配列番号63)のいずれかに作動可能に連結された、同じ5’catH相同アーム(配列番号66)、catH遺伝子(配列番号67)及びspoVGrrnIpハイブリッドプロモーター(配列番号68)を(5’−3’方向に)含んだ。さらに、5’−UTRは、latシグナル配列をコードするDNA(配列番号69)、続いて変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)α−アミラーゼをコードするDNA(ORF)(配列番号70)に作動可能に連結された。変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)のα−アミラーゼをコードするDNA(ORF)(配列番号70)の3’側末端は、3’側catH相同アーム(配列番号72)に作動可能に連結されたlatターミネーター(配列番号71)に作動可能に連結された。
V.分子生物学
上で一般的に述べたように、本開示の特定の実施形態は、親バチルス属(Bacillus)細胞に由来する改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞に関する。より詳細には、本開示の特定の実施形態は、タンパク質産生能力、二次代謝産物産生能力などが増大したそのような改変バチルス属(Bacillus)(宿主)細胞(例えば、タンパク質産生宿主細胞、細胞工場)を生成及び構築するための、改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞、及びその方法に関する。
より具体的には、本開示の特定の実施形態は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)変異GlcTタンパク質をコードするglcT遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞の変異体を対象とする。本開示の特定の他の実施形態は、配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(F67)GlcTタンパク質をコードする野生型glcT遺伝子を含む親バチルス属(Bacillus)細胞に由来する改変バチルス属(Bacillus)細胞に関し、この改変バチルス属(Bacillus)細胞は、配列番号55の変異GlcTタンパク質をコードする編集(改変)glcT遺伝子を含む。特定の他の実施形態は、配列番号55のアミノ酸67位にフェニルアラニン(F)を含む(F67)、配列番号55からなる、変異GlcTタンパク質をコードする導入ポリヌクレオチドを含む改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞に関する。他の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、不活化(内因性)天然染色体glcT遺伝子(すなわち、配列番号82と少なくとも95%の配列同一性を含み、配列番号55のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む(L67)GlcTタンパク質をコードする)を含む。
特定の他の実施形態では、変異GlcTタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、発現する本開示の改変バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)細胞は、配列番号84と90%の配列同一性を含むRghR2タンパク質をコードするrghR2遺伝子の改変をさらに含む。他の実施形態では、本開示は、配列番号83のRghR2タンパク質をコードするrghR2遺伝子を含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に由来する改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に関し、この改変細胞は、配列番号84のRghR2タンパク質をコードする回復rghR2遺伝子を含む。
したがって、本開示の特定の実施形態は、本開示の親バチルス属(Bacillus)細胞の遺伝子を改変(変更)して、その改変バチルス属(Bacillus)細胞、より詳細には(非改変)親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と比較して、目的の内因性及び/又は異種タンパク質をより多く産生する改変バチルス属(Bacillus)細胞を生成するための組成物及び方法を提供する。
したがって、本開示の特定の実施形態は、バチルス属(Bacillus)細胞を遺伝子改変する方法を対象とし、その改変は、(a)遺伝子(若しくはそのORF)における1つ以上のヌクレオチドの導入、置換、若しくは除去、又は遺伝子若しくはそのORFの転写若しくは翻訳に必要な調節エレメントにおける1つ以上のヌクレオチドの導入、置換、若しくは除去、(b)遺伝子破壊、(c)遺伝子変換、(d)遺伝子欠失、(e)遺伝子の下方制御、(f)部位特異的変異誘発、及び/或いは(g)ランダム変異誘発を含む。
特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、当該技術分野において周知である方法、例えば、挿入、破壊、置換又は欠失を使用して、上記に規定した遺伝子の発現を減少させる、又は排除することによって構築される。改変又は不活化対象の遺伝子部分は、例えば、コード領域、又はコード領域を発現させるために必要とされる調節エレメントであってよい。そのような調節配列又は制御配列の例は、プロモーター配列又はその機能的部分(すなわち、核酸配列の発現に十分に影響を及ぼす部分)であり得る。改変のための他の制御配列としては、リーダー配列、プロペプチド配列、シグナル配列、転写ターミネーター、転写活性化因子などが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、上述した本開示の遺伝子の少なくとも1つの発現を排除又は減少させる遺伝子欠失によって構築される。遺伝子欠失技術は、遺伝子の部分的又は完全な除去を可能にし、それによりそれらの発現を排除する、又は非機能的(若しくは活性が減少した)タンパク質産物を発現させる。そのような方法では、遺伝子の欠失は、遺伝子をフランキングする5’及び3’領域を隣接して含有するために構築されているプラスミドを使用する相同組み換えによって遂行され得る。隣接する5’及び3’領域は、例えば、プラスミドが細胞内で樹立されることを可能にする許容温度で第2の選択可能マーカーと会合しているpE194などの感温性プラスミドでバチルス属(Bacillus)細胞内に導入され得る。細胞はその後、相同フランキング領域の1つで染色体内に組み込まれたプラスミドを有する細胞を選択するために非許容温度へシフトされる。プラスミドを組み込むための選択は、第2の選択可能マーカーの選択によって実施される。組み込み後、第2の相同フランキング領域での組み換え事象が、選択せずに細胞を数世代にわたり許容温度へシフトすることによって刺激される。細胞は、単一コロニーを得るためにプレーティングされ、コロニーは両方の選択可能マーカーの消失について試験される(例えば、Perego,1993を参照)。したがって、当業者は、完全又は部分的欠失に好適な遺伝子のコード配列及び/又は遺伝子の非コード配列中のヌクレオチド領域を容易に同定し得る。
他の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、それらの転写又は翻訳に必要な遺伝子又は調節エレメント内の1つ以上のヌクレオチドを導入するか、置換するか、又は除去することによって構築される。例えば、停止コドンの導入、開始コドンの除去、又はオープンリーディングフレームのフレームシフトを生じさせるように、ヌクレオチドを挿入又は除去し得る。そのような改変は、当該技術分野で知られる方法にしたがって、部位特異的変異誘発又はPCR生成変異誘発によって行われ得る(例えば、Botstein and Shortle,1985;Lo et al.,1985;Higuchi et al.,1988;Shimada,1996;Ho et al.,1989;Horton et al.,1989、及びSarkar and Sommer,1990を参照)。したがって、特定の実施形態では、本開示の遺伝子は、完全又は部分的欠失によって不活化される。
別の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、遺伝子変換のプロセスによって構築される(例えば、Iglesias and Trautner,1983を参照)。例えば、遺伝子変換法では、遺伝子に対応する核酸配列をin vitroで変異させて欠陥のある核酸配列を生成し、次いで、この核酸配列を親バチルス属(Bacillus)細胞に形質転換して欠陥のある遺伝子を生成する。相同組み換えによって、欠陥のある核酸配列が内因性遺伝子に取って代わる。欠陥のある遺伝子又は遺伝子断片がまた、欠陥のある遺伝子を含有する形質転換体の選択に使用され得るマーカーをコードすることが望ましい場合がある。例えば、欠陥のある遺伝子は、選択可能マーカーと会合している非複製プラスミド若しくは感温性プラスミドで導入され得る。プラスミドを組み込むための選択は、プラスミド複製を許容しない条件下でそのマーカーを選択することによって実施される。遺伝子置換をもたらす第2の組み換え事象の選択は、選択可能マーカーの消失及び変異遺伝子の獲得についてコロニーを調査することによって実施される(Perego,1993)。或いは、欠陥のある核酸配列は、下に記載するように、遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの挿入、置換又は欠失を含有し得る。
他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、遺伝子の核酸配列と相補的なヌクレオチド配列を使用する確立されたアンチセンス技術によって構築される(Parish and Stoker,1997)。より具体的には、バチルス属(Bacillus)細胞による遺伝子の発現は、この遺伝子の核酸配列に相補的なヌクレオチド配列を導入することにより低減(下方制御)又は排除することができ、それは細胞内で転写され得、細胞内で産生されるmRNAにハイブリダイズすることができる。相補的アンチセンスヌクレオチド配列がmRNAにハイブリダイズすることをできる条件下では、したがって、翻訳されるタンパク質の量は低減又は排除される。このようなアンチセンス法としては、以下に限定されないが、RNA干渉(RNAi)、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドなどが挙げられ、これらの全てが当業者によく知られている。
他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、CRISPR−Cas9編集によって作製/構築される。例えば、GlcTタンパク質をコードする遺伝子を、DNAの標的配列にエンドヌクレアーゼを動員するガイドRNA(例えば、Cas9)及びCpf1又はガイドDNA(例えば、NgAgo)のいずれかに結合することによってそれらの標的DNAを見出す核酸誘導型エンドヌクレアーゼによって編集若しくは破壊(又は欠失若しくは下方制御)してもよい(ここで、エンドヌクレアーゼは、DNAにおいて一本鎖又は二本鎖切断を生成することができる)。この標的化DNA切断は、DNA修復のための基質となり、遺伝子を破壊又は欠失させるための提供された編集テンプレートと再結合し得る。例えば、核酸誘導型エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子(この目的のためには、S.ピオゲネス(S.pyogenes)由来のCas9)、又はCas9ヌクレアーゼをコードするコドン最適化遺伝子は、バチルス属(Bacillus)細胞内で活性なプロモーター及びバチルス属(Bacillus)細胞内で活性なターミネーターに作動可能に連結されており、これによりバチルス属(Bacillus)Cas9発現カセットを生成する。同様に、目的の遺伝子に固有の1つ以上の標的部位は、当業者により容易に同定される。例えば、目的遺伝子内の標的部位に向けられたgRNAをコードするDNAコンストラクトを構築するためには、可変ターゲティングドメイン(VT)は、そのヌクレオチドが、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9に対するCas9エンドヌクレアーゼ認識ドメイン(CER)をコードするDNAに融合している、(PAM)プロトスペーサー隣接モチーフ(TGG)の5’側である標的部位のヌクレオチドを含むであろう。VTドメインをコードするDNAとCERドメインをコードするDNAとの組み合わせによって、gRNAをコードするDNAを生成する。したがって、gRNAのためのバチルス属(Bacillus)発現カセットは、バチルス属(Bacillus)細胞内で活性なプロモーター及びバチルス属(Bacillus)細胞内で活性なターミネーターにgRNAをコードするDNAを作動可能に連結させることによって作製される。
特定の実施形態では、エンドヌクレアーゼによって誘導されたDNA切断は、入来配列によって修復/置換される。例えば、上述したCas9発現カセット及びgRNA発現カセットによって生成されたDNA切断を精密に修復するためには、細胞のDNA修復機構が編集テンプレートを利用できるように、ヌクレオチド編集テンプレートが提供される。例えば、標的化遺伝子の約500bpの5’側は、編集テンプレートを生成するために標的化遺伝子の約500bpの3’側に融合させることができ、そのテンプレートは、RGENによって生成されたDNA切断を修復するためにバチルス属(Bacillus)宿主の機構によって使用される。
Cas9発現カセット、gRNA発現カセット及び編集テンプレートは、多数の様々な方法(例えば、プロトプラスト融合法、エレクトロポレーション法、天然コンピテンス又は誘導コンピテンス)を使用して糸状菌細胞に共送達することができる。形質転換細胞は、遺伝子座をフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いて増幅させることによる、標的遺伝子座をPCR増幅させることによってスクリーニングされる。これらのプライマーは、野生型遺伝子座又はRGENによって編集されている改変遺伝子座を増幅させることができる。次いで、これらの断片は、編集されたコロニーを同定するために、シーケンシングプライマーを使用して配列決定される。
さらに他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、当該技術分野においてよく知られる方法、例えば、以下に限定されないが、化学的変異誘発(例えば、Hopwood,1970を参照)及び転座(例えば、Youngman et al.,1983を参照)を使用して、ランダム変異誘発又は特異的変異誘発によって構築される。遺伝子の改変は、親細胞に変異誘発を受けさせること、及びその中で遺伝子の発現が減少又は排除される変異細胞についてスクリーニングすることによって実施され得る。特異的であってもランダムであってもよい変異誘発は、例えば、好適な物理的若しくは化学的変異誘発剤の使用によって、好適なオリゴヌクレオチドの使用によって、又はDNA配列をPCR生成変異誘発にかけることによって実施され得る。さらに、変異誘発は、これらの変異誘発法を任意に組み合わせることにより実施され得る。
本目的に好適な物理的又は化学的変異誘発剤の例としては、紫外線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、N−メチル−N’−ニトロソグアニジン(NTG)、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、メタンスルホン酸エチル(EMS)、亜硫酸水素ナトリウム、ギ酸及びヌクレオチドアナログが挙げられる。このような薬剤を使用する場合、変異誘発は通常、好適な条件下、最適な変異誘発剤の存在下で、変異誘発対象の親細胞をインキュベートする工程、及び遺伝子の発現の減少を示すか、又は発現を示さない変異体細胞を選択する工程によって実施される。
特定の他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、内因性遺伝子の欠失を含む。他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、内在性遺伝子の破壊を含む。特定の実施形態では、本開示のポリヌクレオチド破壊カセットは、マーカー遺伝子を含む。
他の実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、下方制御された内因性遺伝子を含む。例えば、特定の実施形態では、上述した1つ以上の遺伝子を下方制御する工程は、その遺伝子の上流又は下流の調節エレメントを欠失又は破壊させる工程を含む。
国際公開第2003/083125号パンフレットには、バチルス属(Bacillus)細胞の改変方法、例えば、E.コリ(E.coli)をバイパスするためにPCR融合を使用するバチルス属(Bacillus)欠失株及びDNAコンストラクトの作製が開示されている。
国際公開第2002/14490号パンフレットには、(1)組み込みプラスミド(pComK)の構築及び形質転換、(2)コード配列、シグナル配列及びプロペプチド配列のランダム変異誘発、(3)相同組み換え、(4)形質転換DNAに非相同フランクを付加することにより形質転換効率を増大させること、(5)二重交差組み込みの最適化、(6)部位特異的変異誘発、及び(7)マーカーレス欠失を含むバチルス属(Bacillus)細胞の改変方法が開示されている。
当業者は、細菌細胞(例えば、E.コリ(E.coli)及びバチルス属(Bacillus)種)にポリヌクレオチド配列を導入するために好適な方法をよく知っている(例えば、Ferrari et al.,1989;Saunders et al.,1984;Hoch et al.,1967;Mann et al.,1986;Holubova,1985;Chang et al.,1979;Vorobjeva et al.,1980;Smith et al.,1986;Fisher et.al.,1981及びMcDonald,1984)。実際に、プロトプラスト形質転換及び会合、形質導入、並びにプロトプラスト融合を含む形質転換などの方法が知られており、本開示における使用に適している。形質転換法は、本開示のDNAコンストラクトを宿主細胞に導入するのに特に好ましい。
一般に使用されている方法に加えて、いくつかの実施形態では、宿主細胞を直接、形質転換する(すなわち、宿主細胞内に導入する前に、DNAコンストラクトを増幅させるために、又はさもなければプロセシングするために、中間細胞を使用しない)。DNAコンストラクトの宿主細胞内への導入には、プラスミド又はベクター内へ挿入することなくDNAを宿主細胞内に導入するために当該技術分野において知られている物理的及び化学的方法が含まれる。このような方法としては、塩化カルシウム沈澱、エレクトロポレーション、裸DNA、リポソームなどが挙げられるが、これらに限定されない。追加の実施形態では、DNAコンストラクトは、プラスミドに挿入することなく、プラスミドと共に同時形質転換される。さらなる実施形態では、選択マーカーは、当該技術分野において知られる方法によって改変バチルス属(Bacillus)株から欠失されるか、又は実質的に切除される(例えば、Stahl et al.,1984及びPalmeros et al.,2000)。いくつかの実施形態では、宿主染色体由来のベクターの分解は、染色体内のフランキング領域を残すが、一方、固有の染色体領域を除去する。
バチルス属(Bacillus)細胞内での遺伝子、そのオープンリーディングフレーム(ORF)及び/又はその変異配列の発現に使用するプロモーター及びプロモーター配列領域は、当業者に一般に知られている。本開示の本開示のプロモーター配列は、一般に、それらがバチルス属(Bacillus)細胞(例えば、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞、B.サブチリス(B.subtilis)細胞など)内で機能的であるように選択される。特定の例示的なバチルス属(Bacillus)プロモーター配列を、表6に示す。同様に、バチルス属(Bacillus)細胞内での遺伝子発現を駆動するために有用なプロモーターとしては、B.サブチリス(B.subtilis)のアルカリプロテアーゼ(aprE)プロモーター(Stahl et al.,1984)、B.サブチリス(B.subtilis)のα−アミラーゼプロモーター(Yang et al.,1983)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)のα−アミラーゼプロモーター(Tarkinen et al.,1983)、B.サブチリス(B.subtilis)由来の中性プロテアーゼ(nprE)プロモーター(Yang et al.,1984)、変異aprEプロモーター(国際公開第2001/51643号パンフレット)、又はB.リケニフォルミス(B.licheniformis)若しくは他の関連バチルス属(Bacillus)由来の任意の他のプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。特定の他の実施形態では、プロモーターは、米国特許出願公開第2014/0329309号明細書に開示されたリボソームタンパク質プロモーター又はリボソームRNAプロモーター(例えば、rrnIプロモーター)である。バチルス属(Bacillus)細胞において広範囲の活性(プロモーター強度)を有するプロモーターライブラリーをスクリーニング及び作製する方法は、国際公開第2003/089604号パンフレットに記載されている。
VI.目的タンパク質の産生ためのバチルス属(Bacillus)細胞の培養
他の実施形態では、本開示は、非改変(親)細胞と比較して(すなわち、それに対して)改変細菌細胞のタンパク質生産性を増加させる方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、改変細菌細胞を発酵させる/培養する工程を含む目的タンパク質(POI)の産生方法を対象とし、この改変細胞は、POIを培養培地中に分泌する。本開示の改変及び未改変バチルス属(Bacillus)細胞を発酵させるために、当該技術分野でよく知られた発酵方法を適用することができる。
いくつかの実施形態では、細胞は、バッチ又は連続発酵条件下で培養される。古典的なバッチ発酵は、培地の組成が発酵の開始時に設定され、発酵中には変更されない閉鎖系である。発酵の開始時に、培地には所望の生物が接種される。この方法では、系にいかなる成分も添加することなく醗酵を行うことができる。一般には、バッチ発酵は炭素源の添加に関して「バッチ」であると見なされ、pH及び酸素濃度などの因子を制御することが頻繁に行われる。バッチシステムの代謝産物及びバイオマス組成は、発酵が停止されるときまで絶えず変化する。一般的なバッチ培養では、細胞は静的誘導期を経由して高増殖対数期へ進行し、最終的には増殖率が減少又は停止する静止期に進み得る。処理しない場合、静止期にある細胞は最終的には死滅する。一般に、対数期の細胞は、生成物の大部分の産生を担っている。
標準的なバッチシステムの好適なバリエーションは、「フェドバッチ発酵」システムである。一般的なバッチシステムのこのバリエーションでは、発酵が進行するにつれて基質が少しずつ添加される。フェドバッチシステムは、カタボライト抑制が細胞の代謝を阻害する可能性が高い場合、及び培地中の基質量が限られた量であることが望ましい場合に有用である。フェドバッチシステムでは、実際の基質濃度の測定は困難であり、したがって、pH、溶存酸素、及びCO2などの廃ガスの分圧などの測定可能な因子の変化に基づいて推定される。バッチ及びフェドバッチ発酵は、当該技術分野において一般的であり、知られている。
連続発酵は、規定の発酵培地がバイオリアクターに連続的に加えられ、処理のために等量の馴化培地が同時に除去される開放系である。連続発酵は、一般に、培養物を一定の高密度に維持し、細胞は主として対数増殖期にある。連続発酵は、細胞の増殖及び/又は産生物の濃度に影響する1つ以上の因子の調節を可能にする。例えば、一実施形態では、炭素源又は窒素源などの制限栄養素は一定比率で維持され、他の全てのパラメータは調節することができる。他の系では、培地の濁度によって測定される細胞濃度を一定に保ちながら、増殖に影響を及ぼす多数の因子は連続的に変化させることができる。連続系は、定常状態の増殖条件を維持しようとする。したがって、培地を取り出すことによる細胞損失は、発酵中の細胞増殖速度に対して平衡が保たれなければならない。連続発酵プロセスで栄養素及び増殖因子を調節する方法、並びに産生物形成速度を最大化するための手法は、工業微生物学の技術分野においてはよく知られている。
したがって、特定の実施形態では、形質転換(改変)宿主細胞によって産生されたPOIは、従来の手順、例えば、宿主細胞を培地から遠心分離若しくは濾過によって分離する、又は必要であれば、細胞を破壊し、上清を細胞破砕物及び細胞片から取り除くことによって、培養培地から回収することができる。一般的には、清浄化後、上清又は濾液のタンパク質成分を、塩、例えば、硫酸アンモニウムによって沈澱させる。次いで、沈澱したタンパク質を可溶化させ、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過などの様々なクロマトグラフィー法により精製してもよい。
VII.改変(宿主)細胞により産生される目的タンパク質
本開示の目的タンパク質(POI)は、内因性タンパク質であっても異種タンパク質であってもよく、そのようなPOIの変異体であってもよい。タンパク質は、1つ以上のジスルフィド架橋を含有し得るか、又はその機能的形態が単量体又は多量体であるタンパク質であり、すなわち、タンパク質は、四次構造を有し、複数の同一(相同)又は同一でない(異種)サブユニットから構成され、このPOI又はその変異POIは、好ましくは目的の特性を有するものである。
例えば、以下の実施例に記載されるように、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、目的の内因性及び/又は異種タンパク質をより多く産生する。したがって、特定の実施形態では、本開示の改変細胞は、内因性POI、異種POI、又はそのようなPOIの1つ以上の組み合わせを発現する。例えば、特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞は、親バチルス属(Bacillus)細胞と比較して、より多くの内因性POIを産生する。他の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞は、親バチルス属(Bacillus)細胞と比較して、より多くの異種POIを産生する。
したがって、特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)(娘)細胞は親バチルス属(Bacillus)(対照)細胞と比較してより多くのPOIを産生し、そのPOIの増加量は、少なくとも約0.01%の増加、少なくとも約0.10%の増加、少なくとも約0.50%の増加、少なくとも約1.0%の増加、少なくとも約2.0%の増加、少なくとも約3.0%の増加、少なくとも約4.0%の増加、少なくとも約5.0%の増加、又は5.0%を超える増加である。特定の実施形態では、POIの増加量は、酵素活性を試験することによって、及び/又はその比生産性(Qp)を試験/定量することによって決定される。同様に、当業者は、目的の1種以上の目的タンパク質の発現又は産生を検出、試験、測定するなどのために、当該技術分野で知られる他の定型の方法及び技術を利用し得る。
特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、(非改変)親バチルス属(Bacillus)細胞と比較して、POIの比生産性(Qp)の増加を示す。例えば、比生産性(Qp)の検出は、タンパク質の産生を評価するために好適な方法である。比生産性(Qp)は、下記の方程式によって決定できる:
「Qp=gP/gDCW・hr」
(式中、「gP」は、タンク中で産生されるタンパク質のグラムであり;「gDCW」は、タンク中の乾燥細胞重量(DCW)のグラムであり、「hr」は、接種時点からの発酵時間であり、これには、産生時間及び増殖時間が含まれる)。
したがって、特定の他の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、未改変(親)細胞と比較して、少なくとも約0.1%、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%又は少なくとも約10%以上の比生産性(Qp)の増加を含む。
特定の実施形態では、POI又はその変異POIは、アセチルエステラーゼ、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アラビナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、炭酸脱水酵素、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、キモシン、クチナーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エピメラーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルカナーゼ、グルカンリアーゼ、エンド−β−グルカナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グリコシルヒドロラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ヒドロラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、酸化還元酵素、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチン分解酵素、ペルヒドロラーゼ、ポリオールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、ラムノ−ガラクツロナーゼ、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、輸送タンパク質、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
したがって、特定の実施形態では、POI又はその変異POIは、酵素番号(EC)のEC1、EC2、EC3、EC4、EC5又はEC6から選択される酵素である。
例えば、特定の実施形態では、POIは、酸化還元酵素、例えば、以下に限定されないが、EC1.10.3.2(例えば、ラッカーゼ)、EC1.10.3.3(例えば、L−アスコルビン酸オキシダーゼ)、EC1.1.1.1(例えば、アルコール脱水素酵素)、EC1.11.1.10(例えば、塩化物ペルオキシダーゼ)、EC1.11.1.17(例えば、ペルオキシダーゼ)、EC1.1.1.27(例えば、L−乳酸脱水素酵素)、EC1.1.1.47(例えば、グルコース1−脱水素酵素)、EC1.1.3.X(例えば、グルコースオキシダーゼ)、EC1.1.3.10(例えば、ピラノースオキシダーゼ)、EC1.13.11.X(例えば、ジオキシゲナーゼ)、EC1.13.11.12(例えば、リノール酸13S−リポキシゲナーゼ)、EC1.1.3.13(例えば、アルコールオキシダーゼ)、EC1.14.14.1(例えば、モノオキシゲナーゼ)、EC1.14.18.1(例えば、モノフェノールモノオキシゲナーゼ)、EC1.15.1.1(例えば、スーパーオキシドジスムターゼ)、EC1.1.5.9(以前のEC1.1.99.10、例えば、グルコース脱水素酵素)、EC1.1.99.18(例えば、セロビオース脱水素酵素)、EC1.1.99.29(例えば、ピラノース脱水素酵素)、EC1.2.1.X(例えば、脂肪酸還元酵素)、EC1.2.1.10(例えば、アセトアルデヒド脱水素酵素)、EC1.5.3.X(例えば、フルクトシルアミン還元酵素)、EC1.8.1.X(例えば、ジスルフィド還元酵素)及びEC1.8.3.2(例えば、チオールオキシダーゼ)から選択されるEC1(酸化還元酵素)酵素である。
特定の実施形態では、POIは、トランスフェラーゼ酵素、例えば、以下に限定されないが、EC2.3.2.13(例えば、トランスグルタミナーゼ)、EC2.4.1.X(例えば、ヘキソシルトランスフェラーゼ)、EC2.4.1.40(例えば、アルテルナスクラーゼ(alternasucrase)、EC2.4.1.18(例えば、1,4−アルファ−グルカン分枝酵素)、EC2.4.1.19(例えば、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ)、EC2.4.1.2(例えば、デキストリンデキストラナーゼ)、EC2.4.1.20(例えば、セロビオースホスホリラーゼ)、EC2.4.1.25(例えば、4−アルファ−グルカノトランスフェラーゼ)、EC2.4.1.333(例えば、1,2−ベータ−オリゴグルカンリントランスフェラーゼ)、EC2.4.1.4(例えば、アミロスクラーゼ)、EC2.4.1.5(例えば、デキストランスクラーゼ)、EC2.4.1.69(例えば、ガラクトシド2−アルファ−L−フコシルトランスフェラーゼ)、EC2.4.1.9(例えば、イヌロスクラーゼ)、EC2.7.1.17(例えば、キシルロキナーゼ)、EC2.7.7.89(以前のEC3.1.4.15、例えば、[グルタミンシンテターゼ]−アデニリル−L−チロシンホスホリラーゼ)、EC2.7.9.4(例えば、アルファ−グルカンキナーゼ)及びEC2.7.9.5(例えば、ホスホグルカンキナーゼ)から選択されるEC2(トランスフェラーゼ)酵素である。
他の実施形態では、POIは、ヒドロラーゼ酵素、例えば、以下に限定されないが、EC3.1.X.X(例えば、エステラーゼ)、EC3.1.1.1(例えば、ペクチナーゼ)、EC3.1.1.14(例えば、クロロフィラーゼ)、EC3.1.1.20(例えば、タンナーゼ)、EC3.1.1.23(例えば、グリセロール−エステルアシルヒドロラーゼ)、EC3.1.1.26(例えば、ガラクトリパーゼ)、EC3.1.1.32(例えば、ホスホリパーゼA1)、EC3.1.1.4(例えば、ホスホリパーゼA2)、EC3.1.1.6(例えば、アセチルエステラーゼ)、EC3.1.1.72(例えば、アセチルキシランエステラーゼ)、EC3.1.1.73(例えば、フェルロイルエステラーゼ)、EC3.1.1.74(例えば、クチナーゼ)、EC3.1.1.86(例えば、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ)、EC3.1.1.87(例えば、フモシンB1エステラーゼ)、EC3.1.26.5(例えば、リボヌクレアーゼP)、EC3.1.3.X(例えば、リン酸加水分解酵素)、EC3.1.30.1(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)ヌクレアーゼS1)、EC3.1.30.2(例えば、セルチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)ヌクレアーゼ)、EC3.1.3.1(例えば、アルカリホスファターゼ)、EC3.1.3.2(例えば、酸性ホスファターゼ)、EC3.1.3.8(例えば、3−フィターゼ)、EC3.1.4.1(例えば、ホスホジエステラーゼI)、EC3.1.4.11(例えば、ホスホイノシチドホスホリパーゼC)、EC3.1.4.3(例えば、ホスホリパーゼC)、EC3.1.4.4(例えば、ホスホリパーゼD)、EC3.1.6.1(例えば、アリールスルファターゼ)、EC3.1.8.2(例えば、ジイソプロピル−フルオロホスファターゼ)、EC3.2.1.10(例えば、オリゴ−1,6−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.101(例えば、マンナンエンド−1,6−アルファ−マンノシダーゼ)、EC3.2.1.11(例えば、アルファ−1,6−グルカン−6−グルカノヒドロラーゼ)、EC3.2.1.131(例えば、キシランアルファ−1,2−グルクロノシダーゼ)、EC3.2.1.132(例えば、キトサンN−アセチルグルコサミノヒドロラーゼ)、EC3.2.1.139(例えば、アルファ−グルクロニダーゼ)、EC3.2.1.14(例えば、キチナーゼ)、EC3.2.1.151(例えば、キシログルカン特異的エンド−ベータ−1,4−グルカナーゼ)、EC3.2.1.155(例えば、キシログルカン特異的エキソ−ベータ−1,4−グルカナーゼ)、EC3.2.1.164(例えば、ガラクタンエンド−1,6−ベータ−ガラクトシダーゼ)、EC3.2.1.17(例えば、リゾチーム)、EC3.2.1.171(例えば、ラムノガラクツロナンヒドロラーゼ)、EC3.2.1.174(例えば、ラムノガラクツロナンラムノヒドロラーゼ)、EC3.2.1.2(例えば、ベータ−アミラーゼ)、EC3.2.1.20(例えば、アルファ−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.22(例えば、アルファ−ガラクトシダーゼ)、EC3.2.1.25(例えば、ベータ−マンノシダーゼ)、EC3.2.1.26(例えば、ベータ−フルクトフラノシダーゼ)、EC3.2.1.37(例えば、キシラン1,4−ベータ−キシロシダーゼ)、EC3.2.1.39(例えば、グルカンエンド−1,3−ベータ−D−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.40(例えば、アルファ−L−ラムノシダーゼ)、EC3.2.1.51(例えば、アルファ−L−フコシダーゼ)、EC3.2.1.52(例えば、ベータ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ)、EC3.2.1.55(例えば、アルファ−N−アラビノフラノシダーゼ)、EC3.2.1.58(例えば、グルカン1,3−ベータ−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.59(例えば、グルカンエンド−1,3−アルファ−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.67(例えば、ガラクツラン1,4−アルファ−ガラクツロニダーゼ)、EC3.2.1.68(例えば、イソアミラーゼ)、EC3.2.1.7(例えば、1−ベータ−D−フルクタンフルクタノヒドロラーゼ)、EC3.2.1.74(例えば、グルカン1,4−β−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.75(例えば、グルカンエンド−1,6−ベータ−グルコシダーゼ)、EC3.2.1.77(例えば、マンナン1,2−(1,3)−アルファ−マンノシダーゼ)、EC3.2.1.80(例えば、フルクタンベータ−フルクトシダーゼ)、EC3.2.1.82(例えば、エキソ−ポリ−アルファ−ガラクツロノシダーゼ)、EC3.2.1.83(例えば、カッパ−カラギナーゼ)、EC3.2.1.89(例えば、アラビノガラクタンエンド−1,4−ベータ−ガラクトシダーゼ)、EC3.2.1.91(例えば、セルロース1,4−ベータ−セロビオシダーゼ)、EC3.2.1.96(例えば、マンノシル−グリコプロテインエンド−ベータ−N−アセチルグルコサミニダーゼ)、EC3.2.1.99(例えば、アラビナンエンド−1,5−アルファ−L−アラビナナーゼ)、EC3.4.X.X(例えば、ペプチダーゼ)、EC3.4.11.X(例えば、アミノペプチダーゼ)、EC3.4.11.1(例えば、ロイシルアミノペプチダーゼ)、EC3.4.11.18(例えば、メチオニルアミノペプチダーゼ)、EC3.4.13.9(例えば、Xaa−Proジペプチダーゼ)、EC3.4.14.5(例えば、ジペプチジル−ペプチダーゼIV)、EC3.4.16.X(例えば、セリン型カルボキシペプチダーゼ)、EC3.4.16.5(例えば、カルボキシペプチダーゼC)、EC3.4.19.3(例えば、ピログルタミル−ペプチダーゼI)、EC3.4.21.X(例えば、セリンエンドペプチダーゼ)、EC3.4.21.1(例えば、キモトリプシン)、EC3.4.21.19(例えば、グルタミルエンドペプチダーゼ)、EC3.4.21.26(例えば、プロリルオリゴペプチダーゼ)、EC3.4.21.4(例えば、トリプシン)、EC3.4.21.5(例えば、トロンビン)、EC3.4.21.63(例えば、オリジン)、EC3.4.21.65(例えば、テルモミコリン)、EC3.4.21.80(例えば、ストレプトグリシンA)、EC3.4.22.X(例えば、システインエンドペプチダーゼ)、EC3.4.22.14(例えば、アクチニダイン)、EC3.4.22.2(例えば、パパイン)、EC3.4.22.3(例えば、フィカイン)、EC3.4.22.32(例えば、ステムブロメライン)、EC3.4.22.33(例えば、フルーツブロメライン)、EC3.4.22.6(例えば、キモパパイン)、EC3.4.23.1(例えば、ペプシンA)、EC3.4.23.2(例えば、ペプシンB)、EC3.4.23.22(例えば、エンドチアペプシン)、EC3.4.23.23(例えば、ムコールペプシン)、EC3.4.23.3(例えば、ガストリクシン)、EC3.4.24.X(例えば、メタロエンドペプチダーゼ)、EC3.4.24.39(例えば、ドイテロリシン)、EC3.4.24.40(例えば、セラリシン)、EC3.5.1.1(例えば、アスパラギナーゼ)、EC3.5.1.11(例えば、ペニシリンアミダーゼ)、EC3.5.1.14(例えば、N−アシル−脂肪族−L−アミノ酸アミドヒドロラーゼ)、EC3.5.1.2(例えば、L−グルタミンアミドヒドロラーゼ)、EC3.5.1.28(例えば、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼ)、EC3.5.1.4(例えば、アミダーゼ)、EC3.5.1.44(例えば、タンパク質−L−グルタミンアミドヒドロラーゼ)、EC3.5.1.5(例えば、ウレアーゼ)、EC3.5.1.52(例えば、ペプチド−N(4)−(N−アセチル−ベータ−グルコサミニル)アスパラギンアミダーゼ)、EC3.5.1.81(例えば、N−アシル−D−アミノ酸デアシラーゼ)、EC3.5.4.6(例えば、AMPデアミナーゼ)及びEC3.5.5.1(例えば、ニトリラーゼ)から選択されるEC3(ヒドロラーゼ)酵素である。
他の実施形態では、POIは、リアーゼ酵素、例えば、以下に限定されないが、EC4.1.2.10(例えば、マンデロニトリルリアーゼ)、EC4.1.3.3(例えば、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ)、EC4.2.1.1(例えば、炭酸脱水酵素)、EC4.2.2.−(例えば、ラムノガラクツロナンリアーゼ)、EC4.2.2.10(例えば、ペクチンリアーゼ)、EC4.2.2.22(例えば、ペクチン酸三糖リアーゼ)、EC4.2.2.23(例えば、ラムノガラクツロナンエンドリアーゼ)及びEC4.2.2.3(例えば、マンヌロン酸特異的アルギン酸リアーゼ)から選択されるEC4(リアーゼ)酵素である。
特定の他の実施形態では、POIは、イソメラーゼ酵素、例えば、以下に限定されないが、EC5.1.3.3(例えば、アルドース1−エピメラーゼ)、EC5.1.3.30(例えば、D−プシコース3−エピメラーゼ)、EC5.4.99.11(例えば、イソマルツロースシンターゼ)及びEC5.4.99.15(例えば、(1→4)−α−D−グルカン1−α−D−グルコシルムターゼ)から選択されるEC5(イソメラーゼ)酵素である。
さらに他の実施形態では、POIは、リガーゼ酵素、例えば、以下に限定されないが、EC6.2.1.12(例えば、4−クマリン酸塩:補酵素Aリガーゼ)及びEC6.3.2.28(例えば、L−アミノ酸アルファ−リガーゼ)9から選択されるEC6(リガーゼ)酵素である。
したがって、特定の実施形態では、工業用プロテアーゼを産生するバチルス属(Bacillus)宿主細胞は、特に好ましい発現宿主を提供する。同様に、特定の他の実施形態では、工業用アミラーゼを産生するバチルス属(Bacillus)宿主細胞は、特に好ましい発現宿主を提供する。
例えば、典型的にはバチルス属(Bacillus)種によって分泌されるプロテアーゼには、2つの一般型、すなわち、中性(又は「金属プロテアーゼ」)及びアルカリ性(又は「セリン」)プロテアーゼがある。例えば、バチルス属(Bacillus)サブチリシンタンパク質(酵素)は、本開示において使用される典型的なセリンプロテアーゼである。多種多様なバチルス属(Bacillus)サブチリシン、例えば、サブチリシン168、サブチリシンBPN’、サブチリシンカールスバーグ、サブチリシンDY、サブチリシン147及びサブチリシン309が同定及び配列決定されている(例えば、国際公開第1989/06279号パンフレット及びStahl et al.,1984)。本開示のいくつかの実施形態では、改変バチルス属(Bacillus)細胞は、変異(mutant)(すなわち、変異(variant))プロテアーゼを産生する。数多くの参考文献、例えば、国際公開第1999/20770号パンフレット;同第1999/20726号パンフレット;同第1999/20769号パンフレット;同第1989/06279号パンフレット;米国再発行特許第34,606号明細書;米国特許第4,914,031号明細書;同第4,980,288号明細書;同第5,208,158号明細書;同第5,310,675号明細書;同第5,336,611号明細書;同第5,399,283号明細書;同第5,441,882号明細書;同第5,482,849号明細書;同第5,631,217号明細書;同第5,665,587号明細書;同第5,700,676号明細書;同第5,741,694号明細書;同第5,858,757号明細書;同第5,880,080号明細書;同第6,197,567号明細書及び同第6,218,165号明細書が、変異プロテアーゼの例を提供している。したがって、特定の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、プロテアーゼをコードする発現コンストラクトを含む。
特定の他の実施形態では、本開示の改変バチルス属(Bacillus)細胞は、アミラーゼをコードする発現コンストラクトを含む。多種多様なアミラーゼ酵素及びその変異体が、当業者に知られている。例えば、国際公開第2006/037484号パンフレット及び同第2006/037483号パンフレットは、溶媒安定性が改善された変異α−アミラーゼを記載しており、国際公開第1994/18314号パンフレットは、酸化的に安定なα−アミラーゼ変異体を開示しており、国際公開第1999/19467号パンフレット、同第2000/29560号パンフレット及び同第2000/60059号パンフレットは、Termamyl様α−アミラーゼ変異体を開示しており、国際公開第2008/112459号パンフレットは、バチルス属(Bacillus)種707番に由来するα−アミラーゼ変異体を開示しており、国際公開第1999/43794号パンフレットは、マルトジェニックα−アミラーゼ変異体を開示しており、国際公開第1990/11352号パンフレットは、超耐熱性α−アミラーゼ変異体を開示しており、国際公開第2006/089107号パンフレットは、粒状デンプン加水分解活性を有するα−アミラーゼ変異体を開示している。
他の実施形態では、本開示の改変細胞内で発現し産生されるPOI又は変異POIは、ペプチド、ペプチドホルモン、増殖因子、凝固因子、ケモカイン、サイトカイン、リンホカイン、抗体、受容体、接着分子、微生物抗原(例えば、HBV表面抗原、HPV E7など)、それらの変異体、それらの断片などである。他のタイプの目的タンパク質(又はその変異体)は、食品又は作物に栄養価を提供することのできるタンパク質であり得る。非限定的な例としては、抗栄養因子の形成を阻害できる植物タンパク質、及びより望ましいアミノ酸組成(例えば、非トランスジェニック植物より高いリジン含量)を有する植物タンパク質が挙げられる。
細胞内及び細胞外で発現したタンパク質の活性を検出及び測定するための当業者に知られる様々なアッセイがある。特に、プロテアーゼについては、280nmでの吸光度として測定される、又はフォリン法を使用して比色定量により測定されるカゼイン又はヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの放出に基づくアッセイがある(Bergmeyer et al.,1984)。他のアッセイには、発色性基質の可溶化が包含される(例えば、Ward,1983を参照)。他の典型的なアッセイとしては、スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラ−ニトロアニリドアッセイ(SAAPFpNA)及び2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩アッセイ(TNBSアッセイ)が挙げられる。当業者に知られる多数の追加の文献が、好適な方法を提供する(例えば、Wells et al.,1983;Christianson et al.,1994及びHsia et al.,1999を参照)。
国際公開第2014/164777号パンフレットは、本明細書に記載されるアミラーゼ活性に有用なセラルファα−アミラーゼ活性アッセイを開示している。
宿主細胞中の目的タンパク質の分泌レベルを決定し、発現したタンパク質を検出するための手段としては、タンパク質に特異的なポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれかを用いるイムノアッセイの使用が挙げられる。その例としては、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)及び蛍光活性化セルソーティング(FACS)が挙げられる。
本発明の特定の態様は、以下の実施例に照らせばさらに理解することができるが、それらの実施例は限定するものと解釈すべきでない。材料及び方法の変更は、当業者には明白であろう。
実施例1
変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子中の一塩基多型(SNP)を含む変異バチルス・リケニフォルミス(BACILLUS LICHENIFORMIS)娘細胞
上記の発明を実施するための形態において簡潔に記載したように、本開示の出願人は、定型的なNTG(N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン)変異誘発を実施してB.リケニフォルミス(B.licheniformis)変異体(すなわち、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)娘細胞)のプールを作製し、続いて、このNTG改変娘細胞をスクリーニングして、目的の工業関連タンパク質(例えば、アミラーゼ、プロテアーゼなど)の産生を増加させ得るB.リケニフォルミス(B.licheniformis)娘細胞を同定した。より具体的には、定型的なセラルファα−アミラーゼアッセイによって、本出願人は変異GlcTタンパク質をコードする遺伝子(すなわち、アレルglcT1;配列番号56)中にSNPを含む変異B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞を同定した。この変異B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞は野生型GlcTタンパク質をコードする遺伝子を含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と比較して、異種アミラーゼタンパク質をより多く産生することができた(例えば、以下の実施例8を参照)(ここで、変異細胞及び親細胞は同一の条件下で培養される)。以下の実施例8でさらに記載するセラルファα−アミラーゼアッセイは一般に、所定の条件下で、全培養ブロスを基質混合物と共にインキュベートすることを含み、この反応は塩基溶液の添加によって終了(し、且つ発色)する(例えば、国際公開第2014/164777号パンフレットに記載されるように)。
したがって、上記の発明を実施するための形態において一般的に記載したように、野生型B.リケニフォルミス(B.licheniformis)glcT遺伝子は、配列番号82の野生型GlcTタンパク質(配列番号82のアミノ酸67位にロイシン(L)を含む)をコードし、この野生型GlcTタンパク質は転写抗ターミネータータンパク質である(例えば、Schmalisch et al.,2003;Manival et al.,1997;Stulke et al.,1998;Postma et al.,1993;Stulke and Hillen,2000;Plumbridge,2002;Stulke et al.,1997及びLangbein et al.,1999を参照)。変異glcT遺伝子(すなわち、アレルglcT1;配列番号56)は、アミノ酸67位にロイシン(L)からフェニルアラニン(F)へのアミノ酸置換を含む、配列番号55の変異GlcTタンパク質(F67;配列番号55;例えば、図1A及び図1Bを参照)をコードする。
実施例2
glcT Cas9ターゲティングベクターの構築
N末端核局在化配列(NLS;「APKKKRKV」;配列番号2)、C末端NLS(「KKKKLK」;配列番号3)及びデカ−ヒスチジンタグ(「HHHHHHHHHH」;配列番号4)を含むS.ピオゲネス(S.pyogenes)由来のCas9タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチド(配列番号1)を、B.サブチリス(B.subtilis)由来のaprEプロモーター(配列番号5)に作動可能に連結し、製造業者の使用説明書にしたがってQ5 DNAポリメラーゼ(NEB)を使用し、以下の表2に示すフォワード(配列番号6)及びリバース(配列番号7)プライマー対を用いて増幅した。
プラスミドpKB320(配列番号9)の骨格(配列番号8)を、製造業者の使用説明書にしたがってQ5 DNAポリメラーゼ(NEB)を使用し、以下の表3に示すフォワード(配列番号10)及びリバース(配列番号11)プライマー対を用いて増幅した。
PCR産物を、Zymo clean and concentrate5カラムを製造業者の使用説明書にしたがって使用して精製した。続いて、2つの断片を等モル比で混合するQ5ポリメラーゼ(NEB)を用いて、長時間オーバーラップエクステンションPCR(POE−PCR)により、PCR産物を組み立てた。以下のPOE−PCR反応サイクルを実行した:98℃で5秒間、64℃で10秒間、72℃で4分15秒間を30サイクル。5μlのPOE−PCR(DNA)を、製造業者の説明書にしたがってTop10 E.コリ(E.coli)(Invitrogen)に形質転換し、50μg/mlの硫酸カナマイシンを含有し、1.5%寒天で固化させた溶原(L)培地(Miller処方;1%(w/v)トリプトン、0.5%酵母抽出物(w/v)、1%NaCl(w/v))で選択した。コロニーを37℃で18時間増殖させた。コロニーを採取し、Qiaprep DNAミニプレップキットを製造業者の説明書にしたがって使用してプラスミドDNAを調製し、55μlのddH2O中に溶出した。このプラスミドDNAについてサンガーシーケンシングを行い、以下の表4に示すシーケンシングプライマー(配列番号12〜20)を使用して、正しい組み立てを確認した。
正しく組み立てたプラスミドpRF694(配列番号21)を使用して、L67F glcT変異を導入するためのプラスミドを組み立てた。より詳細には、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)のglcT遺伝子(配列番号22)はL67コドンを覆うCas9標的部位(配列番号23)を含む。標的部位は、PAM配列(配列番号25)を除去することによって、可変標的化(VT)ドメイン(配列番号24)をコードするDNA配列に変換され得る。VTドメイン(配列番号24)をコードするDNA配列は、細胞内のRNAポリメラーゼによって転写された場合に機能性gRNA(配列番号27)を産生するように、Cas9エンドヌクレアーゼ認識ドメイン(CER;配列番号26)をコードするDNA配列に作動可能に融合され得る。gRNAをコードするDNA(配列番号28)は、バチルス属(Bacillus)種細胞において作動可能なプロモーター(例えば、B.サブチリス(B.subtilis)由来のrrnIp2プロモーター;配列番号29)、及びバチルス属(Bacillus)種細胞において作動可能なターミネーター(例えば、ラムダファージのt0ターミネーター;配列番号30)に作動可能に連結され得、その結果、プロモーターはgRNAをコードするDNAの5’側に位置し、ターミネーターはgRNAをコードするDNAの3’側に位置し、gRNA発現カセット(配列番号31)が作製される。
glcTにおけるL67F変異を作製するための編集テンプレートは、2つの断片を作製することによってB.リケニフォルミス(B.licheniformis)ゲノムDNA(gDNA)から増幅することができる。最初に、glcTのコドン67の第1の位置の上流(5’)500bp(配列番号32)を、製造業者の使用説明書にしたがってQ5 DNAポリメラーゼ、並びに以下の表5に記載のフォワード(配列番号33)及びリバース(配列番号34)プライマー対を使用して増幅した。この場合のリバースプライマーは、コドン67をロイシンからフェニルアラニンへ変換させる、コドン67の第1の位置に対するCTCからTTCへの変化を含む。
glcTのコドン67の第1の位置の下流(3’)500bpを含有する第2の断片(配列番号35)を、製造業者の使用説明書にしたがってQ5 DNAポリメラーゼ、並びに以下の表6に記載のフォワード(配列番号36)及びリバース(配列番号37)プライマー対を使用して、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)gDNAから増幅した。
gRNA発現カセット及び2つの相同アームを含むDNA断片を、標準的な分子生物学技術を使用してpRF694に組み立て、プラスミドpRF731(配列番号38)を生成し、Cas9発現カセット、glcTを標的とするgRNAをコードするgRNA発現カセット、及びglcT遺伝子にL67F突然変異を作製し、glcTts1を除去し、標的部位のCas9媒介切断を緩和する1001bp glcT編集テンプレートを含むE.コリ(E.coli)−B.リケニフォルミス(B.licheniformis)シャトルプラスミドを生成する。
実施例3
glcTL67F変異を含むバチルス・リケニフォルミス(BACILLUS LICHENIFORMIS)細胞の生成
本実施例では、上記のpRF731プラスミド(配列番号38)を、製造業者の説明書にしたがってローリングサークル増幅(Sygnis)を用いて18時間増幅した。ローリングサークル増幅したpRF731(配列番号38)を、国際公開PCT第2017/075195号パンフレット、同第2002/14490号パンフレット、及び同第2008/7989号パンフレットに一般的に記載されているように、pBL.comKプラスミド(配列番号50)を含む(保有する)コンピテント(親)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に形質転換した。細胞/DNA形質転換混合物を、20μg/mlのカナマイシンを含有し、1.5%の寒天で固化させたL培地(Miller処方)にプレーティングした。37℃でコロニーを形成させた。カナマイシンを含有するL寒天プレート上で増殖したコロニーを採取し、100μg/mlのスペクチノマイシンを含有するL寒天プレート上にストリークして、pBL.comKプラスミド(配列番号50)を選択した。glcT遺伝子座(配列番号51)を、Q5(NEB)DNAポリメラーゼ及び標準的なPCR反応を用い、以下の表7に記載のリバース(配列番号52)及びフォワード(配列番号53)プライマー対を用いて形質転換細胞から増幅した。
以下の工程によりコロニーPCRを行った:(1)98℃で3分間、(2)98℃で5秒間、(3)63℃で10秒間、(4)72℃で30秒間、及び(5)工程2〜4を29回繰り返し、72℃で3分間。PCRが首尾よく行われたなら、glcT遺伝子座から1,069bpポリヌクレオチド(配列番号50)を増幅する。2μlのPCRを、5μlのExo−SAP−ITと混合することによって精製し、37℃で15分間、続いて80℃で15分間インキュベートした。精製したPCR反応物を40μlのddH2Oで希釈し、フォワードプライマー「TGAGGATCGTGAACAGATCC」(配列番号54)でサンガーシーケンシングを行った。
シーケンスデータをWT glcT遺伝子座(配列番号51)と比較するシーケンスアラインメントにより、回収したコロニーのいくつかが、GlcTタンパク質においてL67F変異を引き起こす所望のゲノム編集(配列番号55)を含むことがわかった。L67F GlcTタンパク質(配列番号55)をコードするglcT遺伝子(配列番号56)(現在、100μg/mlのスペクチノマイシンに対して依然として耐性であるアレルglcT1(pBL.comKを含む)と命名されている)を含有するコロニーを、BF63株(glcT1 pBL.comK)として保存した。
実施例4
rghR2 Cas9ターゲティングベクターの構築
B.リケニフォルミス(B.licheniformis)rghR2遺伝子(配列番号41)のコドン24〜29の重複(配列番号40)を標的とするプラスミドpRF724(配列番号39)を、製造業者の説明書にしたがってQ5を用い、且つ表8に記載のフォワード(配列番号43)及びリバース(配列番号44)プライマー対を用いて、プラスミドpRF694から8.3kbのDNA断片(配列番号42)を増幅することによって作製した。
rghR2編集テンプレート(配列番号46)を含有する合成DNA断片(配列番号45)、rrnIp2−gRNA発現カセット(配列番号47)を、IDTから発注し、Q5 DNAポリメラーゼ及び標準PCR技術を用い、表9に示すフォワード(配列番号48)及びリバース(配列番号49)プライマー対を用いて増幅した。
編集テンプレートgRNA発現カセット断片(配列番号47)は、pRF694(配列番号42)から増幅された断片に対して5’及び3’相同を含んでいた。2つの部分を長時間オーバーラップエクステンションPCRを用いて組み立て、E.コリ(E.coli)に形質転換した。配列が確認された単離物をプラスミドpRF724(配列番号39)として保存した。
実施例5
rghR2restアレルを含むバチルス・リケニフォルミス(BACILLUS LICHENIFORMIS)細胞の生成
プラスミドpRF724(配列番号39)を、ローリングサークル増幅(RCA)(Sygnis)を用い、製造業者の説明書にしたがって18時間増幅した。ローリングサークル増幅したpRF724(配列番号39)を、国際公開PCT第2017/075195号パンフレット、同第2002/14490号パンフレット、及び同第2008/7989号パンフレットに一般的に記載されているように、pBL.comKプラスミド(配列番号50)を含む(保有する)コンピテント(親)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞に形質転換した。細胞/DNA形質転換混合物を、20μg/mlのカナマイシンを含有し、1.5%(w/v)の寒天で固化させたL培地(miller)にプレーティングした。37℃でコロニーを形成させた。
カナマイシンを含有するL寒天上で増殖したコロニーを採取し、100μg/mlのスペクチノマイシンを含有する寒天プレート上にストリークして、プラスミドpBL.comK(配列番号50)を選択した。rghR2遺伝子座(配列番号57)を、Q5 DNAポリメラーゼ(NEB)及び標準的なPCR反応を用い、表10に記載のフォワード(配列番号58)及びリバース(配列番号59)プライマー対を用いて形質転換体から増幅した。
PCRサイクルを実施例4に記載のように実施し、PCR反応によりrghR2遺伝子座(配列番号57)を増幅させた。PCR産物を実施例4に記載のように精製し、表11に記載のシーケンシングプライマー(配列番号60)を用いてサンガー法により配列を決定した。
データを親rghR2遺伝子座(配列番号57)と比較するシーケンスアラインメントにより、回収したコロニーの大部分がコドン24〜29のタンデム重複(配列番号40)の欠失を含むrghR2restアレル(配列番号61)を含むことがわかった。100μg/mlのスペクチノマイシンに対して依然として耐性であるrghR2restアレル(pBL.comKを含む)を含有するコロニーを、BF62株(rghR2restpBL.comK)として保存した。
実施例6
rghR2restアレル及びglcT1アレルを含むB.リケニフォルミス(B.LICHENIFORMIS)細胞の生成
プラスミドpRF724(配列番号39)を、RCA(Sygnis)を用い、製造業者の説明書にしたがって18時間増幅した。ローリングサークル増幅されたpRF724(配列番号39)を、pBL.comK(配列番号50)プラスミドを含む(保有する)コンピテントBF63(glcT1)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞(実施例3を参照)に形質転換した。細胞/DNA形質転換混合物を、20μg/mlのカナマイシンを含有し、1.5%(w/v)の寒天で固化させたL培地(miller)にプレーティングした。37℃でコロニーを形成させた。
カナマイシンを含有するL寒天上で増殖したコロニーを採取し、100μg/mlのスペクチノマイシンを含有する寒天プレート上にストリークした。rghR2遺伝子座(配列番号57)を、Q5 DNAポリメラーゼ(NEB)及び標準的なPCR反応を用い、以下の表12に記載のフォワード(配列番号58)及びリバース(配列番号59)プライマー対を用いて形質転換体から増幅した。
PCRサイクルを実施例4に記載のように実施し、PCR反応によりrghR2遺伝子座(配列番号57)を増幅させた。PCR産物を実施例4に記載のように精製し、表13に記載のシーケンシングプライマー(配列番号60)を用いてサンガー法により配列を決定した。
データを親rghR2遺伝子座(配列番号57)と比較するシーケンスアラインメントにより、回収したコロニーの大部分がコドン24〜29のタンデム重複(配列番号40)の欠失を含むrghR2restアレル(配列番号61)を含むことがわかった。100μg/mlのスペクチノマイシンに対して依然として耐性であるrghR2restアレル(配列番号61)(pBL.comKを含む)を含有するコロニーを、BF169株(宿主rghR2restglcT1 pBL.comK)として保存した。
実施例7
異種アミラーゼ発現カセットの親及び改変B.リケニフォルミス(B.LICHENIFORMIS)細胞BF62、BF63及びBF169への挿入
本実施例では、出願人は、異種α−アミラーゼ発現カセットを、親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞BF62、BF63及びBF169に導入した。より具体的には、以下に記載のα−アミラーゼ発現カセットを、親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞BF63、BF62及びBF169に導入し、以下の表14に示すように、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞「BF63」は導入されたアレル「glcT1」(すなわち、変異GlcTタンパク質をコードする)を含み、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞「BF62」は回復rghr2遺伝子(rghr2rest)を含み、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞「BF169」は導入されたアレルglcT1及び回復(rghr2rest)遺伝子の両方を含む。
より詳細には、異種α−アミラーゼ発現カセットに関して、本出願人は、野生型B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−UTR(WT−5’−UTR;配列番号62)又は改変5’−UTR(mod−5’−UTR;配列番号63)を含むα−アミラーゼ発現カセットを作製することによって、バチルス属(Bacillus)細胞における目的タンパク質をコードする遺伝子の発現に対する改変5’非翻訳領域(mod−5’−UTR)配列の効果をさらに試験した。したがって、本実施例では、様々な(改変)5’−UTRコンストラクトの評価のためのバチルス属(Bacillus)宿主細胞の作製、並びにそのような改変5’−UTRコンストラクトが上流(5’)プロモーター及び目的タンパク質をコードする下流(3’)オープンリーディングフレームに作動可能に連結されているときの目的タンパク質の産生に与えるそれらの影響/作用を記載する。
したがって、本実施例では、キシロース誘導性comK発現カセット(配列番号50)を運ぶプラスミドを含む親B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞と、改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞のBF62、BF63及びBF169(表14)を、125mlのバッフル付きフラスコ内の100μg/mlの二塩酸スペクチノマイシンを含有する15mlのL培地(1%(w/v)のトリプトン、0.5%(w/v)の酵母抽出物、1%(w/v)のNaCl)中、37℃及び250RPMで終夜増殖させた。終夜培養物を、250mlのバッフル付きフラスコ内の100μg/mlの二塩酸スペクチノマイシンを含有する25mlの新鮮なL培地で0.7(OD600単位)に希釈した。細胞を37℃(250RPM)で1時間増殖させた。D−キシロースを、50%(w/v)のストックからの0.1%(w/v)に加えた。細胞を37℃(250RPM)でさらに4時間増殖させ、7分間にわたり1700×gでペレット化した。
細胞を、使用済み培地を使用して元の培養の4分の1量に再懸濁させた。100μlの濃縮細胞を、約1μgの野生型(WT)5’−UTR発現コンストラクト(WT−5’−UTR;配列番号64)又は改変5’−UTR発現コンストラクト(mod−5’−UTR;配列番号65)のいずれかと混合した。例えば、各発現カセットは、野生型B.サブチリス(B.subtilis)aprE 5’−UTR(配列番号62)又は修飾aprE5’−UTR(配列番号63)に作動可能に連結された、同じ5’catH相同アーム(配列番号66)、catH遺伝子(配列番号67)及びspoVGrrnIpハイブリッドプロモーター(配列番号68)を(5’から3’方向に)含んだ。さらに、5’−UTRは、latシグナル配列をコードするDNA(配列番号69)、続いて変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)α−アミラーゼをコードするDNA(ORF)(配列番号70)に作動可能に連結された。変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)のα−アミラーゼをコードするDNA(ORF)(配列番号70)の3’側末端は、3’側catH相同アーム(配列番号72)に作動可能に連結されたlatターミネーター(配列番号71)に作動可能に連結された。形質転換反応物を、37℃、1000RPMで、約90分間インキュベートした。
1.5%(w/v)寒天で固化した10μg/mlのクロラムフェニコールを含有するL培地を充填したペトリ皿に形質転換混合物をプレーティングした。プレートを37℃で2日間にわたりインキュベートした。1.5%(w/v)寒天で固化した1%(w/v)の不溶性コーンスターチを含有するL培地を充填したペトリ皿上でコロニーをストリーク精製した。コロニーが形成されるまでプレートを37℃で24時間インキュベートした。ハローを形成しているコロニーを取り囲んでいる不溶性デンプンが除去されることによってデンプンの加水分解が示され、これを使用して変異G.ステアロサーモフィルス(G.stearothermophilus)のα−アミラーゼタンパク質(配列番号73)を発現する形質転換体を選択した。コロニーPCRを用いて、標準的な技術と、表15に記載のフォワード(配列番号76)及びリバース(配列番号77)プライマー対とを用いてハロー生成コロニーからcatH遺伝子座(WTコンストラクト、配列番号74;改変コンストラクト、配列番号75)を増幅した。
PCR産物を、標準的な技術を使用して過剰のプライマー及びヌクレオチドから精製し、サンガー法及び表16に記載のシーケンシングプライマーを使用して配列を決定した。
WT−5’−UTR発現カセット(配列番号64)を含む配列確認済のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞、又は改変5’−UTR(mod−5’−UTR)発現カセット(配列番号65)を含む配列確認済のB.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞を、表17に示すように保存した。
実施例8
改変B.リケニフォルミス(B.LICHENIFORMIS)細胞におけるアミラーゼ酵素の産生
本実施例では、変異GlcTタンパク質(すなわち、L67F置換)をコードする(変異)アレルglcT1(SNP C199T)を含む改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞、及び野生型(親)B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞を、1%不溶性デンプンを補充したルリア寒天プレート上にストリークした。より詳細には、表18に示す親及び改変B.リケニフォルミス(B.licheniformis)(娘)細胞を、上記の実施例7、表17に記載のアミラーゼコンストラクト(すなわち、WT−5’−UTR発現カセット 配列番号64、又はmod−5’−UTR発現カセット 配列番号65)で形質転換し、試験し、表18に示すように保存した。
より具体的には、デンプン分解活性を示すクリアリングゾーンが、組み込まれたアミラーゼ発現カセットを含むコロニーの周りに明瞭に視認された。したがって、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)細胞によるアミラーゼの産生を、NH4Cl2、FeSO4、及びCaCl2を基礎培地から除き、3mM K2HPO4を使用し、基礎培地に60mM尿素、75g/Lグルコース、及び1パーセント(1%)ソイトンを補充したことを除いて、実質的に当該技術分野で知られるように調製したMOPS基礎培地MBD培地(Neidhardt et al.,1974を参照)を使用して、マイクロタイタープレート中で細胞を増殖させることによって実験的に試験した。1リットル中、400mgのFeSO47H2O、100mgのMnSO4H2O、100mgのZnSO47H2O、50mgのCuCl22H2O、100mgのCoCl26H2O、100mgのNaMoO42H2O、100mgのNa2B4O710H2O、10mlの1M CaCl2、及び10mlの0.5Mクエン酸ナトリウムの100×ストック溶液として、微量栄養素を調製した。CaCl2を5mMまで添加し、pHを6.8に調節した。
Inforsインキュベーター(37℃、270rpm)内で70時間増殖させた後、α−Amylase Ceralpha Assay Kit(Megazyme,Wicklow,Ireland)を用いて、全細胞ブロス中のアミラーゼ−酵素濃度を決定した。セラルファα−アミラーゼアッセイは、規定条件下で基質混合物と共に全培養ブロスをインキュベートする工程を含み、塩基溶液の添加により反応を停止させる(これに続き、発色が起こる)。基質は、規定のオリゴ糖「非還元末端遮断p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド」(BPNPG7基質)と過剰レベルのグルコアミラーゼ及びβ−グルコシダーゼ(これらは、「遮断基」の存在のためにネイティブ基質に作用をもたらさない)の混合物である。エンド活性α−アミラーゼ(又はC6アミラーゼ)によるオリゴ糖の加水分解時に、混合物中に存在する過剰量のα−グルコシダーゼ及びグルコアミラーゼが、p−ニトロフェニルマルトサッカライド断片の即時及び定量的加水分解を起こし、グルコース及び遊離p−ニトロフェノールをもたらす。405nmでの吸光度を測定し、これは、分析した試料中のアミラーゼレベルに直接関係する。この一連のアッセイのために使用される装置には、Biomek FX Robot(Beckman Coulter);SpectraMAX MTP Reader(340型−Molecular Devices)及びiEMSインキュベーター/シェーカー(Thermo Scientific)が含まれる。このアッセイシステムでは、以下の試薬及び溶液を用いた:(1)p−ニトロフェニルマルトヘプタオシド(BPNPG7)基質(Megazyme Ceralphaキット);(2)希釈緩衝液:50mM MOPS、0.1mM CaCl2、0.005%TWEEN(登録商標)80緩衝液、pH7.15;及び(3)200mMホウ酸/NaOH緩衝液、pH10.2(停止緩衝液)。
したがって、54.5mgのBPNPG7基質を含有するバイアルを10mlのmilliQ水に溶解させた。アミラーゼ試料(全細胞ブロス)を希釈バッファーで1600×希釈した。アッセイは25μlの希釈アミラーゼ溶液をMTPのウェルに添加し、続いて35μlの5.45mg/mlのBPNPG7基質溶液を添加することによって行った。溶液を混合し、MTPをプレートシールで密封し、インキュベーター/シェーカー(iEMS−Thermo Scientific)内に25℃で8分間置いた。100μlの停止緩衝液を添加することによって反応を停止させ、MTPリーダーにおいて405nmで吸光度を読み取った。非酵素対照を使用して、バックグラウンド吸光度値を補正した。変異アミラーゼ酵素濃度(mg/L)を算出するために、精製済変異アミラーゼ酵素標準対照試料の希釈シリーズを実験に組み込んだ。
アミラーゼ活性及びアミラーゼの比生産性を、それぞれ図2A及び図2Bに示す。例えば、図2Bに示すように、BF117細胞(BF117:mod−5’−UTR及びWT−GlcT)に対するBF134細胞(BF134:WT−5’−UTR及びWT−GlcT)の正規化比生産性は、同様のアミラーゼ生産性を示す。対照的に、図2Bに示すように、BF134細胞又はBF117細胞(すなわち、BF134細胞及びBF117細胞はいずれも野生型GlcT遺伝子を含む)に対するHM151細胞(HM151:WT−5’−UTR及びアレルGlcT1)の正規化比生産性は、HM151細胞が約5%の比生産性の増加を示し、これによって、アレルglcT1を含む改変されたバチルス属(Bacillus)細胞が、天然の野生型glcT遺伝子を含むバチルス属(Bacillus)細胞と比較して、より多くの目的タンパク質を産生し得ることを実証する。
さらに、図2Bに示すように、BF134細胞又はBF117細胞(すなわち、野生型GlcT遺伝子を含む)に対するHM150−1細胞(HM150−1:mod−5’−UTR及びアレルGlcT1)の正規化比生産性は、HM150−1細胞の比生産性が約9%の増加を示し、さらに、アレルglcT1を含む改変バチルス属(Bacillus)細胞が、天然の野生型glcT遺伝子を含むバチルス属(Bacillus)細胞と比較して、より多くの目的タンパク質を産生し得ることを示している。同様に、HM151細胞(HM151:WT−5’−UTR及びアレルGlcT1)に対するHM150−1細胞(HM150−1:mod−5’−UTR及びアレルGlcT1)の正規化比生産性は、HM151細胞に対してHM150−1の比生産性が約4%増加していることを示し、これは、アミラーゼコンストラクト中に存在する「mod−5’−UTR」配列が、観察されたHM150−1細胞の比生産性の増加にさらに寄与していることを示している。
実施例9
アルファ−アミラーゼの小規模生産
本実施例では、WT−5’−UTR(配列番号64)又はmod−5’UTR(配列番号65)のいずれかを有するα−アミラーゼ発現カセットを含む、BF118、BF165、BF171及びBF260と名付けた4つのバチルス属(Bacillus)宿主株を、小規模条件下でのα−アミラーゼ産生について評価した。これらの4つの株を、1%(w・v−1)の不溶性デンプンを含有するL寒天プレート上でストリーク精製し、約24時間にわたり37℃で増殖させた。単一ハロー陽性コロニーを、15mlのトリプティックソイブロス(1.7%(w・v−1のトリプトン、0.3%(w・v)−1)のソイトン、0.25%(w・v−1)のグルコース、0.5%(w・v−1)の塩化ナトリウム、0.25%(w・v−1)のリン酸二カリウム)中に接種し、6時間にわたり37℃(250RPM)で増殖させた。続いて、この0.025mlの種培養物を、25mlのフラスコ増殖培地(水酸化アンモニウムと共に、微量金属を含有する4%(w・v−1)のMES、0.1%(w・v−1)のリン酸一カリウム、0.05%(w・v−1)の塩化ナトリウム、0.03%(w・v−1)のソイトン、pH6.8)中に接種した。単一高グルコース放出性フィードビーズ(Kuhner)を添加した(供給速度57mg/L.時間)。培養物を42℃(250RPM)で90時間にわたり増殖させた。総分泌タンパク質産生量を、BSA標準物質を用いるブラッドフォード法を使用して決定した。各株についての少なくとも2本の独立フラスコの反復測定から平均化した相対α−アミラーゼ産生量を、下の表19に示す。
したがって、表19に示すように、バチルス属(Bacillus)宿主細胞BF171及びBF260(回復rghR2遺伝子(rghR2rest)及びアレルglcT1を含む)は、バチルス属(Bacillus)宿主細胞BF118及びBF169(回復rghR2遺伝子(rghR2rest)及び野生型glcT遺伝子を含む)と比較して(相対的に)、相対的α−アミラーゼ産生量の約9%の増加を示す。
参照文献
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国際公開第2009/149130号パンフレット
国際公開第2014/164777号パンフレット
米国特許第4,914,031号明細書
米国特許第4,980,288号明細書
米国特許第5,208,158号明細書
米国特許第5,310,675号明細書
米国特許第5,336,611号明細書
米国特許第5,399,283号明細書
米国特許第5,441,882号明細書
米国特許第5,482,849号明細書
米国特許第5,631,217号明細書
米国特許第5,665,587号明細書
米国特許第5,700,676号明細書
米国特許第5,741,694号明細書
米国特許第5,858,757号明細書
米国特許第5,880,080号明細書
米国特許第6,197,567号明細書
米国特許第6,218,165号明細書
米国特許出願公開第2014/0329309号明細書
米国再発行特許第34,606号明細書
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