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JP2021119910A - 眼科システム、眼科システムの作動方法、及びプログラム - Google Patents

眼科システム、眼科システムの作動方法、及びプログラム Download PDF

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JP2021119910A JP2020014201A JP2020014201A JP2021119910A JP 2021119910 A JP2021119910 A JP 2021119910A JP 2020014201 A JP2020014201 A JP 2020014201A JP 2020014201 A JP2020014201 A JP 2020014201A JP 2021119910 A JP2021119910 A JP 2021119910A
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樹 小林
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Abstract

【課題】 より速い速度で眼底トラッキングができる眼科システムを提供する。【解決手段】被検眼の第1の画像に関する情報を用いて被検眼の移動に関する情報を取得する演算回路と、取得された移動に関する情報を用いて被検眼の第2の画像に関する情報の取得位置を補正する補正手段と、第1の画像に関する情報及び第2の画像に関する情報を送信する送信手段と、を含む撮影装置と、該撮影装置と通信手段によって接続され、第1の画像に関する情報及び第2の画像に関する情報を受信する受信手段と、受信した第1の画像に関する情報を用いて第1の画像を生成し、受信した第2の画像に関する情報を用いて第2の画像を生成する生成手段と、生成された第1の画像及び生成された第2の画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを含む処理装置と、を眼科システムに配する。【選択図】 図2

Description

本発明は、眼科システム、眼科システムの作動方法、及びプログラムに関する。
多波長光波干渉を利用した光コヒーレンス・トモグラフィー(OCT:Optical Coherence Tomography)による光干渉断層撮像装置(以下OCT装置)が知られている。このOCT装置は、現在、例えば内視鏡での内臓情報や、眼科装置での網膜の情報を得るために用いられ、人体に対する適用分野を広げつつある。眼に適用したOCT装置は、眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
OCT装置とは、低コヒーレンス光である測定光をサンプルに照射し、干渉系を用いて該サンプルからの後方散乱光を測定し、これにより該サンプルの断層情報の取得を可能にした装置である。測定光をサンプル上の一点に照射した場合、そのサンプル上の一点における深さ方向の画像情報を得ることができる。さらに測定光でサンプル上を走査しながらこの測定を連続的に行うことで、サンプルの断層画像を得ることもできる。そして、OCT装置を眼底に適用した場合には、測定光で眼底上を走査することにより該眼底の断層画像を高解像度で撮像することができる。このため、OCT装置は、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
このようなOCT装置では、測定対象である眼底を2次元的に測定光で反復走査することによって複数の断層画像を得る撮影方法が一般的である。例えば、眼底上の同じ場所を複数回測定光で走査することによって同一部位の複数の断層画像を取得し、該断層画像に対して加算平均処理を行うことによって高画質な一枚の断層画像を得ることができる。また、眼底の複数の走査位置で測定光を走査することによって、該眼底の3次元画像を得ることも可能である。しかしながら、複数回の測定光の走査を行う場合、全ての走査を完了するまでの間に眼が動いてしまう可能性がある。複数回の測定光の走査の実行中に眼が動くと、所定位置からの断層画像が得られず、目的とする断層画像は得られなくなる。
被検眼の動きによる影響を低減する方法として、特許文献1には眼底のトラッキングを行う眼科撮影装置が開示されている。開示される方法では、眼科撮影装置の光学ヘッド部内の受光素子が受光した被検眼眼底からの反射光の強度情報が、制御部に転送される。制御部は、転送された強度情報を用いて複数の眼底正面画像を生成する。制御部は、さらに、生成された複数の眼底正面画像を用いて、被検眼の移動量を算出し、算出された移動量を光学ヘッド側に転送する。光学ヘッド部内の測定光を走査する走査部は、算出された移動量に応じて、断層画像撮影のための測定光の走査位置の補正を行っている。このように、OCT装置では、被検眼の動きによる影響を低減する処理が重要となる。
特開2013−153793号公報
ここで、強度情報の制御部への転送、強度情報を用いた該制御部での眼底正面画像の生成とこれを用いた被検眼の移動量の算出、及び算出された移動量に基づく測定光の走査位置の補正まで一連の処理にはある程度の時間を要する。このため、上述したトラッキングにおいて、被検眼の動きによる影響を低減するためには、この一連の処理に要する時間を低減することにより、より速い速度で実行することが望まれる。
そこで、本発明の一実施形態では、より速い速度でトラッキングができる眼科システムの提供を目的の一つとする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る眼科システムは、
被検眼の第1の画像に関する情報を用いて前記被検眼の移動に関する情報を取得する演算回路と、前記取得された移動に関する情報を用いて前記被検眼の第2の画像に関する情報の取得位置を補正する補正手段と、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を送信する送信手段と、を含む撮影装置と、
前記撮影装置と通信手段によって接続され、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した第1の画像に関する情報を用いて第1の画像を生成し、前記受信した第2の画像に関する情報を用いて第2の画像を生成する生成手段と、前記生成された第1の画像及び前記生成された第2の画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを含む処理装置と、を備える。
本発明の一実施形態によれば、より速い速度でのトラッキングができる。
本発明の第1の実施形態に係る眼科システムの概略構成を示す図である。 図1に示す眼科システムにおける撮影部の機能構成を示すブロック図である。 撮影された眼底正面画像と断層画像とを説明する図である。 眼底正面画像撮影時におけるインタレース方式を説明する図である。 図1に示す眼科システムにおける観察用画面の表示例を示す図である。 第1の実施形態に係る眼科システムの撮影動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る眼科システムの参照眼底画像の取得動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る眼科システムのサブピクセル補間動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係る眼科システムの眼底固視微動の検出動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態に係る眼底トラッキングを行う構成の配置と従来の眼底トラッキングを行う構成の配置との相違を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る眼科システムの概略構成を示す図である。 第2の実施形態に係る眼科システムの撮影動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る眼科システムの眼底固視微動の検出動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る眼底固視微動の検出動作について、用いるフィールド画像を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る眼科システムの撮影動作を説明するためのフローチャートである。
本発明の例示的な実施形態として、眼科システムを例示し、図面を参照して以下に詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更可能である。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
[第1の実施形態]
本実施形態は、高いリアルタイム性が要求される眼底トラッキングを撮影装置の本体側で行うこととし、表示用の断層画像の生成は例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の処理装置で行うこととしている。このように、眼底トラッキングを撮影装置の本体側で行うことにより、眼底トラッキングのフィードバック制御を高速化することができる。これにより、固視微動によって生じる断層画像のアーチファクトを低減することができる。
以下、図1乃至10を参照して、本発明の第1の実施形態に係る眼科システムとして、特にOCT装置を含むシステムについて詳細に説明する。以下では、まず図1を用いて本実施形態に係る眼科システムの概略構成について述べ、図2を参照して該眼科システムにおける撮影装置の構成について述べる。
(装置全体構成の説明)
図1は、本実施形態に係る眼科システムの構成図であって、図1(a)は眼科システムの概略構成を示し、図1(b)は該眼科システムの機能構成についてブロック図で示している。本実施形態に係る眼科システムは、撮影装置110と、処理装置120と、表示部130とを備える。撮影装置110は、OCTにおける測定光で被検眼の眼底上を走査し、該眼底の断層に関する画像データを取得する。また、撮影装置110は、照明光で眼底上を走査し、該眼底の正面画像に関する画像データを取得する。処理装置120は、撮影装置110で取得された画像データから被検眼の眼底断層画像と眼底正面画像とを生成する。表示部130は、処理装置120と接続されており、該処理装置120で生成された被検眼の眼底断層画像と眼底正面画像とを表示可能とされている。撮影装置110と処理装置120とは通信手段140によりUSB接続されており、USB通信により撮影装置110から処理装置120へと画像データを転送する。なお、ここでは通信手段140をUSBとしたが、ギガビットイーサネット(登録商標)などの、別の汎用的通信手段を用いることもできる。また、ここでは有線による通信方式を用いた例について述べているが、例えば無線LAN、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信方式を用いてもよい。
(撮影装置110の説明)
ここで、図2を参照して、撮影装置110について説明する。図2は、撮影装置110の機能構成を示したブロック図である。撮影装置110は、被検眼100の眼底の2次元画像(眼底正面画像)の撮影、又は眼底の断層画像の撮影を行う。即ち、撮影装置110は、被検眼の眼底正面画像又は断層画像を撮像する撮像手段の一例として機能する。撮影装置110は、眼底正面画像撮影部111、断層画像撮影部112、前眼部撮影部113、制御部114、演算回路115、記憶部116、駆動系117、及び送信部118を備える。なお、撮影装置110は、被検眼に測定光を照射し且つ被検眼からの戻り光を検出するための光学系の少なくとも一部を含む光学ヘッド部と基台部とを有する。光学ヘッド部は、例えば眼底正面画像撮影部111、断層画像撮影部112、及び前眼部撮影部113を内蔵する。このとき、光学ヘッド部は、これらの撮影部を全て内蔵する必要はなく、例えば、断層画像撮影部112における測定光Bmを導光する光ファイバの一部からOCT光学系側の各光学部材は据え置き型の別の筐体に含まれてもよい。また、光学ヘッド部は、断層画像撮影部112における干渉光を導光する光ファイバの一部からOCT信号検出部218までの各光学部材は据え置き型の別の筐体やステージ部(基台部)に含まれてもよい。基台部は、例えば制御部114、演算回路115、及び記憶部116を内蔵する。駆動系117は、例えばステッピングモータからなり基台部に配置され、光学ヘッド部を3次元的に駆動して被検眼100に対するアライメントを行う。本実施形態において、駆動系117は、制御部114によって駆動することもできるし、処理装置120によっても駆動できる。送信部118は、上述した通信手段140を介して、処理装置120の受信部125と接続される。送信部118は、OCT信号検出部218及びSLO信号検出部245と接続されており、これら検出部が得た後述する輝度情報や干渉信号を受信部125に送信する。なお、撮影装置110の基台部には、被検者が額や顎を押し当てるための顔受け部108も付随している。ここでは、光学ヘッド部を3次元的に駆動することで上述したアライメントを行うこととしているが、例えば顔受け部108を3次元的に駆動してアライメントを行うこともできる。即ち、光学ヘッドに対する被検眼100のアライメントは、光学ヘッド部と顔受け部108とのうち一方に対して他方が相対的に3次元的に駆動可能とされ、この相対駆動によって行われてもよい。また、光学ヘッド部の駆動と顔受け部の駆動との両方であってもよいし、光学ヘッド部の駆動がXYZ方向のうち一部の移動を含み、顔受け部の駆動がXYZのうち残りの移動を含んでもよい。このように、これらの駆動は、光学ヘッド部と被検眼との位置関係を変更する光学部材の駆動であれば、何でもよい。
眼底正面画像撮影部111は、図2において、正面画像取得手段の一例として、被検眼100の眼底正面画像生成のための画像データ(輝度信号)を取得する。断層画像撮影部112は、被検眼100の網膜部分を測定光で走査して断層画像生成のための画像データ(干渉信号)を取得する。前眼部撮影部113は、被検眼100の前眼部の画像を撮影する。被検眼100に対向して対物レンズ等の対物光学系210が配置され、その光軸上には光分割部材230と光分割部材240が配置されている。これらの光分割部材230,240によって、被検眼100からの光路は、波長帯域ごとに断層画像撮影部112への光路、眼底正面画像撮影部111への光路、及び前眼部撮影部113への光路に分岐される。
本実施形態において、眼底正面画像撮影部111はSLO(走査型レーザ検眼鏡)としている。なお、ここでは眼底正面画像を取得する構成としてSLOを例示しているが、後述する眼底トラッキングに使用可能な眼底正面画像が取得できれば用いる構成はこれに限られない。また、本実施形態において、断層画像撮影部112は、被検眼100を走査した測定光と後述する参照光とから得た干渉光を分光して検出した信号をフーリエ変換して断層画像を生成するスペクトラルドメイン方式を用いるものとする。しかし、被検眼100の断層画像が取得可能なOCT装置であれば、その他の方式に対応した種々の構成を用いることができる。なお、以降の説明では図2における紙面に垂直な方向をX軸とし、X軸方向の測定光の走査を水平スキャン、X軸方向に対して垂直なY軸方向の走査を垂直スキャンと称する。
断層画像撮影部112は、画像データ(干渉信号)取得のための構成として、SLD211、ファイバカプラ212、OCT走査光学系213、参照光コリメータ215、参照ミラー216、及びOCT信号検出部218を有する。図2において低コヒーレンス光源であるSLD211から発せられた光は、例えば光ファイバを介してファイバカプラ212に入射する。ファイバカプラ212は、入射した光を測定光Bmと測定光に対応する参照光Brとに分離する。分離後、測定光Bmは光ファイバによりOCT走査光学系213に、参照光Brは参照光コリメータ215に各々出射される。不図示のガルバのミラー等を有するOCT走査光学系213において、入射された測定光Bmはガルバノミラーに集光され、該ガルバのミラーによって眼底上での測定光Bmの走査が行われる。ここでは、ガルバノミラーは、水平スキャンをするスキャナと垂直スキャンをする1組のスキャナから構成される。走査された測定光Bmは光分割部材230と光分割部材240とを介し、対物光学系210を介して被測定物である被検眼100の網膜に到達する。この網膜で反射・散乱した測定光は、戻り光として再び対物光学系210、光分割部材230、光分割部材240、OCT走査光学系213を通ってファイバカプラ212に到達する。
一方、ファイバカプラ212から出射された参照光Brは、光ファイバにより参照光コリメータ215を介して参照ミラー216で反射し、再びファイバカプラ212に到達する。ファイバカプラ212では、参照光Brは測定光Bmの戻り光と干渉(合波)して干渉光が生成され、該干渉光はOCT信号検出部218に入射される。ここで例示した眼科システムでは、参照ミラー216の位置を変更することで、参照光の光路長を変更し、測定光の光路長との光路長差の調整を行うことができる。測定光の光路長と参照光の光路長とを略一致させることで、断層画像生成のためのこれら光の良好な干渉が得られる。しかし、光路長差の調整は参照光側のみではなく、測定光の側において行ってもよい。OCT信号検出部218は、干渉光を検出し、電気的な干渉信号を出力する。
例示した眼科システムにおいて、眼底正面画像撮影部111と光分割部材240により、眼底正面画像が取得される。眼底正面画像撮影部111は、SLOレーザー光源241、光分割部材242、SLO走査光学系243、及びSLO信号検出部245を有する。SLOレーザー光源241からの光束(照明光)は、光分割部材242を通し、SLO走査光学系243に入射される。SLO走査光学系243は入射された照明光を不図示の走査手段の一例であるスキャナに集光し、該スキャナによって被検眼眼底での照明光の走査を行う。ここで例示した眼科システムでは、スキャナは、水平スキャン(主走査方向の走査)をするポリゴンミラーと垂直スキャン(副走査方向の走査)をするガルバノミラーとから構成される。なお、主走査方向の走査を行う主走査手段としては、ポリゴンミラーの他に、共振スキャナであってもよい。即ち、SLO走査光学系243は、眼底に対して照明光を主走査方向で往復走査する主走査手段と、眼底に対して照明光を略等速で走査する副走査手段とを含むように構成されてもよい。もちろん、主走査手段は、ガルバノミラーであってもよい。
走査されたSLOレーザー光(照明光)は、光分割部材240で反射し、光分割部材230と光分割部材240を介し、さらに対物光学系210を介して被検眼100の網膜に到達する。照明光は網膜で反射して、再び対物光学系210、光分割部材230、光分割部材240、及びSLO走査光学系243を経て、光分割部材242で反射してSLO信号検出部245へ到達する。SLO信号検出部245は入射した光を検出し、電気的なSLO信号(輝度情報)
を出力する。
前眼部撮影部113は、前眼部を照明する不図示の赤外LEDと、CCDカメラとから構成される。赤外LEDから出射された赤外光は、光分割部材230と対物光学系210とを介して前眼部に照射される。前眼部で反射された赤外光は、対物光学系210と光分割部材230とを経て、CCDカメラによって撮影され、これにより前眼部画像が得られる。
ここでは、SLOレーザー光源241は波長750nmの光を出射し、SLD211は波長850nmの光を出射し、前眼部照明用の光源としては波長970nmの赤外光を出射している。ただし、本実施形態で用いる光の波長は、これらの波長に限定されることはない。その他の波長の光が、断層画像撮影部112、眼底正面画像撮影部111、及び前眼部撮影部113で用いられてもよい。また、ここでは、光分割部材230の反射側に前眼部撮影部113を、光分割部材240の反射側に眼底正面画像撮影部111を、光分割部材230,240の透過方向に断層画像撮影部112を配置している。しかし、これら構成の配置を、各々透過側、反射側で入れ替えた配置として撮影装置110を構成することもできる。また、例示した撮影装置110において、光分割部材230と光分割部材240とはダイクロミラーから構成され、光分割部材242は孔空きミラーより構成されている。ただし、これらは一例であり、ハーフミラーなどのように光を2つに分割できるその他の公知の部材を利用してもよい。
図3は、撮影装置110により取得された断層画像と眼底正面画像とを説明する図である。同図において、眼底正面画像250は撮影装置110により取得された被検眼100の眼底正面画像であり、断層画像251は撮影装置110により取得された網膜の断層画像の例を示す。また、図3では、眼底正面画像250と断層画像251とに付随して、測定光の走査方向(x方向)を示す水平方向252と、該水平方向252と垂直な方向(y方向)とが示されている。OCTでは、測定光の一照射位置から該照射位置での深さ方向の例えば輝度等に関する断層情報が取得でき、このような一照射位置からの断層情報を取得する走査はAスキャンと称される。また、このAスキャンにより得られる画像をAスキャン画像と称する。図3では、網膜の深さ方向であって、測定光の一照射位置での照射方向を奥行き(Z)方向254として示している。断層画像251には、奥行き方向254から得られるAスキャンの取得位置をAスキャン255として例示している。また、眼底正面画像250上の点線256は、断層画像251が取得された位置(測定光の走査線)を示している。
なお、本実施形態では干渉系としてマイケルソン干渉系を用いたが、マッハツェンダー干渉系を用いてもよい。測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いることが望ましい。また、本発明は、本実施形態以外の光学配置や装置構成にも適用可能である。例えば、本実施形態では、フーリエドメイン方式(FD:Fourier Domain)のOCT装置のうち、スペクトラルドメイン方式(SD:Spectral Domain)のOCT装置を例示している。しかし、本実施形態で述べる構成を他の方式のOCT装置にも適用してもよい。特に、以降で述べる構成は、波長掃引光源を用いたスウェプトソース方式(SS:Swept Source)のOCT装置にも適用可能である。
制御部114は、撮影装置110の制御を行い、上述した眼底正面画像や断層画像の取得を実行する。制御部114は、OCT走査光学系213やSLO走査光学系243に走査制御信号を送り、被検眼100を測定光や照明光でX方向及びY方向に走査する。さらに、制御部114は眼底正面画像撮影部111や断層画像撮影部112に設けられる不図示のフォーカスレンズ、及び断層画像撮影部112に設けられる参照ミラー216の位置制御も実行する。演算回路115は、SLO信号検出部245、制御部114、及び記憶部116と接続されている。演算回路115は、後述する複数の眼底正面画像の二次元相関演算をハードウェア回路(例えば、FPGAやASIC)で行う。これにより、眼底正面画像間の変位量を求めることができ、求めた変位量分、断層画像の取得位置を補正することで眼底トラッキング動作を行う。また、記憶部116は、眼底トラッキングで用いる参照眼底画像と求めた変位量とを記憶する。
(処理装置の説明)
次に、処理装置120について説明する。図1(b)は処理装置120の機能構成を示したブロック図である。処理装置120は、画像生成部121と、記憶部122と、画像評価部123と、受信部125と、表示制御部126とを備えている。画像生成部121は、処理装置120内の記憶部122、受信部125、及び表示制御部126と接続されている。表示制御部126は表示部130とも接続されており、例えば画像生成部121が生成した眼底正面画像や断層画像、或いは撮影指示の入力画面等を表示部130に表示させる。画像生成部121は、例えば受信部125が受信したOCT信号検出部218から得られる干渉信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後のデータを輝度或いは濃度情報に変換することによって、上述した被検眼の深さ方向(Z方向)のAスキャン画像を取得する。
このようなAスキャンを、OCT走査光学系213によって網膜上で所定の横断方向に沿って異なる位置で複数回実行することで、複数のAスキャン画像を取得することができる。例えばX方向に測定光を走査すればXZ面に並ぶ複数のAスキャン画像が得られ、Y方向に走査すればYZ面に並ぶ複数のAスキャン画像が得られる。このように被検眼100上を測定光で所定の横断方向に走査する方式をBスキャンと称し、これら複数のAスキャン画像をまとめることで得られる断層画像をBスキャン画像と称する。このBスキャンを、被検眼100の所定の方向にOCT走査光学系にて繰り返すことによって、複数のBスキャン画像を取得することができる。例えば、XZ面のBスキャン画像を取得する測定光の走査をY方向にずらせながら繰り返すことで、XYZ空間の3次元情報を得ることができる。このような走査をCスキャンと称し、得られた複数のBスキャン画像から成るデータを3次元データ(Cスキャン画像)と称する。
記憶部122は、画像生成部121が生成した画像や、被検眼の撮影に使われた撮影パラメータ等を記憶する。画像評価部123は、画像生成部121が生成した画像、又は記憶部122の画像の評価を行う。画像の評価は、画像全体の鮮鋭度、輝度平均値等のパラメータにより行われる。このとき、評価項目が鮮鋭度の場合には値が高いほど評価としては高くなり、輝度平均値の場合は輝度が暗くなりすぎないよう所定値以上であること等が評価の対象となる。また、画像評価部123は、画像の不良の判定も行う。ここで判定する画像不良の例には、撮影中に被検眼の瞬きにより画像に残る“瞬き跡”や、固視微動による“インタレース縞”、又はコントラスト不足等があげられる。
(インタレース方式を用いた眼底正面画像を生成する方法)
次に、本実施形態において、眼底正面画像を生成する方法について説明する。制御部114は、SLO走査光学系243に走査制御信号を送り、被検眼100の眼底を、照明光でX方向及びY方向に走査する。さらに、制御部114は、照明光を眼底にフォーカスする不図示のフォーカスレンズの位置制御もする。画像生成部121は、SLO信号検出部245からの信号情報として得られる輝度情報(輝度値)を走査信号に基づいて並べて、XY平面での眼底正面画像を生成する。ただし、本実施形態で適用できる眼底正面画像の撮像及び生成方法は、ここで説明している方法に限らない。例えば、眼底カメラ等その他の方法でもよい。
なお、本実施形態では、眼底を走査するSLO走査光学系を制御しながらインタレース方式を用いて眼底正面画像を取得する。インタレース方式を用いることにより、眼底正面画像の取得時間を短くすることができ、眼底トラッキングのフィードバック制御時間を短くすることができるという効果がある。なお、SLO走査光学系を用いて、眼底正面画像を取得する場合、該眼底正面画像は、例えば図5に示すように走査線L01〜L20から得た信号から構成される。インタレース方式とは、ラスタスキャンにおける各主走査(X方向の走査)を副走査方向(Y方向)に順番に行うプログレッシブ方式とは異なる走査の方式である。より詳細には、副走査方向において奇数番号の各主走査と偶数番号の各主走査とを交互に行いながらそれぞれの信号を得る方式である。このとき、奇数番号の複数の主走査線に対応する画像と偶数番目の複数の主走査線に対応する画像とを含む2種類の画像は、信号取得に合わせて順次表示される。これにより、1枚の画像の解像度は低下するが、画像取得に要する時間を1/2に短縮することができる。さらに、画像評価部123は、眼底正面画像を解析し、上述した評価項目に関しての該眼底正面画像の評価を行う。記憶部122は画像生成部121及び表示部130と接続され、画像生成部121により生成されたBスキャン画像(断層画像)、3次元データ、眼底正面画像及び前眼部画像が記憶部122に記憶される。表示部130は、記憶部122に記憶された断層画像、眼底正面画像、及び前眼部画像を、表示部130に表示される観察用画面内に表示する。
次に、以上に説明した撮影装置110、処理装置120、及び表示部130から構成される眼科システムにおいて、被検眼100の観察から断層画像等の取得までの流れを説明する。まず、観察用画面について図5を用いて説明する。図5は、被検眼観察時に表示部130に表示される観察用画面300の一例を示したものである。観察用画面300には、前眼部画像310、眼底正面画像301、断層画像302,303,304,305、フォーカス調整スライダー308、参照ミラー位置調整スライダー307、及び測定開始ボタン306が表示されている。眼底正面画像301に重畳表示される点線309は、眼底正面画像301上での断層画像302,303,304,305を取得する際の測定光の走査位置を示す。
実際の撮影では、操作者は、前眼部画像310を観察しながら対物光学系210の正面に被検眼100を位置させる。その後、SLO走査光学系243によるXY方向の照明光での走査により眼底正面画像が取得され、OCT走査光学系213による測定光のXY方向の走査により断層画像が取得される。操作者は、眼底正面画像301、断層画像302,303,304,305を観察しながら不図示のマウスやマウスカーソルを用いてフォーカス調整スライダー308や参照ミラー位置調整スライダー307を操作する。これにより、断層画像のフォーカスや、参照ミラー216の位置などが調整される。これら断層画像302,303,304,305と眼底正面画像301は、OCT走査光学系213,243の走査に応じて適宜更新される。操作者は、マウスやタッチパネル等の図示なき走査位置変更手段を操作することで、眼底正面画像301に重畳表示される点線309の位置を移動させ、これに対応する所望の走査位置を設定する。
(眼底断層画像生成動作のフローチャート)
次に、図6に示すフローチャートを用いて、本実施形態の眼科システムによる眼底の断層画像撮影時に行われる処理の詳細について説明する。本実施形態では、眼底正面画像301の撮影用の照明光の走査を、フレームレートを上げるためにインタレース方式で行う。インタレース方式では、眼底正面画像の取得時に眼底に描画される照明光の走査線を、画像上の一番上から順に番号を付記した場合の、奇数番目の走査線である奇数ラインと偶数番目の走査線である偶数ラインとに分けて画像を取得する。即ち、1枚の眼底正面画像における画素列を画像の上から番号を付記した場合の、奇数番目の画素列の画像情報と偶数番目の画素列の画像情報とを分けて取得する。図4は、インタレース方式の一例について説明する図である。図4では、照明光の走査線が眼底正面画像の一番上から順にL01、L02、L03、・・・L20と番号が付されている。ここに例示するインタレース方式では、奇数ラインの眼底正面画像は、走査線L01、L03・・・L19で構成される。また、偶数ラインの眼底正面画像は、走査線L02,L04・・・L20で構成される。ここでは、奇数ラインの眼底正面画像と偶数ラインの眼底正面画像をそれぞれ、奇数ラインが取得される奇数フィールドの画像と偶数ラインが取得される偶数フィールドの画像と称する。
実際の眼底撮影では、測定開始ボタン306が押されることにより、図6のフローチャートとして示される撮影処理が開始される。以下、フローチャートに沿って撮影処理の詳細について説明する。撮影処理では、まず、眼底正面画像であって、以降の被検眼の動きを計測する際の基準となる参照眼底画像を生成する。そして、例えば後述する1Bスキャンの開始あるいは終了のタイミングと同期させて眼底正面画像を取得し、参照眼底画像との間での画像間のずれを求め、これを被検眼の動きとして取得する。この画像間のずれが閾値より大きい場合には、これから開始するBスキャンから得られる断層画像が以前に取得した断層画像とは異なる位置から取得される可能性が大きいとして、Bスキャンの開始位置を取得したずれ量に応じて補正する。そして補正後の位置からの断層画像の取得を行う。このような、眼底の動きに追随してBスキャンの開始位置(測定光の照射位置)を変更する処理を眼底トラッキングと称する。断層画像の取得時にこのような眼底トラッキングを実行することによって、所望の位置から大きくずれることなく断層画像を取得することが可能となる。
<ステップS100>
ステップS100では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御し、眼底トラッキングを行うための参照眼底画像を取得する。記憶部116は眼底トラッキングを行う際に用いるために、取得された参照眼底画像を記憶する。なお、眼底正面画像撮影部111では眼底からの輝度情報を取得しており、実際に画像を生成しているわけではない。このため、制御部114では、この輝度情報を、SLO走査光学系243の走査位置情報に基づいて眼底正面画像の表示画面に対応する面内に配置することで画像情報を生成し、これを用いて以降の処理を行っている。しかし、以降で述べるトラッキング処理において、この画像情報は眼底正面画像に準じて画像として用いられている。このことから、以降の説明においては、制御部114は眼底正面画像を取得し、これを用いて眼底の固視微動量の検出処理を行うこととして説明する。また、参照眼底画像取得の動作の詳細については後述する。
<ステップS110>
ステップS110では、演算回路115が、眼底正面画像の時間経過による位置変化を検出しその量を求めることで被検眼の固視微動量を算出する。眼底固視微動の算出動作の詳細については後述する。
<ステップS120>
ステップS120では、演算回路115が、ステップS110で算出された固視微動量が閾値より大きいか否かを判定する。なお、閾値は任意に設定が可能であり、例えば、断層画像にアーチファクトが生じる固視微動量を閾値に設定することができる。断層画像を連続的に取得する際に、通常は断層画像の取得位置の補正は行わない。しかし、固視微動量が大きくなり、この固視微動を考慮せずに断層画像を取得した場合には、所望位置での断層画像が取得できずにアーチファクトが生じる可能性が高くなる。そこで、ステップS120では、アーチファクト発生の可能性を考慮した閾値を設定し、算出された固視微動量がこの閾値を超えるか否かの判定を行っている。
<ステップS130>
ステップS130は、ステップS120での判定により固視微動量が閾値より大きい場合において実行され、制御部114が判定結果を処理装置120へと送信する。この判定結果を処理装置120へ送信する。処理装置120は判定結果に基づいて取得に失敗した断層画像のデータを破棄し、同一走査線からの断層画像の再取得(再スキャン)を行うこと等によって取得した断層画像のデータと置き換えるといった処理が可能となる。なお、本実施形態では再走査によって置き換え用の断層画像を得ているが、例えば隣接する断層画像を用いる、あるいは隣接する断層画像に用いて構成した置き換え用の断層画像として用いることもできる。
<ステップS140>
ステップS140では、制御部114が、ステップS110で検出された固視微動量分だけ走査線の位置を変更することで断層画像の取得位置の補正を行う。断層画像の取得位置の補正は、具体的には、制御部114がOCT走査光学系213に与える走査制御信号を変更することによって行われる。
<ステップS150>
ステップS150では、制御部114による断層画像の取得位置の補正終了に応じて、断層画像の取得が開始される。具体的には、補正後の走査位置において、測定光による眼底の走査が開始される。そして、この走査によりOCT信号検出部218が取得した干渉信号に基づいて、断層画像撮影部112による被検眼の眼底の断層画像(Bスキャン像)の取得(生成)が開始される。生成された断層画像は、例えば図5に例示した表示様式で、処理装置120により表示部130で表示される。
<ステップS160>
ステップS160では、制御部114が、測定(断層画像の取得)が終了したか否かを判断する。OCTによる断層画像はノイズが多いので、例えば複数回の断層画像の取得を同一走査線に対して行い、取得結果の加算平均を行い、ノイズを低減することが行われる。また、上述したように、Bスキャンの位置をずらしながら複数のBスキャン画像(断層画像)を取得し、得られた断層画像を合成することで眼底の3次元画像(Cスキャン画像)を得ることもできる。測定の終了は、所定の回数の断層画像の取得が終了したか、又は所定のエリアからの断層画像の取得が終了したか否かによって判定される。断層画像の取得が終了した場合、撮影動作が終了する。取得が終了していない場合、制御部114はフローをステップS110に移行させ、所定の回数の取得が終了するまで以降の動作を繰り返す。
(参照眼底画像取得動作のフローチャート)
次に、上述した図6のステップS100で実行される参照眼底画像の取得動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。参照眼底画像の取得動作が開始されると、制御部114により、以下に述べるステップS200以降の処理が実行される。
<ステップS200>
ステップS200では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御し、眼底における上述した奇数フィールド(図4における奇数の走査線L01、L03、・・・L19からなるフィールド)より、画像を取得する。記憶部116は、奇数ラインより取得される奇数フィールドの画像を記憶する。
<ステップS210>
ステップS210では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御し、眼底における上述した偶数フィールド(図4における偶数の走査線L02、L04、・・・L20からなるフィールド)より、画像を取得する。記憶部116は、偶数ラインより取得される偶数フィールドの画像を記憶する。なお、本実施形態では、上述した奇数ライン及び偶数ラインは、各々生成された眼底正面画像を表示する際の表示画面のピクセル(画素)が、該ラインの延在方向に複数配置されるように構成されている。具体的には、表示画面の例えばライン方向に並ぶピクセルの各々は、例えば照明光を該ラインに沿って走査する際に得る輝度値の取得位置に対応するように配置される。
<ステップS220>
ステップS220では、演算回路115が、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とに対して二次元相関演算を行う。二次元相関演算は、以下のように行われる。画像1I1(X,Y)と画像2I2(X,Y)の相互相関係数は、次の式(1)で定義される相互相関関数から得ることができる。

R12(u,v)=∫∫I1(X,Y)I2(X+u,Y+v)dXdY・・・(1)

この相互相関関数が明瞭なピークを持てば、そのピーク位置(u0,v0)に位置するピクセルにおいて、画像1及び画像2間で高い一致度を示すことを表す。相関の有無については、(1)式のピーク位置でのR12(u,v)を所定の閾値と比較することで判断することができる。画像1と画像2とは、このような一致度の高いピクセルを基準として、位置合わせを行うことができる。なお、このように最良の一致度を求める演算方法は相互相関演算以外の方法、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)を用いることが可能である。即ち、これらの他の方法を本実施形態で用いてもかまわない。
また、相互相関係数において、ピークを段階的に求めることもできる。まず、演算回路が、画像1と画像2を縮小して階層画像を生成する。具体的には、一画像を構成するピクセルを所定の単位数で加算する等によってまとめ、該一画像を構成するピクセルの数を減少させる(画像の縮小)。そして、縮小することで得られた階層画像に対して粗処理を行い、所望のパターン(画像間で類似するパターン)の存在する座標位置を検出する。その後、検出された座標の近辺において、例えば元の画素数からなる画像を用いて詳細処理を行い、さらに所望パターンの正確な位置を検出する。このような粗密探索法は、粗い探索を行って所望のパターンの大体の位置を特定し、この結果に基づいて特定された範囲に詳細な探索を行うといった、段階的なマッチング処理を行う。これによって、画像全体にわたって詳細な探索を行うことなく、必要な部分のみを順次精査していくことによって全体の処理時間を短縮することができる。
また、相関係数のピーク近傍の数点から、補間演算を行うことにより、サブピクセル単位で一致度の高い点を求めることができる。図8は、このようなサブピクセル単位での補間処理について説明する図である。図8(a)は、相関係数の本来のピーク401とその近傍に配置されるピクセルとの位置関係を示す図である。より詳細には、相関演算でのピークを示すピクセルP(u0,v0)400、実際のピーク401の位置、及びその隣接ピクセルの座標を示す図である。
本実施形態では、ピーク401の位置を求めるため、図8(b)に示す一次補間をX軸方向、Y軸方向についてそれぞれ行う。図8(b)は、ピクセルP(u0,v0)とX軸方向の隣接ピクセルP(u0−1,v0),P(u0+1,v0)とその相関係数を縦軸にプロットしたものである。相関演算でのピークを示すピクセルP(u0,v0)と隣接ピクセルP(u0−1,v0),P(u0+1,v0)との間にそれぞれ直線を引き、傾きの大きい方を採用する。図8(b)では、隣接ピクセルP(u0−1,v0)とピクセルP(u0,v0)とを結ぶ直線を採用している。そして残る点から採用した直線と傾きの絶対値は同じで正負が異なる直線を引く。この2直線の交点(図8(b)では交点402)の座標を本来のピーク401のX座標とする。Y軸についても同様の補間計算を行い、ピーク401のサブピクセル単位でのX座標、Y座標を求めることができる。なお、ここでは一次補間を行ったが、3点を通る二次関数を作り、その極値を求めるようにしてもよい。また、ピークを囲むさらに多くの点から三次元曲面で補間しそのピークを求める等その他の補間方法を用いてもよい。
<ステップS230>
ステップS230では、制御部114が、ステップS220の相関演算結果による相関係数を所定の閾値を比較することで相関の有無を判定する。少なくとも一方のフィールドの画像に対して取得時の瞬きや固視微動による眼振の影響があると、相関値は低くなる。閾値との比較により、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とが相関無しとなった場合は、制御部114はフローをステップS200に戻し、再び奇数フィールドの画像の取得からの処理が行われる。これら画像に相関有りと判定された場合は、フローはステップS240に移行される。
<ステップS240>
ステップS240では、制御部114が、ステップS220の相関演算結果によるピーク位置の変位量が(0,0.5)に近いかどうかを判定する。ここでのX方向はピクセル単位、Y方向はインタレースのフィールドでの走査線単位となる。より詳細には、Y方向では、1が例えば奇数フレームの画像における2本の走査線の間に相当する。即ち、ここでのY方向の0.5は、奇数フィールドの1走査線と該1走査線に最も近い偶数フィールドの走査線と該1走査線との間の変位量に相当する。変位量が(0,0.5)に近い場合、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とは、固視微動等の影響が少ない間に連続的に取得された画像と考えられ、フローはステップS250に移行される。変位量が大きい場合、フローはステップS200に戻され、再び奇数フィールドの画像の取得からの処理が行われる。
<ステップS250>
ステップS250では、演算回路115が、ステップS200で取得した奇数フィールドの画像とステップS210で取得した偶数フィールドの画像とを合成し、眼底正面画像のフレームデータ(新たな正面画像)を作成する。奇数フィールドの画像データは合成するフレームデータの奇数ラインに、偶数フィールドの画像データは同フレームデータの偶数ラインになるように合成される。即ち、奇数ラインは、新たな正面画像における奇数フィールドの画像データに対応する領域であり、偶数ラインは、新たな正面画像における偶数フィールドの画像データに対応する領域である。
<ステップS260>
ステップS260では、制御部114により、ステップS250で合成したフレームデータを眼底トラッキング用の参照眼底画像として記憶部116に記憶させる。以上の処理を実行することにより、変位量の少ない奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とを合成したフレーム画像を眼底トラッキングの参照眼底画像とすることができる。従って、次に説明する固視微動量の検知の際にフィールド画像を参照眼底画像にするのに対し縦方向の分解能を高くすることができる。なお、ここで得られた参照眼底画像は、処理装置120に送られて該処理装置120によって表示部130に表示することもできる。また、参照眼底画像の生成に用いた元の輝度データ、及び以降で述べる固視微動検出用に眼底から得た輝度データは、処理装置120でも用いられ、画像生成部121により眼底正面画像が生成される。生成された眼底正面画像は、例えば図5に例示した表示様式で、処理装置120により表示部130で表示される。
本実施形態では、上述したステップS220で奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像との相関について求めている。その際、相間値が高いと判定された画像については、相間値が求められるようなアーチファクトのない画像であるともいえる。従って、このステップS260で得られる参照眼底画像は、アーチファクトがない良好な画質の画像の合成によって得られていると考えられる。このように、相間値を求める過程で参照眼底画像の合成に用いる画像の画質が考慮されることにより、被検眼の動きによる歪みの少ない画像を参照眼底画像用として選択することができる。その結果、後述する固視微動等による眼底の位置ずれを、より精度良く取得することができる。
なお、本実施形態の説明では、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とをセットで取得する例について説明した。即ち、ステップS230やステップS240においてフローがステップS200に戻された場合、新たに奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とが取得されてこれら画像間での相間値が求められる。しかし、画像の取得様式はこれに限られない。例えば、フィールド単位で順次相関を求め、ステップS240において奇数フィールドの画像−偶数フィールドの画像の順の相関の場合は、変位量(0、0.5)と比較してもよい。この場合、偶数フィールドの画像−奇数フィールドの画像の順の相関の場合は、変位量(0、−0.5)と比較することとなる。このような画像の取得様式としても、同様の効果が得られる。
(眼底固視微動検出動作のフローチャート)
次に、図6のステップS110で実行される眼底固視微動の検出動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、眼底正面画像を取得するための照明光の走査が図4で示したようにL01ラインから始まっているため、奇数フィールドを基準とする場合について述べる。以下の例では、参照眼底画像と奇数フィールドの画像との相関を取る場合はオフセットを加えず、偶数フィールドの画像との相関を取る場合は該偶数フィールドの画像にオフセットを加える例を示している。
<ステップS300>
ステップS110の眼底固視微動の検出動作が開始されると、制御部114によって、図9のフローチャートに沿った動作が開始される。まず、ステップS300では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御して、奇数フィールドの画像を取得するために照明光の走査(眼底正面フィールド画像の取得)を開始する。演算回路115は、眼底からの反射光を得たSLO信号検出部245からの出力を用いて、奇数フィールドの画像を生成する。
<ステップS310>
ステップS310では、演算回路115が、ステップS300で取得した奇数フィールドの画像から、例えば走査線の数が図4に示す20本からなるフレーム画像を生成する。この処理を、以降ではフレーム化と称する。フレーム化は以下のように行う。まず、奇数フィールドのデータのライン数の2倍のライン数を持つデータエリアを用意する。次に、奇数フィールドのデータのnライン(n=1,2,3,…,N/2:図4の例ではN=20)のデータを、データエリアの2nー1ラインに各々コピーする。また、データエリアの2n−1ラインのデータを、データエリアの2nラインに各々コピーする。これにより、奇数フィールドの走査線データを2重化したことになる。なお、ここでは、奇数フィールドの走査線のデータをフレーム化するためのデータエリアの走査線に2度書きしているので、「コピー」という表現を用いている。以上により、フィールドデータの2倍のライン数(フレームデータ相当)を持ち、奇数ラインと次の偶数ラインが同じデータを持つ画像データが用意できる。
<ステップS320>
ステップS320では、演算回路115が、ステップS100で取得した参照眼底画像に対し、ステップS310でフレーム化した眼底正面画像との二次元相関演算を行う。ここでの相関演算はフレームデータ同士での相関演算となるので、X方向はピクセル単位で変異はないと考えられるが、Y方向については1走査線単位での変位量が求められることとなる。また、二次元相関演算は、ステップS220で説明した方式に従い、サブピクセル単位の変位量を求めることとする。
<ステップS330>
ステップS330では、演算回路115が、ステップS300で取得したフィールド画像が奇数フィールドの画像であるか否かを判断する。奇数フィールドの画像の場合には、制御部114はフローをステップS340に移行させる。そうでない場合、即ち取得した画像が偶数フィールドの画像の場合には、フローはステップS350に移行される。
<ステップS340>
ステップS320で得られた変位量は、奇数フィールドの画像に基づいて算出されたものであるため、このことを考慮することを要する。奇数フィールドの画像の場合、ステップS340では、演算回路115が、フレーム化された画像データに対してY軸方向のオフセットを加えない(即ちオフセット0)。制御部114は、画像データをそのまま維持し、フローをステップS360に移行させる。
<ステップS350>
ステップS320で得られた変位量が、偶数フィールドの画像に基づいて算出されたものである場合には、このことを考慮することを要する。このため、偶数フィールドの画像の場合、ステップS350では、演算回路115が、フレーム化された画像データに対してY軸方向に1のオフセットを加える。そして、ステップS360に進む。この1のオフセットは、フレーム化されたデータエリアを構成する2nラインのデータにおいて、奇数フィールドと偶数フィールドとの位置の差を考慮したものである。
<ステップS360,370>
以上の動作により参照眼底画像とステップS300で取得された眼底正面画像との変位量、即ち被検眼の固視微動量が求められる。ステップS360では、制御部114は、演算回路115により求められた固視微動量を記憶部116に保存させる。また、ステップS370では、制御部114は固視微動量の算出に用いた眼底正面画像を記憶部116に保存させる。以上により固視微動の検出動作を終了する。以上の処理を実行することによって、固視微動量を取得することができる。なお、ここでは、被検眼の動きについて固視微動量として述べたが、該固視微動量には、例えば移動量、移動方向、被検眼の回転等についての情報が含まれており、被検眼の移動に関する情報として把握されることが望ましい。また、上述した例では、移動に関する情報を、所謂パターンマッチングと称される2枚の画像を用いた二元相関演算により得ている。しかし、移動に関する情報を求める方法は画像を用いた二次元相間演算に限られず、例えば位相を用いて位相限定相関によって求めてもよい。
以上の説明では、奇数フィールドを基準とする例を示したが、偶数フィールドを基準にするよう構成してもよい。その場合には、参照眼底画像と偶数フィールドの画像のフレーム化により得たフィールド画像との相関を取る場合は、オフセットを加えない。これに対して、奇数フィールドの画像のフレーム化により得たフィールド画像と参照眼底画像との相関を取る場合はオフセット(たとえばY軸方向に−1のオフセット)を加えることになる。
なお、本実施形態では奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像から参照眼底画像としてのフレーム画像を合成する例を示した。しかし、参照眼底画像は、合成しないフィールド画像から得ることとしてもよい。例えば、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とを取得し、画像評価部123により、鮮鋭度や平均輝度値を評価し、評価の高い方を参照眼底画像することもできる。奇数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は、奇数フィールドの画像との相関を取る場合はオフセット0となる。また、偶数フィールドの画像との相関を取る場合はY方向にオフセット0.5を加えることとなる。また、偶数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は、奇数フィールドの画像との相関を取る場合はY方向にオフセット−0.5を加え、偶数フィールドの画像との相関を取る場合はオフセット0とする。なお、このオフセットの単位は、インタレースのフィールドでの走査線単位となる。相関はサブピクセル単位で行う。また、奇数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合には眼底正面画像のうち奇数フィールドから得た画像のみと相関を取っていき、偶数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は偶数フィールドから得た画像のみと相関を取るよう構成することもできる。
一般に、OCT装置では、撮影装置110本体で異なる時間に取得される眼底正面画像をPC等からなる処理装置120側へと転送する。該処理装置120側では、取得された複数の眼底正面画像の比較から被検眼の移動量(ずれ量)、移動方向、被検眼の回転等の被検眼の移動に関する情報を算出する。そして、算出された移動に関する情報を撮影装置110本体へと転送し、撮像装置に配された測定光走査用のスキャンの制御をこの移動に関する情報を反映させて行うことで断層画像の取得位置を補正する。このため、被検眼の動きを検出してから走査位置を補正するまでに、タイムラグがある。
このようなタイムラグは、早い眼の動きに対応する適切なトラッキングのためには考慮される必要がある。即ち、固視微動等の早い目の動きが生じた場合、この動きに応じて眼底トラッキングを行ったとしても、補正用の固視微動量の算出と指示を行う間にさらに目が動き、断層画像の歪みを低減しきれないことも考えられる。また、このような状態で得られる断層画像間の差分値や脱相関値は本来の値よりも大きな値となり、例えばOCTA画像を生成しようとした場合に、画像上に白線などのアーチファクトが生じてしまうことが考えられる。
本実施形態では、上述したように、撮影装置110本体に設けられた制御部114、演算回路115、及び記憶部116を用いて眼底トラッキングを行うこととしている。以下に、本実施形態に係る眼底トラッキングの制御に関する構成と眼底正面画像及び眼底画像の生成に関する構成との関係について、図10を参照して説明する。図10は、撮影装置側で行われる処理と処理装置側で行われる処理とを模式的に示しており、図10(a)は本実施形態を示し、図10(b)は従来の形態を示している。
図10(b)を参照すると、従来の形態において、撮影装置1110側では、眼底正面画像のための輝度情報の取得、干渉信号の取得、及び干渉信号取得時のOCT走査光学系213の制御が行われる。また、撮影装置1110と接続される処理装置1120側では、取得された輝度情報に基づく眼底正面画像の生成と干渉信号に基づく断層画像の生成に合わせ、トラッキングのための位置ずれ量が算出される。より詳細には、処理装置1120は、撮影装置1110から取得した眼底の輝度情報から、あるいは処理装置1120で生成された眼底正面画像から、眼底の位置ずれ量(眼底正面画像のオフセット量)を求める。求められた位置ずれ量は、処理装置1120から撮影装置1110に送られ、OCT装置における走査光学系がこの位置ずれ量に基づいて制御される。このように、眼底トラッキングの制御に関与する構成が、撮影装置1110側と処理装置1120側とに分かれて存在することにより、データのやり取りによる上述したタイムラグが生じる。このタイムラグは、眼底トラッキングの高速化のためにはできるだけなくすことが好ましい。
これに対し、本実施形態に係る眼科システムでは、図10(a)に示すように、撮影装置110側に眼底トラッキングの制御に関連する構成の大半が配置され、該撮影装置110側のみで眼底トラッキングの制御が行われる。即ち、図6に示したフローチャートにおける処理のすべてが、撮影装置110に配置される制御部114、演算回路115、及び記憶部116により実行可能とされる。具体的には、眼底の輝度情報の取得、該輝度情報あるいは該輝度情報に基づく画像からの位置ずれ量の算出、及び該位置ずれ量に基づく走査光学系の制御、が全て撮影装置110で行われる。このような構成とすることによって上述したタイムラグを発生させる要因をなくし、眼底トラッキングの高速化を図ることが可能となる。
上述したように、本実施形態では、高いリアルタイム性(高速性)が要求される眼底トラッキングは撮影装置110側で行うことで、眼底トラッキングのために実行されるフィードバック制御を高速化することができる。その結果、固視微動等によって生じる断層画像のアーチファクトを低減することができる。また、上述したステップS130において被検眼100の移動に関する情報である移動量が閾値を超えた場合、例えば対応する断層画像の再取得が行われる。本実施形態では、再取得が開始されるまでに要する時間が短縮されることから、再取得時の被検眼100の移動量が従来より低減され、撮影時間が短縮されて被検者の負担がより軽減される。
なお、上述した実施形態では、インタレース方式によって眼底正面画像を取得している。しかし、眼底正面画像の取得はこの方式に限られず、例えばプログレッシブ方式によって取得してもよい。以下、プログレッシブ方式によって眼底正面画像を取得する場合について説明する。なお、プログレッシブ方式とは、ラスタスキャンにおける各主走査(X方向の走査)を副走査方向(Y方向)に順番に行う走査の方式で、例えば図5に示すように走査線L01〜L20から得た信号から眼底正面画像を構成する方式である。即ち、プログレッシブ方式では、1枚の眼底正面画像を構成する信号を、該画像に対して配置される全ての走査線から得ている。このように眼底正面画像に関する情報をすべての走査線から得ることにより、インタレース方式で画像を構成する場合に対して、解像度の高い画像が得られる。しかし、その反面、1枚の画像の取得に要する時間はインタレース方式の2倍となる。
プログレッシブ方式の場合、制御部114により、例えば図4に示す走査線であるL01〜L20の順に照明光が走査され、走査の終了とともに参照眼底画像の取得の処理が終了する。従って、図6におけるステップS100において、制御部114や演算回路115による図7に示すステップS210〜S250の処理は行われない。制御部114は、ステップS200において、奇数フィールド用の眼底正面画像の取得ではなく、全走査線を用いたフィールドから眼底正面画像の取得の処理を実行する。取得された眼底正面画像は、ステップS260においてトラッキング用の参照眼底画像として記憶部116に記憶される。
ステップS110では、制御部114は、再度プログレッシブ方式によって眼底正面画像を取得する。演算回路115は、該眼底正面画像と、ステップS110で得た参照眼底画像とを用いて、図9におけるステップS320の二次元相関演算を行ってこれら画像間での位置ずれ量を求める。なお、ここで行う二次元相関演算では、上述したステップS320と同様に、Y方向について1走査線単位での変位量を求めることとなる。また、その際に、図7で説明したステップS220の場合と同様に、変位量をサブピクセル単位で求めてもよい。プログレッシブ方式の場合、同じフィールドで眼底正面画像を得ていることから、画像をオフセットさせる必要がなく、ステップS330〜S350の処理は行われない。ステップS320にてずれ量が求められると、フローはステップS360に移行され、求められたずれ量が固視微動量として記憶部116に記憶される。以降この固視微動量を用いて、図6におけるステップS120〜S160の処理が行われる。
上述したインタレース方式の場合、固視微動量を得るために参照眼底画像と比較される画像は、プログレッシブ方式で眼底正面画像の取得に要する時間の約半分の時間で取得できる。このため、プログレッシブ方式の場合と比較して、より短時間で固視微動量の検出が繰り返されることとなり、この点でもトラッキングの高速化を図ることができる。しかし、プログレッシブ方式の場合であっても、眼底トラッキングの制御を撮影装置110側のみで行うことにより、上述したデータ転送等に伴うタイムラグを低減でき、眼底トラッキングの高速化を図ることができる。なお、上述した実施形態では、照明光及び測定光を走査する走査パターンとして、所謂ラスタスキャンを例示している。しかし、走査パターンは該ラスタスキャンに限られず、3Dスキャン、ラジアルスキャン、クロススキャン、サークルスキャン、及びリサージュスキャン(リサージュ曲線に沿った走査)等が含まれてよい。これら走査パターンにより断層画像を得る場合であっても、本実施形態で述べた眼底トラッキングの制御を行うことにより、上述したデータ転送等に伴うタイムラグを低減でき、眼底トラッキングの高速化を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態において説明した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変形等が可能である。また、撮影装置としてOCT装置を用いた眼科システムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。眼底トラッキングが一般的に行われるOCTA、補償光学系を用いたSLO等を含む眼科システムにおいても、眼底トラッキングの高速化はOCT装置と同様に求められており、従ってこれら眼科システムに対しても上述した構成は適用可能である。なお、例えばOCTAの場合には、装置構成は第1の実施形態で述べたものと同じである。相違点としては、処理装置120において複数の断層画像間における脱相間演算が行われ、画素値の時間的変化の対比を示すモーションコントラストを求める構成が付加される。また、例えば図7のフローチャートにおいて、ステップS160において同一個所での所定回数のOCT撮影が行われたか否かが判定され、さらにそのあとにすべての走査予定位置で所定回数のOCT撮影が行われたか否かが判定されることとなる。しかし、撮影装置110と処理装置120との基本構成は変わらない。
OCTA装置では、異なる時間において同一位置から複数の断層画像を取得し、これら断層画像における同一個所での脱相間値をモーションコントラストデータとして取得する。そして、得られたモーションコントラストデータを用いてOCTA画像を生成し、移動物体の分布等を観察する。ここで、モーションコントラストデータとは、被検体組織のうち流れのある組織(例えば血液)と流れのない組織の間の対比を数値化したものである。この場合、OCT装置における構成は変える必要がなく、OCTA用の撮影モード(OCTA撮影モード)を設け、これを選択できるようにすればよい。なお、OCTA撮影モードでは、ラスタスキャン以外の3Dスキャン、ラジアルスキャン、クロススキャン、サークルスキャン、及びリサージュスキャンのいずれかを選択できることが望ましい。OCTA撮影モードでは、測定光を同一位置で所定回数走査し、得られた所定数の断層画像からモーションコントラストデータを得ており、これら所定数の断層画像をクラスタと称する。このようなクラスタに1断層画像であっても走査位置補正が不十分なものが含まれる場合には、該1断層画像と他の断層画像との間ですべての組織に流れがあると判別されてしまう。このため、1クラスタの中に固視微動量が閾値よりも大きいと判定されたものが含まれる場合には、そのクラスタにおける断層画像全てを再取得することが望ましい。
補償光学系を用いた所謂AO−SLOの場合には、眼底正面画像撮影部111とは別に、第1の実施形態における断層画像撮影部112に変えて補償光学SLOからなる眼底撮影部が設けられる。なお、AO−SLOとは、角膜や水晶体等の眼の光学組織によって生じる収差の影響を低減してより狭い範囲での詳細な眼の観察を可能とする装置であり、被検眼を介した光の収差を補正する補償光学系を備える。AO−SLOでは、断層画像撮影部112と同様に、該眼底撮影部は断層画像撮影部112とは独立して眼底画像を撮影し、眼底正面画像撮影部111が取得した画像に関する情報から得た固視微動量に基づいて照明光の走査位置が補正される。即ち、補償光学系を用いたSLOにおいても固視微動量の検出とこれに伴うフィードバック制御は第1の実施形態と同様に行われ、従って第1の実施形態と同様の構成を配することでトラッキングの高速化を図ることができる。
上述したように、本実施形態に係る眼科システムは、撮影装置110と画像を生成する処理装置(処理装置120)とを備える。撮影装置110は、第1の撮影部(眼底正面画像撮影部111)と第2の撮影部(断層画像撮影部112)とを含み、該第1の撮影部により被検眼の第1の画像に関する情報を取得し、該第2の撮影部により第2の画像に関する情報を取得する。第1の画像に関する情報には、例えば眼底正面画像の生成に用いられる輝度情報が含まれる。また、第2の画像に関する情報には、断層画像の生成に用いられる干渉信号が含まれる。撮影装置110はまた、第1の画像に関する情報を取得し(SLO信号検出部245)、該情報を用いて演算回路115によって被検眼の移動量に関する情報を取得する。この移動に関する情報には、例えば被検眼の移動量、移動方向、被検眼の回転が含まれる。そして、該撮影装置110では、補正手段(制御部114)が該移動に関する情報を用いて、第2の画像に関する情報の取得位置(OCTにおける測定光の走査位置又は光学ヘッド部の位置)を補正する。撮影装置110は送信部118(送信手段)を有し、該送信部118は処理装置120の受信部125(受信手段)と通信手段により接続される。送信部118は、例えば上述した輝度情報と干渉信号とを、受信部に送信する。受信部125は、これら輝度情報と干渉信号とを受信する。処理装置120はまた、受信した輝度情報を用いて眼底正面画像を生成し、受信した干渉信号を用いて断層画像を生成する生成手段(画像生成部121)を有する。処理装置120はまた、画像生成部121が生成した画像を表示手段(表示部130)に表示させる表示制御手段(表示制御部126)を有する。なお、第2の画像は、OCTA画像や補償光学系を有するSLOにより得られる眼底正面画像であってもよい。
上述した演算回路115は、複数の眼底正面画像に関する情報を用いて被検眼の移動量(固視微動量)を算出する。より詳細には、演算回路115は、複数の眼底正面画像(複数の第1の画像)に関する情報間において二次元相関演算を行うことにより移動量を算出する。なお、この二次元相関演算では、第1の画像に関する情報から得られる画像(画像生成部121で生成される眼底正面画像に対応する画像)のピクセル数を減少させることで得られる画素数に対応する階層画像を生成し、これを用いるとよい。この階層画像において、演算回路115は、移動量の算出に用いるパターンを抽出する。そして、第1の画像に関する情報から得られる画像の抽出されたパターンを含む領域における該パターンの座標を用いて複数の第1の画像に関する情報から得られる画像間でのずれ量を求め、移動量を算出する。また、より詳細な眼底トラッキングを行うために、二次元相関演算は、眼底正面画像を構成するピクセルに対して、サブピクセル単位で行われるとよい。
また、本実施形態において、演算回路115は、算出された固視微動量が閾値を超えるか否かを判定する。判定結果は、処理装置120に送信される。算出された固視微動量が値を超えると判定された場合、該処理装置120は生成する断層画像において、閾値を超えた輝度情報に対応して得られている干渉信号から得られる画像を他の画像に置き換えることができる。なお、本実施形態では、眼底正面画像は、インタレース方式で取得される。演算回路115は、眼底正面画像における奇数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報と、偶数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報とを合成しフィールド画像を生成する。そして生成されたフィールド画像を第1の画像に関する情報を参照眼底画像として用い、被検眼の移動量として固視微動量を算出する。なお、参照眼底画像の生成方式はこれに限られず、眼底正面画像における奇数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報と、偶数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報とのいずれかを用いて生成することもできる。即ち、参照眼底画像と比較する際に用いられる第1の画像に関する情報は、画像生成部121で生成される第1の画像を構成する複数の画素(ピクセル)に対応する複数の輝度値の少なくとも一部から構成される。より詳細には、第1の画像に関する情報として取得した少なくとも一部の輝度値を対応する画素に配置して得られた画像情報と参照眼底画像との比較により、被検眼の移動量が求められる。
ここで、第1の画像に関する情報は、例えば輝度値と2次元座標とが対応づいて複数取得された情報であり、2次元座標に対応する画素に輝度値を配置する(並べる)ことで得られる画像であってもよい。なお、本実施形態では、第1の画像に関する情報は、共焦点レーザー走査検眼鏡を用いて取得される。また、第2の画像に関する情報は、OCT装置を用いて取得される。即ち、撮影装置110は、測定光で走査した被検眼からの戻り光を用いて干渉信号を取得し、該干渉信号が送られた画像生成部121は被検眼の眼底の断層画像を生成する。また、本実施形態において、画像生成部121が生成する第1の画像は、眼底正面画像である。また、本実施形態では、通信手段としてUSBを用いたが、ギガビットイーサネット(登録商標)を用いることもできる。また、無線方式の通信手段を用いてもよい。
なお、上述した実施形態で断層画像はラスタスキャンにより取得している。ラスタスキャンとは、例えば図5の走査線L01の方向への測定光の走査(主走査)を行い、その後走査線L02の位置の走査開始位置に測定光の照射位置を走査(副走査)し、以降これを繰り返す走査をいう。図7に示すように走査位置の補正は、1の主走査と次の主走査との間で行われる。これにより、眼底上において走査線がL01〜L20と配置されるように測定光が走査され、眼底上の所望位置からの干渉信号が過不足なく得られる。
また、上述した実施形態では、1枚の眼底正面画像に対して1枚の断層画像が取得されることとしている。しかし、眼底正面画像の取得のタイミングと断層画像の取得のタイミングとが同期可能であれば、一方の画像が1枚取得される間に他方の画像が整数倍となる枚数取得されてもよい。例えば、眼底正面画像を1枚取得するタイミングに対して断層画像が1枚或いは2枚取得する場合が対応し、図7のフローチャートではステップS150において1或いは2枚の断層画像が取得される。また、例えばOCTA撮影の場合のように、同一位置で、複数枚の断層画像が取得される。また、同期できない場合には、断層画像の取得中に固視微動が検出されてもこの取得中には走査位置の補正は行わず、次の断層画像取得のための測定光の走査位置の補正のタイミングで補正を行うとよい。さらに、例えばOCTA撮影の場合のように、同一位置で、複数枚の断層画像を取得する場合も考えられる。この場合、同一位置での断層画像の取得中に固視微動が検出されても該同一位置からの断層画像の取得中には走査位置の補正は行わず、次の位置での最初の断層画像の取得の開始まで走査位置の補正のタイミングを遅延させるとよい。また、同期できない場合には、本撮影の開始の際にだけ同期をとることとし、走査位置の補正が求められる場合には再走査により対応してもよい。その場合、再走査の位置については、開始からの経過時間とフレームレートとを用いて算出することができる。
また、上述した実施形態では、眼底正面画像撮影部として走査型レーザー検眼鏡を用いているが、眼底の正面画像の取得には他の公知の画像取得手段を用いることもできる。例えば、眼底正面画像を2次元センサにて一括取得する構成を眼底正面画像撮影部に用いてもよい。また、この場合、2次元センサは撮影装置本体に内蔵されるように構成されてもよく、2次元センサを含む例えばデジタルカメラと撮影装置本体とが着脱可能に構成されてもよい。また、デジタルカメラと撮影装置本体とが着脱可能とされた場合には、該デジタルカメラと撮影装置本体とは通信可能に接続され、これにより撮影装置本体に配置される演算回路が移動に関する情報を取得可能とすることができる。
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、眼底トラッキング制御を撮影装置110側で行うことによって、眼底トラッキングの高速化を図っている。これに対し、処理装置120側では、眼底トラッキングによって取得位置を補正して得た干渉信号から断層画像を生成し、眼底トラッキングに用いた輝度情報から眼底正面画像を生成しているだけとなっている。ここで、例えば固視微動量が想定以上に大きい場合、高速化した眼底トラッキングであっても対処できずにアーチファクト等が残存することも可能性としてはありえる。第2の実施形態では、このような場合において、固視微動量がアーチファクトが残存する恐れがある閾値を超えた場合に、アーチファクトの発生部分への具体的な対処を行っている。以下、図11乃至図14を参照して、本発明の第2の実施形態に係る眼科システムについて詳細に説明する。なお、以降の説明において、第1の実施形態で述べた構成要素と同じ若しくは同様の機能を呈する構成については同じ参照符号を用いて図中で示すこととし、ここでの説明は省略する。
図11(a)に第2の実施形態に係る眼科システムの概略構成を示し、11(b)に該眼科システムの機能構成についてのブロック図を示す。第2実施形態では、撮影動作において、第1の実施形態で行った眼底トラッキングに加え、処理装置2120側でアーチファクト発生の可能性を考慮して、断層画像の再取得を行う点が第1実施形態と異なる。このため、図11(b)に示すように、第2の実施形態に係る眼科システムは、処理装置2120がさらに画像処理部2124を有することにおいて、第1の実施形態における処理装置120と異なる。また、これらに加え、具体的な撮影処理上の相違点として、本実施形態では、眼底固視微動検出の際、小さい画像データを用いて二次元相関演算を行っている。そして、これによって計算量を削減することで、さらにリアルタイム性の高い眼底トラッキングを行う。また、処理装置2120では、大きい画像データを用いて二次元相関演算を行い、大きな固視微動や瞬きなどをトラッキングで検出して、再スキャン判定(断層画像の再取得と行うか否かの判定)を行う。以上の構成により、眼底トラッキングのフィードバック制御を高速にすることができ、かつトラッキングに失敗したかどうかは、平行処理によって処理装置2120が判定することで、アーチファクトが低減された断層画像を得ることができるという効果がある。
なお、ここで述べる大きな画像データとは、例えば図14に示すような、M個の探索領域から構成される断層画像全域に対応する量の画像データがこれにあたる。また、小さな画像データとは、例えば図14に示す一探索領域に対応する量の画像データがこれにあたる。即ち、大きな画像データと小さな画像データとは、画像として用いる画素数が相対的に多いか少ないかに対応して相対的に決定される用語であって、具体的なデータ量を示してはいない。ここで述べた例では、撮影装置110で眼底トラッキングのために画素数が少なく相対的にデータ量が小さくなる狭い範囲の画像を用い、処理装置2120で眼底正面画像の生成のために全画素数に対応するデータ量が大きくなる広い範囲の画像を用いている。
次に、図12に示すフローチャートを用いて、本実施形態の眼科システムによる眼底断層画像撮影時に行われる処理の詳細について説明する。なお、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、眼底正面画像の撮影のための照明光の走査は、フレームレートを上げるために図4を参照して説明したインタレース方式で行う。実際の眼底撮影では、測定開始ボタン306が押されることにより、図12のフローチャートとして示される撮影処理が開始される。
<ステップS500>
ステップS500では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御し、眼底トラッキングを行うための参照眼底画像を取得する。記憶部116は眼底トラッキングを行う際に用いるために、取得された参照眼底画像を記憶する。参照眼底画像の取得時に行われる処理については第1の実施形態で行われた処理と同じである。なお、本実施形態では、眼底トラッキングによって得られた断層画像(Bスキャンにより取得したデータ)の適否の判断を、眼底正面画像を用いて処理装置2120でも行っている。このため、参照眼底画像の生成は、処理装置2120における画像生成部121においても行われる。なお、処理装置120で行われる参照眼底画像の生成処理は、第1の実施形態で述べた処理を同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
<ステップS510>
ステップS510では、演算回路115が、眼底正面画像の時間経過による位置変化を検出し、その量を求めることで被検眼の固視微動量を算出する。眼底固視微動の算出動作の詳細については後述する。
<ステップS520>
ステップS520では、制御部114が、ステップS510で検出された固視微動量分だけ走査線の位置を変更することで断層画像の取得位置の補正を行う。断層画像の取得位置の補正は、具体的には、制御部114がOCT走査光学系213に与える走査制御信号を変更することによって行われる。なお、第1の実施形態では、固視微動の影響が断層画像に現れる場合の固視微動量を勘案して閾値を定め、固視微動量が該閾値を超えた場合に取得位置の補正を行っている。しかし、本実施形態では、固視微動量によらず、算出された固視微動量に応じて常に取得位置の補正を行うこととしている。
<ステップS530>
ステップS530では、制御部114による断層画像の取得位置の補正終了に応じて、断層画像の取得が開始される。具体的には、補正後の走査位置において、測定光による眼底の走査が開始される。そして、この走査によりOCT信号検出部218が取得した干渉信号に基づいて、断層画像撮影部112による被検眼の眼底の断層画像(Bスキャン像)の取得(生成)が開始される。生成された断層画像は、例えば図5に例示した表示様式で、処理装置120により表示部130で表示される。
<ステップS540>
ステップS540では、処理装置2120側において、画像処理部2124が、眼底正面画像の時間経過による位置変化を検出することで被検眼の固視微動量を検出する。なお、眼底固視微動の検出動作として、第1の実施形態において図9を参照して説明した処理と同様の処理が行われるため、ここでの説明は省略する。
<ステップS550>
ステップS550では、画像処理部2124が、ステップS540で検出された結果から再スキャンによって断層画像の取得を再度行うか否かを判定する。この判定は、例えば、固視微動量と二次元相関演算した際の相関値とから行うことができる。検出された固視微動量が任意の閾値を超えていた際は、その間に取得された断層画像には動きによるアーチファクトが生じている可能性が高いと判断し、この断層画像を得た走査線についての再スキャンを実行する。また、ステップS540で検出されたピークの相関値が任意の閾値より低かった際は、瞬きが発生したと判断できる。従って、この場合についても、再スキャンが行われる。
<ステップS560>
ステップS560では、画像処理部2124は、撮影装置110に、断層画像の再撮影情報の送信を行う。例えば、ステップS550で判定した結果、再スキャン判定となった際に、処理装置2120の画像処理部2124から撮影装置110の制御部114に再スキャンに関する情報が送信される。制御部114では、その情報に基づいて、後述するステップにおいて撮影装置110での再スキャン制御を行う。なお、再スキャンに関する情報には、例えば、再スキャンを行うか否かと、行う場合にはステップS540で生成される眼底正面画像が取得されていた間において取得された断層画像の走査線のラインの番号とが例示される。
本実施形態では、撮影装置110側で眼底トラッキングと断層画像の取得とが実行される間に、処理装置2120側で固視微動量を求め、且つ該固視微動量が再スキャンを要するレベルであるか否かを判定している。上述したように処理装置2120に輝度情報を送信することによりタイムラグが生じる。また、撮影装置110側で行われる眼底トラッキングが図14で示した小さな画像データに対応する探索領域が対象であるのに対して、処理装置2120側では眼底正面画像全域を対象として固視微動量を求めている。そのため、処理装置2120で固視微動量に基づく再スキャン情報を得る処理には時間がかかる。しかし、本実施形態では、眼底トラッキングを伴う断層画像の撮影を撮影装置110側のみで行い、同時にこれと並行して処理装置2120側では再スキャン情報をのみを得ようとしている。これにより、再スキャン情報を得るための時間は、眼底トラッキングを伴った断層画像の取得に要する時間に何ら影響せず、その結果撮影装置としてのトラッキング速度の低下を低減することができる。
<ステップS570>
ステップS570では、制御部114が、測定(断層画像の取得)が終了したか否かを判断する。OCTによる断層画像はノイズが多いので、例えば複数回の断層画像の取得を同一走査線に対して行い、取得結果の加算平均を行い、ノイズを低減することが行われる。また、上述したように、走査線の位置をずらしながら複数の断層画像を取得し、得られた断層画像を合成することで眼底の3次元画像(Cスキャン画像)を得ることもできる。測定の終了は、所定の回数の断層画像の取得が終了したか、又は所定のエリアからの断層画像の取得が終了したか否かによって判定される。断層画像の取得が終了した場合、制御部114によりフローはステップS580へ移行される。取得が終了していない場合、制御部114はフローをステップS510及びステップS540に移行させ、所定の回数の取得が終了するまで以降の動作を繰り返す。
<ステップS580>
ステップS580では、ステップS560で再スキャン情報が制御部114に送信された場合、フローがステップS510及びステップS540に移行される。そして、これらステップにおいて、再スキャンとなったエリア若しくは走査線についての断層画像の再取得を開始する。再取得を行う旨の再スキャンに関する情報がなかった場合、撮影動作が終了する。
(眼底固視微動検出動作のフローチャート)
次に、図12のステップS510で実行される眼底固視微動の検出動作について、図13のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、眼底正面画像を取得するための照明光の走査が図4で示したようにL01ラインから始まっているため、奇数フィールドを基準とする場合について述べる。以下の例では、参照眼底画像と奇数フィールドの画像との相関を取る場合はオフセットを加えず、偶数フィールドの画像との相関を取る場合は該偶数フィールドの画像にオフセットを加える例を示している。
<ステップS700>
ステップS510の眼底固視微動の検出動作が開始されると、制御部114によって、図13のフローチャートに沿った動作が開始される。まず、ステップS700では、制御部114が、眼底正面画像撮影部111を制御して、奇数フィールドの画像を取得するために照明光の走査(眼底正面フィールド画像の取得)を開始する。演算回路115は、眼底からの反射光を得たSLO信号検出部245からの出力を用いて、奇数フィールドの画像を生成する。
本実施形態において、ステップS700で取得されるフィールド画像は、本来の眼底正面画像の取得領域を分割することで得られた小さい領域のフィールド画像である。この小さい領域のフィールド画像について、図14を用いて説明する。本実施形態において、演算回路115は、図14に示すように、本来の眼底正面画像の取得領域である照明光のスキャンエリアを例えば縦方向にM分割する。そして、例えば照明光の走査方向に関してX方向(眼底正面画像の横方向)は本来の眼底正面画像と同じ幅で、Y方向(縦方向)は1/Mの幅となる領域の画像とし、1番目からM番目の探索領域まで順にこれら画像が取得される。このような探索領域の画像のデータが上述した小さな画像データに対応し、元の眼底正面画像の取得領域から得られる画像データが大きな画像データに対応する。なお、ここで示した分割の様式は一例であって、例えばX(横方向)に分割してもよく、XY方向で分割してもよい。分割数は、例えば同一走査線に対する断層画像の取得回数に応じて決めてもよい。
<ステップS710>
ステップS710では、演算回路115が、ステップS700で取得した分割フィールド画像、ここでは分割で得た探索領域における奇数フィールドの画像を、第1の実施形態で述べた手法によりフレーム化する。フレーム化は以下のように行う。まず、奇数フィールドデータのライン数の2倍のライン数を持つデータエリアを用意する。次に、奇数フィールドデータのnライン(n=1,2,3,…,N/2M:Nは走査線総数、Mは分割数)のデータを、データエリアの2nー1ラインに各々コピーする。また、データエリアの2n−1ラインのデータを2nラインに各々コピーする。これにより、奇数フィールドの走査線データを2重化したことになる。なお、ここでは、奇数フィールドデータの走査線のデータをフレーム化するためのデータエリアの走査線に2度書きしているので、「コピー」という表現を用いている。以上により、分割フィールド画像に用いるための、フィールドデータの2倍のライン数(フレームデータ相当)を持ち、奇数ラインと次の偶数ラインが同じデータを持つ画像データが用意できる。
<ステップS720>
ステップS720では、演算回路115が、ステップS700で取得した参照眼底画像に対し、ステップS710でフレーム化した探索領域の眼底正面画像との二次元相関演算を行う。ただし、参照眼底画像はステップS700において、ステップS710でフレーム化した探索領域と対応する領域である参照眼底画像の一部の画像を用いる。ここでの相関演算はフレームデータ同士での相関演算となるので、X方向はピクセル単位で変異はないと考えられるが、Y方向については1走査線単位での変位量が求められることとなる。また、二次元相関演算は、第1の実施形態の図7に示したフローチャートのステップS220で説明した方式に従い、サブピクセル単位の変位量を求めることとする。
<ステップS730>
ステップS730では、演算回路115が、ステップS700で用いた分割フィールド画像が奇数フィールドの画像か否かを判断する。奇数フィールドの画像の場合には、制御部114はフローをステップS740に移行させる。そうでない場合、即ち取得した画像が偶数フィールドの画像の場合には、フローはステップS750に移行される。
<ステップS740>
ステップS720で得られた変位量は、奇数フィールドの画像に基づいて算出されたものであるため、このことを考慮することを要する。奇数フィールドの画像の場合、ステップS740では、演算回路115が、フレーム化された画像データに対してY軸方向のオフセットを加えない(即ちオフセット0)。制御部114は、画像データをそのまま維持し、フローをステップS760に移行させる。
<ステップS750>
ステップS720で得られた変位量が、偶数フィールドの画像に基づいて算出されたものである場合には、このことを考慮することを要する。このため、偶数フィールドの画像の場合、ステップS750では、演算回路115が、フレーム化された画像データに対してY軸方向に1のオフセットを加える。そして、ステップS760に進む。この1のオフセットは、フレーム化されたデータエリアを構成する2nラインのデータにおいて、奇数フィールドと偶数フィールドとの位置の差を考慮したものである。
<ステップS760>
以上の動作により参照眼底画像とステップS700で取得された眼底正面画像との変位量、即ち被検眼の固視微動量が求められる。ステップS760では、制御部114は、演算回路115により求められた固視微動量を記憶部116に保存させる。以上により固視微動の検出動作を終了する。
以上の説明では、奇数フィールドを基準とする例を示したが、偶数フィールドを基準にするよう構成してもよい。その場合には、参照眼底画像と偶数フィールドの画像のフレーム化により得たフィールド画像との相関を取る場合は、オフセットを加えない。これに対して、奇数フィールドの画像のフレーム化により得たフィールド画像と参照眼底画像との相関を取る場合はオフセット(たとえばY軸方向に−1のオフセット)を加えることになる。
なお、本実施形態では奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とから参照眼底画像としてのフレーム画像を合成する例を示した。しかし、参照眼底画像は、合成しないフィールド画像から得ることとしてもよい。例えば、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像を取得し、画像評価部123により、鮮鋭度や平均輝度値を評価し、評価の高い方を参照眼底画像することもできる。奇数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は、奇数フィールドと画像との相関を取る場合はオフセット0となる。また、偶数フィールドの画像との相関を取る場合はY方向にオフセット0.5を加えることとなる。また、偶数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は、奇数フィールドの画像との相関を取る場合はY方向にオフセット−0.5を加え、偶数フィールドの画像との相関を取る場合はオフセット0とする。なお、このオフセットの単位は、インタレースのフィールドでの走査線単位となる。相関はサブピクセル単位で行う。また、奇数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合には眼底正面画像のうち奇数フィールドから得た画像のみと相関を取っていき、偶数フィールドの画像を参照眼底画像とした場合は偶数フィールドから得た画像のみと相関を取るよう構成することもできる。
本実施形態においては、撮影装置110は、眼底上の所望位置を測定光で走査すべく、上述した眼底トラッキングを行うことで固視微動の影響を少なくしている。さらに、本実施形態では、高速性を要する眼底トラッキングとは別個に、処理装置2120において断層画像取得時の固視微動量が所定の閾値よりも大きいか否かを判定している。そして、固視微動などの画像を生成するにあたりアーチファクトとなる眼底の大きな動き検出した場合には、アーチファクトが発生した場所で再スキャンを自動的に行うものとする。なお、第1の実施形態では、固視微動量が予め定めた閾値よりも大きいか否かを撮影装置110側で判断し、且つ閾値よりも大きい場合には直ちに再取得を行うことによって、再取得に要する時間を低減している。これに対し、本実施形態では、処理装置2120側においても再取得を行うための固視微動量と所定の閾値との比較を行っている。本実施形態のように、処理装置2120側で生成した詳細な画像を用いて固視微動量を得ることで、より確度の高い再取得の要否の判定を補助的に行うことができる。
また、さらに本実施形態では、眼底トラッキングをより高速で行うために、眼底トラッキング用のフィールド画像として、小さなデータとなる部分的な眼底正面画像を用いている。処理装置2120では、大きな画像データからなる全域での眼底正面画像を用いて、高精度なトラッキングを行い、再スキャン判定を行うこととしている。これにより、単位時間あたりの動きとして比較的大きい動きが被検眼眼底上で生じた場合であっても、この動きによって生じる歪みは再スキャンによって得た断層画像によって低減することができる。
なお、上述した眼底断層画像の撮影処理では、1回の断層画像の取得に対して1つの再スキャンに関する情報(再スキャンを行うか否かと、行う場合にはどの走査線について行うかの情報)を得ている。しかし、探索領域の数や1つの断層画像の取得に要する速度によっては、1つの再スキャンに関する情報を得る間に、複数の断層画像が得られる場合も想定される。例えば図14の探索領域の1つに応じて1つの断層画像が得られるように、撮影装置110が制御され、探索領域の数に対応する枚数の断層画像が複数の走査線から得られこととしている。このような場合、M個の断層画像がM本の走査線から取得されるが、処理装置2120では1つの全域の眼底正面画像を用いて、M個の断層画像を取得している間に生じた固視微動量を求める。そして、固視微動量からアーチファクトが生じると推定される場合には、このM本の走査線を再スキャンの対象としてM個の断層画像の再取得を実行するとよい。
さらに、このような処理を行う場合、ステップS530の後に、制御部114により所定回数の断層画像の取得が行われたか否かを判定するステップを設けるとよい。例えば、加算平均画像を生成しようとする処理の場合には、加算平均画像を得るための所定数の断層画像の取得が終了していれば、制御部114はフローをステップS540に移行させる。まだ所定数の断層画像が取得てきていない場合には、制御部114はフローをステップS510に戻し、再度取得位置の補正処理と断層画像の取得処理とを繰り返す。また、例えばOCTAにおいて本実施形態を適用した場合には、血流等を判別可能となるように、同一個所の繰り返し走査を行って断層画像が所定回数取得される。また、同一個所の繰り返し走査を行わずに3次元の断層画像を得る場合には、所定の数の走査線に対応した断層画像が得られる数となるように、所定回数或いは探索領域の数が設定される。このように断層画像が所定回数取得されたタイミングと、ステップS560において再スキャンに関する情報が送信されるタイミングとを合わせることで、眼底トラッキングの速度を早くすることができる。
以上の構成によって、本実施形態では、眼底トラッキングのフィードバック制御を高速にすることができる。また、さらに眼底トラッキングに失敗したかどうかは、平行処理で処理装置2120が判定し、眼底トラッキングに失敗した走査線に関しては断層画像の再取得を行うことで、アーチファクトが低減された断層画像を得ることができる。このため、本実施形態では、被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動き(固視微動のうちフリック動作等)が生じた場合には、この動きのタイミングで取得した断層画像を適宜再取得することが可能となる。即ち、本実施形態によれば、眼底トラッキングにかかる時間が短縮できるとともに、被検眼の大きな動きにも対応した断層画像の撮影が可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態において説明した内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変形等が可能である。また、眼科システムとしてOCT装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。眼底トラッキングが一般的に行われるOCTA、補償光学系を用いたSLO等の眼科システムにおいても、眼底トラキングの高速化はOCT装置と同様に求められており、従ってこれら眼科システムに対しても上述した構成は適用可能である。なお、例えばOCTAの場合には、装置構成は第1の実施形態で述べたものと同じである。相違点としては、処理装置120において複数の断層画像間における脱相間演算が行われ、画素値の時間的変化の対比を示すモーションコントラストを求める構成が付加される。しかし、撮影装置110と処理装置120との基本構成は変わらない。補償光学系を用いた所謂AO−SLOの場合には、眼底正面画像撮影部111とは別に、第1の実施形態における断層画像撮影部112に変えて補償光学SLOからなる眼底撮影部が設けられる。断層画像撮影部112と同様に、該眼底撮影部は断層画像撮影部112とは独立して眼底画像を撮影し、眼底正面画像撮影部111が取得した画像に関する情報から得た固視微動量に基づいて照明光の走査位置が補正される。即ち、補償光学系を用いたSLOにおいても固視微動量の検出とこれに伴うフィードバック制御は第1の実施形態と同様に行われ、従って第1の実施形態と同様の構成を配することでトラッキングの高速化を図ることができる。
上述したように、本実施形態では、処理装置(処理装置2120)は、眼底正面画像を用いて被検眼の眼底正面画像に基づく移動量(固視微動量)を算出する手段(画像処理部2124)を有する。本実施形態における撮影装置110は、算出された眼底正面画像に基づく移動量が処理装置2120で定められた閾値を超える場合に、閾値を超えたと判定された眼底正面画像に対応する干渉信号又は所得エリア内の干渉信号を再度取得する。なお、本実施形態では、干渉信号の再度の取得は、当初取得予定の断層画像を生成するための干渉信号をすべて取得した後に行われる。また、撮影装置110は、眼底正面画像の取得範囲を複数の範囲に分割し、分割された範囲から得られる輝度情報に基づいて干渉信号の取得位置を補正する。
[第3の実施形態]
上述した第2の実施形態では、撮影装置110側で実行される眼底トラッキングに関連する処理と並行して、処理装置2120側で詳細な且つ比較的時間のかかる固視微動の検出処理を行っている。そして、処理装置2120にて取得した断層画像においてアーチファクトが生じる可能性が大きな固視微動量が算出された場合に、全ての断層画像の取得後に該アーチファクトを有するかもしれない断層画像の再取得を行うこととしている。このような再スキャンを行った場合、一連の断層画像の取得は連続的に行われることから撮影装置110側での眼底トラッキングが容易に行い得る反面、再取得される断層画像の取得開始までの時間がかかってしまう。
これに対し、第3の実施形態では、再スキャンの制御方法のみを第2実施形態とは異ならせている。具体的には、ある走査線からの断層画像の取得が終了するタイミングと略同じタイミングにて当該断層画像に関する再スキャン情報を得ることとしている。即ち、第2の実施形態とは、図12に示したステップS570及びS580において異なる。以下では、第2の実施形態とは異なる処理の部分についてのみ説明する。なお、以降の説明において、第3の実施形態における各構成要素は、第2の実施形態で述べた構成要素と同じであり、撮影動作においてのみ異なる。よって、本実施形態に係る断層画像撮影時に行われる処理の詳細について、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、図15に示すフローチャートの各処理において、図12のフローチャートで述べた各処理と同じ処理については同じ参照符号を用いて図中で示すこととし、ここでの説明は省略する。
<ステップS800>
ステップS530において断層画像が取得され、ステップS560において再スキャン情報に関する情報が送信されると、フローは制御部114によりステップS800に移行される。ステップS800では、ステップS560で再スキャンに関する情報として、上述したBスキャンのライン番号が送られている場合、制御部114によりフローはステップS510及びステップS540に移行される。そして、これらステップにおいて、再スキャンとなったエリア(走査線)での断層画像の取得と固視微動量の検出との処理が開始される。つまり、再スキャン情報が有る場合、即時に、再スキャンする範囲からの断層画像の取得が開始される。再スキャン情報がなかった場合、制御部114によりフローはステップS810に移行される。
<ステップS810>
ステップS810では、制御部114が、測定(断層画像の取得)が終了したか否かを判断する。OCTによる断層画像はノイズが多いので、例えば複数回の断層画像の取得を同一走査線に対して行い、取得結果の加算平均を行い、ノイズを低減することが行われる。また、上述したように、走査線の位置をずらしながら複数の断層画像を取得し、得られたデータを合成することで眼底の3次元画像(Cスキャン画像)を得ることもできる。測定の終了は、所定の回数の断層画像の取得が終了したか、又は所定のエリアからの断層画像の取得が終了したか否かによって判定される。断層画像の取得が終了した場合、撮影動作が終了する。ステップS810で取得が終了していない場合、制御部114はフローをステップS510及びステップS540に移行させ、所定の回数の取得が終了するまで以上の動作を繰り返す。即ち、本実施形態では、干渉信号の再度の取得は、眼底正面画像に基づく移動量が処理装置で定められた閾値を超えたと判断されることに応じて行われる。
以上の構成によって、本実施形態では、眼底トラッキングのフィードバック制御を高速にすることができる。また、さらに眼底トラッキングに失敗したかどうかは、平行処理で、処理装置2120が判定することで、アーチファクトが低減された断層画像を得ることができる。また、再スキャンを要する場合には、即時に再スキャンする範囲の断層画像の取得を開始することができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、OCT装置を例として、被検眼の眼底の断層画像を取得する場合において、眼底正面画像を得るための輝度情報を用いて撮影装置でトラッキングを行う場合について述べた。しかし、OCT装置は、眼底だけでなく、例えば前眼部や硝子体を撮影対象とすることもできる。この場合、例えば前眼部の断層画像を得る際にトラッキングで用いる移動量の算出には、上述した走査型レーザー検眼鏡だけでなく、前眼部カメラ等を用いて得た前眼部の正面画像に関する情報を用いてもよい。よって、第1の画像に関する情報は、トラッキングのための被検眼の移動量が得られるものであれば例示した走査型レーザー検眼鏡によるもの限られず、眼底画像に関する情報にも限られない。また、第2の画像に関する情報には、OCT装置やAO−OCT装置による眼底からの干渉信号だけでなく、前眼部や硝子体から得られる干渉信号も用いることができる。さらに、第2の画像に関する情報には、前眼部等、被検眼の眼底以外の部位からAO−SLOによって得られる輝度情報も用いることができる。また、上述した各実施形態では、本発明を撮影装置と画像を生成する装置とからなる眼科システムとして実現したが、本発明の実施形態は該眼科システムのみに限定されるものではない。例えば、本発明は該眼科システムに含まれる装置、該装置の作動方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることができる。また、本発明は、上述した実施形態で述べた眼科システムにおいて用いられる撮影装置としての実施態様をとることもできる。該撮影装置は、処理装置(処理装置120)と通信手段によって接続され、該処理装置は、輝度情報から眼底正面画像を、干渉信号から断層画像を生成する。該撮影装置は、輝度情報を取得し(SLO信号検出部245)、該情報を用いて演算回路115によって被検眼の移動量を算出し、算出された移動量を用いて干渉信号の取得位置(OCTにおける測定光の走査位置)を補正する。
なお、OCT装置としては、タイムドメインOCT(TD−OCT)装置やフーリエドメインOCT(FD−OCT)装置を含んでよい。また、フーリエドメインOCT装置はスペクトラルドメインOCT(SD−OCT)装置や波長掃引型OCT(SS−OCT)装置を含んでよい。また、OCT装置は、ライン光を用いたLine−OCT装置(あるいはSS−Line−OCT装置)を含んでよい。また、OCT装置は、エリア光を用いたFull Field−OCT装置(あるいはSS−Full Field−OCT装置)を含んでよい。また、OCT装置は、Doppler−OCT装置を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、波面補償光学系を用いた波面補償SLO(AO−SLO)装置や波面補償OCT(AO−OCT)装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、偏光位相差や偏光解消に関する情報を可視化するための偏光SLO(PS−SLO)装置や偏光OCT(PS−OCT)装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、病理顕微鏡SLO装置や病理顕微鏡OCT装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、ハンドヘルド型のSLO装置やハンドヘルド型のOCT装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、カテーテルSLO装置やカテーテルOCT装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置として、ヘッドマウント型のSLO装置やヘッドマウント型のOCT装置等を含んでよい。また、SLO装置やOCT装置は、光学変倍可能な構成によって、撮影画角を変更可能なものであってもよい。また、SLO装置は、RGBの各光源を用いて、1つの受光素子で時分割に受光する構成又は複数の受光素子で同時に受光する構成によって、カラー画像や蛍光画像を取得可能なものであってもよい。
なお、上述した実施形態では、干渉信号の取得位置の補正は、OCT走査光学系を制御して測定光の照射位置を補正することで行っている。しかし、照射位置の補正は、OCT走査光学系の制御だけではなく、駆動系117を制御部114によって制御し、光学ヘッド部を被検眼100に対して相対的に3次元的に移動させることで行ってもよい。また、照射位置の補正は、顔受け部108を光学ヘッド部に対して相対的に3次元的に移動させることで行ってもよい。また、光学ヘッド部の駆動と顔受け部の駆動との両方であってもよいし、光学ヘッド部の駆動がXYZ方向のうち一部の移動を含み、顔受け部の駆動がXYZのうち残りの移動を含んでもよい。このように、これらの駆動は、光学ヘッド部と被検眼との位置関係を変更する光学部材の駆動であれば、何でもよい。すなわち、照射位置の補正は、光学ヘッド部と被検眼との位置関係を変更することで第2の画像に関する情報の取得位置を補正する構成であれば、何でもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
110、1110:撮影装置、 114:制御部、 115:演算回路、 116:記憶部、 120、1120、2120:処理装置、 121:画像生成部、 122:記憶部、 123:画像評価部、 2124:画像処理部

Claims (21)

  1. 被検眼の第1の画像に関する情報を用いて前記被検眼の移動に関する情報を取得する演算回路と、前記取得された移動に関する情報を用いて前記被検眼の第2の画像に関する情報の取得位置を補正する補正手段と、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を送信する送信手段と、を含む撮影装置と、
    前記撮影装置と通信手段によって接続され、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した第1の画像に関する情報を用いて第1の画像を生成し、前記受信した第2の画像に関する情報を用いて第2の画像を生成する生成手段と、前記生成された第1の画像及び前記生成された第2の画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを含む処理装置と、
    を備える眼科システム。
  2. 前記演算回路は、複数の前記第1の画像に関する情報間において二次元相関演算を行うことにより前記移動に関する情報を取得する請求項1に記載の眼科システム。
  3. 前記二次元相関演算において、前記第1の画像に関する情報から得られる画像のピクセル数を減少させることで得られる階層画像を用いて前記移動に関する情報の取得に用いるパターンを抽出し、前記第1の画像に関する情報から得られる画像の前記抽出されたパターンを含む領域における前記パターンの座標を用いて複数の前記第1の画像に関する情報から得られる画像間でのずれ量を求める粗密探索法により、前記移動に関する情報を取得する請求項2に記載の眼科システム。
  4. 前記二次元相関演算は、前記第1の画像を構成するピクセルに対して、サブピクセル単位で行われる請求項3に記載の眼科システム。
  5. 前記演算回路は、前記移動に関する情報である移動量が閾値を超えるか否かを判定し、
    前記撮影装置は、前記移動量が閾値を超えると判定された場合に、前記移動量が閾値を超えた第1の画像に関する情報に対応する第2の画像に関する情報を再度取得する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科システム。
  6. 前記処理装置は、前記第1の画像を用いて前記被検眼の第1の画像に基づく移動量を取得し、前記取得された第1の画像に基づく移動量が閾値を超えるか否かを判定し、
    前記撮影装置は、前記取得された第1の画像に基づく移動量が閾値を超える場合に、前記移動量が閾値を超えた第1の画像に対応する第2の画像に関する情報を再度取得する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科システム。
  7. 前記第2の画像に関する情報の再度の取得は、前記撮影装置が取得予定の前記第2の画像に関する情報を取得した後に行われる請求項6に記載の眼科システム。
  8. 前記第2の画像に関する情報の再度の取得は、前記取得された第1の画像に基づく移動量が前記処理装置で定められた閾値を超えたと判断されることに応じて行われる請求項6に記載の眼科システム。
  9. 前記第1の画像に関する情報は、インタレース方式で取得され、
    前記演算回路は、前記第1の画像における奇数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報と、偶数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報とを合成して得たフィールド画像を第1の画像に関する情報として用いて前記移動に関する情報を取得する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼科システム。
  10. 前記第1の画像に関する情報は、インタレース方式で取得され、
    前記演算回路は、前記第1の画像の奇数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報、又は偶数番目のピクセル列に対応する列から得られる情報から生成したフィールド画像を第1の画像に関する情報として用いて前記移動に関する情報を取得する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼科システム。
  11. 前記撮影装置は、前記第1の画像の取得範囲を複数の範囲に分割し、前記分割された範囲から得られる前記第1の画像に関する情報に基づいて前記第2の画像に関する情報の取得位置を補正する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の眼科システム。
  12. 前記補正手段は、被検眼に測定光を照射し且つ被検眼からの戻り光を検出するための光学系の少なくとも一部を含む光学ヘッド部と前記被検眼との位置関係を変更することで、又は前記被検眼において測定光を走査する走査光学系を制御することで、前記第2の画像に関する情報の取得位置を補正する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の眼科システム。
  13. 前記撮影装置は、前記被検眼から前記第1の画像に関する情報を取得する第1の撮影部と、前記被検眼から前記第2の画像に関する情報を取得する第2の撮影部と、をさらに含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の眼科システム。
  14. 前記第1の撮影部は、共焦点レーザー走査検眼鏡又は2次元センサを用いて前記第1の画像に関する情報を取得する請求項13に記載の眼科システム。
  15. 前記第2の撮影部は、OCT装置を用いて前記第2の画像に関する情報を取得する請求項13又は14に記載の眼科システム。
  16. 前記第1の画像に関する情報は、前記第1の画像を構成する複数の画素に対応する複数の輝度値の少なくとも一部であり、
    前記演算回路は、前記第1の画像に関する情報として取得した前記複数の輝度値の少なくとも一部を対応する画素に配置して得られる画像を用いて前記移動に関する情報を取得する請求項1乃至15のいずれか1項に記載の眼科システム。
  17. 前記第1の画像は前記被検眼の眼底の正面画像であり、前記第2の画像は前記被検眼の眼底の断層画像である請求項1乃至16のいずれか1項に記載の眼科システム。
  18. 前記通信手段は、USB又はギガビットイーサネットを含む請求項1乃至17のいずれか1項に記載の眼科システム。
  19. 被検眼の第1の画像に関する情報及び前記被検眼の第2の画像に関する情報を受信する受信手段と、前記受信した第1の画像に関する情報を用いて第1の画像を生成し、前記受信した第2の画像に関する情報を用いて第2の画像を生成する生成手段と、前記生成された第1の画像及び前記生成された第2の画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を含む処理装置と通信手段によって接続され、前記処理装置とともに眼科システムを構成する撮影装置であって、
    前記被検眼の第1の画像に関する情報を用いて前記被検眼の移動に関する情報を取得する演算回路と、前記取得された移動に関する情報を用いて前記被検眼の第2の画像に関する情報の取得位置を補正する補正手段と、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を送信する送信手段と、
    を備える撮影装置。
  20. 撮影装置において、被検眼の第1の画像に関する情報を用いて前記被検眼の移動に関する情報を取得し、前記取得された移動に関する情報を用いて前記被検眼の第2の画像に関する情報の取得位置を補正し、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を送信し、
    前記撮影装置と通信手段によって接続された処理装置において、前記第1の画像に関する情報及び前記第2の画像に関する情報を受信し、前記受信した第1の画像に関する情報を用いて第1の画像を生成し、前記受信した第2の画像に関する情報を用いて第2の画像を生成し、前記生成された第1の画像及び前記生成された第2の画像を表示手段に表示させることと、
    を含む眼科システムの作動方法。
  21. プロセッサーによって実行されると、該プロセッサーに請求項20に記載の眼科システムの作動方法の各工程を実行させる、プログラム。
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