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JP2021153030A - 加速器および粒子線治療装置 - Google Patents

加速器および粒子線治療装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、加速器に供給されるイオンの消失を防ぐことである。【解決手段】偏心軌道型加速器1は、レーザ源12と、レーザ源12から発せられたレーザ光が照射されることで、イオンを発するターゲット20とを備えている。偏心軌道型加速器1は、円柱状空間を内部に形成する容器10と、イオンを円柱状空間の周方向に加速する加速電極構造と、円柱状空間の軸方向に磁場を発生させるメインコイル38とを備えており、ターゲット20から発せられたイオンを加速する。ターゲット20は、円柱状空間の中心軸から離れた位置に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、加速器および粒子線治療装置に関し、特に、加速器にイオンを供給する技術に関する。
粒子線を患部に照射する粒子線治療が広く行われている。一般に、粒子線治療では加速器を備える粒子線治療装置が用いられる。加速器には、炭素イオンやヘリウムイオン、陽子等のイオンが注入され、治療に必要なエネルギーを有するようになるまでイオンが加速される。加速器によって加速されたイオンによる荷電粒子ビームは、粒子線治療装置から患部に向けて照射される。粒子線治療装置では、患部の位置や形状に合わせて荷電粒子ビームのエネルギーや空間的な広がりが調整される。
加速器には、磁場に注入されたイオンを高周波電場によって加速し、容器内を周回運動させるサイクロトロンがある。サイクロトロンでは、イオンは加速と共に軌道半径を大きくしながら周回する。イオンのエネルギーは軌道半径が大きくなるにつれて大きくなり、最大のエネルギーに到達したところでイオンが取り出される。サイクロトロンでは、最大のエネルギーに到達したところでイオンが取り出されるため、荷電粒子ビームのエネルギーを制御することは困難である。
加速器には、以下の特許文献1および非特許文献1に記載されているようなシンクロサイクロトロンもある。シンクロサイクロトロンでは、一定の周波数の高周波電場でイオンが加速されるサイクロトロンとは異なり、イオンの質量変化に起因する運動周期の変化に応じて高周波電場の周波数が変調される。この周波数変調によって、高周波電場が発生する領域をイオンが通過するときにイオンが加速する。シンクロサイクロトロンでは、サイクロトロンと同様の理由により、取り出される荷電粒子ビームのエネルギーを制御することは困難である。
以下の特許文献2および3には、取り出されるイオンのエネルギーが制御可能な偏心軌道型加速器が記載されている。一般的なサイクロトロンでは、イオンを周回運動させる容器の上面の中心にイオン注入口が設けられ、容器の側面にイオン取り出し口が設けられている。
これに対し偏心軌道型加速器では、容器上面の中心よりもビーム取り出し口側にずれた位置にイオン注入口が設けられている。これによって、異なるエネルギーのイオンが周回する複数のビーム周回軌道が、ビーム取り出し口側で密になる。そのため、ビーム取り出し口付近において、エネルギーの異なるイオンをビーム周回軌道から離脱させることが容易となり、エネルギーの異なる荷電粒子ビームが効率よく取得される。なお、非特許文献2には、加速器の外部からイオンを注入する技術が記載されている。
特表2013−541170号公報 特開2019−96404号公報 国際公開第2016/092621号明細書
W. Kleeven, "The IBA Superconducting Synchrocyclotron Project S2C2", Proceedings of Cyclotrons 2013 P. Mandrillon, Injection into cyclotrons, CAS, CERN 96−02, (1996), p. 153.
上述の偏心軌道型加速器を構成する容器には、上面から内部空間に至る筒状の貫通孔が形成されており、容器の上面における貫通孔の開口がイオン注入口となっている。容器にはコイルが設けられており、このコイルが容器内に磁場を発生してイオンを偏向させる。貫通孔にはコイルが発生した磁場が通過する。そのため、イオンが貫通孔に注入された場合、貫通孔を通過する磁場によってイオンが偏向し、イオンが貫通孔の内壁に衝突して消失してしまうことがある。
本発明の目的は、偏心軌道型加速器に供給されるイオンの消失を防ぐことである。
本発明は、レーザ源と、前記レーザ源から発せられたレーザ光が照射されることで、イオンを発するターゲットと、を備え、前記ターゲットから発せられたイオンを加速することを特徴とする。
本発明によれば、加速器に供給されるイオンの消失を防ぐことができる。
偏心軌道型加速器の斜視図である。 偏心軌道型加速器の下側の部分を上方から見た図である。 偏心軌道型加速器の断面図である。 ディー電極およびダミーディー電極の構造を模式的に示す図である。 イオン発生器の斜視図である。 イオン発生器の断面図である。 イオン発生器が設けられる位置を示す図である。 偏心軌道型加速器の下側の部分を上方から見た図である。 偏心軌道型加速器の断面図である。 粒子線治療装置を示す図である。
各図面を参照して本発明の実施形態が説明される。複数の図面に示された同一の構成要素については同一の符号が付され、説明が簡略化される。また、本明細書における「円柱」等の形状を表す用語は、幾何学的に厳密に定義された形状のみを示すものではない。本明細書における形状を表す用語は、構成要素の機能を確保できる範囲で変形が加えられた形状をも示す。
図1には、偏心軌道型加速器1の斜視図が示されている。偏心軌道型加速器1は上下に分割可能な容器10によってその外殻が形成されている。容器10は、円柱状の空間(円柱状空間)を内部に形成している。本実施形態における容器10の外面は円柱形状であるが、容器10の外面が形成する形状は、必ずしも円柱形状でなくてもよい。
容器10の上側の部分である上側部および下側の部分である下側部は、それぞれ、円筒の上端および下端が塞がれた容器形状を有している。上側部および下側部は開口を向かい合わせて接合され、内部空間が真空引きされている。上側部および下側部のそれぞれは、後述のように、容器10の内部空間に磁場を発生させる電磁石となっている。
上側部の上面にはレーザ源12が設けられている。レーザ源12は、例えば炭酸ガスレーザ、ヘリウムネオンレーザ、YAGレーザ、チタンサファイアレーザ等であってよい。上側部におけるレーザ源12が設けられる位置には、容器10の外側から内部空間に至るレーザ入射用貫通孔14が設けられている。レーザ入射用貫通孔14の直下の位置にあるイオン入射点18には、ターゲット20が配置されている。
ターゲット20は、レーザ光が照射されることでイオンを発生する物質によって形成されている。ターゲット20は炭素を含む物質で形成されてよい。ターゲット20は、例えば、炭素を蒸着した金属板によって形成されてよい。
レーザ源12はレーザ入射用貫通孔14に向けてレーザ光16を発生する。レーザ光16は、レーザ入射用貫通孔14を経由してターゲット20に照射される。レーザ光16のターゲット20への集光強度が、ターゲット20を構成する原子を電離させるのに十分な強度である場合、プラズマが発生する。後述のように、偏心軌道型加速器1にはターゲット20を含むイオン発生器が備えられている。イオン発生器は、プラズマから電子とイオンとを分離することでイオン入射点18にイオンを供給する。
図2には、上下に分割された状態の偏心軌道型加速器1の下側の部分を上方から見た図が示されている。図3には、偏心軌道型加速器1を図2のAA線で切断したときの断面図が示されている。図3に示されているように、容器10は、円板状の天板部10U、円板状の底板部10L、上側の磁極62U、下側の磁極62Lおよびヨーク36から構成されている。磁極62Uは天板部10Uから下方に突出した部分である。磁極62Lは底板部10Lから上方に突出した部分である。ヨーク36は、底板部10Lの周辺から天板部10Uの周辺に及ぶ円環状の壁である。
上側の磁極62Uとヨーク36との間、および下側の磁極62Lとヨーク36との間には、それぞれ円環状のメインコイル38が配置されている。上下のメインコイル38は容器10の内部の円柱状空間の上端部および下端部を周回する。各メインコイル38は超電導コイルである。各メインコイル38の周囲にはクライオスタット60が配置され、クライオスタット60は各メインコイル38を冷却する。上側のメインコイル38と容器10の上側部が上側の電磁石を構成し、下側のメインコイル38と容器10の下側部が下側の電磁石を構成する。
上側の磁極62Uと下側の磁極62Lは対向し、磁極62Uおよび62Lに挟まれた領域は、イオンが周回運動しながら通過するイオン通過領域61を含む。各メインコイル38は、円柱状空間の軸方向に磁場を発生し、磁極62U、62Lおよびイオン通過領域61を上下方向に通過する磁場を発生する。
図2に示されているように、ヨーク36には、加速された荷電粒子ビームを取り出すためのビーム用貫通口30が設けられている。また、ヨーク36には、容器10内部の種々の導線を外部に引き出すための導線用貫通口28、真空引き用貫通口40、高周波加速空胴22が配置される高周波系用貫通口56が設けられている。
偏心軌道型加速器1は、加速高周波電源26、高周波加速空胴22、ディー電極48およびダミーディー電極50を備えている。加速高周波電源26は、高周波加速空胴22に高周波電磁場を励振する。高周波加速空胴22は、イオンを加速するための高周波電場をディー電極48に発生させる。高周波加速空胴22は、自らの共振周波数を変化させて高周波電場の周波数を変調するための可変コンデンサ24と、可変コンデンサ24の静電容量を変化させるモータ34とを備えている。
図4には、ディー電極48およびダミーディー電極50の構造が模式的に示されている。ディー電極48およびダミーディー電極50は、イオンを円柱状空間の周方向に加速する加速電極構造を構成する。ディー電極48は、末広がり形状(扇形に近似した形状)の空胴上壁48Aおよび空胴下壁48Bを対向させ、空胴上壁48Aの外周と空胴下壁48Bの外周との間が空胴側壁48Cによって接続された構造を有している。ただし、空胴側壁48Cの中央部には開口が設けられており、この開口に、空胴上壁48Aおよび空胴下壁48Bから離れる方向に伸びる筒状の高周波加速空胴22が形成されている。
空胴上壁48A、空胴下壁48Bおよび空胴側壁48Cは、ディー電極48を構成する。ダミーディー電極50は、空胴上壁48A、空胴下壁48Bおよび空胴側壁48Cによって形成されるディー電極開口48Eと対向する領域を囲む環状の導体によって形成されている。すなわち、ダミーディー電極50は、ディー電極開口48Eの縁に対向する環状の導体を有している。空胴上壁48A、空胴下壁48Bおよび空胴側壁48Cと、ダミーディー電極50との間には、加速ギャップ52が形成されている。
このように、ディー電極48は、空胴上壁48A、空胴下壁48Bおよび空胴側壁48Cに囲まれる末広がり空胴空間を形成する。ディー電極48は、末広がり空胴空間が広がる元の側から見て異なる2方向に広がるディー電極開口48Eを有する。イオン入射点18は、ダミーディー電極50の折れ曲がった部位と、ディー電極開口48Eとの間にある。イオン発生器64は、ダミーディー電極50の折れ曲がった部位とディー電極48との間に位置し、内部のターゲットにレーザ光が照射されることでイオン入射点18にイオンを供給する。
モータ34の回転によって可変コンデンサ24の静電容量が変化し、高周波加速空胴22の共振周波数が変化する(図2)。高周波加速空胴22の共振周波数の変化によって周波数変調された加速電圧が、ディー電極12とダミーディー電極13との間の加速ギャップ52に発生する。イオン発生器64から供給されたイオンは加速ギャップで加速され、上下方向の磁場によって偏向し、イオン通過領域を周回する。
イオンは、空胴上壁48Aと空胴下壁48Bとの間に挟まれた末広がり空胴空間を弧を描いて通過し、左側の加速ギャップ52を通って、ダミーディー電極50の左側をくぐり抜ける。イオンは、さらに、ダミーディー電極50よりも手前側を弧を描いて通過し、ダミーディー電極50の右側をくぐり抜け、右側の加速ギャップ52を通って空胴上壁48Aと空胴下壁48Bとの間に挟まれた末広がり空胴空間に戻る。イオンは、このような軌道を軌道半径を大きくしながら周回し、後述する電場および磁場の作用によって外側に反れて、ビーム用貫通口30に設けられた高エネルギービーム輸送系32を通って偏心軌道型加速器1の外側に至る。
イオンは図2に破線で示されている最大エネルギー軌道54に近付くように軌道半径を大きくしながら周回する。最大エネルギー軌道54は、最大のエネルギーを有するに至ったイオンの軌道である。偏心軌道型加速器1には、四極磁場や六極以上の多極磁場を励磁する2か所に設けられたキック磁場発生用シム44、および高周波電圧が印加される擾乱用電極46が設けられている。
また、擾乱用電極46の外側には、取り出し用セプタム電磁石42が設けられている。キック磁場発生用シム44、擾乱用電極46および取り出し用セプタム電磁石42は、荷電粒子ビームを偏心軌道型加速器1から外側に取り出すために用いられる。
擾乱用電極46に高周波電圧が印加されることで、擾乱用電極46からは擾乱用電場が発せられる。擾乱用電場は、周回中のイオンを軌道面に沿う方向にキックし、設計軌道からイオンを外れさせる。その軌道が設計軌道から外れたイオンはキック磁場発生用シム44の近くを通過する。キック磁場発生用シム44による磁場は、周回するイオンに対して安定領域を制限し、安定領域外に出たイオンを取り出し用セプタム電磁石42に導入する。取り出し用セプタム電磁石42に導入されたイオンは、高エネルギービーム輸送系32を通って偏心軌道型加速器1の外側に取り出される。
偏心軌道型加速器1には、円柱状空間の中心軸から離れた位置に、ターゲット20を備えるイオン発生器64が設けられている。したがって、円柱状空間の中心軸から離れた位置にイオン入射点18が位置する。イオン入射点18の位置、すなわちターゲット20の位置は、ある一定のエネルギーを有するイオンの軌道の中心から離れた位置となる。
これによって、異なるエネルギーのイオンが周回する複数のビーム周回軌道が、円柱状空間の中心軸よりも取り出し用セプタム電磁石42の側で密になる。そのため、取り出し用セプタム電磁石42付近において、エネルギーの異なるイオンをビーム周回軌道から離脱させることが容易となり、エネルギーの異なる荷電粒子ビームが効率よく取得される。
図5には、イオン発生器64の斜視図が示されている。また、図6には、図5に示されるBB線でイオン発生器64を切断した際の断面図が示されている。イオン発生器64は、ターゲット20、筐体66、および集光レンズ71を備えている。筐体66は導体で形成されており、直方体の箱形形状を有している。筐体66はターゲット20を収容し、筐体66の内部にはターゲット20が配置されている。筐体66の上面には光学真空窓68が設けられている。光学真空窓68はレーザ光を透過する材料で形成されている。筐体66の側面にはイオン引き出し穴70が設けられている。光学真空窓68とターゲット20との間には集光レンズ71が配置されている。
図7には、イオン発生器64が設けられる位置が示されている。イオン発生器64は、光学真空窓68が上側に向けられ、イオン引き出し穴70が末広がり空胴空間側に向けられた姿勢で、ダミーディー電極50の折れ曲がった部位とディー電極48との間に配置されている。なお、イオンが加速され得る領域にイオンが供給されるという条件の下、イオン引き出し穴70の向きは、いずれの方向に向いていてもよい。
図6に戻ってイオン発生器64の動作が説明される。レーザ光16は、筐体66に設けられた光学真空窓68を通じて、筐体66内のターゲット20へ入射される。ディー電極48と筐体66との間には交流電源25が接続されている。交流電源25は、図2に示された加速高周波電源26であってもよいし、加速高周波電源26とは別に設けられたものであってもよい。
筐体66内に入射したレーザ光16は、集光レンズ71によってターゲット20へと集光される。集光レンズ71は、放物面鏡や軸外し放物面鏡であってもよい。また、レーザ光16の取り回しのため、ミラー等の光学機器が設置されてもよい。
集光されたレーザ光16がターゲット20を構成する原子を電離させるのに十分な強度である場合、プラズマ72が発生する。集光強度は、108W/cm以上1014W/cm以下であってよい。必要なイオンの電荷量に応じて集光強度が変更されてよい。ターゲット20を形成する物質は、発生させるイオンの種類に応じて変更されてもよい。ターゲット20の物質は、固体、液体、気体のいずれであってもよい。ターゲット20が液体および気体の場合は、体積を変更することでイオンの電荷量が変更され得る。
また、異なる物質による複数のターゲットが筐体66内に設けられてもよい。この場合、複数のターゲットから発せられた、質量または価数が異なる複数種のイオンが偏心軌道型加速器1によって加速されてよい。また、レーザ光16の照射時間を変更することで、発生するイオンの価数が切り替えられてもよい。
交流電源25によって、筐体66とディー電極48との間に高周波電場が発生する。筐体66とディー電極48との間に発生する高周波電場によって、プラズマ72からイオン74が分離され、イオン引き出し穴70を通じてイオン74が引き出される。なお、イオン74は、高周波電場の代わりに静電場を用いて引き出されてもよい。その場合は、筐体66とディー電極48との間に直流電源が接続され、筐体66とディー電極48との間に直流電圧が印加される。
レーザ光16がパルス波形状にイオン発生器64に向けて照射される場合には、イオンの電荷量およびビーム時間幅は、例えば、レーザ光16をパルス波形状に発生する際の周波数やパルス幅を制御することで制御される。ここで、ビーム時間幅は、偏心軌道型加速器1から荷電粒子ビームが取り出される持続時間として定義される。また、イオンの電荷量とビーム時間幅は、高周波電場の位相とイオン発生のタイミングとを調整することでも制御され得る。このような制御によって、任意のタイミングで任意の電荷量とビーム時間幅をもつ荷電粒子ビームが偏心軌道型加速器1から取り出される。
なお、上記では、1つのレーザ源12を備える偏心軌道型加速器1が示されたが、1つのターゲットにレーザ光を照射する複数のレーザ源が備えられてもよい。この場合、複数のレーザ源のそれぞれに対して個別にレーザ入射用貫通孔が設けられてもよい。複数のレーザ源が用いられることで、ターゲットに対する集光強度が高まる。
本実施形態に係る偏心軌道型加速器1では、イオン入射点18にターゲット20が設けられ、ターゲット20にレーザ光が照射されることで、イオン入射点18にイオンが供給される。したがって、容器に設けられた貫通孔にイオンを通過させる従来技術のように、加速器内にイオンが供給される前に、貫通孔の内壁にイオンが衝突してイオンが消失してしまうことが回避される。
図8および図9には、第2実施形態に係る偏心軌道型加速器2が示されている。図8には、上下に分割された偏心軌道型加速器2の下側の部分を上方から見た図が示されている。図9には、偏心軌道型加速器2を図8のCC線の位置で切断したときの断面図が示されている。
本実施形態に係る偏心軌道型加速器2は、図1〜図3に示された偏心軌道型加速器2に対し、レーザ源12が容器10の側面に設けられた点が異なっている。図9に示されているように、レーザ入射用貫通孔14は、容器10の側面のヨーク36を横方向に貫通している。レーザ光16は、レーザ入射用貫通孔14を介して、偏心軌道型加速器2の内部空間にあるイオン発生器64に照射される。すなわち、レーザ光16は、光学ミラー80等の反射部材によって反射され、イオン発生器64へと入射される。
ここでは、レーザ源12が容器10の側面に設けられる構成が示されたが、レーザ源12は、容器10のどの表面に設置されてもよい。レーザ入射用貫通孔14も、必ずしも天井板10Uやヨーク36の表面に対して直交する方向に延びていなくてもよい。また、レーザ光16の光路は、光学レンズや光学ミラー等の任意の光学機器を用いて形成されてよい。レーザ光16の光路は、レーザ源12からイオン発生器64に至る任意の光路であってよい。
第2実施形態に係る偏心軌道型加速器2においても、第1実施形態と同様の原理によって、イオン入射点18にイオンが供給される前に、貫通孔の壁面への衝突によってイオンが消失してしまうことが回避される。
図10には、本発明の応用実施形態に係る粒子線治療装置3が示されている。粒子線治療装置3は、第1実施形態または第2実施形態に係る偏心軌道型加速器(1,2)が用いられた装置である。
図10に示されているように、粒子線治療装置3は、荷電粒子ビームのエネルギーを、患部の体表からの深さに応じた値として患者100に照射する。粒子線治療装置3は、偏心軌道型加速器4、ビーム輸送装置90、照射装置92、治療台101、照射制御部94および加速器制御部96を備えている。照射制御部94および加速器制御部96は、プログラムを実行することで以下に説明する処理を実行するプロセッサを含んでよい。
偏心軌道型加速器4は、第1実施形態または第2実施形態に係る偏心軌道型加速器である。偏心軌道型加速器4は、荷電粒子ビームを形成するイオンを加速する。ビーム輸送装置90は、偏心軌道型加速器4で加速された荷電粒子ビームを照射装置92に輸送する。照射装置92は、ビーム輸送装置90によって輸送された荷電粒子ビームを治療台101に固定された患者100内の患部に照射する。照射装置92は患部の形状に合わせて荷電粒子ビームを成形し、成形された荷電粒子ビームを患部における各照射スポットに照射する。
照射装置92は線量モニタを備えており、各照射スポットごとに、照射線量を測定する。これによって得られた測定値を元に、照射制御部94は各照射スポットへの要求線量を計算する。照射制御部94は、各照射スポットへの要求線量を加速器制御部96へ出力する。加速器制御部96は、要求線量に基づいて、偏心軌道型加速器4における荷電粒子ビームのエネルギー、取り出しタイミング等を制御する。
なお、粒子線治療装置3のビーム輸送装置90は固定されたものに限られない。ビーム輸送装置90は、回転ガントリと呼ばれる照射装置92と共に患者100の周りを回転可能とした輸送系であってもよい。また、照射装置92は1つに限られず、複数設けられてもよい。さらには、粒子線治療装置3の形態は、ビーム輸送装置90が設けられず、偏心軌道型加速器4から照射装置92に対して荷電粒子ビームを直接輸送する形態であってもよい。
1,2,4 偏心軌道型加速器、3 粒子線治療装置、10 容器、12 レーザ源、14 レーザ入射用貫通孔、16 レーザ光、18 イオン入射点、20 ターゲット、22 高周波加速空胴、24 可変コンデンサ、25 交流電源、26 加速高周波電源、28 導線用貫通口、30 ビーム用貫通口、32 高エネルギービーム輸送系、34 モータ、36 ヨーク、38 メインコイル、40 真空引き用貫通口、42 取り出し用セプタム電磁石、44 キック磁場発生用シム、46 擾乱用電極、48 ディー電極、52 加速ギャップ、54 最大エネルギー軌道、56 高周波系用貫通口、60 クライオスタット、61 イオン通過領域、62U,62L 磁極、64 イオン発生器、66 筐体、68 光学真空窓、71 集光レンズ、72 プラズマ、74 イオン、80 光学ミラー、90 ビーム輸送装置、92 照射装置、94 照射制御部、96 加速器制御部、100 患者、101 治療台。

Claims (9)

  1. レーザ源と、
    前記レーザ源から発せられたレーザ光が照射されることで、イオンを発するターゲットと、を備え、
    前記ターゲットから発せられたイオンを加速することを特徴とする加速器。
  2. 請求項1に記載の加速器において、
    前記イオンを加速する加速電極構造と、
    前記イオンが通過するイオン通過領域に磁場を発生するコイルと、を備え、
    前記ターゲットは、ある一定のエネルギーを有する前記イオンの軌道の中心から離れた位置に設けられていることを特徴とする加速器。
  3. 請求項2に記載の加速器において、
    前記イオン通過領域を内部に有する容器と、
    前記容器の外側から前記容器の内部空間に至るレーザ入射用貫通孔と、を備え、
    前記レーザ源は、前記レーザ入射用貫通孔を介して、前記ターゲットにレーザ光を照射することを特徴とする加速器。
  4. 請求項1に記載の加速器において、
    円柱状空間を内部に形成する容器と、
    前記イオンを前記円柱状空間の周方向に加速する加速電極構造と、
    前記円柱状空間の軸方向に磁場を発生させるコイルと、を備え、
    前記ターゲットは、前記円柱状空間の中心軸から離れた位置に配置されていることを特徴とする加速器。
  5. 請求項4に記載の加速器において、
    前記容器の外側から前記容器の内部空間に至るレーザ入射用貫通孔を有し、
    前記レーザ源は、前記レーザ入射用貫通孔を介して、前記ターゲットにレーザ光を照射することを特徴とする加速器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の加速器において、
    前記加速電極構造は、
    末広がり空胴空間を形成するディー電極であって、前記末広がり空胴空間が広がる元の側から見て異なる2方向に広がるディー電極開口を有するディー電極と、
    前記ディー電極開口の縁に対向する環状の導体を有するダミーディー電極と、を備え、
    前記ターゲットは、前記ディー電極と、前記ダミーディー電極との間に配置されていることを特徴とする加速器。
  7. 請求項6に記載の加速器において、
    導体で形成され前記ターゲットを収容する筐体であって、前記ディー電極と前記ダミーディー電極との間に配置された筐体と、
    前記筐体と前記ディー電極との間に電場を発生させる電源とを備え、
    前記筐体は、
    前記レーザ光が入射する窓と、前記イオンが引き出されるイオン引き出し穴と、を有することを特徴とする加速器。
  8. 請求項1に記載の加速器において、
    異なる物質による複数の前記ターゲットを備え、
    複数の前記ターゲットから発せられた、質量または価数が異なる複数種のイオンを加速することを特徴とする加速器。
  9. 請求項1に記載の加速器と、
    前記加速器から取り出された前記イオンを輸送するビーム輸送装置と、
    前記ビーム輸送装置によって輸送された前記イオンを患者に照射する照射装置と、
    を備えることを特徴とする粒子線治療装置。
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