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JP2021021660A - ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子およびガスセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】検出電極の電極容量を低減可能なガスセンサ素子、ガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ素子2は、ジルコニア質の固体電解質体26と、被測定ガスG中の特定ガス濃度を検出する検出電極220と、基準ガスAに曝される基準電極27とを備える。検出電極220は、白金、ロジウムを含む貴金属よりなる貴金属領域221と、固体電解質よりなる固体電解質領域222と、貴金属と固体電解質とが混在する混在領域223とを有する。混在領域223の幅dと、混在領域223全体に対する、混在領域223におけるロジウムが偏在するロジウム偏在部の割合Lとで表されるd−L直交座標系において、検出電極220の電極容量が所定値となるときの混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す曲線を相関曲線Rとしたとき、検出電極220は、相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される。【選択図】図7

Description

本発明は、ガスセンサ素子およびガスセンサに関する。
従来、内燃機関の排気管に配置されるガスセンサとしては、例えば、酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質より構成される固体電解質体と、被測定ガス中の特定ガスの濃度を検出するための検出電極と、固体電解質体の他方面に設けられ、基準ガスに曝される基準電極とを備えたガスセンサ素子、当該ガスセンサ素子を用いたガスセンサが知られている。
例えば、特許文献1には、検出電極が、貴金属より構成される貴金属領域と、固体電解質より構成される固体電解質領域と、貴金属と固体電解質とが混在する混在領域とを有するガスセンサ素子、当該ガスセンサ素子を用いたガスセンサが開示されている。同文献において、ガスセンサは、自身に内蔵したガスセンサ素子により、被測定ガスのNOx濃度を測定するように構成されている。上記貴金属としては、NOx分解性の高い、白金(Pt)およびロジウム(Rh)を少なくとも含む貴金属が用いられている。
特開2018−100879号公報
上述した混在領域を有する検出電極を備えたガスセンサ素子では、混在領域においてロジウムの偏在が生じると、偏在したロジウムが酸素イオン(O2−イオン)の移動に影響を及ぼし、電荷が溜まりやすくなる。つまり、検出電極の電極容量が大きくなる。検出電極の電極容量が増大すると、電流のノイズが大きくなり、静的な検出精度が低下する。また、電流のヒステリシスも大きくなり、NOx濃度の急変などの過渡的な挙動時における動的な検出精度が低下する。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検出電極の電極容量を低減することが可能なガスセンサ素子、また、これを用いたガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質より構成される固体電解質体(26)と、
上記固体電解質体の一方面に設けられ、被測定ガス(G)中の特定ガスの濃度を検出するための検出電極(220)と、
上記固体電解質体の他方面に設けられ、基準ガス(A)に曝される基準電極(27)と、を備えたガスセンサ素子(2)であって、
上記検出電極は、白金およびロジウムを少なくとも含む貴金属より構成される貴金属領域(221)と、上記固体電解質より構成される固体電解質領域(222)と、上記貴金属と上記固体電解質とが混在する混在領域(223)とを有しており、
上記混在領域の幅dと、上記混在領域全体に対する、上記混在領域における上記ロジウムが偏在するロジウム偏在部の割合Lとで表されるd−L直交座標系において、上記検出電極の電極容量が所定値となるときの上記混在領域の幅dと上記ロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す曲線を相関曲線(R)として定義したとき、
上記検出電極は、上記相関曲線より下側の領域から上記混在領域の幅dと上記ロジウム偏在部の割合Lとが設定される、
ガスセンサ素子(2)にある。
本発明の他の態様は、上記ガスセンサ素子を有するガスセンサ(1)にある。
上記ガスセンサ素子は、上記構成を有する。そのため、上記ガスセンサ素子は、検出電極の電極容量を低減することができる。
上記ガスセンサは、検出電極の電極容量を低減可能な上記ガスセンサ素子を有する。そのため、上記ガスセンサは、検出電極の電極容量の低減により電流のノイズやヒステリシスが抑制され、被測定ガス中の特定ガスの濃度を高精度に検出することが可能になる。
なお、特許請求の範囲および課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、実施形態に係るガスセンサ素子を有する実施形態のガスセンサの断面図である。 図2は、実施形態に係るガスセンサ素子の詳細構成を示す断面図であり、(a)は、ガスセンサ素子の長手方向に沿うa−a線矢視断面図、(b)は、b−b線矢視断面図、(c)は、ガスセンサ素子の長手方向に垂直なc−c線矢視断面図である。 図3は、実施形態に係るガスセンサ素子における検出電極の微細構造を模式的に示した説明図である。 図4は、図3にて四角で囲った部位Fを拡大して模式的に示した説明図である。 図5は、混在領域の幅dの測定方法について説明するための説明図である。 図6は、ロジウム偏在部の割合Lの測定方法を説明するための説明図であり、(a)は、混在領域のSTEM像、(b)は、混在領域におけるZr元素のEDSマッピング像、(c)は、混在領域におけるPt元素のEDSマッピング像、(d)は、混在領域におけるRh元素のEDSマッピング像の一例である。 図7は、d−L直交座標系における、検出電極の電極容量が所定値となるときの混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す相関曲線について説明するための説明図である。 検出電極の電極容量を測定する際の検出電極の等価回路モデルを示した説明図である。 検出電極の電極容量を測定する際のCole−Coleプロット線図を模式的に示した説明図である。 検出電極の電極容量を測定する際のBode線図を模式的に示した説明図である。 実験例にて得られた、混在領域の幅d(nm)とロジウム偏在部の割合L(%)との関係を示した図である。 実験例にて得られた、検出電極の電極容量(μF)とNOx出力ノイズ(ppm)との関係を示した図である。 実験例にて得られた、混在領域の幅d(nm)と検出電極の電極反応抵抗(Ω)との関係を示した図である。 実験例にて得られた、混在領域の幅d(nm)とロジウム偏在部の割合L(%)との関係において、混在領域の幅d=30nmのラインを示した図である。
本実施形態のガスセンサ素子は、酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質より構成される固体電解質体と、固体電解質体の一方面に設けられ、被測定ガス中の特定ガスの濃度を検出するための検出電極と、固体電解質体の他方面に設けられ、基準ガスに曝される基準電極と、を備えている。検出電極は、白金(Pt)およびロジウム(Rh)を少なくとも含む貴金属より構成される貴金属領域と、固体電解質より構成される固体電解質領域と、貴金属と固体電解質とが混在する混在領域とを有している。
ここで、混在領域の幅dと、混在領域全体に対する、混在領域におけるロジウムが偏在するロジウム偏在部の割合Lとで定義されるd−L直交座標系において、検出電極の電極容量が所定値となるときの混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す曲線を相関曲線として定義する。検出電極は、上記相関曲線より下側の領域から混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される。
本実施形態のガスセンサ素子は、検出電極の電極容量が所定値となる相関曲線より下側の領域から混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定されるので、検出電極の電極容量を低減することができる。これは以下の理由によるものと考えらえる。
PtおよびRhを少なくとも含む貴金属を用いた検出電極は、2種以上の金属元素を含有している。このような検出電極では、貴金属領域と固体電解質領域との界面における混在領域の生成時に、各金属元素の拡散速度差に起因して各金属元素の分離が生じうる。とりわけ、分離した各金属元素のうちRhが偏在してなるロジウム偏在部は、混在領域の生成過程においてZrOの還元によって生じたZrの再酸化を阻害する。つまり、ロジウム偏在部が多くなると、再酸化時にRhが優先的に酸化され、Zrの再酸化が阻害される。その結果、混在領域中にZrが残って酸素イオンが移動しなくなり、検出電極の電極容量が増加する。しかし、検出電極における混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの関係が上述のように設定されている場合には、ロジウム偏在部の割合が少なくなることにより、混在領域の生成過程においてZrOの還元によって生じたZrが再酸化されやすくなる。そのため、本実施形態のガスセンサ素子によれば、検出電極の電極容量の低減を図ることが可能になる。
本実施形態のガスセンサは、検出電極の電極容量を低減可能な本実施形態のガスセンサ素子を有する。そのため、本実施形態のガスセンサは、検出電極の電極容量の低減により電流のノイズやヒステリシスが抑制され、被測定ガス中の特定ガスの濃度を高精度に検出することが可能になる。
以下、本実施形態のガスセンサ素子およびガスセンサの具体例について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態のガスセンサ素子およびガスセンサは、以下の例示によって限定されるものではない。
実施形態1のガスセンサ素子およびガスセンサについて、図1〜図10を用いて説明する。図1に例示されるように、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子2を有する。実施形態1のガスセンサ1は、例えば、窒素酸化物(NOx)の量を検出するNOxセンサとすることができる。このようなガスセンサ1は、例えば、内燃機関において排ガスが流れる排気管に配置されて使用される。被測定ガスGは、排ガスであり、濃度を検出する対象である特定ガスは、NOxである。以下、被測定ガスG中の特定ガスがNOxであることを前提として説明する。ただし、検出対象である特定ガスはNOxに限定されず、固体電解質体や電極の構成材料に適切な元素を選択することにより、例えば、アンモニアやその他のガスを検出するガスセンサとして実施することができる。
図1に例示されるように、ガスセンサ1は、車両において内燃機関の排気通路に設置される。ガスセンサ1には、排気通路を流通する排ガスが被測定ガスGとして導入される。これによりガスセンサ1は、自身に内蔵したガスセンサ素子2により、被測定ガスGのNOx濃度を測定する。ガスセンサ1は、具体的には、ガスセンサ素子2に加え、センサハウジング101、絶縁碍子102、素子カバー103A、103B、103C、センサハーネス104を含んで構成されている。図1では、センサハーネス104にセンサ制御回路105が接続されている例が示されている。なお、図1におけるYは、ガスセンサ素子2の内部にて被測定ガスGの流通するガス流れ方向を示している。
センサハウジング101は、絶縁碍子102を介してガスセンサ素子2を内部に保持している。素子カバー103A、103B、103Cは、センサハウジング101に固定されている。素子カバー103A、103Bは、ガスセンサ素子2のうちガス流れ方向Yの上流側素子端部10aの外周側を覆っている。素子カバー103A、103Bは、内部に収容した上流側素子端部10aへ排気管からの排ガスを被測定ガスGとして導入するために、ガス導入孔103a、103bを有している。素子カバー103Cは、ガスセンサ素子2のうちガス流れ方向Yの下流側素子端部10bの外周側を覆っている。素子カバー103Cは、内部に収容した下流側素子端部10bへ基準ガスAとしての大気を導入するために、大気導入孔103cを有している。センサハーネス104は、素子カバー103Cの内外に跨って複数設けられている。センサ制御回路105は、センサハウジング101および素子カバー103Cの外部にて、複数のセンサハーネス104を介してガスセンサ素子2と接続されている。なお、実施形態1におけるセンサ制御回路105は、後述の検出セル22、モニタセル23、および、ポンプセル24への電圧の供給を制御する。
次に、ガスセンサ素子2の詳細構成について説明する。図2に例示されるように、ガスセンサ素子2は、測定ガス室20と、基準ガス室21と、検出セル22と、モニタセル23と、ポンプセル24と、ヒータ25と、を備えている。ガスセンサ素子2は、ヒータ25、後述の固体電解質体26、および、絶縁層27が積層されて構成されている。測定ガス室20は、固体電解質体26と絶縁層27とに囲まれた空間として形成され、基準ガス室21は、ヒータ25と固体電解質体26とに囲まれた空間として形成されている。以下、ガスセンサ素子2の各要素について詳説する。
測定ガス室20は、被測定ガスGとしての排ガスが導入される空間である。測定ガス室20は、固体電解質体26と絶縁層27とにより挟まれた空間として形成されている。絶縁層27は、板状であり、第1スペーサ201を介して板状の固体電解質体26上に積層されている。固体電解質体26を正面視したとき、第1スペーサ201は、一辺が開口したC字状をなし、これによって測定ガス室20は、一部が開口した箱状となっている。開口した部分が排ガスの導入口202とされる。本実施形態における導入口202には、拡散抵抗体203が配置され、排ガスは、拡散抵抗体203を通過して測定ガス室20内に導入される。したがって、排ガスは、拡散抵抗体203によって所定の拡散抵抗下で測定ガス室20に導入されることになる。
固体電解質体26は、酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質より構成される。固体電解質としては、具体的には、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などを採用することができる。固体電解質としては、他にも、例えば、酸化カルシウム安定化ジルコニアや、アルミナ安定化ジルコニアなどを採用することもできる。なお、上述した絶縁層27、および、第1スペーサ201には、アルミナやその他一般に知られた絶縁体を採用することができる。
基準ガス室21は、特定ガスであるNOxの濃度を算出するための基準電位を生成するための基準ガスAが導入される空間である。基準ガス室21には、基準ガスAとして、例えば、大気が導入される。基準ガス室21は、ヒータ25と固体電解質体26とにより挟まれた空間として形成されている。固体電解質体26は、第2スペーサ211を介して板状に形成されたヒータ25上に積層されている。固体電解質体26を正面視したとき、第2スペーサ211は、拡散抵抗体203が形成された側に形成され、基準ガスAの導入口(図示されない)は、測定ガス室20の導入口202とは反対側に開口するようになっている。
固体電解質体26は、測定ガス室20と基準ガス室21とを隔てるように形成されており、測定ガス室20および基準ガス室21のいずれにも露出している。これにより、ガスセンサ1では、排ガス中のNOx濃度と大気中のNOx濃度との差に応じて固体電解質体26内を酸素イオンが移動してセンサ電流が生じるようになっている。
検出セル22は、検出電極220と、固体電解質体26と、基準電極27とを有している。検出電極220は、固体電解質体26における測定ガス室20に露出した一方面に形成されている。一方、基準電極27は、固体電解質体26における基準ガス室21に露出した一方面に形成されている。つまり、検出セル22において、固体電解質体26は、検出電極220と基準電極27とに挟まれている。なお、後述するモニタセル23およびポンプセル24も、固体電解質体26および基準電極27を構成要素として含むが、実施形態1においては、検出セル22、モニタセル23、および、ポンプセル24は、固体電解質体26および基準電極27を共有している。
検出電極220は、白金(Pt)とロジウム(Rh)とを含む貴金属と、固体電解質体26を構成する固体電解質と同組成の固体電解質とを含んでいる。つまり、検出電極220は、触媒として作用する白金およびロジウムと、酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質とを含んで構成される電極である。検出電極220に含まれる固体電解質は、検出セル22を構成する固体電解質体26と一体的に結合され、互いの間でイオン伝導が可能な状態になっている。測定ガス室20に導入された排ガス中に含まれるNOxは、露出した貴金属の表面に吸着し、触媒作用により窒素イオンと酸素イオンとに電離する。このうち、酸素イオンが検出電極220に含まれる固体電解質内を伝導する。この電荷はさらに固体電解質体26に伝導し、これがセンサ電流として検出される。そして、センサ電流の大きさに基づいてNOxの濃度が検出される。なお、検出電極220の詳細な微細構造については、後述する。
モニタセル23は、モニタ電極230と、固体電解質体26と、基準電極27とを有している。上記したように、モニタセル23は、固体電解質体26と基準電極27とを検出セル22と共有している。モニタ電極230は、固体電解質体26における測定ガス室20に露出した一方面に形成されている。モニタ電極230は、例えば、白金(Pt)と金(Au)とを含む電極であり、NOxを分解する能力を有しないものの、酸素分子を分解可能であり、酸素イオンに起因する電流が流れるようになっている。
モニタ電極230は、導入口203から検出セル22へ流れる排ガスの流束方向に対して直交する方向において、検出電極220と隣り合って形成されている。すなわち、測定ガス室20内に均一に導入される排ガスの流束に対して、検出電極220とモニタ電極230とは等価の曝露条件下にある。モニタセル23は、ポンプセル24によって酸素濃度が調整された後における、排ガス中に含まれる残留酸素の濃度を検出する。具体的には、モニタセル23は、残留酸素に起因して生じる固体電解質体26を流れる電流を検出する。このガスセンサ素子2では、検出セル22の出力から、モニタセル23の出力を減算することにより、残留酸素に起因する検出セル22の出力のオフセットをキャンセルしてNOxの濃度を検出することができるようになっている。
ポンプセル24は、検出セル22およびモニタセル23に対して、排ガスの導入において上流に位置している。ポンプセル24は、ポンプ電極240と、固体電解質体26と、基準電極27とを有している。ポンプ電極240は、固体電解質体26における測定ガス室20に露出した一方面に形成されている。ポンプ電極240は、モニタ電極230と同様に白金(Pt)と金(Au)とを含む電極であり、酸素を還元して酸素イオンを生じさせる。酸素イオンは、固体電解質体26を伝導して基準電極27側に移動し、基準ガス室21に排出される。このように、ポンプセル24は、そのポンピング作用によって測定ガス室20内の酸素濃度を調整するセルである。つまり、ポンプセル24は、排ガスの流れに対して上流側において排ガス中の酸素濃度を調整し、検出セル22およびモニタセル23は、酸素濃度が調整された後の排ガスに対して、NOxに起因する電流および残留酸素に起因する電流をそれぞれ出力する。
実施形態1におけるポンプセル24は、排ガス中に存在する物質を分解して還元ガスを発生させる機能を有している。具体的には、ポンプセル24は、排ガスに含まれる水分子を分解して水素ガスを発生させる。水素ガスは還元性を有し、ガスセンサ素子2の始動時にこの機能が用いられることにより、検出電極220に吸蔵される酸素を還元して除去する。
ヒータ25は、固体電解質体26の温度を600℃以上の温度に維持して固体電解質として機能させるものである。ヒータ25は、セラミックス基板251の間に通電によって発熱する導体層252を設けて形成されている。導体層252は、各種電極220、230、240、27が形成される面を正面視したとき、固体電解質体26にオーバーラップするように形成されており、少なくとも各種電極220、230、240、27が形成される部分およびその近傍の温度を活性温度に維持できるようになっている。なお、ヒータ25により実現される固体電解質体26の温度分布は、要求される性能に応じて適宜設定されることができ、要求される温度分布に対応して導体層252の引き回しを設定することができる。
次に、図3〜図10を参照して、検出電極220の詳細な微細構造について説明する。
図3〜図6に例示されるように、検出電極220は、白金およびロジウムを少なくとも含む貴金属より構成される貴金属領域221と、固体電解質より構成される固体電解質領域222と、貴金属と固体電解質とが混在する混在領域223とを有している。また、図3に例示されるように、検出電極220は、気孔224を有している。実施形態1において、固体電解質領域222を構成する固体電解質は、具体的には、固体電解質体26を構成する固体電解質と同組成の固体電解質より構成されている。混在領域223は、具体的には、貴金属領域221と固体電解質領域222との界面Iに沿って形成されている。また、混在領域223は、具体的には、Pt−Rh合金とZrOとを含んで構成されることができる。
ここで、混在領域223の幅をdとする。混在領域223の幅dは、次のようにして測定される。図5に例示されるように、走査型電子顕微鏡(SEM)観察にて、検出電極220の厚み方向に沿う断面の反射電子像を5視野取得する。この際、観察倍率は100000倍とする。次いで、取得した各反射電子像について、混在領域223と貴金属領域221との界面I1と、混在領域223と固体電解質領域222との界面I2との間の最短距離を等間隔にてそれぞれ10箇所ずつ測定する。得られた5視野分の測定値(つまり、合計50箇所の測定値)の平均値が、混在領域223の幅d(nm)とされる。
また、混在領域223全体に対する、混在領域223におけるロジウムが偏在するロジウム偏在部の割合をLとする。ロジウム偏在部の割合Lは、次のようにして測定される。走査透過型電子顕微鏡(STEM)、エネルギー分散型X線分析(EDS)装置を用い、検出電極220の厚み方向に沿う断面における混在領域223について、EDS点分析(測定範囲:直径10nm)を1視野(倍率:例えば、20万倍)あたり20点以上実施する。図6(a)に、混在領域のSTEM像の一例、図6(b)に、混在領域におけるZr元素のEDSマッピング像の一例、図6(c)に、混在領域におけるPt元素のEDSマッピング像の一例、図6(d)に、混在領域におけるRh元素のEDSマッピング像の一例を示す。なお、点分析する箇所は、例えば、画像の縦横それぞれに等間隔に8本のラインを引き、混在領域223内におけるライン交点から点分析すべき箇所を決定することができる。この際、点分析すべき箇所が20点以上となるように、必要に応じて上記のライン数を増減させることができる。次いで、各測定点におけるRh比率を、以下の式1より算出する。
Rh比率(%)=100×(Rh[wt%])/(Rh[wt%]+Pt[wt%])・・・式1
次いで、上記Rh比率が80%を超える測定点をロジウム偏在部とし、全測定点数に対するロジウム偏在部の割合を、以下の式2より算出し、算出された値がロジウム偏在部の割合L(%)とされる。
ロジウム偏在部の割合L(%)=100×(Rh比率が80%を超える測定点の点数)/(全測定点数)・・・式2
図7に例示されるように、混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとで表されるd−L直交座標系において、検出電極220の電極容量が所定値となるときの混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す曲線を相関曲線Rとして定義する。d−L直交座標系では、横軸が混在領域223の幅d、縦軸がロジウム偏在部の割合Lとされる。相関曲線Rは、具体的には、混在領域223の幅dを横軸にとり、ロジウム偏在部の割合Lを少なくとも2点以上プロットし、各プロット点における検出電極220の電極容量より、重回帰分析にて同じ電極容量となる相関線を求めることによって得ることができる。つまり、相関曲線Rは、混在領域223の幅dおよびロジウム偏在部の割合Lの組み合わせからなる少なくとも2点の座標を用い、重回帰分析にて同じ電極容量となる相関線を求めることにより得ることができる。より具体的には、図7では、例えば、d−L直交座標系における電極容量X(μF)となる座標(d,L)と、電極容量X(μF)となる座標(d,L)の2点のプロット点を用い、重回帰分析にて同じ電極容量X(μF)となる相関曲線Rを求めた例が示されている。なお、重回帰分析する際のプロット点の座標数は、より高い相関を得るなどの観点から、好ましくは、3点以上とすることができる。
検出電極220の電極容量は、インピーダンスアナライザを用い、Cole−Coleプロットに対して、等価回路フィッティグを行うことにより求めることができる。具体的には、検出電極220の電極容量の測定は、センサ使用温度である700〜900℃、NOガス雰囲気(例えば、2000ppm)下にて実施される。図8に、検出電極220の等価回路モデルを示す。また、図9に、Cole−Coleプロット線図の模式図を示す。また、図10に、Bode線図の模式図を示す。等価回路モデルにおいて、R1は、固体電解質の粒内抵抗である。R2は、電極の貴金属粒子と固体電解質粒子との粒界抵抗である。R3は、電極の貴金属粒子とガスとの界面抵抗、NOガス分子の吸着による抵抗、表面拡散による抵抗の合計、すなわち、電極反応抵抗である。C2は、電極の貴金属粒子と固体電解質粒子との粒界の静電容量である。C3は、電極の貴金属粒子とガスとの界面の静電容量である。検出電極220の電極容量Cは、C2とC3の和である(C=C2+C3)。抵抗(R1,R2,R3)は、Cole−Coleプロット線図における各半円の弦より求めることができる。なお、Cole−Coleプロット線図におけるインピーダンスZの実数成分をZre、インピーダンスの虚数成分をZimとすると、|Z|=√(Zre +Zim )の関係を満たす。静電容量(C2,C3)は、Bode線図において曲線が折れ曲がる周波数(f2,f3)を求め、C=1/(2πf・R)の公式に、対応する抵抗と周波数の値を代入することによって求めることができる。つまり、検出電極220の電極容量Cは、以下の式より算出することができる。
=C2+C3=1/(2πf2・R2)+1/(2πf3・R3)
ガスセンサ素子2において、検出電極220は、図7に例示されるように、上述した相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される。つまり、ガスセンサ素子2は、d−L直交座標系において、相関曲線Rより下側(図7中の斜線を引いた領域内)にある各座標(d,L)の中から、混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが選択される。なお、相関曲線Rより下側の領域は、相関曲線RがL=f(d)(但し、f(d)は、混在領域223の幅dの関数)で表されるときに、L<f(d)となる領域である。実験例にて後述するが、相関曲線Rは、混在領域223の幅dの増加に伴ってロジウム偏在部の割合Lが減少する曲線となる。また、相関曲線Rは、検出電極220の電極容量が増加するほど上方に位置し、検出電極220の電極容量が小さくなるほど下方に位置する。したがって、例えば、検出電極220の電極容量を所定値以下とする要請があった場合には、検出電極220の電極容量が所定値となるときの相関曲線Rより下側の領域内となるように混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとを設定すればよいことになる。より具体的には、図7に示されるように、検出電極220の電極容量を所定値(例えば、X2)以下とする要請があった場合において、混在領域223の幅がd’であったときには、検出電極220の電極容量が所定値(X2)となるときの相関曲線Rより求められる、混在領域223の幅がd’であるときのロジウム偏在部の割合L’よりも小さくなるようにロジウム偏在部の割合を設定すればよい。同様に、検出電極220の電極容量を所定値(例えば、X2)以下とする要請があった場合において、ロジウム偏在部の割合L’であったときには、検出電極220の電極容量が所定値(X2)となるときの相関曲線Rより求められる、ロジウム偏在部の割合がL’であるときの混在領域223の幅d’よりも小さくなるように混在領域223の幅を設定すればよい。
ガスセンサ素子2において、検出電極220は、検出電極220の電極容量が300μFとなるときの相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される構成とすることができる。
この構成によれば、電流のノイズやヒステリシス低減によるNOxガス濃度の検出精度向上を確実なものとすることができる。そのため、この構成によれば、NOxガス濃度の検出に有利なガスセンサ素子2、ガスセンサ1を得やすくなる。
これは、次の理由による。外部からの低周波ノイズは、検出電極220の電極容量より増幅される。そのため、検出電極220の電極容量を低減することによりNOx出力ノイズが低減し、NOx出力の静的精度が向上する。また、検出電極220の電極容量に電荷が溜まると、過渡的な電圧変化があった場合に、電流値が電圧変化に対して遅れ、ヒステリシスが生じる。そのため、検出電極220の電極容量を低減することによりNOx出力の動的精度が向上する。
検出電極220は、好ましくは、検出電極220の電極容量が250μFとなるときの相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される構成、より好ましくは、検出電極220の電極容量が200μFとなるときの相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される構成、さらに好ましくは、検出電極220の電極容量が150μFとなるときの相関曲線Rより下側の領域から混在領域223の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定される構成とすることができる。
ガスセンサ素子2において、混在領域223の幅dは、具体的には、30nm以上とすることができる。この構成によれば、混在領域223における被測定ガスG中の特定ガスを含む気相と、貴金属領域221と、固体電解質領域222とによる三相界面を十分な量としやすくなる。そのため、検出電極220の電極反応抵抗を低減しやすくなり、検出電極220の活性を向上させることができる。なお、混在領域223の幅dは、検出電極220の活性向上等の観点から、好ましくは、40nm以上、より好ましくは、50nm以上、さらに好ましくは、100nm以上とすることができる。また、Rhは還元性を有するため凝集して安定する性質があり、高温維持による熱負荷を与えるとRh粒子同士が凝集し反応抵抗が増大する。混在領域223の幅dが大きくなり過ぎるとより凝縮が進みやすくなる。高温維持による熱負荷に対する耐久性の観点から、混在領域223の幅dは、好ましくは、3000nm以下、より好ましくは、2000nm以下、さらに好ましくは、1500nm以下、さらにより一層好ましくは、1000nm以下とすることができる。
ガスセンサ素子2において、検出電極220の電極反応抵抗は、具体的には、15000Ω以下とすることができる。この構成によれば、高活性で高精度なNOx出力を得やすくなる
なお、検出電極220の電極反応抵抗は、上述した検出電極220の電極容量の測定にて説明したR3であり、このR3は、検出電極220の電極容量の測定時に合わせて算出することができる。また、後述の実験例にて示されるように、混在領域223の幅dを30nm以上とするにより、検出電極220の電極反応抵抗を15000Ω以下とすることができる。
検出電極220の電極反応抵抗は、NOx出力の高精度化等の観点から、好ましくは、14000Ω以下、より好ましくは、13000Ω以下、さらに好ましくは、12000Ω以下とすることができる。なお、検出電極220の電極反応抵抗は、小さいほど良いため、下限は特に制限されない。
ガスセンサ素子2において、検出電極220に含まれる貴金属は、ロジウムを30〜70質量%、白金を70〜30質量%含む構成とすることができる。具体的には、検出電極220に含まれる貴金属は、ロジウムを30〜70質量%、白金を70〜30質量%含むPr−Rh合金より構成することができる。これらの構成によれば、RhによるNOx分解性とRhの酸化膨張によるセンサ電極剥離のストレングスの確保とのバランスに優れる。
上記した実施形態では、ガスセンサ素子2がモニタセル23を有する構成について説明したが、被測定ガスG中の特定ガスの濃度を検出するという観点において、モニタセル23は、必須な構成ではない。但し、ポンプセル24により酸素濃度が調整された後のガス中における酸素濃度を正しく検出し、検出セル22の出力に対してバックグラウンドの補正を行うという点ではモニタセル23を有していることが好ましい。
また、上記した実施形態では、検出電極220を構成する貴金属としてPtとRhを含むものについて説明したが、PtとRhにパラジウム(Pd)やルテニウム(Ru)などを添加するように構成しても良い。
また、測定ガス室20において、検出セル22が形成された空間とポンプセル24が形成された空間とを被測定ガスGが往来可能に分離されるように構成しても良い。具体的には、例えば、ガスセンサ素子2は、検出セル22が形成された空間とポンプセル24が形成された空間との間に拡散律速体(不図示)が形成された構成とすることができる。拡散律速体は、検出セル22とポンプセル24とを分離することによって測定ガス室20を2つの空間に分離しつつ、拡散抵抗を調整しながら被測定ガスGを透過させることができる。
検出電極220は、例えば、次のようにして形成することができる。Pt−Rh合金粒子等のPtとRhとを少なくとも含む貴金属粒子と、イットリア安定化ジルコニア粒子等のジルコニア質の固体電解質粒子と、必要に応じて造孔剤とを含む混合物を固体電解質体26の表面に塗布し、窒素雰囲気中にて焼き付ける。次いで、窒素ガス雰囲気中、焼き付けた検出電極220(厳密には検出電極220となる前の電極)と基準電極27との間に電圧を印加し、通電処理を行う。これにより貴金属粒子とジルコニア質の固体電解質粒子との界面にてZrOの一部がZrに還元され、ZrにPt、Rhが固溶する。その後、雰囲気中に酸素ガスを導入し、上記還元されたZrを再酸化させてZrOとする。これにより、貴金属領域221と固体電解質領域222との界面に、Zr−Pt−Rhの混在領域223が形成される。ここで、貴金属粒子においてPtとRhは全率固溶しているが、各元素の固溶速度が異なるため、通電処理時の温度が高くなるほど固溶速度の差が大きくなる。このため、Pt、RhがZrへ固溶する際に、電極温度が高すぎると、固溶速度差のため全率固溶していたPt−Rh合金が分離していまい、Rhが偏在しやすくなる。また、電極温度が低すぎると、固溶が進まない。Rhの偏在を抑え、十分な混在領域223の幅を得るためには、電極温度を低めに設定し、通電時間を相対的に長くする。電極温度を高めに設定したい場合には、通電時間を相対的に短くすることにより、Rhの偏在を最小限に抑えることができる。電極温度、通電時間、印可電圧はこれらの現象を考慮して適宜設定することができる。なお、検出電極220以外の各構成の形成方法については、公知の技術を適用することができる。
(実験例)
上述した製造方法に従って、検出電極の電極容量が異なる4つのガスセンサ素子を作製した。本例では、Pt−Rh合金粒子とイットリア安定化ジルコニアと造孔剤とを含むペースト状の混合物を用い、通電処理条件を変えることにより、イットリア安定化ジルコニアより構成される固体電解質体の表面に各検出電極を形成した。各ガスセンサ素子について、上述した測定方法により検出電極の電極容量を測定し、測定された検出電極の電極容量が144μFであったガスセンサ素子を試料1、検出電極の電極容量が155μFであったガスセンサ素子を試料2、検出電極の電極容量が410μFであったガスセンサ素子を試料1C、検出電極の電極容量が390μFであったガスセンサ素子を試料2Cとした。
STEM観察およびEDS分析の結果から、各試料のガスセンサ素子は、いずれも、上述した図6で示されるものと同様に、検出電極が、Pt−Rh合金とイットリア安定化ジルコニアと気孔とを含んで構成されており、Pt−Rh合金より構成される貴金属領域と、イットリア安定化ジルコニアより構成される固体電解質領域と、Pt−Rh合金とイットリア安定化ジルコニアとが混在する混在領域とを有していることが確認された。
各試料のガスセンサ素子における検出電極について、上述した測定方法に従って混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lを測定した。次いで、混在領域の幅dを横軸として、ロジウム偏在部の割合Lの値をプロットした。次いで、試料1、試料2、試料1C、試料2Cの4つの水準について、検出電極の電極容量を目的変数y、混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとを説明変数(x,x)として重回帰分析することにより、以下のような重回帰式を得た。
y=α+α+α(但し、α、α、αは偏回帰係数)
さらに、検出電極の電極容量は、ロジウム偏在部の総量に影響を受ける、すなわち、混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとの積によって変化することから2つの説明変数の相互作用も考慮して重回帰分析を行うことにより、以下のような重回帰式を得た。
y=α+α+α+α(但し、α、α、α、αは偏回帰係数)
この重回帰式を以下のように変形し、任意の電極容量をyに代入することにより、各相関曲線Rを求めた。その結果を、図11に示す。
相関曲線R:x=(y−α−α)/(α+α
(但し、α、α、α、αは偏回帰係数)
図11に示されるように、混在領域の幅dの増加に伴い、ロジウム偏在部の割合Lが減少することがわかる。また、相関曲線は、検出電極の電極容量が増加するほど上方に位置し、検出電極の電極容量が小さくなるほど下方に位置することがわかる。この結果から、検出電極の電極容量を所定値以下とした要請があった場合に、検出電極の電極容量が所定値となる相関曲線より下側の領域(相関曲線の負側)から混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとを設定することにより、その相関曲線の電極容量よりも電極容量を低減することができることがわかる。つまり、混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lの組み合わせたる座標(c,d)が混在領域の幅dについて負側、かつ、ロジウム偏在部の割合Lについて負側であるように、混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとを設定することにより、その相関曲線の電極容量よりも電極容量を低減することができるといえる。
次に、上記と同様にして、検出電極の電極容量が異なる複数のガスセンサ素子を作製し、NOx出力ノイズを測定した。NOx出力ノイズの測定は、N雰囲気、O雰囲気、NO雰囲気においてセンサを駆動させて行った。NOx出力ノイズは、得られたNOx出力波形の20sec間の波形において、最大ピークと最小ピークの差より計算した。その結果を、図12に示す。図12に示されるように、検出電極の電極容量とNOx出力との関係線によれば、NOx出力ノイズは、検出電極の電極容量の増加に伴ってほぼ比例的に増加することがわかる。よって、図11および図12によれば、検出電極の電極容量の低減により電流のノイズやヒステリシスが抑制され、被測定ガス中の特定ガスの濃度を高精度に検出することが可能になることがわかる。また、図12によれば、NOx検出精度向上のためにNOxノイズを10ppm以下とするには、検出電極の電極容量を300μF以下とすることが望ましいこともわかる。
次に、上記と同様にして、検出電極の電極容量が異なる複数のガスセンサ素子を作製し、上述した測定方法に従って、混在領域の幅dおよび検出電極の電極反応抵抗を測定した。その結果を、図13に示す。図13に示されるように、混在領域の幅dと検出電極の電極反応抵抗との関係によれば、検出電極の電極反応抵抗は、混在領域の幅dの増加に伴って減少することがわかる。また、図13によれば、NOx検出精度向上のために検出電極の電極反応抵抗を15000Ω以下とするには、混在領域の幅dを30nm以上とすることが望ましいこともわかる。なお、図14は、混在領域の幅d(nm)とロジウム偏在部の割合L(%)との関係において、混在領域の幅d=30nmのラインを示したものである。図14に例示されるように、検出電極の電極容量が300μFとなるときの相関曲線より下側、かつ、混在領域の幅dが30nm以上である領域から混在領域の幅dとロジウム偏在部の割合Lとが設定されることにより、検出電極の電極容量の低減によってNOx検出精度向上に有利なガスセンサ素子を得やすくなる。
本発明は、上記実施形態、実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、実施形態、実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
1 ガスセンサ
2 ガスセンサ素子
26 固体電解質体
220 検出電極
221 貴金属領域
222 固体電解質領域
223 混在領域
R 相関曲線
27 基準電極
G 被測定ガス
A 基準ガス

Claims (6)

  1. 酸素イオン伝導性を有するジルコニア質の固体電解質より構成される固体電解質体(26)と、
    上記固体電解質体の一方面に設けられ、被測定ガス(G)中の特定ガスの濃度を検出するための検出電極(220)と、
    上記固体電解質体の他方面に設けられ、基準ガス(A)に曝される基準電極(27)と、を備えたガスセンサ素子(2)であって、
    上記検出電極は、白金およびロジウムを少なくとも含む貴金属より構成される貴金属領域(221)と、上記固体電解質より構成される固体電解質領域(222)と、上記貴金属と上記固体電解質とが混在する混在領域(223)とを有しており、
    上記混在領域の幅dと、上記混在領域全体に対する、上記混在領域における上記ロジウムが偏在するロジウム偏在部の割合Lとで表されるd−L直交座標系において、上記検出電極の電極容量が所定値となるときの上記混在領域の幅dと上記ロジウム偏在部の割合Lとの相関を表す曲線を相関曲線(R)として定義したとき、
    上記検出電極は、上記相関曲線より下側の領域から上記混在領域の幅dと上記ロジウム偏在部の割合Lとが設定される、
    ガスセンサ素子(2)。
  2. 上記検出電極は、上記電極容量が300μFとなるときの上記相関曲線より下側の領域から上記混在領域の幅dと上記ロジウム偏在部の割合Lとが設定される、請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 上記混在領域の幅dが30nm以上である、請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
  4. 上記検出電極の電極反応抵抗が15000Ω以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  5. 上記貴金属は、上記ロジウムを30〜70質量%、上記白金を70〜30質量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を有するガスセンサ(1)。
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