関連出願の相互参照
本願は、2017年3月14日に出願された国際出願第PCT/CN2017/076598号に対する優先権の利益を主張する。同出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明の分野は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1の阻害剤である、式I及びその部分式(subformula)で示される化合物並びにこれらの化合物を含有する組成物、及びJAKキナーゼの阻害に応答性の状態を患っている患者の診断又は処置を含む使用方法(これらに限定されない)に属する。
発明の背景
サイトカイン経路は、炎症及び免疫の多くの態様を含む広い範囲の生物学的機能を媒介する。JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を含むヤヌスキナーゼ(JAK)は、I型及びII型サイトカインレセプターと会合し、サイトカインシグナル伝達をレギュレーションする細胞質プロテインキナーゼである。同起源レセプターとのサイトカインの結合により、レセプターに会合しているJAKの活性化がトリガーされ、これにより、シグナル伝達性転写因子(STAS)タンパク質のJAK媒介性チロシンリン酸化がもたらされ、最終的に、特定の遺伝子セットの転写活性化がもたらされる(Schindler et al., 2007, J. Biol. Chem. 282: 20059-63)。JAK1、JAK2及びTYK2は、広いパターンの遺伝子発現を示す。一方、JAK3の発現は、白血球に限定されている。サイトカインレセプターは、典型的には、ヘテロ二量体として機能性であり、その結果として、通常2つ以上の種類のJAKキナーゼが、サイトカインレセプター複合体と会合する。様々なサイトカインレセプター複合体と会合する特定のJAKが、多くの場合遺伝学的研究により決定され、他の実験的証拠により裏付けられてきた。JAK酵素阻害の例示的な治療的利益は、例えば、第WO2013/014567号で検討されている。
JAK1は最初、新規なキナーゼについてのスクリーニングにおいて特定された(Wilks A.F., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:1603-1607)。JAK1は、遺伝学的及び生化学的研究により、I型インターフェロン(例えば、IFNアルファ)、II型インターフェロン(例えば、IFNガンマ)並びにIL−2及びIL−6サイトカインレセプター複合体と機能的かつ物理的に会合することが示されている(Kisseleva et al., 2002,Gene 285:1-24;Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662;O’Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックアウトマウスは、LIFレセプターシグナル伝達の欠損のため、周産期に死亡する(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;O’Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックマウスから得られた組織の特徴付けにより、IFN、IL−10、IL−2/IL−4及びIL−6経路における、このキナーゼについての重要な役割が証明された。IL−6経路を標的とするヒト化モノクローナル抗体(トシリズマブ)が、中程度〜重度の関節リウマチの処置について、欧州委員会により認可された(Scheinecker et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:273-274)。
CD4 T細胞は、肺でのTH2サイトカイン(IL−4、IL−9及びIL−13を含む)の産生を通じて、喘息の病因に重要な役割を果たしている(Cohn et al., 2004, Annu. Rev. Immunol. 22:789-815)。IL−4及びIL−13は、粘液産生の増大、肺への好酸球のリクルートメント及びIgE生成の増大を誘発する(Kasaian et al., 2008, Biochem. Pharmacol. 76(2): 147-155)。IL−9は、マスト細胞の活性化をもたらし、同活性化により、喘息の症状が悪化する(Kearley et al., 2011, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 183(7): 865-875)。IL−4Rα鎖は、共通ガンマ鎖又はIL−13Rα1鎖と組み合わされると、JAK1を活性化させ、また各々IL−4又はIL−13のいずれかに結合する(Pernis et al., 2002, J. Clin. Invest. 109(10):1279-1283)。共通ガンマ鎖は、IL−9Rαと組み合わさって、IL−9に結合することもでき、IL−9Rαも、JAK1を活性化させる(Demoulin et al., 1996, Mol. Cell Biol. 16(9):4710-4716)。共通ガンマ鎖はJAK3を活性化させるものの、JAK1がJAK3に対して優先的であり、JAK1の阻害が、JAK3活性にも関わらず、共通ガンマ鎖によるシグナル伝達を不活性化するのに十分であることが示されている(Haan et al., 2011, Chem. Biol. 18(3):314-323)。JAK/STATシグナル伝達経路を遮断することによるIL−4、IL−13及びIL−9シグナル伝達の阻害により、前臨床肺炎症モデルにおいて、喘息の症状を緩和することができる(Mathew et al., 2001, J. Exp. Med. 193(9): 1087-1096;Kudlacz et. al., 2008, Eur. J. Pharmacol. 582(1-3): 154-161)。
生化学的及び遺伝学的研究により、JAK2と一本鎖(例えば、EPO)、IL−3及びインターフェロンガンマサイトカインレセプターファミリーとの間の会合が示されている(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662;O’Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。このことと整合して、JAK2ノックアウトマウスは貧血により死亡する(O’Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK2におけるキナーゼ活性化変異(例えば、JAK2 V617F)は、ヒトにおける骨髄増殖性障害に関連している。
JAK3は、排他的にガンマ共通サイトカインレセプター鎖と会合する。同鎖は、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15及びIL−21サイトカインレセプター複合体に存在する。JAK3は、リンパ球の発達及び増殖に重要であり、JAK3における変異は、重症複合免疫不全(SCID)をもたらす(O’Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK3及びJAK3媒介性経路は、リンパ球をレギュレーションすることにおけるその役割に基づいて、免疫抑制適応症(例えば、移植拒絶及び関節リウマチ)のための標的とされた(Baslund et al., 2005, Arthritis & Rheumatism 52:2686-2692;Changelian et al., 2003, Science 302: 875-878)。
TYK2は、I型インターフェロン(例えば、IFNアルファ)、IL−6、IL−10、IL−12及びIL−23サイトカインレセプター複合体と会合する(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;Watford, W.T. & O’Shea, J.J., 2006, Immunity 25:695-697)。このことと整合して、TYK2欠損ヒトから得られた初代細胞は、I型インターフェロン、IL−6、IL−10、IL−12及びIL−23シグナル伝達を欠損している。IL−12及びIL−23サイトカインの共有p40サブユニットを標的とする全長ヒトモノクローナル抗体(ウステキヌマブ)が、中程度〜重度の尋常性乾癬の処置について、欧州委員会により近年認可された(Krueger et al., 2007, N. Engl. J. Med. 356:580-92;Reich et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:355-356)。加えて、IL−12及びIL−23経路を標的とする抗体について、クローン病を処置するための臨床試験が行われた(Mannon et al., 2004, N. Engl. J. Med. 351:2069-79)。
JAKキナーゼにより媒介される状態、例えば上記されたものの、更なる処置又は代替的な処置についての必要性が、当該分野に存在する。
発明の概要
本発明の一態様は、式(I):
[式中、
R
1は、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、−(C
0〜C
3アルキル)CN、−(C
0〜C
3アルキル)OR
a、−(C
0〜C
3アルキル)R
a、−(C
0〜C
3アルキル)SR
a、−(C
0〜C
3アルキル)NR
aR
b、−(C
0〜C
3アルキル)OCF
3、−(C
0〜C
3アルキル)CF
3、−(C
0〜C
3アルキル)NO
2、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)R
a、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)OR
a、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)NR
aR
b、−(C
0〜C
3アルキル)NR
aC(O)R
b、−(C
0〜C
3アルキル)S(O)
1−2R
a、−(C
0〜C
3アルキル)NR
aS(O)
1−2R
b、−(C
0〜C
3アルキル)S(O)
1−2NR
aR
b、−(C
0〜C
3アルキル)(5〜6−員のヘテロアリール)又は−(C
0〜C
3アルキル)フェニルであり、ここで、R
1は、場合によりハロゲン、C
1〜C
3アルキル、オキソ、−CF
3、−(C
0〜C
3アルキル)OR
c又は−(C
0〜C
3アルキル)NR
cR
dにより置換されており、
各R
aは、独立して水素、C
1〜C
6アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、3〜10員のヘテロシクリル、5〜6員のヘテロアリール、−C(O)R
c、−C(O)OR
c、−C(O)NR
cR
d、−NR
cC(O)R
d、−S(O)
1−2R
c、−NR
cS(O)
1−2R
d及び−S(O)
1−2NR
cR
dからなる群より選択され、ここで、R
aの任意のC
3〜C
6シクロアルキル、3〜10員のヘテロシクリル及び5〜6員のヘテロアリールは、場合によりR
eにより置換されており、
各R
bは、独立して水素及びC
1〜C
3アルキルからなる群より選択され、ここで、前記アルキルは、場合によりハロゲン又はオキソにより置換されており、
各R
c及びR
dは、独立して水素、3〜6員のヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル及びC
1〜C
3アルキルからなる群より選択され、ここで、R
c及びR
dの任意の3〜6員のヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル及びC
1〜C
3アルキルは、場合によりハロゲン又はオキソにより置換されており、又は、R
c及びR
dは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりハロゲン、オキソ、−CF
3又はC
1〜C
3アルキルにより置換されている3〜6員のヘテロシクリルを形成し、
各R
eは、独立してオキソ、OR
f、NR
fR
g、ハロゲン、3〜10員のヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル及びC
1〜C
6アルキルからなる群より選択され、ここで、R
eの任意のC
3〜C
6シクロアルキル及びC
1〜C
6アルキルは、場合によりOR
f、NR
fR
g、ハロゲン、3〜10員のヘテロシクリル、オキソ又はシアノにより置換されており、ここで、R
eの任意の3〜10員のヘテロシクリルは、場合によりハロゲン、オキソ、シアノ、−CF
3、NR
hR
k、3〜6員のヘテロシクリル又はC
1〜C
3アルキル(場合によりハロゲン、オキソ、OR
fもしくはNR
hR
kにより置換されている)により置換されており、
各R
f及びR
gは、独立して水素、C
1〜C
6アルキル、3〜6員のヘテロシクリル及びC
3〜C
6シクロアルキルからなる群より選択され、ここで、R
f及びR
gの任意のC
1〜C
6アルキル、3〜6員のヘテロシクリル及びC
3〜C
6シクロアルキルは、場合によりR
mにより置換されており、
各R
h及びR
kは、独立して水素及びC
1〜C
6アルキル(場合によりハロゲン、シアノ、3〜6員のヘテロシクリル又はオキソにより置換されている)からなる群より選択され、又は、R
h及びR
kは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりハロゲン、シアノ、オキソ、−CF
3又はC
1〜C
3アルキル(場合によりハロゲンもしくはオキソにより置換されている)により置換されている3〜6員のヘテロシクリルを形成し、
各R
mは、独立してハロゲン、シアノ、オキソ、C
3〜C
6シクロアルキル、ヒドロキシ及びNR
hR
kからなる群より選択され、ここで、R
mの任意のC
3〜C
6シクロアルキルは、場合によりハロゲン、オキソ、シアノ又はC
1〜C
3アルキルにより置換されており、
R
2は、フェニル、5〜6員のヘテロアリール、C
3〜C
6シクロアルキル又は3〜10員のヘテロシクリルであり、ここで、R
2は、場合により1〜5個のR
nにより置換されており、
各R
nは、独立してC
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル、オキソ、ハロゲン、−(C
0〜C
3アルキル)CN、−(C
0〜C
3アルキル)OR
o、−(C
0〜C
3アルキル)SR
o、−(C
0〜C
3アルキル)NR
oR
p、−(C
0〜C
3アルキル)OCF
3、−(C
0〜C
3アルキル)CF
3、−(C
0〜C
3アルキル)NO
2、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)R
o、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)OR
o、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)NR
oR
p、−(C
0〜C
3アルキル)NR
oC(O)R
p、−(C
0〜C
3アルキル)S(O)
1−2R
o、−(C
0〜C
3アルキル)NR
oS(O)
1−2R
p、−(C
0〜C
3アルキル)S(O)
1−2NR
oR
p、−(C
0〜C
3アルキル)(C
3〜C
6シクロアルキル)、−(C
0〜C
3アルキル)(3〜6員のヘテロシクリル)、−(C
0〜C
3アルキル)C(O)(3〜6員のヘテロシクリル)、−(C
0〜C
3アルキル)(5〜6員のヘテロアリール)及び−(C
0〜C
3アルキル)フェニルからなる群より選択され、ここで、各R
nは、独立して、場合によりハロゲン、C
1〜C
3アルキル、オキソ、−CF
3、−(C
0〜C
3アルキル)OR
r又は−(C
0〜C
3アルキル)NR
rR
sにより置換されており、又は、2つのR
nは一緒になって、−O(CH
2)
1−3O−を形成し、
各R
oは、独立して水素、C
1〜C
6アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、3〜6員のヘテロシクリル、−C(O)R
r、−C(O)OR
r、−C(O)NR
rR
s、−NR
rC(O)R
s、−S(O)
1−2R
r、−NR
rS(O)
1−2R
s及び−S(O)
1−2NR
rR
sからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、独立して、場合によりオキソ、C
1〜C
3アルキル、OR
r、NR
rR
s又はハロゲンにより置換されており、各R
pは、独立して水素及びC
1〜C
3アルキルからなる群より選択され、ここで、前記アルキルは、独立して、場合によりハロゲン又はオキソにより置換されており、又は、R
o及びR
pは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりハロゲン、オキソ、−CF
3又はC
1〜C
3アルキルにより置換されている3〜6員のヘテロシクリルを形成し、
各R
r及びR
sは、独立して水素及びC
1〜C
3アルキル(場合によりハロゲン又はオキソにより置換されている)からなる群より選択され、又は、R
r及びR
sは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりハロゲン、オキソ、−CF
3又はC
1〜C
3アルキルにより置換されている3〜6員のヘテロシクリルを形成し、
Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される2又は3個の原子を含む、9〜10員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、9〜10員の二環式ヘテロアリールは、場合によりR
uにより置換されており、ただし、Xは、場合によりR
uにより置換されている下記の基:
ではなく、
各R
uは、独立して水素、ハロ、C
1〜C
6アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、3〜6員のヘテロシクリル、−OR
v、−C(O)R
v、−C(O)OR
v、−C(O)NR
vR
w、−NR
vR
w、−NR
vC(O)R
w、−S(O)
1−2R
v、−NR
vS(O)
1−2R
w及び−S(O)
1−2NR
vR
wからなる群より選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、独立して、場合によりオキソ、C
1〜C
3アルキル、−OR
v、−NR
vR
w又はハロゲンにより置換されており、
各R
v及びR
wは、独立して水素及びC
1〜C
3アルキル(場合によりハロゲン又はオキソにより置換されている)からなる群より選択され、又は、R
v及びR
wは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりハロゲン、オキソ、−CF
3又はC
1〜C
3アルキルにより置換されている3〜6員のヘテロシクリルを形成している]
で示される化合物又はその塩を含む。
また、本発明の化合物と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物も提供される。
別の態様は、治療、例えば炎症性疾患又はガンの処置における使用のための、本発明の化合物を含む。
別の態様は、患者におけるヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの阻害に応答性の疾患又は状態を、予防し、治療し又はこれらの重症度を下げる方法を含む。この方法は、治療上有効な量の本発明の化合物を患者に投与することを含むことができる。
別の態様は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの阻害に応答性の疾患の処置用の医薬の製造における、本発明の化合物の使用を含む。
別の態様は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの阻害に応答性の疾患又は障害を処置するためのキットを含む。このキットは、本発明の化合物を含む第1の医薬組成物と、使用のための説明書とを含むことができる。
本発明の化合物のあるものは、1つ以上のヤヌスキナーゼ(例えばJAK1)の阻害剤として有益な効力を有する。ある化合物はまた、a)1つのヤヌスキナーゼに対し、他のキナーゼに比して選択的であり、b)JAK1に対し、他のヤヌスキナーゼに比して選択的であり、及び/又は、c)配合及び吸入による投与に必要な他の特性(例えば、融点、pK、溶解度等)を有する。式(I)で示される化合物のあるものは、喘息等の状態を治療するのに特に有用でありうる。
発明の詳細な説明
定義
「ハロゲン」又は「ハロ」は、F、Cl、Br又はIを指す。加えて、「ハロアルキル」等の用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。
「アルキル」という用語は、飽和で直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素基を指し、アルキル基は、場合により置換されていてもよい。一例では、アルキル基は、1〜18個の炭素原子(C1〜C18)である。他の例では、アルキル基は、C0〜C6、C0〜C5、C0〜C3、C1〜C12、C1〜C10、C1〜C8、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4又はC1〜C3である。C0アルキルは、結合を指す。アルキル基の例は、メチル(Me、−CH3)、エチル(Et、−CH2CH3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH3)2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH2CH(CH3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH3)3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル(−CH(CH2CH3)2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH2CH3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH3)CH(CH3)2)、3−メチル−1−ブチル(−CH2CH2CH(CH3)2)、2−メチル−1−ブチル(−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル(−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3−ヘキシル(−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH3)2CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH3)(CH2CH3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH3)C(CH3)3)、1−ヘプチル及び1−オクチルを含む。ある実施態様では、「場合により置換されているアルキル」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素二重結合を有する、直鎖又は分枝鎖で一価の炭化水素基を指し、アルケニル基は、場合により置換されていてもよく、「cis」及び「trans」配向、又は代替的に、「E」及び「Z」配向を有する基を含む。一例では、アルケニル基は、2〜18個の炭素原子(C2〜C18)である。他の例では、アルケニル基は、C2〜C12、C2〜C10、C2〜C8、C2〜C6又はC2〜C3である。例は、エテニル又はビニル(−CH=CH2)、プロパ−1−エニル(−CH=CHCH3)、プロパ−2−エニル(−CH2CH=CH2)、2−メチルプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、ブタ−1,3−ジエニル、2−メチルブタ−1,3−ジエン、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル及びヘキサ−1,3−ジエニルを含むが、これらに限定されない。ある実施態様では、「場合により置換されているアルケニル」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖で一価の炭化水素基を指し、アルキニル基は、場合により置換されていてもよい。一例では、アルキニル基は、2〜18個の炭素原子(C2〜C18)である。他の例では、アルキニル基は、C2〜C12、C2〜C10、C2〜C8、C2〜C6又はC2〜C3である。例は、エチニル(−C≡CH)、プロパ−1−イニル(−C≡CCH3)、プロパ−2−イニル(プロパルギル、−CH2C≡CH)、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル及びブタ−3−イニルを含むが、これらに限定されない。ある実施態様では、「場合により置換されているアルキニル」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。
「アルキレン」は、親アルカンの同じか又は2つの異なる炭素原子から2つの水素原子を除去することにより得られる、2つの一価の基中心を有する飽和で分岐鎖又は直鎖の炭化水素基を指す。一例では、二価のアルキレン基は、1〜18個の炭素原子(C2〜C18)である。他の例では、二価のアルキレン基は、C0〜C6、C0〜C5、C0〜C3、C1〜C12、C1〜C10、C1〜C8、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4又はC1〜C3である。基C0アルキレンは、結合を指す。アルキレン基の例は、メチレン(−CH2−)、1,1−エチル(−CH(CH3)−)、1,2−エチル(−CH2CH2−)、1,1−プロピル(−CH(CH2CH3)−)、2,2−プロピル(−C(CH3)2−)、1,2−プロピル(−CH(CH3)CH2−)、1,3−プロピル(−CH2CH2CH2−)、1,1−ジメチルエタ−1,2−イル(−C(CH3)2CH2−)、1,4−ブチル(−CH2CH2CH2CH2−)等を含む。
「ヘテロアルキル」という用語は、記載された数の炭素原子からなるか、又は、記載されていない場合には18個までの炭素原子と、O、N、Si及びSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子とからなる、直鎖又は分岐鎖で一価の炭化水素基を指し、ここで、窒素及び硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。ある実施態様では、ヘテロ原子は、O、N及びSから選択され、ここで、窒素及び硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、アルキル基が分子の残り部分に結合している位置(例えば、−O−CH2−CH3)を含む、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に位置しうる。例は、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−Si(CH3)3及び−CH2−CH=N−OCH3を含む。例えば−CH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH3)3のように、2個までのヘテロ原子が連続していてよい。ヘテロアルキル基は、場合により置換されていてもよい。ある実施態様では、「場合により置換されているヘテロアルキル」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。
「アミノ」は、第一級(すなわち、−NH2)、第二級(すなわち、−NRH)、第三級(すなわち、−NRR)及び第四級(すなわち、−N(+)RRR)アミンを意味し、これらは、場合により置換されており、ここで、各Rは、同じか又は異なり、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルから選択され、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル基は、本明細書で定義されたとおりである。特定の第二級及び第三級アミンは、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン及びジアラルキルアミンであり、ここで、アルキル及びアリール部分は、場合により置換されうる。特定の第二級及び第三級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。ある実施態様では、第四級アミンのR基は、それぞれ独立して、場合により置換されているアルキル基である。
「アリール」は、炭素環式芳香族基を指し、1つ以上の基と縮合しているか否かにかかわらず、指定された数の炭素原子を有するか、又は、数が指定されない場合、14個までの炭素原子を有する。一例は、6〜14個の炭素原子を有するアリール基を含む。別の例は、6〜10個の炭素原子を有するアリール基を含む。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1H−インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル等を含む(例えば、Lang’s Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照のこと)。特定のアリールは、フェニルである。置換されているフェニル又は置換されているアリールは、1、2、3、4又は5個の置換基(例えば、1〜2個、1〜3個又は1〜4個の置換基)、例えば、本明細書で特定された基(「場合により置換されている」の定義を参照のこと)(例えば、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基の1〜4個の例により)されていてもよい))から選択されるものにより置換されている、フェニル基又はアリール基を意味する。「置換されているフェニル」という用語の例は、モノ又はジ(ハロ)フェニル基、例えば、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、4−クロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル等;モノ又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば、4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、その保護ヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば、3−又は4−ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば、4−シアノフェニル;モノ又はジ(アルキル)フェニル基、例えば、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2−メチルフェニル、4−(イソプロピル)フェニル、4−エチルフェニル、3−(n−プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば、3,4−ジメトキシフェニル、3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−(イソプロポキシ)フェニル、4−(t−ブトキシ)フェニル、3−エトキシ−4−メトキシフェニル等;3−又は4−トリフルオロメチルフェニル;モノもしくはジカルボキシフェニル又は(保護カルボキシ)フェニル基、例えば、4−カルボキシフェニル、モノもしくはジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護ヒドロキシメチル)フェニル、例えば、3−(保護ヒドロキシメチル)フェニル又は3,4−ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノもしくはジ(アミノメチル)フェニル又は(保護アミノメチル)フェニル)、例えば、2−(アミノメチル)フェニル又は2,4−(保護アミノメチル)フェニル;又はモノもしくはジ(N−(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば、3−(N−(メチルスルホニルアミノ))フェニルを含む。また、「置換フェニル」という用語は、置換基が異なる二置換フェニル基、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、2−メトキシ−4−ブロモフェニル、4−エチル−2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル、2−ヒドロキシ−4−クロロフェニル、2−クロロ−5−ジフルオロメトキシ等;及び置換基が異なる三置換フェニル基、例えば、3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−6−メチルスルホニルアミノ、3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−6−フェニルスルホニルアミノ;及び置換基が異なる四置換フェニル基、例えば、3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−5−メチル−6−フェニルスルホニルアミノも表わす。ある実施態様では、アリール、例えばフェニルの置換基は、アミドを含む。例えば、アリール(例えば、フェニル)置換基は、−(CH2)0−4CONR’R’’(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか、又は、R’及びR’’は、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成していてもよく、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている)であってよい。
「シクロアルキル」は、非芳香族で飽和又は部分不飽和の炭化水素環基を指し、ここで、シクロアルキル基は場合により、独立して、本明細書に記載された1つ以上の置換基により置換されていてもよい。一例では、シクロアルキル基は、3〜12個の炭素原子(C3〜C12)である。他の例では、シクロアルキルは、C3〜C8、C3〜C10又はC5〜C10である。他の例では、単環としてのシクロアルキル基は、C3〜C8、C3〜C6又はC5〜C6である。別の例では、二環としてのシクロアルキル基は、C7〜C12である。別の例では、スピロ系としてのシクロアルキル基は、C5〜C12である。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、過重水素シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルを含む。7〜12個の環原子を有する二環式シクロアルキルの例示的な配置は、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]環系を含むが、これらに限定されない。例示的な架橋二環式シクロアルキルは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナンを含むが、これらに限定されない。スピロシクロアルキルの例は、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン及びスピロ[4.5]デカンを含む。ある実施態様では、「場合により置換されているシクロアルキル」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、アリール及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。ある実施態様では、シクロアルキルの置換基は、アミドを含む。例えば、シクロアルキル置換基は、−(CH2)0−4CONR’R’’(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか、又は、R’及びR’’は、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成していてもよく、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている)であってよい。
「複素環式基」、「複素環式」、「複素環」、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロ」は、互換的に使用され、3〜20個の環原子を有し、環原子が炭素であり、環又は環系中の少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である、単環式、二環式、三環式又はスピロの、飽和又は不飽和で、芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族(例えば、ヘテロシクロアルキル)の任意の環系を指す。環系の任意の環原子がヘテロ原子である場合、分子の残り部分へのその環系の結合点にかかわらず、その系は複素環である。一例では、ヘテロシクリルは、3〜11個の環原子(「員」)を含み、環原子が炭素である単環、二環、三環及びスピロ環系を含み、ここで、環又は環系中の少なくとも1つの原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である。一例では、ヘテロシクリルは、1〜4個のヘテロ原子を含む。一例では、ヘテロシクリルは、1〜3個のヘテロ原子を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される1〜2個、1〜3個又は1〜4個のヘテロ原子を有する3〜7員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される1〜2個、1〜3個又は1〜4個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、3員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、4員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、5〜6員の単環、例えば、5〜6員のヘテロアリールを含む。別の例では、ヘテロシクリルは、3〜11員のヘテロシクロアルキル、例えば、4〜11員のヘテロシクロアルキルを含む。ある実施態様では、ヘテロシクロアルキルは、少なくとも1つの窒素を含む。一例では、ヘテロシクリル基は、0〜3個の二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていてもよく(例えば、NO、SO、SO2)、任意の窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい(例えば、[NR4]+Cl−、[NR4]+OH−)。複素環の例は、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル(thiiranyl)、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2−ジチエタニル、1,3−ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジナニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4−ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1−ジオキソイソチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7−テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6−ジヒドロイミダゾール[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン−2,4−ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1−アザスピロ[4.5]デカン−2−オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラニルである。硫黄又は酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する5員複素環の例は、チアゾール−2−イル及びチアゾール−2−イル N−オキシドを含むチアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−5−イル及び1,2,4−チアジアゾール−5−イルを含むチアジアゾリル、オキサゾリル、例えば、オキサゾール−2−イル及びオキサジアゾリル、例えば、1,3,4−オキサジアゾール−5−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである。2〜4個の窒素原子を含有する5員環複素環の例は、イミダゾリル、例えば、イミダゾール−2−イル;トリアゾリル、例えば、1,3,4−トリアゾール−5−イル;1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル及びテトラゾリル、例えば、1H−テトラゾール−5−イルを含む。ベンゾ縮合5員複素環の例は、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル及びベンズイミダゾール−2−イルである。6員の複素環の例は、1〜3個の窒素原子及び場合により硫黄又は酸素原子を含有し、例えば、ピリジル、例えば、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル及びピリド−4−イル;ピリミジル、例えば、ピリミド−2−イル及びピリミド−4−イル;トリアジニル、例えば、1,3,4−トリアジン−2−イル及び1,3,5−トリアジン−4−イル;ピリダジニル、特に、ピリダジン−3−イル並びにピラジニルである。ピリジン N−オキシド及びピリダジン N−オキシド並びにピリジル、ピリミド−2−イル、ピリミド−4−イル、ピリダジニル及び1,3,4−トリアジン−2−イル基は、複素環基の他の例である。複素環は、場合により置換されていてもよい。例えば、「場合により置換されている複素環」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、アリール及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。ある実施態様では、複素環基、例えばヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルの置換基は、アミドを含む。例えば、複素環(例えば、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル)置換基は、−(CH2)0−4CONR’R’’(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか、又は、R’及びR’’は、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成していてもよく、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている)であってよい。
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環が、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香環である、任意の単環式、二環式又は三環式環系を指し、例となる実施態様では、少なくとも1つのヘテロ原子が窒素である。例えば、Lang’s Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照のこと。上記ヘテロアリール環のいずれかがアリール環と縮合し、アリール環又はヘテロアリール環が分子の残りの部分に結合している、任意の二環式基が定義に含まれる。一実施態様では、ヘテロアリールは、1つ以上の環原子が窒素、硫黄又は酸素である、5〜6員の単環式芳香族基を含む。ヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル、イミダゾール[1,2−a]ピリジニル及びプリニル、並びにベンゾ縮合誘導体、例えばベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリルを含む。ヘテロアリール基は、場合により置換されていてもよい。ある実施態様では、「場合により置換されているヘテロアリール」についての置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH2、NHCH3、N(CH3)2、NO2、N3、C(O)CH3、COOH、CO2CH3、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO2、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル(ここで、そのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により置換(例えば、この同じ一覧から選択される置換基のうちの1〜4個の例により)されていてもよい)のうちの1〜4個の例を含む。ある実施態様では、ヘテロアリールの置換基は、アミドを含む。例えば、ヘテロアリール置換基は、−(CH2)0−4CONR’R’’(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか、又は、R’及びR’’は、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成していてもよく、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている)であってよい。
特定の実施態様では、ヘテロシクリル基は、ヘテロシクリル基の炭素原子において結合している。例として、炭素結合ヘテロシクリル基は、ピリジン環の2、3、4、5もしくは6位、ピリダジン環の3、4、5もしくは6位、ピリミジン環の2、4、5もしくは6位、ピラジン環の2、3、5もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールもしくはテトラヒドロピロール環の2、3、4もしくは5位、オキサゾール、イミダゾールもしくはチアゾール環の2、4もしくは5位、イソキサゾール、ピラゾールもしくはイソチアゾール環の3、4もしくは5位、アジリジン環の2もしくは3位、アゼチジン環の2、3もしくは4位、キノリン環の2、3、4、5、6、7もしくは8位又はイソキノリン環の1、3、4、5、6、7もしくは8位の結合配置を含む。
特定の実施態様では、ヘテロシクリル基はN結合している。例として、窒素結合ヘテロシクリル又はヘテロアリール基は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位及びカルバゾール又はβ−カルボリンの9位の結合配置を含む。
「アルコキシ」という用語は、式−OR(式中、Rは、本明細書で定義されたアルキルである)により表わされる、直鎖又は分枝鎖で一価の基を指す。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、モノ−、ジ−及びトリ−フルオロメトキシ及びシクロプロポキシを含む。
「アシル」は、式−C(O)−R(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルであり、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルは、本明細書で定義されたとおりである)により表されるカルボニル含有置換基を意味する。アシル基は、アルカノイル(例えばアセチル)、アロイル(例えばベンゾイル)及びヘテロアロイル(例えばピリジノイル)を含む。
「場合により置換されている」は、特に断りない限り、基が置換されていなくても、1つ以上(例えば、0、1、2、3、4もしくは5個以上、又はその中の導出可能な任意の範囲)の、その基について列挙された置換基(前記置換基は、同じでも異なっていてもよい)により置換されていてもよいことを意味する。一実施態様において、場合により置換されている基は、1つの置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、2つの置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、3つの置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、4つの置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、5つの置換基を有する。
単独の、又は別の置換基(例えば、アルコキシ)の一部としてのアルキル基、並びにこれもそれぞれ単独の、又は別の置換基の一部としての、アルキレニル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルについての、任意の置換基は、各種の基、例えば本明細書に記載された基であってよく、また、ハロゲン;オキソ;CN;NO;N3;−OR’;パーフルオロ−C1〜C4アルコキシ;非置換C3〜C7シクロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC3〜C7シクロアルキル;非置換C6〜C10アリール(例えばフェニル);ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);−NR’R’’;−SR’;−SiR’R’’R’’’;−OC(O)R’;−C(O)R’;−CO2R’;−CONR’R’’;−OC(O)NR’R’’;−NR’’C(O)R’;−NR’’’C(O)NR’R’’;−NR’’C(O)2R’;−S(O)2R’;−S(O)2NR’R’’;−NR’S(O)2R’’;−NR’’’S(O)2NR’R’’;アミジニル;グアニジニル;−(CH2)1−4−OR’;−(CH2)1−4−NR’R’’;−(CH2)1−4−SR’;−(CH2)1−4−SiR’R’’R’’’;−(CH2)1−4−OC(O)R’;−(CH2)1−4−C(O)R’;−(CH2)1−4−CO2R’;及び−(CH2)1−4CONR’R’’からなる群より選択され得、又は、0から(2m’+1)(式中、m’は、このような基における炭素原子の総数である)までの範囲の数でのそれらの組み合わせでありうる。R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指す。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合している場合、それらは、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成していてもよく、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意味する。
同様に、アリール基及びヘテロアリール基についての任意の置換基は多様である。ある実施態様では、アリール基及びヘテロアリール基についての置換基は、ハロゲン;CN;NO;N3;−OR’;パーフルオロ−C1〜C4アルコキシ;非置換C3〜C7シクロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC3〜C7シクロアルキル;非置換C6〜C10アリール(例えば、フェニル);ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);−NR’R’’;−SR’;−SiR’R’’R’’’;−OC(O)R’;−C(O)R’;−CO2R’;−CONR’R’’;−OC(O)NR’R’’;−NR’’C(O)R’;−NR’’’C(O)NR’R’’;−NR’’C(O)2R’;−S(O)2R’;−S(O)2NR’R’’;−NR’S(O)2R’’;−NR’’’S(O)2NR’R’’;アミジニル;グアニジニル;−(CH2)1−4−OR’;−(CH2)1−4−NR’R’’;−(CH2)1−4−SR’;−(CH2)1−4−SiR’R’’R’’’;−(CH2)1−4−OC(O)R’;−(CH2)1−4−C(O)R’;−(CH2)1−4−CO2R’;及び−(CH2)1−4CONR’R’’ からなる群より選択され得、又は、0から(2m’+1)(式中、m’は、このような基における炭素原子の総数である)までの範囲の数でのそれらの組み合わせでありうる。R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C1〜C6アルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6アルキル;非置換C1〜C6ヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されているC1〜C6ヘテロアルキル;非置換C6〜C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ又はNR’R’’により置換されているC6〜C10アリール;非置換3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている3〜11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指す。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合している場合、それらは、窒素原子と組み合わされて、3−、4−、5−、6−又は7−員環を形成することができ、ここで、環原子は、場合によりN、O又はSにより置換されており、ここで、環は、場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C1〜C6アルキル、非置換C1〜C6アルコキシ、オキソ又はNR’R’’により置換されている。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意味する。
「オキソ」という用語は、=O又は(=O)2を指す。
本明細書で使用する場合、化学構造中の結合と交差する波線:
は、化学構造中で波状結合が連結している原子の、分子の残り部分又は分子のフラグメントの残り部分への結合点を示す。ある実施態様では、アスタリスクを伴った矢印が、結合点を示すために、波線の要領で使用される。
特定の実施態様では、二価の基は、結合の配置を特定せず一般的に記載される。特に断りない限り、包括的な説明は、両方の結合の配置を含むことを意味すると理解される。例えば、基R1−R2−R3において、基R2が−CH2C(O)−と記載された場合には、特に断りない限り、この基は、R1−CH2C(O)−R3及びR1−C(O)CH2−R3の両方として結合することができると理解される。
「薬学的に許容し得る」という語句は、必要に応じて、動物、例えばヒト等に投与された場合に、有害な、アレルギー性の、又は他の好ましくない反応を生じない分子実体及び組成を指す。
本発明の化合物は、薬学的に許容し得る塩等の塩の形態にあってもよい。「薬学的に許容し得る塩」は、酸及び塩基付加塩の両方を含む。「薬学的に許容し得る酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的又は他の形で望ましくないものではない、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等、並びに脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸及びスルホン酸の部類から選択されうる有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等と形成される塩を指す。
「薬学的に許容し得る塩基付加塩」は、無機塩基に由来するもの、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等を含む。特定の塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。薬学的に許容し得る有機非毒性塩基に由来する塩は、第一級、第二級及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン類、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン(piperidine)、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩を含む。特定の有機非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインを含む。
ある実施態様では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホン酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、パルミチン酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、フロ酸塩(例えば、2−フロ酸塩又は3−フロ酸塩)、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩又はナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシラート(エタン−1,2−ジスルホン酸塩又はエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、イセチオナート(2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、D−マンデル酸塩、L−マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、エシラート、マロン酸塩、メシチラート(2−メシチレンスルホン酸塩)、ナプシラート(2−ナフタレンスルホン酸塩)、カンシラート(カンファー−10−スルホン酸塩、例えば、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸塩)、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、馬尿酸塩(2−(ベンゾイルアミノ)酢酸塩)、オロチン酸塩、キシラート(p−キシレン−2−スルホン酸塩)及びパモ酸塩(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ジナフチルメタン−3,3’−ジカルボン酸塩)から選択される。
「無菌」製剤は、無菌であるか、又は全ての生きている微生物及びそれらの胞子を含まない。
「立体異性体」は、同一の化学的構成を有するが、空間における原子又は基の配置に関して異なる、化合物を指す。立体異性体は、ジアステレオマー、エナンチオマー、配座異性体等を含む。
「キラル」は、鏡像パートナーの重ね合わせができないという特性を有する分子を指し、一方、「アキラル」という用語は、その鏡像パートナーとの重ね合わせが可能な分子を指す。
「ジアステレオマー」は、キラリティーの中心を2つ以上有し、その分子同士が鏡像ではない、立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性又は生物学的活性を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析法、例えば電気泳動及びクロマトグラフィー(例えば、HPLC)下で分離することができる。
「エナンチオマー」は、1つの化合物の、互いの重ね合わせられない鏡像である2つの立体異性体を指す。
本明細書で使用される立体化学的定義及び慣例は、一般的には、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., 「Stereochemistry of Organic Compounds」, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。多くの有機化合物は、光学活性形態で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を説明するに際し、接頭辞D及びL又はR及びSは、分子の絶対配置をそのキラル中心について示すのに使用される。接頭辞d及びl、又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の符号を表すのに利用され、(−)又はlは、化合物が左旋性であることを意味する。接頭辞(+)又はdを有する化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが相互に鏡像であることを除いて同一である。特定の1つの立体異性体をエナンチオマーと呼ぶこともあり、このような異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、これらは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択性又は立体特異性がなかった場合に生じうる。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指し、これは光学活性を欠いている。
「互変異性体」又は「互変異性形態」という用語は、低いエネルギー障壁を介して相互変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られる)は、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化等の、プロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互変換を含む。
本発明の化合物のあるものは、溶媒和されていない形態及び水和された形態を含む溶媒和された形態で存在することができる。「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と本発明の化合物との会合体又は複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンを含む。本発明の化合物のあるものは、複数の結晶又は非晶質形態で存在することができる。一般的には、全ての物理的形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。
「代謝物」は、特定の化合物又はその塩の体内での代謝により生成される生成物を指す。このような生成物は、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的開裂等から生じうる。
代謝生成物は、典型的には、本発明の化合物の放射性ラベル(例えば、14C又は3H)同位体を調製し、それを検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で、動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、サル又はヒトに投与し、代謝が起こるのに十分な時間(典型的には、約30秒〜30時間)を経過させ、その変換生成物を尿、血液又は他の生体サンプルから単離することにより特定される。これらの生成物は、それらがラベルされているため容易に単離される(他のものは、代謝物中の残存するエピトープに結合可能な抗体の使用により単離される)。代謝物の構造は、従来の様式、例えばMS、LC/MS又はNMR分析により決定される。一般的には、代謝物の分析は、当業者に周知の通常の薬剤代謝研究と同じ方法で行われる。代謝生成物は、in vivoにおいて別の形で見出されない限り、本発明の化合物の治療的投薬のための診断アッセイに有用である。
本明細書で使用する場合、「アミノ保護基」は、反応が化合物における他の官能基で行われる間に、アミノ基をブロックし又は保護するのに一般的に利用される基の誘導体を指す。このような保護基の例は、除去して所望のアミン基を再生することができる、カルバマート、アミド、アルキル及びアリール基及びイミン並びに多くのN−ヘテロ原子誘導体を含む。特定のアミノ保護基は、Pmb(p−メトキシベンジル)、Boc(tert−ブチルオキシカルボニル)、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)及びCbz(カルボベンジルオキシ)である。これらの基の更なる例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 「Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に見出される。「保護されているアミノ」という用語は、上記アミノ保護基のうちの1つにより置換されているアミノ基を指す。
本明細書で使用する場合、「カルボキシ保護基」は、分子の他の位置での後続の反応の条件に対して安定であり、適切な時点で、分子の残り部分を破壊することなく除去されて、保護されていないカルボキシ基を与えることができる基を指す。カルボキシ保護基の例は、エステル基及びヘテロシクリル基を含む。カルボン酸基のエステル誘導体は、反応が化合物における他の官能基で行われる間に、カルボン酸基をブロックし又は保護するのに利用することができる。このようなエステル基の例は、置換されているアリールアルキル(置換されているベンジル、例えば4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4’−ジメトキシベンズヒドリル、2,2’,4,4’−テトラメトキシベンズヒドリルを含む)、アルキル又は置換アルキルエステル、例えば、メチル、エチル、t−ブチル、アリル又はt−アミル、トリフェニルメチル(トリチル)、4−メトキシトリチル、4,4’−ジメトキシトリチル、4,4’,4’’−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロパ−2−イル、チオエステル、例えばt−ブチルチオエステル、シリルエステル、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルエステル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、ベータ−(トリメチルシリル)エチル、ベータ−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エン−3−イル及び類似する部分を含む。カルボキシ保護基の別の例は、ヘテロシクリル基、例えば、1,3−オキサゾリニルである。これらの基の更なる例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 「Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に見出される。「保護されているカルボキシ」という用語は、上記カルボキシ保護基のうちの1つにより置換されているカルボキシ基を指す。
本明細書で使用する場合、「ヒドロキシ保護基」は、化合物における他の官能基で反応が行われる間に、ヒドロキシ基をブロックし又は保護するのに一般的に利用されるヒドロキシ基の誘導体を指す。このような保護基の例は、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル及びシリルエーテル(例えば、TBS、TBDPS)基を含む。これらの基の更なる例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 「Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に見出される。「保護されているヒドロキシ」という用語は、上記ヒドロキシ保護基のうちの1つにより置換されているヒドロキシ基を指す。
「対象」、「個体」又は「患者」は、脊椎動物である。特定の実施態様では、脊椎動物は、哺乳類である。哺乳類は、家畜(ウシ等)、スポーツ動物、ペット(モルモット、ネコ、イヌ、ウサギ及びウマ等)、霊長類、マウス及びラット含むが、これらに限定されない。特定の実施態様では、哺乳類は、ヒトである。患者に対する、式Iで示される化合物又は表1に示される化合物又は実施例1〜15の化合物の投与を含む実施態様において、患者は、典型的には、同投与を必要とする。
「ヤヌスキナーゼ」という用語は、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2タンパク質キナーゼを指す。ある実施態様では、ヤヌスキナーゼは更に、JAK1、JAK2、JAK3又はTYK2のうちの1つと定義することができる。任意の実施態様において、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2のいずれか1つを、ヤヌスキナーゼとして具体的に除外することができる。ある実施態様では、ヤヌスキナーゼは、JAK1である。ある実施態様では、ヤヌスキナーゼは、JAK1とJAK2との組み合わせである。
「阻害する」及び「減少させる」という用語、又はこれらの用語の任意の変形は、所望の結果を達成するための任意の測定可能な減少又は完全な阻害を含む。例えば、約、多くとも約又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%もしくはそれ以上、又はその中の導出可能な任意の範囲の、通常と比較しての活性(例えば、JAK1活性)の低下があってよい。
ある実施態様では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、JAK3及びTYK2よりもJAK1の阻害に選択的である。ある実施態様では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、JAK2、JAK3もしくはTYK2、又はJAK2、JAK3もしくはTYK2の任意の組み合わせよりもJAK1の阻害に選択的である。ある実施態様では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、JAK3及びTYK2よりもJAK1及びJAK2の阻害に選択的である。ある実施態様では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、JAK3よりもJAK1の阻害に選択的である。「阻害に選択的」は、化合物が、特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性の阻害剤であって、別の特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%もしくはそれ以上、又はその中の導出可能な任意の範囲でより良好であるか、又は、特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性の阻害剤であって、別の特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性と比較して、少なくとも2、3、4、5、10、25、50、100、250もしくは500倍良好であることを意味する。
「治療上有効な量」は、(i)特定の疾患、状態もしくは障害を治療しもしくは予防し、又は、(ii)特定の疾患、状態もしくは障害の1つ以上の症状を減弱し、改善しもしくは排除し、及び場合により、(iii)本明細書に記載された特定の疾患、状態もしくは障害の1つ以上の症状の開始を予防しもしくは遅延させる、本発明の化合物、例えば、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物の量を意味する。ある実施態様では、治療上有効な量は、自己免疫疾患又は炎症性疾患(例えば喘息)の症状を減少させ、又は緩和するのに十分な量である。ある実施態様では、治療上有効な量は、B細胞の活性又は数を有意に減少させるのに十分な、本明細書に記載された化学的実体の量である。ガンの場合、治療上有効な量の薬剤は、ガン細胞の数を減少させ、腫瘍サイズを小さくし、末梢器官へのガン細胞の浸潤を阻害し(すなわち、ある程度遅くし、好ましくは停止させ)、腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度遅くし、好ましくは停止させ)、腫瘍成長をある程度阻害し、又は、ガンに関連する1つ以上の症状をある程度軽減することができる。薬剤が既存のガン細胞の増殖を妨げるか又は死滅させることができる程度に、該薬剤は、細胞増殖抑制性又は細胞傷害性であってよい。ガン治療に関して、効力は、例えば、疾患が進行するまでの時間(TTP)を評価するか、又は、奏功率(RR)を決定することにより測定することができる。
「処置(treatment)」(及び変形、例えば「処置する(treat)」又は「処置すること(treating)」)は、処置される個体又は細胞の自然な経過を変える試みにおける臨床介入を指し、予防のために、又は臨床病理の経過中のいずれかで行うことができる。処置の望ましい効果は、疾患の発生又は再発の予防、症状の緩和、疾患の何らかの直接的又は間接的な病理学的結果の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患の進行速度の低下、疾患状態の改善又は緩和、処置を受けない場合に予測される生存と比較した生存期間の延長及び寛解又は予後の改善を含む。ある実施態様では、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、疾患もしくは障害の進展を遅延させ、又は疾患もしくは障害の進行を遅らせるのに使用される。処置を必要とする者は、既に状態もしくは障害を有する者及び状態もしくは障害を有する傾向がある者(例えば、遺伝子変異を介して)、又は状態もしくは障害が予防されるべき者を含む。
「炎症性障害」は、過剰な又はレギュレーションされない炎症性応答が過剰な炎症性症状、ホスト組織傷害又は組織機能の喪失をもたらす任意の疾患、障害又は症候群を指す。「炎症性障害」はまた、白血球の流入又は好中球走化性により媒介される病理学的状態も指す。
「炎症」は、組織の損傷又は破壊により誘発される局所的な保護応答を指し、これは、有害な作用因子及び損傷した組織の両方を破壊し、希釈し又は壁で覆う(隔離する)のに役立つ。炎症は特に、白血球の流入又は好中球走化性に関連する。炎症は、病原性生物及びウイルスによる感染並びに非感染性手段、例えば、外傷又は心筋梗塞もしくは脳卒中後の再潅流、外来抗原に対する免疫応答及び自己免疫応答により生じる場合がある。したがって、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物による処置を受けやすい炎症性障害は、特異的防御系の反応及び非特異的防御系の反応に関連する障害を包含する。
「特異的防御系」は、特異的抗原の存在に反応する免疫系の成分を指す。特異的防御系の応答から生じる炎症の例は、外来抗原に対する古典的な応答、自己免疫疾患及びT細胞により媒介される遅延型過敏応答を含む。慢性炎症性疾患、固体の移植された組織及び臓器(例えば腎臓及び骨髄移植)の拒絶並びに移植片対宿主病(GVHD)は、特異的防御系の炎症反応の更なる例である。
「非特異的防御系」という用語は、免疫学的記憶ができない白血球(例えば、顆粒球及びマクロファージ)により媒介される炎症性障害を指す。少なくとも部分的に非特異的防御系の反応から生じる炎症の例は、成人(急性)呼吸窮迫症候群(ARDS)又は多臓器損傷症候群等の状態に関連する炎症;再潅流損傷;急性糸球体腎炎;反応性関節炎;急性炎症性成分による皮膚炎;急性化膿性髄膜炎又は他の中枢神経系炎症性障害、例えば、脳卒中;熱損傷;炎症性腸疾患;顆粒球輸血関連症候群;及びサイトカイン誘引毒性を含む。
「自己免疫疾患」は、組織損傷が身体自体の構成物に対する体液性応答又は細胞媒介性応答に関連する任意の群の障害を指す。自己免疫疾患の非限定的な例は、関節リウマチ、ループス及び多発性硬化症を含む。
本明細書で使用する場合、「アレルギー性疾患」は、アレルギーから生じる任意の症状、組織傷害又は組織機能の喪失を指す。本明細書で使用する場合、「関節炎疾患」は、各種の病因に起因し得る関節の炎症性病変により特徴付けられる任意の疾患を指す。本明細書で使用する場合、「皮膚炎」は、各種の病因に起因し得る皮膚の炎症により特徴付けられる皮膚の疾患の大きなファミリーのいずれかを指す。本明細書で使用する場合、「移植拒絶」は、移植された組織及び周囲の組織の機能の喪失、疼痛、腫脹、白血球増加及び血小板減少により特徴付けられる、移植された組織、例えば臓器又は細胞(例えば骨髄)に対して指向される任意の免疫反応を指す。本発明の治療方法は、炎症性細胞活性化に関連する障害の処置のための方法を含む。
「炎症性細胞活性化」は、増殖性細胞応答の刺激(サイトカイン、抗原又は自己抗体を含むが、これらに限定されない)、可溶性メディエーター(サイトカイン、酸素ラジカル、酵素、プロスタノイド又は血管作用性アミンを含むが、これらに限定されない)の産生又は炎症性細胞(単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球(すなわち多形核白血球、例えば好中球、好塩基球及び好酸球)、肥満細胞、樹状細胞、ランゲルハンス細胞及び内皮細胞を含むが、これらに限定されない)における新たな又は増加した数のメディエーター(主要組織適合性抗原又は細胞接着分子を含むが、これらに限定されない)の細胞表面発現による誘引を指す。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つ又は組み合わせの活性化が、炎症性障害の開始、持続又は悪化に寄与する場合があると、当業者に理解されるであろう。
ある実施態様では、本発明の方法により処置することができる炎症性障害は、喘息、鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎)、アレルギー性気道症候群、アトピー性皮膚炎、気管支炎、関節リウマチ、乾癬、接触性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患及び遅延型過敏反応を含むが、これらに限定されない。
「ガン」及び「ガン性」、「新生物」並びに「腫瘍」という用語並びに関連する用語は、典型的にはレギュレーションされない細胞増殖により特徴付けられる、哺乳類における生理学的状態を指すか、又は説明する。「腫瘍」は、1つ以上のガン性細胞を含む。ガンの例は、ガン腫、芽細胞腫、肉腫、セミノーマ、膠芽腫、黒色腫、白血病及び骨髄性又はリンパ性悪性腫瘍を含む。このようなガンのより具体的な例は、扁平上皮細胞ガン(例えば、上皮扁平上皮細胞ガン)並びに小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン(「NSCLC」)、肺の腺ガン及び肺の扁平上皮ガンを含む肺ガンを含む。他のガンは、皮膚、ケラトアカントーマ、濾胞性ガン、有毛細胞白血病、頬腔、咽頭(口腔)、口唇、舌、口腔、唾液腺、食道、喉頭、肝細胞、胃部、胃、胃腸、小腸、大腸、膵臓、子宮頸部、卵巣、肝臓、膀胱、肝ガン、乳房、結腸、直腸、結腸直腸、泌尿生殖器、胆道、甲状腺、乳頭、肝臓、子宮内膜、子宮、唾液腺、腎臓又は腎臓部、前立腺、精巣、外陰茎、腹膜、肛門、陰茎、骨、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、中枢神経系、脳、頭頚部、ホジキン及び関連転移を含む。新生物障害の例は、骨髄増殖性障害、例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、例えば、原発性骨髄線維症及び慢性骨髄性白血病(CML)を含む。
「化学療法剤」は、所与の障害、例えばガン又は炎症性障害の処置に有用な薬剤である。化学療法剤の例は、当技術分野において周知であり、米国特許出願公開第2010/0048557号公報に開示されているもの等の例を含む。同文献は、参照により本明細書に組み入れられる。加えて、化学療法剤は、化学療法剤のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体、並びにそれらの2つ以上の組み合わせを含む。
「添付文書」は、治療製品の市販包装に慣例的に含まれる説明書を指すのに使用され、このような治療製品の適応症、用法、用量、投与、禁忌又はその使用に関する警告についての情報を含む。
「本発明の化合物(compound(s) of this invention)」及び「本発明の化合物(compound(s) of the present invention)」等の用語は、特に断りない限り、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物及びそれらの立体異性体(アトロプ異性体を含む)、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、同位体、塩(例えば、薬学的に許容し得る塩)並びにプロドラッグを含む。ある実施態様では、溶媒和物、代謝産物、同位体もしくはプロドラッグ又はそれらの任意の組み合わせは除外される。
特に断りない限り、本明細書に示された構造は、1つ以上の同位体濃縮原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことも意味する。本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物に組み込むことができる例示的な同位体は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iのそれぞれを含む。同位体ラベル化合物(例えば、3H及び14Cによりラベルされたもの)は、化合物又は基質の組織分布アッセイに有用な場合がある。トリチウム化(すなわち3H)及び炭素−14(すなわち14C)同位体は、その調製の容易さ及び被検出能のために有用であることができる。更に、より重い同位体、例えば重水素(すなわち2H)による置換が、より高い代謝安定性(例えば、in vivo半減期の延長又は必要用量の減少)による特定の治療的利点をもたらすことがある。ある実施態様では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物において、1つ以上の水素原子が、2Hもしくは3Hで置換されるか、又は、1つ以上の炭素原子が、13Cもしくは14C富化炭素で置換される。陽電子放出同位体、例えば、15O、13N、11C及び18Fは、基質レセプター占有率を調べる陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体ラベル化合物は、一般的には、本明細書におけるスキーム又は実施例に開示されたものと類似の手順に従って、非同位体ラベル試薬を同位体ラベル試薬で置換することにより調製することができる。
本発明の一実施態様に関して検討された任意の限定を、本発明の任意の他の実施態様に適用しうることが、具体的に企図される。更に、本発明の任意の化合物又は組成物は、本発明の任意の方法において使用することができ、本発明の任意の方法は、本発明の任意の化合物又は組成物を製造し又は利用するのに使用することができる。
「又は」という用語の使用は、可能な選択肢だけを指すことが明示的に示されているか、又は、選択肢が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味するのに使用されるが、本開示は、可能な選択肢だけを指す定義及び「及び/又は」を支持する。
本願全体を通して、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するのに利用される装置又は方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すのに使用される。
本明細書で使用する場合、「a」又は「an」は、そうでないことが明確に示されない限り、1つ以上を意味する。本明細書で使用する場合、「別の」は、少なくとも第2又はそれ以上のものを意味する。
本明細書で使用される見出しは、編成目的のみを意図している。
ヤヌスキナーゼ阻害剤
また、実施例1〜15から選択される化合物及び表1における化合物、又はそれらの任意の組み合わせも提供される。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を含有していてもよい。したがって該化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー又はそれらの混合物として存在しうる。化合物の合成は、出発物質又は中間体としてラセミ体、ジアステレオマー又はエナンチオマーを利用してよい。特定のジアステレオマー化合物の混合物は、クロマトグラフィー又は結晶化法により分離し、又は1つ以上の特定のジアステレオマーについて富化してもよい。同様に、エナンチオマー混合物は、同じ技術、又は当技術分野において公知の他の技術を使用して分離し、又はエナンチオマー的に富化してもよい。不斉炭素原子又は不斉窒素原子はそれぞれ、R又はS立体配置であってよく、これらの立体配置はいずれも、本発明の範囲内である。
本明細書で示された構造において、任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合には、全ての立体異性体が企図され、本発明の化合物として含まれる。特定の立体配置を表わす実線の楔又は破線により立体化学が特定されている場合には、その立体異性体はその通りに特定され、定義される。特に断りない限り、実線の楔又は破線が使用されている場合、相対的な立体化学が意図される。
別の態様は、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物のプロドラッグを含み、これは既知のアミノ保護基及びカルボキシ保護基(生理的条件下で解除、例えば加水分解されて、本発明の化合物を生成する)を含んでいる。
「プロドラッグ」という用語は、薬学的に活性な物質の前駆体又は誘導体形態であって、患者に対する有効性が親薬剤に比して低いが、酵素的又は加水分解的に活性化又は変換して、より活性な親形態とすることができるものを指す。例えば、Wilman, 「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」 Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast (1986)及びStella et al., 「Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery,」 Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Press (1985)を参照のこと。プロドラッグは、リン酸エステル含有プロドラッグ、チオリン酸エステル含有プロドラッグ、硫酸エステル含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、場合により置換されているフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ又は場合により置換されているフェニルアセトアミド含有プロドラッグ並びに5−フルオロシトシン及び5−フルオロウリジンプロドラッグを含むが、これらに限定されない。
プロドラッグの特定の分類は、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジノ基における窒素原子が、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル(−CO−R)基、アルコキシカルボニル(−CO−OR)又はアシルオキシアルキル−アルコキシカルボニル(−CO−O−R−O−CO−R)基(式中、Rは、一価又は二価の基、例えば、アルキル、アルキレン又はアリールである)又は式−C(O)−O−CP1P2−ハロアルキル(式中、P1及びP2は、同じか又は異なり、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アルキル又はアリールである)を有する基により置換されている化合物である。特定の実施態様では、窒素原子は、式Iで示される化合物、又はその部分式のアミジノ基の窒素原子のうちの1つである。プロドラッグは、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を、活性化された基(アシル基等)と反応させて、例えば化合物中の窒素原子を、活性化アシル基の例示的なカルボニルに結合させることにより調製してもよい。活性化カルボニル化合物の例は、カルボニル基に結合した脱離基を含有するものであり、例えば、ハロゲン化アシル、アシルアミン、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、アシルフェノキシド、例えば、p−ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル及びジフルオロフェノキシアシルを含む。反応は、一般的には、不活性溶媒中、低温、例えば−78〜約50℃で行われる。反応は、無機塩基、例えば炭酸カリウムもしくは重炭酸ナトリウム、又は有機塩基、例えばピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等を含むアミンの存在下で行うこともできる。
更なる種類のプロドラッグも包含される。例えば、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物の遊離カルボキシル基は、アミド又はアルキルエステルとして誘導体化することができる。別の例として、遊離ヒドロキシ基を含む本発明の化合物は、Fleisher, D. et al., (1996) Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs Advanced Drug Delivery Reviews, 19:115に概説されているように、ヒドロキシ基を、リン酸エステル、ヘミスクシナート、ジメチルアミノアセタート又はホスホリルオキシメチルオキシカルボニル基等の基(これらに限定されない)に変換することにより、プロドラッグとして誘導体化することができる。ヒドロキシ基の炭酸エステルプロドラッグ、スルホン酸エステル及び硫酸エステルもそうであるように、ヒドロキシ基及びアミノ基のカルバマートプロドラッグも含まれる。ヒドロキシ基の、(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテル(式中、アシル基は、場合によりエーテル、アミン及びカルボン酸官能基(これらに限定されない)を含む基により置換されているアルキルエステルであってよく、又は、アシル基は、上記されたアミノ酸エステルである)としての誘導体化も包含される。この種のプロドラッグは、J. Med. Chem., (1996), 39:10に記載されている。より具体的な例は、アルコール基の水素原子を、(C1〜C6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1〜C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1〜C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1〜C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1〜C6)アルカノイル、アルファ−アミノ(C1〜C4)アルカノイル、アリールアシル及びアルファ−アミノアシル又はアルファ−アミノアシル−アルファ−アミノアシル(式中、各アルファ−アミノアシル基は独立して、天然のL−アミノ酸、P(O)(OH)2、−P(O)(O(C1〜C6)アルキル)2又はグリコシル(この基は、ヘミアセタール型の炭水化物のヒドロキシル基の除去により生じる)から選択される)等の基により置換することを含む。
「脱離基」は、化学反応における第1の反応物の一部であって、化学反応において第1の反応物から置き換えられるものを指す。脱離基の例は、ハロゲン原子、アルコキシ及びスルホニルオキシ基を含むが、これらに限定されない。スルホニルオキシ基の例は、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ(メシラート基)及びトリフルオロメチルスルホニルオキシ(トリフラート基))及びアリールスルホニルオキシ基(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ(トシラート基)及びp−ニトロスルホニルオキシ(ノシラート基))を含むが、これらに限定されない。
一実施態様では、R1は、−(C0〜C3アルキル)NRaRb又はその塩である。
一実施態様では、R1は、H又は−(C0〜C3アルキル)Raもしくはその塩である。
一実施態様では、R1は、−(C0〜C3アルキル)C(O)Ra又はその塩である。
一実施態様では、R
1は、H、メチル及び下記のもの:
からなる群より選択される。
一実施態様では、R1は、H又はメチルである。
一実施態様では、R
eは、メチル、エチル及び下記のもの:
からなる群より選択される。
一実施態様では、R
eは下記のもの:
からなる群より選択される。
一実施態様では、R2は、場合により1〜5個のRnにより置換されているフェニルである。
一実施態様では、R2は、場合により1〜2個のRnにより置換されているフェニルである。
一実施態様では、R
2は下記のもの:
から選択される。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される2又は3つの原子を含む9員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、9員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される2つの原子を含む9員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、9員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される3つの原子を含む9員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、9員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、少なくとも2つの窒素原子を含み、場合によりRuにより置換されている、9員の二環式ヘテロアリールである。
一実施態様では、Xは、少なくとも3つの窒素原子を含み、場合によりより多くのRuにより置換されている、9員の二環式ヘテロアリールである。
一実施態様では、Xは下記のもの:
からなる群より選択され、場合によりR
uにより置換されている。
一実施態様では、Xは下記のもの:
からなる群より選択される。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される2又は3つの原子を含む10員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、10員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される2つの原子を含む10員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、10員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、それぞれ独立してO、S及びNからなる群より選択される3つの原子を含む10員の二環式ヘテロアリールであり、ここで、10員の二環式ヘテロアリールは、場合によりRuにより置換されている。
一実施態様では、Xは、少なくとも2つの窒素原子を含み、場合によりRuにより置換されている、10員の二環式ヘテロアリールである。
一実施態様では、Xは、少なくとも3つの窒素原子を含み、場合によりRuにより置換されている、10員の二環式ヘテロアリールである。
一実施態様では、Xは、下記のもの:
からなる群より選択されない。
一実施態様では、Xは、下記のもの:
からなる群より選択され、場合によりR
uにより置換されている。
一実施態様では、本発明は、式:
[式中、
R
u1は、H又はメチルであり、
R
u2は、メチル又はジフルオロメチルであり、
R
u3は、メチル、メトキシ、ハロ又はNH
2である]
で示される化合物、又はその塩を提供する。
一実施態様では、本発明は、式:
[式中、
R
u1は、H又はメチルであり、
R
u2は、メチル又はジフルオロメチルである]
で示される化合物、又はその塩を提供する。
一実施態様では、本発明は、式:
で示される化合物、又はその塩を提供する。
一実施態様では、本発明は、式:
で示される化合物、又はその塩を提供する。
一実施態様では、本発明は、Xが、場合によりR
uにより置換されている下記のもの:
ではない、式(I)で示される化合物を提供する。
一実施態様では、本発明は、Xが下記のもの:
[式中、
R
3は、H、ハロゲン、シアノ、C
1〜C
3アルキル、C
2〜C
3アルケニル、C
2〜C
3アルキニル又は−OR
tであり、
R
4は、H、ハロゲン、シアノ、C
1〜C
3アルキル、C
2〜C
3アルケニル、C
2〜C
3アルキニル又は−OR
tであり、
R
5は、H、ハロゲン、シアノ、C
1〜C
3アルキル、C
2〜C
3アルケニル、C
2〜C
3アルキニル又は−OR
tであり、
各R
tは、独立して、H、C
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル、C
2〜C
6アルキニル又は−(C
0〜C
3アルキル)フェニルである]
ではない、式(I)で示される化合物を提供する。
一実施態様では、本発明は、下記のもの:
ではない、式(I)で示される化合物、又はその塩を提供する。
下記の本発明の化合物:
並びにその塩を、本明細書に見出される手順と同様の様式で、市販の出発物質を使用して調製することができる。
ヤヌスキナーゼ阻害剤化合物の合成
本発明の化合物は、本明細書に記載された合成経路により合成することができる。特定の実施態様では、本明細書に含まれる説明に加えて、又はそれを踏まえ、化学分野において周知のプロセスを使用することができる。出発物質は、商業的供給源、例えばAldrich Chemicals(Milwaukee, Wis.)から一般に入手できるか、又は、当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, N.Y. (1967-1999 ed.) Beilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(補足を含む(Beilsteinオンラインデータベースからも入手できる))又はComprehensive Heterocyclic Chemistry, Editors Katrizky and Rees, Pergamon Press, 1984に一般的に記載されている方法により調製される)。
化合物を単独で、又は化合物ライブラリ(少なくとも2つ、例えば5〜1,000個の化合物、もしくは10〜100個の化合物を含む)として調製することができる。化合物ライブラリを、コンビナトリアル「スプリット・アンド・ミックス」アプローチにより、又は液相もしくは固相化学のいずれかを使用する複数の並列合成により、当業者に公知の手法により調製することができる。このため、本発明の更なる態様によれば、少なくとも2つの本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を含む化合物ライブラリが提供される。
例証の目的で、以下に示された反応スキーム1〜16により、本発明の化合物及び重要な中間体を合成するための経路が提供される。個々の反応工程のより詳細な説明については、以下の実施例セクションを参照のこと。当業者であれば、他の合成経路を使用してもよいことを理解するであろう。幾つかの具体的な出発物質及び試薬がスキームにおいて示され、以下で検討されるが、他の出発物質及び試薬に置換して、各種の誘導体又は反応条件を提供することができる。加えて、以下に記載された方法により調製された多くの化合物を、本開示を踏まえて、当業者に周知の従来の化学を使用して更に修飾することができる。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠位(remote)官能基(例えば、第一級又は第二級アミン)の保護が必要な場合がある。このような保護についての必要性は、遠位官能基の性質及び調製法の条件に応じて変化するであろう。適切なアミノ保護基は、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、フェニルスルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)及び9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。このような保護についての必要性は、当業者により容易に決定される。保護基及びその使用の一般的な記載については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991を参照のこと。
本発明の化合物の合成において一般的に使用され、各種の試薬及び条件を使用して行うことができる他の変換は、下記のものを含む。
(1)カルボン酸をアミンと反応させてアミドを形成すること。このような変換は、当業者に公知の種々の試薬を使用して達成することができるが、包括的なレビューは、Tetrahedron, 2005, 61, 10827-10852に見出すことができる。
(2)第一級又は第二級アミンと、アリールハロゲン化物又は擬ハロゲン化物、例えばトリフラートの反応(「Buchwald−Hartwigクロスカップリング」として一般に公知)は、各種の触媒、リガンド及び塩基を使用して達成することができる。これらの方法のレビューは、Comprehensive Organic Name Reactions and Reagents, 2010, 575-581に提供される。
(3)アリールハロゲン化物とビニルボロン酸又はボロナートエステルとの間でのパラジウムクロスカップリング反応。この変換は、ある種の「鈴木−宮浦クロスカップリング」であり、Chemical Reviews, 1995, 95(7), 2457-2483に十分にレビューされている分類の反応である。
(4)エステルを加水分解して、対応するカルボン酸を与えることは、当業者に周知であり、条件は、メチル及びエチルエステルについては、水性強塩基、例えば水酸化リチウム、ナトリウムもしくはカリウム、又は水性強鉱酸、例えばHClの使用を含み;tert−ブチルエステルについては、加水分解は酸、例えばジオキサン中でHCl、又はジクロロメタン(DCM)中でトリフルオロ酢酸(TFA)を使用して行われるであろう。
他の例示的な変換は、以下のスキームに従って検討される。
式7で示される中間体の合成方法を、反応スキーム1に例示する。β−ケトエステル2を、化合物1から、塩化マグネシウムの存在下、マロナートのアニオンと反応させることにより生成させることができる。化合物2をDMFDMAと共に加熱して、化合物3を与えることができる。エタノール中での化合物4のヒドラジンとの環化により、ピラゾール化合物4が提供される。塩基性条件下での5の鹸化、次いでCurtius転位を使用して、boc−アミノピラゾール6を与えることができる。エタノール中、水性HClによるBoc保護基の除去により、化合物7が生成される。
式5で示される中間体の合成方法を、反応スキーム2に例示する。α−ブロモケトンを、化合物1から、臭素等の試薬を使用して生成することができる。ジ−tert−ブチルイミノジカーボナートを、水素化ナトリウム及び種々のα−ブロモケトン2によりアルキル化することにより、化合物3が生成される。化合物3をDMFDMAと共に加熱して、化合物4を与えることができる。エタノール中での化合物4のヒドラジンとの環化により、ピラゾール化合物5が提供される。
式4で示される化合物の合成のための代替的な方法が、反応スキーム3に記載されている。α−ブロモケトン1によるフタルイミドカリウムのアルキル化により、化合物2が生成される。DMFDMAとの縮合により、化合物3が生成される。化合物3をヒドラジンと環化させて、化合物4を生成することができる。
反応スキーム4は、式5で示される化合物の代替的な合成を例示する。反応スキーム5のようにして調製されたニトロ−SEMピラゾール化合物1を、低温で、リチウムヘキサメチルジシラジドにより位置選択的に脱プロトン化し、ヨウ素でクエンチして、2を生成することができる。化合物2のニトロ基を鉄及び塩化アンモニウムの存在下で還元し、次いでBoc保護して、化合物3を生成することができる。化合物3を、鈴木条件下でアリールボロン酸又はアリールボロナートとカップリングさせて、化合物4を生成することができる。四塩化スズによるBoc基の開裂後、式5で示される化合物が得られる。
式3で示される化合物の合成のための代替的な方法を、反応スキーム5に示す。市販の4−ニトロ−1H−ピラゾールを、水素化ナトリウム及び(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシランで処理することによって、[β−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)基により保護することができる。得られた化合物1を、パラジウム触媒条件下、臭化アリール又はヨウ化アリールによりアリール化して、式2で示される4−ニトロ−5−アリール−ピラゾールを生成することができる。化合物2のニトロ基を鉄及び塩化アンモニウムの存在下で還元して、アミノピラゾール3を生成することができる。
式3a及び3bで示される化合物の合成のための代替的な方法を、反応スキーム6に示す。市販の4−ニトロ−1H−ピラゾールを、炭酸セシウムの存在下で臭化アルキルと反応させて、化合物1を与えることができる。化合物1を、N,N−ジメチルアセトアミド中、酢酸パラジウム(II)、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン、炭酸カリウム及びトリメチル酢酸の存在下で臭化アリールと反応させて、化合物2a及び2bを与えることができる。生成物の比2a:2bは置換基R1に応じて変化するが、一般的には、反応は生成物2bの形成に有利である。化合物2a及び2bを、エタノール及び水中、鉄及び塩化アンモニウムの存在下で化合物3a及び3bに還元することができる。
反応スキーム7は、式4で示される化合物の合成を例示する。HATU及びDIEAの存在下での、市販の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸とのアミド結合カップリングにより、化合物3が提供される。エタノール中、水性HClによるSEM保護基の除去により、化合物4が生成される。
反応スキーム8は、式7で示される化合物の合成を例示する。式1で示されるアルデヒドを、脱水剤の存在下、メチルアミンで処理することにより、式2で示されるイミンに変換することができる。化合物2の環化を溶媒、例えばトルエン中で加熱することにより行い、化合物3を与えることができる。化合物3を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物4を与えることができる。化合物5の鹸化を、THFと水の混合物中、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して達成することができる。HATU及びDIEAの存在下での、アミノピラゾール6とのアミド結合カップリングにより、化合物7が提供される。
反応スキーム9は、式8で示される化合物の合成を例示する。式1で示されるアルデヒドを、脱水剤の存在下、4−メトキシベンジルアミンで処理することにより、式2で示されるPMB−イミンに変換することができる。化合物2の環化を溶媒、例えばトルエン中で加熱することにより行い、化合物3を与えることができる。化合物3を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物4を与えることができる。化合物5の鹸化を、THFと水の混合物中、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して達成することができる。HATU及びDIEAの存在下での、アミノピラゾール6とのアミド結合カップリングにより、化合物7が提供される。PMB基の除去を酸、例えばTFAで処理することにより達成して、式8で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム10は、式6で示される化合物の合成を例示する。式1で示される化合物を、2段階プロセスを使用して式2で示される化合物に変換することができる。化合物1をカリウムエチルキサントゲナート等の試薬で処理することにより、環化を行うことができる。次いでヨウ化メチルによるアルキル化により、式2で示される化合物を与えることができる。化合物2を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を使用してカルボニル化し、化合物4を与えることができる。化合物5の鹸化を、EtOHと水の混合物中、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して達成することができる。HATU及びDIEAの存在下での、化合物4のアミノピラゾール5とのアミド結合カップリングにより、化合物6が提供される。化合物6を封管中、溶媒、例えばイソプロパノール中で、高温下にアンモニアにより処理して、化合物7を与えることができる。亜硝酸アミル等の試薬を使用した化合物7のジアゾ化により、化合物8を与えることができる。化合物8からのSEM基の除去を、酸、例えばHClによって処理することにより達成して、式9で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム11は、式2で示される化合物の合成を例示する。化合物1からのSEM基の除去を、酸、例えばHClによって処理することにより達成して、式9で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム12は、式6で示される化合物の合成を例示する。化合物1を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物2を与えることができる。化合物5の鹸化を、THFと水の混合物中、塩基、例えば水酸化ナトリウムを使用して達成することができる。PyAOP及びDIEAの存在下での、化合物3のアミノピラゾール4とのアミド結合カップリングにより、化合物5が提供される。化合物5からのSEM基の除去を、酸、例えばHClによって処理することにより達成して、式6で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム13は、式7で示される化合物の合成を例示する。式1で示される化合物を、炭酸セシウム及び(2−(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシランで処理することにより、[β−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)基で保護して、化合物2を与えることができる。化合物2を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物3を与えることができる。化合物3の鹸化を、MeOHと水と混合物中、塩基、例えば水酸化ナトリウムを使用して達成することができる。PyAOP及びDIEAの存在下での、アミノピラゾール5とのアミド結合カップリングにより、化合物6が提供される。SEM基の除去を、酸、例えばTFAによって処理することにより達成して、式7で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム14は、式6で示される化合物の合成を例示する。化合物1を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物2を与えることができる。化合物3の鹸化を、THFと水の混合物中、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して達成することができる。PyAOP及びDIEAの存在下での、アミノピラゾール4とのアミド結合カップリングにより、化合物5が提供される。SEM基の除去を、酸、例えばTFAによって処理することにより達成して、式6で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム15は、式6で示される化合物の合成を例示する。化合物1を、一酸化炭素の雰囲気下、Pd触媒条件を用いてカルボニル化し、化合物2を与えることができる。化合物3の鹸化を、THFと水の混合物中、塩基、例えば水酸化リチウムを使用して達成することができる。PyAOP及びDIEAの存在下での、アミノピラゾール4とのアミド結合カップリングにより、化合物5が提供される。SEM基の除去を、酸、例えばTFAによって処理することにより達成して、式6で示される化合物を与えることができる。
反応スキーム16は、式2で示される化合物の合成を例示する。Boc基の除去を、酸、例えばTFAによって処理することにより達成して、式2で示される化合物を与えることができる。
適切な官能基が存在する場合、種々の式で示される化合物、又はそれらの調製に使用される任意の中間体は、縮合、置換、酸化、還元又は開裂反応を利用する1つ以上の標準的な合成法により、更に誘導体化されうることが理解されるであろう。特定の置換アプローチは、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化及びカップリング法を含む。
更なる例において、第一級アミン又は第二級アミン基をアシル化によりアミド基(−NHCOR’又は−NRCOR’)に変換することができる。アシル化を、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中、塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に、適切な酸塩化物と反応させることにより、又は、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中、適切なカップリング剤、例えばHATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)の存在下に、適切なカルボン酸と反応させることにより達成することができる。同様に、アミン基は、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中、適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に、適切なスルホニルクロリドと反応させることにより、スルホンアミド基(−NHSO2R’又は−NR’’SO2R’)に変換することができる。第一級又は第二級アミン基を、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中、適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に、適切なイソシアナートと反応させることにより、尿素基(−NHCONR’R’’又は−NRCONR’R’’)に変換することができる。
アミン(−NH2)を、ニトロ(−NO2)基の還元により、例えば、触媒的水素化(例えば、溶媒、例えば酢酸エチル又はアルコール(例えばメタノール)中、金属触媒、例えば炭素等の支持体に担持されたパラジウムの存在下に、水素を使用するもの)により得ることができる。代替的に、この変換を、例えば、酸、例えば塩酸の存在下、金属、例えばスズ又は鉄を使用する化学的還元により行うことができる。
更なる例において、アミン(−CH2NH2)基を、ニトリル(−CN)の還元により、例えば、触媒的水素化(例えば、溶媒(例えばエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン)中、金属触媒、例えば炭素等の支持体に担持されたパラジウム、又はラネーニッケルの存在下、適切な温度、例えば約−78℃〜溶媒の還流温度で、水素を使用するもの)により得ることができる。
更なる例において、アミン(−NH2)基を、カルボン酸基(−CO2H)から、対応するアシルアジド(−CON3)への変換、クルチウス転位及び得られたイソシアナート(−N=C=O)の加水分解により得ることができる。
アルデヒド基(−CHO)を、溶媒、例えばハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)又はアルコール(例えばエタノール)中、必要に応じて酸、例えば酢酸の存在下、周囲温度付近で、アミン及び水素化ホウ素、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムを利用する還元的アミノ化により、アミン基(−CH2NR’R’’)に変換することができる。
更なる例において、アルデヒド基は、当業者に公知の標準的な条件下、適切なホスホラン又はホスホナートを使用するWittig又はWadsworth−Emmons反応の使用により、アルケニル基(−CH=CHR’)に変換することができる。
アルデヒド基を、適切な溶媒、例えばトルエン中、水素化ジイソブチルアルミニウムを使用するエステル基(例えば、−CO2Et)又はニトリル(−CN)の還元により得ることができる。代替的には、アルデヒド基を、当業者に公知の任意の適切な酸化剤を使用するアルコール基の酸化により得ることができる。
エステル基(−CO2R’)を、Rの性質に応じた酸又は塩基触媒加水分解により、対応する酸基(−CO2H)に変換することができる。Rがt−ブチルである場合、酸触媒加水分解を、例えば、水性溶媒中での有機酸、例えばトリフルオロ酢酸による処理により、又は、水性溶媒中での無機酸、例えば塩酸による処理により達成することができる。
カルボン酸基(−CO2H)を、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中、適切なカップリング剤、例えばHATUの存在下、適切なアミンと反応させることにより、アミド(CONHR’又は−CONR’R’’)に変換することができる。
更なる例において、カルボン酸を、対応する酸クロリド(−COCl)への変換、次いでArndt−Eistert合成により、炭素1つの差がある同族体とする(homologated by one carbon)(すなわち、−CO2Hから−CH2CO2Hへ)ことができる。
更なる例において、−OH基を、対応するエステル(例えば−CO2R’)又はアルデヒド(−CHO)から、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン中、複合金属水素化物、例えば水素化アルミニウムリチウムを、又は溶媒、例えばメタノール中、水素化ホウ素ナトリウムを使用する還元により生成することができる。代替的に、アルコールを、例えば、溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、水素化アルミニウムリチウムを使用して、又は溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、ボランを使用して、対応する酸(−CO2H)の還元により調製することができる。
アルコール基を、当業者に公知の条件を使用して、脱離基、例えばハロゲン原子又はスルホニルオキシ基、例えばアルキルスルホニルオキシ(例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシ)又はアリールスルホニルオキシ(例えばp−トルエンスルホニルオキシ基)に変換することができる。例えば、アルコールを、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)中、塩化チオニル(thioyl chloride)と反応させて、対応する塩化物を生成することができる。塩基(例えば、トリエチルアミン)も、この反応に使用することができる。
別の例において、アルコール、フェノール又はアミド基を、溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン及び活性化剤、例えばジエチル−、ジイソプロピル又はジメチルアゾジカルボキシラートの存在下、フェノール又はアミドをアルコールとカップリングさせることにより、アルキル化することができる。代替的に、アルキル化を、適切な塩基、例えば水素化ナトリウムを使用する脱プロトン化、次いでこれに続くアルキル化剤、例えばハロゲン化アルキルの添加により達成することができる。
化合物中の芳香族ハロゲン置換基を、溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、場合により低温、例えば約−78℃で、塩基、例えばリチウム塩基(例えばn−ブチル又はt−ブチルリチウム)による処置によるハロゲン−金属交換に供し、次いで求電子剤でクエンチして、所望の置換基を導入することができる。このため、例えば、求電子剤としてN,N−ジメチルホルムアミドを使用することにより、ホルミル基を導入することができる。代替的に、芳香族ハロゲン置換基を金属(例えば、パラジウム又は銅)触媒反応に供して、例えば酸、エステル、シアノ、アミド、アリール、ヘテロアリール(heteraryl)、アルケニル、アルキニル、チオ又はアミノ置換基を導入することができる。利用することができる適切な手法は、Heck、Suzuki、Stille、Buchwald又はHartwigにより記載されたものを含む。
また、芳香族ハロゲン置換基は、適切な求核剤、例えばアミン又はアルコールとの反応続く求核置換を受けることもある。好ましくは、このような反応をマイクロ波照射の存在下、高温で行うことができる。
分離法
例示的なスキームそれぞれにおいて、反応生成物を互いに、又は出発物質から分離することが有利な場合がある。各工程、又は一連の工程の所望の生成物を、当技術分野において一般的な技術により、所望の程度の均質性に分離し又は精製する(以下、分離する)。典型的には、このような分離は、溶媒又は溶媒混合物からの多相抽出、結晶化もしくはトリチュレーション、蒸留、昇華又はクロマトグラフィーを含む。クロマトグラフィーは、例えば、逆相及び順相;サイズ排除;イオン交換;超臨界流体;高圧、中圧及び低圧液体クロマトグラフィー法及び装置;小規模分析;模擬移動床(SMB)及び調製用薄層又は厚層クロマトグラフィー並びに小規模薄層クロマトグラフィー及びフラッシュクロマトグラフィーの技術を含む任意の数の方法を含みうる。
別の分類の分離法は、所望の生成物、未反応出発物質、反応副生成物等に結合するか、又は他の方法で分離可能にするように選択された試薬による混合物の処理を含む。このような試薬は、吸着剤又は吸収剤、例えば活性炭、分子ふるい、イオン交換媒体等を含む。代替的に、この試薬は、酸(塩基性材料の場合)、塩基(酸性材料の場合)、結合試薬、例えば抗体、結合タンパク質、選択的キレート剤、例えばクラウンエーテル、液体/液体イオン抽出試薬(LIX)等であってよい。
適切な分離法の選択は、関与する物質の性質により決まる。分離法の例は、蒸留及び昇華における沸点及び分子量、クロマトグラフィーにおける極性官能基の有無、多相抽出における酸性及び塩基性媒体中での物質の安定性等を含む。当業者であれば、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を適用するであろう。
ジアステレオマー混合物は、当業者に周知な方法により、例えばクロマトグラフィー又は分別結晶化により、それらの物理的、化学的差異に基づいて、それらの個々のジアステレオ異性体に分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えばキラル補助剤、例えばキラルアルコール又はモシャー酸クロリド)との反応により、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオ異性体を分離し、個々のジアステレオ異性体を対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば加水分解する)ことにより、分離することができる。また、本発明の化合物の幾つかはアトロプ異性体(例えば置換ビアリール)である場合があり、これも本発明の一部とみなされる。またエナンチオマーは、キラルHPLCカラム又は超臨界流体クロマトグラフィーの使用によっても分離することができる。
実質的にその立体異性体を含まない単一の立体異性体(例えばエナンチオマー)は、光学活性な分割剤を使用するジアステレオマーの形成等の方法を使用する、ラセミ混合物の分割により得ることができる(Eliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994;Lochmuller, C. H., J. Chromatogr., 113(3):283-302 (1975))。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩の形成及び分別結晶化又は他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬によるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離及び純粋な立体異性体への変換並びに(3)キラル条件下での、実質的に純粋な、又は富化された立体異性体の直接的な分離を含む、任意の適切な方法により分離し、単離することができる。Drug Stereochemistry, Analytical Methods and Pharmacology, Irving W. Wainer, Ed., Marcel Dekker, Inc., New York (1993)を参照のこと。
ジアステレオマー塩は、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基、例えばブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等と、酸性官能基、例えばカルボン酸及びスルホン酸を有する不斉化合物との反応により形成することができる。ジアステレオマー塩は、分別結晶化又はイオンクロマトグラフィーにより分離するように誘導することができる。アミノ化合物の光学異性体の分離のために、キラルカルボン酸又はスルホン酸、例えばカンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸又は乳酸の添加により、ジアステレオマー塩の形成をもたらすことができる。
代替的には、分割すべき基質を、キラル化合物の一方のエナンチオマーと反応させて、ジアステレオマー対を形成する(Eliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994, p. 322)。不斉化合物を、エナンチオマー的に純粋なキラル誘導体化試薬、例えばメンチル誘導体と反応させて、ジアステレオマー化合物を形成し、次いでジアステレオマーを分離し、加水分解して、純粋な又は富化されたエナンチオマーを生成することができる。光学純度を決定する方法は、ラセミ混合物のキラルエステル、例えばメンチルエステル(例えば、塩基の存在下で(−)メンチルクロロホルマート)、又はモシャーエステルであるα−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセタート(Jacob, J. Org. Chem. 47:4165 (1982))を作成すること、及び2つのアトロプ異性体エナンチオマー又はジアステレオマーの存在について、NMRスペクトルを分析することを含む。アトロプ異性体化合物の安定なジアステレオマーは、アトロプ異性体ナフチル−イソキノリンの分離のための方法に従って、順相及び逆相クロマトグラフィーにより分離し、単離することができる(参照により本明細書に組み入れられる第WO96/15111号)。方法(3)により、2つのエナンチオマーのラセミ混合物を、キラル固定相を使用するクロマトグラフィーにより分離することができる(Chiral Liquid Chromatography W. J. Lough, Ed., Chapman and Hall, New York, (1989);Okamoto, J. of Chromatogr. 513:375-378 (1990))。富化又は精製されたエナンチオマーは、不斉炭素原子を有する他のキラル分子を区別するのに使用される方法、例えば、旋光度及び円二色性により区別することができる。キラル中心及びエナチオマーの絶対立体化学は、x線結晶学により決定することができる。
式Iで示される化合物及びそれらの合成のための中間体の位置異性体、例えば、E型及びZ型は、NMR及び分析用HPLC等の特徴決定法により観察することができる。相互変換のためのエネルギー障壁が十分に高い特定の化合物については、E及びZ異性体を、例えば調製用HPLCにより分離することができる。
医薬組成物及び投与
本発明が関係する化合物は、JAKキナーゼ阻害剤、例えばJAK1阻害剤であり、幾つかの疾患、例えば炎症性疾患、例えば喘息の処置に有用である。
したがって、別の実施態様は、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤又は賦形剤とを含有する医薬組成物又は医薬、並びに本発明の化合物を使用して、このような組成物及び医薬を製造する方法を提供する。
一例では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、生理学的に許容し得る担体、すなわち、ガレヌス投与形態に利用される投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と、周囲温度、適切なpH及び所望の程度の純度で混合することにより、製剤化することができる。製剤のpHは主に、特定の用途及び化合物の濃度により決まるが、典型的には、約3〜約8の範囲のどこかである。一例では、式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を、pH5の酢酸緩衝液中で製剤化する。別の実施態様では、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、無菌である。化合物は、例えば固体又は非晶質組成として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存することができる。
組成物は、適正医療規範(good medical practice)と合致する様式で処方され、投薬され、投与される。この文脈において考慮される要素は、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング及び医師に知られている他の要素を含む。
任意の特定の患者についての具体的な用量レベルは、利用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤の組み合わせ及び処置を受けている特定の疾患の重症度を含む各種の要素により決まるであろうと理解されよう。最適な用量レベル及び投薬の頻度は、医薬分野で必要とされるように、臨床試験により決定されるであろう。一般的には、経口投与のための1日用量範囲は、単回又は分割用量において、ヒトの体重1kgあたり約0.001mg〜約100mg、多くの場合、0.01mg〜約50mg/kg、例えば、0.1〜10mg/kgの範囲内にあるであろう。一般的には、吸入投与のための1日用量範囲は、単回又は分割用量において、ヒトの体重1kgあたり約0.1μg〜約1mg、好ましくは、0.1μg〜50μg/kgの範囲内にあるであろう。一方、場合によっては、これらの範囲外の投与量を使用する必要がある場合がある。
本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、経口、局所(バッカル及び舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内、吸入並びに硬膜外及び鼻腔内並びに、局所処置が所望される場合、病変内投与を含む、任意の適切な手段により投与することができる。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与を含む。ある実施態様では、吸入投与が利用される。
本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、任意の好都合な投与形態、例えば錠剤、散剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、顆粒剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、吸入剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ等で投与することができる。このような組成物は、医薬調製物において慣用的な成分、例えば希釈剤(例えばグルコース、ラクトース又はマンニトール)、担体、pH調整剤、緩衝剤、甘味料、増量剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、香料、香味剤、他の公知の添加剤並びに更なる活性剤を含有していてもよい。
適切な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004;Gennaro, Alfonso R., et al.Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000;及びRowe, Raymond C., Handbook of Pharmaceutical Excipients, Chicago, Pharmaceutical Press, 2005に詳細に記載されている。例えば、担体は、当業者に公知であろうように、溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬剤、薬剤安定化剤、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素等の材料及びそれらの組み合わせを含む(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, pp 1289-1329, 1990を参照のこと)。何らかの従来の担体が有効成分と不適合である場合を除いて、治療組成物又は医薬組成物におけるその使用が企図される。例示的な賦形剤は、リン酸二カルシウム、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム又はそれらの組み合わせを含む。医薬組成物は、それが固体、液体又はエアロゾル形態で投与されるか否か、及びこのような投与経路のために無菌である必要があるか否かに応じて、異なる種類の担体又は賦形剤を含んでいてよい。
例えば、経口投与のための錠剤及びカプセル剤は、単位用量提供形態であってよく、従来の賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントもしくはポリビニル−ピロリドン;充填材、例えばラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールもしくはグリシン;打錠用滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールもしくはシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、又は許容し得る湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有していてよい。錠剤は、通常の薬務において周知の方法に従って被覆することができる。経口液体調製物は、例えば水性又は油性懸濁液、溶液、乳液、シロップ又はエリキシルの形態であってもよく、又は、使用前に水又は他の適切な媒体で再構成するための乾燥製品として提供してもよい。このような液体調製物は、従来の添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、水素化食用脂肪;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレアート又はアラビアゴム;非水性媒体(これは、食用油を含むことができる)、例えばアーモンド油、分別ココナッツ油、油性エステル、例えばグリセリン、プロピレングリコール又はエチルアルコール;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル又はソルビン酸及び必要に応じて従来の香味剤又は着色剤を含有していてもよい。
皮膚への局所適用のために、化合物は、クリーム剤、ローション剤又は軟膏剤に構成してもよい。薬剤に使用することができるクリーム又は軟膏製剤は、例えば、英国薬局方等の医薬品の標準的な教科書に記載されているような、当技術分野において周知の従来の製剤である。
また、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、吸入用に、例えば鼻スプレー、又は乾燥粉末もしくはエアロゾル吸入剤として製剤化することもできる。吸入による送達のために、化合物は、典型的には微粒子の形態にあり、これは噴霧乾燥、凍結乾燥及び微粉化を含む各種の技術により調製することができる。エアロゾル生成は、例えば圧力駆動ジェットアトマイザー、又は超音波アトマイザーを使用して、例えば噴霧剤駆動計量エアロゾル、又は微粉化化合物の噴霧剤フリー投与(例えば、吸入カプセルもしくは他の「乾燥粉末」送達システムからのもの)を使用して行うことができる。
例として、本発明の組成物は、ネブライザーからの送達のための懸濁液として、又は液体噴射剤中のエアロゾル(例えば、加圧計量用量吸入器(PMDI)における使用のための)として調製することができる。PMDIでの使用に適した噴射剤は、当業者に公知であり、CFC−12、HFA−134a、HFA−227、HCFC−22(CCl2F2)及びHFA−152(CH4F2及びイソブタン)を含む。
ある実施態様では、本発明の組成物は、乾燥粉末吸入器(DPI)を使用する送達のための乾燥粉末形態である。多くの種類のDPIが公知である。
投与による送達のための微粒子は、送達及び放出を補助する賦形剤と共に製剤化することができる。例えば、乾燥粉末製剤では、微粒子は、DPIから肺への流れを補助する大きな担体粒子と共に製剤化することができる。適切な担体粒子は公知であり、ラクトース粒子を含み、それらは例えば、90μm超の空気動力学的中央粒子径を有していてよい。
エアロゾル系製剤の場合、例は、以下のとおりである。
本発明の化合物* 24mg/キャニスター
レシチン、NF Liq.Conc. 1.2mg/キャニスター
トリクロロフルオロメタン、NF 4.025g/キャニスター
ジクロロジフルオロメタン、NF 12.15g/キャニスター
*例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物
化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、使用される吸入器システムに応じて記載されるように投薬することができる。化合物に加えて、投与形態は、上記された賦形剤又は、例えば噴射剤(例えばFrigen(計量エアロゾルの場合))、界面活性物質、乳化剤、安定化剤、保存剤、香味料、充填材(例えばラクトース(粉末吸入器の場合))、又は必要に応じて、更なる活性化合物を更に含有していてもよい。
吸入の目的で、患者にとって適切な吸入技術を使用して、最適な粒径のエアロゾルを生成し、投与することができる、多数のシステムが利用可能である。計量エアロゾルのためのアダプタ(スペーサ、エキスパンダ)及び洋ナシ形容器(例えば、Nebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))及びパファースプレーを放出する自動装置(Autohaler(登録商標))の使用に加えて、特に粉末吸入器の場合、多くの技術的解決策が利用可能である(例えば、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)又は、例えば参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,263,475号に記載された吸入器)。加えて、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、組み合わせ薬剤の送達が可能となるマルチチャンバー装置において送達してもよい。
また、化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、無菌媒体中において、非経口的に投与することもできる。使用される媒体及び濃度に応じて、化合物は、媒体中に懸濁又は溶解のいずれかをさせることができる。有利には、補助剤、例えば局所麻酔剤、保存剤又は緩衝剤を、媒体に溶解させることができる。
標的吸入薬剤送達
局所(吸入)投与による肺への送達のための薬剤の最適化は、近年レビューされている(Cooper, A. E. et al. Curr. Drug Metab. 2012, 13, 457-473)。送達装置における限界のために、吸入された薬剤の用量は、高度に強力な分子を必要とするヒトにおいて低くなりやすい(約1mg/日未満)。乾燥粉末吸入により送達される予定の化合物については、1〜5μmのサイズに微粉化することができる、化合物の結晶形態を生成できるという要件もある。加えて化合物は、所望の持続期間の薬理学的効果を発揮できるように、所定の期間にわたって肺における十分な濃度が維持され、また全身的阻害が望ましくない薬理学的標的の場合には、全身的暴露が少なくなる必要がある。肺は本質的に、大きな分子(タンパク質、ペプチド)と、肺での短い半減期を伴う低分子の両方に対して高い透過性を有するため、化合物の1つ以上の特徴の修飾(膜透過性の最小化、溶解速度の低下、もしくはリン脂質に富む肺組織への結合を高めるための、化合物へのある程度の塩基性の導入)により、又は酸性細胞内区画、例えばリソソーム(pH5)での捕捉により、肺吸収速度を減じることが必要である。したがって、ある実施態様では、本発明の化合物は、これらの特徴の1つ以上を示す。
ヤヌスキナーゼ阻害剤による処置方法及びヤヌスキナーゼ阻害剤の使用
本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの活性を阻害する。例えば、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、JAK1キナーゼによるシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)のリン酸化並びにSTAT媒介サイトカイン産生を阻害する。本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、サイトカイン経路、例えば、IL−6、IL−15、IL−7、IL−2、IL−4、IL−9、IL−10、IL−13、IL−21、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ又はIFNガンマ経路を介して、細胞におけるJAK1キナーゼ活性を阻害するのに有用である。したがって、一実施態様では、細胞を本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物と接触させて、細胞におけるヤヌスキナーゼ活性(例えば、JAK1活性)を阻害する方法が提供される。
本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、異常なIL−6、IL−15、IL−7、IL−2、IL−4、IL9、IL−10、IL−13、IL−21、G−CSF、IFNアルファ、IFNベータ又はIFNガンマのサイトカインシグナル伝達により駆動される免疫障害の処置に使用することができる。
したがって、一実施態様は、治療における使用のための、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を含む。
ある実施態様では、炎症性疾患の処置における、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物の使用が提供される。更に、炎症性疾患、例えば喘息の処置用の医薬の製造のための、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物の使用が提供される。また、炎症性疾患、例えば喘息の処置における使用のための、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物も提供される。
別の実施態様は、患者におけるヤヌスキナーゼ活性、例えばJAK1キナーゼ活性の阻害に応答性の疾患又は状態、例えば喘息を予防し、治療し、又は同疾患又は状態の重症度を下げる方法を含む。この方法は、治療上有効な量の本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を、患者に投与する工程を含むことができる。一実施態様では、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの阻害に応答性の疾患又は状態は、喘息である。
一実施態様では、疾患又は状態は、ガン、脳卒中、糖尿病、肝腫大、心血管疾患、多発性硬化症、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、乾癬、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息、アレルギー性障害、炎症、神経障害、ホルモン関連疾患、臓器移植に関連する状態(例えば移植拒絶)、免疫不全障害、破壊性骨障害、増殖性障害、感染性疾患、細胞死に関連する状態、トロンビン誘引性血小板凝集、肝疾患、T細胞活性化を伴う病的免疫状態、CNS障害又は骨髄増殖性障害である。
一実施態様では、炎症性疾患は、関節リウマチ、乾癬、喘息、炎症性腸疾患、接触皮膚炎又は遅延型過敏反応である。一実施態様では、自己免疫疾患は、関節リウマチ、ループス又は多発性硬化症である。
一実施態様では、ガンは、乳房、卵巣、子宮頸、前立腺、精巣、陰茎、泌尿生殖器、セミノーマ、食道、喉頭、胃部、胃、胃腸、皮膚、ケラトアカントーマ、濾胞性ガン、メラノーマ、肺、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン(NSCLC)、肺腺ガン、肺の扁平上皮ガン、結腸、膵臓、甲状腺、乳頭、膀胱、肝臓、胆道、腎臓、骨、骨髄性障害、リンパ系障害、有毛細胞、頬腔及び咽頭(口腔)、口唇、舌、口腔、唾液腺、喉頭、小腸、結腸、直腸、肛門、腎臓部、前立腺、外陰茎、甲状腺、大腸、子宮内膜、子宮、脳、中枢神経系、腹膜ガン、肝細胞ガン、頭部ガン、頚部ガン、ホジキン又は白血病である。
一実施態様では、疾患は、骨髄増殖性障害である。一実施態様では、骨髄増殖性障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症又は慢性骨髄性白血病(CML)である。
別の実施態様は、本明細書に記載された疾患(例えば炎症性障害、免疫障害又はガン)の処置用の医薬の製造のための、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物の使用を含む。一実施態様では、本発明は、JAKキナーゼ、例えばJAK1の阻害を標的とすることにより、本明細書に記載された疾患又は状態、例えば炎症性障害、免疫障害又はガンを処置する方法を提供する。
併用療法
本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、単独で、又は処置のための他の薬剤と組み合わせて利用することができる。医薬組成物又は投薬計画の第2の化合物は、典型的には、本発明の化合物に対して補完的な活性を有し、それらが互いに悪影響を及ぼさないようにする。このような薬剤は、適切には、意図した目的に有効な量で、組み合わされて存在する。化合物は、単一の医薬組成物中に共に又は別々に投与されてもよく、別々に投与される場合、これは同時に、又は連続的に行われうる。このような連続投与は、時間的に近くても、離れていてもよい。
例えば、炎症性疾患、例えば喘息の予防又は治療のために、他の化合物を、本発明が関係する化合物と組み合わせることができる。このため、本発明はまた、治療上有効な量の本発明の化合物と、1つ以上の他の治療剤とを含む医薬組成物に関する。本発明の化合物との併用療法に適した治療剤は、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト;抗感染剤;非ステロイド系グルココルチコイドレセプター(GRレセプター)アゴニスト;酸化防止剤;β2アドレナリンレセプターアゴニスト;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1以外);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ホルミルペプチドレセプターアンタゴニスト;ヒストンデアセチラーゼアクチベーター;塩化物チャネルhCLCA1遮断剤;上皮ナトリウムチャネル遮断剤(ENAC遮断剤;細胞間接着分子1遮断剤(ICAM遮断剤);IKK2阻害剤;JNK阻害剤;シクロオキシゲナーゼ阻害剤(COX阻害剤);リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトルエンレセプターアンタゴニスト;二重β2アドレナリンレセプターアゴニスト/M3レセプターアンタゴニスト(MABA化合物);MEK−1阻害剤;ミエロペルオキダーゼ阻害剤(MPO阻害剤);ムスカリンアンタゴニスト;p38 MAPK阻害剤;ホスホジエステラーゼPDE4阻害剤;ホスファチジルイノシトール 3−キナーゼδ阻害剤(PI3−キナーゼδ阻害剤);ホスファチジルイノシトール 3−キナーゼγ阻害剤(PI3−キナーゼγ阻害剤);ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターアゴニスト(PPARγアゴニスト);プロテアーゼ阻害剤;レチノイン酸レセプターモデュレーター(RARγモデュレーター);スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;TLR7レセプターアゴニスト;又は血管拡張剤を含むが、これらに限定されない。
加えて、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、(1)コルチコステロイド、例えばアルクロメタゾンジプロピオナート、アメロメタゾン、ベクロメタゾンジプロピオナート、ブデソニド、ブチキソコートプロピオナート、ビクレソニド、ブロベタゾールプロピオナート、デスイソブチリルシクレソニド、デキサメタゾン、ジチプレドノール(dtiprednol)ジクロアセタート、フルオシノロンアセトニド、フルチカゾンフロアート、フルチカゾンプロピオナート、ロテプレドノールエタボナート(局所的)又はモメタゾンフロアート;(2)β2アドレナリンレセプターアゴニスト、例えばサルブタモール、アルブテロール、テルブタリン、フェノテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、リモテロール、テルブタリン、トレトキノール、ツロブテロール及び長時間作用型β2アドレナリンレセプターアゴニスト、例えばメタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、サルメテロール、インダカテロール、ホルモテロール(ホルモテロールフマラートを含む)、アルホルモテロール、カルモテロール、アベジテロール、ビランテロールトリフェナート、オロダテロール;(3)コルチコステロイド/長時間作用型β2アゴニスト併用製品、例えばサルメテロール/フルチカゾンプロピオナート(Advair(登録商標)、Seretide(登録商標)としても販売されている)、ホルモテロール/ブデソニド(Symbicort(登録商標))、ホルモテロール/フルチカゾンプロピオナート(Flutiform(登録商標))、ホルモテロール/シクレソニド、ホルモテロール/モメタゾンフロアート、インダカテロール/モメタゾンフロアート、ビランテロールトリフェナート/フルチカゾンフロアート又はアルホルモテロール/シクレソニド;(4)抗コリン剤、例えばムスカリン−3(M3)レセプターアンタゴニスト、例えば臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、アクリジニウム(LAS−34273)、臭化グリコピロニウム、臭化ウメクリジニウム;(5)M3−抗コリン剤/β2アドレナリンレセプターアゴニスト併用製品、例えばビランテロール/ウメクリジニウム(Anoro(登録商標)Ellipta(登録商標))、オロダテロール/臭化チオトロピウム、臭化グリコピロニウム/インダカテロール(Ultibro(登録商標)、Xoterna(登録商標)としても販売されている)、臭化水素酸フェノテロール/臭化イプラトロピウム(Berodual(登録商標))、硫酸アルブテロール/臭化イプラトロピウム(Combivent(登録商標))、ホルモテロールフマラート/グリコピロラート又は臭化アクリジニウム/ホルモテロール;(6)二重薬理M3−抗コリン剤/β2アドレナリンレセプターアゴニスト、例えばバテフェンテロールシクシナート、AZD−2115又はLAS−190792;(7)ロイコトリエンモデュレーター、例えばロイコトリエンアンタゴニスト、例えばモンテルカスト、ザフィルラストもしくはプランルカスト又はロイコトリエン生合成阻害剤、例えばジロイトン、又はLTB4アンタゴニスト、例えばアメルバント、又はFLAP阻害剤、例えばフィボフラポン、GSK−2190915;(8)ホスホジエステラーゼ−IV(PDE−IV)阻害剤(経口又は吸入)、例えばロフルミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、ロリプラム、テトミラスト、AVE−8112、レバミラスト、CHF6001;(9)抗ヒスタミン剤、例えば選択的ヒスタミン−1(H1)レセプターアンタゴニスト、例えばフェキソフェナジン、シチリジン、ロラチジンもしくはアステミゾール又は二重H1/H3レセプターアンタゴニスト、例えばGSK 835726もしくはGSK 1004723;(10)鎮咳剤、例えばコデイン又はデキストラモルファン;(11)粘液溶解剤、例えばN−アセチルシステイン又はフドステイン;(12)去痰薬/粘液動態モデュレーター、例えばアンブロキソール、高張液(例えば生理食塩水又はマンニトール)又は界面活性剤;(13)ペプチド粘液溶解剤、例えば組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼI(ドルナーゼ−アルファ及びrhDNase)又はヘリシジン;(14)抗生物質、例えばアジスロマイシン、トブラマイシン又はアズトレオナム;(15)非選択的COX−1/COX−2阻害剤、例えばイブプロフェン又はケトプロフェン;(16)COX−2阻害剤、例えばセレコキシブ及びロフェコキシブ;(17)VLA−4アンタゴニスト、例えば第WO97/03094号及び同第97/02289号(各文献は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているもの;(18)TACE阻害剤及びTNF−α阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体、例えばRemicade(登録商標)及びCDP−870並びにTNFレセプター免疫グロブリン分子、例えばEnbrel(登録商標);(19)マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、例えばMMP−12;(20)ヒト好中球エラスターゼ阻害剤、例えばBAY−85−8501又は第WO2005/026124号、同第2003/053930号及び同第06/082412号(各文献は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているもの;(21)A2bアンタゴニスト、例えば第WO2002/42298号(同文献は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているもの;(22)ケモカインレセプター機能のモデュレーター、例えばCCR3及びCCR8のアンタゴニスト;(23)他のプロスタノイドレセプターの作用を調節する化合物、例えばトロンボキサンA2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト、例えばラロピプラント又はアサピプラント、CRTH2アンタゴニスト、例えばOC000459、フェビピプラント、ADC3680又はARRY502;(24)PPARアルファアゴニスト(例えばフェノフィブラート)、PPARデルタアゴニスト、PPARガンマアゴニスト(例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン及びバラグリタゾン)を含むPPARアゴニスト;(25)メチルキサンチン、例えばテオフィリン又はアミノフィリン及びメチルキサンチン/コルチコステロイド併用品、例えばテオフィリン/ブデソニド、テオフィリン/フルチカゾンプロピオナート、テオフィリン/シクレソニド、テオフィリン/モメンタゾンフロアート及びテオフィリン/ベクロメタゾンジプロピオナート;(26)A2aアゴニスト、例えばEP第1052264号及び同第1241176号に記載されているもの;(27)CXCR2又はIL−8アンタゴニスト、例えばAZD−5069、AZD−4721、ダニリキシン;(28)IL−Rシグナル伝達モデュレーター、例えばキネレット及びACZ885;(29)MCP−1アンタゴニスト、例えばabn−912;(30)p38MAPK阻害剤、例えばBCT197、JNJ49095397、ロスマピモド又はPH−797804;(31)TLR7レセプターアゴニスト、例えばAZD8848;(32)PI3−キナーゼ阻害剤、例えばRV1729又はGSK2269557と組み合わせることができる。
ある実施態様では、本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、1つ以上の更なる薬剤、例えば抗過剰増殖剤、抗ガン剤、細胞分裂阻害剤、細胞傷害剤、抗炎症剤又は化学療法剤、例えばUS第2010/0048557号(同文献は、参照により本明細書に組み入れられる)に開示されているような薬剤と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物は、当技術分野で知られているように、放射線療法又は手術と組み合わせて使用することもできる。
製品
別の実施態様は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの阻害に応答性の疾患又は障害を処置するための製品(例えば、キット)を含む。該キットは、
(a)本発明の化合物、例えば式Iで示される化合物、又は表1に示される化合物、又は実施例1〜15の化合物を含む第1の医薬組成物と、
(b)使用のための説明書と、
を含むことができる。
別の実施態様では、該キットは、
(c)第2の医薬組成物、例えば、上記された処置のための薬剤、例えば、炎症性障害の処置のための薬剤又は化学療法剤を含む医薬組成物
を更に含む。
一実施態様では、説明書には、それを必要とする患者への前記第1及び第2の医薬組成物の同時、連続又は別々の投与が記載されている。
一実施態様では、第1及び第2の組成物は、別々の容器に収容される。別の実施態様では、第1及び第2の組成物は、同じ容器に収容される。
使用する容器は、例えばボトル、バイアル、シリンジ、ブリスターパック等を含む。容器は、各種の材料、例えばガラスやプラスチックから形成されていてよい。容器は、本発明の化合物、例えば、式Iで示される化合物もしくは表1に示される化合物もしくは実施例1〜15の化合物又はその組成物(これらは状態を処置するのに有効である)を含み、無菌アクセスポートを有することができる(例えば、この容器は、静脈内溶液バッグ又は皮下注射針により穿刺可能なストッパーを有するバイアルであってよい)。ラベル又は添付文書は、化合物又は組成物が喘息、ガン等の選択された状態を処置するのに使用されることを示す。一実施態様では、ラベル又は添付文書は、化合物又は組成物が障害を処置するのに使用することができることを示す。加えて、ラベル又は添付文書は、処置される患者が、過活性又は不規則なヤヌスキナーゼ活性、例えば、過活性又は不規則なJAK1活性を特徴とする障害を有することを示していてよい。ラベル又は添付文書はまた、化合物又は組成物が他の障害を処置するのに使用することができることをも示していてよい。
代替的に、又は付加的に、該キットは、薬学的に許容し得る緩衝液、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液又はデキストロース溶液を含む、第2の(又は第3の)容器を更に含んでいてよい。商業的観点及び利用者の観点から望まれる他の材料(他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む)を更に含んでいてよい。
本発明を例証するために、下記実施例を含める。ただし、これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を実施する方法を示唆することのみを意味すると理解されたい。当業者であれば、記載される化学反応が本発明の他の化合物を調製するのに容易に適合させることができること及び化合物を調製するための代替法が本発明の範囲内であることを認識するであろう。例えば、本発明の例示されていない化合物の合成は、当業者に明らかな修飾により、例えば干渉基を適切に保護することにより、記載されたもの以外の当技術分野において公知の他の適切な試薬を利用することにより、又は反応条件のルーチンな修飾を行うことにより、成功裡に行うことができる。代替的に、本明細書に開示されるか又は当技術分野において公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適用性を有すると認識されるであろう。
実施例
本発明をある程度詳細に説明し、例示してきたが、本開示は単に例としてなされたものであり、部品の組み合わせ及び配置における多数の変更が、特許請求の範囲により定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により用いられ得ると理解される。
略称
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO−d6 重水素化ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
HATU (O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)
HCl 塩酸
HM−N Isolute HM−Nは、改変型の珪藻土である。
L リットル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
mL ミリリットル
NaOH 水酸化ナトリウム
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)
Pd(dppf)Cl2 [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体
Pd(OAc)2 酢酸パラジウム(II)
Pd(PPh3)4 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
RT 周囲温度
THF テトラフルオロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
XantPhos 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
NMR分析法:1H NMRスペクトルを、ATM+Zを有する5mmブロードバンド液体プローブBBFOを備えるBruker Avance III 300(300MHz)分光計及びATM+Zを有する5mmブロードバンド液体プローブBBFOを備えるBruker Avance III HD(400MHz)分光計を使用して、周囲温度で記録した。化学シフトをテトラメチルシランに対するppmで表現する。下記略称を使用した。br=幅広のシグナル、s=シングレット、d=ダブレット、dd=ダブルダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット。
LCMS分析法:保持時間(RT)及び関連する質量イオンを決定するための高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)実験を、220nm及び254nmでモニターするUV検出器、又は蒸発光散乱検出のいずれか、及びESI+イオン化モードで110〜800amuをスキャンする質量分析で、下記方法のうちの1つを使用して行った。
NMR分析法:1H NMRスペクトルを、ATM+Zを有する5mmブロードバンド液体プローブBBFOを備えるBruker Avance III 300(300MHz)分光計及びATM+Zを有する5mmブロードバンド液体プローブBBFOを備えるBruker Avance III HD(400MHz)分光計を使用して、周囲温度で記録した。化学シフトをテトラメチルシランに対するppmで表現する。下記略称を使用した。br=幅広のシグナル、s=シングレット、d=ダブレット、dd=ダブルダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット。
LCMS分析法:保持時間(RT)及び関連する質量イオンを決定するための高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)実験を、220nm及び254nmでモニターするUV検出器、又は蒸発光散乱検出のいずれか、及びESI+イオン化モードで110〜800amuをスキャンする質量分析で、下記方法のうちの1つを使用して行った。
方法A
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.0 95 5
2.20 1.0 0 100
3.20 1.0 0 100
3.30 1.0 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法B
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.0 95 5
3.50 1.0 15 85
4.20 1.0 15 85
4.30 1.0 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法C
Poroshell HPH-C18カラム(50×3mm、粒径2.7μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水/5mM NH4HCO3;溶媒B:アセトニトリルで溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.5 90 10
2.00 1.5 5 95
2.70 1.5 5 95
2.80 1.5 90 10
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法D
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.0 95 5
1.10 1.0 0 100
1.60 1.0 0 100
1.70 1.0 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法E
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.0 95 5
4.20 1.0 20 80
5.20 1.0 20 80
5.30 1.0 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法F
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.0 70 30
4.20 1.0 15 85
5.20 1.0 15 85
5.30 1.0 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法G
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.2 95 5
3.50 1.2 60 40
3.70 1.2 0 100
4.70 1.2 0 100
4.75 1.2 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法H
Shim-Pack XR-ODSカラム(50×3mm、粒径2.2μm)を備えたSHIMADZU 20A HPLCにおいて、溶媒A:水+0.05% トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05% トリフルオロ酢酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間 流速(ml/分) %A %B
0.00 1.2 95 5
2.00 1.2 5 95
2.70 1.2 5 95
2.75 1.2 95 5
検出−UV(220及び254nm)及びELSD
方法I
Acquity UPLC(バイナリポンプ/PDA検出器)+ZQ質量分析計において、イオン化源としてESIを使用して、実験を行った。LC分離には、流速0.4ml/分で、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、100×2.1mmカラムを使用した。溶媒Aは0.1% ギ酸を含む水であり、溶媒Bは0.1% ギ酸を含むアセトニトリルである。勾配は、5% 溶媒Bで0.4分、次いで6分まで5〜95% 溶媒B、そして6.8分まで95% B保持からなった。LCカラム温度は40℃である。UVダイオードアレイ200〜500nm及び質量スペクトルフルスキャンを全ての実験に適用した。
方法J
正及び負イオンモードで作動するエレクトロスプレー源を備え、Waters 1525 LCシステムに連結されたWaters ZMD単一四重極質量分析計において、実験を行った。検出は、UVダイオードアレイ検出器及びSedex 85蒸発光散乱検出器を使用して達成した。LCカラムは、Phenomenex Luna 3ミクロンC18(2)30×4.6mmであった。流速は2mL/分であった。最初の溶媒系は、0.1% ギ酸を含有する水(溶媒A)95%及び0.1% ギ酸を含有するアセトニトリル(溶媒B)5%で0.5分であり、次いで、次の4分間かけて5% 溶媒A及び95% 溶媒Bまでの勾配とした。最後の溶媒系を更に1分間一定に保持した。
方法K
イオン化源としてESIを使用するAgilent MSD(6140)質量分析計と連結したAgilent 1290 UHPLC(Phenomenex XB-C18、1.7μm、50×2.1mm、粒径1.7μm)において、溶媒A:水+0.1% ギ酸;溶媒B:アセトニトリル+0.1% ギ酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
勾配−時間(分) 流速(ml/分) %A %B
0 0.4 98 2
1.5 0.4 2 98
8.5 0.4 2 98
10 0.4 2 98
11.5 0.4 98 2
検出−UV(200nm、254nm)
方法L
イオン化源としてESIを使用するAgilent MSD(6140)質量分析計と連結したAgilent 1200 HPLC(Agilent ZORBAX SB-C18、粒径1.8μm、2.1×50mm)において、溶媒A:水+0.1% ギ酸;溶媒B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出させて、実験を行った。勾配:
分 流速(ml/分) %A %B
0.0 0.4 97 3
7.0 0.4 5 95
8.5 0.4 5 95
8.7 0.4 97 3
10 0.4 97 3
検出−UV(200nm、254nm)
中間体1の調製
3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン
撹拌されている5−クロロ−2−メトキシ安息香酸(1.87g、10.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、N,N−カルボニルジイミダゾール(1.64g、10.1mmol)を加え、撹拌を20分間継続して、アシル−イミダゾールを生成した。別に、カリウムエチルマロナート(4.08g、23.99mmol)及び塩化マグネシウム(1.15g、12.10mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)中に懸濁させた。アシル−イミダゾール溶液を塩化マグネシウム混合物に加えた。添加が完了したら、この混合物を50℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチルと水の間で分配し、有機部分を硫酸マグネシウムで乾燥させ、celiteのパッドに通してろ過し、濃縮して、エチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−オキソプロパノアート(2.57g、101%)を提供した。これを更に精製することなく使用した。LC/MS(ESI):[M+H]
+=257.2。
エチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−オキソプロパノアート(10.0mmol)と1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(3.0mL、22.0mmol)の撹拌されている混合物を、90℃で2時間加熱した。この混合物をRTに放冷し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中0〜80%の酢酸エチル)により精製して、エチル 2−(5−クロロ−2−メトキシベンゾイル)−3−(ジメチルアミノ)アクリラート(2.49g、80%)を与えた。LC/MS(ESI):[M+H]+=312.2。
エチル 2−(5−クロロ−2−メトキシベンゾイル)−3−(ジメチルアミノ)アクリラート(2.49g、8.00mmol)及びヒドラジン(0.40mL、13.0mmol)のエタノール(20mL)溶液を、70℃で2時間加熱した。この混合物を室温に放冷し、溶媒を蒸発させて、エチル 5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(2.24g、100%)を提供した。これを更に精製することなく使用した。LC/MS(ESI):[M+H]+=281.3。
エチル 5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(2.24g、8.00mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に、炭酸セシウム(3.417g、10.49mmol)及びヨードメタン(0.60mL、9.60mmol)を加えた。反応混合物を40℃で4時間加熱し、次いで追加のヨードメタン(0.2mL、3.21mmol)を加え、加熱を続けた。更に2.5時間後、反応混合物を室温に放冷し、酢酸エチルと水の間で分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中0〜35%の酢酸エチル)により精製して、位置異性生成物であるエチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾ−ル−4−カルボキシラートとエチル 5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾ−ル−4−カルボキシラート(2.18g、92%)の1:1混合物を生成した。LC/MS(ESI):[M+H]+=295.1。
エタノール(15mL)中の、エチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾ−ル−4−カルボキシラートとエチル 5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾ−ル−4−カルボキシラートの混合物(1:1位置異性体混合物、2.18g、7.40mmol)及び1.0M 水酸化ナトリウム水溶液(12mL、20.0mmol)を50℃で14時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、蒸発させた。残留物を水で希釈し、1.0M リン酸水溶液の添加により、pHを2に調整した。水相をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濃縮して、対応するカルボン酸(1.79g、91%)を生成した。これを直ちに先に進めた。LCMS(ESI)M+H=267.2。酸のジオキサン(15mL)溶液に、トリエチルアミン(2.0mL、14mmol)及びジフェニルホスホンアジド(1.6mL、7.4mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで90℃に加熱し、tert−ブチルアルコール(15mL)を加えた。90℃で2.5時間撹拌した後、この混合物を室温に放冷し、溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルと水の間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中0〜50%の酢酸エチル)により精製し、2つの位置異性体を分離して、以下を得た:
tert−ブチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルカルバマート(543mg、48%)。LC/MS(ESI):[M+H]+=338.3;1H NMR (400MHz, CDCl3): δ: 7.84 (s, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.23 (s, 1H), 6.96 (d, 1H), 5.92 (s, 1H), 3.89 (m, 6H), 1.48 (s, 9H)。
tert−ブチル 5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルカルバマート(774mg、68%)。LC/MS(ESI):[M+H]+=338.3;1H NMR (400MHz, CDCl3): δ: 7.84 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.29 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 3.89 (m, 6H), 1.48 (s, 9H)。
撹拌されているtert−ブチル 3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルカルバマート(0.23g、0.68mmol)の1,2−ジクロロエタン(5mL)溶液に、塩化水素(4.0Mの1,4−ジオキサン溶液2.0mL、8.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌し、次いで蒸発乾固させた。固体残留物をジクロロメタンと重炭酸ナトリウム飽和水溶液の間で分配した。水性部分をジクロロメタンでもう一度抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中0〜100%の酢酸エチル)により精製して、3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(65.9mg、41%)を生成した。LC/MS(ESI):[M+H]+=238.2;1H NMR (400MHz, CDCl3): δ:7.53 (s, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.91 (d, 1H), 3.91 (d, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.84 (s, 3H)。
中間体2の調製
5−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−アミン
2−ブロモ−4−クロロフェノール(4.98g、24.0mmol)のDMF(25mL)溶液に、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(8.42g、55.2mmol)、炭酸セシウム(10.97g、33.67mmol)及び水(2.5mL)を加えた。反応物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水の間で分配し、有機部分をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させた。粗生成物を、ヘプタン中0〜20%のEtOAcで溶出するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−ブロモ−4−クロロ−1−(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(2.98g、48%)を透明な無色の油状物として生成した。LCMS(ESI)m/zシグナルなし;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ7.90 (d, 1H), 7.54 (dd, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.28 (t, 1H)。
4−ニトロ−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール(調製は第WO2011/003065号に記載されている)(46.5g、191mmol)のDMA(350mL)溶液に、2−ブロモ−4−クロロ−1−ジフルオロメトキシベンゼン(64.0g、248mmol)、酢酸パラジウム(II)(2.15g、9.6mmol)、ジ−(アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(5.0g、13.4mmol)、炭酸カリウム(79.2g、573mmol)及びトリメチル酢酸(5.27g、51.6mmol)を加えた。混合物を窒素で10分間脱気し、次いで130℃で8時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、ろ過し、蒸発させた。得られた粗物質をシクロヘキサン中0〜10%のEtOAcで溶出するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−(5−クロロ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−4−ニトロ−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール(62.4g、78%)を与えた。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ8.24 (s, 1H), 7.52-7.53 (m, 2H), 6.39 (t, 1H), 5.29 - 5.30 (m, 2H), 3.63 - 3.64 (m, 2H), 0.90 (s, 9H)。
5−(5−クロロ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−4−ニトロ−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール(62g、148mmol)のエタノール(600mL)溶液に、水(200mL)、塩化アンモニウム(32g、590mmol)及び鉄粉(41g、740mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱し、次いで室温に放冷した。残留固形物を、celite(登録商標)に通してろ過することにより除去した。ろ液を減圧下で蒸発させ、水で希釈し、DCMで2回抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、蒸発させて、暗色の油状物を与えた。油状物を、DCM中0〜25%のEtOAcで溶出するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を集め、溶媒を真空中で除去して、5−(5−クロロ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(30.8g、54%)を褐色の油状物として与えた。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ7.56 (d, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.30 - 7.25 (m, 1H), 6.37 (t, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.56 (t, 2H), 0.88 (dd, 2H), 0.00 (s, 9H)。
5−(5−クロロ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(60.0g、154mmol)のTHF(100mL)溶液を、氷水で冷却したTHF(300mL)中のピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニルクロリド(27.8g、153mmol)及びDIPEA(49.5g、383mmol)の混合物に30分間かけて滴加した。添加が完了したら、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を0.5N HCl水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をCelite(登録商標)に通して、残留固形物を除去し、ろ液を1M K2CO3水溶液、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて、赤色の固体を与えた。この固体をシクロヘキサン中10%のジエチルエーテルでトリチュレートした。固体をろ過により集め、シクロヘキサン中1:1のジエチルエーテルで洗浄し、風乾して、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸[5−(5−クロロ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−1−(2−トリメチルシラニルエトキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミド(59.2g、73%)をオフホワイト色の固体として与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ9.61 (s, 1H), 8.77-8.78 (m, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.01 (dd, 1H), 6.42 (t, 1H), 5.39-5.41 (m, 2H), 3.60-3.64 (m, 2H), 0.87-0.89 (m, 2H), 0.09 (s, 9H)。
実施例1
N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキサミド
4−アジド−5−ブロモニコチンアルデヒド(0.50g、2.2mmol)のTHF(10mL)溶液に、メチルアミン(THF中2M、9.0mL、18mmol)及び無水硫酸ナトリウムを加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。固体をろ過により除去し、ろ液を蒸発させて、粗1−(4−アジド−5−ブロモピリジン−3−イル)−N−メチルメタンイミン(0.578g、定量的と推定)を与えた。イミンをトルエン(50mL)に溶解させ、還流下で4時間加熱した。冷却した反応混合物を蒸発させ、残留物をジクロロメタンと希炭酸水素ナトリウムの間で分配した。水相を更にジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10〜100%の酢酸エチル)により精製して、7−ブロモ−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(0.18g、38%)を白色の固体として与えた。TLC:Rf=0.07;DCM/EA=1/1。
7−ブロモ−2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(0.179g、0.844mmol)、酢酸パラジウム(II)(15.1mg、0.067mmol)、Xantphos(78mg、0.135mmol)、トリエチルアミン(1.5mL)、メタノール(0.7mL)及びトルエン(3mL)の混合物に一酸化炭素を通じ、その後、一酸化炭素風船下に置き、70℃で18時間撹拌した。冷却した反応混合物を蒸発させ、残留物を酢酸エチルと水の間で分配した。水相を更に酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2〜10%の2M アンモニア(メタノール中))により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、メチル 2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラート(30mg、19%)を淡黄褐色の固体として与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 9.28 (s, 1H), 8.99 (s, 1 H), 8.26 (s, 1H), 4.35 (s, 3H), 4.04 (s, 3H)。
メチル 2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラート(30mg、0.157mmol)のTHF(3mL)溶液に、水酸化リチウム水和物(13.2mg、0.314mmol)の水(0.5mL)溶液を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。1M HCl(0.314mL)を加え、混合物を蒸発乾固させた。DMFを加え、得られた溶液を蒸発させて、粗2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボン酸を与えた。この酸をDMF(2mL)に溶解させ、3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(41mg、0.173mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0816mL、0.471mmol)を加え、次いでHATU(90mg、0.236mmol)を3分間かけて少しずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水の間で分配した。水相を更に酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:酢酸エチル中2〜14%のメタノール)により精製した。NMRから、不純物メチル 2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラートが示された。生成物をTHF(1.5mL)に溶解させ、水酸化リチウム水和物(3mg、0.071mmol)の水(0.2mL)溶液を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで蒸発乾固した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中2〜8%の2M アンモニア(メタノール中))により精製し、次いで酢酸イソプロピルからトリチュレートして、メチル 2−メチル−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラート(21.8mg、35%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]+=396.8、RT=2.92分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.32 (s, 1H), 9.34 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.14 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.68 (s, 3H)。
実施例2
N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキサミド
4−アジド−5−ブロモニコチンアルデヒド(0.50g、2.2mmol)のTHF(13mL)溶液に、4−メトキシベンジルアミン(0.343mL、2.64mmol)のTHF(2mL)溶液を加えた。無水硫酸ナトリウムを加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を蒸発させて、粗1−(4−アジド−5−ブロモピリジン−3−イル)−N−(4−メトキシベンジル)メタンイミンを与えた。このイミンをトルエン(45mL)に溶解させ、2.5時間加熱還流した。冷却した反応混合物を蒸発させ、残留物をシリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中50〜100%の酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、7−ブロモ−2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(0.48g、69%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.98 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.62 (s, 2H), 3.82 (s, 3H)。
7−ブロモ−2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン(0.48g、1.51mmol)、酢酸パラジウム(II)(27mg、0.12mmol)、Xantphos(139mg、0.24mmol)、トリエチルアミン(2.7mL)、メタノール(1.25mL)及びトルエン(5.5mL)の混合物に一酸化炭素を通じ、その後、一酸化炭素風船下に置き、70℃で20時間撹拌した。冷却した反応混合物を酢酸エチルと水の間で分配した。水相を更に酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:酢酸エチル中0〜100%の酢酸メチル)により精製して、メチル 2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラート(0.31g、69%)を淡黄褐色の固体として与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 9.21 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.67 (s, 2H), 4.05 (s, 3H), 3.83 (s, 3H)。
メチル 2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキシラート(0.10g、0.336mmol)のTHF(5mL)溶液に、水酸化リチウム水和物(28.3mg、0.673mmol)の水(1mL)溶液を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。1M HCl(0.67mL)を加え、混合物を蒸発乾固させた。DMFを加え、蒸発させて、粗2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボン酸を与えた。この酸をDMF(3mL)に溶解させ、3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(87.7mg、0.369mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.175mL、1.0mmol)を加え、次いでHATU(0.193g、0.508mmol)を5分間かけて少量ずつ加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで酢酸エチルと水の間で分配した。水相を更に酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:酢酸エチル中2〜12%のメタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させ、得られた残留物をメタノールからトリチュレートして、N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキサミド(54.2mg、32%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(ESI):[M+H]+=502.9、RT=3.69分。
N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキサミド(29mg、0.0576mmol)のトリフルオロ酢酸(0.5mL)溶液を、マイクロ波照射下、100℃で1時間加熱した。冷却した反応混合物にトルエンを加え、蒸発させた。残留物をジクロロメタンと希炭酸水素ナトリウムの間で分配した。水相を更にジクロロメタンで抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカでのクロマトグラフィー(溶媒勾配:ジクロロメタン中1〜8%の2M アンモニア(メタノール中))により精製して、N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−7−カルボキサミド(17.7mg、80%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]+=382.8、RT=2.82分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.96 (brs, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.45 (brs, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.42 (s, 2H), 7.15-7.12 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.73 (s, 3H)。
実施例3
N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド
N,N−ジメチルアセトアミド(8.0mL)中の4−アミノ−3,5−ジブロモピリジン(643mg、2.55mmol、1当量)及びカリウムエチルキサントゲナート(495mg、3.09mmol、1.21当量)の入った密閉反応容器を、マイクロ波照射により160℃で20分間加熱した。追加のカリウムエチルキサントゲナート(0.490g、3.06mmol、1.20当量)を混合物に加え、得られた溶液をマイクロ波照射により160℃で更に20分間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、その後ヨードメタン(382μL、6.13mmol、2.40当量)を加えた。20分後、反応物を真空中で濃縮し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:2:1 ヘプタン/酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、7−ブロモ−2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン(505mg、75.7%)を黄褐色の固体として与えた。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3):δ: 8.88 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 2.85 (s, 3H)。
メタノール(2mL)及びトルエン(6mL)中の、7−ブロモ−2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン(0.240g、0.919mmol、1当量)、酢酸パラジウム(23.5mg、0.105mmol、0.114当量)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(77mg、0.13mmol、0.14当量)及びトリエチルアミン(0.64mL、4.6mmol、5.0当量)が入った丸底フラスコを減圧(evacuated)し、二酸化炭素でパージした(5×)。反応物を二酸化炭素(1atm)下70℃で20時間加熱した。冷却した反応混合物を真空中で濃縮し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:1:1 ヘプタン/酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、メチル 2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキシラート(162mg、73.4%)を黄色の固体として提供した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ: 9.11 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。
1.0M 水酸化カリウム水溶液(0.634mL、0.634mmol、1.10当量)を、メチル 2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキシラート(139mg、0.577mmol、1当量)のエタノール(6.0mL)懸濁液に室温で滴加した。この混合物を5時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られた残留物をアセトニトリルから凍結乾燥して、粗カリウム 2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキシラートを提供した。これを更に精製することなく使用した。
粗カリウム 2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキシラート(約0.577mmol、1当量)、5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)−メチル)−1H−ピラゾール−4−アミン(0.340g、0.961mmol、1.66当量、Hanan, E. J., et al. J. Med. Chem. 2012, 55, 10090)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.200μL、1.15mmol、2.00当量)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)溶液に、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(537mg、1.04mmol、1.80当量)及び4−ジメチルアミノピリジン(7mg、0.06mmol、0.1当量)を室温で順次加えた。3時間後、反応物を真空下で濃縮し、残留物を酢酸エチル(30mL)に溶解させた。有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液と水の1:1混合物(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(316mg、97%)を黄色の油状物として与えた。
N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(324mg、0.577mmol、1当量)及びアンモニア飽和イソプロパノール(5mL、イソプロパノールに0℃で20分間アンモニアをバブリングすることにより調製)を入れた密封反応チューブを、マイクロ波照射により100℃で3.5時間加熱した。冷却した反応混合物を真空中で濃縮し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:95:5 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、2−アミノ−N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(121mg、39%)を淡黄色の固体として与えた。LCMS[M+H]+=531.2;1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ: 11.11 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.54 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.57 (br s, 2H), 5.36 (A of AB, JAB =11.1 Hz, 1H), 5.30 (B of AB, JAB = 11.2 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.70 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 0.80 (m, 2H), -0.07 (s, 9H)。
2−アミノ−N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−(((2−(トリメチルシリル)−エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(62mg、0.12mmol、1当量)及び亜硝酸アミル(175mg、1.49mmol、12.8当量)の1,4−ジオキサン(4.5mL)懸濁液を、85℃で加熱した。50分後、追加の亜硝酸アミル(0.330mL、2.46mmol、20.5当量)を加え、懸濁液を85℃で更に4.5時間維持した。反応物を真空中で濃縮し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:95:5 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(31mg、51%)を与えた。LCMS[M+H]+=516。
N−(5−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)−エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(48.3mg、0.0936mmol、1当量)の6N 塩酸水溶液(1.5mL)及びエタノール(3mL)溶液を、70℃で加熱した。1時間後、反応物を室温に放冷し、真空中で濃縮し、得られた残留物を酢酸エチル(5mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(5mL)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(5mL)の間で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:95:5 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−(3−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(14.4mg、40%)を淡黄色の固体として与えた。LCMS(方法L、ESI):[M+H]+=386.0、RT=3.97分;1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 11.45 (s, 1H), 9.58 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.73 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H)。
実施例4
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド
5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン(2.40g、6.15mmol)のDMA(30mL)溶液に、2−(メチルスルファニル)−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボン酸(920mg、4.06mmol)、PyAOP(3.20g、6.13mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(100mg、0.819mmol)及びDIPEA(1.60g、12.3mmol)を加えた。得られた溶液を45℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、水と酢酸エチルの間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:1/2〜3/2 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−2−(メチルスルファニル)−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(1.95g、80%)を褐色の油状物として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]
+=598.1、R
T=1.30分。
N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−2−(メチルスルファニル)−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(1.90g、3.17mmol)をNH3/EtOH(30mL)で処理し、密閉容器中100℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:1/1〜3/1 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、2−アミノ−N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(950mg、53%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法C、ESI):[M+H]+=567.2、RT=1.46分。
2−アミノ−N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(150mg、0.265mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液を、亜硝酸tert−ブチル(140mg、1.35mmol)で処理し、80℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:1/2〜3/2 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(110mg、75%)を淡黄色の油状物として与えた。LC/MS(方法C、ESI):[M+H]+=552.2、RT=1.56分。
N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(110mg、0.199mmol)を濃HCl(2.00mL、12M)及びメタノール(4.00mL)の溶液で処理した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。DCM(5.0mL)及びDIPEA(0.50mL)を加えた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10/1 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge Shield RP18 OBDカラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol NH4HCO3を含む水及びMeCN(20.0%MeCNから11分間で50.0%へ);検出器、UV254nm。適切な画分を集め、真空下で濃縮して、N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(5.40mg、6%)をオフホワイト色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]+=422.0、RT=1.69分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 13.18 (s, 1H), 11.30 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 9.65 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.65 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 9.3, 2.7 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 73.5 Hz, 1H)。
実施例5
2−アミノ−N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド
2−アミノ−N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(100mg、0.176mmol)をHCl(2.0mL、12M)及びメタノール(4.0mL)の溶液により室温で一晩処理した。得られた混合物を真空下で濃縮した。DCM(5.0mL)及びDIPEA(0.50mL)を加えた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10/1 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge Shield RP18 OBDカラム、19
*150mm、5um;移動相、10mmol NH
4HCO
3を含む水及びMeCN(15.0% MeCNから12分間で50.0%へ);検出器、UV254nm。適切な画分を合わせ、蒸発させて、2−アミノ−N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−7−カルボキサミド(27.2mg、35%)をオフホワイト色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]
+=437.1、R
T=1.30分;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 13.14 (s, 1H), 11.02 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.20 - 8.17 (m, 3H), 7.62 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.8, 2.7 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.05 (t, J = 73.6 Hz, 1H)。
実施例6
上記実施例2に類似する方法を使用して調製した。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]
+=405.0、R
T=4.27分;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 13.63 (s, 1H), 13.30 - 13.04 (m, 1H), 10.44 - 9.98 (m, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.69 - 7.45 (m, 2H), 7.37 - 6.86 (m, 2H)。
実施例7
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)イソチアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド
市販の3−ブロモ−[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン(300mg、1.39mmol)、DIPEA(300mg、2.32mmol)、Pd(dppf)Cl
2.CH
2Cl
2(114mg、0.140mmol)のメタノール(15mL)溶液を、加圧槽反応器中、CO(10atm)下95℃で5時間撹拌した。次いで反応混合物を室温に放冷し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:1/3 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、メチル [1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキシラート(220mg、81%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]
+=195.1、R
T=1.13分。
水酸化ナトリウム(2.00g、50.0mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(20mL)溶液に、メチル [1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキシラート(220mg、1.13mmol)を加えた。得られた溶液を油浴中50℃で一晩撹拌し、室温に放冷した。混合物を真空下で濃縮し、溶液のpH値を1N HClで3に調整した。得られた溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮して、[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボン酸(140mg、69%)をオフホワイト色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]+=181.1、RT=0.85分。
5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン(180mg、0.462mmol)のDMA(20mL)溶液に、DIPEA(145mg、1.12mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.540mg、0.00443mmol)、[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボン酸(80.0mg、0.444mmol)、PyAOP(279mg、0.536mmol)を加えた。得られた溶液を、油浴中45oCで5時間撹拌した。反応物を氷水と酢酸エチルの間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル/石油エーテル(1/1))により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド(200mg、78%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]+=552.1、RT=1.79分。
N−[5−[4−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド(200mg、0.362mmol)をHCl/ジオキサン(30ml、4M)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、真空下で濃縮した。粗生成物(120mg)を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge C18、19*250mm、5um;移動相、移動相A:水/0.1% FA、移動相B:ACN;流速:30mL/分;勾配:10分間で28% Bから53% B;254nm;検出器、254。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−[3−[4−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]−[1,2]チアゾロ[4,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド(46.5mg、30%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法F、ESI):[M+H]+=422.0、RT=2.20分。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 13.27 (s, 1H), 10.98 (s, 1H), 8.81 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.46 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 9.3, 3.9 Hz, 1H), 7.70 - 7.66 (m, 2H), 7.50 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 73.5 Hz, 1H)。
実施例8
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピロロ[3,2−b]ピラジン−2−カルボキサミド
市販の2−ブロモ−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(1.00g、5.05mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、Cs
2CO
3(2.50g、7.67mmol)及び[2−(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(1.26g、7.55mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:1/10 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、2−ブロモ−5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(1.50g、90%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]
+=328.0、R
T=1.23分。
2−ブロモ−5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(1.00g、3.04mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(430mg、0.613mmol)、DIPEA(1.18g、9.13mmol)及びDMSO(10mL)の溶液を、CO(10atm)雰囲気下、100℃で一晩加熱した。混合物を室温に放冷し、沈殿した固体をろ過により除去した。ろ液を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:2/3 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、メチル 5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボキシラート(850mg、91%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]+=308.1、RT=1.64分。
メチル 5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボキシラート(850mg、2.76mmol)のメタノール(20mL)溶液を、水酸化ナトリウム(200mg、5.00mmol)の水(10mL)溶液で処理した。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。溶液のpH値を1N HClで3に調整した。固体をろ過により集めて、5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸(738mg、91%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]+=294.1、RT=1.52分。
5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸(166mg、0.566mmol)のDMA(3.0mL)溶液に、5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(200mg、0.513mmol)、DIPEA(199mg、1.54mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(6.30mg、0.0520mmol)及びPyAOP(294mg、0.564mmol)を加えた。得られた溶液を、油浴中45℃で一晩撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:1/1 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボキサミド(220mg、64%)を赤色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]+=665.2、RT=1.42分。
N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]−5−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボキサミド(220mg、0.331mmol)を、トリフルオロ酢酸(15mL)で処理した。得られた溶液を油浴中で一晩加熱還流し、室温に放冷した。得られた混合物を真空下で濃縮し、溶液のpH値をNaHCO3飽和水溶液で7に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルの短いパッド(溶媒:2/3 酢酸エチル/石油エーテル)に通してろ過した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge Prep C18 OBDカラム、19*150mm、5um;移動相、0.05% FAを含む水及びMeCN(40.0%から10分間で51.0%へ、1分間で95.0%へ、95.0%で1分間保持、2分間で40.0%に低下);検出器、UV254/220nm。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボキサミド(8.90mg、7%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法B、ESI):[M+H]+=405.0、RT=2.00分。1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 13.20 (s, 1H), 12.51 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.09 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.29 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 3.9 Hz, 1H)。
実施例9
2−アミノ−N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
tert−ブチル N−[3−([3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]カルバモイル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル]カルバマート(100mg、0.192mmol)を、ジクロロメタン(4.0mL)中、トリフルオロ酢酸(4.0mL)で処理した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。DCM(5.00mL)及びDIPEA(0.50mL)を加えた。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge Shield RP18 OBDカラム、19
*150mm、5um;移動相、10mmol NH
4HCO
3を含む水及びMeCN(15.0% MeCNから12分間で55.0%へ);検出器、UV254nm。適切な画分を合わせ、蒸発させて、2−アミノ−N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(40.3mg、50%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法E、ESI):[M+H]
+=420.0、R
T=2.76分。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 13.03 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.94 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 2H), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 6.6 Hz, 4.8 Hz, 1H), 6.56 (s, 2H)。
実施例10
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキサミド
7−ブロモフロ[3,2−c]ピリジン(500mg、2.52mmol)、Pd(OAc)
2(56.0mg、0.249mmol)、XantPhos(290mg、0.501mmol)及びDIPEA(1.63g、12.6mmol)のメタノール(2.0mL)及びトルエン(6.0mL)溶液を、CO(10atm)雰囲気下、100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を室温に放冷し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:1/1 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、メチルフロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキシラート(260mg、58%)を黄色の固体として与えた。TLC:R
f=0.4;PE/EA=1/1。
メチルフロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキシラート(250mg、1.41mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液を、水(1.0mL)中のLiOH(68.0mg、2.83mmol)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。溶液のpH値を1N HClで3に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮して、フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸(200mg、87%)を無色の油状物として与えた。TLC:Rf=0.3;DCM/MeOH=10/1。
フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボン酸(83.0mg、0.509mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(3.00mg、0.0250mmol)、DIPEA(101mg、0.781mmol)、PyAOP(266mg、0.510mmol)及び5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(100mg、0.256mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液を、60℃で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:9/1 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキサミド(80mg、29%)を褐色の油状物として与えた。TLC:Rf=0.4;DCM/MeOH=5/1。
N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキサミド(80.0mg、0.150mmol)を、ジクロロメタン(2.0mL)中、トリフルオロ酢酸(1.0mL)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、真空下で濃縮した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより更に精製した:カラム、XBridge Prep C18 OBDカラム、19*150mm、5um;移動相、水(0.05% NH3H2O)及びACN(40%ACNから7分間で70%へ);検出器、UV254、220nm。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−c]ピリジン−7−カルボキサミド(7.2mg、12%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]+=405.1、RT=2.84分;1H NMR (300MHz, DMSO-d6): δ 13.20 (s, 1H), 9.83(s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.18 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 73.6 Hz, 1H)。
実施例11
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキサミド
3−ブロモフロ[3,2−b]ピリジン(700mg、3.53mmol)、Pd(OAc)
2(79.0mg、0.352mmol)、Xantphos(405mg、0.700mmol)及びDIPEA(2.28g、17.6mmol)のメタノール(15mL)及びトルエン(45mL)溶液を、CO(20atm)雰囲気下、100℃で48時間撹拌した。得られた混合物を室温に放冷し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:95/5 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、メチル フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキシラート(300mg、48%)を白色の固体として与えた。TLC:R
f=0.4、EA/Hex=1/1。
メチル フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキシラート(170mg、0.960mmol)のテトラヒドロフラン(2.00mL)溶液を、水(1.00mL)中のLiOH(35.0mg、1.46mmol)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。溶液のpH値を1N HClで3に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮して、フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸(150mg、96%)を白色の固体として与えた。TLC:Rf=0.2;DCM/MeOH=5/1。
フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボン酸(128mg、0.785mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(6.00mg、0.0490mmol)、DIPEA(303mg、2.34mmol)、PyAOP(532mg、1.02mmol)、5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(200mg、0.513mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)溶液を、60o℃で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:95/5 ジクロロメタン/メタノール)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキサミド(190mg(45%))を黄色の油状物として与えた。TLC:Rf=0.3;DCM/MeOH=10/1。
N−[5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキサミド(190mg、0.355mmol)を、ジクロロメタン(4.0mL)中、トリフルオロ酢酸(1.0mL)で処理した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、真空下で濃縮した。粗生成物を下記条件でのPrep−HPLCにより精製した:カラム、XBridge Prep C18 OBDカラム、19*150mm、5um;移動相、水(0.05% NH3H2O)及びACN(40% ACNから7分間で70%へ);検出器、UV254、220nm。適切な画分を合わせ、蒸発させて、N−[3−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル]フロ[3,2−b]ピリジン−3−カルボキサミド(32.7mg、23%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]+=405.1、RT=1.80分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 13.20 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.50 (dd, J = 4.4, 1.2 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.25 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 8.4, 4.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 73.2 Hz, 1H)。
実施例12
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
(2Z)−3−(ジエチルアミノ)−2−フルオロ−2−プロペナール(326mg、2.25mmol−文献:K. Funabiki, T. Ohtsuki, T. lshihara and. Yamanaka, Chem. Lett., 1994, 1075-78の手順に従って合成)及びエチル 3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(698mg、4.50mmol)の酢酸(6ml)溶液を、還流下で4時間加熱した。混合物を室温に放冷し、真空下で濃縮して、淡黄色の固体を与えた。得られた残留物を2M NaOH水溶液(15ml)で処理し、次いでDCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ペンタン中0〜50%の酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、エチル 6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(24mg、5%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]
+=325、R
T=3.89分。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.82 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.72 (dd, J = 3.6, 2.7 Hz, 1H), 8.60 (s, 1H), 4.45 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.45 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.42 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
エチル 6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(54mg、0.26mmol)及び1M 水酸化リチウム水溶液(290μl、0.29mmol)のIMS(1.5mL)懸濁液を、室温で4日間撹拌した。反応混合物を1N HCl(20ml)で処理し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させて、6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(40mg、68%)を黄色の粉末として与えた。この粗物質を次の反応にそのまま使用した。
6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(40mg、0.17mmol)、DIPEA(89μl、0.51mmol)、HATU(76mg、0.20mmol)及び5−[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1−[2−(トリメチルシリル)−エトキシ]メチル−1H−ピラゾール−4−アミン(71mg、0.18mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)溶液を、室温で20時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、ブライン(×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ペンタン中酢酸エチル(0〜50%))により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−(5−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(30mg、32%)を黄色の油状物として与えた。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]+=553.0、RT=4.24分;1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.42 - 9.39 (m, 1H), 8.78 - 8.73 (m, 2H), 8.57 - 8.56 (m, 1H), 8.34 - 8.33 (m, 1H), 7.65 - 7.64 (m, 1H), 7.55 - 7.51 (m, 1H), 7.38 - 7.35 (m, 1H), 6.43 (t, J = 71.5 Hz, 1H), 5.47 - 5.33 (m, 2H), 3.68 - 3.54 (m, 2H), 1.31 - 1.26 (m, 3H), 0.93 - 0.84 (m, 4H)。
N−(5−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(30mg、0.05mmol)のIMS(10mL)溶液にHCl(6N、1mL)を加え、反応混合物を70℃で19時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、真空中で濃縮した。固体残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒勾配:ペンタン中0〜50%の酢酸エチル)により精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−フルオロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(17mg、80%)をオフホワイト色の固体として与えた。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]+=422.9、RT=3.89分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.13 (s, 1H), 9.84 - 9.80 (m, 1H), 9.56 (s, 1H), 8.94 (d, J = 2.3Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.68 - 7.60 (m, 2H), 7.52 - 7.43 (m, 1H), 7.27 (t, J = 72.8 Hz, 1H)。
実施例13
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
上記実施例12に類似する方法を使用して調製した。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]
+=419.0、R
T=3.80分;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 13.05 (s, 1H), 10.44 - 9.70 (s, 1H), 9.16 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.68 - 7.60 (m, 2H), 7.48 - 7.42 (m, 1H), 7.15 (d, J = Hz, 1H), 7.09 (t, J = 73.4Hz, 1H), 2.42 (s, 3H)。
実施例14
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
上記実施例12に類似する方法を使用して調製した。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]
+=435.0、R
T=3.84分;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 13.05 (s, 1H), 9.05 (d, J = 7.7Hz, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.64 - 7.57 (m, 2H), 7.38 - 7.34 (m, 1H), 7.08 (t, J = 73.4Hz, 1H), 6.72 (d, J = 7.5Hz, 1H), 3.46 (s, 3H)。
実施例15
N−(3−(5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−7−カルボキサミド
上記実施例12に類似する方法を使用して調製した。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]
+=405.1、R
T=3.74分;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.48 (s, 1H), 11.12 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.49 (dd, J = 8.8, 2.7 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.76 (s, 3H)。
JAK酵素アッセイを以下のように行った
単離されたリコンビナントJAK1及びJAK2キナーゼドメインの活性を、Caliper LabChip(登録商標)技術(Caliper Life Sciences, Hopkinton, MA)を使用して、JAK3由来のペプチド(5−カルボキシフルオレセインによりN末端が蛍光ラベルされたVal−Ala−Leu−Val−Asp−Gly−Tyr−Phe−Arg−Leu−Thr−Thr)のリン酸化をモニタリングすることにより測定した。阻害定数(Ki)を決定するために、化合物をDMSOで系列希釈し、DMSO最終濃度2%で、精製酵素(1.5nM JAK1又は0.2nM JAK2)、100mM HEPES緩衝液(pH7.2)、0.015% Brij-35、1.5μM ペプチド基質、ATP(25μM)、10mM MgCl2、4mM DTTを含有するキナーゼ反応物 50μLに加えた。384ウェルのポリプロピレンマイクロタイタープレート中、反応物を22℃で30分間インキュベートし、次いでEDTA含有溶液(100mM HEPES緩衝液(pH7.2)、0.015% Brij-35、150mM EDTA)25μLの添加により停止させ、EDTAの最終濃度を50mMにした。キナーゼ反応の終了後、Caliper LabChip(登録商標)3000を製造元の仕様書に従って使用し、リン酸化生成物の割合を、総ペプチド基質の比率として決定した。次いでKi値を、ATP競合阻害用に改変されたMorrison tight bindingモデル(Morrison, J.F., Biochim. Biophys. Acta. 185:269-296 (1969);William, J.W. and Morrison, J.F., Meth. Enzymol., 63:437-467 (1979))[Ki=Ki,app/(1+[ATP]/Km,app)]を使用して決定した。
細胞株におけるJAK1経路アッセイを以下のように行った
JAK1依存性のSTATリン酸化を測定するように設計された細胞系アッセイにおいて、阻害能(EC50)を決定した。上記されたように、Jak/Statシグナル伝達経路を遮断することによるIL−4、IL−13及びIL−9シグナル伝達の阻害により、肺炎前臨床モデルにおける喘息症状を緩和することができる(Mathew et al., 2001, J Exp Med 193(9): 1087-1096;Kudlacz et. al., 2008, Eur J. Pharmacol 582(1-3): 154-161)。
1つのアッセイアプローチにおいて、American Type Culture Collection(ATCC; Manassas, VA)から得たTF−1ヒト赤白血病細胞を使用して、IL−13刺激の下流のJAK1依存性STAT6リン酸化を測定した。アッセイに使用する前に、TF−1細胞を、0.5% 活性炭/デキストラン処理済ウシ胎児血清(FBS)、0.1mM 非必須アミノ酸(NEAA)及び1mM ピルビン酸ナトリウムを添加したOptiMEM培地(Life Technologies, Grand Island, NY)中で一晩、GM−CSF欠乏にした。アッセイは、384ウェルプレートにおいて、血清を含まないOptiMEM培地中、ウェル当たり300,000個の細胞を使用して行った。第2のアッセイアプローチでは、ATCCから得たBEAS−2Bヒト気管支上皮細胞を、96ウェルプレートのウェル当たり100,000個で、実験の1日前に播種した。BEAS−2Bアッセイを、完全増殖培地(bulletkitを加えた気管支上皮基礎培地;Lonza;Basel, Switzerland)中で行った。
試験化合物をDMSOで1:2系列希釈し、次いで使用直前に培地で1:50希釈した。希釈した化合物をDMSO最終濃度0.2%で細胞に加え、37℃で30分間(TF−1アッセイについて)又は1時間(BEAS−2Bアッセイについて)インキュベートした。次いでヒト組換えサイトカインにより、その各々のEC90濃度(各ロットについて予め決定)で、細胞を刺激した。細胞をIL−13(R&D Systems, Minneapolis, MN)により37℃で15分間刺激した。TF−1細胞反応を、10×溶解緩衝液(Cell Signaling Technologies, Danvers, MA)の直接添加により停止させた。一方、BEAS−2B細胞インキュベーションを、培地の除去及び1×溶解緩衝液の添加により停止させた。得られたサンプルを、プレート中−80℃で凍結させた。MesoScale Discovery(MSD)技術(Gaithersburg, MD)を使用して、化合物に媒介される細胞溶解物におけるSTAT6リン酸化の阻害を測定した。EC50値を、STATリン酸化の50%阻害(DMSO対照について測定されたものに対して)に必要とされる化合物濃度として決定した。
表2は、記載された実施例についてのJAK1 Ki、JAK2 Ki及びIL−13−pSTAT6 IC50の情報を提供する。