JP2020037647A - 潤滑油組成物 - Google Patents
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【課題】低温での摩擦低減性に優れる潤滑油組成物の提供。【解決手段】下記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物、と潤滑油とを含む潤滑油組成物を用いる。[R1及びR2は、各々独立して、炭素数6〜50の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、X1〜X4は、各々独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。][R3、R4、及びR5は、各々独立して、炭素数6〜50の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、X5〜X8は、各々独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。]【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油組成物に関するものである。
近年、環境問題の中でも地球温暖化に影響を及ぼす炭酸ガスの削減が強く求められている。自動車分野は炭酸ガス排出源の約1/5を占め、炭酸ガス削減に向けた燃費向上に関する取組みが活発に行われている。自動車分野における燃費向上技術は、エンジン損失、補機類損失、駆動系損失及び転がり抵抗、空気抵抗、慣性抵抗等からなる走行抵抗損失の低減に整理され、様々な技術を組み合わせることで燃費向上を実現している。エンジン損失には、摩擦損失も含まれ、エンジンや駆動系の損失低減には、機械的な要素の他に、エンジンオイル等による摩擦損失低減がある。
エンジンオイルによる摩擦損失低減は、もっぱらオイルの粘度を下げて流動抵抗を減らすアプローチが主流となっている。しかし、単純な低粘度化では、油膜が薄くなり、通常粘度のオイルで流体潤滑領域であった速度域でも、低粘度オイルでは境界潤滑領域となり、逆に摩擦が増大し摩擦損失を生じたり、摩耗による機械の損傷を引き起こしたりする要因となる。そのため、低燃費エンジンオイルには、これらの摩擦や摩耗を小さくする目的で様々な添加剤が配合されている。
近年、二酸化炭素の排出削減を目的に自動車の低燃費化が進んでおり、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車のシェアが拡大している。ハイブリッド車では、エンジンとモーターの切替えが繰り返し、エンジンが十分に温まっていない状態での運転が増えることから、低温でも保存安定性や摩擦低減性に優れるエンジンオイルや摩擦低減剤が求められている。
低燃費エンジンオイルに添加される摩擦低減剤は、金属面に吸着し被膜を形成することにより、金属同士の直接接触を防止し、摩擦を低減する。有機モリブデン系の摩擦低減剤(例えば、特許文献1及び2)が提案されている。また、脂肪酸エステル系や脂肪族アミン系の摩擦低減剤(例えば、特許文献3及び4)が提案されている。
特許文献1に記載された有機モリブデン錯体は、リンを含むため、排ガス触媒を被毒する恐れがある。また、特許文献2に示される有機モリブデン錯体は、保存安定性が十分ではなくオイル中で懸濁や沈殿物が発生し、保存安定性が十分ではない等の課題があった。さらに、特許文献3及び4で示される脂肪酸エステル系や脂肪族アミン系の摩擦低減剤は、低温での摩擦低減性が必ずしも十分ではない等の課題があった。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温での摩擦低減性及び保存安定性に優れる潤滑油組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の潤滑油組成物が、低温での摩擦低減性及び保存安定性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含むものである。
[1]下記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物と、潤滑油とを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
[1]下記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物と、潤滑油とを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
[上記式(1)中のR1及びR2は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X1〜X4は、各々独立して、硫黄原子又は酸素原子を表す。]
[上記式(2)中のR3、R4、及びR5は、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表し、X5〜X8は、各々独立して、硫黄原子又は酸素原子を表す。]
[2]有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、炭素数8〜30の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、炭素数8〜18の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であることを特徴とする上記[1]に記載の潤滑油組成物。
[3]有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の潤滑油組成物。
[4]上記式(1)中のX1、及びX2が酸素原子であり、X3、及びX4が硫黄原子であり、上記式(2)中のX5、及びX6が酸素原子であり、X7、及びX8が硫黄原子であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[5]有機金属化合物が、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[6]有機金属化合物の含有量が、0.01〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[7]上記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体の含有量が、0.05〜1.0重量%の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[2]有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、炭素数8〜30の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、炭素数8〜18の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であることを特徴とする上記[1]に記載の潤滑油組成物。
[3]有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の潤滑油組成物。
[4]上記式(1)中のX1、及びX2が酸素原子であり、X3、及びX4が硫黄原子であり、上記式(2)中のX5、及びX6が酸素原子であり、X7、及びX8が硫黄原子であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[5]有機金属化合物が、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[6]有機金属化合物の含有量が、0.01〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
[7]上記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体の含有量が、0.05〜1.0重量%の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の潤滑油組成物。
本発明によれば、保存安定性と低温での摩擦低減性に優れる潤滑油組成物が提供される。なお、本発明の潤滑油組成物は、低燃費化に有効であり、環境負荷軽減の効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の潤滑油組成物は、上記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体と、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物と、潤滑油とを含むことを特徴とする。
上記の有機モリブデン錯体は、上記式(1)又は(2)で示され、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3、R4、及びR5は、それぞれ、各々独立して、炭素数6〜50の炭化水素基を表す。
上記の炭素数6〜50炭化水素基は、特に限定するものではないが、例えば、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)、炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、又はメチルシクロヘプチル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアルケニル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基(これらの基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい)、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、又はメチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記の炭素数6〜50のアリール基(単環であっても、連結環であっても、縮合環であってもよい)としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、又はβ−ナフチル基等が挙げられる。
R1〜R3については、油溶性に優れる点で、各々独立して、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)が好ましく、各々独立して、炭素数8〜30のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、各々独立して、炭素数12〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、油溶性に優れることから、各々独立して、ドデシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
R4及びR5については、油溶性に優れる点で、各々独立して、炭素数6〜50のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)が好ましく、各々独立して、炭素数6〜24のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。また、特に油溶性に優れ、合成が簡便なことから、各々独立して、炭素数8〜18のアルキル基(直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることがより好ましく、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい)であることがより好ましい。
上記式(1)中のR1及びR2は、上記の通り、同じ炭化水素基であってもよく、それぞれ別の炭化水素基であってもよく、特に限定するものではないが、合成が簡便な点から、同じ炭化水素基であることが好ましい。
上記式(2)中のR3、R4、及びR5は、同じ炭化水素基であってもよく、それぞれ別の炭化水素基であってもよく、特に限定するものではない。なお、合成や入手が容易なことから、R4及びR5は同じ炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中のX1〜X4は、それぞれ硫黄原子又は酸素原子を表し、X1〜X4は、それぞれいずれの組合せでも良い。X1〜X4については、特に限定するものではないが、摩擦低減性と金属腐食性のバランスに優れることから、X3及びX4は硫黄原子であることが好ましく、X3及びX4が硫黄原子であり、X1及びX2が酸素原子である組合せがより好ましい。
上記式(2)中のX5〜X8は、それぞれ硫黄原子又は酸素原子を表し、X5〜X8は、それぞれいずれの組合せでも良い。X5〜X8については、特に限定するものではないが、摩擦低減性と金属腐食性のバランスに優れることから、X7及びX8は硫黄原子であることが好ましく、X7及びX8が硫黄原子であり、X5及びX6が酸素原子である組合せがより好ましい。
一般式(1)で示される有機モリブデン錯体としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
一般式(2)で示される有機モリブデン錯体としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式で表されるものを例示することができる。
上記の潤滑油組成物中の有機モリブデン錯体は、特に限定するものではないが、摩擦特性に優れることから潤滑油組成物中に0.05〜1.0重量%の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは、0.1〜0.8重量%の範囲である。
本発明の有機モリブデン錯体は、少なくとも(a)モリブデン化合物、(b)水硫化アルカリ、又は硫化アルカリ、及び(c)下記一般式(3)で示されるジチオカルバミン酸化合物を、混合して加熱することにより、製造することができる。
[上記一般式(3)中のR1は、一般式(1)におけるR1と同義である。A1は水素原子、ナトリウム原子、又はカリウム原子を表す。]
上記一般式(3)で示されるジチオカルバミン酸化合物については、公知の方法を利用して製造することができる。
上記一般式(3)で示されるジチオカルバミン酸化合物については、公知の方法を利用して製造することができる。
上記の有機金属化合物は、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上を含み、2種以上を組合せて使用することもできる。
上記の有機アルミニウム化合物は、特に限定するものではないが、例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、又はアルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、又はアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート等のアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、又はトリ−n−オクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。これらの中でも、保存安定性と摩擦特性に優れることからアルミニウムアルコキシド化合物であることが好ましい。
上記の有機チタン化合物は、特に限定するものではないが、例えば、オルトチタン酸メチル、オルトチタン酸エチル、オルトチタン酸テトライソプロピル、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル、オルトチタン酸テトラブチルのテトラマー、オルトチタン酸テトライソブチル、オルトチタン酸(2−エチルヘキシル)、オルトチタン酸ステアリル、又はヘキサブトキシ−μ−オキソ二チタニウム等のチタンアルコキシド化合物、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、又はヒドロキシビス(ラクタト)チタン等のチタンキレート化合物が挙げられる。これらの中でも、保存安定性と摩擦特性に優れることからチタンアルコキシド化合物であることが好ましい。
上記の有機ジルコニウム化合物は、特に限定するものではないが、例えば、ジルコニウムテトラプロポキシド、又はジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、又はジルコニウムエチルアセトアセテート等のジルコニウムキレート化合物、オクチル酸ジルコニウム化合物、又はステアリン酸ジルコニウム等のジルコニウムアシレート化合物が挙げられる。これらの中でも、保存安定性と摩擦特性に優れることからジルコニウムアルコキシド化合物であることが好ましい。
上記の有機ホウ素化合物は、特に限定するものではないが、例えば、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(ジエチルアミノ)ボラン等のアミノボラン化合物、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリテトラデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリエタノールアミン、ホウ酸トリイソプロパノールアミン、2−エトキシ−4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン2−イソプロポキシ−4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキソボリネン、2−メチトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン、2,4,6−トリメトキシボロジン、トリス(トリメチルシリル)ボレート、又はトリス(2−シアノエチル)ボレート等のホウ酸エステル、ボロン酸エチル、ボロン酸プロピル、ボロン酸ブチル、ボロン酸ペンチル、ボロン酸ヘキシル、ボロン酸オクチル、ボロン酸デシル、ボロン酸ドデシル、ボロン酸トリデシル、ボロン酸テトラデシル、ボロン酸シクロヘキシル、ボロン酸シクロペンチル、又はボロン酸−1−シクロペンテニル等のボロン酸化合物、アルケニルコハク酸イミドのホウ素誘導体等を挙げられる。これらの中でも、保存安定性と摩擦特性に優れることから、アミノボラン化合物又はホウ酸エステルであることが好ましい。
上記の潤滑油組成物中の有機金属化合物は、特に限定するものではないが、保存安定性と摩擦特性に優れることから潤滑油組成物中に0.01〜5.0重量%の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは、0.05〜3.0重量%の範囲である。
上記の潤滑油は、特に限定するものではないが、例えば、ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、及び車両用ギヤ油等の自動車用潤滑油、船舶用エンジン油等の舶用潤滑油、機械油、金属加工油、及び電気絶縁油等の工業用潤滑油等を挙げることができる。用いられる潤滑油の基油としては、特に限定するものではないが、例えば、パラフィン系及びナフテン系の鉱油、炭化水素系、エステル系、エーテル系、シリコン系、及びフッ素系の合成油、動物油系及び植物油系の天然油脂等を挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物は、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種添加剤(清浄分散剤、防錆防食剤、酸化防止剤、消泡剤、流動点降下剤、又は摩耗防止剤等)を含んでいてもよい。
なお、本発明の潤滑油組成物については、摩耗低減性に優れる点で、更に摩耗防止剤を含むことが好ましく、亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤を含むことがより好ましい。
前記の摩耗防止剤としては、亜鉛ジチオホスフェート系の摩耗防止剤が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、亜鉛ジアリールジチオホスフェート、亜鉛アルキルアリールジチオホスフェート等を挙げることができる。市販品としては、具体的には、Lubrizol Corporationから市販されている、Lz 677A、Lz 1095、Lz 1097、Lz 1370、Lz 1371、Lz 1373、Lz 1395、Chevron Oroniteから市販されているOLOA 260、OLOA 262、OLOA 267、OLOA 269R、Afton Chemicalから市販されているHITEC 7169、HITEC 7197や株式会社ADEKAから市販されているアデカキクルーブ Z−112等が例示される。
本発明の潤滑油組成物を得る方法としては、公知の方法であればいかなる方法でも用いることができ、特に限定するものではないが、例えば、潤滑油中に所定量の有機モリブデン錯体及び有機金属化合物を加え、加熱、撹拌して溶解することにより、潤滑油組成物を得る方法等を挙げることができる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。なお、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
なお、本実施例で用いた分析機器、評価方法を以下に列記する。
<NMR測定>
NMR測定装置:VARIAN Gemini−200。
NMR測定装置:VARIAN Gemini−200。
<元素分析>
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II,
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001。
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II,
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001。
<保存安定性の評価>
実施例で調合した潤滑油組成物を、25℃の温度下で1週間保存した際の溶液の状態を目視で観察することにより、当該潤滑油組成物の保存安定性を評価した。
実施例で調合した潤滑油組成物を、25℃の温度下で1週間保存した際の溶液の状態を目視で観察することにより、当該潤滑油組成物の保存安定性を評価した。
(判断基準)
優:沈殿物や懸濁がなく、溶解している状態,
良:沈殿物はないが、懸濁している状態。
優:沈殿物や懸濁がなく、溶解している状態,
良:沈殿物はないが、懸濁している状態。
不可:分離や沈殿物がみられる状態。
<摩擦特性の評価>
フリクションプレーヤー(レスカ社製、FPR2100)を用い、ボールディスクオン方式で、50℃、回転速度477.5rpm、荷重10Nの条件で、調合した潤滑油組成物の摩擦係数を評価した。ボール及びディスクには、ラップ研磨済のSUJ2を使用した。10分測定した時の摩擦係数の平均値を算出した。
フリクションプレーヤー(レスカ社製、FPR2100)を用い、ボールディスクオン方式で、50℃、回転速度477.5rpm、荷重10Nの条件で、調合した潤滑油組成物の摩擦係数を評価した。ボール及びディスクには、ラップ研磨済のSUJ2を使用した。10分測定した時の摩擦係数の平均値を算出した。
(判断基準)
優:摩擦係数が0.10未満,
良:摩擦係数が0.10以上0.12未満,
不可:摩擦係数が0.12以上。
優:摩擦係数が0.10未満,
良:摩擦係数が0.10以上0.12未満,
不可:摩擦係数が0.12以上。
参考例1.
撹拌機及び冷却管を備えた200mLの3つ口フラスコへ、三酸化モリブデン 2.87g(0.02モル)、水硫化ナトリウム 2.24g(0.04モル)、及び水 30mLを加え、窒素気流下中25℃で3時間撹拌し、次いで1規定の塩酸 20.6gを加えた。その後、テトラヒドロフラン 30mLに溶解させた4−(2−デシルテトラデシル)−1−ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム 11.28g(0.02モル)を15分かけて滴下して添加した後、90℃で18時間熟成させた。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム)により精製し、黄色粘性液体の有機モリブデン錯体(C−1) 4.7g(収率36.5%)を得た。得られた有機モルブデン錯体(C−1)のモリブデン含量は、13.9wt%であった。
撹拌機及び冷却管を備えた200mLの3つ口フラスコへ、三酸化モリブデン 2.87g(0.02モル)、水硫化ナトリウム 2.24g(0.04モル)、及び水 30mLを加え、窒素気流下中25℃で3時間撹拌し、次いで1規定の塩酸 20.6gを加えた。その後、テトラヒドロフラン 30mLに溶解させた4−(2−デシルテトラデシル)−1−ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム 11.28g(0.02モル)を15分かけて滴下して添加した後、90℃で18時間熟成させた。その後、反応液をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム)により精製し、黄色粘性液体の有機モリブデン錯体(C−1) 4.7g(収率36.5%)を得た。得られた有機モルブデン錯体(C−1)のモリブデン含量は、13.9wt%であった。
1H−NMR測定、13C−NMR測定、及び元素分析の結果より、有機モリブデン錯体(C−1)は、下記式で示されると類推した。
1H−NMR(CDCl3):0.85−1.04(m、12H)、1.05−1.63(m、82H)、2.40(d、4H)、2.51−2.69(m、8H)、3.90−4.22(m、8H)[ppm]。
13C−NMR(CDCl3):14.13、22.70、26.56、29.37、29.67、30.11、31.93、32.21、35.04、48.96、52.69、62.59、206.18[ppm]。
実施例1.
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11g、有機モリブデン錯体(C−1) 0.36g、アルミニウムイソプロポキシド 0.10g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11g、有機モリブデン錯体(C−1) 0.36g、アルミニウムイソプロポキシド 0.10g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトライソプロピル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトライソプロピル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 0.025gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 98.19g、とした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 0.025gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 98.19g、とした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例5.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 1.0gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 97.21gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 1.0gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 97.21gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例6.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 3.0gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 95.21gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル 3.0gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 95.21gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例7.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル(テトラマー) 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラブチル(テトラマー) 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例8.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラキス(2−エチルヘキシル) 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにオルトチタン酸テトラキス(2−エチルヘキシル) 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例9.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにジルコニウムイソプロポキシド 0.050gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 98.16gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにジルコニウムイソプロポキシド 0.050gとし、ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.11gを 98.16gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例10.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにジルコニウムブトキシド 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにジルコニウムブトキシド 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例11.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリブチル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリブチル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例12.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリフェニル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリフェニル 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例13.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりに2,4,6−トリメトキシボロキシン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりに2,4,6−トリメトキシボロキシン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例14.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリイソプロパノールアミン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにホウ酸トリイソプロパノールアミン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例15.
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにトリス(ジメチルアミノ)ボラン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
アルミニウムイソプロポキシド 0.10gの代わりにトリス(ジメチルアミノ)ボラン 0.10gとした以外は、実施例1と同様の方法で潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1.
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.57gと摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.57gと摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表4に示す。
比較例2.
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.21g、有機モリブデン錯体(C−1) 0.36g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
ポリアルファオレフィン系のベースオイル(エクソンモービル社製、スペクトラシンプラス6) 98.21g、有機モリブデン錯体(C−1) 0.36g、及び摩耗防止剤としてジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP、ADEKA社製、キクルーブZ−112) 1.43gを混合し、モリブデン濃度が500ppmで亜鉛濃度が1000ppmの潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物を用いて、保存安定性と摩擦特性を評価した。結果を表4に示す。
本発明の有機モリブデン錯体は、保存安定性と低温での摩擦低減性に優れるため、各種潤滑油の添加剤として適する。特に、ハイブリッド車用のエンジンオイルの添加剤として有用である。
Claims (7)
- 有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、炭素数8〜30の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、炭素数8〜18の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
- 有機モリブデン錯体が、上記式(1)中のR1及びR2、並びに上記式(2)中のR3が、各々独立して、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、又はテトラコシル基(これらの基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であり、上記式(2)中のR4及びR5が、各々独立して、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、又はオクタデシル基(これらの基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
- 上記式(1)中のX1、及びX2が酸素原子であり、X3、及びX4が硫黄原子であり、上記式(2)中のX5、及びX6が酸素原子であり、X7、及びX8が硫黄原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
- 有機金属化合物が、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、及び有機ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の有機金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
- 有機金属化合物の含有量が、0.01〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑油組成物。
- 上記式(1)又は(2)で示される有機モリブデン錯体の含有量が、0.05〜1.0重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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- 2018-09-04 JP JP2018165254A patent/JP2020037647A/ja active Pending
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