JP2020085971A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、乳化凝集法トナーにおいて、水系媒体中で、非晶質ポリエステルと、カーボンブラックを含有する樹脂とを、アルカリ存在下で中和した後に乳化し、その後、凝集、融着を行う黒色トナーの製造方法であり、中和時の水と樹脂との質量比〔水/樹脂〕と、カーボンブラックのBET比表面積、pH、及びDBP吸油量を特定の範囲にすることで低温定着性に加え、画像濃度と帯電性に優れる電子写真用黒色トナーを提案しうることが記載されている。
本発明は、高着色力であり、低温定着性に優れ、かつ、耐ホットオフセット性に優れた静電荷像現像用トナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明は、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を溶融混練する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル系樹脂を含有し、前記着色剤が、DBP吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記着色剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、8質量部以上20質量部以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)の製造方法は、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を溶融混練する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル系樹脂を含有し、前記着色剤が、DBP吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記着色剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、8質量部以上20質量部以下である。
以上の方法により、高着色力であり、低温定着性に優れ、かつ、耐ホットオフセット性に優れた静電荷像現像用トナーが得られる。
低温定着のために結晶性ポリエステル系樹脂を添加すると、溶融粘度の低下が生じる。カーボンブラックは他の有機顔料に比べ一次粒子径が小さく、ほぐれにくいことから、従来の方法では、溶融粘度が下がることで分散不良を引き起こすと考えられる。
これに対し、本発明で使用する、比較的低吸油量のカーボンブラックは、粒子のストラクチャーが低いことから、低粘度の樹脂中においても、二次凝集体を形成しにくく、トナー中での分散を維持しやすいと考えられる。また、カーボンブラックの添加量を多くした場合においても、低ストラクチャーの構造から、樹脂と接する界面が少なく、カーボンブラックと樹脂との相互作用が生じにくい結果、樹脂とのフィラー効果による粘度上昇が生じにくく、低温定着性の阻害を抑制できると考えている。
一方で、耐ホットオフセット性については、フィラー効果による樹脂の粘度上昇ではなく、カーボンブラックの粒子構造に由来する離型剤との作用が影響していると考えている。すなわち、一般的な高ストラクチャーのカーボンブラックは添加量が多い場合、定着時に離型剤の一部がカーボンブラックに吸着され、画像表面への露出を阻害し、充分な離型効果が得られないのに対し、低ストラクチャーのカーボンブラックでは、添加量が多い場合でも、離型剤のカーボンへの吸着が少なく、充分な離型効果が得られるため、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が可能になると推察される。
樹脂が結晶性であるか非晶性であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、後述する実施例に記載の測定方法における、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピーク温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
明細書中、ポリエステル樹脂のカルボン酸成分には、その化合物のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
「ビスフェノールA」は、「2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン」である。
「(メタ)アクリル酸」は、メタクリル酸及びアクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基についても同様である。
「体積中位粒径D50」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
粒径分布の変動係数(以下、単に「CV値」ともいう)は、下記式で表される値である。下記式における体積平均粒径とは、体積基準で測定された粒径に、その粒径値を持つ粒子の割合を掛け、それにより得られた値を粒子数で除して得られる粒径である。
CV値(%)=[粒径分布の標準偏差(μm)/体積平均粒径(μm)]×100
少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を溶融混練する工程(以下、「工程1」ともいう。)を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル系樹脂を含有し、前記着色剤が、DBP吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記着色剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、8質量部以上20質量部以下である。
また、上記工程1に続き、以下の工程2を有することが好ましい。
工程2:工程1で得られた溶融混練物を粉砕、分級し、トナー粒子を得る工程。
以下、当該実施態様を例にとり、本発明について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を溶融混練する工程を有する。結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含むトナー原料は、予めヘンシェルミキサー、ボールミル等で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
≪結晶性ポリエステル系樹脂≫
結晶性ポリエステル系樹脂(以下、「樹脂C」ともいう)は、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、変性された結晶性ポリエステル系樹脂が挙げられる。変性された結晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂がウレタン結合で変性されたウレタン変性結晶性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂がエポキシ結合で変性されたエポキシ変性結晶性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントを含む結晶性複合樹脂が挙げられる。
これらの中でも、結晶性ポリエステル樹脂、又は、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントを含む結晶性複合樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントを含む結晶性複合樹脂がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
アルコール成分は、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくはα,ω−脂肪族ジオールを含む。
α,ω−脂肪族ジオールの炭素数は、低温定着性に優れるトナーを得る観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは9以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは14以下である。
α,ω−脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオールが挙げられる。これらの中でも、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸、好ましくはα,ω−脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、低温定着性に優れるトナーを得る観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上、より更に好ましくは9以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下、より更に好ましくは12以下である。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。これらの中でもセバシン酸が好ましい。
ポリエステル樹脂は、後述の非晶性ポリエステル樹脂で例示する方法と同様の方法により製造できる。
結晶性複合樹脂のポリエステル樹脂セグメントは、例えば、前述の結晶性ポリエステル樹脂からなる。
結晶性複合樹脂の付加重合樹脂セグメントは、例えば、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物からなる。
スチレン系化合物としては、例えば、無置換又は置換スチレンが挙げられる。スチレンに置換される置換基としては、例えば、炭素数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、スルホン酸基又はその塩が挙げられる。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
また、付加重合樹脂セグメントは、スチレンに由来する構成単位を主構成単位として含有することが好ましい。ここで、「主構成単位として含有する」とは、付加重合樹脂セグメントを形成する原料モノマー(付加重合樹脂セグメントの原料モノマー)中のスチレンの含有量が50質量%以上であることを意味し、付加重合樹脂セグメントを形成する原料モノマー中のスチレンの含有量は、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、100質量%であってもよく、より更に好ましくは100質量%である。
(メタ)アクリル酸アルキルにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(イソ又はターシャリー)ブチル、(メタ)アクリル酸(イソ)アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ドデシル、(メタ)アクリル酸(イソ)パルミチル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル、(メタ)アクリル酸(イソ)ベヘニル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル又は(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましく、(メタ)アクリル酸ステアリルがより好ましい。
「両反応性モノマー由来の構成単位」とは、両反応性モノマーの官能基、付加重合性基が反応した単位を意味する。
付加重合性基としては、例えば、炭素−炭素不飽和結合が挙げられる。
両反応性モノマーとしては、例えば、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが好ましく、カルボキシ基を有する付加重合性モノマーがより好ましい。
カルボキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中でも、重縮合反応と付加重合反応の双方の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
両反応性モノマー由来の構成単位の量は、結晶性複合樹脂のポリエステル樹脂セグメントのアルコール成分100モル部に対して、好ましくは1モル部以上、より好ましくは3モル部以上、更に好ましくは5モル部以上であり、そして、好ましくは30モル部以下、より好ましくは20モル部以下、更に好ましくは10モル部以下である。
工程Aの後に工程Bを行ってもよいし、工程Bの後に工程Aを行ってもよく、工程Aと工程Bを同時に行ってもよい。
工程Aにおいて、カルボン酸成分の一部を重縮合反応に供し、次いで工程Bを実施した後に、カルボン酸成分の残部を重合系に添加し、工程Aの重縮合反応及び必要に応じて両反応性モノマーとの反応を更に進める方法が好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
付加重合の温度は、好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
結晶性ポリエステル系樹脂(樹脂C)の軟化点は、低温定着性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは75℃以上であり、そして、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
なお、樹脂Cを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、及び融点の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
本発明において、結着樹脂は、上述した結晶性ポリエステル系樹脂に加え、非晶性ポリエステル系樹脂(以下、「樹脂A」ともいう。)を含有することが好ましい。
非晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、変性された非晶性ポリエステル系樹脂が挙げられる。変性された非晶性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂がウレタン結合で変性された非晶性のウレタン変性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂がエポキシ結合で変性された非晶性のエポキシ変性ポリエステル系樹脂、ポリエステル樹脂セグメント及びビニル系樹脂セグメントを含む非晶性の複合樹脂が挙げられる。
これらの中でも非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
アルコール成分としては、例えば、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物が好ましい。
芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物は、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物であり、より好ましくは式(I):
(式中、OR1及びR2Oはオキシアルキレン基であり、R1及びR2はそれぞれ独立にエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(以下「BPA−PO」ともいう)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(以下「BPA−EO」ともいう)が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いてもよい。
アルコール成分中、BPA−POとBPA−EOとの合計モル数に対するBPA−POのモル数(BPA−PO/(BPA−PO+BPA−EO))は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキシド(平均付加モル数2以上12以下)付加物が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
これらのアルコール成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、及び、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上であり、そして、100モル%であってもよく、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸が挙げられる。炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。これらの中でも、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸が好ましく、ドデセニルコハク酸がより好ましい。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは3モル%以上、更に好ましくは5モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
3価以上の多価カルボン酸を含む場合、3価以上の多価カルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは3モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、そして、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。
これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
樹脂Aは、例えば、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合により得られる。
必要に応じて、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)、酸化ジブチル錫、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のエステル化触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下;没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸と同じ。)等のエステル化助触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.001質量部以上0.5質量部以下用いて重縮合してもよい。
重縮合反応の温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。なお、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行ってもよい。
樹脂Aの軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、好ましくは150℃以下、より好ましくは145℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
樹脂Aのガラス転移温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
樹脂Aの軟化点、ガラス転移温度、及び酸価は、原料モノマーの種類及びその使用量、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、また、それらの値は、実施例に記載の方法により求められる。
なお、樹脂Aを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、ガラス転移温度、及び酸価の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
本発明において、着色剤は、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックである。
着色剤として、特定のDBP吸油量を有するカーボンブラックを、非晶性樹脂と共に特定量使用することで、高着色力であり、低温定着性に優れ、かつ、耐ホットオフセット性に優れた静電荷像現像用トナーが得られる。
カーボンブラックのDBP吸油量は、より高着色力であり、低温定着性に優れ、かつ、耐ホットオフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを得る観点から、好ましくは30mL/100g以上、より好ましくは35mL/100g以上、更に好ましくは37mL/100g以上であり、そして、好ましくは44mL/100g以下、より好ましくは43mL/100g以下、更に好ましくは40mL/100g以下である。
カーボンブラックのDBP吸油量は、ISO4656(JIS K6217−4:2008)の「オイル吸油量の求め方」に準拠して測定される。
カーボンブラックのpH値の測定は、具体的には以下の手順で行うことができる。
(1)カーボンブラック5gとpH7の蒸留水50mLを容器に採取し混合する。
(2)これを15分間煮沸し、その後常温まで30分で冷却する。
(3)この上澄み液中にpHメータの電極を浸し、pHを測定する。
pHメータとしては、例えば、「HM30R」(東亜ディーケーケー株式会社製)が挙げられる。
カーボンブラックのBET比表面積は、JIS K 6217−2:2017に準拠して測定される。
離型剤としては、例えば、ワックスが挙げられる。
ワックスとしては、例えば、炭化水素ワックス、エステルワックス、シリコーンワックス、脂肪酸アミドワックスが挙げられる。
炭化水素ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物又は石油系炭化水素ワックス;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワックス等のポリオレフィンワックス等の合成炭化水素ワックスが挙げられる。
エステルワックスとしては、例えば、モンタンワックス等の鉱物又は石油系エステルワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系エステルワックス;ミツロウ等の動物系エステルワックスが挙げられる。
脂肪酸アミドワックスとしては、例えば、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、炭化水素ワックス及びエステルワックスの少なくとも1つが好ましく、炭化水素ワックス及びエステルワックスを併用することがより好ましい。
また、本発明において、耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを得る観点から、離型剤として、融点が100℃以下のパラフィンワックスを含有することが好ましい。融点が100℃以下のパラフィンワックスを含有することで、カーボンブラックの添加量が多い場合であっても、十分な離型効果が得られるので好ましい。本発明では、DBP吸油量が特定の範囲のカーボンブラックを使用することにより、離型剤が溶融する際のカーボンブラックへの吸着が抑制され、比較的低融点のパラフィンワックスを使用しても、カーボンブラックへの吸着が抑制される結果、上述した融点を有するパラフィンワックスを使用することにより、特に優れた離型効果を得ることができる。
前記パラフィンワックスの融点は、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは85℃以下、より更に好ましくは80℃以下である。
離型剤の融点は、実施例に記載の方法により測定される。
また、融点が100℃以下のパラフィンワックスの含有量は、耐オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを得る観点から、離型剤全体の好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、そして、100質量%であってもよい。
本発明において、工程1において、上述した結着樹脂、離型剤、及び着色剤と共に、荷電制御剤を溶融混練することが好ましい。
荷電制御剤は、正帯電性荷電制御剤、負帯電性荷電制御剤のいずれであってもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−04」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−09」、「ボントロンN−11」(以上、オリヱント化学工業株式会社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリヱント化学工業株式会社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリヱント化学工業株式会社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−2001」、「PLZ−8001」(以上、四国化成工業株式会社製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA−701PT」(藤倉化成株式会社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の中でも、負帯電性荷電制御剤が好ましく、含金属アゾ染料がより好ましい。
ここで、オープンロール型混練機とは、溶融混練部が密閉されておらず、解放されているものをいい、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の原料供給口と混練物排出口を備えていることが好ましく、生産効率の観点から、連続式オープンロール混練機であることが好ましい。
連続式オープンロール混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが好ましく、周速度の異なる2本のロール、すなわち、周速度の高い高回転側ロールと、周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機であることが好ましい。本発明においては、着色剤の結着樹脂への分散性を向上させる観点、及び溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが好ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
工程2の粉砕は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を1mm以上5mm以下に粗粉砕した後、更に所望の粒径に微粉砕してもよい。
粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックスが挙げられる。微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、例えば、流動層式ジェットミル、衝突板式ジェットミル、回転型機械式ミルが挙げられる。粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミル、及び衝突板式ジェットミルを用いることが好ましく、衝突板式ジェットミルを用いることがより好ましい。
疎水性シリカとは、少なくともその表面に疎水化処理が施されたシリカである。疎水化処理の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)等のシランカップリング剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル処理剤等が例示される。これらの中では、シランカップリング剤が好ましく、疎水化処理剤による処理量は、シリカ粒子の表面積あたり、1〜7mg/m2が好ましい。
シリカ粒子の存在下で微粉砕を行う場合、粗粉砕物とシリカ粒子とは、予めヘンシェルミキサー等を用いて混合することが好ましい。使用するシリカ粒子の個数平均粒径は、トナーの流動性の向上及びフィルミングの発生を抑制する観点から、好ましくは6nm以上、より好ましくは8nm以上、更に好ましくは12nm以上であり、そして、好ましくは25nm以下、より好ましくは20nm以下、更に好ましくは16nm以下である。
また、シリカ粒子の存在下で粉砕を行う場合、添加するシリカの量は、トナーの流動性の向上及びフィルミングの発生を抑制する観点から、溶融混練物又はその粗粉砕物100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上、より更に好ましくは1.5質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下、より更に好ましくは3質量部以下である。
以上の工程により、トナー粒子が得られる。
トナー粒子の体積中位粒径D50は、高画質の画像を得る観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは4μm以上、更に好ましくは6μm以上であり、そして、好ましくは12μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは8μm以下である。
トナー粒子のCV値は、高画質の画像を得る観点から、好ましくは12%以上、より好ましくは14%以上、更に好ましくは16%以上、より更に好ましくは20%以上であり、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下、より更に好ましくは30%以下である。
トナー粒子の体積中位粒径D50及びCV値の測定方法は、実施例に記載の方法による。
トナーは、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理されていることが好ましい。
外添剤としては、例えば、疎水性シリカ等の酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、カーボンブラック等の無機材料粒子、及びポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂等のポリマー粒子が挙げられる。これらの中でも、酸化ケイ素粒子が好ましく、疎水性シリカ粒子がより好ましい。
外添剤は1種又は2種以上を用いてもよく、また、例えば疎水性シリカを使用する場合であっても、個数平均粒径等の特性の異なる2種以上のシリカを併用してもよい。
外添剤の個数平均粒径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、そして、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下である。
外添剤の個数平均粒径の測定方法は、実施例に記載の方法による。
トナーに外添剤を外添させる方法は特に限定されないが、外添剤とトナー粒子をヘンシェルミキサー等の混合機により混合して、トナー表面に外添剤を付着させる(外添する)方法が好ましい。
[測定方法]
〔DBP吸油量〕
カーボンブラックのDBP吸油量はISO4656(JIS K6217−4:2008)の「オイル吸収量の求め方」に準拠して測定した。なお、当該DBP吸油量は、分散される前のカーボンブラックでの値である。
カーボンブラックのpH値は、10質量%のカーボンブラックの水溶性懸濁液或いは泥状物を調製し、JIS K5101−17−2の方法により測定した。
カーボンブラックのBET比表面積はJIS K6217−2:2001の「比表面積の求め方」に準拠して測定した。なお、当該BET比表面積は、分散される前のカーボンブラックでの値である。
樹脂及びワックスの酸価は、JIS K0070:1992に記載の中和滴定法に従って測定した。ただし、測定溶媒をクロロホルムとした。
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)結晶性指数
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料をそのまま1分間保持し、その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(1)として、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(1)(℃))により、結晶性指数を求めた。
(3)融点及びガラス転移温度
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(2)とした。結晶性樹脂の時には該ピーク温度を融点とした。
また、非晶性樹脂の場合にピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の低温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移温度とした。
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を個数平均粒径とした。
トナー粒子の体積中位粒径D50は次のとおり測定した。
・測定機:「コールターマルチサイザー(登録商標)III」(ベックマン・コールター株式会社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:「マルチサイザー(登録商標)IIIバージョン3.51」(ベックマン・コールター株式会社製)
・電解液:「アイソトン(登録商標)II」(ベックマン・コールター株式会社製)
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン(登録商標)109P」〔花王株式会社製、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)=13.6〕を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径D50、体積平均粒径を求めた。
また、CV値(%)は次の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)に市販のプリンタ「Microline(登録商標)5400」(株式会社沖データ製)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.35±0.02mg/cm2からなるベタ画像を出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を最低定着温度+20℃にし、A4縦方向に1枚あたり2.5秒の速度でトナーを定着させ、印刷物を得た。
印刷物の下に上質紙「J紙A4サイズ」を30枚敷き、出力した印刷物のベタ画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、画像上の任意の10点を測定した値を平均して画像濃度とした。数値が大きいほど、着色力に優れる。
上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)に市販のプリンタ「Microline(登録商標)5400」(株式会社沖データ製)を用いて画像を出力し、トナーの紙上の付着量が0.35±0.02mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで未定着画像のまま出力した。同プリンタに搭載されている定着器を温度可変に改造し、定着器の温度を110℃にし、A4縦方向に1枚あたり2.5秒の速度でトナーを定着させ、印刷物を得た。110℃では全てのトナーにおいて、コールドオフセットもしくは、未溶融の状態であることを確認した。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、トナーを定着させ、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分からベタ画像にかけて、メンディングテープ「Scotch(登録商標)メンディングテープ810」(住友スリーエム株式会社製、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gのおもりを載せ、速さ10mm/sで1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180°、速さ10mm/sで剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙「J紙A4サイズ」を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、各反射画像濃度から次の式に従って定着率を算出した。
定着率(%)=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率が90%以上となる最低の温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性に優れることを表す。
前述の低温定着性の評価と同様の方法で、未定着画像を出力した。定着器の温度を150℃から180℃の間を5℃刻みの定着温度の各々で定着試験を行い、以下の方法でホットオフセットの有無の判断を行い、ホットオフセットが発生する温度まで実施した。
なお、コールドオフセットとは定着温度が低い場合に、未定着画像上のトナーが充分に溶融しない、もしくは離型性が良好でないために、定着ローラーにトナーが付着する現象を指し、一方、ホットオフセットとは定着温度を高温にした場合に、未定着画像上のトナーの粘弾性が低下すること、もしくは高温下で離型性が良好でなくなるために、定着ローラーにトナーが付着する現象を指す。コールドオフセット又はホットオフセットの発生は定着ローラーが一周した際に、再度、紙上にトナーが付着するか否かで判断することができ、本試験ではベタ画像上端から87mmの部分にトナー付着があるか否かで判断した。
ここで、ホットオフセット発生温度とは、ホットオフセットが発生し始める温度をいう。なお、ホットオフセット発生温度より5℃低い温度を、ホットオフセットが発生しない最高温度とした。
なお、ホットオフセット発生温度の評価において、評価温度5℃の差はトナーの定着性に明確に差が認められる。
製造例A1:非晶性ポリエステル樹脂A−1の製造
表1に示す無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した20L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃に昇温して6時間反応させた。更に210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を添加し、常圧(101.3kPa)にて1時間反応させ、更に40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて非晶性ポリエステル樹脂A−1を得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。
表1に示すポリエステル樹脂の原料モノマー、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した20リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して反応率が80%に到達するまで反応を行った後、8kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂A−2を得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
結晶性ポリエステル系樹脂C−1の製造
表2に示すポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した20リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、130℃まで加熱し、その後130℃から200℃まで10時間かけて昇温を行い、更に200℃に保持したまま8kPaに減圧して1時間反応させて、結晶性ポリエステル系樹脂C−1を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
結晶性ポリエステル系樹脂C−2の製造
表2に示すポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した20リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃まで加熱し6時間反応させた。その後、表2に示すスチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合液を1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間付加重合反応を行った後、8.3kPaに減圧して1時間保持した。更に、200℃まで8時間かけて昇温し、8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル系樹脂C−2を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
使用する原料モノマーの量を表2のように変更した以外は、製造例C2と同様にして、結晶性ポリエステル系樹脂C−3及びC−4を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
トナー1〜9の製造
表3に、実施例及び比較例で使用した着色剤であるカーボンブラックの諸特性を示した。
表4に示す結着樹脂(合計100質量部)とカーボンブラック(10質量部)、負帯電性荷電制御剤「T−77」(保土ヶ谷化学工業株式会社製)1.0質量部、並びに離型剤「カルナウバワックス1号」(株式会社加藤洋行製、カルナウバワックス、融点85℃)3.0質量部及び「HNP−9」(日本精蝋株式会社製、パラフィンワックス、融点78℃)3.0質量部をヘンシェルミキサーにて2分間撹拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業株式会社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)回転数75r/min(周速度32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)回転数50r/min(周速度21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側端部の温度が145℃及び混練物排出側端部の温度が110℃であり、低回転側ロールの原料投入側端部の温度が35℃及び混練物排出側端部の温度が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約6分間であった。
得られた混合物を、気流式ジェットミルであるIDS粉砕・分級機(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、体積中位粒径(D50)が7.0±0.2μmになるように粉砕・分級を行った。
得られた粒子100質量部、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル株式会社製、個数平均粒径;0.04μm)2.5質量部、及び疎水性シリカ「キャボシル(登録商標)TS720」(キャボットジャパン株式会社製、個数平均粒径;0.012μm)1.0質量部をヘンシェルミキサーに入れて撹拌し、150メッシュの篩を通過させてトナー1〜トナー9を得た。得られたトナーの評価結果を表4に示す。
実施例と比較例1との対比から、所定範囲のDBP吸油量を有するカーボンブラックを用いることで、低温定着性を保持しつつ、優れた耐ホットオフセット性が得られることがわかる。更に、実施例と比較例2の対比から、上記の結果が、結晶性ポリエステル系樹脂を含有するトナーにおいて、所定範囲のDBP吸油量を有するカーボンブラックを用いることで初めて、低温定着性を保持しつつ高い着色力が得られることがわかる。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を溶融混練する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル系樹脂を含有し、
前記着色剤が、DBP吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、
前記着色剤の含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、8質量部以上20質量部以下である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記結晶性ポリエステル系樹脂が、炭素数9以上14以下のα,ω−脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、炭素数9以上14以下のα,ω−脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂又は前記結晶性ポリエステル樹脂に由来する結晶性ポリエステルセグメントを有する結晶性複合樹脂である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記結晶性ポリエステル系樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントと、付加重合樹脂セグメントとを含む結晶性複合樹脂である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記結晶性複合樹脂中の付加重合樹脂セグメントに対する結晶性ポリエステルセグメントの質量比(結晶性ポリエステルセグメント/付加重合樹脂セグメント)が、40/60以上95/5以下である、請求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記結着樹脂中の前記結晶性ポリエステル系樹脂の含有量が1質量%以上50質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記離型剤が、融点が100℃以下のパラフィンワックスを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 溶融混練をオープンロール型混練機を用いて行う、請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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