JP2020083690A - 貼り合わせ基板の分断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貼り合わせ基板を好適に分断することができる方法を提供する。【解決手段】当該方法が、第1のガラス基板の表面において分断予定位置に沿って第1のスクライブラインから第1のガラス基板の厚みの30%以上50%以下の深さを有する第1の垂直クラックを導入する第1スクライブ工程と、第2のガラス基板の表面において第2のスクライブラインから第2のガラス基板の厚みの5%以上10%以下の深さを有する第2の垂直クラックを導入する第2スクライブ工程と、第1および第2のスクライブ工程を経た貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、第1のスクライブ工程において導入された第1の垂直クラックを伸展させる第1ブレーク工程と、第1ブレーク工程を経た貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、第2のスクライブ工程において導入された第2の垂直クラックを伸展させる第2ブレーク工程と、を備えるようにした。【選択図】図4
Description
本発明は、貼り合わせ基板を分断する方法に関し、特にそのスクライブ工程に関する。
ガラス基板を所定の位置にて分断して単位基板を得る手法として、ガラス基板の一方の表面における分断予定位置に対しスクライビングツール(カッターホイールなど)によってスクライブラインを形成するとともに該スクライブラインからクラックを伸展(浸透)させるスクライブ処理を行った後、係るスクライブラインが形成されたガラス基板とは反対面に対しブレークバーを押し当てることによりクラックをさらに伸展させるブレーク処理を行うという手法が、すでに公知である(例えば特許文献1参照)。
また、2枚の大判のガラス基板を貼り合わせてなるマザー基板(貼り合わせ基板)を、所定の位置にて分断して単位基板(セル基板)を得る手法として、それぞれのガラス基板の表面(マザー基板の上下両面)における分断予定位置に対し、(相対)移動方向に所定距離離隔させる態様にて2つのスクライビングツールを当接させ、両者によって同時にスクライブラインの形成さらには該スクライブラインからのクラック伸展(浸透)を行った後、クラックの浸透量が小さい方の基板を対象にブレーク処理を行うことによってもう一方のガラス基板についても同時にブレークする、という手法も、すでに公知である(例えば特許文献2参照)。
単板のガラス基板を分断する場合、断面品質を最大限に確保するという観点からは、スクライブ処理として、スクライブラインからのクラックの浸透量をガラス基板の厚みの15%以下とする、いわゆる低浸透スクライブを行うことが好ましい。
しかしながら、貼り合わせ基板に対し同様の手法を適用することは難しい。具体的には、貼り合わされた2つのガラス基板のそれぞれに対し低浸透スクライブ処理を行うことは可能であるものの、その後のブレーク処理において一方のガラス基板に生じているクラックを伸展させるには、ブレークバーの押し込み量を単板の場合よりも大きくする必要があること、しかしながらその場合、ブレーク対象としていない他方のガラス基板が、分断予定位置からずれてブレークされてしまい、分断が良好に行えないという問題がある。
また、特許文献2に開示されている手法は、スクライブ処理におけるクラック浸透量がガラス基板の厚みの30%以上と大きい、いわゆる高浸透スクライブを、貼り合わされた2つのガラス基板に対し同時に行い、浸透量が小さい方の基板を対象にブレークを行うというというものであるが、直接にブレークの対象としない方の基板における、断面の品質が必ずしも良好ではない、という問題がある。また、装置構成および制御が複雑という問題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、2枚のガラス基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を好適に分断することができる方法を提供することを、目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1のガラス基板と第2のガラス基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を、あらかじめ定めた分断予定位置において分断する方法であって、前記第1のガラス基板の表面において前記分断予定位置に沿って第1のスクライブラインを形成し、前記第1のスクライブラインから前記第1のガラス基板の厚み方向に、前記第1のガラス基板の厚みの30%以上50%以下の深さを有する第1の垂直クラックを導入する第1スクライブ工程と、前記第2のガラス基板の表面において前記分断予定位置に沿って第2のスクライブラインを形成し、前記第2のスクライブラインから前記第2のガラス基板の厚み方向に、前記第2のガラス基板の厚みの5%以上10%以下の深さを有する第2の垂直クラックを導入する第2スクライブ工程と、前記第1および第2のスクライブ工程を経た前記貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、前記第1のスクライブ工程において導入された前記第1の垂直クラックを伸展させる第1ブレーク工程と、前記第1ブレーク工程を経た前記貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、前記第2のスクライブ工程において導入された前記第2の垂直クラックを伸展させる第2ブレーク工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の貼り合わせ基板の分断方法であって、前記第1スクライブ工程においては、刃先に等間隔にて溝部が設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°である第1のスクライビングホイールを用い、前記第1のスクライビングホイールの前記第1のガラス基板に対する押し込み荷重を0.10MPa〜0.20MPaとし、前記第2スクライブ工程においては、刃先に等間隔にて溝部が設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°である第2のスクライビングホイールを用い、前記第2のスクライビングホイールの前記第2のガラス基板に対する押し込み荷重を0.02MPa〜0.16MPaとする、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の貼り合わせ基板の分断方法であって、前記第1ブレーク工程および前記第2ブレーク工程においては、刃先角が50°〜90°であり、刃先先端が25μm〜100μmなる断面曲率半径を有する曲面をなしているブレークバーを用い、前記第1ブレーク工程における前記ブレークバーの前記第1のガラス基板に対する押し込み量を0.04mm〜0.08mmとし、前記第2ブレーク工程における前記ブレークバーの前記第2のガラス基板に対する押し込み量を0.10mm〜0.14mmとする、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項3の発明によれば、2枚のガラス基板貼り合わせてなる貼り合わせ基板に対し、分断面の品質が好適に確保された分断を行うことが出来る。
<基板の概要>
図1は、本実施の形態に係る分断方法において厚み方向に沿った分断の対象とされる貼り合わせ基板10の構成と、分断後の様子とを、模式的に示す図である。
図1は、本実施の形態に係る分断方法において厚み方向に沿った分断の対象とされる貼り合わせ基板10の構成と、分断後の様子とを、模式的に示す図である。
貼り合わせ基板10は、概略、厚みt1の第1のガラス基板1と、厚みt2の第2のガラス基板2と図示しない接着層(接着材)にて貼り合わせた構成を有する。係る貼り合わせ基板10は、あらかじめ第1のガラス基板1の非接着面(図1における下面)から第2のガラス基板2の非接着面(図1における上面)にかけて定められた分断予定位置Pにおいて厚み方向に沿って分断されることで、矢印AR1にて示すように個片10a、10bに分断される。厚みt1と厚みt2はともに0.05mm〜0.2mmであり、同じ値であっても、異なっていてもよい。
また、貼り合わせ基板10は、液晶基板用のマザー基板であってもよい。すなわち、第1のガラス基板1がTFT基板であり、第2のガラス基板2がCF基板であり、両者の間に液晶が封入されてなるとともに、接着層に相当するシール部材が液晶を封入しつつ2つの基板を接着させてなる態様であってもよい。係る場合、シール部材が存在する位置に、分断予定位置が定められるのが好適である。
<分断の詳細>
次に、貼り合わせ基板10を分断して個片10a、10bを得る処理について説明する。係る分断は、概略、スクライブ処理による貼り合わせ基板10へのスクライブラインの形成さらには該スクライブラインを起点とするクラックの導入と、ブレーク処理によるクラック伸展とによりなされる。
次に、貼り合わせ基板10を分断して個片10a、10bを得る処理について説明する。係る分断は、概略、スクライブ処理による貼り合わせ基板10へのスクライブラインの形成さらには該スクライブラインを起点とするクラックの導入と、ブレーク処理によるクラック伸展とによりなされる。
スクライブ処理は、公知のスクライブ装置を用いて行うことが出来る。図2は、貼り合わせ基板10に対するスクライブラインの形成について説明するための図である。より詳細には、図2(a)は、第1のガラス基板1に対するスクライブ処理(以下、第1スクライブ処理)の様子を示しており、図2(b)は、第2のガラス基板2に対するスクライブ処理(以下、第2スクライブ処理)の様子を示している。また、図3は、第1スクライブ処理と第2スクライブ処理とが終了した後の貼り合わせ基板10の様子を示す図である。
第1スクライブ処理と第2スクライブ処理はいずれも、公知のスクライブ装置100を用いて行うことが出来る。スクライブ装置100は、貼り合わせ基板10を載置固定するためのステージ101と、断面視三角形状の刃先を有する円板状の部材であるスクライビングホイール(カッターホイール)102とを備える。スクライビングホイール102は、垂直面内において回転自在な態様にてスクライブ装置100に保持される。
ただし、第1スクライブ処理と第2スクライブ処理とでは、用いるスクライビングホイール102の種類やスクライブ荷重などのスクライブ条件が違えられる。それゆえ、本実施の形態においては、図2(a)に示すように、第1スクライブ処理に用いるスクライブ装置100およびスクライビングホイール102を特にそれぞれ、スクライブ装置100Aおよびスクライビングホイール102Aと称し、図2(b)に示すように、第2スクライブ処理に用いるスクライブ装置100およびスクライビングホイール102を特にそれぞれ、スクライブ装置100Bおよびスクライビングホイール102Bと称することとする。
なお、実際の使用の局面では、スクライビングホイール102Aとスクライビングホイール102Bとを適宜に交換することにより、一のスクライブ装置100において第1スクライブ処理と第2スクライブ処理とが行われる態様であってよい。
あるいは、高浸透スクライブ用のスクライビングホイールと低浸透スクライブ用のスクライビングホイールとが貼り合わせ基板10の上下両側から同時に圧接転動されることにより、スクライブラインの形成および垂直クラックの伸展が、第1のガラス基板1と第2のガラス基板2の両方に対し同時になされる態様であってもよい。
図2(a)に示すように、第1スクライブ処理においては、第1のガラス基板1が上側となる姿勢にて貼り合わせ基板10をステージ101に載置固定した状態で、スクライビングホイール102Aを、第1のガラス基板1の表面において分断予定位置Pに沿って圧接転動させる。一方、図2(b)に示すように、第2スクライブ処理においては、第2のガラス基板2が上側となる姿勢にて貼り合わせ基板10をステージ101に載置固定した状態で、スクライビングホイール102Bを、第2のガラス基板2の表面において分断予定位置Pに沿って圧接転動させる。
これらにより、図3に示すように、第1のガラス基板1と第2のガラス基板2の表面にはともに、分断予定位置Pに沿ってスクライブラインSLが形成され、それぞれのスクライブラインSLからクラックCR1、CR2が伸展する。なお、スクライビングホイール102Aの転動は、貼り合わせ基板10を固定してなるステージ101が移動することによる相対的なものであってもよい。
より詳細には、第1スクライブ処理は、第1のガラス基板1の表面から伸展する(浸透する)垂直クラックの深さ(浸透深さ)d1が0.3t1〜0.5t1(厚みt1の30%〜50%)となるように行い、第2スクライブ処理は、第2のガラス基板2の表面から伸展する(浸透する)垂直クラックの深さ(浸透深さ)d2が0.05t2〜0.1t2(厚みt2の5%〜10%)となるように行う。
換言すれば、第1スクライブ処理の方が第2スクライブ処理よりも、ガラス基板の厚みに対する浸透深さの割合が大きくなるようにする。それゆえ、第1スクライブ処理を高浸透スクライブとも称し、第2スクライブを低浸透スクライブとも称する。
より詳細には、高浸透スクライブを行う第1スクライブ処理においては、スクライビングホイール102Aとして、刃先に等間隔にて溝部Gが設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°であるものを用い、圧接に際してスクライビングホイール102Aが第1のガラス基板1に対し印加する荷重である押し込み荷重を0.10MPa〜0.20MPaとするのが好適である。また、低浸透スクライブを行う第2スクライブ処理においては、スクライビングホイール102Bとして、刃先に等間隔にて多数の溝部Gが設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°であるものを用い、押し込み荷重を0.02MPa〜0.16MPaとするのが好適である。具体的なスクライブ条件は、貼り合わせ基板10の材質や厚みなどに応じて定められればよい。
スクライブ処理が行われると、続いて、ブレーク処理が行われる。ブレーク処理としては、第1のスクライブ処理において第1のガラス基板1に形成されたクラックCR1を伸展させる第1ブレーク処理と、第2のスクライブ処理において第2のガラス基板2に形成されたクラックCR2を伸展させる第2ブレーク処理との、2段階の処理を行う。換言すれば、高浸透スクライブにより形成されたクラックを対象とする第1ブレーク処理を行ったうえで、低浸透スクライブ処理により形成されたクラックを対象とする第2ブレーク処理を行う。
第1ブレーク処理および第2ブレーク処理は、公知の(共通の)ブレーク装置を用いて行うことが出来る。図4ないし図7は、貼り合わせ基板10に対するブレーク処理について説明するための図である。ブレーク処理は、公知のブレーク装置200を用いて行うことが出来る。
ブレーク装置200は、少なくとも表面部分が弾性体からなり、ブレーク対象物を水平姿勢にて下方支持可能な支持体201と、鉛直下方に断面視三角形状の刃先202eを有する板状部材であるブレークバー202とを、主として備える。
ブレークバー202は、断面視二等辺三角形状の刃先202eが刃渡り方向に延在するように設けられてなる板状の金属製(例えば超硬合金製)部材である。図4および図6においては、刃渡り方向が図面に垂直な方向となるように、ブレークバー202を示している。ブレークバー202としては、刃先202eの角度(刃先角)が50°〜90°であり、刃先202eの先端が25μm〜100μmなる断面曲率半径を有する曲面をなしているものを用いるのが好適である。具体的なブレーク条件は、貼り合わせ基板10の材質や厚みなどに応じて定められればよい。
貼り合わせ基板10は、ブレーク処理に際し、図示しないダイシングリングに張設されたダイシングテープDTに第1のガラス基板1の表面を貼付させた状態で支持体201の上に載置固定される。なお、より詳細には、係る載置固定に際し、第2のガラス基板2の表面には図示しない保護フィルムが貼付される。
図4においては、第1のガラス基板1において分断予定位置Pに沿って導入されたクラックCR1を伸展させる、第1ブレーク処理を行う場合を例示している。
係る場合、貼り合わせ基板10は、クラックCR1の伸展対象たる第1のガラス基板1が下方となり、第2のガラス基板2側が上方となり(換言すれば、ダイシングテープDTを支持体201に接触させる態様にて)、かつ、分断予定位置Pとブレークバー202の刃先202eとが同一面内に位置する姿勢にて、支持体201に載置固定される。
換言すれば、ブレークバー202の刃先202eが第2のガラス基板2に形成されてなるクラックCR2の鉛直上方に位置するように、貼り合わせ基板10とブレークバー202とが位置決めされる。
そして、係る態様にて位置決めされたブレークバー202は下降させられ、その刃先202eが第2のガラス基板2に(より詳細には図示しない保護フィルムに)当接した後もさらに、所定距離(これを押し込み量と称する)押し込まれる。これにより、クラックCR1は分断予定位置Pに沿って伸展し、図5に示すように第1のガラス基板1の反対面にまで伸展する。
第1ブレーク処理が終了すると、続いて、第2のガラス基板1において分断予定位置Pに沿って導入されたクラックCR2を伸展させる、第2ブレーク処理を行う。図6は、第2ブレーク処理を行う場合を例示している。第2ブレーク処理は、第1ブレーク処理のときとは貼り合わせ基板10を上下反転させた状態で行う。すなわち、第2ブレーク処理においては、貼り合わせ基板10が、クラックCR2の伸展対象たる第2のガラス基板2が下方となり、第1のガラス基板1側が上方となり(換言すれば、図示しない保護フィルムを支持体201に接触させる態様にて)、かつ、分断予定位置Pとブレークバー202の刃先202eとが同一面内に位置する姿勢にて、支持体201に載置固定される。
換言すれば、ブレークバー202の刃先202eが第1のガラス基板1に形成されてなるクラックCR1の鉛直上方に位置するように、貼り合わせ基板10とブレークバー202とが位置決めされる。
そして、係る態様にて位置決めされたブレークバー202は下降させられ、その刃先202eが第1のガラス基板1に(より詳細にはダイシングテープDTに)当接した後もさらに、所定の押し込み量にて押し込まれる。これにより、クラックCR2は分断予定位置Pに沿って伸展し、図7に示すように第2のガラス基板2の反対面にまで達する。
係る第2ブレーク処理がなされることで、貼り合わせ基板10が分断予定位置Pに沿って分断されたことになる。換言すれば、分断予定位置Pに形成されたクラックCR1、CR2が分断面をなす分断が、行われたことになる。
図8は、貼り合わせ基板10が分断予定位置Pに沿って分断された後の様子を示す図である。具体的には、図示しないエキスパンド装置によって、第1のガラス基板1の表面に貼付されていたダイシングテープDTが図8において矢印AR2a、AR2bにて示すような相反する方向に引っ張られることで引き延ばされる(エキスパンドされる)。これにより、分断後も分断面のところで互いに接触したままであった2つの部分が離隔させられ、図1に示した個片10a、10bとして得られることになる。
<スクライブ処理の使い分けの効果>
本実施の形態に係る貼り合わせ基板の分断方法においては、上述したように、第1スクライブ処理において第1のガラス基板1に対し高浸透スクライブを行い、第2スクライブ処理において第2のガラス基板2に対し低浸透スクライブを行った後、第1のガラス基板1に形成されたクラックCR1を伸展させる第1ブレーク処理と、第2のガラス基板2に形成されたクラックCR2を伸展させる第2ブレーク処理とを、この順に行っている。係る態様により得られる効果について、以下に説明する。
本実施の形態に係る貼り合わせ基板の分断方法においては、上述したように、第1スクライブ処理において第1のガラス基板1に対し高浸透スクライブを行い、第2スクライブ処理において第2のガラス基板2に対し低浸透スクライブを行った後、第1のガラス基板1に形成されたクラックCR1を伸展させる第1ブレーク処理と、第2のガラス基板2に形成されたクラックCR2を伸展させる第2ブレーク処理とを、この順に行っている。係る態様により得られる効果について、以下に説明する。
図9および図10は、対比例として示す、第2スクライブ処理のみならず、これに先立つ第1スクライブ処理においても低浸透スクライブを行った場合の、第1ブレーク処理前後の様子を示す図である。なお、議論の簡単のため、第1のガラス基板1と第2のガラス基板2とは同じ厚みtを有しているとする。
例えば、図9に示すように、第1スクライブ処理と第2スクライブ処理とをともに低浸透スクライブとすることによって、第1のガラス基板1と第2のガラス基板2に対しd=0.05t〜0.1tのクラックCR3、CR4がそれぞれ、分断予定位置Pに沿って伸展したとする。
係る対比例を、図4に示したように第1スクライブ処理を高浸透スクライブとする、本実施の形態に係る分断方法と対比すると、対比例の場合、すでに伸展しているクラックの深さの基板厚みに対する比率が、本実施の形態の場合に比して小さいために、第1ブレーク処理によって第1のガラス基板1におけるクラックCR3をさらに伸展させようとすると、本実施の形態の場合よりも押し込み量を大きくする必要がある。単板のガラス基板であれば特段の問題は生じないが、貼り合わせ基板の場合、図10に示すように、第1のガラス基板1におけるクラックCR3の伸展のみならず、その延長で、第2のガラス基板2に対してもクラック3αが伸展してしまう、いわゆる共割れが生じてしまうことがある。係るクラック3αは、必ずしも分断予定位置Pに沿って形成されるものではない。
しかも、共割れが生じてしまっている第2のガラス基板2に対してさらに第2ブレーク処理を行ったとしても、分断予定位置Pに沿ったクラックCR4の伸展は好適には生じず、共割れで生じたクラック3αが、最終的に分断面となってしまう場合もある。このような場合、最終的に得られる個片の断面が、あらかじめ定められた寸法公差をみたさないことがある。
これに対し、本実施の形態の場合、すでに伸展しているクラックの深さの基板厚みに対する比率が大きい分、対比例の場合に比して押し込み量を小さく設定したとしても、第1ブレーク処理によって第1のガラス基板1の反対面までクラックCR1を好適に伸展させることができる。また、押し込み量が小さいために、上述のような共割れの発生は回避される。実際には、第1ブレーク処理における押し込み量は、0.04mm〜0.08mm程度であればよい。
なお、本実施の形態においても、第2スクライブ処理は低浸透スクライブであるために、係る第2スクライブ処理によって形成されたクラックCR2を第2ブレーク処理において伸展させる際の押し込み量は、第1ブレーク処理における押し込み量よりは大きくする必要があるが、第1のガラス基板1においてはすでにクラックCR1が表面から接着面にかけて伸展しているので、対比例のような共割れが発生することはない。実際には、第2ブレーク処理における押し込み量は、0.10mm〜0.14mm程度であればよい。
例えば、t1=t2=0.15mmである貼り合わせ基板10に対しては、以下のような条件で、第1スクライブ処理、第2スクライブ処理、第1ブレーク処理、および第2ブレーク処理を行うことが例示される。ただし、スクライビングホイール102(102A、102B)としては、刃先に等間隔にて溝部Gが設けられてなるものを用いるものとする。
第1スクライブ処理:
スクライビングホイールの直径:2mm;
スクライビングホイールの刃先角:100°〜110°;
押し込み荷重:0.12MPa〜0.18MPa。
スクライビングホイールの直径:2mm;
スクライビングホイールの刃先角:100°〜110°;
押し込み荷重:0.12MPa〜0.18MPa。
第2スクライブ処理:
スクライビングホイールの直径:2mm;
スクライビングホイールの刃先角:120°〜130°;
押し込み荷重:0.1MPa〜0.16MPa。
スクライビングホイールの直径:2mm;
スクライビングホイールの刃先角:120°〜130°;
押し込み荷重:0.1MPa〜0.16MPa。
第1ブレーク処理:
ブレークバーの刃先角:50°〜90°;
ブレークバー先端の断面曲率半径:25μm〜100μm;
押し込み量:0.06mm〜0.08mm。
ブレークバーの刃先角:50°〜90°;
ブレークバー先端の断面曲率半径:25μm〜100μm;
押し込み量:0.06mm〜0.08mm。
第2ブレーク処理:
ブレークバーの刃先角:50°〜90°;
ブレークバー先端の断面曲率半径:25μm〜100μm;
押し込み量:0.10mm〜0.14mm。
ブレークバーの刃先角:50°〜90°;
ブレークバー先端の断面曲率半径:25μm〜100μm;
押し込み量:0.10mm〜0.14mm。
ところで、第1のガラス基板1に対し高浸透スクライブを行い、第2のガラス基板2に対し低浸透スクライブを行った後のブレーク処理に際し、第2のガラス基板2を最初のブレーク処理の対象とすることは好ましくない。係る場合、第2のガラス基板2においてクラックを伸展させるには、押し込み量を上述の対比例と同様とする必要があり、それゆえ、共割れが発生する恐れがあるからである。
また、単にガラス基板の分断面の品質(例えば、平坦性、表面に対する垂直性など)という点からは、低浸透スクライブによって形成したクラックを伸展させる場合の方が高浸透スクライブによって形成したクラックを伸展させる場合に比してより優れてはいるが、後者の分断品質は共割れにより得られる断面の品質に比べれば優れており、寸法公差から外れる確率も共割れの場合にして十分に小さい。それゆえ、歩留まりという観点からも、本実施の形態に係る分断方法の方が、対比例によりも優れているといえる。
ただし、貼り合わせたガラス基板の両方に対し高浸透スクライブを行ったうえで、ブレーク処理に供する対応も考えられるが、分断面の品質を出来るだけ確保するという点からは、第2ブレーク処理の対象となるクラックについては、低浸透スクライブにより形成することが望ましい。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、2枚のガラス基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を分断する場合において、一方の基板に対し高浸透スクライブを行い、他方の基板に対し低浸透スクライブを行って、それぞれにおいてクラックを浸透させたうえで、高浸透スクライブによって形成されたクラックをブレーク処理によってまず伸展させ、その後に低浸透スクライブによって形成されたクラックをブレーク処理によって伸展させるようにすることで、分断面の品質が好適に確保された分断を行うことが出来る。
<変形例>
高浸透スクライブがなされた第1のガラス基板1に対する第1ブレーク処理が、低浸透スクライブがなされた第2のガラス基板2に対する第2ブレーク処理よりも先行する限りにおいて、第1スクライブ工程と第2スクライブ工程とは順序が入れ替わってもよい。すなわち、第2のガラス基板2に対し低浸透スクライブを行った後、第1のガラス基板1に対し高浸透スクライブを行う態様であってもよい。
また、貼り合わせ基板10を液晶基板用のマザー基板とする場合、第1のガラス基板1がCF基板であり、第2のガラス基板2がTFT基板であるようにしてもよい。
高浸透スクライブがなされた第1のガラス基板1に対する第1ブレーク処理が、低浸透スクライブがなされた第2のガラス基板2に対する第2ブレーク処理よりも先行する限りにおいて、第1スクライブ工程と第2スクライブ工程とは順序が入れ替わってもよい。すなわち、第2のガラス基板2に対し低浸透スクライブを行った後、第1のガラス基板1に対し高浸透スクライブを行う態様であってもよい。
また、貼り合わせ基板10を液晶基板用のマザー基板とする場合、第1のガラス基板1がCF基板であり、第2のガラス基板2がTFT基板であるようにしてもよい。
上述の実施の形態においては、一の分断予定位置に対する分断を行う場合を例としているが、一の貼り合わせ基板に対し複数の分断予定位置が設定されてよく、係る場合、第1スクライブ処理、第2スクライブ処理、第1ブレーク処理、および第2ブレーク処理はそれぞれ、全ての分断予定位置に対する当該処理が終了した後、全ての分断予定位置に対して次の処理を行うようにすればよい。
1 第1のガラス基板
2 第2のガラス基板
100 スクライブ装置
101 ステージ
102(102A、102B) スクライビングホイール
200 ブレーク装置
201 支持体
202 ブレークバー
202e (ブレークバーの)刃先
CR1、CR2、CR3、CR3α、CR4 クラック
DT ダイシングテープ
G (スクライビングホイールの)溝部
P 分断予定位置
SL スクライブライン
2 第2のガラス基板
100 スクライブ装置
101 ステージ
102(102A、102B) スクライビングホイール
200 ブレーク装置
201 支持体
202 ブレークバー
202e (ブレークバーの)刃先
CR1、CR2、CR3、CR3α、CR4 クラック
DT ダイシングテープ
G (スクライビングホイールの)溝部
P 分断予定位置
SL スクライブライン
Claims (3)
- 第1のガラス基板と第2のガラス基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を、あらかじめ定めた分断予定位置において分断する方法であって、
前記第1のガラス基板の表面において前記分断予定位置に沿って第1のスクライブラインを形成し、前記第1のスクライブラインから前記第1のガラス基板の厚み方向に、前記第1のガラス基板の厚みの30%以上50%以下の深さを有する第1の垂直クラックを導入する第1スクライブ工程と、
前記第2のガラス基板の表面において前記分断予定位置に沿って第2のスクライブラインを形成し、前記第2のスクライブラインから前記第2のガラス基板の厚み方向に、前記第2のガラス基板の厚みの5%以上10%以下の深さを有する第2の垂直クラックを導入する第2スクライブ工程と、
前記第1および第2のスクライブ工程を経た前記貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、前記第1のスクライブ工程において導入された前記第1の垂直クラックを伸展させる第1ブレーク工程と、
前記第1ブレーク工程を経た前記貼り合わせ基板に対しブレークバーを当接させ、前記第2のスクライブ工程において導入された前記第2の垂直クラックを伸展させる第2ブレーク工程と、
を備えることを特徴とする、貼り合わせ基板の分断方法。 - 請求項1に記載の貼り合わせ基板の分断方法であって、
前記第1スクライブ工程においては、刃先に等間隔にて溝部が設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°である第1のスクライビングホイールを用い、前記第1のスクライビングホイールの前記第1のガラス基板に対する押し込み荷重を0.10MPa〜0.20MPaとし、
前記第2スクライブ工程においては、刃先に等間隔にて溝部が設けられてなり、直径が1.0mm〜2.0mmであり、刃先角が100°〜135°である第2のスクライビングホイールを用い、前記第2のスクライビングホイールの前記第2のガラス基板に対する押し込み荷重を0.02MPa〜0.16MPaとする、
ことを特徴とする、貼り合わせ基板の分断方法。 - 請求項1または請求項2に記載の貼り合わせ基板の分断方法であって、
前記第1ブレーク工程および前記第2ブレーク工程においては、刃先角が50°〜90°であり、刃先先端が25μm〜100μmなる断面曲率半径を有する曲面をなしているブレークバーを用い、
前記第1ブレーク工程における前記ブレークバーの前記第1のガラス基板に対する押し込み量を0.04mm〜0.08mmとし、
前記第2ブレーク工程における前記ブレークバーの前記第2のガラス基板に対する押し込み量を0.10mm〜0.14mmとする、
ことを特徴とする、貼り合わせ基板の分断方法。
Priority Applications (4)
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| JP2018218865A JP2020083690A (ja) | 2018-11-22 | 2018-11-22 | 貼り合わせ基板の分断方法 |
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|---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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| JP2018218865A Pending JP2020083690A (ja) | 2018-11-22 | 2018-11-22 | 貼り合わせ基板の分断方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
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| CN (1) | CN111204964A (ja) |
| TW (1) | TW202023977A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP6507600B2 (ja) | 2014-12-02 | 2019-05-08 | 三星ダイヤモンド工業株式会社 | 脆性材料基板の分断方法及び加工装置 |
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2018
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| CN111204964A (zh) | 2020-05-29 |
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