図1は,認知機能検査を実施するためのシステムの全体を示すものであり,認知機能検査の検査(実施)制御や進行管理の機能を含んでいる。したがって図1は認知機能検査の検査制御システム,進行管理システム等とも呼べる。
認知機能検査を実施するためのシステムは,検査員が使用する検査員装置10と,受検者が使用する受検者端末装置20とから構成される。一般に一つの部屋に集められた複数の受検者(10人,15人など)を対象に認知機能検査を実施するので,複数台の端末装置20が用意される。
この認知機能検査実施システムは大きく分けて2つの動作モードをもっている。同期動作モードと非同期動作モードである。認知機能検査は一連の個々の検査(その準備,説明,指示,等を含む,以下これらを,後に詳述するように,カテゴリーと呼ぶ)から構成される。同期動作モードは複数台の稼働するすべての端末装置において同じカテゴリーの検査を同時に開始するものである。したがって,複数台のすべての端末装置において認知機能検査が同期して進行していく。これに対して非同期動作モードにおいては,複数のカテゴリーの検査の内容と実施順序は複数台の稼働するすべての端末装置において同じであるが,その開始の時点が異なることを許容するものである。各端末装置における認知機能検査の進捗は受検者によって異なっていてもよい。
各端末装置20にはヘッドホン21が着脱自在に接続可能である。同期動作モードではヘッドホン21を使わない。同期動作モードでは各種説明等は検査員が口頭で行い,検査員が検査員装置10を用いて,すべての端末装置20において各検査が一斉に開始するようにトリガ(指示,指揮)する。ヘッドホン21は非同期動作モードで使用され,検査の実施に必要な説明,指示等は,質問への回答等相互コミュニケーションが必要なものを除いて,原則的にヘッドホンから流れる音声によって受検者に与えられる。ヘッドホンとしては,ノイズキャンセル機能等,外部からの音を遮断する能力を持つものであることが好ましい。
検査員装置10と複数台の端末装置20とはそれぞれ通信機能を有し,有線または無線で相互に通信し,プログラムやデータを送受信する。この実施例では両装置10と20はウェブブラウザを搭載し,これにより相互に通信する。
図3は検査員装置10の構成の概要を示している。検査員装置10はいわゆるパーソナルコンピュータ(PC)で実現され,コンピュータ本体である制御部11(各種制御手段),表示装置により実現される表示部12(表示用メモリを含む),記憶装置により実現される記憶部13,入出力部14およびブラウザ機能により実現される通信制御部15を含む。好ましくは表示部12の表示画面上にはタッチパネルが設けられ,表示部12は入力機能も持つ(表示入力装置)。この場合には入出力部14の入出力インターフェイス機能は表示部12によって実現される。図3においては,検査員装置10はサーバ機能を持つ。
記憶部13には,さまざまなデータ格納領域,プログラム領域が設けられている。詳細は後述するが,記憶部13には,初期設定データ記憶領域,検査員装置用表示画面データ記憶領域(進行状況表示制御手段,端末別検査情報記憶手段,端末別進行状況記憶手段),ページ別端末制御データ記憶領域(検査(実行)制御手段,送出制御手段,シーケンス制御手段)(同期動作モード用,非同期動作モード用),端末用表示画面データ記憶領域(同期動作モード用,非同期動作モード用),端末用音声データ記憶領域(非同期動作モード用のみ),端末別入力情報記憶領域(端末別検査情報記憶手段,端末別進行状況記憶手段),端末別進行表(進行状況表示制御手段,端末別検査情報記憶手段,端末別進行状況記憶手段)(非同期動作モード用),管理ポインタ(同期動作モード用),カテゴリー別項目数表(同期動作モード用,非同期動作モード用),初期設定プログラム記憶領域,主プログラム(同期動作用,非同期動作用)記憶領域,表示プログラム(進行状況表示制御手段)記憶領域,採点プログラム記憶領域,採点表記憶領域等がある。
端末装置20は好ましくはモバイル端末装置であり,タブレット型端末装置であることが望ましい。すなわち,端末装置20もまた,制御部,表示部,記憶部,通信制御部等を備え,表示部の表示装置の表示画面上にはタッチパネルが設けられ,入出力インターフェイス部として働く。端末装置20の表示画面上には,後述するように,説明文,指示文,質問文,注意文,設問,回答欄等が表示され,受検者は表示画面上に指または専用ペンを用いてタッチしたり,文字,数字等を手書きして入力することができる。端末装置20はまた,音声データをイヤホン21に与える音声信号に変換する音声出力部(音声出力手段)を備えている。音声データが音声信号のデジタルデータである場合には,音声出力部はD/A変換部と増幅部を含むものとなり,音声データがテキストデータである場合には,音声出力部はさらに音声合成(または作成)プログラム(いわゆる読み上げソフト)を備える。
この実施例では検査員装置10がサーバとして働き,すべてのデータ,プログラム等をその記憶部13に保有し,後述するように,その都度(画面の変更の毎に)端末装置20で必要なプログラムやデータをサーバ10から端末装置20に送信する(端末装置,サーバのどちらが主導権を持つかは動作モード(同期,非同期)に依る)。もちろん端末装置20のためのプログラムや端末装置20で用いるデータについては端末装置20に持たせてもよい。他の実施態様では,図2に示すように,クラウドコンピューティングシステムを利用し,これをサーバ30とする。検査員装置10Aは一種の端末装置となり,認知機能検査の進行管理のための表示機能,同期モードにおいて端末装置20における検査実行をトリガする機能(後述する開始ボタン,次へボタン,戻るボタンによる指令発信)等を持つのみとなる。図3の検査員装置10の記憶部13に記憶されるようなプログラムやデータの全部または一部をクラウドコンピューティングシステムのサーバ30にアップロードしておき,端末装置20や検査員装置10Aはクラウドコンピューティングシステムと交信しながら認知機能検査の実施,その進行管理を行う。
図4は記憶部13内に設けられる検査員装置用表示画面(進行管理画面)データ(進行状況表示制御手段)記憶領域(端末別検査情報記憶手段)(端末別進行状況記憶手段)の概要を示すものである。この記憶領域には,初期設定データ領域,進行管理表データ領域およびページ(カテゴリー別,項目別)説明データ領域がある。これらのデータはいずれも検査員装置の表示画面上の配置,データと関連するので,その詳細を図13から図15に示す表示画面を参照して説明する。なお,図4のデータ記憶領域は表示部12の表示用メモリで実現してもよい。
図13,図14および図15は非同期動作モードにおける検査員装置20の表示部12の表示画面の例を示すものである。図13は表示画面の全体を示すものであり,検査員装置10の表示部12の表示画面には,上から,初期設定データ表示欄31,進行管理表表示欄32およびページ説明欄33が設けられている。採点ボタン34,検査終了ボタン35も設けられている。図14は初期設定データ表示欄31と進行管理表表示欄32の拡大図であり,図15はページ説明欄33の拡大図である。
ページ説明データ領域は表示画面上のページ説明欄33への表示をするために必要なデータを格納する領域である。このページ説明欄33は,認知機能検査の実施の内容(指示,各種説明,注意,確認,提示,回答記入,開始,終了の指示等)とその順序を表示する,いわばガイダンスを示す欄である。同期動作モードの場合には検査員が行うべき内容と順序(手順)を示し,非同期動作モードの場合には各端末装置20が実行する処理の内容と順序を示す。
非同期動作モードでの検査の実施においては10のカテゴリーがある。カテゴリーとは,検査準備(カテゴリー0),事前指示/説明(カテゴリー1),自己申告/検査説明(カテゴリー2),見当識(カテゴリー3),遅延再生(イラスト記憶)(カテゴリー4),介入課題(カテゴリー5),遅延再生(自由回答)(カテゴリー6),遅延再生(手がかり回答)(カテゴリー7),時計描画(カテゴリー8)および終了(カテゴリー9)を指し,いわば認知機能検査の進行ステージ(検査の事前準備,各種検査,検査の種類)である。
各カテゴリーを示す用語の下に,項目(各ステージにおける詳細実施項目)が番号をつけて縦に並べられている。項目とは事前指示/説明のカテゴリーでいえば,1.音声確認,2.検査に当たっての事前の指示,3.諸注意,4.質問確認,4.検査結果等に関する説明である。同期動作モードにおけるカテゴリー,項目では非同期動作モードにおけるカテゴリー,項目のいくつかが省略されている。具体的には後述する。
これらのカテゴリーと項目の組合せを,この実施例ではページと呼ぶ。認知機能検査が1ページずつ進んでいく,というイメージである。ページには識別符号が付けられる。ここでは,順番にP1,P2,P3,‥‥,Pi,‥‥Pn,‥‥というページ番号を付けるものとする。たとえば,非同期動作モードの場合,カテゴリー0の検査準備の項目1.検査開始がP1,音量調節がP2,カテゴリー1の事前指示/説明の項目1.音声確認がP3,検査に当たっての事前の指示がP4,諸注意がP5,質問確認がP6,検査結果等に関する説明はP7,カテゴリー2の自己申告/検査説明の項目1.自己申告用紙表示はP8である。同期モードではカテゴリー0の検査準備が存在しないし,カテゴリー1の事前指示/説明の1.音声確認も存在しないから,カテゴリー1の事前指示/説明の項目1.検査に当たっての事前の指示がP1となる。
進行管理表表示欄の進行管理表には複数台の端末装置20の端末番号ごとに,上述したカテゴリーのコラムが表示され,各カテゴリーのコラムに表示される記号,番号,文字等によって進行の様子が分るようになっている。たとえば,図17を参照して,丸印〇はそのカテゴリーの検査の実施が終了したことを示す。1,2,4等の数字は,そのカテゴリーにおける項目の番号を示す。すなわち,そのカテゴリーにおいて,数字によって表わされる番号の項目が進行中であることを示す。質問の文字は受検者から質問があることを示している。図18に示すように,現在進行中のカテゴリーまで延びる矢印を表示して,現在のステージを示すようにしてもよいなど,さまざまな態様で端末装置ごとの進行を表示することができる。また,端末番号に対応してその端末番号を使用している受検者の氏名(本人の手書き氏名)が表示される。進行管理表において,端末番号は縦方向に並び,氏名およびカテゴリーは横方向に並んでいる。逆に,端末番号を横方向に配列し,検査の進行段階(カテゴリー等)(検査の種類)を縦方向に配列してもよい。初期設定データ欄については後述する。
図5はページ別端末制御データ記憶領域の内容を示すものである。ページ別端末制御データ(検査(実行)制御手段,送出制御手段,シーケンス制御手段)には,ページ毎に,認知機能検査の各段階で(各ページで)端末装置20が必要とするプログラム(端末制御プログラム),各種データ記憶領域が含まれている。端末制御プログラムは,端末装置が行う動作のプログラム,すなわち端末装置が処理を実行するためのプログラムであり,詳細は後述する。各種データには表示画面データと音声データ(非同期動作モードの場合)があり,これらの表示画面データと音声データは,一実施態様では,その格納場所のURLで代表されている。格納場所とは,端末用表示画面データ記憶領域(図6)と,端末用音声データ記憶領域(図7)である。特に詳しく説明すると,端末装置20はこれらのURLを用いて検査員装置10(サーバ)に表示画面データ,音声データを取りにいく。1ページの処理において,2画面以上の画面の表示,2単位(2ファイル)以上の音声出力が必要な場合には,その分の複数のURLが記述される。各種データ記憶領域とは,端末装置20が表示画面上のタッチパネルから読取ったデータを記憶する領域(読取データ記憶領域)(端末別検査情報記憶領域)を含む。
ページ別端末制御データは検査の進行に伴って各カテゴリーの各項目ごとに(ページごとに)検査員装置10から端末装置20に送られ(端末装置20が検査員装置10にとりにいき),それに従って端末装置20が動作する。これらのページ別端末制御データはあらかじめ端末装置20の記憶部に記憶させておいてもよい。画面データや音声データも端末装置20に記憶させておいてもよい。上述したクラウドコンピューティングシステムを利用した場合には,これらのページ別端末制御データ,画面データ,音声データをクラウドコンピューティングシステムのサーバ30から端末装置に送信するようになるであろう。
図6において,端末用表示画面データ記憶領域には,端末装置20に表示する画面を表わすデータ(画面データ)が記憶されている。画面データはテキストデータまたはイメージデータである。各画面データ(ファイル)にはURLが付けられている。端末装置20はURLを指定して表示すべき画面データを特定する。指定されたURLの画面データは検査員装置(サーバ)10から端末装置20に送られる。
図7において,端末用音声データ記憶領域には,端末装置20から出力する音声を表わすデータ(音声データ)が記憶されている。音声データはテキストデータまたは音声信号データである。各音声データ(ファイル)にはURLが付けられている。端末装置20はURLを指定して表示すべき音声データを特定する。指定されたURLの音声データは検査員装置(サーバ)10から端末装置20に送られる。
図8において,端末別入力情報記憶領域(端末別検査情報記憶手段,端末別進行状況記憶手段)には,端末装置20ごとに,当該端末装置から送信されてきた情報を記憶するものであり,記憶される情報には,終了通知,質問/確認通知,自己申告用紙情報,回答入力情報等があり,これらはカテゴリー(ステージ)ごとに,場合によっては項目を特定して記憶される(開始通知も記憶してもよい)。端末装置は,端末番号またはその端末装置を使用している受検者の識別符号(氏名を含む)などによって特定される。この端末別入力情報記憶領域(図8)とページ別端末制御データ記憶領域(図5)の読取データ記憶領域とでデータまたは情報が重複している場合には,いずれか一方に記憶しておけば足りる。
図9(A) は非同期モードにおいて検査員装置10(サーバ)に設けられる端末別進行表(端末別検査情報記憶手段,端末別進行状況記憶手段,進行状況表示制御手段)を示している。この端末別進行表は,端末ごとに,その端末において実施されている検査(実行されている処理)の進行を,そのとき(現在進行中)のステージ(カテゴリー)と項目で示すものであり,各項目またはカテゴリーの処理が終了する毎に更新される。処理の進行の段階という観点からはステージという用語が適切であるが,検査の種類,内容という観点からはカテゴリーという用語が適切である。ステージとカテゴリーは同じ内容を表わしており,文脈に応じて使い分けている。項目も処理進行の観点からはステップという用語で表現することも可能である。
同期モードにおいては,複数台のすべての端末装置の進行は同じであるから,図9(B) に示すように,進行のステージ(カテゴリー)と項目を管理ポインタによって記憶する。
図11は各端末装置20の記憶部に設けられる進行ポインタ(シーケンス制御手段)を示している。この進行ポインタは,当該端末で実行されている処理(実施されている検査)のステージ(カテゴリー)と項目を記憶するものである。
図9(A),(B),図11における進行ステージ(カテゴリー)と項目をページのような連続番号で表現してもよいし,ステージ(カテゴリー)と項目をそれぞれ番号で表現してもよい。
図10は,カテゴリー別項目数表の例を,非同期モードの場合について示すものである。各カテゴリー(ステージ)について,そこに含まれる項目(ステップ)の数を記憶している。これは特に,端末別進行表,進行ポインタ,管理ポインタ等におけるステージと項目の組合せが連続番号で表わされている場合に,それをカテゴリーを項目に戻したり,進行管理表表示欄32の進行管理表の各コラムに表示する項目を表わす数字を算出する場合等において有効に用いられる。
図12は採点表の例を示す。各端末番号について,検査の設問1,3,4,5ごとに,各設問の細かい問題別に点数を記憶できる。合計点とそれに基づく認知機能のレベルの分類も記憶される。
図16と図19を参照して検査員装置10における初期設定について説明する。
検査員装置10の初期設定画面(図16)において検査員は初期設定を行う。初期設定には遅延再生のイラストパターンの選択と,介入課題において指定する数字の設定と,時計描画において描画すべき時間の設定と,検査動作モードの設定と,非同期動作モードの場合の音声再生速度の選択と,端末装置にスキップボタンを表示するかどうかの設定とが含まれる。
遅延再生の検査(設問)とは,複数(ここでは16)の物品等を表わしたイラストを受検者に順次提示し(この実施例では4つずつ,1つずつでもよい),憶えさせる。適当な時間経過後に(その間に介入課題を実施する),憶えたイラストによって表わされる物品等を表わす単語(ことば,文字)を筆記させる検査である。複数(16)のイラストを1セットとして,あらかじめ複数セット(パターンA〜D)を用意しておき,そのうちの1セットを選択するのが初期設定である。ここでは二重丸のパターンAが選択されている。
介入課題とは,複数行にわたって,ランダムに記載された1〜9の数字のうち,指定された数字に斜線を引いて消去していく作業を,受検者に一定時間の間行なわせるものである。これは2回行なわれる。斜線を引いて消すべき2回分の数字を複数パターンについてあらかじめ定めておき,その中の一つのパターンを選択するのが初期設定である。ここではパターンBが選択されている。
時計描画とは受検者に時計の文字盤を描かせ,その中に短針と長針で時間(時刻)を表わさせるものである。その時間を設定するのが初期設定であり,これもあらかじめ定めた4種類の時間の中から選択する。図16では8時20分が選択されている。
検査モードの設定(動作モード切替手段)とは,非同期動作モードか同期動作モードのいずれかを選択するものである。ここでは非同期動作モードが選択されている。
非同期動作モードにおいては,上述のように,端末装置20に接続されたヘッドホン21から音声が再生されて出力される。この音声再生の速度を設定するのが音声再生速度であり,ここでは±0が設定されている。
非同期動作モードにおいて,音声を最後まで聞かなくても理解できたとき,または2枚以上の画面画像の表示のうち1枚目の画像のみをみて理解できたときなどにおいて,受検者が音声の再生や画像の表示を途中で止めさせて,次のカテゴリーまたは項目(ページ)に進めたいときに,押す(タッチする)スキップボタンを端末装置20の画面に表示するかどうかを選択するのがスキップボタン表示である。ここでは非表示(表示しない)が選択されている。
これらのすべての項目を選択または設定したのち,検査員が決定ボタン36を押せば,初期設定が確定する(図19,S1)(動作モード切替手段)。確定したすべての初期設定内容は記憶部13の初期設定データ記憶領域に記憶されるとともに,そのうちの遅延再生のイラスト,介入課題の数字パターン,時計描画における時間および動作モードは,検査員装置10の表示画面の初期設定データ表示欄31に検査番号とともに表示される(図13,図17参照)。初期設定された検査モード,音声再生速度,スキップボタン表示はすべての端末装置20に送信され,すべての端末装置20は初期設定の内容にしたがって動作する。検査員装置10では,設定された検査モードにしたがって,非同期処理(S2)(非同期動作モード制御手段)または同期処理(S3)(同期動作モード制御手段)のいずれかに進む(図19)。すなわち記憶部13のページ別端末制御データ記憶領域には非同期動作モード用の一群の制御データと同期動作モード用の一群の制御データとが格納されているので,初期設定された検査モードにしたがって,いずれか一方の制御データ群が選択されて,後述するように,端末装置20に配布される。クラウドコンピューティングシステムのサーバ30により制御する場合には,ページ別端末制御データをクラウドコンピューティングシステムにアップロードしておく。端末装置20は,クラウドコンピューティングシステムのサーバ30と通信して検査処理を実行していくことになる。
まず非同期動作モードにおける検査員装置10の動作(処理)と,端末装置20の動作(処理)について,図20,図21〜図31のフローチャートおよび図32〜図68の端末表示画面にしたがって以下に,説明する。複数台の端末装置20の動作の内容は同じであるから,以下の記述では特に端末装置20を特定しない。
図20は検査員装置10における主プログラムの流れを示すものである。初期設定が終了すると,表示画面上に開始ボタンが表示されるので,検査員が開始ボタンを押すと(タッチすると)(S11),検査の進行管理の準備を行う(S12)。たとえば,図13に示すような進行管理のための初期画面を表示する。進行管理表表示欄32には,端末番号が表わされているだけで,いずれの端末装置も検査の処理が進行していないので,他は空欄である。また,端末装置20からの準備OKかの問に応答するために,準備OKの旨を記憶しておく(たとえば,準備OKフラグを立てておく)。そして,端末装置20からの通知,情報等の送信を待つ(S13)。非同期動作モードにおいては,検査員装置10は常に端末装置20からの通知,情報を待って,受信したらそれを記憶したり,表示したりするのみで,端末装置に対してイニシアティブをとることはない。イニシアティブは端末装置20が持つ。
複数台の端末装置20にはそれぞれ端末番号が設定されているものとし,検査員装置10(サーバ)は端末番号(またはそれに代わるもの)で端末装置を識別する。
端末装置20は立上げられると,まず既に初期化されている(または,ここで進行ポインタを初期化し)進行ポインタ(図11)によって示されるページの(最初はP1)ページ別端末制御データを検査員装置10に取りに行き,その制御データにしたがう処理を実行する。図21が最初のページ(P1)(すなわち,ステージ0(カテゴリー0)の1.検査開始の項目)の端末制御データに含まれる端末制御プログラムの流れを示すものである。
まず,検査員装置10との通信により,検査員装置10が準備OKかどうかを確かめ(S31),開始通知を検査員装置10に送信する(S32)。
検査員装置10ではいずれかの端末装置20から送信される何らかの電文を受信すると(図20,S13),それが開始通知であれば(S14),表示画面に表示している進行管理表表示欄32において,該当する端末装置の番号に対応して,検査準備のカテゴリーのコラムに項目番号1を表示する。これは当該端末装置において検査準備の項目「1.検査開始」の処理が進行中であることを示す。進行管理表表示欄32の表示は検査員装置用表示画面データ記憶領域(図4)を反映したものであるから,表示内容は,特に言及しなくても,このデータ記憶領域に記憶されたものである。
次に端末装置20はP1の制御データ中のURLによって示される表示画面データを取得し,その表示画面データによって表わされる画面を当該端末装置20の表示画面に表示する(S33)。以下,「表示画面更新」は,制御データ中のURLで示される表示画面データを取得して,その表示画面データによって表わされる画面を表示することを意味する。
一般的に,検査員は受検者に端末装置を貸与するときに,口頭で,ヘッドホンをつけて準備ができたら画面に表示される開始ボタン(ボックス)をタッチして検査を開始して下さいという旨をアドバイスする。既に電源がオンされ,初期設定(端末番号の入力,進行ポインタ(図11)の初期化など)が終了した端末装置を受検者に貸与することが好ましい。
端末装置20の表示画面が図32に示されている。「検査を開始する」というボタン(開始ボタン)が表示される。表示画面へのタッチを許可し(センスし)(S34),開始ボタンがタッチされると(S35),検査員装置10にこのページの処理が終了したことを通知する(S36)。
検査員装置10において,端末装置20から受信する通知,情報には,上記の開始通知以外に,終了通知,質問/確認等の通知,自己申告用紙情報,回答入力情報等がある。開始通知以外の端末装置20から送信される通知,情報は,端末別入力情報記憶領域(図8)の該当する端末装置について,その通知のあったときの該端末装置の処理したカテゴリー(ステージ)および項目に対応して記憶される(S16)(開始通知を記憶してももちろんよい)。また,終了通知の場合には,端末別進行表(図9(A) )において,該当する端末の端末番号に対応して,終了したカテゴリー(ステージ),項目が記憶される(記憶が更新される)(S17)。そして,検査終了ボタン35が押され(タッチされ)ない限り,端末装置からの通信の待ち状態に戻る(S13)。
端末装置20においては,進行ポインタ(図11)の値を更新し(P2を示す値となる)(S37),次の処理のために,次の(P2の)ページ別端末制御データを検査員装置10にとりにいく。このようにして,各端末装置20は検査員装置10(サーバ)の指示を受けることなく前のカテゴリー,項目処理が終れば次の処理へと自律的に(自らのイニシアティブで)シーケンシャルに進んでいく。すなわち,各端末装置は他の端末装置の進行状況とも無関係に独立的に自走していく。この実施例では,1つのカテゴリーの1つの項目の処理が終了するその都度端末装置20は次に実行すべき端末制御プログラムを検査員装置10(サーバ)から取得しているが,最初の段階ですべてのカテゴリーの各項目を実行するプログラムをダウンロードしてそのプログラムにしたがう処理を実行していってもよいし,各端末装置20にそれが実行すべきすべての処理のプログラムとあらかじめインストールしておいてもよい。
図22は次のページ(P2)のページ別端末制御データに含まれる端末制御プログラムによる処理の流れを示している。この段階での処理は,ステージ0(カテゴリー0)の2.音量調節の項目である。端末装置20から検査員装置10に開始通知が送られるので,検査員装置10の表示画面の進行管理表表示欄32において,該当する端末の検査準備のカテゴリーのコラムに項目番号2が表示される(表示されている項目番号が1から2に更新される)。
端末装置20において,開始通知送信(S41)ののち,表示画面が更新され(S42),図33に示す画面が表示される。この画面には,既に装着しているヘッドホンの音量調整に関する指示の文章が表示されるとともに,音量を上げるボタン(音量+),音量を下げるボタン(音量−)および完了の入力ボタン(完了)が表示される。また,端末装置20はページ別端末制御データ中の音声データのURLにしたがって音声データを検査員装置10(サーバ)から取得し,取得した音声データにしたがう案内音声を発生してヘッドホンに流し始める(S43)(以下,このような処理を「音声出力開始」という)。この音声は図33に表示されている文章を読み上げるもので,音量の調節を指示するものである。
端末装置20は受検者による音量に関するボタンのタッチを検出し(センスし),音量−ボタンがタッチされれば,出力音声の大きさを下げ(S45,S48),音量+ボタンなら音声の大きさを上げ(S46,S49),完了ボタンが押されれば(音声出力の途中であっても)(S47),サーバに終了の旨を通知する(S50)。
検査員装置10では,カテゴリー0,項目1の処理が終了した旨が該当端末装置について入力情報記憶領域に記憶されるとともに,進行ステージの記憶が更新される(S16,S17)。
端末装置20では進行ポインタが更新され(S50A),次の処理,すなわちカテゴリー1(ステージ1),の項目1.音声確認についてのページ別端末制御データを取得する。この処理のための端末制御プログラムにしたがう流れが図23に示されている。
端末装置20が実行する処理には同じ流れ(画面,音声,経時時間等の具体的データは異なる)の処理があるので,説明を簡素化し,重複説明を避けるためにこれらをパターン化してある。図23,25,26,29は複数の処理(カテゴリー+項目)に共通に用いられるものであり,フローチャートの上部に,実行される処理が記載されている。
端末装置20から検査員装置10に開始通知が送られると(S51),検査員装置10の表示画面上の進行管理表表示欄32において,該当する端末装置の検査準備(カテゴリー0)のコラムにその処理が完了したことを示す○印が表示され,事前指示/説明(カテゴリー1)のコラムに項目1を示す1の数字が表示される。検査準備のカテゴリー0が完了したことを示す○印は,カテゴリー0の項目2の処理終了通知(図22,S50)を受けて表示してもよい。
案内音声が聞こえるかどうかを聞く図34に示す画面が端末装置20に表示され(S52),図34に文字で表わされている文の音声が出力される(S53)。画面のタッチが許可され(S54),画面に表示されている「はい」,「いいえ」のいずれかのボタンがタッチされると,それに対応する処理に進む。画面(図34)左上の「もう一度聞く」ボタンがタッチされると音声出力が再開される(S57,S58)。音声出力途中で「もう一度聞く」ボタンが押された場合に,出力中の音声の出力をただちに終了して音声を最初から出力し直すようにしてもよいし,出力中の音声出力が終了するのを待って,音声出力を再開してもよい。
出力されている音声が聞こえないか,はっきりと聞こえない場合には,受検者は「いいえ」ボタンを押すので,その旨が検査員装置10に送られる(S56,S59)。これは質問/確認等の通知であるから検査員装置10では,進行管理表表示欄において,該当する端末装置の該当するカテゴリー(ここでは事前指示/説明のカテゴリー)のコラムに「質問」の文字が表示される(図17の進行管理表表示欄において,一例として,端末番号1の自己申告(カテゴリー3)のコラムに「質問」の文字が表示されている)(図20,S18)。
端末装置20においては,この後,先にダウンロードした(取得した)ページ別端末制御データ中の2番目の表示画面データのURL(S52の画面,S60の画面のための2つのURLが記述されている)を用いて取得した図35に示すような画面に切り替わる。この画面には係員が来る旨,およびヘッドホンを外して待つ旨,ならびに「検査に戻る」ボタンが表示される。検査員は受検者に対して,または端末装置やヘッドホンについて適切な処置を行う。「検査に戻る」ボタンが押されると,前の画面(図34)が表示されるとともに,それに関する先にS53で出力された音声と同じ音声が再び出力され(S62),S55に戻る。
図34において,音声が聞こえた場合,「はい」のボタンがタッチされるので,検査員装置10に終了通知が送信される(S63)。検査員装置10において当該端末装置に関して,終了の旨の入力情報記憶領域への記憶と,端末別進行表(図9(A) )の更新が行なわれる(S16,S17)。終了通知に応答して進行管理表表示欄32における「質問」の表示は消える。事前指示/説明のカテゴリーのコラムで項目2の表示のときに「質問」の表示を消去してもよい。
端末装置20において,進行ポインタが更新され(S64),同じカテゴリー(事前指示/説明)の項目2.検査にあたっての事前の指示の端末制御プログラムがダウンロードされる。このプログラムにしたがう処理の流れが図24に示されている。
このカテゴリー1の項目2では,開始通知(S71)ののち,図36に示す画面の表示とそれに関連する音声の出力と(S72〜S73),図37に示す画面の表示とそれに関連する音声の出力(S76,S77)とがこの順序で行なわれる。そのためにページ別端末制御データには表示画面データについての2つのURLと,音声データについての2つのURLが含まれている。
まず,図36に示す検査にあたって準備すべき(やっておくべき)事項を示す文章が表示され,かつこの文章の読み上げ音声が出力される(S72,S73)。この画面ではタッチは不要なので,画面の入力無効化が行なわれる(S74)。タッチパネルからの入力の無効化にはさまざまな方法がある。端末装置20がタッチパネルの読取りを行なわない,読取りを行っても読取ったデータを消去する(または無効のフラグを立てる),検査員装置10に送信しない,検査員装置10に事前に通知しておいて,検査員装置10が読取りデータの受信を禁止する,受信してもそのデータを消去するなどである。いずれにしても,このとき受検者が端末装置20のタッチパネルに触れても端末装置20または検査員装置10は反応しない。
S73で開始した音声の出力が終ると(S75),次に図37に示す画面の表示と,この画面に記載の文章の音声の出力が開始される(S76,S77)。図37の画面では「はい」ボタンと「いいえ」ボタンとが表示されるのでタッチが許可され(S78),受検者はいずれかをタッチする,または「もう一度聞く」ボタンをタッチする(S79〜S81)。これらのタッチ入力に応答して行なわれる処理は図23のS58〜S64と同じである(S82〜S88)。
次に項目3.諸注意に進む。この処理の流れが図25に示されている。サーバへの開始通知(S91)ののち,図38に示すような注意事項が端末装置20の表示画面に表示され(S92),かつこの注意事項を表わす音声が出力される(S93),入力画面(タッチパネル)からの入力が無効化され(S94),音声が最後まで出力されたのち(S95),検査員装置10に終了通知が送られ(S96),進行ポインタが更新されて(S97),端末装置20は同じカテゴリーの項目4.質問確認のページ別端末制御データを取得する。
検査員装置10では開始通知に応答した処理(S15)および終了通知に応答した処理(S16,S17)が行なわれる。
事前指示/説明(カテゴリー1,ステージ1)の項目4.質問確認の処理の流れが図26に示されている。検査員装置10に開始通知ののち(S101 ),図39に示すような,質問がないかどうかを問う画面と音声が出力される(S102,S103)。質問がありません(「はい」),質問があります(「いいえ」)のボタンが表示されるので,タッチが許可される(S104 )。「いいえ」のボタンが押されると,質問ありの旨が検査員装置10に通知される(S106,S107)。
検査員装置10の表示画面の進行管理表表示欄32の該当する端末装置のカテゴリー1(事前指示/説明)のコラムに「質問」の文字が表示される(図20,S18)。一般的には検査員と受検者の間で口頭の会話が行なわれる。図35に示すものと同じ画面が端末装置20に表示されるので,質問が解決していれば受検者が「検査に戻る」ボタンを押すので(S109 ),S102で表示した画面とS103で出力された音声が再出力される(S110 )。「はい」ボタンが押されれば(S105),端末装置20から検査員装置10に終了通知が送られ(S111),検査員装置ではS16,S17の処理が行なわれる。端末装置20の進行ポインタが更新され(S112),次の項目5.検査結果等に関する説明の端末制御プログラムを取得する。
事前指示/説明の項目5.検査結果等に関する説明の処理手順が図27に示されている。この処理は,まず図40に示される画面の表示とその画面に表わされた文章の音声出力が行なわれ(S122,S123),入力が無効化される(S124 )。出力されている音声が最後まで出力される(S125 )。次に図41に示す画面の表示と,その画面の文章の音声が出力され(S126,S127),音声出力が終れば(S128 ),検査員装置10に終了が通知され(S129),進行ポインタが更新されて(S130),次のカテゴリー2の自己申告/検査説明の項目1.自己申告用紙表示のページ別端末制御データがダウンロードされる。検査員装置10ではS16,S17の処理が行なわれる。検査員装置10の表示画面上の進行管理表表示欄において,該当端末装置について,第1番目と第2番目のカテゴリーのコラムに終了の旨の○印が表示されている。
カテゴリー2(ステージ2)の自己申告/検査説明の項目1.自己申告用紙表示では,図25に示されたフローにしたがって処理が進み,図42に示される自己申告用紙が端末装置20の表示画面に表示され,読めるかどうかを確認せよという旨の音声が流れる。
次の項目2.読み能力の確認では,図26に示したフローにしたがって処理が進み,図43に示す文字が読めたかどうかを確認するための画面と対応する音声が出力される。この画面には「はい」,「いいえ」ボタンが表示されるので,「いいえ」ボタンが押されたときには,先に示した図35の「検査に戻る」ボタンの画面に進む。いずれにしても「はい」ボタンがタッチされればこの項目の処理は終了し,次の項目3.自己申告用紙への記入の処理に進む。
カテゴリー2における項目3の処理手順が図28に示されている。検査員装置10への開始通知ののち(S131 ),図44に示す自己申告用紙が再び表示され(S132 ),表示画面上でタッチペン等を用いて手書き入力せよ,終ったら「完了」ボタンをタッチせよという旨の音声が流れる(S133 )。そして,端末装置20の表示画面のタッチパネル上で,氏名,生年月日等を手書き入力させるために,タッチパネルからの入力(読込み)が許可される(S134 )。手書き入力された画面の一例が図45に示されている。
受検者は入力が終了すると「完了」ボタンを押す。これを検知すると(S135 ),図46に示す画面に切替わり(S136 ),次に進んでもよいかという音声が流れる(S137 )。「いいえ」が押された場合には前画面(図44または図45)に戻り(S140 ),「完了」ボタンの入力を待つ。「はい」ボタンが押されれば,受検者によって手書き入力され,端末装置20によって読取られた入力情報が検査員装置10に送信され(S141 ),次に進む(S142 )。なお「完了」ボタンのタッチについて時間制限を設けてもよい。
検査員装置10では自己申告用紙の手書き入力情報を受信すると,当該端末装置について入力情報記憶領域に記憶される(S16)。また,検査員装置10において,受信した手書き情報(イメージデータ)のうち,氏名の欄のイメージデータが切り取られ,検査員装置10の進行管理表表示欄32に,端末装置の端末番号に対応して,氏名のコラムに表示される(S19)(図17参照)。これにより検査員は各受検者が氏名を入力したこと,次に続く設問の回答者が誰であるかを特定することができる。この後,端末別進行表の記憶が更新される(S17)。なお,自動車の運転免許の更新時等における認知機能検査においては,事前に運転免許証等で本人確認を行っているので,手書き氏名はその中の誰であるかを特定できる程度で充分である。
図28の項目3.自己申告用紙への記入の後,項目4.検査説明の処理に進む。この処理は図25のフローにしたがって進み,図47の画面が表示され,これから検査を始める旨の音声が流れる。音声の出力が最後までいけば,処理が終る。
続いて,項目5.質問確認では,図23に示すフローにしたがって進み,図39の画面が表示されかつ質問がないかどうかを問う音声が流れる。「いいえ」ボタンが押されると,図35の画面が表示される。
次に見当識のカテゴリーに進む。ここからが採点の対象となる設問である。
まず見当識の項目1.検査説明では,図25のフローにしたがって処理が進む。図48に示すような検査説明画面を表示し,その説明の音声が出力される。
項目2.質問確認では図26のフローにしたがって処理が進む。端末装置20に表示される画面の例が図39に表示され,質問の有無を問う音声が出力される。最終的に「はい」がタッチされれば,この処理は終る。
項目3.回答記入についての端末装置20における処理フローが図29に示されている。検査員装置10に開始を通知した後(S151 ),図49に示すような回答用紙1が端末装置20の表示画面に表示され(S152 ),回答用紙1の質問に答えてほしい旨の音声が流れ(S153 ),手書きが許可される(S154 )。
この検査には制限時間(たとえば2分)が設定されている。したがって,検査開始(手書き許可)からの経過時間が計時される(S155)。所定時間が経過すると(S156),端末装置20のタッチパネルにおける手書き入力が禁止(無効化)され(S157 ),読取られた手書き入力(イメージデータ)は検査員装置10に送信され(S158 ),端末別入力情報記憶領域に記憶される(図20,S16)。そして,進行ポインタを更新して(S159 ),次のカテゴリー4の遅延再生(イラスト記憶)の項目1.検査説明のページ別端末制御データを取得する。
遅延再生(スラスト記憶)の項目1.検査説明の処理は図25に示すフローに従う。図50に示すような説明が端末装置20の表示画面に表示され,その画面に表わされている文章に相当する音声が出力される。
次に,項目2.質問確認に進む。この処理は,図26に示すフローに従う。先に示した図39に示すような質問の有無を問う画面が表示され,音声が出力される。「はい」がタッチされればこの処理は終る。
続く項目3〜10のイラスト掲示,イラスト確認は初期設定されたパターンの16のイラストを,端末装置20の表示画面に4つずつ順に表示し(掲示し),かつ確認するものである。イラストは1つずつ表示してもよい。
図51から図54は最初の4つのイラストのイラスト掲示の例を示している。4つのイラストをまとめて1枚と表現し,項目3.イラスト−1枚目掲示という項目名が付けられている。
図30を参照して遅延再生(イラスト記憶)の項目3.イラスト1枚目掲示では,サーバに開始通知ののち(S161 ),4つのイラストを含む表示画面を取得して端末装置20に表示し,音声の出力を開始し,そして画面(タッチパネル)からの入力を無効化する(S162,S163,S164)。画像の表示と音声の出力はたとえば次のようにして行う(S165)。すなわち,図51に示すように,4つのイラストのうちの左上のイラストに枠を表示し,これは「大砲ですね。」という音声を出力して,イラストを受検者に印象付ける。次に図52に示すように右上のイラストに枠を表示して,「これはオルガンですね。」と音声を発生する。続いて図53,図54に示すように,左下の耳のイラスト,右下のラジオのイラストについて同じように枠の表示と確認音声の出力を行う。
「もう一度聞く」のボタンが押されると,所定回数(たとえば2回)を限度として,同じ音声が出力される(S167,S168)。音声が最後まで再生されると(S166 ),この項目の処理が終り,サーバに終了が通知される(S169 )。そして次の項目4.イラスト1枚目−確認の処理に進む(S170 )。
項目4.イラスト1枚目−確認の処理が図31に示されている。検査員装置10に開始通知ののち(S171 ),図55に示すような4つのイラストを表示し,音声の出力を開始し,入力の無効化を行う(S172〜S174)。このイラスト表示,音声の出力は次のようにして行なわれる(S175 )。
表示画面には4つのイラストに加えて,「答えました」ボタンと「もう一度聞く」ボタンが表示されている。4つのイラストのうちランダムの順序でイラストに枠が表示され,枠が表示されたイラストについて,声を出して答えて下さいという音声を流す。受検者は,たとえば「オルガン」と声に出して答える。答えた場合には「答えました」ボタンをタッチする(S176)。「もう一度聞く」ボタンがタッチされると(S177),所定回数,たとえば2回,音声の出力が繰返される(S178,S175)。所定回数の音声の出力が終ると,「もう一度聞く」ボタンは消え,「答えました」ボタンのみの表示となる(S179)。
4つのイラストについて上記の処理,操作が繰返されると(S175,S176,S180 ),この処理は終了し,次に進む(S180A)。
上述した項目3.イラスト1枚目−掲示,4.イラスト1枚目−確認と同じ処理が,他の3枚(4つのイラストについて3回)について繰返され,項目10.イラスト4枚目−確認まで終了する。
次の介入課題は一連のランダム数字のうち,指定された数字を斜線で消していくものであり,先に示したイラストを意図的に忘れるようにするものである。
介入課題の項目1.検査説明は図25に示すフローにしたがって実行される。図56に示すような画面が端末装置20に表示され,この画面に記載されている文の音声が出力される。音声の再生が終了すれば,終了通知を検査員装置10に送り,処理を終える。
項目2.質問確認は図23に示すフローにしたがって進み,図39に示す画面が端末装置20に表示され,かつ音声が出力される。
項目3.の回答記入1は制限時間(たとえば30秒)があり,図29に示されるフローにしがって処理が進む。図57に示すような回答用紙が端末装置20の表示画面に表示されるとともに,初期設定で設定された介入課題のパターンBの数字1と7に斜線を引いて下さいという音声が流れる。所定時間の間だけ手書きが許可される。所定時間が経過すれば,手書きされた情報が端末装置20で読取られ,検査員装置10に送られ,該当端末の端末別入力情報記憶領域に記憶される。数字1と7に斜線が引かれた回答用紙2が図58に示されている。
回答記入はもう一度繰返される。項目4.回答記入2では,初期設定されたパターンBの2番目の数字3,5,8に斜線を引くように音声で指示される。制限時間は同じ(30秒)である。この手書き情報も検査員装置10に送られ端末別入力情報記憶領域に記憶される。
続いて,遅延再生(自由回答)のカテゴリーに進む。遅延再生(自由回答)は,先に遅延再生(イラスト記憶)で表示したイラストの物品名(単語)を端末装置20の表示画面に表示された回答用紙に書かせるものである。
まず項目1.検査説明では図25のフローにしたがって処理が進む。図59に示す画面が表示されかつ音声が出力され,受検者がやるべきことが画面と音声で説明される。
次に項目2.質問確認に進む。この処理は図26のフローにしたがって行なわれ,図39と同じ画面が表示される。
項目3.回答記入は図29に示すフローにしたがって実行される。制限時間(たとえば3分)があり,その間,手書きが許可される。端末装置20の表示画面に表示される回答用紙3の例が図60に示されている。回答用紙に上下方向に並べて16の記入欄がある。始めて下さい,のような音声が流れるので,受検者は端末装置20の表示画面上のタッチパネルにタッチペンを用いて,思い出す単語を順に記入していく。
所定時間が経過すると,手書きが禁止され,手書きされた内容は端末装置20で読取られ,その読取られた回答(イメージデータ)は検査員装置10に送られ,その端末別入力情報記憶領域に記憶される。
続いて遅延再生(手がかり回答)のカテゴリーに進む。ここでも項目1.検査説明,項目2.質問確認がある。項目1.検査説明は図25のフローにしたがって進み,図61に示す画面とこの画面に表示された文章を表わす音声が出力される。項目2.質問確認は図26のフローにしたがって進み,図39と同じ画面が表示され対応する音声が出力される。
項目3.回答記入は時間制限(たとえば3分)があり,図29に示すフローにしたがって処理が進む。制限時間の間だけ手書き入力が許可される。表示される回答用紙4が図62に示されている。手がかり回答では回答用紙にヒントがあらかじめ記入して表示される。受検者ははじめの合図(音声出力)とともに端末装置20の表示画面(タッチパネル)上で,各記入欄に回答を手書きで記入していく。ヒントがあるので回答が比較的容易になる。端末装置20において手書き入力された回答(イメージデータ)の例が図63に示されている。この回答は検査員装置10に送信され,その端末別入力情報記憶領域に記憶される。
最後の問題のカテゴリーは時計描画である。1.検査説明は図25のフローにしたがって進み,図64のような画面が表示されるとともに,表示されている文章の読み上げ音声が出力される。
2.質問確認は図26に示すフローにしたがって進み,図39の画面と対応する音声が出力される。
3.回答記入では時計の文字盤を端末装置20の表示画面上で描かせるものであり,図29のフローにしたがって処理が進む。図65に示すような画面が表示され,時計の文字盤を描いて下さいという音声が出力される。制限時間(たとえば1分)がある。受検者によって描画された文字盤の例が図66に示されている。「消して書き直す」のボタンがタッチされると,描かれた文字盤が消去される。
続いて項目4.回答記入に進む。この処理も図29のフローにしたがって進むが,表示画面は,図66のように文字盤が描かれた状態に保たれる。「消して書き直す」ボタンはない。初期設定で設定した8時20分と,この時間を描いた文字盤上に短針と長針で表現して下さいという音声が流れる。この処理にも制限時間(たとえば30秒)がある。回答例が図67に示されている。制限時間経過後に,表現された時計の文字盤と短針,長針の絵(イメージデータ)は検査員装置10に送られ,その端末別入力情報記憶領域に記憶される。
最後のカテゴリー終了の項目1.終了は,図25のフローに従って進み,図68に示すような終了画面が端末装置20に表示されかつ対応する音声が流れ,認知機能検査は終了する。
図17はある時点における複数台の端末装置20による認知機能検査の進行の様子を示している。検査員装置10の表示部12の表示画面に表示されている進行管理表表示欄32において,端末番号に対応して,カテゴリー2の自己申告/検査説明の項目3.自己申告用紙への記入で受検者によって手書き記入された氏名が手書き筆跡のまま表示されている。カテゴリー0(ステージ0),検査準備についてはすべての端末装置に関して○印がつけられている。カテゴリー1(ステージ1),事前指示/説明においてもすべての端末装置に関して○印が付けられている。カテゴリー1まではすべての端末装置20で検査が進んでいることが分る。
端末番号1に関しては,カテゴリー2(ステージ2)の自己申告のコラムに「質問」の文字が表示されているので受検者が質問があること,すなわち「いいえ。質問があります」ボタンが押されたことが分る。検査員はこの端末番号1の受検者の質問に対応している。端末番号2については,カテゴリー2,自己申告まで○印が入り,カテゴリー3(ステージ3)の見当識のコラムに「2」が表示されているから,項目2.質問確認まで検査が進んでいることが分る。端末番号3の端末装置では検査はカテゴリー7(ステージ7)まで終り,カテゴリー8(ステージ8)の項目2.質問確認まで進んでいる。他の端末番号の端末装置20についても,この進行管理表表示欄32の表示によってそれぞれの検査進行の進み具合い,質問の有無等を検査員は知ることができる。
非同期動作モードにおいては,複数台の端末装置20のそれぞれは,1つのカテゴリーの1つの項目の処理が終了すると,進行ポインタが更新され,更新されたポインタ指示にしたがって次のカテゴリー,項目に進んでいく。それぞれの端末装置20が相互に独立に検査処理が進んでいくので,端末装置ごとに進行の程度が異なる。進行管理表表示欄32における表示によって,複数台の端末装置の進行具合を一目して理解できる。
検査終了ボタン35が押されるまで,検査員装置10における図20の処理は繰返される。端末装置20においては,最後のカテゴリーの9.終了まで進むと進行ポインタは初期状態に戻る。したがって,前の受検者の検査が終ると同じ端末装置20を用いて,次の受検者の検査が開始されることになる。このように,各端末装置20において,受検者が入れ替って検査が実行されていくことになる。検査員装置10において検査終了ボタン35が押されると,カテゴリー9(ステージ9)終了まで進んだ端末装置20に対してはもはやページ別端末制御データは送信されなくなるので,カテゴリー9の終了まで進んだ端末装置ごとに,処理動作が進行しなくなる。
検査員装置10において「採点」ボタン34が押されると,端末別入力情報記憶領域に記憶された回答記入情報について,端末装置(受検者)ごとに検査員装置10内の採点プログラムによって自動採点が行なわれ,必要に応じて検査員が自動採点(正誤判定)結果を修正し,各受検者の採点が採点表(図12)に書込まれる。
上記の実施例では,各端末装置20において,1つのカテゴリーの1つの項目(1ページの)の処理が終了するごとに進行ポインタが更新され,次のカテゴリーの項目(次のページの)ページ別端末制御データがサーバ(検査員装置10またはクラウドコンピューティングシステムのサーバ30)からダウンロードされて,その制御データ(端末制御プログラム)にしたがう処理がシーケンシャルに実行されて行く。1つのカテゴリー終了ごとに端末制御データ(プログラム)を端末装置20にダウンロードしてもよいし,検査開始にあたって1検査分のすべての端末制御データを端末装置20にインストールしてもよいし,あらかじめ端末装置20にインストールしておいてもよい。すべての制御プログラムが端末装置20にインストールされている場合で,そのプログラムがそのフローにしたがって順次実行されていくタイプのものの場合には,進行ポインタは不要となろう。
初期設定処理(図19,S1)において,同期動作モードが設定されると同期処理に進む(S3)。
上述したように,同期動作モードにおいては,検査員装置10がイニシアティブをとり,複数台の端末装置20は互いに同期して検査を実行していく。
この実施例では検査員装置10がページの進行に伴って(各ページ毎に)端末装置20で必要なプログラムやデータを検査員装置10から端末装置20に送信する。この場合に,端末装置20では進行ポインタ(図11)は不要となる。もっとも,検査員装置10が端末装置20に指令して進行ポインタを更新させ,更新した進行ポインタにしたがって該当するページの端末制御データを検査員装置10にとりにいかせてもよい。端末装置20のためのプログラムや端末装置20で用いるデータについては端末装置20に持たせて,ページごとの(カテゴリー+項目)処理の開始のみを検査員装置10が端末装置20に指示するようにしてもよい。他の実施態様では,検査員装置10の記憶部13に記憶されるようなプログラムやデータの全部または一部をクラウドコンピューティングシステム30にアップロードし,検査員装置10や端末装置20はクラウドコンピューティングシステムと交信しながら認知機能検査の実施,その進行管理を行うようにすることができる。
図69から図74は同期動作モードにおける検査員装置10の表示部12に表示される表示画面の例を示している。図69から図71は初期画面であり,進行管理表表示欄32の各コラムはブランクである。開始ボタン41が表示されている。図72,図73はカテゴリー1の項目4.質問確認まで検査処理が進んだ状態を示している。図72において,初期画面(図69)から処理が進むと(カテゴリー1の項目1.になると),開始ボタン41が消え,戻るボタン42と次へボタン43が現われる。すべての端末装置20における処理は同時的に進行しているから,進行管理表表示欄32においてカテゴリー1の事前指示/説明のコラムには項目番号4が並んでいる。
図74は処理がカテゴリー2の自己申告/検査説明の項目1.自己申告用紙表示まで進んだ状態を示している。進行管理表表示欄32において,1番目のカテゴリーについて○印が付けられ,このカテゴリーにおける検査が終了したことを示している。
ページ説明欄33は,非同期モードでは,各ページ(カテゴリー+項目)の内容を簡潔に表現したものであるが,同期モードにおいては進行状態も表わす機能をもつ。すなわち,現在進行中のカテゴリー,項目の文字を囲むボックスのカーソル44が表示されている。図73においては事前指示/説明の4.質問確認がカーソル44で明示されている。
同期動作モードでは検査員が口頭で説明,指示等を行うので,ヘッドホン21は使用しない。このため,カテゴリー0の検査準備のステージはない。もっともヘッドホンを受検者に装着させ,検査員による口頭説明に代えてヘッドホンに音声を出力するようにしてもよい。
図75は同期動作モードにおける検査員装置10(サーバ)の処理手順を示している。
初期画面(図69)において,開始ボタン41がタッチされると(S201 ),管理ポインタが初期化され(S202 ),第1ページP1(同期動作モードでは,カテゴリー1の事前指示/説明の項目1.音声確認である)のページ別端末制御データが全端末装置20に送信され(S207 ),表示画面中の進行管理表表示欄32において,全端末番号について,カテゴリー1の事前指示/説明のコラムに項目番号1が表示されるとともに,ページ説明欄33において,カテゴリー1の項目1.音声確認にカーソル44が表示される(S208 )。開始ボタン41が消え,戻るボタン42,次へボタン43が表示される。
端末装置20においては,検査員装置10から送信されたページ別端末制御データ中の端末制御プログラムにしたがって処理が行なわれる。すなわち,図76を参照して,検査員装置10からページ別端末制御データの送信(指示)があると(S221 ),図34に示す画面が表示され(S222 ),タッチが許可される(S223 )。音声の出力はないが,検査員が図34に文字で表現されている文章と同じ意味のことを口頭で言う。「もう一度聞く」ボタンは表示されない。「はい」ボタンが押されれば,終了の旨が検査員装置10に通知される(S224,S225)。「いいえ」ボタンが押されると(S226 ),その旨がサーバに通知され(S227 ),図35に示すような画面が表示される(S228 )。ただし,図35では「ヘッドホンを外して」という表現があるが,同期モードではこの表現はなく,単に「係員が来ますので,お待ちください。」という文が表示される。「検査へ戻る」ボタンが押されれば(S229),図34の画面に戻る(S230)。
図73において,進行ポインタの更新はなく,ページ1(P1)の処理が終ると,検査員装置10からの次のページ別端末制御データによる指令(指示)を待つことになる。
検査員装置10(サーバ)においては,端末装置20からの終了通知であれば(S209 ),その端末装置20についてはP1の処理が終了する。いずれかの端末装置20から質問ありの通知(S209 )の場合には,進行管理表表示欄32の事前指示/説明のコラムにおいて該当する端末装置の番号について「質問」の文字を表示する(S210 )。
検査員はすべての質問に答え,すべての端末装置20について項目1.音声確認が終了したと判断すると,次へボタン43を押すので,管理ポインタが更新され(図72,S203,S204),更新された管理ポインタにしたがって項目2.検査に当っての事前の指示に進むことになる。すべての端末装置20から終了通知等の通知があったことを進行管理表表示欄32に表示してもよい。
カテゴリー1の項目2.では,図36の画面は表示されず,この画面に書かれている内容を検査員が口頭でいう。図37の画面が表示され,検査員の口頭説明が行なわれる。したがって,端末装置20における処理は図76に示すものと同じとなる。
1項目終了ごとに次へボタン43が押され,管理ポインタが更新される(S203,S204)。項目3.諸注意では図38の画面が端末装置に表示されるだけであるが,検査員が口頭で諸注意を述べる。
項目4.質問確認では,端末装置20において図39に示すような画面が表示されるので,処理は図76のフローと同じとなる。
項目5.検査結果等に関する説明では,端末装置20の画面では「検査結果等に関する説明」という文字が大きく表示されるだけで,図40,図41に示す内容の説明は検査員が口頭で言うことになる。
カテゴリー2の自己申告/検査説明の項目1.自己申告用紙表示では,図42の検査用紙が端末装置20の表示画面に表示され,検査員が口頭で読んでみて下さい,読めますか,などと言う。次の項目2.読み能力の確認では図43の画面が表示される。端末装置20における処理は図76に示すフローにしたがう。
項目3.自己申告用紙への記入では,図77を参照して検査員装置10からのページ別端末制御データにしたがって(S241 ),図44の用紙の画面が表示され(S242 ),手書きが許可される(S243 ),図45のような手書き文字が入力される。完了ボタンが押されれば(S244 ),図46の画面に移る(S245 )。「いいえ」の場合には前の手書き画面に戻り(S248 ),「はい」がタッチされれば,手書き入力された情報が検査員装置10に送信される(S249 )。
検査員装置10では受信した(図72,S209 )手書き入力情報を入力情報記憶領域に記憶するとともに(図75,S211 ),氏名の手書き情報を切り出して,進行管理表表示欄32の氏名のコラムに端末番号に対応して表示する(S212)。
項目4.検査説明では端末装置20には「検査に当って」という文字が大きく表示されるだけであり,図47に示すような内容は検査員が口頭で言う。
5.質問確認では図39に示す画面が表示され,図76のフローにしたがう。
カテゴリー3の見当識の項目1.検査説明では図48の画面が端末装置20に表示され,検査員が口頭で説明する。
項目2.の質問確認では図39に示す画面が表示される。
3.回答記入では,図78を参照して,端末装置20において図49に示す画面が表示され(S251,S252),手書きが許可されるとともに計時が開始される(S253,S254)。所定時間(2分)が経過すれば(S255 ),手書きが禁止され(S256 ),端末装置20から検査員装置10に手書き入力情報が送信される(S257 )。
検査員装置10では,端末装置20から送信された手書き入力情報が入力情報記憶領域に記憶される(図72,S213 )。
カテゴリー4の遅延再生(イラスト記憶)の1.検査説明は検査員が口頭で図50の内容を説明するだけである。
次に,2.質問確認では端末装置20に図39と同じような画面が表示される。
3.イラスト1枚目−1掲示では図51〜図54のような画面が端末装置20の表示画面に表示され,表示枠の移動にあわせて,検査員が,「これは何ですか」,「大砲ですね」などと口頭でいい,受検者に印象づけていく。
4.イラスト1枚目−確認では,図55に示すような画面が端末装置20に表示されるが,中央の文字(「声を出して‥‥」や「答えました」等)は表示されず,検査員がこの文字で表わされているような内容を口頭で言う。
介入課題の項目1.検査説明では,図56に示すような画面が端末装置20に表示されるが基本的には検査員が説明する。項目2.質問確認では,図39に示す画面が端末装置20に表示される。
項目3.の回答記入1は制限時間(たとえば30秒)があるので,図78に示されるフローにしたがって処理が進む。図57に示すような回答用紙が端末装置20の表示画面に表示されるとともに,初期設定で設定された介入課題のパターンBの数字1と7に斜線を引いて下さいという内容を検査員が言う。所定時間の間だけ手書きが許可される。所定時間が経過すれば,手書きされた情報が端末装置20で読取られ,検査員装置10に送られ,該当端末装置の端末別入力情報記憶領域に記憶される(S213)。
回答記入はもう一度繰返される。項目4.回答記入2では,初期設定されたパターンBの2番目の数字3,5,8に斜線を引くように検査員が口頭でいう。制限時間(30秒)が過ぎるとこの手書き情報も検査員装置10に送られ端末別入力情報記憶領域に記憶される(S213)。
遅延再生(自由回答)のカテゴリーに進み,項目1.検査説明では図59に示す画面が表示され,受検者がやるべきことが検査員によって口頭で説明される。
項目2.質問確認では図39と同じ画面が表示される。
項目3.回答記入は制限時間があるので,図78に示すフローにしたがって実行される。制限時間(たとえば3分)があり,その間,手書きが許可される。端末装置20の表示画面に図60に示される回答用紙が表示される。所定時間が経過すると,手書きが禁止され,手書きされた内容は端末装置20で読取られ,その読取られた回答(イメージデータ)は検査員装置10に送られ,その端末別入力情報記憶領域に記憶される(S213)。
遅延再生(手がかり回答)のカテゴリーの項目1.検査説明,項目2.質問確認が行なわれる。図61に示す画面が端末装置20に表示される。説明は検査員が行う。
項目3.回答記入は時間制限(たとえば3分)があり,図78に示すフローにしたがって,図62に示す画面が表示され,処理が進む。制限時間の間だけ手書き入力が許可される。端末装置20において手書き入力された図63のような回答(イメージデータ)は検査員装置10に送信され,その端末別入力情報記憶領域に記憶される(S213)。
最後の時計描画のカテゴリーの1.検査説明では図64のような画面が表示されるとともに,検査員によって口頭で説明が行なわれる。2.質問確認は図39の画面が表示される。
3.回答記入では検査員が時計の文字盤を描いて下さいと口頭でいう。制限時間(たとえば1分)がある。図65が表示される。受検者によって描画された文字盤の例が図66に示されている。「消して書き直す」のボタンがタッチされると,描かれた文字盤が消去される。
続いて項目4.回答記入に進む。この処理も図78のフローにしたがって進む。端末装置20の表示画面は,図66のように文字盤が描かれた状態に保たれる。検査員は,初期設定で設定した8時20分と,この時間を描いた文字盤上に短針と長針で表現して下さいと口頭でいう。この処理にも制限時間(たとえば30秒)がある。回答例が図67に示されている。制限時間経過後に,表現された時計の文字盤と短針,長針の絵(イメージデータ)は検査員装置10に送信され,その入力情報記憶領域に記憶される(S213)。
終了のカテゴリーですべての検査が終る。検査員は検査員装置10の表示画面に表示された終了ボタン35を押す(図72,S214)。
このように,同期動作モードにおいても受検者が実施する検査内容は非同期モードと同じであるが,基本的に検査員が検査員装置の「次へ」ボタン43等を操作して検査を進行させていく。進行状態は検査員装置10の表示画面に表示される。端末装置20は検査員装置10からの指示にしたがって画面表示等を行っていく。「戻る」ボタン42が押されれば,管理ポインタの値が戻り,前の処理が端末装置20に指令される(S205,S206)。採点ボタン34が押されれば,採点処理に進む。