1.第1の実施形態
物品移載設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品移載設備は、第1容器C1を搬送する第1搬送装置1と、第2容器C2を搬送する第2搬送装置2と、第1容器C1から第2容器C2に物品Wを移載する移載装置3と、を備えている。以下、物品移載設備の構成について説明を加えるが、予め定められた基準方向をZ方向Zとし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向X、他方をY方向Yとして説明する。また、X方向Xの一方側をX方向第1側X1、その反対側をX方向第2側X2として説明する。また、Y方向Yの一方側をY方向第1側Y1、その反対側をY方向第2側Y2として説明する。本実施形態では、上下方向をZ方向Z(基準方向)としており、X方向X及びY方向Yは、いずれもZ方向Zに対して直交している。
図1及び図2に示すように、第1搬送装置1は、第1容器C1を規定の搬送方向に沿って一方向に搬送する。本実施形態では、第1搬送装置1は、ローラコンベヤにより構成されたコンベヤ装置であり、第1容器C1をX方向Xに沿ってX方向第1側X1に搬送する。第1搬送装置1の搬送経路の途中に、第1位置P1が設定されている。第1搬送装置1は、第1位置P1にある第1容器C1を第1位置P1から搬送し、別の第1容器C1を第1位置P1に搬送する。第1搬送装置1により第1位置P1に搬送される第1容器C1には物品Wが一つ以上収容されている。尚、本実施形態では、Z方向Zは、第1位置P1にある第1容器C1における載置部5の上面(収容した物品Wを載置する面)に対して直交する方向に一致している。
第2搬送装置2は、第2容器C2を規定の搬送方向に沿って一方向に搬送する。本実施形態では、第2搬送装置2は、ローラコンベヤにより構成されたコンベヤ装置であり、第2容器C2をX方向Xに沿ってX方向第2側X2に搬送する。第2搬送装置2の搬送経路の途中に、第2位置P2が設定されている。第2搬送装置2は、第2位置P2にある第2容器C2を第2位置P2から搬送し、別の第2容器C2を第2位置P2に搬送する。第2搬送装置2により第2位置P2に搬送される第2容器C2には物品Wは収容されていないが、第2位置P2から搬送される第2容器C2には、移載装置3により収容された物品Wが収容されている。第2位置P2は、X方向Xにおいて第1位置P1と同じ位置に設定されており、第1位置P1に対してY方向第1側Y1に設定されている。
物品移載設備では、物品Wを収容した第1容器C1が第1搬送装置1により第1位置P1に搬送され、空の第2容器C2が第2搬送装置2により第2位置P2に搬送される。そして、移載装置3は、第1位置P1にある第1容器C1に収容されている移載対象の物品Wである対象物品WTを保持して取り出し、その取り出した対象物品WTを第2位置P2にある第2容器C2に収容した後に当該対象物品WTに対する保持を解除するようにして、対象物品WTを第1容器C1から第2容器C2に移載する。取り出すべき物品Wが全て取り出された第1容器C1は、第1搬送装置1により第1位置P1から搬送される。また、収容すべき物品Wが全て収容された第2容器C2は、第2搬送装置2により第2位置P2から搬送される。
図1に示すように、第1容器C1及び第2容器C2の夫々は、物品Wを載置する載置部5と、載置部5の周囲に立設された側壁部6と、を有しており、側壁部6の上端部によって開口部7が形成されている。このように、第1容器C1及び第2容器C2の夫々は、Z方向Zの一方側であるZ方向第1側Z1(上方側)に開口する開口部7を有している。本実施形態では、第1容器C1及び第2容器C2のZ方向視の形状(載置部5の形状)は矩形状に形成されている。第1容器C1は、第1容器C1の短手方向がX方向Xに沿う姿勢で、第1搬送装置1により搬送される。また、第2容器C2は、第2容器C2の短手方向がX方向Xに沿う姿勢で第2搬送装置2により搬送される。
図1から図4に示すように、物品移載設備は、物品Wを保持する第1保持部11と、物品Wを保持する第2保持部12と、第1保持部11及び第2保持部12を移動させる駆動部15と、を備えている。これら、第1保持部11、第2保持部12、及び駆動部15は、移載装置3に備えられている。
図4及び図6に示すように、第1保持部11は、第1支持体16の下端部に連結されている。図5に示すように、第1保持部11は、1つ又は複数の吸着パッド20を有する第1吸着部25Aを備えている。本実施形態では、第1吸着部25Aは、物品Wに対してZ方向第1側Z1から吸着する吸着パッド20を3つ備えており、3つの吸着パッド20のうちの一部又は全部を物品Wに吸着させることで、物品WにおけるZ方向第1側Z1を向く面に吸着して物品Wを保持する。このように、第1吸着部25Aは、Z方向第1側Z1から物品Wに接近して当該物品Wを保持するように構成されている。
第2保持部12は、第2支持体17の下端部に連結されている。第2保持部12は、第1保持部11と同様に、1つ又は複数の吸着パッド20を有する第2吸着部25Bを備えている。本実施形態では、第2吸着部25Bは、第1吸着部25Aと同様、物品Wに対してZ方向第1側Z1から吸着する吸着パッド20を3つ備えており、3つの吸着パッド20のうちの一部又は全部を物品Wに吸着させることで、物品WにおけるZ方向第1側Z1を向く面に吸着して物品Wを保持する。このように、第2吸着部25Bは、Z方向第1側Z1から物品Wに接近して当該物品Wを保持するように構成されている。本実施形態では、第2保持部12は、第1保持部11に対してY方向第1側Y1に備えられている。尚、第1吸着部25A及び第2吸着部25Bが、吸着によって物品Wを保持する吸着部25に相当する。
ところで、本実施形態では、第1吸着部25Aと第2吸着部25Bとは、互いに異なる特性を有するように構成されている。本例では、第1吸着部25Aの吸着パッド20と第2吸着部25Bの吸着パッド20とで硬度を異ならせることで特性を異ならせている。なお、第1吸着部25Aと第2吸着部25Bとで異ならせる特性は、硬度に限られず、例えば、各吸着部が備える吸着パッド20の数、吸着パッド20の大きさ、吸着パッド20内の吸引力(負圧)の大きさ等を異ならせてもよい。第1吸着部25Aと第2吸着部25Bとのそれぞれの特性は、想定される対象物品WTの種別毎の特性、例えば、形状、材質、大きさ、重量等に応じて決定されると好適である。
また、第1保持部11は、第1吸着部25Aに加えて、対象物品WTを挟んで保持する際に対象物品WTに当接する第1当接部18Aを有している。第1保持部11では、第1吸着部25Aに対してY方向第1側Y1に第1当接部18Aが配置されている。本実施形態では、第1当接部18Aは、第1吸着部25Aの吸着パッド20とは別部材で構成され、第1吸着部25AとY方向Yに並んで配置されるように、第1支持体16の下端部に連結されている。図示の例では、第1当接部18Aは、X方向Xに沿うX方向視で、クランク状となるように屈曲形成された板状部材で構成されている。なお、第1当接部18Aの形状や構造はこのようなものに限定されず、対象物品WTの形状や材質等に応じて適切な形状及び材質とされるとよい。
第2保持部12は、第2吸着部25Bに加えて、対象物品WTを挟んで保持する際に対象物品WTに当接する第2当接部18Bを有している。第2保持部12では、第2当接部18Bに対してY方向第2側Y2に第2当接部18Bが配置されている。本実施形態では、第2当接部18Bは、第2吸着部25Bの吸着パッド20とは別部材で構成され、第2吸着部25BとY方向Yに並んで配置されるように、第2支持体17の下端部に連結されている。第2当接部18Bの形状や構造等は、第1当接部18Aと同様とすることができる。尚、第1当接部18A及び第2当接部18Bが、対象物品WTを挟んで保持するための当接部18に相当する。
そして、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとは、これらの間に対象物品WTを挟持することができるように構成されている。本実施形態では、対象物品WTに対してY方向第2側Y2から第1保持部11の第1当接部18Aが対象物品WTに接近すると共に、対象物品WTに対してY方向第1側Y1から第2保持部12の第2当接部18Bが対象物品WTに接近することにより、第1当接部18Aと第2当接部18Bとの間に対象物品WTを挟持する。また、第1当接部18Aと第2当接部18Bとの間に対象物品WTを挟持した状態から、第1当接部18Aが対象物品WTに対してY方向第2側Y2に離間すると共に、第2当接部18Bが対象物品WTに対してY方向第1側Y1に離間することにより、第1当接部18Aと第2当接部18Bとによる対象物品WTの挟持を解除する。
図1から図4に示すように、駆動部15は、第1保持部11をZ方向Zに案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部21と、第2保持部12をZ方向Zに案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部22と、を備えている。
図4に示すように、第1Z軸駆動部21は、第1支持体16の上部に連結されている第1Z軸移動体26をZ方向Zに案内する第1Z軸案内体27と、第1Z軸移動体26をZ方向Zに移動させる第1Z軸駆動機構28と、を備えている。本実施形態では、第1Z軸案内体27は、Z方向Zに沿って設置されたレール部材によって構成されており、第1Z軸移動体26は第1Z軸案内体27に係合している。また、本実施形態では、第1Z軸駆動機構28は、第1Z軸移動体26が螺合するボールネジと、当該ボールネジを回転させる電動モータと、で構成されている。第1Z軸駆動機構28は、電動モータの駆動によりボールネジを回転させることで、第1Z軸移動体26をZ方向Zに移動させる。第1Z軸駆動部21は、第1Z軸案内体27による案内と第1Z軸駆動機構28の駆動とにより、第1Z軸移動体26をZ方向Zに案内しつつ移動させる。これにより、第1保持部11がZ方向Zに案内されつつ移動する。
図1に示すように、第2Z軸駆動部22は、第1Z軸駆動部21と同様に、第2支持体17の上部に連結されている第2Z軸移動体31をZ方向Zに案内する第2Z軸案内体32と、第2Z軸移動体31をZ方向Zに移動させる第2Z軸駆動機構33と、を備えている。
駆動部15は、更に、第1保持部11をY方向Yに案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部46と、第2保持部12をY方向Yに案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部47と、を備えている。
第1Y軸駆動部46は、第1Z軸案内体27の下部に連結されている第1Y軸移動体51をY方向Yに案内するY軸案内体52と、第1Y軸移動体51をY方向Yに移動させる第1Y軸駆動機構53と、を備えている。本実施形態では、Y軸案内体52は、Y方向Yに沿って設置されたレール部材によって構成されており、第1Y軸移動体51はY軸案内体52に係合している。また、本実施形態では、第1Z軸駆動機構28は、第1Y軸移動体51が螺合するボールネジと、当該ボールネジを回転させる電動モータと、で構成されている。第1Y軸駆動部46は、Y軸案内体52による案内と第1Y軸駆動機構53の駆動とにより、第1Y軸移動体51をY方向Yに沿って案内しつつ移動させる。これにより、第1保持部11がY方向Yに案内されつつ移動する。
第2Y軸駆動部47は、第1Y軸駆動部46と同様に、第2Z軸案内体32の下部に連結されている第2Y軸移動体56をY方向Yに案内するY軸案内体52と、第2Y軸移動体56をY方向Yに移動させる第2Y軸駆動機構58と、を備えている。尚、Y軸案内体52は、第1Y軸駆動部46と第2Y軸駆動部47とで兼用されている。
駆動部15は、更に、第1保持部11をX方向Xに案内しつつ移動させる第1X軸駆動部71と、第2保持部12をX方向Xに案内しつつ移動させる第2X軸駆動部72と、を備えている。
第1X軸駆動部71は、Y軸案内体52のY方向第2側Y2の部分に連結されている第1X軸移動体76をX方向Xに案内する第1X軸案内体77と、Y軸案内体52のY方向第1側Y1の部分に連結されている第2X軸移動体78(図2参照)をX方向Xに案内する第2X軸案内体79と、第1X軸移動体76をX方向Xに移動させる第1X軸駆動機構80と、第2X軸移動体78をX方向Xに移動させる第2X軸駆動機構81と、を備えている。
本実施形態では、第1X軸案内体77及び第2X軸案内体79の夫々は、X方向Xに沿って設置されたレール部材によって構成されており、第1X軸移動体76は第1X軸案内体77に係合し、第2X軸移動体78は第2X軸案内体79に係合している。また、本実施形態では、第1X軸駆動機構80は、第1X軸移動体76が螺合するボールネジと、当該ボールネジを回転させる電動モータと、で構成されている。また、第2X軸駆動機構81は、第2X軸移動体78が螺合するボールネジと、当該ボールネジを回転させる電動モータと、で構成されている。第1X軸駆動部71は、第1X軸案内体77による案内と第1X軸駆動機構80の駆動とにより、第1X軸移動体76をX方向Xに沿って案内しつつ移動させると共に、第2X軸案内体79による案内と第2X軸駆動機構81の駆動とにより、第2X軸移動体78をX方向Xに沿って案内しつつ移動させる。これにより、第1保持部11がX方向Xに案内されつつ移動する。
第2X軸駆動部72は、第1X軸駆動部71と同様に、第1X軸案内体77と第2X軸案内体79と第1X軸駆動機構80と第2X軸駆動機構81とを備えている。尚、第1X軸案内体77、第2X軸案内体79、第1X軸駆動機構80、及び第2X軸駆動機構81は、第1X軸駆動部71と第2X軸駆動部72とで兼用されている。
図1及び制御ブロック図である図7に示すように、物品移載設備は、第1撮像装置89と第2撮像装置90とを備えている。第1撮像装置89は、第1位置P1にある第1容器C1の上端より上方に設置されており、第1位置P1にある第1容器C1及びその第1容器C1に収容されている物品Wを撮像可能に設置されている。第2撮像装置90は、第2位置P2にある第2容器C2の上端より上方に設置されており、第2位置P2にある第2容器C2及びその第2容器C2に収容されている物品Wを撮像可能に設置されている。
図7に示すように、物品移載設備は、第1搬送装置1、第2搬送装置2、及び移載装置3を制御する制御装置Hを備えている。制御装置Hは、第1撮像装置89から送信される撮像情報に基づいて、第1位置P1にある第1容器C1の位置及び姿勢、並びに、その第1容器C1に収容されている物品Wの位置及び姿勢を認識する。また、制御装置Hは、第2撮像装置90から送信される撮像情報に基づいて、第2位置P2にある第2容器C2の位置及び姿勢、並びに、その第2容器C2に収容されている物品Wの位置及び姿勢を認識する。尚、制御装置Hが、駆動部15を制御する制御部に相当する。
制御装置Hは、第1保持部11の第1吸着部25Aと第2保持部12の第2吸着部25Bとの少なくとも一方により物品Wを吸着して保持する吸着制御と、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとにより物品Wを挟んで保持する挟持制御と、を選択的に実行する。本実施形態では、吸着挟持制御として、第1保持部11の第1吸着部25Aにより物品Wを吸着して保持する第1吸着制御と、第2保持部12の第2吸着部25Bにより物品Wを吸着して保持する第2吸着制御と、がある。
また、制御装置Hは、第1保持部11の第1吸着部25Aにより吸着した物品Wを移動させる第1移載制御と、第2保持部12の第2吸着部25Bにより吸着した物品Wを移動させる第2移載制御と、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとにより挟んで保持した物品Wを移動させる第3移載制御と、を実行する。
第1吸着制御は、図9に示すように、第1位置P1にある第1容器C1に収容されている対象物品WTを、第1保持部11の第1吸着部25Aによる吸着により保持する制御である。第1移載制御は、図10に示すように、第1吸着制御の実行により第1保持部11によって保持した対象物品WTを、第2位置P2にある第2容器C2に収容するように対象物品WTを移動させた後、第1保持部11の第1吸着部25Aによる対象物品WTに対する吸着を解除する制御である。このように、第1吸着制御と第1移載制御とを実行することで、対象物品WTを第1保持部11による吸着によって保持して第1容器C1から第2容器C2に移載する。
第2吸着制御は、図11に示すように、第1位置P1にある第1容器C1に収容されている対象物品WTを、第2保持部12の第2吸着部25Bによる吸着により保持する制御である。第2移載制御は、図12に示すように、第2吸着制御の実行により第2保持部12によって保持した対象物品WTを、第2位置P2にある第2容器C2に収容するように対象物品WTを移動させた後、第2保持部12の第2吸着部25Bによる対象物品WTに対する吸着を解除する制御である。このように、第2吸着制御と第2移載制御とを実行することで、対象物品WTを第2保持部12による吸着によって保持して第1容器C1から第2容器C2に移載する。
挟持制御は、図13に示すように、第1位置P1にある第1容器C1に収容されている対象物品WTを、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとにより挟んで保持する制御である。第3移載制御は、図14に示すように、挟持制御の実行により第1保持部11と第2保持部12とによって保持した対象物品WTを、第2位置P2にある第2容器C2に収容するように対象物品WTを移動させた後、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとによる対象物品WTに対する挟持を解除する制御である。このように、挟持制御と第3移載制御とを実行することで、対象物品WTを第1保持部11と第2保持部12とにより挟んで保持して第1容器C1から第2容器C2に移載する。
図8の移載制御のフローチャートに示すように、制御装置Hは、対象物品WTの移載を行う場合、まず、吸着制御に使用する保持部として第1保持部11と第2保持部12との何れかを選択する吸着選択制御を実行する(S1)。この吸着選択制御では、制御装置Hは、第1保持部11の第1吸着部25Aの特性と、第2保持部12の第2吸着部25Bの特性との相違、及び、対象物品WTの種別毎の特性等に応じて、当該対象物品WTを吸着して保持するのに適した方の保持部を選択すると好適である。また、制御装置Hは、第1保持部11及び第2保持部12のそれぞれが他の物品Wを移載中であるか否かや第1保持部11及び第2保持部12の現在の位置等、他の条件も考慮して保持部の選択を行っても好適である。そして、吸着選択制御により第1保持部11を選択した場合(S2:Yes)は、第1吸着制御を実行し(S3)、吸着制御により第2保持部12を選択した場合(S2:No)は、第2吸着制御を実行する(S6)。
第1吸着制御を実行した場合において、第1吸着部25Aの吸着パッド20内の真空度が設定時間以内に設定値以上になった場合は保持完了と判断(S4:Yes)し、第1移載制御を実行する(S5)。また、第2吸着制御を実行した場合において、第2吸着部25Bの吸着パッド20内の真空度が設定時間以内に設定値以上になった場合は保持完了と判断(S7:Yes)し、第2移載制御を実行する(S8)。
第1吸着制御を実行した場合において、第1吸着部25Aの吸着パッド20内の真空度が設定時間以内に設定値以上にならない場合は保持が完了しないと判断する(S4:No)。また、第2吸着制御を実行した場合において、第2吸着部25Bの吸着パッド20内の真空度が設定時間以内に設定値以上にならない場合は保持が完了しないと判断する(S7:No)。これらのように保持が完了しないと判断した場合において、その対象物品WTに対して第1吸着制御と第2吸着制御との何れか一方のみしか実行していない場合(S9:No)は、再度、吸着選択制御を実行する(S1)。このような再度の吸着選択制御では、第1保持部11と第2保持部12とのうち、前回の吸着選択制御で選択していない方を選択する。上記のとおり、第1吸着部25Aと第2吸着部25Bとは、互いに異なる特性を有するように構成されている。そのため、前回とは異なる方の保持部で対象物品WTの吸着を行うことにより、吸着による保持に成功する可能性を高めることができる。
第1吸着制御を実行した場合と第2吸着制御を実行した場合との双方で保持が完了しない場合は、吸着による保持は不可能と判断し(S9:Yes)、挟持制御を実行(S10)した後、第3移載制御を実行する(S11)。このように、本実施形態では、制御装置Hは、吸着制御により物品Wを吸着できなかった場合(第1吸着制御と第2吸着制御との何れでも物品Wを吸着できなかった場合)に挟持制御を実行する。
2.第2の実施形態
次に、物品移載設備の第2の実施形態について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、制御装置Hが、吸着制御により物品Wを吸着できなかった場合に挟持制御を実行するのではなく、物品Wの種別に応じて、予め吸着制御と挟持制御とを選択する点で、上記第1の実施形態とは異なる。以下では、本実施形態に係る制御装置Hの制御内容について、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
制御装置Hは、想定される対象物品WTの種別毎に、第1保持部11の第1吸着部25Aでの吸着による保持、第2保持部12の第2吸着部25Bでの吸着による保持、第1保持部11の第1当接部18Aと第2保持部12の第2当接部18Bとの挟持による保持、のうちのいずれの保持が適しているかを示す適正情報が記憶された記憶部を備えている。ここで、いずれの保持が適しているかは、対象物品WTの種別毎の特性、例えば、形状、材質、大きさ、重量等に応じて設定されている。
図15のフローチャートに示すように、本実施形態では、制御装置Hは、対象物品WTの種別を示す情報と適正情報とに基づいて、対象物品WTを保持する保持部を、第1保持部11、第2保持部12、及び第1保持部11と第2保持部12との双方、のうちから選択する保持選択制御を実行する(S21)。そして、保持選択制御により第1保持部11を選択した場合(S22:Yes)は、第1吸着制御を実行(S23)した後、第1移載制御を実行する(S24)。保持選択制御により第2保持部12を選択した場合(S22:No,S25:Yes)は、第2吸着制御を実行(S26)した後、第2移載制御を実行する(S27)。保持選択制御により第1保持部11と第2保持部12との双方を選択した場合(S22:No,S25:No)は、挟持制御を実行(S28)した後、第3移載制御を実行する(S29)。なお、図示は省略するが、第1吸着制御(S23)、第2吸着制御(S26)、及び挟持制御(S28)のいずれかを実行した結果、対象物品WTの保持を適正に行うことができなかった場合には、制御装置Hが、別の制御を選択して実行するように構成されていると好適である。
3.その他の実施形態
次に、物品移載設備のその他の実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、物品移載設備に第1保持部11と第2保持部12との2つの保持部を備える構成を例として説明した。しかし、物品移載設備に備える保持部の数は適宜変更してもよい。例えば、物品移載設備に、保持部を3つ以上備える構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、吸着制御として、第1保持部11の第1吸着部25Aにより物品Wを吸着して保持する第1吸着制御と、第2保持部12の第2吸着部25Bにより物品Wを吸着して保持する第2吸着制御とのいずれかを選択的に実行する構成を例として説明した。しかし、このような構成には限定されず、例えば、吸着制御として、第1保持部11の第1吸着部25Aと第2保持部12の第2吸着部25Bとの双方により一つの対象物品WTを吸着して保持する第3吸着制御も実行する構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、第1当接部18Aが第1吸着部25Aとは別部材で構成され、第2当接部18Bが第2吸着部25Bとは別部材で構成された場合を例として説明した。しかし、これらの当接部の構成は、このようなものに限定されず、第1当接部18Aと第1吸着部25Aとが同じ部材により構成され、第2当接部18Bと第2吸着部25Bとが同じ部材により構成されていてもよい。例えば、第1吸着部25Aの吸着パッド20の側面(Y方向第1側Y1を向く面)が第1当接部18Aとされ、第2吸着部25Bの吸着パッド20の側面(Y方向第2側Y2を向く面)が第2当接部18Bとされていてもよい。
(4)上記実施形態では、第1搬送装置1が第1容器C1をX方向第1側X1に搬送し、第2搬送装置2が第2容器C2をX方向第2側X2に搬送する構成を例として説明した。しかし、第1搬送装置1及び第2搬送装置2の容器を搬送する方向は適宜変更してもよい。例えば、第1搬送装置1及び第2搬送装置2がいずれも容器をX方向第1側X1に搬送するようにしてもよい。或いは、第1搬送装置1の搬送方向と第2搬送装置2の搬送方向とが互いに交差する方向であってもよい。この場合において、第1搬送装置1と第2搬送装置2との設置高さが異なっていてもよい。
(5)上記実施形態では、上下方向をZ方向Z(基準方向)とした構成を例として説明したが、これには限定されず、Z方向Z(基準方向)は上下方向(鉛直方向)に対して傾斜していてもよい。
(6)上記実施形態では、第1保持部11が第1Z軸駆動部21に案内され、第1Z軸駆動部21が第1Y軸駆動部46に案内され、第1Y軸駆動部46が第1X軸駆動部71に案内される構成となっていると共に、第2保持部12が第2Z軸駆動部22に案内され、第2Z軸駆動部22が第2Y軸駆動部47に案内され、第2Y軸駆動部47が第2X軸駆動部72に案内される構成となっている場合を例として説明した。しかし、駆動部15の構成は、このようなものに限定されず、X軸、Y軸、Z軸の各軸の駆動部の連結関係は、適宜入れ替えることが可能である。また、上記実施形態では、第1X軸駆動部71と第2X軸駆動部72とが兼用され、第1Y軸駆動部46と第2Y軸駆動部47とのY軸案内体52が兼用される構成を例として説明したが、いずれの軸の駆動部を兼用するか、或いはすべてを独立の駆動部とするかについても、適宜変更可能である。
例えば、図16に示すような駆動部15の構成としても好適である。この図に示す例では、第1保持部11が第1Z軸駆動部21に案内され、第1Z軸駆動部21が第1X軸駆動部71に案内され、第1X軸駆動部71が第1Y軸駆動部46に案内される構成となっている。また、第2保持部12が第2Z軸駆動部22に案内され、第2Z軸駆動部22が第2X軸駆動部72に案内され、第2X軸駆動部72が第2Y軸駆動部47に案内される構成となっている。そして、図16の例では、第1保持部11を駆動する駆動部と、第2保持部12を駆動する駆動部とが、兼用部分を有さず、互いに独立した構成となっている。
(7)上記実施形態では、第1搬送装置1を構成するコンベヤ装置の搬送経路の途中に、移載対象箇所としての第1位置P1が設定され、第2搬送装置2を構成するコンベヤ装置の搬送経路の途中に移載対象箇所としての第2位置P2が設定され、移載装置3がこれらの移載対象箇所を跨ぐように設置された構成を例として説明した。しかし、移載装置3による移載対象箇所や、搬送装置に対する移載装置3の設置位置は適宜変更してもよい。例えば、第1搬送装置1を構成するコンベヤ装置の搬送経路の下流側端部に第1位置P1が設定され、また第2搬送経路を構成するコンベヤ装置の下流側端部に第2位置P2が設定され、移載装置3がこれらを跨ぐように設置されていてもよい。或いは、搬送装置を構成するコンベヤ装置が屈曲又はカーブしている構成であって、これらの屈曲部分やカーブの途中に移載対象箇所が設置され、当該移載対象箇所に対して移載可能な位置に移載装置3が設置されていてもよい。
(8)上記実施形態では、第1容器C1(容器)を搬送する第1搬送装置1及び第2容器C2を搬送する第2搬送装置2がコンベヤ装置である構成を例として説明した。しかし、これらの容器を搬送する搬送装置の構成はこれには限定されず、搬送台車やカルーセル型の搬送機構等、公知の各種の搬送装置を用いることができる。また、移載装置3が物品Wの移載を行う対象箇所は、このような搬送装置によって搬送される容器には限定されず、物品Wが置かれる各種の場所を移載対象箇所とすることができる。例えば、作業者によって搬送される容器が移載対象箇所とされてもよいし、或いは、容器がない搬送装置の搬送面が移載対象箇所とされてもよい。
例えば、図17に示すように、カルーセル型の搬送機構を備えたピッキングステーションを移載対象箇所として移載装置3を設置しても好適である。この図に示す例では、物品移載設備は、第1容器C1をX方向Xに沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第1ピッキング装置101と、第2容器C2をX方向Xに沿う軸心周りに旋回させるように搬送する第2ピッキング装置102と、を備えている。そして、これらのピッキング装置(第1ピッキング装置101及び第2ピッキング装置102)により搬送される容器(第1容器C1及び第2容器C2)を移載対象箇所としている。そのため、移載装置3は、X方向Xに並ぶ第1ピッキング装置101と第2ピッキング装置102とに対してZ方向第1側Z1に設置されている。第1ピッキング装置101は、第1容器C1を支持する複数の支持体103と、これら複数の支持体103をX方向Xに沿う軸心周りに回転させる支持回転体104と、第1コンベヤ105と、第2コンベヤ106と、を備えている。第1ピッキング装置101は、第1コンベヤ105から支持体103に第1容器C1を渡し、その第1容器C1をX方向Xに沿う軸心周りに回転させるように回転搬送した後に、支持体103から第2コンベヤ106に渡すように、第1容器C1を搬送する。この第1ピッキング装置101における回転搬送の途中に第1位置P1が設定されている。第2ピッキング装置102は、第1ピッキング装置101と同様に構成されており、支持体103は第2容器C2を支持して搬送する。また、第2ピッキング装置102の回転搬送の途中に、第2位置P2が設定されている。そして、移載装置3は、第1ピッキング装置101の第1位置P1にある支持体103に支持されている第1容器C1から、第2ピッキング装置102の第2位置P2にある支持体103に支持されている第2容器C2に、対象物品WTを移載する。
(9)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
4.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品移載設備の概要について説明する。
物品移載設備は、物品を保持する第1保持部と、物品を保持する第2保持部と、前記第1保持部及び前記第2保持部を移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
予め定められた基準方向をZ方向とし、当該Z方向視で互いに直交する2つの方向の一方をX方向、他方をY方向として、前記駆動部は、前記第1保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第1Z軸駆動部と、前記第2保持部を前記Z方向に案内しつつ移動させる第2Z軸駆動部と、前記第1保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第1X軸駆動部と、前記第2保持部を前記X方向に案内しつつ移動させる第2X軸駆動部と、前記第1保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第1Y軸駆動部と、前記第2保持部を前記Y方向に案内しつつ移動させる第2Y軸駆動部と、を備え、前記第1保持部及び前記第2保持部の夫々は、吸着部と当接部とを有し、前記制御部は、前記第1保持部と前記第2保持部との少なくとも一方の前記吸着部により移載対象の物品である対象物品を吸着して保持する吸着制御と、前記第1保持部の前記当接部と前記第2保持部の前記当接部とにより前記対象物品を挟んで保持する挟持制御と、を選択的に実行する。
この構成によれば、第1Z軸駆動部、第1X軸駆動部、及び第1Yh軸駆動部は、いずれも第1保持部を直線方向に案内しつつ移動させる簡素な構成であり、第2Z軸駆動部、第2X軸駆動部、及び第2Y軸駆動部は、いずれも第2保持部を直線方向に案内しつつ移動させる簡素な構成である。そのため、第1保持部及び第2保持部のそれぞれをZ方向、X方向、及びY方向の何れの方向にも移動させることができながら、制御部による制御が行い易く且つ各駆動部を安価に構成できる。
そして、制御部が吸着制御を実行することで、第1保持部と第2保持部との少なくとも一方の吸着部により物品を吸着して保持することができる。そのため、このように対象物品を吸着により保持した状態で対象物品を移載することができる。また、制御部が挟持制御を実行することで、第1保持部の当接部と第2保持部の当接部とにより物品を挟んで保持することができる。そのため、第1保持部の吸着部や第2保持部の吸着部では物品を保持できない場合等であっても、第1保持部の当接部と第2保持部の当接部とにより物品を挟持し、対象物品を移載することができる。
このように、本特徴構成によれば、多様な物品の移載を行うことができる構成を、物品移載設備のコストを抑えつつ実現することができる。
ここで、前記制御部は、前記吸着制御により前記対象物品を吸着できなかった場合に前記挟持制御を実行すると好適である。
この構成によれば、吸着制御と挟持制御とのうち、吸着制御を優先して実行する。ここで、吸着制御では、第1保持部と第2保持部とを独立して動作させることが可能である。従って、第1保持部及び第2保持部のそれぞれの吸着部によって対象物品を保持することが可能な場合は、第1保持部と第2保持部とに独立して移載動作を行わせることで、対象物品を効率よく移載することができる。
また、前記第1保持部の前記吸着部である第1吸着部と、前記第2保持部の前記吸着部である第2吸着部とが、互いに異なる特性を有するように構成され、前記吸着制御として、前記第1保持部の前記第1吸着部により物品を吸着して保持する第1吸着制御と、前記第2保持部の前記第2吸着部により物品を吸着して保持する第2吸着制御と、を実行可能であり、前記制御部は、前記第1吸着制御と前記第2吸着制御との何れでも前記対象物品を吸着できなかった場合に前記挟持制御を実行すると好適である。
この構成によれば、第1保持部の第1吸着部により吸着可能な物品の特性と、第2保持部の第2吸着部により吸着可能な物品の特性と、を異ならせることができるため、多様な物品を保持して移載することができる。また、第1保持部による第1吸着制御や第2保持部により第2吸着制御によって保持できない物品に対しては、挟持制御を実行することにより、第1保持部と第2保持部とにより物品を挟持して保持することができる。従って、更に多様な物品を保持して移載することができる。
また、前記制御部は、前記対象物品の種別に応じて、前記吸着制御と前記挟持制御とを選択すると好適である。
この構成によれば、対象物品の種別に応じて、第1保持部や第2保持部の吸着による保持ができないことが判明している場合には、吸着制御を実行することなく挟持制御を実行することができる。従って、対象物品の移載を効率よく行うことができる。