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JP2020067395A - 測定試料希釈液 - Google Patents

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JP2020067395A JP2018200972A JP2018200972A JP2020067395A JP 2020067395 A JP2020067395 A JP 2020067395A JP 2018200972 A JP2018200972 A JP 2018200972A JP 2018200972 A JP2018200972 A JP 2018200972A JP 2020067395 A JP2020067395 A JP 2020067395A
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淳 岡本
圭三 米田
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米田  圭三
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Abstract

【課題】 高感度・高精度・HPLC法との高相関性でかつ測定試料と測定試料希釈液とを混合してからHbA1c測定用イムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間の影響を受けずに、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)を測定できる測定試料希釈液を提供する。【解決手段】 本発明は、測定試料中のヘモグロビンA1c量のヘモグロビン量に対する割合であるヘモグロビンA1c(%)を定量するための測定試料希釈液であって、前記測定試料希釈液は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含む水溶液であり、前記非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、測定試料希釈液である。【選択図】なし

Description

本発明は、イムノクロマト法による測定試料中のヘモグロビンA1c量のヘモグロビン量に対する割合であるヘモグロビンA1c(%)を測定するための、測定試料希釈液に関する。
世界糖尿病連合(International Diabetes Federation)によると、世界の糖尿病患者数はアメリカ、ヨーロッパなどの先進国に加え、中国、インド、ブラジルなどの新興国を含めて急増しており、2015年で約4.2億人存在し、2040年には約6.4億人に及ぶと予測され、糖尿病診断の重要性は増している。
糖尿病診断項目の一つであるヘモグロビンA1c(以下、HbA1cと略す場合がある)とは、血液中の酸素を運搬する役割を担うヘモグロビン(以下、Hbと略す場合がある)に糖(グルコース)が結合した糖化Hbの内、Hbのβ鎖のN末端側に位置するバリン残基が糖化された物質を指し、総Hb量に対するHbA1c量の割合であるHbA1c(%)が過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映することから、糖尿病の長期的な経過を観察するのに利用されている。
従来、HbA1c(%)の測定には、HPLC法、キャピラリー電気泳動法、酵素比色法、免疫比濁法などの測定技術が利用されていたが、これらの測定方法は専門知識を有することや分析装置が大型かつ高額であるなどの理由から、主に大規模病院や多数の検査を行う検査センターで利用されており、小規模病院ではHbA1c(%)を簡単に測定できない点が問題となっていた。
近年、医療現場ではPOCTという言葉が注目を集めている。POCTとはPoint Of Care Testingの略であり、医療従事者が被験者の傍らで行う臨床検査のことをいう。POCTは大規模病院の中央検査室等で行う臨床検査とは異なり、その場で瞬時に検査結果が得られることから、糖尿病診断においてもPOCTが広まりつつある。
HbA1c(%)の測定を目的としたPOCTの中に、イムノクロマト法を利用した技術が提案されている。イムノクロマト法とは、毛細管現象を利用した免疫測定法であり、妊娠検査やインフルエンザ検査などにおいて世界的に普及している。従来のイムノクロマト法は目視判定(定性評価)が一般的であったが、近年、イムノクロマトリーダー等の分析装置を利用して測定試料中に含まれる分析対象物質の量を定量化する技術が開発されつつある。
イムノクロマト法を用いて分析対象物質の量を定量する手法の一つとしては、抗原抗体反応を利用したサンドイッチ法が挙げられる。サンドイッチ法では分析対象物質に対してエピトープの異なる2種類の抗体を利用する。一方の抗体は、金コロイド、着色ラテックス粒子、蛍光粒子等の検出粒子と感作した検出抗体として使用する。他方の抗体は、多孔質支持体の表面に線状に固定した捕捉抗体としてテストラインを形成する。加えて、前記検出抗体を特異的に捕捉する抗体を多孔質支持体の表面の、前記テストラインとは異なる位置に線状に固定しコントロールラインを形成する。測定試料中に含まれる分析対象物質は、多孔質支持体の一端(上流側)から展開し、検出抗体と免疫複合体を形成しながら移動し、テストライン上で捕捉抗体と接触して捕捉され発色する。分析対象物質と免疫複合体を形成しなかった遊離の検出試薬はテストライン上を通過し、コントロールラインの抗体に捕捉され発色する。これらの発色強度をイムノクロマトリーダー等の装置を利用することで分析対象物質の量を定量することができる。
前述の通り、イムノクロマト法によりHbA1c(%)を測定するには、HbA1cの糖化されている部位(Hbのβ鎖のN末端側に位置するバリン残基)に特異的な抗体を使用するが、前記糖化部位はHbの表面に存在するのではなく、Hbの内部に埋もれており、生理的な条件下では抗体が結合し難い場所に存在することが判明している。このような性状より、前記糖化部位をエピトープとして認識する抗体を効率良く反応させて測定を行うために、前記エピトープをHbの表面に露出させる(以下、変性と称する場合がある)技術が報告されている。
特許文献1、2には、測定試料希釈液に界面活性剤を含み、イムノクロマト試験片に環状多糖類を担持した構成が開示されている。前記発明は、下流の抗原抗体反応を阻害せず、かつエピトープを露出させるという点、つまり測定感度の向上に関しては一定の効果が期待される。しかしながら、前記発明は下流への展開斑が生じるため、測定精度が十分ではなかった。
特許文献3、4には、測定試料希釈液に非イオン性界面活性剤を含み、イムノクロマト試験片に陰イオン性界面活性剤を担持した構成が開示されている。前記発明は、展開斑の向上に関しては一定の効果が期待される。しかしながら、前記発明は、イムノクロマト試験片に担持した界面活性剤が、希釈測定試料が展開する僅かな時間でエピトープをHbの表面に露出させることができないため、測定感度が十分ではなく、また前記混合時間の影響を大きく受けてしまう問題があった。
特開2012−251789号公報 特開2015−158515号公報 特開2015−200517号公報 特開2016−161329号公報
本発明は、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)を測定するための測定試料希釈液を提供することを課題とするものである。より詳しくは、従来よりも測定試料と測定試料希釈液とを混合してからHbA1c測定用イムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間経過の影響を受けにくく、高精度かつ高感度に測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)を測定可能な測定試料希釈液を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、測定試料希釈液として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含む水溶液を使用することにより、従来技術よりも感度・精度・HPLC法との相関性が大幅に向上し、かつ測定試料と測定試料希釈液とを混合してからイムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間経過の影響を受け難いことを見出した。
すなわち、代表的な本発明は以下の通りである。
(1) 測定試料中のヘモグロビンA1c量のヘモグロビン量に対する割合であるヘモグロビンA1c(%)を定量するための測定試料希釈液であって、前記測定試料希釈液は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含む水溶液であり、前記非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、測定試料希釈液。
(2) 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、HLBが14.0〜18.0のものであり、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、HLBが10.0〜16.0のものである、(1)に記載の測定試料希釈液。
(3) 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであり、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルである、(1)または(2)に記載の測定試料希釈液。
(4) 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.05〜3.0wt%、かつ前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.05〜3.0wt%含む、(1)から(3)のいずれかに記載の測定試料希釈液。
(5) 前記陰イオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩である、(1)から(4)のいずれかに記載の測定試料希釈液。
(6) 前記陰イオン性界面活性剤を0.1〜1.0wt%含む、(1)から(5)のいずれかに記載の測定試料希釈液。
(7) 前記緩衝剤は、リン酸緩衝剤である、(1)から(6)のいずれかに記載の測定試料希釈液。
本発明の測定試料希釈液は、測定試料と混合した後の時間経過が測定値に影響を与えず、またイムノクロマト試験片を移動(流動)する測定試料の展開(流動)斑を抑えることができ、さらに抗原抗体反応を促進することができるため、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)を迅速、高感度、高精度に測定することができる。
イムノクロマト試験片の一例を示す(上面)図である。 イムノクロマト試験片の一例を示す(側面)図である。
本発明において、測定試料は、特に限定されないが、例えば、血液、リンパ液、髄液、汗、尿、涙液、唾液、皮膚、粘膜、毛髪等の生体試料が挙げられる。血液においては、全血のほか、血液を遠心分離して得られた血清、血球または血漿を試料とすることができる。また、測定試料はヒト由来に限らず、イヌ、ネコ、ウシ等の哺乳動物由来の生体試料も対象である。また、本発明における測定項目は、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)である。
本発明の測定試料希釈液は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含む水溶液である。前記測定試料希釈液中に非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことによって、イムノクロマト試験片を移動(流動)する測定試料の展開斑を抑えることができるため測定精度を高めることができる。また、前記測定試料希釈液中に非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことによって、下流の抗原抗体反応を促進し、測定感度を高めることができる。また、前記測定試料希釈液中に陰イオン性界面活性剤を含むことによって、測定試料と測定試料希釈液とを混合してからイムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間経過による測定値(例えば、後述のテストラインの反射吸光度)の変動を抑制し、測定精度を高めることができる。さらに、緩衝剤を含むことによって、pH変動による抗原抗体反応の阻害を抑制し、測定感度の低下を防止できる。なお、本発明における測定項目は、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)であるため、前記非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤のいずれかは、溶血作用を示す界面活性剤であることが好ましい。
本発明において、非イオン性界面活性剤としては、測定試料の展開均一性を向上させ、かつ下流の抗原抗体反応を促進する観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルの両方を含むのが好ましい。
本発明において、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB(Hydrophilic−Lipophilic Balance)は、測定試料の展開均一性の観点から、14.0〜18.0が好ましく、15.0〜18.0がより好ましい。
本発明において、HLBは、グリフィン法を用い、HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)で算出されたものである。
また、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例えば、Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(例えば、Tween(登録商標)40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(例えば、Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)80)等が挙げられる。これらの中でも、測定試料の展開均一性の観点から、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートが好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBは、10.0〜16.0が好ましく、11.0〜14.0がより好ましい。HLBが小さいと、水への溶解が困難となる。一方、HLBが大きいと、下流の抗原抗体反応の促進が不十分となり、測定感度が低下することがある。
また、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(例えば、エマルゲン(登録商標)104P、105、106、108、109P、120、123P、147、150)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(例えば、エマルゲン(登録商標)210、220)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(例えば、エマルゲン(登録商標)306P、320P、350)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(例えば、エマルゲン(登録商標)404、408、409PV、420、430)等が挙げられる。これらの中でも、下流の抗原抗体反応を促進する観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましい。
本発明において、測定試料希釈液中の前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの濃度は、0.05〜3.0wt%が好ましく、0.1〜2.0wt%がより好ましい。濃度が低いと、下流への展開不可能となるか、展開しても不均一となり測定精度が大幅に低下することがある。一方、濃度が高いと、物理的に吸着している検出粒子と検出抗体、および/またはメンブレンと捕捉抗体とが乖離し、測定値が得られないか、得られたとしても測定感度が大幅に低下することがある。また、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの濃度は、0.05〜3.0wt%が好ましく、0.1〜2.0wt%がより好ましい。濃度が低いと、下流の抗原抗体反応の促進効果が得られず、測定感度が低下することがある。一方、濃度が高いと、物理的に吸着している検出粒子と検出抗体、および/またはメンブレンと捕捉抗体とが乖離し、測定値が全く得られないか、得られたとしても測定感度が大幅に低下することがある。
本発明において、陰イオン性界面活性剤としては、前記測定試料中のHbA1cを即座に変性し、かつ下流の抗原抗体反応を阻害しなければ、特に限定されないが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシル硫酸リチウム(LDS)等のアルキル硫酸塩、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム等の胆汁酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウロイルメチルアラニン、N−ラウロイルサルコシンナトリウム塩等のアシルアミノ酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩及び特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、アルキル硫酸塩が好ましく、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)がより好ましい。なお、前記アルキル硫酸塩は溶血作用を示す界面活性剤である。
本発明において、測定試料希釈液中の陰イオン性界面活性剤の濃度は、特に限定されないが、0.05〜2.0wt%が好ましく、0.1〜1.0wt%がより好ましい。濃度が低いと、HbA1cの変性に時間がかかるため、測定試料と測定試料希釈液とを混合してからイムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間により、測定値(例えば、後述のテストラインの反射吸光度)が変動し、測定精度が低下することがある。一方、濃度が高いと、下流の抗原抗体反応を阻害するため、測定感度が低下することがある。
本発明において、前記緩衝剤としては、目的とするpH範囲において充分な緩衝能力を有していれば、いかなる種類の緩衝剤を用いてもよく、例えば、トリス、リン酸、フタル酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、ホウ酸、酒石酸、酢酸、炭酸、グッドバッファー(MES、ADA、PIPES、ACES、コラミン塩酸、BES、TES、HEPES、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン)が挙げられる。これらの中でも、本発明に用いる抗体の至適pH範囲である7.0付近において充分な緩衝能力を有する等の理由から、トリス、リン酸、MES、PIPES、TES、HEPESが好ましく、リン酸、トリス、PIPESがより好ましく、リン酸がさらに好ましい。
本発明において、測定試料希釈液中の前記緩衝剤の濃度は、10〜80mMが好ましく、20〜60mMがより好ましい。濃度が低いと、目的とするpH範囲において充分な緩衝能力を有さず測定感度が大幅に低下することがある。一方、濃度が高いと、検出粒子の凝集により下流への展開不可能となるか、展開しても不均一となり測定精度が大幅に低下することがある。
本発明において、測定試料希釈液は、酸化剤を含んでいてもよい。前記酸化剤としては、Hbを酸化し、かつ下流の抗原抗体反応を阻害しなければ、特に限定されないが、ハロゲンオキソ酸塩、遷移金属錯体の塩、過酸化物、過マンガン酸塩、クロム酸塩、亜硝酸塩、および超酸化物が挙げられる。ハロゲンオキソ酸塩としては、例えば、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、および過ヨウ素酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。遷移金属錯体の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩のフェリシアン化塩が挙げられる。過酸化物としては、例えば有機過酸化物が挙げられる。過マンガン酸塩としては、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過マンガン酸塩が挙げられる。これらの中でも、亜硝酸塩が好ましく、亜硝酸ナトリウムがより好ましい。酸化剤を含むことで、測定試料中のHbの酸化斑に起因する抗原抗体反応斑を抑制することができ、測定精度の向上が期待できる。また、測定試料中の非特異反応の原因となる物質をも酸化することで、非特異反応の進行を抑制でき、測定精度の向上が期待できる。
本発明において、測定試料希釈液中の前記酸化剤の濃度は、特に限定されないが、0.01〜1.0wt%が好ましい。濃度が低いと、Hbの酸化が不十分となり、測定値(例えば、後述のテストラインの反射吸光度)が変動し、測定精度が低下することがある。一方、濃度が高いと、下流の抗原抗体反応を阻害するため、測定感度が低下することがある。
本発明において、測定試料希釈液は、アジ化剤を含んでいてもよい。前記アジ化剤としては、Hbをアジ化し、かつ下流の抗原抗体反応を阻害しなければ、特に限定されないが、アジ化ナトリウムが好ましい。なお、前記アジ化剤は保存時には防腐剤としても作用する。アジ化剤を含むことで、測定試料中のHbのアジ化斑に起因する抗原抗体反応斑を抑制することができ、測定精度の向上が期待できる。また、測定試料中の非特異反応の原因となる物質をアジ化することで、非特異反応の進行を抑制でき、測定精度の向上が期待できる。
前記アジ化剤の濃度は、特に限定されないが、0.01〜0.2wt%が好ましい。濃度が低いと、Hbのアジ化が不十分となり、測定値(例えば、後述のテストラインの反射吸光度)が変動し、測定精度が低下することがある。一方、濃度が高いと、下流の抗原抗体反応を阻害するため、測定感度が低下することがある。
本発明において、測定試料希釈液は、必要に応じて、ブロッキング用タンパク質(Blocking Peptide Fragment(BPF)、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン等)、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等)、および/または抗体安定化剤(単糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコール、グリセロール、グルコン酸塩、アミノ酸類、アルブミン類、グロブリン類、繊維性タンパク質等)を添加してもよい。
前記測定試料希釈液による測定試料の希釈倍率は、特に限定されないが、100〜2000倍希釈が好ましく、200〜1500倍希釈がより好ましい。測定試料の希釈倍率が小さいと、下流への展開が困難となる。また、測定試料中の共雑物質の影響も受けやすくなり、測定精度が低下することがある。一方、測定試料の希釈倍率が大きいと、測定試料中のHbおよびHbA1cの濃度が低下し、測定感度が低下することがある。
本発明の測定試料希釈液の使用について、イムノクロマト試験片を用いたHbA1c(%)の測定を例に挙げて説明する。なお、イムノクロマト試験片の構成は、特に限定されないが、イムノクロマト試験片の試料添加部(滴下部)を上流側として、前記添加部を有するサンプルパッド、コンジュゲーションパッド、メンブレン、吸収パッドの順に連接配置されている構成が好ましい。次いで、本発明のイムノクロマト試験片の一例を、図面を参照して説明するが、本発明を何ら限定するものではない。図1および図2において、1はサンプルパッド、2はコンジュゲーションパッド、3はメンブレン、4は吸収パッド、5はバッキングシート、6はテストライン、7はコントロールライン、8は粘着シートをそれぞれ示す。
図1および図2の例では、イムノクロマト試験片は、幅3〜5mm、長さ40〜100mmの細長い短冊状の形態をしている。なお、イムノクロマト試験片のメンブレン3の上流側の端部から約10mmの位置に捕捉抗体を線状に固定したテストライン6が形成される。また、前記端部から約15mmの位置に別の捕捉抗体を線状に固定したコントロールライン7が形成される。さらに、イムノクロマト試験片のコンジュゲーションパッド2には検出抗体と検出粒子との複合体であるテストライン検出試薬、および標識したブロッキング用タンパク質と検出粒子との複合体であるコントロールライン検出試薬が坦持されている。
初めに、測定試料が所定の希釈倍率になるように測定試料希釈液を添加混合して希釈された測定試料を得る。次いで、前記希釈された測定試料をサンプルパッド1に滴下すると、希釈された測定試料は毛細管現象によりサンプルパッド1を通過してコンジュゲーションパッド2に展開する。その際、希釈された測定試料はコンジュゲーションパッド2に坦持されたテストライン検出試薬およびコントロールライン検出試薬を溶解しながら、希釈された測定試料中のHbA1cとテストライン検出試薬中の抗HbA1c抗体で感作した検出粒子とが免疫複合体を形成する。なお、希釈された測定試料中のHbA1c以外のHb(例えば、HbA0等)はテストライン検出試薬とは免疫複合体を形成しない。次いで、前記希釈された測定試料はメンブレン3に展開する。希釈された測定試料がテストライン6に到達すると、前記免疫複合体はテストラインを形成する捕捉抗体(抗Hb抗体)で捕捉されて集積し、テストライン6が発色する。なお、希釈された測定試料中のHbA1c以外のHb(例えば、HbA0等)もテストラインを形成する捕捉抗体(抗Hb抗体)で捕捉されて集積するため、テストライン上では免疫複合体とHbA1c以外のHb(例えば、HbA0等)との競合的な捕捉が生じ、捕捉される確率は測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)に依存する。つまり、テストラインの発色強度から、HbA1c(%)を直接測定することが可能となる。その後、前記希釈された測定試料がコントロールライン7に到達すると、コントロールライン検出試薬中の標識物質(ビオチン)で標識したブロッキング用タンパク質で感作した検出粒子はコントロールラインを形成する捕捉抗体(抗ビオチン抗体)で捕捉されて集積し、コントロールライン7が発色する。最後に、前記希釈された測定試料は吸収パッド4で吸収される。
前記HbA1c(%)は、テストラインの発色強度から直接測定してもよいし、希釈された測定試料の流動斑を考慮し、テストラインの発色強度をコントロールラインの発色強度で割り算した補正値から測定してもよい。
本発明において、イムノクロマト試験片のテストラインおよびコントロールラインの測定方法は、特に限定されず、市販のイムノクロマトリーダーを用いてもよいし、別途公知の方法でイムノクロマトリーダーを製造してもよい。検出系としては、特に限定されないが、例えばLED−FD、LED−CMOS、LED−CCDを使用することができる。
本発明において、検出粒子は、特に制限されないが、着色粒子や蛍光粒子を用いることができる。着色粒子としては金属粒子、ラテックス粒子、セルロース粒子などを例示することができる。金属粒子としては、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、パラジウムコロイド、金ナノロッド、金ナノプレート、銀ナノプレートなどを例示することができ、平均粒子径は1〜100nmが好ましい。ラテックス粒子としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリル酸重合体などの材質からなるものを例示することができ、平均粒子径は25〜500nmが好ましい。蛍光粒子としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルトルエン、シリカなどの材質からなるものを例示することができ、蛍光色素としてはフルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、シアニンおよびその誘導体などを例示することができる。これらの中でも、分散性が高く、視認性に優れるセルロース粒子が好ましい。
前記セルロース粒子は、大量の水酸基を有するため、多くの反応性染料を共有結合により保持することができるだけでなく、濃染化した後も水などへの安定分散性を保持することができる。セルロース粒子として、再生セルロース、精製セルロース、天然セルロース等を用いることができるし、一部誘導体化されたセルロースを用いてもよい。前記セルロース粒子の重量の20〜90wt%はセルロース由来であることが好ましく、20〜80wt%がより好ましく、20〜70wt%がさらに好ましい。
前記セルロース粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、100〜1000nmが好ましく、200〜800nmがより好ましい。平均粒子径が1000nmより大きいと、下流への展開が遅くなり、測定時間が長くなる。また、メンブレン上に捕捉されやすくなり、バックグラウンド自体が発色してしまうことでテストラインおよびコントロールラインでの発色が不明瞭になることがある。一方、平均粒子径が100nmより小さいと、物理吸着または化学結合できる抗体量が低下し、測定感度が低下することがある。
前記セルロース粒子の色は、特に限定されないが、例えば赤色、青色、黄色、緑色、黒色、白色、蛍光色が挙げられる。これらの中でも、最も汎用的な市販の金コロイド(赤色)測定用のイムノクロマトリーダーで測定可能であり、かつ非特異吸着による擬陽性が発生し難い赤色が好ましい。このようなセルロース粒子としては、旭化成社製の着色セルロースナノビーズ(NanoAct(登録商標))が挙げられるが、この中でもRed(RE1)、Dark Red(RE2)が好ましく、Dark Red(RE2)がより好ましい。通常、赤色セルロース微粒子は非特異吸着による擬陽性が発生し難いが、測定感度も低いという問題点がある。しかし、本発明の検体希釈液を使用することで、非特異吸着を抑制するだけでなく、抗原抗体反応を高めることができるので、青色または黒色セルロース微粒子と同等かそれ以上の高い測定感度を実現可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で記載するHbA1c(%)は全てNGSP値である。
(実施例1)
(1)HbA1c測定用テストライン検出試薬の調製
8.57mg/mLの抗HbA1cモノクローナル抗体(HbA1c Antibody、OAMA02329、AVIVA SYSTEM BIOLOGY社製)を蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で1.0mg/mLに調製した。次いで、1.0wt%のセルロース粒子(NanoAct(登録商標)、RE2:Dark Red、平均粒子径340nm、旭化成社製)100μL、10mMのトリス緩衝液(204−07885、和光純薬工業社製)(pH8.0)900μL、および前記1.0mg/mL(0.1wt%)の抗HbA1cモノクローナル抗体100μLを15mLの遠沈管に加え、ボルテックスで撹拌した。次いで、37℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)に入れ120分間静置した。次いで、1.0wt%のカゼイン(030−01505、和光純薬工業社製)、100mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなるブロッキング液(pH8.0)12mLを加え、さらに37℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)で60分間静置した。次いで、遠心分離機(MX−307、トミー精工社製)とラックインローター(TMA−300、トミー精工社製)とラック(AR510−04、トミー精工社製)を用い、10,000Gの遠心を25℃で15分間行い、抗体感作セルロース粒子を沈降させた後に上澄みを除去した。次いで、50mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなる洗浄液(pH10.0)12mLを加え、超音波分散機(UH−50、エスエムテー社製)で10秒間処理した。次いで、遠心分離機(MX−307、トミー精工社製)とラックインローター(TMA−300、トミー精工社製)とラック(AR510−04、トミー精工社製)を用い、10,000Gの遠心を25℃で15分間行い、抗体感作セルロース粒子を沈降させた後に上澄みを除去した。次いで、15wt%のスクロース(196−00015、和光純薬工業社製)、0.2wt%のカゼイン(030−01505、和光純薬工業社製)、62mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなる塗布液(pH9.2)2.0mLを加え、超音波分散機(UH−50、エスエムテー社製)で10秒間処理し、HbA1c測定用テストライン検出試薬を得た。
(2)HbA1c測定用コントロールライン検出試薬の調製
Dビオチン(04822−91、ナカライテスク社製)16mg、およびジメチルスルホキシド:DMSO(08904−14、ナカライテスク社製)1000μLを1.5mLマイクロチューブに加え、ボルテックスで撹拌し、Dビオチン溶液を得た。次いで、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩:EDC(15022−86、ナカライテスク社製)20mg、N−ヒドロキシスクシンイミド:NHS(18948−02、ナカライテスク社製)20mg、および蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)100μLを1.5mLマイクロチューブに加え、ボルテックスで撹拌し、EDC/NHS溶液を得た。次いで、前記Dビオチン溶液100μLおよび前記EDC/NHS溶液100μLを混合した後、25℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)に入れ15分間静置し、Dビオチン/EDC/NHS溶液を得た。次いで、Blocking Peptide Fragment:BPF(BPF−301、東洋紡社製)10mg、および蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)100μLを1.5mLマイクロチューブに加え、ボルテックスで撹拌し、BPF溶液を得た。次いで、前記Dビオチン/EDC/NHS溶液100μLと前記BPF溶液100μLを混合した後、25℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)に入れ30分間静置し、Dビオチン−BPF溶液を得た。次いで、1.0wt%のセルロース粒子(NanoAct(登録商標)、RE2:Dark Red、平均粒子径340nm、旭化成社製)100μL、10mMのトリス緩衝液(204−07885、和光純薬工業社製)(pH8.0)900μL、および前記Dビオチン−BPF溶液100μLを15mLの遠沈管に加え、ボルテックスで撹拌した。次いで、37℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)に入れ120分間静置した。次いで、1.0wt%のカゼイン(030−01505、和光純薬工業社製)、100mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなるブロッキング液(pH8.0)12mLを加え、さらに37℃に調整した低温インキュベーター(IN604、ヤマト科学社製)で60分間静置した。次いで、遠心分離機(MX−307、トミー精工社製)とラックインローター(TMA−300、トミー精工社製)とラック(AR510−04、トミー精工社製)を用い、10,000Gの遠心を25℃で15分間行い、Dビオチン感作セルロース粒子を沈降させた後に上澄みを除去した。次いで、50mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなる洗浄液(pH10.0)12mLを加え、超音波分散機(UH−50、エスエムテー社製)で10秒間処理した。次いで、遠心分離機(MX−307、トミー精工社製)とラックインローター(TMA−300、トミー精工社製)とラック(AR510−04、トミー精工社製)を用い、10,000Gの遠心を25℃で15分間行い、Dビオチン感作セルロース粒子を沈降させた後に上澄みを除去した。次いで、15wt%のスクロース(196−00015、和光純薬工業社製)、0.2wt%のカゼイン(030−01505、和光純薬工業社製)、62mMのホウ酸緩衝液(021−02195、和光純薬工業社製)からなる塗布液(pH9.2)2.0mLを加え、超音波分散機(UH−50、エスエムテー社製)で10秒間処理し、HbA1c測定用コントロールライン検出試薬を得た。
(3)HbA1c測定用メンブレンカードの作製
3.6mg/mLの抗Hbモノクローナル抗体(HBA1 Antibody、OAMA02326、AVIVA SYSTEM BIOLOGY社製)を蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で1.0mg/mLに調製した。次いで、1.0mg/mLの抗ビオチンポリクローナル抗体(Biotin Antibody、A150−111A、BETHYL社製)を蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で0.5mg/mLに調製した。次いで、上流側に20mm×300mmの粘着テープ部、中央に25mm×300mmのメンブレン部、下流側に15mm×300mmの粘着テープ部から構成される60mm×300mmのメンブレンカード(Hi−Flow Plus 120 Membrane Cards、HF120、Millipore社製)のメンブレン部の上流側から10mmの位置に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Bio Jetノズル(BHQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記1.0mg/mLの抗Hbモノクローナル抗体を1.0μL/cmの塗布量で塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、ライン幅約1mmのテストラインを形成した。さらに、前記テストラインを形成したメンブレンカードのメンブレン部の上流側から15mmの位置に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Bio Jetノズル(BHQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記0.5mg/mLの抗ビオチンポリクローナル抗体を1.0μL/cmの塗布量で塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、ライン幅約1mmのコントロールラインを形成することで、HbA1c測定用メンブレンカードを得た。
(4)HbA1c測定用コンジュゲーションパッドの作製
前記HbA1c測定用テストライン検出試薬および前記HbA1c測定用コントロールライン検出試薬を、6:1の割合(質量比)で混合した。なお、HbA1c測定用テストライン検出試薬およびHbA1c測定用コントロールライン検出試薬中の粒子濃度が同一である場合は、体積比6:1の割合で混合すればよい。次いで、10mm×300mmのコンジュゲーションパッド(GLASSFIBER DIAGNOSTIC PAD、GFDX001050、Millipore社製)の全面に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Air Jetノズル(AJQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記混合液を15μL/cmの塗布量で均一に塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、HbA1c測定用コンジュゲーションパッドを得た。
(5)HbA1c測定用イムノクロマト試験片の作製
前記HbA1c測定用メンブレンカードの上流側の20mm×300mmの粘着テープ部に、メンブレン部と5mm重なるよう前記HbA1c測定用コンジュゲーションパッドを貼り合わせた。次いで、さらに上流側に前記コンジュゲーションパッドと5mm重なるよう20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)を貼り合わせた。次いで、前記HbA1c測定用メンブレンカードの下流側の15mm×300mmの粘着テープ部に、メンブレン部と5mm重なるよう20mm×300mmの吸収パッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)を貼り合わせた。次いで、ギロチン式カッティングモジュール(CM5000、BIODOT社製)を用い、幅4mm、長さ60mmの短冊状にカットすることで、HbA1c測定用イムノクロマト試験片を得た。
(6)測定試料希釈液の調製
りん酸緩衝生理食塩粉末(162−19321、和光純薬工業社製)1袋、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:Tween(登録商標)20(35624−02、ナカライテスク社製)2.0g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)108(HLB:12.1、花王社製)1.0g、ドデシル硫酸ナトリウム:SDS(194−13985、和光純薬工業社製)1.0g、亜硝酸ナトリウム(199−02565、和光純薬工業社製)0.2g、アジ化ナトリウム(199−11095、和光純薬工業社製)0.2gを蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)150mLに溶解し、蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で200mLにメスアップした後、500mLガラス瓶に移し、測定試料希釈液(50mM PBS、1.0wt%Tween(登録商標)20、0.5wt%エマルゲン(登録商標)108、0.5wt%SDS、0.1wt%亜硝酸ナトリウム、0.1wt%アジ化ナトリウム)を調製した。
(7)希釈試料の調製
市販のHbA1c標準物質であるHbA1c測定性能評価用試料(QRM HbA1c 2007−1、検査医学標準物質機構社製、L1〜L5の5水準)を、それぞれ前記測定試料希釈液にて1000倍に希釈することで、HPLCで測定したHbA1c(%)がL1=5.01%、L2=5.65%、L3=7.35%、L4=9.51%、L5=11.26%の希釈HbA1c試料(L1〜L5)を得た。
(8)HbA1c測定用イムノクロマト試験片の評価:感度の評価
前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を水平な台に設置した。次いで、混合時間が10秒間の前記希釈HbA1c試料(L1、L4)100μLを、マイクロピペットで分取し、サンプルパッドに緩やかに滴下し、25℃で10分間静置した。次いで、メンブレン上のコントロールラインおよびテストラインの反射吸光度(mAbs)をイムノクロマトリーダー(C10060−10、測定モード:Gold Colloid、Line、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。前記実験操作を前記希釈HbA1c試料(L1、L4)に対してそれぞれN=10(合計で前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を20本使用)で行った。感度の指標として、前記希釈HbA1c試料(L4)のテストラインの反射吸光度(mAbs)のN=10平均値と、前記希釈HbA1c試料(L1)のテストラインの反射吸光度(mAbs)のN=10平均値との差:ΔL4−L1(mAbs)を算出し、ΔL4−L1>180mAbsを3点(excellent)、150mAbs<ΔL4−L1≦180mAbsを2点(good)、100mAbs<ΔL4−L1≦150mAbsを1点(average)、ΔL4−L1≦100mAbsを0点(bad)と評価した。実施例1のHbA1c測定用イムノクロマト試験片の感度はΔL4−L1=240mAbsで3点と、高感度な測定が可能であった。
(9)HbA1c測定用イムノクロマト試験片の評価:精度の評価
前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を水平な台に設置した。次いで、混合時間が10秒間の前記希釈HbA1c試料(L1、L4)100μLを、マイクロピペットで分取し、サンプルパッドに緩やかに滴下し、25℃で10分間静置した。次いで、メンブレン上のコントロールラインおよびテストラインの反射吸光度(mAbs)をイムノクロマトリーダー(C10060−10、測定モード:Gold Colloid、Line、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。前記実験操作を前記希釈HbA1c試料(L1、L4)に対してそれぞれN=10(合計で前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を20本使用)で行った。精度の指標として、前記希釈HbA1c試料(L1、L4)のテストラインの反射吸光度(mAbs)をコントロールラインの反射吸光度(mAbs)で割算した補正値(L1、L4)をそれぞれ算出した後、得られた補正値(L1、L4)のN=10におけるCV(L1、L4)(%)をそれぞれ算出し、さらにCV(L1)(%)とCV(L4)(%)との平均値:CV(%)を算出し、CV<3%を3点(excellent)、3%≦CV<5%を2点(good)、5%≦CV<10%を1点(average)、CV≧10%を0点(bad)と評価した。実施例1のHbA1c測定用イムノクロマト試験片の精度はCV=2.1%で3点と、高精度な測定が可能であった。
(10)HbA1c測定用イムノクロマト試験片の評価:HPLC法との相関性の評価
前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を水平な台に設置した。次いで、混合時間が10秒間の前記希釈HbA1c試料(L1〜L5)100μLを、マイクロピペットで分取し、サンプルパッドに緩やかに滴下し、25℃で10分間静置した。次いで、メンブレン上のコントロールラインおよびテストラインの反射吸光度(mAbs)をイムノクロマトリーダー(C10060−10、測定モード:Gold Colloid、Line、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。前記実験操作を前記希釈HbA1c試料(L1〜L5)に対してそれぞれN=10(合計で前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を50本使用)で行った。相関性の指標として、前記希釈HbA1c試料(L1〜L5)のテストラインの反射吸光度(mAbs)をコントロールラインの反射吸光度(mAbs)で割算した補正値(L1〜L5)をそれぞれ算出した後、得られた補正値(L1〜L5)と、前記希釈HbA1c試料(L1〜L5)のHbA1c(%)、L1=5.01%、L2=5.65%、L3=7.35%、L4=9.51%、L5=11.26%とのピアソン相関係数:rを算出し、r>0.95を3点(excellent)、0.90<r≦095を2点(good)、0.85<r≦0.90を1点(average)、r≦0.85を0点(bad)と評価した。実施例1のHbA1c測定用イムノクロマト試験片の相関性はr=0.99で3点と、HPLC法で測定したHbA1c(%)との高い相関性を有していた。
(11)HbA1c測定用イムノクロマト試験片の評価:混合時間依存性の評価
前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を水平な台に設置した。次いで、混合時間が10秒間および15分間の前記希釈HbA1c試料(L4)100μLを、マイクロピペットで分取し、サンプルパッドに緩やかに滴下し、25℃で10分間静置した。次いで、メンブレン上のコントロールラインおよびテストラインの反射吸光度(mAbs)をイムノクロマトリーダー(C10060−10、測定モード:Gold Colloid、Line、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。前記実験操作を混合時間が10秒間の希釈HbA1c試料(L4)および混合時間が15分間の希釈HbA1c試料(L4)に対してそれぞれN=10(合計で前記HbA1c測定用イムノクロマト試験片を20本使用)で行った。混合時間依存性の指標として、前記混合時間が15分間の希釈HbA1c試料(L4)のテストラインの反射吸光度(mAbs)のN=10平均値と、前記混合時間が10秒間の希釈HbA1c試料(L4)のテストラインの反射吸光度(mAbs)のN=10平均値との差:Δ15−10(mAbs)を算出し、Δ15−10<20mAbsを3点(excellent)、20mAbs≦Δ15−10<45mAbsを2点(good)、45mAbs≦Δ15−10<100mAbsを1点(average)、Δ15−10≧100mAbsを0点(bad)と評価した。実施例1のHbA1c測定用イムノクロマト試験片の混合時間依存性はΔ15−10=−10mAbsで3点と、測定試料と測定試料希釈液とを混合してからHbA1c測定用イムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間:混合時間によるテストラインの反射吸光度の変動はほぼないことを確認した。
(実施例2〜25)
測定試料希釈液の組成を変更する以外は実施例1と同様にしてHbA1c測定用イムノクロマト試験片を作製し評価した。使用した測定試料希釈液の組成および得られた評価結果を表1に示す。なお、表1中のT20はポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:Tween(登録商標)20(35624−02、HLB16.7、ナカライテスク社製)を、T40はポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート:Tween(登録商標)40(35701−82、HLB15.6、ナカライテスク社製)を、T60はポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート:Tween(登録商標)60(35702−72、HLB14.9、ナカライテスク社製)を、T80はポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート:Tween(登録商標)80(35703−62、HLB15.0、ナカライテスク社製)を、E105はポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)105(HLB9.7、花王社製)を、E106はポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)106(HLB10.5、花王社製)を、E108はポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)108(HLB12.1、花王社製)を、E109はポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)109P(HLB13.6、花王社製)を、E120はポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)120(HLB15.3、花王社製)を、SDSはドデシル硫酸ナトリウム(194−13985、和光純薬工業社製)を、LDSはドデシル硫酸リチウム(121−02741、和光純薬工業社製)を、NaNOは亜硝酸ナトリウム(199−02565、和光純薬工業社製)を、NaNはアジ化ナトリウム199−11095、和光純薬工業社製)、TX100はポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル:Triton(登録商標)X−100(169−21105、和光純薬工業社製)をそれぞれ示す。
(比較例1〜8)
測定試料希釈液の組成を変更する以外は実施例1と同様にしてHbA1c測定用イムノクロマト試験片を作製し評価した。使用した測定試料希釈液の組成および得られた評価結果を表2に示す。
表2に示されるように、界面活性剤を含まない測定試料希釈液を使用した比較例1では、希釈した測定試料の下流への展開が困難であり、かつ測定対象物であるHbA1cが変性されず、コンジュゲーションパッドにてHbA1cと抗HbA1c抗体で感作した検出粒子とが免疫複合体を形成できないためか、テストラインが視認できないほど薄く、測定感度が著しく低い結果となった。なお、比較例1では、テストラインの反射吸光度が検出下限付近であったため、その後の精度、相関性、混合時間依存性の評価を行なわなかった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20のみを含む測定試料希釈液を使用した比較例2では、測定対象物であるHbA1cが変性されず、コンジュゲーションパッドにてHbA1cと抗HbA1c抗体で感作した検出粒子とが免疫複合体を形成できないためか、テストラインが視認できないほど薄く、測定感度が著しく低い結果となった。なお、比較例2では、テストラインの反射吸光度が検出下限付近であったため、その後の精度、相関性、混合時間依存性の評価を行なわなかった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108のみを含む測定試料希釈液を使用した比較例3では、希釈した測定試料の下流への展開斑(場合によっては、測定時間内に下流へ展開しない)が生じたためか、測定精度が著しく低い結果となった。また、測定対象物であるHbA1cが変性されるまでに時間がかかるためか、測定試料と測定試料希釈液とを混合してからHbA1c測定用イムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間:混合時間によりテストラインの反射吸光度が大きく変動する結果となった。
また、陰イオン性界面活性剤であるSDSのみを含む測定試料希釈液を使用した比較例4では、希釈した測定試料の下流への展開斑(場合によっては、測定時間内に下流へ展開しない)が生じたためか、測定精度が著しく低い結果となった。また、下流の抗原抗体反応の促進効果が不十分なためか、測定感度が低い結果となった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108を含む測定試料希釈液を使用した比較例5では、測定対象物であるHbA1cが変性されるまでに時間がかかるためか、測定試料と測定試料希釈液とを混合してからHbA1c測定用イムノクロマト試験片へ滴下するまでの時間:混合時間によりテストラインの反射吸光度が大きく変動する結果となった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および陰イオン性界面活性剤であるSDSを含む測定試料希釈液を使用した比較例6では、下流の抗原抗体反応の促進効果が不十分なためか、測定感度が低い結果となった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108および陰イオン性界面活性剤であるSDSを含む測定試料希釈液を使用した比較例7では、希釈した測定試料の下流への展開斑(場合によっては、測定時間内に下流へ展開しない)が生じたためか、測定精度が著しく低い結果となった。
また、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108の代わりに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであるTriton(登録商標)X−100を使用した比較例8では、下流の抗原抗体反応の促進効果が不十分なためか、測定感度が低い結果となった。なお、Triton(登録商標)X−100はREACH規制対象物質でもあり、使用は好ましくない。
(比較例9)
りん酸緩衝生理食塩粉末(162−19321、和光純薬工業社製)1袋、ポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)108(HLB:12.1、花王社製)10g、ドデシル硫酸ナトリウム:SDS(194−13985、和光純薬工業社製)10gを蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)150mLに溶解し、蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で200mLにメスアップした後、500mLガラス瓶に移し、サンプルパッド塗布液1(50mM PBS、5wt%エマルゲン(登録商標)108、5wt%SDS)を調製した。次いで、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の全面に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Air Jetノズル(AJQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記サンプルパッド塗布液1を30μL/cmの塗布量で均一に塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、界面活性剤を担持したサンプルパッド1を得た。HbA1c測定用イムノクロマト試験片の作製工程において、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の代わりに前記界面活性剤を担持したサンプルパッド1を使用した以外は比較例2と同様にしてHbA1c測定用イムノクロマト試験片を作製し評価した。使用した測定試料希釈液の組成および得られた評価結果を表2に示す。
非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20のみを含む測定試料希釈液を使用し、かつ非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108および陰イオン性界面活性剤であるSDSをサンプルパッドに担持したイムノクロマト試験片を使用した比較例9では、測定感度が低い結果となった。これは、希釈測定試料がサンプルパッドを通過する僅かな時間では、エマルゲン(登録商標)108およびSDSの溶解およびHbA1cの変性が完全には進みきらず、コンジュゲーションパッドにてHbA1cと抗HbA1c抗体で感作した検出粒子とが免疫複合体を形成し辛いためと考えられた。つまり、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108および陰イオン性界面活性剤であるSDSはサンプルパッドではなく、測定試料希釈液に含む必要があることを示している。
(比較例10)
りん酸緩衝生理食塩粉末(162−19321、和光純薬工業社製)1袋、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:Tween(登録商標)20(35624−02、ナカライテスク社製)20g、ドデシル硫酸ナトリウム:SDS(194−13985、和光純薬工業社製)10gを蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)150mLに溶解し、蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で200mLにメスアップした後、500mLガラス瓶に移し、サンプルパッド塗布液2(50mM PBS、10wt%Tween20、5wt%SDS)を調製した。次いで、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の全面に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Air Jetノズル(AJQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記サンプルパッド塗布液2を30μL/cmの塗布量で均一に塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、界面活性剤を担持したサンプルパッド2を得た。HbA1c測定用イムノクロマト試験片の作製工程において、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の代わりに前記界面活性剤を担持したサンプルパッド2を使用した以外は比較例3と同様にしてHbA1c測定用イムノクロマト試験片を作製し評価した。使用した測定試料希釈液の組成および得られた評価結果を表2に示す。
非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108のみを含む測定試料希釈液を使用し、かつ非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および陰イオン性界面活性剤であるSDSをサンプルパッドに担持したイムノクロマト試験片を使用した比較例10では、測定感度および精度が低い結果となった。これは、希釈測定試料がサンプルパッドを通過する僅かな時間では、Tween(登録商標)20およびSDSの溶解が完全には進みきらず、展開斑が解消されないためと考えられた。つまり、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および陰イオン性界面活性剤であるSDSはサンプルパッドではなく、測定試料希釈液に含む必要があることを示している。
(比較例11)
りん酸緩衝生理食塩粉末(162−19321、和光純薬工業社製)1袋、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:Tween(登録商標)20(35624−02、ナカライテスク社製)20g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル:エマルゲン(登録商標)108(HLB:12.1、花王社製)10gを蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)150mLに溶解し、蒸留水(大塚蒸留水、大塚製薬社製)で200mLにメスアップした後、500mLガラス瓶に移し、サンプルパッド塗布液3(50mM PBS、10wt%Tween20、5wt%エマルゲン(登録商標)108)を調製した。次いで、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の全面に、分注プラットフォーム(XYZ3060、BIODOT社製)と、Air Jetノズル(AJQHR−XYZ、BIODOT社製)を用い、前記サンプルパッド塗布液3を30μL/cmの塗布量で均一に塗布した後、45℃に調整した乾燥機(WFO−510、東京理化器械社製)で30分間乾燥し、界面活性剤を担持したサンプルパッド3を得た。HbA1c測定用イムノクロマト試験片の作製工程において、20mm×300mmのサンプルパッド(CELLULOSE FIBER SAMPLE PADS、CFSP002000、Millipore社製)の代わりに前記界面活性剤を担持したサンプルパッド3を使用した以外は比較例4と同様にしてHbA1c測定用イムノクロマト試験片を作製し評価した。使用した測定試料希釈液の組成および得られた評価結果を表2に示す。
陰イオン性界面活性剤であるSDSのみを含む測定試料希釈液を使用し、かつ非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108をサンプルパッドに担持したイムノクロマト試験片を使用した比較例11では、測定感度および精度が低い結果となった。これは、希釈測定試料がサンプルパッドを通過する僅かな時間で、Tween(登録商標)およびエマルゲン(登録商標)108の溶解が完全には進みきらず、展開斑が完全には解消されないためと考えられた。つまり、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであるTween(登録商標)20および非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルであるエマルゲン(登録商標)108はサンプルパッドではなく、測定試料希釈液に含む必要があることを示している。
本発明により、高感度・高精度・HPLC法との高相関性でかつ測定試料と測定試料希釈液とを混合してからの時間経過の影響を受けずに、測定試料中のHbA1c量のHb量に対する割合であるHbA1c(%)を測定できるので、産業に寄与することが大である。
1:サンプルパッド
2:コンジュゲーションパッド
3:メンブレン
4:吸収パッド
5:バッキングシート
6:テストライン
7:コントロールライン
8:粘着シート

Claims (7)

  1. 測定試料中のヘモグロビンA1c量のヘモグロビン量に対する割合であるヘモグロビンA1c(%)を定量するための測定試料希釈液であって、前記測定試料希釈液は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および緩衝剤を含む水溶液であり、前記非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む、測定試料希釈液。
  2. 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、HLBが14.0〜18.0のものであり、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、HLBが10.0〜16.0のものである、請求項1に記載の測定試料希釈液。
  3. 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであり、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルである、請求項1または2に記載の測定試料希釈液。
  4. 前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを0.05〜3.0wt%、かつ前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.05〜3.0wt%含む、請求項1から3のいずれかに記載の測定試料希釈液。
  5. 前記陰イオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩である、請求項1から4のいずれかに記載の測定試料希釈液。
  6. 前記陰イオン性界面活性剤を0.1〜1.0wt%含む、請求項1から5のいずれかに記載の測定試料希釈液。
  7. 前記緩衝剤は、リン酸緩衝剤である、請求項1から6のいずれかに記載の測定試料希釈液。
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