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JP2020063178A - 酸化カルシウムを含む焼成物の分散液 - Google Patents

酸化カルシウムを含む焼成物の分散液 Download PDF

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JP2020063178A
JP2020063178A JP2018196792A JP2018196792A JP2020063178A JP 2020063178 A JP2020063178 A JP 2020063178A JP 2018196792 A JP2018196792 A JP 2018196792A JP 2018196792 A JP2018196792 A JP 2018196792A JP 2020063178 A JP2020063178 A JP 2020063178A
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Shinichi Sawada
新一 沢田
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Abstract

【課題】酸化カルシウムを含有する焼成物が多量に分散している分散液を提供する。【解決手段】水と、所定の酸化カルシウムを含有する焼成物と、所定のリン酸化合物と、を所定の割合にて混合して得られる分散液。【選択図】なし

Description

本発明は、水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物とを混合して得られる分散液に関する。
近年、貝殻、卵殻、ウニ殻などの廃棄物の活用方法として、これら焼成物に関する研究が行われている。これら廃棄物の主成分は炭酸カルシウムであり、高温焼成により炭酸カルシウムから二酸化炭素が遊離して生じる酸化カルシウム、またはそれが空気中の水と反応してできる水酸化カルシウムが焼成物の主な成分であると言われている。
従来の水酸化カルシウム(消石灰)は非常に強い毒性を有するのに対して、貝殻などの生物材料の焼成物に由来する水酸化カルシウムは肌刺激性が弱いなど安全性が高く食品添加剤として認可されている。他方、貝殻などの生物材料の焼成物に由来する水酸化カルシウムには、有機毒物吸着効果、殺菌効果、ウイルス不活化効果などがあることが報告されている(例えば特許文献1〜2)。このように、貝殻、卵殻、ウニ殻などの焼成物に由来する水酸化カルシウムは衛生環境に対処する素材としてすでに報告・市販されている。
特開2008−179555号公報 特開2012−062257号公報
これらの文献において、貝殻焼成物は、水に混合した状態で使用している。しかしながら貝殻焼成物の溶解性、分散性は極めて小さい。例えば、水100質量部に対して0.1質量部の焼成物を配合した場合、焼成物が微粉末であっても沈殿が生じ、その全量が溶解または分散することはない。
上清のみの使用は、沈殿物の除去工程を必須とし、沈殿焼成物の損失を生じてしまいコストが増大するなど製造上不利である。また、より高い効果を得るため焼成物の濃度を上げようにも沈殿するだけなので実現不可能であった。さらに、液が沈殿を生じた場合には噴霧装置の目詰まり等を生じる恐れがあるため、噴霧装置などに使用するには十分低濃度にしなければならない。
本発明はそのような事情を鑑みて完成させた発明であり、上述の課題を解決することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の化合物を配合することで焼成物の分散性を大きく向上させることができるとを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
焼成物の酸化カルシウム含有割合が5重量%以上であり、
焼成物の配合量が、水100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であり、
リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して20質量部以上80質量部以下である、分散液が提供される。
また、本発明によれば、水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
焼成物の酸化カルシウム含有割合が80重量%以上であり、
焼成物の配合量が、水100質量部に対して1質量部以上35質量部以下であり、
リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である、分散液が提供される。
また、本発明によれば、水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
焼成物の酸化カルシウム含有割合が5重量%以上であり、
焼成物のBET比表面積が0.5m/g以上3.0m/g以下であり、
焼成物の配合量が、水100質量部に対して1質量部以上35質量部以下であり、
リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である、分散液が提供される。
前記焼成物の一部または全部が貝殻焼成物であってもよい。前記貝殻の一部または全部がホタテ貝殻であってもよい。前記リン酸化合物が正リン酸の重合体またはその塩であってもよい。
さらに、本発明によれば、前記分散液を調製するためのキットが提供される。
本発明によれば、100質量部の水に対して0.1質量部以上の焼成物を配合しても、焼成物が良好に分散している分散液を提供することができる。典型的には、この分散液の分散維持能力は高く、60分放置しても顕著な凝集沈殿を生じない。
高い分散性によって沈殿による焼成物のロスの低減または防止に繋がる。また、沈殿を全くまたはほぼ生じることがないため噴霧装置の目詰まり等の問題がなくなる。この結果、より有効な利用方法の提供とコスト削減が可能となった。
製造例2の焼成物の分散液(焼成物5%)を撮影した写真である。 各分散液の消臭効果の評価試験の結果である。 各分散液の殺菌効果の評価試験の結果である。
以下、本発明について詳述する。
本発明において、用語「外気温」とは、焼成を行う装置(焼成炉)が置かれている周囲環境の気温を意味する。一律に定義できないが、100℃未満、80℃未満、60℃未満または50℃未満の温度と解釈してもよい。
本発明において、用語「不活性ガス」とは、100℃以下の温度において酸化カルシウムと反応しない気体を意味する。窒素ガス、ヘリウムやアルゴンなどの貴ガスの他、酸素も含まれる。
本発明において、用語「酸性」とは、pHが6以下の領域を意味する。用語「中性」とは、pHが6超8未満の領域を意味する。「アルカリ性」とは、pHが8以上の領域を意味する。pHが10以上の領域を「強アルカリ性」、pHが8以上10未満の領域を「弱アルカリ性」と表現することもある。なお、本発明においてpHは25℃において測定される値である。
本発明の分散液は、水、酸化カルシウム含有焼成物、リン酸化合物を含有する。
本発明の分散液は、分散媒として水を含有する。
水の含有量に特に制限はなく、分散液から他の構成成分を取り除いた残部が水である。典型的には、分散液全量基準として通常50質量%以上である。さらに60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上が好ましい。他方、上限は、分散液全量基準として100質量%未満である。
酸化カルシウム含有焼成物(単に焼成物とも表現する)は、酸化カルシウムを含む。酸化カルシウムの反応生成物である水酸化カルシウム、炭酸カルシウムを含んでもよい。
焼成物の平均粒径は20μm以下、10μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下が好ましい。後述する通り、所定の化合物の配合によって分散液を得ることができる。ここで焼成物の平均粒径が小さいほど、分散液中の粒子の粒径も小さくなるものと推論される。
粉末の平均粒径は、粒度分布測定装置(CILAS;株式会社アイシンナノテクノロジーズより入手可能)を用いて乾式測定できる。
焼成物の波長分散型の蛍光X線分析法(XRF)によって測定可能な元素に占めるカルシウム元素の割合は、90atom%以上、91atom%以上、92atom%以上、93atom%以上、94atom%以上、95atom%以上、96atom%以上、97atom%以上、98atom%以上、99atom%以上としてもよい。なお、波長分散型の蛍光X線分析法(XRF)では炭素や酸素は測定されない。
波長分散型蛍光X線分析法(XRF)の装置としては、RIX3100(理学電機工業株式会社製)が挙げられる。
焼成物の酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および炭酸カルシウム含有割合は示差熱熱量重量分析装置を用いて推定される。焼成物が水酸化カルシウムを含む場合、200℃〜500℃において重量減少が観測される。焼成物が炭酸カルシウムを含む場合、500℃〜1000℃において重量減少が観測される。示差熱熱重量分析前に前処理は行わなくてよい。
焼成物の示差熱熱重量分析によって測定される30〜1000℃における重量維持割合(酸化カルシウム含有割合とも表現する)は、少なくとも5重量%以上である。好ましくは80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上である。上限は通常100重量%以下である。重量維持割合とは、30℃時点における重量に対する1000℃時点における重量の百分率である。
示差熱熱重量分析用の装置として、例えば、TGA851e(メトラー・トレド社製)が挙げられる。示差熱熱重量分析の測定は、窒素100mL/min気流中、10℃/分の昇温速度にて30℃から1000℃まで昇温して行う。
焼成物のBET比表面積は、0.1〜20m/g、0.5〜10m/g、1〜5m/gとしてもよい。
BET比表面積を解析する装置として、例えば、Quantachrome社製ChemBET3000が挙げられる。BET比表面積の測定方法は特に制限されず通常使用される条件で測定してよい。
焼成物の酸化カルシウム含有割合が所定範囲である、および/または、焼成物のBET比表面積が所定範囲である実施態様では、さらに多量の焼成物を配合することができる。
焼成物の酸化カルシウム含有割合が所定範囲の実施態様とは、例えば、示差熱熱重量分析によって定義される上述の酸化カルシウム含有割合が、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、98重量%以上または99重量%以上であることを意味する。
焼成物のBET比表面積が所定範囲の実施態様とは、例えば、BET比表面積が0.5m/g以上、0.7m/g以上または0.9m/g以上であり、かつ、3.0m/g以下、2.6m/g以下または2.2m/g以下であることを意味する。
焼成物の開始材料は、石灰石でもよいし、貝殻、卵殻、ウニ殻、珊瑚、甲殻などの生物材料でもよい。本発明では、特に、貝殻、卵殻、ウニ殻、珊瑚、甲殻などの開始材料を焼成して得られる焼成物を使用する。生物材料焼成物は、人体に対する刺激性が弱く、水和発熱も低く制御することができ、毒性、発熱性などの点で有利だからである。この中でも貝殻が好ましい。
貝殻とは、炭酸カルシウムを含む貝の外殻を指す。貝は一般的に一枚貝、二枚貝、巻貝といった分類に分けられる。構造が簡単であり洗浄が容易なので二枚貝の貝殻が好ましい。一枚貝としてはアワビなどが挙げられる。二枚貝としてはホタテ、カキ、シジミ、ハマグリ、アサリなどが挙げられる。巻貝としてはサザエなどが挙げられる。貝殻の中でもホタテ貝殻とカキ貝殻が特に好ましく、ホタテ貝殻が最も好ましい。
上述した開始材料を焼成して焼成物を得る方法は任意であり、従来公知な方法が使用できる。例えば、上述の開始材料を1000℃以上の焼成温度において1時間以上の焼成時間によって調製できる。
焼成炉内の雰囲気は任意であるが酸素含有雰囲気が好ましい。酸素含有雰囲気とは、酸素を1体積%以上、3体積%以上、5体積%以上、10体積%以上、20体積%以上含む雰囲気であればよい。通常は空気(大気雰囲気)である。燃焼除去効率を高めるため、酸素を30体積%以上、40体積%以上、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上含む雰囲気でもよいし、純粋な酸素ガス雰囲気(すなわち酸素含有率100%の雰囲気)を使用してもよい。
焼成工程において、開始材料に含まれる炭酸カルシウム、水酸化カルシウムの全部または一部が熱分解して酸化カルシウムに変化する。生物材料の場合、タンパク質などの有機物を含む場合がある。本工程において、これら有機物に由来する多くの元素は熱分解や燃焼によりガスとなって除去される。
焼成温度は1000℃以上、1050℃以上、1100℃以上、1150℃以上、1200℃以上、1250℃以上、1300℃以上、1350℃以上、1400℃以上、1450℃以上としてもよい。これら温度以上で焼成することで十分に有機物を除去できる。焼成温度は約2600℃(酸化カルシウムの融点)以下であり、2000℃以下、1800℃以下、1600℃以下が好ましい。
昇温速度に特に制限はないが、1〜20℃/分、3〜18℃/分、5〜16℃/分、7〜14℃/分、9〜12℃/分が好ましい。
焼成時間は4時間以上、4.5時間以上、5時間以上、5.5時間以上、6時間以上としてもよい。これら時間以上で焼成することで充分に有機物を除去できる。他方、焼成時間の上限は特に制限はなく、10時間以下、9時間以下、8時間以下が好ましい。
当然のことながら、焼成温度は上記の焼成温度範囲であれば一定でも変動してもよい。また焼成時間とは、焼成炉内の温度が上記の焼成温度範囲になっている合計時間を意味する。
以下、本発明の分散液に用いるのに特に好ましい焼成物を得られる製造方法について説明する。当該製造方法は、
開始材料を1000℃以上で4時間以上焼成して一次焼成物を得る一次焼成工程と、
一次焼成物を微粉砕する微粉砕工程と、
一次焼成物を600℃以上で1時間以上焼成して二次焼成物を得る二次焼成工程と、
二次焼成物を真空雰囲気下または不活性ガス雰囲気下にて外気温まで冷却させる二次冷却工程と、
を含む方法である。
(一次焼成工程)
本発明の方法は上述した開始材料を焼成炉にて焼成する一次焼成工程を含む。
焼成炉内の雰囲気は任意であるが酸素含有雰囲気が好ましい。酸素含有雰囲気とは、酸素を1体積%以上、3体積%以上、5体積%以上、10体積%以上、20体積%以上含む雰囲気であればよい。通常は空気(大気雰囲気)である。燃焼除去効率を高めるため、酸素を30体積%以上、40体積%以上、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上含む雰囲気でもよいし、純粋な酸素ガス雰囲気(すなわち酸素含有率100%の雰囲気)を使用してもよい。
一次焼成工程において、開始材料に含まれる炭酸カルシウム、水酸化カルシウムの全部または一部が熱分解して酸化カルシウムに変化する。生物由来材料の場合、タンパク質などの有機物を含む場合がある。本工程において、これら有機物に由来する多くの元素は熱分解や燃焼によりガスとなって除去される。
一次焼成工程の焼成温度は1000℃以上、1050℃以上、1100℃以上、1150℃以上、1200℃以上、1250℃以上、1300℃以上、1350℃以上、1400℃以上、1450℃以上である。これら温度以上で焼成することで十分に有機物を除去できる。一次焼成工程の焼成温度は約2600℃(酸化カルシウムの融点)以下であり、2000℃以下、1800℃以下、1600℃以下が好ましい。
一次焼成工程の昇温速度に特に制限はないが、1〜20℃/分、3〜18℃/分、5〜16℃/分、7〜14℃/分、9〜12℃/分が好ましい。
一次焼成工程の焼成時間は4時間以上、4.5時間以上、5時間以上、5.5時間以上、6時間以上である。これら時間以上で焼成することで充分に有機物を除去できる。他方、焼成時間の上限は特に制限はなく、10時間以下、9時間以下、8時間以下が好ましい。
当然のことながら、焼成温度は上記の焼成温度範囲であれば一定でも変動してもよい。また焼成時間とは、焼成炉内の温度が上記の焼成温度範囲になっている合計時間を意味する。
(一次冷却工程)
本発明の方法は上述した一次焼成工程によって得られる一次焼成物を冷却する一次冷却工程を含んでもよい。
冷却目標温度は任意であるが、通常は後の操作のために焼成物を外気温まで冷却させる。
冷却速度は任意に設定することができる。任意の冷却手段を用いて急激に冷却してもよいし、放熱によって自然冷却させてもよい。
一次冷却工程は任意の雰囲気下で行ってよい。焼成工程と同じ雰囲気下でも異なる雰囲気下でもよい。例えば、不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、大気雰囲気下で行ってもよい。
一次冷却工程は焼成炉内で行ってもよいし、焼成炉外に取り出して行ってもよいし、一部を焼成炉内で行い残りを焼成炉外で行ってもよい。
(予備粉砕工程)
本発明の方法は一次焼成物を粉砕する予備粉砕工程を含んでもよい。
予備粉砕工程は、一次焼成物を微粉砕する前に一次焼成物を粉砕する任意の工程である。特に生物材料であれば含まれていた有機物が消失しているため、一次焼成物は極めて脆弱である。このため、容易に粉砕することができる。予備粉砕工程には任意の装置および手段が使用され得る。予備粉砕工程は必須工程ではないが、一次焼成物を予め粉砕しておくことで、後述する微粉砕工程の効率が向上し最終製品の品質の安定化および微粉末化に繋がる。
予備粉砕工程は任意の雰囲気下で行ってよい。他の工程の雰囲気下と同じでも異なっていてもよい。
(純化工程)
本発明の方法は一次焼成物を純化する純化工程を含んでもよい。
純化工程は、一次焼成物の粉末ないし微粉末を、例えばエアフィルタ、マイクロミストフィルタ、活性炭フィルタなどから1以上のフィルタを通過させて行ってもよい。
純化工程は任意の雰囲気下で行ってよい。他の工程の雰囲気下と同じでも異なっていてもよい。
(微粉砕工程)
本発明の方法は一次焼成物を微粉砕する微粉砕工程を含んでもよい。
微粉砕工程は、一次焼成物を微粉末の状態にまで微粉砕して一次焼成物の微粉砕を得る工程である。後述する二次焼成を行う前、即ち一次焼成と二次焼成の間に行う。二次焼成前に行うことで、二次焼成後に行うよりも最終産物である焼成物の平均粒径を小さくすることが可能であった。
一次焼成物を微粉砕するための手段は任意の手段が使用できる。例えば特殊コンプレッサーで高圧ガス粒子を加速し、粒子衝突により対象を微粉砕する装置(ナノジェットマイザー;NJ−300−D、株式会社アイシンナノテクノロジーズ製)が挙げられる。ここで高圧ガスとしては、乾燥空気でもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが好ましい。
微粉砕工程は任意の雰囲気下で行ってよい。他の工程の雰囲気下と同じでも異なっていてもよい。
予備粉砕工程、微粉砕工程、および/または純化工程を行う場合、一次焼成工程の後、かつ、後述する二次焼成工程の前に行う。
(二次焼成工程)
本発明の方法は一次焼成物を焼成炉にて焼成する二次焼成工程を含む。
一次焼成工程において残存したり一次焼成後の各工程の間に生じたりした、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムを酸化カルシウムに熱分解する。
特に言及していない限り、一次焼成工程の記載は本工程にも適用される。
二次焼成工程の焼成温度は600℃以上、700℃以上、800℃以上、850℃以上、900℃以上、950℃以上である。これら温度以上で焼成することで充分に炭酸カルシウム、水酸化カルシウムを酸化カルシウムへと変化させることができる。二次焼成工程の焼成温度は約2600℃(酸化カルシウムの融点)以下であり、通常1500℃以下、1200℃以下、1000℃以下である。
二次焼成工程の焼成時間は1時間以上、1.5時間以上または2時間以上である。これら温度以上で焼成することで充分に炭酸カルシウム、水酸化カルシウムを酸化カルシウムへと変化させることができる。他方、焼成時間の上限は特に制限はない。焼成炉への負荷やエネルギーコストの観点から7時間以下、6時間以下、5時間以下、4時間以下、3時間以下が好ましい。
(二次冷却工程)
本発明の方法は上述した二次焼成工程によって得られる二次焼成物を真空雰囲気下または不活性ガス雰囲気下にて冷却する二次冷却工程を含む。
特に言及していない限り、一次冷却工程の記載は本工程にも適用される。
真空雰囲気下とは、大気圧(約10万Pa)と比べて十分小さいことを意味する。具体的には1000Pa以下、100Pa以下、10Pa以下、1Pa以下、0.1Pa以下、0.01Pa以下、0.001Pa以下、0.0001Pa以下を意味する。
不活性ガス雰囲気下とは、上述したような不活性ガスの雰囲気下を意味する。気圧に制限はないが、例えば1万Pa〜20万Pa、5万Pa〜15万Pa、8万Pa〜12万Pa以上としてもよい。
真空雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で冷却することで、焼成によって生じた酸化カルシウムを未反応のまま保存することができる。真空雰囲気下の場合、真空化手段によって二次焼成工程において生じた遊離ガスが除去され、焼成物中の酸化カルシウムが保存される。また特に焼成物の粒径が小さくなることがわかった。このため真空雰囲気下の方が好ましい。
二次冷却工程と後述する密封工程の間で他の工程(例えば粉砕工程など)を含まないことが好ましい。他の工程を行っている間に、焼成物中の酸化カルシウムが変質する恐れがあるからである。
上述の製造方法によって製造される焼成物に由来する分散液の殺菌能力、吸着能力が特に優れていることが本研究でわかった。
上述の製造方法によって製造される焼成物の平均粒径は、通常は、2.0μm以下、1.9μm以下、1.8μm以下である。
上述の製造方法によって製造される焼成物の波長分散型の蛍光X線分析法(XRF)によって測定可能な元素に占めるカルシウム元素の割合は、通常は、99.0atom%以上、99.1atom%以上、99.2atom%以上、99.3atom%以上、99.4atom%以上、99.5atom%以上、99.6atom%以上、99.7atom%以上、99.8atom%以上、99.9atom%以上である。
上述の製造方法によって製造される焼成物の示差熱熱重量分析によって測定される30〜1000℃における重量維持割合(酸化カルシウム含有割合)は、通常は、90.0重量%以上、95.0重量%以上、99.0重量%以上、99.1重量%以上、99.2重量%以上、99.3重量%以上、99.4重量%以上、99.5重量%以上、99.6重量%以上である。上限は通常100重量%以下である。
換言すれば、上述の製造方法によって製造される焼成物の示差熱熱重量分析によって測定される30〜1000℃における重量減少割合は、通常は、1重量%以下、0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.6重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下である。重量減少割合とは、30℃時点における重量に対する30℃時点から1000℃時点までにおける重量減少の百分率である。
上述の製造方法によって製造される焼成物のBET比表面積は、通常は、0.5m/g以上、0.6m/g以上、0.7m/g以上、0.8m/g以上、0.9m/g以上、1.0m/g以上、1.1m/g以上、1.2m/g以上、1.3m/g以上、1.5m/g以上、1.7m/g以上、1.9m/g以上、2.0m/g以上である。他方、通常は、3.0m/g以下、2.8m/g以下、2.6m/g以下、2.4m/g以下、2.2m/g以下、2.1m/g以下である。
水と焼成物の配合割合は、通常は、100質量部の水に対して焼成物の配合量を0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.3質量部以上、0.4質量部以上、0.5質量部以上である。他方、100質量部の水に対して焼成物の配合量は1質量部以下、0.9質量部以下、0.8質量部以下、0.7質量部以下、0.6質量部以下、0.5質量部以下である。
上述した通り、焼成物の酸化カルシウム含有割合が所定範囲である、および/または、焼成物のBET比表面積が所定範囲である実施態様では、さらに多量の焼成物を配合することができる。
この実施態様においては、水と焼成物の配合割合は、上述した範囲に加えて以下の範囲に設定することもできる。100質量部の水に対して焼成物の配合量を1質量部以上、1質量部超、1.5質量部以上、2質量部以上、2.5質量部以上、3質量部以上、3.5質量部以上、4質量部以上、4.1質量部以上、4.2質量部以上、4.3質量部以上、4.4質量部以上、4.5質量部以上、4.6質量部以上、4.7質量部以上、4.8質量部以上、4.9質量部以上、5質量部以上としてもよい。他方、この実施態様においては、100質量部の水に対して焼成物の配合量を35質量部以下、30質量部以下、25質量部以下、20質量部以下、15質量部以下、10質量部以下、7.5質量部以下、5質量部以下としてもよい。
水に本発明に係る焼成物を多量に配合すると、含有される酸化カルシウムや水酸化カルシウムの一部が水に溶解し、pH12以上の強アルカリ性の水溶液を生じる。残りは不溶物として容易に沈殿する。このような沈殿を含む混合物を噴霧装置に用いると目詰まりを生じる。そのため、この混合物から沈殿物を取り除いた上清を使用していた。焼成物の平均粒径を小さくする試みが行われたが、湿式粉砕機を使用する方法であるため、粉砕工程において酸化カルシウムのほとんどが水酸化カルシウムとなってしまう。
本発明は、リン酸化合物を配合するという簡便な手段によって、焼成物の分散液を得ることを可能とさせた。リン酸化合物とは、正リン酸および正リン酸の重合体並びにこれらの塩を意味する。正リン酸はHPOで表現される無機酸である。
正リン酸の重合体としては、ピロリン酸(重合度2)、トリリン酸(重合度3)、シクロトリリン酸(重合度3)、オリゴリン酸(重合度4〜10)、ポリリン酸(重合度11以上、好ましくは1000以下)などが挙げられる。重合体は直鎖状、分枝状、環状どのような結合様式の重合体でもよい。
正リン酸および正リン酸の重合体と塩を形成するカチオンは特に制限はない。典型的には、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンが挙げられる。すなわち塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
正リン酸の塩の典型例としては、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO、(NHPO、(NHHPO、NHPOが挙げられる。
正リン酸の重合体の塩としては、トリリン酸ナトリウム、トリリン酸カリウム、トリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸アンモニウムが挙げられる。
焼成物の配合量が水100質量部に対して1質量部またはそれ以下の実施態様においては、焼成物とリン酸化合物の配合割合は、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を20質量部以上、25質量部以上、30質量部以上、35質量部以上、40質量部以上、41質量部以上、42質量部以上、43質量部以上、44質量部以上、45質量部以上、46質量部以上、47質量部以上、48質量部以上、49質量部以上、50質量部以上としてよい。他方、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を80質量部以下、75質量部以下、70質量部以下、65質量部以下、60質量部以下、59質量部以下、58質量部以下、57質量部以下、56質量部以下、55質量部以下、54質量部以下、53質量部以下、52質量部以下、51質量部以下、50質量部以下としてよい。
焼成物の配合量が水100質量部に対して1質量部またはそれ以上の実施態様においては、焼成物とリン酸化合物の配合割合は、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を5質量部以上30質量部以下としてよい。
この実施態様において、リン酸化合物が正リン酸またはその塩である場合、焼成物とリン酸化合物の配合割合は、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を5質量部以上、6質量部以上、7質量部以上、8質量部以上、9質量部以上、10質量部以上としてよい。他方、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を30質量部以下、25質量部以下、20質量部以下、15質量部以下、14質量部以下、12質量部以下、10質量部以下としてよい。
この実施態様において、リン酸化合物が正リン酸の重合体またはその塩である場合、焼成物とリン酸化合物の配合割合は、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を5質量部以上、8質量部以上、10質量部以上、12質量部以上、14質量部以上、15質量部以上、16質量部以上、17質量部以上、18質量部以上、19質量部以上、20質量部以上としてよい。他方、100質量部の焼成物に対してリン酸化合物の配合量を30質量部以下、28質量部以下、26質量部以下、25質量部以下、24質量部以下、22質量部以下、20質量部以下としてよい。
上記範囲を満たすことで良好な分散性が得られる。リン酸化合物が多すぎても少なすぎても十分な分散性が得られない。
なお、リン酸化合物が水和物などの溶媒和物の場合には、その溶媒和している溶媒を取り除いた数値にて含有割合は計算される。
リン酸化合物としては正リン酸の重合体またはその塩が好ましい。これらの場合、焼成物の分散性が特に向上する。そのため本発明の焼成物を多量に配合する場合には、正リン酸の重合体またはその塩がより効果的である。
分散液のpHは通常10以上、10.5以上、11以上、11.5以上、12以上である。pHを10以上にすることでアルカリ性に由来する殺菌活性も発揮できる。上限は通常14以下、13.5以下、13以下である。
本発明の分散液の分散維持能力は非常に高い。室温において少なくとも6か月に亘って粒子は安定して分散し続け、また遠心加速度1000G(例えば回転半径10cm、回転速度3000rpm)で10分間遠心しても粒子が沈殿しない。
水、焼成物、リン酸化合物を配合する順番は、典型的には以下の通りである。まず水と焼成物とを混合させる。沈殿物を含む水/焼成物混合物に対して、リン酸化合物またはその水溶液を混合して分散液が得られる。当然のことながら、混合物や分散液に対して水をさらに配合して希釈したり、水を除去して濃縮したりしてもよい。
沈殿物を含む水/焼成物混合物に他の無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸)やその塩(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム)を配合しても、特に変化は起こらず相変わらず沈殿を生じたままか、沈殿が溶解するかであり、分散液とならなかった。この沈殿が溶解した水溶液は、吸着能力を消失していた。
沈殿物を含む水/焼成物混合物に有機酸(例えば、酢酸、クエン酸)やその塩(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸3ナトリウム)を配合しても、特に変化は起こらず相変わらず沈殿を生じたままか、僅かに分散性の発揮が見られたものの長時間(例えば24時間)の放置で沈殿するかであり、分散液とならなかった。
この比較検討は、酸においては同一pHを目標に酸を配合し、塩においては焼成物に対する配合割合が同一となるよう塩を配合して行った。繰り返しとなるが、沈殿物を含む水/焼成物混合物にリン酸化合物を配合すると、所定の条件を満たす場合には分散液が得られた。
分散粒子は吸着能力や殺菌能力を有しているため、本発明の分散液は吸着除去剤や殺菌剤として使用できる。吸着除去する対象としては細菌やウイルスなどの病原体も含まれる。また本発明の分散液は、分散粒子の粒径が小さく、沈殿物を生じるリスクが小さいため高圧ミスト噴射などの形態で使用することができる。
分散液の能力は時間経過によって減少してしまうことがある。そのため本発明の分散液を使用する場合には、エンドユーザーが専用キットを使用して分散液を調製してもよい。キットには、所定量の上述の焼成物、リン酸化合物、任意に水が含まれる。キットはさらに説明書や噴霧ノズルなどの他の構成要素を含んでいてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
焼成物の開始材料としてホタテ貝殻を使用した。以下、それぞれ焼成方法と焼成物について説明する。
(製造例1)
開始材料を1450℃で6時間一次焼成した。焼成後の一次焼成物を放置して外気温まで自然冷却させた。外気温まで冷えた一次焼成物を予備粉砕し、撹拌して均一化させた。こうして製造例1の粉末状の焼成物を得た。
(製造例2)
製造例1の焼成物をエアフィルター、マイクロミストフィルター、活性炭フィルターを通した後、乾式超微粉砕システム(ナノジェットマイザー)によって微粉砕した。その後、焼成物を950℃の条件で2時間二次焼成した。焼成完了後、真空化手段を用いて真空雰囲気下(10−4Pa以下)で二次焼成物を放置して外気温まで自然冷却させた。こうして製造例2の粉末状の焼成物を得た。
(製造例3)
開始材料を1450℃で6時間一次焼成した。焼成後の一次焼成物を放置して外気温まで自然冷却させた。外気温まで冷えた一次焼成物を予備粉砕し、撹拌して均一化させた。この焼成物を1450℃の条件で4時間二次焼成した。この二次焼成物を放置して外気温まで自然冷却させた。二次冷却後、製造例2と同様に微粉砕した。こうして製造例3の粉末状の焼成物を得た。
(製造例4)
開始材料を1100℃で4時間一次焼成した。焼成後の一次焼成物を放置して外気温まで自然冷却させた。外気温まで冷えた一次焼成物を予備粉砕し、撹拌して均一化させた。こうして製造例4の粉末状の焼成物を得た。
(製造例5)
製造例5として商業的に入手可能な市販ホタテ貝殻焼成物を使用した。
(カルシウム元素割合)
製造例1〜5の各粉末について、波長分散型の蛍光X線分析法(XRF)によって測定したところ、ほぼ100%がカルシウム元素であることが確認された。
(粒径)
粒度分布測定装置(CILAS)を使用して、製造例1〜5の各粉末の平均粒径を乾式測定した。
(酸化カルシウム含有割合)
示差熱熱量重量分析装置(TGA851e)を使用して、製造例1〜5の各粉末の酸化カルシウム含有割合を測定した(解析温度は30℃〜1000℃)。30℃時点(測定開始時)の重量を100(%)としたときの200〜500℃間における重量減少割合(%)を水酸化カルシウム含有割合(%)とし、1000℃時点での重量割合(%)を酸化カルシウム含有割合(%)とした。
(BET比表面積の測定)
製造例1〜5の各粉末のBET比表面積は、Quantachrome社製ChemBET3000を用いて測定した。
[実施例1]
100質量部の純水に、それぞれ0.2質量部の製造例1〜5の粉末を配合して沈殿が存在する混合物(pH12.1〜12.5)を得た。この混合物に、pHが12となるまで正リン酸(1N)を混合した。結果、いずれも分散液となることが確認された。またこの混合物に、製造例1〜5の粉末100質量部に対して50質量部のNaPO、NaHPO、NaHPO、ポリリン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウムをそれぞれ配合した。結果、いずれも分散液となることが確認された。
[比較例1]
100質量部の純水に、それぞれ0.2質量部の製造例1〜5の粉末を配合して沈殿が存在する混合物(pH12.1〜12.5)を得た。この混合物に、pHが12となるまで塩酸、硫酸、硝酸、酢酸をそれぞれ混合した。結果、いずれも分散液とならなかった。これら結果物は、24時間以上の静置あるいは遠心加速度1000G、10分間の遠心分離で、ほとんどの不溶分は沈殿物として除去され、その上清はpHが11.5以上の透明な溶液となった。またこの混合物に、製造例1〜5の粉末100質量部に対して20質量部のクエン酸3ナトリウム、酢酸ナトリウム、NaSOをそれぞれ混合した。結果、いずれも分散液とならなかった。これら結果物は、24時間以上の静置あるいは遠心加速度1000G、10分間の遠心分離で、ほとんどの不溶分は沈殿物として除去され、その上清はpHが12.1以上の透明な溶液となった。
リン酸化合物を配合した場合には、配合した焼成物が水中を分散しており、白くやや濁って見えた。これに対して、リン酸化合物を配合しない場合、リン酸化合物以外の酸やその塩を配合した場合、透明な水溶液と沈殿物が見られただけであった。
[実施例2]
100質量部の純水に、それぞれ5質量部の製造例1〜3の粉末を配合して非常に多くの沈殿が存在する混合物(pH12.8〜13.5)を得た。この混合物に、製造例1〜3の粉末100質量部に対して10質量部のNaPO、NaHPO、NaHPO、または20質量部のポリリン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウムを混合すると30分の静置では沈殿や上清を生じない分散液が得られた。さらにこれら分散液をさらに静置しても、沈殿は生じることはなかった。上清を多少生じた場合があったが、下層の液は分散液であり、僅かな衝撃を加えるだけで容易に上清と下層分散液が混ざって元の状態に戻った。また、これら分散液は、汎用噴霧器のノズルを詰まらせることもなかった。製造例2に由来する分散液については、調製後1時間後の様子を撮影した写真を図1として提供する。
[比較例2]
製造例1〜3の代わり製造例4〜5について実施例2と同様の操作を行った。製造例4〜5では、多くの沈殿物が残存してしまい、均一な分散液を得ることができなかった。また汎用噴霧器のノズルの目詰まりを容易に引き起こし、噴霧することはできなかった。
吸着能力と殺菌能力の比較評価のため以下の分散液または上清(あわせて「液」と表現する)を調製した。いずれもpHは12以上の強アルカリ性を示した。
液(1):100質量部の純水に製造例1の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、粉末100質量部に対して50質量部のNaHPOを配合した分散液。
液(2):100質量部の純水に製造例2の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、粉末100質量部に対して50質量部のNaHPOを配合した分散液。
液(3):100質量部の純水に製造例3の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、粉末100質量部に対して50質量部のNaHPOを配合した分散液。
液(4):100質量部の純水に製造例4の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、粉末100質量部に対して50質量部のNaHPOを配合した分散液。
液(5):100質量部の純水に製造例5の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、粉末100質量部に対して50質量部のNaHPOを配合した分散液。
液(6):100質量部の純水に製造例1の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、この混合物について1000G、10分間の遠心分離によって不溶分を除去して得られた上清。
液(7):100質量部の純水に製造例2の粉末をそれぞれ0.04、0.2、1質量部配合した混合物を得た後、この混合物について1000G、10分間の遠心分離によって不溶分を除去して得られた上清。
[実施例3]
<分散液の消臭効果>
挽肉を用いた消臭効果についての実験のため、豚挽肉10gを上述の液(1)〜(7)5mLとともにファスナー付ビニール袋に入れ、3日間37℃でインキュベートした。消臭効果は、臭度計(Handheld Odor Meter、OMX−SR、神栄テクノロジー株式会社製)を用い、ビニール袋内の臭度を測定することで評価した。
図2に示す通り、液(1)〜(2)は液(6)〜(7)と比較して強い消臭効果が認められた。また酸化カルシウム含有割合および/またはBET比表面積が所定範囲内の粉末由来の液(1)〜(3)は、所定範囲を逸脱する粉末由来の液(4)〜(5)と比較して強い消臭効果が認められた。特に製造例2の分散液は最も優れた消臭効果を発揮した。
[実施例4]
<分散液の殺菌活性>
池の濁水に2%のDMEM培地(D5796,Sigma Life Science、Sigma−Aldorich Japan、Tokyo)を添加し、室温で18時間インキュベートすることで一般生菌および大腸菌群を増やした。この培地における一般生菌および大腸菌群濃度は、それぞれ約1×10/mL、約1×10/mLであった。この培地を殺菌対象とした。
殺菌剤として上述の液(1)〜(7)のうち、粉末配合量が純水100質量に対して0.2質量部のものを使用した。これらの殺菌剤を27、9、3、1または0.33質量%含有するように殺菌対象に添加し撹拌した後、室温で30分間静置した。それぞれのサンプルは、一般生菌群及び大腸菌群数測定用培地キット(コンパクトドライ「ニッスイ」TC及びCF、日水製薬株式会社製)を用いて、一般生菌(TC)及び大腸菌群数(CF)を測定した。
図3Aは一般生菌(TC)に関する結果であり、図3Bは大腸菌群数(CF)に関する結果である。図3に示す通り、液(1)〜(2)は液(6)〜(7)と比較して強い殺菌活性が認められた。また酸化カルシウム含有割合および/またはBET比表面積が所定範囲内の粉末由来の液(1)〜(3)は、所定範囲を逸脱する粉末由来の液(4)〜(5)と比較して強い殺菌活性が認められた。特に製造例2の分散液は最も優れた殺菌活性を発揮した。
また、このときのpHを以下の表に示す。
殺菌活性の差がpHのみに依存するのではないことがわかる。例えば、一般生菌における試験で、液(1)を3質量%含んだ培地と、液(6)を9質量%含んだ培地のpHは同じ11.1であった。このときのlog10CFUはそれぞれ0.3および1.6であった。同様に、殺菌剤(2)を3質量%含んだ培地とその上清を用いた殺菌剤(7)の9質量%の培地のpHは同じ11.3であった。このときのlog10CFUはそれぞれ0.2および1.2であった。大腸菌群における試験でも同様の傾向が見られた。

Claims (7)

  1. 水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
    焼成物の酸化カルシウム含有割合が5重量%以上であり、
    焼成物の配合量が、水100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であり、
    リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して20質量部以上80質量部以下である、分散液。
  2. 水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
    焼成物の酸化カルシウム含有割合が80重量%以上であり、
    焼成物の配合量が、水100質量部に対して1質量部以上35質量部以下であり、
    リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である、分散液。
  3. 水と、酸化カルシウムを含有する焼成物と、リン酸化合物と、を混合して得られる分散液であって、
    焼成物の酸化カルシウム含有割合が5重量%以上であり、
    焼成物のBET比表面積が0.5m/g以上3.0m/g以下であり、
    焼成物の配合量が、水100質量部に対して1質量部以上35質量部以下であり、
    リン酸化合物の配合量が、焼成物100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である、分散液。
  4. 酸化カルシウムを含有する焼成物の一部または全部が貝殻焼成物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散液。
  5. 貝殻の一部または全部がホタテ貝殻である請求項4に記載の分散液。
  6. リン酸化合物が正リン酸の重合体またはその塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の分散液を調製するためのキット。

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