JP2020045284A - シール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐炎性、遮煙性及び施工性に優れるシール材を提供することである。
【解決手段】無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、圧縮率30%で圧縮した際の、前記多孔体の以下のBiesの式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上であるシール材。σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは前記無機繊維の平均繊維径[m]である。)
【選択図】図1
【解決手段】無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、圧縮率30%で圧縮した際の、前記多孔体の以下のBiesの式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上であるシール材。σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは前記無機繊維の平均繊維径[m]である。)
【選択図】図1
Description
本発明は、無機繊維質多孔体からなるシール材に関する。
無機繊維質多孔体として、発泡体が知られている。無機繊維質発泡体は、無機繊維の水分散液を起泡させ、得られた含気泡水分散液を成形したのち乾燥して製造する。無機繊維質発泡体は、発泡ポリウレタンや発泡ポリエチレンに似た弾力性があり、軽量で断熱性及び吸音性にすぐれると共に不燃性であるため、航空機、ロケット、船舶、自動車その他各種産業用機器等の高温部用断熱材及び/又は吸音材に用いることができる。
特許文献1には、表面を荷電させた無機繊維を、逆符号の親水基を有する界面活性剤を用いて発泡させて発泡体を得ることが示されている。
一方、床下に電気ケーブル等を収納するフリーアクセスフロアにおいては、火災の際に、発煙した煙、床下収納物の発火及び発煙した煙が室内に充満することを抑制するために、ゴム等の有機系シール材が用いられる場合がある。しかしながら、ゴム製シール材は耐熱温度が200〜300℃程度であり、耐炎性に劣っていた。
床下等に使用されるシール材は、シール性と共に、火災時を想定して高温で燃え難く形状が変化し難いことが求められる。また、床下(パネル材の下)に施工されることを考慮して、施工時の圧縮応力が低く、圧縮施工後の長期にわたり隙間が生じないこと等も求められる。
本発明の課題は、耐炎性、遮煙性及び施工性に優れるシール材を提供することである。
本発明の課題は、耐炎性、遮煙性及び施工性に優れるシール材を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、所定の流れ抵抗を有する無機繊維質多孔体が耐炎性、遮煙性及び施工性に優れることを見い出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のシール材が提供される。
1.無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
圧縮率30%で圧縮した際の、前記多孔体の以下のBiesの式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上であるシール材。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは前記無機繊維の平均繊維径[m]である。)
2.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜281kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.2〜2.5μmである1記載のシール材。
3.無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜75kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.1〜1.0μmであるシール材。
4.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の圧縮応力が5,000N/m2以下である1〜3のいずれか記載のシール材。
5.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の空気の漏れ量が0.20m3/min/m2以下である1〜4のいずれか記載のシール材。
6.前記多孔体が、気孔であるセルとそれを囲むセル壁が多数連なった構造であり、前記セル壁は無機繊維から構成される1〜5のいずれか記載のシール材。
7.前記多孔体の500℃3時間加熱前後の重量変化率が5%以下である1〜6のいずれか記載のシール材。
8.前記多孔体を圧縮率30%で圧縮した後168時間静置後の復元率が90%以上である1〜7のいずれか記載のシール材。
1.無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
圧縮率30%で圧縮した際の、前記多孔体の以下のBiesの式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上であるシール材。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは前記無機繊維の平均繊維径[m]である。)
2.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜281kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.2〜2.5μmである1記載のシール材。
3.無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜75kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.1〜1.0μmであるシール材。
4.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の圧縮応力が5,000N/m2以下である1〜3のいずれか記載のシール材。
5.前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の空気の漏れ量が0.20m3/min/m2以下である1〜4のいずれか記載のシール材。
6.前記多孔体が、気孔であるセルとそれを囲むセル壁が多数連なった構造であり、前記セル壁は無機繊維から構成される1〜5のいずれか記載のシール材。
7.前記多孔体の500℃3時間加熱前後の重量変化率が5%以下である1〜6のいずれか記載のシール材。
8.前記多孔体を圧縮率30%で圧縮した後168時間静置後の復元率が90%以上である1〜7のいずれか記載のシール材。
本発明によれば、耐炎性、遮煙性及び施工性に優れるシール材が提供できる。
本発明のシール材は、無機繊維から構成される多孔体からなる。多孔体として、セル構造を有する発泡体を用いることができる。図1にセル構造を示す。セル構造は、気孔(セル)とそれを囲むセル壁が多数連なった構造である。セル壁は、無機繊維から構成される。
本発明のシール材を構成する多孔体は、圧縮率30%で圧縮した際の、以下の式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上である。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは多孔体を形成する無機繊維の平均繊維径[m]である。)
ここで、圧縮率30%は圧縮施工された状態を想定している。
上記の式は、Bies,D.A.,Hansen,C.H.,"Flow resistance information for acoustical design",Applied Acoustics,13(1980)357-391に記載されている。
このような流れ抵抗により遮煙性が高まる。好ましくは3,500,000Ns/m4以上、より好ましくは5,000,000Ns/m4以上である。上限は、通常20,000,000Ns/m4以下である。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは多孔体を形成する無機繊維の平均繊維径[m]である。)
ここで、圧縮率30%は圧縮施工された状態を想定している。
上記の式は、Bies,D.A.,Hansen,C.H.,"Flow resistance information for acoustical design",Applied Acoustics,13(1980)357-391に記載されている。
このような流れ抵抗により遮煙性が高まる。好ましくは3,500,000Ns/m4以上、より好ましくは5,000,000Ns/m4以上である。上限は、通常20,000,000Ns/m4以下である。
流れ抵抗は、嵩密度と繊維径を変えることにより調整できる。嵩密度が増えれば流れ抵抗は増す傾向にある。また繊維径が太くなると流れ抵抗は減る傾向にある。多孔体が、セル構造を有する発泡体であるとき、セル径を大きくすると嵩密度が減る傾向にある。セルは、無機繊維からなるセル壁に囲まれている。従って、セル構造の多孔体の嵩密度は、セル壁の厚さに影響を受ける。
シール材がセル構造を有する多孔体のとき、平均セル径は通常100〜1500μmであり、例えば150〜1000μmである。
多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度は、好ましくは4〜281kg/m3であり、より好ましくは11〜75kg/m3であり、例えば、12〜50kg/m3、又は13〜30kg/m3とできる。
多孔体に用いる無機繊維の平均繊維径は、好ましくは0.1〜2.5μmであり、より好ましくは0.15〜1.0μmである。例えば0.2〜0.8μm又は0.2〜0.5μmとできる。
嵩密度と平均繊維径が上記の範囲であると流れ抵抗を2,870,000Ns/m4以上に調整しやすい。
多孔体に用いる無機繊維の平均繊維径は、好ましくは0.1〜2.5μmであり、より好ましくは0.15〜1.0μmである。例えば0.2〜0.8μm又は0.2〜0.5μmとできる。
嵩密度と平均繊維径が上記の範囲であると流れ抵抗を2,870,000Ns/m4以上に調整しやすい。
例えば、図2に示すように、本発明のシール材(多孔体)20は、床パネル10の下の支柱30に圧縮施工される。圧縮施工された際、例えば、圧縮率30%で圧縮した際の、圧縮応力は好ましくは5,000N/m2以下であり、より好ましくは4500N/m2以下である。下限は通常1000N/m2以上である。
さらに、圧縮施工後、168時間(1週間)静置後の復元率は好ましくは70%以上であり、より好ましくは90%以上である。
このような圧縮応力と復元率を有することにより、施工性と遮煙性が高まる。
さらに、圧縮施工後、168時間(1週間)静置後の復元率は好ましくは70%以上であり、より好ましくは90%以上である。
このような圧縮応力と復元率を有することにより、施工性と遮煙性が高まる。
シール材又は多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の、空気の漏れ量は、好ましくは0.20m3/min/m2以下であり、より好ましくは0.15m3/min/m2以下である。
さらに、多孔体の500℃3時間加熱前後の重量変化率は、好ましくは5.0%以下であり、より好ましくは3.0%以下である。下限は限定されないが通常0.1%以上である。本発明のシール材は主として無機繊維から形成されているため、耐熱性が高く、火災時の遮煙シール性に優れる。
平均繊維径、嵩密度、圧縮応力、復元率、漏れ量、平均セル径及び重量変化率は、実施例に記載の方法で測定できる。なお、これらは、例えば、後述する発泡体の製造方法において、無機繊維に対する界面活性処理方法、無機繊維の濃度(含有割合)、発泡倍率、気泡量、気泡径等により調整(制御)できる。
本発明で用いる無機繊維は、例えばセラミック繊維、生体溶解性繊維(アルカリアースシリケート繊維、ロックウール等)及びガラス繊維から選択される1以上を用いることができる。石綿繊維は用いないことが望まれる。
生体溶解性無機繊維は、例えば、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上の無機繊維である。
生理食塩水溶解率は、例えば、次のようにして測定される。すなわち、先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕して調製された試料1g及び生理食塩水150mLを三角フラスコ(容積300mL)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、三角フラスコに、毎分120回転の水平振動を50時間継続して加える。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素(主要元素でよい)の濃度(mg/L)をICP発光分析装置により測定する。そして、測定された各元素の濃度と、溶解前の無機繊維における各元素の含有量(質量%)と、に基づいて、生理食塩水溶解率(%)を算出する。すなわち、例えば、測定元素が、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)である場合には、次の式により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する;C(%)=[ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100]/[溶解前の無機繊維の質量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100]。この式において、a1、a2、a3及びa4は、それぞれ測定されたケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの濃度(mg/L)であり、b1、b2、b3及びb4は、それぞれ溶解前の無機繊維におけるケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの含有量(質量%)である。
生理食塩水溶解率は、例えば、次のようにして測定される。すなわち、先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕して調製された試料1g及び生理食塩水150mLを三角フラスコ(容積300mL)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、三角フラスコに、毎分120回転の水平振動を50時間継続して加える。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素(主要元素でよい)の濃度(mg/L)をICP発光分析装置により測定する。そして、測定された各元素の濃度と、溶解前の無機繊維における各元素の含有量(質量%)と、に基づいて、生理食塩水溶解率(%)を算出する。すなわち、例えば、測定元素が、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)である場合には、次の式により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する;C(%)=[ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100]/[溶解前の無機繊維の質量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100]。この式において、a1、a2、a3及びa4は、それぞれ測定されたケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの濃度(mg/L)であり、b1、b2、b3及びb4は、それぞれ溶解前の無機繊維におけるケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの含有量(質量%)である。
生体溶解性繊維は例えば以下の組成を有する。
SiO2とZrO2とAl2O3とTiO2の合計 50重量%〜82重量%
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計 18重量%〜50重量%
SiO2とZrO2とAl2O3とTiO2の合計 50重量%〜82重量%
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計 18重量%〜50重量%
また、生体溶解性繊維は例えば以下の組成を有して構成されることも可能である。
SiO2 50〜82重量%
CaOとMgOとの合計 10〜43重量%
SiO2 50〜82重量%
CaOとMgOとの合計 10〜43重量%
また、本発明で用いる多孔体(発泡体等)は、無機成分の他、カップリング剤等の有機成分を含むことができる。
本発明で用いる多孔体は以下の方法で製造できる。本製造方法は、無機繊維質発泡体の製造を含み、発泡体の製法は、無機繊維分散液を作成する作成工程と、無機繊維分散液を発泡させる発泡工程と、発泡体を乾燥する脱水工程(分散媒の除去工程)と、結合剤を付与する結合剤付与工程とを含んで構成される。界面活性剤が残留していると結合剤の反応が悪くなる場合は、結合剤の付着を促すために、発泡体を所定温度で焼成を行う焼成工程を、結合剤付与工程の前に追加してもよい。尚、結合剤は、発泡用の分散液に事前に入れておき、発泡体作成後に熱処理してもよい。
前記作成工程の一態様は、無機繊維の表面をアルカリ性又は酸性の処理液に接触させることにより、負又は正に荷電させる荷電ステップと、荷電した無機繊維に界面活性剤を添加させて分散液を作成する界面活性剤添加ステップとを含む。無機繊維の表面を負に荷電させたときは、カチオン性界面活性剤を、又は、無機繊維の表面を正に荷電させたときは、アニオン性界面活性剤を添加することが好ましい。
前記荷電ステップでは、アルカリ性又は酸性の処理液を用いてpH調整することにより、無機繊維の表面のゼータ電位を制御する。具体的には、無機繊維の表面のゼータ電位をマイナス又はプラスとする。
界面活性剤添加ステップでは、好ましくは、前記荷電した無機繊維に対し、逆符号の親水基を有する界面活性剤を添加し、界面活性剤の親水基側を無機繊維の表面に吸着させて疎水基側を無機繊維の表面と反対側に配置させることで無機繊維(最外面)を疎水化する。このように界面活性剤を無機繊維の表面に吸着させて無機繊維表面を疎水化した状態において、後述の発泡工程によって空気を導入して発泡させると、無機繊維表面の疎水基側に泡の形成が助長されて良好に発泡した発泡体を得ることができる。換言すれば、無機繊維表面のゼータ電位を制御することで、無機繊維に界面活性剤を相互作用させて繊維を疎水化させ、無機繊維の周りに泡を係止(付着)し易くして発泡させた発泡体(スポンジ構造)を形成する。
なお、前記無機繊維にはセラミック繊維、生体溶解性繊維(アルカリアースシリケート繊維、ロックウール等)、ガラス繊維等を用いることができる。また、前記処理液には、水に溶解してpHを変化させることができるものであればよく、無機化合物の酸又は塩基、有機化合物の酸又は塩基を用いることができる。無機繊維の表面のゼータ電位は、0でない値を示すこと、例えば−5mV〜−70mV、−7mV〜−60mV、−10mV〜−45mV、+5mV〜+65mV、+7mV〜+60mV又は、+10mV〜+45mVとする。繊維の種類により、所定のゼータ電位にするためのpHは異なるため、pHを一義的に特定することはできないが、例えば、ゼータ電位が0となるpHが7である繊維を用いる場合(等電点pHが7)、pH7より高いpHで負に荷電し、pH7より低いpHで正に荷電させることができる。また、例えば、ゼータ電位が0となるpHが2である繊維を用いる場合(等電点pHが2)、pH2より高いpHで負に荷電し、pH2より低いpHで正に荷電させることができる。尚、ゼータ電位は、所定のpHに調整した水系の分散媒中に繊維を分散させ、繊維の汎用ゼータ電位計(例えばModelFPA、AFG Analytik社製)を用いて測定することで得られる。
また、前記作成工程における荷電ステップと界面活性剤添加ステップとは経時的又は同時に実施し得る。荷電ステップと界面活性剤添加ステップとを同時に実施する場合、処理液、無機繊維及び界面活性剤を一緒に混ぜることができる。一方、荷電ステップと界面活性剤添加ステップとを経時的に実施する場合、無機繊維を、予め処理液で開繊、分散して荷電し、その後、界面活性剤と混ぜることができる。また、前記作成工程の他の態様としては、界面活性剤を用いることなく、両親媒性物質、疎水性の官能基を有するシランカップリング剤、疎水性の官能基を有するチタンカップリング剤等による表面処理によって少なくとも表面を疎水化した無機繊維を分散液(分散媒)に入れて作成することも可能である。尚、この工程のカップリング剤は発泡体を形成するために疎水化の状態にするためのものである。後の結合剤付与工程で用いるカップリング剤は発泡体の形態が水に濡れることにより崩壊することを防止するためのものである。
分散液における界面活性剤の量は無機繊維より適宜調整できるが、例えば、ガラス繊維100重量部に対し、界面活性剤を0.01〜1.0重量部としてよい。前記界面活性剤は、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.7重量部とすることが可能である。尚、界面活性剤の添加量は、少なすぎると無機繊維の表面を十分に疎水化できず発泡性が低下する恐れがあり、一方で界面活性剤の量が多すぎると界面活性剤同士が付着し無機繊維の表面を十分に疎水化できない恐れがある点に鑑みて調整され得る。
また、分散液は、有機結合剤(樹脂エマルジョン、ゴム(エラストマー)成分(アラビアゴム等)又はマグネシウム酸化物若しくは水酸化物を含まないで構成され得る。
前記発泡工程では、処理液と無機繊維と界面活性剤とが混合されてなる無機繊維分散液に気泡供給装置から空気(気泡)を供給して発泡させる。なお、気泡供給装置を用いることなく、攪拌によって無機繊維分散液に空気(気泡)を供給して発泡させてもよい。かかる気泡供給装置によって、気泡径又は気泡量を調整することにより、セル径や嵩密度を調整できる。
前記脱水工程では、発泡体を所定時間(例えば4時間)、常温又は常温外の所定温度下で分散液に含まれていた分散媒を乾燥(自然乾燥を含む)することによって脱水する。
前記焼成工程では、発泡体を高温度(例えば450℃)で焼成し、界面活性剤を除去する。なお、焼成工程は、前記脱水工程と同時に実施することが可能である。
前記結合剤付与工程に用いる結合剤として、繊維同士を結合する結合剤を用いることができ、例えば、カップリング剤、無機結合剤等である。カップリング剤を用いるとき、発泡体と、カップリング剤と水蒸気を反応させて付与する。具体的には、カップリング剤を加熱して発生した蒸気を発泡体に付着させて、水蒸気と反応させる。水蒸気で処理することにより、カップリング剤が加水分解、脱水縮合されて、発泡体に付着する。例えば、閉鎖容器(外から容器内に気体は混入しないが、内部の加熱による圧力の上昇が可能な程度の密閉容器)内で発泡体とカップリング剤蒸気を接触させる。接触後、閉鎖容器に水を入れて水蒸気を発生させてカップリング剤と反応させる。尚、カップリング剤を多く付与させるときは、前記の処理に代えて又は前記の処理に加えて、発泡体にカップリング剤を直接含浸させて加熱してもよい。その後水蒸気と接触させる。
無機結合剤の例として、SiO2系(SiO2粒子、水ガラス(ケイ酸ナトリウム)、Al2O3系(Al2O3粒子、ポリ塩化アルミニウム等の塩基性酸アルミニウム等)、リン酸塩、粘土鉱物(合成、天然)等が挙げられる。
カップリング剤の例として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としてメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
カップリング剤の例として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としてメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
結合剤の量は無機繊維により適宜調整でき限定されないが、例えば、1〜10重量%程度である。
多孔体は、無機繊維、界面活性剤及び結合剤、又は無機繊維及び結合剤から本質的になってもよく、これらのみからなってもよい。ここで本質的になるとは95重量%以上、98重量%以上又は99重量%以上がこれらからなることをいう。尚、本発明の多孔体は、エアロゲル又はエアロゲルと無機繊維の複合材料を除くことができる。
本発明のシール材は、多孔体のみから構成してもよいが、他の適当な機能を有する部材を含むことができる。
以下、具体的な実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4
表1に示す平均繊維径のマイクロガラス繊維(融点400℃以上)を、pH10のアンモニア水に濃度0.5重量%となるように分散させて繊維表面のゼータ電位を−55mVに調整して処理した。次に、カチオン性界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名;コータミン24P、花王株式会社製))を、繊維100重量部に対して、界面活性剤の固形物換算で0.5重量部添加して、撹拌混合した。このときノズルを用いて空気を取り込み発泡させた。ノズルから出る泡の量を変えることにより発泡体の嵩密度を変えた。得られた湿潤発泡体を乾燥させ、電気炉を用いて450℃にて1時間処理し、発泡体に付着している界面活性剤を除去した。次に、カップリング剤を付与した。カップリング剤はメチルトリエトキシシラン(商品名;KBE−13、信越化学工業製)を用い、密閉容器内にシランカップリング剤を入れ、160℃程度に加熱し、シランカップリング剤の蒸気を発生させ、発泡体を4時間処理した。次に、カップリング剤の反応を進行させるため、閉鎖容器内へ水を8g添加し、水蒸気を発生させ、発泡体を2時間処理した。さらに閉鎖容器内にて、発泡体重量1gあたり10g程度のカップリング剤を直接塗布し、105℃にて4時間加熱した。その後、上記と同様にカップリング剤の半分の質量に相当する水を容器にいれ、105℃にて2時間処理した。発泡体はセル構造を有していた。
表1に示す平均繊維径のマイクロガラス繊維(融点400℃以上)を、pH10のアンモニア水に濃度0.5重量%となるように分散させて繊維表面のゼータ電位を−55mVに調整して処理した。次に、カチオン性界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(商品名;コータミン24P、花王株式会社製))を、繊維100重量部に対して、界面活性剤の固形物換算で0.5重量部添加して、撹拌混合した。このときノズルを用いて空気を取り込み発泡させた。ノズルから出る泡の量を変えることにより発泡体の嵩密度を変えた。得られた湿潤発泡体を乾燥させ、電気炉を用いて450℃にて1時間処理し、発泡体に付着している界面活性剤を除去した。次に、カップリング剤を付与した。カップリング剤はメチルトリエトキシシラン(商品名;KBE−13、信越化学工業製)を用い、密閉容器内にシランカップリング剤を入れ、160℃程度に加熱し、シランカップリング剤の蒸気を発生させ、発泡体を4時間処理した。次に、カップリング剤の反応を進行させるため、閉鎖容器内へ水を8g添加し、水蒸気を発生させ、発泡体を2時間処理した。さらに閉鎖容器内にて、発泡体重量1gあたり10g程度のカップリング剤を直接塗布し、105℃にて4時間加熱した。その後、上記と同様にカップリング剤の半分の質量に相当する水を容器にいれ、105℃にて2時間処理した。発泡体はセル構造を有していた。
無機繊維と発泡体について、以下の方法で以下の特性を測定した。結果を表1に示す。
・平均繊維径
ランダムに選択した繊維400本について繊維径を測定し、平均値を求めた。
・平均繊維径
ランダムに選択した繊維400本について繊維径を測定し、平均値を求めた。
・嵩密度
発泡体のサンプルを圧縮しない初期嵩密度と、所定の圧縮率(10〜85%)で圧縮したときの嵩密度を測定した。圧縮率は、圧縮前のサンプルの厚さを100%とした。寸法計測装置(例えばノギス)を用いて、サンプルの縦、横、高さの寸法を計測した。次に、サンプルの重量を計測し、以下の式により嵩密度を算出した。
嵩密度=重量÷縦寸法÷横寸法÷高さ
発泡体のサンプルを圧縮しない初期嵩密度と、所定の圧縮率(10〜85%)で圧縮したときの嵩密度を測定した。圧縮率は、圧縮前のサンプルの厚さを100%とした。寸法計測装置(例えばノギス)を用いて、サンプルの縦、横、高さの寸法を計測した。次に、サンプルの重量を計測し、以下の式により嵩密度を算出した。
嵩密度=重量÷縦寸法÷横寸法÷高さ
・平均セル径(平均円相当径)
発泡体からサンプルを切断し、X線マイクロCTスキャナ(BRUKER社製SkyScan1272)を用いて、解像度5μm/pixelにて線透過像を撮影した。得られたX線透過像から、付属のソフト(NRrecon及びDATAVIEWER)を用いて3次元像を合成し、サンプル内部の断面像を作成した。得られた断面像の全細孔を計測し円相当径の平均を算出した。
発泡体からサンプルを切断し、X線マイクロCTスキャナ(BRUKER社製SkyScan1272)を用いて、解像度5μm/pixelにて線透過像を撮影した。得られたX線透過像から、付属のソフト(NRrecon及びDATAVIEWER)を用いて3次元像を合成し、サンプル内部の断面像を作成した。得られた断面像の全細孔を計測し円相当径の平均を算出した。
・重量変化率
発泡体を、500℃で3時間加熱した。加熱前後の重量変化(減少)率を求めた。
発泡体を、500℃で3時間加熱した。加熱前後の重量変化(減少)率を求めた。
・流れ抵抗
発泡体の所定圧縮時の流れ抵抗を以下のBiesの式から求めた。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは発泡体の所定圧縮時の嵩密度[kg/m3]、dは無機繊維の平均繊維径[m]である。)
発泡体の所定圧縮時の流れ抵抗を以下のBiesの式から求めた。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは発泡体の所定圧縮時の嵩密度[kg/m3]、dは無機繊維の平均繊維径[m]である。)
・漏れ量
発泡体から、内側中央に孔が垂直に貫通している立方体を打ち抜いて、サンプル(外寸80mm、内寸40mm、高さ約12〜15mm)を作成した。内側中央の孔の断面は正方形であり、その各辺は外側各辺とそれぞれ平行している。一対の挟持部(フランジ)で、サンプルとスペーサーを上下からサンプルの孔を塞ぐように挟み、所定の圧縮率の厚さになるようにボルト締結した。圧縮空気のガス圧が20Paとなるように差圧計を用いて調整しながら、圧縮空気をサンプルの内側の空間(孔)の中に流し入れた。圧縮ガスの流路に流量計が取り付けられており、漏れている量と等しい量が流路を流れることから、この流量計による空気の流量をサンプルの外側へ漏れた空気の量として計測した。この測定した空気の流量を、挟持部のサンプルの内寸(40mm×4面)と挟持時の圧縮厚さにより求めた面積で割った値を漏れ量(m3/min/m2)とした。
発泡体から、内側中央に孔が垂直に貫通している立方体を打ち抜いて、サンプル(外寸80mm、内寸40mm、高さ約12〜15mm)を作成した。内側中央の孔の断面は正方形であり、その各辺は外側各辺とそれぞれ平行している。一対の挟持部(フランジ)で、サンプルとスペーサーを上下からサンプルの孔を塞ぐように挟み、所定の圧縮率の厚さになるようにボルト締結した。圧縮空気のガス圧が20Paとなるように差圧計を用いて調整しながら、圧縮空気をサンプルの内側の空間(孔)の中に流し入れた。圧縮ガスの流路に流量計が取り付けられており、漏れている量と等しい量が流路を流れることから、この流量計による空気の流量をサンプルの外側へ漏れた空気の量として計測した。この測定した空気の流量を、挟持部のサンプルの内寸(40mm×4面)と挟持時の圧縮厚さにより求めた面積で割った値を漏れ量(m3/min/m2)とした。
・圧縮応力
以下の式に示すように、サンプル圧縮時の荷重値を、サンプル寸法計測により求めた面積(縦寸法と横寸法)で除算して算出した。圧縮時の荷重は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて所定の圧縮率(厚さ)まで圧縮(2mm/min)した際の荷重値とした。
圧縮応力N/m2=荷重(N)÷サンプル面積(m2)
以下の式に示すように、サンプル圧縮時の荷重値を、サンプル寸法計測により求めた面積(縦寸法と横寸法)で除算して算出した。圧縮時の荷重は、材料試験機(オートグラフ、島津製作所)を用いて所定の圧縮率(厚さ)まで圧縮(2mm/min)した際の荷重値とした。
圧縮応力N/m2=荷重(N)÷サンプル面積(m2)
・復元率
圧縮応力の測定と同様に、サンプルを所定厚さまで圧縮し、168時間(1週間)保持して圧縮試験を実施した。圧縮試験後(圧縮解放後)のサンプルの厚さを計測し、以下の式から復元率を算出した。
復元率(%)=圧縮試験後の厚さ÷試験前の厚さ×100
圧縮応力の測定と同様に、サンプルを所定厚さまで圧縮し、168時間(1週間)保持して圧縮試験を実施した。圧縮試験後(圧縮解放後)のサンプルの厚さを計測し、以下の式から復元率を算出した。
復元率(%)=圧縮試験後の厚さ÷試験前の厚さ×100
比較例1
発泡体の代わりに、シート状製品(商品名:ネオサーム(登録商標)、ニチアス(株)製、厚さ6mm)を用いて、実施例と同様に評価した。結果を表1に示す。
尚、ネオサームは、ロックウールにバインダーを加え、抄紙した製品である。
発泡体の代わりに、シート状製品(商品名:ネオサーム(登録商標)、ニチアス(株)製、厚さ6mm)を用いて、実施例と同様に評価した。結果を表1に示す。
尚、ネオサームは、ロックウールにバインダーを加え、抄紙した製品である。
比較例2
発泡体の代わりに、フェルト状製品(商品名:ホームマット(登録商標)、ニチアス(株)製)を用いて、実施例と同様に評価した。結果を表1に示す。
尚、ホームマットは、ロックウール溶融原料を吹き飛ばして繊維化するとき、バインダーと共にフェルト状に堆積して成形したものをポリフィルムで被覆した製品である。ポリフィルムを剥がし、厚さを30mm程度に切ったものを評価サンプルとした。
発泡体の代わりに、フェルト状製品(商品名:ホームマット(登録商標)、ニチアス(株)製)を用いて、実施例と同様に評価した。結果を表1に示す。
尚、ホームマットは、ロックウール溶融原料を吹き飛ばして繊維化するとき、バインダーと共にフェルト状に堆積して成形したものをポリフィルムで被覆した製品である。ポリフィルムを剥がし、厚さを30mm程度に切ったものを評価サンプルとした。
本発明のシール材は、火災の際、煙が流れ充満することの抑制が求められる床下(例えばケーブルが設置される床下等)や空間がある建造物、設備、輸送機関等に使用でき、遮煙シール材として使用できる。
10 床パネル
20 シール材
30 支柱
20 シール材
30 支柱
Claims (8)
- 無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
圧縮率30%で圧縮した際の、前記多孔体の以下のBiesの式から求めた流れ抵抗が2,870,000Ns/m4以上であるシール材。
σ=3.19×10−9×ρ1.53×d−2
(式中、σは流れ抵抗[Ns/m4]、ρは前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度[kg/m3]、dは前記無機繊維の平均繊維径[m]である。) - 前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜281kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.2〜2.5μmである請求項1記載のシール材。 - 無機繊維を含む多孔体からなるシール材であって、
前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の嵩密度が10〜75kg/m3であり、
前記無機繊維の平均繊維径が0.1〜1.0μmであるシール材。 - 前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の圧縮応力が5,000N/m2以下である請求項1〜3のいずれか記載のシール材。
- 前記多孔体の圧縮率30%で圧縮した際の空気の漏れ量が0.20m3/min/m2以下である請求項1〜4のいずれか記載のシール材。
- 前記多孔体が、気孔であるセルとそれを囲むセル壁が多数連なった構造であり、前記セル壁は無機繊維から構成される請求項1〜5のいずれか記載のシール材。
- 前記多孔体の500℃3時間加熱前後の重量変化率が5%以下である請求項1〜6のいずれか記載のシール材。
- 前記多孔体を圧縮率30%で圧縮した後168時間静置後の復元率が90%以上である請求項1〜7のいずれか記載のシール材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019226156A JP2020045284A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | シール材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2019226156A JP2020045284A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | シール材 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017163674A Division JP2019038966A (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | シール材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020045284A true JP2020045284A (ja) | 2020-03-26 |
Family
ID=69899317
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2019226156A Pending JP2020045284A (ja) | 2019-12-16 | 2019-12-16 | シール材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020045284A (ja) |
-
2019
- 2019-12-16 JP JP2019226156A patent/JP2020045284A/ja active Pending
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