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JP2020041084A - 熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体、並びにその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体、並びにその製造方法 Download PDF

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JP2020041084A JP2018170724A JP2018170724A JP2020041084A JP 2020041084 A JP2020041084 A JP 2020041084A JP 2018170724 A JP2018170724 A JP 2018170724A JP 2018170724 A JP2018170724 A JP 2018170724A JP 2020041084 A JP2020041084 A JP 2020041084A
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Abstract

【課題】セルロース繊維が熱可塑性樹脂に高濃度で含まれ、熱可塑性樹脂中にセルロース繊維が分散され、機械的特性が大幅に向上した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂とパルプと9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物とを混練し、幹部を形成するパルプ繊維部と、このパルプ繊維部の表面から枝状に延びるフィブリル部とを備えたフィブリル化繊維を含む樹脂組成物を得る。前記フィブリル化繊維は、ており、前記フィブリル化繊維の加重平均繊維径は、3〜20μmであり、かつ前記パルプ繊維部の算術平均繊維径に対するフィブリル化繊維の前記加重平均繊維径の割合を表す多分散度は、3以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィブリル化繊維を含む熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体、並びにこれらの製造方法に関する。
植物由来の繊維であるセルロースは、環境負荷が小さく、持続型資源であるとともに、高い弾性率及び強度、低い線膨張係数などの優れた特性を有する。そのため、近年、樹脂の機械的特性を向上させるために、樹脂材料の補強材としてセルロースを含む樹脂組成物が提案されている。
例えば、特表2002−527536号公報(特許文献1)には、アルファセルロース純度が80重量%より高いセルロースパルプ繊維が熱可塑性プラスチック(例えば、ポリアミド)内に分散した複合材が記載され、セルロースパルプ繊維を強化繊維として熱可塑性プラスチックと複合化することにより、引張強度、曲げ強度、衝撃強度などが向上したことも記載されている。
しかし、特許文献1には、回転ナイフカッターを用いてセルロースパルプ繊維を粒状化したり、ペレット化した繊維とポリマーとを溶融混合したりすると、繊維の断片化が生じ(繊維長が短くなり)、繊維による強化力が低下すると記載されている。そのため、特許文献1では、繊維の断片化を抑制し、十分な補強効果を得ることができない。さらに、特許文献1ではポリマー内に対する繊維の分散性も不十分である。
特許第5885658号公報(特許文献2)には、熱可塑性ポリアミド樹脂とセルロース繊維とを含有する熱可塑性ポリアミド樹脂組成物が記載され、樹脂組成物中に平均繊維径が500nm以下のセルロースナノ繊維を凝集することなく均一に分散させることで、機械的特性や耐熱性を向上できることが記載されている。
しかし、特許文献2では、予めセルロース繊維を平均繊維径が500nm以下に調製する必要があり、さらに、ポリアミド樹脂中にセルロースナノ繊維を均一に分散させるために、セルロース繊維の水分散液とポリアミド樹脂を構成するモノマーとを混合した分散液を調製し、さらに分散液の分散状態を保持したまま、重合反応させる(in situ重合)という特殊で煩雑な製造プロセスを経る必要がある。また、樹脂組成物の機械的特性をさらに向上させるためには、強化材であるセルロース繊維を高濃度とするのが有利であるが、セルロースナノ繊維の含有量を増加させると、樹脂組成物の流動性が著しく低下するため、高濃度でセルロースナノ繊維を含む樹脂組成物を得ることができない。
特開2018−9095号公報(特許文献3)には、ポリアミド樹脂と、セルロースナノ繊維と、アミド系溶媒と、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物とを含む樹脂組成物が記載されている。特許文献3では、アミド系溶媒とポリアミド樹脂とセルロースとを混練すると、アミド系溶媒がセルロースの解繊剤として作用するため、混練過程においてセルロースがミクロフィブリル化されてセルロースナノ繊維となり、このセルロースナノ繊維がポリアミド樹脂に均一に分散した樹脂組成物を形成できることが記載されている。
しかし、特許文献3でも、セルロースナノ繊維を高濃度とすると、樹脂組成物の流動性が著しく低下するため、繊維の含有量を増加させ、機械的特性がさらに向上した樹脂組成物を得ることは困難である。さらに、特許文献3では、アミド系溶媒を必須としているため、製造工程における溶媒の揮散などの作業上の問題、及び樹脂組成物にアミド系溶媒由来の着色が生じるという課題がある。
特表2002−527536号公報 特許第5885658号公報 特開2018−9095号公報
従って、本発明の目的は、セルロース繊維(又はパルプ繊維、セルロースパルプ繊維)を高濃度で含み、機械的特性(機械的強度)が大幅に向上した樹脂組成物、及び成形体、並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、セルロース繊維を高濃度で含んでいても、樹脂組成物の流動性(溶融流動性)が高く、成形に適した樹脂組成物、及び成形体並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、予めパルプ(セルロース、原料セルロース)に特別な処理(前処理、例えば、セルロース繊維のナノ繊維化など)を施さなくとも、簡便にセルロース繊維が均一に樹脂中に分散された樹脂組成物、及び成形体並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、製造工程における着色を大幅に低減できる樹脂組成物、及び成形体並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂とパルプ(原料セルロース、セルロースパルプ)と、さらに9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物とを添加して混練すると、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物が解繊助剤として作用し、意外にもパルプがセルロースナノ繊維まで解繊されず、適度な解繊状態まで解繊されて、熱可塑性樹脂中に分散され、繊維を高濃度で含んでいても、流動性(溶融流動性)が高いことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とフィブリル化繊維とを含む樹脂組成物であって、さらに、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物を含み、前記フィブリル化繊維が、幹部を形成するパルプ繊維部と、このパルプ繊維部の表面から枝状に延びるフィブリル部とを備えており、前記フィブリル化繊維の加重平均繊維径が、3〜20μmであり、かつ前記フィブリル化繊維の算術平均繊維径に対する前記加重平均繊維径の割合で表される多分散度が、3以上である。また、前記フィブリル化繊維の算術平均繊維径は0.5〜15μmであってもよく、前記フィブリル化繊維の最大繊維径は40μm以下、最小繊維径は0.01μm以上であってもよい。また、パルプ繊維部の平均アスペクト比は10以上であってもよい。前記熱可塑組成樹脂は、ポリアミド系樹脂を含んでいてもよい。9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物は、下記式(1)で表される化合物であってもよく、
(式中、環Zはアレーン環、Xは下記式(2−1)、(2−2)、又は(2−3)で表される基を示し、nは1〜3の整数、R及びRは置換基を示し、pは0又は1以上の整数、kは0〜4の整数を示す)。
(式中、Rは水素原子又はアルキル基、Rはアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0又は1以上の整数を示す)。
式(1)中、Xは式(2−3)で表される基であってもよい。9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物の割合は、フィブリル化繊維100質量部に対して、15〜60質量部であってもよい。また、本発明の樹脂組成物は、アミド系溶媒を含まなくてもよい。本発明の樹脂組成物は、マスターバッチとして有用な第1の樹脂組成物と、成形に適した第2の樹脂組成物とに分類でき、第1の樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂を第1の熱可塑性樹脂、第1の樹脂組成物を希釈する熱可塑性樹脂を第2の熱可塑性樹脂と称する場合がある。本発明の第1の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対して、フィブリル化繊維を10〜50質量%の割合で含んでいてもよい。第2の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂及び第2の熱可塑性樹脂)、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対してフィブリル化繊維を1〜30質量%の割合で含んでいてもよい。本発明は、前記樹脂組成物(第1の樹脂組成物又は第2の樹脂組成物)を含む成形体も包含する。さらに、本発明は、前記樹脂組成物を製造する方法も包含し、この方法では、パルプと、熱可塑性樹脂と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを混練(溶融混練)することにより、本発明の樹脂組成物を調整できる。具体的には、本発明の第1の樹脂組成物は、パルプ(原料セルロース)と、第1の熱可塑性樹脂と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを混練して製造してもよく、溶媒を用いることなく製造してもよい。第2の樹脂組成物は、第1の樹脂組成物(マスターバッチ)と第2の熱可塑性樹脂とを混練することにより調整できる。
なお、本明細書中、フィブリル化繊維(表面がフィブリル化されたパルプ繊維)とは、パルプ繊維部の算術平均繊維径がナノメーターサイズまで解繊されていない繊維(例えば、パルプ繊維部の算術平均繊維径がマイクロメーターサイズの繊維)を意味する。
本発明では、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物がセルロースの解繊助剤として作用するため、パルプ(原料セルロース)に特別な処理(前処理)をしなくても、簡便にパルプ(原料セルロース)を適度に解繊できるとともに、生成したフィブリル化繊維は、繊維径がナノメーターサイズより大きく、ナノ繊維化する必要がないため、樹脂中にフィブリル化繊維を高濃度に含有できる。また、樹脂組成物の流動性を高めることができる。そのため、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の機械的特性を大幅に向上できる。また、所定の溶媒を使用する必要がないため、製造工程における着色を大幅に低減できる。
図1は、実施例1で得られたマスターバッチ1中のパルプ繊維の偏光顕微鏡観察結果である。 図2は、実施例1で得られたマスターバッチ1中のパルプ繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果である。 図3は、実施例2で得られたマスターバッチ2中のパルプ繊維の偏光顕微鏡観察結果である。 図4は、実施例2で得られたマスターバッチ2中のパルプ繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果である。 図5は、比較例1で得られたマスターバッチ3中のパルプ繊維の偏光顕微鏡観察結果である。 図6は、比較例1で得られたマスターバッチ3中のパルプ繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果である。 図7は、比較例3で得られたマスターバッチ4中のパルプ繊維の偏光顕微鏡観察結果である。 図8は、比較例3で得られたマスターバッチ4中のパルプ繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果である。
[樹脂組成物(第1の樹脂組成物)]
本発明の第1の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、フィブリル化繊維(表面がフィブリル化されたパルプ繊維又はセルロース繊維)と、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物とを含み、熱可塑性樹脂中にフィブリル化繊維が分散した樹脂組成物である。また、本発明の第1の樹脂組成物は、マスターバッチ(又は樹脂補強剤)を形成するのに適している。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)としては、特に制限されず、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂などのポリα−C2−6オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などの環状オレフィン系樹脂など);変性オレフィン系樹脂(塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化オレフィン系樹脂、無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのグラフト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの共重合体など);塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂など);フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど);酢酸ビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニル又はその誘導体(ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)など);スチレン系樹脂(ポリスチレン;アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系共重合体、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのゴム強化ポリスチレン系樹脂など);(メタ)アクリル系樹脂(ポリ(メタ)アクリル酸メチルなど);ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのC2−4アルキレンC6−12アリレート単位を有するホモ又は共重合ポリエステル、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)などのC5−10シクロアルキレンジC1−4アルキレンC6−12アリレート、ポリフェニレンアリレートなどの全芳香族系ポリエステル(ポリアリレート)など);ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂など);ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド、シクロアルカンジカルボン酸とジアミンとなどで形成された脂環族ポリアミド、MXD−6、テレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとなどで形成されたポリアミドなどの芳香族ポリアミドなど);ポリエーテル系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂など);ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂など);ポリアセタール系樹脂;液晶プラスチック(液晶ポリエステルなど);熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、フッ素系エラストマーなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、さらに好ましくはポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エステル系エラストマー、アミド系エラストマーであってもよく、引張強さ及び衝撃強さなどの機械的強度が高く、フィブリル化繊維と高い親和性を有する観点から、特にポリアミド系樹脂であってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ホモポリアミド、ホモポリアミド成分が共重合したコポリアミドなどが挙げられる。ホモポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミド樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612など)、脂環族ポリアミド樹脂(例えば、ジアミノメチルシクロヘキサンとアジピン酸との重合体など)、半芳香族ポリアミド樹脂又は芳香族ポリアミド樹脂(例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との重合体、ポリアミドMXD(例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重合体など)など)が例示できる。コポリアミドとしては、例えば、コポリアミド6/66、コポリアミド6/11、コポリアミド6/12、コポリアミド66/12などの脂肪族ポリアミド樹脂などが例示できる。これらのポリアミド樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂(ホモポリアミド、コポリアミド)であってもよく、さらに好ましくは、ポリマーの主鎖にC6−16アルキレン基(例えば、C6−12アルキレン基;特に、少なくともヘキサメチレン基)を有する脂肪族ポリアミド樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、コポリアミド6/11、コポリアミド66/12など)であってもよく、特にポリアミド6などが好ましい。
ポリアミド系樹脂は、結晶性又は非晶性であってもよく、透明性ポリアミド樹脂(非晶性透明ポリアミド樹脂)であってもよい。ポリアミド系樹脂としては、複合体(複合材料又はコンパウンド)及びその成形品の機械的特性の観点から、通常、結晶性樹脂を用いる場合が多い。
ポリアミド系樹脂の融点は、例えば、250℃以下(例えば、100〜250℃)、好ましくは220℃以下(例えば、120〜220℃)、さらに好ましくは200℃以下(例えば、150〜190℃程度)であってもよい。
熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂)の重量平均分子量(Mw)は、5000〜1000000の範囲から選択でき、例えば10000〜800000(例えば、15000〜100000)、好ましくは20000〜600000(例えば、23000〜70000)、さらに好ましくは25000〜500000(例えば、30000〜50000)程度であってもよい。分散度(Mw/Mn)は、例えば、1〜5、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1〜1.5であってもよい。なお、樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で測定できる。
(フィブリル化繊維)
フィブリル化繊維(表面がフィブリル化されたパルプ繊維)は、パルプ(原料セルロース、セルロース)由来の解繊された繊維であり、フィブリル化繊維において幹部を形成するパルプ繊維部(幹繊維部、繊維本体部、径大部)と、このパルプ繊維部の表面から枝状に延びるフィブリル部(枝状繊維部)とを備え、樹脂組成物中に分散している。
なお、フィブリル化繊維は、少なくとも一部の官能基又は反応性基(例えば、ヒドロキシル基など)が修飾処理(例えば、アシル化、エーテル化など)された修飾繊維(又は変性繊維)であってもよく、修飾処理が施されていない未修飾繊維であってもよい。
修飾剤は、例えば、セルロース繊維のヒドロキシル基と結合(反応)可能な官能基(例えば、エポキシ基、カルボキシル基など)を有していてもよく、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムなどのカチオン性基、又はカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を有していてもよい。
修飾剤の割合は、例えば、セルロース繊維100質量部に対して、1質量部以下(例えば、0.9質量部以下)、好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下であってもよい。
熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂)との水素結合性を損なわないという観点より、修飾量は低い方が好ましく、例えば、修飾率が10質量%以下(例えば、0.01〜10質量%)、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であってもよい。本発明のフィブリル化繊維は、修飾処理を施さなくても、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂)に均一に分散できるため、通常、修飾処理が施されていない未修飾繊維である。
前記パルプ(原料セルロース、セルロース)としては、リグニン、ヘミセルロースなどの非セルロース成分の含有量が少ないパルプ、例えば、植物由来のパルプ、動物由来のパルプ、バクテリア由来のパルプなどが挙げられる。植物由来のパルプとしては、例えば、針葉樹(マツ、モミ、トウヒ、ツガ、スギなど)、広葉樹(ブナ、カバ、ポプラ、カエデなど)などの木材パルプ;麻類(麻、亜麻、マニラ麻、ラミーなど)、ワラ、バガス、ミツマタ、竹、サトウキビなどの草木類パルプ;コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなどなどの種子毛繊維パルプなどが例示でき、動物由来のパルプとしてはホヤセルロースなど、バクテリア由来のパルプとしてはナタデココに含まれるセルロースなどが例示できる。これらのパルプ(セルロース)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのパルプ(又はセルロース)のうち、植物由来のセルロース原料であるのが好ましく、木材パルプ(例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなど)、種子毛繊維由来のパルプ(例えば、コットンリンターパルプ)由来のセルロースなどであるのがさらに好ましい。なお、パルプは、パルプ材を機械的に処理した機械パルプであってもよいが、非セルロース成分の含有量が少ないことからパルプ材を化学的に処理した化学パルプが好ましい。
なお、パルプ又はセルロース(原料セルロース)は、結晶性が高いことが好ましく、パルプ(セルロース)の結晶化度は、例えば、40〜100%(例えば、50〜100%)、好ましくは60〜95%、さらに好ましくは70〜90%(特に75〜90%)程度であってもよく、通常、結晶化度が60%以上であってもよい。なお、パルプ(セルロース)の結晶化度は、X線回折法により測定できる。また、パルプ(セルロース)の結晶構造としては、例えば、I型、II型、III型、IV型などが例示でき、弾性率などに優れたI型結晶構造が好ましい。
本発明において、フィブリル化繊維は、パルプ(セルロース、セルロースパルプなどの原料セルロース又は平均繊維径が10μm以上のセルロース繊維)の繊維表面を微細化(又はフィブリル化)したセルロース繊維であって、径大部(パルプ繊維部)を有している。
パルプ繊維部の平均繊維径(算術平均繊維径)D1は、例えば、1〜100μm(例えば、2〜80μm)、好ましくは5〜50μm(例えば、10〜40μm)、さらに好ましく15〜30μm(例えば、18〜23μm)であってもよい。
パルプ繊維部の平均繊維長Lは、例えば、10〜6000μmの範囲から選択でき、例えば、50〜3000μm(例えば、100〜1000μm)であってもよく、好ましくは150〜800μm(例えば、180〜500μm)、さらに好ましくは200〜400μm(例えば、250〜300μm)であってもよい。
フィブリル化繊維のパルプ繊維部の平均アスペクト比(L/D1)は、通常、4〜1000程度の範囲から選択でき、例えば、5以上(例えば、5〜100程度)、好ましくは8以上(例えば8〜50程度)、さらに好ましくは10以上(例えば10〜30程度、特に10〜15程度)であってもよい。平均アスペクト比が小さすぎると、樹脂の補強性が低下する虞がある。
なお、平均繊維径D1及び平均繊維長Lは、溶媒を用いて、フィブリル化繊維、熱可塑性樹脂、及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物を含む樹脂組成物中のフィブリル化繊維以外の成分を溶出させ、固形分濃度0.3〜1質量%のフィブリル化繊維の分散液を調製し、この分散液の偏光顕微鏡(倍率20〜50倍)観察により、n点(nは20以上の整数)のパルプ繊維部をランダムに選択し、選択したn点の繊維径(D1i)、及び繊維長(Li)(i=1〜n)を用いて、下記式(1)及び式(2)により算出できる。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
また、平均アスペクト比は、平均繊維径D1に対する平均繊維径Lの割合(L/D1)により算出できる。
フィブリル化繊維(表面がフィブリル化されたパルプ繊維)の算術平均繊維径D2(パルプ繊維部とフィブリル部とを含む算術平均繊維径)は、例えば、0.5〜15μm(例えば、0.7〜10μm)であってもよく、好ましくは0.8〜5μm(例えば、1〜3μm)、さらに好ましくは1.2〜2.5μm(例えば、1.5〜2μm)程度であってもよい。
フィブリル化繊維の最大繊維径D3は、例えば、40μm以下(例えば、10〜40μm)であってもよく、好ましくは35μm以下(例えば、15〜35μm)、さらに好ましくは30μm以下(例えば、18〜30μm)であってもよい。最大繊維径が大きすぎると、分散不良となる虞がある。
また、フィブリル化繊維の最小繊維径(D4)は、例えば、0.01μm以上(例えば、0.05〜5μm)であってもよく、好ましくは0.08μm以上(例えば、0.1〜1μm)、さらに好ましくは0.15μm以上(例えば、0.2〜0.4μm)であってもよい。最小繊維径が小さすぎると溶融流動性が低下する虞がある。
本発明の樹脂組成物に含まれるフィブリル化繊維は、前記のように、フィブリル化され、平均繊維径の小さなフィブリル部と、平均繊維径が大きなパルプ繊維部とを備えているという特色がある。そのため、フィブリル化繊維の加重平均繊維径は、通常、算術平均繊維径に対して大きくなる。フィブリル化繊維の加重平均繊維径D5は、例えば、3〜20μm(例えば、3.5〜20μm)、好ましくは4〜18μm(例えば、4.5〜16μm)、さらに好ましくは5〜14μm(例えば、5.5〜12μm)程度であってもよい。加重平均繊維径が大きすぎると、アスペクト比が低下して、高い力学特性が得られない虞があり、小さすぎると溶融流動性が低下する虞がある。
なお、フィブリル化繊維の各繊維径(D2〜D5)は、フィブリル化繊維、熱可塑性樹脂、及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物を含む樹脂組成物中のフィブリル化繊維以外の成分を選択的に可溶な溶媒に溶出させ、フィブリル化繊維以外の成分を除去し、パルプ繊維部及びフィブリル部を備えた繊維を走査型電子顕微鏡(倍率1000倍)により観察し、パルプ繊維部とフィブリル部とを合計m点(mは20以上の整数)ランダムに選択し、選択したm点の繊維径(D2j、j=1〜m)を用いて求められる。なお、フィブリル化繊維のパルプ繊維部及びフィブリル部について、例えば、実施例1の図2に基づいて説明すると、パルプ繊維部の繊維径は、両矢印で示される長さとすることができ、フィブリル部の繊維径は、円内の複数の繊維の各繊維とすることができる。算術平均繊維径D2は、下記式(3)で示される前記繊維径D2jの算術平均により算出でき、前記繊維径D2jのうち最も大きい繊維径を最大繊維径D3、及び最も小さい繊維径を最小繊維径D4とすることができる。また、加重平均繊維径D5は、下記式(4)により算出できる。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
フィブリル化繊維の繊維径の多分散度(D5/D2)は、例えば、3以上(例えば、3〜20)であってもよく、好ましくは3.5以上(例えば、3.5〜10)、さらに好ましくは4以上(例えば、4〜8)、特に4.5以上(例えば、4.5〜8)であってもよい。多分散度が小さすぎると(単分散に近いと)、分散性が低下、又は流動性が低下する虞がある。なお、フィブリル化繊維の多分散度は、算術平均繊維径D2に対する加重平均繊維径D5の割合により算出できる。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本発明では、フィブリル化繊維が高濃度であっても、樹脂組成物の流動性の低下を抑制できる。フィブリル化繊維の割合(含有量)は、第1の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対して、例えば、10〜50質量%であってもよく、好ましくは20〜45質量%、さらに好ましくは25〜40質量%(例えば、28〜35質量%)であってもよい。フィブリル化繊維の割合が少なすぎると、補強効果が低下する虞があり、フィブリル化繊維の割合が多すぎると、流動性が低下する虞がある。
また、フィブリル化繊維の割合は、第1の樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)100質量部に対して、例えば、10〜100質量部であってもよく、好ましくは20〜80質量部、さらに好ましくは40〜70質量部であってもよい。フィブリル化繊維の割合が小さすぎると、パルプの解繊が進行しにくく、平均繊維径が過度に大きくなる虞があり、フィブリル化繊維の割合が大きすぎると、パルプ繊維が切断せれることで、アスペクト比が低下しやすい、及びフィブリル化繊維同士が水素結合を介して強く凝集して、分散性が低下する虜がある。
なお、樹脂組成物は、パルプ繊維の繊維径がナノメーターサイズまで解繊(ナノ繊維化)されたセルロースナノ繊維(セルロースナノファイバー)を含んでいてもよい。フィブリル化繊維とセルロースナノ繊維との本数割合は、フィブリル化繊維100に対して、例えば、0〜50(例えば、0.01〜30)、好ましくは0〜20(例えば、0.01〜15)、さらに好ましくは0〜10(例えば、0.01〜5)程度であってもよく、通常、セルロースナノ繊維を含まないことが好ましい。
(9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物)
本発明の樹脂組成物は、パルプ繊維間に作用する水素結合を緩和し、パルプを適度な解繊状態に解繊するための解繊助剤として、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物(フルオレン化合物)を含む。
フルオレン化合物(9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物)としては、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有し、カルボキシル基又はその反応性誘導体、エポキシ基及びヒドロキシル基から選択された少なくとも一種の反応性基を有している。前記カルボキシル基の反応性誘導体としては、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など)、酸ハライド基(酸クロライド基、酸ブロマイド基などのハロホルミル基)などが例示できる。エポキシ基は、オキシラン環を含む限り、グリシジル基であってもよい。
代表的なフルオレン化合物は、下記式(1)で表される。
[式中、環Zはアレーン環、Xは下記式(2−1)、(2−2)、又は(2−3)で表される基を示し、nは1〜3の整数、R及びRは置換基を示し、pは0又は1以上の整数、kは0〜4の整数を示す]。
(式中、Rは水素原子又はアルキル基、Rはアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0又は1以上の整数を示す)。
前記式(1)において、環Zで表されるアレーン環としては、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが例示でき、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環(縮合多環式炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含まれる。
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン(例えば、ナフタレンなどの縮合二環式C10−16アレーン)環、縮合三環式アレーン(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)環などの縮合二乃至四環式アレーン環などが例示できる。好ましい縮合多環式アレーン環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが例示でき、特に、ナフタレン環が好ましい。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよい。
環集合アレーン環としては、ビアレーン環、例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC6−12アレーン環、テルアレーン環、例えば、テルフェニレン環などのテルC6−12アレーン環などが例示できる。好ましい環集合アレーン環としては、ビC6−10アレーン環、特にビフェニル環などが例示できる。
好ましいアレーン環は、C6−14アレーン環、さらに好ましくはC6−10アレーン環、特にベンゼン環、ナフタレン環であってもよい。
前記式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基が例示できる。好ましいアルキル基は、C1−4アルキル基、特にC1−2アルキル基である。m1は0又は1以上の整数(例えば1〜6、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2程度)であってもよい。m1は、通常0又は1〜2であってもよい。
アルキレン基Rには、直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基が含まれ、直鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などのC2−6アルキレン基(好ましくは直鎖状C2−4アルキレン基、さらに好ましくは直鎖状C2−3アルキレン基、特にエチレン基)が例示でき、分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、プロピレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基などの分岐鎖状C3−6アルキレン基(好ましくは分岐鎖状C3−4アルキレン基、特にプロピレン基)などが例示できる。
オキシアルキレン基(OR)の数m2は、0又は1以上の整数(例えば0〜15、好ましくは0〜10)程度の範囲から選択でき、例えば0〜8(例えば1〜8)、好ましくは0〜5(例えば1〜5)、さらに好ましくは0〜4(例えば1〜4)、特に0〜3(例えば1〜3)程度であってもよく、通常0〜2(例えば0又は1)であってもよい。なお、m2が2以上である場合、アルキレン基Rの種類は、同一又は異なっていてもよい。また、置換基Rの種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
前記式(1)において、基Xの置換数nは、環Zの種類に応じて、同一又は異なって1以上の整数であればよく、例えば1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1又は2、特に1であってもよい。なお、置換数nは、それぞれの環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
なお、基Xは、環Zの適当な位置に置換でき、例えば、環Zがベンゼン環である場合には、フェニル基の2−、3−、4−位(特に、3−位及び/又は4−位)に置換している場合が多く、環Zがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8−位である場合が多く、例えば、フルオレンの9−位に対してナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係(特にnが1である場合、2,6−位の関係)で基Xが置換している場合が多い。また、置換数nが2以上である場合、置換位置は、特に限定されない。また、環集合アレーン環Zにおいて、基Xの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9−位に結合したアレーン環及び/又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換していてもよい。例えば、ビフェニル環の3−位又は4−位がフルオレンの9−位に結合していてもよく、ビフェニル環の3−位がフルオレンの9−位に結合する場合、カルボニル基の置換位置は、例えば、ビフェニル環の2−位、4−位、5−位、6−位、2’−位、3’−位、4’−位のいずれの位置であってもよく、好ましくは6−位、4’−位のいずれかの位置(特に、6−位)などに置換していてもよい。ビフェニル環の4−位がフルオレンの9−位に結合している場合、カルボニル基の置換位置は、ビフェニル環の2−位、3−位、2’−位、3’−位、4’−位のいずれの位置であってもよく、好ましくは2−位、4’−位のいずれかの位置(特に、2−位)などに置換していてもよい。
前記式(1)において、置換基Rとしては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ビフェニル基、ナフチル基などのC6−12アリール基]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−10アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など)、ニトロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など)、ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジ(C1−4アルキル−カルボニル)アミノ基など)などが例示できる。
これらの置換基Rのうち、代表的には、ハロゲン原子、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基など)、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが例示できる。好ましい置換基Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(メトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルコキシ基など)、特に、アルキル基(特に、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−3アルキル基)が好ましい。なお、置換基Rがアリール基であるとき、置換基Rは、環Zとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。置換基Rの種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
置換基Rの係数pは、環Zの種類などに応じて適宜選択でき、例えば、0〜8程度の整数であってもよく、0〜4の整数、好ましくは0〜3(例えば、0〜2)の整数、特に0又は1であってもよい。特に、pが1である場合、環Zがベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環、置換基Rがメチル基であってもよい。
置換基Rとして、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)などが例示できる。
これらの置換基Rのうち、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(特に、メチル基などのC1−3アルキル基)、カルボキシル基又はC1−2アルコキシ−カルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子が好ましい。置換数kは0〜4(例えば、0〜3)の整数、好ましくは0〜2の整数(例えば、0又は1)、特に0である。なお、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよく、kが2以上である場合、置換基Rの種類は互いに同一又は異なっていてもよく、フルオレン環の2つのベンゼン環に置換する置換基Rの種類は同一又は異なっていてもよい。また、置換基Rの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、3−位及び/又は7−位など)であってもよい。
式(2−1)で表される基Xを有する具体的なフルオレン化合物としては、n=1、p=k=0、m1=0である9,9−ビス(カルボキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−カルボキシ−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−カルボキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=k=0、m1=1〜3である9,9−ビス(カルボキシアルキル−アリール)フルオレン化合物、例えば、9,9−ビス(4−(カルボキシメチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−カルボキシエチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−(カルボキシメチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−(カルボキシメチル)−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−(カルボキシメチル)−1−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(カルボキシC1−6アルキルC6−10アリール)フルオレンなどが例示できる。これらのフルオレン化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
式(2−2)で表されるエポキシ基含有基Xを有する具体的なフルオレン化合物としては、n=1、p=k=0、m2=0である9,9−ビス(グリシジルオキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−グリシジルオキシ−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−グリシジルオキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=k=0、m2=1〜5である9,9−ビス(グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−(2−グリシジルオキシエトキシ)−1−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(6−(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=0である9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−メチル−4−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=1〜5である9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−メチル−4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=0である9,9−ビス(アリール−グリシジルオキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−フェニル−4−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6−10アリール−グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン;n=1、p=1、k=0、m2=1〜5である9,9−ビス(アリール−グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3−フェニル−4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6−10アリール−グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン;n=2、p=0、k=0、m2=0である9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ)アリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3,4−ジ(グリシジルオキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ)C6−10アリール)フルオレン;n=2、p=0、k=0、m2=1〜5である9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシ)アリール)フルオレン、例えば、9,9−ビス(3,4−ジ(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシ)C6−10アリール)フルオレンなどが例示できる。これらのフルオレン化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、前記式(2−2)で表されるエポキシ含有基Xを有するフルオレン化合物は、単量体であってもよく、多量体(例えば、二量体、三量体など)であってもよいが、黄変(着色)を十分に抑制する観点から多量体を含まないのが好ましい。グリシジル基を有するフルオレン化合物は、通常、少なくとも単量体を含む場合が多く、例えば、単量体、二量体及び三量体の混合物などであってもよい。
また、式(2−3)で表されるヒドロキシル含有基Xを有する具体的なフルオレン化合物としては、前記式(2−2)で表される基Xを有するフルオレン化合物において、グリシジルオキシ基をヒドロキシル基に代えた化合物などが例示でき、これらの化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのフルオレン化合物のうち、好ましいフルオレン化合物としては、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C6−10アリール−グリシジルオキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C6−10アリール−グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ)C6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(ジ(グリシジルオキシ(ポリ)C2−4アルコキシ)C6−10アリール)フルオレンなどの前記式(2−2)で表されるグリシジルオキシ基を有するフルオレン化合物の単量体、及び多量体(二量体、三量体など);9,9−ビス(ヒドロキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C1−4アルキル−ヒドロキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C1−4アルキル−ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C6−10アリール−ヒドロキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(C6−10アリール−ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(ジヒドロキシC6−10アリール)フルオレン、9,9−ビス(ジヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシ)C6−10アリール)フルオレンなどの前記式(2−3)で表されるヒドロキシル基を有するフルオレン化合物などが例示でき、さらに好ましくは、熱可塑性樹脂との相溶性、耐熱性、着色抑制の観点から、前記式(2−3)で表されるヒドロキシル基を有するフルオレン化合物であってもよく、特に9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)などの9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)C2−4アルコキシC6−10アリール)フルオレンであってもよい。なお、「(ポリ)C2−4アルコキシ」とは、C2−4アルコキシ基の繰り返し数m2が1以上の整数であることを意味する。
本発明では、フルオレン化合物は、樹脂組成物の改質剤又は添加剤としても作用し、樹脂組成物中のフィブリル化繊維の分散性(又は親和性)を向上でき、また機械的強度を向上できる。特に式(2−2)で表されるエポキシ基(グリシジルオキシ基)を有するフルオレン化合物であれば、靱性を十分に向上できるため有利である。一方、式(2−1)又は(2−3)で表される基Xを有するフルオレン化合物(特に式(2−3)で表されるヒドロキシル基を有するフルオレン化合物)であれば、機械的強度の特性を向上できるとともに、可塑剤としても作用するためか、樹脂組成物の粘度の上昇も抑制できる(溶融流動性を向上できる)。そのため、フィブリル化繊維を高濃度で含有しても樹脂組成物の溶融流動性の低下を抑制でき、熱可塑性樹脂の機械的強度(例えば、強度、靱性、剛性など)及び耐熱性を大幅に向上できる。また、フルオレン化合物による樹脂組成物への着色がなく、さらにフルオレン化合物が可塑剤としても作用するためか、樹脂組成物を調製するための調製温度(混練温度)を高くする必要がなく、熱履歴に伴う着色も抑制できる。そのため、製造工程において大幅に着色を抑制できる。
なお、樹脂組成物は実質的にフルオレン化合物を含んでいればよく、フルオレン化合物とフィブリル化繊維とが結合(例えば、エーテル結合、エステル結合など)した形態(フィブリル化繊維がエーテル結合、エステル結合などで結合したフルオレン化合物により修飾された形態)であってもよく、結合又は修飾していない遊離の形態であってもよい。
フルオレン化合物の割合は、フィブリル化繊維100質量部に対して、例えば、1〜100質量部(例えば、5〜80質量部)の範囲から選択でき、例えば、10〜70質量部(例えば、15〜60質量部)、好ましくは25〜50質量部、さらに好ましくは28〜45質量部(例えば、30〜40質量部)程度であってもよい。フルオレン化合物の割合がフィブリル化繊維に対して少なすぎると解繊助剤としての作用(効果)が不足し、フィブリル化繊維が十分に解繊されず、得られる樹脂組成物の流動性が低下する虞があり、フルオレン化合物が多すぎると、樹脂組成物の溶融粘度が著しく低下し、フィブリル化繊維が十分に解繊されず、樹脂組成物の低分子量化合物比率が大きくなることで、樹脂組成物の物性が低下する虞がある。
また、フルオレン化合物の割合は、熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)100質量部に対して1〜50質量部、好ましくは5〜40質量部(例えば10〜30質量部)、さらに好ましくは12〜27質量部(例えば、15〜25質量部)程度であってもよい。フルオレン化合物の割合が熱可塑性樹脂に対して少なすぎると、樹脂組成物の流動性が低下する又は製造工程において着色(熱履歴による着色)が生じる虞がある。
また、フルオレン化合物の割合は、熱可塑性樹脂、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対して、例えば、1〜30質量%であってもよく、好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは8〜16質量%(例えば、9〜14質量%)程度であってもよい。フルオレン化合物の割合が少なすぎると、フルオレン化合物によるパルプ繊維を樹脂組成物中に分散させる効果が小さくなる虞があり、フルオレン化合物の割合が多すぎると、成形樹脂組成物及び成形体の機械的特性が低下する虞がある。
(溶媒)
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、溶媒を含んでいてもよいが、パルプ繊維を適度に解繊し、溶媒による着色を抑制するとともに、作業環境を改善するためには、溶媒を含まないことが好ましい。また、溶媒を含んでいると、製造工程において、溶媒を除去するプロセスが必要になり、さらに溶媒の揮散など作業環境を害する虞がある。例えば、溶媒がパルプの解繊剤として作用するアミド類(アミド系溶媒)であると、パルプの解繊が過度に進行し(例えば、ナノメーターサイズまで解繊され)、溶融流動性が著しく低下し、さらにアミド系溶媒由来の着色が生じる場合がある。
[樹脂組成物(第1の樹脂組成物)の製造方法]
本発明の第1の樹脂組成物(マスターバッチ、混練組成物)は、パルプ(原料セルロース)を予め解繊処理(又はナノファイバー化)することなく、パルプと、熱可塑性樹脂と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを混練することにより製造できる。この方法では、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物が解繊助剤として作用し、パルプが適度な解繊状態(表面がフィブリル化されたパルプ繊維)まで解繊され、熱可塑性樹脂中に分散する。そのため、予めパルプ(原料セルロース)に微細化処理を施したり、セルロースの表面のヒドロキシル基に修飾処理を施したりする必要がなく、また、フィブリル化繊維の分散液(スラリー液)の調製、フィブリル化繊維と樹脂とのエマルジョンの調製なども不要であり、混練という一段階の操作で簡便に前記樹脂組成物を調製できる。
また、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物が可塑剤としても作用するためか、樹脂組成物を調製するための調製温度(混練温度)を高くする必要がなく、製造工程における熱履歴に伴う着色も抑制できる。
パルプ(原料セルロース)としては、フィブリル化繊維の項で例示のパルプ(セルロース、原料セルロース又はセルロース繊維)を使用できる。このパルプ(原料セルロース)の平均繊維径は、種類に応じて選択でき、例えば、10μm〜100mm、好ましくは15〜80μm(例えば、18〜60μm)、さらに好ましくは19〜40μm(特に、20〜30μm)程度であってもよい。また、パルプの平均繊維長は、例えば、0.1〜30mm、好ましくは0.5〜25mm(例えば、0.5〜20mm)、さらに好ましくは1〜10mm(特に、1〜5mm)程度であってもよい。なお、パルプの平均繊維径及び平均繊維長は、光学顕微鏡観察画像からランダムに繊維を選択し、算術平均することにより求められる。
混練は、例えば、パルプ(原料セルロース)と、熱可塑性樹脂と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを少なくとも熱可塑性樹脂が溶融した状態で混練できれば、特に制限されず、慣用の方法、例えば、ミキシングローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機(一軸又は二軸押出機など)などが利用でき、高い剪断力が作用可能なニーダ、二軸押出機などを好適に使用してもよい。
混練工程は、空気中又は不活性ガス(窒素、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下、開放系で行ってもよく、通常、密閉した混練系で行う場合が多い。
混練温度は、熱可塑性樹脂の種類に応じて選択でき、例えば、150〜300℃、好ましくは170〜250℃、さらに好ましくは180〜230℃程度であってもよい。混練時間は、特に限定されないが、本発明の方法では、短時間で樹脂組成物を得られることが多いため、混練時間は、例えば1分〜5時間、好ましくは3分〜3時間、さらに好ましくは5分〜1時間(特に8〜30分)程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物(第1の樹脂組成物)を調製するための調製温度(混練温度)を過度に高くする必要がなく、熱履歴に伴う着色を抑制できる。
なお、混練工程において、各成分は、複数回に分けて混練系に添加してもよい。例えば、少なくともパルプと9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを含む組成物を予め混練し、さらに熱可塑性樹脂及び添加剤を加えてもよい。
[第2の樹脂組成物及び成形体、並びにその製造方法]
本発明の第2の樹脂組成物は、成形に適した樹脂組成物(成形用樹脂組成物)であり、第1の熱可塑性樹脂を含む第1の樹脂組成物(例えば、マスターバッチ)と、第2の熱可塑性樹脂とを含み、第1の樹脂組成物(マスターバッチ)と第2の熱可塑性樹脂とを混練(又は混合)すること(マスターバッチを第2の熱可塑性樹脂で希釈すること)により製造できる。
第2の熱可塑性樹脂としては、第1の熱可塑性樹脂として例示の熱可塑性樹脂であってよく、好ましい熱可塑性樹脂も同様である。第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とは、同一又は同系統であっても、異なる系統であってもよく、通常、同一又は同系統の熱可塑性樹脂が使用される。
第2の樹脂組成物中(第1の熱可塑性樹脂及び第2の熱可塑性樹脂、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量)において、フィブリル化繊維の割合(含有量)は、例えば、1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは5〜20質量%(例えば、8〜15質量%)程度であってもよい。フィブリル化繊維の割合が少なすぎると、樹脂の補強効果が低下し、機械的強度が低下する虞がある。
第1の樹脂組成物(マスターバッチ)と、第2の熱可塑性樹脂との割合は、特に制限されず、第2の樹脂組成物が所望のフィブリル化繊維含有量(フィブリル化繊維濃度)となるように調製すればよく、例えば、第2の熱可塑性樹脂の割合は、マスターバッチ(第1の熱可塑性樹脂と、フィブリル化繊維と、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物との総量)100質量部に対して、50〜1000質量部(例えば、80〜500質量部)の範囲から選択でき、好ましくは100〜400質量部(例えば、120〜350質量部)、さらに好ましくは150〜300質量部(例えば、180〜250質量部)程度であってもよい。
混練温度としては、例えば、熱可塑性樹脂(第1の及び第2の熱可塑性樹脂)のガラス転移温度(又は軟化点)以上の温度(又はガラス転移温度以上、セルロースの分解温度未満の温度)であればよく、例えば、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは170〜230℃程度であってもよい。混練時間は、例えば、30秒〜1時間、好ましくは1〜30分、さらに好ましくは2〜10分程度であってもよい。
本発明の第2の樹脂組成物は、フィブリル化繊維の割合が高くても(フィブリル化繊維を高濃度で含有しても)、高い流動性(溶融流動性)を有している。本発明の第2の樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、試験荷重25kg、温度240℃、ノズル径1.0mm×1.0mmΦの条件で測定したとき、例えば、100〜350g/10分(例えば、110〜300g/10分)、好ましくは120〜280g/10分(130〜250g/10分)、さらに好ましくは140〜220g/10分(例えば、150〜200g/10分)程度であってもよい。
また、本発明の第2の樹脂組成物の溶融流動性は、ベース樹脂としての熱可塑性樹脂単体の溶融流動性(例えば、メルトフローレート(MFR))を100とするとき、例えば、80以上(例えば、85〜150)、好ましくは90以上(例えば、93〜130)、さらに好ましくは95以上(例えば、97〜110程度)であってもよい。
第2の樹脂組成物は、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などにより成形した成形体としてもよい。成形体は、二次元的構造(フィルム、シート、板など)に限らず、三次元的構造(例えば、管、棒、チューブ、中空品など)などであってもよく、ハウジング、ケーシングなどであってもよい。
なお、本発明の第1の樹脂組成物、第2の樹脂組成物、及び成形体は、必要により、種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、耐衝撃改良剤、流動性改良剤、補強材(充填剤など)、着色剤、色相改良剤、滑剤、離型剤、分散剤、抗菌剤、防腐剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[繊維径の評価方法]
実施例及び比較例において、各繊維径を以下の方法で測定した。
(パルプ繊維部の平均繊維径D1、平均繊維長L、平均アスペクト比L/D1)
塩化カルシウム/メタノール水溶液(質量比 無水塩化カルシウム:メタノール:水=3:6:1)を用いて、実施例又は比較例で得られたマスターバッチ中のフィブリル化繊維以外の成分を溶出させ、固形分濃度が0.2質量%のフィブリル化繊維の分散液を調製した。この分散液を偏光顕微鏡(50倍)で観察し、パルプ繊維部を30点ランダムに選択し、各パルプ繊維部の繊維径(D1i)、繊維長(Li)を測定した(i=1〜30)。測定した繊維径(D1i)及び繊維長(Li)を用いて、平均繊維径D1及び平均繊維長Lを下記式(5)及び式(6)により算出した。
また、平均アスペクト比は、平均繊維径に対する平均繊維長の割合(L/D1)により求めた。
(フィブリル化繊維の算術平均繊維径D2、最大繊維径D3、最小繊維径D4、加重平均繊維径D5)
実施例及び比較例で得られたマスターバッチ中のフィブリル化繊維以外の成分を選択的に溶解可能な塩化カルシウム/メタノール水溶液(質量比 無水塩化カルシウム:メタノール:水=3:6:1)に溶出させてフィブリル化繊維以外の成分を除去し、パルプ繊維部及びフィブリル部を備えた繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率1000倍)で観察した。1視野中に観察されるパルプ繊維部と、このパルプ繊維部を幹としたフィブリル部とを合わせてランダムに50点選択し、選択した50点それぞれの繊維径(D2j、j=1〜50)を測定した。この測定した繊維径(D2j)を用いて、算術平均繊維径D2を下記式(7)により算出した。また、測定した繊維径(D2j)のうち、最も大きな繊維径を最大繊維径(D3)、最も小さな繊維径を最小繊維径(D4)とした。また、加重平均繊維径(D5)は、下記式(8)により算出した。
(フィブリル化繊維の多分散度)
それぞれ上記の方法(SEM画像からの算出)で求めたフィブリル化繊維の加重平均繊維径D5とフィブリル化繊維の算術平均繊維径D2とを用い、算術平均繊維径D2に対する加重平均繊維径D5の割合(D5/D2)をフィブリル化繊維の繊維径の多分散度とした。
(実施例1)
2mm×5mm角程度のチップ状に裁断したパルプ100質量部に対し、ポリアミド6(ユニチカ(株)製、「ナイロン6 A1020BRL」、以下PA6と称する)200質量部、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)33.5質量部とをニーダ((株)栗本鐵工所製、「KRCニーダS2」)で、混練温度200℃、吐出量8.88kg/h、回転数300rpmの条件で、混練することにより、マスターバッチ1(第1の樹脂組成物1)を調製し、マスターバッチ1中のフィブリル化繊維のパルプ繊維部の平均繊維径、平均繊維長、及び平均アスペクト比、さらにフィブリル化繊維の平均繊維径、最大繊維径、最小繊維径、加重平均繊維径及び繊維径の多分散度を測定した。得られたマスターバッチ1中のフィブリル化繊維の偏光顕微鏡観察結果を図1に、走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果を図2に示す。
図1及び図2の結果から明らかであるように、パルプ繊維部の平均繊維長は保たれつつ、パルプ繊維の表面がフィブリル化した状態に解繊されていることが確認された。また、フィブリル化繊維は樹脂中に略均一に分散していた。また、得られたマスターバッチ1は、着色が少なかった。
得られたマスターバッチ1及びPA6を用いて、二軸押出機((株)テクノベル製、「KZW15TW−45MG−NH」)にて、シリンダー温度80〜225℃、回転数100rpmの条件で混練しながら真空ベント処理を行い、フィブリル化繊維濃度(樹脂組成物中のフィブリル化繊維の含有割合)が10質量%である成形用樹脂組成物1(第2の樹脂組成物1)を調製した。
成形樹脂組成物1の溶融流動性(メルトフローレート、MFR)を高架式フローテスター((株)島津製作所製、「CFT−500」)を用い、試験荷重25kg、温度240℃、ノズル径1.0mm×1.0mmΦの条件で測定した。
得られた成形用樹脂組成物1を用いて、小型射出成形機(Thermo Fisher Scientific(株)製、「HAAKE MiniJet Pro」)により、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を成形し、下記基準により外観を評価した。
○:乳白色〜淡黄色
×:黄色〜茶褐色
また、上記で作製した試験片を用いて、JIS K 7171に従って曲げ試験片の曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率)を、JIS K 7110に従って、アイゾット衝撃試験(ノッチ無し)を行った。
(実施例2)
パルプ100質量部に対して、PA6を169質量部、BPEFを39.4質量部とした以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチ2を調製し、マスターバッチ2中のパルプ繊維部の平均繊維径、平均繊維長、及び平均アスペクト比、さらにフィブリル化繊維の平均繊維径、最大繊維径、最小繊維径、加重平均繊維径及び繊維径の多分散度を測定した。得られたマスターバッチ2中のフィブリル化繊維の偏光顕微鏡観察結果を図3に、走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果を図4に示す。得られたマスターバッチ2は、実施例と1同様に着色が少なかった。
得られたマスターバッチ2及びPA6を用いて、実施例1と同様の方法でフィブリル化繊維濃度が10質量%である成形用樹脂組成物2を調製し、実施例1と同様に各評価を行った。
(比較例1)
パルプ100質量部に対し、PA6を232.9質量部とし、BPEFに代えて、N−メチルピロリドン(以下NMP)を37.1質量部用いた以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチ3を調製し、マスターバッチ3中のパルプ繊維部の平均繊維径、平均繊維長、及び平均アスペクト比、さらにフィブリル化繊維の平均繊維径、最大繊維径、最小繊維径、加重平均繊維径及び繊維径の多分散度を測定した。得られたマスターバッチ3中のフィブリル化繊維の偏光顕微鏡観察結果を図5に、走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果を図6に示す。得られたマスターバッチ3は、着色が強く、図5及び図6の結果より、パルプ繊維部の平均繊維長は保たれているものの、ナノ繊維化が大幅に進行していることが確認された。また、ニーダによる混練過程において、NMPが揮散し、作業環境が非常に悪い状況であった。
得られたマスターバッチ3及びPA6を用いて、実施例1と同様の方法でフィブリル化繊維濃度が10質量%である成形用樹脂組成物3を調製し、実施例1と同様に各評価を行った。
(比較例2)
ニーダによる混練過程で、パルプ100質量部に対して、PA6を233.8質量部とし、BPEFを添加しなかった以外は、実施例1と同様に処理を実施した。しかしながら、混練途中でパルプが十分に分散されず、混練機に詰まりが生じてしまい、マスターバッチの調製ができなかった。
(比較例3)
ニーダによる混練過程で、パルプ100質量部に対し、BPEFを100重量部とし、PA6を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてマスターバッチ4を調製した。得られたマスターバッチ4中のパルプ繊維の偏光顕微鏡観察結果を図7に、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果を図8に示す。図7及び図8の結果から、得られたマスターバッチ4は、着色が薄いものの、パルプ繊維の断片化が進行し、かつフィブリル化が生じていないことが確認された。そのため、マスターバッチ4中のパルプ繊維をパルプ繊維部として平均繊維径、平均繊維長、及び平均アスペクト比を求めた。また、偏光顕微鏡での測定結果から、パルプ繊維の加重平均繊維径を算出すると26.8μmであり、パルプ繊維の多分散度(加重平均繊維径/平均繊維径)は1.2であった。また、図7及び図8の結果から、パルプ繊維の断片化が進行し、かつフィブリル化が生じていないことが確認された。
得られたマスターバッチ4及びPA6を用いて、実施例1と同様の方法で繊維濃度が10質量%である成形樹脂組成物4を調製し、実施例1と同様に各評価を行った。
(参考例1)
PA6を単独で成形樹脂組成物として用い、実施例1と同様に各評価を行った。
実施例1、2、比較例1、3及び参考例1の結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1及び2は、多分散度が3以上と大きく、かつ加重平均繊維径が6μm以上と大きいことから、パルプが適度に解繊された状態であることが確認できた。また、実施例1及び2は、曲げ強度、曲げ弾性率及び衝撃強度が高く、さらに溶融流動性も良好であった。一方、比較例1は多分散度が3未満、かつ加重平均繊維径が2.5μmと小さいことから、解繊が進行しすぎていることが確認され、また実施例と比較して衝撃強度及びMFRが著しく低かった。比較例3は、フィブリル化が生じておらず、パルプ繊維の多分散度が1.2とほぼ単分散であり、かつパルプ繊維の加重平均繊維径も26.8μmと大きいことから、ほぼ解繊が進行していないことが確認された。また、比較例3は衝撃強度が低かった。
本発明の樹脂組成物(マスターバッチ又は樹脂補強剤)、成形樹脂組成物及び成形体は、幅広い用途、樹脂(例えば、ポリアミド樹脂)の補強材、添加剤、フィルムやシートの材料などとして利用できる。また、成形樹脂組成物(成形材料)は、靱性、強度、弾性率などのバランスの優れた特性を備えるため、例えば、種々の樹脂成形品[例えば、電気・電子部品の梱包材料、建築資材(壁材など)、土木資材、農業資材、包装資材(容器、緩衝材など)、生活資材(日用品など)など]、液晶ディスプレイ基板や太陽電池基板などの種々の材料;光学シート、などの他;高い強度を有するため、自動車部品(ボディ、フード、ドア、ドライブシャフトなど)、スポーツ用品(ゴルフシャフト、テニスラケットフレームなど)、レジャー用品(釣り竿など)などにも利用できる。また、各種分野の成形部材(例えば、ケーシング、ハウジングなどの成形体)に利用できる。

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂とフィブリル化繊維とを含む樹脂組成物であって、さらに、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物を含み、前記フィブリル化繊維が、幹部を形成するパルプ繊維部と、このパルプ繊維部の表面から枝状に延びるフィブリル部とを備えており、前記フィブリル化繊維の加重平均繊維径が、3〜20μmであり、かつ前記フィブリル化繊維の算術平均繊維径に対する前記加重平均繊維径の割合で表される多分散度が、3以上である樹脂組成物。
  2. フィブリル化繊維の算術平均繊維径が0.5〜15μmであり、フィブリル化繊維の最大繊維径が40μm以下、かつ最小繊維径が0.01μm以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. パルプ繊維部の平均アスペクト比が10以上である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂を含む請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
    (式中、環Zはアレーン環、Xは下記式(2−1)、(2−2)、又は(2−3)で表される基を示し、nは1〜3の整数、R及びRは置換基を示し、pは0又は1以上の整数、kは0〜4の整数を示す。)
    (式中、Rは水素原子又はアルキル基、Rはアルキレン基、m1及びm2はそれぞれ0又は1以上の整数を示す)。
  6. 式(1)中、Xが式(2−3)で表される基である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物の割合が、フィブリル化繊維100質量部に対して、15〜60質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 樹脂組成物が、アミド系溶媒を含まない請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 熱可塑性樹脂、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対して、フィブリル化繊維を10〜50質量%の割合で含むマスターバッチである請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載のマスターバッチが、熱可塑性樹脂で希釈され、熱可塑性樹脂、フィブリル化繊維及び9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有する化合物の総量に対して、フィブリル化繊維を1〜30質量%の割合で含む請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
  12. パルプと、熱可塑性樹脂と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを混練し、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物を製造する方法。
  13. 溶媒を用いることなく混練する請求項12に記載の方法。
  14. 請求項9に記載のマスターバッチと熱可塑性樹脂とを混練し、請求項10に記載の樹脂組成物を製造する方法。
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