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JP2019510022A - 半減期が延長されリガンド結合性が低下した第viii因子 - Google Patents

半減期が延長されリガンド結合性が低下した第viii因子 Download PDF

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Abstract

本発明は、水溶性重合体を治療タンパク質の酸化糖質部分に結合させる材料及び方法に関し、結合を可能にする条件下、酸化糖質部分と活性化水溶性重合体とを接触させることを含む。より詳細には、本発明は、半減期が延長されリガンド結合性が低下した修飾組換え第VIII因子(FVIII)に関する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月3日出願の米国特許仮出願番号第62/262,674号の優先権を主張し、これは、参照することにより本明細書に援用される。
発明の分野
本発明は、第VIII因子(FVIII)の半減期を延長する材料及び方法に関する。
発明の背景
血友病A及びBの人々における出血の治療及び/または予防に広く認められた方法には、因子補充療法が含められることが多い。因子補充療法は、第VIII因子(FVIII)及び第IX因子(FIX)などの血液凝固タンパク質の輸液(血流中への注射)が関与する。これらのタンパク質は、典型的には、ヒト血漿からの単離、及び遺伝子操作された細胞株での発現でという、2種類の提供源に由来する。欠損している凝固因子の補充は、永久的ではないため、そのような療法を受ける患者は、因子を繰り返し輸液されなければならない。
FVIIIなどの治療タンパク質の薬理学的性質及び免疫学的性質は、化学修飾及び重合体化合物との結合により改善することができる。ポリシアル酸(PSA)は、コロミン酸(CA)とも称するが、これは天然起源の多糖である。PSAは、α(2→8)ケトシド結合を持つN−アセチルノイラミン酸ホモ重合体であり、その非還元末端に隣接ジオール基を有する。この重合体は負電荷を有し、ヒト身体の天然成分である。PSAは、大量に、及び予め定めた物理特性を持つように、細菌から容易に産生させることができる(米国特許第5,846,951号(特許文献1))。細菌により産生されるPSAは、ヒト体内で産生されるPSAと同じシアル酸単量体からなる。重合体の中にはそうでないものもあるが、PSAは生分解性である。
コロミン酸とカタラーゼ及びアスパラギナーゼとの共有結合カップリングは、タンパク質分解酵素または血漿の存在下での酵素安定性を高めることが示されている。ポリシアル酸化アスパラギナーゼ及び非修飾アスパラギナーゼを用いたin vivo比較試験は、ポリシアル酸化が酵素の半減期を延長することを明らかにした(Fernandes and Gregoriadis,Int J Pharm.2001,217,215−24(非特許文献1))。
種々の試薬に関連する費用を最小限に抑え、かつ患者レシピエントに対する健康リスクを最小限に抑えつつ、タンパク質の薬物動力学的及び/または薬物動態学的性質を改善するための、水溶性重合体をタンパク質に結合させる材料及び方法の開発は、依然として必要とされている。
米国特許第5,846,951号
Fernandes and Gregoriadis,Int J Pharm.2001,217,215−24
本発明は、タンパク質のin vivo半減期、薬物動力学的及び/または薬物動態学的性質を改善するために、重合体をタンパク質に結合させるための材料及び方法を提供する。
1つの実施形態において、修飾第VIII因子(FVIII)が提供される。修飾FVIIIは、FVIII半減期を延長するとともに、FVIIIに結合するリガンドとの修飾FVIIIの結合を減少させる修飾を含む。リガンドの例は、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)及び低密度リポタンパク質(LDL)受容体関連タンパク質1(LRP1)から選択される。修飾の例は、本明細書中記載されるが、例えば、水溶性重合体の付加などの化学修飾が挙げられる。
例示実施形態において、修飾FVIIIは、血漿由来である。例示実施形態において、FVIIIは、遺伝子組換えにより改変宿主細胞から産生される。様々な実施形態において、修飾FVIIIは、インタクトBドメインを含む。様々な実施形態において、FVIIIは、全長FVIIIであり、インタクトBドメインを含む。
例示実施形態において、修飾FVIIIは、非修飾FVIIIよりも低い親和性(KD)でVWF及びLRP1に結合する。
例示実施形態において、修飾FVIIIは、FVIIIと結合したポリシアル酸(PSA)を含む。この実施形態で使用されるPSA部分の例は、約20kDaの平均分子量を有する。例示実施形態において、PSAは、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、または約50kDaから選択される平均分子量を有する。例示実施形態において、PSAは、低多分散度を有する。例示PSA結合体は、PSAとFVIII分子の間にアミノオキシリンカーを含む。例示アミノオキシリンカーは、修飾FVIIIの酸化糖質に付加されている。
本発明は、医薬組成物も提供する。例示医薬配合物は、上記の修飾FVIII、ならびに薬学上許容される担体、希釈剤、塩、緩衝剤、及び/または賦形剤を含む。
様々な実施形態において、上記の修飾FVIIIは、PEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有する。様々な実施形態において、上記の修飾FVIIIは、PEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有し、このPEG化FVIIIはPEG部分と結合しており、このPEG部分は、in vivo半減期がより長い方のFVIIIに結合しているPSAとほぼ同じ平均分子量である。例示実施形態において、PSA修飾FVIIIは、約20kDaの平均分子量を有するPSA部分と結合しており、約20kDaの平均分子量を有するPEG部分と結合しているPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有する。様々な実施形態において、半減期は、倍率で約1倍、約2倍、または約3倍長くなっている。さらに他の様々な実施形態において、半減期は、倍率で約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、または約10倍長くなっている。
例示実施形態において、上記のPSA修飾FVIIIは、上記のPSA修飾FVIII及びPEG化FVIII両者の結合を同等な条件下で測定した場合、PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1への結合よりも低い結合親和性で、VWFまたはLRP1に結合する。例示実施形態において、上記のPSA修飾FVIIIは、上記のPSA修飾FVIII及びPEG化FVIII両者の結合を同等な条件下で測定しており、PEG及びPSAが、ほぼ同じ平均分子量のものである場合、PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1への結合よりも低い結合親和性で、VWFまたはLRP1に結合する。様々な実施形態において、VWFまたはLRP1への結合は、PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1への結合よりも、倍率で約0.5倍低い。さらに他の実施形態において、VWFまたはLRP1への結合は、PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1との結合よりも、倍率で約0.1倍、約0.2倍、約0.3倍、約0.4倍、約0.5倍、約0.6倍、約0.7倍、約0.8倍、約0.9倍、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、または約10倍低い。
1つの実施形態において、FVIII半減期を延長するとともに修飾FVIIIのVWF及びLRP1からなる群より選択されるリガンドへの結合を減少させる修飾を含む修飾組換えFVIIIが提供され、この修飾は、アミノオキシリンカーを通じてPSAをFVIIIに付加することを含む。例示実施形態において、アミノオキシリンカーは、修飾FVIIIの酸化糖質に付加されており、この修飾組換えFVIIIのin vivo半減期は、非修飾組換えFVIII及び/またはPEG化組換えFVIIIよりも長く、この修飾組換えFVIIIのVWFまたはLRP1に対する結合親和性は、非修飾組換えFVIII及び/またはPEG化組換えFVIIIによるVWFまたはLRP1への結合よりも低い。例示実施形態において、比較対象種は、ほぼ同じ平均分子量のPSA及びPEG部分を含む。
本発明はさらに、そのような治療を必要とする対象を、本発明の修飾FVIIIで治療する方法を提供する。例示実施形態において、開示される修飾FVIIIを含む本発明の医薬組成物が、FVIII欠乏、または別の因子(例えば、FVII、FIX)の欠乏と関連した疾患または障害と診断された哺乳類に投与される。
例示実施形態において、本発明は、哺乳類対象において出血性障害を治療する方法を提供する。例示方法は、上記の修飾FVIIIまたはその医薬組成物を、そのような治療を必要としている対象に、出血性障害の1つまたは複数の症候を減少または除去するのに有効な量で投与することを含む。例示実施形態において、医薬配合物の投与は、4日ごとに1回以下、5日ごとに1回以下、6日ごとに1回以下、7日ごとに1回以下、8日ごとに1回以下、9日ごとに1回以下、または10日ごとに1回以下で、対象に投与した場合に、出血性障害の1つまたは複数の症候を減少または除去するのに有効な量を達成する。
密度の異なる3種のセンサーチップ固定VWFで、PSA−rFVIII群及び再緩衝化rFVIIIについてRmaxで表した結合シグナルを示し、Rmaxは飽和下での最大結合として計算されたものである。 PSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIについて、LRP1に対するFVIIIタンパク質濃度依存的結合の結果を示す。 rFVIIIはLRP1に強固に結合し、PEG−rFVIIIはLRP1との残留会合を示し、PEG−rFVIIIは、LRP1と事実上会合できなかったことを示す。 トロンビンによるFVIII活性化後の経時的FXa生成を示す。 再緩衝化rFVIII及びPSA−rFVIIIについて、ピークトロンビン生成曲線の評価結果を示す。 再緩衝化rFVIII及びPSA−rFVIIIについて、合計トロンビン生成曲線を示す。 マウスにおいて、PEG化及びポリシアル酸化rFVIIIが、rFVIIIに比べて改善されたPKパラメーターを示したことを示す。 ラットにおいて、PEG化及びポリシアル酸化rFVIIIが、rFVIIIに比べて改善されたPKパラメーターを示したことを示す。 マカクにおいて、PEG化及びポリシアル酸化rFVIIIが、rFVIIIに比べて改善されたPKパラメーターを示したことを示す。
治療タンパク質の薬理学的及び免疫学的性質は、化学修飾及びポリシアル酸(PSA)などの重合体化合物との結合により、改善することができる。得られる結合体の性質は、一般に、重合体の構造及び大きさに強く依存する。そのため、明確で狭い寸法分布を持つ重合体が、当該分野で一般に好適である。PEGのような合成重合体は、狭い寸法分布で容易に製造可能であるが、一方PSAは、狭い寸法分布を持つ最終PSA調製物をもたらすような様式で精製することが可能である。
本明細書中記載されるとおり、ポリシアル酸化を通じてなどの可溶性重合体の付加は、FVIIIなどの治療タンパク質の性質を改善する1つのアプローチである。
治療タンパク質
血液凝固タンパク質
1つの態様において、本発明の出発物質は、血液凝固タンパク質であり、このタンパク質は、ヒト血漿に由来するものでも、米国特許第4,757,006号、米国特許第5,733,873号、米国特許第5,198,349号、米国特許第5,250,421号、米国特許第5,919,766号、及びEP306968に記載されるとおり、組換え操作技法により生成させることも可能である。最近の例として、米国特許第7,645,860号、米国特許第8,637,640号、米国特許第8,642,737号、及び米国特許第8,809,501号が追加して挙げられる。
治療ポリペプチド、例えば、第IX因子(FIX)、第VIII因子(FVIII)、第VIIa因子(FVIIa)、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)、第FV因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子(FXI)、第XII因子(FXII)、トロンビン(FII)、タンパク質C、タンパク質S、tPA、PAI−1、組織因子(TF)、及びADAMTS13プロテアーゼをはじめとする血液凝固タンパク質は、タンパク質分解酵素により迅速に分解され、抗体により中和される。このことが、これらの半減期及び循環時間を減少させ、それによりこれらの治療有効性を限定している。これらの凝固タンパク質の所望の治療効果または予防効果に到達して維持するためには、比較的高用量及び頻繁な投与が必要である。結果として、適切な用量調節を得ることが困難になり、頻繁な静脈内投与の必要性は、患者の生活様式に制限を課す。
本明細書中記載されるとおり、第IX因子(FIX)、第VIII因子(FVIII)、第VIIa因子(FVIIa)、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)、第FV因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子、第XII因子(FXII)、トロンビン(FII)、タンパク質C、タンパク質S、tPA、PAI−1、組織因子(TF)、及びADAMTS13プロテアーゼを含むがこれらに限定されない血液凝固タンパク質が本発明により企図される。本明細書中使用される場合、「血液凝固タンパク質」という用語は、その特定の天然血液凝固タンパク質に付随する生物活性を表出する、第IX因子(FIX)、第VIII因子(FVIII)、第VIIa因子(FVIIa)、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)、第FV因子(FV)、第X因子(FX)、第XII因子(FXII)、トロンビン(FII)、タンパク質C、タンパク質S、tPA、PAI−1、組織因子(TF)、及びADAMTS13プロテアーゼのいずれかを示す。
血液凝固カスケードは、内因性経路、外因性経路、及び共通経路の、3つの異なるセグメントに分けられる(Schenone et al.,Curr Opin Hematol.2004,11,272−7)。カスケードには、一連のセリンプロテアーゼ酵素(酵素原)及びタンパク質補因子が関与する。カスケードでは、必要になると、不活性酵素原前駆体が活性型に変換され、活性型が、引き続き次の酵素に変換される。
内因性経路は、凝固因子VIII、IX、X、XI、及びXIIを必要とする。内因性経路の開始は、プレカリクレイン、高分子量キニノーゲン、第XI因子(FXI)、及び第XII因子(FXII)が、負電荷を有する表面と接触することで起こる。同じく必要であるのは、血小板から分泌されるカルシウムイオン及びリン脂質である。
外因性経路は、血管の内腔が損傷を受けると開始される。膜糖タンパク質組織因子が、露出し、次いで循環第VII因子(FVII)と、少量の予め存在するその活性型FVIIaに結合する。この結合が、FVIIからFVIIaへの完全変換を促進し、続いて、カルシウム及びリン脂質の存在下、第IX因子(FIX)から第IXa因子(FIXa)への変換及び第X因子(FX)から第Xa因子(FXa)への変換を促進する。FVIIaと組織因子との会合は、FVIIの基質(FIX及びFX)結合部位をより近位へと近づけることにより、及びFVIIaの酵素活性を向上させる立体構造変化を誘導することにより、タンパク質分解活性を向上させる。
FXの活性化は、2つの経路で共通する点である。第Va因子(FVa)及び第Xa因子は、リン脂質及びカルシウムと共に、プロトロンビンをトロンビンに変換し(プロトロンビナーゼ複合体)、次いでこれがフィブリノーゲンを切断して、フィブリン単量体を形成させる。単量体は、重合してフィブリン鎖を形成する。第XIIIa因子(FXIIIa)は、これらの鎖を互いに共有結合させて、強固な網を形成させる。
FVIIからFVIIaへの変換は、複数のプロテアーゼによっても触媒され、そのようなプロテアーゼとして、トロンビン、FIXa、FXa、第XIa因子(FXIa)、及び第XIIa因子(FXIIa)が挙げられる。カスケードの初期段階を阻害する場合、組織因子経路阻害剤は、FVIIa/組織因子/FXa生成物複合体を標的とする。
第VIII因子
凝固第VIII因子(FVIII)は、非常に低濃度で血漿中を循環し、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)と非共有結合している。止血の間、FVIIIは、VWFから分離して、カルシウム及びリン脂質または細胞膜の存在下で、活性化第IX因子(FIXa)介在FX活性化速度を向上させることにより、この活性化の補因子として作用する。
トロンビンにより活性化したFVIIIは、低密度リポタンパク質受容体タンパク質(本明細書中以下、「LRP」と称する)への結合に関わるとされている(Yakhyaev,A.et al.,Blood,vol.90(Suppl.1),1997,126−I、本明細書中参照として援用される)。非活性化FVIIIが、多機能エンドサイトーシス受容体である低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)と相互作用することも実証されている(Lenting,P.J.,Neels,J.G.,van den Berg,B.M.M.,Clijsters,P.P.F.M.,Meijerman,D.W.E.,Pannekoek,H.,van Mourik,J.A.,Mertens,K.,and van Zonneveld,A.,−J.J.Biol.Chem.1999,274,23734−23739、WO 00/28021、Saenko,E.L.,Yakhyaev,A.V.,Mikhailenko,I.,Strickland,D.K.,and Sarafanov,A.G.J.Biol.Chem.1999,274,37685−37692、本明細書中参照により援用される)。この受容体は、FVIIIの循環からのクリアランスで役割を果たすことが示唆されている(Saenko,E.L.,et al,既出、Schwarz,H.P.,Lenting,P.J.,Binder,B.,Mihaly,J.,Denis,C.,Domer,F.,and Turecek,P.L.Blood 2000,95,1703−1708、本明細書中参照により援用される)。
LRPは、低密度リポタンパク質(LDL)受容体ファミリーの一員であり、このファミリーは、LDL受容体、超低密度リポタンパク質受容体、アポリポタンパク質E受容体2、及びメガリンも含む(総説については、Neels J.G.,Horn,I.R.,van den Berg,B.M.M.,Pannekoek,H.,and van Zonneveld,A.−J.Fibrinolysis Proteolysis 1998,12,219−240、Herz,J.,and Strickland,D.K.J.Clin.Invest.2001,108,779−784を参照、本明細書中参照により援用される)。LRPは、様々な組織で発現し、そのような組織として、肝臓、肺、胎盤、及び脳が挙げられる(Moestrup,S.K.,Gliemann,J.,and Pallesen,G.Cell Tissue Res.1992,269,375−382、本明細書中参照により援用される)。この受容体は、細胞外の515kDaアルファ鎖からなり、この鎖は膜貫通85kDaベータ鎖と非共有結合している(Herz,J.,Kowal,R.C.,Goldstein,J.L.,and Brown,M.S.EMBO J.1990,9,1769−1776、本明細書中参照により援用される)。アルファ鎖は、4つのクラスターを含有し、クラスターはそれぞれ異なる数の補体型リピートからなり、リピートは、多くの構造的及び機能的に無関係のリガンドの結合に介在する(Moestrup,S.K.,Hotlet,T.L.,Etzerodt,M.,Thogersen,H.C.,Nykjaer,A.,Andreasen,P.A.,Rasmussen,H.H.,Sottrup−Jensen,L.,and Gliemann,J.J.Biol.Chem.1993,268,13691−13696、Willnow,T.E.,Orth,K.,and Herz,J.J.Biol.Chem.1994,269,15827−15832、 Neels,J.G.,van den Berg,B.M.M.,Lookene,A.,Olivecrona,G.,Pannekoek,H.,and van Zonneveld,A.−J.J.Biol.Chem.1999,274,31305−31311、本明細書中参照により援用される)。
ベータ鎖は、膜貫通ドメイン及びエンドサイトーシスに不可欠な短い細胞質テイルを含む。アルファ鎖は、巨大外部ドメインとして機能し、上皮成長因子様ドメイン、Tyr−Trp−Thr−Asp配列、及びLDL受容体クラスAドメインの3種類のリピートを含む。これらのクラスAドメインは、リガンド結合に関わるとされており、クラスターI(2つのドメイン)、クラスターII(8つのドメイン)、クラスターIII(10のドメイン)、及びクラスターIV(11のドメイン)と呼ばれる4つの別個のクラスターで存在する。
LRPは、活性化非酵素補因子第VIIIa因子とも結合する(Yakhyaev,A.et al.,Blood,vol.90,(Suppl.1),1997,126−I)。FVIII軽鎖は、組換えLRPクラスターII及びIVと相互作用することが実証されており、一方LRPクラスターI及びIIIへの結合は観察されなかった(Neels,J.G.,et al 1999既出)。
FVIIIは、ドメイン構造A1−A2−B−A3−C1−C2を持つ約270〜330kDの一本鎖前駆体として合成される。血漿から精製された場合(例えば、「血漿由来」または「血漿性」)、FVIIIは、重鎖(A1−A2−B)及び軽鎖(A3−C1−C2)で構成される。軽鎖の分子量は80kDであるが、一方、重鎖は、Bドメイン内でのタンパク質分解により、90〜220kDの範囲にある。
FVIIIは、出血性障害の治療用途で組換えタンパク質としても合成される。治療薬としての組換えFVIII(rFVIII)の潜在的有効性を明らかにするために、様々なin vitroアッセイが考案されている。そうしたアッセイは、内因性FVIIIのin vivo効果を模倣する。FVIIIのin vitroでのトロンビン処理は、in vitroアッセイにより測定した場合、その凝血原活性の急激な上昇及びその後の低下をもたらす。この活性化及び不活性化は、重鎖及び軽鎖両方における特定の限定的タンパク質分解と一致し、この分解は、FVIIIの異なる結合エピトープの利用可能性を変更して、例えばFVIIIがVWFから解離して、リン脂質表面に結合することを可能にし、またはある特定のモノクローナル抗体との結合能力を変更させる。
FVIIIの欠乏または機能不全は、最も頻度の高い出血性障害である血友病Aと関連する。血友病Aに対処するための選択治療は、血漿由来またはrFVIII濃縮製剤を用いた補充療法である。FVIIIレベルが1%未満の重篤な血友病Aの患者は、一般に、投薬間のFVIIIを1%超に維持する目的で予防的治療を受けている。様々なFVIII製品の循環中平均半減期を考慮すると、この目的は、通常、FVIIIを週に2〜3回投与することにより達成可能である。
参照ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列として、例えば、UniProtKB/Swiss−Prot P00451(FA8_ヒト)、Gitschier J et al.,Characterization of the human Factor VIII gene,Nature,1984,312(5992),326−30、Vehar GH et al.,Structure of human Factor VIII,Nature,1984,312(5992),337−42、Thompson AR.Structure and Function of the Factor VIII gene and protein,Semin Thromb Hemost,2002,2003:29,11−29が挙げられる。
ポリペプチド
1つの態様において、本発明の出発物質は、タンパク質またはポリペプチドである。本明細書中記載されるとおり、治療タンパク質という用語は、治療タンパク質に付随する生物活性を表出する任意の治療タンパク質分子を示す。本発明の1つの実施形態において、治療タンパク質分子は、全長タンパク質である。1つの実施形態において、治療タンパク質は、半減期を延長するように修飾されたFVIIIである。
企図される治療タンパク質分子として、全長タンパク質、全長タンパク質の前駆体、全長タンパク質の生物活性サブユニットまたは断片、ならびにこれらの形状の治療タンパク質のいずれかの生物活性誘導体及び変異体が挙げられる。したがって、治療タンパク質として、(1)少なくとも約25、約50、約100、約200、約300、約400、またはそれより多いアミノ酸領域にわたり、本明細書中記載される、参照核酸によりコードされるポリペプチドまたはアミノ酸配列と、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%、またはそれより高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有するもの、及び/または(2)本明細書中記載されるとおりの参照アミノ酸配列を含む免疫原、その免疫原性断片、及び/またはその保存的修飾変異体に対して産生された抗体、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体と特異的に結合するもの、が挙げられる。
本発明に従って、「組換え治療タンパク質」という用語は、組換えDNA技術を介して得られた任意の治療タンパク質を含む。ある特定の実施形態において、この用語は、本明細書中記載されるとおりのタンパク質を包含する。
本明細書中使用される場合、「内因性治療タンパク質」は、治療を受けることが意図される哺乳類から生じる治療タンパク質を含む。この用語は、この哺乳類に存在する導入遺伝子または任意の他の外来DNAから転写される治療タンパク質も含む。本明細書中使用される場合、「外因性治療タンパク質」は、治療を受けることが意図される哺乳類から生じたのではない血液凝固タンパク質を含む。
本明細書中使用される場合、「血漿由来」、「血漿由来血液凝固タンパク質」、または「血漿性」は、凝固経路に関与する性質を有する、哺乳類から得られた血液中に見つかる全ての形状のタンパク質を含む。
本明細書中使用される場合、「生物活性な誘導体」または「生物活性な変異体」は、分子の例えば結合性などの機能的及び/または生物学的性質、及び/またはペプチド骨格もしくは基本重合体単位などの基礎構造と実質的に同じ機能的及び/または生物学的性質及び/または基礎構造を有する、その分子の任意の誘導体または変異体を含む。
「変異体」または「誘導体」などの「類似体」とは、構造が実質的に類似しており、度合いが異なる場合があったとしても、天然起源の分子と同じ生物活性を有する化合物である。例えば、ポリペプチド変異体は、参照ポリペプチドと実質的に類似の構造を有し、同じ生物活性を有するポリペプチドを示す。変異体または類似体は、その類似体の由来元である天然起源のポリペプチドと比べて、それらのアミノ酸配列の組成に、1つまたは複数の変異に基づく違いがあり、そのような変異として、(i)ポリペプチドの1つまたは複数の末端及び/または天然起源のポリペプチド配列の1つまたは複数の内部領域(例えば、断片)での1つまたは複数のアミノ酸残基の欠失、(ii)ポリペプチドの1つまたは複数の末端での1つまたは複数のアミノ酸残基の挿入または付加(典型的には「付加」または「融合」)及び/または天然起源のポリペプチド配列の1つまたは複数の内部領域での1つまたは複数のアミノ酸残基の挿入または付加(典型的には「挿入」)、あるいは(iii)天然起源のポリペプチド配列中の1つまたは複数のアミノ酸残基の他のアミノ酸への置換、が挙げられる。例として、「誘導体」は、類似体の1種であり、参照ポリペプチドと同一または実質的に同様な構造を有する、例えば、化学的に修飾されたポリペプチドを示す。
変異体ポリペプチドは、類似体ポリペプチドの1種であり、1つまたは複数のアミノ酸残基が、本発明の治療タンパク質アミノ酸配列に付加されている挿入変異体を含む。挿入は、タンパク質の一端または両端に位置する場合も、及び/または治療タンパク質アミノ酸配列の内部領域内に位置する場合もある。一端または両端に追加残基を有する挿入変異体として、例えば、融合タンパク質、及びアミノ酸タグまたは他のアミノ酸標識を含むタンパク質が挙げられる。1つの態様において、血液凝固タンパク質分子は、特に分子が大腸菌(E.coli)などの細菌細胞で組換えにより発現する場合に、任意選択で、N末端Metを含有する。
欠失変異体では、本明細書中記載されるとおりの治療タンパク質ポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸残基が除去されている。欠失は、治療タンパク質ポリペプチドの一端または両端で実行され得る、及び/または治療タンパク質アミノ酸配列内の1つまたは複数の残基の除去で実行され得る。したがって、欠失変異体には、治療タンパク質ポリペプチド配列の断片が含まれる。
置換変異体では、治療タンパク質ポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸残基が、除去されて、代替残基に置き換えられている。1つの態様において、置換は、性質が保存されるものであり、この種の保存的置換は、当該分野で周知である。あるいは、本発明は、非保存的置換も包含する。保存的置換の例は、Lehninger,[Biochemistry,2nd Edition;Worth Publishers,Inc.,New York(1975),pp.71−77]に記載されているが、以下にも提示する。
Figure 2019510022
Figure 2019510022
あるいは保存的置換の例は、以下に提示するものである。
Figure 2019510022
ポリヌクレオチド
本発明の治療タンパク質をコードする核酸として、例えば特に限定せずに、遺伝子、プレmRNA、mRNA、cDNA、多形型変異体、アレル、合成変異体、及び天然起源の変異体が挙げられる。
本発明の治療タンパク質をコードするポリヌクレオチドとしてまた、特に限定せずに、(1)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、本明細書中記載されるとおりの参照アミノ酸配列をコードする核酸に特異的にハイブリダイズするもの、及びそれらの保存的修飾変異体、(2)本明細書中記載されるとおりの参照核酸配列に対して、少なくとも約25、約50、約100、約150、約200、約250、約500、約1000、またはそれより多いヌクレオチド(最大成熟タンパク質の1218ヌクレオチドの全長配列まで)の領域にわたり、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれより高いヌクレオチド配列同一性を有する核酸配列を有するもの、が挙げられる。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」条件の例として、50%ホルムアミド、5×SSC、20mMのNa・PO4、pH6.8中、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC中、55℃で30分間の洗浄が挙げられる。当然ながら、ハイブリダイズさせようとする配列の長さ及びGCヌクレオチド含有量に基づいて、これらの例示条件の改変形態を作ることが可能である。当該分野で標準である公式は、適切なハイブリダイゼーション条件を決定するのに適切である。Sambrook et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Second ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)§§9.47−9.51を参照。
「天然起源の」ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列とは、典型的には、哺乳類に由来するものであり、哺乳類として、ヒトなどの霊長類、ラット、マウス、ハムスターなどの齧歯類、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、または任意の哺乳類が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の核酸及びタンパク質は、組換え分子(例えば、異種性であり、野生型配列をコードするもの、またはその変異体、または天然起源ではないもの)が可能である。
治療タンパク質の製造
治療タンパク質の製造は、(i)遺伝子操作による組換えDNAの製造方法、(ii)例えば特に限定されないが、形質移入、電気穿孔法、もしくは微量注入による、原核もしくは真核生物細胞への組換えDNA導入方法、(iii)この形質転換細胞の培養方法、(iv)治療タンパク質の、例えば恒常的にまたは誘導に際しての発現方法、及び(v)精製治療タンパク質を得る目的で、例えば培養培地からまたは形質転換細胞を収穫することによる、この血液凝固タンパク質の単離方法、の当該分野で既知の任意の方法を含む。
他の態様において、治療タンパク質は、薬理学的に許容される血液凝固タンパク質分子を産生することを特徴とする原核もしくは真核生物宿主系中での発現により産生される。真核生物細胞の例として、哺乳類細胞、例えば、CHO、COS、HEK293、BHK、SK−Hep、及びHepG2などがある。
多種多様なベクターが、治療タンパク質の調製に使用され、それらは真核生物及び原核生物発現ベクターから選択される。原核生物発現用ベクターの例として、特に限定せずに、pRSET、pET、及びpBADなどのプラスミドが挙げられ、原核生物発現ベクターで使用されるプロモーターとして、特に限定せずに、lac、trc、trp、recA、またはaraBADの1種または複数種が挙げられる。真核生物発現用ベクターの例として、以下が挙げられる:(i)酵母菌での発現用として、特に限定せずに、pAO、pPIC、pYES、またはpMETなどのベクターに、特に限定せずに、プロモーターとしてAOX1、GAP、GAL1、またはAUG1などを使用する、(ii)昆虫細胞での発現用として、特に限定せずに、pMT、pAc5、pIB、pMIB、またはpBACなどのベクターに、特に限定せずに、プロモーターとしてPH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、またはpolhなどを使用する、及び(iii)哺乳類細胞での発現用として、特に限定せずに、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、またはpBPVなどのベクター、及び、1つの態様において、特に限定せずに、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、またはレトロウイルスなどのウイルス系に由来するベクターに、特に限定せずに、プロモーターとしてCMV、SV40、EF−1、UbC、RSV、ADV、BPV、及びβ−アクチンなどを使用する。
最近の追加例として,米国特許第7,645,860号、米国特許第8,637,640号、米国特許第8,642,737号、及び米国特許第8,809,501号が挙げられる。
投与
1つの実施形態において、本発明の結合型治療タンパク質は、注射、例えば、静脈内、筋肉内、または腹腔内注射により投与することができる。
本発明の結合型治療タンパク質を含む組成物を、ヒトまたは実験動物に投与するため、1つの態様において、組成物は、1種または複数種の薬学上許容される担体を含む。「薬学的に」または「薬理学的に許容される」という用語は、安定であり、凝集及び切断産物などのタンパク質分解を阻止し、それに加えて、以下で記載されるとおり、当該分野で周知である経路を用いて投与した場合にアレルギー性または他の有害反応を起こさない、分子実体及び組成物を示す。「薬学上許容される担体」として、あらゆる臨床上有用な溶媒、分散媒体、被覆剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張化剤、及び吸収遅延剤などが挙げられ、上に開示される作用剤が含まれる。
本明細書中使用される場合、「有効量」は、疾患または障害を治療するのに適切な、あるいは疾患または障害の症候を改善させるのに適切な用量を含む。1つの実施形態において、「有効量」は、本明細書中記載されるとおりの出血性障害を有する哺乳類を治療するのに適切な用量を含む。
組成物は、経口、外用、経皮、非経口、吸入スプレー、経膣、直腸、または頭蓋内注射により投与することができる。非経口という用語は、本明細書中使用される場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、大槽内注射、または輸液技法を含む。静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、くも膜下腔内、眼球後、肺内注射、及び/または特定部位での外科移植による投与も同様に企図される。一般に、組成物は、パイロジェン、ならびにレシピエントに対して有害となる可能性がある他の不純物を本質的に含まない。
組成物の単回または複数回投与は、治療する医師により選択される用量レベル及びパターンで行うことができる。疾患の予防または治療の場合、適切な投薬量は、上記のとおり、治療対象の疾患の種類、疾患の重篤度及び過程、薬の投与が予防目的なのか治療目的なのか、以前の治療、患者の病歴及び薬に対する反応、ならびに担当医師の判断に依存することになる。
本発明は、本明細書中定義されるとおりの結合型治療タンパク質を有効量で含む医薬組成物にも関する。医薬組成物は、さらに、薬学上許容される担体、希釈剤、塩、緩衝剤、または賦形剤を含むことができる。医薬組成物は、上記に定義される出血性障害の治療に使用することができる。本発明の医薬組成物は、液剤の場合も、凍結乾燥製剤の場合もある。医薬組成物の液剤は、任意の適切な凍結乾燥プロセスに供することができる。
さらなる態様として、本発明は、対象への投与に使用しやすい様式で包装された本発明の組成物を含むキットを含む。1つの実施形態において、そのようなキットは、本明細書中記載される化合物または組成物(例えば、結合型治療タンパク質を含む組成物)を含み、化合物または組成物は、密閉ビンまたは容器などの収容器に包装されていて、本方法の実施における化合物または組成物の使用を説明するラベルが収容器に貼付されている、または包装に同封されている。1つの実施形態において、キットは、結合型治療タンパク質を含む組成物を有する第一容器、及び第一容器に入った組成物用の生理学的に許容される再構築溶液を有する第二容器を含む。1つの態様において、化合物または組成物は、単位剤形で包装される。キットは、さらに、特定の投与経路に従って組成物を投与するのに適した装置を含むことができる。好ましくは、キットは、治療タンパク質またはペプチド組成物の使用を説明するラベルを含む。
水溶性重合体
1つの態様において、提供される治療タンパク質誘導体(すなわち、結合型治療タンパク質)分子は、水溶性重合体と結合しており、そのような重合体として、ポリエチレングリコール(PEG)、分岐PEG、ポリシアル酸(PSA)、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、ヒドロキシルエチルデンプン(HES)、糖質、多糖類、プルラン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、デンプン、デキストラン、カルボキシメチルデキストラン、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキサゾリン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシラート、ポリビニルピロリドン、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリエチレン−コ−マレイン酸無水物、ポリスチレン−コ−マレイン酸無水物、ポリ(1−ヒドロキシメチルエチレンヒドロキシメチルホルマール)(PHF)、2−メタクリロイルオキシ−2’−エチルトリメチルアンモニウムホスファート(MPC)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の1つの実施形態において、水溶性重合体は、分子量が350〜120,000Da、500〜100,000Da、1000〜80,000Da、1500〜60,000Da、2,000〜45,000Da、3,000〜35,000Da、及び5,000〜25,000Daの範囲にあるシアル酸分子からなる。水溶性重合体のカップリングは、直接またはリンカー分子を介してタンパク質とカップリングさせることにより行うことができる。化学リンカーの1つの例は、糖質選択性ヒドラジド及びスルフヒドリル反応性マレイミド基を有するMBPH(4−[4−N−マレイミドフェニル]酪酸ヒドラジド)である(Chamow et al.,J Biol Chem 1992,267,15916−22)。他の代表的及び好適なリンカーを以下に記載する。
ホモ二官能性リンカー
例示実施形態において、水溶性重合体のカップリングは、ホモ二官能性リンカーを介して行われる。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、架橋リンカーのスペーサー腕のそれぞれ対向端に同一の反応基を有し、式Y−L−Yを有する。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCHn’ONHであり、式中n’=1〜10である。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCHONHである。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCHONHである。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCHONHである。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCHONHである。例示実施形態において、ホモ二官能性リンカーは、NH[OCHCH10ONHである。
1つの実施形態において、誘導体は、未変性治療タンパク質製剤の全機能活性を保持し、未変性治療タンパク質製剤と比較した場合に、in vivoで延長された半減期を提供する。例示実施形態において、誘導体は、未変性血液凝固タンパク質に対して少なくとも約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、約99、約100、110、約120、約130、約140、または約150パーセント(%)の生物活性を保持する。例示実施形態において、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIよりも約70%高い比活性度を得る。例示実施形態において、誘導体及び未変性血液凝固タンパク質の生物活性は、発色活性対血液凝固因子抗原値の比(血液凝固因子:Chr:血液凝固因子:Ag)により求められる。本発明の例示実施形態において、構築物の半減期は、未変性治療タンパク質のin vivo半減期よりも約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10倍減少または上昇する。
例示実施形態において、誘導体、例えば、本明細書中記載されるとおりのPSAを含む修飾FVIIIは、修飾FVIIIの持つ、1種または複数種のリガンド、例えばVWFまたはLRP1などと相互作用(例えば、結合)する能力を低下させる、あるいはいずれにしろ制限するような方法で修飾される。例えば、本開示による修飾FVIIIは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれより多いPSA部分が、FVIIIのアミノ酸を分離するように直接付加されている、またはFVIIIの例えば、糖質部分に付加されている、FVIIIを含む。本明細書中開示されるとおり、アミノオキシリンカーは、FVIII糖質部分を介して付加されることが企図される。
様々な実施形態において、修飾FVIIIの、例えば、VWF及び/またはLRP1との結合親和性は、修飾FVIIIの半減期と直接相関する。例えば、VWFへの結合が強いほど、半減期は、VWFによる制御が大きくなり、例えば、水溶性重合体により制御されなくなる。このように、VWF結合をより大幅に減少させる修飾は、VWFにではなく、水溶性重合体により付与されるクリアランス阻止特性に基づき半減期の延長を制御するようになる。
シアル酸及びPSA
PSAは、N−アセチルノイラミン酸の重合体(一般に同種重合体)からなる。第二級アミノ基は、通常、アセチル基を有するが、その代わりにグリコリル基を有する場合もある。ヒドロキシル基で可能な置換基として、アセチル、ラクチル、エチル、スルファート、及びホスファート基が挙げられる。
Figure 2019510022
PSA及びmPSAは、一般に、本質的に、2,8−または2,9−グリコシド結合またはこれらの組み合わせ(例えば2,8−と2,9−の交互結合)により結合されたN−アセチルノイラミン酸部分からなる直鎖重合体を含む。特に好適なPSA及びmPSAでは、グリコシド結合は、α−2,8である。そのようなPSA及びmPSAは、コロミン酸から都合よく派生し、本明細書中、「CA」及び「mCA」と称する。典型的なPSA及びmPSAは、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも20のN−アセチルノイラミン酸部分を含む。したがって、それらは、2〜300のN−アセチルノイラミン酸部分、好ましくは5〜200のN−アセチルノイラミン酸部分、または最も好ましくは10〜100のN−アセチルノイラミン酸部分を含むことができる。PSA及びCAは、好ましくは、N−アセチルノイラミン酸以外の糖部分を本質的に含まない。したがって、PSA及びCAは、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%のN−アセチルノイラミン酸部分を含む。
部分の酸化
PSA及びCAがN−アセチルノイラミン酸以外の部分を含む場合(例えば、mPSA及びmCAなどの場合)、それらは、好ましくは、重合体鎖の一端または両端に位置する。そのような「他の」部分は、例えば、末端N−アセチルノイラミン酸部分の酸化または還元に由来する部分が可能である。
例えば、WO−A−0187922は、非還元末端N−アセチルノイラミン酸単位が、過ヨウ素酸ナトリウムとの反応によりアルデヒド基に変換されているようなmPSA及びmCAを記載する。さらに、WO2005/016974は、還元末端N−アセチルノイラミン酸単位が、還元を受けて、還元末端N−アセチルノイラミン酸単位で還元開環し、それにより隣接ジオール基が形成され、続いて酸化により隣接ジオール基がアルデヒド基に変換されているようなmPSA及びmCAを記載する。
シアル酸リッチ糖タンパク質は、ヒト及び他の生体中で、セレクチンと結合する。それらは、ヒトインフルエンザ感染で重要な役割を果たす。例えば、シアル酸は、宿主細胞または細菌の表面上のマンノース抗原をマンノース結合レクチンから隠すことができる。これにより、補体の活性化を防止する。シアル酸は、最後から2番目のガラクトース残基も隠し、そうすることで、肝実質細胞上のガラクトース受容体による糖タンパク質の迅速なクリアランスを防止する。
Figure 2019510022
コロミン酸(PSAのサブクラス)は、α(2→8)ケトシド結合を持つN−アセチルノイラミン酸(NANA)同種重合体であり、とりわけ、K1抗原を持つ大腸菌(Escherichia coli)の特定株により産生される。コロミン酸は、多くの生理学的機能を有する。コロミン酸は、薬物及び化粧品の原材料として重要である。
ポリシアル酸化アスパラギナーゼ及び未変性アスパラギナーゼを用いたin vivoでの比較実験は、ポリシアル酸化が、この酵素の半減期を延長したことを明らかにした(Fernandes and Gregoriadis,Biochimica Biophysica Acta 1997,1341,26−34)。
本明細書中使用される場合、「シアル酸部分」は、水性の溶液または懸濁液に可溶性であり、PSA−血液凝固タンパク質結合体を薬学的有効量で投与した際、哺乳類に、副作用などのマイナスの影響をほとんどまたは全く及ぼさない、シアル酸単量体または重合体(「多糖類」)を含む。重合体は、1つの態様において、約1、約2、約3、約4、約5、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、または約500のシアル酸単位を有することを特徴とする。例示実施形態において、ポリシアル酸は、重合体が約20kDの分子量を持つように複数のシアル酸単位を含む。ある特定の態様において、異なるシアル酸単位が、鎖中で組み合わされている。
本発明の1つの実施形態において、多糖化合物のシアル酸部分は、高親水性であり、例示実施形態において、化合物全体が、高親水性である。親水性は、シアル酸単位のペンダント型カルボキシル基、ならびにヒドロキシル基により主に付与される。糖単位は、他の官能基、例えば、アミン、ヒドロキシル、またはスルファート基、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。これらの基は、天然起源の糖化合物に存在する場合も、誘導体多糖化合物に導入されている場合もある。
天然起源の重合体PSAは、幅広いサイズ分布(例えばSigmaC−5762)及び高い多分散度(PD)を示す多分散調製物として入手可能である。多糖類は、エンドトキシンを共精製する内在リスクを持つ細菌で通常産生されるため、長鎖シアル酸重合体の精製は、エンドトキシン含有量上昇の可能性を高める恐れがある。1〜4のシアル酸単位を持つ短いPSA分子は、合成で調製することもでき(Kang SH et al.,Chem Commun.2000;227−8、Ress DK and Linhardt RJ,Current Organic Synthesis.2004;1:31−46)、したがって、高エンドトキシンレベルのリスクを最小限に抑えることができる。しかしながら、狭いサイズ分布及び低い多分散度を持ち、しかもエンドトキシンを含まないPSA調製物が、現在製造可能である。本発明の特定用途の多糖化合物は、1つの態様において、細菌により産生されたものである。こうした天然起源の多糖類のあるものは、糖脂質として知られる。1つの実施形態において、多糖化合物は、実質的に、末端ガラクトース単位を含まない。
付加方法
治療タンパク質は、当業者に既知の様々な技法のいずれかにより、多糖化合物と共有結合させることができる。本発明の様々な態様において、シアル酸部分は、例えば、米国特許第4,356,170号(本明細書中参照により援用される)に記載される方法により、治療タンパク質、例えば、FIX、FVIII、FVIIa、またはVWFに結合される。最近のさらなる例として、米国特許第7,645,860号、米国特許第8,637,640号、米国特許第8,642,737号、及び米国特許第8,809,501号が挙げられ、これらは本明細書中に参照として援用される。
PSAにポリペプチドをカップリングする他の技法も、既知であり、本発明により企図される。例えば、米国公開第2007/0282096号は、例えば、PSAのアミンまたはヒドラジド誘導体のタンパク質への結合を記載する。また、米国公開第2007/0191597号は、還元端で基質(例えば、タンパク質)と反応するためのアルデヒド基を有するPSA誘導体を記載する。これらの参照文献は、その全体が、参照により援用される。
様々な方法が、米国特許第5,846,951号(その全体が、参照により援用される)の第7欄、第15行から第8欄、第5行にわたり開示される。技法の例として、血液凝固タンパク質または多糖いずれか一方のカルボキシル基と血液凝固タンパク質または多糖のアミン基との間のペプチド結合を通じた結合、あるいは血液凝固タンパク質または多糖のカルボキシル基と血液凝固タンパク質または多糖のヒドロキシル基の間のエステル結合を介した結合が挙げられる。治療タンパク質を多糖化合物と共有結合させる別の結合は、シッフ塩基を介するもので、血液凝固タンパク質の自由アミノ基と、多糖の非還元末端で過ヨウ素酸酸化により形成されたアルデヒド基とを反応させる(Jennings HJ and Lugowski C,J Immunol.1981;127:1011−8、Fernandes AI and Gregoriadis G,Biochim Biophys Acta.1997;1341;26−34)。生成したシッフ塩基は、1つの態様において、NaCNBHを用いた特異的還元により安定化されて、第二級アミンを形成する。代替アプローチは、先に酸化した後、NHClで還元的アミノ化することにより、PSAの末端自由アミノ基を生成させることである。2つのアミノまたは2つのヒドロキシル基を結合させるために二官能性試薬を使用することができる。例えば、アミノ基を有するPSAを、BS3(スベリン酸ビス(スルホスクシンイミジル)/Pierce、Rockford、IL)のような試薬で、タンパク質のアミノ基とカップリングさせる。さらに、スルホ−EMCS(N−ε−マレイミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドエステル/Pierce)のようなヘテロ二官能性架橋試薬が、例えば、アミン基とチオール基を結合させるために使用される。
例示実施形態において、先に酸化し、アルデヒド官能基を生成させた後に、PSAヒドラジドを調製して、タンパク質の糖質部分とカップリングさせる。
上記のとおり、治療タンパク質の自由アミン基が、シアル酸残基の1−カルボキシル基と反応して、ペプチジル結合を形成する、あるいは1−カルボン酸基と、血液凝固タンパク質のヒドロキシルまたは他の適切な活性基との間でエステル結合が形成される。あるいは、カルボキシル基が、脱アセチル化5−アミノ基とペプチド結合を形成する、または治療タンパク質分子のアルデヒド基が、シアル酸残基のN−脱アセチル化5−アミノ基とシッフ塩基を形成する。
あるいは、多糖化合物は、治療タンパク質と、非共有結合様式で会合する。例えば、多糖化合物と薬学的活性化合物は、1つの態様において、疎水性相互作用を介して結合する。他の非共有結合的会合として、静電相互作用が挙げられ、これは反対の電荷のイオンが互いに引き寄せ合うものである。
様々な実施形態において、治療タンパク質は、化学量論的量で、多糖化合物と結合または会合している(例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:7、1:8、1:9、または1:10など)。様々な実施形態において、1〜6、7〜12、または13〜20の多糖類が、血液凝固タンパク質と結合している。さらに他の実施形態において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより多くの多糖類が血液凝固タンパク質と結合している。
様々な実施形態において、治療タンパク質は、修飾によりグリコシル化部位が導入されている(すなわち、生来のグリコシル化部位以外の部位)。そのような修飾は、当該分野で既知の標準分子生物学技法を用いて達成することができる。さらに、治療タンパク質は、1つまたは複数の糖質部分を介して水溶性重合体と結合させる前に、in vivoまたはin vitroでグリコシル化することができる。これらのグリコシル化部位は、タンパク質が水溶性重合体と結合するための標的として機能することができる(米国特許出願第20090028822号、米国特許出願第2009/0093399号、米国特許出願第2009/0081188号、米国特許出願第2007/0254836号、米国特許出願第2006/0111279号、及びDeFrees S.et al.,Glycobiology,2006,16,9,833−43)。例えば、in vivoでは自然にグリコシル化されないタンパク質(例えば、糖タンパク質ではないタンパク質)を、上記のとおり修飾することができる。
アミノオキシ結合
本発明の1つの実施形態において、ヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン誘導体とアルデヒドとの反応(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化後の糖質部分でのもの)によるオキシム基の形成が、血液凝固タンパク質の結合体の調製に利用される。例えば、糖タンパク質(例えば、本発明による治療タンパク質)は、最初に、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)などの酸化剤で酸化される(Rothfus JA et Smith EL.,J Biol Chem 1963,238,1402−10、及びVan Lenten L and Ashwell G.,J Biol Chem 1971,246,1889−94)。糖タンパク質の過ヨウ素酸酸化は、1928に記載された古典的Malaprade反応に基づいており、これは過ヨウ素酸塩で隣接ジオールを酸化することにより活性アルデヒド基を形成する反応である(Malaprade L.,Analytical application,Bull Soc Chim France,1928,43,683−96)。そのような酸化剤のさらなる例として、四酢酸鉛(Pb(OAc))、酢酸マンガン(MnO(Ac))、酢酸コバルト(Co(OAc))、酢酸タリウム(TlOAc)、硫酸セリウム(Ce(SO)(US 4,367,309)、または過ルテニウム酸カリウム(KRuO)がある(Marko et al.,J Am Chem Soc 1997,119,12661−2)。「酸化剤」は、生理反応条件下で糖質の隣接ジオールを酸化し、それにより活性アルデヒド基を生成することができる、穏やかな酸化化合物を意味する。
第二ステップは、アミノオキシ基を有する重合体を、酸化された糖質部分に結合させて、オキシム結合を形成させることである。本発明の1つの実施形態において、このステップは、触媒量の求核触媒アニリンまたはアニリン誘導体の存在下で行うことができる(Dirksen A et Dawson PE,Bioconjugate Chem.2008、Zeng Y et al.,Nature Methods 2009,6,207−9)。アニリン触媒は、オキシム結合反応を劇的に加速するので、試薬を非常に低濃度で使用することが可能になる。本発明の例示実施形態において、オキシム結合は、NaCNBHで還元してアルコキシアミン結合を形成させることにより安定化される。さらなる触媒を、以下に記載する。
アミノオキシ技術のさらなる情報は、以下の参考文献に見出すことができ、それぞれ、その全体が援用される:EP 1681303A1(HAS化エリスロポエチン)、WO 2005/014024(オキシム結合基により連結された重合体とタンパク質の結合体)、WO96/40662(アミノオキシ含有リンカー化合物及び結合体におけるそれらの使用)、WO 2008/025856(修飾タンパク質)、Peri F et al.,Tetrahedron 1998,54,12269−78、Kubler−Kielb J et.Pozsgay V.,J Org Chem 2005,70,6887−90、Lees A et al.,Vaccine 2006,24(6),716−29、及びHeredia KL et al.,Macromoecules 2007,40(14),4772−9。
水溶性重合体をアミノオキシリンカーにカップリングさせる多数の方法が、本開示で企図される。例えば、リンカーの、PSAなどの水溶性重合体の還元末端または非還元末端いずれかへのカップリングが、本明細書中記載される。カップリング部位(例えば、還元末端か非還元末端)は、結合プロセスの1つまたは複数の条件(例えば、時間及び温度)ならびに水溶性重合体の状態(例えば、未変性か酸化状態)により決定される。1つの実施形態において、PSAなどの酸化水溶性重合体は、低温(例えば、2〜8℃)でカップリング反応を行うことにより、その非還元末端で、アミノオキシリンカーにカップリングされる。例示実施形態において、PSAなどの未変性(例えば、非酸化)水溶性重合体は、より高い温度(例えば、22〜37℃)でカップリング反応を行うことにより、その還元末端で、アミノオキシリンカーにカップリングされる。上記の実施形態は、以下で及び実施例で、より詳細に説明される。
本明細書中記載されるとおり、酸化PSAとジアミノオキシリンカーとの反応は、非還元端でのアルデヒド基の「迅速反応」、及び還元端での「緩慢反応」の、2通りの反応を示す。未変性PSA(酸化されておらず、活性アルデヒド基を有さない)を、室温で、還元端で反応させた場合、誘導体化PSAが観察される可能性がある。したがって、様々な実施形態において、PSAなどの水溶性重合体の還元端での望ましくない副反応を最小限に抑える目的で、PSA−アミノオキシリンカー試薬の調製は、2〜8℃の温度で行われる。
本開示の例示実施形態において、未変性PSAの還元端での誘導体化が提供される。本明細書中記載されるとおり、未変性PSA(NaIOにより酸化されておらず、したがって、その非還元端で自由アルデヒド基を有さない)を、室温で、ジアミノオキシリンカーと反応させると、PSAの還元端での誘導体化が観察される可能性がある。このカップリングは、還元端での開環及びその後のオキシム形成を通じて起こる(上記の実際の副反応及びアミノオキシ−PSA試薬に副生成物が存在する原因)。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、上限約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97、約98、または約99パーセント(%)の修飾度がもたらされる。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、上限約70%の修飾度がもたらされる。
例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、約20%〜約99%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約20%〜約150%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、約30%〜約90%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約30%〜約140%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、約30%〜約80%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約40%〜約130%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、約30%〜約70%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約50%〜約120%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、約30%〜約60%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約40%〜約110%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、最大約35%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約50%〜約120%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、最大約54%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約50%〜約120%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、最大約58%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約50%〜約120%高い比活性を得る。例示実施形態において、反応は、未変性PSAを用いて行われ、最大約70%の修飾度がもたらされ、PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIより約70%高い比活性を得る。
主生成物として、以下の構造が13CNMR分光測定により明らかとなった。
Figure 2019510022
例示実施形態において、PSA及びmPSAは、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、特に好ましくは少なくとも20のN−アセチルノイラミン酸部分(n)を含む。例示実施形態において、nは、2〜300のN−アセチルノイラミン酸部分を含むことができる。例示実施形態において、nは、5〜200のN−アセチルノイラミン酸部分を含むことができる。例示実施形態において、nは、10〜100のN−アセチルノイラミン酸部分を含むことができる。例示実施形態において、ポリシアル酸は、重合体が約20kDの分子量を有するように、複数のシアル酸単位を含む。反応は、デキストラン及びデンプンまたは還元端基を有する他の多糖類など、他の糖質に置き換えることが可能である。m−トルイジンまたはアニリンのような求核触媒の使用も企図される。したがって、本明細書中提供されるのは、未変性PSA(すなわち先に酸化させない)を用いたアミノオキシ−PSA試薬の調製であり、次いで、この試薬を治療タンパク質の化学修飾に用いることができる。
したがって、本開示の様々な実施形態において、非還元端へのカップリングが優先されるジアミノオキシリンカーの酸化PSAなどの水溶性重合体へのカップリング条件(例えば、2〜8℃のインキュベーション温度)での方法、または1つの代替形態において、還元端へのカップリングが優先されるジアミノオキシリンカーの未変性非酸化PSAなどの水溶性重合体へのカップリング条件(例えば、室温インキュベーション)での方法が提供される。
本発明の様々な実施形態において、本明細書中記載されるアミノオキシ技術により、治療タンパク質(例えば、FVIII、FVIIa、またはFIX)の酸化糖質部分に結合する水溶性重合体として、ポリエチレングリコール(PEG)、分岐PEG、ポリシアル酸(PSA)、糖質、多糖類、プルラン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、デンプン、デキストラン、カルボキシメチル−デキストラン、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリプロピレングリコール(PPG)ポリオキサゾリン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシラート、ポリビニルピロリドン、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリエチレン−コ−マレイン酸無水物、ポリスチレン−コ−マレイン酸無水物、ポリ(1−ヒドロキシメチルエチレンヒドロキシメチルホルマール)(PHF)、2−メタクリロイルオキシ−2’−エチルトリメチルアンモニウムホスファート(MPC)が挙げられるが、これらに限定されない。
求核触媒
本明細書中記載されるとおり、水溶性重合体の治療タンパク質への結合は、アニリンにより触媒される。アニリンは、アルデヒド及びケトンとアミンが水性条件下で反応して安定なイミン、例えばヒドラゾン及びオキシムなどを形成するのを強く触媒する。以下の図は、無触媒の場合とアニリンに触媒される場合のオキシム結合反応とを比較する(Kohler JJ,Chem Bio Chem 2009,10,2147−50)。
Figure 2019510022
しかしながら、アニリンに関連する多数の健康リスクを考慮すると、代替触媒が望ましい。本発明は、代替オキシム結合触媒としてアニリン誘導体を提供する。そのようなアニリン誘導体として、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、スルファニル酸、o−アミノベンズアミド、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、及びp−アニシジンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の1つの実施形態において、m−トルイジン(別名meta−トルイジン、m−メチルアニリン、3−メチルアニリン、または3−アミノ−1−メチルベンゼン)を用いて、本明細書中記載される結合反応を触媒する。m−トルイジンとアニリンは、同様な物性を有し、本質的に同じpKa値を有する(m−トルイジン:pKa4.73、アニリン:pKa4.63)。
本発明の求核触媒は、オキシム結合(例えば、アミノオキシ結合を用いて)またはヒドラゾン形成(例えば、ヒドラジド化学反応を用いて)に有用である。本発明の様々な実施形態において、求核触媒は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50mMの濃度で結合反応に提供される。1つの実施形態において、求核触媒は、約1mM〜約10mMの量で提供される。本発明の様々な実施形態において、結合反応混合物のpHは、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、及び約7.5である。1つの実施形態において、pHは、約5.5〜約6.5である。
結合型タンパク質の精製
様々な実施形態において、本開示に従って、酸化剤とともにインキュベートされたタンパク質及び/または水溶性重合体に結合した治療タンパク質の精製が望まれる。多数の精製技法が、当該分野で既知であり、そのような方法として、特に限定せずに、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、及びアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法、またはそれらの組み合わせ、濾過方法(例えば、UF/DF)、及び沈殿方法、ならびに透析手法、ならびに上記技法の任意の組み合わせが挙げられる(Guide to Protein Purification,Meth.Enzymology Vol 463(edited by Burgess RR and Deutscher MP),2nd edition,Academic Press2009)。
有効性
様々な実施形態において、マウスモデルを用いて、半減期有効性を評価することができる。例示実施形態において、マウスモデルを用いて、PSA修飾FVIIIがPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有することを明らかにする。例示実施形態において、マウスモデルを用いて、約20kDaの平均分子量を有するPSA部分と結合させた修飾FVIIIが、約20kDaの平均分子量を有するPEG部分と結合させたPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有することを明らかにする。例示実施形態において、FVIII KOマウスの尾切り落とし出血モデルを用いて、PSA修飾FVIIIがPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有することを明らかにする。例示実施形態において、FVIII KOマウスの頸動脈閉塞モデルを用いて、PSA修飾FVIIIがPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有することを明らかにする。例示実施形態において、血友病性関節出血のマウスモデル(関節内穿刺)を用いて、PSA修飾FVIIIがPEG化FVIIIよりも長いin vivo半減期を有することを明らかにする。
以下の実施例は、本発明を制限することを意図するのではなく、本発明の具体的な実施形態を例示するにすぎない。
実施例1
ホモ二官能性リンカーNH [OCH CH ONH の調製
ホモ二官能性リンカーNH[OCHCHONH
Figure 2019510022
2つの活性アミノオキシ基を有する(3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン)を、Boturyn et al.(Tetrahedron 1997,53,5485−92)に従って、第一級アミンのガブリエル合成変法を用いる2ステップ有機反応で合成した。第一ステップでは、ジメチルホルムアミド(DMF)中、2,2−クロロジエチルエーテルの1分子を、endo−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドの2分子と反応させた。得られた中間体を、エタノール中でヒドラジン分解して、所望のホモ二官能性を調製した。
実施例2
ホモ二官能性リンカーNH [OCH CH ONH の調製
ホモ二官能性リンカーNH[OCHCHONH
Figure 2019510022
2つの活性アミノオキシ基を有する(3,6,9−トリオキサ−ウンデカン−1,11−ジオキシアミン)を、Boturyn et al.(Tetrahedron 1997,53,5485−92)に従って、第一級アミンのガブリエル合成変法を用いる2ステップ有機反応で合成した。第一ステップでは、DMF中、ビス−(2−(2−クロロエトキシ)−エチル)−エーテルの1分子を、endo−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド2分子と反応させた。得られた中間体を、エタノール中でヒドラジン分解して、所望のホモ二官能性を調製した。
実施例3
ホモ二官能性リンカーNH [OCH CH ONH の調製
ホモ二官能性リンカーNH[OCHCHONH
Figure 2019510022
2つの活性アミノオキシ基を有する(3,6,9,12,15−ペンタオキサ−ヘプタデカン−1,17−ジオキシアミン)を、Boturyn et al.(Tetrahedron 1997,53,5485−92)に従って、第一級アミンのガブリエル合成変法を用いる2ステップ有機反応で合成した。第一ステップでは、DMF中、二塩化ヘキサエチレングリコールの1分子を、endo−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドの2分子と反応させた。得られた中間体を、エタノール中でヒドラジン分解して、所望のホモ二官能性を調製した。
実施例4
アミノオキシ−PSA試薬の合成の詳細
3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを、Boturyn et al.(Tetrahedron 1997,53,5485−92)に従って、実施例1に概説したとおりの2ステップ有機反応で合成した。
ステップ1:
endo−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド(59.0g、1.00当量)を無水N,N−ジメチルホルムアミド700mLに溶解させた溶液に、無水KCO(45.51g、1.00当量)及び2,2−ジクロロジエチルエーテル(15.84mL、0.41当量)を加えた。反応混合物を、50℃で22時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン2Lに懸濁させ、飽和NaCl水溶液(毎回1L)で2回抽出した。ジクロロメタン層をNaSOで乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮乾固し、高真空で乾燥させて、3−オキサペンタン−1,5−ジオキシ−endo−2’,3’−ジカルボキシジイミドノルボルネン64.5gを、白黄色固体として得た(中間体1)。
ステップ2:
中間体1(64.25g、1.00当量)を無水エタノール800mLに溶解させた溶液に、ヒドラジン水和物31.0mL(4.26当量)を加えた。次いで、反応混合物を2時間還流させた。溶媒の減圧蒸留により、混合物を濃縮して出発体積の半分にした。生じた沈殿を濾別した。残ったエタノール層を、減圧下で濃縮乾固した。粗生成物3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを含有する残渣を真空乾燥させて、46.3gとした。粗生成物を、さらに、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、ジクロロメタン/メタノール混合液、9/1を用いた均一溶媒溶出)で精製して、純粋な最終生成物3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン11.7gを得た。
実施例5
アミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した酸化PSA(分子量=20kD)1000mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)16mLに溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン170mgを、反応混合物に加えた。室温で2時間振盪した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム78.5mgを加え、一晩、18時間反応を進行させた。次いで、反応混合物を、5kDカットオフの再生セルロース製膜(50cm、Millipore)を用いて、限外濾過/透析濾過手順(UF/DF)に供した。
実施例6
クロマトグラフィー精製ステップを用いるアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した酸化PSA(分子量=20kD)1290mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)25mL(緩衝液A)に溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン209mgを、反応混合物に加えた。室温で1時間振盪した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム101mgを加え、3時間、反応を進行させた。次いで、反応混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィーゲル(カラム寸法:XK26/135)を用いる弱アニオン交換クロマトグラフィーステップに供した。反応混合物を、110mLの緩衝液Aで希釈し、緩衝液Aであらかじめ平衡化したDEAEカラムに、流速1cm/分で添加した。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で流速2cm/分で洗浄し、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン及びシアニドを除去した。次いで、アミノオキシ−PSA試薬を、67%緩衝液B及び43%緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなる段階的勾配で溶出させた。溶離液を、ポリエーテルスルホン製5kD膜(50cm、Millipore)を用いて、UF/DFで濃縮した。最終透析濾過ステップは、緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行った。調製物を、総PSA(レソルシノールアッセイ)及び総アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾度を求めることで、特性分析した。さらに、多分散度ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン及びシアニドを求めた。
実施例7
還元ステップのないアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した酸化PSA(分子量=20kD)573mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)11.3mL(緩衝液A)に溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン94mgを、反応混合物に加えた。室温で5時間振盪した後、次いで、反応混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィーゲル(カラム寸法:XK16/105)を用いる弱アニオン交換クロマトグラフィーステップに供した。反応混合物を、50mLの緩衝液Aで希釈し、緩衝液Aであらかじめ平衡化したDEAEカラムに、流速1cm/分で添加した。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で流速2cm/分で洗浄し、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン及びシアニドを除去した。次いで、アミノオキシ−PSA試薬を、67%緩衝液B及び43%緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなる段階的勾配で溶出させた。溶離液を、ポリエーテルスルホン製5kD膜(50cm、Millipore)を用いて、UF/DFで濃縮した。最終透析濾過ステップは、緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行った。調製物を、総PSA(レソルシノールアッセイ)及び総アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾度を求めることで、特性分析した。さらに、多分散度ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1、5−ジオキシアミン及びシアニドを求めた。
実施例8
還元ステップがなく求核触媒m−トルイジンの存在下で行われるアミノオキシ−PSAの調製
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した酸化PSA(分子量=20kD)573mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)9mL(緩衝液A)に溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン94mgを、この溶液に加えた。続いて50mMのm−トルイジン原液2.3mLをこの反応混合物に加えた。室温で2時間振盪した後、次いで、混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィーゲル(カラム寸法:XK16/105)を用いる弱アニオン交換クロマトグラフィーステップに供した。反応混合物を、50mLの緩衝液Aで希釈し、緩衝液Aであらかじめ平衡化したDEAEカラムに、流速1cm/分で添加した。次いで、カラムを20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で流速2cm/分で洗浄し、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン及びシアニドを除去した。アミノオキシ−PSA試薬を、67%緩衝液B及び43%緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなる段階的勾配で溶出させた。溶離液を、ポリエーテルスルホン製5kD膜(50cm、Millipore)を用いて、UF/DFで濃縮した。最終透析濾過ステップは、緩衝液D(20mMのHepes、90mMのNaCl、pH7.4)に対して行った。調製物を、総PSA(レソルシノールアッセイ)及び総アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定し、修飾度を求めることで、特性分析した。さらに、多分散度ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン及びシアニドを求めた。
実施例9
アミノオキシ−PSA試薬の調製
実施例4〜8に従って、アミノオキシ−PSA試薬を調製した。透析濾過後、生成物を−80℃で凍結させ、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、試薬を適切な体積の水に溶解させて、糖質修飾を介したPSA−タンパク質結合体の調製に使用した。
実施例10
アミノオキシ−PSA及び求核触媒としてm−トルイジンを用いるrFVIIIのポリシアル酸化
方法1:
50mgのrFVIIIを反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し入れ、希釈してタンパク質濃度を1mg/mLとした。この溶液に、NaIOを加えて、最終濃度200μMとした。酸化は、暗所で、穏やかに振盪しながら、室温で30分間行った。次いで、システイン(最終濃度:10mM)を用いて、室温で60分間反応をクエンチした。溶液を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl、pH7.0)で平衡化させた体積20mLのIEXカラム(Merck EMD TMAE(M))に供した。カラムは、5CVの緩衝液Aで平衡化させた。次いで、酸化rFVIIIを、緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl、1MのNaCl、pH7.0)で溶出させた。rFVIII含有画分を収集した。タンパク質含有量を求め(クーマシー、Bradford)、反応緩衝液で1mg/mLに調整し、0.5MのHClを滴下してpH6.0に調整した。次いで、分子量が20kDのアミノオキシ−PSA試薬(上記のもの)を50倍モル過剰で加え、続いて求核触媒としてm−トルイジンを加えた(最終濃度:10mM)。カップリング反応は、暗所で、穏やかに振盪しながら、室温で2時間行った。過剰のアミノオキシ−PSA試薬を、HICにより除去した。酢酸アンモニウム含有緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を加えることにより、反応混合物の電気伝導率を130mS/cmに上昇させ、80mLのPhenyl Sepharose FF(GE Healthcare、Fairfield、CT)を充填したカラムに添加した。Phenyl Sepharose FFは、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。続いて、結合体を、5mMのCaClを含有する50mMのHepes緩衝液(pH7.5)で溶出させた。最後に、PSA−rFVIII含有画分を収集し、再生セルロース製の30kD膜(88cm、Millipore)を用いてUF/DFに供した。調製物を、総タンパク質(クーマシー、Bradford)及びFVIII発色活性を測定することで、特性分析した。PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIと比べて70%超の比活性を示すことが明らかとなった。
方法2:
Hepes緩衝液(50mMのHEPES、約350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.1%ポリソルベート80、pH7.4)中の組換え第VIII因子(rFVIII)58mgを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に溶解させて、最終タンパク質濃度を1.0±0.25mg/mLとする。次いで、0.5NのHCl水溶液を滴下することにより、溶液のpHを、6.0に補正する。続いて、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を10分以内で加え、濃度200μMとする。酸化反応を、T=+22±2℃の温度(T)で、30±5分間行う。次いでL−システイン水溶液(1M)をT=+22±2℃で、15分以内で加えて、反応混合物中の最終濃度を10mMとすること及び60±5分間のインキュベーションにより反応を停止させる。
酸化rFVIIIを、EMD TMAE(M)(Merck)でのアニオン交換クロマトグラフィーにより、さらに精製する。混合物を、緩衝液A(20mMのHepes、5mMのCaCl、pH6.5)で希釈して、電気伝導率を5ms/cmとする。この溶液を、カラム体積10mLのIEXカラム(床高さ:5.4cm)に、流速1.5cm/分で添加する。続いて、緩衝液Aと緩衝液B(20mMのHepes、5mMのCaCl、1.0MのNaCl、pH7.0)の92:8混合物(w/w)を5CV用いて、このカラムを洗浄する(流速:1.5cm/分)。次いで、酸化rFVIIIを、緩衝液Aと緩衝液Bの50:50(w/w)混合物で溶出させ、続いて緩衝液Bを5CV用いて後溶出ステップを行う。溶出ステップは、流速1.0cm/分で行う。
続いて、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH)試薬を、50倍モル過剰で、精製酸化rFVIIIを含有する溶離液に、穏やかな攪拌下、最大15分の長さの時間(t)以内で加える。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で加え、最終濃度10mMとする。反応混合物を、120±10分間、暗所で、温度(T)T=+22±2℃で穏やかな攪拌下、インキュベートする。
得られるPSA−rFVIII結合体を、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により精製する。このクロマトグラフィーで使用するのは、Phenyl Sepharose FF low sub樹脂(GE Healthcare)をGE Healthcare製のカラムに床高さ(h)15cmで充填したもので、その結果カラム体積(CV)は81mLである。
反応混合物に、50mMのHepes緩衝液(350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウムを含有、pH6.9)を加えることにより、酢酸アンモニウムを加える。2体積分の反応混合物を、1体積分の酢酸アンモニウム含有緩衝液系と混合し、0.5NのNaOH水溶液を滴下することにより、pH値をpH6.9に補正する。この混合物を、流速1cm/分でHICカラムに添加し、続いて3CV超の平衡緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を用いて洗浄ステップを行う。
反応副生成物及びアンチカオトロピック塩を除去するため、第二洗浄ステップを、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を上向流様式で流速2cm/分で用いて行う。次いで、精製PSA−rFVIII結合体の溶出を、下向流様式で、40%洗浄液緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)及び60%溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)の段階的勾配を用いて流速1cm/分で行う。PSA−rFVIII結合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、結合体含有溶離液を、4CV未満以内で収集する。後溶出ステップを、同一条件下、3CV超の溶出緩衝液で行い、低及び/または非修飾rFVIIIを主生成物から分離する。
最後に、精製結合体を、分子量カットオフが30kDである再生セルロース製膜(88cm、Millipore)を用いて、限外/透析濾過(UF/DF)により濃縮する。
この手順を用いて調製した結合体を、総タンパク質、FVIII発色活性について測定し、かつPSA含有量(レソルシノールアッセイ)を測定することによりポリシアル酸化度を求めることで、特性分析する。得られる結合体について、比活性50%超及びPSA度5.0超と計算される。
方法3:
50mgのrFVIIIを反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に移し入れ、希釈してタンパク質濃度を1mg/mLとした。分子量が20kDのアミノオキシ−PSA試薬(上記のもの)を50倍モル過剰で加え、続いて求核触媒としてm−トルイジン(最終濃度:10mM)及びNaIO(最終濃度:400μM)を加えた。カップリング反応は、暗所で、穏やかに攪拌しながら、室温で2時間行った。続いて、システインを用いて、室温で60分間反応をクエンチした(最終濃度:10mM)。次いで、酢酸アンモニウム含有緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、8Mの酢酸アンモニウム、pH6.9)を加えることにより、反応混合物の電気伝導率を130mS/cmに上昇させ、80mLのPhenyl Sepharose FF(GE Healthcare、Fairfield、CT)を充填したカラムに添加した。Phenyl Sepharose FFは、50mMのHepes、2.5Mの酢酸アンモニウム、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。続いて、結合体を、50mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5で溶出させた。最後に、PSA−rFVIII含有画分を収集し、再生セルロース製の30kD膜(88cm、Millipore)を用いてUF/DFに供した。調製物を、合計タンパク質(Bradford)及びFVIII発色活性を測定することで、特性分析した。PSA−rFVIII結合体は、未変性rFVIIIと比べて70%以上の比活性であることが明らかとなった。
方法4:
50mMのHepes緩衝液(50mMのHEPES、約350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、0.1%ポリソルベート80、pH7.4)中の組換え第VIII因子(rFVIII)50mgを、反応緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)に溶解させて、最終タンパク質濃度を1.0±0.25mg/mLとした。次いで、0.5NのHCl水溶液を滴下することにより、溶液のpHを、6.0に補正した。
続いて、このrFVIII溶液に、アミノオキシ−ポリシアル酸(PSA−ONH)試薬を50倍モル過剰で、穏やかな攪拌下、最大15分の長さの時間(t)以内で加えた。次いで、m−トルイジン水溶液(50mM)を15分以内で加え、最終濃度10mMとした。最後に、40mMの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を加え、濃度を400μMとした。
反応混合物を、暗所で、温度(T)T=+22±2℃で穏やかな攪拌下、120±10分間インキュベートした。次いで、L−システイン水溶液(1M)を加えて反応混合物中の最終濃度を10mMとすること及び60±5分間のインキュベーションにより反応を停止させた。
得られたPSA−rFVIII結合体を、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により精製した。このクロマトグラフィーで使用したのは、Phenyl Sepharose FF low sub樹脂(GE Healthcare)をGE Healthcare製のカラムに床高さ(h)15cmで充填したもので、その結果カラム体積(CV)は81mLであった。
反応混合物に、50mMのHepes緩衝液(350mMの塩化ナトリウム、8Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウムを含有、pH6.9)を加えることにより、酢酸アンモニウムを加えた。2体積分の反応混合物を、1体積分の酢酸アンモニウム含有緩衝液系と混合し、0.5NのNaOH水溶液を滴下することにより、pH値をpH6.9に補正した。この混合物を、流速1cm/分でHICカラムに添加し、続いて3CV超の平衡緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、2.5Mの酢酸アンモニウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を用いて洗浄ステップを行った。
反応副生成物及びアンチカオトロピック塩を除去するため、第二洗浄ステップを、5CV超の洗浄緩衝液1(50mMのHepes、3Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)を上向流様式で流速2cm/分で用いて行った。次いで、精製rFVIII結合体の溶出を、下向流様式で、40%洗浄液緩衝液2(50mMのHepes、1.5Mの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.9)及び60%溶出緩衝液(20mMのHepes、5mMの塩化カルシウム、pH7.5)の段階的勾配を用いて流速1cm/分で行った。PSA−rFVIII結合体の溶出は、UV280nmでモニタリングし、結合体含有溶離液を、4CV未満以内で収集した。後溶出ステップを、同一条件下、3CV超の溶出緩衝液で行い、少量及び/または非修飾rFVIIIを主生成物から分離した。
最後に、精製結合体を、分子量カットオフが30kDである再生セルロース製膜(88cm、Millipore)を用いて、限外/透析濾過(UF/DF)により濃縮した。
この手順を用いて調製した結合体を、総タンパク質、FVIII発色活性の測定、及びPSA含有量(レソルシノールアッセイ)の測定によるポリシアル酸化度の測定により、特性分析した。
分析データ(6つの連続バッチの平均):
プロセス収率(Bradford):58.9%
プロセス収率(FVIIIクロマトグラフィー):46.4%
比活性:(FVIIIクロマトグラフィー/mgタンパク質):4148IU/mg
比活性(出発物質に対する割合(%)):79.9%
PSA度(mol/mol):8.1
実施例11
ジアミノオキシリンカーの未変性PSAへのカップリング
この実施例は、未変性PSA(すなわち先に酸化されていない)を用いたアミノオキシ−PSA試薬の調製手順を記載し、この試薬は、治療タンパク質の化学修飾に用いることができる。
a)周辺温度でのカップリング
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した未変性PSA(分子量=20kD)52.2mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)1.05mLに溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)10.3mgを、反応混合物に滴下した。反応物を、暗所で、穏やかに振盪しながら、室温で2時間インキュベートした。
b)上昇した温度でのカップリング
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した未変性PSA(分子量=20kD)52.2mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)1.05mLに溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)10.3mgを、反応混合物に滴下した。反応物を、暗所で、穏やかに振盪しながら、室温で2時間インキュベートした。次いで、温度を32〜37℃に上昇させ、反応混合物をさらに14時間インキュベートした。
c)上昇した温度及び上昇したリンカー過剰率でのカップリング
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した未変性PSA(分子量=20kD)52.2mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)1.05mLに溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン(リンカー分子)10.3mgを、反応混合物に滴下した。反応物を、暗所で、穏やかに振盪しながら、室温で2時間インキュベートした。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン26.3mgを反応物に滴下し、温度を32〜37℃に上昇させ、反応混合物をさらに14時間インキュベートした。
d)PSA誘導体の精製
インキュベーション完了後、a〜c各時点で生成した反応混合物を、徹底した透析により精製した。そのため、反応混合物の試料を、Slide−A−Lyzer透析カセット(0−5−3mL、MWCO3.5kD、再生セルロース、Pierce)に添加し、以下のパターンに従って10mMのリン酸緩衝液(pH8.0)に対して透析した:
緩衝液500mLに対して室温で2時間;
緩衝液500mLに対して室温で2時間;
緩衝液500mLに対して4℃で12時間;
最初の試料体積まで濃縮するため、「透析用Slide−A−Lyzer濃縮溶液」50mLに対して室温で1時間。
精製したアミノオキシ−PSAは、こうして、例えば、上記実施例11、12、14、及び17〜31に従って、タンパク質結合反応にすぐに使えるようになる。同様に、本明細書中記載される水溶性重合体のどれでも、この実施例に記載されるとおりにアミノオキシリンカーにカップリングさせ、次いで上記実施例に記載されるとおりタンパク質に結合させることができる。
調製物を、総PSA(レソルシノールアッセイ)及び総アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定して修飾度を求めることにより、特性分析した。調製物(a)の場合、修飾度(MD)は0.35、(b)の場合、MD=0.54、(c)の場合、MD=0.58と判明した。その上さらに、多分散度ならびに遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを測定した。多分散度は、すべての調製について1.15未満であり、遊離リンカーの含有量は、PSA濃度の0.15mol%未満であった。
還元端で修飾されたPSAについては、13C NMR分光分析により、以下の構造が判明した。
Figure 2019510022
実施例12
クロマトグラフィー精製ステップを用いる4℃でのアミノオキシ−PSAの調製
室温で調製したアミノオキシ−PSA試薬の詳細分析による特性決定の間に、NMR試験(例えば、米国仮出願第61/647,814号を参照、その全体が参照により援用される)により、ジアミノオキシリンカーによる酸化PSAの誘導体化は、PSAの非還元端でのアルデヒド基の迅速反応及びPSAの還元端でのアルデヒド基(ヘミケタール形での)の緩慢反応の、2つの別々の反応からなることが明らかとなった。後者の反応は、試薬製造では回避すべき望ましくない副反応と見なされる可能性がある。
したがって、アミノオキシ−PSA試薬の調製プロセスを、本実施例で記載されるとおりに最適化した。プロセスを室温で行う場合、還元端のみが相当に生じる。そのため、プロセスを調整し、2〜8℃で行った。全プロセス(IEXによるPSA試薬の化学反応及び精製)を2〜8℃で行うことにより、PSAの還元端での副反応は、相当減少した。したがって、このプロセス変更は、より高品質の試薬をもたらす。
手順
Serum Institute of India(Pune、India)から入手した酸化PSA(分子量=20kD)1290mgを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)25mL(緩衝液A)に溶解させた。次いで、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン209mgを反応混合物に加え、暗所で、穏やかに振盪しながら、2〜8℃で、1時間インキュベートした。
インキュベーション後、混合物を、Fractogel EMD DEAE 650−Mクロマトグラフィーゲル(カラム寸法:XK26/135)を用いて弱アニオン交換クロマトグラフィーステップに供した。このステップは、温度2〜8℃の冷蔵室で行われた。反応混合物を、予め冷やした緩衝液A(110mL)で希釈し、緩衝液Aで予め平衡化したDEAEカラムに、流速1cm/分で添加した。次いで、カラムを、20CVの緩衝液B(20mMのHepes、pH6.0)で、流速2cm/分で洗浄し、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを除去した。次いで、アミノオキシ−PSA試薬を、67%緩衝液B及び43%緩衝液C(20mMのHepes、1MのNaCl、pH7.5)からなる段階的勾配で溶出させた。溶離液を、ポリエーテルスルホン製5kD膜(50cm2、Millipore)を用いてUF/DFにより濃縮した。調製物を、総PSA(レソルシノールアッセイ)及び総アミノオキシ基(TNBSアッセイ)を測定して修飾度を求めることにより、特性分析した。最終調製物のPSA濃度は、46.0mg/mLであり、修飾度は83.5%であった。その上さらに、多分散度は、1.131であると判明した、また、遊離3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンについて、濃度は0.22μg/mL(PSAの0.07mol%)と測定された。
精製したアミノオキシ−PSAは、こうして、上記実施例11、12、14、及び17〜31に従って、結合反応にすぐに使えるようになる。
実施例13
ポリシアル酸化rFVIIIの合成(大規模)
実施例9で概説した方法に多少の変更を加えて、rFVIIIのポリシアル酸化を大規模で行った。この目的のため、1.5gのrFVIIIを、記載されるとおりHepes緩衝液(50mMのHepes、350mMの塩化ナトリウム、5mMの塩化カルシウム、pH6.0)中でポリシアル酸化した(タンパク質濃度:1.1mg/mL、蛍光アッセイにより測定)。次いで、生成物を、Phenyl Sepharose FF low sub樹脂(GE Healthcare)を用いて疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精製した。次いで、溶離液を、分子量カットオフが30kDの再生セルロース製膜を用いて、限外/透析濾過(UF/DF)により濃縮した。次いで、濃縮物を、サイズ排除クロマトグラフィーカラム(Superose 6 分取グレード/GE Healthcare)に添加した。この手順を、生成物から潜在不純物を分離する最終精製ステップとして用いる。最後に、精製した結合体(「PSA−rFVIII」)を、UF/DF(再生セルロース/分子量カットオフ30kD)により再度濃縮した。この方法を用いて、BDSを、GMP条件下で調製して、第I相臨床試験に使用するための材料を製造した:ロットD、ロットE、及びロットF。
実施例14
表面プラズモン共鳴(SPR)によるVWF−FVIII結合親和性の測定
以下のとおりBiacore装置(GE Healthcare、Uppsala、Sweden)を用いて、VWF−FVIII結合親和性を分析した。
血漿由来VWF(pdVWF、Diagnostica Stago、Asnieres sur Seine、France)を、3種類の密度で、CM5バイオセンサーチップのフローセルに固定した。治験用FVIII試料を、泳動緩衝液(10mMのHepes、150mMのNaCl、0.05%界面活性剤P20、pH7.4)で希釈して、5種の希釈液の系列(所定のタンパク質値により0.18〜5nMのFVIII)にし、次いで、「シングルサイクル」モードを用いて50μL/分の一定流速でチップに添加した。会合用の時間は4分であり、解離用の時間は10分であった。各サイクル後、FVIIIをチップから除去し(「再生」)、新たなFVIII試料で実験を繰り返した。「Bioevaluation」プログラムのラングミュアモデルを用いて、会合定数及び解離定数を求めた。以下の動態パラメーターが求められた:会合速度定数ka、解離速度定数kd、及び平衡解離定数KD。結合は、Rmax、すなわち飽和で計算された最大結合を評価することによっても求めた。3種の異なるVWF固定レベルの平均から動態学的結果を計算した。
Biacore技術を用いて、VWFとFVIIIの間の複合体形成の動態を求めた。この目的のため、血漿由来VWFを、センサーチップ表面に3種の異なるレベルで固定し、治験用PSA−rFVIII及びrFVIIIを、上記の実施例13に記載される緩衝液に加えて再緩衝化した(「再緩衝化FVIII」)。試料を、5種の異なる濃度で、シングルサイクルモードで注入した。固定されたVWFとFVIIIの間には均質な1:1相互作用があると仮定し、Biacore T200装置の「Bioevaluation」プログラムのラングミュアモデルを用いて、会合定数及び解離定数を求めた。
表1に、VWF−FVIII相互作用を説明する動態パラメーターをまとめるが、kaは、会合速度定数であり、kdは解離速度定数であり、KDは平衡解離定数(=kd/ka)である。さらなる評価及びデータ比較のため、KDについて、様々な試料群の平均及び3SDを計算した。
(表1)VWF-FVIII 結合の動態パラメーター
Figure 2019510022
相互作用動態は、前臨床BDSバッチ(平均KD0.28nM)と第I相臨床試験BDSバッチ(平均KD0.28nM)の間で、及び前臨床FDPバッチ(平均KD0.31nM)と第I相臨床試験FDPロット(KD0.37nM)の間で同様であった。再緩衝化rFVIIIについては、KD値は、0.26〜0.37nMの範囲にあり、したがって、PSA−rFVIIIに匹敵するものであった。
図1は、3種の異なる密度のセンサーチップ固定VWFで、PSA−rFVIII群及び再緩衝化rFVIIIについて、Rmaxで表した結合シグナルを示し、Rmaxは、計算された飽和における最大結合である。PSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIは両方ともVWF濃度依存相互作用を示し、PSA−rFVIII前臨床と臨床試験のBDS及びFDPバッチとの間に関連する差はなかった。再緩衝化rFVIIIと比較すると、PSA−rFVIIIの結合は、約50%と大幅に減少した。これは、rFVIIIをPSA修飾した結果であり、この修飾は、VWFの特異的結合エピトープがPSAにより遮蔽されるrFVIII結合体をもたらすと判断された。
興味深いことに、また、再緩衝化rFVIIIと比較してPSA−rFVIIIで観測された上記の結合性とは異なり、PEG−rFVIII(PEG化rFVIIIタンパク質)もVWFに対する結合の減少を示したが、PSA−rFVIIIほど明白ではなかった。
実施例15
表面プラズモン共鳴(SPR)によるFVIII−LRP1受容体相互作用の測定
LRP1(α2−マクログロブリン受容体/CD91)受容体(BioMac、Leipzig、Germany)を、説明書に従って、一定レベルで、Biacore装置(GE Healthcare、Uppsala、Sweden)のCM4センサーチップのフローセルに固定した。次いで、治験用FVIII試料の系列希釈物(21〜357nM、所定のタンパク質値に従って)を、「kinject」モードを用いてチップに添加し、FVIIIの会合用に10分間及び解離用に5分間の時間をとった。各サイクル後、FVIIIをチップから除去し(「再生」)、新たなFVIII試料で実験を繰り返した。均質な1:1相互作用と仮定して、「Bioevaluation」プログラムのラングミュアモデルを用いて、会合定数及び解離定数を求めた。以下の動態パラメーターが求められた:会合速度定数ka、解離速度定数kd、及び平衡解離定数KD。結合は、結合段階後のシグナル(反応単位)を測定することによっても評価した。3種の異なるフローセルの平均から動態学的結果を計算した。
クリアランス受容体LRP1に対するPSA−rFVIIIの結合親和性を、上記のとおりBiacore技術を用いて求めた。結合は、10から100μg/mL(21〜357nMに相当)まで希釈した試料の系列希釈物で試験した。したがって、分析は、PSA−rFVIII BDSバッチ及び再緩衝化rFVIIIについては可能であったが、FDPロットについては、それらの試料のタンパク質濃度が低かったため不可能であった。以下のパラメーターを求めた:kaは、会合速度定数であり、kdは解離速度定数であり、KDは平衡解離定数(=kd/ka)である。さらなる評価及びデータ比較のため、KDについて、様々な試料群の平均及び3SDを計算した。
表2に、PSA−rFVIII前臨床と第I相臨床試験BDSとの相互作用及び再緩衝化rFVIIIとLRP1受容体との相互作用の動態パラメーターをまとめる。相互作用の動態は、前臨床(平均KD)と第I相臨床試験BDSバッチ(平均KD)との間で同様であった。さらに、結合動態は、PSA−rFVIIIと再緩衝化rFVIIIとの間で同様であった。表面プラズモン共鳴アッセイは一般にばらつきが大きく、また動態結合パラメーターの評価であるため、複数の試料間でのKDのばらつきは、生物学的に関連性があるものとはみなされず、まとめると、PSA−rFVIII前臨床と第I相臨床試験バッチとは同様な性質を持つことが確認された。
(表2)LRP1−FVIII結合の動態パラメーター
Figure 2019510022
図2は、PSA−rFVIIIについて及び再緩衝化rFVIIIについてLRP1に対するFVIIIタンパク質濃度依存結合の結果を示す。FVIIIタンパク質濃度を、反応単位で表した結合シグナルに対してプロットした。PSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIは、両方とも、FVIII濃度依存相互作用を示し、PSA−rFVIIIの前臨床と第I相臨床試験BDSバッチとの間に関連する差はなかった。再緩衝化rFVIIIと比べて、PSA−rFVIIIの結合は、目立って減少した。これは、rFVIIIがPSA修飾された結果であり、この修飾は、LRP1の特異的結合エピトープがPSAにより遮蔽されるrFVIII結合体をもたらすと判断された。
興味深いことに、rFVIII、PEG−rFVIII、及びPSA−rFVIIIの結合活性を比較すると、rFVIIIは、LRP1と強く結合し、PEG−rFVIIIは、LRP1との残留会合を示し、PEG−rFVIIIは、事実上、LRP1と会合できなかったということを示す(図3)。
実施例16
FIXa補因子活性の測定
PSA−rFVIIIのテンナーゼ複合体内のFVIIIのFIXa補因子活性を、FIXa補因子活性アッセイを用いてin vitroで評価した。このアッセイは、FXa生成の動態性質に詳細な洞察を提供する。試料を、それらの所定の力価に従って1.0IU/mLのFVIII活性に希釈し、トロンビン活性後のFXa生成の経時的過程を測定した。
図4は、トロンビンによるFVIII活性化後のFXa生成を経時的に示す。全てのPSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIバッチは、時間依存性FXa生成を示し、バッチ間にはわずかな差しかなかった(図4、パネルA〜D)。群の平均の比較(図4、パネルE)から、PSA−rFVIII前臨床ならびに第I相臨床試験BDS及びFDPバッチは、同様な性質を有することが確認された。再緩衝化rFVIIIとPSA−rFVIIIの間でFXa生成曲線にいくつかの差が観測され(図4、パネルE)、例えば再緩衝化rFVIIIの方が、わずかに低いFXa生成の最大値を示した。
定量的基準に基づいて種々の試料群間の同等性を評価するため、FX活性化の最大速度を、生成曲線の直線部分の傾きを求めることにより計算した。結果を表3に示す。直接比較用の、個々のバッチ間の相対差及び前臨床BDSまたはFDPバッチの算術平均(表4)。個々の第I相臨床試験BDSバッチ間の相対差及び前臨床BDSバッチの平均は11%以下であったので、これにより、2つの試料群の同等性が確認される。第I相臨床試験PSA−rFVIII FDPと前臨床FDPの平均の間の差は11%以下であったので、これもまたそれらの同様な特性を実証する。種々のPSA−rFVIII群と再緩衝化rFVIIIの平均との間の相対比較を、表5に示す。差は6%以下であったので、すなわち、PSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIは、FXa生成に同様な動態性質を有することが実証された。
(表3)トロンビンによるFVIII前活性化後のFXa生成パラメーター
Figure 2019510022
(表4)FXa生成パラメーター:前臨床PSA−rFVIII BDS及びFDPバッチの平均に対する相対差
Figure 2019510022
(表5)FXa生成パラメーター:PSA−rFVIII群と再緩衝化rFVIIIの間の相対差
Figure 2019510022
実施例17
トロンビン生成アッセイ(TGA)
TGAは、血友病A患者の状況に似た環境でトロンビン生成を調べる具体的な手法である。FVIIIを1%未満含有するヒトFVIII欠乏血漿に、PSA−rFVIIIを漸増量で(0.01から1IU/mL、それらの所定の力価に基づく)補充した。リン脂質ミセルと複合体化した組換えヒト組織因子を少量、血漿に加えて、小血管壁損傷を刺激することにより、反応を開始した。
トロンビン生成は、曲線のピークトロンビンの濃度依存性増加を比較することにより、評価した(図5)。PSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIは、両方とも、ピークトロンビンのFVIII濃度依存性増加を示し、個々のバッチ間のばらつきはわずかしかなかった(図5、パネルA〜D)。群平均の比較(図5、パネルE)から、PSA−rFVIII前臨床ならびに第I相臨床試験BDS及びFDPバッチは、同様な性質を持つことが確認された。ピークトロンビン生成の差は、再緩衝化rFVIIIとPSA−rFVIIIの間で観察された(図5、パネルE)。
より徹底した評価のため、定量比較を行った。表6に、試験した異なるFVIII濃度で測定されたピークトロンビン値をまとめる。試料は、それぞれについてピークトロンビンの曲線下面積(AUC)を計算することにより、比較分析した。さらに、個々のPSA−rFVIII第I相臨床試験BDS/FDPバッチのピークトロンビン値のAUC及び前臨床BDS/FDPバッチの算術平均について、相対差を計算した。
個々の第I相臨床試験BDSバッチの値と前臨床BDSバッチ平均の相対差は9%以下であったので、これにより、2つの試料群間の同等性が確認される。第I相臨床試験FDPについては、前臨床FDPの平均との差が4%以下であったので、同じく高い類似特性を示した。
ピークトロンビン生成曲線(図5)の評価は、PSA−rFVIIIよりも再緩衝化rFVIIIの方がわずかに高いトロンビン生成であることを示した。複数のPSA−rFVIII群で計算されたAUC及び再緩衝化rFVIIIの平均の相対差が14%以下であったので、この結果は、関連性の低いものであり、実際の生理学的に関連した差によるよりもアッセイ固有のばらつきに関連すると見なされた。
トロンビン生成を、総トロンビン生成を求めることにより、さらに評価した。調査したPSA−rFVIII及び再緩衝化rFVIIIBDSの試料全てが、合計トロンビン生成に同様なFVIII濃度依存性増加を示し、群間の差はわずかであった(図6)。ピークトロンビン生成と比べて、PSA−rFVIIIと再緩衝化rFVIIIの間の差は、さらにもっと小さかった。
(表6)FVIIIバッチの濃度依存性ピークトロンビン増加能力
Figure 2019510022
(表7)ピークトロンビン生成能力−平均前臨床PSA−rFVIIIBDS及びFDPバッチに対する相対差
Figure 2019510022
(表8)ピークトロンビン生成能力−PSA−rFVIII群と再緩衝化rFVIIIとの間の相対差
Figure 2019510022
実施例18
血友病マウスにおけるPSA−rFVIII、PEG−rFVIII、及びrFVIIIの薬物動態の比較
PSA−rFVIII、PEG−rFVIII、及びrFVIIIの薬物動態を、FVIIIノックアウトマウスで測定した。FVIIIを200IU/体重kgで、尾静脈から注射した。1群6匹のマウスからなる各群のマウスを、所定の時点で屠殺し、クエン酸血漿を調製する。血漿中のFVIII活性を、発色活性アッセイで測定する。図7及び表9に示すとおり、PEG化及びポリシアル酸化rFVIIIは、rFVIIIよりも改善されたPKパラメーターを示した(HL増加は約2)。同様な結果が、ラット(図8)及びマカク(図9)でも観察された。(異なる実験間での比較を可能にするため、データは1U/kgの共通用量に正規化した)。
(表9)
Figure 2019510022
実施例19
PSA−rFVIIIのin vivo有効性
PSA−rFVIIIの有効性を、FVIII KOマウスの尾切落とし出血モデルで測定した。FVIIIを200IU活性/kgで投与し、続いて、PSA−rFVIIIの注射から18〜54時間後に尾先端を切り落とした。失血を測定したところ、PK実験から予想されるとおり、データから、PSA−rFVIIIでより長い有効性が確認された。PSA−rFVIIIは、出血を、rFVIIIより約2倍長く制御する。
有効性を、FVIII KOマウスの頸動脈閉塞モデルでも測定した。FVIIIを200IU活性/kgで投与し、続いて、塩化第二鉄で頸動脈を損傷させた。血管閉塞までの時間を測定したところ、上記の結果と一致し、PK実験から予想されるとおり、データから、PSA−rFVIIIでより長い有効性が確認された。FVIII KOマウスにおいてPSA−rFVIIIはrFVIIIよりも約2倍長く存在することが観察された。
最後に、血友病性関節出血のマウスモデル(関節内穿刺)におけるPEG−rFVIIII及びPSA−rFVIIIの効果を評価した。修飾rFVIII(すなわちPEG−rFVIII及びPSA−rFVIII)での処置は、マウスモデルにおいてrFVIIIよりも少なくとも2倍長く続くことが示された。

Claims (18)

  1. 修飾第VIII因子(FVIII)であって、FVIII半減期を延長しかつ前記修飾FVIIIの、フォン・ヴィルブランド因子(VWF)及び低密度リポタンパク質(LDL)受容体関連タンパク質1(LRP1)からなる群より選択されるリガンドへの結合を減少させる修飾を含む、前記修飾FVIII。
  2. 血漿由来である、請求項1に記載の修飾FVIII。
  3. 組換え体である、請求項1に記載の修飾FVIII。
  4. 全長FVIIIであり、かつインタクトBドメインを含む、請求項3に記載の修飾FVIII。
  5. 非修飾FVIIIと比べてより低い親和性(KD)で、VWF及びLRP1に結合する、請求項1に記載の修飾FVIII。
  6. 前記修飾が、ポリシアル酸(PSA)を含む、請求項1に記載の修飾FVIII。
  7. 前記PSAが、約20kDaからなる群より選択される平均分子量を有する、請求項6に記載の修飾FVIII。
  8. 前記PSAが、低い多分散度を有する、請求項6または7に記載の修飾FVIII。
  9. 前記PSAが、アミノオキシリンカーを含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の修飾FVIII。
  10. 前記アミノオキシリンカーが、前記修飾FVIIIの酸化糖質に付加されている、請求項9に記載の修飾FVIII。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾FVIIIと、薬学上許容される担体、希釈剤、塩、緩衝液、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  12. 前記半減期が、PEG化FVIIIよりも長い、請求項6〜10のいずれか1項に記載の修飾FVIII。
  13. 倍率で約1、2、または3倍、前記半減期がより長い、請求項12に記載の修飾FVIII。
  14. PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1への結合と比べた場合に、VWFまたはLRP1への前記結合がより低下している、請求項6〜10のいずれか1項に記載の修飾FVIII。
  15. PEG化FVIIIのVWFまたはLRP1への結合と比べた場合に、倍率で0.5、VWFまたはLRP1への前記結合がより低下している、請求項11に記載の修飾FVIII。
  16. 修飾組換えFVIIIであって、FVIII半減期を延長しかつ前記修飾FVIIIの、VWF及びLRP1からなる群より選択されるリガンドへの結合を減少させる修飾を含み、前記修飾が、アミノオキシリンカーとともにPSAを含み、前記アミノオキシリンカーが前記修飾FVIIIの酸化糖質と結合しており、
    前記修飾組換えFVIIIの半減期が、非修飾組換えFVIII及び/またはPEG化組換えFVIIIよりも長く、かつ
    非修飾組換えFVIII及び/またはPEG化組換えFVIIIによるVWFまたはLRP1への結合と比べた場合に、前記修飾組換えFVIIIによるVWFまたはLRP1への前記結合がより低下している、
    前記修飾組換えFVIII。
  17. 前記修飾FVIIIが、FVIII欠乏と関連する疾患または障害と診断された哺乳類に投与される、請求項1〜10及び12〜16のいずれか1項に記載の修飾FVIII。
  18. 哺乳類における出血性障害の治療方法であって、請求項1〜10及び12〜16のいずれか1項に記載の修飾FVIII、または請求項11に記載の医薬組成物を、前記出血性障害の1種または複数種の症候を減少または除去するのに有効な量で、前記哺乳類に投与するステップを含む、前記治療方法。
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