図1は本発明の一実施形態のプリンタ用メモリ装置であるプリンタ用メモリ装置48Y,48M,48C,48Kを備えるトナー容器45Y,45M,45C,45Kが搭載される画像形成装置の概略的構成を示す断面図である。本実施形態において、画像形成装置は、カラー複写機であって、プリンタ本体(以下、「装置本体」と略記する場合がある)113と、プリンタ本体113の上方に配設されたトナー容器収容部83とを備える。トナー容器収容部83には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した4つのトナー容器45Y,45M,45C,45Kが着脱可能に設置される。
トナー容器収容部83の下方には、中間転写ユニット28が配設される。中間転写ユニット28は、中間転写ベルト21を有し、中間転写ベルト21に対向するように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像形成部19Y,19M,19C,19Kが並設される。
各トナー容器45Y,45M,45C,45Kの下方には、トナー補給装置73Y,73M,73C,73Kが配設される。トナー容器45Y,45M,45C,45Kに収容されたトナーは、トナー補給装置73Y,73M,73C,73Kによって、画像形成部19Y,19M,19C,19Kの現像装置内に供給される。
図2は画像形成部19Yの拡大断面図である。イエローに対応した画像形成部19Yは、感光体ドラム14Y、感光体ドラム14Yの周囲に配設された帯電部17Y、現像装置18Y、クリーニング部15Y、および除電部16Yなどによって構成される。感光体ドラム14Yの表面には、クリーニング工程、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を経て、イエロー画像が形成される。
他の3つの画像形成部19M,19C,19Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した画像形成部19Yとほぼ同様の構成であり、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの画像形成部19M,19C,19Kについて、重複する説明は省略し、イエローに対応した画像形成部19Yについて説明する。
感光体ドラム14Yは、駆動モータの出力軸からの回転が複数の歯車などのよって構成される減速装置を経て感光体ドラム14Yに伝えられ、感光体ドラム14Yが図2において時計方向に回転駆動される。感光体ドラム14Yの表面は、帯電部17Yによって一様に帯電される。その後、感光体ドラム14Yの表面は、露光部20から発せられたレーザ光Lの露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される。
感光体ドラム14Yの表面に形成された静電潜像は、現像装置18Yとの対向位置で、現像装置18Yにイエローの現像剤によって顕像化され、イエローのトナー像が形成される。その後、感光体ドラム14Yの表面のトナー像は、中間転写ベルト21および1次転写バイアスローラ22Yの対向位置に達すると、この位置で中間転写ベルト21上に転写される。このとき、感光体ドラム14Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
感光体ドラム14Yの表面に残存した未転写トナーは、クリーニング部15Yとの対向位置で、クリーニングブレード15aによってき取られて機械的に除去され、回収ロール15bによって回収された後、感光体ドラム14Yの表面から除電部16Yによって残留電荷が除去される。こうして、感光体ドラム14Y上で一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述したイエロー画像の作像プロセスは、他の画像形成部19M,19C,19Kにおいても同様に行なわれる。すなわち、各画像形成部19M,19C,19Kの下方に配設された露光部20から、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報のレーザ光Lが、各画像形成部19M,19C,19Kの感光体ドラム14M,14C,14K上に向けてそれぞれ照射される。すなわち、露光部20は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで反射して各感光体ドラム14M,14C,14Kの各表面を走査し、静電潜像を形成する。その後、現像工程を経て各色の静電潜像が各色のトナー像に顕像化され、中間転写ベルト21上に重ねて転写される。こうして、中間転写ベルト21上にカラー画像が形成される。
前述の中間転写ユニット28は、中間転写ベルト21、4つの1次転写バイアスローラ22Y,22M,22C,22K、複数の2次転写バックアップローラ25、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部などによって構成される。中間転写ベルト21は、複数のローラ部材に架け渡されて張架され、複数の2次転写バックアップローラ25のうちの1つである駆動ローラの回転によって図1の矢印で示す方向に走行駆動される。
4つの1次転写バイアスローラ22Y,22M,22C,22Kは、それぞれ、中間転写ベルト21を感光体ドラム14Y,14M,14C,14Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ22Y,22M,22C,22Kに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト21は、矢印で示す方向に走行して、各1次転写バイアスローラ22Y,22M,22C,22Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム14Y,14M,14C,14K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト21上に重ねてそれぞれ1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト21は、2次転写ローラ32との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ25が、2次転写ローラ32との間に中間転写ベルト21を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト21上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙などの記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト21には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト21は、中間転写クリーニング部(図示せず)の位置に達する。この位置で、中間転写ベルト21上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト21上で行なわれる、一連の転写プロセスが終了する。
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体113の下部に配設された給紙部39から、給紙ローラ40、レジストローラ対41などによって搬送経路に沿って搬送される。すなわち、給紙部39には、転写紙などの記録媒体Pが複数枚重ねて収納される。給紙ローラ40が図1において反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対41のローラ間に向けて移送される。
レジストローラ対41に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対41のローラニップの位置で一旦停止する。中間転写ベルト21上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対41が回転駆動され、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置33に搬送され、この位置で定着ベルトおよび加圧ローラによる熱と圧力とによって、記録媒体Pの表面に転写されたカラー画像が、記録媒体P上に定着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対42のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対42によって装置外に排出された被転写後の記録媒体Pは、出力画像として、スタック部43上に排出され、順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが終了する。
現像装置18Yは、感光体ドラム14Yに対向する現像ローラ64Y、現像ローラ64Yに対向するドクターブレード65Y、現像剤収容部66Y,67Y内に配設された2つの搬送スクリュ68Yなどによって構成される。現像ローラ64Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転する円筒状のスリーブなどによって構成される。現像剤収容部66Y,67Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Dが収容される。
このように構成された現像装置18Yは、次のように動作する。現像ローラ64Yのスリーブは、図2において矢印で示す方向に回転している。マグネットによって形成された磁界によって現像ローラ64Y上に担持された現像剤Dは、スリーブの回転にともない現像ローラ64Y上を移動する。
ここで、現像装置18Y内の現像剤Dは、現像剤中のトナーの割合であるトナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置18Y内のトナー消費に応じて、トナー容器45Yに収容されるトナーが、トナー補給装置73Y(図3などを参照できる。)を介して現像剤収容部67Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
その後、現像剤収容部67Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ68Yによって、現像剤Dとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部66Y、67Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。現像剤D中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ64Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ64Y上に担持される。
現像ローラ64Y上に担持された現像剤Dは、図2において矢印で示す方向に搬送されて、ドクターブレード65Yの位置に達する。現像ローラ64Y上の現像剤Dは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム14Yとの対向位置、すなわち現像領域まで搬送される。現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム14Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ64Y上に残った現像剤Dはスリーブの回転にともない現像剤収容部66Yの上方に達して、この位置で現像ローラ64Yから離脱される。
図3はトナー補給装置73にトナー容器45Yが装着された状態を模式的に示す図であり、図4はトナー容器収容部に4つのトナー容器45Y,45M,45Y,45Kが設置された状態を示す斜視図であり、図5はトナー容器収容部83に1つのトナー容器45Cが装着された状態を模式的に示す斜視図である。装置本体113のトナー容器収容部83に設置された各トナー容器45Y,45M,45C,45K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、各色ごとに設けられたトナー補給装置73Y,73M,73C,73Kによって各現像装置内に補給される。
4つのトナー補給装置73Y,73M,73C,73Kおよびトナー容器45Y,45M,45C,45Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置73Yおよびトナー容器45Yのみについて説明し、他の3つの色に対応したトナー補給装置73M,73C,73Kやトナー容器45M,45C,45Kの説明については省略する。
図1をも参照して、装置本体113の手前側(図1の紙面に垂直手前側)に設置された本体カバー(図示せず)を開放すると、トナー容器収容部83の挿入口部84が露出される。各トナー容器45Y,45M,45C,45Kの長手方向を水平方向とした状態で、装置本体113の手前側から各トナー容器45Y,45M,45C,45Kの着脱操作が行なわれる。
トナー容器45Yは、略円筒状のトナーボトルであって、トナー容器収容部83に保持されるキャップ部47Yと、歯車46c(図13、図14を参照)が一体的に形成された容器本体46Yとによって構成される。容器本体46Yは、キャップ部47Yに対して相対的に回転可能に保持され、駆動モータ、駆動歯車94などによって構成される駆動部104によって、図3の矢印で示す方向に回転駆動される。容器本体46Y自体が回転することによって、トナー容器45Yの容器本体46Y内に収容されたトナーが、長手方向に搬送されて、キャップ部3447Yから排出される。すなわち、駆動部104によってトナー容器45Yの容器本体46Yが適宜に回転駆動されることによって、トナーが補給される。
トナー補給装置73Y,73M,73C,73Kは、トナー容器収容部83、駆動部104などを含んで構成される。
トナー容器収容部83は、トナー容器45Yのキャップ部47Yを保持するためのキャップ受部86と、トナー容器45Yの容器本体46Yを保持するためのボトル受部85と、トナー容器45Yの装着動作時における挿入口となる挿入口部84とによって構成される。
図6はキャップ受部86にキャップ部47Yが設置された状態を示す断面図であり、図7はトナー容器収容部83のキャップ受部86を示す斜視図であり、図8はキャップ部47Yが設置された状態のキャップ受部86を示す斜視図である。図9はキャップ部47Yが設置された状態のキャップ受部86を示す正面図であり、図10はキャップ受部86を斜め下方から見た斜視図である。
トナー容器収容部83には、ボトル受部85、キャップ受部86および挿入口部84が設けられる。トナー容器45Yは、把持部46dを把持する使用者によって、長手方向を水平方向とした状態で、容器本体46Yに対してキャップ部47Yを先頭にして長手方向を装着方向として、挿入口部84からトナー容器収容部83に装着される。挿入口部84から挿入されたトナー容器45Yは、ボトル受部85のボトル受面85aを滑動しながら、キャップ受部86に向けて使用者によって押し込まれる。
トナー容器収容部83のキャップ受部86には、第1基準ピン86a、第2基準ピン86b、被当接溝86m、側方溝86h、壁部86g、貫通孔86fなどが設けられる。
図11はトナー容器45Yを斜め下方から見た斜視図であり、図12は容器本体46Yを示す側面図であり、図13はトナー容器45Yのキャップ部47Y付近を斜め上方から見た斜視図である。図14はトナー容器45Yをキャップ部47Y側から見た正面図であり、図15はシャッタ部材47dがトナー補給口86wを開放した状態を示すキャップ部47Yの斜視図である。
位置決めピンとしての第1基準ピン86aおよび第2基準ピン86bのそれぞれは、トナー容器45Yにおけるキャップ部47Yの第1の位置決め切欠き47aと第2の位置決め切欠き47bとに嵌合し、これによってキャップ受部86にキャップ部47Yが位置決めされる。
第1基準ピン86aは、第2基準ピン86bよりも軸線方向に長く、根元部となる基準面は、同一平面上に形成される。また第1基準ピン86aは、その先端部が先細り形状となっている。これらの構成によって、キャップ受部86へのトナー容器45Yの長手方向の装着動作において、キャップ受部86へのトナー容器45Yのスムーズな装着が可能になる。
トナー容器45Yを着脱する際、そのキャップ部47Yに形成された側方突起47cは、溝部86r1および側方溝86h内において、捩りコイルばね106で付勢されたキャップ部挟み込み部材86rを押しのけて通過する。これによって、装置本体113のキャップ受部86へのトナー容器45Yの着脱操作を行う使用者は、着脱操作に同期したクリック感を感じることができ、中途半端な勢いで着脱操作を行うことなく最適な勢いにてトナー容器45Yの着脱操作を行うことができる。
キャップ受部86の装着方向に垂直な壁面には、鉛直方向に延在する長円孔と方形孔とが互いの縁線を一致させて重なった状態の形状からなる貫通孔86fが形成される。この貫通孔86fを介して、後述の図18に示されるコネクタ86eが、図19に示されように、キャップ受部86の内壁から内部に露出するように設置される。キャップ受部86にトナー容器45Yが装着されると、キャップ部47Yの先端に配されたプリンタ用メモリ装置48に対してコネクタ86eが対向接触して、プリンタ用メモリ装置48と装置本体113の制御部103とが電気的に接続され、プリンタ用メモリ装置48と装置本体113の制御部103との間での送受信が可能になる。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー容器45Y,45M,45C,45Kに対応して、4つのコネクタ86eが、図7に示されるように、各キャップ受部86に配設される。4つのコネクタ86eは、1つの長方形の共通電子基板108上に並設される。詳しくは、コネクタ86eの底部に形成されたスナップフィット用の係止爪86e4を、共通電子基板108に形成された切欠きに嵌め込むことによって、共通電子基板108上にコネクタ86eが固定される。
4つのコネクタ86eが固定された共通電子基板108は、4つのコネクタ86eがそれぞれ貫通孔86fを介してキャップ受部86の内部に入り込んだ状態で、4つのキャップ受部86K,86C,86M,86Yの配列方向に沿って位置決めされた状態で固定される。さらに詳しく述べると、4つのボルト112が、共通電子基板108に形成された切欠きを介して、4つのキャップ受部86K,86C,86M,86Yの壁部の下方に形成されたボス部86xにそれぞれ螺合されて、キャップ受部86に対して共通電子基板108が外側からねじ接合される。
コネクタ86eは、コネクタ本体86e1、4つの本体側端子86e2、および位置決め用の突起部である2つの位置決めピン86e3などによって構成される。コネクタ86eの3つの本体側端子86e2は、板状または線状の導電性材料、たとえば金属なら成り、その一端側を固定端とし、他端側を自由端としてコネクタ本体86e1に固定支持される。また、3つの本体側端子86e2は、その他端側にプリンタ用メモリ装置48の側に向けて凸に湾曲した湾曲部が形成される。
キャップ受部86へのキャップ部47Yの装着動作に伴い、本体側端子86e2の湾曲部は、図12の上方へ変位して、キャップ部47Yに設置されたプリンタ用メモリ装置48のトナー容器側端子48aに対する接触圧を徐々に強めながら、長手方向中央部から図12の左方に向けて変位する。位置決めピン86e3の先端部は、プリンタ用メモリ装置48の切欠き48b1への嵌入が容易かつ確実に行なわれるように、略円錐状に形成される。
図16はプリンタ用メモリ装置48がコネクタ86eに係合した状態を示す斜視図であり、図17はプリンタ用メモリ装置48を拡大した正面図であり、図18はコネクタ86eの斜視図であり、図19はプリンタ用メモリ装置48のコネクタ86eへの装着動作を示す断面図である。図20Aおよび図20Bはプリンタ用メモリ装置48およびコネクタ86eの電気的構成を説明するための図であり、図21Aおよび図21Bはトナー容器45Yを示す斜視図であって、図21Aはプリンタ用メモリ装置48が装着される前の状態を示す分解斜視図であり、図21Bはプリンタ用メモリ装置48が装着された状態を示す斜視図である。図22はトナー容器45Yを示す正面図である。
本実施形態のプリンタ用メモリ装置は、位置決め突起86e2が嵌入可能な切欠き48b21が形成された基板48bと、切欠き48b21に位置決め突起86e2が嵌入したとき、切欠き48b21に嵌入した位置決め突起86e2に接触するように、導電性材料から成るアース端子48dと、切欠き48b21に位置決め突起86e2が嵌入したとき、本体側端子86e21〜86e23に接触するように基板48bに設けられた、導電性材料から成るトナー容器側端子86a21〜86a23と、基板48b上でアース端子48dおよびトナー容器側端子48a1〜48a3に電気的に接続され、切欠き48b21に位置決め突起86e2が嵌入した状態で、プリンタ本体113とトナー容器45Yとの間で本体側端子86e21〜86e23およびトナー容器側端子48a1〜48a3を介して送受信される情報が記憶されるメモリ装置48cと、を備える。
このようにプリンタ用メモリ装置48の基板48bには、切欠き48b21と、複数の矩形状のトナー容器側端子48a1,48a2,48a3と、第1のトナー容器側端子48a1および第2のトナー容器側端子48a2間に配置されるアース端子48dとが形成される。
プリンタ用メモリ装置48は、基板48bの重心Gよりも一方の短辺側の位置に、切欠き48b21が形成される。この切欠き48b21の内周を含む周囲には、アース端子48dが配設される。基板48bの表面に形成されたアース端子48dは、円環状の部分と、円環状の部分に連なり、基板48bの一方の側辺に向かって平行に延びる2つの延出部分48d1とを有する。
切欠き48b21に対して鉛直上方の位置には、1つの矩形状のトナー容器側端子48a1が配設され、鉛直下方の位置には、2つの矩形状のトナー容器側端子48a2,48a3が配設される。
基板48bのキャップ部47Yに対向する側である裏側には、半球面状のエポキシなどの樹脂材料からなりメモリ装置48cを覆って保護する保護部材48eが設けられる。保護部材48eは、内部にICなどのメモリ装置48cを有し、裏面で最も大きく重量がある。したがって、保護部材48eの上方に切欠き48b21を配置することによって、プリンタ用メモリ装置48の重心の鉛直上方に切欠き48b21があるという位置関係を実現している。具体的には、図17を参照して、プリンタ用メモリ装置48は、切欠き48b21の中心位置が、プリンタ用メモリ装置48の重心から距離L1だけ図17において上方、すなわち基板48bの一方の短辺寄りの偏心した位置に形成される。
図18において、コネクタ86eは、樹脂製で中空の箱であるコネクタ本体86e1を有しており、コネクタ本体86e1に1本の中空円筒で先端が略円錐状の位置決めピン86e3が、トナー容器45Yを装置本体113に装着した状態で水平方向に起立するように設けられている。位置決めピン86e3には、接地用の本体側端子86e25が接続される。接地用の本体側端子86e25は、板状の導電性材料である金属の部材から成り、その一部がコネクタ本体86e20と一体に形成された位置決めピン86e3の中空部に収納され、その湾曲部が中空円筒の周面の一部に形成されたスリット状の開口から露出して円筒外周面から突出している。
位置決めピン86e3に対して、鉛直上方の位置には1つの本体側端子86e21が設けられ、鉛直下方の位置には2つの本体側端子86e22,86e23が設けられる。これらの本体側端子86e21〜86e23は、板状の金属部材であって、設置位置が異なる以外はほぼ同様に構成される。
コネクタ本体86e20の下方であって、位置決めピン86e3の両側には、互いの先端内側のテーパ面が線対称になるよう形成された一対のリブからなり、プリンタ用メモリ装置48の両側端面であって切欠き48b21の中心よりも鉛直下方の箇所に対向する一対の規制部材としての振れ防止部材86e24が設けられている。
図16を参照して、トナー容器45Yが装置本体113に装着された際には、装置本体113側のコネクタ86eとプリンタ用メモリ装置48の位置決めが完了して本体側端子86e2,86e25と上述のトナー容器側端子48a1〜48a3、アース端子48dとが接続される。
トナー容器45Yの一連の装着動作のうち、キャップ部47Yの切欠き48b21に位置決めピン86e3が嵌合するように、仮想線で示されるように案内され、位置決めピン86e3の先端のテーパによってプリンタ用メモリ装置48の水平方向および垂直方向の位置が同時に位置決めされる。
さらに、基板48bの左右両側であって切欠き48b21の中心よりも下方である下側の縁部にコネクタ86e2の一対の振れ防止部材86e24が嵌合する。このときプリンタ用メモリ装置48の位置がずれていたとしても、各振れ防止部材のテーパ面がプリンタ用メモリ装置48の基板48bの両側の長辺に当接するので、重心を回転中心として姿勢を鉛直にする方向に基板48bが回転し、姿勢のずれを矯正することができる。
これによって、プリンタ用メモリ装置48の位置決めを容易に行ない、プリンタ用メモリ装置48のアース端子48dが、位置決めピン86e3の接地用の本体側端子86e25に接触して電気的に接続させ、プリンタ用メモリ装置48を接地することができる。また、図20Aに示すように、プリンタ用メモリ装置48の3つのトナー容器側端子48a1,48a2,48a3は、コネクタ86eの3つの本体側端子86e21〜86e23にそれぞれ接触して、プリンタ用メモリ装置48と本体側コネクタ86e、したがって装置本体113とが接続され、プリンタ用メモリ装置48および装置本体113の間で情報の伝達が可能になる。
このような本実施形態によれば、プリンタ用メモリ装置48の基板48bに切欠き48b21が形成されるので、基板48bの加工が容易であり、トナー容器45Yの装置本体113への装着時のプリンタ用メモリ装置48と装置本体113との間の確実な電気的接続が得られる。また、接地用の本体側端子86e25が位置決めピン86e3の周囲に設けられるので、位置決めピン86e3と本体側端子86e25との距離を実質0にすることができ、本体側端子86e25に対するアース端子48dの位置決め精度を高めることができる。
装着完了状態において、コネクタ86e側の3つの本体側端子86e21〜86e23の湾曲した接触部を結ぶ線上に切欠き48b21の孔中心を一致させるように、切欠き48b21と本体側端子86e2の湾曲部との配置関係を設定している。これによって、位置決め部である切欠き48b21から接触部までの水平方向の距離を少なくして、実質的の0mm近傍とし、3つのトナー容器側端子48a1,48a2,48a3と本体側端子86e2とが接触するときの位置決め精度が向上される。
各トナー容器45Y,45M,45C,45Kを単品で保管する際、異物が保持部材47kの中に入ってプリンタ用メモリ装置48とその周囲の対向部との間に挟まり、プリンタ用メモリ装置48の位置がずれても、プリンタ用メモリ装置48の切欠き48b21が重心よりも鉛直上方にあるので、一対の振れ防止部材86e24が回転中心である切欠き48b21よりも鉛直下方に侵入するときに、振れ防止部材86e24のテーパ面が、プリンタ用メモリ装置48をその重心を回転中心にして、姿勢を鉛直方向に沿うように回転させ、位置ずれを矯正することができる。これによって、切欠き48b21が1つであっても、複数の本体側端子86e2に対する複数のトナー容器側端子48a1,48a2,48a3の位置決めを高精度で行うことができる。
最上位にあるトナー容器側端子48a1は、通信制御のためのクロック信号が入力される。逐次通信のため速度は遅いが低コストなシリアル通信方式を採用し、シリアルバスとしてI2C(Inter-Integrated Circuit)を採用し、本体側コネクタと接続した状態でシリアルクロック(SCL)が入力される信号線を形成する。トナー容器側端子48a1がクロック信号入力方向側の端子に相当するが、クロック信号は信号の流れが片方向であるため、後述する電源に接続されるトナー容器側端子48a3との短絡によるプリンタ用メモリ装置48の破壊の可能性が、他の端子と比較して高いと予測される。そのため、プリンタ用メモリ装置48の破壊を避けるために、Vccから離れた場所に配置し、たとえアース端子48dと短絡しても、壊れるおそれはない。
トナー容器側端子48a2もシリアル通信方式で信号の送受信に用いられ、シリアルバスとしてI2Cを採用、本体側コネクタと接続した状態でシリアルデータ(SDA)が入出力される信号線を形成する。このパッドは入出力双方向であることから、片方向入力のトナー容器側端子48a1よりも短絡によるプリンタ用メモリ装置48破壊の可能性は小さい。
トナー容器側端子48a3は、電源入力部(Vcc)であり、本体側コネクタと接続した状態で5Vまたは3.3Vの電圧が入力される。電源とGNDの短絡という機器全体にとっての故障の危険性を小さくするためにアース端子48d(GND)および、シリアルクロック入力端子であるトナー容器側端子48a1と間に、シリアルデータ入力端子であるトナー容器側端子48a2を挟んで配置される。電源入力部であるトナー容器側端子48a3は、プリンタ用メモリ装置48の裏側の保護部材48eと基板48bを介して重なっており、保護部材48e内のIC駆動回路とも近くなっている。これによって電源ラインも短く太くでき、ノイズなどによる誤動作の低減し、電源の安定化を図ることができる。
アースに関しては、トナー容器45Yの装着動作において、プリンタ用メモリ装置48のアース端子48dがコネクタ86eの位置決めピン86e3の接地用の本体側端子86e25に接触した後に、プリンタ用メモリ装置48の3つのトナー容器側端子48a1,48a2,48a3がコネクタ86eの3つの本体側端子86e2に接触開始されるように構成される。換言すると、トナー容器45Yの離脱動作において、プリンタ用メモリ装置48の3つのトナー容器側端子48a1,48a2,48a3のコネクタ86eの3つの本体側端子86e2への接触が解除された後に、プリンタ用メモリ装置48のアース端子48dがコネクタ86eの位置決めピン86e3の接地用の本体側端子86e25との接触が解除されるように構成される。具体的には、図20Aを参照して、コネクタ86eにおいて、3つの本体側端子86e2に比べて接地用の本体側端子86e25の接触開始位置がプリンタ用メモリ装置48の側に近い位置になるように形成される。
図21Aは面板47pが設置される前の状態のトナー容器45Yを示し、図21Bは、プリンタ用メモリ装置48および面板47pが設置された状態のトナー容器45Y付近を示す。キャップ部47Yの端面には、プリンタ用メモリ装置48がトナー容器45Yの長手軸線に垂直な平面内で移動できるように保持するための凹部が形成されている。キャップ部47Yの凹部にプリンタ用メモリ装置48が遊挿された状態で、凹部からのプリンタ用メモリ装置48の脱落を防止するための面板47pが設置される。この面板47pは、プリンタ用メモリ装置48のトナー容器側端子48a1,48a2,48a3およびアース端子48dが露呈した状態で、プリンタ用メモリ装置48の基板48bの一部に接触可能にネジ締結され、プリンタ用メモリ装置48が位置調整可能に保持される。
トナー容器45Yの装着動作においては、常にプリンタ用メモリ装置48のアースがとられている状態で、トナー容器側端子48a1,48a2,48a3と本体側端子86e2との接続が開始され、トナー容器45Yの離脱動作においては、常にプリンタ用メモリ装置48のアースがとられている状態で、トナー容器側端子48a1,48a2,48a3と本体側端子86e2との接触解除が開始されることになる。そのため、プリンタ用メモリ装置48側の電気回路においてアースがとられずに電気的に浮いた状態になることが防止され、プリンタ用メモリ装置48に電気的な破損が生じにくくなる。
プリンタ用メモリ装置48側の電気回路においてアースがとられずに電気的に浮いた状態であるとき、電気回路は非常に大きなインピーダンスで接地される状態となり、トナー容器側端子48aと本体側端子86e2との接触時または接触解除時に発生した静電気がわずかでも電気回路に流れ込むと、その電流とインピーダンスとの積にほぼ等しい高電圧が発生する。この高電圧によりプリンタ用メモリ装置48におけるIC内部での絶縁破壊が生じて、ICが壊れてしまう。このような不具合は、図20Bに示すように、コネクタ86eにおいて、3つの本体側端子86e2と接地用の本体側端子86e25とのプリンタ用メモリ装置48に対する接触開始位置が同位置に形成されるような場合に生じやすくなる。
これに対して、本実施形態では、本体側端子86e21〜86e25においてプリンタ用メモリ装置48側に最も突出した部分である湾曲部よりも、位置決めピン86e3のスリット状の開口から露出した本体側端子86e25の湾曲部の方が、プリンタ用メモリ装置48により近い位置になるよう配置される。これによって、接触時の回路の接地が最初に行なわれ、離間時の回路の接地が最後になるため、インピーダンスが常に理論上ゼロとなり、静電気が電気回路内に流れ込んでもIC内部での絶縁破壊を防ぐことができる。
また、本実施形態におけるプリンタ用メモリ装置48には、図17で述べたように、アース端子48dの外周の一部に2つの延出部分48d1を設けている。このようにプリンタ用メモリ装置48の基板48bの一方表面に延出部分48d1を設けることによって、工場での製造時における検査工程、たとえばプリンタ用メモリ装置48の良・不良を検査する工程において、通電検査用のプローブの当接作業を容易にすることができる。
このとき、アース端子48dの延出部分48d1はプローブの先端部が当接するのに充分な面積が確保されるため、プローブの接触不良による通電検査不良を防止し、検査に対する信頼性を向上することができる。また、プローブの先端部をアース端子48dの延出部分48d1に上方から当接させて通電検査が行われるので、プローブを切欠き48b21に挿入して通電検査を行う場合に比べて、検査ごとに繰り返し使用されるプローブ自体の耐性を向上させることができるとともに、プリンタ用メモリ装置48の切欠き48b21が通電検査によって摩耗するという不具合も防止することができる。
以上のように、接触式のプリンタ用メモリ装置48が、本体側端子86e21〜86e24に対してトナー容器側端子48a1,48a2,48a3が近づいて接触するときの移動方向に対して略直交する仮想平面上を移動できるように保持部材47kに保持される。これによって、プリンタ本体113に対して着脱可能に設置されるトナー容器45Yに、接触式のプリンタ用メモリ装置48を設置した場合であっても、プリンタ本体113のコネクタ86eのプリンタ側端子86e21〜86e24との位置決め不良による接触不良が生じにくくなる。
また、プリンタ本体113に対して着脱可能に設置されるトナー容器45Yに、接触式のプリンタ用メモリ装置48を設置した場合であっても、プリンタ用メモリ装置48の基板48bに形成された1つの切欠き48b21に、コネクタ86eの位置決めピン86e3に形成された接地用のプリンタ側端子86e25に係合するアース端子48dを形成しているため、プリンタ用メモリ装置48の電気的な破損を生じにくくすることができる。
図23は本発明のさらに他の実施形態のプリンタ用メモリ装置48Aを示す正面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態のプリンタ用メモリ装置Aは、基板48bに、該基板48bの2つの長辺のうちいずれか一方の長辺側に開口し、かつ切欠き48b21が形成される。
このような切欠き48b21によってもまた、トナー容器45Yをプリンタ本体113に対して着脱操作を行った際に、トナー容器側端子48a1,48a2,48a3およびアース端子48dにプリンタ側端子86e21,86a22,86e23,86e24が接触して押圧され、あるいは基板48bの切欠き48b21の周辺に位置決めピン86e3が接触して押圧されても、基板48bには大きな応力が発生せず、基板48bの残留応力および残留歪みの発生を格段に低減することができる。これによって、プリンタ側端子86e21,86a22,86e23,86e24に対するトナー容器側端子48a1,48a2,48a3の接続不良の発生を防止することができる。
図24は本発明のさらに他の実施形態のプリンタ用メモリ装置48Bを示す正面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態のプリンタ用メモリ装置Bは、基板48bに、該基板48bの2つの長辺のうちいずれか一方の長辺側に開口し、かつ一方の長辺に近接するにつれて他方の短辺側に傾斜した切欠き48b21が形成される。
このような切欠き48b21によってもまた、トナー容器45Yをプリンタ本体113に対して着脱操作を行った際に、トナー容器側端子48a1,48a2,48a3およびアース端子48dにプリンタ側端子86e21,86a22,86e23,86e24が接触して押圧され、あるいは基板48bの切欠き48b21の周辺に位置決めピン86e3が接触して押圧されても、基板48bには大きな応力が発生せず、基板48bの残留応力および残留歪みの発生を格段に低減することができる。これによって、プリンタ側端子86e21,86a22,86e23に対するトナー容器側端子48a1,48a2,48a3の接続不良の発生を防止することができる。
図25は、本発明のさらに他の実施形態のプリンタ用メモリ装置48Cを示す正面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態のプリンタ用メモリ装置Cは、基板48bに、該基板48bの2つの長辺のうちいずれか一方の長辺側に開口し、かつ一方および他方の短辺に平行に延びる切欠き48b21が形成される。
このような切欠き48b21によってもまた、トナー容器45Yをプリンタ本体113に対して着脱操作を行った際に、トナー容器側端子48a1,48a2,48a3およびアース端子48dにプリンタ側端子86e21〜86e23,86e24が接触して押圧され、あるいは基板48bの切欠き48b21の周辺に位置決めピン86e3が接触して押圧されても、基板48bには大きな応力が発生せず、基板48bの残留応力および残留歪みの発生を格段に低減することができる。これによって、プリンタ側端子86e21,86e22,86e23に対するトナー容器側端子48a1,48a2,48a3の接続不良の発生を防止することができる。