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JP2019210464A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 Download PDF

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JP2019210464A
JP2019210464A JP2019095757A JP2019095757A JP2019210464A JP 2019210464 A JP2019210464 A JP 2019210464A JP 2019095757 A JP2019095757 A JP 2019095757A JP 2019095757 A JP2019095757 A JP 2019095757A JP 2019210464 A JP2019210464 A JP 2019210464A
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epoxy resin
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prepreg
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JP2019095757A
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English (en)
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雄一 山北
Yuichi Yamakita
雄一 山北
大典 小西
Daisuke Konishi
大典 小西
啓之 平野
Hiroyuki Hirano
啓之 平野
英喜 高橋
Hideki Takahashi
英喜 高橋
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】速硬化性と保存安定性に優れ、かつ加圧成形において繊維の配向乱れを抑制することが可能なエポキシ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、ならびに該プリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料を提供すること。【解決手段】次の成分[A]、[B]、[C]、[D]、[E]を含み、下記条件(1)から(5)を満たすエポキシ樹脂組成物。[A]:エポキシ樹脂[B]:ジシアンジアミド[C]:芳香族ウレア[D]:ホウ酸エステル[E]:粒子(1)0.005≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045(2)0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.3(3)12≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦26(4)成分[E]の平均粒子径が10μmよりも大きい。(5)成分[E]は150℃においてエポキシ樹脂組成物内にて不溶状態で存在する。【選択図】なし

Description

本発明は、スポーツ用途、航空宇宙用途および一般産業用途に適した繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として好ましく用いられるエポキシ樹脂組成物、ならびに、これをマトリックス樹脂としたプリプレグおよび繊維強化複合材料に関するものである。
繊維強化複合材料の製造には、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸したシート状の中間基材(プリプレグ)が汎用される。プリプレグを積層、加熱して硬化する方法で成形品が得られ、航空機やスポーツなど、様々な分野へ応用されている。プリプレグのマトリックス樹脂として用いられる熱硬化性樹脂としては、耐熱性、接着性、機械特性に優れることから、エポキシ樹脂が汎用される。
ここで、オートクレーブや加熱炉などを用いて成形体を得る製造方法は、成形のサイクルタイムが長いため、量産性を重視した繊維強化複合材料の製造、特に自動車用途では、プリプレグの積層体を高温、高圧で成形する手法が、しばしば用いられる。一般に、成形体を得るサイクルタイムと、成形体の品位はトレードオフの関係があり、高温高圧で加圧することによって、繊維の配向乱れの発生や機械特性の低下が問題となる。また、サイクルタイムを短縮するためにエポキシ樹脂の反応性(速硬化性)を高めると、プリプレグの保存安定性が損なわれ、保管時の品質低下が問題となる。そこで、保存安定性と速硬化性を両立し、かつ、高圧の成形でも高い品位を保持できる繊維強化複合材料を得る技術の構築が望まれている。
特許文献1には、速硬化性に優れ、140℃を超えないTgを有するエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、およびホウ酸エステルを含む、保存安定性に優れたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、特定の温度で膨潤する粒子を含むエポキシ樹脂組成物を用い、加熱硬化の温度でのみ増粘させ、加圧成形における成形体の繊維の配向乱れを抑制する技術が開示されている。
特表2016−500409号公報 特開2016−148020号公報 特許6131332号公報
特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物は、速硬化性には優れるが、保存安定性は不十分であった。
特許文献2に記載のエポキシ樹脂組成物は、保存安定性に優れるが、速硬化性は不十分であった。
特許文献3に記載の熱硬化性樹脂組成物は、増粘粒子を配合することで、成形体の繊維の配向乱れを抑制することができる。しかしながら、加圧成形の温度で増粘するため、成形体表面への樹脂の流動が不足し、表面品位が十分とはいえなかった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性に関する言及もなかった。
そこで、本発明では、かかる従来技術の欠点を克服し、速硬化性と保存安定性を両立し、かつ、加圧成形にて繊維の配向乱れを抑制することが可能なエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなるエポキシ樹脂組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下の構成からなる。
次の成分[A]、[B]、[C]、[D]、[E]を含み、下記条件(1)から(5)を満たすエポキシ樹脂組成物。
[A]:エポキシ樹脂
[B]:ジシアンジアミド
[C]:芳香族ウレア
[D]:ホウ酸エステル
[E]:粒子
(1)0.005≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045
(2)0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.3
(3)12≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦26
(4)成分[E]の平均粒子径が10μmよりも大きい。
(5)成分[E]は150℃においてエポキシ樹脂組成物内にて不溶状態で存在する。
また、本発明のプリプレグは、上記のエポキシ樹脂組成物と炭素繊維からなる。
さらに、本発明の繊維強化複合材料は、上記のプリプレグが硬化されてなる。
本発明に記載のエポキシ樹脂組成物を用いることで、速硬化性と保存安定性を両立し、かつ、加圧成形時の繊維の配向乱れを抑制することが可能なプリプレグおよび繊維強化複合材料を提供することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、[A]エポキシ樹脂、[B]ジシアンジアミド、[C]芳香族ウレア、[D]ホウ酸エステル、および[E]粒子を必須成分として含む。まず、成分[A]、[B]、[C]、および[D]について説明する。
(成分[A])
本発明における成分[A]はエポキシ樹脂である。[A]エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は、これらを単独で用いても、複数種を組み合わせても良い。
成分[A]の市販品としては、“jER(登録商標)”828、1001、1007FS、154、4007P、4010P(以上、三菱ケミカル(株)製)、“Epiclon(登録商標)”830、N−740、HP7200、HP7200H、HP7200HH、HP7200HHH(以上、DIC(株)製)、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434、ELM100、ELM120(以上、住友化学(株)製)、“アラルダイト(登録商標)”MY720、MY721、MY0500、MY0510、MY0600(以上、ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製)、“エポトート(登録商標)”YDF2001(新日鐵住金化学(株)製)などが挙げられる。
(成分[B])
本発明における[B]はジシアンジアミドである。ジシアンジアミドは、化学式(HN)C=N−CNで表される化合物である。ジシアンジアミドは、樹脂硬化物に高い力学特性や耐熱性を与える点で優れており、エポキシ樹脂の硬化剤として広く用いられる。かかるジシアンジアミドの市販品としては、DICY7、DICY15(以上、三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる。
成分[B]を粉体としてエポキシ樹脂組成物に配合することは、室温での保存安定性や、プリプレグ製造時の粘度安定性の観点から好ましい。また、成分[B]を予め成分[A]のエポキシ樹脂の一部に三本ロールなどを用いて分散させておくことは、エポキシ樹脂組成物を均一にし、硬化物の物性を向上させるため好ましい。
成分[B]は後述する成分[C]芳香族ウレアと併用することで硬化温度を下げることができる。本発明においては、硬化時間を短縮するため、成分[B]と成分[C]を併用することを必要とする。
(成分[C])
本発明における成分[C]は芳香族ウレア化合物である。成分[C]は硬化促進剤として働き、成分[B]と併用した場合に硬化時間を短縮することができる。
かかる成分[C]として、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、4,4’−メチレンビスフェニルジメチルウレア、フェニルジメチルウレア、トルエンビスジメチルウレアなどが挙げられる。
成分[C]の市販品としては、DCMU99(保土ヶ谷化学工業(株)製)、“Omicure(登録商標)”24(ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)、“Dyhard(登録商標)”UR505(CVC製)などが挙げられる。
(成分[D])
本発明における成分[D]はホウ酸エステルである。成分[D]は成分[C]と併用することで、保管温度での成分[C]と成分[A]の反応を抑制することができるため、プリプレグの保存安定性が著しく向上する。そのメカニズムは定かではないが、成分[D]はルイス酸性を持つため、成分[C]から遊離したアミン化合物と成分[D]が相互作用し、アミン化合物の反応性を低下させているのではないかと考えられる。
かかる成分[D]として、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリブチルボレート、トリn−オクチルボレート、トリ(トリエチレングリコールメチルエーテル)ホウ酸エステル、トリシクロヘキシルボレート、トリメンチルボレートなどのアルキルホウ酸エステル、トリo−クレジルボレート、トリm−クレジルボレート、トリp−クレジルボレート、トリフェニルボレートなどの芳香族ホウ酸エステル、トリ(1,3−ブタンジオール)ビボレート、トリ(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)ビボレート、トリオクチレングリコールジボレートなどが挙げられる。
また、ホウ酸エステルとして、分子内に環状構造を有する環状ホウ酸エステルを用いることもできる。環状ホウ酸エステルとしては、トリス−o−フェニレンビスボレート、ビス−o−フェニレンピロボレート、ビス−2,3−ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス−2,2−ジメチルトリメチレンピロボレートなどが挙げられる。
成分[D]の市販品としては、“キュアダクト(登録商標)”L−01B、L−07N、L−07E(以上、四国化成工業(株))(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物)などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる成分[C]、成分[D]は下記の条件(1)を満たす。
(1)0.005≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045。
条件(1)について、エポキシ樹脂組成物の成分[D]の含有量/成分[C]の含有量で示される値が0.005〜0.045の範囲内にあると、速硬化性と保存安定性のバランスに優れるエポキシ樹脂組成物が得られる。成分[D]の含有量/成分[C]の含有量が0.005未満の場合、保存安定性が不十分なものとなる。一方、成分[D]の含有量/成分[C]の含有量が0.045を超える場合、硬化時間が不十分なものとなる。なお、成分[C]の含有量または成分[D]の含有量とは、成分[A]のエポキシ樹脂100質量部に対する[C]ホウ酸エステルまたは[D]ホウ酸エステルの配合量のことである。
本発明のエポキシ樹脂組成物の保存安定性は、例えば、示差走査熱量分析(DSC)にて、ガラス転移温度の変化を追跡することで評価できる。具体的には、エポキシ樹脂組成物を、恒温恒湿槽などで所定の期間保管し、保管前後のガラス転移温度変化をDSCにより−20℃から150℃まで5℃/分で昇温して測定することで判定できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、40℃、75%RHで14日間保存した後のガラス転移温度の変化が20℃以下であることが好ましい。かかるガラス転移温度の変化が20℃以下であることで、該エポキシ樹脂組成物からなるプリプレグはさらに優れた保存安定性を示す。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化時間は、例えば、加硫/硬化特性試験機キュラストメーターV型(JSRトレーディング(株)製)を用いることで評価できる。具体的には、調製したエポキシ樹脂組成物を150℃に加熱されたダイスにサンプルを入れ、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇をダイスに伝わるトルクとし、最大ピークトルクの70%に達する時間を脱型可能な時間とし評価する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる成分[A]、成分[B]は下記の条件(2)を満たす。
(2)0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.3。
条件(2)について、成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数で示される値が、0.9〜1.3の範囲にある場合、速硬化性に優れるエポキシ樹脂組成物を与える。成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数が、1.3を超える場合には、速硬化性が不十分なものとなる。一方、成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数が、0.9未満の場合には、硬化物の機械特性が不十分なものとなる。
なお、成分[A]の活性基モル数とは、各エポキシ樹脂活性基のモル数の和のことであり、下式で表される。
成分[A]の活性基モル数=(エポキシ樹脂A質量/エポキシ樹脂Aのエポキシ当量)+(エポキシ樹脂B質量/エポキシ樹脂Bのエポキシ当量)+・・・・+(エポキシ樹脂W質量/エポキシ樹脂Wのエポキシ当量)。
また、成分[B]の活性水素モル数は、ジシアンジアミド質量をジシアンジアミドの活性水素当量で除することにより求められ、下式で表される。
成分[B]の活性水素モル数=ジシアンジアミドの質量/ジシアンジアミドの活性水素当量。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる成分[A]、成分[C]は下記の条件(3)を満たす。
(3)12≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦26。
条件(3)について、成分[A]の含有量/成分[C]の含有量で示される値が、12〜26の範囲にある場合、速硬化性に優れるエポキシ樹脂組成物を与える。成分[A]の含有量/成分[C]の含有量が、26を超える場合には、速硬化性が不十分なものとなる。一方、成分[A]の含有量/成分[C]の含有量が、12未満の場合には、硬化物の機械特性が不十分となる。
一般に、エポキシ樹脂組成物の速硬化性と保存安定性はトレードオフの関係にあり、速硬化性と保存安定性は両立できない。本発明のエポキシ樹脂組成物が前記条件(1)〜(3)をすべて満たすことで初めて、速硬化性と保存安定性のトレードオフが打破され、速硬化性と保存安定性を両立したプリプレグを得ることができる。条件(1)〜(3)のいずれか1つ、あるいは2つを満たすだけでは、速硬化性と保存安定性は両立できない。
続いて、成分[E]について説明する。
(成分[E])
本発明に含まれる成分[E]は粒子である。本発明において、成分[E]の体積平均粒子径は10μmよりも大きい必要がある(条件(4))。体積平均粒子径を10μmより大きくすることで、プリプレグの積層体の加圧成形の際に粒子がプリプレグ層の間に遍在し、プリプレグ同士の層間の摩擦力を高めることができるため、成形体の繊維の配向が乱れにくい。すなわち、積層体の加圧加熱時に、プリプレグ層間に粒子が遍在するためには、定かでは無いが、プリプレグを構成する炭素繊維の間に粒子が埋没しないことが重要となるためである。かかる成分[E]の体積平均粒子径の範囲の上限としては、1000μm以下が好ましい。ここで、体積平均粒子径はJIS Z8825−1(2001)に従って、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置で測定した値である。
さらに、成分[E]は、成分[A]、[B]、[C]、[D]および、必要に応じて以下で説明される成分[F]熱可塑性樹脂と混合してなるエポキシ樹脂組成物内にて、150℃において不溶状態で存在する必要がある(条件(5))。粒子が他の構成要素に溶解しない、すなわち、エポキシ樹脂組成物内にて不溶状態で存在することで、加圧時に層間の摩擦力を発現し、その結果、加圧成形時の繊維の配向乱れを抑制することができる。
ここで、成分[E]の上記溶解性は、上記のとおりエポキシ樹脂組成物の他の構成成分への溶解性ではあるが、成分[B]および成分[C]は、エポキシ樹脂組成物の硬化の過程では固体として存在するため、現実的には成分[B]および成分[C]を含む樹脂組成物から成分[E]の溶解性を判断することが難しい。したがって、下記の方法で成分[E]の溶解性を判定する。すなわち、成分[B]および成分[C]を除いたエポキシ樹脂組成物の他の構成成分、例えば、成分[A]および成分[D]、成分[F]からなる樹脂組成物、または、エポキシ樹脂組成物が成分[F]を有しない場合は成分[A]および成分[D]からなる樹脂組成物に、常温の状態で成分[E]を配合し、150℃の温度で30分間加熱した混合物を調製する。該混合物中の成分[E]の体積平均粒子径を、JIS Z8825−1(2001)に従って測定し、加熱混合前後の成分[E]の体積平均粒子径との差の絶対値が2%以内であれば、本発明で用いるエポキシ樹脂組成物内に不溶であると判断することもできる。
加圧成形時の繊維の配向乱れは、例えば、加圧成形を行う前のプリプレグ積層体の投影面積(PA)と加圧成形後の成形体の投影面積(CA)の比(CA/PA)を比較することで評価することができる。加圧成形後の成形体の投影面積(CA)は、実質的に、加圧成形前のプリプレグ積層体の投影面積(PA)よりも小さくなることはないため、CA/PAが1.0の場合、成形体の繊維の配向乱れが起きていないことを示す。また、CA/PAが1.0に近いほど、成形体の繊維の配向乱れの度合いが少ないと判断することができる。
前記エポキシ樹脂組成物に含まれる成分[E]は、成分[A]100質量部に対して、0.5以上5.0質量部以下であることが好ましい。上記範囲を満たすことで、成形体の繊維の配向乱れ抑制と機械特性のバランスに優れる。
成分[E]の市販品として、例えば、“ダイミックビーズ(登録商標)”UCN−5051D(架橋ポリウレタン、大日精化工業(株)製)、“SUNBLACK(登録商標)”SB900、SB320(以上、旭カーボン(株)製)、カーボンECP(ライオン(株)製)、“三菱(登録商標)”カーボンブラックRCF#40(三菱ケミカル(株)製)などが挙げられる
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化時間は、145秒以下であることが好ましい。かかる硬化時間が145秒以下であることで、加圧成形時の成形体の繊維の配向乱れを、より効果的に抑制することができる。加圧時に成分[E]が発生させるプリプレグ層間の摩擦力に加え、硬化速度を高めることにより、硬化にともなう樹脂の流動時間が短縮されるためである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を失わない範囲において、粘弾性を調整し、プリプレグのタックやドレープ特性を改良する目的や、樹脂組成物の機械特性や靭性を高めるなどの目的で、熱可塑性樹脂[F]を含むことができる。
かかる熱可塑性樹脂[F]として、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、ポリスルホンなどを挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、動的粘弾性測定で、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の最低粘度を示す温度が、110℃以上140℃以下であることが好ましい。動的粘弾性測定で、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の最低粘度を示す温度が、110℃以上140℃以下の範囲にある場合、該エポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを加熱加圧してなる繊維強化複合材料は、優れた外観を示す。これは、加圧成形中のエポキシ樹脂組成物が、硬化過程で適切な流動性を保つため、成形体の表面に十分に樹脂がいきわたり、表面に、樹脂の皮膜が形成されるためである。
本発明のエポキシ樹脂組成物が最低粘度を示す温度は、例えば、動的粘弾性測定にて、粘度の変化を追跡することで評価できる。具体的には、後述する方法にて調製されたエポキシ樹脂組成物を、レオメーター(回転型動的粘度弾性測定装置)を用いて、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物が最低粘度を示す温度で評価できる。
次に、本発明の繊維強化複合材料について説明する。具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを積層した後、加熱し硬化させることにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物をマトリックス樹脂として含む繊維強化複合材料を得ることができる。以下に、具体的に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、例えばニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機といった機械を用いて混練しても良いし、均一な混練が可能であれば、ビーカーとスパチュラなどを用い、手で混ぜても良い。
プリプレグの製造方法として、本発明のエポキシ樹脂組成物を炭素繊維基材に含浸させて得る方法が挙げられる。含浸させる方法としては、ホットメルト法(ドライ法)などを挙げることができる。ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接炭素繊維に含浸させる方法、または離型紙などの上にエポキシ樹脂組成物をコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで炭素繊維の両側または片側からこのフィルムを重ね、加圧加熱することにより炭素繊維に樹脂を含浸させる方法である。この際、離型紙に塗布する樹脂の量を変えることで、プリプレグの繊維重量含有率を調整することができる。
繊維強化複合材料の製造方法として、上記プリプレグの積層体を加熱および加圧することで成形体を得る方法が挙げられる。具体的には、加圧成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法などを適宜使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からなる繊維強化複合材料は、一般産業用途に好ましく用いられる。より具体的には、自動車、自転車、船舶および鉄道車両などの構造材の製造に好ましく用いられる。なかでも、速硬化性と保存安定性を両立し、加圧成形時の繊維の配向乱れを抑制が可能であることから、自動車などの外板向けのハイサイクル成形に、特に好ましく用いることができる。また、繊維の配向乱れを抑制することにより、繊維強化複合材料の機械特性の低下を抑えることが可能であるため、構造部材などの用途に広く用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
本実施例で用いる構成要素は以下の通りである。
<使用した材料>
・成分[A]:エポキシ樹脂
[A]−1 “jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
[A]−2 “jER(登録商標)”1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
[A]−3 “jER(登録商標)”1007FS(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
[A]−4 “Epotec(登録商標)”YD136(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、KUKDO社製)
[A]−5 “jER(登録商標)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
[A]−6 “エポトート(登録商標)”YDPN638(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)
[A]−7 “Epiclon(登録商標)”830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC(株)製)
[A]−8 “エポトート(登録商標)”YDF2001(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)
[A]−9 “jER(登録商標)”4010P(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)製)
[A]−10 “スミエポキシ(登録商標)”ELM434(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、住友化学(株)製)。
・成分[B]:ジシアンジアミド
[B]−1 DICY7(ジシアンジアミド、三菱ケミカル(株)製)。
・成分[C]:芳香族ウレア
[C]−1 “Omicure(登録商標)”24(トルエンビスジメチルウレア、ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
[C]−2 DCMU99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、保土ヶ谷化学工業(株)製)
[C]−3 “Dyhard(登録商標)” UR505(4,4’−メチレンビスフェニルジメチルウレア、CVC社製)。
・成分[D]:ホウ酸エステル
[D]−1 “キュアダクト(登録商標)”L−07E(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物、四国化成工業(株)製)。
・成分[E]:粒子
[E]−1 “ダイミックビーズ(登録商標)”UCN−5150D(架橋ポリウレタン、大日精化工業(株)製)
[E]−2 “三菱(登録商標)”カーボンブラックRCF#40(カーボンブラック、三菱ケミカル(株)製)
[E]−3 “カネエース(登録商標)”MX−125(コアシェルゴム粒子、カネカ(株)製)
[E]−4 “ゼフィアック(登録商標)”F320(ビニル粒子、アイカ工業(株)製)。
・成分[F]:熱可塑性樹脂
[F]−1 “ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、JNC(株)製)
[F]−2 “スミカエクセル(登録商標)”PES3600P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製)
[F]−3 YP―50(フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学(株)製)。
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
ステンレスビーカーに、[B]ジシアンジアミド、[C]芳香族ウレア、[D]ホウ酸エステルおよび[E]粒子以外の成分を所定量入れ、150℃まで昇温し、各成分が相溶するまで適宜混練した。120℃まで降温させた後、[E]粒子を配合し、30分間混練した。60℃まで降温させた後、[D]ホウ酸エステル成分と[B]ジシアンジアミドを配合し、30分間混練した。後に、[C]芳香族ウレアを添加し、60℃において30分間混練することにより、エポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成は、表1〜4に示した通りである。
<エポキシ樹脂組成物の硬化時間の評価方法>
エポキシ樹脂組成物の硬化時間は、キュラストメーターV型(JSRトレーディング(株)製)を用いて、前記方法で得たエポキシ樹脂組成物を150℃に加熱されたダイスにサンプルを入れ、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇をダイスに伝わるトルクとし、ピークトルクの70%に達した時間を硬化時間とした。
<エポキシ樹脂組成物の保存安定性の評価方法>
エポキシ樹脂組成物の保存安定性は、前記の方法で得た初期のエポキシ樹脂組成物をアルミカップに3g秤量し、40℃、75%RHの環境下で14日間恒温恒湿槽内に静置した後のガラス転移温度をT1、初期のガラス転移温度T0とした時に、ガラス転移温度の変化量をΔTg=T1−T0と定義し、ΔTgの値で保存安定性を判定した。ガラス転移温度は、保存後のエポキシ樹脂3mgをサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、−20℃から150℃まで5℃/分で昇温して測定した。得られた発熱カーブの変曲点の中点をガラス転移温度として取得した。
<エポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率の評価方法>
エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で、150℃の温度で90分硬化させ、厚さ2mmの板状の樹脂硬化物を得た。この樹脂硬化物から、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、スパンを32mm、クロスヘッドスピードを10mm/分にて3点曲げを実施し、曲げ弾性率を測定した。サンプル数n=5で測定した値の平均値を曲げ弾性率の値とした。
<成分[E]の体積平均粒子径の測定方法>
粒子径分布測定装置LA−950(HORIBA(株)製)を用い、ドライユニットにて、空気中に分散させた粒子の体積平均粒子径をJIS Z8825−1(2001)に従って3回測定し、その平均値を採用した。
<成分[E]の溶解状態の確認方法>
ステンレスビーカーに、[B]ジシアンジアミド、[C]芳香族ウレアおよび[D]ホウ酸エステル以外の成分を室温にて所定量入れた後、150℃まで昇温し混練した。120℃まで降温させた後、[E]粒子を配合し、30分間混練した。60℃まで降温させた後、[D]ホウ酸エステル成分を配合し、30分間混練した。得られた樹脂組成物の適量を、ペーストセルユニットに挟み、粒子径分布測定装置LA−950(HORIBA(株)製)を用い、JIS Z8825−1(2001)に従って、体積平均粒子径を算出した。前記<成分[E]の体積平均粒子径の測定方法>にて[E]粒子の体積平均粒子径を求め、混練前後の差の絶対値が2%以内であるものを、不溶と判断した。
<エポキシ樹脂組成物の最低粘度観測温度の評価方法>
前記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に準じて得られたエポキシ樹脂組成物を3g秤量し、直径40mmおよび直径50mmのパラレルプレートで挟み込み、回転型動的粘度弾性測定装置(ARES W/FCO:TAインスツルメント社製)を用いて、周波数3.14rad/s、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物の粘度を測定した。このとき、前記エポキシ樹脂組成物が最も低い粘度を示した際の温度を最低粘度観測温度の値とした。
<プリプレグの作製方法>
前記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に準じて得られたエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを2枚作製した。次に、シート状に一方向に配列させた炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−12K−60E(東レ(株)製、目付150g/m)に、得られた樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、温度85℃、圧力2MPaの条件で加圧加熱して熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、プリプレグを得た。このとき、プリプレグの繊維質量含有率(Wf)は67%となるように離型紙上の樹脂量を調整した。
<プリプレグの積層体の加圧成形方法>
前記<プリプレグの作製方法>に準じて作製したプリプレグを0°および45°方向に240mm角の大きさにカットし、[45/0/−45/90]の積層構成で8層、疑似等方に積層し、240mm角のプリプレグ積層体を作製した。
成形における金型は両面型であって、下型は凹形状となっており、縦横の幅がいずれも250mmであり、25mmのキャビティを有している。上型凸形状となっており、凸部は下型のキャビティ部を埋めるような形状であり、金型の材質はSS400である。あらかじめ、両面型を150℃に加熱・温調した状態で、下型キャビティ部中央に、前記方法で作製したプリプレグの積層体を配置した後、型を閉じ、面圧5MPaで6分間加圧した。6分間経過後、両面型からプリプレグ積層体を脱型し、繊維強化複合材料を得た。
<CA/PAの評価方法>
前記<プリプレグの作製方法>に準じて作製したプリプレグを、300mmの正方形に裁断し、[0°/90°/0°/90°/0°]の構成で5層積層したものを、150℃に加熱した500mm角の2枚のステンレス製の板に上下から挟みこみ、加圧時間10分、加圧力5MPaの条件で成形し、平板状の成形体を得た。上記方法で得た成形体を、複合機を用い等倍でスキャンして画像化した。画像解析ソフトにて、白色部分と黒色部分に二値化し、黒色部分の面積を算出し、成形体の投影面積(PA)とした。積層体の投影面積(CA)は、300mm幅の正方形であるため、90000mmとなる。上記方法で得られたPAおよびCAの値から、CA/PAを得た。
<表面品位の評価方法>
前記<プリプレグの積層体の加圧成形方法>に準じて得られた成形体の表面を観察し、良好な場合はA評価、表面にわずかな樹脂枯れが生じている場合をB評価、顕著な樹脂枯れ、および、繊維の蛇行が生じている場合はC評価とした。
<一方向繊維強化複合材料の0°曲げ強度の評価方法>
上記<プリプレグの作製方法>に従って作製したプリプレグを240mm角の大きさにカットし、繊維方向を揃え、16プライ積層し、240mm角のプリプレグ積層体を作製した。
成形における金型は両面型であって、下型は凹形状となっており、縦横の幅がいずれも250mmであり、25mmのキャビティを有している。上型凸形状となっており、凸部は下型のキャビティ部を埋めるような形状であり、金型の材質はSS400である。あらかじめ、両面型を表に示す成形温度に加熱・温調した状態で、下型キャビティ部中央に、上記方法で作製したプリプレグの積層体を配置した後、型を閉じ、面圧5MPaで6分間加圧した。6分間経過後、両面型からプリプレグ積層体を脱型して得られた繊維強化プラスチックを、幅15mm、長さ100mmとなるように切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、JIS K7017(1988)に従って3点曲げを実施した。クロスヘッド速度5.0mm/分、スパン80mm、厚子径10mm、支点径4mmで測定を行い、曲げ強度を測定した。かかる0°曲げ強度は、6個の試料について測定し、繊維質量含有率を60質量%とした換算値を算出して、その平均を0°曲げ強度として求めた。
(実施例1)
[A]エポキシ樹脂として“jER(登録商標)”828を30質量部、“jER(登録商標)”154を70質量部、[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を12.5質量部、[C]芳香族ウレア化合物として“Omicure(登録商標)”24を8.1質量部、[D]ホウ酸エステルを含む混合物として“キュアダクト(登録商標)”L−07Eを1.0質量部、[E]粒子として“ダイミックビーズ(登録商標)”UCN−5150Dを4質量部用いて、前記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.006、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は0.9、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は12である。
このエポキシ樹脂組成物に含まれる構成要素[E]粒子の体積平均粒子径を、<成分[E]の体積平均粒子径の測定方法>に従って測定したところ、15μmであり、<成分[E]の溶解状態の確認方法>に従って、粒子の溶解性を判定したところ、体積平均粒子径が15μmであったため、「不溶」と判断した。
このエポキシ樹脂組成物を、<エポキシ樹脂組成物の硬化時間の評価方法>に従って測定したところ、110秒であり、良好な硬化時間を示した。
また、このエポキシ樹脂組成物を、<エポキシ樹脂組成物の保存安定性の評価方法>に従って評価したΔTgは22℃で、良好な保存安定性を示した。
また、このエポキシ樹脂を<エポキシ樹脂組成物の最低粘度観測温度の測定方法>に従って最低粘度観測温度を測定したところ、108℃で最低粘度を示した。
さらに、エポキシ樹脂組成物を<エポキシ樹脂組成物の曲げ弾性率の評価方法>に従って曲げ弾性率を測定したところ、3.7GPaであった。
前記<プリプレグの作製方法>に従ってプリプレグを作製し、<CA/PAの評価方法>に従って評価したCA/PAは1.13であった。
前記<プリプレグの積層体の加圧成形方法>に記載の方法で、繊維強化複合材料(CFRP)を作製し、<表面品位の評価方法>に従って評価した表面品位はB評価であり、良好であった。
前記<一方向繊維強化複合材料の0°曲げ強度の評価方法>に記載の方法で成形した繊維強化複合材料(CFRP)の0°曲げ強度は1640MPaと良好な値を示した。
(実施例2〜12)
樹脂組成をそれぞれ表1、2に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および、CFRPを作製した。これらのエポキシ樹脂組成物の(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.006〜0.045、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は0.9〜1.2、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は12〜25の範囲内であった。これらのエポキシ樹脂組成物に使用した粒子の体積平均粒子径は15〜24μmであり、また、成分[E]粒子のエポキシ樹脂への溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物は、いずれも実施例1と同様、硬化時間および保存安定性は良好であった。また、硬化物の曲げ弾性率は3.6〜3.9GPaであった。
CA/PAの値は、1.09〜1.35であり、CFRPの表面品位はAもしくはB評価と、良好であった。繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1608〜1699MPaと高く、機械特性に優れたものであった。
(比較例1)
[E]粒子として“カネエース(商標登録)”MX−125を添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.023、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は15である。粒子の体積平均粒子径は0.1μmであり、また、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間および保存安定性、曲げ弾性率は良好であったが、CA/PAの値は1.90であり、繊維の配向乱れが生じたために繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1373MPaと低いものであった。また、成形品表面に顕著な繊維の配向乱れが生じたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例2)
[E]粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.033、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は22である。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間および保存安定性、曲げ弾性率は良好であったが、CA/PAの値は1.89であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1308MPaと低いものであった。CFRPの表面に繊維の蛇行が散見されたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例3)
[D]ホウ酸エステルを添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は23である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間および曲げ弾性率は良好であったが、保存安定性は不十分であった。CA/PAの値は1.30であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1549MPaと良好であったが、CFRPの表面に顕著な樹脂枯れが散見されたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例4)
[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を13.7部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.025、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は0.8、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は16である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間および保存安定性は良好であり、CA/PAの値は1.22であったが、CFRPの表面に白色固体が多量に析出したため、CFRPの表面品位はC評価とした。また、曲げ弾性率が3.0GPaと著しく低いものであるため、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1442MPaと低いものであった。
(比較例5)
[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を6.9部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.033、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.7、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は22である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の保存安定性、曲げ弾性率は良好だが、硬化時間が不十分なものとなった。CA/PAの値は1.46であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1489MPaと低いものであった。CFRPの表面品位はB評価であった。
(比較例6)
[C]芳香族ウレアとして“Omicure(登録商標)”24を11部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表3に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.014、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は9である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間は良好であったが、保存安定性と曲げ弾性率は著しく低く、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1442MPaと低いものであった。CA/PAの値は1.20であったが、CFRPの表面に樹脂枯れが散見されたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例7)
[C]芳香族ウレアとして“Omicure(登録商標)”24を3部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表4に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.050、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は33である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の保存安定性、曲げ弾性率は良好であったが、硬化時間は不十分であった。CA/PAの値は1.44であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1493MPaと低いものであった。CFRPの表面品位はB評価であった。
(比較例8)
[D]ホウ酸エステルとして“キュアダクト(登録商標)”L−07Eを7部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表4に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.048、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は14である。粒子の体積平均粒子径は15μm、粒子の溶解性は「不溶」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の保存安定性、曲げ弾性率は良好であったが、硬化時間が不十分なものであった。CA/PAの値は1.44であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1498MPaと低いものであった。CFRPの表面品位はB評価であった。
(比較例9)
[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を5.3部、[C]芳香族ウレアとしてDCMU99を3部添加し、[E]粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表4に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0.050、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.8、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は33である。
得られたエポキシ樹脂組成物の保存安定性、曲げ弾性率は良好であったものの、硬化時間は不十分であった。CA/PAの値は2.50であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1298MPaと低いものであった。CFRPの表面に著しい繊維の蛇行が見られたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例10)
[D]ホウ酸エステル、[E]粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表4に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は1.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は23であった。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間と曲げ弾性率は良好であったものの、保存安定性は著しく低いものとなった。CA/PAの値は1.90であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1302MPaと低いものであった。CFRPの表面に繊維の蛇行および樹脂枯れが散見されたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
(比較例11)
[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を5部添加したこと、[D]ホウ酸エステルを添加しなかったこと、[E]粒子として“ゼフィアック(登録商標)”F320を添加したこと以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、エポキシ樹脂硬化物、および、CFRPを作製した。樹脂組成および評価結果は、表4に示した通りである。(1)成分[D]の含有量/成分[C]の含有量は0、(2)成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数は2.0、(3)成分[A]の含有量/成分[C]の含有量は20である。粒子の体積平均粒子径は2μm、粒子の溶解性は「溶解」と判定した。
得られたエポキシ樹脂組成物の硬化時間、曲げ弾性率は良好であったものの、保存安定性は著しく低いものであった。CA/PAの値は1.80であり、繊維強化複合材料の0°曲げ強度は1321MPaと低いものであった。CFRPの表面に樹脂枯れが散見されたため、CFRPの表面品位はC評価とした。
Figure 2019210464
Figure 2019210464
Figure 2019210464
Figure 2019210464
なお、表中の各成分の単位は質量部である。
本発明に記載のエポキシ樹脂組成物を用いることで、速硬化性と保存安定性が共に優れ、かつ、加圧成形において繊維の配向乱れを抑制することができるプリプレグを提供することができるため、ハイサイクル成形を必要とする産業用途に好ましく用いられる。さらに、表面品位にも優れることから、自動車の外板用途に特に好ましく用いられる。

Claims (5)

  1. 次の成分[A]、[B]、[C]、[D]、[E]を含み、下記条件(1)から(5)を満たすエポキシ樹脂組成物。
    [A]:エポキシ樹脂
    [B]:ジシアンジアミド
    [C]:芳香族ウレア
    [D]:ホウ酸エステル
    [E]:粒子
    (1)0.005≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045
    (2)0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.3
    (3)12≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦26
    (4)成分[E]の平均粒子径が10μmよりも大きい。
    (5)成分[E]は150℃においてエポキシ樹脂組成物内にて不溶状態で存在する。
  2. 40℃、75%RHで14日間保存した後のガラス転移温度の変化が20℃以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 動的粘弾性測定で、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際にエポキシ樹脂組成物が最低粘度を示す温度が、110℃以上140℃以下である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物と炭素繊維からなるプリプレグ。
  5. 請求項4に記載のプリプレグが硬化されてなる繊維強化複合材料。
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