この課題は、請求項1及び請求項10の特徴部分に記載されている構成によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。本発明の枠内には、明細書、特許請求の範囲及び/又は図面に記載した特徴のうちの少なくとも2つの特徴から成る全ての組み合わせも含まれている。本明細書において記載されている値の範囲において、そこに挙げられている境界内の値も限界値として開示されているとみなされるべきであり、また任意の組み合わせについても権利を主張できるとみなされる。
本発明の基本的な着想は、基板の少なくとも1つの基板表面が少なくとも1つの表面領域において事前処理されている、特に非晶質化されている基板を別の基板にアライメントし、続いて、事前処理された表面領域を相互に接触させて仮固定するということである。アライメント及び接触並びに仮固定は、とりわけ、アライメント及び接触の間に絶えず真空状態にある同一のモジュールチャンバ(仮固定モジュール)において行われる。
本発明の1つの有利な実施の形態によれば、基板は続けて接合され、特に、モジュールチャンバ内の真空が途絶えることなく接合される。好適な高真空環境(特に<10e-7mbar、好適には<10e-8mbar)において、研磨及び/又は事前処理された基板表面が自発的に且つ共有結合によって、付加的な圧力が掛けられることのない(又は少なくとも極僅かな圧力しか掛けられない)純粋な接触によって、特に室温で接合される。事前処理に関しては、刊行物PCT/EP2014/063303を参照されたい。
本発明による方法、この方法から導き出される装置、及び、それらにより製造される商品は、特に基板ペアを位置調整ユニット(アライメント装置、特に接合チャンバ外のアライメント装置)において仮固定するために、事前処理の効果を利用し、その際に、全面にわたる永続的な接合を行う場合に必要とされるような高い接触力及び/又は高い温度が使用されることはない。とりわけ、基板は、専ら少数の幾つかの点又は部分面(表面領域)において仮固定される又は一時的に接合される。
(接合モジュールの接合チャンバ内での)後続の接合ステップにおいて漸く、より大きい力が均一な面荷重で加えられる。このプロセスを、付加的な熱供給によって支援することができる。
事前処理は、特に、仮固定モジュール及び/又は接合モジュールから、特にロックによって隔離可能な事前処理モジュールにおいて行われる。この事前処理モジュールにおいては、基板(半導体材料、酸化物又は研磨された金属、例えばAl、Cu、ガラス、セラミックス)の非晶質化された基板表面が形成される。基板が活性化され、2つの基板を接触させた際に、高い割合での微小接触面の接触が実現される。これによって、自発的な共有結合を低い温度において、特に室温において発生させることができる。好適には、接触接続が高真空において行われる。
仮固定は、特に、局所的なエネルギ供給によって行われ、特に、接触が行われるべき基板表面とは反対側の面からのエネルギ供給によって行われる。
部分面における自発的な接合のための等量の圧力を達成するために、また基板を、特にウェハを仮固定(固着又は「タッキング」)するために、とりわけ、エネルギが、特に力及び/又は熱が局所的に加えられる。基板には局所的に作用が及ぼされ、特に1つ又は複数の押圧ラムを用いて局所的に作用が及ぼされ、それによって基板は局所的に仮固定される。位置調整ユニット、特に3軸式の位置調整ユニットは、とりわけ、部分的に加えられる力の合力についてのみ設計されているので、この位置調整ユニットはより廉価になり、従ってより経済的なものになる。
作用が及ぼされる表面領域では、接合(仮固定)が、特に共有結合による接合(仮固定)が生じ、この接合の強さは、仮固定された基板ペアを接合チャンバに搬送するには十分なものである。接合チャンバにおいては、永続的な接合を行うために、オプションとして昇温させながら、全面にわたり圧力が掛けられる。
仮固定の接合強度は、特に、搬送中に基板の相互的なアライメントが維持される程度の強さである。
取り扱いに関して、特にアライメントモジュール乃至仮固定モジュールから接合モジュール又は別の処理モジュールへの搬送に関して、特に基板積層体の(基板表面とは反対側の面の)両保持面のうちの一方又は両保持面における収容装置(基板ホルダ乃至チャック)を省略することができる。
本発明の発展形態においては、基板表面のうちの少なくとも1つが、とりわけ全ての基板表面が、20nm未満の平均粗さ値Ra、好適に1nm未満の平均粗さ値Raを有している。20nm未満の平均粗さ値Raを有している研磨された全ての表面(例えば特にアルミニウム、銅、酸化物、半導体材料及びガラス)に対しては、位置調整装置において局所的に力が加えられることによって、仮固定が実現される。
本発明による方法の1つの実施の形態は、特に、以下のステップを有している:
1)基板又は基板ペアを高真空環境に、特にロックを介して搬入し、基板のうちの少なくとも1つを事前処理モジュールの事前処理チャンバに(特にロボットアームを用いて)搬送するステップ、
2)基板が自発的な室温接合に適したものとなるように、基板のうちの少なくとも1つを事前処理するステップ、
3)(特にロボットアームを用いて)、位置調整装置/アライメント装置/仮固定モジュール(第1のモジュールチャンバ)へと搬送するステップ、
4)アライメント装置において、2つの基板を相互にアライメントするステップ、
5)2つの基板を接触させ、エネルギを局所的に加え、特に1つ又は複数の局所的な面荷重を加えるステップ;これによって、仮固定が行われ、その結果、基板相互のアライメントが確定される。択一的に、全面にわたり仮固定を行うこともできる、
6)(特にロボットアームを用いて)、仮固定された基板積層体を接合モジュール(第2のモジュールチャンバ)へと搬送するステップ、
7)結合を更に強固にするために、接合力を一部の面にわたりに又は(好適には)全面にわたり加え、またオプションとして昇温を行うステップ、
8)接合された基板を高真空環境から搬出するステップ。
本発明の1つの実施の形態によれば、接合が行われる前に、基板積層体に別の基板を追加するために、本方法をステップ5)の後に何度も繰り返すことができる。
本発明による方法は、有利には、ロックを介して閉鎖可能な高真空環境、好適には超高真空環境において適用される。高真空環境内には、特に付加的に圧力を掛けることができるモジュールが配置されている。
本発明の1つの態様によれば、接合時に大きい力が加えられること、また必要に応じて高い温度に昇温されることと、(精密な)アライメントと、が分離される。これによって、構造的な利点が得られ、その結果、コストが削減される。Z軸に沿った力が1kNを超えるだけで既に、X軸及びY軸に沿ったサブμm範囲の位置調整を行うための精密な機構は、特に高真空においては、実現不可能でないにしても、極端に煩雑になる。つまり、例えば、高真空では潤滑剤を使用できず、また空気軸受も使用できない。転がり軸受及び滑り軸受では、粒子が発生するか、若しくは、摩擦力に起因して高いバックラッシュも生じる。更に、Z軸に沿って大きい力が導入されることによって、X方向及びY方向のアライメントに、従ってアライメント精度に悪影響が及ぼされる危険が高まる。
更なる利点は、最適な生産性である。つまり、例えば設備においては、各プロセスについての最適なスループットが保証されるように、仮固定装置及び接合モジュールの数を選定することができる。特に、熱供給が必要とされる場合、またそれに付随して加熱時間及び冷却時間が必要とされる場合、1つの仮固定ユニットによって複数の接合モジュールを利用することは好適である。
本発明の更なる利点は、モジュール性にあり、従って、仮固定ユニットを追加導入できる点にある。位置調整ユニットにおいて仮固定部によって仮固定/タッキングされた、局所的に仮接合されている基板が用いられることによって、本発明による仮固定ユニットを追加することによって、高真空設備の性能を高めることができる。
平均粗さ値乃至算術平均粗さ値Raは、技術的表面の粗さを表す。この測定値を求めるために、所定の測定区間において表面が走査され、粗い表面の高さの差及び深さの差が全て記録される。測定区間におけるこの粗さ経過の特定の積分が算出された後に、続けて、その結果が測定区間の長さで除算される。粗さ値の範囲は、溝が感じられるほどの非常に粗い面の場合の25μmから、研磨された表面の場合の<20nmにまで及ぶ。
基板に関する有利な材料組み合わせは、研磨された表面又は研磨可能な表面を有しており、とりわけ20nm未満の平均粗さ値Raを有している全ての材料から成る組み合わせである。以下の材料又は材料の組み合わせが好適である:
−半導体材料、特にSi、InP、GaAs、半導体合金、III−V族化合物及びII−IV族化合物、
−金属、特にCu、Al、
−酸化物、特にSiO2、又は、酸化された表面を有している半導体ウェハ又は半導体材料の別の酸化物、
−窒化物、特に、SiNx、
−ガラス、
−ガラスセラミックス、特にゼロデュア(登録商標)、
−セラミックス。
本発明は、特に、共有結合のための事前処理を可能にする、研磨された表面に限定される。この研磨された表面は、好適には、原子間力顕微鏡(英語:Atomic Force Microscope(AFM))を用いて2×2μm2の面積で測定された、20nm未満の平均粗さ値Ra、好適には1nm未満の平均粗さ値Raを有している表面である。局所的に注入されるエネルギ又は局所的に加えられる力は、特に、微小粗さが十分に均される程度に大きく、それによって、表面分子は高い割合で、基板間で作用する結合エネルギを形成することができる。原子面での2つの基板の表面の平均距離が短くなるほど、付着はより強力になる。従って、この付着は、基板の接触が行われるべき表面の粗さに依存する。
プラズマ処理によって、基板表面を事前処理することができ、この際に、基板表面の微小粗さ(位相構造)が変化する。最適な表面粗さに達すると、最大接合エネルギを達成することができる。
特に事前処理に関する本発明の1つの実施の形態又は発展形態の部分的態様は、PCT/EP2014/063303に開示されており、従ってその開示内容を参照する。PCT/EP2014/063303には、基板の表面処理を行うための方法と装置が開示されている。PCT/EP2014/063303の基本的な着想は、大部分が非晶質化された層を、接合すべき基板表面に形成することである。基板表面の非晶質化によって、特に比較的低い温度において、より良好な接合結果が得られる。好適には、酸化物除去のための表面の清浄化と非晶質化とが同時に行われる。PCT/EP2014/063303は、特に、2つの基板のうちの少なくとも一方が、とりわけ両方が、以下において説明するように接合の前に処理されている、2つの基板を永続的に接合するための方法に関する。2つの基板又は2つの基板のうちの少なくとも一方の基板の表面領域、特に接触側(とりわけ接触側全面)が、接合プロセスの前に非晶質化される。非晶質化によって、ナノメートルの厚さの層が形成され、この層において、接合すべき表面(接触側)のうちの少なくとも一方の表面の原子が不規則に配列されている。この不規則な配列により、特に比較的低い温度において、より良好な接合結果が得られる。本発明に従い接合を行うために、特に表面の清浄化(少なくとも接触側の清浄化)が、特に酸化物を除去するために実施される。とりわけ、清浄化と非晶質化とが同時に行われ、更に好適には同一の処理によって行われる。本発明の本質的な本発明による態様は、特に低エネルギの粒子、特にイオンの使用であり、そのエネルギは比較的低いものであるが、もっとも本発明に従い説明した非晶質化を生じさせるには十分なものである。
基板表面からの酸化物の除去は、最適な接合プロセス及び相応に高い接合強度を有している基板積層体にとって有利である。このことは、特に、酸素含有雰囲気において不所望な自然酸化物を形成する全ての材料に対して当てはまる。このことは、意図的に形成された酸素基板表面に対しては、例えば酸化ケイ素に対しては必ずしも当てはまらない。特に、本発明によれば、有害な、不必要な及び/又は自然の酸化物、特に金属酸化物が、とりわけ少なくとも大部分除去され、更に好適には専らそのような酸化物だけが除去される。とりわけ、上述の酸化物は、接合プロセスの前に十分に除去され、特に完全に除去され、それによって、接合境界面(2つの基板の接触面)には組み込まれない。この種の酸化物が組み込まれると、機械的な不安定性及び非常に低い接合強度がもたらされる虞がある。酸化物の除去は、物理的又は化学的な方法によって行われる。本発明による1つの特に好適な実施の形態においては、不所望な酸化物の除去は、事前処理を実施するものと同一の事前処理装置によって行われる。これによって、特に最適な状況下で:
・酸化物の除去
・表面の平滑化
・非晶質化
を同時に実施することができる。本発明による代替的な実施の形態においては、酸化物の除去は同一の設備において行われない。その場合には、2つの設備間で基板を搬送する際に、基板表面の新たな酸化が生じないことが特に保証されなければならない。
半導体産業においては、既に数年来、基板を相互に結合するために種々の接合技術が用いられている。結合プロセスは、接合(bonding)と呼ばれる。一時的接合法と、永久的接合法と、が区別される。
一時的接合法では、製品基板と支持体基板とが、処理後に再び剥がせるように接合される。一時的接合法を用いることによって、製品基板を機械的に安定させることができる。機械的な安定化は、湾曲、変形又は破断が生じることなく製品基板を取り扱えることを保証する。支持基板による安定化は、特に裏面を薄くするプロセスの間に及びプロセスの後に必要になる。裏面を薄くするプロセスによって、製品基板の厚みを数マイクロメートルまで低減することができる。
永久的接合法では、2つの基板が持続的に、つまり永久的に接合される。永続的な接合によって、多層構造(2つより多くの基板)を作成することもできる。この多層構造を、同一の材料又は異なる材料から形成することができる。種々の永続的接合法が存在している。
イオン含有基板を相互に永続的に結合させるために、特に、陽極接合による永続的接合法が使用される。好適には、2つの基板のうちの一方はガラス基板である。他方の基板は、とりわけシリコン基板である。陽極接合では、相互に接合すべき2つの基板に沿って電場が印加される。電場は、とりわけ、それぞれが基板の表面と接触している2つの電極間に形成される。電場は、ガラス基板におけるイオン移動を生じさせ、且つ、2つの基板間に空間電荷領域を形成する。空間電荷領域は、2つの基板の表面の強い引き付けを生じさせ、それらの基板は接近後に相互に接触し、それによって永続的な結合が形成される。即ち、接合プロセスは主として、2つの表面の接触面の最大化に基づいている。
別の永続的接合法は、共晶接合である。共晶接合では、所定の共晶濃度を有している合金が形成されるか、又は、共晶濃度はプロセス中に、特に熱処理中に調整される。共晶温度(液相が共融混合物の固相と平衡状態にある温度)を超えることによって、共融混合物は完全に溶融する。生じた共晶濃度の液相は、まだ液化していない領域の表面を濡らす。凝固プロセスでは、液相が共融混合物に凝固し、2つの基板の間に結合層が形成される。
別の永続的接合法は、フュージョンボンディング(溶融接合)である。フュージョンボンディングでは、2つの平坦な清浄な基板表面が、接触によって接合される。第1のステップにおいては、2つの基板の接触が行われ、この際、2つの基板の固定は、ファンデルワールス力によって行われる。この固定は、仮接合又は仮固定(英語:pre−bond)と称される。仮接合の接合力は、特に剪断力が加えられることによる相互的なずれが、非常に大きい力が加えられることでしか発生しない程に基板を固く接合させるには十分な強さである仮固定を生じさせることができる。好適には、2つの基板を、特に垂直抗力を加えることによって、やはり比較的容易に相互に分離させることができる。永続的なフュージョンボンディングを形成するために、基板積層体に対して熱処理が実施される。この熱処理によって、2つの基板の表面間に共有結合が形成される。このようにして形成される永続的な接合は、基板の破壊を伴う程の大きい力が加えられることでしか実現されない。
接合された基板に機能ユニット、特にマイクロチップ、MEMS、センサ、LEDが実装される場合には、好適には、低い温度において、特に200℃未満の温度において、とりわけ室温において、仮固定及び/又は接合が行われる。好適には、機能ユニットの温度感度限界を下回る温度が選択される。特に、マイクロチップは、比較的強くドープされている。ドーピング元素は、高温では、高まった拡散能力を有しており、この高まった拡散能力によって、基板におけるドーパントの不所望で不利な分布が生じる可能性がある。この措置によって、熱応力を最小にすることができる。更に、加熱及び冷却のためのプロセス時間が短縮される。また、異なる材料から形成されており、特に異なる熱膨張係数も有している、異なる基板領域の変位が低減される。
これについての発展形態においては、低い温度において接合を行えるようにするために、特に酸素親和性がない表面が、特に金属表面が使用される場合は、基板表面の清浄化及び活性化のためにプラズマ処理が行われる。これに対して、二酸化ケイ素層を形成する単結晶シリコンは好適である。二酸化ケイ素層は、接合に極めて適している。
従来技術においては、より低い温度において直接接合を行うための複数のアプローチが存在している。PCT/EP2013/064239におけるアプローチでは、犠牲層が形成されており、この犠牲層が接合プロセス中及び/又は接合プロセス後に、基板材料に溶解される。PCT/EP2011/064874における別のアプローチでは、相転移によって永続的な結合部を作成することが説明されている。上記の刊行物は、特に、共有結合によってではなく、むしろ金属結合によって接合される金属表面に関するものである。PCT/EP2014/056545においては、表面の清浄化による、ケイ素の最適化された直接接合プロセスが記載されている。上述の方法を、本発明と組み合わせることができ、その限りにおいて、上述の刊行物の開示内容が参照される。
本発明の1つの有利な実施の形態によれば、特に、同種の素材乃至材料が相互に結合(接合)されるべきである。この同種性によって、基板表面の接触面(接合境界面)においては、同一の物理特性及び化学特性が存在する。このことは、特に、電流が流されるべき接続部であって、僅かな腐食傾向及び/又は同一の機械特性を有すべき接続部にとって重要である。好適な同種の素材として以下のものが挙げられる:
・銅−銅
・アルミニウム−アルミニウム
・タングステン−タングステン
・ケイ素−ケイ素
・酸化ケイ素−酸化ケイ素
本発明の1つの別の態様の本質は、特に、種々の材料、特に金属及び/又は酸化物が極端な影響下で、特に極端な温度下及び/又は圧力下で結合できるという能力を利用して、基板間の局所的な仮固定、特に一部に強く限定された仮固定を得るということである。このことは、「タッキング」とも称される。本発明による方法は、好適には、非晶質化された層を有している基板に対して使用される。この場合、非晶質化された層を、化学的堆積プロセス及び/又は物理的堆積プロセスによって基板表面にもたらすことができるか、又は、基板表面に直接的に形成することができる。本発明の1つの態様、特に本発明の1つの独立した態様の本質は、非晶質化された層が、物理的プロセス及び/又は化学的プロセスによってもたらされる材料によって形成されるのではなく、基板材料の相転移によって形成されるということである。これによって、特に不所望な材料又は有害な材料の堆積を完全に排除することができる。
以下では、本発明による方法ステップの別の実施の形態を開示する:
基板表面の事前処理
本発明は、特に、少なくとも2つの基板をタッキングするための方法に関し、それらの基板のうちの少なくとも一方が、とりわけ両方が、以下において説明するように、タッキングの前に処理されている。
2つの基板又は2つの基板のうちの少なくとも一方の基板の表面領域、特に接触側(とりわけ接触側全面)が、接合プロセスの前に非晶質化される。本発明によれば、基板表面よりも小さい複数の表面領域の、特に相互に離隔されている表面領域の非晶質化を行うこともできる。
非晶質化によって、原子が不規則に配列されている、数ナノメートルの厚さの層が形成される。不規則な配列によって、特に比較的低い温度での、より良好な接合結果が得られる。
本発明に従い接合及び/又は仮固定を行うために、特に基板表面の清浄化(少なくとも接触側の清浄化)が、特に酸化物を除去するために実施される。とりわけ、清浄化と非晶質化とが同時に行われ、更に好適には同一の処理によって行われる。
本発明の別の態様は、特に低エネルギの粒子、特にイオンの使用であり、それらが基板表面に衝突する際のエネルギは、本発明に即して説明される非晶質化が生じるように調整される。
好適には、基板表面から酸化物を除去するためのステップが実施される。このことは、特に、酸素含有雰囲気において自然酸化物を形成する材料に対して当てはまるが、しかしながら、本発明によって形成される酸素基板表面に対しては、特に酸化ケイ素に対しては当てはまらない。特に、本発明によれば、有害な、不必要な及び/又は自然の酸化物、特に金属酸化物が、とりわけ少なくとも大部分除去され、更に好適には専らそのような酸化物だけが除去される。とりわけ、上述の酸化物は、接合プロセスの前に十分に除去され、特に完全に除去され、それによって、接合境界面(2つの基板の接触面)には組み込まれない。この種の酸化物が組み込まれると、機械的な不安定性及び非常に低い接合強度がもたらされる虞がある。酸化物の除去は、特に、物理的又は化学的な方法によって行われる。本発明による1つの特に好適な実施の形態においては、不所望な酸化物の除去は、基板の事前処理を実施するものと同一の事前処理モジュールによって行われる。これによって、特に最適な状況下で、酸化物の除去、表面の平滑化及び/又は非晶質化を同時に実施することができる。本発明による代替的な実施の形態においては、酸化物の除去は同一の設備において行われない。その場合には、2つの設備間で基板を搬送する際に、基板表面の新たな酸化が生じないことが特に保証されなければならない。このことは、酸化物を除去している間、搬送の間、接合までの事前処理の間に、高真空が途絶えないことによって保証することができる。
本発明による着想は、換言すれば、特に非晶質化による2つの基板表面間での接合安定性を高めることによって効率的な仮固定を、特に局所的に限定された仮固定を行うということにある。この際、非晶質化によって複数の問題が解決される。
本発明による非晶質化によって、特に、基板表面の平坦化がもたらされる。従って、平坦化は、特に非晶質化の間に行われ、特に接合プロセスの間に予定されている平坦化に付加的に力の作用によって行われる。
非晶質化は、更に、境界面への材料のより高い移動性を保証する。これによって、場合によっては残っている粗さを均すことができる。特に、基板表面間に残存する間隙を閉じることができる。
非晶質化によって、基板表面(接合境界面)の熱力学的な準安定状態が生じる。この準安定状態によって、更なるプロセスステップにおいては、(特に接合すべき表面の接触後に)非晶質層の部分領域の結晶状態への(再)転位が行われる。理想的な場合には、非晶質層の完全な転位が行われる。非晶質層の接触及びそれに続く熱処理の後に生じる層厚は、特に0より大きい。
本発明による別の思想は、特に、基板の既存の基本材料から、特に粒子衝撃によって、非晶質層を形成することにある。とりわけ、基板の接合の前に、接触すべき基板表面上に材料はもたらされない。基板の仮固定は、とりわけ、少数の幾つかの点においてのみ行われるので、本発明による別の思想の本質は、仮固定が予定されている点においてのみ非晶質化を実施するということにある。本発明に従いタッキングによって仮固定された基板が、後続のプロセスステップにおいて全面にわたり接合される限り、完全な非晶質化が好適である。
本発明による方法によって、特に、2つの基板表面のうちの少なくとも一方が、とりわけ両方が本発明に従い非晶質化されている、それら2つの基板表面の、完全な及び/又は局所的な及び/又は全面にわたる、特に種類に応じた(sortenreinen)接触部を形成することができる。
本発明による方法は、特に、2つの基板表面、とりわけ2つの異なる基板表面の、完全な及び/又は全面にわたる及び/又は種類に応じたものではない接触部を形成するために使用される。
特に、以下の材料を任意の組み合わせで、とりわけそれぞれ同一の材料で相互に仮固定することができる:
・金属、特にCu、Ag、Au、Al、Fe、Ni、Co、Pt、W、Cr、Pb、Ti、Te、Sn及び/又はZn、
・合金、
・半導体(相応にドープされている)、特に、
○元素半導体、とりわけ、Si、Ge、Se、Te、B及び/又はα−Sn、
○化合物半導体、特に、GaAs、GaN、InP、InxGa1-xN、InSb、InAs、GaSb、AlN、InN、GaP、BeTe、ZnO、CuInGaSe2、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、Hg(1-x)Cd(x)Te、BeSe、HgS、AlxGa1-xAs、GaS、GaSe、GaTe、InS、InSe、InTe、CuInSe2、CuInS2、CuInGaS2、SiC及び/又はSiGe、
・有機半導体、特に、フラバントロン、ペリノン、Alq3、ペリノン、テトラセン、キナクリドン、ペンタセン、フタロシアニン、ポリチオフェン、PTCDA、MePTCDI、アクリドン及び/又はインダンスレン。
本発明は、換言すれば、直接接合のための方法、特に一部に限定された直接接合のための方法に関する。ここで、本発明が基礎とする思想は、好適には、基板の(特に接触側に配置されている)少なくとも1つの表面又は表面の部分領域を、接合プロセス乃至仮固定の前に非晶質化するということである。非晶質化は、好適には、所定の堆積パラメータを使用して基板表面に非晶質に昇華又は凝縮する材料を堆積させることによって行われるのではなく、特に基板表面において非晶質層を変化、変成及び/又は相転移させることによって行われる。このことは、特に、粒子衝撃、特にイオン衝撃、特に好適には低エネルギでのイオン衝撃によって運動エネルギがもたらされることによって行われる。
形成された非晶質層の少なくとも部分的に非晶質の組織とは、特に、少なくとも非晶質相と結晶質相とから成る相の混合形であると解される。
全体積に対する非晶質相の体積比率は、非晶質化度と称される。本発明によれば、非晶質化度は、特に10%よりも高く、とりわけ25%よりも高く、更に好適には50%よりも高く、特に好適には75%よりも高く、最も好適には99%よりも高い。
非晶質化は、とりわけプロセスパラメータとして非晶質化中の温度、圧力、イオンエネルギ及び/又はイオン電流密度を選択することによって、特に、相互に接合すべき基板の表面近傍領域に限定される。特に、この場合、基板の材料は、本発明に従い非晶質化された層を除いて、少なくとも大部分が結晶質のままであり、とりわけ完全に結晶質のままである。本発明による第1の実施の形態においては、第1の基板の基板表面又は基板表面の一部だけが非晶質化される。基板表面において本発明に従い非晶質層が形成された直後の非晶質相の厚さdは、特に100nm未満、とりわけ50nm未満、更に好適には10nm未満、特に好適には5nm未満、最も好適には2nm未満である。
本発明による1つの発展形態によれば、第1の基板の基板表面及び第2の基板の基板表面が非晶質化されるか、又は、基板表面の部分領域が非晶質化される。本発明による1つの特別な実施の形態においては、同一のプロセスパラメータを用いて同一の非晶質層を形成するために、2つの基板表面の非晶質化が、同一の設備において、特に同時に行われる。形成された非晶質層において、とりわけ第1の基板の第1の非晶質層の厚さd1と第2の基板の第2の非晶質層の厚さd2とは等しい。2つの非晶質層の、特に同時に形成された2つの非晶質層の厚さの比率d1/d2は、0.6<d1/d2<1.4、とりわけ0.7<d1/d2<1.3、更に好適には0.8<d1/d2<1.2、特に好適には0.9<d1/d2<1.1、最も好適には0.99<d1/d2<1.01である。
基板表面又は基板表面の本発明に従い処理された部分領域は、非晶質化の前、非晶質化の間及び非晶質化の後に、僅かではあるが、しかしながら特に無視できない粗さを有している。1つの好適な実施の形態においては、基板表面の粗さ又は基板表面の本発明に従い処理された部分領域の粗さは、非晶質化の間に低減され、また、非晶質化の後には最小値を有している。粗さは、算術平均粗さとして、二乗平均平方根粗さとして、又は、平均最大高さとして表される。算術平均粗さ、二乗平均平方根粗さ及び平均最大高さに関して求められた値は、同一の測定区間又は測定面積に関して一般的に異なるが、しかしながら同一のオーダ範囲にある。表面粗さの測定は、(当業者には公知である)測定装置のうちの1つを用いて、特にプロフィロメータ及び/又は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて行われる。この場合、測定面積は、特に2μm×2μmである。従って、粗さに関する以下の数値の範囲は、算術平均粗さに関する値、二乗平均平方根粗さに関する値又は平均最大高さに関する値のいずれかであると解することができる。非晶質化が行われる前の基板表面の粗さ又は基板表面の本発明に従い処理された部分領域の粗さは、本発明によれば、特に20nm未満、とりわけ10nm未満、更に好適には8nm未満、特に好適には4nm未満、最も好適には1nm未満である。非晶質化が行われた後の基板表面の粗さ又は基板表面の本発明に従い処理された部分領域の粗さは、特に10nm未満、とりわけ8nm未満、更に好適には6nm未満、特に好適には4nm未満、最も好適には1nm未満である。
基板の全体の表面積Fに対する清浄化された及び/又は非晶質化された表面積fの比率は、清浄度rと称される。清浄度は、本発明による接合プロセスの前は、特に0よりも大きく、とりわけ0.001よりも大きく、更に好適には0.01よりも大きく、特に好適には0.1よりも大きく、最も好適には1である。清浄度rは、特に、全体の表面の面積Fに対するタッキングされた部分領域の面積f’の比率にも相当する。
清浄化及び/又は非晶質化は、好適には事前処理モジュールにおいて、とりわけ真空チャンバとして形成されている事前処理モジュールにおいて行われる。真空チャンバを、特に、1bar未満、とりわけ1mbar未満、更に好適には10-3mbar未満、特に好適には10-5mbar未満、最も好適には10-8mbar未満にまで真空化することができる。真空チャンバは、特に非晶質化のためにイオンを使用する前に、とりわけ上述の圧力まで真空化され、更に好適には完全に真空化される。特に、基板表面において新たな酸化が起こり得ない程度に、プロセスチャンバ内の酸素の割合は大きく低減され、また特に湿気の割合(水含有量)も大きく低減される。
イオン化プロセスは、特に、PCT/EP2014/063303に記載されており、その限りにおいてこの刊行物を参照する。入射角度を正確に選定することによって、除去率を、従って表面粗さを制御することができる。特に入射角度は、所望の結果を得るために、非晶質化、不純物の除去、特に酸化物の除去及び表面平滑化が最大化されるように選定される。最大化とは、特に、不純物の、特に酸化物の完全な除去、表面の更なる平滑化、特に完全な平滑化(即ち、粗さ値の0までの低下)並びに最適に非晶質化された層であると解される。気体又は混合気体及びパラメータ、例えば粒子の運動エネルギ、イオン放射の入射角度、電流密度及び処理時間は、PCT/EP2014/063303に記載されている。
アライメント/位置調整及び仮固定/タッキング
2つの基板表面のうちの少なくとも一方の事前処理(非晶質化及び/又は清浄化)の後に、特に、2つの基板の相互のアライメントがアライメントモジュールにおいて行われる。とりわけ、位置調整設備乃至アライメント設備(英語:aligner)によるアライメントは、特に基板におけるアライメントマークに基づいて行われる。基板を載置する/接触させる瞬間は非常に重要である。何故ならば、アライメントエラーは積算される、及び/又は、もはや容易に修正することができないからである。これによって、非常に多くの欠陥商品が生じることになる。従って、本発明によれば、特に、100μm未満、特に10μm未満、とりわけ1μm未満、特に有利には100nm未満、特に好適には10nm未満の位置調整精度乃至オフセットを達成することが試みられる。
タッキングは、特に、各基板のアライメントも行われる/行われた同一のモジュールにおいて、即ちアライメントモジュールにおいて行われる。1つの代替的な実施の形態においては、タッキングを別個の仮固定モジュールにおいて行うこともできる。タッキングは、仮固定ユニットを用いて実施され、この仮固定ユニットは、2つの基板を少なくとも局所的に相互に結合させることに適している。とりわけ、面全体又は好適には(1つ又は複数の)部分面に対して、仮固定のために所定の(僅かな)力及び/又はエネルギが加えられる。これによって、仮固定には十分な接合強度が得られる。好適には、仮固定によって基板間の完全な接合強度は達成されない。接合強度は、好適には、基板が搬送中は固定されるように調整される。
第1の実施の形態によれば、一方の基板の部分面のみが、他方の基板と接触される。このことは、特に、基板を仮固定するための部分面における自発的な接合のための等量の圧力を達成するために、局所的に力が加えられることによって行われる。自発的な接合は、表面タイプ(材料、粗さ等)及び表面事前処理(研磨、化学的な清浄化等)に依存する。接合波が外部の作用(例えば圧力)を受けることなく、即ち自然に伝播する場合、接合は自発的と称される。従って、全面にわたり接合を行うために必要となる、不利な高い接触力又は温度を使用することなく、アライメントが所定のアライメント精度で確定される。
第2の実施の形態においては、全面にわたるタッキングが行われ、また、全体の基板面に関して更に低い接合力によって、相応の接合が実現される。接合強度は、特に、搬送中に基板を固定するには十分である。基本的に、接合強度は、粗さ、非晶質化度及び非晶質層の厚さ並びに加えられる力から成る関数であることが重要である。
本発明による1つの実施の形態においては、仮固定ユニットは、熱を局所的に、特にパルス状に接触面に加えることができる装置である。熱を形成するために、特に、電場、磁場又は電磁放射、とりわけレーザを利用することができる。
本発明の発展形態においては、仮固定ユニットが電極として形成されている。電極は、相互に結合されている2つの基板を介して、対向電極に、特に相応の試料ホルダのプレート又はその一部に容量結合される。電極は、とりわけ、電場の強さを高めるために、可能な限り鋭く伸びる電極先端を有している。電場の強さは、特に、0.01V/mよりも大きく、とりわけ1V/mよりも大きく、更に好適には100V/mよりも大きく、特に好適には10,000V/mよりも大きく、最も好適には1MV/mよりも大きい。1つの極めて好適な実施の形態においては、電極に交流電圧が印加される。交流電圧の周波数は、特に10Hzよりも高く、とりわけ1,000Hzよりも高く、更に好適には100,000Hzよりも高く、特に好適には10MHzよりも高い。基板が誘電性の材料から形成されており、特に主として誘電性の材料から形成されており、それらの材料が直流電圧の電流の流れに対するバリアとなる場合、交流電圧は、特に本発明による点状のタッキングに適している。交流電圧を本発明に従い使用することによって、少なくとも部分的に存在する金属製の層においては、いわゆる「表皮効果」による加熱が行われる。
1つの代替的な発展形態においては、仮固定ユニットが電磁放射を形成するための設備として、とりわけレーザとして形成されている。レーザは、特に、基板積層体における少なくとも1種の材料を最適に加熱する波長を有している。波長は、とりわけ1nmから1mmまでの間、更に好適には200nmから1mmまでの間、更に好適には400nmから1mmまでの間、特に好適には600nmから1mmまでの間、最も好適には800nmから1mmまでの間の範囲にある。従ってレーザは、とりわけ赤外線レーザである。レーザビームの直径は、特に10mm未満、とりわけ5mm未満、更に好適には2mm未満、特に好適には1mm未満、最も好適には0.5mm未満である。レーザ出力は、特に10Wよりも高く、とりわけ100Wよりも高く、更に好適には1,000Wよりも高く、特に好適には0.01MWよりも高い。
1つの別の代替的な実施の形態においては、仮固定ユニットが、マイクロ波源、特にアンプリトロン、マグネトロン、スタビロトロン(Stabilotron)、カルズノトロン(Carznotron)又はクライストロンを有している。マイクロ波源のマイクロ波は、光学素子によって、特に導波体によって、更に好適には中空導波体によって、基板のタッキングすべき個所へと誘導され、特に集束され、とりわけこのことは、基板のタッキングすべきでない個所にマイクロ波が加えられることなく行われる。マイクロ波源の使用は、基板表面が残留湿気によって、特に単原子の層の水で濡らされている場合には、特に好適である。マイクロ波が所期のように一部に限定されて照射されることによって、基板表面が水によって強く加熱され、その結果、基板表面の、特にケイ素表面及び/又は二酸化ケイ素表面の、酸素ブリッジによる永続的な結合が確立される。導波体によって、特に中空導波体によって集束されたマイクロ波ビームの直径は、特に10mm未満、とりわけ5mm未満、更に好適には2mm未満、特に好適には1mm未満、最も好適には0.5mm未満である。マイクロ波源の出力は、とりわけ10Wよりも高く、とりわけ100Wよりも高く、更に好適には1,000Wよりも高く、特に好適には0.01MWよりも高い。
本発明による1つの別の実施の形態においては、仮固定ユニットが、基板に1つ又は複数の局所的な面荷重を加えるように形成されている押圧装置として構成されている。面荷重は、特に、押圧ラムによって加えられる。基板の接合側とは反対に位置する押圧側における押圧ラムの押圧面積は、特に0.5mm2から1,000mm2までの間、とりわけ0.5mm2から500mm2までの間、更に好適には1mm2から100mm2までの間、特に好適には4mm2から100mm2までの間の範囲にある。押圧ラムを用いて伝達される/伝達可能な圧力は、特に0.1N/cm2から1,000N/cm2までの間、とりわけ1N/cm2から600N/cm2までの間、更に好適には1N/cm2から400N/cm2までの間である。制御は、押圧ラムが基板に加える圧力又は力によって行われる。仮固定のための部分面の大きさは、仮固定のための規定された又は所定の接合強度に依存する。これは特に、200mmシリコンウェハの場合、0.1J/m2よりも大きく、とりわけ0.2J/m2よりも大きく、更に好適には0.5J/m2よりも大きく、特に好適には1J/m2よりも大きく、最も好適には1.5J/m2よりも大きい。
とりわけ、2つの基板ホルダのうちの一方は、切欠又はノッチを有しており、これによって、押圧ラムは直接的に基板に作用することができる。このプロセスは、1つの押圧ラムによって、とりわけ基板の中央において実施されるか、又は択一的に複数の押圧ラムによって実施される。(1つ又は複数の)押圧ラムによって作用が及ぼされる部分面においては共有結合が生じ、この共有結合は、最終的に全面にわたり圧力を掛けるため、また基板ペアを必要に応じて加熱するために、タッキングされた基板ペアを接合チャンバに搬送するには十分な強さである。従って、アライメントユニットを、従来技術に比べて低い仮固定合力に合わせて設計することができる。(最大限必要とされる)接合強度を達成するために必要になる力は、特に、表面の品質、非晶質層の厚さ、非晶質化度、表面粗さ、表面の清浄性及び/又は基板の材料又は材料組み合わせに依存する。
2つの押圧ラムが使用される場合、それらの押圧ラムは、特に相互に180°の角度で配置されている。1つの別の実施例においては、一方の押圧ラムは中央に位置決めされ、他方の押圧ラムは平均半径又は外半径に位置決めされる。3つの押圧ラムが使用される場合、それら3つの押圧ラムは、とりわけ、正三角形に(相互に120°の角度で)配置されている。4つの押圧ラムが使用される場合、それら4つの押圧ラムは、相互に90°の角度で位置決めされている。少なくとも2つの押圧ラムが使用される場合、それら2つの押圧ラムは好適には対称的に配置されている。少なくとも2つの押圧ラムが対称的に配置される場合、それらの押圧ラムに加えて、更に中央に1つの押圧ラムを使用することができる。とりわけ、押圧ラムは基板上に均等に分散されて配置されている。
複数の押圧ラムが使用される場合、基板ホルダに対する負荷を最小限にするために、それらの押圧ラムは連続的に個別に、又はグループで力を加えることができる。
本発明による1つの実施の形態においては、仮固定モジュールが基板積層体の表面に、特に製品基板の表面に、特に機械的に圧力を掛けることに適している仮固定ユニットを1つだけ有している。本発明によれば、仮固定ユニットは、点荷重ユニットであってよい。点荷重ユニットは、有利には、ピン状に構成されている。ピンの先端は、種々の形状を有することができる。つまり、鋭く伸びる形状、丸められた形状、特に球形の形状又は矩形の形状も考えられる。タッキングは、部分面における自発的な接合のための等量の圧力を達成するため、またそれによって基板を仮固定乃至タッキングするために、局所的に加えられる力を利用する。
本発明の発展形態においては、仮固定ユニットは付加的に加熱可能である。仮固定ユニットの温度を、特に5℃よりも良好な、とりわけ2℃よりも良好な、更に好適には1℃よりも良好な、特に好適には0.1℃よりも良好な、最も好適には0.01℃よりも良好な精度で調整することができる。仮固定ユニットの制御可能な温度範囲は、特に室温から700℃までの間、とりわけ室温から300℃までの間、更に好適には室温から120℃までの間、特に好適には18℃から30℃までの間、最も好適には室温である。熱が加えられることによって、特に(局所に限定された)加熱が行われる。
本発明による1つの別の実施の形態においては、点荷重ユニットが、レーザを、特に可能な限り正確に集束可能なレーザを有している。コヒーレントなレーザ光は、光学系によって、とりわけ、製品基板と支持体基板との間に位置している、即ち結合層に位置している焦点に集束される。これによって、可能な限り一部に限定された、集中的且つ高速な、結合層の加熱が行われる。好適には、レーザはパルス制御され、特に連続的なオン・オフによって、とりわけ高周波でのオン・オフによってパルス制御される。その種のパルス制御によって、周辺部の加熱が極めて十分に回避される。レーザは、特に、赤外線レーザ、可視光用のレーザ又はUV光用のレーザである。
1つの特に好適な実施の形態においては、仮固定ユニットに、加熱ユニット及び/又は押圧ユニット及び/又はレーザユニットが統合され、その結果、熱的な要求及び/又は機械的な要求及び/又は光化学的な要求が同時に実現される。本発明の1つの好適な実施の形態によれば、仮固定ユニットは、いずれの実施の形態においても、少なくともZ軸に沿って可動である。
本発明による1つの別の実施の形態によれば、全面にわたりタッキングを行うこと、またより小さい力によって、しかしながら全体の基板面に関する力によって相応の接合を実現することも考えられる。この実施の形態においては、仮固定ユニットは、とりわけ面荷重を全面にわたり1つの押圧プレートでもって加えることができる押圧装置である。形成される仮接合は、特に、0.01J/m2から5J/m2までの間の、有利には0.1J/m2よりも大きい、好適には0.2J/m2よりも大きい、更に好適には0.5J/m2よりも大きい、特に好適には1J/m2よりも大きい、特に有利には1.5J/m2よりも大きい結合安定性を特徴としている。
好適には、本発明は、共有結合のための事前処理を実現する、研磨された基板表面に適用される。この研磨された基板表面は、典型的には、AFMを用いて2×2μm2の面積において測定された、20nm未満の平均粗さ値Ra、好適には10nm未満の平均粗さ値Ra、更に好適には2nm未満の平均粗さ値Ra、特に好適には1nm未満の平均粗さ値Raを有している基板表面である。平均粗さ値乃至算術平均粗さ値Raは、技術的表面の粗さを表す。この測定値を求めるために、所定の測定区間において表面が走査され、粗い表面の高さの差及び深さの差が全て記録される。測定区間におけるこの粗さ経過の特定の積分が算出された後に、続けて、その結果が測定区間の長さで除算される。
特に、基板表面の微小粗さが克服され、また対向する基板の表面分子が、可能な限り多くの割合で、結合エネルギを形成するように、局所的な力が加えられる。特に、アルミニウム、銅のような金属、酸化物、半導体材料及びガラスから成る研磨された基板表面は、局所的な力が加えられることによる仮固定に適している。特にガラスフリット接合又は共晶接合のような多くの種類の接合にとって、又は研磨されていない金属表面又ははんだ結合部の場合、開示した範囲の力でもって一部の面に自発的な結合を形成するためには、表面品質は十分ではない。これらの場合、好適には、アライメント及び接触後に、基板積層体の機械的な締め付けが付加的に行われる。このことは、特に、PCT/EP2013/056620に記載されている締め付けによって実現される。
本発明の特に独立した態様として、特に基板が自発的に接合される構造を備えている場合には、研磨された基板表面を使用しないこと、及び/又は、事前処理を省略することも考えられる。このことは、特に、基板が面ファスナに類似する表面構造を有している場合である。接触によって、表面構造の弾性的な変形、更には可塑性の変形が生じ、また、微視的な次元では基板表面の形状結合がもたらされる。後続の接合ステップにおいては、仮固定を面全体に拡張することができ、また、全面にわたり大きい力及び高い温度を使用することによって強固にすることができる。
接合
接合は、特に別個の接合チャンバにおいて行われ、この際、接合チャンバは、とりわけクラスタ設備に組み込まれて、事前処理のための、特に非晶質化のためのプロセスチャンバに接続されており、更に好適には、真空化が常に維持された状態で、プロセスチャンバから接合チャンバへと移送可能である。
本発明による1つの別のステップにおいては、永続的な接合を形成するために、仮固定/タッキングされた基板積層体の接合プロセスが行われる。接合プロセスは、特に、力及び/又は温度作用からなる。本発明による接合温度は、特に1,100℃未満、とりわけ400℃未満、更に好適には200℃未満、特に好適には18℃から200℃までの間、最も好適には室温である。この場合、接合力は、特に0.5kNから500kNまでの間、有利には0.5kNから250kNまでの間、より有利には0.5kNから200kNまでの間、特に好適には1kNから100kNまでの間である。相応の圧力範囲は、本発明による接合力を基板の面積について標準化することによって得られる。全面にわたる接合のために得ようとされる接合強度は、有利には1J/m2よりも大きく、好適には1.5J/m2よりも大きく、更に有利には2J/m2よりも大きい。基板は、任意の形状を有することができる。特に、基板は円形であり、また、工業基準に即して直径によって特徴付けられている。基板については、特にいわゆるウェハについては、とりわけ業界標準の直径、1ツォル、2ツォル、3ツォル、4ツォル、5ツォル、6ツォル、8ツォル、12ツォル及び18ツォルである。しかしながら基本的には、本発明による方法でもって、各基板を、特に半導体基板を、その直径に依存せずに処理することができる。
本発明によれば、仮接合によってまだ接触が行われていない限りにおいて、圧力が掛けられることによって、(基板表面の接触面に沿って形成された)境界面において、基板表面が相互に更に接近する。基板表面が相互に接近し続けることによって、キャビティは連続的に縮小し、最終的に閉じられる。本発明によれば、この際、非晶質化が重要な役割を担う。何故ならば、非晶質の状態によって、表面等方的な静電気的な引き付けが行われるからである。基板表面の相互に接触する非晶質層は、いずれも結晶性ではないので、結晶格子の継続的で適合された接触を考慮する必要もない。従って、非晶質層を有している2つの基板表面が接触すると、それによって新たなより大きい非晶質層が形成される。遷移は流動的に行われ、また本発明によれば、特に境界層が完全になくなることを特徴としている。
特に接合プロセス直後の、接合が完了した基板積層体の全体の非晶質層の厚さは、特に100nm未満、とりわけ50nm未満、更に好適には10nm未満、特に好適には5nm未満、最も好適には2nm未満である。接合強度は、特に以下のパラメータ、即ち、
−非晶質層の厚さ、
−粗さ、
−境界層に存在する、不利に作用するイオンの数、及び、
−接合力、
の影響を受ける。
接合強度は、非晶質層が厚くなるに連れ特に増大する。非晶質層が厚くなればなるほど、不規則に配列されている原子の数が多くなる。不規則に配列されている原子は、長距離秩序度及び/又は短距離秩序度の影響を受けず、また、上述のプロセスによって、特に圧力が掛けられることによる拡散及び/又は接近によって、境界層におけるキャビティに充填される。これによって、接触面積が大きくなり、従って接合強度も高まる。好適には、非晶質層の平均厚さは、平均粗さよりも大きく、従って、キャビティを閉じるために非晶質相の十分な原子が提供される。とりわけ、非常に低い粗さを有している基板表面が選択され、それによって基板表面は可能な限り小さいキャビティを有する。即ち、基板表面の粗さが低くなればなるほど、所望な接合結果を達成するために、非晶質層の厚さも一層薄くすることができる。本発明によれば、相応に厚い非晶質層は、相応に高いイオンエネルギによって達成され、この相応に高いイオンエネルギによって、イオンは基板内に可能な限り深く侵入することができる。
接合強度は、非晶質相の清浄性の関数でもある。堆積された全ての不所望な原子又はイオンは、特に不安定化をもたらす虞があり、特に接合安定性の低下をもたらす虞がある。従って、非晶質化に利用されるイオンは、特にそれらのイオンが非晶質化後に非晶質層に残る場合には、接合強度に悪影響を及ぼす虞がある。従って、相応に低いイオンエネルギの他に、可能な限り低い電流密度及び可能な限り短い処理時間を達成することも試みられる。電流密度に処理時間を掛けることによって、処理時間内に基板表面に衝突する単位面積当たりのイオンが求められる。この数を最小にするために、電流密度を低減することができる及び/又は処理時間を短縮することができる。基板表面に衝突する単位面積当たりのイオンの数が少なくなるほど、非晶質層内に注入されるイオンの数は少なくなる。とりわけ、非晶質化されるべき材料と結合することができず、且つ、欠陥として、特に点欠陥として存在する粒子は、接合強度に不利な作用を及ぼす。これには、とりわけ希ガス、更に分子ガスも挙げられる。特に本発明によれば、特に新たな相が形成されることによって、接合境界面の強化を担うイオンを含んでいる気体又は混合気体を使用することができる。1つの好適な可能性として、非晶質層を窒化する電離窒素の使用が挙げられる。
同様の考察は、非晶質層の材料と結合する、特に金属結合、共有結合又はイオン結合する、その他のあらゆる種類の元素についても当てはまる。電流密度を低減できるようにするために、特に既に最小の粗さを有している基板表面が好適である。基板表面が平滑になればなるほど、本発明によれば、粗さの低減のために必要とされるイオンの数は少なくなり、また、エネルギは低くなる。これによって、イオンエネルギ及び/又はイオン電流を低減することができ、従って単位面積当たりのイオンの数も低減することができ、これによって組み込まれるイオンの数もやはり少なくなり、その結果、欠陥の数も減り、最終的には接合安定性が高まる。
接合強度は、接合力の関数である。何故ならば、接合力が高くなるほど、基板表面はより強く接近し、またそれによって、より良好な接触面が得られるからである。接合力が高くなるほど、基板表面は相互により一層接近しやすくなり、それと共に、局所的に変形した領域によってキャビティが閉じられる。
特に非晶質化プロセスとは別個の熱処理は、特にボンダ(Bonder)における接合の間及び/又は接合の後に若しくは接合後に、外部の(特にクラスタに組み込まれた)熱処理モジュールにおいて行われる。熱処理モジュールは、ホットプレート、加熱塔、炉、特に連続炉又はその他のあらゆる種類の熱発生装置であってよい。熱処理は、特に500℃未満、とりわけ400℃未満、更に好適には300℃未満、特に好適には200℃未満、最も好適には100℃未満の温度で、しかしながら室温を上回る温度で行われる。熱処理の時間は、特に、熱処理後の本発明による非晶質の残留層の厚さが、50nm未満、とりわけ25nm未満、更に好適には15nm未満、特に好適には10nm未満、最も好適には5nm未満となるように選定される。
特に、接合の際及び/又は接合の後及び/又は熱処理の際に、非晶質状態から結晶質状態への相転移が行われる。本発明による1つの特に好適な実施の形態においては、上述のプロセスパラメータは、非晶質層の結晶質相への完全な相転移が行われるように選定される。
本発明の1つの有利な実施の形態によれば、質量百分率(m%)で特に95m%よりも高い、とりわけ99m%よりも高い、更に好適には99.9m%よりも高い、特に好適には99.99m%よりも高い、最も好適には99.999%よりも高い、転位される材料の清浄性を有している材料が選択される。基板材料の清浄性が高いことによって、より良好な接合結果が達成される。
最後に、接合された基板が高真空から搬出される。このことは、例えばロックゲートを介して、特に「ゲートバルブ」を介して行うことができる。
本発明による方法及び装置によって、非常に高い接合強度(>2J/m2)を室温において達成することができる。その際、精密な位置調整を伴う装置を使用してもよいし、精密な位置調整を伴わない(位置調整ユニットを備えていない)装置を使用してもよい。事前処理モジュールは、とりわけ、基板(例えば半導体材料、酸化物又は研磨された金属、例えばAl、Cu、ガラス、セラミックス)の非晶質化された表面を形成する。基板は、特に、活性化され、また、2つの基板を接触させた際に、高い割合での微小接触面の接触が実現される。これによって、自発的な共有結合を、低い温度で形成することができ、また室温においても形成することができる。この自発的な接合は、高真空での、好適には超高真空(<1E-6mbar、より好適には<1E-7mbar)での接触によって促進される。
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、好適な実施例についての下記の説明並びに図面より明らかになる。