以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及びそれに対応する「メタクリロイル基」の少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」等の他の類似表現についても同様である。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「層」及び「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含する。「工程」との語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<樹脂組成物及び硬化物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、(a)(メタ)アクリル重合体(以下、場合により「(a)成分」という)と、(b)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、場合により「(b)成分」という)と、(c)重合開始剤(以下、場合により「(c)成分」という)と、(d)スクアリウム化合物(スクアリウム色素)、フタロシアニン化合物(フタロシアニン色素)及びシアニン化合物(シアニン色素)からなる群より選ばれる少なくとも一種(以下、場合により「(d)成分」という)と、を含有する。本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化性(例えば熱硬化性)の樹脂組成物である。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物である。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、樹脂組成物が(a)〜(c)成分に加えて(d)成分を含有していることにより、600〜800nmの波長領域の光を吸収できると共に、樹脂組成物の硬化物が高湿度(例えば85%RH)の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制することができる(優れた耐湿性を得ることができる)。また、本実施形態に係る樹脂組成物によれば、樹脂組成物の硬化物が高温高湿(例えば85℃、85%RH)の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、接着剤組成物として用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、液状(ワニス状)であってもよく、フィルム状であってもよい。本実施形態に係る樹脂組成物は、半導体装置用の樹脂組成物として用いることが可能であり、例えば、光学部品用の樹脂組成物として用いることができる。
((a)成分:(メタ)アクリル重合体)
「(メタ)アクリル重合体」とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体((メタ)アクリル単量体)由来の構造単位を有する重合体であり、例えば、(メタ)アクリロイル基を一分子内に1つ有する(メタ)アクリル単量体を1種で重合させて得られる構造を有する重合体(単独重合体)、前記(メタ)アクリル単量体を2種以上組み合わせて共重合させて得られる構造を有する重合体(共重合体)、及び、前記(メタ)アクリル単量体と他の単量体とを共重合させて得られる構造を有する重合体(共重合体)が挙げられる。前記(メタ)アクリル単量体と共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロイル基を一分子内に2つ以上有する化合物;重合性不飽和結合を一分子内に1つ有し、且つ、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル及びアルケン(エチレン、プロピレン等));重合性不飽和結合を一分子内に2つ以上有し、且つ、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(ジビニルベンゼン等)などが挙げられる。(a)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(a)成分は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、(a)成分の総量を基準として、(メタ)アクリロイル基を一分子内に1つ有する(メタ)アクリル単量体に由来する構造単位を30〜100質量%有していることが好ましく、50〜100質量%有していることがより好ましい。
(a)成分は、官能基を有することが好ましく、例えば、官能基を有する構造単位を有することが好ましい。これらの場合、低弾性率に伴う優れた応力緩和性、耐リフロー剥離性、耐クラック性、接着性及び耐熱性を容易に発現させることができる。官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、アミド基、リン酸基、シアノ基、マレイミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。官能基としては、エポキシ基が好ましい。(a)成分がエポキシ基を有することにより、金属、ガラス等の無機材質の基板への密着性を向上させることができる。
官能基を(メタ)アクリル重合体に導入する方法は、特に限定されない。官能基を有する官能基含有単量体を、例えば、国際公開第2015/115537号に記載されるような既存の方法でランダム重合させることにより、官能基を(メタ)アクリル重合体に導入することができる。中でも、低コストで高分子量化が可能な観点から、懸濁重合が好ましい。
懸濁重合は、水性溶媒中で懸濁剤を添加して行う。懸濁剤としては、得られる(メタ)アクリル重合体内にイオン性不純物が残留する可能性が低い観点から、非イオン性の水溶性高分子を用いることが好ましい。水溶性高分子の使用量は、単量体の総量100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。
重合反応においては、一般的に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してもよい。重合開始剤としては、後述する(c)重合開始剤と同様の化合物等が挙げられる。連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン等のチオール類などが挙げられる。
官能基含有単量体は、一分子内に、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、アミド基、リン酸基、シアノ基、マレイミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基と、少なくとも1つの重合性の炭素−炭素二重結合とを有することが好ましい。
前記官能基は、ワニス状態でのゲル化、使用時のノズル等のつまり、スピンコート時のピンホール発生などの問題を回避しやすい観点から、アミノ基、アミド基、リン酸基、シアノ基、マレイミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記官能基は、着色を高度に防止しやすい観点から、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、リン酸基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、これら両方の観点から、前記官能基は、リン酸基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、エポキシ基であることが更に好ましい。
官能基含有単量体としては、国際公開第2015/115537号に例示されるような、カルボキシル基含有単量体;酸無水物基含有単量体;水酸基含有単量体;アミノ基含有単量体;リン酸基含有単量体;シアン化ビニル化合物;N−置換マレイミド類;エポキシ基含有単量体等を使用することができる。官能基含有単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
この中でも、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体を使用することが特に好ましい。さらに、このような単量体を使用することによって得られる(メタ)アクリル重合体(例えば、グリシジル基含有(メタ)アクリル重合体)は、(メタ)アクリル単量体又はオリゴマーと相溶することが好ましい。グリシジル基含有(メタ)アクリル重合体は、常法によって合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、HTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社、商品名)等が挙げられる。このような(メタ)アクリル重合体は、優れた耐クラック性、接着性及び耐熱性が発現しやすい観点、及び、優れた保存安定性を確保しやすい観点から好ましい。
前記官能基を有する構造単位の含有量は、接着力を容易に確保できると共に、ゲル化を容易に防止することができる観点から、(a)成分の総量を基準として、下記の範囲が好ましい。前記官能基を有する構造単位の含有量は、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、2.0質量%以上が特に好ましく、3.0質量%以上が極めて好ましい。前記官能基を有する構造単位の含有量は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましく、5.0質量%以下が特に好ましい。これらの観点から、前記官能基を有する構造単位の含有量は、0.5〜20質量%が好ましい。
(a)成分は、窒素原子含有基を有する構造単位を有していてもよい。(a)成分における窒素原子含有基を有する構造単位の含有量は、(a)成分の総量を基準として、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。(a)成分は、窒素原子含有基を有する構造単位を含まないことが特に好ましい。前記窒素原子含有基としては、アミノ基、アミド基、シアノ基、マレイミド基等が挙げられる。また、窒素原子含有基を有する構造単位としては、前記に列挙した官能基含有単量体のうち、窒素原子を含む単量体由来の構造単位等が挙げられ、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物由来の構造単位等が挙げられる。
(a)成分を合成する際に使用可能な、官能基含有単量体以外の単量体としては、国際公開第2015/115537号に例示されるような、(メタ)アクリル酸エステル類;芳香族ビニル化合物;脂環式単量体等が挙げられる。官能基含有単量体以外の単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ゲル化せずに(メタ)アクリル重合体(例えば、重量平均分子量が10万以上の(メタ)アクリル重合体)を合成しやすい観点から、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、官能基含有単量体との共重合性に優れる観点から、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、及び、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
(a)成分は、脂環式構造及び複素環式構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を有することが好ましく、脂環式構造を有することがより好ましい。(a)成分が脂環式構造を有することにより、(メタ)アクリル重合体中の非晶質成分が増加するため、透明性が高くなりやすい傾向にある。また、同じ炭素数の脂肪族構造(脂肪族の構造単位等)と比較すると、ガラス転移温度(Tg)が向上し、耐熱性が高くなる傾向にある。
(a)成分は、脂環式構造及び複素環式構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する構造単位を有することが好ましく、脂環式構造を有する構造単位を有することがより好ましい。脂環式構造又は複素環式構造を有する構造単位を有する(メタ)アクリル重合体を製造する際に用いられる、脂環式構造又は複素環式構造を有する単量体としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
[式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は脂環基又は複素環基を示し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは0〜10の整数を示す。nが2以上の整数であるとき、複数存在するXは互いに同一であっても異なっていてもよい。ここで「脂環基」とは、炭素原子が環状に結合した構造を有する基であり、「複素環基」とは、炭素原子及び1以上のヘテロ原子が環状に結合した構造を有する基である。]
R2としては、例えば、下記式(2a)〜(2h)で表される基が挙げられる。
[式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R11は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は、OR11aで示される構造を示し、R11aは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。]
式(1)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル(別名:シクロヘキシル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸イソボルニル(別名:イソボルニル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(別名:トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
官能基含有単量体以外のこれらの単量体の含有量は、(a)成分のTgが−50〜50℃の範囲となるように調整されることが好ましい。例えば、単量体として、メタクリル酸グリシジルを2.5質量%、メタクリル酸メチルを43.5質量%、アクリル酸エチルを18.5質量%、及び、アクリル酸ブチルを35.5質量%用いることで、Tgが12℃であり且つ重量平均分子量が10万以上のエポキシ基含有(メタ)アクリル重合体である(a)成分を合成できる。
官能基含有単量体を組み合わせて使用する場合の混合比率は、(メタ)アクリル重合体のTgを考慮して決定され、(a)成分のTgが−50℃以上であることが好ましい。Tgが−50℃以上であると、Bステージ状態での樹脂組成物のタック性が適当であり、取り扱い性に優れるためである。このような観点から、官能基含有単量体、及び、官能基含有単量体以外の単量体の混合比率(官能基含有単量体:官能基含有単量体以外の単量体)は、100:0〜0.1:99.9であることが好ましく、100:0〜1:99であることがより好ましく、50:50〜1:99であることが更に好ましく、30:70〜1:99であることが特に好ましく、20:80〜1:99であることが極めて好ましい。
(a)成分は、下記一般式(I)で表される構造単位、下記一般式(II)で表される構造単位、及び、下記一般式(III)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
[式(I)中、R1aは、水素原子又はメチル基を示し、Xaは、エポキシ基を含む基を示す。]
[式(II)中、R2aは、水素原子又はメチル基を示し、Yaは、置換基を有していてもよい炭素数5〜22の脂環基(式(I)のXに該当する基を除く)を示す。]
[式(III)中、R3aは、水素原子又はメチル基を示し、Zaは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(式(I)のXに該当する基を除く)を示す。]
単量体を重合させて(メタ)アクリル重合体(例えば、官能基を有する構造単位を有する(メタ)アクリル重合体)を製造する場合、その重合方法としては、溶液重合、懸濁重合(パール重合)等の前記の方法を使用することができる。
(a)成分の重量平均分子量は、成膜後の強度、可撓性及びタック性が適当であり、また、フロー性が適当なため、配線の回路充填性が容易に確保できる観点から、下記の範囲が好ましい。(a)成分の重量平均分子量は、充分な弾性率(例えば260℃の弾性率)を保持することができる観点から、10万以上が好ましく、12万以上がより好ましく、20万以上が更に好ましく、30万以上が特に好ましく、40万以上が極めて好ましく、45万以上が非常に好ましい。(a)成分の重量平均分子量は、300万以下が好ましく、200万以下がより好ましく、100万以下が更に好ましく、80万以下が特に好ましい。これらの観点から、(a)成分の重量平均分子量は、10万〜300万が好ましい。重量平均分子量とは、実施例で説明するようにゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
(a)成分の含有量は、良好な貯蔵弾性率を示し、成形時のフローを抑制でき、且つ、高温での取り扱い性も充分に得られる観点から、(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(a)成分の含有量は、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましく、50質量部以上が特に好ましく、75質量部以上が極めて好ましく、100質量部以上が非常に好ましい。(a)成分の含有量は、400質量部以下が好ましく、350質量部以下がより好ましく、300質量部以下が更に好ましく、200質量部以下が特に好ましく、150質量部以下が極めて好ましい。これらの観点から、(a)成分の含有量は、10〜400質量部が好ましい。
((b)成分:少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物)
本実施形態に係る樹脂組成物では、(a)成分と(b)成分との相溶性が高く、且つ、これらの屈折率が近い傾向にあることから、硬化後に視認性を確保できる程度の優れた透明性を得ることができる。さらに、前記のとおり相溶性が高いことから、ワニス状態又は半硬化状態で相分離が発生しにくく、保存安定性にも優れる。また、ラジカル硬化後、硬化の熱により相分離が発生した場合であっても、ミクロな相分離にとどまり、視認性、接着強度等の硬化物特性のバラツキを抑制することができる。本実施形態に係る樹脂組成物をキャビティに充填することにより、光損失の問題を解決することもできる。
(b)成分としては、例えば、(メタ)アクリル単量体及びそのオリゴマー((a)成分に該当する化合物を除く)が挙げられる。(b)成分の分子量(例えば重量平均分子量)は、例えば、2万以下であってもよく、1万以下であってもよい。
少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、脂環式構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体、脂肪族構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体、ジオキサングリコール構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体、官能基((メタ)アクリロイル基を除く)を有する多官能(メタ)アクリル単量体等が挙げられる。官能基を有する多官能(メタ)アクリル単量体としては、脂環式構造、脂肪族構造又はジオキサングリコール構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体を除く。なお、ここでの「多官能」とは、(メタ)アクリロイル基についていうものであり、化合物中に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
(b)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(b)成分は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、脂環式構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体、及び、ジオキサングリコール構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。(b)成分は、硬化物のクラック、及び、基材からの剥離を防ぎやすい観点から、脂肪族構造を有する多官能(メタ)アクリル単量体が好ましい。
多官能(メタ)アクリル単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリル単量体を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリル単量体としては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,3−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬株式会社、KAYARAD R−684、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート)、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート(例えば、新中村化学工業株式会社、A−DCP、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬株式会社、KAYARAD R−604、ジオキサングリコールジアクリレート;新中村化学工業株式会社、A−DOG、ジオキサングリコールジアクリレート)、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート(好ましくはポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、より好ましくはエチレンオキサイド5〜15モル変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート)、(ポリ)エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記の中でも、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ジオキサングリコールジアクリレート及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
前記以外の多官能(メタ)アクリル単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリロイル基を3つ有する(メタ)アクリル単量体を挙げることができる。
(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、40質量部以上が更に好ましい。(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下が更に好ましく、50質量部以下が特に好ましい。(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、20〜80質量部が好ましい。(b)成分の含有量が前記各範囲であると、3次元架橋をしやすいため、耐熱性が更に向上する傾向がある。また、硬化後に相分離が発生した場合であっても、相分離の範囲をミクロスケールに留めることができる。そのため、視認性、接着強度等の硬化物特性のバラツキを容易に抑制でき、半導体若しくは電子部品の製造工程における反り又はクラックを容易に抑制できる。
((c)成分:重合開始剤)
(c)成分としては、例えば、(c1)熱重合開始剤(以下、場合により「(c1)成分」という)及び/又は(c2)光重合開始剤(以下、場合により「(c2)成分」という)を用いることができる。
(c1)成分としては、国際公開第2015/115537号に例示されるような、有機過酸化物;アゾ化合物などが挙げられる。
(c1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(c1)成分の中でも、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、有機過酸化物が好ましく、樹脂組成物の取り扱い性(シェルフライフ、ポットライフ等)と硬化性との良好なバランスを保つ観点から、10時間半減期温度が90〜150℃である有機過酸化物がより好ましい。なお、有機過酸化物の半減期温度は、国際公開第2015/115537号に記載された方法で測定できる。
前記で挙げた(c1)成分の中でも、有機過酸化物としては、保存安定性及び熱硬化性に優れる観点から、ジクミルパーオキサイド(例えば、日油株式会社製、商品名:パークミルD)、及び、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(例えば、日油株式会社製、商品名:パーヘキサV)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(c1)成分は、(a)成分及び(b)成分との組み合わせにおいて優れた耐熱性、耐剥離性及び応力緩和を発揮しやすく、半導体装置(光学部品等)の信頼性を向上させることができる。
(c1)成分の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点、及び、アウトガスの発生を抑制しやすい観点から、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(c1)成分の含有量は、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましく、1質量部以上が特に好ましい。(c1)成分の含有量は、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましく、5質量部以下が特に好ましく、3質量部以下が極めて好ましく、2質量部以下が非常に好ましい。これらの観点から、(c1)成分の含有量は、0.1〜30質量部が好ましい。
(c2)成分としては、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル類、芳香族ケトン、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、クマリン系化合物、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体等が挙げられる。(c2)成分は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
これらの中でも、光硬化性の向上の観点、高感度化の観点、及び、硬化物(硬化膜等)の透明性に優れやすい観点から、アシルフォスフィンオキサイド及びオキシムエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(c2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アシルフォスフィンオキサイドとしては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(例えば、IRGACURE−819、BASF社、商品名)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(例えば、LUCIRIN TPO、BASF社、商品名)等が挙げられる。
オキシムエステル類としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)](例えば、IRGACURE−OXE01、BASF社、商品名)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)(例えば、IRGACURE−OXE02、BASF社、商品名)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−(エトキシカルボニル)オキシム](例えば、Quantacure−PDO、日本化薬株式会社、商品名)等が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば、国際公開第2015/115537号に記載された化合物が挙げられる。
キノン類としては、例えば、国際公開第2015/115537号に記載された化合物が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等が挙げられる。
ベンジル誘導体としては、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、国際公開第2015/115537号に記載された化合物が挙げられる。
アクリジン誘導体としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
クマリン系化合物としては、例えば、国際公開第2015/115537号に記載された化合物が挙げられる。
N−フェニルグリシン誘導体としては、N−フェニルグリシンブチルエステル、N−p−メチルフェニルグリシン、N−p−メチルフェニルグリシンメチルエステル、N−(2,4−ジメチルフェニル)グリシン、N−メトキシフェニルグリシン等が挙げられる。
(c2)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、0.75〜5質量部が更に好ましい。(c2)成分の含有量がこれらの範囲であることで、硬化物の発泡、濁り、着色及びクラックを高度に防止しやすい。
((d)成分:スクアリウム化合物、フタロシアニン化合物又はシアニン化合物)
(d)成分は、600〜800nmの波長領域の光を吸収することができる。(d)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(d)成分は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、フタロシアニン化合物及びシアニン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、フタロシアニン化合物を含むことがより好ましい。
ところで、樹脂組成物の硬化物が高温に保持されて得られた硬化物における600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが硬化前の樹脂組成物の波長スペクトルに対して大きく変化すると、樹脂組成物の硬化過程で特性が変動するため、所望の特性を有する半導体装置を得ることが容易でない。そのため、半導体装置の構成部材を得るための硬化性の樹脂組成物に対しては、高温に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制することが好ましい。この点、高温に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、(d)成分は、スクアリウム化合物及びフタロシアニン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、フタロシアニン化合物を含むことがより好ましい。
(d)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(d)成分の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましく、0.06質量部以上が特に好ましく、0.1質量部以上が極めて好ましく、0.15質量部以上が非常に好ましく、0.2質量部以上がより一層好ましい。(d)成分の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.7質量部以下が更に好ましく、0.5質量部以下が特に好ましく、0.4質量部以下が極めて好ましく、0.3質量部以下が非常に好ましく、0.25質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、(d)成分の含有量は、0.01〜5質量部が好ましい。
(d)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。(d)成分の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましく、0.04質量部以上が特に好ましく、0.05質量部以上が極めて好ましく、0.07質量部以上が非常に好ましく、0.1質量部以上がより一層好ましい。(d)成分の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.4質量部以下が更に好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.2質量部以下が極めて好ましく、0.15質量部以下が非常に好ましく、0.12質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、(d)成分の含有量は、0.01〜1質量部が好ましい。
(d)成分の含有量は、樹脂組成物の総量(固形分の全量)を基準として下記の範囲が好ましい。(d)成分の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.03質量%以上が特に好ましく、0.05質量%以上が極めて好ましく、0.07質量%以上が非常に好ましく、0.09質量%以上がより一層好ましい。(d)成分の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.25質量%以下が特に好ましく、0.2質量%以下が極めて好ましく、0.15質量%以下が非常に好ましく、0.1質量%以下がより一層好ましい。これらの観点から、(d)成分の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
(その他の吸光材料)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(d)成分以外の吸光材料を含有してもよい。吸光材料としては、銅及びリンを含む錯体化合物、紫外線吸収剤等が挙げられる。銅及びリンを含む錯体化合物としては、長波長領域(例えば800〜1100nm)の光を吸収可能な化合物を用いることができる。紫外線吸収剤は、紫外線(主に、波長300〜400nmの光)を吸収することができる。吸光材料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物が、(d)成分と、(d)成分以外の吸光材料とを含有する場合、吸光材料の総量は下記の範囲が好ましい。
吸光材料の含有量は、(a)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。吸光材料の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましく、0.06質量部以上が特に好ましく、0.1質量部以上が極めて好ましく、0.15質量部以上が非常に好ましく、0.2質量部以上がより一層好ましい。吸光材料の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.7質量部以下が更に好ましく、0.5質量部以下が特に好ましく、0.4質量部以下が極めて好ましく、0.3質量部以下が非常に好ましく、0.25質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、吸光材料の含有量は、0.01〜5質量部が好ましい。
吸光材料の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。吸光材料の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましく、0.04質量部以上が特に好ましく、0.05質量部以上が極めて好ましく、0.07質量部以上が非常に好ましく、0.1質量部以上がより一層好ましい。吸光材料の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.4質量部以下が更に好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.2質量部以下が極めて好ましく、0.15質量部以下が非常に好ましく、0.12質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、吸光材料の含有量は、0.01〜1質量部が好ましい。
吸光材料の含有量は、樹脂組成物の総量(固形分の全量)を基準として下記の範囲が好ましい。吸光材料の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.03質量%以上が特に好ましく、0.05質量%以上が極めて好ましく、0.07質量%以上が非常に好ましく、0.09質量%以上がより一層好ましい。吸光材料の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.25質量%以下が特に好ましく、0.2質量%以下が極めて好ましく、0.15質量%以下が非常に好ましく、0.1質量%以下がより一層好ましい。これらの観点から、吸光材料の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物が、銅及びリンを含む錯体化合物を含有する場合、銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は下記の範囲が好ましい。
銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、(a)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましく、0.06質量部以上が特に好ましく、0.1質量部以上が極めて好ましく、0.12質量部以上が非常に好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下が更に好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.25質量部以下が極めて好ましく、0.2質量部以下が非常に好ましく、0.15質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、0.01〜5質量部が好ましい。
銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましく、0.04質量部以上が特に好ましく、0.05質量部以上が極めて好ましく、0.06質量部以上が非常に好ましく、0.065質量部以上がより一層好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.3質量部以下が更に好ましく、0.2質量部以下が特に好ましく、0.1質量部以下が極めて好ましく、0.08質量部以下が非常に好ましく、0.07質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、0.01〜1質量部が好ましい。
銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、樹脂組成物の総量(固形分の全量)を基準として下記の範囲が好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.03質量%以上が特に好ましく、0.04質量%以上が極めて好ましく、0.05質量%以上が非常に好ましく、0.06質量%以上がより一層好ましい。銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下が特に好ましく、0.1質量%以下が極めて好ましく、0.08質量%以下が非常に好ましく、0.07質量%以下がより一層好ましい。これらの観点から、銅及びリンを含む錯体化合物の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は下記の範囲が好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して下記の範囲が好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.001質量部以上が好ましく、0.003質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上が更に好ましく、0.01質量部以上が特に好ましく、0.015質量部以上が極めて好ましく、0.02質量部以上が非常に好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.3質量部以下が更に好ましく、0.1質量部以下が特に好ましく、0.05質量部以下が極めて好ましく、0.04質量部以下が非常に好ましく、0.03質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、紫外線吸収剤の含有量は、0.001〜1質量部が好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましく、0.04質量部以上が特に好ましく、0.06質量部以上が極めて好ましく、0.08質量部以上が非常に好ましく、0.1質量部以上がより一層好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.4質量部以下が更に好ましく、0.3質量部以下が特に好ましく、0.2質量部以下が極めて好ましく、0.15質量部以下が非常に好ましく、0.12質量部以下がより一層好ましい。これらの観点から、紫外線吸収剤の含有量は、0.01〜1質量部が好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物の総量(固形分の全量)を基準として下記の範囲が好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、600〜800nmの波長領域の光を吸収しやすい観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、0.007質量%以上が特に好ましく、0.009質量%以上が極めて好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が特に好ましく、0.03質量%以下が極めて好ましく、0.02質量%以下が非常に好ましく、0.01質量%以下がより一層好ましい。これらの観点から、紫外線吸収剤の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
(酸化防止剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することができる。本発明に係る樹脂組成物が酸化防止剤を含有することにより、樹脂組成物の熱時の劣化による着色を抑制し、熱時の透明性を向上させやすい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、国際公開第2015/046422号に記載された化合物が挙げられ、具体的には、ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸](2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイル)ビス(2,2−ジメチル−2,1−エタンジイル)等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、3,3−チオビスプロピオン酸ジトリデシル(例えば、「アデカスタブAO−503」(株式会社ADEKA))等が挙げられる。チオール系酸化防止剤としては、チオール基を有する化合物等が挙げられる。チオール基を有する化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(例えば、「カレンズMT−PE1」(昭和電工株式会社))、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(例えば、「カレンズMT−NR1」(昭和電工株式会社))等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制しやすい観点、及び、ラジカル重合反応性に悪影響を与えにくい観点から、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。酸化防止剤の含有量は、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。酸化防止剤の含有量は、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましく、2質量部以下が特に好ましい。これらの観点から、酸化防止剤の含有量は、0.01〜10質量部が好ましい。
(カップリング剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、カップリング剤を含有することができる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等の各種のカップリング剤を用いることができる。カップリング剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤は、アルコキシシランであってもよい。シランカップリング剤は、例えば、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、及び、イソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランであってもよい。シランカップリング剤としては、具体的には、国際公開第2015/115537号に例示された化合物が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、国際公開第2015/115537号に例示された化合物等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピオネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、テトラプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート等が挙げられる。
ジルコアルミネート系カップリング剤としては、下記一般式(3)で表される化合物等が挙げられる。
[式(3)中、R12はカルボキシル基又はアミノ基を示す。]
前記R12がカルボキシル基である化合物としては、マンシェム CPG−カルボキシジルコアルミネート等が挙げられる。R12がアミノ基である化合物としては、マンシェム APO−X−アミノジルコアルミネート溶液等が挙げられる。それぞれローヌプーランク社より入手できる。
これらのカップリング剤の中でも、材料間の界面の結合又は濡れ性をよくする効果が高い観点から、シランカップリング剤が好ましく、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤がより好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(別名:メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、及び、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
カップリング剤の含有量は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100質量部に対して下記の範囲が好ましい。カップリング剤の含有量は、接着強度の向上効果が得られやすい傾向がある観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.8質量部以上が更に好ましく、1質量部以上が特に好ましい。カップリング剤の含有量は、揮発分が少なく、硬化物中のボイドの発生が容易に抑制される傾向がある観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましく、5質量部以下が特に好ましく、3質量部以下が極めて好ましく、2質量部以下が非常に好ましい。これらの観点から、カップリング剤の含有量は、0.1〜20質量部が好ましい。
(有機溶媒)
本実施形態に係る樹脂組成物は、有機溶媒を含有することができる。含有成分を有機溶媒に溶解又は分散させることによりワニス状の樹脂組成物を得ることができる。ワニス状の樹脂組成物を用いることにより、基材への塗布性が向上し、作業性が良好である。
有機溶媒としては、樹脂組成物の含有成分を均一に撹拌混合、溶解、混練又は分散できる溶媒であれば制限はなく、従来公知の溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、アルコール系、エーテル系、ケトン系、アミド系、芳香族炭化水素系、エステル系、ニトリル系等の溶媒が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、低温での揮発を抑制しやすい観点から低沸点の溶媒(ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、テトラヒドロフラン、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、メチルエチルケトン、2−プロパノール等)が挙げられ、塗膜安定性を向上させる等の観点から高沸点の溶媒(トルエン、メチルイソブチルケトン、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、キシレン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド、ブチルセロソルブ、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等)が挙げられる。有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、溶解性に優れると共に乾燥速度が速い観点から、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
有機溶媒の含有量は、ワニス状態にしたときの粘度等によって決定されるものである。有機溶媒の含有量は、樹脂組成物の総量(有機溶媒等の揮発分を含む全量)を基準として、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、10〜50質量%が更に好ましい。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(b)成分とは別に、単官能(メタ)アクリル単量体(1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物。例えば、1つの(メタ)アクリロイル基及び複素環を有する化合物)を含有してもよい。単官能(メタ)アクリル単量体としては、例えば、前記(a)成分で例示した(メタ)アクリル単量体((メタ)アクリル酸グリシジル等)が挙げられる。単官能(メタ)アクリル単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、その他の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、エポキシ硬化剤、エポキシ硬化促進剤、濡れ向上剤(フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸等)、消泡剤(シリコーン油等)、イオントラップ剤(無機イオン交換体等)、屈折率調整剤、その他のフィラー(有機フィラー、無機フィラー等)などが挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む樹脂層(接着剤層)が半導体基板と透明基材との間に配置された状態で前記樹脂層を硬化する工程(硬化物形成工程)を備える。例えば、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む樹脂層を半導体基板上に形成する工程(樹脂層形成工程)と、前記樹脂層が前記半導体基板と透明基材との間に配置された状態で前記樹脂層を硬化する工程(硬化物形成工程)と、を備える。樹脂層は、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物からなる。透明基材(ガラス基材等)は、例えば、透明基板(ガラス基板等)である。硬化物形成工程は、樹脂層を半導体基板と透明基材とで挟み、前記半導体基板及び前記透明基材を圧着する工程(圧着工程)と、樹脂層を硬化する工程(硬化工程)とを有していてもよい。圧着工程及び硬化工程は、必ずしも独立した工程である必要はなく、圧着を行いながら同時に硬化を行ってもよい。
図1及び図2は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であり、ディスペンス法を用いた製造方法を例示する工程図である。まず、図1(a)に示すように、支持基材10と、支持基材10上に実装された半導体基板20とを備える積層体を用意する。支持基材10及び半導体基板20の端子(図示せず)同士は、ワイヤー15により電気的に接続されている。半導体装置が固体撮像素子である場合、例えば、半導体基板20の上部に受光部が配置されている。次に、図1(b)に示すように、ディスペンス法により樹脂組成物を半導体基板20上に供給した後、図2(a)に示すように加熱乾燥することにより樹脂層30を半導体基板20上に形成する。例えば、半導体基板20の受光部を覆うように樹脂層30を形成する。次に、図2(b)に示すように、樹脂層30上に透明基材40を圧着する。そして、図2(c)に示すように、樹脂層30を硬化して樹脂層(硬化物)30aを形成することにより半導体装置100を得る。
以下、各工程について更に説明する。
(樹脂層形成工程)
樹脂層形成工程としては、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を半導体基板上に塗布する方法、又は、フィルム状の樹脂組成物を半導体基板に貼り付ける方法を採用することができる。半導体基板は、例えば、半導体ウェハ、及び、半導体素子(半導体チップ)のいずれであってもよい。
樹脂組成物を塗布する方法としては、ディスペンス法(シリンジディスペンス法等)、スピンコート法、ダイコート法、ナイフコート法などの手法が挙げられる。フィルム状の樹脂組成物を貼り付ける方法を採用する場合、充分な濡れ広がりを確保するため、0〜90℃の範囲でラミネートすることが好ましい。また、均一に貼り付けるため、ロールラミネートを行うことが好ましい。
フィルム状の樹脂組成物の製造方法を以下に説明する。例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を支持フィルム上に均一に塗布し、使用した溶媒が充分に揮散する条件(例えば、60〜200℃の温度で0.1〜30分間)で加熱することにより、フィルム状の樹脂組成物を形成する。このとき、フィルム状の樹脂組成物が所望の厚さを有するように、樹脂組成物の溶媒量、粘度、塗布初期の厚さ(ダイコーター、コンマコーター等のコーターを用いる場合は、コーターと支持フィルムとのギャップを調整する)、乾燥温度、風量などを調整する。
支持フィルムは、平坦性を有することが好ましい。例えば、PETフィルムのような支持フィルムは、静電気による密着性が高いため、作業性を向上させるために平滑剤を使用している場合がある。平滑剤の種類及び温度によっては、接着剤に微妙な凹凸が転写され平坦性が下がる場合がある。したがって、平滑剤を使用していない支持フィルム、又は、平滑剤の少ない支持フィルムを使用することが好ましい。また、柔軟性に優れる観点から、ポリエチレンフィルム等の支持フィルムが好ましいが、ラミネート時にロール痕等が樹脂層表面に転写しないよう、支持フィルムの厚さ及び密度を適宜選択することが好ましい。
(圧着工程)
続いて、半導体基板上に形成された樹脂層を、必要に応じて加熱乾燥する。乾燥する温度に特に制限はないが、含有成分を溶媒に溶解又は分散させてワニス状の樹脂組成物を用いる場合、乾燥温度は、溶媒の発泡により気泡が発生することを乾燥時に抑制しやすい観点から、使用した溶媒の沸点よりも10〜50℃低いことが好ましい。同様の観点から、乾燥温度は、使用した溶媒の沸点よりも15〜45℃低いことがより好ましく、使用した溶媒の沸点よりも20〜40℃低いことが更に好ましい。
また、含有成分を溶媒に溶解又は分散させてワニス状の樹脂組成物を用いる場合、溶媒の発泡により気泡が発生することを硬化後に抑制しやすい観点から、溶媒の残存量をできるだけ少なくすることが好ましい。
前記の加熱乾燥を行う条件は、使用した溶媒が充分に揮散し、且つ、(c)成分が実質的にラジカルを発生しない条件であれば特に制限はないが、通常、40〜100℃で、0.1〜90分間加熱して行う。なお、「実質的にラジカルを発生しない」とは、ラジカルが全く発生しないか、又は、発生したとしてもごくわずかであることをいい、これにより、重合反応が進行しないか、又は、仮に進行したとしても前記樹脂層の物性に影響を及ぼさない程度の条件であることをいう。また、加熱による(c)成分からのラジカル発生を抑制しつつ、溶媒の残存量が少なくなる観点から、減圧条件下で乾燥することが好ましい。
樹脂層を加熱硬化させる際の発泡によってはんだリフロー時に樹脂層が剥離することを抑制しやすい観点から、樹脂層の内部又は表面に存在する揮発成分(残存溶媒、低分子量不純物、反応生成物、分解生成物、材料由来の水分、表面吸着水等)を充分に少なくすることが好ましい。
加熱乾燥後、樹脂層上に透明基材を圧着する。なお、前記加熱乾燥は、樹脂層形成工程においてフィルム状の樹脂組成物を貼り付ける方法を採用した場合には、省略することができる。
(硬化工程)
樹脂層を介して半導体基板と透明基材とを圧着した後、樹脂層を硬化させることにより硬化物を形成する。硬化方法としては、例えば、熱及び/又は光により硬化させる方法が挙げられ、特に、熱により硬化させることが好ましい。
樹脂層の硬化物を形成する硬化工程において、熱硬化(キュア)は、温度を選択して段階的に昇温しながら1〜2時間実施することが好ましい。熱硬化は100〜200℃で行うことが好ましい。
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板と、透明基材と、前記半導体基板及び前記透明基材の間に配置された樹脂層(接着剤層)と、を備える。例えば、本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に配置された樹脂層(接着剤層)と、前記樹脂層を介して前記半導体基板に接着された透明基材と、を備える。前記樹脂層は、本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む。前記透明基材は、例えば、樹脂層を介して半導体基板上に配置されている。
半導体装置としては、例えば、光学部品が挙げられる。光学部品としては、例えば、固体撮像素子等の光デバイスが挙げられる。固体撮像素子としては、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ(例えば裏面照射型CMOSイメージセンサ)等が挙げられる。本実施形態に係る半導体装置の一例であるCMOSイメージセンサは、例えば、携帯電話に内蔵される。この場合、CMOSイメージセンサは、携帯電話のマザーボードにはんだボールを介して搭載され、センサの上方(すなわち、ガラス基材等の透明基材側)に光学レンズが配置される。
本実施形態に係る半導体装置(例えば固体撮像素子)は、半導体基板の主面(例えば上面)に配置された受光部が樹脂層に覆われていてよい。本実施形態に係る半導体装置(例えば固体撮像素子)は、例えば、上面に受光部が配置された半導体基板と、前記受光部を覆うように前記半導体基板上に配置された樹脂層と、前記樹脂層を介して前記半導体基板に接着された透明基材と、を備える。本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板の主面において受光部より当該主面の外周側に位置する領域(例えば、主面の外周部)上に配置された部材(例えば、額縁状部材)を備えていてよい。当該部材は、受光部を露出させる開口(キャビティ)を有していてよく、当該開口に樹脂層が配置(充填)されていてよい。本実施形態に係る半導体装置では、半導体基板と透明基材との間が樹脂層のみにより封止されていてもよい。本実施形態に係る半導体装置では、半導体基板の一部又は全体が樹脂層により封止されていてよい。樹脂層は、半導体基板及び透明基材の間に加えて、半導体基板及び/又は透明基材の周囲に配置されていてもよい。
本実施形態に係る半導体装置は、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を用いたノンキャビティ構造を有する。以下、本実施形態に係る半導体装置の一例として、裏面照射型固体撮像素子であるCMOSイメージセンサについて、場合により図面を参照しながら説明する。
図3は、半導体装置の一例(第1実施形態、CMOSイメージセンサ)を示す平面図である。図4は、図3に示すA−A’線の断面図である。CMOSイメージセンサ1aは、中央部の領域にマイクロレンズ2が複数配置されたセンサ部(受光部)3aを有する。センサ部3aの周辺には、回路が形成されている周辺回路部3bが存在する。少なくともセンサ部3aを覆うようにガラス基板4が配置されている。
図4に示すように、シリコン基板5の一方の面上にフォトダイオード2aが複数配置されている。フォトダイオード2aの上面には、少なくともフォトダイオード2aを覆うようにカラーフィルタ2bが配置され、カラーフィルタ2bの上面にマイクロレンズ2が配置されている。カラーフィルタ2bは、フォトダイオード2a毎に配置されており、各マイクロレンズ2は、各カラーフィルタ2bに対応する位置に配置されている。本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層6aは、シリコン基板5の一方の面側におけるマイクロレンズ2が配置されている領域上の全面に形成されており、樹脂層6a上にガラス基板4が配置されている。これにより、CMOSイメージセンサ1aは、キャビティがない構造(ノンキャビティ構造)を有している。一方、シリコン基板5の他方の面側には、配線層7が配置され、配線層7の下面にはんだボール8が配置されている。
図5は、半導体装置の他の例(第2実施形態、CMOSイメージセンサ)を示す断面図である。図5に示すCMOSイメージセンサ1bでは、シリコン基板5上に配置されたマイクロレンズ2を覆わないようにマイクロレンズ2の外周側の部分に額縁状部材9が配置され、透明性を有するガラス基板4が額縁状部材9の上面に配置されている。ガラス基板4、シリコン基板5及び額縁状部材9によって囲まれた部分には、本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層6bが充填されており、ノンキャビティ構造が形成されている。図5の半導体装置において樹脂層6bは、ガラス基板4及びシリコン基板5を接着するための接着剤としての役割の他、キャビティを充填して、マイクロレンズ2、フォトダイオード2a及びカラーフィルタ2bを封止する封止材としての役割も担う。
接着性を有するリブ(額縁状樹脂層)を用いたノンキャビティ構造では、受光部を囲うように、接着性を有するリブ(以下、単に「リブ」ともいう。)を形成した後、受光部を封止するように、透明性を有する封止材を充填し、透明性を有する基板(例えば、ガラス基板)を接着する。例えば、図5のノンキャビティ構造では、額縁状部材9を形成した後、キャビティに樹脂組成物を充填することで樹脂層6bを形成する。このように作製されたノンキャビティ構造は、リブ以外の部分でも充分に接着性を付与することができ、より信頼性の高いノンキャビティ構造を得ることができる。一方で、図4のノンキャビティ構造では、リブを設けずに、本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層6aを介して、ガラス基板4とシリコン基板5とを接着している。これは、本実施形態に係る樹脂組成物及びその硬化物が接着剤及び封止材として機能することができるためである。この場合、図4に示すノンキャビティ構造(第1実施形態)は、図5に示すノンキャビティ構造(第2実施形態)と比較すると、リブの形成が不要となり、簡便に半導体装置を作製することができる。また、リブを形成するために必要な印刷機、露光機、現像機等の設備も不要である。
図6は、半導体装置の製造方法を対比するための図面である。図6(A)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法(リブ形成プロセス)を示す。図6(B)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法(全面封止プロセス)を示す。第2実施形態に係る半導体装置の製造方法では、(a)樹脂形成(ラミネート、スピンコート等)、(b)露光、(c)現像、(d)ガラス封止、(e)樹脂硬化、及び、(f)ダイシングの各工程が必要である。一方、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法では、本実施形態に係る樹脂組成物を用いることにより、リブ(額縁状の接着剤)の形成が不要であることから、(b)露光及び(c)現像の工程が不要である。これにより、半導体基板上に樹脂層を形成後、すぐに透明基材(ガラス基材等)で封止することができる。その後、ダイシング等により個片化することができる。
図7は、キャビティ構造を有する半導体装置(裏面照射型固体撮像素子)の一例を示す断面図である。図7において、シリコン基板5上には、ガラス基板4及び額縁状部材9によって囲まれたキャビティ(空洞)9aが存在する。キャビティ構造では、接着剤をフォトリソグラフィー、印刷法、ディスペンス法等を用いて額縁状に形成した後、得られた額縁状部材9を介してガラス基板4とシリコン基板5とを接着する。そのため、キャビティ構造では、本実施形態のような封止材が不要である一方、額縁状接着剤が必要である。
ノンキャビティ構造では、キャビティ構造と比較して以下のようなメリットがある。
キャビティ構造では、マイクロレンズ、ガラス基材等に付着した異物も画質低下の原因となる。これは、接着剤を形成してからガラス基材を接着するまでの間、キャビティがむき出しになっていることによる。一方、本実施形態のノンキャビティ構造では、むき出しになっている時間が少ないため、異物の付着は低減される。
ノンキャビティ構造では、樹脂層とガラス基材との接着面積が広い。そのため、本実施形態のノンキャビティ構造では、ガラス基材が額縁状樹脂層のみによって接着されるキャビティ構造と比較すると、接着剤による素子内での応力にバラツキが少なく、接着剤の剥離、変形等が低減される。
以上、実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記各実施形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行った形態、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行った形態も、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前記実施形態においては、透明基材としてガラス基材を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されず、必要な強度、剛性及び光透過率を具備する透明基材であればよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の含有成分の準備>
下記含有成分を準備した。
((メタ)アクリル重合体)
(メタ)アクリル重合体(a1)を下記の手順で合成した。
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(FA−513A、日立化成株式会社、商品名)300g、アクリル酸ブチル(BA)350g、メタクリル酸ブチル(BMA)300g、メタクリル酸グリシジル(GMA)50g及びメタクリル酸2−エチルヘキシル(2EHMA)50gを混合して単量体混合物を得た。得られた単量体混合物にジラウロイルパーオキサイド5g及びn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.45gを溶解させて混合液を得た。
撹拌機及びコンデンサを備えた5Lのオートクレーブにポリビニルアルコール(懸濁剤)0.44g及びイオン交換水2000gを加えた。次いで、撹拌しながら前記混合液を加え、撹拌回転数250min−1、窒素雰囲気下において60℃で5時間重合させた。次いで、90℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た(重合率は、質量法で99%であった)。この樹脂粒子を水洗、脱水及び乾燥させることにより(メタ)アクリル重合体(a1)を得た。得られた(メタ)アクリル重合体(a1)の重量平均分子量は48万であった。
(メタ)アクリル重合体(a1)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算した。検量線は、標準ポリスチレンキットPStQuickシリーズ C(東ソー株式会社、商品名)を用いて3次式で近似した。GPCの条件を以下に示す。
ポンプ:L6000 Pump(株式会社日立製作所)
検出器:L3300 RI Monitor(株式会社日立製作所)
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5(計2本)(日立化成株式会社、商品名)
カラムサイズ:直径8mm×300mm
溶離液:DMF/THF(質量比1/1)+LiBr・H2O 0.03mol/L+H3PO4 0.06mol/L
試料濃度:0.1質量%
流量:1mL/min
測定温度:40℃
(2官能(メタ)アクリル単量体)
R−604:日本化薬株式会社、商品名「KAYARAD R−604」、ジオキサングリコールジアクリレート
(重合開始剤)
パークミルD:日油株式会社、商品名「パークミルD」、熱重合開始剤、ジクミルパーオキサイド、1時間半減期温度135.7℃、10時間半減期温度116.4℃
(吸光材料)
d1:スクアリウム化合物
d2:フタロシアニン化合物
d3:シアニン化合物
x1:銅及びリンを含む錯体化合物(リン原子を含む有機化合物が銅原子に配位している化合物)、平均粒径25nm
x2:紫外線吸収剤
(酸化防止剤)
AO−80:株式会社ADEKA、商品名「アデカスタブAO−80」、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸](2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイル)ビス(2,2−ジメチル−2,1−エタンジイル
AO−503:株式会社ADEKA、商品名「アデカスタブAO−503」、チオエーテル系酸化防止剤、3,3−チオビスプロピオン酸ジトリデシル
MT−PE1:昭和電工株式会社、商品名「カレンズMT−PE1」、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
(その他)
ACMO:KJケミカルズ株式会社、商品名「ACMO」、アクリロイルモルホリン、単官能(メタ)アクリル単量体
SZ−6030:東レ・ダウコーニング株式会社、商品名「SZ−6030」、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、カップリング剤
PGMEA:関東化学株式会社、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、有機溶媒
<樹脂組成物の調製>
(メタ)アクリル重合体(a1)を200質量部と、R−604を160質量部と、パークミルDを4質量部と、AO−80を5質量部と、AO−503を1質量部と、MT−PE1を1質量部と、ACMOを40質量部と、SZ−6030を4質量部と、PGMEAを400質量部と、を混合した後に、表1に示す種類及び使用量の吸光材料を混合して実施例及び比較例の樹脂組成物を得た。
<評価>
ガラス基材上に実施例及び比較例の樹脂組成物を塗布した後に70℃/10分及び100℃/10分で乾燥をさせることにより、膜厚150μmのフィルム状の樹脂膜を作製した。その後、25℃における樹脂膜の透過率(分光スペクトル)を測定した。具体的には、分光光度計U4100(商品名、株式会社日立製作所、開始1100nm、終了300nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1.0nm、ベースライン:Air)を用いて波長300〜1100nmの範囲で透過率Aを測定した。
次に、真空下で200℃/2時間の熱処理を行って樹脂膜を硬化させることにより硬化膜を得た。その後、25℃における硬化膜の透過率(分光スペクトル)を測定した。具体的には、分光光度計U4100(商品名、株式会社日立製作所、開始1100nm、終了300nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1.0nm、ベースライン:Air)を用いて波長300〜1100nmの範囲で透過率Bを測定した。
また、85℃、85%RHの高温高湿雰囲気下に硬化膜を168時間保持した後、25℃における硬化膜の透過率(分光スペクトル)を測定した。具体的には、分光光度計U4100(商品名、株式会社日立製作所、開始1100nm、終了300nm、スキャンスピード600nm/min、サンプリング間隔1.0nm、ベースライン:Air)を用いて波長300〜1100nmの範囲で透過率Cを測定した。
そして、波長600〜800nmの範囲において透過率Aと透過率Bとの透過率差(差分)の最大値を算出し、最大値を与える波長における透過率Aに対する透過率差の割合(透過率差の最大値/透過率A×100%)を算出した。また、波長600〜800nmの範囲において透過率Bと透過率Cとの透過率差(差分)の最大値を算出し、最大値を与える波長における透過率Bに対する透過率差の割合(透過率差の最大値/透過率B×100%)を算出した。透過率Aと透過率Bとの対比結果(耐熱性)及び透過率Bと透過率Cとの対比結果(耐湿性)の算出結果を表1に示す。
表1によれば、実施例において、樹脂組成物の硬化物が高湿度の雰囲気下に保持された場合であっても600〜800nmの波長領域の波長スペクトルが変化することを抑制することができることが確認された。