JP2019203038A - 含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法、室温硬化性含フッ素ゴム組成物及びその硬化物並びに物品 - Google Patents
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Abstract
Description
で表される基であり、aは0以上の整数であり、bは1、2又は3である。]
で表される含フッ素有機ケイ素化合物をベースポリマーとして用いた室温硬化性含フッ素ゴム組成物が、離型性、撥水性、低透湿性に優れ、耐薬品性、特に耐酸性及び耐アミン性をさらに高めたエラストマーとなり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
1.
下記一般式(1):
で表される基であり、aは0以上の整数であり、bは1、2又は3である。]
で表される含フッ素有機ケイ素化合物。
2.
下記一般式(4):
で表される基であり、aは0以上の整数である。]
で表される脂肪族不飽和結合を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、下記一般式(5):
で表される(オルガノ)ハイドロジェンシラン化合物とを触媒の存在下でヒドロシリル化付加反応させる工程を含む1に記載の含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法。
3.
1に記載の含フッ素有機ケイ素化合物及び硬化触媒を含有する室温硬化性含フッ素ゴム組成物。
4.
更に、架橋剤、充填剤、接着助剤、耐熱性付与剤及び着色剤から選ばれる少なくとも一種を含有する3に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物。
5.
3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物の硬化物からなる含フッ素ゴム。
6.
3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物を室温で硬化して含フッ素ゴム硬化物を得る工程を含む含フッ素ゴム硬化物の耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性及び/又は低透湿性を向上させる方法。
7.
3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物の硬化物層を有する物品。
[含フッ素有機ケイ素化合物]
本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で表される。
で表される基であり、aは0以上の整数であり、bは1、2又は3である。]
前記のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、さらに代表的なものはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基である。
前記のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素原子数3〜8のシクロアルキル基が挙げられ、さらに代表的なものはシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数5又は6のシクロアルキル基である。
前記のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の炭素原子数6〜15のアリール基が挙げられ、さらに代表的なものはフェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素原子数6〜8のアリール基である。
前記のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基が挙げられ、さらに代表的なものはベンジル基、フェニルエチル基等の炭素原子数7又は8のアラルキル基である。
前記のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられ、さらに代表的なものはビニル基、アリル基、ブテニル基等の炭素原子数2〜4のアルケニル基である。
前記のR1及びR2で示される置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基としては、前記の非置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換した基であり、代表的なものは、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数1〜8のハロゲン置換アルキル基が挙げられ、さらに代表的なものは3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等の炭素原子数3〜8のハロゲン置換アルキル基である。
これらの中でも、R1としてはメチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、R2としてはメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
−CmF2m−
(式中、mは1〜10の整数、好ましくは1〜6の整数である。)
一般式(2)において、R4は結合途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を介在させてもよい非置換又は置換の2価炭化水素基であり、このR4としては、Aとして例示した前記の非置換又は置換の脂肪族2価炭化水素基(例えば(シクロ)アルキレン基)のほか、芳香族2価炭化水素基(例えばアリーレン基)やこれらの組合せ(例えばアルキレン・アリーレン基)、並びに、結合の途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を介在する非置換又は置換の、脂肪族又は芳香族2価炭化水素基が挙げられる。R4の脂肪族又は芳香族2価炭化水素基において、前記の酸素原子は、−O−(エーテル結合)として存在することができ、前記の窒素原子は、−NR9−(但し、R9は水素原子、アルキル基又はアリール基である。)で示されるイミノ基として介在することができ、前記のケイ素原子は、直鎖状又は環状のオルガノシロキサン構造を含有する2価の基や、ジオルガノシリレン基として介在することができる。
前記R11のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等の炭素原子数1〜10のアルキレン基が挙げられる。R11としては、これらの中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の低級アルキレン基が好ましい。
−(CH2)2−、
−(CH2)3−、
−(CH2)6−、
−(CH2)2−Rf−(CH2)2−、
一般式(3)において、R5及びR6は独立に非置換又は置換の2価炭化水素基であり、この非置換又は置換の2価炭化水素基としては、前記一般式(1)のR3として例示したものと同様のものが挙げられ、代表的なものとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素原子数1〜20、特に炭素原子数1〜10のアルキレン基、さらに代表的なものとしてメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数1〜3のアルキレン基;あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換した基などが例示される。R5及びR6としては、これらの中でもエチレン基、プロピレン基が好ましい。
一般式(1)において、bは独立に1、2又は3であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3である。従って、一般式(1)の含フッ素有機ケイ素化合物は、分子鎖両末端にそれぞれ、加水分解性基Xを1〜3個(即ち、分子中に2〜6個)含むものである。
本発明の前記一般式(1)で示される含フッ素有機ケイ素化合物は、下記一般式(4)で表される脂肪族不飽和結合を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、下記一般式(5)で表される(オルガノ)ハイドロジェンシラン化合物とを触媒の存在下にヒドロシリル化付加反応させることによって製造することができる。
一般式(4)において、R12は独立にケイ素原子に結合した水素原子とヒドロシリル化反応が可能な脂肪族不飽和結合を有する非置換又は置換の1価炭化水素基である。前記のR12としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の炭素原子数2〜8、さらに代表的なものとしては炭素原子数2〜6のアルケニル基等の脂肪族不飽和1価炭化水素基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換した基などが挙げられる。R12としては、中でもビニル基が好ましい。
(i)式(4)においてaが0である含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法
前記一般式(4)のaが0である含フッ素有機ケイ素化合物[下記一般式(4−1)]は、例えば、下記反応式に示すように、下記一般式(6)で示される両末端に酸フロライド基を有する含フッ素化合物と、下記一般式(7)で示される脂肪族不飽和基含有シリル基を有するアミン化合物とを、トリエチルアミン等の受酸剤の存在下で反応させることにより合成することができる。
前記一般式(4)のaが1以上である含フッ素有機ケイ素化合物は、例えば、下記反応式に示すように、下記一般式(6)で示される両末端に酸フロライド基を有する含フッ素化合物と、下記一般式(8)で表される両末端に活性水素原子を有する化合物とを、トリエチルアミン等の受酸剤の存在下で反応させた後、得られた下記一般式(9)で表される反応生成物に、下記一般式(7)で示される脂肪族不飽和基含有シリル基を有するアミン化合物を反応させることにより合成することができる。
前記一般式(4)のaが1以上である含フッ素有機ケイ素化合物の別の製造方法としては、例えば、まず前記(i)の方法により式(4)においてaが0である式(4−1)で表される末端に脂肪族不飽和基含有シリル基を有する含フッ素有機ケイ素化合物を合成し、下記反応式に示すように、得られた下記一般式(4−1)で表される末端に脂肪族不飽和基含有シリル基を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、下記一般式(10)で示される両末端にケイ素原子結合水素原子を有する化合物とを付加反応触媒の存在下で反応させることにより、下記一般式(4−2)、即ち一般式(4)で表される脂肪族不飽和結合を有する含フッ素有機ケイ素化合物を合成することができる。
付加反応触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、一般式(4−1)で表される末端に脂肪族不飽和基含有シリル基を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、一般式(9)で示される両末端にケイ素原子結合水素原子を有する化合物との合計質量に対し、白金族金属の質量換算で10〜2,000ppm、より好ましくは100〜1,000ppm程度の範囲とするのがよい。
式(5)で表される(オルガノ)ハイドロジェンシラン化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシエチルシラン、ジエトキシエチルシランや、下記に示すものが例示できる。
触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、例えば、式(4)で表される脂肪族不飽和結合を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、式(5)で表される(オルガノ)ハイドロジェンシラン化合物との合計質量に対し、白金族金属の質量換算で10〜2,000ppm、より好ましくは100〜1,000ppm程度の範囲とするのがよい。
この反応において、反応温度は50〜150℃程度でよく、好ましくは70〜120℃である。反応時間は2〜4時間程度でよく、好ましくは2〜3時間程度である。反応終了後、反応生成物中に残存する式(5)の化合物は、減圧ストリップにより除去することができる。
本発明の室温硬化性含フッ素ゴム組成物は、前記一般式(1)の含フッ素有機ケイ素化合物を主剤(ベースポリマー)として必須に含有するものであるが、該含フッ素有機ケイ素化合物のほか、硬化触媒を含み、さらに該組成物には接着助剤を添加することができる。
これらの硬化触媒は、通常、前記一般式(1)で表される含フッ素有機ケイ素化合物100質量部に対し、0.01〜5質量部、特に0.05〜5質量部程度の範囲が好適である。
これらの接着助剤は、通常、前記一般式(1)で表される含フッ素有機ケイ素化合物100質量部に対し、0.1〜5.0質量部、特に1.0〜3.0質量部程度の範囲が好適である。
撹拌棒、温度計、ジムロート及び滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコ内に下記式:
で示される両末端に酸フロライド基を有する化合物189.2g(0.030モル、25℃における粘度:430mPa・s)を投入した。そしてこれを室温(25℃、以下同じ)下に攪拌しながら滴下ロートより下記式:
1H−NMR(TMS標準)
δ=3.4〜3.9ppm(m,N−CH 2−,8H)
δ=5.4〜6.2ppm(m,SiCH=CH 2,6H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,20H)
で表される基であり、Q1は下記式:
で表される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
1H−NMR(TMS標準)
δ=3.4〜3.9ppm(m,N−CH 2−,8H)
δ=3.67ppm(s,Si−OCH 3,18H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,20H)
で示される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
実施例1において、トリメトキシシラン7.3gに代えて、下記式(13):
1H−NMR(TMS標準)
δ=3.3〜3.8ppm(m,N−CH 2−,8H)
δ=4.1〜4.2ppm(m,OC=CH 2,8H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,20H)
で表される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
実施例2において、前記式(13)で示されるシラン化合物7.9gに代えて、下記式(15):
1H−NMR(TMS標準)
δ=1.94ppm(s,SiOCCH 3,12H)
δ=3.3〜3.8ppm(m,N−CH 2−,8H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,20H)
で表される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
撹拌棒、温度計、ジムロート及び滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコ内に下記式:
で示される両末端に酸フロライド基を有する化合物189.2g(0.030モル、25℃における粘度:430mPa・s)を投入した。そしてこれを室温下に攪拌しながら滴下ロートより下記式:
1H−NMR(TMS標準)
δ=0.45ppm(s,Si−CH 3,12H)
δ=1.1〜1.5ppm(m,C−CH 3,12H)
δ=3.3〜3.8ppm(m,CON−CH 2−,4H)
δ=5.4〜6.2ppm(m,SiCH=CH 2,6H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,10H)
で表される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
1H−NMR(TMS標準)
δ=0.45ppm(s,Si−CH 3,12H)
δ=1.1〜1.5ppm(m,C−CH 3,12H)
δ=3.3〜3.8ppm(m,CON−CH 2−,4H)
δ=3.63ppm(s,SiO−CH 3,18H)
δ=6.9〜7.4ppm(m,N−Ph,10H)
で示される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
実施例1において、式(11)の化合物276.2gに代えて、下記式(19):
で表される基である。]
で表される化合物320.2g(0.020モル)を用い、メタキシレンヘキサフロライドの使用量を60.0gにした以外は実施例1と同様に反応、後処理を行い、淡黄色がかった透明の液状化合物324.1gを得た。
1H−NMR(TMS標準)
δ=0.42ppm(s,Si−CH 3,12H)
δ=3.56ppm(s,Si−OCH 3,18H)
で示される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
撹拌棒、温度計、ジムロート及び滴下ロートを備えた300ml四つ口フラスコ内に下記式:
で示される両末端に酸フロライド基を有する化合物189.2g(0.030モル、25℃における粘度:430mPa・s)を投入した。そしてこれを室温下に攪拌しながら滴下ロートより下記式:
1H−NMR(TMS標準)
δ=3.42ppm(S,N−CH 3,12H)
δ=5.5〜6.3ppm(m,SiCH=CH 2,6H)
δ=7.1〜7.8ppm(m,PhN,16H)
で表される基であり、Q3は下記式:
で表される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
1H−NMR(TMS標準)
δ=3.44ppm(S,N−CH 3,12H)
δ=3.67ppm(S,Si−OCH 3,18H)
δ=7.1〜7.8ppm(m,PhN,16H)
で示される含フッ素有機ケイ素化合物であることが確認された。
実施例1で得られた式(12)の含フッ素有機ケイ素化合物100g、MTカーボン(中粒熱分解カーボン、デンカ(株)製。以下同様。)20gを混合し、この混合物を3本ロールに1回通し、その後ジブチルスズジオクトエート0.1gを混合することにより組成物Iを得た。この組成物Iを厚さ2mmのシートに成形し、該シートを温度20℃、相対湿度55%の雰囲気下に14日間放置して硬化した。得られたシート状のゴム弾性体(以下、弾性体Iという)のゴム物性(硬さ、引張強さ、切断時伸び)をJIS C 2123に準拠して測定した。結果を表1に示す。
また、前記組成物Iを室温下に密封状態で保存した。組成物Iは6カ月以上安定であった。6カ月経過後の組成物Iを前記と同様にしてシート状のゴム弾性体(以下、弾性体I’という)を作製し、このゴム弾性体について前記と同様にしてゴム物性を測定した。表1に結果を示す。
なお、表中の硬さは、スプリング式硬さ試験機(A型)を用いて測定した値である(以下、同じ)。
比較例2で得られた式(22)の含フッ素有機ケイ素化合物100g、MTカーボン20gを混合し、この混合物を3本ロールに1回通し、その後ジブチルスズジオクトエート0.1gを混合することにより組成物IIを得た。この組成物IIを厚さ2mmのシートに成形し、該シートを温度20℃、相対湿度55%の雰囲気下に14日間放置して硬化した。得られたシート状のゴム弾性体(以下、弾性体IIという)のゴム物性をJIS C 2123に準拠して測定した。結果を表1に示す。
また、前記組成物IIを室温下に密封状態で保存した。組成物IIは6カ月以上安定であった。6カ月経過後の組成物IIを前記と同様にしてシート状のゴム弾性体(以下、弾性体II’という)を作製し、このゴム弾性体について前記と同様にしてゴム物性を測定した。表1に結果を示す。
表2に示した25℃の各溶剤に弾性体を7日間浸漬し、その体積変化率で耐溶剤性を評価した。結果を表2に示す。なお、表2のフッ素ゴムは比較のために用いたデュポン社製バイトンE−60Cである。
表3に示した40℃の酸(98質量%硫酸及び60質量%硝酸)に弾性体を1週間浸漬し、その硬さ変化率及び質量変化率(加熱減量:質量%)で耐酸性を評価した。結果を表3に示す。なお、表中の硬さは、スプリング式硬さ試験機(A型)を用いて測定した値である。実施例5の組成物Iから得られた弾性体Iは、比較例3の組成物IIから得られた弾性体IIに比べ、98質量%硫酸及び60質量%硝酸浸漬時における硬さ変化率及び質量変化率が小さくなる傾向にあった。特に98質量%硫酸浸漬時、弾性体Iはその形状を維持したのに対し、弾性体IIは分解した。なお、表3のシリコーンゴムは比較のために用いた信越化学工業(株)製の縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物;KE−951の硬化物である。
弾性体を250℃で120時間加熱する前と後のゴム物性(JIS C 2123に準拠)を測定し、評価した。結果を表4に示す。なお、表4には加熱前の質量に対する加熱後の質量の減少率(加熱減量:質量%)も併記した。
JIS K 6301に従い、試験片をドライアイス/エタノール中で−70℃に冷却し、次いで、これを1℃/minの速度で昇温した。そして、この時の各温度における剛性率を上島製作所製ゲーマンねじり試験機で測定し、室温における剛性率に対し2倍、5倍、10倍及び100倍となったときの温度を、それぞれT2、T5、T10、T100として測定した。結果を表5に示す。なお、表5のフッ素ゴムは比較のために用いたデュポン社製バイトンE−60Cである。
弾性体をLyssy社製L80−5000水蒸気透過度計に仕込み、水蒸気透過率を測定した。結果を表6に示す。
40℃のアミンに弾性体を1週間浸漬し、その硬さ変化量で耐アミン性を評価した。結果を表7に示す。表中の硬さは、スプリング式硬さ試験機(A型)を用いて測定した値である。実施例5の組成物Iから得られた弾性体Iは、比較例3の組成物IIから得られた弾性体IIに比べ、エチレンジアミン及びジエチルアミン浸漬時における硬さ変化率が小さくなる傾向にあった。
実施例1で得られた式(12)の含フッ素有機ケイ素化合物100質量部、及びメチルトリメトキシシラン2質量部の混合物をメタキシレンヘキサフロライドに溶解し、前記混合物の20質量%溶液を調製した。この溶液にスライドガラスを30秒間ディッピングした後、20℃、55%RHの条件で18時間放置し、該スライドガラス表面に硬化皮膜を形成した。この硬化皮膜を形成したスライドガラス上にn−ヘキサデカンを1滴載せたとき、及び純水を1滴載せたときのそれぞれの液滴のスライドガラスに対する接触角を測定した。結果を表8に示す。
実施例1で得られた式(12)の含フッ素有機ケイ素化合物100質量部、メチルトリメトキシシラン2質量部、及びジブチルスズジラウレート0.2質量部の混合物をメタキシレンヘキサフロライドに溶解し、前記混合物の50質量%溶液を調製した。この溶液をスライドガラス表面に塗布し、20℃、55%RHの条件で6時間放置し、該スライドガラス表面に硬化皮膜を形成した。この硬化皮膜を形成したスライドガラスについて実施例6と同様にして接触角を測定した。結果を表8に示す。
比較例2で得られた式(22)の含フッ素有機ケイ素化合物100質量部、及びメチルトリメトキシシラン2質量部の混合物をメタキシレンヘキサフロライドに溶解し、前記混合物の20質量%溶液を調製した。この溶液にスライドガラスを30秒間ディッピングした後、20℃、55%RHの条件で18時間放置し、該スライドガラス表面に硬化皮膜を形成した。この硬化皮膜を形成したスライドガラスについて実施例6と同様にして接触角を測定した。結果を表8に示す。
Claims (7)
- 下記一般式(1):
[式中、Aは独立に非置換又は置換の脂肪族2価炭化水素基であり、R1及びR2は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R3は独立に非置換又は置換の飽和脂肪族2価炭化水素基であり、Rfは独立にパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基であり、Xは独立に加水分解性基であり、Phはフェニル基であり、Qは下記一般式(2)又は下記一般式(3):
(式中、R4は結合途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を介在させてもよい非置換又は置換の2価炭化水素基であり、Phはフェニル基である。)
(式中、R5及びR6は独立に非置換又は置換の2価炭化水素基である。)
で表される基であり、aは0以上の整数であり、bは1、2又は3である。]
で表される含フッ素有機ケイ素化合物。 - 下記一般式(4):
[式中、Aは独立に非置換又は置換の脂肪族2価炭化水素基であり、R2は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Rfは独立にパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基であり、R12は独立に脂肪族不飽和結合を有する非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Phはフェニル基であり、Qは下記一般式(2)又は下記一般式(3):
(式中、R4は結合途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を介在させてもよい非置換又は置換の2価炭化水素基であり、Phはフェニル基である。)
(式中、R5及びR6は独立に非置換又は置換の2価炭化水素基である。)
で表される基であり、aは0以上の整数である。]
で表される脂肪族不飽和結合を有する含フッ素有機ケイ素化合物と、下記一般式(5):
(式中、R1は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、bは1、2又は3である。)
で表される(オルガノ)ハイドロジェンシラン化合物とを触媒の存在下でヒドロシリル化付加反応させる工程を含む請求項1に記載の含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法。 - 請求項1に記載の含フッ素有機ケイ素化合物及び硬化触媒を含有する室温硬化性含フッ素ゴム組成物。
- 更に、架橋剤、充填剤、接着助剤、耐熱性付与剤及び着色剤から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項3に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物。
- 請求項3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物の硬化物からなる含フッ素ゴム。
- 請求項3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物を室温で硬化して含フッ素ゴム硬化物を得る工程を含む含フッ素ゴム硬化物の耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性及び/又は低透湿性を向上させる方法。
- 請求項3又は4に記載の室温硬化性含フッ素ゴム組成物の硬化物層を有する物品。
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