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JP2019139569A - 車両用冷却器の性能解析方法 - Google Patents

車両用冷却器の性能解析方法 Download PDF

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JP2019139569A
JP2019139569A JP2018023257A JP2018023257A JP2019139569A JP 2019139569 A JP2019139569 A JP 2019139569A JP 2018023257 A JP2018023257 A JP 2018023257A JP 2018023257 A JP2018023257 A JP 2018023257A JP 2019139569 A JP2019139569 A JP 2019139569A
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兼一 谷口
Kenichi Taniguchi
兼一 谷口
敬治 天野
Takaharu Amano
敬治 天野
福増 秀彰
Hideaki Fukumasu
秀彰 福増
靖人 末木
Yasuto Sueki
靖人 末木
永 後藤
Hisashi Goto
永 後藤
俊一 佐田
Shunichi Sada
俊一 佐田
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Abstract

【課題】車両に備えられる冷却器の性能を解析するる技術を提供する。【解決手段】冷却器に有効に作用する風速を計算し、冷却器の性能を解析する方法であって、冷却器と通風空間とが1つの通風路の途中に該通風路を占めるように該通風路の横断面方向に隣接して設置されているモデルを想定し、冷却器を空気が通過する際の圧力損失Pcの値から冷却器前面側での圧力上昇Pfの値を差し引いた値ΔPに対し、通風路の入口側から通風空間に至る際の流路縮小に伴う圧損Piと、通風空間を空気が通過することによる圧損Pdと、通風空間から通風路の出口側に至る際の流路拡大に伴う圧損Poの合計値が等しくなると仮定し、これらの値が等しくなる場合の風の分配を求めることにより冷却器に有効に作用する風速を求める。【選択図】図7

Description

本発明は、鉄道車両などの車両用冷却器の性能を解析する方法に関する。
鉄道車両等において、直流を三相交流に変換して駆動する三相かご型誘導モーターが利用されており、この種の交流用モーターを利用する車両には大電力を変換するための半導体パワーモジュールが設けられている。
この半導体パワーモジュールは大電力を変換するため、インバーター制御を用いた変換効率の良い回路を用いたとしても大量の発熱が不可避であり、半導体パワーモジュールを冷却するために車両下部にフィン&チューブを利用した冷却器が設けられている。
図14は、床下に設置された電気機器ボックス101とこれに隣接して配置されたヒートパイプ式冷却器102を備えた鉄道車両103を示している。
このヒートパイプ式冷却器102は銅パイプからなる沸騰管に複数の凝縮管を接続した構造であり、沸騰管の内部に水などの冷媒が真空封入されている。また、沸騰管は半導体パワーモジュールなどの発熱素子が発する熱を受ける金属ベースプレートに取り付けられている。ヒートパイプ式の冷却器102では、発熱素子が発生させた熱により冷媒を沸騰させ、気化した冷媒を凝縮管の先端側に誘導し、凝縮管の先端側で冷媒を冷却して液化し、沸騰管に戻すというサイクルにより発熱素子を冷却することができる。なお、図14では冷却器102の外周部カバーのみを表示しているが、この外周部カバーの内側に沸騰管や凝集管が設けられている。
従来、上述のヒートパイプ式の冷却器の他に、車両の床下に設けた冷却器により半導体素子などの発熱素子を冷却する装置として、平板状のフィンにより形成される溝の方向を車体の走行方向に対し傾斜させ、走行風を利用し通風時の圧力損失をできる限り少なくして冷却性能を向上させた車両用冷却装置が知られている(特許文献1参照)。
また、通風孔を含む電子機器の熱流体を解析する技術において、解析対象の通風孔部分に強制対流を与え、強制対流に応じた解析を実行し、圧力損失係数を算出するプレ解析部と、通風孔部分をパネル要素に変換し、該パネル要素に圧力損失係数を設定する圧力損失係数設定部と、熱流体解析を行う解析処理部とを有する熱流体解析技術が知られている(特許文献2参照)。
更に、フィン&チューブ式冷却器の圧力損失や熱伝達率について、比較的低レイノルズ数の領域を中心としたものの単相伝熱と流動損失性能を実験的に調べた結果として、チューブの列数に応じた伝熱性能に対する影響と物質伝達を加味しながら求める技術が知られている(非特許文献1参照)。この技術では、冷却器単体に作用する風速を既知の値として計算している。
再公表WO2008−035452号公報 特開2007−199892号公報
瀬下裕、藤井雅雄、「プレートフィンチューブ熱交換器の研究」、伝熱研究、Vol.26、No.102、(1987年),84
特許文献1に記載されている技術は、車両の床下に取り付けられた電気機器ボックスの側面にヒートシンクを取り付け、このヒートシンクに設けられる平板状フィンの方向を規定することにより、フィン間に流入する走行風を効率良く利用しようとする技術である。
特許文献2に記載されている技術は、流体密度、流速や動粘性係数、通風口の開口率、圧力損失係数などのパラメータを解析し、これらのパラメータに関連する関係式を用いて熱流体の流れを把握し、電子機器の冷却状態を把握しようとする技術である。
これらの従来技術は、電子機器の発熱の問題に鑑み、流体の流れを制御したり、熱の流れを解析することで効率良く電子機器を冷却するためのアプローチを提供している。
ところで、鉄道車両において、高速走行している場合は十分な風量を得ることができ、冷却器に設けたヒートパイプユニットを利用し、電子機器を効率良く冷却できると思われる。ところが、混雑時やダイヤが混乱している場合に車両が長い時間低速走行を余儀なくされた場合、ヒートパイプユニットに十分な風量を送り込むことができない状態が続くと考えられる。このように低い走行風しか得られない場合、ヒートパイプユニットを備えた冷却器においては、ヒートパイプ間を通過する空気が大幅に減少するが、この場合に冷却効率がどのように変化するのか、解析する技術が提供されていない問題がある。
また、ヒートパイプユニットは車両の床下に他の電気機器ボックスなどと隣接配置され、走行風が通過する空間の一部を占有するように配置されるので、走行風の全てが均一に吹き付けられる訳ではない。例えば、ヒートパイプユニットに直に吹き付けられる風もあるが、ヒートパイプユニットには通風抵抗があるため隣接する周囲の空間に逃げる風も存在する。
高速走行時などのようにヒートパイプユニットに対し十分な風量を供給できる場合はヒートパイプユニットの冷却効率が高いと推定できるが、低速走行時などにおいて周囲の空間に逃げる風量分の影響によっては、ヒートパイプユニットを用いた冷却器の効率が著しく低下するおそれもあると考えられる。
ところが、現状の解析技術では、走行風の分流分を加味した低速走行時における冷却器の状態を解析する技術が何ら提供されていない課題がある。
先の非特許文献1に記載されている技術において、冷却器単体に作用する風速は既知の値として計算しているが、冷却器に実際に作用する風速を知ることが重要であり、上述の分流分を考慮すると、作用風速≠走行速度の関係がある。このため、分流分を加味した作用風速を用いて冷却器の性能を解析する方法が重要と考えられる。
本願発明は、これらの背景に鑑み、走行風を利用して複数のフィンとチューブに空気を送り込み、発熱素子の冷却を行う車両用冷却器において、隣接する空間への走行風の分流分を加味し、低速走行時の影響を含めて冷却器の性能を解析することができる技術の提供を目的とする。
(1)本発明に係る車両用冷却器の性能解析方法は、フィンとチューブを備えこれらの間に空気を流通させてチューブ内の熱媒の熱交換を行う冷却器と該冷却器周囲の通風空間とが隣接して床下に設けられた走行車両において、前記冷却器に有効に作用する風速を計算し、前記冷却器の性能を解析する方法であって、前記冷却器と前記通風空間とが1つの通風路の途中に該通風路を占めるように該通風路の横断面方向に隣接して設置されているモデルを想定し、前記冷却器を空気が通過する際の圧力損失Pcの値から前記冷却器前面側での圧力上昇Pfの値を差し引いた値に対し、前記通風路の入口側から前記通風空間に至る際の流路縮小に伴う圧損Piと、前記通風空間を空気が通過することによる圧損Pdと、前記通風空間から前記通風路の出口側に至る際の流路拡大に伴う圧損Poの合計値が等しくなると仮定し、これらの値が等しくなる場合の風の分配を求めることにより前記冷却器に有効に作用する風速を求めることを特徴とする。
(2)本発明に係る車両用冷却器の性能解析方法において、先に記載の車両用冷却器の性能解析方法により求めた風速から求められる熱伝達率を利用し、対数温度差を用いて前記冷却器を通過する空気の温度を求めることを特徴とする。
(3)本発明に係る車両用冷却器の性能解析方法において、前記冷却器を通過する空気の温度を求める場合、前記冷却器のフィンの伝熱面積を複数に等分し、等分した区間毎の空気温度を空気の質量流速、空気の比熱、平均熱伝達率、分割領域の伝熱面積を基に算出し、冷却器の入側から出側にかけての温度変化を把握することが好ましい。
(4)本発明に係る車両用冷却器の性能解析方法において、前記チューブがヒートパイプからなることが好ましい。
(5)本発明に係る車両用冷却器の性能解析方法において、前記冷却器が水冷媒式沸騰冷却器であることが好ましい。
本発明によれば、冷却器を空気が通過する際の圧力損失Pcの値から冷却器前面側での圧力上昇Pfの値を差し引いた値に対し、通風路の入口側から通風空間に至る際の流路縮小に伴う圧損Piと、通風空間を空気が通過することによる圧損Pdと、通風空間から通風路の出口側に至る際の流路拡大に伴う圧損Poの合計値が等しくなると仮定し、これらの値が等しくなる場合の風の分配を求めることにより冷却器に有効に作用する風速を求める。このため、風速に応じて冷却器を冷却するために使用される風と通風空間側に逃げる風の割合を的確に把握した上で冷却器に実際に作用する風を把握して冷却器の性能を解析できる。従って、低速走行を行っている車両に取り付けられている冷却器の性能を実情に合わせて正確に解析することができる。
本発明に係る性能解析方法を適用する冷却器を備えた鉄道車両の一例を示す斜視図。 図1に示す冷却器に設けられているヒートパイプユニットの一例を示す斜視図。 同ヒートパイプユニットの一例を他の方向から見た構成図。 同ヒートパイプユニットの作動原理の概要を説明するための断面図。 同ヒートパイプユニットに収容されている熱媒の加熱に伴う蒸発と冷却に伴う凝縮について示す説明図。 同冷却器を風洞試験装置に設置した状態を示す説明図。 同冷却器を風洞試験装置に設置した状態において風の流れの一例を示す説明図。 本発明に係る性能解析方法の一例により得られた風洞断面積の影響による有効作用率の関係と実効風速の関係を示すグラフ。 本発明に係る性能解析方法の一例により得られた抜熱量と空間風速の関係を示すグラフ。 本発明に係る性能解析方法の一例により得られた抜熱量と冷却器長さとフィン間隔の関係を示すグラフ。 本発明に係る性能解析方法の一例により得られたヒートパイプユニットの位置毎の抜熱量と空気温度の関係を示すグラフ。 本発明に係る性能解析方法の一例により得られたヒートパイプユニットに対する風洞風速と計算ΔTと実測ΔTの関係を示すグラフ。 任意の冷却器を仮定し、冷却器側から出側にかけて空気温度の変化を算出する場合の温度変化の関係を模式的に示すグラフ。 鉄道車両の床下に取り付けられた一般的な冷却器の一例を示す構成図。
以下、本発明に係る車両用冷却器の性能評価方法の第1実施形態について、添付図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係る車両用冷却器の性能評価方法は、鉄道車両の床下に他の機器と並んで吊り下げられているヒートパイプユニットを利用した冷却器を評価する方法に関する。
図1は、鉄道車両などの車体1の床下部分の側面を示し、この床下部分に車体1の長さ方向に沿って吊り下げるように2つの電気機器用収容ボックス2が取り付けられ、これら収容ボックス2の前後にそれぞれ冷却器3が設けられている。
図1に示すのは冷却器3の外周を囲んでいる外周部カバー3Aであり、この外周部カバー3Aの内側に図2〜図4に示す構造の冷却器本体3Bが収容されている。外周部カバー3Aは金属製の枠型フレーム3aとその各面に配置された格子部材3bとからなる。格子部材3bは十分大きな開口を有しているので車体1が走行した場合、走行風が格子部材3bを介し冷却器3の内側に流れ込み、冷却器本体3Bを冷却することができる。
冷却器本体3Bは、銅パイプなどからなる複数の沸騰管3dと、これらの沸騰管3dに対し個々に直角に接続された銅パイプなどからなる複数の凝縮管3eと、これら凝縮管3eの外周側に接続されたアルミニウム合金板などからなる複数のフィン3fを備えて構成されている。
沸騰管3dはいずれもアルミニウム合金製のベースプレート3gに沿ってその厚さ方向半分ほどをベースプレート3gの片面に形成されている溝部に埋設するようにベースプレート3gに一体化されている。図2、図3に示す実施形態においては6本の沸騰管3dが互いに平行にかつ所定の間隔をあけるようにベースプレート3gに一体化され、各沸騰管3dから所定の間隔で延出されている5本の凝縮管3eがベースプレート3gの片面側に立設させている。また、フィン3fは複数の板状のフィン材を相互に間隔をあけて配置し、これらフィン材に形成されている透孔を前記複数の凝縮管3eで貫通することで凝縮管3eに接合されている。
沸騰管3dの内部と凝縮管3eの内部は図4に示すように連通され、沸騰管3dの内部には熱媒となる水5が真空封入されている。ベースプレート3gにおいて沸騰管3dを取り付けた側と反対側の面は、電力変換用の電気回路に用いられている半導体パワーモジュールなどの発熱素子3iからの熱を受ける受熱面とされている。また、冷却器本体3Bは凝縮管3eを略水平横向きとするように車体1の床下に取り付けられ、より詳細に説明すると、凝縮管3eは水平より若干上向きに傾斜されて車体1に取り付けられている。
発熱素子3iからの熱をベースプレート3gが受けると、沸騰管3dの内部に収容されている熱媒としての水5の温度が上昇し、沸騰する。沸騰した水は蒸気となって凝縮管3eの内部を移動し凝縮管3eの先端側に移動する。ここで、車体1の走行時にフィン3fと凝縮管3eが走行風を受けてこれらが冷却されているため、凝縮管3eの先端側に移動した蒸気が冷却され、液化して水に戻る。液体となった水は自重で凝縮管3eに沿って下降し、沸騰管3dに戻る。このサイクルを繰り返すことで冷却器3は図5に示すように潜熱移動を行い、発熱素子3iを冷却することができる。
車体1の走行速度が十分に速く、十分な量の空気を冷却器3に送ることができる場合は冷却効率も高いが、何らかの原因により、車体1が低速走行状態を長い時間続行する必要を生じた場合であって、冷却器3に少ない走行風しか吹き込みできない場合の冷却器3の状態を解析する必要がある。
このような場合の解析を想定し、本発明者は図6、図7に示す状態をモデルとして解析する手法について検討した。
図2〜図4に示す構造の冷却器3の場合、フィン3fの枚数を増やすと放熱面では有利となるが、流れる流体(空気)に対して圧力損失が大きくなり、抵抗が増加する結果、風は冷却器3側ではなく、周囲の通風空間側に多く分流する。このため、冷却器3と通風空間が隣接配置されている解析モデルの場合、風の逃げの影響を定量的に把握することが重要となる。
この現象を再現するモデルとして、図6、図7に示すようにダクト10にその一部を占めるように冷却器3を配置し、ベースプレート3gの一側に上述した車両1に設置される半導体パワートランジスタと同等の発熱素子3iを取り付けた解析モデルを採用した。
そして、図6、図7に示す解析モデルにおいて、発熱素子3iからの熱を受けた場合、ダクト10を流れる風を所定の風速に設定した場合、発熱素子側の温度上昇値が所定の範囲に収まるか否か、などの試験を行うことができる。
「圧力損失の計算」
図6、図7は、1つのダクト10の内部の通風路10Aに通風路10Aの横断面積の半分ほどの横断面積を有する冷却器3を設置し、通風路10Aの横断面において冷却器3が占める領域Sと、何も設置されていない通風空間Tとに区分した解析モデルを示している。
この解析モデルにおいて、図7に示すように、ダクト10の一側の入口部10aから風速Uの風が吹き込んだ場合、風は冷却器3側に吹き込むか、通風空間T側に吹き込むように分流し、冷却器3と通風空間Tを通過後、ダクト10の出口側で合流し、出口部10bから外部に出て行く。ここで、冷却器3に吹き込む風と通風空間Tを通過する風は冷却器3を通過するまでは混ざらないと仮定する。
図7に示す解析モデルにおいて、冷却器3を空気が通過する際の圧力損失Pcの値から前記冷却器前面側での圧力上昇Pfの値を差し引いた値は(Pc−Pf)となる。冷却器3の前面側には抵抗による圧力上昇Pfが存在する。また、冷却器3による圧力損失も当然に発生するため、上述の関係となる。
これに対し、前記通風路10Aの入口側から前記通風空間Tに至る際の流路縮小に伴う圧損Piと、前記通風空間Tを空気が通過することによる圧損Pdと、前記通風空間Tから前記通風路10Aの出口側に至る際の流路拡大に伴う圧損Poがあり、圧力損失はPi+Pd+Poとなる。
図7に示す解析モデルにおいて、ダクト10の入口と出口との間でこれらの圧力損失は等しくならなければならない。このため、Pc−Pf=Pi+Pd+Poの関係が成立する。
そして、これらの値が等しくなる場合の風の分配を求めることにより前記冷却器3に有効に作用する風速を求めることができる。
次に、図7に示すモデルにおける各々の圧力損失について議論する。まず、冷却器前面の圧力上昇Pfは、以下の(1)式で表すことができる。
Figure 2019139569
(1)式において、C:抗力係数、ρ:密度(kg/m)、Uc:冷却器通過風速(m/sec)であり、抗力係数Cについては、以下の(2)式の関係がある。抗力係数Cとは、一様な流れに置かれた物体が流体から受ける流体力のうち、流れ方向成分である抗力の無次元数である。
Figure 2019139569
(2)式において、Re:レイノルズ数、Dec:代表寸法(水力直径)(m)、Lt:冷却器の流れ方向長さ(m)である。(2)式は、「瀬下裕、藤井雅雄、「プレートフィンチューブ熱交換器の研究」、伝熱研究、Vol.26、No.102、(1987年),84」に記載されている。
(2)式において、代表寸法Decのとり方も重要である。風速Ucは冷却器3の前面から入る風速であり、実際にフィン3fや凝縮管(ヒートパイプ)3eの存在を考慮して冷却器3の中を流れる風速を算出する必要がある。本実施形態では、冷却器内を通過する際の自由通過体積を算出し、代表寸法を求める。
自由通過表面積Acは、以下の(3)式のように求めることができる。
Figure 2019139569
冷却器3の伝熱面積の合計Aは、フィンの枚数n、パイプの本数nを用いて、以下の(4)式で表される。
Figure 2019139569
また、この(4)式において以下の(5)式の関係とすることができる。
Figure 2019139569
この代表寸法Decを用いて、各熱伝達率に関わる無次元数を求めることができる。
これらの式において、If:フィンの間隔(m)、Tf:フィンの厚み(m)、Iph:ヒートパイプの段方向の間隔(m)、Ipt:ヒートパイプの流れ方向の間隔(m)、Dp:ヒートパイプ直径(m)、Lw:冷却器の幅(m)、Lh:冷却器の高さ(m)である。
次に、冷却器による圧力損失Pcについては、以下の(6)式を用いることができる。(6)式は、「瀬下裕、藤井雅雄、「プレートフィンチューブ熱交換器の研究」、伝熱研究、Vol.26、No.102、(1987年),84」に記載されている。
Figure 2019139569
(6)式に示すCは、流速やフィンチューブの構造によって数種類報告されており、例えば、複数列のチューブを想定し、以下の(7)式を採用できる。
Figure 2019139569
また、上述の(7)式に替えて、乱流が発達した領域を想定した以下の(8)式を用いても良い。
Figure 2019139569
これらの(7)式、(8)式は経験式であり、物理的に導かれているわけではない。本実施形態では数種類の解析を実施し、これらの数式の内、実績にあう数式のいずれかを選択して用いることが好ましい。
次に、流路縮小および流路拡大による圧力損失PiおよびPoについて、以下の(9)式が成立する。
Figure 2019139569
(9)式において、αはダクトの断面変化率により求まる係数である。(9)式は、ISBN:978−4−88898−003−6(日本機械学会発行:技術資料)、管路・ダクトの流体抵抗(1979),p69参照。
次に、流路通過に伴う圧力損失Pdは以下の(10)式で得ることができる。
Figure 2019139569
(10)式において、ρは空気の密度1.2kg/m、λは管摩擦係数であり、通常0.01〜0.25程度であるが、本実施形態では、例えば0.02を採用する。
Pi,Pd,Poについては、通風路の拡大、縮小、通過による実績値を適用することが好ましいが、実際には冷却器3への流れもあり、そのまま適用すると過剰になる可能性が高いと考えられるため、本実施形態では、調整としてそれぞれ、分配量に応じて(1−Uc/Ud)を乗じることとした。
これらの圧力損失は、ダクト内の風速の分配に応じ変化する。始点と終点が同じ流れであるこれら2つのダクトの圧力損失は等しくなければならないため、それぞれのダクトの流速を圧力損失が等しくなるように求めることで、双方のダクトの風速を求めることができる。
以下に冷却器形状として、Lt=600mm、Lw=300mm、Lh=300mm、フィンはFp=8mm、Ft=1.0mm、ヒートパイプはDp=16mm、Iph=60mm、Ipt=60mmの各数値を適用した場合の計算結果の一例について説明する。
「温度の計算」
温度の計算においては、熱交換器の形状が熱伝達率に及ぼす影響が重要であり、先の非特許文献1あるいは以下の参考文献1、2においてフィン&チューブ式の冷却器の熱伝達率について報告がなされている。
「参考文献1」
瀬下裕、藤井雅雄、「低レイノルズ数域のプレートフィンチューブ熱交換器の性能(第1報、単列の場合)」、日本機械学会論文集、B編、53巻、486号、(昭62−2),P581〜P586、「論文No.86−0798B」。
「参考文献2」
瀬下裕、藤井雅雄、「低レイノルズ数域のプレートフィンチューブ熱交換器の性能(第2報、複数列の場合)」、日本機械学会論文集、B編、53巻、486号、(昭62−2),P1767〜P1772、「論文No.86−0799B」。
熱伝達率は無次元化した熱伝達率であるヌセルト数Nuを求めることで、拡張性のある算出が行える。
本実施形態においては、以下の(11)式を用いてヌセルト数Nuを求めることとした。(11)式においてPrはプランドル数である。
Figure 2019139569
(11)式は形状や、レイノルズ数によって、上述の参考文献2において、数通り報告されている。
これらの中で実績と比較的合う(11)式を採用した。ヌセルト数が求められれば、フィン表面積、フィン温度、空気温度から熱交換器の抜熱量を求めることができる。
(11)式は、複数列のチューブを想定した以下の(12)式を採用しても良い。
Figure 2019139569
また、(11)式は、乱流が発達した領域を想定した以下の(13)式を採用しても良い。
Figure 2019139569
(12)式と(13)式は経験式であり、実験等の結果と合ういずれかの式を選択して適用するのが良いと考える。
フィン温度と空気温度の双方が一定であれば、抜熱量の計算は、熱伝達率×温度差×表面積で求めることができるので、容易に計算できる。
しかしながら、空気温度は風上から風下に向けて上昇するため、フィン温度が一定であれば風下側の抜熱量は減少する。
そこで、差分法を用いてフィンを通過する空気の温度を数値計算により求めることができる。ただし、フィンの温度は一定としている。厳密には、フィンの温度も空気温度の上昇により変化するが、空気ほどは変化しないことと、風上と風下の凝縮管(ヒートパイプ)3eは沸騰管3dでつながっており、大きな温度差は無いものとして考える。実際、本実施形態で解析に用いる冷却器本体3Bにおいては、発熱体近傍の温度で、ばらつきはあるものの、風下と風上でほとんど差はないか、差があっても5℃程度となる。
よって、冷却器本体3Bの高温側と低温側の温度を差分法で求めることができる。
差分法に基づく離散化した基礎式は以下の(14)式となる。以下の(14)式において、j番目の要素の温度は低温側の気体温度:θAと高温側の冷却器温度:θBを用いて表すことができる。
Figure 2019139569
(14)式において、k:フィン−空気間熱伝達率(W/mK)、Cp:空気の比熱(J/kgK)、Ga:空気の質量流速(kg/sec)、ΔA:計算要素ごとの伝熱面積(m)で表される。
(14)式は後に詳述する図13に記載されている温度変化モデルに従う関係を数式化した結果である。流体Aの入口温度θA1、出口温度θA2、流体Bの入口温度θB1、出口温度θB2、流体Aが温度変化し、徐々に温度が低下する場合と、流体Bが温度変化し、徐々に温度が上昇する場合をモデル化し、入口からの距離に応じて温度変化がどのように遷移するのか数式化した関係を示している。図13に示すようにこの温度変化モデルは対数曲線に沿って変化するので、対数温度差に基づいた解析となる。実際の計算は後に詳述するように差分法を用いて算出することができる。
これらにより、冷却器における各要素ごとの温度、抜熱量を求めることができる。
定常状態では発熱体からの入熱はフィンからの抜熱にすべて変わるはずなので、入側の空気温度を条件として与えるならば、入熱量と抜熱量が等しくなるような、冷却器本体3Bの温度を決めることができる。
これらの計算は、(Microsoft Excel:米国マイクロソフト社商品名)などの表計算ソフトの関数およびゴールシーク機能のためVBA(Visual Basic for Applications)を用いて行うことができ、特別な数値解析ソフトウェアは必要とせず、(Microsoft Excel:米国マイクロソフト社、商品名)などの表計算ソフトが搭載された通常のパーソナルコンピュータで計算が可能である。
なお、ここから本実施形態の解析モデルに基づいて得られる解析結果について、図8〜図12を基に説明する。図8〜図12に示す解析結果を得るための詳細な計算過程については図8〜図12に示す結果の説明の後に詳述する。
「性能計算結果」
図6、図7に示すダクト(風洞)の空間風速に対して、冷却器を通過する風速を求めた結果を図8に示す。計算に用いた冷却器形状は、Lt=600mm、Lw=300mm、Lh=300mm、フィンはFp=8mm、Ft=1.0mm、ヒートパイプはDp=16mm、Iph=60mm、Ipt=60mmである。
また、風洞を冷却と全く同一の断面積にするのは困難であり、冷却に対して風洞の断面積が1.1倍のものが通称1倍ダクトの計算に相当する。図8の右側の縦軸(第二軸)が冷却器風速(m/sec)を示し、横軸が空間風速(風洞風速:m/sec)を示す。
風洞の風速の変化に対しては、どの断面積比においても、冷却器を通過し有効に作用する風速は風洞風速が増加するに連れて増加し、概ね線形に変化する。
しかし、その風洞の風速に対する冷却器に有効に作用する風速の比率を求めると図9のように、特に冷却が難しく重要視される低い風速領域では一定ではなく、風速が低い場合には顕著に有効に作用する風速が低下する。図8の左側の縦軸(第一軸)が冷却器風速/風洞風速を示し、横軸が空間風速(風洞風速:m/sec)を示す。
つまり、風速が遅いほど風の逃げの割合が大きく、実際に冷却器に作用する風量は少なくなるため、冷却器の性能評価の際には逃げの考慮がより重要になっていることがわかった。
また、風洞の断面積の影響については、1倍ダクトと2倍ダクトの風量差は非常に大きいが、2倍ダクトと3倍ダクトとの差は小さく5%以下程度となる。風に逃げが考慮できる試験条件については、概ね風洞断面積を冷却器の2倍以上とすれば、車載環境に近い条件で冷却器の性能評価を行うことができることがわかった。
以上の結果に従い、冷却器の構造および風洞の試験条件によって、冷却器に有効に作用する風速を求めることができるようになる。
「抜熱性能の計算」
本実施形態では、実際に冷却器がどの程度抜熱できるかが冷却器の重要な性能評価指標となる。
図9にフィン間隔を2mm、8mm、16mmと変化させた場合に対する抜熱量変化を、1倍ダクト、3倍ダクトの試験条件において計算により求めた結果を示す。
1倍ダクトの場合では2m/sec以下の風速においては、フィン間隔が8mmの場合に抜熱性能が最も高く、2mmのものが最も低い。それに対し、風速が早くなると2mmのものが最も高くなるようになる。
これは、フィン間隔2mmの冷却器は、フィンの枚数が多く、フィン表面積が大きい効果以上に、冷却器を通過する際の圧力損失の影響が相対的に大きくなり、有効に冷却器に作用する風量が低下するためである。
風速が早くなると、徐々に冷却器を通過する風量が増え、フィン間隔が狭い冷却器が効率的に抜熱を行えるようになる。しかし、車載環境に近い3倍ダクトの場合、低風速ではフィン間隔が16mmの場合に最も効率的に抜熱を行えると判る。
これは、3倍ダクトでは風の逃げの空間が十分にあり、フィン間隔8mmにおける圧力損失でも風の逃げによる風量低下の効果が大きいためである。風速が早くなるに従い、フィン間隔が8mmの場合に抜熱効果が高くなるようになり、さらに風速を早くすればフィン間隔を2mmとした場合に抜熱効果が高くなる。
図9には示していないが、フィン間隔2mmの冷却器の抜熱性能が最も高くなるためには、20m/sec、時速72kmに迫る風速が必要であることが計算によりわかった。このため、フィン間隔を2mmとしたフィンを冷却器に用いると、抜熱性能を最も高くするためには、時速72km以上で車両を走行させる必要が生じ、低速走行時は冷却器の抜熱性能が大幅に低下すると想定できる。
以上説明のように、風洞と冷却器の断面積比率は冷却器の性能評価試験にとって大きな因子である。特に走行風冷却の形態が取られる本願解析対象の冷却器においては、先に述べたように、低風速域でも十分な抜熱量を確保することが重要であり、重視される速度域での性能確保するための試験に重要な情報となる。
次に、抜熱量に及ぼす冷却器構造の影響を検討するため、冷却器に作用する風速を4m/sec、冷却器の温度を仮に60℃に固定し、フィン間隔および冷却器の長さを変化させた場合の抜熱量の計算結果を図10に示す。
どちらを変化させた場合においても抜熱量は極大値を持ち、適正な領域があることがわかる。フィン間隔は7mm程度、冷却器の長さは1000mm程度の場合に抜熱量が大きいことがわかる。
これまでの議論と同様に、冷却器の圧力損失による風の逃げとフィン表面積の増加の相殺の割合で理解される。さらに風速が遅い条件、例えば風速を2m/secにした場合には、相対的に風の逃げの効果が大きくなり、最適なフィン間隔は広く、冷却器長さは短くなり、最適なフィン間隔は9mm程度となる。
これらのことが表計算ソフト(エクセル:マイクロソフト株式会社商品名)での計算により速やかにわかるということは、本実施形態で定めた解析モデルが車載冷却器の低速走行時の冷却効率の実情を反映していることを意味し、本実施形態の解析モデルが実用的であることを示す。
一方、性能評価試験では、発熱体の発熱量に応じて、風上から風下へ空気の温度も変化する。図11に風上側から風下側へ空気の温度および抜熱量がどのように変わるかの計算結果を示す。計算条件は、発熱体から3000Wが入熱し、空気入口温度30℃、風洞断面積は2倍、風洞風速は4m/secの場合である。冷却器温度は場所によらず一定と仮定している。
空気温度は入り口側で30℃から風上側にかけて徐々に上昇し、40℃で排出され、約10℃の上昇が見られる。また、冷却器は3000Wを放熱するため、熱の釣り合いを満たすように56℃になることが同時に求められる。空気温度の上昇に伴い、冷却器温度との温度差が縮まることから、風下側では抜熱量は低下する。性能試験では、空気温度や冷却器温度も測定することができ、これらを比較することで本実施形態の解析モデルによる計算が確かであるか否かを比較できる。
図12と以下の表1に空気温度の上昇幅ΔTの実測結果と計算結果との比較を示す。風速が最も遅い1.3m/secの場合では熱対流の影響により大きな乖離が見られるが、より早い風速ではほぼ一致しており、実用に耐える精度を持って予測できているものと考えられる。
Figure 2019139569
また、図13と表1に示すように遅い風速の場合に予測に乖離が見られるが、同じ発熱量であれば、単位時間あたりの空気の熱容量はより小さいため、風速が早い場合に比べて温度上昇が低くはなりえない。
風速が低い場合は測定点での熱対流が相対的に大きくなり、風上側の空気だけでなく、周囲の低い温度の空気を巻き込んでいることが乖離の原因と考えられる。
以上の説明から、水冷媒式沸騰冷却器の性能評価において、冷却器の構造および性能評価に用いる風洞と冷却器との断面積比率の影響について、モデル化および数値計算を行い、以下の知見を得ることができた。
(1)冷却器、風洞に発生する圧力損失を求めることによって、風の逃げの影響を考慮し、冷却器を通過する風量を予測する予測手法を構築することができる。
(2)冷却器の構造および試験条件の影響を定量的に見積もり、適正な試験条件および設定条件下で効率的に作用する冷却器構造についての指針を示すことができる。
(3)予測手法では一定の仮定を元に、概ね実測と合致しており、予測が合致しない場合においては、仮定に含まれない事象を検討することで、現象理解の更なる探求になると期待できる。即ち、低風速域では周囲の低い温度の風を巻き込んでいる等の影響が考えられる等、従来では予見できなかった現象の理解に繋がる。
次に、図8〜図12のグラフに示す解析結果を得た計算過程について更に詳細に説明する。
「冷却器による圧損Pc」
冷却器形状は、Lt=600mm、Lw=300mm、Lh=300mm、フィンはFp=8mm、Ft=1.0mm、ヒートパイプはDp=16mm、Iph=60mm、Ipt=60mmとする。また、フィン枚数32枚、管本数5本とする。また、フード風速(ダクト入口部の風速)2.6m/sec、空気温度30℃とする。
先の参考文献1のP585には、自由通過表面積Acについて、以下の(15)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の(15)式と製品寸法から、Lに代えてSを使用し、計算すると、自由通過表面積Acは0.0743518mとなる。
参考文献1のP585には以下の(16)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の前記(16)式と製品寸法と自由通過表面積Acと熱交換風速(0.890m/sec)と空気密度(1.25kg/m)から、代表風速Vacは、1.078m/secとなる。全面風速Vafに収束計算による熱交風速を使用し、入出側の空気密度は等しいと仮定する。
参考文献1のP585には以下の(17)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の前記(17)式と製品寸法と自由通過表面積Acから、代表寸法Decは0.0155mとなる。
参考文献1のP585には以下の(18)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の前記(18)式と代表風速Vacと代表寸法Decと空気の動粘性係数(15×10−6/sec)から、レイノルズ数Reは1113となる。
参考文献1のP585には以下の(19)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の前記(19)式と製品寸法と代表寸法Decとレイノズル数Re’から、流動損失係数fは0.036となる。
参考文献1のP585には以下の(20)式が示されている。
Figure 2019139569
参考文献1のP585に記載の前記(20)式と製品寸法と流動損失係数fと代表風速Vacと代表寸法Decと空気密度ρから、(20)式をΔPについて解いたダルシーワイズバッハの式を使用し、冷却器による圧損Pcは4.05となる。
ダルシーワイズバッハの式は、以下の(21)式であるが、先の(20)式はダルシーワイズバッハの式である(21)式を変形した形であると理解できる。
Figure 2019139569
「冷却器前面の圧力上昇の算出」
冷却器による流動損失係数fを抗力係数Cとする(0.036)。抗力係数Cとは、一様な流れに置かれた物体が流体から受ける流体力のうち、流れ方向成分である抗力の無次元数である。
抗力Dに関する以下の(22)式から圧力上昇Pf=D/Sを0.15と算出できる。(22)式においてρ:空気密度、U:フード風速、C=f。
Figure 2019139569
「流路縮小による圧損Piの算出」
流量の釣り合いの式(V×倍率=Vc+Vd×(倍率−1))から、冷却器外の空間の風速Vdを求める(3.46m/sec)。流路の急縮小における圧損の関係式として以下の(23)式、(24)式を利用し、空間の風速Vdを代入し、流路縮小における圧損を求める。
流路がAからAに急縮小した場合、A/AとCの関係として、
/A=0.0、C=0.34、A/A=0.2、C=0.32、
/A=0.4、C=0.25、A/A=0.6、C=0.16、
/A=0.8、C=0.06の関係を有する。
これらの関係から、A/AとCの関係についてグラフを描き、そのグラフから近似の値として、任意の面積比率におけるCを求めることができる。
以下の(23)式において係数Cは縮小の面積比率により上記関係のように変化する。なお、実現象においては冷却器内にも流量が発生するため、実現象で生じる圧損は以下の式による圧力損失よりも小さくなる。これについては、以下の(24)式のように(1−Vc/V)を積算することにより補正し、最終的な流路縮小による圧損Piを求めると、1.345となる。
Figure 2019139569
Figure 2019139569
ただし、(23)式において、Hf=圧力損失(Pa)、λ=管摩擦係数、ρ=密度(kg/mm:空気の場合1.2)、L=ダクトの長さ(m)、V=ダクトの直径(m)、D=ダクトの直径(m)を意味する。(24)式においてC=f(倍率)を意味する。
「流路拡大による圧損Pの算出」
流路拡大による損失係数を(1/倍率)として、以下の(25)式により流路通過による圧損Pを求めることができる(2.180)。(1−Vc/V)の積算は、前記流路縮小の計算の際と同様の補正を行っているための積算である。
Figure 2019139569
「流路通過による圧損Pdの算出」
以下の(26)式により流路通過による圧損Pdを求めることができる(0.374Pa)。(26)式において、λ:ダクトの管摩擦係数(0.01〜0.25、この計算では0.02を採用)、ρ:空気の密度(kg/m)、L:ダクトの長さ(m)、d:ダクト直径(m)、v:ダクト内風速(m/sec)とする。ρ:空気の密度については、353/(273+T)≒1.20kg/mを採用した。Tは空気の温度(℃)である。
Figure 2019139569
上述の各式により求めた、冷却器による圧損Pc、冷却器前面の圧力上昇Pf、流路縮小による圧損Pi、流路拡大による圧損Pc、流路通過による圧損Pdには上述した圧力の釣り合いから以下の(27)式が成立する。
Figure 2019139569
この釣り合いの(27)式の右辺が0となるように冷却器風速Vcを変数として表計算ソフトによりゴールシークを行う。
この計算により冷却器風速Vcを求めることができる。上述の実施形態の場合、フード数速2.6m/secに対し、冷却器風速Vcは0.890m/secとなる。
即ち、図7の解析モデルにおいて、入口部10aから2.6m/secの風が流入したと仮定して、そのうち、冷却器3に有効に作用する風速は0.890m/secであることが判る。
次に、上述したグラフにおいて冷却器温度を算出した手順について説明する。
1).「平均熱伝達率の算出」
空気のプラントル数を求め、0.625とする。プラントル数は、動粘性係数:15×10−6/sec、空気密度ρa:1.25kg/m、空気熱伝導率:0.03W/m/K、空気比熱:1000J/kg/kから求めることができる。
ヌセルト数(Nu数)を求める。
先に説明した(11)式に、レイノズル数Re:1113、プランドル数:0.625、代表寸法Dec:0.0155m、フィン奥行きL:0.600mを代入し、ヌセルト数Nuを計算すると6.292となる。
平均熱伝達率hを求める。
参考文献1のP585には以下の(28)式が示されている。
Figure 2019139569
平均熱伝達率hは、参考文献1のP585に記載の前記(28)式に、ヌセルト数:6.292、空気の熱伝導率λ:0.03W/m/K、代表寸法Dec:0.0155mを代入し、12.19となる。
2).次に、任意の冷却器温度を仮定し、冷却器入側から出側にかけての空気温度の変化を算出する手順について説明する。
まず、フィン伝熱面積を20等分した区間毎の空気温度を算出する。空気温度の算出には先に説明した(14)式に基づく差分法を採用する。
(14)式に示すθA,iは20等分したうちのi番目の領域における空気温度を意味する。初期値(θA,0)は30℃を用いる。
(14)式の関係を図13に示すが、θB,iは空気の流れ方向に20等分したうちのi番目の領域における空気温度を意味する。本実施形態の計算では領域によらずフィン温度は一定とする。ただし、その一定温度はこの段階では未知数とする。GAは空気の質量流速。これは先に求めた冷却器を流れる流速から、0.100kg/secを用いる。Cpは空気の比熱、例えば、1000J/kg/kとする。kは平均熱伝達率であり、これも先に求めた、12.19W/mKとする。ΔAは分割領域の伝熱面積、例えば、フィン伝熱面積:11.49mを領域分割数20で除して使用する。
次に、フィンに挟まれる空気の温度を計算する。30℃が空気温度の初期値であり、30℃の空気が上記熱伝達率で、流速から求まる一つの計算領域を通過する時間あたりの熱量を求め、空気の上昇温度を求める。それぞれの計算領域での熱量のやり取りを合算して、発熱量と等しくなるように先に記載のフィン温度を求める。これは、表計算ソフト(エクセル:マイクロソフト株式会社商品名)における、ゴールシーク機能を用いて行う。
計算によりフィン温度は46.96℃となりこの値を用いて、計算すると、θA,i−1として参照して31.10を算出し、次に31.10をθA,i−1として参照して32.14を算出、この手順で、20番目の領域41.57まで計算する。
本実施形態では、有効数字を無視して記載すれば、例えば、30、31.10614772、32.14014735、33.1067047、34.0102187、34.8548013、35.6442963、36.38229676、37.0721614、37.71702986、38.319837、38.88332625、39.41006211、39.90244181、40.36270622、40.79295003、41.19513135、41.57108053となる。
以上により、冷却器入側から出側にかけての空気温度の変化を把握できる。
3).次に、冷却器入側から出側にかけての空気温度を用いて各領域における抜熱量を算出する手順について説明する。
各領域における抜熱量は、以下の(29)式で算出することができる。(29)式において、hは平均熱伝達率(12.19W/mKを適用)、Tfはフィン部の温度、任意の冷却器温度を適用できる。Taは領域毎の空気温度、例えば、上述の20の温度を適用できる。Aは分割領域毎の伝熱面積であり、フィンの伝熱面積、例えば、11,49mを領域分割数20で除して適用する。
Figure 2019139569
上述の場合、20に分割した領域毎の抜熱量、例えば、30℃〜41.57にまで分割した各領域毎の抜熱量は、以下のように計算できる。
本実施形態では、206.6737734、193.1935485、180.5925666、168.8134793、157.8026789、147.5100542、137.8887622、128.8950157、120.4878832、112.629103、105.282909、98.4158679、91.99672719、85.99627269、80.38719575、75.1439689、70.2427297、65.66117212となる。
4).冷却器全体の抜熱量を算出する。
冷却器全体の抜熱量は、領域毎の抜熱量の総量として求めることができる。即ち、上述した各領域毎の数値の合計を求める。
5).表計算ソフトのゴールシーク機能により、冷却器全体の抜熱量が放熱量の設計値と等しくなる冷却器温度を算出する
冷却器全体の抜熱量と放熱量の設計値との差を計算する。上述の例の場合、例えば、冷却器全体の放熱量の試験値が2400Wであれば、冷却器全体の抜熱量と差がほぼ0と見なし得るような冷却器温度を見出すと、例えば、46.96℃となる。この値の和が先に空気の上昇温度として20の領域で求めた場合に説明した、設定した発熱量と等しくなるように、既に求めている。すると先に記載の46.96℃が求まることとなり、これまでの各数値が求められていることになる。
ただし、自由通過体積基準の風速Uは以下の(30)式で定義される。
Figure 2019139569
以上の説明から、上述した図8〜図12に示すそれぞれの関係を計算により導き出すことができるとわかる。
図8に示すように風洞断面積については1.1倍と2〜3倍の差異が大きいので、冷却器の断面積に対し2倍以上の断面積の風洞(ダクト)にするならば、実際の車載環境に近い条件で性能評価ができることがわかる。従って、図6、図7に示すモデル化を行う場合、冷却器3の横断面積に対し2倍以上の横断面積の通風空間Tを有するモデルに設定して冷却器3の性能を解析することが望ましい。
また、図9を基に説明したようにフィン間隔と抜熱量変化の関係を求めることができるので、フィン枚数が多く、フィン表面積が大きい効果と冷却器を通過する際の圧力損失の影響を有効風量の関係から把握することができ、図10に示すように冷却器長さと抜熱量の関係、フィン間隔と抜熱量の関係、図11に示すように冷却器における位置毎の温度と抜熱量の関係を把握することができる。また、図12に示すように低速走行時などのように風速が低い場合、計算ΔTと実測ΔTの乖離を生じることもわかる。
以上の説明から、本実施形態の解析モデルを用いて車載冷却器の種々のパラメータを計算し、解析することが可能であり、車載用冷却器を設計する場合の正確な予測手法を確立できることがわかった。
1…車体、2…収納ボックス、3…冷却器、3A…外周部カバー、3B…冷却器本体、3a…枠型フレーム、3b…格子部材、3d…沸騰管、3e…凝縮管、3f…フィン、3g…ベースプレート、3i…発熱素子、5…水。

Claims (5)

  1. フィンとチューブを備えこれらの間に空気を流通させてチューブ内の熱媒の熱交換を行う冷却器と該冷却器周囲の通風空間とが隣接して床下に設けられた走行車両において、前記冷却器に有効に作用する風速を計算し、前記冷却器の性能を解析する方法であって、
    前記冷却器と前記通風空間とが1つの通風路の途中に該通風路を占めるように該通風路の横断面方向に隣接して設置されているモデルを想定し、前記冷却器を空気が通過する際の圧力損失Pcの値から前記冷却器前面側での圧力上昇Pfの値を差し引いた値に対し、
    前記通風路の入口側から前記通風空間に至る際の流路縮小に伴う圧損Piと、前記通風空間を空気が通過することによる圧損Pdと、前記通風空間から前記通風路の出口側に至る際の流路拡大に伴う圧損Poの合計値が等しくなると仮定し、これらの値が等しくなる場合の風の分配を求めることにより前記冷却器に有効に作用する風速を求めることを特徴とする車両用冷却器の性能解析方法。
  2. 請求項1に記載の車両用冷却器の性能解析方法により求めた風速から求められる熱伝達率を利用し、対数温度差を用いて前記冷却器を通過する空気の温度を求めることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却器の性能解析方法。
  3. 前記冷却器を通過する空気の温度を求める場合、前記冷却器のフィンの伝熱面積を複数に等分し、等分した区間毎の空気温度を空気の質量流速、空気の比熱、平均熱伝達率、分割領域の伝熱面積を基に算出し、冷却器の入側から出側にかけての温度変化を把握することを特徴とする請求項2に記載の車両用冷却器の性能解析方法。
  4. 前記チューブがヒートパイプからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用冷却器の性能解析方法。
  5. 前記冷却器が水冷媒式沸騰冷却器であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用冷却器の性能解析方法。
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