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JP2019134590A - インバータ制御装置 - Google Patents

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JP2019134590A
JP2019134590A JP2018014867A JP2018014867A JP2019134590A JP 2019134590 A JP2019134590 A JP 2019134590A JP 2018014867 A JP2018014867 A JP 2018014867A JP 2018014867 A JP2018014867 A JP 2018014867A JP 2019134590 A JP2019134590 A JP 2019134590A
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将司 宮崎
Masashi Miyazaki
将司 宮崎
スブラタ サハ
Suburata Saha
スブラタ サハ
藤原 勲
Isao Fujiwara
勲 藤原
宣幸 藤澤
Nobuyuki Fujisawa
宣幸 藤澤
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Aisin Seiki Co Ltd
Aisin AW Co Ltd
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Abstract

【課題】インバータのスイッチング素子の1つがオフ故障していても、適切にアクティブショートサーキット制御を行う。【解決手段】複数の上段側スイッチング素子UH,VH,WHからなる上段側素子群及び複数の下段側スイッチング素子UL,VL,WLからなる下段側素子群の内、オフ故障したスイッチング素子VLを含む一方の素子群の全てのスイッチング素子3をオフ状態とし、他方の素子群の全てのスイッチング素子3をオン状態として、インバータと回転電機との間で電流を還流させるアクティブショートサーキット制御を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、インバータを制御するインバータ制御装置に関する。
特開2015−211533号公報には、例えばインバータや回転電機に異常が生じた場合に、インバータと回転電機との間で電流を還流させるためにインバータを短絡制御することが例示されている。短絡制御は、アクティブショートサーキット制御とも称され、例えば3相交流と直流との間で電力を変換するインバータの場合には、3相全ての上段側スイッチング素子をオン状態とし3相全ての下段側スイッチング素子をオフ状態とすること、又は、3相全ての下段側スイッチング素子をオン状態とし3相全ての上段側スイッチング素子をオフ状態とすることによって実現される。
ここで、アクティブショートサーキット制御が実行される際にオン状態に制御されるスイッチング素子の1つが、常時オフ状態に固定されるオフ故障を生じていた場合、各相を流れる電流のバランスが崩れ、故障を生じていない健全なスイッチング素子に過大な電流が流れる可能性がある。スイッチング素子には、過電流検出機能や過熱検出機能が備えられたスイッチング素子モジュールとして構成されているものがある。そのような過大な電流が流れた場合には、過電流状態や過熱状態であると検出されてしまう可能性がある。その検出結果は、インバータをスイッチング制御する制御装置や、制御装置が生成したスイチング制御信号を中継するドライブ回路に伝達される。その結果、制御装置やドライブ回路による種々のフェールセーフ機能により、スイッチング素子が強制的にオフ状態に制御される場合がある。
インバータを構成するスイッチング素子が全てオフ状態となると、回転電機の回転に比例する電圧により充電電流が流れる。インバータが直流電源に接続された場合には、直流電源に過大な電流が流れたり、直流電源の電圧を上昇させたりするおそれがある。また、インバータが直流電源に接続されていない場合には、一般的にインバータの直流の正極と負極との間に接続されて直流電圧を安定させるコンデンサを充電して、このコンデンサの端子間電圧(直流リンク電圧)を上昇させるおそれがある。これに備えて直流電源やコンデンサの耐性を高くすると体格の大型化やコストの上昇を招く。
特開2015−211533号公報
そこで、インバータのスイッチング素子の1つがオフ故障していても、適切にアクティブショートサーキット制御を行う技術の提供が望まれる。
上記に鑑みたインバータ制御装置は、1つの態様として、
直流電源に接続されると共に交流の回転電機に接続されて直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
前記インバータは、前記直流電源の正極側に接続された複数の上段側スイッチング素子からなる上段側素子群と、前記直流電源の負極側に接続された複数の下段側スイッチング素子からなる下段側素子群と、を構成する複数のスイッチング素子を備え、
前記インバータを構成する前記スイッチング素子の内の1つが常時オフ状態となるオフ故障した状態で、
前記上段側素子群及び前記下段側素子群の内、前記オフ故障した前記スイッチング素子を含む一方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオフ状態とし、他方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオン状態として、前記インバータと前記回転電機との間で電流を還流させるアクティブショートサーキット制御を実行する。
この構成によれば、1つのスイッチング素子がオフ故障していても、その故障しているスイッチング素子を含む一方の素子群をオフ状態とし、他方の素子群をオン状態としてアクティブショートサーキット制御が実行される。このため、オフ故障しているスイッチング素子は、故障していない状態と同じ機能を果たすことになる。その結果、1つのスイッチング素子がオフ故障していても、複数相の全相を使って電流を還流させることができ、故障を生じていない健全なスイッチング素子に過大な電流が流れることを抑制できる。このように、本構成によれば、インバータのスイッチング素子の1つがオフ故障していても、適切にアクティブショートサーキット制御を行うことができる。
インバータ制御装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
車両用駆動装置及び車両用駆動制御装置の模式的ブロック図 回転電機の制御系の模式的回路ブロック図 ドライブ回路の模式的回路ブロック図 回転電機の速度−トルクマップ 待避制御を行った場合の例を示すタイミングチャート 待避制御の一例を示すフローチャート 待避制御を行った場合の比較例を示すタイミングチャート 2相ASC時の電流及びトルクの一例を示す波形図 交流電流の過渡ピーク電流の回転速度特性の一例を示すグラフ オフ故障状態での通常制御時の電流及びトルクの一例を示す波形図
以下、インバータ制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。以下、回転電機が、車両において車輪の駆動力源となる形態を例示する。図1の模式的ブロック図は、車両用駆動制御装置1及びその制御対象である車両用駆動装置7を示している。図1に示すように、車両用駆動装置7は、車両の駆動力源となる内燃機関(EG)70に駆動連結される入力部材INと車輪Wに駆動連結される出力部材OUTとを結ぶ動力伝達経路に、入力部材INの側から、駆動力源係合装置(CL1)75、回転電機(MG)80、変速装置(TM)90を備えている。
尚、ここで「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指す。具体的には、「駆動連結」とは、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。
車両用駆動制御装置1は、上述した車両用駆動装置7の各部を制御する。本実施形態では、車両用駆動制御装置1は、後述するインバータ(INV)10を介した回転電機80の制御の中核となるインバータ制御装置(INV-CTRL)20、内燃機関70の制御の中核となる内燃機関制御装置(EG-CTRL)30、変速装置90の制御の中核となる変速装置制御装置(TM-CTRL)40、これらの制御装置(20,30,40)を統括する走行制御装置(DRV-CTRL)50とを備えている。また、車両には、車両用駆動制御装置1の上位の制御装置であり、車両全体を制御する車両制御装置(VHL-CTRL)100も備えられている。
図1に示すように、車両用駆動装置7は、車両の駆動力源として、内燃機関70と回転電機80とを備えたいわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置である。内燃機関70は、燃料の燃焼により駆動される熱機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。内燃機関70と回転電機80とは、第1係合装置75を介して駆動連結されおり、第1係合装置75の状態により、内燃機関70と回転電機80との間で駆動力を伝達する状態と駆動力を伝達しない状態とに切り換えることが可能である。
内燃機関70は、第1係合装置75が係合している場合、回転電機80の回転によって始動することができる。つまり、内燃機関70は、回転電機80に従動して始動することができる。一方、内燃機関70は、回転電機80から独立して、始動することもできる。第1係合装置75が解放状態の場合、内燃機関70はスタータ71によって始動される。本実施形態では、スタータ71として、アイドリングストップからの再始動など、いわゆるホットスタートに適したBAS(Belted Alternator Starter)を例示している。
変速装置90は、変速比の異なる複数の変速段を有する有段の自動変速装置である。例えば、変速装置90は、複数の変速段を形成するため、遊星歯車機構等の歯車機構及び複数の係合装置(クラッチやブレーキ等)を備えている。変速装置90の入力軸は回転電機80の出力軸(例えばロータ軸)に駆動連結されている。ここで、変速装置90の入力軸及び回転電機80の出力軸が駆動連結されている部材を中間部材Mと称する。変速装置90の入力軸には、内燃機関70及び回転電機80の回転速度及びトルクが伝達される。
変速装置90は、変速装置90に伝達された回転速度を、各変速段の変速比で変速すると共に、変速装置90に伝達されたトルクを変換して変速装置90の出力軸に伝達する。変速装置90の出力軸は、例えばディファレンシャルギヤ(出力用差動歯車装置)等を介して2つの車軸に分配され、各車軸に駆動連結された車輪Wに伝達される。ここで、変速比は、変速装置90において各変速段が形成された場合の、出力軸の回転速度に対する入力軸の回転速度の比である(=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)。また、入力軸から変速装置90に伝達されるトルクに、変速比を乗算したトルクが、出力軸に伝達されるトルクに相当する。
尚、ここでは、変速装置90として有段の変速機構を備える形態を例示したが、変速装置90は無段変速機構を備えたものであってもよい。例えば、変速装置90は、2つのプーリー(滑車)にベルトやチェーンを通し、プーリーの径を変化させることで連続的な変速を可能にするCVT(Continuously Variable Transmission)を備えたものであってもよい。
また、変速装置90は、出力部材OUTと回転電機80(或いは中間部材M)との間の動力伝達を遮断することができる機能を有している。本実施形態では理解を容易にするために、変速装置90の入力軸と出力軸との間で駆動力を伝達する状態と遮断する状態とを切換える第2係合装置95が変速装置90の内部に備えられている形態を例示している。第2係合装置95は、例えば、変速装置90が自動変速装置の場合、遊星歯車機構を用いて構成されていることがある。遊星歯車機構では、クラッチ及びブレーキの一方又は双方を用いて第2係合装置95を構成することができる。図1には、第2係合装置95をクラッチとして例示しているが、第2係合装置95は、クラッチに限らずブレーキを用いて構成されていてもよい。
ところで、図1において、符号73は、内燃機関70又は入力部材INの回転速度を検出する回転センサ、符号93は、車輪W又は出力部材OUTの回転速度を検出する回転センサである。また、詳細は後述するが、符号13は回転電機80のロータの回転(速度・方向・角速度など)を検出するレゾルバなどの回転センサであり、符号12は、回転電機80を流れる電流を検出する交流電流センサである。尚、図1では、各種オイルポンプ(電動式及び機械式)等は、省略している。
上述したように、回転電機80は、インバータ10を介したインバータ制御装置20により駆動制御される。図2のブロック図は、回転電機駆動装置2を模式的に示している。尚、符号14は、インバータ10の直流側の電圧(後述する直流リンク電圧Vdc)を検出する電圧センサ、符号15は、後述する高圧バッテリ11(直流電源)に流れる電流(バッテリ電流)を検出するバッテリ電流センサである。
インバータ10は、高圧バッテリ11に後述するコンタクタ9を介して接続されると共に、交流の回転電機80に接続されて直流と複数相の交流(ここでは3相交流)との間で電力変換を行う。車両の駆動力源としての回転電機80は、複数相の交流(ここでは3相交流)により動作する回転電機であり、電動機としても発電機としても機能することができる。即ち、回転電機80は、インバータ10を介して高圧バッテリ11からの電力を動力に変換する(力行)。或いは、回転電機80は、内燃機関70や車輪Wから伝達される回転駆動力を電力に変換し、インバータ10を介して高圧バッテリ11を充電する(回生)。
回転電機80を駆動するための電力源としての高圧バッテリ11は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどにより構成されている。高圧バッテリ11は、回転電機80に電力を供給するために、大電圧大容量の直流電源である。高圧バッテリ11の定格の電源電圧は、例えば200〜400[V]である。
インバータ10の直流側には、正極と負極との間の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑化する平滑コンデンサ(直流リンクコンデンサ4)が備えられている。直流リンクコンデンサ4は、回転電機80の消費電力の変動に応じて変動する直流リンク電圧Vdcを安定化させる。
コンタクタ9は、図2に示すように、高圧バッテリ11とインバータ10との間、具体的には、直流リンクコンデンサ4と高圧バッテリ11との間に配置されている。コンタクタ9は、回転電機駆動装置2と、高圧バッテリ11との電気的な接続を切り離すことが可能である。コンタクタ9が接続状態(閉状態)において高圧バッテリ11とインバータ10(及び回転電機80)とが電気的に接続され、コンタクタ9が開放状態(開状態)において高圧バッテリ11とインバータ10(及び回転電機80)との電気的接続が遮断される。
尚、本実施形態では、図1に示すように、高圧バッテリ11とインバータ10との間に、車室内の温度や湿度を整えるエアコンディショナー61や、電動オイルポンプ(不図示)などを駆動するために直流電圧を変換するDC/DCコンバータ(DC/DC)62などの補機60が備えられていてもよい。補機60は、コンタクタ9と直流リンクコンデンサ4との間に配置されていると好適である。
本実施形態において、コンタクタ9は、車両の最も上位の制御装置の1つである車両電気制御ユニット(車両ECU(Electronic Control Unit))としての車両制御装置100からの指令に基づいて開閉するメカニカルリレーであり、例えばシステムメインリレー(SMR : System Main Relay)やメインコンタクタ(MC : Main Contactor)と称される。コンタクタ9は、車両のイグニッションスイッチやメインスイッチがオン状態(有効状態)の際に接点が閉じて導通状態(接続状態)となり、イグニッションスイッチやメインスイッチがオフ状態(非有効状態)の際に接点が開いて非導通状態(開放状態)となる。
上述したように、インバータ10は、直流リンク電圧Vdcを有する直流電力を複数相(nを自然数としてn相、ここでは3相)の交流電力に変換して回転電機80に供給すると共に、回転電機80が発電した交流電力を直流電力に変換して直流電源に供給する。インバータ10は、複数のスイッチング素子3を有して構成される。スイッチング素子3には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などの高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。図2には、スイッチング素子3としてIGBTが用いられる形態を例示している。
図2に示すように、インバータ10は、複数相(ここでは3相)のそれぞれに対応する数のアーム3Aを有するブリッジ回路により構成される。つまり、図1に示すように、インバータ10の直流正極側と直流負極側との間に2つのスイッチング素子3(上段側スイッチング素子31,下段側スイッチング素子32)が直列に接続されて1つのアーム3Aが構成される。3相交流の場合には、この直列回路(1つのアーム3A)が3回線(3相)並列接続される。つまり、回転電機80のU相、V相、W相に対応するステータコイル8のそれぞれに一組の直列回路(アーム3A)が対応している。また、各スイッチング素子3には、負極から正極へ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、並列にフリーホイールダイオード5が備えられている。
本実施形態では、図3に示すように、少なくとも1つのIGBT(スイッチング素子3)と当該IGBTに並列に接続されたフリーホイールダイオード5とを備えてパワーモジュール30が構成されている。このようなパワーモジュール30には、スイッチング素子3を流れる電流を検出する機能や、スイッチング素子3の温度を検出する機能を備えているものがある。このような機能は、検出した値を信号として出力するものであっても良いし、予め規定されたしきい値を超えた場合に報知信号を出力するものであっても良い。本実施形態では、図3に例示するように、温度検出信号SC、温度検出信号TJがパワーモジュール30から出力される。
図1及び図2に示すように、インバータ10は、インバータ制御装置20により制御される。インバータ制御装置20は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として構築されている。例えば、インバータ制御装置20は、車両制御装置100等の他の制御装置等から提供される回転電機80の目標トルクに基づいて、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ10を介して回転電機80を制御する。
回転電機80の各相のステータコイル8を流れる実電流(Iu,Iv,Iw:図8等参照)は交流電流センサ12により検出され、インバータ制御装置20はその検出結果を取得する。また、回転電機80のロータの各時点での磁極位置は、レゾルバなどの回転センサ13により検出され、インバータ制御装置20はその検出結果を取得する。インバータ制御装置20は、交流電流センサ12及び回転センサ13の検出結果を用いて、電流フィードバック制御を実行する。インバータ制御装置20は、電流フィードバック制御のために種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働により実現される。
車両制御装置100やインバータ制御装置20などの電源電圧は、例えば5[V]や3.3[V]である。車両には、高圧バッテリ11の他に、高圧バッテリ11とは絶縁され、高圧バッテリ11よりも低電圧の電源である低圧バッテリ(不図示)も搭載されている。低圧バッテリの電源電圧は、例えば12〜24[V]である。低圧バッテリは、インバータ制御装置20や車両制御装置100に、例えば電圧を調整するレギュレータ回路等を介して電力を供給する。車両制御装置100やインバータ制御装置20などの電源電圧は、例えば5[V]や3.3[V]である。
図1に示すように、インバータ10を構成する各スイッチング素子3の制御端子(IGBTやFETの場合はゲート端子)は、ドライブ回路21を介してインバータ制御装置20に接続されており、それぞれ個別にスイッチング制御される。回転電機80を駆動するための高圧系回路と、マイクロコンピュータなどを中核とするインバータ制御装置20などの低圧系回路とは、動作電圧(回路の電源電圧)が大きく異なる。このため、各スイッチング素子3に対する駆動信号(スイッチング制御信号)の駆動能力(例えば電圧振幅や出力電流など、後段の回路を動作させる能力)をそれぞれ高めて中継するドライブ回路21(DRV-CCT)が備えられている。
図3は、ドライブ回路21の一例を示している。ドライブ回路21は、例えばフォトカプラ、磁気カプラ、トランスなどの絶縁素子を用いた回路や、そのような素子を内蔵したドライバICなどを利用して構成される。図3には、インバータ制御装置20の側のいわゆる低電圧回路側に接続される低電圧側ドライブ回路23と、パワーモジュール30の側のいわゆる高電圧回路側に接続される高電圧側ドライブ回路24とを備えたドライバIC22を例示している。低電圧側ドライブ回路23と、高電圧側ドライブ回路24とは絶縁されている。例えば低電圧側ドライブ回路23は電圧が3.3〜5[V]程度の制御回路電源V5により動作し、高電圧側ドライブ回路24は電圧が15〜20[V]程度のドライブ電源V15により動作する。
インバータ制御装置20も、制御回路電源V5により動作する。インバータ制御装置20が生成して出力したスイッチング制御信号SWは、出力電流の増強やインピーダンス変換等のためのバッファを介して低電圧側ドライブ回路23に入力され、高電圧側ドライブ回路24を介してゲート信号GSとして各パワーモジュール30(スイッチング素子3)に提供される。ドライブ回路21は、パワーモジュール30が出力する温度検出信号SC、温度検出信号TJも中継して、スイッチング制御信号SWとは逆にインバータ制御装置20に提供する。ドライブ回路21自身も、例えばドライブ電源V15の電圧の監視などの異常検出機能を有している。本実施形態では、温度検出信号SCや温度検出信号TJが異常を示している場合や、ドライブ回路21が異常を検出した場合に、警告信号ALMがインバータ制御装置20に出力される形態を例示している。
尚、インバータ制御装置20には、例えば直流リンク電圧Vdcを検出する電圧センサ14が過電圧を検出した場合や、高圧バッテリへ入出力される電流を検出するバッテリ電流センサ15が過電流を検出した場合などにも異常信号が入力される構成であると好適である。図3には、電圧センサ14が過電圧を検出した場合に出力される過電圧検出信号OVがインバータ制御装置20に提供される形態を例示している。本実施形態では過電圧検出信号OVは負論理の信号であり、通常時の論理レベルはハイ状態である。過電圧検出信号OVは、スイッチング制御信号SWを低電圧側ドライブ回路23に中継するトライステートバッファの制御端子にも接続されている。本実施形態では、過電圧が生じた場合には、過電圧検出信号OVの論理レベルがロー状態となり、スイッチング制御信号SWを遮断してインバータ10の全てのスイッチング素子3をオフ状態にできるようになっている。尚、遮断時に低電圧側ドライブ回路23に入力される信号の論理レベルを確定するためのプルアップ抵抗又はプルダウン抵抗等の図示は省略している。
また、ドライブ回路21はイネーブル端子EN(負論理)を有しており、イネーブル端子ENに入力される信号が有効ではないとき(ハイレベルの時)には、スイッチング制御信号SWを遮断して、ローレベルのゲート信号GSを出力させる。本実施形態では、イネーブル端子ENがローレベルに固定されている形態を例示しているが、迅速にゲート信号GSを無効化するために、故障や異常を示す信号が接続されていてもよい。また、ドライブ回路21は、警告信号ALMを出力する際や、或いは、温度検出信号SCや温度検出信号TJが異常を示している状態で入力された場合などに、スイッチング制御信号SWの状態に拘わらず、ゲート信号GSをローレベルにして出力してもよい。
上述したように、本実施形態では、回転電機80の回転に同期して回転する2軸の直交ベクトル空間(直交ベクトル座標系)における電流ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を実行して回転電機80を制御する。電流ベクトル制御法では、例えば、永久磁石による界磁磁束の方向に沿ったd軸(界磁電流軸、界磁軸)と、このd軸に対して電気的にπ/2進んだq軸(駆動電流軸、駆動軸)との2軸の直交ベクトル座標系(d−q軸ベクトル座標系)において電流フィードバック制御を行う。インバータ制御装置20は、制御対象となる回転電機80の目標トルクに基づいてトルク指令Tを決定し、d軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqを決定する。
インバータ制御装置20は、これらの電流指令(Id,Iq)と回転電機80のU相、V相、W相の各相のコイルを流れる実電流(Iu,Iv,Iw)との偏差を求めて比例積分制御演算(PI制御演算)や比例積分微分制御演算(PID制御演算)を行い、最終的に3相の電圧指令を決定する。この電圧指令に基づいて、スイッチング制御信号が生成される。回転電機80の実際の3相座標系と2軸の直交ベクトル座標系との間の相互の座標変換は、回転センサ13により検出された磁極位置θに基づいて行われる。また、回転電機80の回転速度ω(角速度やrpm(Revolutions per Minute))は、回転センサ13の検出結果より導出される。
ところで、上述したように、インバータ10などの種々の異常が検出されると、インバータ制御装置20を含む車両用駆動制御装置1は、いわゆるフェールセーフ制御を実行する。車両用駆動制御装置1は、フェールセーフ制御として、第1係合装置75や第2係合装置95による駆動力の伝達状態を変更したり、インバータ10のスイッチング素子3の制御方式を変更したりする。ここでは、インバータ制御装置20が、インバータ10のスイッチング素子3の制御方式を変更するフェールセーフ制御について説明する。
インバータ10を制御対象としたフェールセーフ制御としては、例えばシャットダウン制御(SDN)が知られている。シャットダウン制御とは、インバータ10を構成する全てのスイッチング素子3へのスイッチング制御信号SWを非アクティブ状態に変化させてインバータ10をオフ状態にする制御である。この時、回転電機80のロータが慣性によって比較的高速で回転を続けていると、大きな逆起電力を生じる。ロータの回転によって生成された電力は、フリーホイールダイオード5を介して整流され、コンタクタ9が閉状態の場合には高圧バッテリ11を充電する。高圧バッテリ11を充電する電流(バッテリ電流)の絶対値が大きく増加し、バッテリ電流が高圧バッテリ11の定格電流を超えると、高圧バッテリ11の消耗等の原因となる。大きなバッテリ電流に耐えられるように高圧バッテリ11の定格値を高くすると、規模の増大やコストの増大を招く可能性がある。
一方、コンタクタ9が開放状態の場合、高圧バッテリ11への電流の流入は遮断される。高圧バッテリ11への流入を遮断された電流は、直流リンクコンデンサ4を充電し、直流リンク電圧Vdcを上昇させる。直流リンク電圧Vdcがインバータ10(スイッチング素子3)や直流リンクコンデンサ4の定格電圧(絶対最大定格)を超えることは好ましくない。高い電圧を許容するようにこれらの定格値を高くすると、規模の増大やコストの上昇を招く可能性がある。また、図1に示すように、直流リンク電圧Vdcが、エアコンディショナー61やDC/DCコンバータ62などの補機60にも印加されている場合には、補機60に対しても同様のことが言える。
インバータ10を制御対象としたフェールセーフ制御としては、シャットダウン制御の他に、アクティブショートサーキット制御(ASC)も知られている。アクティブショートサーキット制御とは、複数相全てのアーム3Aの上段側スイッチング素子31或いは複数相全てのアームの下段側スイッチング素子32の何れか一方側をオン状態とし、他方側をオフ状態として、回転電機80とインバータ10との間で電流を還流させる制御である。尚、複数相全てのアーム3Aの上段側スイッチング素子31をオン状態とし、複数相全てのアーム3Aの下段側スイッチング素子32をオフ状態とする場合を上段側アクティブショートサーキット制御(HASC)と称する。また、複数相全てのアーム3Aの下段側スイッチング素子32をオン状態とし、複数相全てのアーム3Aの上段側スイッチング素子31をオフ状態とする場合を下段側アクティブショートサーキット制御(LASC)と称する。
アクティブショートサーキット制御では、直流リンク電圧Vdcの急激な上昇や、高圧バッテリ11の充電電流の急激な増加を伴わない。但し、回転電機80の短絡電流が大きい場合には、ステータコイル8やインバータ10に大きな還流電流が流れることになる。長時間に亘って大きな電流が流れ続けると、インバータ10や回転電機80が大電流による発熱等によって消耗する可能性がある。
従って、フィエールセーフ制御は、異常が生じた際のインバータ10、回転電機80を含む車両用駆動装置7の状況や、それぞれの制御方式の特徴などに基づいて適切に実行されることが好ましい。図4は、回転電機の速度−トルクマップを示している。例えば、インバータ制御装置20は、回転電機80の回転速度ωが、予め規定された規定回転速度ω1以上の場合には、アクティブショートサーキット制御を実行し、規定回転速度ω1未満の場合には、インバータ10の全てのスイッチング素子3を全てオフ状態とするシャットダウン制御を実行する。
尚、図4の“A1”、“A2”,“A3”は、それぞれ後述するオフ故障を検出する方式が適用される動作領域を示している。トルクの絶対値及び回転速度ωが低い第1動作領域A1はオフ故障検出がなされない領域である。トルクの絶対値及び回転速度ωが高い第2動作領域A2は、過電流検出によってオフ故障が検出される領域である(図8、図9等を参照して後述する。)。第3動作領域A3は、交流電流(Iu,Iv,Iw)によって(3相電流の相互の関係によって)、オフ故障が検出される領域である。尚、本実施形態では、第1動作領域A1における最高回転速度と、規定回転速度ω1とが同じ速度である形態を例示しているが、第1動作領域A1における最高回転速度と規定回転速度ω1とは、異なる回転速度であってもよい。
本実施形態では、フェールセーフ制御として、アクティブショートサーキット制御が選択される場合を例として説明する。上述したように、3相交流と直流との間で電力を変換するインバータの場合には、3相全ての上段側スイッチング素子31をオン状態とし3相全ての下段側スイッチング素子32をオフ状態とすること、又は、3相全ての下段側スイッチング素子32をオン状態とし3相全ての上段側スイッチング素子31をオフ状態とすることによってアクティブショートサーキット制御が実現される。
ここで、アクティブショートサーキット制御が実行される際にオン状態に制御されるスイッチング素子3の1つが、常時オフ状態に固定されるオフ故障を生じていた場合、各相を流れる電流のバランスが崩れ、故障を生じていない健全なスイッチング素子3には過大な電流が流れる可能性がある。上述したように、スイッチング素子3には、過電流検出機能や過熱検出機能が備えられたパワーモジュール30として構成されているものがある。過大な電流が流れた場合には、過電流状態や過熱状態であると検出されてしまい、上述したようなインバータ制御装置20やドライブ回路21による種々のフェールセーフ機能により、スイッチング素子3が強制的にオフ状態に制御される場合がある。これにより、アクティブショートサーキット制御を実行したにも拘わらず、シャットダウン制御が実行された状態と等価となってしまうと、直流リンク電圧Vdcの急上昇やバッテリ電流の急増を招く可能性がある。
そこで、本実施形態では、インバータ10を構成するスイッチング素子3の内の1つが常時オフ状態となるオフ故障した状態では、複数の上段側スイッチング素子31からなる上段側素子群及び複数の下段側スイッチング素子32からなる下段側素子群の内、オフ故障したスイッチング素子3を含む一方の素子群の全てのスイッチング素子3をオフ状態とし、他方の素子群の全てのスイッチング素子3をオン状態として、アクティブショートサーキット制御を実行する。これにより、オフ故障していない健全なスイッチング素子3を用いたアクティブショートサーキット制御が実行される。
詳細は、後述するが、通常の制御によって回転電機80を駆動している際に、交流電流(Iu,Iv,Iw)に基づいてオフ故障したスイッチング素子3を特定することができる場合がある。オフ故障したスイッチング素子3を特定できている場合には、インバータ制御装置20は、特定されたスイッチング素子3を含む側である一方の素子群の全てのスイッチング素子3をオフ状態とし、他方の素子群の全てのスイッチング素子3をオン状態としてアクティブショートサーキット制御を実行する。
アクティブショートサーキット制御を開始する前にオフ故障したスイッチング素子3を特定できていない場合には、途中でアクティブショートサーキット制御の対象段を変更してもよい。この場合、例えば、上段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が予め規定された規定電流以上である場合には、上段側アクティブショートサーキット制御から下段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更し、下段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が規定電流Ith以上である場合には、下段側アクティブショートサーキット制御から上段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更する。
尚、上段側アクティブショートサーキット制御と下段側アクティブショートサーキット制御との間で制御方式を変更する際には、各スイッチング素子3を流れる電流を低減するために、両制御の間に短時間のシャットダウン制御を実行すると好適である(図5の#7〜#9を参照して後述する。)。
以下、図5のタイミングチャート、図6のフローチャートを参照して、アクティブショートサーキット制御を開始した後に、オン状態に制御する対象段を切り換える具体的な実施形態について説明する。図5には、各スイッチング素子3のオン・オフの状態と、ドライブ回路21から出力される警告信号ALMとを例示している。各スイッチング素子3のオン・オフの状態は、故障が生じている場合を除き、ゲート信号GS(スイッチング制御信号SW)の論理レベルとほぼ同じである。オン・オフの状態と、ゲート信号GSとが異なる場合については、ゲート信号GSを破線で示している。各スイッチング素子3のオン・オフ状態は、3相の区別を示すU,V,W、上段側と下段側との区別を示すH,Lにより示している。例えば、“UH”は、U相の上段側スイッチング素子31を示し、“WL”は、W相の下段側スイッチング素子32を示している。警告信号ALMは、末尾において同様の区別を示している。例えば、“ALMUH”は、U相上段側の警告信号ALMを示し、“ALMWL”は、W相下段側の警告信号ALMを示している。
図5において時刻t20までは、通常の制御(例えばパルス幅変調制御)によりインバータ10が制御されている。時刻t10において、U相の下段側スイッチング素子32にオフ故障が生じている。このため、時刻t10の後の第1期間T1では、インバータ10の動作に異常が生じる(図10を参照して後述する。)。例えばこの異常を検出したことによって、インバータ制御装置20は、時刻t20においてフェールセーフ制御の実行を開始する。ここでは、フェールセーフ制御として、下段側アクティブショートサーキット制御が開始される。但し、U相の下段側スイッチング素子32にオフ故障が生じているために、図5に示すように、U相の下段側スイッチング素子32はオン状態とはならず、オフ状態が継続する。
このため、第2期間T2で実行されるこの下段側アクティブショートサーキット制御は、3相アクティブショートサーキット状態ではなく、2相アクティブショートサーキット状態となる。図8は、2相アクティブショートサーキット状態となっているインバータ10の交流電流(Iu,Iv,Iw)、d軸電流Id、q軸電流Iq、及び回転電機80のトルクを示している。還流電流の対称性が崩れ、また、q軸電流Iqの振動も大きくなってトルクにも大きな脈動が生じている。W相電流Iwのピーク値(絶対値)は、規定電流Ith以上となることもある。例えば、図4における第2動作領域A2では、インバータ制御装置20は、このような過電流検出によってオフ故障を検出することができる。
図9は、交流電流の過渡ピーク電流の回転速度特性の一例を示している。PK1は、低温動作時の2相アクティブショートサーキット状態のピーク電圧の絶対値の特性であり、PK2は低温動作時の3相アクティブショートサーキット状態のピーク電圧の特性である。PK3は、高温動作時の2相アクティブショートサーキット状態のピーク電圧の絶対値の特性であり、PK4は高温動作時の3相アクティブショートサーキット状態のピーク電圧の特性である。低温動作時、高温動作時の何れにおいても、2相アクティブショートサーキット状態の場合の方が、過渡電流のピーク電圧の絶対値は大きい。従って、適切に規定電流Ithを設定することで、インバータ制御装置20は、インバータ10が2相アクティブショートサーキット状態であることを判定することができる。
インバータ制御装置20は、このようなアクティブショートサーキット制御の実行中における不具合を解消させるための回避制御(1相オフ故障回避制御)を実行する。図6のフローチャートに示すように、フェールセーフ制御の開始後、インバータ制御装置20は、制御モード(CTRL_MOD)を取得して、取得した制御モードの種別をレジスタ(REG1)に格納する(#1)。次に、インバータ制御装置20は、取得した制御モードが、アクティブショートサーキット制御であるかどうか、即ち、上段側アクティブショートサーキット制御(HASC)及び下段側アクティブショートサーキット制御(LASC)の何れかであるか判定する(#2)。制御モードがアクティブショートサーキット制御ではない場合には、回避制御を行う必要がないので、インバータ制御装置20は処理を終了する。
制御モードが、アクティブショートサーキット制御である場合には、インバータ制御装置20は、エラーフラグ(ERR_FLG)を取得する(#3)。続いて、インバータ制御装置20は、エラーフラグが1相オフ故障(SPH_OFF:Single Phase OFF Fail)であるかどうかを判定する(#4)。エラーフラグが1相オフ故障ではない場合には、回避制御を行う必要がないので、インバータ制御装置20は処理を終了する。
エラーフラグが1相オフ故障の場合、インバータ制御装置20は、次に警告信号ALMの状態を取得し(#5)、警告信号ALMがパワーモジュール30(PWMDL)の異常(FAIL)を示しているかどうかを判定する(#6)。警告信号ALMが有効ではない場合(異常を示していない場合)や、警告信号ALMがパワーモジュール30に起因しない異常を示している場合には、回避制御を行う必要がないので、インバータ制御装置20は処理を終了する。
警告信号ALMがパワーモジュール30の故障を示している場合には、1相オフ故障を生じていて、パワーモジュール30に異常が生じていることになる。例えば、図5に示すように、時刻t31でV相の下段側スイッチング素子32において過電流等の異常が検出されて、V相下段側警告信号ALMVLが有効状態になる。これにより、例えば、時刻t32において、ドライブ回路21が自動的にV相下段側のゲート信号GSの論理レベルをローにしてV相の下段側スイッチング素子32をオフ状態にする。また、インバータ制御装置20がV相下段側のスイッチング制御信号SWの論理レベルをハイ状態に制御していても、V相の下段側スイッチング素子32がオフ状態となる。このため、時刻t32以降の第3期間T3は、いわゆる単相アクティブショートサーキット状態となる。
この状態が継続すると、W相を流れる電流はさらに増加する。図7のタイミングチャートは、回避制御を行わない場合の比較例を示している。W相を流れる電流の増加に伴い、時刻t41でW相の下段側スイッチング素子32において過電流等の異常が検出されて、W相下段側警告信号ALMWLが有効状態になる。これにより、例えば、時刻t42において、ドライブ回路21が自動的にW相下段側のゲート信号GSの論理レベルをローレベルにしてW相の下段側スイッチング素子32をオフ状態にする。これにより、時刻t42以降の期間T40は、シャットダウン制御されている状態と等価になる。回転電機80の回転速度ωが高い場合には、大きな逆起電圧が生じるため、コンタクタ9が閉じている場合には、高圧バッテリ11に大きなバッテリ電流が流れる可能性があり、コンタクタ9が開いている場合には直流リンクコンデンサ4が充電されて直流リンク電圧Vdcが上昇する可能性がある。
回避制御が実行される本実施形態では、ステップ#6で警告信号ALMがパワーモジュール30の異常を示していると判定された場合は、アクティブショートサーキット制御の対象段を切り換える(後述する#10〜#12)。図5に示すように、インバータ制御装置20は、時刻t40において、これまでオン状態に制御されていた下段側スイッチング素子32を全てオフ状態に制御し、これまでオフ状態に制御されていた上段側スイッチング素子31を全てオン状態に制御する。つまり、下段側アクティブショートサーキット制御から、上段側アクティブショートサーキット制御に制御方式(対象段)を切り換える。第4期間T4では、上段側アクティブショートサーキット制御が実行される。
ところで、オフ故障しているスイッチング素子3を含むU相では、アクティブショートサーキット制御の対象段を変更する際に、共にオフ状態の上段側スイッチング素子31及び下段側スイッチング素子32の内、上段側スイッチング素子31がオン状態になる。一方、オフ故障しているスイッチング素子3を含まないV相、W相では、アクティブショートサーキット制御の対象段を変更する前に下段側スイッチング素子32がオン状態であり、変更後には上段側スイッチング素子31がオン状態になる。尚、ここでは、V相の下段側スイッチング素子32がドライブ回路21によってオフ状態にされる前に切り換える場合を想定している。この際、V相、W相では、制御の対象段が切り換わる際に、上段側スイッチング素子31と下段側スイッチング素子32との双方が導通する状態となり、インバータ10の正負両極間が短絡状態となる可能性がある。このため、本実施形態では、インバータ制御装置20は、アクティブショートサーキット制御の制御方式を変更する際に、短時間、シャットダウン制御を実行してインバータ10の各スイッチング素子3を流れる電流を低減する。尚、電流の低減が必要ないような場合には、シャットダウン制御を挟むことなく、アクティブショートサーキット制御の対象段を切り換えてもよい。このシャットダウン制御は、図5のタイミングチャートでは省略しているが、以下、図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示すように、ステップ#6でパワーモジュール30に異常が生じていると判定されると、インバータ制御装置20は制御モードをシャットダウン制御に設定する(#7)。ここで同時にカウンタが起動される(#8,#9)。カウント値(CNT)がシャットダウンカウント値(CNT_SDN)に達すると、シャットダウン制御を終了し、対象段を変更してアクティブショートサーキット制御が実行される。本実施形態では、ステップ#1において取得されてレジスタ(REG1)に格納された制御モードが下段側アクティブショートサーキット制御(LASC)であるか否かが判定され(#10)、下段側アクティブショートサーキット制御である場合には、他方の上段側アクティブショートサーキット制御(HASC)が設定される(#11)。下段側アクティブショートサーキット制御でない場合には、下段側アクティブショートサーキット制御が設定される(#12)。
図5及び図6を参照して上述した形態では、アクティブショートサーキット制御を開始した後に、オフ故障したスイッチング素子3又はオフ故障したスイッチング素子3を含む素子群を特定して、アクティブショートサーキット制御の対象段を切り換える例を示した。しかし、アクティブショートサーキット制御を開始する前に、オフ故障しているスイッチング素子3又はオフ故障したスイッチング素子3を含む素子群を特定して、アクティブショートサーキット制御を開始してもよい。つまり、インバータ制御装置20は、特定されたスイッチング素子3を含む側である一方の素子群の全てのスイッチング素子3をオフ状態とし、他方の素子群の全てのスイッチング素子3をオン状態としてアクティブショートサーキット制御を実行してもよい。
図10の波形図は、オフ故障状態での通常制御時の電流及びトルクの一例を示している。図10に示すように、1つのスイッチング素子3がオフ故障していると、3相の交流電流の対称性が崩れる。U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの相互の関係を解析することによって、オフ故障の有無の判定やオフ故障しているスイッチング素子3の特定が可能である。例えば、図4における第3動作領域A3では、インバータ制御装置20は、このような3相の交流電流の相互の関係を解析することによってオフ故障を検出することができる。
3相の交流電流の相互の関係を解析する手法については、例えば、技術論文「A. M. S. Mendes and A. J. Marques,“Voltage Source Inverter Fault Diagnosis in Variable Speed AC Drives, by the Average Current Park’s Vector Approach”、0-7803-5293-9/99, $10.00, 1999, IEEE 」等において紹介されているように公知であるから、詳細な説明は省略する。また、オフ故障しているスイッチング素子3には電流が流れないため、素子の温度の上昇も抑制される。スイッチング素子3が温度センサ等を含むパワーモジュールとして構成されている場合など、スイッチング素子3の温度がモニターされていれば、各スイッチング素子3の温度に基づいて各スイッチング素子3の故障の有無を判定できる場合がある。尚、図10に示すように、d軸電流Id及びq軸電流Iqも、オフ故障が生じていると大きく振動する。また、トルクTも、トルク指令Tに対して大きく振動する。このため、dq軸電流やトルクTに基づいてオフ故障の有無の判定を行うことも可能である。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明したインバータ制御装置(20)の概要について簡単に説明する。
直流電源(11)に接続されると共に交流の回転電機(80)に接続されて直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータ(10)を制御するインバータ制御装置(20)は、1つの態様として、
前記インバータ(10)は、前記直流電源(11)の正極側に接続された複数の上段側スイッチング素子(31)からなる上段側素子群と、前記直流電源(11)の負極側に接続された複数の下段側スイッチング素子(32)からなる下段側素子群と、を構成する複数のスイッチング素子(3)を備え、
前記インバータ(10)を構成する前記スイッチング素子(3)の内の1つが常時オフ状態となるオフ故障した状態で、
前記上段側素子群及び前記下段側素子群の内、前記オフ故障した前記スイッチング素子(3)を含む一方の素子群の全ての前記スイッチング素子(3)をオフ状態とし、他方の素子群の全ての前記スイッチング素子(3)をオン状態として、前記インバータ(10)と前記回転電機(80)との間で電流を還流させるアクティブショートサーキット制御を実行する。
この構成によれば、1つのスイッチング素子(3)がオフ故障していても、その故障しているスイッチング素子(3)を含む一方の素子群をオフ状態とし、他方の素子群をオン状態としてアクティブショートサーキット制御が実行される。このため、オフ故障しているスイッチング素子(3)は、故障していない状態と同じ機能を果たすことになる。その結果、1つのスイッチング素子(3)がオフ故障していても、複数相の全相を使って電流を還流させることができ、故障を生じていない健全なスイッチング素子(3)に過大な電流が流れることを抑制できる。このように、本構成によれば、インバータ(10)のスイッチング素子(3)の1つがオフ故障していても、適切にアクティブショートサーキット制御を行うことができる。
また、インバータ制御装置(20)は、前記回転電機(80)の回転中に、前記インバータ(10)の異常が検出された場合に、前記アクティブショートサーキット制御として、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子(31)の全てをオフ状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子(32)の全てをオン状態とする下段側アクティブショートサーキット制御を実行し、前記下段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が予め規定された規定電流(Ith)以上である場合には、前記下段側アクティブショートサーキット制御から、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子(31)の全てをオン状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子(32)の全てをオフ状態とする上段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更すると好適である。
また、インバータ制御装置(20)は、前記回転電機(80)の回転中に、前記インバータ(10)の異常が検出された場合に、前記アクティブショートサーキット制御として、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子(31)の全てをオン状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子(32)の全てをオフ状態とする上段側アクティブショートサーキット制御を実行し、前記上段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が予め規定された規定電流(Ith)以上である場合には、前記上段側アクティブショートサーキット制御から、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子(31)の全てをオフ状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子(32)の全てをオン状態とする下段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更すると好適である。
1つのスイッチング素子(3)がオフ故障していることが判らないまま、或いは、どのスイッチング素子(3)がオフ故障しているか判らないままで、アクティブショートサーキット制御が開始される場合がある。しかし、オン状態に制御されるべきスイッチング素子(3)がオフ故障していると、還流電流が流れる経路が減少するために、1相当たりに流れる電流が増加する。従って、インバータ制御装置(20)は、交流電流に基づいて、オフ故障が発生している可能性を判定することができる。既にアクティブショートサーキット制御が開始されている場合、インバータ制御装置(20)は、その時点でオン状態に制御されている素子群にオフ故障したスイッチング素子(3)が含まれていることを判定できる。例えば、下段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が規定電流(Ith)以上であれば、下段側素子群にオフ故障しているスイッチング素子(3)が含まれていると判定することができる。また、上段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が規定電流(Ith)以上であれば、上段側素子群にオフ故障しているスイッチング素子(3)が含まれていると判定することができる。
この判定結果に応じて、インバータ制御装置(10)は、アクティブショートサーキット制御においてオン状態に制御する対象を上段側素子群と下段側素子群との間で切り換えることによって、オフ故障しているスイッチング素子(3)を故障していない状態と同じ機能を果たすように制御することができる。例えば、下段側アクティブショートサーキット制御を実行していた場合は、オン状態に制御する対象を下段側素子群から上段側素子群に切り換える。オフ故障しているスイッチング素子(3)を含む下段側素子群はオフ状態に制御されるので、オフ故障しているスイッチング素子(3)は故障していない状態と同じ機能を果たすことになる。また、上段側アクティブショートサーキット制御を実行していた場合は、オン状態に制御する対象を上段側素子群から下段側素子群に切り換える。オフ故障しているスイッチング素子(3)を含む上段側素子群はオフ状態に制御されるので、オフ故障しているスイッチング素子(3)は故障していない状態と同じ機能を果たすことになる。このように、これらの構成によれば、インバータ(10)のスイッチング素子(3)の1つがオフ故障していても、適切にアクティブショートサーキット制御を行うことができる。
インバータ制御装置(20)は、アクティブショートサーキット制御においてオン状態に制御する対象を上段側素子群と下段側素子群との間で切り換えて、前記アクティブショートサーキット制御の制御方式を変更する際には、前記上段側アクティブショートサーキット制御と前記下段側アクティブショートサーキット制御との間で、前記インバータ(10)の全ての前記スイッチング素子(3)を全てオフ状態とするシャットダウン制御を実行すると好適である。
アクティブショートサーキット制御では、還流電流が流れることによってインバータ(10)や回転電機(80)が発熱する。従って、シャットダウン制御によって、各スイッチング素子3を流れる電流を低減すると好適である。
また、1つの態様として、インバータ制御装置(20)は、前記オフ故障した前記スイッチング素子(3)を特定し、当該特定されたスイッチング素子(3)を含む側である一方の素子群の全ての前記スイッチング素子(3)をオフ状態とし、他方の素子群の全ての前記スイッチング素子(3)をオン状態として前記アクティブショートサーキット制御を実行すると好適である。
インバータ(10)が、パルス幅変調など通常の制御方式でインバータ(10)を制御している場合も、オフ故障しているスイッチング素子(3)が存在すると交流電流に乱れが生じる。従って、インバータ制御装置(20)は、例えば交流電流(Iu,Iv,Iw)に基づいて、故障しているスイッチング素子(3)を特定することができる。また、オフ故障しているスイッチング素子(3)には電流が流れず、素子の温度の上昇も抑制されるため、各スイッチング素子3の温度に基づいて故障しているスイッチング素子(3)を特定できる場合もある。インバータ制御装置(20)は、故障していることが特定されたスイッチング素子(3)を含む素子群がオフ状態となるように、アクティブショートサーキット制御を実行することで、適切にアクティブショートサーキット制御を行うことができる。
インバータ制御装置(20)は、前記回転電機(80)の回転速度(ω)が予め規定された規定回転速度以上の場合には、前記アクティブショートサーキット制御を実行し、前記規定回転速度未満の場合には、前記インバータ(10)の全ての前記スイッチング素子(3)を全てオフ状態とするシャットダウン制御を実行すると好適である。
インバータ(10)に対するフェールセーフ制御の形態には、アクティブショートサーキット制御の他、シャットダウン制御もある。シャットダウン制御では、回転電機(80)の逆起電力によってインバータ(10)の直流側にエネルギーが回生される。逆起電力のエネルギーは、回転電機(80)の運動エネルギーが大きい程、つまり、回転電機(80)の回転速度(ω)が高い程大きくなる。逆起電力のエネルギーが高ければ、インバータ(10)の直流側に接続された回路(直流電源、コンデンサ、その他の機器など)に影響を与えるおそれが高くなるが、逆起電力のエネルギーが低ければそのおそれは小さい。また、アクティブショートサーキット制御では、シャットダウン制御に比べて長い時間、インバータ(10)に電流が流れる。シャットダウン制御では、迅速にインバータ(10)に流れる電流を収束させることができる。従って、回転電機(80)の回転速度(ω)が規定回転速度未満で逆起電力が小さい場合には、シャットダウン制御が実行されると好適である。
ω :回転速度
ω1 :規定回転速度
1 :車両用駆動制御装置
3 :スイッチング素子
10 :インバータ
11 :高圧バッテリ(直流電源)
20 :インバータ制御装置
31 :上段側スイッチング素子
32 :下段側スイッチング素子
80 :回転電機
Ith :規定電流
Iu :U相電流(交流電流)
Iv :V相電流(交流電流)
Iw :W相電流(交流電流)
Vdc :直流リンク電圧

Claims (6)

  1. 直流電源に接続されると共に交流の回転電機に接続されて直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータを制御するインバータ制御装置であって、
    前記インバータは、前記直流電源の正極側に接続された複数の上段側スイッチング素子からなる上段側素子群と、前記直流電源の負極側に接続された複数の下段側スイッチング素子からなる下段側素子群と、を構成する複数のスイッチング素子を備え、
    前記インバータを構成する前記スイッチング素子の内の1つが常時オフ状態となるオフ故障した状態で、
    前記上段側素子群及び前記下段側素子群の内、前記オフ故障した前記スイッチング素子を含む一方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオフ状態とし、他方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオン状態として、前記インバータと前記回転電機との間で電流を還流させるアクティブショートサーキット制御を実行するインバータ制御装置。
  2. 前記回転電機の回転中に、前記インバータの異常が検出された場合に、
    前記アクティブショートサーキット制御として、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子の全てをオフ状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子の全てをオン状態とする下段側アクティブショートサーキット制御を実行し、
    前記下段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が予め規定された規定電流以上である場合には、前記下段側アクティブショートサーキット制御から、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子の全てをオン状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子の全てをオフ状態とする上段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更する、請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記回転電機の回転中に、前記インバータの異常が検出された場合に、
    前記アクティブショートサーキット制御として、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子の全てをオン状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子の全てをオフ状態とする上段側アクティブショートサーキット制御を実行し、
    前記上段側アクティブショートサーキット制御の実行中において、交流電流が予め規定された規定電流以上である場合には、前記上段側アクティブショートサーキット制御から、前記上段側素子群の複数の前記上段側スイッチング素子の全てをオフ状態とし前記下段側素子群の複数の前記下段側スイッチング素子の全てをオン状態とする下段側アクティブショートサーキット制御に制御方式を変更する、請求項1に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記アクティブショートサーキット制御の制御方式を変更する際には、前記上段側アクティブショートサーキット制御と前記下段側アクティブショートサーキット制御との間で、前記インバータの全ての前記スイッチング素子を全てオフ状態とするシャットダウン制御を実行する請求項2又は3に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記オフ故障した前記スイッチング素子を特定し、当該特定されたスイッチング素子を含む側である一方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオフ状態とし、他方の素子群の全ての前記スイッチング素子をオン状態として前記アクティブショートサーキット制御を実行する請求項1に記載のインバータ制御装置。
  6. 前記回転電機の回転速度が予め規定された規定回転速度以上の場合には、前記アクティブショートサーキット制御を実行し、前記規定回転速度未満の場合には、前記インバータの全ての前記スイッチング素子を全てオフ状態とするシャットダウン制御を実行する請求項1から5の何れか一項に記載のインバータ制御装置。
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