JP2019124781A - 光学補償フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は光学材料として好適な光学補償フィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、位相差特性、波長依存性、加熱時の位相差安定性に優れる光学補償フィルムを製造する方法に関する。【解決手段】 フマル酸エステル系重合体樹脂を含むフィルムを50℃〜200℃で一軸以上で延伸した後、続けて該延伸したフィルムを固定下で、100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持して光学補償フィルムを得ることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。【選択図】 図1
Description
本発明は光学材料として好適な光学補償フィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、位相差特性、波長依存性、加熱時の位相差安定性に優れる光学補償フィルムを製造する方法に関する。
液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話からコンピューター用モニター、ノートパソコン、テレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。特に光学補償フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償など大きな役割を果たしている。従来の光学補償フィルムとしては、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンが用いられているが、これらの高分子はいずれも正の複屈折を有する高分子である。ここで、複屈折の正負は下記に示すように定義される。
延伸等で分子配向した高分子フィルムの光学異方性は、図1に示す屈折率楕円体で表すことができる。ここで、フィルムを延伸した場合のフィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと垂直方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzと示す。なお、進相軸とはフィルム面内における屈折率の低い軸方向である。
そして、負の複屈折率とは延伸方向が進相軸方向となるものであり、正の複屈折率とは延伸方向と垂直方向が進相軸方向となるものである。
つまり、負の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)、正の複屈折を有する高分子の一軸延伸では延伸軸方向と直交する軸方向の屈折率が小さい(進相軸:延伸方向と直交方向)。
また、面内位相差(Re)は、進相軸方向と直交方向の屈折率(ny)−進相軸方向の屈折率(nx)にフィルムの厚みを掛けた値として表される。
多くの高分子は正の複屈折性を有する。負の複屈折を有する高分子としてはアクリル樹脂やポリスチレンがあるが、アクリル樹脂は位相差の発現性が小さく、光学補償フィルムとしての特性は十分でない。ポリスチレンは、室温領域での光弾性係数が大きくわずかな応力で位相差が変化するなど位相差の安定性の課題、位相差の波長依存性が大きいといった光学特性上の課題、更に耐熱性が低いといった実用上の課題があり現状用いられていない。
ここで位相差の波長依存性とは、位相差が測定波長に依存して変化することを意味し、波長450nmで測定した位相差(R450)と波長550nmで測定した位相差(R550)の比R450/R550として表すことができる。一般に芳香族構造の高分子ではこのR450/R550が大きくなる傾向が強く、低波長領域でのコントラストや視野角特性が低下する。
負の複屈折を示す高分子の延伸フィルムはフィルムの厚み方向の屈折率が高く、従来にない光学補償フィルムとなるため、例えばスーパーツイストネマチック型液晶(STN−LCD)や垂直配向型液晶(VA−LCD)、面内配向型液晶(IPS−LCD)、反射型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイなどのディスプレイの視角特性の補償用の光学補償フィルムや偏光板の視角を補償するための光学補償フィルムとして有用であり、負の複屈折を有する光学補償フィルムに対して市場の要求が強い。
このような負の複屈折を有する光学補償フィルムとして、正の複屈折を有する高分子を用いてフィルムの厚み方向の屈折率を高めたフィルムの製造方法が提案されている。ひとつは高分子フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルムを接着し、その積層体を加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかける方法である(例えば特許文献1〜3参照。)。また、高分子フィルムに電場を印加しながら面内に一軸延伸する方法が提案されている(例えば特許文献4参照。)。また、負の光学異方性を有する微粒子と透明性高分子からなる光学補償フィルムが提案されている(例えば特許文献5参照。)。
しかし、特許文献1〜4において提案された方法は、製造工程が非常に複雑になるため生産性に劣るといった課題がある。また位相差の均一性などの制御も従来の延伸による制御に比べると著しく難しくなる。更に位相差の波長依存性が大きいなどの課題を抱えている。
また、特許文献5で得られる光学補償フィルムは、負の光学異方性を有する微粒子を添加することにより負の複屈折を有する光学補償フィルムであり、製造方法の簡便化及び経済性の観点から、微粒子を添加する必要のない光学補償フィルムが求められている。
また、負の複屈折を有する高分子を用いる方法が提案されており、例えば、液晶性高分子フィルムを塗布し、ホメオトロピック配向させた光学補償フィルムまたは光学補償層が提案されている(例えば特許文献6参照。)。また、ポリビニルナフタレンやポリビニルビフェニルなどの芳香族ポリマーを塗布した光学補償膜が提案されている(例えば特許文献7、非特許文献1参照。)。また、ポリビニルカルバゾール系高分子を用いた光学フィルムが提案されている(例えば特許文献8参照。)。さらに、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば特許文献9参照)。
しかし、特許文献6に記載の方法では液晶性高分子を均一にホメオトロピック配向させることが難しいという課題がある。また、特許文献7、8および非特許文献1に記載の方法では、得られる膜が割れやすいことや位相差の波長依存性が大きいといった課題があり、かつ、ガラス域の光弾性係数が高く位相差が安定しないといった課題がある。
特許文献9で得られる位相差フィルムは、位相差特性、波長依存性等の光学特性に優れてはいるものの、高温での耐久性が要求される偏光板部材として使用する場合、加熱時の位相差安定性に課題があり、位相差の安定性の改善が望まれていた。
日本レオロジー学会誌Vol.22、No.2、129−134(1994)
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相差特性、波長依存性、加熱時の位相差安定性等の光学特性に優れた光学補償フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の樹脂を含むフィルムを特定の条件で延伸加工する製造方法が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フマル酸エステル系重合体樹脂を含むフィルムを50℃〜200℃で一軸以上で延伸した後、続けて該延伸したフィルムを固定下で、100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持して光学補償フィルムを得ることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光学補償フィルムの製造方法は、フマル酸エステル系重合体樹脂を含むフィルムを50℃〜200℃で一軸以上で延伸した後、続けて該延伸したフィルムを固定下で、100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持することで光学補償フィルムを製造するものである。
本発明で用いるフマル酸エステル系重合体樹脂としては、特に光学補償性能、耐熱性、機械特性等により優れるフィルムを提供することが可能となることから、下記一般式(1)で示されるフマル酸エステル残基単位30モル%以上を含むフマル酸エステル系重合体樹脂が好ましく、50モル%以上を含むフマル酸エステル系重合体樹脂がさらに好ましく、70モル%以上を含むフマル酸エステル系重合体樹脂であることが特に好ましい。
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す)
ここで、一般式(1)のフマル酸エステル残基単位のエステル置換基であるR1、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、フッ素、塩素などのハロゲン基;エーテル基;エステル基又はアミノ基で置換されていても良く、例えば、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等の1種又は2種以上が挙げられ、特に耐熱性、機械特性に優れた光学補償フィルムとなることからエチル基、イソプロピル基、n−ブチル、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等であることが好ましく、イソプロピル基がさらに好ましい。
ここで、一般式(1)のフマル酸エステル残基単位のエステル置換基であるR1、R2は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、フッ素、塩素などのハロゲン基;エーテル基;エステル基又はアミノ基で置換されていても良く、例えば、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等の1種又は2種以上が挙げられ、特に耐熱性、機械特性に優れた光学補償フィルムとなることからエチル基、イソプロピル基、n−ブチル、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等であることが好ましく、イソプロピル基がさらに好ましい。
一般式(1)により示されるフマル酸エステル残基単位としては、具体的にはフマル酸ジエチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ペンチル残基、フマル酸ジ−s−ヘキシル残基、フマル酸ジ−t−ヘキシル残基、フマル酸ジ−シクロプロピル残基、フマル酸ジ−シクロペンチル残基、フマル酸ジ−シクロヘキシル残基、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)残基、フマル酸ジ−n−オクチル残基等の1種又は2種以上が挙げられ、その中でも耐熱性、機械特性に優れた光学補償フィルムとなるため、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基、フマル酸ジ−n−オクチル残基等が好ましく、フマル酸ジイソプロピル残基がさらに好ましい。
具体的なフマル酸エステル系重合体樹脂としては、例えば、フマル酸ジイソプロピル重合体、フマル酸ジ−n−ブチル重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジメチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体等が挙げられ、その中でも耐熱性、機械特性に優れた光学補償フィルムとなるため、フマル酸ジイソプロピル重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体、フマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体が好ましい。
また、本発明の光学補償フィルムを構成するフマル酸エステル系重合体樹脂には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、その他の単量体残基を含有していても良く、該その他の単量体残基としては、例えば、スチレン残基、α−メチルスチレン残基等のスチレン類残基;アクリル酸残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基等のアクリル酸エステル類残基;メタクリル酸残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基、メタクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基等のメタクリル酸エステル類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基等のビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;エチレン残基、プロピレン残基等のオレフィン類残基等の1種又は2種以上を挙げることができる。
フマル酸エステル系重合体樹脂は、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103〜5×106のものであることが好ましく、5×104〜5×105のものであることがさらに好ましい。
本発明の光学補償フィルムを構成するフマル酸エステル系重合体樹脂の製造方法としては、フマル酸エステル系重合体樹脂が得られる限り特に制限はなく、例えば、フマル酸エステル類のラジカル重合を行うことにより製造することができる。
また、用いるラジカル重合としては、公知の重合方法で行うことが可能であり、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法を行う際の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン(THF);アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明における懸濁重合法としては、公知のラジカル懸濁重合法を採用可能であり、水性媒体を用いる限り特に制限はない。また、水性媒体としては、特に制限はなく、例えば、水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等を挙げることができる。
懸濁重合法において一般的に用いられる分散剤を使用することが可能であり、該分散剤に特に制限はなく、公知の分散剤を使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系分散剤;メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロースヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系分散剤;りん酸カルシウム等の無機化合物等を挙げることができ、その中でも懸濁重合がより安定することから、セルロース系分散剤が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
本発明のフマル酸エステル系重合体樹脂の製造方法における水性媒体、単量体、分散剤、重合開始剤の配合割合は、所望するフマル酸エステル系重合体の品質により適宜選択することが可能であり、その中でもより生産効率に優れたフマル酸エステル系重合体樹脂の製造方法となることから、水性媒体100重量部に対し、単量体50〜150重量部、分散剤0.01〜20重量部、油溶性ラジカル重合開始剤0.001〜5重量部として用いることが好ましい。
本発明における懸濁重合法における反応装置としては、特に制限はなく、公知の装置を使用することができ、例えば、撹拌翼、温度調整装置等を備えた反応釜であって、グラスライニング(GL)、ステンレス(SUS)製等の反応釜等を挙げることができる。また、撹拌翼については、例えば、パドル翼、4枚パドル翼、アンカー翼、3枚後退翼、6枚タービン翼、ブルーマージン翼等を挙げることができる。
本発明の光学補償フィルムの製造方法におけるフマル酸エステル系重合体樹脂を含むフィルムの製造方法としては特に制限はなく、例えば、溶液キャスト法、溶融キャスト法等の方法等が挙げられる。
溶液キャスト法は、フマル酸エステル系重合体樹脂を溶媒に溶解した溶液(以下、ドープと称する。)を支持基板上に流延した後、加熱等により溶媒を除去しフィルムを得る方法である。その際ドープを支持基板上に流延する方法としては、例えば、Tダイ法、ドクターブレード法、バーコーター法、ロールコーター法、リップコーター法等が用いられる。特に、工業的にはダイからドープをベルト状又はドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が最も一般的である。用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板;ステンレスやフェロタイプ等の金属基板;ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチック基板などが挙げられる。溶液キャスト法において、高い透明性を有し、且つ厚み精度、表面平滑性に優れたフィルムを製膜する際には、ドープの溶液粘度は極めて重要な因子であり、700〜30000cpsが好ましく、1000〜10000cpsであることがさらに好ましい。
また、溶融キャスト法とは、フマル酸エステル系重合体樹脂を押出機内で溶融し、Tダイのスリットからフィルム状に押出した後、ロールやエアーなどで冷却しつつ引き取る成形法である。
そして、本発明の光学補償フィルムの製造方法では、前述により得られたフィルムを50℃〜200℃で一軸以上に延伸することにより位相差を制御するものである。ここで、本発明において、該延伸する際の温度が50℃〜200℃でないとき、位相差性能に劣るものとなる。本発明において、該延伸する際の温度が80℃〜180℃であることが好ましい。
該延伸する際に、一軸に延伸する延伸方法としては、例えば、自由幅一軸延伸、テンターにより延伸する方法、ロール間で延伸する方法などが挙げられ、ニ軸に延伸する延伸方法としては、例えば、テンターにより延伸する方法、チューブ状に膨らませて延伸する方法などが挙げられる。
該延伸する際のフィルムの厚みは、延伸処理のし易さおよび光学部材の薄膜化への適合性の観点から、10〜200μmが好ましく、30〜180μmがさらに好ましく、30〜150μmが特に好ましい。
その延伸条件としては、厚みむらが発生し難く、機械的特性、光学的特性に優れる光学補償フィルムとなることから、延伸倍率は1.01〜3倍が好ましく、さらに好ましくは1.01〜2倍である。
本発明の光学補償フィルムの製造方法では、フィルムを延伸した後、続けて該延伸したフィルムを固定下で100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持するものである。本発明において、フィルムを延伸後に続けて該延伸したフィルムを固定下で100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持しないとき、得られる光学補償フィルムは、加熱時の位相差安定性が劣るものとなる。本発明において、120℃〜180℃で1分〜10分加熱保持することが好ましい。
該延伸したフィルムを固定するとき、固定方法としては特に制限はなく、例えば、テンター中でクリップやピン等によってフィルムを把持した状態で加熱すること等が挙げられる。
また、上記の加熱保持の後にフィルムを取り出す際の温度に特に制限はなく、送風による急冷や大気下での徐冷等を施してもよい。
本発明の光学補償フィルムの製造方法により得られる光学補償フィルムは、位相差特性、波長依存性等に優れたものとなることから、フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと垂直方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、nx≦ny<nzの関係にあり、450nmの光で測定した位相差と550nmの光で測定した位相差との比(R450/R550)が1.1以下であることが好ましい。
また、該光学補償フィルムは、より光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、下記式(1)により示される波長550nmで測定した面内位相差(Re)が0〜300nmであることが好ましく、さらに0〜290nmであることが好ましく、特に0〜280nmであることが好ましい。
Re=(ny−nx)×d (1)
(ここで、dはフィルムの厚みを示す。)
また、該光学補償フィルムと偏光板を積層し一体化されてなる円偏光フィルムとして用いる際の面内位相差(Re)としては、光学補償性能に優れたものとなるため、100〜200nmが好ましい。ここで、該円偏光フィルムは、反射型液晶ディスプレイの補償フィルムの他、有機ELディスプレイなどの反射防止フィルム、輝度向上フィルムなどにも有用である。
(ここで、dはフィルムの厚みを示す。)
また、該光学補償フィルムと偏光板を積層し一体化されてなる円偏光フィルムとして用いる際の面内位相差(Re)としては、光学補償性能に優れたものとなるため、100〜200nmが好ましい。ここで、該円偏光フィルムは、反射型液晶ディスプレイの補償フィルムの他、有機ELディスプレイなどの反射防止フィルム、輝度向上フィルムなどにも有用である。
また、該光学補償フィルムは、下記式(2)により示される波長550nmで測定した面外位相差(Rth)が−30〜−300nmであることが好ましく、さらに好ましくは−50〜−300nmであり、特に好ましくは−80〜−300nmである。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
該光学補償フィルムは位相差安定性に優れたものであり、高熱環境下でも高い位相差安定性が要求される偏光板用途などにも有用である。
該光学補償フィルムは位相差安定性に優れたものであり、高熱環境下でも高い位相差安定性が要求される偏光板用途などにも有用である。
本発明の光学補償フィルムの製造方法により得られる光学補償フィルムは、より高い位相差安定性を有する光学補償フィルムを得るのに好適であるため、該光学補償フィルムを90℃で24時間熱処理を実施した後、下記式(3)により示される熱処理前後の面外位相差の比(保持率)が97%以上であることが好ましく、98%以上であることがさらに好ましい。
保持率=Rth2/Rth1×100 (3)
(ここで、Rth1は熱処理前の面外位相差、Rth2は熱処理後の面外位相差を示す。)
また、該光学補償フィルムの厚みは、5〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜80μmであり、特に好ましくは10〜60μmの範囲である。
(ここで、Rth1は熱処理前の面外位相差、Rth2は熱処理後の面外位相差を示す。)
また、該光学補償フィルムの厚みは、5〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜80μmであり、特に好ましくは10〜60μmの範囲である。
該光学補償フィルムは、フィルム成形時又はフィルム自体の熱安定性を高めるために酸化防止剤が配合されていることが好ましい。該酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、その他酸化防止剤等が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独又は併用して用いても良い。そして、相乗的に酸化防止作用が向上することからヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用して用いることが好ましく、その際には例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤100重量部に対してリン系酸化防止剤を100〜500重量部で混合して使用することが好ましい。また、酸化防止剤の添加量としては、該光学補償フィルムを構成するフマル酸エステル系重合体樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.5〜1重量部がさらに好ましい。
さらに、紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエートなどの紫外線吸収剤を必要に応じて配合していてもよい。
該光学補償フィルムは、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等が配合されたものであってもよい。
本発明の光学補償フィルムは、偏光板と積層して円又は楕円偏光板として用いることもできるし、さらに、ポリビニルアルコール/沃素等からなる偏光子と積層し偏光板とすることもできる。また、本発明の光学補償フィルム同士又は他の光学補償フィルムと積層することもできる。
本発明によると、液晶ディスプレイのコントラストや視角特性の補償フィルムや反射防止フィルムとして有用な、フィルムの厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、加熱時の位相差安定性に優れた光学補償フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR―Hを装着))を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<重合体の解析>
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
<光学補償フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作製した光学補償フィルムの光線透過率およびヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
作製した光学補償フィルムの光線透過率およびヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)との比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)との比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。
<位相差の安定性の評価>
作製した光学補償フィルムについて、90℃で24時間熱処理を実施した後、下記式(3)により示される熱処理前後の面外位相差の比(保持率)により、位相差の安定性を評価した。
作製した光学補償フィルムについて、90℃で24時間熱処理を実施した後、下記式(3)により示される熱処理前後の面外位相差の比(保持率)により、位相差の安定性を評価した。
保持率=Rth2/Rth1×100 (3)
(ここで、Rth1は熱処理前の面外位相差、Rth2は熱処理後の面外位相差を示す。)
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル400.0g及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。
(ここで、Rth1は熱処理前の面外位相差、Rth2は熱処理後の面外位相差を示す。)
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル400.0g及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は129,000であった。
合成例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジエチル49.1g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、14.0重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:75%)。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジエチル49.1g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、14.0重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:75%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は138,000であった。1H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマル酸ジエチル残基単位=86.7/13.3(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体であることを確認した。
合成例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル340.5g、フマル酸ジ−n−ブチル59.5g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、17.6重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:76%)。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル340.5g、フマル酸ジ−n−ブチル59.5g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、17.6重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:76%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は117,000であった。1H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマル酸ジ−n−ブチル残基単位=88.5/11.5(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体であることを確認した。
合成例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル332.2g、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:73%)。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル332.2g、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:73%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は140,000であった。1H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)残基単位=87.4/12.6(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体であることを確認した。
合成例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジ−n−オクチル67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル350.9g、フマル酸ジ−n−オクチル67.8g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、20.4重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で28時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:77%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は125,000であった。1H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/フマル酸ジ−n−オクチル残基単位=87.2/12.8(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体であることを確認した。
合成例6
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル389.4g、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル10.6g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、2.7重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:75%)。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル389.4g、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル10.6g(フマル酸ジイソプロピル100重量部に対し、2.7重量部)及び油溶性ラジカル開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水で2回洗浄およびメタノールで2回洗浄後、80℃で減圧乾燥した(収率:75%)。
得られたフマル酸エステル系重合体樹脂の数平均分子量は109,000であった。1H−NMR測定により、ポリマー粒子はフマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96.2/3.8(モル%)であるフマル酸ジイソプロピル・アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体であることを確認した。
フィルム作成例1
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
フィルム作成例2
合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジエチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
フィルム作成例3
合成例3で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
合成例3で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−ブチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
フィルム作成例4
合成例4で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
合成例4で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み40μmのフィルムを得た。
フィルム作成例5
合成例5で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
合成例5で得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸ジ−n−オクチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
フィルム作成例6
合成例6で得られたフマル酸ジイソプロピル・アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
合成例6で得られたフマル酸ジイソプロピル・アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体をトルエン・メチルエチルケトン混合溶液(トルエン/メチルエチルケトン=50重量%/50重量%)に溶解して20%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、80℃および130℃で各々4分乾燥し、幅250mm、厚み45μmのフィルムを得た。
フィルム作成例7
ポリカーボネート樹脂(アルドリッチ製)を塩化メチレン溶液に溶解し25%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、40℃、80℃および120℃で各々15分乾燥した後、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
ポリカーボネート樹脂(アルドリッチ製)を塩化メチレン溶液に溶解し25%溶液とし、Tダイ法により溶液流延装置の支持基板に流延し、40℃、80℃および120℃で各々15分乾燥した後、幅250mm、厚み50μmのフィルムを得た。
実施例1
フィルム作成例1で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4701、ny=1.4702、nz=1.4755)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.8nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−201nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.0%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例1で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4701、ny=1.4702、nz=1.4755)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.8nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−201nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.0%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
実施例2
フィルム作成例2で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4698、ny=1.4699、nz=1.4756)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.7nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−213nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.02、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例2で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4698、ny=1.4699、nz=1.4756)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.7nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−213nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.02、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
実施例3
フィルム作成例3で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4699、ny=1.4700、nz=1.4761)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.3nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−200nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.3%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例3で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で5分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4699、ny=1.4700、nz=1.4761)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.3nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−200nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.3%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
実施例4
フィルム作成例4で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4695、ny=1.4696、nz=1.4752)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.5nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−197nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例4で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4695、ny=1.4696、nz=1.4752)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.5nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−197nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
実施例5
フィルム作成例5で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4685、ny=1.4687、nz=1.4749)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは7.3nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−229nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.02、面外位相差の保持率は99.2%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例5で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度140℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4685、ny=1.4687、nz=1.4749)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは7.3nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−229nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.02、面外位相差の保持率は99.2%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
実施例6
フィルム作成例6で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4686、ny=1.4687、nz=1.4748)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.6nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−221nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
フィルム作成例6で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸した。さらに、延伸したフィルムを固定したまま150℃で10分間加熱保持し、得られた光学補償フィルムを延伸装置から取り出した。光学補償フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4686、ny=1.4687、nz=1.4748)から、得られた光学補償フィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは3.6nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−221nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は99.1%であり、位相差の安定性に優れるものであった。
これらの結果から、得られた光学補償フィルムは、負の複屈折を有し、厚み方向の屈折率が大きく、波長依存性が小さく、位相差の安定性に優れることから光学補償フィルムに適したものであった。
比較例1
フィルム作成例1で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸し、直ちに該フィルムを延伸装置から取り出した。該フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4701、ny=1.4703、nz=1.4756)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは7.5nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−202nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は88.0%であり、位相差の安定性に劣るものであった。
フィルム作成例1で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸し、直ちに該フィルムを延伸装置から取り出した。該フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.4701、ny=1.4703、nz=1.4756)から、得られたフィルムはnx≦ny<nzとフィルムの厚み方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは7.5nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは−202nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.01、面外位相差の保持率は88.0%であり、位相差の安定性に劣るものであった。
これらの結果から、延伸により得られたフィルムは、延伸後の加熱処理を施さなかったために位相差の安定性に課題があった。
比較例2
フィルム作成例7で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸し、直ちに該フィルムを延伸装置から取り出した。該フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.5855、ny=1.5859、nz=1.5832)から、得られたフィルムはnz<nx≦nyとフィルムの面内方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは16.4nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは103nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.18であった。
フィルム作成例7で得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)により温度150℃、延伸速度10mm/min.の条件にて二軸延伸を施し1.25倍延伸し、直ちに該フィルムを延伸装置から取り出した。該フィルムの3次元屈折率測定の結果(nx=1.5855、ny=1.5859、nz=1.5832)から、得られたフィルムはnz<nx≦nyとフィルムの面内方向の屈折率が大きかった。面内位相差Re=(ny−nx)×dは16.4nm、面外位相差Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×dは103nm、位相差の比(R450/R550)(波長依存性)は1.18であった。
これらの結果から、延伸により得られたフィルムは、フマル酸エステル系重合体樹脂を用いなかったためIPS−LCDの視野角補償性能の光学補償フィルムに適したものではなかった。
Claims (5)
- フマル酸エステル系重合体樹脂を含むフィルムを50℃〜200℃で一軸以上で延伸した後、続けて該延伸したフィルムを固定下で、100℃〜200℃で1分〜15分加熱保持して光学補償フィルムを得ることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
- フマル酸エステル系重合体樹脂が、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジ−n−プロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル残基からから選ばれるフマル酸エステル残基単位を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学補償フィルムの製造方法。
- フィルム面内の進相軸方向の屈折率をnx、それと垂直方向の屈折率をny、フィルムの厚み方向の屈折率をnzとした場合に、nx≦ny<nzの関係にあり、波長450nmの光で測定した位相差と波長550nmの光で測定した位相差の比(R450/R550)が1.1以下である光学補償フィルムを得ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
- 下記式(1)で示される波長550nmで測定した面内位相差(Re)が0〜300nmで、下記式(2)で示される面外位相差(Rth)が、−30〜−300nmである光学補償フィルムを得ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
Re=(ny−nx)×d (1)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (2)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
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