JP2019116530A - 樹脂組成物、成形物及び成形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
その成形物の製造方法に関する。
ゼオライトを含有する樹脂組成物に関し、例えば、所定粒径のゼオライトと熱硬化性樹脂をそれぞれ所定量で含有する樹脂組成物によって、軽量かつ優れた機械的強度を備えた硬化体を得る技術(特許文献1)や、硬化性樹脂にゼオライトを含有させた樹脂組成物によって、半導体部品の結露を防止する技術(特許文献2)等が開示されている。
[1] 表面処理されたゼオライトと樹脂とからなる樹脂組成物。
[2] 前記表面処理が、シランカップリング剤処理、イソシアネート化合物処理、チオール化合物処理、酸化合物処理、アルコール化合物処理、エポキシ化合物処理の少なくとも何れかである、[1]の樹脂組成物。
[3] 前記シランカップリング剤処理が、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、トリアジンチオール基から選ばれる一種以上を有するシランカップリング剤を使用したものである、[2]の樹脂組成物。
[4] 前記イソシアネート化合物処理が、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物を使用したものである、[2]の樹脂組成物。
[5] 前記チオール化合物処理が、一級及び/または二級のチオール化合物を使用したものである、[2]の樹脂組成物。
[6] 前記ゼオライトが合成ゼオライトである、[1]〜[5]の何れかの樹脂組成物。
[7] 前記合成ゼオライトの結晶構造が、構造コードとして、LTA型、FAU型、BEA型、LTL型、MFI型、MWW型、FER型及びMOR型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[6]の樹脂組成物。
[8] 前記合成ゼオライトの結晶構造が、A型、X型、β型、Y型、L型、ZSM−5型、MCM−22型、フェリエライト型及びモルデナイト型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[6]の樹脂組成物。
[9] 前記樹脂が熱硬化性樹脂である、[1]〜[8]の何れかの樹脂組成物。
[10] 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂の少なくとも何れかである、[9]の樹脂組成物。
[11] 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、[1]〜[8]の何れかの樹脂組成物。
[12] [1]〜[11]の樹脂組成物を成形加工した吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物。
[13] ゼオライトと表面処理剤を混合して撹拌してゼオライトに表面処理を施す工程と、前記工程で表面処理されたゼオライトと熱硬化性樹脂を混合して樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
[14] ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの一部に表面処理剤を溶解する工程と、前記表面処理剤を溶解した前記原料モノマー中にゼオライトを浸漬させてゼオライトに表面処理を施す工程と、前記工程で表面処理されたゼオライトとビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの残部を混合して樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
[15] ゼオライトと表面処理剤と熱硬化性樹脂を同時に混合して、表面処理を施したゼオライトを含む樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、表面処理されたゼオライトと樹脂とからなる。所望の物性や製造工程等に影響を与えない範囲で、酸化防止剤、可塑剤、滑材、重合開始剤、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、タルク等の各種フィラー等のその他の成分を含むこともできる。
樹脂組成物の原料となる樹脂は、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもよい。また、本明細書において、原料となる樹脂には、モノマーも含むものとする。
本発明の樹脂組成物は、ゼオライトを30〜95質量%含有することが好ましく、ゼオライトを50〜90質量%含有することがより好ましく、ゼオライトを60〜80質量%含有することが更に好ましい。
ゼオライトを30質量%以上含有することにより、吸水、除湿、脱臭、有機物吸着、イオン交換等のゼオライトの本来の機能が発現できる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂を5〜70質量%含有することが好ましく、樹脂を10〜50質量%含有することがより好ましく、樹脂を20〜40質量%含有することが更に好ましい。
樹脂を5質量%以上含有することにより、ゼオライトをバインド(bind)し、組成物の強度を発現することができる。
一般に、ゼオライトとは、結晶性アルミノケイ酸塩の総称である。本発明で用いるゼオライトは天然又は合成のいずれであってもよいが、物質の純度、品質安定性等の観点から合成ゼオライトが好ましい。
一般に、ゼオライトが有する結晶構造(骨格構造ともいう。)の基本的な単位は、ケイ素原子又はアルミニウム原子を取り囲んだ4個の酸素原子からなる四面体であり、これらが3次元方向に連なって結晶構造を形成している。
本発明で用いるゼオライトの結晶構造は、特に制限はなく、例えば、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)が定めるアルファベット3文字からなる構造コードにて表される各種の結晶構造が挙げられる。構造コードの例としては、例えば、LTA、FER、MWW、MFI、MOR、LTL、FAU、BEAのコードが挙げられる。また、本発明で用いる当該結晶構造の好適な一態様を結晶構造の名称で示すと、好ましくはA型、X型、β型、Y型、L型、ZSM−5型、MCM−22型、フェリエライト型及びモルデナイト型からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはA型、X型及びY型からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはX型又はY型である。
一般に、ゼオライトは、その結晶構造中に、陽イオンを有しており、当該陽イオンが、アルミノケイ酸塩から構成される上記結晶構造中の負電荷を補償して、正電荷の不足を補っている。
本発明で用いるゼオライトは、特に制限はないが、当該陽イオンとして、好ましくは、水素イオン、リチウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン及びバリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するゼオライトである。そして、より好ましくは、当該陽イオンとして、水素イオン、リチウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するゼオライト、更に好ましくは水素イオン、リチウムイオン、カルシウムイオン及びナトリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するゼオライトである。
ゼオライト全粒子の90質量%以上の粒径が44μm以下であることが好ましい。ゼオライト全粒子の90質量%以上の粒径を44μm以下とすることより量産時の性能安定性を上げることができる。
本発明で用いるゼオライトは、表面処理剤により表面処理された合成ゼオライトである。
表面処理は、シランカップリング剤処理、イソシアネート化合物処理、チオール化合物処理、酸化合物処理、アルコール化合物処理、エポキシ化合物処理の少なくとも何れかであることが好ましい。
ゼオライト表面に上記の表面処理を施すことで熱硬化性樹脂への高充填が可能となり、熱硬化性樹脂との強固な化学結合ができるようになる。
ただし、A型、X型等の親水性ゼオライトに表明処理を施す場合、親水性が低下する恐れがあり、親水性ゼオライトの吸水機能を阻害しない範囲での表面処理が好ましい。
親水性ゼオライトに表面処理を施す際は、好ましくは親水性ゼオライトの0.1〜80質量%の表面処理剤で処理することが好ましく、1〜50質量%がより好ましく、2〜10質量%が更に好ましい。0.1質量%以上とすることで表面処理効果が得られ、80質量%未満とすることで親水性ゼオライトの吸水等の親水機能が損なわれるリスクを回避できる。
シランカップリング剤処理には、ガラス繊維の表面処理等に使用される公知のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、トリアジンチオール基から選ばれる一種以上を有するものが好ましい。
シランカップリング剤の低濃度の水溶液や有機溶剤溶液をゼオライト表面に接触させることで同表面に存在する水酸基等とシランカップリング剤の加水分解で生じたシラノール基とが反応したり、シラノール基どうしが縮合して生じたオリゴマーがゼオライト表面に吸着し、乾燥処理で強固な化学結合が形成される。こうして、有効なアンカー効果を有するゼオライト表面に、更にコーティング樹脂層や積層FRPのような有機材料層とゼオライト間の強固な接着を可能ならしめる化学結合を形成することができる官能基を導入する。
イソシアネート化合物処理には、公知のイソシアネート化合物を用いることができる。イソシアネート化合物は、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物であることが好ましい。
イソシアネート化合物として、多官能のイソシアネートであるジフェニルメタンジイソシナネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等や、ラジカル反応性基を有するイソシアネート化合物である2−イソシアネトエチルメタクリレート(昭和電工(株)社製、カレンズMOI)、2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工(株)社製、カレンズAOI)、1,1−(ビスアクリロイルオキシエチル)エチルイソシナネート(昭和電工(株)社製、カレンズBEI)、2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工(株)社製、AOI−VM)等が挙げられる。
チオール化合物処理には、チオール基を含有する化合物(以下、チオール化合物)であって、市販品として容易に入手可能なものを用いることができる。チオール化合物は、一級及び/または二級のチオール化合物であることが好ましい。
市販のチオール化合物として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(三菱化学(株)社製、QX40,東レ・ファインケミカル(株)社製、QE−340M)、エーテル系一級チオール(コグニス(Cognis)社製、カップキュア3−800,)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工(株)社製、カレンズMT BD1)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工(株)社製、カレンズMT PE1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(昭和電工(株)社製、カレンズMT NR1)等が挙げられる。中でもエポキシ樹脂中での安定性はカレンズMT PE1が優れている。
酸化合物処理には、カルボン酸、スルホン基を含有する化合物等(以下、酸化合物)を用いることができる。カルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等のカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等の酸化合物を用いることができる。
アルコール化合物処理には、水酸基を含有する化合物(以下、アルコール化合物)を用いることができる。アルコール化合物は、一級及び/または二級のアルコール化合物であることが好ましい。市販のアルコール化合物として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族アルコールの他に、フェノール、レゾルシノール、カテコール等のフェノール系化合物を用いることができる。
エポキシ化合物処理には、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の単官能のエポキシ化合物や脂環式エポキシ化合物として(株)ダイセル社製セロキサイド2021P(二官能脂環式エポキシ)、セロキサイド2000(ビニル基を有する脂環式エポキシ)が挙げられる。或いは〔0025〕に記載のエポキシ樹脂を使用してもよい。エポキシ化合物処理には3級アミン等の触媒を併用するとよい。
具体的には、ゼオライトと表面処理剤を乳鉢等に入れて混合、ボールミル、ヘンシェルミキサー等に入れて混合撹拌等の方法で行うことができる。混合と同時にあるいは混合後に必要に応じて加熱することで表面処理の効率を上げることができる。また、親水性ゼオライトを用いる場合は親水性ゼオライトの吸水機能を損なわないように、ドライルーム内やドライガス雰囲気下で表面処理を行うことが好ましい。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂は公知のものを用いることができる。例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂から選ばれる1種以上を用いることができ、さらにその他の樹脂を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂は、公知の方法により製造されるものであってよく、1成分中に少なくとも2個のエポキシ基を有する熱硬化性エポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、エーテル型のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、エステル系の芳香族エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エーテル・エステル型エポキシ樹脂等の公知のものが挙げられ、ビスフェノールA型エポキシが最も好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。三菱化学(株)社製「エピコート1001」、「エピコート828」等の汎用品を用いることができる。
またエポキシ硬化剤としては公知のものが使用できる。アミン化合物、酸無水物、フェノール樹脂、カチオン系やアニオン系の触媒などが使用できる。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との付加反応物を縮合重合させたものであって、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。フェノール樹脂の例としては、レゾール型フェノール樹脂およびノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。レゾール型フェノール樹脂の製造原料として使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノン等を、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。アルデヒド類の例としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、グリオキザール、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられるが、実用性からホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。好ましいレゾール型フェノール樹脂は、粘度が500〜8000mPa・s(25℃)、比重が1.15〜1.30、pHが6.6〜7.2、不揮発分が40〜80%に調整された液状のレゾール型フェノール樹脂である。このようなレゾール型フェノール樹脂は、市販されており、例えば、アイカSDKフェノール社製「BRL−240」、「BRL−1017」等を用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ノボラック型フェノール樹脂の製造原料として使用されるフェノール類は、例えばフェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノン等が挙げられる。これらフェノール類は単独で用いても、または混合して用いてもよい。また、アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、グリオキザール、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド等が使用でき、特にホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)が好ましく使用される。これらアルデヒド類は単独で用いても、または混合して用いてもよい。また、ノボラック化触媒の例としては塩酸、硫酸等の無機酸や酢酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。これら触媒は単独で用いても、または混合して用いてもよい。ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量は好ましくは300〜1000である。このようなノボラック型フェノール樹脂は、市販されており、例えば、アイカSDKフェノール社製「BRG−556」、「BRG−557」等のBRGシリーズ等を用いることができる。
フェノール樹脂は単独で熱硬化してもよいが、エポキシ樹脂と組み合わせて硬化してもよい。エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合比は、好ましくはエポキシ当量/水酸基当量=0.6/1.4〜1.4/0.6、より好ましくはエポキシ当量/水酸基当量=0.8/1.2〜1.2/0.8である。混合比がこの範囲外であると硬化物の耐水性、耐熱性が低下する場合がある。
またアリル基を有するフェノール樹脂としては、フェノール樹脂をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるアリル化フェノール樹脂が使用できる。例えばアイカSDKフェノール社製の「BRGシリーズ」をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるものが有効である。
アルキル基および/またはアリル基を有するフェノール樹脂の使用は、柔軟性、耐水性の向上に有用でありスケールの付着防止にも効果的である。その置き換え割合はフェノール樹脂の100%でもよいが、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上である。10%未満の使用量では硬化物の柔軟性、耐水性向上の効果が出難い。
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(および必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したものである。このような不飽和ポリエステル樹脂は、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)等に記載されている。
不飽和多塩基酸としては、特に限定されないが、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
飽和多塩基酸としては、特に限定されないが、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニルエステル樹脂は、ビニルエステルをスチレンのような重合性モノマーに溶解したものである。このようなビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれており、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)等に記載されている。
また本発明に使用できるポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は、(1)飽和多塩基酸および不飽和多塩基酸の少なくともいずれか一方と、多価アルコールとから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに、α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反応させて得られる(メタ)アクリレート、(2)飽和多塩基酸および不飽和多塩基酸の少なくともいずれか一方と、多価アルコールとから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに、水酸基含有アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリレート、(3)飽和多塩基酸および不飽和多塩基酸の少なくともいずれか一方と、多価アルコールとから得られる末端水酸基のポリエステルに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
ビスマレイミド、ビスマレイミドとアリル化合物との組合せ、ビスマレイミドとラジカル重合性化合物との組み合わせのいずれかを指す。
アリル化合物としては市販のものが使用できる。例えば2,2´−ジアリルビスフェノールA、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
アリル化フェノール化合物は、上記2,2´−ジアリルビスフェノールAのほか、フェノール樹脂類をアリルエーテル化し、得られたアリルエーテル化フェノール樹脂を加熱しクライゼン転位させる周知の方法で得られたものであってもよい。例えばアイカSDKフェノール社製の「BRGシリーズ」をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるアリル化フェノール樹脂が好ましく使用できる。
ビスマレイミドとアリル化合物の混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/アリル基=1.0/5.0〜5.0/1.0、より好ましくはマレイミド基/アリル基=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると硬化物の柔軟性、耐水性が低下する場合がある。
ラジカル重合性化合物としては、公知のラジカル重合性の樹脂、オリゴマー、モノマーが使用できる。例としてはビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルモノマー、スチレンモノマー、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。ビスマレイミドとラジカル重合性化合物の混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/ラジカル重合性不飽和基=5.0/1.0〜1.0/5.0より好ましくはマレイミド基/ラジカル重合性不飽和基=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると硬化物の柔軟性、耐水性が低下する場合がある。
アミンとしては、活性水素を有する一級アミンまたは二級アミンが好ましい。耐熱性を考慮すると、例としてはジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられ、ビスマレイミドとアミンの混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/活性水素=5.0/1.0〜1.0/5.0より好ましくはマレイミド基/活性水素=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると硬化物の柔軟性、耐水性が低下する場合がある。
また、ビスマレイミドと組み合わせるアリル化合物、ラジカル重合性化合物、アミン等は、単独で用いてもよいし、これらを同時に使用してもよい。
本発明で使用する樹脂は、複数の水酸基を有するポリオール化合物と複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を組み合わせたウレタン結合を有する樹脂で公知のものが使用できる。
ポリオール化合物の具体例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、フェノール樹脂等を挙げることができる。ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えば低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)、ビスフェノール類、ジヒドロキシベンゼン、プロピレンオキサイド、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等)等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリオール成分と酸性分のエステル化物が挙げられる。エステル化に使用するポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールグリセリン、トリメチロールプロパン、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、マレイン酸等が挙げられる。
またフェノール樹脂を使用する場合は〔0026〕に記載のものが使用できる。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)またはその混合物、p−フェニレンジシソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やその多核体混合物であるポリメリックMDI等が挙げられ、これらの中でも特にポリメリックMDIが適している。イソシアネート成分の配合量としては、−OH/−NCO当量比で0.7〜1.5の範囲が適当である。ウレタン化触媒としては、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ジメチルエーテルアミン、N,N,N´,N´´,N´´−ペンタメチルジプロピレン−トリアミン、N−メチルモルフォリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリエチルアミン等のアミン系触媒;ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンジマレエート等の有機錫系触媒が挙げられるが、アミン系触媒と有機錫系触媒の併用が特に有利である。これらウレタン化触媒の使用量は、一般にはポリオール成分100重量部に対し0.01〜10重量部が好ましい。また、本発明ではポリオールの代わりにポリアミンとポリイソシアネートを反応させたポリウレア樹脂もポリウレタン樹脂と同様に使用することができる。
尿素樹脂とは尿素とホルムアルデヒドを付加重合させた樹脂であり公知のものが使用できる。本発明に使用する尿素樹脂の初期縮合物は、一般的な方法反応法でよい。例えばpH7〜12で尿素とホルムアルデヒドを尿素1モルに対してホルムアルデヒド1〜3モルを混合し、30〜100℃で付加反応して尿素樹脂初期縮合物を得て、硬化剤(塩化アンモニウム、ヘキサメチレンテトラミン等)を添加し乾燥して得たものが使用できる。
上記不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂等のラジカル重合性樹脂の製造に使用するラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、スチレンモノマー、スチレンのα−,o−,m−,p−アルキル,ニトロ,シアノ,アミド,エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。また、マレイン酸やフマル酸、イタコン酸等の不飽和酸とアルコールとの縮合物等も用いることができる。また、多官能の各種(メタ)アクリレートを使用してもよい。
また用途によっては、上記した各樹脂の代わりにラジカル重合性不飽和単量体のみを使用してもよい。
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂を硬化させるためのラジカル重合開始剤としては、過酸化物触媒を使用することができる。過酸化物触媒としては公知のものが使用できる。例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等が使用できる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、樹脂組成物100重量部に対して0.2〜10重量部が好ましく、0.2〜7.0重量部がより好ましく、0.4〜5.0重量部が更に好ましい。
0.2重量部以上とすることで十分に硬化が進み、10重量部未満とすることで樹脂組成のバランスを良好に保ち、樹脂組成物の物性に不具合が生じたり、硬化反応自体に不具合が生じることを回避することができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物やマレイミド樹脂を使用する場合は硬化促進剤を使用することができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の組み合わせに使用される硬化促進剤の例としては、アミン系および/またはリン系の公知の硬化促進剤が挙げられる。アミン系促進剤としては3級アミン、イミダゾール系化合物が使用され、リン系促進剤としてはホスフィン系等の促進剤が使用される。アミン系促進剤の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2トリターシャリーブチルホスフィン−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
またリン系促進剤の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリターシャリーブチルホスフィン、トリパラトリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
アミン系および/またはリン系の硬化促進剤の使用量は、樹脂組成物100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.3〜3.0重量部である。0.05重量部未満では硬化の促進に効果が乏しく、10重量部を超えると耐水性が良好な硬化物が得られない場合がある。
熱可塑性樹脂は、公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミドやポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性スーパーエンジニアリングプラスチック等、ならびにこれら樹脂の複合体や共重合体が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を成形加工して、吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得ることができる。この成形物の製造方法として、例えは、以下の方法が挙げられる。
ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの一部に表面処理剤を溶解した後、前記表面処理剤を溶解した樹脂中にゼオライトを浸漬させてゼオライトに表面処理を施し、表面処理されたゼオライトとビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの残部を混合して樹脂組成物を得て、その樹脂組成物を成形加工する方法。
ゼオライトと表面処理剤と熱硬化性樹脂を同時に混合して、表面処理を施したゼオライトを含む樹脂組成物を得て、その樹脂組成物を成形加工する方法。
成形加工は、樹脂組成物に、加熱硬化、光硬化、重合開始剤等を添加して硬化する等の方法で行うことができる。また、樹脂組成物が熱可塑性樹脂の場合は、表面処理したゼオライトと熱可塑性樹脂とを混合した後、加熱成形する等の方法で行うことができる。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコン社製、KBM−403):2.22g(0.01モル)を混合し、ボールミルを使用して6時間撹拌して表面処理ゼオライト−1を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−1:80gと固形レゾール型フェノール樹脂(アイカSDKフェノール(株)社製、BRP406):20gを、ブレンダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−1を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−1を、厚さ3mmの金型を使用し、150℃で3時間加熱加圧成形をして成形物−1を得た。
[性能測定]
成形物−1の吸水率を測定したところ15.5質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171:2016(以下、JISK7171という)による曲げ強度測定を行った結果、88.1MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gに、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコン社製、KBM−603):2.22g(0.01モル)を混合し、ボールミルを使用して6時間撹拌して表面処理ゼオライト−2を得た。
[アリル化フェノール樹脂の合成]
攪拌機、還流管を備えたフラスコ中に、炭酸カリウム:720g、トリフェニルホスフィン:12g、水:1100g、5%Pd/C:4g、フェノールノボラック樹脂(アイカSDKフェノール(株)社製、BRG556):104g(1.0当量)、酢酸アリル:569g(1.2当量)を仕込み、90℃で8時間反応を続けた。
次に反応液を40℃まで冷却し、トルエン:400g、水400gを加え、撹拌後、反応液をろ過し、分液してトルエン層を取り出し、トルエンと酢酸アリルを減圧留去した。その後さらにトルエン400gを残留物に加えてこれをトルエンに溶解させ、生じたトルエン液を3回水洗し、その後トルエンを減圧留去してBRG556アリルエーテルを収率95%で得た。
このBRG556アリルエーテルをフラスコに仕込み、160℃で3時間撹拌しクライゼン転位反応を行いアリル化フェノール樹脂−1を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−2:80gとエポキシ樹脂(三菱化学(株)社製、エピコート1001):8g、アリル化フェノール樹脂−1:12g、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.02gをブレンダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−2を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−2を、厚さ3mmの金型を使用し、150℃で3時間加熱加圧成形をして成形物−2を得た。
[性能測定]
成形物−2の吸水率を測定したところ15.6質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、97.1MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコン社製、KBM−503):2.48g(0.01モル)を混合し、ボールミルを使用して6時間撹拌して表面処理ゼオライト−3を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−3と過酸化物触媒(日本油脂(株)社製、パーブチルZ)1%を添加したビニルエステル樹脂(昭和電工(株)社製、リポキシR−804)を、乳鉢を使用して混合し高充填を試みたところゼオライトが70Wt%まで充填することができた。硬化性樹脂組成物−3を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−3を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で5分間加熱加圧成形をして成形物−3を得た。
[性能測定]
成形物−3の吸水率を測定したところ13.5質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、138.4MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ13Xパウダー):100gに、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工(株)社製、カレンズMT PE−1):5.44g(0.01モル)をトルエン500g中に溶解した溶液に30℃で2時間浸漬した後にトルエンを除去してさらにトルエンで洗浄し、乾燥して表面処理ゼオライト−4を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−4:80gとビスマレイミド(ケイ・アイ化成(株) 社製、BMI):20g、過酸化物触媒(日本油脂(株)社製、パーブチルZ):1.0gを、ブレンダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−4を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−4を、厚さ3mmの金型を使用し、150℃で5分間加熱加圧成形をして成形物−4を得た。
[性能測定]
成形物−4の吸水率を測定したところ16.5質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、92.3MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gに、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI):2.50g(0.01モル)をトルエン500g中に溶解した溶液に50℃で4分間浸漬した後にトルエンを除去してさらにトルエンで洗浄し、乾燥して表面処理ゼオライト−5を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−5:70gと不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工(株)社製、リゴラック1557):30g、過酸化物触媒(日本油脂(株)社製、パーブチルZ):1.0gを、ニーダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−5を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−5を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で3分間加熱加圧成形をして成形物−5を得た。
[性能測定]
成形物−5の吸水率を測定したところ14.0質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、131.7Paと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gに、昭和電工(株)社製:PE−1:5.44g(0.01モル)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)社製、カレンズMOI):2.50g(0.01モル)をトルエン500g中に溶解した溶液に40℃で5分間浸漬した後にトルエンを除去してさらにトルエンで洗浄し、乾燥して表面処理ゼオライト−6を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
表面処理ゼオライト−6:70gとアクリルモノマー(新中村化学工業(株)社製、BPE−500):30g、過酸化物触媒(日本油脂(株)社製、パーブチルZ):1.0gを、ブレンダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−6を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−6を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で5分間加熱加圧成形をして成形物−6を得た。
[性能測定]
成形物−6の吸水率を測定したところ14.7質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、128.7MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[ゼオライトの表面処理]
ニーダー中で合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100gと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコン(株)社製、KBM−503):2.48g(0.01モル)を溶解したスチレン12gを混合し撹拌して24時間放置し表面処理ゼオライト/スチレン−1を得た。
[ビニルエステルの合成]
攪拌機、還流管を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC(株)社製、エピクロン840):186gを仕込み、100℃に保ちながら2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.8g、ハイドロキノン:0.08gを溶解したメタクリル酸86gを滴下し、120℃で撹拌を続け酸価=5で冷却しビニルエステル−1を得た。
[硬化性樹脂組成物の作製]
ニーダー中の表面処理ゼオライト/スチレン−1:114.48gにビニルエステル−1:15g、パーブチルZ:0.3gを混合しニーダーで撹拌し硬化性樹脂組成物−7(ゼオライト77質量%)を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−7を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で3分間加熱加圧成形をして成形物−7を得た。
[性能測定]
成形物−7の吸水率を測定したところ15.1質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、131.3MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[同時混合]
ニーダーに合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):100g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコン社製、KBM−503):2.48g(0.01モル)、スチレン16g、ビニルエステル−1:24g、パーブチルZ:0.3gを混合し撹拌したものを常温で3日間放置し、硬化性樹脂組成物−8を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−8を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で3分間加熱加圧成形をして成形物−8を得た。
[性能測定]
成形物−8の吸水率を測定したところ14.2質量%で高い吸水能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、135.9MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[同時混合]
合成ゼオライトをユニオン昭和(株)社製、HiSiv3000パウダーに変える以外は実施例8と同様に反応させ、硬化性樹脂組成物−9を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−9を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で3分間加熱加圧成形をして成形物−9を得た。
[性能測定]
成形物−9のトルエン吸着率を測定したところ4.5質量%で高い有機物吸着能力が認められ、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、130.1MPaと良好な強度であった。結果を表1に示した。
[硬化性樹脂組成物の作製]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー):80gとエポキシ樹脂として三菱化学(株)社製、エピコート1001:8g、アリル化フェノール樹脂−1:12g、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.02gをブレンダーを使用して混合し硬化性樹脂組成物−2´を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−2´を、厚さ3mmの金型を使用し、150℃で3時間加熱加圧成形をして成形物−2´を得たが十分に樹脂が入り込んでない部分がみられる成形体であった。
[性能測定]
成形物−2´のトルエン吸着率を測定したところ5.4質量%で高い有機物吸着能力が認められたが、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、68.9MPaと低い強度であった。結果を表1に示した。
[硬化性樹脂組成物の作製]
合成ゼオライト(ユニオン昭和(株)社製、モレキュラーシーブ3Aパウダー)に過酸化物触媒(日本油脂(株)社製、パーブチルZ)1%を添加したビニルエステル樹脂(昭和電工(株)社製、リポキシR−804)に乳鉢を使用して混合し高充填を試みたところゼオライトは65Wt%までしか充填することができなかった。硬化性樹脂組成物−3´を得た。
[成形]
硬化性樹脂組成物−3´を、厚さ3mmの金型を使用し、120℃で5分間加熱加圧成形をして成形物−3´を得た。
[性能測定]
成形物−3´の吸水率を測定したところ12.5質量%と実施例3と比べて低い数値で、JISK7171による曲げ強度測定を行った結果、93.1MPaと実施例3と比べて低い強度であった。結果を表1に示した。
Claims (15)
- 表面処理されたゼオライトと樹脂とからなる樹脂組成物。
- 前記表面処理が、シランカップリング剤処理、イソシアネート化合物処理、チオール化合物処理、酸化合物処理、アルコール化合物処理、エポキシ化合物処理の少なくとも何れかである、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記シランカップリング剤処理が、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、トリアジンチオール基から選ばれる一種以上を有するシランカップリング剤を使用したものである、請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記イソシアネート化合物処理が、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物を使用したものである、請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記チオール化合物処理が、一級及び/または二級のチオール化合物を使用したものである、請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記ゼオライトが合成ゼオライトである、請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記合成ゼオライトの結晶構造が、構造コードとして、LTA型、FAU型、BEA型、LTL型、MFI型、MWW型、FER型及びMOR型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記合成ゼオライトの結晶構造が、A型、X型、β型、Y型、L型、ZSM−5型、MCM−22型、フェリエライト型及びモルデナイト型からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項1〜8の何れかに記載の樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂の少なくとも何れかである、請求項9に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1〜8の何れかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜11に記載の樹脂組成物を成形加工した吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物。
- ゼオライトと表面処理剤を混合して撹拌してゼオライトに表面処理を施す工程と、前記工程で表面処理されたゼオライトと熱硬化性樹脂及び/または熱可塑性樹脂を混合して樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
- ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの一部に表面処理剤を溶解する工程と、前記表面処理剤を溶解した前記原料モノマー中にゼオライトを浸漬させてゼオライトに表面処理を施す工程と、前記工程で表面処理されたゼオライトとビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも何れかの原料モノマーの残部を混合して樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
- ゼオライトと表面処理剤と熱硬化性樹脂を同時に混合して、表面処理を施したゼオライトを含む樹脂組成物を得る工程と、前記樹脂組成物を成形加工して吸着性、徐放性、イオン交換性を有する成形物を得る工程を有する成形物の製造方法。
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