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JP2019104140A - プラスチック光学素子、プラスチック光学素子製造用金型及びその金型の製造方法 - Google Patents

プラスチック光学素子、プラスチック光学素子製造用金型及びその金型の製造方法 Download PDF

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JP2019104140A JP2017236892A JP2017236892A JP2019104140A JP 2019104140 A JP2019104140 A JP 2019104140A JP 2017236892 A JP2017236892 A JP 2017236892A JP 2017236892 A JP2017236892 A JP 2017236892A JP 2019104140 A JP2019104140 A JP 2019104140A
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克夫 川嶋
Katsuo Kawashima
克夫 川嶋
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Tamron Co Ltd
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Abstract

【課題】形状精度が高く、内部での内面反射を効果的に抑制できる良好な品質のプラスチック光学素子、当該光学素子の製造用金型及びその金型の製造方法等の提供を目的とする。【解決手段】この目的を達成するため、光学面と当該光学面の外周に位置するコバ面とを備えたプラスチック光学素子であって、当該コバ面は、不規則な凹凸形状を備える光学素子側粗面であり、当該光学面は、非接触三次元表面性状測定装置で測定した表面粗さRaが20nm以下であることを特徴とするプラスチック光学素子等を採用する。また、プラスチック光学素子製造用金型の製造において、当該プラスチック光学素子製造用金型を構成する固定コア及び可動コアの光学素子成形面をサンドブラスト法で粗化し、当該粗化後に当該固定コア及び可動コアの光学面形成領域を多結晶ダイヤモンドバイトを用いて旋削加工すること等を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学機器に用いるプラスチック光学素子、プラスチック光学素子の製造用金型及びその金型の製造方法に関する。
カメラ等の撮像装置、車載用撮像装置等の光学機器に組み込むレンズは、被写体側から入射する光線を、光学設計どおりに屈折させ、像面側に向けて出射することが求められる。ところが、当初の光学設計に反し、レンズのコバ面等で1回以上の内面反射を行った後に出射する光線が発生する場合がある。このようにレンズ内で内面反射した光線は、ゴーストやフレア等を発生させる原因となり、本来の光学機器の機能を阻害し、結像品質を低下させるため、不要な光線である。よって、光学素子には、レンズ内で内面反射する光線を、可能な限り防止することが求められてきた。
このような課題を解決しようとして、従来は、有害光を反射する部分に筆等を用いて反射防止の塗料(例えば、黒色つや消し塗料)を、手作業で塗布する「墨塗り」を行っていた。この墨塗り作業は、墨塗り範囲にばらつきがあり、レンズ面と墨塗り範囲との境界位置を精度良く仕上げることが困難であった。また、墨塗り工程は、レンズ製造後に行うため工数が増加し、製造コストの上昇を招くという問題があった。
そこで、墨塗りの問題を解決するために、樹脂成形加工法でプラスチック光学素子を製造する場合には、予め有害光を反射する部分の金型表面に、光の反射を低減させる目的で粗面処理を行い、成形レンズ表面に光学面と粗面とを同時に転写する方法が用いられている。このレンズ成形用金型を用いた粗面処理方法の一つに、サンドブラスト法がある。この場合、金型の光学面形成領域と粗面との境界位置の精度確保のため、金型の駒径全面をサンドブラスト法で粗面加工を行う。そして、この金型の光学面形成領域となる範囲のみを超精密加工機を用いて旋削加工することにより平滑面とし、光学面形成領域と粗面との双方を備える光学素子を得るための金型加工法が知られている。確かに、この金型を用いれば、墨塗加工を省略できる。
しかしながら、金型の駒径全面にサンドブラスト法で粗面加工を行う方法では、その後、金型の光学面形成領域となる範囲のみを超精密加工機を用いて旋削加工する場合に、サンドブラスト法で形成された粗面の旋削によってダイヤモンドバイトの刃先に欠損(チッピング)が発生する確率が高い。この欠損したダイヤモンドバイトで光学面形成領域を加工すると、レンズ成形用金型の光学面形成領域に局所的な面粗れが発生する場合がある。一般に、ダイヤモンドバイトの欠損により形成された光学面形成領域の局所的な面粗れ部は、表面粗さRaが50nm程度となり、良好な品質の光学素子を得ることができなくなるため好ましくない。
そこで、事後的に行われる金型の光学形成面の旋削加工を不要とするものとして、例えば、特許文献1に示すレンズ成形用金型や、特許文献2に示す粗面加工システムがある。特許文献1には、レンズの光学面に転写される鏡面を備えた鏡面駒と、鏡面駒の周囲に形成され、レンズのフランジ部を形成するフランジ形成面を備えたレンズ成形用金型が開示されている。このフランジ形成面には、レンズのフランジ面を粗化するため、研削加工痕を断続的に並べて形成している。
また、特許文献2には、プラスチック光学素子の製造の際に、当該プラスチック光学素子製造用金型の主形状加工用のNCデータに、有害光の発生を防止する領域においてのみ、所定の周期で加工信号(ON)と未加工信号(OFF)とを交互に発するパルスデータ(粗面加工用データ)を組み込み、加工機をフィードバック制御して、レンズ成形用金型に粗面加工して、この表面を光学素子に転写し、光学面と粗面との双方を備える光学素子を得る方法が開示されている。
特開2008−194995号公報 特開2012−121122号公報
しかしながら、特許文献1に開示のレンズ成形用金型では、レンズのフランジ部を形成するフランジ形成面が、レンズの光学面に転写される鏡面駒とは異なる部材で構成されているため、鏡面駒の周縁部とフランジ形成面との間に少なからず隙間が存在する。そのため、この鏡面駒とフランジ形成面とを用いて、成形レンズ表面に光学面と粗面とを同時に転写すると、レンズの光学面と粗面との境界は、所定の幅をもった境界領域となる。当該境界領域は広くなるほど、レンズ内で内面反射する光線を抑制する効果が不十分となり、設計どおりの光学機器機能、結像品質を得ることが困難となる。
一方、特許文献2に開示の方法を採用すると、当該プラスチック光学素子製造用金型の表面加工にNCデータを用いているため、旋削加工により創成される粗面は、周期性がある凹凸形状となる。この場合、成形レンズの光学面と粗面との境界は、周期性を持って蛇行した凹凸形状となるため、特許文献1の場合と同様、所定の幅を持った境界領域となる。NCプログラムによっても異なるが、規則性をもって粗面加工が行われることで、旋削深さが深くなるほど、境界領域の幅が広くなる傾向にある。周期性のある境界領域が広くなると、レンズ内に回折成分が残りやすく、完全散乱とすることは困難となる。よって、NCデータを用いた粗面加工方法の場合であっても、レンズ内で内面反射する光線を抑制する効果が不十分となり、設計どおりの光学機器機能、結像品質を得ることが困難であった。
以上のことから理解できるように、本発明の課題は、形状精度が高く、内部での内面反射を効果的に抑制できる良好な品質のプラスチック光学素子、当該光学素子の製造用金型及びその金型の製造方法を提供することにある。
そこで、本件発明者等の鋭意研究の結果、以下の発明内容をもって課題を解決することに想到した。
本発明に係るプラスチック光学素子: 本発明に係るプラスチック光学素子は、光学面と当該光学面の外周に位置するコバ面とを備えたプラスチック光学素子であって、当該コバ面は、不規則な凹凸形状を備える光学素子側粗面であり、当該光学面は、非接触三次元表面性状測定装置で測定した表面粗さRaが20nm以下であることを特徴とする。
本発明に係るプラスチック光学素子製造用金型: 本発明に係るプラスチック光学素子製造用金型は、光学素子の光学面を形成するための光学面形成領域と、光学素子のコバ面に設ける光学素子側粗面を形成するための金型側粗面領域とを備えたプラスチック光学素子を製造するための金型であって、当該金型側粗面領域は、不規則な凹凸形状を備え、当該金型側粗面領域に隣接配置されている光学面形成領域は、非接触三次元表面性状測定装置を用いて得られる表面粗さRaが20nm以下であることを特徴とする。
本発明に係るプラスチック光学素子製造用金型の製造方法: 本発明に係るプラスチック光学素子製造用金型の製造方法は、上述のプラスチック光学素子製造用金型の製造方法であって、当該プラスチック光学素子製造用金型は、固定コアと固定コア側キャビテーション型とで構成される固定側金型ブロックと、可動コアと可動コア側キャビテーション型とで構成される可動側金型ブロックとを対向接触させ、固定コアと可動コアとの間に成形体形成空間を備えるものであり、当該固定コアと可動コアとの光学素子成形面をサンドブラスト法で粗化し、当該粗化後に当該固定コア及び可動コアの光学面形成領域を多結晶ダイヤモンドバイトを用いて旋削加工することを特徴とする。
本発明に係る光学素子は、コバ面に所定の粗面を備えることで、コバ面に入射した不要な光が光学面に混入することを効果的に抑制できる。その結果、良好な光学性能を備える撮像装置等の提供が可能となる。また、本発明に係る光学素子は、その製造方法の中で、所定のダイヤモンドバイトを用いることで初めて得ることができるものである。この製造方法は、従来の製造装置の使用が可能であり、設備的損失も招かない。
本発明に係るプラスチック光学素子の構造を模式的に示す断面図である。 図1の部分拡大断面図である。 プラスチック光学素子製造用金型の構造を模式的に示す断面図である。 図3のプラスチック光学素子製造用金型と他の金型を組み合わせた状態を示す断面図である。 本発明のプラスチック光学素子製造用金型の旋削加工の説明図である。 ダイヤモンドバイトの部分拡大断面図である。 実施例の金型側粗面領域の顕微鏡観察写真である。 比較例の金型側粗面領域の顕微鏡観察写真である。 実施例の金型側粗面領域と光学面形成領域の境界部分の顕微鏡観察写真である。 比較例の金型側粗面領域と光学面形成領域の境界部分の顕微鏡観察写真である。
以下、図面を参照して本発明に係るプラスチック光学素子、プラスチック光学素子製造用金型及びプラスチック光学素子製造用金型の製造方法の実施の形態を説明する。
1.プラスチック光学素子
まず、本発明に係るプラスチック光学素子(以下、単に「光学素子」と称する。)10について説明する。本発明は、レンズ、プリズム(色分解プリズム、色合成プリズム等)、偏光ビームスプリッター(PBS)、カットフィルタ(赤外線用、紫外線用等)などの撮像光学系、投影光学系等の種々の光学系を構成する種々の光学素子10に適用することができる。本発明に係る光学素子10としては、後述するようなプラスチック光学素子製造用金型(以下、単に「光学素子製造用金型」と称する。)にプラスチック材料を供給して、型面の形状をプラスチック材料に転写して製造されるプラスチック製の光学素子であればよく、レンズの種類、レンズの形状等に、特段の限定はない。例えば、光学素子10としては、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズ、プリズム等の種々のものを対象にできる。
図1及び図2に、本発明の光学素子10の一例として、凹メニスカスレンズを示している。図1は本発明の光学素子10の構造を模式的に示す断面図である。図2は図1の部分拡大断面図である。図1及び図2は、図の見やすさを考慮し、断面部のハッチングを省略し、以下に述べる光学面12,13及びコバ面14を領域表示で示している。なお、図1及び図2に示す光学面12,13及びコバ面14の形状、範囲等は一例に過ぎず、光学素子10の光学的特性及びその具体的な形状等に応じて、光学面及びコバ面の形状、範囲等は適宜変更可能である。
本発明に係る光学素子10は、「コバ面14が不規則な凹凸形状を備える光学素子側粗面15となっていること。」と、「この光学素子側粗面15と隣接する光学面12,13の表面粗さRaが20nm以下であること。」という特徴を併せ持っている。以下、光学素子側粗面15及び光学面12,13について詳説する。
(1)光学面
本発明に係る光学素子10が備える光学面12,13について述べる。この光学面12,13は、後述する光学素子側粗面15と隣接して位置し、結像に寄与する有効光束を通過させる光学有効領域であり、表面粗さRaが20nm以下という特徴を備える。従来、当該光学面12,13の「表面粗さRaが20nm以下」の条件を満たす光学素子10は、量産が不可能であり、後述する製造方法をもって、初めて量産が可能になったものである。当該光学面12,13の「表面粗さRaが20nm以下」とは、局所的に表面粗さRaが20nmを超える箇所がなく、従来にない滑らかな面であることを意味する。また、本発明において、光学素子10の光学面12,13の表面粗さRaは、10nm以下であることが好ましく、5nm以下、さらには、2nm以下であることがより好ましい。ここで、「表面粗さRa」の下限値を定めていないが、表面粗さRaは小さいほど理想的な滑らかな面に近づくため、特に下限値を定める必要の無い指標であると考えるからである(経験的には、0.5nm程度が下限と考えている。)。このような光学面12,13を備える光学素子10は、コバ面での不要な光の混入がない限り、設計どおりの光学機能を発揮することができ、高い結像品質を実現することが可能となる。なお、本発明にいう光学面の表面粗さRaの測定方法に関しては、白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置により測定したものであり、後述する。
(2)光学素子側粗面
光学素子側粗面15は、光学面12,13の径方向外側に隣接して位置するコバ面14に形成された粗面であり、不規則な凹凸形状を有している。即ち、光学素子側粗面15は、特定の方向性及び特定の周期性がなく、不規則に形成された微細凹凸形状を備えた面のことである。このような凹凸形状を有する光学素子側粗面15は、従来のNCデータを用いた機械加工により形成された金型側粗面を備える金型を用いて得られる規則性凹凸を備える粗面とは全く異なるものになる。本願にいう光学素子粗面15の場合、当該光学素子粗面15に入射した光をほぼ完全に散乱させることが可能であり、光学素子10の光学面12,13に、コバ面14での散乱・回折光が混入しにくくなる。よって、本発明における粗面15を備えたコバ面14は、不要な光が最終的に結像面に入射することで生じるフレアやゴーストの発生を効果的に抑制することができる。
本発明における光学素子側粗面15は、表面粗さRzが5μm以上20μm以下であることが好ましい。光学素子側粗面15の表面粗さRzが5μm未満の場合、光の散乱吸収効率が向上する可能性はあるが、サンドブラスト法により金型に5μm未満の転写表面を均一に形成することが困難となり、生産性が低下するため好ましくない。一方、当該粗面15の表面粗さRzが20μmを超える場合、光の散乱吸収効率が低下し、当該光学素子側粗面15における光の反射低減効果を十分に発揮できず、回折光によるゴーストやフレアの発生を効果的に抑制することが困難となり好ましくない。当該光学素子側粗面15における光の反射低減効果の観点から、当該粗面15の表面粗さRzは、15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
上述に加えて、本発明における光学素子側粗面15は、隣接する光学面12,13との境界領域の幅が10μm以下であることが好ましい。ここで、境界領域とは、光学素子10の光学素子側粗面15と光学面12,13とが隣接する部位を微視的に観察したときに、「光学素子側粗面15の微細凹凸部分」と「光学面12,13の平滑部分」とが入り交じった状態で観察される一定の幅を有する領域のことである。この境界領域の幅が広くなるほど、光学面12,13の寸法精度が低下し設計品質を維持できなくなる。また、光学素子側粗面15よりも光反射低減効果の低い境界領域が広くなると、フレアやゴーストが発生しやすくなるため好ましくない。そこで、後述する製造方法を採用することで、当該境界領域の幅を10μm以下の最小限に止めることが可能となり、光学素子10の光学面12,13の寸法精度を設計どおりに維持できると共に、光学素子側粗面15における入射光の内面反射を効率良く抑制できる。なお、この境界領域に関する下限を特に限定していないが、現段階での加工技術であれば、5μm程度が下限となる。
また、上述した光学素子側粗面15の微細凹凸形状は、凹凸形状の凸部頂点間隔の平均値が(平均頂点間隔)が、所定の範囲内であることも好ましい。ここでも、後述する白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置により得られた一視野中で観察できる任意の凸部頂点を基準頂点として定め、隣り合った凸部頂点との複数個の距離を測定し、その距離の平均(以下、「平均頂点間隔」と称する。)を指標として採用している。この平均頂点間隔は、15μm以上20μm以下であることが好ましい。平均頂点間隔が15μm未満の場合、微細凹凸形状を構成する凸部の存在密度が高くなっていることを意味するが、凸部が過剰に微細になり、外的要因による衝撃で損傷に弱くなり、脆弱化するため好ましくない。一方、平均頂点間隔が20μmを超える場合、微細凹凸形状を構成する凸部の存在密度が少なくなり、不要な光の反射防止・回折防止を効率的に行うことが困難となり好ましくない。
なお、本発明において、上述した表面粗さRz、凸部の頂点間隔の各値は、白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置(例えば、Zygo社製のNewView 7300)により測定したものである。ここでの測定条件は、対物レンズ10倍、イメージズーム1倍、測定視野を0.69mm×0.52mmとした。
2.プラスチック光学素子製造用金型
本発明に係る光学素子製造用金型50について、図3及び図4を参照しつつ説明する。図4から理解できるように、本発明に係る光学素子製造用金型50は、「固定コア20及びその外周に配する固定コア側キャビテーション型21からなる固定側金型ブロック24」と、「可動コア30及びその外周に配する可動コア側キャビテーション型31からなる可動側金型ブロック33」とから構成され、固定側金型ブロック24と可動側金型ブロック33とで形成する成形体形成空間35に樹脂材料を射出成形して光学素子10を製造するものである。このときの固定コア20、固定コア側キャビテーション型21、可動コア30及び可動コア側キャビテーション型31の構成素材には、特段の限定はなく、硬さ、耐食性、切削容易性等を考慮し、従来から用いられているプラスチック金型用材料の中から任意に選択して用いることができる。以下、各構成部材に関して詳細に述べる。
2−1.固定側金型ブロック
固定側金型ブロック24は、固定コア20と、その外周に配する固定コア側キャビテーション型21からなる。以下、「固定コア20」と「固定コア側キャビテーション型21」に関して述べる。
(1)固定コア
図3に固定コア20を示している(図3では、図面の見やすさを考慮し、断面部のハッチングを省略している)。この固定コア20は、光学素子10の一面側の光学面12を形成するための光学面形成領域22と、その外側に隣接した金型側粗面領域23とを備える。以下、金型側粗面領域23及び光学面形成領域22について説明する。
光学面形成領域: 固定コア20の光学面形成領域22は、そのレプリカであり光学素子10の一方の光学面12と同様の表面状態を備えるものでなければならない。即ち、本発明において用いる固定コア20の光学面形成領域22は、表面粗さRaが20nm以下でなければならず、10nm以下であることが好ましく、5nm以下、さらには、2nm以下であることがより好ましい。当該固定コア20の光学面形成領域22の表面粗さRaが20nmを超えると、そのレプリカである光学素子10の光学面12の表面粗さRaを、20nm以下とすることができないからである。
金型側粗面領域: 固定コア20において、金型側粗面領域23は、光学面形成領域22の径方向の外周に配置されている。この金型側粗面領域23は、その表面粗さ形状を、光学素子10のコバ面14に転写し、レプリカ表面として光学素子側粗面15を形成するものである。本発明における固定コア20の金型側粗面領域23は、サンドブラスト法により形成されるものである。このサンドブラスト法により形成した金型側粗面領域23は、従来のNC加工により形成された規則性のある凹凸形状を備える金型側粗面とは全く異なる。固定コア20の金型側粗面領域23は、そのレプリカであり光学素子10の一方の光学素子側粗面15と同様の表面状態を備えるものでなければならない。即ち、金型側粗面領域23は、表面粗さRzが5μm以上20μm以下である必要があり、その上限値は、15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。そして、金型側粗面領域23は、隣接する光学面形成領域22との境界領域の幅が、レプリカである光学素子10と同様に10μm以下であることが、より好ましい。また、金型側粗面領域23は、レプリカである光学素子10と同様に、微細凹凸形状の凸部頂点間隔の平均頂点間隔は、15μm以上20μm以下であることが、より好ましい。金型側粗面領域23が、このような表面品質を備えなければ、上述の品質を備える光学素子10を得ることができないからである。
そして、この光学面形成領域22及び金型側粗面領域23は、以下の金型の製造方法で述べるが、その表面に無電解ニッケルめっき層を備えることが好ましい。当該製造方法で採用するサンドブラスト法による加工性に優れるからである。この無電解ニッケルめっき層の厚さは、当該サンドブラスト法による加工前の時点で100μm以上であることが好ましい。加工前の無電解ニッケルめっき層の厚さが100μm以上であれば、サンドブラスト法による粗面加工や、その後の旋削加工によって形成される光学面形成領域22の無電解ニッケルめっき層の厚さを50μm以上とすることができる。旋削加工後の光学面形成領域22の無電解ニッケルめっき層の厚さが50μm以上であれば、金型材料25の寸法誤差の影響があっても、無電解ニッケルめっき層から金型材料25が露出してしまう不都合を回避できる。また、当該製造方法において、サンドブラスト法による加工に加えて旋削加工を受ける光学面形成領域22の無電解ニッケルめっき層と、その後の旋削加工を受けない金型側粗面領域23の無電解ニッケルめっき層の厚さの差は、35μm以上65μm以下の範囲が好ましく、30μm以上60μm以下であることがより好ましい。理想的な光学面形成領域22の無電解ニッケルめっき層と、金型側粗面領域23の無電解ニッケルめっき層の厚さの差は50μmである。
(2)固定コア側キャビテーション型
図4から理解できるように、固定コア側キャビテーション型21は、前述の固定コア20の外周に配するものである。そして、固定コア側キャビテーション型21の内部に固定コア20を収容して嵌合した状態のものが、図4に示した固定側金型ブロック24となる。
2−2.可動側金型ブロック
可動側金型ブロック33は、可動コア30と、その外周に配する可動コア側キャビテーション型31とから構成されている。上述のように、可動側金型ブロック33は、固定側金型ブロック24と組み合わせて、成形体形成空間35を形成し、ここに樹脂材料を射出成形して光学素子10を製造するものである。以下、「可動コア30」と「可動コア側キャビテーション型31」に関して述べる。
(1)可動コア
この可動コア30は、光学素子10の他面側の光学面13を形成するための光学面形成領域22と、その外側に隣接した金型側粗面領域23とを、固定コア20と同様に備える。この可動コア30の金型側粗面領域23及び光学面形成領域22に関しては、固定コア20と同様の概念を適用できるため、ここでの重複した説明を省略する。
(2)可動コア側キャビテーション型
図4から理解できるように、可動コア側キャビテーション型31は、前述の可動コア30の外周に配するものである。そして、可動コア側キャビテーション型31の内部に可動コア30を収容して嵌合した状態のものが、図4に示した可動側金型ブロック24となる。
念のために述べておくが、以上に述べてきた固定コア20及び可動コア30の金型側粗面領域23の表面粗さRz・平均頂点間隔、及び、光学面形成領域22の表面粗さRaは、上述の白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置により同様に測定した値を採用している。
3.プラスチック光学素子製造用金型の製造方法
本発明に係る光学素子製造用金型50は、「固定コア20及びその外周に配する固定コア側キャビテーション型21からなる固定側金型ブロック24」と、「可動コア30及びその外周に配する可動コア側キャビテーション型31からなる可動側金型ブロック33」とから構成されている。この光学素子製造用金型50の製造方法において、固定コア20及び可動コア30の光学面形成領域22の形成方法に、最も大きな特徴を備えている。以下、「金型側粗面領域加工工程」、「光学面形成領域加工工程」の順に述べる。
(1)金型側粗面領域加工形態
本発明における金型側粗面領域の加工は、固定コア20及び可動コア30の光学素子形成面の全面をサンドブラスト法により粗面化するものである。一例として、図5に固定コア20を製造するための金型材料25を示している。当該固定コア20及び可動コア30を得るための金型材料25の金型側粗面領域23及び光学面形成領域22を含む光学素子成形面26の全体をサンドブラスト法を用いて粗面化する。
このときの金型材料25は、その金型材料25の光学素子成形面26に、無電解ニッケルめっき層を備えることが好ましい。この無電解ニッケルめっき層が存在することで、光学素子10の光学素子側粗面15を形成するのに適した性状の金型材料25の光学素子成形面26を得ることが容易になるからである。サンドブラスト法による加工前の無電解ニッケルめっき層は、上述した理由により100μm以上であることが好ましい。ここで、加工前の当該無電解ニッケルめっき層の厚さの上限値は、特に限定はない。当該無電解ニッケルめっき層の厚さが100μm以上であれば、適正にサンドブラスト法での粗化を行うことができ、その後の旋削加工によって金型材料25を露出させることなく光学面形成領域22を形成できるからである。このようにして、全面に無電解ニッケルめっき層を備えた光学素子成形面26のうち、光学面形成領域22のみ旋削加工を施すことで、光学面形成領域22の無電解ニッケルめっき層の厚さは、当該旋削加工を施さなかった金型側粗面領域23の無電解ニッケルめっき層の厚さよりも薄くなる。
ここで用いるサンドブラスト法は、従来より金型の粗面加工方法として用いられている方法を採用することが可能である。サンドブラスト法で金型材料25の光学素子成形面26を粗化することにより、特定の方向性及び特定の周期性がなく、不規則な凹凸形状の粗面を得ることができる。サンドブラスト法による粗面加工の条件としては、特に限定はない。
(2)光学面形成領域加工形態
図5を参照しつつ光学面形成領域加工について説明する。本発明における光学面形成領域加工は、いわゆる旋削工程である。上述の金型側粗面領域加工工程において、金型材料25の粗化が施された光学素子成形面26において、光学面形成領域22のみに旋削加工を施す工程である。光学面形成領域22の旋削加工は、高精度の微細切削が可能な超精密加工機40と、ダイヤモンドバイト42を用いることが好ましい。図5に示すように、金型材料25を超精密加工機40の回転軸41に固定し、金型材料25の光学素子成形面26にダイヤモンドバイト42を対向して配置する。超精密加工機40とダイヤモンドバイト42とは、ダイヤモンドバイト42が超精密加工機40の回転軸41に対して、平行な水平軸(z軸)と、垂直な水平軸(x軸)方向に移動可能である。当該構成により、ダイヤモンドバイト42の金型材料25への接触点(切削加工点46)が目標とする形状の軌跡を辿るように、当該金型材料25に対して一定量の切り込みを加えながら、x軸方向及びz軸方向に移動して、光学素子成形面26の旋削を行い、目標とする光学面形成領域22を形成する。
本発明における光学面形成領域加工(旋削加工)において、用いるダイヤモンドバイト42に大きな特徴がある。以下、図6を参照して説明する。図6はダイヤモンドバイト42の部分拡大断面図である。図6に示すダイヤモンドバイト42は、円弧状の切れ刃を有している。このダイヤモンドバイト42は、粒径100μm以下のナノ多結晶ダイヤモンドを用いて製造したものを用いることが好ましい。単結晶ダイヤモンドを用いたバイトを用いて、光学素子成形面26にある粗面(凹凸形状)を旋削加工すると、当該単結晶ダイヤモンドバイトの刃先の欠損(チッピング)が起こりやすい。これに対し、ナノ多結晶ダイヤモンドバイトを使用し当該旋削加工を行うと、刃先の欠損(チッピング)が起こり難く、旋削後に得られる光学面形成領域22の表面粗さが均一で、バラツキのないものとなり好ましい。
そして、図6に示すように、本発明において用いるダイヤモンドバイト42は、円弧状の切れ刃43の稜線上に「すくい面44」を有し、当該「すくい面44」と「前逃げ面45」との間に「切削加工点46」が存在することが好ましい。このとき、「すくい面44」と「ダイヤモンドバイト42の走査方向」とがなす「すくい角47」は、被切削物に対向して配置されるダイヤモンドバイト42の軸線方向Aを基準として、当該ダイヤモンドバイト42の走査方向を正としたときに、負のすくい角であることが好ましい。図6から理解できるように、この「すくい角47」は、「ダイヤモンドバイト42の軸線方向A」を基準として、25°以上30°以下の範囲で負の方向に傾斜していることが好ましい。この「すくい角47」が25°未満の場合には、ダイヤモンドバイト42の切削加工点46からの損傷が起きやすくなり、旋削屑の排出も困難となるため好ましくない。一方、この「すくい角47」が35°を超える場合には、ダイヤモンドバイト42の切削性能が低下するため好ましくない。
また、本発明において用いるダイヤモンドバイト42は、切れ刃43の稜線上におけるすくい面44の幅48が、1μm以上3μm以下であることが好ましい。ダイヤモンドバイト42のすくい面44の幅が1μm未満の場合には、バイト寿命が低くなるため好ましくない。一方、当該すくい面44の幅が3μmを上回る場合には、旋削屑の排出が困難となり好ましくない。
以上の述べてきた条件を満たすダイヤモンドバイト42は、金型(固定コア20及び可動コア30)の光学面形成領域22を旋削する際に欠損が生じ難いため、当該光学面形成領域22に局所的な面粗れが形成されにくくなり、表面粗さRaが20nm以下という表面品質を得ることができるようになる。また、固定コア20及び可動コア30を得るための金型材料25の光学素子形成面26の全面を粗化し、事後的に、当該ダイヤモンドバイト42を用いて光学面形成領域22のみを旋削形成することで、当該光学面形成領域22とその外周の金型側粗面領域23との境界領域の幅を10μm以下に止めることができるようになる。なお、全面が粗化された光学素子成形面26のうち、光学面形成領域22のみ旋削加工を施すことで、当該旋削加工を施さなかった光学面形成領域22の外周が金型側粗面領域23となる。
(3)キャビテーション型の形態
本発明にいうキャビテーション型には、図4に示すように「固定コア20の外周に配する固定コア側キャビテーション型21」と、「可動コア30の外周に配する可動コア側キャビテーション型31」がある。これらのキャビテーション型に関しては、特段の限定はなく、製品仕様に応じた金型設計を採用すれば良い。
(4)光学素子製造用金型の形態
以上に述べてきた製造方法を適用して得られ「固定コア20」を収容して「固定コア側キャビテーション型21」と嵌合することで「固定側金型ブロック24」が得られる。一方では、「可動コア30」を収容して「可動コア側キャビテーション型31」と嵌合することで「可動側金型ブロック33」が得られる。これら「固定側金型ブロック24」と「可動側金型ブロック33」とを、図4に示したように対向接触させ、「固定コア20」と「可動コア30」との間に成形体形成空間35を備える光学素子製造用金型50となる。
4.プラスチック光学素子の製造形態
上述した光学素子製造用金型50を用いた光学素子10の製造方法について説明する。図4に示す光学素子製造用金型50の成形体形成空間35に、光学素子10の材料となる樹脂材料を射出充填して光学素子として成形する。その後、図4に示す光学素子製造用金型50を構成する「可動側金型ブロック33」を「固定側金型ブロック24」から分離し、「固定側金型ブロック24」の「固定コア20」にある光学素子10を離型して採取する。よって、光学素子製造用金型20にある光学面形成領域22と金型側粗面領域23との表面形状が、得られた光学素子10の光学面12、13及び光学素子側粗面15に転写された状態となる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではないことを明記しておく。
(1)金型側粗面領域加工工程
実施例の光学素子製造用金型において、固定コア20及び可動コア30を得るため、金型用鋼(STAVAX(ウッデホルム株式会社製))を金型材料25として用い、その光学素子成形面26に厚さ200μmの無電解ニッケルめっき層を形成したものを用いた。
そして、この無電解ニッケルめっき層の表面から、サンドブラスト法によってメディア粒径74μm以下のアルミナ製粒子を吹き付け、金型材料25の光学素子成形面26の全面を粗面とした。このときの表面粗さRzは、10μmであった。
(2)光学面形成領域加工工程
光学素子成形面26を粗面化した金型材料25を、超精密加工機(株式会社不二越社製)40の回転軸41に取り付け、対向位置に多結晶ダイヤモンドを用いたダイヤモンドバイト42を配置して、光学素子成形面26の光学面形成領域22のみを旋削加工した。このときに用いたダイヤモンドバイト42は、粒径100nm以下の多結晶ダイヤモンドで構成したものであり、すくい角は28°負角、すくい面44の幅48が2μmであった。これにより、光学面形成領域22と、その外周に金型側粗面領域23を備えた固定コア20及び可動コア30を得た。
(3)光学素子製造用金型
以上に述べた「固定コア20」と「固定コア側キャビテーション型21」と嵌合して「固定側金型ブロック24」を得た。一方、「可動コア30」と「可動コア側キャビテーション型31」と嵌合して「可動側金型ブロック33」を得た。そして、これら「固定側金型ブロック24」と「可動側金型ブロック33」とを、図4に示したように対向接触させ、「固定コア20」と「可動コア30」との間に成形体形成空間35を備える光学素子製造用金型50とした。
(4)プラスチック光学素子の製造
上述した光学素子製造用金型50を用いた光学素子10の製造は、光学素子製造用金型50の成形体形成空間35に、射出成形機(S−2000i50B(ファナック株式会社製))を用い、溶融した熱可塑性樹脂(ZEONEX E−48R(日本ゼオン株式会社製))を射出充填した。その後、光学素子製造用金型50を構成する「可動側金型ブロック33」を「固定側金型ブロック24」から分離し、「固定側金型ブロック24」の「固定コア20」にある光学素子10を離型して採取した。このようにして得られた光学素子10は、製造に用いた光学素子製造用金型50にある光学面形成領域22と金型側粗面領域23との表面形状が、得られた光学素子10の光学面12,13及び光学素子側粗面15に転写された状態となっていた。
比較例
比較例では、実施例の粗化の方法であるサンドブラスト法に代えて、NC加工を採用して規則性のある凹凸形状を採用した点と、光学素子成形面26の光学面形成領域22のみを旋削加工する際に、単結晶ダイヤモンドを用いたダイヤモンドバイト42を用いた点のみが異なる。よって、ここでの重複した説明は省略する。
[評価結果]
以下、各実施例及び比較例の評価結果について述べる。
光学素子の光学面の表面粗さ: 各実施例及び比較例で得られた光学素子の光学面の表面粗さRaは、白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置のNewView 7300(Zygo社製)により、上述と同様の測定条件で測定した。実施例の光学素子の光学面の表面粗さRaは、全域で2nm以下であり、局所的な面粗れは認められなかった。これに対し、金型加工に単結晶ダイヤモンドバイトを用いた比較例の場合、ダイヤモンドバイトの損傷が起きたため、金型側に局所的な面粗れが発生し、得られた光学素子にも場所的な表面粗さの乱れがあり、表面粗さRaが50nm程度となったため、全域で表面粗さRaが20nm以下という条件を満たせていなかった。
光学素子製造用金型の表面性状: 実施例及び比較例の光学素子製造用金型の粗面部分の表面を、微分干渉顕微鏡(STM6(オリンパス株式会社製))を用いて倍率1000倍で観察した。この結果として、実施例及び比較例の粗面部分の顕微鏡観察写真を図7及び図8に示す。また、実施例及び比較例の粗面と光学面形成領域との境界部分の顕微鏡観察写真を図9及び図10に示している。さらに、実施例及び比較例の光学素子製造用金型の粗面の表面性状は、白色干渉計を用いた非接触三次元表面性状測定装置(Zygo社製のNewView 7300)により測定した。このときの測定条件は、上述した光学素子の光学面の表面粗さRaの測定条件と同様にした。実施例及び比較例の金型側粗面の表面粗さRz、凹凸形状の平均頂点間隔を表1に示す。
サンドブラスト法により粗面処理された実施例は、表面粗さRzが10μm、平均頂点間隔が16μm(標準偏差2μm)であった。実施例の表面性状は、図7から、特定の方向性及び特定の周期性がない不規則な微細凹凸形状であることが確認できる。これに対し、NC加工法を用いた工作機械により形成された比較例は、表面粗さRzが5μm、「径方向の平均頂点間隔が34μm(標準偏差1.5μm)」、「円周方向の平均頂点間隔が140μm(標準偏差6μm)」であった。比較例の表面性状は、図8からも、一定のパターンを有する微細凹凸形状であることが確認できる。なお、比較例において、径方向と円周方向とのデータを分けて考えたのは、凹凸形状に規則性があり、この規則性が方位により異なるからである。
また、この実施例と比較例との製造方法の差により生じる表面形状の差は、金型側粗面と光学面形成領域との境界部分において顕著に表れる。すなわち、図9に示す実施例の金型側粗面と光学面形成領域との境界領域の幅は、図中の10μmのスケールバーと対比すると、約5μmと狭く、光学面形成領域の輪郭線が大きく乱れていないことが分かる。これに対し、図10に示す比較例の金型側粗面と光学面形成領域との境界領域の幅は、図中の10μmのスケールバーと対比すると、約15μmと広く、光学面形成領域の輪郭線は、金型側粗面を形成する凹凸のパターン形状が明瞭に表れていることが認識できる。
本発明に係るプラスチック光学素子は、光学素子のコバ面に入射する不要な光が、光学素子の光学面に混入することを効果的に抑制できる。したがって、このプラスチック光学素子を採用した撮像装置等の光学機器は、被写体側から入射する光線を、光学設計どおりに屈折させ、像面側に向けて出射することが可能となる。
10 プラスチック光学素子
12、13 光学面
14 コバ面
15 粗面
20 固定コア
21 固定コア側キャビティ型
22 光学面形成領域
23 金型側粗面領域
24 固定側金型ブロック
25 金型材料
26 光学素子成形面
30 可動コア
31 可動コア側キャビティ型
33 可動側金型ブロック
35 成形体形成空間
40 超精密加工機
41 回転軸
42 ダイヤモンドバイト
43 切れ刃
44 すくい面
45 前逃げ面
46 加工点
47 すくい角
48 すくい面の幅

Claims (13)

  1. 光学面と当該光学面の外周に位置するコバ面とを備えたプラスチック光学素子であって、
    当該コバ面は、不規則な凹凸形状を備える光学素子側粗面であり、
    当該光学面は、非接触三次元表面性状測定装置で測定した表面粗さRaが20nm以下であることを特徴とするプラスチック光学素子。
  2. 前記光学素子側粗面と前記光学面との境界領域の幅が10μm以下である請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  3. 前記光学素子側粗面は、非接触三次元表面性状測定装置で測定した表面粗さRzが5μm以上20μm以下である請求項1又は請求項2に記載のプラスチック光学素子。
  4. 前記光学素子側粗面の凹凸形状は、非接触三次元表面性状測定装置を用いて測定した凹凸形状の凸部の平均頂点間隔が15μm以上20μm以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子。
  5. 光学素子の光学面を形成するための光学面形成領域と、光学素子のコバ面に設ける光学素子側粗面を形成するための金型側粗面領域とを備えたプラスチック光学素子を製造するための金型であって、
    当該金型側粗面領域は、不規則な凹凸形状を備え、
    当該金型側粗面領域に隣接配置されている光学面形成領域は、非接触三次元表面性状測定装置を用いて得られる表面粗さRaが20nm以下であることを特徴とするプラスチック光学素子製造用金型。
  6. 前記金型側粗面領域と前記光学面形成領域との境界領域の幅が10μm以下である請求項5に記載のプラスチック光学素子製造用金型。
  7. 前記金型側粗面領域は、非接触三次元表面性状測定装置を用いて測定した表面粗さRzが5μm以上20μm以下である請求項5又は請求項6に記載のプラスチック光学素子製造用金型。
  8. 前記金型側粗面領域が有する凹凸形状は、非接触三次元表面性状測定装置を用いて得られる隣接する凸部同士の平均頂点間隔が15μm以上20μm以下である請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子製造用金型。
  9. 前記金型側粗面領域及び前記光学面形成領域は、その表面に無電解ニッケルめっき層を備える請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子製造用金型。
  10. 請求項5から請求項9のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子製造用金型の製造方法であって、
    当該プラスチック光学素子製造用金型は、固定コアと固定コア側キャビテーション型とで構成される固定側金型ブロックと、可動コアと可動コア側キャビテーション型とで構成される可動側金型ブロックとを対向接触させ、固定コアと可動コアとの間に成形体形成空間を備えるものであり、
    当該固定コアと可動コアとの光学素子成形面をサンドブラスト法で粗化し、当該粗化後に当該固定コア及び可動コアの光学面形成領域を多結晶ダイヤモンドバイトを用いて旋削加工することを特徴とするプラスチック光学素子製造用金型の製造方法。
  11. 前記多結晶ダイヤモンドバイトは、粒径100μm以下のナノ多結晶粒子を用いて得られるものである請求項10に記載のプラスチック光学素子製造用金型の製造方法。
  12. 前記多結晶ダイヤモンドバイトは、その軸線方向を基準とし、当該多結晶ダイヤモンドバイトの走査方向を正としたときに、当該多結晶ダイヤモンドバイトの走査方向と当該多結晶ダイヤモンドバイトのすくい面とがなす角度が、25°以上30°以下の範囲で負の方向に傾斜したものを用いる請求項10又は請求項11に記載のプラスチック光学素子製造用金型の製造方法。
  13. 前記多結晶ダイヤモンドバイトの切れ刃稜線上におけるすくい面の幅が1μm以上3μm以下のものを用いる請求項10から請求項12のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子製造用金型の製造方法。

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