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JP2019102181A - フロー電池 - Google Patents

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JP2019102181A
JP2019102181A JP2017229473A JP2017229473A JP2019102181A JP 2019102181 A JP2019102181 A JP 2019102181A JP 2017229473 A JP2017229473 A JP 2017229473A JP 2017229473 A JP2017229473 A JP 2017229473A JP 2019102181 A JP2019102181 A JP 2019102181A
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electrode
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JP2017229473A
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計匡 梅里
Kazumasa Umesato
計匡 梅里
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】性能劣化を低減することができるフロー電池の提供。【解決手段】正極2及び負極3と、負極3と電気的に接続可能な放電用電極11と、正極2、負極3及び放電用電極11に接触する電解液6とを備える反応部10と、電解液6を流動させる流動装置と、負極3と放電用電極11との接続状態を切り替える切替部とを備えるフロー電池1。【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、フロー電池に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−185259号公報
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
しかしながら、上記に記載の電池では、充放電時の反応に起因して電極間の充電状態に不均衡が生じ、電池性能が劣化する懸念があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、性能劣化を低減することができるフロー電池を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るフロー電池は、反応部と、流動装置と、切替部とを備える。反応部は、正極および負極と、前記負極と電気的に接続可能な放電用電極と、電解液とを備える。電解液は、前記正極、前記負極および前記放電用電極に接触する。流動装置は、前記電解液を流動させる。切替部は、前記負極と前記放電用電極との接続状態を切り替える。
実施形態の一態様のフロー電池によれば、性能劣化を低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図3は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図4は、第2の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。 図5は、第3の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図6は、第4の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、筐体17に収容された反応部10および発生部9と、供給部14とを備える。反応部10は、正極2と、負極3と、隔膜4,5と、電解液6と、粉末7とを備える。フロー電池1は、発生部9で発生した気泡8を電解液6中で浮上させることにより反応部10内に収容された電解液6を流動させる装置である。発生部9は、流動装置の一例である。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1に示すフロー電池1と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
正極2は、例えば、ニッケル化合物、マンガン化合物またはコバルト化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト化合物含有水酸化ニッケル等が使用できる。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が使用できる。コバルト化合物は、例えば、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト等が使用できる。また、正極2は、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液6が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有してもよい。
負極3は、負極活物質を金属として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
負極3は、正極2を挟んで互いに向かい合うように配置された負極3Aおよび負極3Bを含む。正極2および負極3は、負極3Aと、正極2と、負極3Bとが予め定められた間隔でY軸方向に沿って順に並ぶように配置されている。このように隣り合う正極2と負極3との間隔をそれぞれ設けることにより、正極2と負極3との間における電解液6および気泡8の流通経路が確保される。
隔膜4,5は、正極2の厚み方向、すなわちY軸方向の両側を挟むように配置される。隔膜4,5は、電解液6に含まれるイオンの移動を許容する材料で構成される。具体的には、隔膜4,5の材料として、例えば、隔膜4,5が水酸化物イオン伝導性を有するように、陰イオン伝導性材料が挙げられる。陰イオン伝導性材料としては、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料、または固体高分子型陰イオン伝導性材料などが挙げられる。固体高分子型陰イオン伝導性材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族より選択された少なくとも一種類の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択された少なくとも一つの化合物とを含む。
隔膜4,5は、好ましくは、水酸化物イオンよりも大きいイオン半径を備えた[Zn(OH)2−等の金属イオン錯体の透過を抑制するように緻密な材料で構成されると共に所定の厚さを有する。緻密な材料としては、例えば、アルキメデス法で算出された90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上の相対密度を有する材料が挙げられる。所定の厚さは、例えば、10μm〜1000μm、より好ましくは50μm〜500μmである。
この場合には、充電の際に、負極3A,3Bにおいて析出する亜鉛がデンドライト(針状結晶)として成長し、隔膜4,5を貫通することを低減することができる。その結果、互いに向かい合う負極3と正極2との間の導通を低減することができる。
電解液6は、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液6中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液6中に溶存している。電解液6は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に亜鉛種を飽和させたものを使用することができる。なお、電解液6は、後述する粉末7とともに調製すれば、充電容量を大きくできる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、0.5molの割合でZnOを添加し、必要に応じて後述する粉末7を追加することにより電解液6を調製することができる。さらに、酸素発生抑制を目的に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を添加してもよい。
粉末7は、亜鉛を含む。具体的には、粉末7は、例えば粉末状に加工または生成された酸化亜鉛、水酸化亜鉛等である。粉末7は、アルカリ水溶液中には容易に溶解するが、亜鉛種の飽和した電解液6中には溶解せずに分散または浮遊し、一部が沈降した状態で電解液6中に混在する。電解液6が長時間静置されていた場合、ほとんどの粉末7が、電解液6の中で沈降した状態になることもあるが、電解液6に対流等を生じさせれば、沈降していた粉末7の一部は、電解液6に分散または浮遊した状態になる。つまり、粉末7は、電解液6中に移動可能に存在している。なお、ここで移動可能とは、粉末7が、周囲の他の粉末7の間にできた局所的な空間の中のみを移動できることではなく、電解液6の中を別の位置に粉末7が移動することにより、当初の位置以外の電解液6に粉末7が晒されるようになっていることを表す。さらに、移動可能の範疇には、正極2および負極3の両方の近傍まで粉末7が移動できるようになっていることや、筐体17内に存在する電解液6中の、ほぼどこにでも粉末7が移動できるようになっていることが含まれる。電解液6中に溶存する亜鉛種である[Zn(OH)2−が消費されると、電解液6中に混在する粉末7は、粉末7および電解液6が互いに平衡状態を維持するように電解液6中に溶存する亜鉛種が飽和するまで溶解する。
気泡8は、例えば正極2、負極3A,3Bおよび電解液6に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液6に不活性な気体の気泡8を発生させることにより、電解液6の変性を低減することができる。また、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である電解液6の劣化を低減し、電解液6のイオン伝導度を高く維持することができる。なお、気体は空気であってもよい。
発生部9から電解液6中に供給された気体により発生した気泡8は、所定の間隔で配置された電極間、すなわち、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間において、それぞれ電解液6中を浮上する。電解液6中を気泡8として浮上した気体は、電解液6の液面で消滅し、反応部10の上部を覆う上板18と電解液6の液面との間に気体層13を構成する。
ここで、フロー電池1における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
一般的には、この反応に伴って負極3で生成したデンドライトが正極2側へ成長し、正極2と負極3とが導通する懸念がある。反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、析出した亜鉛の近傍で[Zn(OH)2−の濃度が低下する現象が、デンドライトとして成長する一因である。すなわち、充電時に消費される電解液6中の[Zn(OH)2−を補給することにより、電解液6中の亜鉛種である[Zn(OH)2−の濃度が飽和状態に保持される。これにより、デンドライトの成長が低減され、正極2と負極3との導通が低減される。
第1の実施形態に係るフロー電池1では、電解液6中に亜鉛を含む粉末7を混在させるとともに、発生部9の吐出口9aから電解液6中に気体を供給して気泡8を発生させる。気泡8は、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間のそれぞれにおいて反応部10の下方から上方に向かって電解液6中を浮上する。
また、電極間における上記した気泡8の浮上に伴い、電解液6には上昇液流が発生し、負極3Aと正極2との間、正極2と負極3Bとの間では反応部10の内底10e側から上方に向かって電解液6が流動する。そして、電解液6の上昇液流に伴い、主に反応部10の内壁10aと負極3Aとの間、および内壁10bと負極3Bとの間で下降液流が発生し、電解液6が反応部10の内部を上方から下方に向かって流動する。
これにより、充電によって電解液6中の[Zn(OH)2−が消費されると、これに追従するように粉末7中の亜鉛が溶解することで[Zn(OH)2−が電解液6中に補給される。このため、電解液6中の[Zn(OH)2−の濃度を飽和状態に保つことができ、デンドライトの成長に伴う正極2と負極3との導通を低減することができる。
なお、粉末7としては、酸化亜鉛および水酸化亜鉛以外に、金属亜鉛、亜鉛酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などが挙げられ、酸化亜鉛および水酸化亜鉛が好ましい。
また、負極3では、放電によりZnが消費され、[Zn(OH)2−を生成するが、電解液6はすでに飽和状態であるため、電解液6中では、過剰となった[Zn(OH)2−からZnOが析出する。このとき負極3で消費される亜鉛は、充電時に負極3の表面に析出した亜鉛である。このため、元来亜鉛種を含有する負極を用いて充放電を繰り返す場合とは異なり、負極3の表面形状が変化するいわゆるシェイプチェンジが生じない。これにより、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、負極3の経時劣化を低減することができる。なお、電解液6の状態によっては、過剰となった[Zn(OH)2−から析出するのは、Zn(OH)や、ZnOとZn(OH)とが混合したものになる。
また、上述したように、負極3では、充電により負極3の表面に電解液6から析出した亜鉛が付着し、正極2では正極活物質(例えば、NiOOH)が生成する。正極2ではまた、充電時の副反応として酸素が発生する場合がある。
正極2で酸素が発生すると、正極2と負極3との間で充電状態に不均衡が生じ、充電により生成する正極活物質の量は、化学量論的に算出される理論値よりも小さくなる。例えば、充電により生成した正極活物質をすべて消費するまで放電を行っても、負極3には負極活物質である亜鉛の一部が残存し、電気として取り出すことができない。一方、負極3に付着した亜鉛をすべて消費するように放電を行うと、正極2では過放電状態となり、正極2が劣化してサイクル寿命の低下を起こす懸念がある。
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、負極3と電気的に接続可能な放電用電極11を設けることとした。放電用電極11は、正極2や負極3と同様に反応部10に収容され、電解液6に接触するように配置される。また、放電用電極11は、正極2や負極3と接触しないよう反応部10の内壁10aと負極3Aとの間に配置される。なお、放電用電極11は、内壁10aと接するように配置されてもよい。
放電用電極11は、負極3と電気的に接続されると、負極3に付着した亜鉛と放電用電極11との間で局部電池を形成する。そして、放電用電極11と亜鉛との間で生じる局部電流に伴い、負極3の表面に付着した亜鉛は電解液6中に溶解する。このように、負極3と電気的に接続可能な放電用電極11を配置することにより、負極3に析出した亜鉛が放電により溶解せずに残存した場合であっても、残存した亜鉛を溶解させることで正極2と負極3との間の不均衡な充電状態を解消させることができる。このため、第1の実施形態に係るフロー電池1によれば、例えば正極2と負極3との間の不均衡な充電状態に起因する性能劣化が低減される。
ここで、放電用電極11は、例えば、Cr、Fe、Cd、Co、Ni、Sn、Pb、Cuを含有する導電性材料である。NiやSnでは、水の電気分解で水素を発生させることで、充電により生成した負極活物質を非充電状態にする。特にNiやSnは、アルカリ性の電解液6に対する耐性が高いので、放電用電極11として用いるのに適している。放電用電極11としてCr、Fe、Cd、Co、Pb、Cuを用いた場合、それらが電解液6に溶けることで、充電により生成した負極活物質を非充電状態にする。
また、放電用電極11は、上記した導電性材料からなる板状部材であってもよいが、例えば発泡体やエキスパンドメタル、パンチングメタル、シート状の織布または不織布などの形態を採用し、比表面積を大きくして局部電流による反応性を向上させてもよい。放電用電極11は、安定性を高くするため、上述の材質の金属で構成するのがよい。放電用電極11は、基本的には、正極2に対して充電がされる際のような電圧が加わることがないように制御されるが、そのようなことがあっても、金属であれば変化し難い。
また、放電用電極11としてNiやSnを用いた場合、放電用電極11の表面積を、1枚の負極3の10%以上、さらに50%以上にすることで、放電が速やかに行われるようにできる。放電用電極11としてCr、Fe、Cd、Co、Pb、Cuを用いた場合、放電用電極11の寸法は、少なくとも負極3の表面に付着した亜鉛をすべて溶解可能な程度とされる。そして、負極3との接続により消費された放電用電極11は、充放電等により再生されないため、フロー電池1の設計上の交換時期等も考慮して決定される。
また、負極3では、放電用電極11と負極3との電気的な接続により、電解液6を構成する水が電気分解されて水素が発生し、電解液6の総量が減少する。電解液6が減少すると、電解液6のイオン伝導性が低下し、電池性能が低下する懸念がある。そこで、反応部10の内部で発生した酸素や水素と接触する箇所に触媒層12を設けてもよい。触媒層12は、副反応等により生じた酸素と、放電用電極11と負極3との接続により生じた水素とを反応させて水を生じさせる。これにより、電解液6の減少や、供給部14や配管15,16等の水素脆化に伴う不具合が低減する。
ここで、触媒層12は、例えば白金粒子などの触媒を担持させた、気体透過性を有する部材である。図1に示す例では、上板18の下面側に、気体層13と接触するように取り付けられる。ただし、反応部10の内部で発生した酸素や水素と接触する箇所であれば触媒層12の配置は図示した箇所に限らず、例えば配管16の内部や、反応部10の内壁10a,10bであってもよい。また、触媒層12は、電解液6に接触してもよく、また電解液6とは接触しない箇所に配置されてもよい。
次に、フロー電池1が備える放電用電極11と負極3との間の電気的な接続について、図2を用いてさらに説明する。図2は、第1の実施形態に係るフロー電池1の電極間の接続の一例について説明する図である。
図2に示すように、正極2は、正極板22を介して外部に接続するためのタブ2Aaを有している。負極3Aおよび3Bは、負極3Aおよび3Bがそれぞれ有するタブ3Aa,3Baを介して、負極板23を用いて並列接続されている。また、このように負極3および正極2をそれぞれ接続することにより、正極2および負極3の総数が異なる場合であっても各電極間を適切に接続し、充放電可能なフロー電池1として使用することができる。
また、負極板23で接続された負極3は、切替部20を介して放電用電極11が有するタブ11aと電気的に接続可能に配置されている。切替部20は、切替制御部21から出力された制御信号に応じて負極3と放電用電極11との接続状態を切り替える。
切替制御部21は、例えば、正極2の放電が終わった状態における負極3の充電状態に基づいて切替部20を制御し、負極3と放電用電極11との接続状態を切り替える。切替制御部21は、正極2および負極3の状態を常時、あるいは定期的に取得しており、正極2あるいは負極3のいずれかの充電された活物質が実質的になくなる前に放電を止める。充電された活物質が実質的になくなるとは、充電された活物質がなくなるか、あるいは残量が少なくなったために、外部に十分なエネルギーを供給できなくなる状態になるか、あるいはそのような状態になる前に外部に所定のエネルギーを供給できなくなった状態のことである。
切替制御部21は、正極2に充電された活物質が実質的になくなると、正極2と負極3との間の放電を止める。正極2と負極3とで起きた副反応が実質的に同等であれば、正極2に充電された活物質が実質的になくなった際には、負極3に充電された活物質も実質的になくなっている。正極2に充電された活物質が実質的になくなった際に、負極3に充電された活物質が多く残っている場合、切替制御部21は、負極3と放電用電極11との間で放電を行う。例えば、負極3に残っている充電された活物質の分だけ、電解液6の活物質濃度が低くなっているので、電解液6の活物質濃度が低い場合に放電を行う。具体的には、切替制御部21は、電解液6中の亜鉛濃度が閾値(例えば2moldm−3)以下となったことを契機として負極3と放電用電極11とが接続されるよう切替部20を制御し、負極3の表面に付着した亜鉛を溶解させる。そして、切替制御部21は、負極3の表面に付着した亜鉛が溶解した旨の判定に基づいて切替部20を再び制御し、負極3と放電用電極11との接続を遮断する。なお、負極3の表面に付着した亜鉛が溶解したか否かは、例えば電流測定部19で測定された電流値に基づいて判定される。具体的には、切替制御部21は、電流測定部19が測定した電流値が予め定められた閾値以下に低減したことを契機として切替部20を制御し、負極3と放電用電極11との接続を遮断する。
また、フロー電池1に充電する際には、切替制御部21は、負極3と放電用電極11との接続を遮断し、正極2と負極3との間で充電を行う。
なお、切替制御部21による切替部20の切替制御は、負極3の充電状態にかかわらず、例えば所定時刻ごと、所定期間経過する都度、あるいは充放電回数が所定回数に到達した都度等、予め定められた周期に応じて定期的に実行するようにしてもよい。かかる場合、切替制御部21は、消費電力抑制の観点から、正極2と負極3との間の充電状態の不均衡の程度にかかわらず例えば負極3の充電容量が所定量(例えば、20%)消費されるまで負極3と放電用電極11とを接続させた後、接続を遮断する制御を切替部20に対して行ってもよい。
また、切替制御部21による切替部20の切替制御の契機は、上記したものに限られない。例えば、負極3の充電容量が正極2の充電容量に対して所定の比率(例えば120%)以上となったことを契機として負極3と放電用電極11とを接続し、負極3の充電容量が正極2の充電容量に対して所定の比率(例えば、100.5%)以下となったことを契機として負極3と放電用電極11との接続を遮断する制御を行ってもよい。なお、電流測定部19で測定された電流値によっては、切替制御部21は、例えば予め定めた時間(例えば、数秒間)だけ負極3と放電用電極11とを接続させるといった時間制御を切替部20に対して行ってもよい。
また、切替制御部21による切替部20の切替制御は、フロー電池1が充放電を実施しているときや充放電を実施していないレスト状態のときに実行してもよく、放電終了後に実行してもよい。なお、フロー電池1の放電が終了したか否かは、例えば、フロー電池1の放電終止電圧に基づいて判定される。
なお、上記したフロー電池1では、合計3枚の電極が、負極3および正極2が交互に配置されるように構成されたが、これに限らず、4枚以上の電極を交互に配置するようにしてもよく、正極2および負極3をそれぞれ1枚ずつ配置させてもよい。また、上記したフロー電池1では、両端がともに負極(3A,3B)となるように構成されたが、これに限らず、両端がともに正極となるように構成してもよい。
さらに、一方の端部が正極2、他方の端部が負極3となるように同枚数の負極3および正極2をそれぞれ交互に配置してもよい。かかる場合、電極間の接続は並列であってもよく、直列であってもよい。
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。発生部9は、反応部10の下方に配置されている。発生部9は、後述する供給部14から供給された気体を一時的に貯留するよう内部が中空となっている。また、反応部10の内底10eは、発生部9の中空部分を覆うように配置されており、発生部9の天板を兼ねている。
また、内底10eは、X軸方向およびY軸方向に沿って並ぶ複数の吐出口9aを有している。発生部9は、供給部14から供給された気体を吐出口9aから吐出することにより、電解液6中に気泡8を発生させる。吐出口9aは、例えば0.05mm以上0.5mm以下の直径を有する。吐出口9aの直径をこのように規定することにより、吐出口9aから発生部9の内部の中空部分に電解液6や粉末7が進入する不具合を低減することができる。また、吐出口9aから吐出される気体に対し、気泡8を発生させるのに適した圧力損失を与えることができる。
また、吐出口9aのX軸方向に沿った間隔(ピッチ)は、例えば、2.5mm以上10mm以下である。ただし、吐出口9aは、発生した気泡8を互いに向かい合う正極2と負極3との間にそれぞれ適切に流動させることができるように配置されるものであれば、大きさや間隔に制限はない。
ここで、発生部9および反応部10を有する筐体17および上板18は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。筐体17および上板18は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。また、発生部9は、反応部10の内部に配置されてもよい。
供給部14は、配管16を介して筐体17の内部から回収された気体を、配管15を介して発生部9に供給する。供給部14は、例えば気体を移送可能なポンプ(気体ポンプ)、コンプレッサまたはブロワである。供給部14の気密性を高くすれば、気体や電解液6に由来する水蒸気を外部に漏出させることによるフロー電池1の発電性能の低下が起きにくい。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図4は、第2の実施形態に係るフロー電池の電極間の接続の一例について説明する図である。図3、図4に示すフロー電池1Aは、複数の放電用電極11を備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。
図3に示すように、放電用電極11は、反応部10の内壁10aと負極3Aとの間に配置された第1放電用電極11Aと、反応部10の内壁10bと負極3Bとの間に配置された第2放電用電極11Bとを有する。
また、図4に示すように、負極板23で接続された負極3は、切替部20Aを介して第1放電用電極11Aのタブ11Aaと電気的に接続可能に配置されている。また、負極3は、切替部20Bを介して第2放電用電極11Bのタブ11Baと電気的に接続可能に配置されている。切替部20A,20Bは、切替制御部21Aから出力された制御信号に応じて、負極3と第1放電用電極11A、負極3と第2放電用電極11Bの接続状態をそれぞれ切り替える。このように反応部10内部の異なる場所に複数の放電用電極11を配置することにより、設計の自由度が向上する。
なお、切替部20A,20Bは、切替制御部21Aから出力された制御信号に応じて同様に切り替えられてもよく、第1放電用電極11Aおよび第2放電用電極11Bのうち、一方のみが負極3と接続されるように切り替えられてもよい。
また、第1放電用電極11Aは、切替部20A−負極板23−切替部20Bを介して第2放電用電極11Bと電気的に接続可能に構成されたが、第1放電用電極11Aと第2放電用電極11Bとが直接接続されてもよい。
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図5に示すフロー電池1Bは、図1に示す発生部9、供給部14、配管15,16に代えて、供給部14a、配管15a,16aを備えることを除き、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様の構成を有している。
供給部14aは、配管16aを介して筐体17の内部から回収された、粉末7が混在する電解液6を、配管15aを介して筐体17の下部に供給する。供給部14aは、流動装置の一例である。
供給部14aは、例えば電解液6を移送可能なポンプである。供給部14aの気密性を高くすれば、粉末7および電解液6を外部に漏出させることによるフロー電池1Bの発電性能の低下が起きにくい。そして、筐体17の内部に送られた電解液6は、第1の実施形態に係るフロー電池1と同様に、各電極間を上方に流動する間に充放電反応に供されることとなる。
このように発生部9を有しないフロー電池1Bにおいても、負極3と電気的に接続可能な放電用電極11を配置することにより、負極3に析出した亜鉛が放電により溶解せずに残存した場合であっても、残存した亜鉛を溶解させることで正極2と負極3との間の不均衡な充電状態を解消させることができる。このため、第3の実施形態に係るフロー電池1Bによれば、例えば正極2と負極3との間の不均衡な充電状態に起因する性能劣化が低減される。
なお、図5に示すフロー電池1Bでは、配管16aに接続された開口が、各電極の主面と向かい合う内壁10b、すなわち反応部10のY軸方向側の端部に設けられているが、これに限らず、X軸方向側の端部に設けられてもよい。
また、図5に示すフロー電池1Bでは、供給部14aは、粉末7が混在する電解液6を供給するとしたが、これに限らず、電解液6のみを供給することとしてもよい。かかる場合、例えば配管16aの途中に、粉末7が混在する電解液6を一時的に貯留するタンクを設け、タンク内部において電解液6中に溶解する[Zn(OH)2−の濃度を調整することとしてもよい。
<第4の実施形態>
図6は、第4の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図6に示すフロー電池1Cは、ZX平面に沿って延在する複数のセル10−1〜10−8を積層したセルスタック100を含む。セル10−1〜10−8はそれぞれ、上記したフロー電池1が有する反応部10に相当する。なお、ここでは図示しない供給部14は、セル10−1〜10−8ごとにそれぞれ対応するように配置してもよく、また2以上のセル10−1〜10−8に対し、1または複数の発生部9が対応するように構成してもよい。なお、セルスタック100が有するセル10−1〜10−8の数は一例にすぎず、7以下または9以上でもよいことはいうまでもない。
また、セル10−1,10−3,10−5,10−7の正極板22とセル10−2,10−4,10−6,10−8の負極板23とは接続部材31,33,35,37を介してそれぞれ電気的に接続されている。また、セル10−2,10−4,10−6の正極板22とセル10−3,10−5,10−7の負極板23とは接続部材32,34,36を介してそれぞれ電気的に接続されている。このように、互いに隣り合うセルの正極板22と負極板23とを接続部材を用いて接続することにより、セル10−1〜10−8は直列接続される。なお、図6に示すように、正極板22と負極板23の配置は、Y軸方向に正極板22と負極板23とが互い違いに配置されるように構成すると、接続部材31〜37のサイズを小さくすることができ、充放電性能の低下を低減することができる。
また、図6に示す切替制御部21Bは、セル10−1〜10−8ごとの充電状態に基づいて負極3と放電用電極11との接続状態を切り替えるよう、セル10−1〜10−8がそれぞれ有する切替部20(図2参照)を制御する。
切替制御部21Bは、例えば、セル10−1〜10−8ごとの充電容量のバラつきに基づいて切替部20を制御し、負極3と放電用電極11とを接続させる。具体的には、切替制御部21Bは、セル10−1〜10−8ごとに算出された充電容量のうち、最大値と最小値との差分が所定の閾値(例えば、20%)を超えたことを契機として負極3と放電用電極11とを接続させることができる。また、切替制御部21Bは、負極3の充電容量が所定の閾値(例えば、5%以下)となったことを契機として、あるいはセル10−1〜10−8ごとの充電容量のうち、最大値と最小値との差分が所定の閾値(例えば、1%以下)となったことを契機として、負極3と放電用電極11との接続を遮断することができる。なお、切替制御部21Bは、セルスタック100が有するセル10−1〜10−8のすべての切替部20を同様に切替制御してもよく、またセル10−1〜10−8のうち1または複数の特定のセルのみを切替制御してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、図3に示すフロー電池1Aが有する発生部9、供給部14、配管15,16、に代えて、図5に示す供給部14a、配管15a,16aを備えてもよい。また、図6に示すフロー電池1Cが有するセル10−1〜10−8が、図3に示すフロー電池1Aまたは図5に示すフロー電池1Bが有する反応部10に相当する構成をそれぞれ有してもよい。
また、上記した各実施形態では、放電用電極11は負極3A,3Bの両方に電気的に接続されるように構成されたが、これに限らず、負極3Aまたは3Bの一方に選択的に接続可能に構成されてもよい。このように構成することにより、負極3A,3Bの間での充電容量の不均衡を解消することができ、電池性能が向上する。
また、上記した各実施形態では、電解液6中に粉末7が混在されているとして説明したが、これに限らず、粉末7を有しなくてもよい。かかる場合、負極3が含有する負極活物質を増量するとよい。
また、上記した各実施形態では、隔膜4,5は正極2の厚み方向の両側を挟むように配置されるとして説明したが、これに限らず、正極2と負極3との間に配置されていればよく、また、正極2を被覆していてもよい。
なお、供給部14,14aは、常時動作させてもよいが、電力消費を低減する観点から、放電時には充電時よりも気体または電解液6の供給レートを低下させてもよい。
また、切替制御部21,21A,21Bは、フロー電池1,1A,1Cがそれぞれ有してもよいが、フロー電池1,1A,1Cを制御する制御装置(図示せず)がそれぞれ有してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1A,1B,1C フロー電池
2 正極
3,3A,3B 負極
4,5 隔膜
6 電解液
7 粉末
8 気泡
9 発生部
9a 吐出口
10 反応部
10−1〜10−8 セル
11 放電用電極
12 触媒層
14,14a 供給部
17 筐体
18 上板
20,20A,20B 切替部
21,21A,21B 切替制御部
22 正極板
23 負極板
31〜37 接続部材
100 セルスタック

Claims (6)

  1. 正極および負極と、前記負極と電気的に接続可能な放電用電極と、前記正極、前記負極および前記放電用電極に接触する電解液とを備える反応部と、
    前記電解液を流動させる流動装置と、
    前記負極と前記放電用電極との接続状態を切り替える切替部と
    を備えることを特徴とするフロー電池。
  2. 前記切替部は、前記負極の充電状態に基づいて前記負極と前記放電用電極との接続状態を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
  3. 前記反応部は、複数のセルを積層したセルスタックを含み、
    前記切替部は、前記セルごとの充電状態に基づいて前記負極と前記放電用電極との接続状態を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載のフロー電池。
  4. 前記切替部は、前記正極の実質的な放電終了後に前記負極と前記放電用電極とを接続させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロー電池。
  5. 前記流動装置は、前記電解液中に気泡を発生させる発生部を含み、
    前記気泡は、前記正極と前記負極との間を浮上することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフロー電池。
  6. 亜鉛を含み、前記電解液中を移動可能に混在する粉末
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
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