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JP2019189052A - 動力伝達装置 - Google Patents

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JP2019189052A
JP2019189052A JP2018084513A JP2018084513A JP2019189052A JP 2019189052 A JP2019189052 A JP 2019189052A JP 2018084513 A JP2018084513 A JP 2018084513A JP 2018084513 A JP2018084513 A JP 2018084513A JP 2019189052 A JP2019189052 A JP 2019189052A
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哲雄 堀
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哲雄 堀
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Abstract

【課題】遊星歯車装置のリングギヤが回転不能に保持され、遊星歯車装置の残りの回転要素を介してエンジンと回転機との間で動力伝達が行われる場合に、ピニオンの噛合い回転によってリングギヤに加えられた振動に起因する放射音の発生を抑制する。【解決手段】リングギヤ部材30が仕切り壁76、82にそれぞれスプライン嵌合されることにより、リングギヤ24rが回転不能に保持され、サンギヤ24sおよびキャリア24cを介してエンジン16と第1モータジェネレータMG1との間で動力伝達が行われる。仕切り壁76側のスプライン嵌合部90のバックラッシb1は、仕切り壁82側のスプライン嵌合部92のバックラッシb2よりも大きく、使用開始初期には振動伝達感度が低い仕切り壁82側でリングギヤ部材30が回転不能に保持されるため、ピニオン24pの噛合い回転によってリングギヤ部材30に加えられた振動に起因する放射音の発生が抑制される。【選択図】図1

Description

本発明は動力伝達装置に係り、特に、エンジンと回転機との間で遊星歯車装置を介して動力伝達が行われる動力伝達装置に関するものである。
エンジン、遊星歯車装置、および回転機が、その順番で共通の軸線上に配置されており、前記エンジンと前記回転機との間で、前記遊星歯車装置を介して動力伝達が行われる動力伝達装置が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、遊星歯車装置(動力分割機構3)のキャリアにエンジンが連結され、遊星歯車装置のサンギヤに回転機(第1モータ4)が連結され、遊星歯車装置のリングギヤに出力クラッチC0を介して出力ギヤが連結されており、シリーズクラッチCSによりサンギヤとキャリアとを連結するとともに出力クラッチC0を解放して出力ギヤを切り離すことにより、エンジンにより回転機を回転駆動して発電するようになっている。引用文献1は車両用駆動装置に関するもので、回転機を回転駆動して得られた電気エネルギーにより電動モータ(第2モータ16)を作動させて走行するシリーズハイブリッドモードが成立させられる。
特開2017−154684号公報
ところで、このような動力伝達装置を、例えばシリーズハイブリッドモード専用の発電部として用いる場合、遊星歯車装置のリングギヤが収容ケースによって回転不能に保持されるようにすることが考えられる。すなわち、未だ公知ではないが、収容ケースが、(a) 前記エンジンに固設されるとともに、内側に前記遊星歯車装置が配置される筒形状の第1外筒壁と、前記エンジンと前記遊星歯車装置との間において前記第1外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第1仕切り壁と、を有するエンジン側ケース部材と、(b) 前記エンジン側ケース部材に固設されるとともに、内側に前記回転機が配置される筒形状の第2外筒壁と、前記遊星歯車装置と前記回転機との間においてその第2外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第2仕切り壁と、を有する回転機側ケース部材と、を備えている場合、(c) 前記リングギヤが設けられたリングギヤ部材の両端部がそれぞれ前記第1仕切り壁および前記第2仕切り壁にスプライン嵌合されることにより回転不能に保持されるようにすることが考えられる。しかしながら、このように第1仕切り壁および第2仕切り壁の両方にスプライン嵌合すると、ピニオンの噛合い回転によってリングギヤ部材に加えられた振動が、第1仕切り壁および第2仕切り壁から外筒壁等へ伝達されて、ギヤノイズ等の放射音が発生する。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、遊星歯車装置のリングギヤが回転不能に保持され、遊星歯車装置の残りの回転要素を介してエンジンと回転機との間で動力伝達が行われる場合に、ピニオンの噛合い回転によってリングギヤに加えられた振動に起因する放射音の発生を抑制することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、エンジン、遊星歯車装置、および回転機が、その順番で共通の軸線上に配置されており、前記エンジンと前記回転機との間で、前記遊星歯車装置を介して動力伝達が行われる動力伝達装置において、(a) 前記エンジンに固設されるとともに、内側に前記遊星歯車装置が配置される筒形状の第1外筒壁と、前記エンジンと前記遊星歯車装置との間において前記第1外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第1仕切り壁と、を有するエンジン側ケース部材と、(b) 前記エンジン側ケース部材に固設されるとともに、内側に前記回転機が配置される筒形状の第2外筒壁と、前記遊星歯車装置と前記回転機との間において前記第2外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第2仕切り壁と、を有する回転機側ケース部材と、を備えている一方、(c) 前記遊星歯車装置のサンギヤおよびキャリアは、前記エンジンおよび前記回転機の一方および他方に連結され、前記遊星歯車装置のリングギヤは、そのリングギヤが設けられたリングギヤ部材の両端部がそれぞれ前記第1仕切り壁および前記第2仕切り壁にスプライン嵌合されることにより回転不能に保持されており、(d) 前記第1仕切り壁と前記リングギヤ部材との間の前記スプライン嵌合のバックラッシは、前記第2仕切り壁と前記リングギヤ部材との間の前記スプライン嵌合のバックラッシよりも大きく、使用開始初期には前記リングギヤ部材が前記第2仕切り壁側で回転不能に保持されることを特徴とする。
このような動力伝達装置においては、リングギヤ部材が第1仕切り壁および第2仕切り壁にそれぞれスプライン嵌合されることにより、リングギヤが回転不能に保持され、サンギヤおよびキャリアを介してエンジンと回転機との間で動力伝達が行われる。その場合に、第1仕切り壁とリングギヤ部材との間のスプライン嵌合のバックラッシは、第2仕切り壁とリングギヤ部材との間のスプライン嵌合のバックラッシよりも大きく、使用開始初期にはバックラッシが小さい第2仕切り壁側でリングギヤ部材が片持ち状に回転不能に保持される。これにより、第1仕切り壁および第2仕切り壁の両方で略均等にリングギヤ部材を回転不能に保持する場合に比較して、ピニオンの噛合い回転によってリングギヤ部材に加えられた振動に起因する放射音の発生が抑制される。すなわち、本発明者等の実験によれば、第1仕切り壁側よりも第2仕切り壁側の方が、振動伝達感度が低くて放射音の発生が抑制されるのである。これは、第2仕切り壁が設けられた回転機側ケース部材には、第2外筒壁の内側に回転機が配置されることから比較的イナーシャが大きく、第2外筒壁の振動が抑制されて放射音の発生が低減されるものと考えられる。
一方、このように第2仕切り壁側でリングギヤ部材が片持ち状に回転不能に保持されると、第2仕切り壁側のスプライン歯の摩耗で耐久性が問題になる可能性があるが、第2仕切り壁側のスプライン歯の摩耗でバックラッシが大きくなり、第1仕切り壁側のスプライン嵌合のバックラッシと略同じになると、第1仕切り壁および第2仕切り壁の両方で略均等にリングギヤ部材が回転不能に保持されるようになり、摩耗の進行が遅くなって所定の耐久性を確保できる。また、このように第2仕切り壁側のスプライン歯が摩耗した段階では、リングギヤおよびピニオンが噛み合う歯面もなじみ効果で面粗さが減少し、噛合い回転に起因する振動が小さくなるため、振動伝達感度が比較的高い第1仕切り壁側からの振動伝達による放射音の発生が抑制される。
本発明の一実施例である動力伝達装置を備えているシリーズハイブリッド方式の車両用駆動装置を説明する骨子図である。 図1の車両用駆動装置が備えている遊星歯車装置の構成を具体的に説明する図で、第1軸線S1と平行な断面図である。 図2の遊星歯車装置のリングギヤ部材を収容ケースによって回転不能に保持するスプライン嵌合のバックラッシを説明する断面図である。 図1の実施例、両持ち構造の比較例、および片持ち構造の比較例について、放射音および耐久性の良否を比較して説明する図である。
本発明は、例えばエンジンを発電だけに使用するシリーズハイブリッド方式の車両用駆動装置の発電部に適用されるが、リングギヤを回転不能に保持した状態でサンギヤおよびキャリアを介してエンジンと回転機との間で動力伝達が行われるその他の車両用、或いは車両用以外の動力伝達装置にも適用され得る。シリーズハイブリッド方式の車両用駆動装置は、上記発電部の回転機によって得られた電気エネルギーを用いて電動モータが作動させられることにより、出力伝達機構を介して車輪に駆動力を伝達する駆動部を備えて構成される。前後輪の他方を例えばエンジンによって駆動することにより、車両全体としてパラレルハイブリッド方式とすることもできる。
本発明の動力伝達装置が前記発電部に用いられる場合、回転機は少なくとも発電機の機能を備えていれば良いが、発電機および電動モータとして選択的に用いることができるモータジェネレータを用いることもできる。本発明の動力伝達装置は、例えば回転機により遊星歯車装置を介してエンジンをクランキングして始動するエンジン始動装置として用いることも可能で、その場合は、回転機は少なくとも電動モータの機能を備えていれば良いが、発電機および電動モータとして選択的に用いることができるモータジェネレータを用いることもできる。要するに、回転機としては、発電機でも、電動モータでも、モータジェネレータでも良い。
遊星歯車装置は、シングルピニオン型でもダブルピニオン型でも良い。遊星歯車装置のリングギヤ等の各歯車ははすば歯車が望ましいが、平歯車等の他の歯車を採用することもできる。遊星歯車装置のサンギヤおよびキャリアには、エンジンおよび発電機の一方および他方が連結される。すなわち、エンジンおよび発電機の何れか一方をサンギヤに連結し、他方をキャリアに連結すれば良い。エンジンは、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。
本発明では、少なくともエンジン側ケース部材および回転機側ケース部材によって、遊星歯車装置および回転機を収容する収容ケースが構成される。回転機側ケース部材の第2仕切り壁は、例えば前記第1外筒壁および前記第1仕切り壁と共に前記遊星歯車装置を収容するギヤ収容空間を形成するように設けられる。また、回転機側ケース部材には、例えば前記第2外筒壁および前記第2仕切り壁と共に前記回転機を収容する回転機収容空間を形成するカバー部材が固設される。回転機収容空間には、例えば圧入やボルト締結等によって回転機が配設される。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である動力伝達装置を備えている車両用駆動装置10を説明する骨子図で、その車両用駆動装置10を構成している複数の軸が共通の平面内に位置するように展開して示した展開図である。車両用駆動装置10は、複数の軸が車両8の幅方向に沿って配置されるFF車両等の横置き型のシリーズハイブリッド方式の駆動装置で、発電部12および駆動部14を備えている。車両用駆動装置10は、車両幅方向と略平行な第1軸線S1〜第4軸線S4を備えており、第1軸線S1上には、エンジン16、およびエンジン16にダンパ装置18を介して連結された入力軸22が配設されているとともに、その第1軸線S1と同心にシングルピニオン型の遊星歯車装置24および第1モータジェネレータMG1が配設されている。遊星歯車装置24のキャリア24cには入力軸22が連結され、サンギヤ24sには第1モータジェネレータMG1のロータ軸28が連結されている。また、遊星歯車装置24のリングギヤ24rが設けられたリングギヤ部材30は、軸方向の両端部でスプライン嵌合部90、92を介して収容ケース60により回転不能に保持されている。したがって、エンジン16により入力軸22を介してキャリア24cが一方向へ回転駆動されると、サンギヤ24sに連結された第1モータジェネレータMG1がギヤ比ρ(=サンギヤ24sの歯数/リングギヤ24rの歯数)に応じて一方向へ増速回転させられる。サンギヤ24sおよびリングギヤ24rは、キャリア24cに回転自在に配設された複数のピニオン24pと噛み合わされている。これ等のサンギヤ24s、リングギヤ24r、および複数のピニオン24pは、何れもはすば歯車にて構成されている。
第1モータジェネレータMG1は電動モータおよび発電機として機能するもので、本実施例では主として発電機として用いられ、エンジン16により遊星歯車装置24を介して回転駆動されることによって発電する。エンジン16は、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関であり、例えば上記第1モータジェネレータMG1の力行制御でエンジン16をクランキングして始動することができる。前記入力軸22は第1モータジェネレータMG1の軸心を挿通させられて機械式のオイルポンプ56に連結されており、エンジン16によってオイルポンプ56が回転駆動されるようになっている。本実施例では、上記第1モータジェネレータMG1、エンジン16、および遊星歯車装置24を含んで発電部12が構成されており、この発電部12が本発明の一実施例である動力伝達装置である。第1モータジェネレータMG1は回転機に相当する。
第2軸線S2上には、第2モータジェネレータMG2およびモータ出力歯車40が配設されている。モータ出力歯車40は出力シャフト42に設けられており、その出力シャフト42は第2モータジェネレータMG2のロータ軸44とスプライン嵌合により動力伝達可能に連結されている。第2モータジェネレータMG2は電動モータおよび発電機として機能するもので、電動モータとして機能するように力行制御されることにより走行用駆動力源として用いられる。すなわち、第2モータジェネレータMG2によって回転駆動されるモータ出力歯車40は、第4軸線上のカウンタシャフト36に設けられた減速大歯車32と噛み合わされており、カウンタシャフト36に設けられた減速小歯車34は、第3軸線S3上に配設されたディファレンシャル装置48のデフリングギヤ50と噛み合わされている。したがって、第2モータジェネレータMG2から出力された駆動力は、モータ出力歯車40と減速大歯車32との歯数比、および減速小歯車34とデフリングギヤ50との歯数比に応じて減速されてディファレンシャル装置48に伝達され、そのディファレンシャル装置48から左右の車軸52を介して左右の車輪54に伝達される。本実施例では、第2モータジェネレータMG2が電動モータに相当し、モータ出力歯車40、減速大歯車32、減速小歯車34、およびディファレンシャル装置48を含んで、第2モータジェネレータMG2の出力を車輪54に伝達する出力伝達機構58が構成されている。この出力伝達機構58および第2モータジェネレータMG2を含んで駆動部14が構成されている。なお、第2モータジェネレータMG2が回生制御されて発電機として用いられることにより、下り坂や減速時等に車輪54に制動力を付与することができる。
上記第2モータジェネレータMG2は、エンジン16により回転駆動される第1モータジェネレータMG1によって得られた電気エネルギーを用いて作動させられ、駆動力を発生する。第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2には、インバータ等を介してバッテリー等の蓄電装置が接続されており、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の回生制御で得られた電気エネルギーを蓄電装置に充電することができるとともに、蓄電装置の電気エネルギーを用いて第2モータジェネレータMG2を作動させることができる。
車両用駆動装置10は収容ケース60を備えている。収容ケース60は、エンジン12に一体的に固設されるとともに、ブラケット等を介して車体によって支持されるようになっている。収容ケース60は、ハウジング62、中間ケース部材64、およびリヤカバー66の3つの部材にて構成されており、それぞれの軸方向の端部に設けられたフランジ等の突合せ部62a、64a、64b、66aが互いに突き合わされた状態で、多数の締結ボルト68、70により一体的に締結されている。すなわち、ハウジング62の突合せ部62aと中間ケース部材64の一方の開口部の突合せ部64aとは、多数の締結ボルト68によって一体的に固設され、中間ケース部材64の他方の開口部の突合せ部64bとリヤカバー66の突合せ部66aとは、多数の締結ボルト70によって一体的に固設されている。突合せ部62a、66aには、それぞれ締結ボルト68、70が挿通させられる挿通穴が設けられており、突合せ部64a、64bには、それぞれ締結ボルト68、70が螺合されるねじ穴が設けられている。
ハウジング62は、エンジン16に一体的に固設され、エンジン16との間にダンパ装置18を収容するダンパ収容空間72を形成している。すなわち、ハウジング62は、ダンパ装置18の外周側に第1軸線S1と略平行に設けられた筒形状のダンパ部外筒壁74と、そのダンパ部外筒壁74から第1軸線S1と略直交する姿勢で内周側へ延び出すように設けられて、エンジン16との間に前記ダンパ収容空間72を形成するダンパ仕切り壁76と、ダンパ部外筒壁74から外周側へ延び出すように設けられた端面壁78と、を一体に備えている。ハウジング62はまた、ダンパ仕切り壁76および端面壁78の外周縁からエンジン16と反対方向へ第1軸線S1と略平行に延び出し、内側に遊星歯車装置24および出力伝達機構58が配置される筒形状のギヤ部外筒壁75を備えている。ダンパ部外筒壁74の一部は、ダンパ仕切り壁76よりもエンジン16と反対方向へギヤ部外筒壁75と平行に延び出しており、二重構造の外筒壁を形成している。ギヤ部外筒壁75は第1外筒壁に相当し、ダンパ仕切り壁76はエンジン16と遊星歯車装置24との間の第1仕切り壁に相当し、ハウジング62はエンジン側ケース部材に相当する。
中間ケース部材64は、モータジェネレータMG1、MG2の外周側に第1軸線S1と略平行に設けられた筒形状のMG部外筒壁80と、そのMG部外筒壁80から内周側へ延び出すように、前記第1軸線S1〜第5軸線S5と略直交する姿勢で設けられた中間仕切り壁82と、MG部外筒壁80から外周側へ延び出すように設けられた端面壁83とを備えている。中間仕切り壁82および端面壁83は、前記ハウジング62のギヤ部外筒壁75、ダンパ仕切り壁76、および端面壁78と共に、前記遊星歯車装置24および出力伝達機構58を収容するギヤ収容空間84を形成している。中間仕切り壁82、端面壁78、83は、軸受を介してカウンタシャフト36、出力シャフト42、ディファレンシャル装置48を回転可能に支持する支持部を備えている。MG部外筒壁80は第2外筒壁に相当し、中間仕切り壁82は遊星歯車装置24とモータジェネレータMG1、MG2との間の第2仕切り壁に相当し、中間ケース部材64は回転機側ケース部材に相当する。
リヤカバー66は、前記中間ケース部材64のMG部外筒壁80および中間仕切り壁82と共に、前記第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を収容するMG収容空間86を形成している。モータジェネレータMG1、MG2は、例えばステータがMG収容空間86内に圧入されて軸線S1、S2と同心に位置決めされるとともに、締結ボルトによって中間仕切り壁82等に固設される。リヤカバー66および中間仕切り壁82は、軸受を介してロータ軸28、44を回転可能に支持する支持部を備えている。リヤカバー66はカバー部材に相当し、MG収容空間86は回転機収容空間に相当する。
ここで、前記遊星歯車装置24のリングギヤ部材30は、スプライン嵌合部90、92を介してダンパ仕切り壁76および中間仕切り壁82により第1軸線S1と同心に回転不能に保持されている。図2は、遊星歯車装置24付近の第1軸線S1と平行な断面図であり、遊星歯車装置24は仕切り壁76と82との間のギヤ収容空間84内に収容されている。遊星歯車装置24のリングギヤ部材30は、円筒形状を成しているとともに、その軸方向の中間部分の内周面に内歯のリングギヤ24rが設けられ、ピニオン24pと噛み合わされている。リングギヤ部材30の軸方向の両端部には、それぞれ内周側へ向かって突き出す内向きフランジ100、102が一体に設けられている一方、仕切り壁76、82には第1軸線S1と同心に円筒形状のボス部104、106が一体に設けられており、それ等の内向きフランジ100、102の内周面とボス部104、106の外周面とに跨がってスプライン嵌合部90、92が設けられている。
図3は、一方のスプライン嵌合部90を具体的に説明する図で、第1軸線S1と直角な断面図である。スプライン嵌合部90は、内向きフランジ100の内周面に設けられた多数の内スプライン歯108と、ボス部104の外周面に設けられた多数の外スプライン歯110とによって構成されており、それ等のスプライン歯108、110の間にはバックラッシb1が設けられている。バックラッシb1は、第1軸線S1まわりにおける歯面隙間で、このバックラッシb1だけ第1軸線S1まわりに相対回転できる。他方のスプライン嵌合部92も、図3に括弧書きで示すようにスプライン嵌合部90と同様に構成されているが、バックラッシb2が相違し、ダンパ仕切り壁76側のスプライン嵌合部90のバックラッシb1は、中間仕切り壁82側のスプライン嵌合部92のバックラッシb2よりも大きい。具体的には、エンジン16により遊星歯車装置24を介して第1モータジェネレータMG1を回転駆動して発電する際に、ピニオン24pからリングギヤ部材30に加えられるトルクの回転方向Aにおいて、スプライン嵌合部92が先に係合させられてリングギヤ部材30の回転が阻止されるように、各スプライン嵌合部90、92におけるスプライン歯108、110の第1軸線S1まわりの位相、およびバックラッシb1、b2が定められている。これにより、使用開始初期には、中間仕切り壁82側のスプライン嵌合部92によって、リングギヤ部材30が片持ち状に回転不能に保持される。なお、図3のPはピッチ円である。
リングギヤ部材30の長さ寸法は、仕切り壁76と82との間で所定寸法だけ軸方向へ移動できるように、仕切り壁76と82との間の離間距離より短い寸法とされている。また、リングギヤ24r等のはすば歯車のねじれ方向は、エンジン16により遊星歯車装置24を介して第1モータジェネレータMG1を回転駆動する際に、リングギヤ部材30が、中間仕切り壁82側へ押圧される方向のスラスト荷重が発生するように定められている。これにより、リングギヤ部材30は、スプライン嵌合部92のみが係合させられる使用開始初期には、ピニオン24pの噛合い回転によってリングギヤ24rに加えられる径方向や周方向、軸方向の振動が、何れもその中間仕切り壁82によって受け止められる。使用に伴ってスプライン嵌合部92のスプライン歯108、110が摩耗し、バックラッシb2が他方のスプライン嵌合部90のバックラッシb1と略同じになると、両方のスプライン嵌合部90、92が略同時に係合させられ、リングギヤ部材30はスプライン嵌合部90、92を介して両方の仕切り壁76、82によって回転不能に保持されるようになる。これにより、ピニオン24pの噛合い回転によってリングギヤ24rに加えられる径方向や周方向の振動は、両方の仕切り壁76、82によって受け止められるようになる。はすば歯車によって生じる軸方向の振動については、はすば歯車のねじれによって生じるスラスト荷重によりリングギヤ部材30は依然として中間仕切り壁82側へ押圧されるため、専ら中間仕切り壁82によって受け止められる。なお、仕切り壁76と82との間にリングギヤ部材30が隙間無く配置されるようにリングギヤ部材30の長さ寸法を設定しても良い。また、リングギヤ24r等のはすば歯車のねじれ方向を逆ねじれにして、そのスラスト荷重によりリングギヤ部材30がダンパ仕切り壁76側へ押圧されるようにしても良い。
このような本実施例の車両用駆動装置10の発電部12においては、リングギヤ部材30がダンパ仕切り壁76、中間仕切り壁82にそれぞれスプライン嵌合されることにより、リングギヤ24rが回転不能に保持され、サンギヤ24sおよびキャリア24cを介してエンジン16と第1モータジェネレータMG1との間で動力伝達が行われる。その場合に、ダンパ仕切り壁76とリングギヤ部材30との間のスプライン嵌合部90のバックラッシb1は、中間仕切り壁82とリングギヤ部材30との間のスプライン嵌合部92のバックラッシb2よりも大きく、使用開始初期にはバックラッシb2が小さい中間仕切り壁82側でリングギヤ部材30が片持ち状に回転不能に保持される。これにより、仕切り壁76、82の両方で略均等にリングギヤ部材30を回転不能に保持する場合に比較して、ピニオン24pの噛合い回転によってリングギヤ部材30に加えられた振動に起因する放射音の発生が抑制される。すなわち、本発明者等の実験によれば、ダンパ仕切り壁76側よりも中間仕切り壁82側の方が、振動伝達感度が低くて放射音の発生が抑制されるのである。これは、中間仕切り壁82が設けられた中間ケース部材64には、MG部外筒壁80の内側にモータジェネレータMG1、MG2が配置されることから比較的イナーシャが大きく、MG部外筒壁80の振動が抑制されて放射音の発生が低減されるものと考えられる。
一方、このように中間仕切り壁82側でリングギヤ部材30が片持ち状に回転不能に保持されると、中間仕切り壁82側のスプライン歯108、110の摩耗で耐久性が問題になる可能性があるが、中間仕切り壁82側のスプライン歯108、110の摩耗の進行でバックラッシb2が大きくなり、ダンパ仕切り壁76側のスプライン嵌合部90のバックラッシb1と略同じになると、仕切り壁76、82の両方で略均等にリングギヤ部材30が回転不能に保持されるようになり、摩耗の進行が遅くなって所定の耐久性を確保できる。また、このように中間仕切り壁82側のスプライン歯108、110が摩耗した段階では、リングギヤ24rおよびピニオン24pが噛み合う歯面もなじみ効果で面粗さが減少し、噛合い回転に起因する振動が小さくなるため、振動伝達感度が比較的高いダンパ仕切り壁76側からの振動伝達による放射音の発生が抑制される。バックラッシb1、b2の差Δb(=b1−b2)は、放射音と耐久性とのバランスを考慮して適宜定められる。
図4は、このようにリングギヤ部材30を回転不能に保持する保持構造に関して、使用開始初期は片持ち構造で所定期間経過後に両持ち構造となる本実施例の発電部12、使用開始当初から両持ち構造の比較例、および使用経過に拘らず片持ち構造の比較例について、放射音および耐久性を比較して示した図である。図中の「○」は可、「×」は不可で、本実施例を基準にして判断したものである。使用開始当初から両持ち構造の比較例は、両側のスプライン嵌合部90、92のバックラッシb1、b2が使用開始当初から互いに等しく、両側の仕切り壁76、82によってリングギヤ部材30が回転不能に保持される場合で、耐久性は優れるが、使用開始初期からダンパ仕切り壁76側にも、ピニオン24pの噛合い回転によってリングギヤ部材30に加えられた振動が伝達されるため、ギヤ部外筒壁75等から発せられるギヤノイズ等の放射音が悪化する。使用経過に拘らず片持ち構造の比較例は、振動伝達感度が比較的高いダンパ仕切り壁76側について、スプライン嵌合部90を設けることなく、単純な円筒外周面を有するボス部104の外周側に、単純な円筒内周面を有する内向きフランジ部100を嵌合し、リングギヤ部材30が第1軸線S1と同心に回転可能に保持され、中間仕切り壁82側だけでスプライン嵌合部92によりリングギヤ部材30が回転不能に保持される場合で、ギヤノイズ等の放射音は低減されるが、中間仕切り壁82側のスプライン嵌合部92のスプライン歯108、110の摩耗によって耐久性が損なわれる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:発電部(動力伝達装置) 16:エンジン 24:遊星歯車装置 24s:サンギヤ 24c:キャリア 24r:リングギヤ 24p:ピニオン 30:リングギヤ部材 60:収容ケース 62:ハウジング(エンジン側ケース部材) 64:中間ケース部材(回転機側ケース部材) 75:ギヤ部外筒壁(第1外筒壁) 76:ダンパ仕切り壁(第1仕切り壁) 80:MG部外筒壁(第2外筒壁) 82:中間仕切り壁(第2仕切り壁) 90、92:スプライン嵌合部 MG1:第1モータジェネレータ(回転機) S1:第1軸線(軸線) b1、b2:バックラッシ

Claims (1)

  1. エンジン、遊星歯車装置、および回転機が、その順番で共通の軸線上に配置されており、前記エンジンと前記回転機との間で、前記遊星歯車装置を介して動力伝達が行われる動力伝達装置において、
    前記エンジンに固設されるとともに、内側に前記遊星歯車装置が配置される筒形状の第1外筒壁と、前記エンジンと前記遊星歯車装置との間において前記第1外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第1仕切り壁と、を有するエンジン側ケース部材と、
    前記エンジン側ケース部材に固設されるとともに、内側に前記回転機が配置される筒形状の第2外筒壁と、前記遊星歯車装置と前記回転機との間において前記第2外筒壁から内周側へ延び出すように設けられた第2仕切り壁と、を有する回転機側ケース部材と、
    を備えている一方、
    前記遊星歯車装置のサンギヤおよびキャリアは、前記エンジンおよび前記回転機の一方および他方に連結され、前記遊星歯車装置のリングギヤは、該リングギヤが設けられたリングギヤ部材の両端部がそれぞれ前記第1仕切り壁および前記第2仕切り壁にスプライン嵌合されることにより回転不能に保持されており、
    前記第1仕切り壁と前記リングギヤ部材との間の前記スプライン嵌合のバックラッシは、前記第2仕切り壁と前記リングギヤ部材との間の前記スプライン嵌合のバックラッシよりも大きく、使用開始初期には前記リングギヤ部材が前記第2仕切り壁側で回転不能に保持される
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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