以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
(実施形態1)
図1〜図8を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100及び基板処理方法を説明する。まず、図1を参照して基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100を示す図である。図1に示すように、基板処理装置100は、基板Wを処理液によって処理する。具体的には、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である。基板Wは略円板状である。
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。
基板処理装置100は、処理ユニット1と、制御装置3と、バルブV1と、供給配管P1と、バルブV2と、供給配管P2とを備える。
処理ユニット1は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。具体的には、処理ユニット1は、チャンバー5と、スピンチャック7と、スピンモーター9と、ノズル11と、ノズル移動部13と、ノズル15と、複数のガード25(実施形態1では2つのガード25)と、温度測定部27と、流体ノズル29とを含む。
チャンバー5は略箱形状を有する。チャンバー5は、基板W、スピンチャック7、スピンモーター9、ノズル11、ノズル移動部13、ノズル15、ガード25、温度測定部27、流体ノズル29、供給配管P1の一部、及び供給配管P2の一部を収容する。
スピンチャック7は、基板Wを保持して回転する。スピンチャック7は「基板保持部」の一例に相当する。具体的には、スピンチャック7は、チャンバー5内で基板Wを水平に保持しながら、回転軸線AX1の回りに基板Wを回転させる。
スピンチャック7は、複数のチャック部材70と、スピンベース71とを含む。複数のチャック部材70はスピンベース71に設けられる。複数のチャック部材70は基板Wを水平な姿勢で保持する。スピンベース71は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材70を支持する。スピンモーター9は、スピンベース71を回転軸線AX1の回りに回転させる。従って、スピンベース71は回転軸線AX1の回りに回転する。その結果、スピンベース71に設けられた複数のチャック部材70に保持された基板Wが回転軸線AX1の回りに回転する。具体的には、スピンモーター9は、モーター本体90と、シャフト91とを含む。シャフト91はスピンベース71に結合される。そして、モーター本体90は、シャフト91を回転させることで、スピンベース71を回転させる。シャフト91は略筒状である。
ノズル11は、基板Wの回転中に基板Wに向けて処理液を吐出する。処理液は薬液である。本明細書において、処理液とは、基板Wを処理する液体のうち、基板Wを処理する目的に直接寄与する液体のことである。従って、処理液は、基板Wを処理する液体のうちの洗浄液とは区別される。
例えば、基板処理装置100が基板Wに対してエッチング処理を実行する場合は、処理液は燐酸液を含む。エッチング処理を実行する場合は、基板Wは、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜が形成された半導体ウエハである。エッチング処理とは、半導体ウエハの表面から、シリコン窒化膜を選択的にエッチングする処理のことである。
例えば、基板処理装置100が基板Wに対してレジスト除去処理を実行する場合は、処理液は硫酸過酸化水素水混合液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:SPM)を含む。レジスト除去処理を実行する場合は、基板Wは、レジストが形成された半導体ウエハである。レジスト除去処理とは、半導体ウエハの表面から、レジストを除去する処理のことである。
燐酸液又はSPMを含む処理液は、高温で使用される処理液の一例である。例えば、燐酸液の温度は175℃である。例えば、SPMの温度は200℃である。
供給配管P1はノズル11に処理液を供給する。バルブV1は、ノズル11に対する処理液の供給開始と供給停止とを切り替える。
ノズル移動部13は、回動軸線AX2の回りに回動して、ノズル11の処理位置と待機位置との間で、ノズル11を水平に移動させる。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。待機位置は、スピンチャック7及びガード25よりも外側の位置を示す。
ノズル15は、基板Wの回転中に基板Wに向けて洗浄液を吐出する。洗浄液は、リンス液又は洗浄薬液である。リンス液は、例えば、脱イオン水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(例えば、10ppm〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかである。洗浄薬液は、例えば、アルカリ性洗浄薬液である。アルカリ性洗浄薬液は、例えば、アンモニア過酸化水素水混合液(ammonia−hydrogen peroxide mixture:SC1)である。
供給配管P2はノズル15に洗浄液を供給する。バルブV2は、ノズル15に対する洗浄液の供給開始と供給停止とを切り替える。
複数のガード25の各々は略筒形状を有する。複数のガード25の各々は、基板Wから排出された処理液又は洗浄液を受け止める。
温度測定部27は、スピンチャック7の温度を測定する。そして、温度測定部27は、スピンチャック7の温度を示す情報を制御装置3に出力する。具体的には、温度測定部27は、スピンベース71の温度を測定する。そして、温度測定部27は、スピンベース71の温度を示す情報を制御装置3に出力する。
例えば、温度測定部27は温度センサーを含む。温度センサーは、例えば、熱電対及び計測器を含む。具体的には、熱電対がスピンベース71に接触する。そして、熱電対が、スピンベース71の温度を検出して、温度に対応する電圧信号を計測器に出力する。計測器は、電圧信号を温度に変換して、温度を示す情報を制御装置3に出力する。
例えば、温度測定部27は、放射温度計を含む。放射温度計は、スピンベース71から放射される赤外線又は可視光線の強度を測定して、スピンベース71の温度を測定する。そして、放射温度計は、スピンベース71の温度を示す情報を制御装置3に出力する。
例えば、温度測定部27は、赤外線サーモグラフィーを含む。赤外線サーモグラフィーは赤外線カメラを含む。赤外線サーモグラフィーは、スピンベース71から放射される赤外線を赤外線カメラによって検出する。さらに、赤外線サーモグラフィーは、検出された赤外線を表す画像を解析して、スピンベース71の温度を算出する。そして、赤外線サーモグラフィーは、スピンベース71の温度を示す情報を制御装置3に出力する。
制御装置3は、制御部30と、記憶部31とを含む。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。記憶部31は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部31は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー及び/又はハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部31は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部30のプロセッサーは、記憶部31の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、処理ユニット1、バルブV1、及びバルブV2を制御する。
次に、図1及び図2を参照して、流体ノズル29の詳細を説明する。図2は、流体ノズル29を示す断面図である。図1及び図2に示すように、流体ノズル29は回転軸線AX1上に配置される。流体ノズル29は「温度調節機構」の一例に相当する。つまり、流体ノズル29は、流体(以下、「流体FL」と記載する。)をスピンチャック7に供給して、スピンチャック7の温度を調節する。
従って、実施形態1によれば、例えば、流体FLによってスピンチャック7を冷却できる。その結果、処理液の熱放射(熱ふく射)の影響によってスピンチャック7の温度が上昇することを抑制できる。よって、処理液による処理時のスピンチャック7の温度を略一定温度TcAに保持できる。従って、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。一定温度TcAは、例えば、室温Trmである。室温Trmは、例えば、処理ユニット1の設置された室内の温度である。
又は、実施形態1によれば、例えば、流体FLによってスピンチャック7を加熱できる。従って、処理液による処理時のスピンチャック7の温度を略略一定温度TcBに保持できる。その結果、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。なお、一定温度TcBは室温Trmよりも高い温度を示す。
複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できると、例えば、次のような利点がある。すなわち、1枚ずつ基板Wを連続して処理する際に、複数の基板W間で処理結果のバラツキを抑制できる。また、例えば、基板Wに対してエッチング処理を実行する場合に、エッチングレートの変化を考慮した余分なシリコン窒化膜の生成時間が不要になって、基板Wの生産量を向上できる。さらに、処理液によるシリコン窒化膜の削り量が一定になるため、複数の基板W間でエッチング結果のバラツキを抑制できる。さらに、基板Wに対してレジスト除去処理を実行する場合に、複数の基板W間でレジスト除去結果のバラツキを抑制できる。
ここで、処理レートとは、処理液によって基板Wを処理するときの単位時間当たりの基板Wの処理量のことである。例えば、処理液によって基板W対してエッチング処理を実行するときの処理レートは、エッチングレートを示す。エッチングレートは、単位時間当たりの基板Wのエッチング量を示す。例えば、処理液によって基板Wに対してレジスト除去処理を実行するときの処理レートは、レジスト除去レートを示す。レジスト除去レートは、単位時間当たりのレジストの除去量を示す。
また、流体FLをスピンチャック7に供給してスピンチャック7の温度を調節することは、高温の処理液(例えば、燐酸液を含む処理液又はSPMを含む処理液)を使用する場合に特に有効である。処理液が高温であるほど、処理液の熱放射によってスピンチャック7に熱が蓄積するからである。すなわち、実施形態1によれば、高温の処理液を使用する場合であっても、流体FLによる冷却によって、スピンチャック7の温度の上昇を抑制でき、又は、流体FLによる加熱によって、処理液による処理時のスピンチャック7の温度を略一定温度TcBに保持できる。その結果、高温の処理液を使用する場合であっても、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。
また、実施形態1では、スピンチャック7の温度を調節するための流体FLは、液体又は気体である。特に、流体FLは、不活性ガス、脱イオン水、又は、炭酸水を含むことが好ましい。流体FLが基板Wに接触した場合でも、不活性ガス、脱イオン水、及び炭酸水は、基板Wにほとんど影響を与えないからである。なお、流体FLは洗浄液(リンス液又は洗浄薬液)と同じ液体であってもよい。
さらに、実施形態1では、具体的には、流体ノズル29は、スピンベース71に流体を供給して、スピンベース71の温度を調節する。従って、流体FLによる冷却によって、スピンベース71の温度の上昇を抑制できて、スピンベース71の温度を略一定温度TcAに保持でき、又は、流体FLによる加熱によって、処理液による処理時のスピンベース71の温度を略一定温度TcBに保持できる。その結果、チャック部材70だけに流体FLを供給する場合と比較して、複数の基板W間で処理レートが変化することを更に抑制できる。スピンベース71はチャック部材70よりも熱容量が大きいため、スピンベース71の蓄熱が処理レートに与える影響のほうが、チャック部材70の蓄熱が処理レートに与える影響よりも大きいからである。なお、流体ノズル29はスピンベース71とチャック部材70との双方に流体FLを供給してもよい。
引き続き図2を参照して、流体ノズル29を詳細に説明する。図2に示すように、流体ノズル29は、スピンモーター9のシャフト91の内部空間91a及びスピンベース71の貫通孔71aを通って、スピンベース71の表面71bと裏面71cとのうち表面71bから突出している。流体ノズル29は、基板Wの表面Waと裏面Wbとのうちの裏面Wbに対向する。流体ノズル29は、基板Wに対して、回転軸線AX1の延びる方向に所定間隔をあけて配置される。流体ノズル29は、スピンベース71及びシャフト91の回転に関係なく静止している。
流体ノズル29は、流体FLを吐出口29aから吐出して、スピンベース71の表面71bに流体FLを供給する。そして、流体FLは、スピンベース71の表面71bに広がる。特に、流体FLは、スピンベース71の回転に基づく遠心力によって、スピンベース71の表面71bの全体に広がる。吐出口29aは上方向に向かって開口している。また、流体FLの一部は、流体ノズル29の傾斜面29bに沿って流れ、スピンベース71の表面71bに供給される。
引き続き図2を参照して、流体ノズル29への流体の供給について説明する。図2に示すように、基板処理装置100は、流体供給調節部4と、流体温度調節部6と、供給配管P7とをさらに備える。供給配管P7は流体ノズル29に流体FLを供給する。
流体供給調節部4は、流体ノズル29への流体FLの供給量を調節する。具体的には、流体供給調節部4は、バルブ40と、流量計41と、流量調整バルブ42とを含む。バルブ40は、流体ノズル29に対する流体FLの供給開始と供給停止とを切り替える。流量計41は、流体ノズル29に供給される流体FLの流量を検出する。流量調整バルブ42は、流体ノズル29に供給される流体FLの流量を調整する。処理液は、流量調整バルブ42の開度に対応する流量で供給配管P7から流体ノズル29に供給される。開度は、流量調整バルブ42が開いている程度を示す。流体温度調節部6は、流体FLの温度を調節する。流体温度調節部6は、例えば、ヒーターを含む。流体温度調節部6は、例えば、流体FLによってスピンチャック7を加熱する場合に、流体FLが特定温度になるように流体FLを加熱する。なお、流体FLによってスピンチャック7を冷却する場合は、流体温度調節部6を設けなくてもよい。
次に、図1〜図3を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図3は、基板処理方法を示すフローチャートである。図3に示すように、基板処理方法は、工程S1〜工程S6を含む。基板処理方法は、1枚の基板Wごとに基板処理装置100によって実行される。
図1〜図3に示すように、工程S1において、スピンチャック7は基板Wを保持する。
次に、工程S2において、流体ノズル29がスピンチャック7に流体FLを供給するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。その結果、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7の温度を調節する。具体的には、工程S2では、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7を冷却する。又は、工程S2では、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7を加熱する。工程S2は、「温度調節工程」の一例に相当する。
次に、工程S3において、ノズル11は、基板Wの表面Waに処理液を吐出して、基板Wを処理液によって処理する。工程S3は、「処理工程」の一例に相当する。
次に、工程S4において、ノズル15は、洗浄液を基板Wの表面Waに吐出して、基板Wを洗浄する。工程S3は、「洗浄工程」の一例に相当する。
次に、工程S5において、スピンチャック7は、回転することによって基板Wを乾燥する。なお、工程S5では、基板Wを乾燥させるための溶剤(以下、「乾燥用溶剤」と記載する。)を基板Wの表面Waに吐出してもよい。乾燥用溶剤は、例えば、脱イオン水よりも表面張力が低いイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)などの有機溶剤成分を含む液体(低表面張力溶剤)である。工程S5は、「乾燥工程」の一例に相当する。
次に、工程S6において、搬送ロボットは、スピンチャック7から基板Wを取り出す。
以上、図1〜図3を参照して説明したように、実施形態1によれば、工程S2(温度調節工程)では、流体FLによってスピンチャック7を冷却する。従って、処理液の熱放射の影響によってスピンチャック7の温度が上昇することを抑制できて、処理液による処理時のスピンチャック7の温度を略一定温度TcAに保持できる。又は、工程S2では、流体FLによってスピンチャック7を加熱する。従って、処理液による処理時のスピンチャック7の温度を略一定温度TcBに保持できる。以上、工程S2によって、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。
実施形態1では、具体的には、工程S2では、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを直接供給して、スピンチャック7の温度を調節する。更に具体的には、工程S2では、流体ノズル29は、スピンベース71(具体的にはスピンベース71の表面71b)に流体FLを直接供給して、スピンベース71の温度を調節する。
また、実施形態1によれば、工程S2(温度調節工程)は、工程S1と工程S3との間に実行される。また、工程S1の前、工程S3と工程S4との間、工程S4と工程S5との間、工程S5と工程S6との間、又は、工程S6の後において、工程S2が実行されてもよい。つまり、工程S2は、工程S3と異なる時間帯で単独の工程として実行される。従って、例えば、流体FLと処理液とが混合したり、流体FLと洗浄液とが混合したり、流体FLと乾燥用溶剤とが混合したりすることを抑制できる。その結果、流体FL、処理液、洗浄液、及び乾燥用溶剤の各々の回収が容易になる。
さらに、実施形態1によれば、工程S2(温度調節工程)は、工程S3(処理工程)の1つ前の工程として実行される。従って、流体FLによってスピンチャック7を加熱する場合、工程S3での処理液による基板Wの処理の直前に、各基板Wに対してスピンチャック7の温度を略一定温度TcBに保持できる。その結果、複数の基板W間で処理レートが変化することを更に抑制できる。
ここで、工程S2(温度調節工程)でのスピンチャック7の回転数は、工程S3、工程S4、又は工程S5でのスピンチャック7の回転数よりも低いことが好ましい。工程S2でのスピンチャック7の回転数が低い程、流体FLがスピンベース71の表面71bに滞在し易く、スピンベース71を流体FLによって効果的に冷却又は加熱できるからである。なお、スピンチャック7の回転数は、単位時間当たりのスピンチャック7の回転数(rpm)を示す。
具体的には、工程S2のスピンチャック7の回転数N1(例えば10rpm)は、工程S5でのスピンチャック7の回転数N5(例えば1500rpm)よりも低いことが好ましく、工程S4でのスピンチャック7の回転数N4(例えば1000rpm)よりも低いことが更に好ましく、工程S3でのスピンチャック7の回転数N3(例えば200rpm)よりも低いことが更に好ましい。
また、工程S2(温度調節工程)では、流体ノズル29は、基板Wの温度に影響を与えない程度の流量で、スピンチャック7に流体FLを供給することが好ましい。例えば、工程S2では、流体ノズル29によって、流体FLが基板Wに直接接触することなく、流体FLがスピンチャック7に供給される。
次に、図1〜図4を参照して、図3の工程S2の詳細を説明する。図4は、図3の工程S2のスピンチャック温度調節処理を示すフローチャートである。図4に示すように、スピンチャック温度調節処理は工程S21及び工程S22を含む。
図1、図2、及び図4に示すように、工程S21において、温度測定部27は、スピンチャック7(具体的にスピンベース71)の温度Tspを測定する。制御部30は、温度測定部27から、スピンチャック7の温度Tspを示す情報を所定時間間隔で受信する。
工程S22において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspに基づいて、スピンチャック7に供給する流体FLを制御する。従って、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度を監視して、スピンチャック7の温度に応じて流体FLを的確に制御できる。工程S22は「流体FLを制御する工程」の一例に相当する。
具体的には、工程S22では、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspに基づいて流体供給調節部4及び/又は流体温度調節部6を制御して、流体ノズル29からスピンチャック7に供給する流体FLを制御する。従って、流体ノズル29は、温度Tspに基づく制御の下、スピンチャック7に流体FLを供給する。工程S22の完了によって、スピンチャック温度調節処理が完了する。そして、処理は、図3のメインルーチンにリターンし、工程S3に進む。
なお、工程S21では、熱電対、放射温度計、又は、赤外線サーモグラフィーを使用して、スピンチャック7の温度を測定することができる。熱電対を使用する場合は、高精度でスピンチャック7の温度Tspを測定できるため、流体FLを更に的確に制御できる。放射温度計を使用する場合は、簡易にスピンチャック7の温度Tspを測定できる。赤外線サーモグラフィーを使用する場合は、スピンチャック7の温度分布を測定できるため、スピンチャック7の温度分布に応じた流体FLの制御が可能になる。赤外線サーモグラフィーによって測定されたスピンチャック7の温度分布は、スピンチャック7の蓄熱状況を表す。
次に、図1、図2、図4、及び図5を参照して、図4の工程S22の一例を説明する。図5は、図4の工程S22の流体制御の第1例を示すフローチャートである。図5に示すように、第1例に係る流体制御は、工程S31〜工程S34を含む。
図1、図2、及び図5に示すように、工程S31において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第1閾値TH1よりも高いか否かを判定する。
工程S31で否定判定(No)されると、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
一方、工程S31で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S32に進む。
工程S32において、流体ノズル29がスピンチャック7に流体FLを供給してスピンチャック7を冷却するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。
工程S33において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になったか否かを判定する。第1所定温度T1は、第1閾値TH1の示す温度以下の温度を示す。第1所定温度T1は、例えば、室温Trmである。
工程S33で否定判定(No)されると、処理は工程S32に戻る。
一方、工程S33で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S34に進む。
工程S34において、流体ノズル29がスピンチャック7への流体FLの供給を停止するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。工程S34の完了によって、スピンチャック7の温度Tspに基づく流体制御が完了する。そして、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
以上、図5を参照して説明したように、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが第1閾値TH1よりも高いと判定されたときに(工程S31でYes)、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7の温度が第1所定温度T1になるまでスピンチャック7を冷却する。従って、1枚ずつ基板Wを連続して処理する場合において、スピンチャック7の温度の上昇を更に抑制できる。その結果、複数の基板W間で処理レートが変化することを更に抑制できる。
次に、図1、図2、図4、及び図6を参照して、図4の工程S22の他の例を説明する。図6は、図4の工程S22の流体制御の第2例を示すフローチャートである。図6に示すように、第2例に係る流体制御は、工程S41〜工程S47を含む。
図1、図2、及び図6に示すように、工程S41において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第2閾値TH2よりも高いか否かを判定する。第2閾値TH2の示す温度は、工程S44の第1閾値TH1の示す温度よりも高い。
工程S41で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S42に進む。
一方、工程S41で否定判定(No)されると、処理は工程S44に進む。
工程S44において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第1閾値TH1よりも高いか否かを判定する。
工程S44で否定判定(No)されると、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
一方、工程S44で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S45に進む。
工程S45において、流体ノズル29が第1流量FW1を有する流体FLをスピンチャック7に供給してスピンチャック7を冷却するように、制御部30は、流体供給調節部4を制御する。
工程S46において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になったか否かを判定する。第1所定温度T1は、第1閾値TH1の示す温度以下の温度を示す。第1所定温度T1は、例えば、室温Trmを示す。
工程S46で否定判定(No)されると、処理は工程S45に戻る。
一方、工程S46で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S47に進む。
工程S41での肯定判定の後、工程S42において、流体ノズル29が第2流量FW2を有する流体FLをスピンチャック7に供給してスピンチャック7を冷却するように、制御部30は、流体供給調節部4を制御する。第2流量FW2は第1流量FW1よりも多い。
工程S43において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になったか否かを判定する。
工程S43否定判定(No)されると、処理は工程S42に戻る。
一方、工程S43で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S47に進む。
工程S43又は工程S46での肯定判定の後、工程S47において、流体ノズル29がスピンチャック7への流体の供給を停止するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。工程S47の完了によって、スピンチャック7の温度Tspに基づく流体制御が完了する。そして、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
以上、図6を参照して説明したように、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが、第2閾値TH2よりも高くないと判定されるとともに(工程S41でNo)、第1閾値TH1よりも高いと判定されたときに(工程S44でYes)、流体ノズル29は、第1流量FW1を有する流体FLをスピンチャック7に供給して、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になるまでスピンチャック7を冷却する。従って、図5を参照して説明した第1例に係る流体制御と同様に、1枚ずつ基板Wを連続して処理する場合において、スピンチャック7の温度の上昇を更に抑制できる。
また、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが第2閾値TH2よりも高いと判定されたときに(工程S41でYes)、流体ノズル29は、第2流量FW2を有する流体FLをスピンチャック7に供給して、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になるまでスピンチャック7を冷却する。従って、スピンチャック7の温度Tspが比較的大きく上昇した場合でも、第1流量FW1よりも多い第2流量FW2の流体FLをスピンチャック7に供給することで、スピンチャック7の温度Tspが第1所定温度T1になるまでの時間が長くなることを抑制できる。
次に、図1、図2、図4、及び図7を参照して、図4の工程S22の更に他の例を説明する。図7は、図4の工程S22の流体制御の第3例を示すフローチャートである。図7に示すように、第3例に係る流体制御は、工程S51〜工程S54を含む。
図1、図2、及び図7に示すように、工程S51において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第3閾値TH3よりも低いか否かを判定する。
工程S51で否定判定(No)されると、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
一方、工程S51で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S52に進む。
工程S52において、流体ノズル29がスピンチャック7に流体を供給してスピンチャック7を加熱するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。なお、流体FLの温度は、流体供給調節部4によって第1温度Tftに維持されている。第1温度Tftは第2所定温度T2以上の温度を示す。
工程S53において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になったか否かを判定する。第2所定温度T2は、第3閾値TH3の示す温度以上の温度を示す。また、第2所定温度T2は、室温Trmよりも高い温度を示す。
工程S53で否定判定(No)されると、処理は工程S52に戻る。
一方、工程S53で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S54に進む。
工程S54において、流体ノズル29がスピンチャック7への流体の供給を停止するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。工程S54の完了によって、スピンチャック7の温度Tspに基づく流体制御が完了する。そして、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
以上、図7を参照して説明したように、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが第3閾値TH3よりも低いと判定されたときに(工程S51でYes)、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になるまでスピンチャック7を加熱する。従って、1枚ずつ基板Wを連続して処理する場合において、処理液による処理時のスピンチャック7の温度Tspを略一定温度TcBに保持できる。その結果、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。なお、実施形態1では、工程S3の直前に工程S2を実行するため(図3)、一定温度TcBは第2所定温度T2に略等しい。
ここで、第2所定温度T2は、スピンチャック7(具体的にはスピンベース71)の温度Tspが飽和するときの飽和温度Tstを示すことが好ましい。スピンチャック7の温度Tspは飽和温度Tstを超えて更に大きくなる可能性は低いため、飽和温度Tstを超えて流体FLを加熱することは、流体温度調節部6の電力消費を無駄にするからである。つまり、第2所定温度T2をスピンチャック7の飽和温度Tstに設定することで、流体温度調節部6の消費電力を抑制できる。なお、第2所定温度T2は飽和温度Tstを超える温度であってもよい。
なお、流体FLをスピンチャック7に供給しない場合は、スピンチャック7の温度Tspは、処理液の熱放射の影響により、1枚の基板Wを処理する度に徐々に上昇する。そして、実験で求まる処理枚数を超えると、スピンチャック7の温度Tspは、一定になり飽和する。温度Tspが一定になって飽和したときの温度が飽和温度Tstである。
次に、図1、図2、図4、及び図8を参照して、図4の工程S22の更に他の例を説明する。図8は、図4の工程S22の流体制御の第4例を示すフローチャートである。図8に示すように、第4例に係る流体制御は、工程S61〜工程S67を含む。
図1、図2、及び図8に示すように、工程S61において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第4閾値TH4よりも低いか否かを判定する。第4閾値TH4の示す温度は、工程S64の第3閾値TH3の示す温度よりも低い。
工程S61で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S62に進む。
一方、工程S61で否定判定(No)されると、処理は工程S64に進む。
工程S64において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第3閾値TH3よりも低いか否かを判定する。
工程S64で否定判定(No)されると、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
一方、工程S64で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S65に進む。
工程S65において、流体ノズル29が第3流量FW3及び第1温度Tftを有する流体FLをスピンチャック7に供給してスピンチャック7を加熱するように、制御部30は、流体供給調節部4及び流体温度調節部6を制御する。
工程S66において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になったか否かを判定する。第2所定温度T2は、第3閾値TH3の示す温度以上の温度を示す。
工程S66で否定判定(No)されると、処理は工程S65に戻る。
一方、工程S66で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S67に進む。
工程S61での肯定判定の後、工程S62において、流体ノズル29が第4流量FW4及び/又は第2温度Tscを有する流体FLをスピンチャック7に供給してスピンチャック7を加熱するように、制御部30は、流体供給調節部4及び流体温度調節部6を制御する。第4流量FW4は第3流量FW3よりも多い。また、第2温度Tscは第1温度Tftよりも高い。
工程S63において、制御部30は、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になったか否かを判定する。
工程S63否定判定(No)されると、処理は工程S62に戻る。
一方、工程S63で肯定判定(Yes)されると、処理は工程S67に進む。
工程S63又は工程S66での肯定判定の後、工程S67において、流体ノズル29がスピンチャック7への流体の供給を停止するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。工程S67の完了によって、スピンチャック7の温度Tspに基づく流体制御が完了する。そして、処理は、図4のサブルーチンにリターンし、更に図3のメインルーチンにリターンして、工程S3に進む。
以上、図8を参照して説明したように、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが、第4閾値TH4よりも低くないと判定されるとともに(工程S61でNo)、第3閾値TH3よりも低いと判定されたときに(工程S64でYes)、第3流量FW3及び第1温度Tftを有する流体FLをスピンチャック7に供給して、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になるまでスピンチャック7を加熱する。従って、図7を参照して説明した第3例に係る流体制御と同様に、1枚ずつ基板Wを連続して処理する場合において、処理液による処理時のスピンチャック7の温度Tspを略一定温度TcBに保持できる。
また、実施形態1によれば、スピンチャック7の温度Tspが第4閾値TH4よりも低いと判定されたときに(工程S61でYes)、第4流量FW4及び/又は第2温度Tscを有する流体FLをスピンチャック7に供給して、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になるまでスピンチャック7を加熱する。従って、スピンチャック7の温度Tspが比較的低い場合でも、第3流量FW3よりも多い第4流量FW4の流体FLをスピンチャック7に供給したり、第1温度Tftよりも高い第2温度Tscの流体FLをスピンチャック7に供給したりすることで、スピンチャック7の温度Tspが第2所定温度T2になるまでの時間が長くなることを抑制できる。例えば、1枚目の基板Wを処理するときに、第4流量FW4及び/又は第2温度Tscを有する流体FLがスピンチャック7に供給される。
(実施形態2)
次に、図1及び図9を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100及び基板処理方法を説明する。実施形態2がスピンチャック温度調節処理と他の処理とを並行して実行する点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図9は、実施形態2に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図9に示すように、基板処理方法は、工程S71〜工程S76を含む。基板処理方法は、1枚の基板Wごとに基板処理装置100によって実行される。
図9に示す工程S71、工程S72、工程S73、工程S74、工程S75、及び工程S76の処理は、それぞれ、図3に示す工程S1、工程S3、工程S4、工程S2、工程S5、及び工程S6の処理と同様であり、適宜説明を省略する。
図1及び図9に示すように、工程S71において、スピンチャック7は基板Wを保持する。
次に、工程S72において、ノズル11は、基板Wの表面Waに処理液を吐出して、基板Wを処理液によって処理する。
次に、工程S73と工程S74とが並行して実行される。
すなわち、工程S73において、ノズル15は、洗浄液を基板Wの表面Waに吐出して、基板Wを洗浄する。
一方、工程S74において、流体ノズル29がスピンチャック7に流体FLを供給するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。その結果、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7の温度を調節する。工程S74の処理は、図3の工程S2の処理と同様である。
次に、工程S75において、スピンチャック7は、回転することによって基板Wを乾燥する。
次に、工程S76において、搬送ロボットは、スピンチャック7から基板Wを取り出す。
以上、図9を参照して説明したように、実施形態2によれば、工程S74(温度調節工程)が工程S73と並行して実行される。従って、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制しつつ、工程S74を実行しない一般的な基板処理方法と同様の時間内で、実施形態2に係る基板処理方法を完了できる。その他、工程S74(温度調節工程)は、工程S71、工程S75、及び工程S76のいずれかと並行して実行されてもよい。つまり、工程S74は、工程S72(処理工程)と異なる工程と並行して実行されてもよい。
また、工程S74(温度調節工程)は工程S72(処理工程)と並行して実行されてもよい。特に、工程S74を工程S72と並行して実行する場合は、例えば、工程S74を工程S72でのプリディスペンス処理と並行して実行する。プリディスペンス処理は、基板Wに処理液を吐出する前に、待機ポットのような液受け部に向けて処理液を吐出する処理を示す。
(実施形態3)
次に、図1、図9、及び図10を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理装置100及び基板処理方法を説明する。実施形態3がスピンチャック7に流体FLを供給すると同時に基板Wの裏面Wbにも流体FLを供給する点で、実施形態3は実施形態2と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態2と異なる点を主に説明する。
図1及び図9に示すように、実施形態3の工程S74(温度調節工程)では、スピンチャック7に流体FLを供給することと並行して、基板Wの表面Waと裏面Wbとのうち裏面Wbに、流体FLと同じ流体FLを供給する。従って、実施形態3によれば、例えば、流体FLが洗浄液(リンス液又は洗浄薬液)と同じ液体である場合、スピンチャック7の温度の調節と基板Wの裏面Wbの洗浄とを同時に実行できる。なお、スピンチャック7に流体FLを供給することと並行して、基板Wの裏面Wbに、流体FLと異なる流体を供給してもよい。
次に、図10を参照して、実施形態3に係る流体ノズル29Aを説明する。図10は、流体ノズル29Aを示す側面図である。図1及び図10に示すように、実施形態3に係る基板処理装置100は、図1の流体ノズル29に代えて、図10の流体ノズル29Aを備える。
図10に示すように、流体ノズル29Aは、基板Wに対して、回転軸線AX1の延びる方向に所定間隔をあけて配置される。流体ノズル29Aは、基板Wの裏面Wbに対向する。流体ノズル29Aは、スピンベース71及びシャフト91の回転に関係なく静止している。
流体ノズル29Aの第1吐出口290は、スピンベース71の径方向外側に向かって開口している。従って、流体ノズル29Aは、流体FLを第1吐出口290から吐出して、スピンベース71の表面71bに流体FLを供給する。具体的には、流体ノズル29Aは、流体FLを第1吐出口290から吐出して、スピンベース71の表面71bに流体FLを直接供給する。
一方、流体ノズル29Aの第2吐出口291は、上方向に向かって開口している。そして、流体ノズル29Aは、基板Wの裏面Wbに向けて、流体FLを第2吐出口291から吐出する。
引き続き図10を参照して、流体ノズル29Aへの流体の供給について説明する。図10に示すように、基板処理装置100は、中空の供給配管60と、第1配管61と、第2配管62とをさらに備える。供給配管60は、スピンモーター9のシャフト91の内部空間91a及びスピンベース71の貫通孔71aを通って、流体ノズル29Aに接続される。第1配管61は、供給配管60の内部空間60aを通って、流体ノズル29Aの第1吐出口290に接続される。そして、第1配管61は供給配管P7に接続される。その結果、流体FLは、供給配管P7及び第1配管61によって流体ノズル29Aの第1吐出口290に供給される。第2配管62は、供給配管60の内部空間60aを通って、流体ノズル29Aの第2吐出口291に接続される。そして、第2配管62は供給配管P7に接続される。その結果、流体FLは、供給配管P7及び第2配管62によって流体ノズル29Aの第2吐出口291に供給される。
なお、流体ノズル29Aは、第2吐出口291から、流体FLと異なる流体を吐出することもできる。この場合は、第2配管62には、供給配管P7ではなく、別の供給配管が接続される。また、実施形態1に係る基板処理装置100は、流体ノズル29に代えて、流体ノズル29Aを備えていてもよい。
(実施形態4)
図11及び図12を参照して、本発明の実施形態4に係る基板処理装置100Aを説明する。実施形態4に係る基板処理装置100Aが3つのノズル(ノズル11、ノズル15、及びノズル17)及び流体供給ユニット21を備える点で、実施形態4は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態4が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図11は、基板処理装置100Aを示す図である。図11に示すように、基板処理装置100Aは、実施形態1に係る基板処理装置100の構成に加えて、バルブV3と、供給配管P3と、バルブV4と、供給配管P4と、バルブV5と、供給配管P5と、バルブV6と、供給配管P6とをさらに備える。また、基板処理装置100Aの処理ユニット1Aは、実施形態1に係る処理ユニット1の構成に加えて、ノズル17と、ノズル移動部19と、流体供給ユニット21と、ユニット移動部26とをさらに備える。
ノズル17は、基板Wに向けてSC1を吐出する。供給配管P3はノズル17にSC1を供給する。バルブV3は、ノズル17に対するSC1の供給開始と供給停止とを切り替える。
ノズル移動部19は、回動軸線AX3の回りに回動して、ノズル17の処理位置と待機位置との間で、ノズル17を水平に移動させる。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。待機位置は、スピンチャック7及びガード25よりも外側の位置を示す。
流体供給ユニット21は、スピンチャック7の上方に位置する。流体供給ユニット21は、吐出口22aから窒素ガス(N2)を基板Wに向けて吐出する。具体的には、吐出口22aは供給路22に接続される。供給路22は供給配管P4に接続される。そして、窒素ガスは、供給配管P4及び供給路22から吐出口22aに供給されて、吐出口22aから吐出する。バルブV4は、供給路22に対する窒素ガスの供給開始と供給停止とを切り替える。
流体供給ユニット21は、吐出口23aからリンス液を基板Wに向けて吐出する。具体的には、吐出口23aは供給路23に接続される。さらに、供給路23は供給配管P5に接続される。そして、リンス液は、供給配管P5及び供給路23から吐出口23aに供給されて、吐出口23aから吐出する。バルブV5は、供給路23に対するリンス液の供給開始と供給停止とを切り替える。
流体供給ユニット21は、吐出口24aからIPAを基板Wに向けて吐出する。具体的には、吐出口24aは供給路24に接続される。さらに、供給路24は供給配管P4に接続される。そして、IPAは、供給配管P6及び供給路24から吐出口24aに供給されて、吐出口24aから吐出する。バルブV6は、供給路24に対するIPAの供給開始と供給停止とを切り替える。
ユニット移動部26は、流体供給ユニット21を鉛直方向に沿って上昇又は下降させる。流体供給ユニット21が、窒素ガス、リンス液、及びIPAを基板Wに吐出する際には、ユニット移動部26は、流体供給ユニット21を下降させている。
なお、実施形態4では、ノズル11は、処理液としての燐酸液を基板Wに向けて吐出する。
次に、図11及び図12を参照して、実施形態4に係る基板処理方法を説明する。図12は、基板処理方法を示すフローチャートである。図12に示すように、基板処理方法は、工程S101〜工程S111を含む。基板処理方法は、1枚の基板Wごとに基板処理装置100Aによって実行される。
図11及び図12に示すように、工程S101において、スピンチャック7は基板Wを保持する。
工程S102において、ノズル15は、基板Wの表面Waにリンス液を吐出して、基板Wを洗浄する。
工程S103において、流体ノズル29がスピンチャック7に流体FLを供給するように、制御部30は流体供給調節部4を制御する。その結果、流体ノズル29は、スピンチャック7に流体FLを供給して、スピンチャック7の温度を調節する。工程S103は「温度調節工程」の一例に相当する。工程S103は、図3の工程S2と同様である。
工程S104において、ノズル11は、基板Wの表面Waに燐酸液を吐出して、基板Wを処理する。工程S104は「処理工程」の一例に相当する。
工程S105において、スピンチャック7は、回転することによって、基板Wから燐酸液を振り切る。
工程S106において、ノズル15は、基板Wの表面Waにリンス液を吐出して、基板Wを洗浄する。
工程S107において、ノズル17は、基板Wの表面WaにSC1を吐出して、基板Wを洗浄する。
工程S108において、流体供給ユニット21は、吐出口23aから基板Wの表面Waにリンス液を吐出して、基板Wを洗浄する。
工程S109において、流体供給ユニット21は、吐出口24aから基板Wの表面WaにIPAを吐出して、基板Wを乾燥する。また、流体供給ユニット21は、吐出口22aから基板Wの表面Waに窒素ガスを吐出する。
工程S110において、スピンチャック7は、回転することによって基板Wを乾燥する。
工程S111において、搬送ロボットは、スピンチャック7から基板Wを取り出す。
以上、図12を参照して説明したように、実施形態4によれば、工程S103(温度調節工程)の処理は、実施形態1に係る工程S2(温度調節工程)の処理と同様である。従って、実施形態4では、実施形態1と同様に、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制できる。
なお、工程S102、工程S106、工程S107、及び工程S108の各々は、「洗浄工程」の一例に相当する。また、工程S109及び工程S110の各々は、「乾燥工程」の一例に相当する。
また、工程S103は、工程S101の前、工程S101と工程S102との間、工程S104と工程S105との間、工程S105と工程S106との間、工程S106と工程S107との間、工程S107と工程S108との間、工程S108と工程S109との間、工程S109と工程S110との間、工程S110と工程S111との間、又は、工程S111の後において実行されてもよい。なお、基板処理装置100Aは、流体ノズル29に代えて、流体ノズル29A(図10)を備えていてもよい。
(実施形態5)
図11及び図13を参照して、本発明の実施形態5に係る基板処理装置100Aを説明する。実施形態5に係る基板処理装置100Aがスピンチャック温度調節処理と他の処理とを並行して実行する点で、実施形態5は実施形態4と主に異なる。以下、以下、実施形態5が実施形態4と異なる点を主に説明する。
図13は、実施形態5に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図13に示すように、基板処理方法は、工程S101〜工程S111を含む。基板処理方法は、1枚の基板Wごとに基板処理装置100Aによって実行される。図13の工程S101〜工程S111は、それぞれ、図12を参照して説明した工程S101〜工程S111と同様である。
ただし、実施形態5では、工程S103(温度調節工程)が工程S102と並行して実行される。従って、複数の基板W間で処理レートが変化することを抑制しつつ、工程S103を実行しない一般的な基板処理方法と同様の時間内で、実施形態5に係る基板処理方法を完了できる。その他、工程S103(温度調節工程)は、工程S101及び工程S104〜工程S111のいずれかと並行して実行されてもよい。この点は、実施形態2と同様である。
次に、本発明が実施例に基づき具体的に説明されるが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
本発明の実施例では、図11を参照して説明した基板処理装置100Aによって図13を参照して説明した基板処理方法を実行した。つまり、燐酸液を使用して、基板Wとしての半導体ウエハに対してエッチング処理を実行した。そして、半導体ウエハ上のシリコン窒化膜のエッチングレートを求めた。
特に、図13の工程S103は、次の条件で実行された。すなわち、流体ノズル29から吐出した流体FLの流量は、800(ミリリットル/分)であった。スピンベース71の回転数は、10(rpm)であった。流体FLの吐出時間は30秒であった。流体FLは脱イオン水であった。流体FLの温度は室温であった。従って、図13の工程S103では、スピンチャック7を流体FLによって冷却した。
実施例に係る基板処理装置100Aによるエッチングレートを、比較例に係る基板処理装置によるエッチングレートと比較した。比較例に係る基板処理装置は、図13の工程S103を実行しなかった。比較例に係る基板処理装置の条件は、工程S103を実行しなかった点を除いて、実施例に係る基板処理装置100Aの条件と同じであった。
図14は、実施例に係る基板処理装置100A及び比較例に係る基板処理装置によるエッチングレートを示すグラフである。図14において、横軸は基板Wの順序数を示す。つまり、横軸は、1枚ずつ基板Wを処理する場合に、何番目に処理した基板Wかを示す。縦軸はエッチングレートを示す。
図14に示すように、比較例に係る基板処理装置のエッチングレートは、四角形のマーク200によって示された。比較例に係る基板処理装置のエッチングレートは、1枚の基板Wを処理する度に徐々に大きくなった。
一方、実施例に係る基板処理装置100Aのエッチングレートは、菱形のマーク201によって示された。実施例に係る基板処理装置100Aのエッチングレートは、複数の基板W間で略一定であった。従って、流体FLによってスピンチャック7を冷却すると、処理液の熱放射の影響が軽減され、エッチングレートの変化を抑制できることを確認できた。
なお、比較例に係る基板処理装置のエッチングレートは、6番目の基板Wの処理時に飽和した。エッチングレートの飽和は、スピンチャック7の温度Tspが飽和したことを示すと推測できた。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)、(2))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)実施形態1〜実施形態5では、図1及び図11に示すように、流体ノズル29及び流体ノズル29Aをスピンモーター9の回転軸線AX1上に配置した。ただし、スピンチャック7に流体FLを供給できる限りにおいては、流体FLをスピンチャック7に供給するノズルの位置は特に限定されない。例えば、スピンチャック7の径方向外側にノズルを配置して、流体FLをスピンチャック7に供給してもよい。
(2)実施形態1〜実施形態5では、温度調節工程(工程S2、工程S74、及び工程S103)を基板Wごとに実行した。ただし、スピンチャック7の温度Tspの変動が処理レートの変動を起こさない限りにおいては、基板Wの所定枚数NMごとに、温度調節工程を実行してもよい。所定枚数NMは2以上の整数を示す。