JP2019186211A - 電極触媒層、膜電極接合体、および、固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
上記電極触媒層において、前記ショルダーピーク点における特異細孔直径は、0.03μm以上0.06μm以下であってもよい。
上記電極触媒層において、前記最大値を取るピークのガウス関数による近似曲線での前記ショルダーピーク点での特異細孔直径における細孔容積と、前記ショルダーピーク点における細孔容積との差分値が、0.03以上であってもよい。
上記課題を解決するための膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜において対向する2つの面の少なくとも一方に接合された上記電極触媒層と、を備える。
上記課題を解決するための固体高分子形燃料電池は、上記膜電極接合体を備える。
図1を参照して、膜電極接合体の構成を説明する。図1は、膜電極接合体の厚さ方向に沿う断面構造を示している。
図2から図5を参照して、電極触媒層の構成をより詳しく説明する。
図2が示すように、電極触媒層12は、触媒物質21、導電性担体22、高分子電解質23、および、繊維状物質24を含んでいる。触媒物質21は、導電性担体22に担持されている。電極触媒層12の中で触媒物質21、導電性担体22、高分子電解質23、および、繊維状物質24が存在しない部分が空隙である。触媒担体は、導電性担体22と、導電性担体22に担持された触媒物質21とから構成される。本実施形態では、空隙のなかで、3nm以上5.5μm以下の直径を有する空隙を細孔と定義する。
細孔容積分布は、最大容積直径Dmaxより小さい領域、かつ、細孔容積Vpが0.2以上となる領域にショルダーピーク点(Di,Vi)を有する。
なお、水銀圧入法を用いて実際に測定を行うときには、圧入された水銀の容積を相互に異なる圧力Pの印加によって別々に記録する。そして、上記式(1)に基づいて、各圧力Pを細孔直径Dに換算する。また、圧入された水銀の容積と細孔容積Vpとは等しいとして、細孔直径がDからD+dDまでに増加したときの細孔容積Vpの増加分である細孔容積増加分dVを細孔直径Dに対してプロットする。
一方、図5が示すように、極大点であるピークトップを有しないショルダーピークでは、まず、第1ピークトップ(Vmax,Dmax)を頂点とする第1ピークの近似曲線が算出される。第1ピークの近似には、ガウス関数が用いられる。次いで、近似曲線における細孔直径Dpのときの細孔容積(第1細孔容積Vp1)と、細孔容積分布における細孔直径Dpのときの細孔容積Vpとの差分値(Vp−Vp1)が算出される。そして、差分値(Vp−Vp1)が最大値を得るときの細孔直径Dpが、特異細孔直径Diとして定められ、このときのVpが細孔容積Viとして定められる。すなわち、ショルダーピーク点(Vi,Di)が定められる。この際、0.01以下の差分値(Vp−Vp1)は、微差であり、ショルダーピークによる機能が発揮され難く、ショルダーピーク点(Vi,Di)の特定には用いられない。
図6を参照して、膜電極接合体10を備える固体高分子形燃料電池の構成を説明する。以下に説明する構成は、固体高分子形燃料電池の一例における構成である。また、図3は、固体高分子形燃料電池が備える単セルの構成を示している。固体高分子形燃料電池は、複数の単セルを備え、かつ、複数の単セルが積層された構成でもよい。
固体高分子形燃料電池30では、カソード側セパレーター32Cのガス流路32Cgを通じて酸化剤が酸素極30Cに供給される。固体高分子形燃料電池30では、アノード側セパレーター32Aのガス流路32Agを通じて燃料極30Aに燃料が供給される。これにより、固体高分子形燃料電池30が発電を行う。なお、酸化剤には、例えば空気および酸素などを挙げることができる。燃料には、例えば水素を含む燃料ガス、および、有機物燃料などを挙げることができる。
H2 → 2H+ + 2e− … 反応式(1)
1/2O2 + 2H+ + 2e− → H2O … 反応式(2)
以下、上述した膜電極接合体の製造方法を説明する。
膜電極接合体10を製造するときには、まず、触媒物質21、導電性担体22、高分子電解質23、および、繊維状物質24を分散媒に混合し、その後、混合物に分散処理を施すことによって触媒インクを作成する。分散処理は、例えば、遊星型ボールミル、ビーズミル、および、超音波ホモジナイザーなどを用いて行うことができる。
[実施例1]
白金担持カーボン触媒(TEC10E50E、田中貴金属工業(株)製)、水、1‐プロパノール、高分子電解質(ナフィオン(登録商標)分散液、和光純薬工業(株)製)、および、カーボンナノファイバー(VGCF(登録商標)−H、昭和電工(株)製)を混合した。なお、白金担持カーボン触媒において、白金触媒がカーボン粒子に担持されている。カーボン粒子の質量と高分子電解質の質量との比を1:1に設定した。そして、混合物に対して遊星型ボールミルを用いて60分間にわたって300rpmで分散処理を行った。その際に、直径が5mmであるジルコニアボールをジルコニア容器の3分の1程度加えた。これにより、触媒インクを調製した。なお、高分子電解質の質量はカーボン粒子の質量に対して100質量%であり、繊維状物質の質量はカーボン粒子の質量に対して100質量%であり、分散媒中の水の割合は50質量%であり、触媒インクにおける固形分含有量が10質量%であるように触媒インクを調整した。
カーボンナノファイバーに代えて多層カーボンナノチューブ(直径60−100nm、東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって実施例2の膜電極接合体を得た。
触媒インクを調製するときに、カーボンナノファイバーの量を実施例1の2分の1とした以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例3の膜電極接合体を得た。
実施例1と同様の方法によって、触媒インクを調製した。触媒インクを、PTFEフィルムの表面にスリットダイコーターを用いて塗布することによって塗膜を形成した。次いで、80度の温風オーブンに配置し、塗膜のタックがなくなるまで塗膜を乾燥させた。これにより、触媒層付き基材を得た。カソード側電極触媒層を含む基材と、アノード側電極触媒層を含む基材とを準備した。なお、高分子電解質のカソード面には触媒インクの厚さが150μmとなるように、アノード面には触媒インクの厚さが60μmとなるように、高分子電解質膜に触媒インクを塗布した。そして、高分子電解質膜(ナフィオン(登録商標)211、Dupont社製)における一対の面に対し、触媒層付き基材が1つずつ各面に対向するように配置し、積層体を形成した。120℃、5MPaの条件で積層体をホットプレスすることによって、高分子電解質膜に2つの電極触媒層を接合した。次いで、各電極触媒層からPTFEフィルムを剥離することによって、実施例4の膜電極接合体を得た。
触媒インクを調製するときに、カーボンナノファイバーの量を実施例1の2倍に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例5の膜電極接合体を得た。
カーボンナノファイバーに代えてカーボンナノチューブ(NC7000、Nanocyl社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例1の膜電極接合体を得た。
触媒インクを調製するときに、カーボンナノファイバーを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例2の膜電極接合体を得た。
触媒インクを調製するときに、カーボンナノファイバーの量を実施例1の10分の1とした以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例3の膜電極接合体を得た。
細孔容積分布は、水銀圧入法により測定した。具体的には、高分子電解質膜にカソード側電極触媒層のみが形成された膜電極接合体を用いて、自動ポロシメーター(マイクロメリティックス社製、オートポアIV9510)を用いて、細孔容積Vpを測定した。測定セルの容積は約5cm3であり、水銀圧入の圧力を3kPaから400MPaまで昇圧した。これにより、各圧力における水銀の圧入量、つまり細孔容積Vpを得た。水銀圧入の圧力をWashburnの式を用いて細孔直径Dに換算し、細孔直径Dに対する細孔容積Vpの分布関数dVp/dlogDのプロットを作成した。なお、表面張力γを0.48N/mとし、かつ、接触角θを130°とした。このプロットが細孔容積分布であり、細孔容積分布の正規化を行った。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電極触媒層の断面を観察することによって、電極触媒層の厚さを計測した。具体的には、電極触媒層の断面を、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、FE-SEM S-4800)を用いて、1000倍の倍率で観察した。電極触媒層の断面における30カ所の観察点において電極触媒層の厚さを計測した。30カ所の観察点における厚さの平均値を電極触媒層の厚さとした。
発電性能の測定には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が刊行した小冊子である「セル評価解析プロトコル」に準拠する方法を用いた。膜電極接合体の各面に、ガス拡散層、ガスケット、および、セパレーターを配置し、所定の面圧となるように締め付けたJARI標準セルを評価用単セルとして用いた。そして、「セル評価解析プロトコル」に記載された方法に準拠してI‐V測定を実施した。このときの条件を標準条件に設定した。また、アノードの相対湿度とカソードの相対湿度とをRH100%としてI‐V測定を実施した。このときの条件を高湿条件に設定した。
耐久性の測定には、発電性能の測定に用いた評価用単セルと同一の単セルを評価用単セルとして用いた。そして、上述した「セル評価解析プロトコル」に記載の湿度サイクル試験によって耐久性を測定した。
実施例1から5、および、比較例1から3の膜電極接合体を備えた燃料電池のそれぞれの測定結果と、発電性能と、耐久性とを表1に示す。
(1)細孔容積分布の中に、最大容積直径Dmaxよりも小さく、かつ、細孔容積Vpが0.2以上である領域に、ショルダーピーク点(Vi,Di)を有する場合には、電極触媒層12が十分なガス拡散性、および、排水性を備えるだけの空隙が含まれて、高湿下での発電性能が向上可能である。
Claims (10)
- 固体高分子形燃料電池において固体電解質膜に接合する電極触媒層であって、
触媒物質と、
導電性担体と、
高分子電解質と、
繊維状物質を含み、
前記電極触媒層に含まれる空隙のなかで、3nm以上5.5μm以下の直径を有する空隙が細孔であり、
水銀圧入法により得られる細孔直径に対する細孔容積の分布であって、前記細孔容積の最小値が0であり、かつ、前記細孔容積の最大値が1であるように前記細孔容積が正規化された分布において、
前記細孔容積が最大値であるときの細孔直径が最大容積直径であり、
前記細孔直径が前記最大容積直径よりも小さく、かつ、前記細孔容積が0.2以上である領域にショルダーピーク点を有する
電極触媒層。 - 前記ショルダーピーク点における細孔容積は、0.3以上0.8以下である
請求項1に記載の電極触媒層。 - 前記ショルダーピーク点における特異細孔直径は、0.03μm以上0.06μm以下である
請求項1または2に記載の電極触媒層。 - 前記ショルダーピーク点における特異細孔直径と、前記最大容積直径との差が、0.02μm以上0.07μm以下である
請求項1から3のいずれか一項に記載の電極触媒層。 - 前記最大値を取るピークのガウス関数による近似曲線での前記ショルダーピーク点での特異細孔直径における細孔容積と、前記ショルダーピーク点における細孔容積との差分値が、0.03以上である
請求項1から4のいずれか一項に記載の電極触媒層。 - 前記繊維状物質は、電子伝導性繊維、および、プロトン伝導性繊維から選択される一種または二種以上の繊維状物質を含み、
前記電子伝導性繊維は、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、および、遷移金属含有繊維から構成される群から選択される少なくとも一種を含む
請求項1から5のいずれか一項に記載の電極触媒層。 - 前記遷移金属含有繊維は、Ta、Nb、Ti、および、Zrから構成される群から選択される少なくとも一つの遷移金属元素を含む
請求項6に記載の電極触媒層。 - 固体高分子電解質膜と、
前記固体高分子電解質膜において対向する2つの面の少なくとも一方に接合された電極触媒層と、を備え、
前記電極触媒層が、請求項1から7のいずれか一項に記載の電極触媒層である
膜電極接合体。 - 前記電極触媒層は、前記固体高分子形燃料電池においてカソードを構成する電極触媒層である
請求項8に記載の膜電極接合体。 - 請求項8または9に記載の膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
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| JP2006134630A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Honda Motor Co Ltd | 固体高分子型燃料電池の電極構造体 |
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