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JP2019185009A - 波長選択フィルタ及びそれを用いた熱光起電力発電装置 - Google Patents

波長選択フィルタ及びそれを用いた熱光起電力発電装置 Download PDF

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JP2019185009A JP2018230960A JP2018230960A JP2019185009A JP 2019185009 A JP2019185009 A JP 2019185009A JP 2018230960 A JP2018230960 A JP 2018230960A JP 2018230960 A JP2018230960 A JP 2018230960A JP 2019185009 A JP2019185009 A JP 2019185009A
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徳丸 慎司
Shinji Tokumaru
慎司 徳丸
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Nippon Steel Corp
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Abstract

【課題】耐熱性(500℃程度)を有し、500nm〜2500nmの波長の光は透過し、2700nm以上の波長の光を反射することのできる波長選択フィルタを提供すること。【解決手段】透明基板上に波長800nm〜6000nmにおいて、屈折率が3.5以上、5.5以下である高屈折率膜と屈折率が1.5超、3.5未満である中間屈折率膜とが積層された波長選択フィルタであり、波長800nm〜6000nmにおいて、前記それぞれの膜の消衰係数が0.2以下であり、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を有することを特徴とする波長選択フィルタ。【選択図】図1

Description

本発明は、熱源から放射する光(ふく射)から所定の波長分布を持つ光だけを透過する波長選択フィルタおよびそれを用いた熱光起電力発電装置に関する。
熱光起電力(Thermophotovoltaic:TPV)発電は、工場などで発生する高温域の排熱をエネルギーとして利用する技術のひとつであり、熱源からのふく射を光電変換(Photovoltaic:PV)素子(光電池)によって電力に変換する発電技術である。熱光起電力発電では、熱エネルギー(ふく射)をエミッタやフィルタで波長選択して所定の波長分布を持つ光を光電変換素子で電気に変換する。熱光起電力発電は、熱エネルギーから直接電気エネルギーを得ることができるため、エネルギー変換効率がよい。
熱光起電力発電は、500℃以上の温度域の排熱を利用することができ、1000℃程度の高温排熱のふく射からの発電を想定した場合、光電池としてGaSb素子やInGaAs素子が適していると考えられる。
熱源からのふく射を波長選択するフィルタの透過、反射特性と、電気に変換する光電変換素子の吸収特性の波長マッチングが重要になる。このため、光電変換素子が電気に変換できる波長域で選択的に透過し、それ以外の波長域では反射するフィルタの開発が望まれている。
上述のGaSb素子が吸収して発電できる光の波長は800nm〜1800nmであり、InGaAs素子が吸収して発電できる光の波長は1500nm〜2500nmである。これらに比べて、1000℃熱源からのふく射の波長範囲は500nm〜20000nmと広いため、熱源からのふく射を直接、GaSb光電変換素子に照射すると1800nm超の光は光電変換素子で発電してエネルギーを回収できないため加熱するだけの役割しか持たない。同様に、InGaAs光電変換素子に照射すると2500nm超の光は光電変換素子を加熱するだけの役割しか持たない。光電変換素子が加熱されることに伴う光電変換素子の破損、温度上昇による出力損失や、冷却のためのコスト上昇が問題となる。波長選択部材としてエミッタを用いる場合は、その性質上、熱源のふく射を吸収し、エミッタ自身が加熱される必要があり、ときには1000℃以上となることもある。そのため、エミッタは空気中で1000℃以上の耐熱性を有する材質としなければならない。一方、波長選択フィルタは、その性質上、加熱される必要はなく、1000℃以上の耐熱性は必要としない。そこで、素子と熱源との間に、素子の吸収波長の光だけを透過する波長選択フィルタを配置することが、より必要とされる。
しかし、フィルタにおいては、光電変換素子の吸収波長域のみでふく射を100%透過し、それ以外の波長域で100%反射することが理想だが、前記ふく射の全波長域で吸収を0%とすることは、現実的に困難であり、ある程度のふく射の吸収はやむを得ない。また、1000℃以上の熱源からのふく射強度は非常に大きいため、わずかな吸収でもある程度の高温になってしまう。したがって、工業的に使用する場合には、少なくとも500℃の耐熱性は確保しておくべきである。
また、波長選択フィルタは、光の干渉により、フィルタを構成する膜の表面や界面での反射を制御して、必要な波長の光を透過し、逆に不必要な波長の光は反射して透過させないようにするため、各層の屈折率の制御が必要となる。
特許文献1には、高屈折率膜/低屈折率膜を交互に積層したフィルタが開示されている。ただし、屈折率の数値範囲が特定されていない。また、高屈折率層と低屈折率層との間に薄い拡散バリア層(窒化珪素層)を挿入することによって高温に耐えられるように設計されている。しかし、高屈折率膜としてSi単相膜を用いており、空気中での500℃以上の耐酸化性は確保できない。
特許文献2、3は、低屈折率膜と高屈折率膜を含む反射防止フィルム及び近赤外線カットフィルターを開示している。ただし、特許文献2は780nmまでの波長の光の反射を防止するもの、特許文献3は主に900〜1100nmの波長の光の透過を防止するものであり、いずれも1800nmまたは2500nm超の光の反射については記載も示唆もされていない。また、ディスプレイ用の反射膜であるので、1000℃の熱源などへの耐熱性については特段考慮されていない。
特許文献4は、赤外線吸収剤(フタロシアニン化合物)を含む遮熱フィルムを開示している。ただし、360〜760nmの波長の光に対しては透過率を高くし、800〜1200nmの波長の光に対しては吸収率を高くしたものであり、この文献においても、1800nmまたは2500nm超の光の反射については記載も示唆もされていない。また、ビルや一般家屋や自動車などの窓ガラスに貼り付ける遮熱フィルムであるので、1000℃の熱源などへの耐熱性については特段考慮されていない。
米国特許第5403405号明細書 特開2003−121605号公報 特開2003−121636号公報 特開2005−157011号公報 特開平4−301505号公報
特許文献1〜4に開示されたフィルタやフィルムは、屈折率が特定されていない、波長1800nmまたは2500nm超の光を十分に反射することができない、1000℃程度の高温の熱源を想定した耐熱性についても考慮されたものでない等の問題がある。(なお、特許文献5は、屈折率等の光学定数の測定方法に関する文献であって、特定の屈折率を有するフィルタやフィルムを開示するものではない。)
本発明は、上記の事情に鑑み、1000℃程度の高温の熱源を想定した耐熱性(500℃程度)を有し、光電変換素子の光吸収率の高い800nm〜1800nmの波長の光は透過しやすく、1800nmまたは2500nm超の波長の光を反射しやすい波長選択フィルタおよびそれを用いた熱光起電力発電装置を提供することを目的とする。この波長選択フィルタは、GaSb光電変換素子またはInGaAs光電変換素子を用いた熱光起電力発電において非常に有用である。
本発明者らは波長選択フィルタの耐熱性および光透過性、光反射性を高めるべく、その構成について鋭意検討し、本発明を成した。その要旨は以下のとおりである。
(1)透明基板上に、波長800nm〜6000nmにおける屈折率が、3.5以上、5.5以下である高屈折率膜と、1.5超、3.5未満である少なくとも2層の中間屈折率膜とを有し、前記中間屈折率膜の間に前記高屈折率膜が積層され、波長800nm〜6000nmにおいて、前記それぞれの膜の消衰係数が0.2以下であり、
波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を有することを特徴とする波長選択フィルタ。
(2)透明基板上に前記高屈折率膜と前記中間屈折率膜に加えて、波長800nm〜6000nmにおける屈折率が1.2以上、1.5以下であり、消衰係数が0.2以下である低屈折率膜が積層された(1)に記載の波長選択フィルタ。
(3)前記高屈折率膜がβ−FeSiからなる(1)または(2)に記載の波長選択フィルタ。
(4)前記中間屈折率膜が20〜80vol%のSi粒子を分散したSiOからなる(1)〜(3)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
(5)前記低屈折率膜がSiOからなる(1)〜(4)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
(6)前記透明基板が石英からなる(1)〜(5)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
(7)波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上で、波長2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
(8)波長1500nm〜2500nmでの平均透過率が75%以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
(9)請求項(1)〜(7)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタが、熱光起電力発電において熱源とGaSb光電変換素子との間に配置されることを特徴とする熱光起電力発電装置。
(10)請求項(1)〜(6)または(8)のいずれか1項に記載の波長選択フィルタが、熱光起電力発電において熱源とInGaAs光電変換素子との間に配置されることを特徴とする熱光起電力発電装置。
本発明によれば、500℃程度の耐熱性を有し、800nm〜2500nmの波長の光の平均透過率が高く、2700nm以上の波長の光の平均反射率が高い波長選択フィルタを得ることができる。この波長選択フィルタは、GaSb光電変換素子またはInGaAs光電変換素子を用いた熱光起電力発電において非常に有用である。
熱光起電力発電システムの構成を模式的に示す図である。 波長選択フィルタの構成を模式的に示す縦断面図である。 波長選択フィルタの構成を模式的に示す縦断面図である。 波長選択フィルタの構成を模式的に示す縦断面図である。 波長選択フィルタの構成を模式的に示す縦断面図である。 波長選択フィルタの構成を模式的に示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、図1を参照して、熱光起電力発電について説明する。熱光起電力発電では、熱源50からのふく射51を波長選択フィルタ10で所定の波長分布を持つ光54のみを透過し(所望しない波長分布を持つ光を反射光56として反射し)、透過された光54を光電変換素子60で電気に変換する。
1000℃程度の熱源50からのふく射の波長範囲は、500nm〜20000nmであるが、光電変換素子60の光吸収率の高い波長域は、光電変換素子60がGaSbの場合には、800nm〜1800nmであり、光電変換素子60がInGaAsの場合には、1500nm〜2500nmである。
熱源50からのふく射から、直接光電変換素子60で発電しようとすると、光電変換素子60がGaSbの場合には1800nm超の光は、光電変換素子60の発電には使用されず、光電変換素子60を加熱するだけに使われることになる。光電変換素子60がInGaAsの場合には2500nm超の光は、光電変換素子60の発電には使用されず、光電変換素子60を加熱するだけに使われることになる。そして、温度が上昇した光電変換素子60は出力が低下するので、この出力低下を避けるために光電変換素子60を冷却する必要があり、それによって冷却のための電力も大きくなってしまう。
そこで、図1に示すように、熱源50と光電変換素子60との間に、光電変換素子60の吸収波長域に合わせた波長範囲で光54を選択的に透過(光電変換素子60がGaSbの場合には、約800nm〜1800nmの波長域の光を選択的に透過し、光電変換素子60がInGaAsの場合には、約1500nm〜2500nmの波長域の光を選択的に透過)する、波長選択フィルタ10を配置することにより、光電変換素子60の出力を低下させず、且つ光電変換素子60の冷却電力を抑えることができる。
なお、波長選択フィルタ10は、熱源50と光電変換素子60との間に配置されるので、熱源50が1000℃程度である場合、少なくとも500℃の耐熱性が要求される。概して、波長選択フィルタ10は、熱源50と接触させることはなく、空間を挟んで熱源50から遠位に配置される(光電変換素子60側に配置される)ので、1000℃までの耐熱性は必要とされない。ここで、耐熱性とは、空気中で所定の温度(例えば500℃)まで加熱された後で破損等の異常がなく、且つ加熱の前後で光学特性に変化がないことをいう。これは、試料を空気中で500℃に加熱し、3時間保持した後、この加熱前後での平均透過率、平均反射率の両方の値の変化が5%未満で、且つ、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であるものとする。
また、波長選択フィルタ10と熱源50の間に石英ガラスを設置してもよい。これにより4000nm以上の波長の光をよりカットすることができ、光電変換素子60への熱負荷が低減される。
次に、波長選択フィルタについて説明する。
本実施の形態の波長選択フィルタは、透明基板と、その上に、波長800nm〜6000nmにおける屈折率が3.5以上、5.5以下である高屈折率膜と、1.5超、3.5未満である少なくとも2層の中間屈折率膜とを有し、前記中間屈折率膜の間に前記高屈折率膜が積層されている。高屈折率膜および中間屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいて、それぞれの膜の消衰係数が0.2以下である。
透明基板は、その上に高屈折率膜と、中間屈折率膜とが積層される。透明基板としては、代表的なものとして、石英ガラス、光学ガラスがある。ここでの透明とは、2500nm以下の波長の光を透過することを云う。
好ましくは、透明基板は石英ガラスであってもよい。石英ガラスは、最高使用温度が1000℃を超える高い耐熱性を有するからである。石英ガラスの成分は二酸化ケイ素をほぼ100%とする。石英ガラスを更に分類すると、製法の違いなどから、溶融石英ガラス、合成石英ガラスなどに分けられる。
光学ガラスとしては、ホウケイ酸ガラスが例示される。これは二酸化ケイ素を主成分としつつ酸化ホウ素などを加えて構成される。一般的なソーダガラスに比べて、光透過性が高く、光学的歪みは少ないことなどが特長である。概して、光学ガラスの耐熱性は、石英ガラスに劣ることがあるが、透明基板は熱源から遠位に配置される(光電変換素子側に配置される)ので、透明基板そのものが1000℃までの耐熱性を有する必要はない。例えば最高使用温度が500℃以上のものや600℃以上のものを使用してもよい。
石英ガラス、および光学ガラスの透過率は、透明基板の種類によって光吸収率の高い波長域は異なっている。石英ガラスでは約4000nmを超える範囲、光学ガラスでは2500nmを超える範囲、においてより高い吸収効果が得られる場合が多い。光電変換素子の光吸収率の高い波長域は、光電変換素子がGaSbの場合には、800nm〜1800nmであり、光電変換素子がInGaAsの場合には、1500nm〜2500nmであるので、これらの波長域の光を透過やすい(吸収しにくい)、石英ガラス、光学ガラスが好ましい。
透明基板の厚さは、所望の光学特性を満たす限り特に限定されるものではないが、製造上の都合や、取り扱い性等を考慮して、0.1mm〜100mm程度としてもよい。好ましくは、下限を1mm以上、5mm以上、10mm以上としてもよく、上限を90mm以下、75mm以下、50mm以下としてもよい。
高屈折率膜は、透明基板の上に積層される。高屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいての屈折率が3.5以上、5.5以下である。10層以下の積層構造で前記波長選択性を確保するためには屈折率3.5以上とすることが必要である。2700nm以上の波長の光を反射させる観点から、屈折率はなるべく大きい方が好ましいが、5.5超となると、概して消衰係数も非常に高くなるので採用しない。前記の屈折率を満たしつつ、使用時の耐熱性、耐環境性を満たすことも考慮すると、高屈折率膜は、FeSi、CrSiを使用することができるが、この限りではない。高屈折率膜の主成分がFeSi、CrSiから選ばれる1種から成るものであってもよい。主成分とは、濃度が50mol%超を有することである。さらにFeSi、CrSiは耐熱性が高いことから、使用時に大気中で700℃程度の高温に曝されても劣化することはなく、高温保管性に優れている。好ましくは、高屈折率膜は、FeSiであってもよい。FeSiは、高屈折率、耐熱性などに優れており、Fe(鉄)、Si(シリコン)で構成されており製造コスト面、安全面からも優れているからである。FeSiの結晶構造はα、β型があるが、消衰係数がより小さいことからβ型の方が好ましい。
FeSi、CrSi等のシリサイド膜の形成方法として、スパッタ法、真空蒸着法, 化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法,レーザーアブレーション法などの成膜方法が使用できる。なかでも面積の大きい波長選択膜を形成するには、大面積でも再現性の高い成膜が容易であるスパッタ法が好ましい。FeSiをスパッタ法により形成する製法を以下に例示する。Fe:Si=1:2のモル比組成のターゲットを用いて、成膜する対象を400〜700℃に加熱して成膜するか、成膜する対象を加熱せずに成膜した後、700〜800℃で熱処理することで、β−FeSi型の結晶構造を有する膜を形成することができる。X線回折により、β−FeSi型であることを確認できる。ターゲット組成よりSi濃度が減少する場合には、Si組成を70−80%程度まで高めたターゲットを使用する手法、あるいはターゲット上にSiの小片を置いて簡易的に組成を調整する手法、あるいはSiターゲット上にFeの小片を置いて簡易的に組成を調整する手法により、薄膜のモル比組成を Fe:Si=1:2により近付けることができる。成膜対象温度、圧力などスパッタ条件や熱処理条件を適正化することで、結晶構造がβ−FeSi型になる薄膜を形成できる。シリサイド層は単結晶あるいは多結晶のいずれでも構わない。
高屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいての消衰係数が0.2以下である。上記の高屈折率を満たしつつ、0.2以下の消衰係数を満たすように、FeSi、CrSi等の高屈折率膜に熱処理を加えてもよい。熱処理は、アルゴンまたは窒素などの不活性ガス中で700〜800℃で行ってもよい。当該高屈折率膜の消衰係数のみを調整できるように、当該高屈折率膜の上にさらに積層をする前に熱処理をすることが好ましい。消衰係数が0.2以下であることにより、高屈折率膜との組み合わせで光電変換素子の吸収波長域では熱源からの入射光をほとんど減衰せずに、光電変換素子へ透過させることができ、それ以外の波長域でほとんどを反射することができる。
高屈折率膜の物理膜厚は特に限定されるものではなく、膜厚を調整して、光学膜厚を調整してもよい。膜厚は光学薄膜として機能する5nm以上とし、材料費や生産性の点から200nm以下とするのが好ましいが、下限を適宜10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上としてもよく、上限を160nm以下、150nm以下、120nm以下、110nm以下としてもよい。
中間屈折率膜は、前記高屈折率膜との組み合わせにより10層以下の積層構造で前記波長選択性を確保するために、波長800nm〜6000nmにおいての屈折率が1.5超、3.5未満である。前記の屈折率を満たしつつ、使用時の耐熱性、耐環境性を満たすことも考慮すると、中間屈折率膜の材料としては、SiC、Al、Ta、Crなどが望ましく、これらを混合したものであってもよく、さらにSiOを加えてもよいが、この限りではない。SiOは1500℃以上の融点を有し、高温の酸化雰囲気であっても蒸発しやすい酸化物組成の化合物を有さない耐熱性の高い材料であり、化学的に安定な酸化物であるので、隣接する高屈折率膜や透明基板と反応して化合物を形成することがなく、波長選択フィルタの波長選択性が崩れることがない。
SiOは、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法により、好適に形成することができる。いずれの手法でも、SiOの層を数10nmの薄さで容易に膜厚を管理でき、均一性を高めることもできる。さらに真空蒸着法、スパッタ法は大面積化にも有利であり、生産性に優れている。
SiCは、CVD法、スパッタ法、炭化法などにより好適に作製できる。CVD法の場合、カーボン含有ガス及びシリコン含有ガスを熱分解させ、反応させることで、SiCの層を形成できる。透明基板が石英の場合、スパッタ法により、透明基板上にSiC層を析出できる。なお、ここで用いる中間屈折率膜は、単結晶、多結晶、アモルファス相のいずれでも構わない。
中間屈折率膜は、母材に付加材を分散したものであってもよい。中間屈折率膜の付加材は、金属又は半導体で形成される。金属又は半導体は、Siであってもよい。付加材は、粒径が1nm以上10nm以下程度の粒子であるのが好ましい。中間屈折率膜は、付加材を20体積%以上80体積%以下含有しているのが好ましい。中間屈折率膜は、付加材が20体積%未満であると充分な屈折率を確保できないため、波長を選択することが困難となり、80体積%超であると付加材同士が結合し連続膜となりやすく、500℃の空気中で酸化してしまい波長選択性を失う可能性が生じる。
中間屈折率膜の母材は、付加材を構成する金属又は半導体の酸化物であってもよい。すなわち付加材がSiの場合、母材はSiOで形成される。付加材と母材をこれらの組み合わせとすることにより、1000℃までの高温下において、母材は付加材と反応せず、付加材は母材中で酸化されず、安定して存在する。
母材および付加材からなる中間屈折率膜は、スパッタ法により好適に形成することができる。例えば、SiOターゲットの上にSiチップを積載したものを用いて、スパッタリングを行うことにより、酸化物(SiO)中に金属又は半導体(Si)を分散させた層を形成する。全層を形成後に、ArやNガスなどの不活性ガス中で500℃〜800℃で熱処理をすることにより、中間屈折率膜の母材中に金属又は半導体を凝集させ、付加材の粒子を形成するとともにそれぞれの層を緻密化することができる。
中間屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいての消衰係数が0.2以下である。消衰係数が0.2以下であることにより、高屈折率膜との組み合わせで光電変換素子の吸収波長域では熱源からの入射光をほとんど減衰せずに、光電変換素子へ透過させることができ、それ以外の波長域でほとんどを反射することができる。
中間屈折率膜の物理膜厚は特に限定されるものではなく、膜厚を調整して、光学膜厚を調整してもよい。膜厚は光学薄膜として機能する5nm以上とし、材料費や生産性の点から200nm以下とするのが好ましいが、下限を適宜10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上としてもよく、上限を180nm以下、150nm以下、120nm以下、110nm以下としてもよい。
波長選択フィルタは、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を有する。これは、上記透明基板上に、上記高屈折率膜と上記中間屈折率膜とを積層することにより実現される。波長選択フィルタは、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であるため、熱源からのふく射に含まれる光電変換素子が電気に変換しない波長の光を選択的に反射することができる。また、波長選択フィルタは、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上であるため、光電変換素子が電気に変換する波長の光を選択的に透過することができる。したがって、光電変換素子がGaSbまたはInGaAsの場合に、光電変換素子の温度上昇を抑制し発電効率を高めることができる。また、少なくとも500℃の耐熱性を有するので、1000℃程度の熱源に適用することができる。逆に、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%未満の場合、波長選択フィルタの設置環境にもよるが、基板であるガラスの吸収率が大きいため、基板自体が加熱され500℃超になってしまう可能性がある。
本発明の一態様の波長選択フィルタは、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を満たし、さらに、波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上で、波長2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であってもよい。この態様は、上記透明基板上に、上記高屈折率膜と上記中間屈折率膜とを積層することにより実現される。この態様の波長選択フィルタは、光電変換素子がGaSbの場合に、非常に有用である。GaSb光電変換素子の光吸収率の高い波長域は、800nm〜1800nmであるためである。
本発明の別の態様の波長選択フィルタは、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を満たし、さらに、波長1500nm〜2500nmでの平均透過率が75%以上であってもよい。この態様は、上記透明基板上に、上記高屈折率膜と上記中間屈折率膜とを積層することにより実現される。この態様の波長選択フィルタは、光電変換素子がInGaAsの場合に、非常に有用である。InGaAs光電変換素子の光吸収率の高い波長域は、1500nm〜2500nmであるためである。
波長選択フィルタは、透明基板上に、高屈折率膜および中間屈折率膜に加えて、低屈折率膜を積層してもよい。波長選択フィルタに、さらに低屈折率膜を加えることにより、光学特性の調整範囲を広げることができる。
低屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいての屈折率が1.2以上、1.5以下である。低屈折率膜を用いることで、透過率或いは反射率の高い波長領域を拡げたり、高屈折率膜及び中間屈折率膜それぞれの膜厚範囲を拡げられる効果がある。前記の屈折率を満たしつつ、使用時の耐熱性、耐環境性を満たすことも考慮すると、低屈折率膜は、SiOを主成分として使用することができるが、この限りではない。主成分とは、濃度が50mol%超を有することである。低屈折率膜は、屈折率を調整するために、Alを含んでもよい。SiOやAlは耐熱性が高いことから、使用時に大気中で500℃程度の高温に曝されても劣化することはなく、高温保管性に優れている。SiOは上述したように1500℃以上の融点を有し、高温の酸化雰囲気であっても蒸発しやすい酸化物組成の化合物を有さない耐熱性の高い材料であり、化学的に安定な酸化物であるので、隣接する膜や透明基板と反応して化合物を形成することがなく、波長選択フィルタの波長選択性が崩れることがない。
SiOやAlは、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法により、好適に形成することができる。いずれの手法でも、SiOやAlの層を数10nmの薄さで容易に膜厚を管理でき、均一性を高めることもできる。さらに真空蒸着法、スパッタ法は大面積化にも有利であり、生産性に優れている。なお、ここで用いる低屈折率膜は、単結晶、多結晶、アモルファス相のいずれでも構わない。
低屈折率膜は、波長800nm〜6000nmにおいての消衰係数が0.2以下である。消衰係数が0.2以下であることにより、高屈折率膜及び中間屈折率膜との組み合わせで光電変換素子の吸収波長域では熱源からの入射光をほとんど減衰せずに、光電変換素子へ透過させることができ、それ以外の波長域でほとんどを反射することができる。
低屈折率膜の物理膜厚は特に限定されるものではなく、膜厚を調整して、光学膜厚を調整してもよい。膜厚は光学薄膜として機能する5nm以上とし、材料費や生産性の点から200nm以下とするのが好ましいが、下限を適宜10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上としてもよく、上限を530nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、150nm以下、120nm以下、110nm以下としてもよい。
本実施の形態の波長選択フィルタは、透明基板上に、高屈折率膜と中間屈折率膜に加えて、任意付加的に低屈折率膜を積層したものである。これらの屈折率膜を積層する順序は、波長選択フィルタとして、波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を有するかぎり、特に限定されるものではない。以下の積層順序を採用してもよいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
透明基板側から積層される順に、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜であってもよい。積層する屈折率膜の種類、積層数が少なく、生産性が高く好ましい積層順序の一つである。
また、上記の積層順序に、低屈折率膜を加えてもよい。すなわち、透明基板側から積層される順に、中間屈折率膜、高屈折率膜、低屈折率膜、中間屈折率膜であってもよい。または、透明基板側から積層される順に、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜、低屈折率膜であってもよい。または、透明基板側から積層される順に、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜、低屈折率膜を繰り返してもよい。低屈折率膜を加えることにより、光学特性の調整範囲を広げることができる。
波長選択フィルタの透過率(T%)は、分光光度計を用いて、光源から空気のみを通過した入射光の測定強度を100%とし、波長選択フィルタを光源と分光光度計との間に配置した場合の測定強度を百分率(%)で表示する。透過率測定では、800〜6000nmの波長の入射光を用いて、20nmごとの透過率を平均する。
波長選択フィルタの反射率(R%)は、光源から波長選択フィルタに垂直入射光(入射角度10°)を入射し、波長選択フィルタが反射した光の強度を、分光光度計を用いて測定する。光源からAgコート平面ミラー(エドモンドオプティクス社製)への垂直入射光(入射角度10°)に対する反射光の測定強度を100%とし、波長選択フィルタの反射光の相対強度を百分率(%)で表示する。反射率測定では、800〜6000nmの波長の入射光を用いて、20nmごとの反射率を平均する。
各屈折率膜の分光屈折率(n(λ))と分光消衰係数(k(λ))は、前記方法で測定した各屈折率膜の透過率と反射率、および膜厚から求める。あらかじめn(λ)とk(λ)がわかっている石英ガラス基板の上に、厚さ100〜300nmの各屈折率膜一層のみを成膜して、その分光透過率(T(λ)%)と分光反射率(R(λ)%)を測定する。膜厚は触針式段差計などで測定する。波長λにおけるn(λ)minとn(λ)max、およびk(λ)minとk(λ)maxを定め、それぞれの範囲内で光学定数N(λ)=n(λ)−ik(λ)を含む連立方程式を逆算することにより、前記T(λ)%とR(λ)%に合うn(λ)とk(λ)を算出する。しかし、この方法だと一般的に多重解となってしまうため、光学定数N(λ)に分散(波長依存性)が無いと仮定し、n(λ)=n(λ±20nm)=n(λ±40nm)、k(λ)=k(λ±20nm)=k(λ±40nm)とすることで、解を一つに絞ることができる(特許文献5)。波長λが800〜6000nmの範囲でのnとkの範囲を表1に示した。
(試料の作製)
透明基板として、石英ガラス(膜厚2mm)を用意した。透明基板上に、高屈折率膜および中間屈折率膜をスパッタ法により、ターゲットを変えることで連続的に形成し、試料No.1〜30の30種類の波長選択フィルタを作製した。一部の波長選択フィルタでは、さらに低屈折率膜も形成した。表1に、各屈折率膜の屈折率(n)および消衰係数(k)を示す。表2〜5に、試料No.1〜30の波長選択フィルタにおける、各屈折率膜の種類や膜厚、および積層順序を示す。
FeSi膜を、Siターゲットの上にFeチップを載せて成膜した。膜がFe:Si=1:2のモル比組成になるようにFeチップのサイズや枚数を調整した。モル比組成はラザフォード後方散乱分光法(RBS:Rutherford backscattering Spectrometry)により確認した。SiO膜はSiOのターゲットを用いて成膜した。SiC膜はSiCターゲットを用いて成膜した。Si膜はSiターゲットを用いて成膜した。Si分散SiO膜はSiOターゲットの上にSiチップを積載したものを用いて成膜した。
ターゲットはいずれも直径100mmで、圧力が0.3Pa〜1.5PaのArガス雰囲気で、高周波電源で300W〜550Wをターゲットに印加して成膜した。
Si分散SiO膜に含まれる付加材(Si)の体積分率は、ターゲットに積載するチップのサイズ、枚数を変えることで制御した。実際の体積分率はX線光電子分光(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)により確認した。
FeSi膜の成膜後に大気圧のN雰囲気で700〜800℃で1〜3時間熱処理を行って、FeSi膜の消衰係数を0.2以下にした。
また、各膜の膜厚は、あらかじめ成膜した膜厚を触針式段差計で測定し、成膜速度を求めて、所定の膜厚になるようにスパッタリング時間を制御した。
(表2)
試料No.1〜7の波長選択フィルタは、高屈折率膜と中間屈折率膜を積層したものであり、低屈折率膜を含まない。透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜の順に積層した。試料No.2、3、5〜7の模式図を図2Aに示す。
No.1の波長選択フィルタは、積層順序はNo.2〜7と同様に、透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、低屈折率膜、中間屈折率膜の順に積層したが、中間屈折率膜としてSiC膜を用いた。
一部の試料(No.4)では、比較例を示すために、屈折率及びその組み合わせや消衰係数が本願発明の範囲外の屈折率膜を積層した。
(表3、4)
試料No.8〜18および19〜23の波長選択フィルタは、高屈折率膜と中間屈折率膜に加えて低屈折率膜を積層したものである。
No.19〜23の波長選択フィルタは、原則として、透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜、低屈折率膜の順に積層した。模式図を図2Bに示す。
No.8〜18の波長選択フィルタは、原則として、透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、低屈折率膜、中間屈折率膜の順に積層した。模式図を図2Cに示す。
No.8の波長選択フィルタは、積層順序はNo.9〜18と同様に、透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、低屈折率膜、中間屈折率膜の順に積層したが、中間屈折率膜としてSiC膜を用いた。模式図を図2Dに示す。
一部の資料(No.12〜15、18)では、比較例を示すために、屈折率及びその組み合わせや消衰係数が本願発明の範囲外の屈折率膜を積層した。
(表5)
試料No.24〜30の波長選択フィルタは、高屈折率膜と中間屈折率膜に加えて低屈折率膜を積層したものである。
No.24〜30の波長選択フィルタは、原則として、透明基板側から、中間屈折率膜、高屈折率膜、中間屈折率膜、低屈折率膜の順に積層を繰り返した。模式図を図2Eに示す。
一部の試料(No.30)では、比較例を示すために、屈折率及びその組み合わせや消衰係数が本願発明の範囲外の屈折率膜を積層した。
(評価方法)
試料No.1〜30(波長選択フィルタ)の透過率(T%)は、分光光度計を用いて、光源から空気のみを通過した入射光の測定強度を100%とし、試料(波長選択フィルタ)を光源と分光光度計との間に配置した場合の測定強度を百分率(%)で表示したものである。透過率測定では、800〜6000nmの波長の入射光を用いて、20nmごとの透過率を平均した。
試料No.1〜30(波長選択フィルタ)の反射率(R%)は、光源から試料(波長選択フィルタ)に垂直入射光(入射角度10°)を入射し、試料(波長選択フィルタ)が反射した光の強度を、分光光度計を用いて測定した。光源からAgコート平面ミラー(エドモンドオプティクス社製)への垂直入射光(入射角度10°)に対する反射光の測定強度を100%とし、波長選択フィルタの反射光の相対強度を百分率(%)で表示した。反射率測定では、800〜6000nmの波長の入射光を用いて、20nmごとの反射率を平均した。
各屈折率膜の分光屈折率(n(λ))と分光消衰係数(k(λ))は、各屈折率膜の透過率と反射率、および膜厚から求めた。あらかじめn(λ)とk(λ)がわかっている石英ガラス基板の上に、厚さ100〜300nmの各屈折率膜一層のみを成膜して、その分光透過率(T(λ)%)と分光反射率(R(λ)%)を測定した。膜厚は触針式段差計で測定した。波長λにおけるn(λ)minとn(λ)max、およびk(λ)minとk(λ)maxを定め、N(λ)=N(λ±20nm)=N(λ±40nm)と仮定し、それぞれの範囲内で光学定数N(λ)=n(λ)−ik(λ)を含む連立方程式を逆算することにより、波長λが800〜6000nmでのn(λ)とk(λ)を求めた。
試料No.1〜30(波長選択フィルタ)の耐熱性は、試料を空気中で500℃に加熱し、3時間保持した後に試料に破損等の異常がないか、光学特性が変化していないかを確認し、異常や変化が見られたものについては、事象に応じてさらにその詳細を確認するための分析を行った。
(評価結果)
試料No.1〜30(波長選択フィルタ)の透過率(T%)、反射率(R%)および耐熱性の測定結果を表2〜5に示す。
GaSb、InGaAs両方の光電変換素子に対して、波長選択フィルタの波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であった場合を○、そうでなかった場合を×と判定した。GaSb光電変換素子に対して、波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上で、波長2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であった場合を◎と判定した。InGaAs光電変換素子に対して、波長1500nm〜2500nmでの平均透過率が75%以上であった場合を◎とした。耐熱性は空気中で500℃に加熱し、3時間保持した後に試料に破損等の異常がなく、加熱前後での平均透過率、平均反射率の両方の値の変化が5%未満であった場合を○とした。
No.12、13は、波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上、2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であったが、多量のSi負荷材またはSiが、空気中での500℃、3時間加熱により酸化し、光学特性の5%以上の変化が確認され、加熱後には表3に示した値よりも減少し、耐熱性が十分でないと判定した。
No.15は、中間屈折率膜であるSi分散SiO膜のSi付加材が少なく、屈折率が1.5超を満たさないことがあり、波長800nm〜2500nmでの透過率(T%)が65%未満であった。
No.30は、高屈折率膜の消衰係数が0.2超であり、波長800nm〜2500nmでの透過率(T%)が65%未満であったため、目的とする波長選択フィルタの機能を満たさなかった。
No.18は、構成する膜に高屈折率膜を含まず、波長2700nm〜6000nmでの反射率(R%)が75%未満であったため、目的とする波長選択フィルタの機能を満たさなかった。
No.4、14は、第二層がSiであり、屈折率が3.5以上を満たさないことがあり、波長2700nm〜6000nmでの反射率(R%)が75%未満であった。
No.1、2、7、8、10、11、19〜22、24は、光電変換素子がGaSbの場合に好ましい光学特性、すなわち、波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上で、波長2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であった。また、その光学特性は、500℃での加熱前後で光学特性の変化が確認されず、耐熱性を有すると判定した。
No.1、6、22、25、27〜29は、光電変換素子がInGaAsの場合に好ましい光学特性、すなわち、波長1500nm〜2500nmでの平均透過率が75%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であった。また、その光学特性は、500℃での加熱前後で光学特性の変化が確認されず、耐熱性を有すると判定した。
10 波長選択フィルタ
50 熱源
51 ふく射
54 透過光
56 反射光
60 光電変換素子

Claims (10)

  1. 透明基板上に、波長800nm〜6000nmにおける屈折率が、3.5以上、5.5以下である高屈折率膜と、1.5超、3.5未満である少なくとも2層の中間屈折率膜とを有し、前記中間屈折率膜の間に前記高屈折率膜が積層され、波長800nm〜6000nmにおいて、前記それぞれの膜の消衰係数が0.2以下であり、
    波長800nm〜2500nmでの平均透過率が65%以上で、波長2700nm〜6000nmでの平均反射率が75%以上であり、少なくとも500℃の耐熱性を有することを特徴とする波長選択フィルタ。
  2. 透明基板上に前記高屈折率膜と前記中間屈折率膜に加えて、波長800nm〜6000nmにおける屈折率が1.2以上、1.5以下であり、消衰係数が0.1以下である低屈折率膜が積層された請求項1に記載の波長選択フィルタ。
  3. 前記高屈折率膜がβ−FeSiからなる請求項1または2に記載の波長選択フィルタ。
  4. 前記中間屈折率膜が20〜80vol%のSi粒子を分散したSiOからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
  5. 前記低屈折率膜がSiOからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
  6. 前記透明基板が石英からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
  7. 波長800nm〜1800nmでの平均透過率が75%以上で、波長2000nm〜6000nmでの平均反射率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
  8. 波長1500nm〜2500nmでの平均透過率が75%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の波長選択フィルタ。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の波長選択フィルタが、熱光起電力発電において熱源とGaSb光電変換素子との間に配置されることを特徴とする熱光起電力発電装置。
  10. 請求項1〜6または8のいずれか1項に記載の波長選択フィルタが、熱光起電力発電において熱源とInGaAs光電変換素子との間に配置されることを特徴とする熱光起電力発電装置。
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