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JP2019183029A - 共役ジエン系ゴム組成物の製造方法、共役ジエン系ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

共役ジエン系ゴム組成物の製造方法、共役ジエン系ゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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JP2019183029A
JP2019183029A JP2018076761A JP2018076761A JP2019183029A JP 2019183029 A JP2019183029 A JP 2019183029A JP 2018076761 A JP2018076761 A JP 2018076761A JP 2018076761 A JP2018076761 A JP 2018076761A JP 2019183029 A JP2019183029 A JP 2019183029A
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diene polymer
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propyl
lithium
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JP2018076761A
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斉 斉藤
Hitoshi Saito
斉 斉藤
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗特性を損なうことなく、耐摩耗性が高度に優れる共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法並びにタイヤを提供する。【解決手段】本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の製造方法は、共役ジエン系重合体を含むゴム成分Aと、シリカ系無機充填剤Bと、シランカップリング剤Cとを混練りする第1の混練り工程と、前記第1の混練り工程により得られた混練物を40℃以上の温度でエージングするエージング工程と、前記エージング工程で得られた混練物と、加硫剤Dとを混練りする第2の混練り工程とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系ゴム組成物の製造方法、共役ジエン系ゴム組成物及びタイヤに関する。
近年、省資源や環境対策が重視されるにつれて、低燃費性に優れる自動車用タイヤに対する要求水準は、ますます高まっている。低燃費性に優れるタイヤを製造するには、路面との接地面であるトレッドを構成する材料が、タイヤのエネルギーロスを抑制し得る、転がり抵抗が低い材料であることが求められる。かかる観点から、転がり抵抗特性に優れる架橋ゴムを形成することができるゴム材料が、タイヤの材料として使用されている。
ゴム材料の転がり抵抗特性を改善する方法としては、例えば、シリカ等の補強剤の配合量を減じる方法が知られている。しかし、補強剤の配合量を減じると、ゴム組成物の硬度が低下することでタイヤが軟化し、ウェットスキッド抵抗性が悪化したり、耐摩耗性が悪化したりするという問題がある。
無機充填剤の配合ゴムの転がり抵抗特性やウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、少なくとも2種類の非相溶ジエン系ゴム(α、β)と、前記ジエン系ゴムの一方βと非相溶のブロックと前記ジエン系ゴム双方と相溶性のブロックを有するブロックポリマー、及び補強性充填剤を含有するトレッド組成物の製造に当たり、まず前記ブロックポリマーとジエン系ゴムαと無機充填剤とを混練りし、次いでジエン系ゴムαを加えて混練りする方法が開示されている。
特許第3,392,258号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、転がり抵抗特性やウェットスキッド抵抗性を損なうことはないものの、ベーストレッド部の材料として用いる際、耐摩耗性については、未だ十分満足する特性が得られておらず、更なる改良が必要であるという問題を有している。
そこで、本発明においては、上記従来技術が有する問題に鑑みて、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗特性を損なうことなく、耐摩耗性が高度に優れる共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法並びにタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硫黄や加硫促進剤を入れる前段階でコンパウンドを所定温度でエージングすることにより、共役ジエン系重合体組成物が転がり抵抗特性やウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性が高度に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)
共役ジエン系重合体を含むゴム成分Aと、シリカ系無機充填剤Bと、シランカップリング剤Cとを混練りする第1の混練り工程と、
前記第1の混練り工程により得られた混練物を40℃以上の温度でエージングするエージング工程と、
前記エージング工程で得られた混練物と、加硫剤Dとを混練りする第2の混練り工程とを含む共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
(2)
前記エージング工程前及び/又は前記エージング工程後に、カーボンブラックEを添加して更に混練りする(1)の製造方法。
(3)
(1)又は(2)の製造方法により製造される共役ジエン系重合体組成物。
(4)
トレッド用である(3)の共役ジエン系重合体組成物。
(5)
(3)又は(4)の共役ジエン系重合体組成物の架橋物を含むトレッドを備えたタイヤ。
本発明によれば、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性に優れる共役ジエン系重合体組成物及びその製造方法並びにタイヤを提供可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について以下詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本明細書にいう「転がり抵抗特性」、「ウェットスキッド抵抗性」、及び「耐摩耗性」は、それぞれ、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物を加硫成形した際の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性をいう。
〔共役ジエン系重合体組成物〕
まず、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の製造に用いる各成分について説明する。
<ゴム成分(成分A)>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、ゴム成分(成分A)を含有し、当該ゴム成分は、共役ジエン系重合体を含有する。
<共役ジエン系重合体>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物に用いられるゴム成分に含有する共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体組成物の耐摩耗性を改善する観点から、変性されていなくても、変性されていてもよい。共役ジエン系重合体組成物をタイヤのベーストレッド(トレッド)用途に利用する場合、共役ジエン系共重合体として変性したもの(官能基を導入したもの)を適宜選択することにより、タイヤに配合されるシリカ等の充填物と共重合体との親和性を改善し、低燃費性、ウェットグリップ性等のタイヤ性能を改善することが可能である。
共役ジエン系重合体が変性されているもの(変性共役ジエン系共重合体)としては、シリカ系カラムへの吸着性を有するもの等が挙げられ、例えば、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体としては、窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体が挙げられる。
窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体は、例えば、アニオン重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を重合することによって、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系重合体の重合活性末端に、分子内に窒素原子を有し、且つエポキシ基を2つ以上有する化合物、又は分子内に窒素原子を有し、且つシリル基に結合したアルコキシ基を2つ以上有する化合物を反応させることにより得られる。
共役ジエン系重合体を構成するために用いられる共役ジエン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及び/又はイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらの共役ジエン化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
共役ジエン重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、以下に限定されるものではないが、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
変性工程を経た後の状態である変性共役ジエン系重合体は、前記変性後に共役ジエン系重合体の二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換した水素化変性共役ジエン系重合体であってもよい。
その場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
より具体的には、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(すなわち「水添率」)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫ゴムとして用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、重合体中の共役ジエン部の水添率は3〜70%であることが好ましく、5〜65%であることがより好ましく、10〜60%であることがさらに好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であるであることがさらに好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50〜100質量%であることが好ましく、例えば、タイヤのベーストレッド用途に用いる場合、60〜80質量%であることがより好ましい。また、共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、耐摩耗性にも優れる加硫物を得ることができる。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に従った方法により測定することができる。
また、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10〜75モル%であることが好ましく、25〜65モル%であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、耐摩耗性も満足する加硫物を得ることができる。
ここで、共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
ミクロ構造(上記共役ジエン系共重合体中の各結合量)が上記範囲にあり、さらに共重合体のガラス転移温度が−45〜−15℃の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。ガラス転移温度については、ISO22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
共役ジエン系重合体が、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本実施形態においては、重合活性末端に、反応させて導入される特定構造の化合物を官能基として有する共役ジエン系重合体(変性共役ジエン系重合体)を、不活性溶剤中で更に水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換することができる。水素化は、変性前の共役ジエン共重合体に対して行ってもよく、変性後の変性共役ジエン共重合体を水素化してもよい。水素化を行うことにより、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
(共役ジエン系重合体の製造方法)
共役ジエン系重合体の製造方法について、以下に記載する。
<重合工程>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物に含まれる共役ジエン系重合体としては、窒素含有エポキシ置換基を起点に分岐した分子構造を有する、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体が好適なものとして挙げられ、かかる変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、重合開始剤として、例えば、多官能アニオン重合開始剤、一官能アニオン重合開始剤を用いて、重合工程を実施することが好ましい。
[(a)多官能アニオン重合開始剤を用いた場合の活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法]
共役ジエン系重合体を重合する工程において使用する多官能アニオン重合開始剤について説明する。
本明細書中、「多官能アニオン重合開始剤」とは、重合開始剤1分子中に複数の官能基を有する開始剤であって、その複数の官能基を起点にアニオン重合開始される重合開始剤を言う。
共役ジエン系重合体の重合工程において用いる多官能アニオン重合開始剤は、ポリビニル芳香族化合物と有機リチウム化合物とを反応させることにより調製できる。
例えば、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを反応させる方法、有機リチウム化合物と共役ジエン化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、有機リチウム化合物とモノビニル芳香族化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、共役ジエン化合物及び/又はモノビニル芳香族化合物及びポリビニル芳香族化合物の二者又は三者の存在下で有機リチウム化合物を反応させる方法等が挙げられる。
特に、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを反応させる方法、有機リチウム化合物と共役ジエン化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、共役ジエン化合物及びポリビニル化合物の存在下でモノ有機リチウム化合物を反応させる方法で調製された多官能アニオン重合開始剤が好ましい。
また、多官能アニオン重合開始剤の生成促進や安定化を図るために、調製の際、系内にルイス塩基を添加することが好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いるポリビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、o,m及びp−ジビニルベンゼン、o,m及びp−ジイソプロペニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,2−ビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,3,5−トリビニルナフタレン、2,4−ジビニルビフェニル、3,5,4´−トリビニルビフェニル、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,5,6−トリビニル−3,7−ジエチルナフタレン等が挙げられる。これらのポリビニル芳香族化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリビニル芳香族化合物は、特に、ジビニルベンゼン、及び/又はジイソプロペニルベンゼンが好ましく、これらのo−、m−、及びp−の異性体の混合物であってもよい。
多官能アニオン重合開始剤の調製には、前記ポリビニル芳香族化合物とともに、共役ジエン化合物及び/又はモノ芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
共役ジエン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に、1,3−ブタジエン、及び/又はイソプレンが好ましい。
また、モノビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、特に、スチレンが好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調整に用いる共役ジエン化合物及び/又はモノ芳香族ビニル化合物は、GPCで測定した多官能アニオン重合開始剤のポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜10,000となるように添加することがさらに好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いる有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物、1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,1−0−ジリチオデカン、1,1−ジリチオフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能有機リチウム化合物等が挙げられる。特に、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのモノ有機リチウム化合物が好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いる溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、多官能アニオン重合開始剤の調製工程中、系内にルイス塩基を添加することが有効である。
ルイス塩基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテル等が挙げられる。
3級モノアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール等の化合物が挙げられる。
3級ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノブタン、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノペンタン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサンジアミン、ジピペリジノエタン等の化合物が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテルが挙げられる。
環状エーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ビス(2−オキオラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニルブタン)、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパン等の化合物が挙げられる。
ルイス塩基の中でも、3級モノアミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン、3級ジアミンであるN,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、及び環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキサソラニル)プロパンが好ましい。
ルイス塩基は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、多官能アニオン重合開始剤を調製する際にルイス塩基を添加する場合は、重合開始剤を調製するときに用いられる前記溶媒に対し、30〜50,000ppmの範囲内で添加することが好ましく、200〜20,000ppmの範囲内で添加することがより好ましい。
反応促進や安定化の効果を十分に発現するためには、30ppm以上が好ましく、後の重合工程でのミクロ構造調整の自由度を確保することや重合後の溶媒を回収し、精製工程における重合触媒との分離を考慮すると50,000ppm以下で添加することが好ましい。
共役ジエン系重合体の、変性前の共役ジエン系重合体の重合工程において用いる多官能アニオン重合開始剤は、ポリビニル芳香族化合物と有機リチウムとのモル比が、ポリビニル芳香族化合物/有機リチウム=0.01〜1.0の範囲になるように調整されたものであることが好ましい。
有機リチウムに対するポリビニル芳香族化合物の使用量が多いほど、共役ジエン系重合体が、変性重合体である場合の、後述する共役ジエン系重合体の変性反応によって官能基を付与される分子鎖末端の割合が増加し、シリカ系粒子との親和性や反応性の向上が図られ、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物における低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが良好なものとなり、耐摩耗性の向上も図られる。
一方、有機リチウム化合物に対してポリビニル芳香族化合物の使用量が少ない方が混練り等での加工性を良好なものとすることができ、かかる観点から1.0モル以下とすることが好ましい。
一般に、低ヒステリシスロス性を改善する場合、組成物のムーニー粘度が上昇し、加工性が悪化する傾向にあるが、上述した観点からあまり高くしない方が実用上好ましい。
これらのバランスを良好なものとする観点から、ポリビニル芳香族化合物の量は、有機リチウム化合物1モルに対し0.02〜0.5モルの範囲がより好ましく、0.02〜0.1モルの範囲がさらに好ましい。
多官能アニオン重合開始剤を調製する際の温度は、生産上の観点から10℃以上、高温による副作用抑制の観点から140℃以下であることが好ましく、より好ましくは35〜110℃の範囲である。
多官能アニオン重合開始剤を調製する反応時間は、反応温度に左右されるが、5分〜24時間の範囲である。
共役ジエン系重合体の変性前の共役ジエン系重合体は、上述した多官能アニオン重合開始剤を用い、アニオン重合反応により得られる。
特に、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体であることがより好ましい。これにより、後述する変性工程により、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
重合様式としては、特に限定されないが、回分式、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、攪拌機付きの槽型、管型等の公知の構成をいずれも用いることができる。
多官能アニオン重合開始剤のGPCで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、500〜20,000の範囲であることが好ましく、1,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
この範囲の分子量分布を有する多官能アニオン重合開始剤を使用して得られた共役ジエン系重合体を用いた本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、ムーニー粘度が低下し、低ヒステリシスロス性と、ウェットスキッド抵抗性のバランスが優れる加硫物となる。
変性された共役ジエン系重合体を得るための、変性前の共役ジエン系重合体は、上述した多官能アニオン重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を共重合することにより得られる。
共役ジエン系重合体の重合単量体である共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。
アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することにより、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、さらには高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン系重合体の変性前の共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。
極性化合物を添加することにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は、共役ジエン系重合体の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
共役ジエン系重合体の重合工程における重合温度は、リビングアニオン重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を十分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。
[(b)一官能アニオン重合開始剤を用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法]
次に、一官能アニオン重合開始剤を用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法を説明する。「一官能アニオン重合開始剤」とは、重合開始剤1分子中にひとつの官能基を有する開始剤であって、その官能基を起点にアニオン重合開始される重合開始剤をいう。
前記一官能アニオン重合開始剤としては、特に、炭素−リチウム結合からなる化合物が好ましいものとして挙げられる。
炭素−リチウム結合からなる化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機リチウム化合物が挙げられる。
工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、及び/又はsec−ブチルリチウムが好ましい。
これらの有機リチウム化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
前記一官能アニオン重合開始剤は、他の有機アルカリ金属化合物を併用してもよい。
他の有機アルカリ金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
前記一官能アニオン重合開始剤としては、有機アルカリ土類金属化合物を用いることもできる。
有機アルカリ土類金属化合物としては、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、有機アルカリ金属化合物や、その他の有機金属化合物と併用してもよい。
共役ジエン系重合体の変性前の共役ジエン系重合体は、前記一官能アニオン重合開始剤を用いて製造する場合、共役ジエン化合物の重合体、又は芳香族ビニル化合物との共重合体であれば特に限定されないが、アニオン重合反応により成長して得られる共重合体であることが好ましい。特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることが好ましい。これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
重合様式としては、特に限定されないが、回分式、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。
重合反応に供する前に、重合系において、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、更には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン系重合体の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、例えば飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
上述した共役ジエン系重合体の重合工程において用いる重合開始剤としては、上述した重合開始剤の他、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物」、又は、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系」、を用いることができる。
重合開始剤系は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておいてもよいし、後述する重合又は共重合を行うための反応器中に供給し、重合又は共重合と同時、もしくはその前に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウムを反応させてもよい。
重合開始剤系に用いる、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物」としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物を用いることができる。
式(1)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
式(2)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体鎖を表す。Xは、水素原子、Cl原子、Br原子、又はI原子を表す。
式(3)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(1)において、R10及びR11が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ基ル、オクチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、3−フェニル−1−プロピル基、イソブチル基、デシル基、ヘプチル基、フェニル基が挙げられる。
式(1)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジへプチルアミン、ジへキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ−2−エチルへキシルアミン、ジデシルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルベンジルアミン、メチルフェネチルアミンが挙げられる。
式(1)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
式(1)で表される化合物は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、本実施形態の共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ジブチルアミン、ジへキシルアミンが好ましく、より好ましくはジブチルアミンである。
10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、式(1)で表される化合物としては、例えば、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジンが挙げられる。
式(1)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
式(1)で表される化合物は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、本実施形態の共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくはピペリジンである。
式(2)において、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキル基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキル基を表す。
式(2)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−クロロ−ジメチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジエチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジプロピルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘプチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘキシルプロパン−1−アミン、3−クロロロプロピル−エチルヘキサン−1−アミン、3−クロロ−ジデシルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルブタン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、ベンジル−3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルフェネチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−メチルフェネチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロプロピル)アザシクロオクタン、6−(3−クロロプロピル)−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(3−クロロプロピル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1−(3−ブロモプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−ヨードプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロブチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロペンチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロヘキシル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロデシル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。
式(2)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(2)で表される化合物は、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンである。
式(2)において、R14が下記式(4)〜(6)のいずれか一つ繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体鎖を表す場合は、Xは、水素原子を表す。
式(2)中のXが水素原子を表す場合に、式(2)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジオクチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−(ジ−2−エチルへキシル)−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジデシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルベンジル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−メチルフェネチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、(N,N−ジへプチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、1−(2−ブテニル)アザシクロオクタン、6−(2−ブテニル)1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(2−ブテニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、(2−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、(3−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。
式(2)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
式(2)で表される化合物は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジブチル−2−ブテニル1−アミン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジンである。
式(3)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジプロピル−o−トルイジン、N,N−ジプロピル−m−トルイジン、N,N−ジプロピル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−o−トルイジン、N,N−ジブチル−m−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン、o−ピペリジノトルエン、p−ピペリジノトルエン、o−ピロリジノトルエン、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミン、N,N−ジメチルキシリジン、N,N−ジエチルキシリジン、N,N−ジプロピルキシリジン、N,N−ジメチルメシジン、N,N−ジエチルメシジン、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセンが挙げられる。
式(3)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
式(3)で表される化合物は、後述する変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジンが好ましい。
重合開始剤系として、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と組み合わせる有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウムが挙げられる。
重合開始剤系を構成する有機リチウム化合物は、変性率向上と省燃費性能向上の観点から、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有し、アニオン重合の重合開始剤として用いることが可能なものであり、下記一般式(7)〜(10)のいずれか一つで表される有機リチウム化合物を含むことが好ましい。
式(7)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
式(8)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体鎖を表す。
式(9)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(10)中、R17は、窒素原子とともに環状構造を形成し、合計の炭素数が4〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
18は、炭素数1〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(7)において、R10及びR11が表すものとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、シリチウム基、エチルプロピルアミノリチウム基、エチルブチルアミノリチウム基、エチルベンジルアミノリチウム基、メチルフェネチルアミノリチウム基が挙げられる。
10及びR11は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。溶媒への可溶性、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ジブチルアミノリチウム基、ジへキシルアミノリチウム基が好ましく、より好ましくはジブチルアミン基である。
式(7)において、R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(7)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジノリチウムが挙げられる。式(7)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤の溶媒への可溶性、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び連鎖移動反応の抑制の観点から、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジノリチウム又はヘキサメチレンイミノリチウムであり、さらに好ましくはピペリジノリチウムである。
式(8)において、R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体鎖を表す。
当該共役ジエン系重合体鎖は、下記式(11)〜(13)のいずれか一つで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体鎖を表すことが好ましい。
式(8)において、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキレン基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表す。
また、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジエチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジプロピルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジペンチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジヘキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジオクチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルへキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジデシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルプロピルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルブチルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルベンジルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(メチルフェネチルアミノ)−プロピル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−ブチル)リチウム、(5−(ジブチルアミノ)−ペンチル)リチウム、(6−(ジブチルアミノ)−ヘキシル)リチウム、(10−(ジブチルアミノ)−デシル)リチウムが挙げられる。
式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウムがより好ましい。
式(8)において、R14が式(11)〜(13)で表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体鎖を表す場合、式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジオクチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジ−2−エチルへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジデシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルベンジルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(メチルフェネチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。
式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤としての反応性の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムである。
式(8)において、R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘプタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(オクタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(2−(ヘキサメチンレンイミニル)エチル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)ブチル)リチウム、(5−(ヘキサメチンレンイミニル)ペンチル)リチウム、(6−(ヘキサメチンレンイミニル)ヘキシル)リチウム、(10−(ヘキサメチンレンイミニル)デシル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘプタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(オクタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。
式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、後述する連鎖移動反応制御の観点から、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、さらに好ましくは(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウムである。
式(9)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−p−トルイジノリチウム、o−ピペリジノトルエノリチウム、p−ピペリジノトルエノリチウム、o−ピロリジノトルエノリチウム、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミノリチウム、N,N−ジメチルキシリジノリチウム、N,N−ジエチルキシリジノリチウム、N,N−ジプロピルキシリジノリチウム、N,N−ジメチルメシジノリチウム、N,N−ジエチルメシジノリチウム、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセノリチウムが挙げられる。
式(9)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合活性の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウムがより好ましい。
式(10)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、2−(2−メチルピペリジニル)−1−エチルリチウム(例えば、FMC社製の商品名「AI−250」)が挙げられる。
式(10)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
共役ジエン系重合体が変性体である場合、その変性前の状態である共役ジエン系重合体の重合工程前に、上述した重合開始剤として、予め分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を調製しておいてもよく、その方法は既知のあらゆる方法で調製される。
式(7)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、例えば、前記式(1)で表される化合物と有機リチウム化合物とを、炭化水素溶媒中で反応させることによって得られる。炭化水素溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の適切な溶媒を選択すればよい。反応温度は0℃以上80℃以下が好ましく、生産性の観点から5.0℃以上70℃以下が好ましく、7.0℃以上50℃以下がさらに好ましい。
式(8)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、例えば、前記式(2)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を調製し、これに下記式(A)で表される、ジハロゲン化アルキルを反応させ、さらに有機リチウム化合物を反応させることで得られる。
式(A)中、X1及びX2は、各々独立して、I原子、Br原子、又はCl原子を表し、R3aは、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜16のアルキレン基、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表す。
式(A)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−10−クロロデカン、1−ブロモ−3−ヨードプロパン、1−ブロモ−4−ヨードブタン、1−ブロモ−5−ヨードペンタン、1−ブロモ−6−ヨードヘキサン、1−ブロモ−10−ヨードデカン、1−クロロ−3−ヨードプロパン、1−クロロ−4−ヨードブタン、1−クロロ−5−ヨードペンタン、1−クロロ−6−ヨードヘキサン、1−クロロ−10−ヨードデカンが挙げられる。
式(A)で表される化合物は、反応性及び安全性の観点から、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、及び1−ブロモ−10−クロロデカンからなる群より選択される1種が好ましく、より好ましくは1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、及び1−ブロモ−6−クロロヘキサンからなる群より選択される1種である。
式(2)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて、リチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、−78℃以上70℃以下が好ましい。リチウムアミド化合物に式(A)で表される化合物を反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物に有機リチウム化合物を反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。
式(9)で表される化合物は、式(3)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて製造することができる。リチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、−78℃以上70℃以下が好ましい。リチウムアミド化合物に式(A)で表される化合物を反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物に有機リチウム化合物を反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。
式(8)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、R14が式(11)〜(13)のいずれか一つで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体鎖を表すものである場合、以下のステップ(I)〜(IV)で合成される。
(I)式(2)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を合成する。
(II)炭化水素溶媒中、得られたリチウムアミド化合物と、ブタジエン又はイソプレンとを反応させる。
(III)アルコールを加えてリチウムを失活させ、得られた生成物を減圧蒸留する。
(IV)蒸留して得られた生成物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させる。
前記式(2)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いてリチウムアミドを調製する、ステップ(I)の反応温度は上述の通りである。
ステップ(III)中の前記アルコールは、一般的なものが使用できるが、低分子量のものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群より選択される1種が好ましく、より好ましくはエタノールである。
ステップ(IV)の反応温度は、0℃以上80℃以下であり、好ましくは10℃以上70℃以下である。
上記有機リチウム化合物の調製の際には、系内に極性化合物を添加してもよい。生成の促進及び炭化水素溶媒への可溶化が図れる傾向にある。極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテルが挙げられる。
3級モノアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタールが挙げられる。
3級ジアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノペンタン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ジピペリジノペンタン、ジピペリジノエタンが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテルが挙げられる。
環状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)ブタン、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパンが挙げられる。
極性化合物の中でも、3級モノアミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン;3級ジアミンであるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンが好ましい。極性化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
重合開始剤である有機リチウム化合物を調製する際に極性化合物を添加する場合は、調製するときに用いられる溶媒に対し30質量ppm以上50,000質量ppmの範囲内で添加することが好ましく、200質量ppm以上20,000質量ppm以下の範囲内で添加することがより好ましい。反応促進及び溶媒への可溶化の効果を十分に発現するためには、30質量ppm以上の添加が好ましく、重合工程でのミクロ構造調整の自由度を確保すること及び重合後の溶媒を回収し、精製する工程における重合溶媒との分離を考慮すると、50,000質量ppm以下で添加することが好ましい。
共役ジエン系重合体が変性体である場合、その変性前の共役ジエン系重合体は、上述した各種重合開始剤、好ましくは、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物、又は少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン化合物を用いて重合し、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる。
重合工程においては、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておき、共役ジエン化合物の重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合を行う反応器に供給して重合反応を行ってもよいし、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウム化合物をスタテックミキサー又はインラインミキサーを用いて混合し調製し、併せて重合反応を行ってもよい。重合開始剤として、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いる場合には、当該化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
重合開始末端に窒素原子を含む官能基を有する共役ジエン系重合体は、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン化合物を用いて重合し、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合する重合工程によって得られる。
共役ジエン系重合体の重合工程は、バッチ式、連続式のどちらの重合方式で行ってもよいが、高変性率、高分子量、及び高分岐の共役ジエン系重合体を安定的に生産する観点から、連続式で重合することが好ましく、1個の反応器又は2個以上の連結された反応器での連続式で重合することがより好ましい。
このとき、変性率を75質量%以上、MSR(応力緩和)を0.45以下にするためには、例えば、重合温度を45℃以上80℃以下、かつ、ソリッドコンテント(固形分)を16.0質量%以下にすることが好ましい。
変性率を78質量%以上、MSRを0.45以下にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。
変性率を80質量%以上、MSRを0.44以下にするめには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましく、有機リチウム化合物のフィード組成が、炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。
変性率を85質量%以上、MSRを0.43以下にするためには、重合温度を50℃以上78℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。
変性率を88質量%以上、MSRを0.42以下にするためには、重合温度を55℃以上76℃以下、かつ、ソリッドコンテントを15.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0008mol/L以下にすることが好ましい。
さらに好ましくは、後述する連鎖移動反応を適切に制御し、変性率を90質量%以上、MSRを0.40以下、すなわち高変性率、高分子量、及び高分岐を達成する観点から、連続式の重合であり、重合温度が60℃以上72℃以下であり、ソリッドコンテントが14.0質量%以下であり、有機リチウム化合物が連続的に添加され、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.00070mol/L以下であることが好ましい。
有機リチウム化合物を用いた重合体の重合プロセスは、連続式でもバッチ式でもよいが、生産効率の観点からは、共役ジエン化合物を含む単量体と、重合開始剤を重合槽に連続的に供給し、連続的に重合する連続式が好ましい。連続式の場合、重合に用いられる単量体、溶媒、重合開始剤は、それぞれ別に重合槽にフィードしてもよいし、攪拌機を備えた混合槽を用いる方法、配管内でスタッティクミキサーやラインミキサーを使って連続的に混合する方法であってもよい。
有機リチウム化合物の安定性の観点から、重合に用いられる単量体及び重合開始剤は、炭化水素溶媒で希釈されていることが好ましい。単量体については、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。重合開始剤が有機リチウム化合物の場合は、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましく、0.0008mol/L以下であることがより好ましい。
重合工程において、高分子量ポリマーの安定生産の観点から、重合方式が連続式であり、かつ、有機リチウム化合物が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましい。
分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体となる重合を行う場合には、Makromol.chem 186.1335−1350(1985)に記載されているように、重合開始剤系の分子内に少なくとも1つ窒素原子の影響により、連鎖移動反応が促進されることから、リビング末端活性末端が失活する傾向にあるため、変性率を高めるためには、特定の製造条件が必要となる傾向にある。また、例えば、重合温度が高くなると、連鎖移動速度又は連鎖移動率が高くなり、得られる重合体の数平均分子量は減少し、分岐度は増加し、分子量分布は広くなり、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロック部分が低下又は無くなる傾向にあるため、MSRが減少する傾向にある。しかし、リビング活性末端の失活が促進されると推察され、製造条件を制御しない場合には、変性率は低下してしまう傾向にある。なお、バッチ式と連続式それぞれの重合法では、連続式の重合法がより連鎖移動反応を進行させる傾向にある。
重合温度は、アニオン重合が進行し、連鎖移動反応が制御され、芳香族ビニル化合物単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ない又は無い範囲であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、45℃以上であることが好ましく、連鎖移動反応を制御し、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、80℃以下であることがより好ましく、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないという観点から、50℃以上78℃以下がさらに好ましく、60℃以上75℃以下がよりさらに好ましい。
重合工程において、上述の連鎖移動反応制御の観点から、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物、並びに溶剤の総質量に対して、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物類等の含有量であるソリッドコンテント(「モノマー濃度」ともいう。)が、16質量%以下である方が好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは14%質量以下である。また、ソリッドコンテントの上限は特に制限されないが、12.5質量%以上であることが好ましい。
重合工程において、連鎖移動反応制御及び活性末端失活抑制の観点から、重合方式が連続式であり、重合温度が45℃以上80℃以下であり、かつ、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。
重合工程において用いる共役ジエン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及び/又はイソプレンが好ましい。これらの共役ジエン化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、共役ジエン化合物は、特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
重合工程において用いる単量体である芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば以下のものに限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
重合工程は、溶媒中で重合することが好ましい。溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒として、以下のものに限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及び重合溶媒は、それぞれ単独で、又はこれらの混合液を、予め重合反応に供する前に、不純物であるアレン類及びアセチレン類を、有機金属化合物を反応させ処理しておくことが好ましい。
これにより、不純物による重合の阻害が防止でき、重合体の活性末端量が高濃度となり、よりシャープな分子量分布(Mw/Mn)を達成でき、さらには高い変性率が達成される傾向にある。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。これにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる傾向にある。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。
これらの極性化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は、重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる傾向にある。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているように、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法が挙げられる。
共役ジエン系重合体が変性体である場合、その変性前の共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、上述したように、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
また、共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、上述したように0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定する。
共役ジエン系重合体の共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、25モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、変性共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
共役ジエン系重合体の変性前の共役ジエン系重合体は、以下のものに限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性の反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、共役ジエン化合物の総量に対して、200質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることがさらに好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエンが挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレンが挙げられる。
上述したように、ミクロ構造(上記共役ジエン系共重合体中の各結合量)が上記範囲にあり、さらに共重合体のガラス転移温度が−45℃以上−15℃以下の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。
ガラス転移温度については、ISO22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
上述したように、本実施形態に用いられる共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。
具体的には、共役ジエン系重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。
(変性工程)
上述した方法で、重合活性末端を有する共役ジエン系重合体を得た後、その重合活性末端に、所定の変性剤を反応させ、変性工程を実施することにより、変性された共役ジエン系重合体(本明細書中、変性共役ジエン系重合体と記載する場合がある。)が得られる。
好ましくは、後述する、分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を2つ以上有する化合物(変性剤)、又は分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)、を反応させる変性工程を行うことで、変性共役ジエン系重合体が得られる。
変性工程では、分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を有する化合物(変性剤)のエポキシ基が、共役ジエン系重合体の重合活性末端と反応することで、共役ジエン系重合活性末端と開環したエポキシ基の酸素原子との間の結合を形成することができる。
また、分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)のシリル基に結合したアルコキシ基が共役ジエン系重合体の重合活性末端と反応することで、共役ジエン系重合体末端とSiとの間の結合を形成することができる。これらにより、変性共役ジエン系重合体が、窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造となる。
<変性剤>
前記分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を2つ以上有する化合物(変性剤)としては、例えば、一般式(14)に示す化合物が挙げられる。
一般式(14)中、R19、R20は、炭素数1〜10の炭化水素基又はエーテル基及び/又は3級アミンを有する炭素数1〜10の炭化水素基、R21、R22は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又はエーテル及び/又は3級アミンを有する炭素数1〜20の炭化水素基、R23は、炭素数1〜20の炭化水素基、又はエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、及びハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、kは1〜6である。
一般式(14)で表される変性剤としては、kが2又は3の化合物が好ましく、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)としては、例えば、一般式(15)、一般式(16)、一般式(17)に示す化合物が挙げられる。
一般式(15)中、R24、R25は、各々独立して炭素数1〜20のアルキル基、又はアリール基であり、R26は、炭素数1〜20のアルキレン基であり、R27、R28は、同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の炭化水素基であって隣接する2つのNとともに5員環以上の環構造をなし、R29は炭素数1〜20の炭化水素基、又は3有機置換シリル基であり、pは2又は3の整数である。
一般式(16)中、R31〜R34は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R35は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R36は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。
一般式(17)中、R48〜R50は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R51〜R54、及びR56は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、R55及びR58は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R57は、炭素数1〜20のアルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、vは、1〜3の整数を示し、wは、1又は2を示す。それぞれ複数存在する場合のR48〜R58、v、及びwは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。dは、0〜6の整数を示し、eは、0〜6の整数を示し、fは、0〜6の整数を示し、(d+e+f)は、3〜10の整数である。Yは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を表す。Yが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を含む。活性水素を有しない有機基は、共役ジエン系重合体が有する活性末端を不活性化させる有機基である。そのような有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH2)、スルフヒドリル基(−SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基である。
一般式(17)において、Yは、下記一般式(D)〜(G)のいずれかで表される。
一般式(D)中、Z1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のB1は、各々独立している。
一般式(E)中、Z2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Z3は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、iは、1〜10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のZ2及びZ3は、各々独立している。
一般式(F)中、Z4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ4は、各々独立している。
一般式(G)中、Z5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ5は、各々独立している。
一般式(15)で表される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]テトラヒドロピリミジン−1−イル}エチル)ジメチルアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−(トリエチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[4−(トリエトキシシリル)ブチル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン等が挙げられる。
これらの中でも、官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性、相互作用性の観点から、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジンが好ましく、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、及び1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジンからなる群より選択される1種以上が好ましい。
一般式(16)で表される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、転がり抵抗特性の観点や、押し出し加工性の観点から、mが2、nが3であるものがより好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
一般式(17)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリプロポキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパン、1−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、1−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキシル−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]エーテル、(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、
ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイト、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、及びトリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイトが挙げられる。
式(17)において、Yが前記式(D)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−エトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、
トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、及びペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミンが挙げられる。
一般式(17)においてYが一般式(E)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、N1,N1’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(N1−メチル−N3,N3−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミン)、及びN1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
一般式(17)においてYが式(F)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、(3−トリメトキシシリル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、及びビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シランが挙げられる。
一般式(17)においてYが一般式(G)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロパン、及び3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパンが挙げられる。
一般式(17)の変性剤において、Yは、一般式(D)又は一般式(E)で表され、fは0を示すものが好ましい。このような変性剤は、入手が容易である傾向にあり、また、変性共役ジエン系重合体を加硫物としたときにおける耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、及びビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリスメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
一般式(17)の変性剤において、Yが、一般式(D)又は一般式(E)で表され、fは0を示し、一般式(D)又は一般式(E)において、iは2〜10の整数を示すものがより好ましい。これにより、加硫したときにおける耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びN1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
上述した変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0〜20℃で、30秒以上反応させることが好ましい。
一般式(17)で表される化合物の添加量は、共役ジエン系重合体のモル数対変性剤のモル数が、所望の化学量論的比率で反応させるよう調整することができ、そのことにより所望の分岐度が達成される傾向にある。具体的な重合開始剤のモル数は、変性剤のモル数に対して、好ましくは5.0倍モル以上、より好ましくは6.0倍モル以上であることが好ましい。この場合、一般式(17)において、変性剤の官能基数((v−1)×d+w×e+f)は、5〜10の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。
一般式(17)以外の上述した変性剤は、化合物中のエポキシ基の合計モル数、又はシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、アニオン重合開始剤の添加モル数の0.8〜3倍となる範囲であることが好ましく、1〜2.5倍となる範囲であることがより好ましく、1〜2倍となる範囲であることがさらに好ましい。
得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率を得るために0.8倍以上とすることが好ましく、押し出し加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から3倍以下とすることが好ましい。
変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、変性反応を行った後、当該重合体の溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等の有機酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
また、変性共役ジエン系重合体は、重合後の仕上げ工程におけるゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等が好ましい。
以上のようにして製造される、窒素含有エポキシ置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体としては、例えば、下記一般式(18)に示す化合物が挙げられる。
一般式(18)中、(Polym)は重合体鎖であり、R19〜R22、及びkについては一般式(14)と同義である。
一般式(18)で表される変性共役ジエン系重合体としては、kが2又は3の化合物が特に好ましく、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、上述のようにして製造される、窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体としては、例えば、下記一般式(19)、一般式(20)、一般式(21)に示す化合物等が挙げられる。
一般式(19)中、(Polym)は重合体鎖であり、R25〜R29、及びpは一般式(15)と同義である。
一般式(20)中、(Polym)は重合体鎖であり、R30〜R34、m、及びnは一般式(16)と同義である。
一般式(21)中、(Polym)は、ジエン系重合体鎖を示し、R61〜R63は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R64及びR67は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、R65、R68、及びR69は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R66及びR70は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R71は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。v及びKは、各々独立に、1〜3の整数を示し、K≦vであり、wは、1又は2を示し、Lは、1〜3の整数を示し、L≦(w+1)であり、Mは、1又は2の整数を示す。それぞれ複数存在する場合の(Polym)、R61〜R71、v、w、K、L、及びMは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。dは、0〜6の整数を示し、eは、0〜6の整数を示し、fは、0〜6の整数を示し、(d+e+fは、3〜10の整数であり、((K×d)+(L×e)+(M×k))は、5〜30の整数である。Yは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を示す。
好ましくは、一般式(21)において、Yは、下記一般式(D)〜(G)のいずれかで表される。
一般式(D)中、Z1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ1は、各々独立している。
一般式(E)中、Z2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Z3は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、iは、1〜10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のZ2及びZ3は、各々独立している。
一般式(F)中、Z4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ4は、各々独立している。
一般式(G)中、Z5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ5は、各々独立している。
(共役ジエン系重合体以外のゴム成分)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、上述した共役ジエン系重合体以外に、ゴム成分として、本実施形態の特性を満たす範囲で、他のゴム状重合体を含んでいてもよい。
このようなゴム状重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
具体的には、天然ゴム、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物が挙げられる。また、非ジエン系重合体としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
上述した各種ゴム状重合体は、共役ジエン系重合体以外の、水酸基やアミノ基等の極性を有する官能基を付与した変性ゴムであってもよい。またその重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,500,000であることがより好ましい。また、低分子量のいわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
<シリカ系無機充填剤B(成分B)>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、シリカ系無機充填剤B(成分B)を含有する。
シリカ系無機充填剤B(成分B)は、タイヤに配合されている「シリカ系無機充填剤」であればよく、特に、ベーストレッド用ゴム組成物の強度向上効果を奏するために用いられている「シリカ系無機充填剤」であれば、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の必須成分として広く採用できる。
シリカ系無機充填剤B(成分B)の含有量は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の補強効果が得られればよく、限定されるものではないが、共役ジエン系重合体100質量部に対して、1〜300質量部が靭性や加工性などの観点で好ましく、5〜150質量部がより好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物に用いられるシリカ系無機充填剤Bとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、SiO2、又はSi3Alを構成単位として含む固体粒子が好ましく、SiO2、又はSi3Alを構成単位の主成分とすることがより好ましい。
ここで、主成分とは、シリカ系無機充填剤B中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有される成分をいう。
シリカ系無機充填剤Bとしては、具体的には、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も用いることができる。これらの中でも、強度や耐摩耗性等の観点から、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等が挙げられる。これらの中でも、湿式シリカが好ましい。
乾式シリカとしては、例えば、精製された四塩化珪素を高温の炎の中で反応させて得られ、湿式に比べて純度が高く粒子が微細で水分が極めて低いものが挙げられ、一般に、シリコーンゴムの充填剤、樹脂の増粘剤、補強剤、あるいは粉体の流動化剤、セラミックスの原料として広く用いられる。
湿式シリカとしては、例えば、珪砂を原料とする珪酸ソーダを原料として、その水溶液を中和してシリカを析出し、ろ過・乾燥して得られる、外観上はふわふわとした軽い白色の粉末が挙げられ、一般に、合成ゴムの補強充填剤、農薬等液体の粉末化と固結防止、軽量紙の印刷インクの裏抜け防止、塗料、インクの増粘・たれ止め、断熱材、研磨剤に用いられる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物において、より優れた転がり抵抗特性を得る観点から、シリカ系無機充填剤BのBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、100〜300m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物では、シリカ系無機充填剤Bの添加による転がり抵抗特性を発現させる観点、操縦安定性を発現させる観点、及び押し出し加工性を実用的に十分なものとする観点から、共役ジエン系重合体を含有するゴム成分A100質量部に対するシリカ系無機充填剤Bの配合量又は含有量は、1〜300質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは20〜150質量部である。
<シランカップリング剤C(成分C)>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、シリカ系無機充填剤B(成分B)が配合されている。
シランカップリング剤は、以下に限定されるものではないが、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシラン等のメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、等が挙げられる。
特に、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシラン等のメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィドが補強効果が高いために好ましい。
これらのシランカップリング剤Cは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤Cの配合量は、上述したシリカ系無機充填剤B100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらに好ましい。シランカップリング剤Cの配合量が上記範囲であると、シランカップリング剤Cによる上記添加効果を一層顕著なものにできる。
<加硫剤D(成分(D))>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性が特に優れているという効果を奏するが、この効果は、加硫剤を加えて加硫した後に確認することができる。加硫工程は、エージング工程の後にする必要がある。加硫剤を入れた後にエージングを行うと、加硫が進んでしまって、成型時に成型不良を起こす可能性があるが、加硫工程に先だってエージングを行うとこの不具合を抑制できる。
加硫剤Dとしては、例えば有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物が使用できる。硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。加硫剤Dの使用量は、通常は、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分A100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、通常120〜200℃、であり、好ましくは140〜180℃である。
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えばスルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。また、加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を使用できる。加硫促進剤の使用量は、通常、変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分A100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。
<カーボンブラックE>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、補強効果の観点でカーボンブラックEをさらに含有することが好ましく、前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックEを0.5〜100質量部含有するものがより好ましい。
カーボンブラックEとしては、特に限定されず、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、窒素吸着比表面積は、押し出し成形性の観点、及び転がり抵抗特性の観点から、窒素吸着比表面積が50m2/g以上であり、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上であるカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの配合量は、シリカ系無機充填剤Bの添加による転がり抵抗特性を一層発現させるとともに、押し出し加工性を一層向上させる観点から、共役ジエン系重合体A100質量部に対し、0.5〜100質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
次に、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の製造方法について説明する。
<共役ジエン系重合体組成物の製造方法>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の製造方法は、共役ジエン系重合体を含むゴム成分A(成分A)と、シリカ系無機充填剤B(成分B)と、シランカップリング剤C(成分C)とを混練りする第1の混練り工程と、第1の混練り工程により得られた混練物を40℃以上の温度でエージングするエージング工程と、エージング工程で得られた混練物と、加硫剤D(成分D)とを混練りする第2の混練り工程とを含む。
第1の混練り工程では、成分A、成分B及び成分Cを一括して混練りしてもよく、各成分を逐次的に添加して混練りしてもよい。
(第1の混練り工程)
第1の混練り工程における混練り温度は、特に限定されないが、例えば、120〜170℃の範囲が好ましい。混練り温度が上記範囲内にあることにより、成分Bと成分Cとの反応率が向上し、分散性を高めることができる。混練り温度は、成分Cの種類に応じて選択することが好ましい。
例えば、成分Cが、その分子構造中に硫黄原子を3個以上有する場合、混練り温度は120〜160℃の範囲であることが好ましく、140〜150℃の範囲とすることがより好ましい。
分子構造中に硫黄原子を3個以上有するシランカップリング剤としては、特に限定はされないが、具体的には、ビス−(2−(トリエトキシシリル)−エチル)−テトラスルフィド、及びビス−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)−テトラスルフィド等が挙げられる。
また、例えば、成分Cが、その分子構造中に硫黄原子を1〜2個有する場合、混練り温度が140〜170℃の範囲であることが好ましく、150〜160℃の範囲であることがより好ましい。
分子構造中に硫黄原子を1〜2個有するシランカップリング剤としては、特に限定はされないが、具体的には、ビス−(3−(トリエトキシシリル)−プロピル)−ジスルフィド等が挙げられる。
第1の混練り工程においては、混練り中、所望の温度、例えば上記のようにして選択した150〜160℃、又は140〜150℃の温度範囲に達した後の混練り時間を2〜8分とすることが好ましく、2〜5分とすることがより好ましい。これにより、共役ジエン系重合体組成物の各物性のバランスをより高めることができる。
第1の混練り工程では、成分A、B及びCを少なくとも添加して混練りすればよく、成分A、B及びC以外の他の成分を更に加えて混練りしてもよい。他の成分としては、例えば、伸展油、カーボンブラック、加硫助剤、滑剤、老化防止剤、金属酸化物又は金属水酸化物、ゴム用軟化剤、及び添加剤が挙げられる。これらの他の成分は、成分A、成分B、及び成分Cとともに一括して混練りしてもよく、各成分を逐次的に添加して混練りしてもよい。なお、本実施形態の製造方法では、第2の混練り工程において、上記他の成分を添加して混練してもよい。
(伸展油)
第1の混練り工程において伸展油を更に加えて混練りすることが好ましい。これにより、得られる共役ジエン系重合体組成物の加工性を一層向上する傾向にある。伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、及びパラフィン油が挙げられる。これらの伸展油は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、伸展油は、アロマ油であることが好ましい。アロマ油としては、例えば、H&R社製の「Vivatec500」が挙げられる。
伸展油の添加量としては、特に限定されないが、共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜60質量部であることが好ましく、15〜45質量部であることがより好ましい。
(カーボンブラックE)
第1の混練り工程においてカーボンブラックEを更に加えて混練りすることが好ましい。なお、後述するエージング工程の後にカーボンブラックEを更に加えて混練りしてもよい。これにより、得られる共役ジエン系重合体組成物の補強性を一層向上する傾向にある。カーボンブラックEとしては、特に限定されず、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、押し出し成形性の観点、及び転がり抵抗特性の観点から、窒素吸着比表面積が50m2/g以上であり、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上であるカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックEの添加量は、シリカ系無機充填剤Bの添加による転がり抵抗特性を一層発現させるとともに、押し出し加工性を一層向上させる観点から、共役ジエン系重合体A100質量部に対し、0.5〜100質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
(加硫助剤)
第1の混練り工程において加硫成形を促進する観点から、加硫助剤を更に加えて混練りすることが好ましい。加硫助剤としては、亜鉛華及び/又はステアリン酸が挙げられる。加硫助剤の添加量は、共役ジエン系重合体A100質量部に対し、1〜10質量部が好ましく、2.5〜6.5質量部がより好ましい。
(滑剤)
第1の混練り工程において滑剤を更に加えて混練りすることが好ましい。これにより、得られる共役ジエン系重合体組成物の加工性や成型性を一層向上する傾向にある。滑剤としては、ワックスが挙げられ、例えば、大内新興化学工業株式会社製品の「サンノック」等が挙げられる。
滑剤の添加量は、共役ジエン系重合体A100質量部に対し、1.0〜2.0質量部が好ましい。
(老化防止剤)
第1の混練り工程において老化防止剤を更に加えて混練りすることが好ましい。老化防止剤としては、公知の老化防止剤が挙げられ、例えば、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミンが挙げられる。
老化防止剤の添加量は、共役ジエン系重合体100質量部に対し、1.0〜3.0質量部が好ましい。
(金属酸化物又は金属水酸化物)
第1の混練り工程において金属酸化物又は金属水酸化物を更に加えて混練りすることが好ましい。金属酸化物とは、化学式Mxy(Mは金属原子を表し、x及びyは各々1〜6の整数を表す。)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいう。金属酸化物としては、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。金属酸化物は、金属酸化物以外の無機充填剤(但しシリカ系無機充填材Bを除く)も混合物として含まれていてもよい。金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
金属酸化物及び金属水酸化物の添加量は、共役ジエン系重合体100質量部に対し、1.0〜5.0質量部が好ましい。
(ゴム用軟化剤)
第1の混練り工程において、加工性を一層向上する観点から、ゴム用軟化剤を更に加えて混練りしてもよい。ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。
ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体とともに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量は、ゴム成分A100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜90質量部がさらに好ましい。
ゴム用軟化剤の添加量がゴム成分A100質量部に対して100質量部以下であると、ブリードアウトの発生を一層抑制でき、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の表面にベタツキを生じることを防止できる。
(添加剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤や充填剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、着色剤、タッキファイヤ(クマロン系、インデン系、石油系等)の樹脂など)の各種添加剤を用いてもよい。その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、着色剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
(エージング工程)
第1の混練り工程で得られた混練物のエージング工程において、エージング温度は、40℃以上である。本明細書中、「エージング工程」とは、第1の混練り工程で得られた混練物を一定温度範囲の環境下で、一定時間保持することを言う。温度をある程度一定に保てる環境であれば、重合体組成物を室内に保持してもオーブン内に保持してもよい。エージング工程中、一般的には組成物に対して何もしないが、一定時間ごとに重合体組成物を緩やかに撹拌したり、振動を与えたりするのは、操作後の形状が大きく変わらない限り、「エージング」の範疇である。エージング中の組成物の形状は特に限定されないが、例えば、重合体組成物をシート状にし、ロールで加工した後そのまま保管することができる。
エージング温度が40℃以上であることにより、転がり抵抗特性やウェットスキッド抵抗性が損なわれることなく、耐摩耗性が向上する。前記エージング温度は、加工性、耐摩耗性の観点から40〜80℃より好ましく、50〜80℃がさらにより好ましい。混練物が、中心部まで均等にエージングした状態になるように、混練物の中心温度が40℃に達してから20〜150時間程度保持するのが好ましい。温度の上限を80℃にすることで、混練物が高粘度化を抑制できるため、第2の混練工程の加工性を良好に維持できる点で好ましい。エージング工程中の環境温度は好ましい温度の範囲であれば上限してもよいが、環境温度の変化は、一般的には80℃以下、好ましくは40〜80℃の範囲内とする。また、前記エージング時間は特に限定されないが、組成物を中心部まで均等にエージング処理する観点から、例えば、1日以上にするのが好ましい。他方、フィラーの再凝集が進み過ぎて、加工性が悪化するのを抑制する観点から、期間の上限は7日以下にするのが好ましい。
本実施形態の製造方法では、エージング工程を、第1の混練り工程と、加硫剤Dを更に添加して混練りする第2の混練り工程との間に行う。ここで、エージング工程と、第2の混練り工程との間には、何も配合(添加)せずにエージング工程で得られた混練物とを再混練りする工程や、成分A、成分B、又は成分Cの一部、上記他の成分を一括的又は逐次的に添加(配合)して混練りする工程を含んでいてもよい。混練りする工程が複数ある場合、加硫剤Dを更に添加して混練りする第2の混練り工程の前にエージングをすればよく、第1段の混練の後でエージングしても、第2段の混練の後でエージングしてもよいが、耐摩耗性の観点で、第2段の混練の後でエージングするのが好ましい。第1段の混練の後と、第2段の混練の後の両方でエージングをしても、共役ジエン系重合体組成物の性能の観点からは差し支えないが、生産効率の観点からは、いずれか一方の混練後にエージング工程を実施するのが好ましい。
(第2の混練り工程)
第2の混練り工程における混練り温度は、特に限定されないが、例えば、この工程中の加硫反応を抑制する観点から、105℃以下が、加工性の観点から、70℃以上が好ましい。
第2の混練り工程では、加硫促進剤を更に添加して混練りしてもよい。加硫促進剤としては、加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えばスルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤の使用量は、通常、変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分A100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の製造方法において、各種材料を混練りする方法としては、従来公知の方法を適用でき、以下に限定されるものではないが、例えば、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。
これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。また、各種材料を一度に混練する方法、複数の回数に分けて混練りする方法のいずれも適用可能である。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物は、トレッド用として好適であり、本実施形態の共役ジエン系重合体の架橋物を含むトレッドを具備するタイヤ用途として好適である。
すなわち、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物を用いて、トレッドを製造し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成形機を使用して加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物を用いることにより、転がり抵抗特性、及びウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性が高度に優れたタイヤを製造することができる。このため、本発明には、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の架橋物を用いてトレッドを得る工程を含むタイヤの製造方法も包含する。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
〔製造例1〕
内容積5Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン265g、スチレン93g、シクロヘキサン2030g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン3.8mmolを反応器へ入れ、反応器内温を50℃に保持した。重合開始剤として、ピペリジン(5.10mmol)とn−ブチルリチウム(5.10mmol)を反応させた、1−リチオピペリジン(5.10mmol)のシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は78℃に達した。
反応温度のピーク到達2分後、反応器にトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを0.587mmol添加し、5分間変性反応を実施した。
この重合体溶液に、酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;BHT)1.0gを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、乾燥機により乾燥処理を施し、窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する共役ジエン系重合体3を得た。
〔製造例2〕
内容積5L(L/D:3.4)で、攪拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、ノルマルヘキサン1995gと反応器内に存在する重合反応の妨げになり得る不純物の中和用としてn−ブチルリチウムを反応器に入れ、70℃で5分撹拌した後、室温まで冷却して溶液を抜出し、反応器内を空にした。
次に、予め不純物を除去した、ノルマルヘキサン1670g、スチレン83g、1,3−ブタジエン236g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン3.50 mmolを反応器に入れ、反応器内が50℃のときに重合開始剤としてn−ブチルリチウム3.59mmolを添加し重合を開始した。
重合開始直後から、反応器内の温度は上昇していき、ピーク温度を迎え、その温度は81℃であった。温度の低下が確認されたところで、カップリング剤として50℃に調整したテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミンを0.38mmol添加し、さらに10分撹拌した。このときの撹拌速度は、200rpm.であった。カップリング剤を添加したのは、ピーク温度に達した2分後であった。
重合停止剤としてエタノールを2.92mmol加え、反応を停止させ、変性共役ジエン系重合体含有ポリマー溶液を得た。
得られた重合溶液に、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.64g、及び重合体100gに対して伸展油としてH&R社製商品名「Vivatec500」を4.3g(4.3質量部)となるように添加し、ミキサーで混合した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、真空乾燥を経て、窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する共役ジエン系共重合体4を得た。
〔製造例3〕
内容積10Lの攪拌機とジャケットを有するオートクレーブを反応器として使用して、反応器内にシクロヘキサンとノルマルブチルリチウムを添加して洗浄した後、窒素置換を行い、シクロヘキサン4583g、ジビニルベンゼン47.4g、1,3ブタジエン500gを加え、反応器内の温度を40℃に維持した後、n−ブチルリチウム溶液341gを加えて90分間反応させ、反応器内の温度を80℃まで昇温させた。その後、反応器内で2時間放冷して多官能触媒を調製した。
上記原料のn−ブチルリチウム溶液は、n−ブチルリチウム/シクロヘキサンの重量混合比20/80の溶液とした。前記ジビニルベンゼンは、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、エチルベンゼン等を含有し、ジビニルベンゼン濃度が57質量%であるジビニルベンゼン混合物(新日鐵化学製)を用いた。
内容積40Lの攪拌機とジャケットを有するオートクレーブを反応器として使用して、反応器内にシクロヘキサンとノルマルブチルリチウムを添加して洗浄した後、窒素置換を行い、反応器内にシクロヘキサン20915g、スチレン779g、極性化合物として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン4.5g、ブタジエン2221gを加え、反応器内の温度を45℃に維持した後、多官能アニオン開始剤204gを加えて重合反応開始後、反応器内のピーク温度が83℃に達して重合反応が終了した。重合反応終了1分後、反応器内に、変性剤として1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン5.6gを5秒以内の添加速度でフィードして、10分間の変性反応を行ったのち、スチームストリッピング により溶媒を除去し、真空乾燥を経て、窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する共役ジエン系重合体5を得た。前記n−ブチルリチウム溶液は、n−ブチルリチウム/シクロヘキサンの重量混合比20/80の溶液を使用した。
なお、実施例及び比較例において、重合体の物性の測定は、下記に示す方法により行った。
(物性1)転がり抵抗特性
TAインスツルメント社製の粘弾性試験機(ARES−G2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。
実施例1、比較例1の測定値は、比較例1を100として指数化した。実施例2〜5、比較例2〜4の測定値は、比較例2100として指数化した。
50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを転がり抵抗特性(少燃費性)の指標とした。各々の測定値は、各実施例及び比較例については、比較例1を100として指数化した。値が小さいほど転がり抵抗特性が良好であることを示す。
(物性2)ウェットスキッド抵抗性
TAインスツルメント社製の粘弾性試験機(ARES−G2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。
0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットスキッド抵抗性(ウェットブレーキ性能)の指標とした。
実施例1及び比較例1の測定値は、比較例1を100として指数化した。実施例2〜5及び比較例2〜4の測定値は、比較例2を100として指数化した。値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が良好であることを示す。
(物性3)耐摩耗性
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JIS K6264−2に準じて、荷重44.1N、3000回転の摩耗量を測定し、以下の基準に基づき評価した。
実施例1及び比較例1の測定値は、比較例1を100として指数化した。実施例2〜5及び比較例2〜4の測定値は、比較例2を100として指数化した。値が小さいほど、耐摩耗性に優れていることを示す。
〔実施例1〜14及び比較例1〜10〕
以下に示す材料を用い、下記の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴム組成物を製造した。
・共役ジエン系重合体1:非変性SBR(旭化成株式会社製、T2000、全100質量部中の伸展油0質量部)
・共役ジエン系重合体2:変性SBR(旭化成株式会社製、F3420、全125質量部中の伸展油25質量部配合)
・共役ジエン系重合体3:[製造例1]で製造した共役ジエン系重合体
・共役ジエン系重合体4:[製造例2]で製造した共役ジエン系重合体
・共役ジエン系重合体5:[製造例3]で製造した共役ジエン系重合体
・シリカ(エボニック ジャパン(株)製、ウルトラジル7000GR、窒素吸着比表面積:175m2/g)
・シランカップリング剤(エボニック ジャパン(株)製、Si75)
・伸展油(H&R社製、Vivatec500)
・カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH(N339))
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ステアリン酸
・ワックス:(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤(N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・硫黄
・加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン)
〔実施例1〕
表1に示す配合に従い、以下の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴムシートを得た。
温度制御装置を具備するニーダー(内容量0.5L)を使用し、第一段の混練りとして、充填率65%、ローター回転数50rpmの条件で、共役ジエン系重合体1(旭化成株式会社製T2000)100質量部、シリカ、及びシランカップリング剤を用い、更に共役ジエン重合体1の100質量部に対し、伸展油合計で30質量部になるように、伸展油(H&R社製、Vivatec500)30質量部を配合し、4分混練した。引き続き、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、及び老化防止剤を加え、2分混練した。このとき、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整して配合物を得た。
次に、エージング工程として、上記で得た混練物をオーブンで80℃×7日間エージングした。
更に、第二段の混練りとして、エージング工程で得た配合物を室温まで冷却後、何も加えることなく、ニーダーで3.5分混練りした。この場合も、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整した。なお、排出温度は、混練後にニーダーから排出された各配合物の温度を測定することにより制御した。
また更に、エージング工程で得た配合物を室温まで冷却後、オーブンを用いて配合物を80℃×30分加温した後、第三段の混練として、70℃に設定したニーダーで30秒素練り後、硫黄、加硫促進剤を加えて1.5分混練し105℃で排出し、共役ジエン系重合体組成物(未加硫ゴム組成物)を得た。
その後、160℃×20分間、加硫プレスにて加硫成形して、加硫ゴムシートを得た。
加硫ゴムシートの転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗特性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例2〕
共役ジエン系重合体として、「共役ジエン系重合体1」に代えて「共役ジエン系重合体2(旭化成株式会社製F3420)」を125質量部用いたこと(なお、「共役ジエン系重合体2」には、伸展油が25質量部含有されている)、「共役ジエン系重合体2」中の伸展油を含めて配合油量が40質量部になるように、伸展油を15質量部配合したこと以外は、実施例1と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例3〕
実施例2において、エージング工程を、第一段の混練り工程後に行うことに代えて、第ニ段の混練り工程後に行った以外は実施例2と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例4〕
エージング工程において、エージング温度を40℃にした以外は実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例5〕
エージング工程において、エージング温度を50℃にした以外は実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例6〕
共役ジエン系重合体として、「共役ジエン系重合体1」に代えて「共役ジエン系重合体3(製造例1で製造した共役ジエン系重合体)」を100質量部用い、エージング工程を、第一段の混練り工程後に行うことに代えて、第ニ段の混練り工程後に行った以外は、実施例1と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例7〕
共役ジエン系重合体として、「共役ジエン系重合体3」に代えて「共役ジエン系重合体4(製造例2で製造した共役ジエン系重合体)」を100質量部用いた以外は、実施例6と同じようにして加硫ゴムシートを得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例8〕
共役ジエン系重合体として、「共役ジエン系重合体3」に代えて「共役ジエン系重合体5(製造例3で製造した共役ジエン系重合体)」を100質量部用いた以外は、実施例6と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例9〕
実施例3において、エージング日数を1日とした以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例10〕
実施例3において、エージング日数を4日とした以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例11〕
実施例3において、エージング工程を、第1弾の混練り工程後にエージング温度80℃かつエージング日数3日で行い、更にエージング工程を、第2弾の工程後にエージング温度80℃かつエージング日数4日で行った以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例12〕
カーボンブラックを用いなかった以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例13〕
シリカを45質量部、シランカップリング剤を3.6質量部を用いた以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔実施例14〕
シリカを105質量部、シランカップリング剤を8.4質量部を用いた以外は、実施例3と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例1〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例1と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例2〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例2と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例3〕
エージング工程を、第ニ段の混練り工程後に行うことに代えて加硫成形後に実施したこと以外は実施例2と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例4〕
エージング温度を23℃にした以外は、実施例2と同じようにして加硫ゴムを得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例5〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例6と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例6〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例7と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例7〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例8と同じようにして加硫ゴムを得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例8〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例12と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例9〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例13と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
〔比較例10〕
エージング工程を実施しなかった以外は、実施例14と同じようにして加硫ゴム成型物を得た。加硫ゴム成型物の転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、及び耐摩耗性を評価した。
実施例1〜14及び比較例1〜10の配合組成を表1及び表2に示し、これらの転がり抵抗特性、及び操縦安定性の評価結果を表3〜10に示す。
表3〜10より、本発明のゴム組成物は、転がり抵抗特性とウェットスキッド抵抗性を損なうことなく、耐摩耗性が高度に優れることが分かった。
これに対し、比較例1〜10のように、本発明の製造方法に満たないものは、転がり抵抗特性、ウェットスキッド抵抗性、耐摩耗性のバランスに劣ることが分かった。
本発明の変性共役ジエン系重合体組成物は、タイヤ用トレッド、及びタイヤの材料として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. 共役ジエン系重合体を含むゴム成分Aと、シリカ系無機充填剤Bと、シランカップリング剤Cとを混練りする第1の混練り工程と、
    前記第1の混練り工程により得られた混練物を40℃以上の温度でエージングするエージング工程と、
    前記エージング工程で得られた混練物と、加硫剤Dとを混練りする第2の混練り工程とを含む共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
  2. 前記エージング工程前及び/又は前記エージング工程後に、カーボンブラックEを添加して更に混練りする請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により製造される共役ジエン系重合体組成物。
  4. トレッド用である請求項3記載の共役ジエン系重合体組成物。
  5. 請求項3又は4に記載の共役ジエン系重合体組成物の架橋物を含むトレッドを備えたタイヤ。
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