《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置10の構成が概略的に示されている。露光装置10は、液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)に用いられる矩形のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
露光装置10は、図1に示されるように、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、一対の基板ステージ架台19、基板Pを水平面に沿って移動可能に保持する基板ステージ装置PST、及びこれらの制御系等を備えている。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される水平面内の1方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系IOPは、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、マスクM上に千鳥状に配置された複数、例えば5つの照明領域のそれぞれを照明する複数、例えば5つの照明系を有し、各照明系は、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着により固定されている。マスクステージMSTは、不図示のガイド部材上に非接触状態で搭載され、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系MSD(図1では不図示、図7参照)により走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向に適宜微少駆動される。
マスクステージMSTのXY平面内での位置情報は、マスクMに固定された(あるいは形成された)反射面にレーザビーム(測長ビーム)を照射するレーザ干渉計(以下、「マスク干渉計」という)16により、常時、例えば0.5〜1nm程度の分解能で計測される。この計測結果は、主制御装置50に供給される(図7参照)。
主制御装置50は、マスク干渉計16による上記計測結果に基づいて、マスクステージ駆動系MSD(図1では不図示、図4参照)を介してマスクステージMSTを駆動制御する。なお、マスク干渉計16に代えて、あるいはマスク干渉計16とともにエンコーダ(又は複数のエンコーダから構成されるエンコーダシステム)を用いても良い。
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方に配置されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様の構成を有している。すなわち、投影光学系PLは、前述した複数の照明領域に対応して、マスクMのパターン像の投影領域が千鳥状に配置された複数、例えば5つの投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学系のそれぞれとしては、例えば光軸に沿って配置されたプリズム、光学素子群(レンズ群)、反射鏡を各2組備える2段インミラーレンズ光学系から構成され、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面とがほぼ一致して配置されるマスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTの一部を構成する後述する微動ステージ21との同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターン(マスクパターン)が転写される。すなわち、本実施形態では照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
一対の基板ステージ架台19は、それぞれY軸方向に延びる部材から成り(図5参照)、その長手方向の両端部が床(床面)F上に設置された防振装置13により下方から支持されている。一対の基板ステージ架台19は、X軸方向に所定間隔で平行に配置されている。一対の基板ステージ架台19は、露光装置10の装置本体(ボディ)を構成し、投影光学系PL、及びマスクステージMSTなどは、装置本体に搭載されている。
基板ステージ装置PSTは、図1に示されるように、一対のベッド12、一対のベースフレーム14、粗動ステージ23、微動ステージ21、重量キャンセル装置40、及び重量キャンセル装置40を下方から支持するXガイド102などを備えている。
一対のベッド12のそれぞれは、図2に示されるように、平面視(+Z側から見て)でY軸方向を長手方向とする矩形の箱形部材(直方体状部材)から成る。一対のベッド12は、X軸方向に所定間隔で平行に配置されている。+X側のベッド12は、図1に示されるように、+X側の基板ステージ架台19上に搭載され、−X側のベッド12は、−X側の基板ステージ架台19上に搭載されている。一対のベッド12のそれぞれの上面のZ軸方向に関する位置(以下、Z位置と呼ぶ)は、ほぼ同じとなるように調整されている。
一対のベッド12は、図1及び図2から分かるように、2つの連結部材79により長手方向の両端部近傍が機械的に連結されている。一対のベッド12は、図3(A)に示されるように、それぞれ中空の部材から成り、その上面部及び下面部間には、YZ平面に平行な板状の部材から成るリブがX軸方向に所定間隔で複数設けられ、剛性及び強度が確保されている。また、不図示であるが、ベッド12の上面部及び下面部間には、XZ平面に平行な板状の部材から成るリブがY軸方向にも所定間隔で複数設けられている。複数のリブそれぞれの中央部、及びベッド12の側面部には、軽量化及び成形のための円形の穴が形成されている(図5参照)。なお、例えば連結部材79を設けなくても十分な露光精度を確保できる場合などには、連結部材79を設けなくても良い。
一対のベッド12のそれぞれの上面には、図2に示されるように、機械的な一軸ガイド装置の要素であるYリニアガイド71Aが複数本(本実施形態では1つのベッドにつき、例えば4本)、X軸方向に所定間隔で互いに平行に固定されている。
一対のベースフレーム14のうちの一方は、図1及び図3(A)に示されるように、+X側のベッド12の+X側に配置され、他方は、−X側のベッド12の−X側に配置されている。一対のベースフレーム14は、同じ構造を有しているため、以下、−X側のベースフレーム14について説明する。ベースフレーム14は、図3(C)に示されるように、YZ平面に平行な一面と他面とを有しY軸方向に延びる板状部材から成る本体部14aと、本体部14aを下方から支持する複数の脚部14b(図2及び図4では不図示)とを含む。本体部14aの長さ(長手方向(Y軸方向)寸法)は、一対のベッド12それぞれのY軸方向に関する長さよりも長く設定されている。脚部14bは、Y軸方向に所定間隔で、例えば3つ設けられている。脚部14bの下端部には、複数のアジャスタ14cが設けられ、本体部14aのZ位置が調整できるようになっている。
本体部14aの両側面には、それぞれリニアモータの要素であるY固定子73が固定されている。Y固定子73は、Y軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含む磁石ユニットを有している。また、本体部14aの上面、及び両側面(上記Y固定子73の下方)には、それぞれ機械的な一軸ガイド装置の要素であるYリニアガイド74Aが固定されている。
図1に戻り、粗動ステージ23は、Y粗動ステージ23Yと、Y粗動ステージ23Y上に搭載されたX粗動ステージ23Xとを含む。粗動ステージ23は、上記一対のベッド12の上方(+Z側)に位置している。
Y粗動ステージ23Yは、図2に示されるように、一対のXビーム101を有している。一対のXビーム101のそれぞれは、X軸方向に延びるYZ断面が矩形の部材から成り、Y軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。なお、各Xビーム101は、Z軸方向(重力方向)の剛性に比べてY軸方向の剛性は要求されないので、YZ断面の形状は、例えばI字状でも良い。
一対のXビーム101のそれぞれの長手方向両端部近傍の下面には、図6に示されるように、Yキャリッジ75と称される部材がプレート76を介して固定されている。すなわち、Y粗動ステージ23Yの下面には、例えば計4つのYキャリッジ75が取り付けられている。プレート76は、Y軸方向に延びるXY平面に平行な板状部材から成り、一対のXビーム101を互いに機械的に連結している。例えば計4つのYキャリッジ75のそれぞれは、同じ構造を有しているため、以下、−X側のベースフレーム14に対応する1つのYキャリッジ75について説明する。
Yキャリッジ75は、図3(C)に示されるように、XZ断面逆U字状の部材から成り、一対の対向面間にベースフレーム14の本体部14aが挿入されている。Yキャリッジ75の一対の対向面のそれぞれには、一対のY固定子73のそれぞれに所定のクリアランス(隙間/ギャップ)を介して対向する一対のY可動子72のそれぞれが固定されている。各Y可動子72は、不図示のコイルユニットを含み、対向するY固定子73と共にY粗動ステージ23Y(図1参照)をY軸方向に所定のストロークで駆動するYリニアモータYDM(図7参照)を構成している。本実施形態では、上述したようにYキャリッジ75が、例えば計4つ設けられていることから、Y粗動ステージ23Yは、例えば合計8つのYリニアモータYDMによりY軸方向に駆動される。
Yキャリッジ75の一対の対向面、及び天井面のそれぞれには、転動体(例えば、複数のボールなど)を含み、Yリニアガイド74Aにスライド可能に係合するスライダ74Bが固定されている。なお、図3(C)では紙面奥行き方向に重なって隠れているが、Yキャリッジ75の一対の対向面、及び天井面のそれぞれにおいて、スライダ74Bは、紙面奥行き方向(Y軸方向)に所定間隔で、例えば2つずつ取り付けられている(図5参照)。Y粗動ステージ23Y(図1参照)は、Yリニアガイド74Aとスライダ74Bとを含む複数のYリニアガイド装置により、Y軸方向に直進案内される。なお、不図示ではあるが、上記ベースフレーム14の本体部14aには、Y軸方向を周期方向とするYスケールが固定され、Yキャリッジ75には、Yスケールと共にY粗動ステージ23YのY軸方向に関する位置情報を求めるためのYリニアエンコーダシステムEY(図7参照)を構成するエンコーダヘッドが固定されている。Y粗動ステージ23YのY軸方向に関する位置は、上記エンコーダヘッドの出力に基づいて主制御装置50(図7参照)により制御される。
ここで、図1に示されるように、上述した一対のベッド12間には、補助ガイドフレーム103が配置されている。補助ガイドフレーム103は、Y軸方向に延びる部材から成り、複数のアジャスタを介して床(床面)F上に設置されている。補助ガイドフレーム103の上端面(+Z側の端面)には、Y軸方向に延びる機械的な一軸ガイド装置の要素である一本のYリニアガイド77Aが固定されている。補助ガイドフレーム103の上端のZ位置は、一対のベッド12の上面とほぼ同じに設定されている。また、補助ガイドフレーム103は、一対のベッド12,及び一対の基板ステージ架台19のそれぞれに対して、振動的に分離されている。なお、一対のベッド12が連結部材79により機械的に連結されていることから、補助ガイドフレーム103には、連結部材79を通過させるための不図示の貫通穴が形成されている。
一対のXビーム101のそれぞれの長手方向中央部の下面には、補助キャリッジ78(図6参照)が固定されている。補助キャリッジ78は、直方体状の部材から成り、図1に示されるように、その下面には、転動体(例えば、複数のボールなど)を含み、Yリニアガイド77Aにスライド可能に係合するスライダ77Bが固定されている。なお、図1では紙面奥行き方向に重なって隠れているが、1つの補助キャリッジ78につき、スライダ77Bは、紙面奥行き方向(Y軸方向)に所定間隔で、例えば2つ取り付けられている。このように、Y粗動ステージ23Yは、長手方向の中央部が補助キャリッジ78を介して補助ガイドフレーム103に下方から支持されており、自重に起因する撓みが抑制されている。
図2に戻り、一対のXビーム101それぞれの上面には、X軸方向に延びる機械的な一軸ガイド装置の要素であるXリニアガイド80Aが、Y軸方向に所定間隔で複数本(本実施形態では、1つのXビーム101につき、例えば2本)、互いに平行に固定されている。また、一対のXビーム101それぞれの上面であって、一対のXリニアガイド80A間の領域には、X固定子81Aが固定されている。X固定子81Aは、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含む磁石ユニットを有している。
上述したように、Y粗動ステージ23Yは、一対のベースフレーム14、及び補助ガイドフレーム103により下方から支持されており、一対のベッド12、及び基板ステージ架台19に対して振動的に切り離されている。
X粗動ステージ23Xは、平面視矩形の板状部材から成り、図4に示されるように、その中央部に開口部が形成されている。X粗動ステージ23Xの下面には、図5に示されるように、一対のXビーム101のそれぞれに固定されたX固定子81Aに所定のクリアランス(隙間/ギャップ)を介してそれぞれ対向する一対のX可動子81Bが固定されている。各X可動子81Bは、不図示のコイルユニットを含み、対向するX固定子81Aと共にX粗動ステージ23XをX軸方向に所定のストロークで駆動するXリニアモータXDM(図7参照)を構成している。本実施形態では、X粗動ステージ23Xは、一対のXビーム101に対応して設けられた例えば一対(2つ)のXリニアモータXDMによりX軸方向に駆動される。
また、X粗動ステージ23Xの下面には、図1に示されるように、転動体(例えば、複数のボールなど)を含み、Xリニアガイド80Aにスライド可能に係合するスライダ80Bが複数固定されている。スライダ80Bは、一本のXリニアガイド80Aにつき、X軸方向に所定間隔で、例えば4個設けられており、X粗動ステージ23Xの下面には、例えば合計16個のスライダ80Bが固定されている。X粗動ステージ23Xは、Xリニアガイド80Aとスライダ80Bとをそれぞれ含む複数のXリニアガイド装置により、X軸方向に直進案内される。また、X粗動ステージ23Xは、複数のスライダ80BによりY粗動ステージ23Yに対するY軸方向への相対移動が制限されており、Y粗動ステージ23Yと一体的にY軸方向に移動する。
なお、不図示ではあるが、一対のXビーム101のうちの少なくとも一方には、X軸方向を周期方向とするXスケールが固定され、X粗動ステージ23Xには、Xスケールと共にX粗動ステージ23XのX軸方向に関する位置情報を求めるためのXリニアエンコーダシステムEX(図7参照)を構成するエンコーダヘッドが固定されている。X粗動ステージ23XのX軸方向に関する位置は、上記エンコーダヘッドの出力に基づいて主制御装置50(図7参照)により制御される。本実施形態では、上記のXリニアエンコーダシステムEXと前述したYリニアエンコーダシステムEYとを含んで、粗動ステージ(X粗動ステージ23X)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転を含む)を検出するエンコーダシステム20(図7参照)が構成されている。
また、不図示であるが、X粗動ステージ23Xには、微動ステージ21のX粗動ステージ23Xに対する移動可能量を機械的に制限(規制)するストッパ部材、あるいはX軸、及びY軸方向に関して微動ステージ21のX粗動ステージ23Xに対する相対移動量を計測するためのギャップセンサなどが取り付けられている。
微動ステージ21は、図1及び図2から分かるように、平面視ほぼ正方形の板状部材(又は箱形(中空の直方体)の部材)から成り、その上面に基板ホルダPHを介して基板Pを、例えば真空吸着(又は静電吸着)により吸着保持する。
微動ステージ21は、X粗動ステージ23Xに固定された固定子と、微動ステージ21に固定された可動子とをそれぞれ含んで構成される複数のボイスコイルモータ(あるいはリニアモータ)を含む微動ステージ駆動系26(図7参照)により、X粗動ステージ23X上でXY平面内の3自由度方向(X軸、Y軸、及びθzの各方向)に微少駆動される。複数のボイスコイルモータとしては、図2に示されるように、微動ステージ21をX軸方向に微少駆動するXボイスコイルモータ18XがY軸方向に離間して一対設けられ、微動ステージ21をY軸方向に微少駆動するYボイスコイルモータ18YがX軸方向に離間して一対設けられている。微動ステージ21は、上記Xボイスコイルモータ18X、及び/又はYボイスコイルモータ18Yを用いてX粗動ステージ23Xに同期駆動(X粗動ステージ23Xと同方向に同速度で駆動)されることにより、X粗動ステージ23Xと共にX軸方向、及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動する。従って、微動ステージ21は、投影光学系PL(図1参照)に対し、XY2軸方向に長ストロークで移動(粗動)可能、かつX,Y、θz方向の3自由度方向に微少移動(微動)可能となっている。
また、微動ステージ駆動系26は、図3(B)に示されるように、微動ステージ21をθx、θy、及びZ軸方向の3自由度方向に微少駆動するための複数のZボイスコイルモータ18Zを有している。複数のZボイスコイルモータ18Zは、微動ステージ21の底面の四隅部に対応する箇所に配置されている(図3(B)では、4つのZボイスコイルモータ18Zのうち2つのみが示され、他の2つは図示省略)。複数のボイスコイルモータを含み、微動ステージ駆動系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
本実施形態では、微動ステージ駆動系26と、前述の複数のYリニアモータYDMと、一対のXリニアモータXDMとから成る粗動ステージ駆動系とを含んで、基板ステージ駆動系PSDが構成されている(図7参照)。
微動ステージ21の−X側の側面には、図3(A)に示されるように、ミラーベース24Xを介して、X軸に直交する反射面を有するX移動鏡(バーミラー)22Xが固定されている。また、微動ステージ21の−Y側の側面には、図5に示されるように、ミラーベース24Yを介して、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡22Yが固定されている。微動ステージ21のXY平面内の位置情報は、X移動鏡22X、及びY移動鏡22Yを用いたレーザ干渉計システム(以下、基板干渉計システムと呼ぶ)92(図1参照)によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、基板干渉計システム92は、X移動鏡22Xに対応するXレーザ干渉計、及びY移動鏡22Yに対応するYレーザ干渉計をそれぞれ複数備えているが、図1では、代表的にXレーザ干渉計のみが図示されている。複数のレーザ干渉計は、それぞれ装置本体に固定されている。また、微動ステージ21のθx、θy、及びZ軸方向に関する位置情報は、微動ステージ21の下面に固定された不図示のセンサにより、例えば後述する重量キャンセル装置40に固定されたターゲットを用いて求められる。上記微動ステージ21の位置計測系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
重量キャンセル装置40は、図3(A)に示されるように、Z軸方向に延設された柱状の部材から成り、心柱とも称される。重量キャンセル装置40は、後述するXガイド102上に搭載され、後述するレベリング装置57を介して微動ステージ21を下方から支持している。重量キャンセル装置40は、その上半部がX粗動ステージ23Xの開口部内に挿入され、その下半部が一対のXビーム101(図4参照)間に挿入されている。
重量キャンセル装置40は、図3(B)に示されるように、筐体41、空気ばね42及びZスライダ43などを有する。筐体41は、+Z側の面が開口した有底の筒状部材から成る。筐体41の下面には、軸受面が−Z側を向いた複数のエアベアリング(以下、ベースパッドと呼ぶ)44が取り付けられている。空気ばね42は、筐体41の内部に収容されている。空気ばね42には、外部から加圧気体が供給される。Zスライダ43は、Z軸方向に延びる筒状の部材から成り、筐体41内に挿入され、空気ばね42上に搭載されている。Zスライダ43の+Z側の端部には、軸受面が+Z側を向いた不図示のエアベアリングが取り付けられている。
レベリング装置57は、微動ステージ21をチルト自在(XY平面に対してθx及びθy方向に揺動自在)に支持する装置であり、Zスライダ43に取り付けられた上記エアベアリングにより下方から非接触支持されている。重量キャンセル装置40は、空気ばね42が発生する重力方向上向きの力により、Zスライダ43、及びレベリング装置57を介して微動ステージ21を含む系の重量(重力方向下向きの力)を打ち消す(キャンセルする)ことにより、上述した複数のZボイスコイルモータ18Zの負荷を低減する。
重量キャンセル装置40は、複数の連結装置45を介してX粗動ステージ23Xに機械的に接続されている。複数の連結装置45のZ位置は、重量キャンセル装置40のZ軸方向に関する重心位置とほぼ一致している。連結装置45は、XY平面に平行な厚さの薄い鋼板などを含み、フレクシャ装置とも称される。連結装置45は、重量キャンセル装置40の+X側、−X側、+Y側、−Y側で重量キャンセル装置40の筐体41とX粗動ステージ23Xを連結している(図3(B)では+Y側、−Y側の連結装置45は不図示。図4参照)。従って、重量キャンセル装置40は、複数の連結装置45のいずれかを介してX粗動ステージ23Xに牽引されることにより、そのX粗動ステージ23Xと一体的にX軸方向、又はY軸方向に移動する。この際、重量キャンセル装置40には、そのZ軸方向に関する重心位置を含むXY平面に平行な平面内で牽引力が作用するので、移動方向に直交する軸線周りのモーメント(ピッチングモーメント)が作用しない。なお、レベリング装置57、連結装置45を含み、本実施形態の重量キャンセル装置40の詳細な構成について、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
Xガイド102は、図3(A)に示されるように、X軸方向を長手方向とするYZ断面が逆U字状の部材(図5参照)から成るガイド本体102aと、複数のリブ102bとを含む。Xガイド102は、上述した一対のベッド12の上方(+Z側)に、一対のベッド12を横断するように配置されている。Xガイド102の長さ(長手方向(X軸方向)の寸法)は、X軸方向に所定間隔で配置され一対のベッド12それぞれのX軸方向の寸法と、一対のベッド12間の隙間のX軸方向の寸法との和よりも幾分長く設定されている。このため、図2に示されるように、Xガイド102の+X側の端部は、+X側のベッド12の+X側の端部よりも+X側(ベッド12の外側)に突き出しており、Xガイド102の−X側の端部は、−X側のベッド12の−X側の端部よりも−X側(ベッド12の外側)に突き出している。
ガイド本体102aの上面(+Z側の面)は、XY平面に平行で平坦度が非常に高く仕上げられている。ガイド本体102aの上面には、重量キャンセル装置40が複数のベースパッド44を介して非接触状態で搭載されている。ガイド本体102aの上面は、水平面と平行となるように精度良く調整されており、重量キャンセル装置40が移動する際のガイド面をとして機能する。ガイド本体102aの長さ(長手方向の寸法)は、重量キャンセル装置40(すなわちX粗動ステージ23X)のX軸方向への移動可能量よりも幾分長く設定されている。ガイド本体102aの上面の幅(Y軸方向の寸法)は、複数のベースパッド44全ての軸受面と対向可能な寸法に設定されている(図4参照)。また、ガイド本体102aの長手方向の両端部は、YZ平面に平行な板状部材により閉塞されている。
複数のリブ102bは、それぞれYZ平面に平行な板状の部材から成り、X軸方向に所定間隔で設けられている。複数のリブ102bのそれぞれは、ガイド本体102aの対向する一対の対向面、及び天井面に接続されている。ここで、複数のリブ102bを含み、Xガイド102の材質、及び製造方法は、特に限定されないが、例えば、鉄などを用いた鋳造により形成される場合、石材(例えば、斑レイ岩)により形成される場合、セラミックス、あるいはCFRP(Carbon Fiver Reinforced Plastics)材などにより形成される場合、ガイド本体102a、及び複数のリブ102bは、一体的に形成される。ただし、ガイド本体102aと複数のリブ102bとを別部材とし、複数のリブ102bをガイド本体102aに、例えば溶接などにより接続しても良い。なお、Xガイド102は、中実の部材により構成しても良いし、下面側が閉塞された箱形の部材により構成しても良い。
複数のリブ102bのそれぞれの下端部には、転動体(例えば、複数のボールなど)を含み、上述した一対のベッド12のそれぞれの上面に固定されたYリニアガイド71Aにスライド可能にYスライダ71Bが固定されている。なお、図4に示されるように、Yスライダ71Bは、複数(本実施形態では、例えば1本のYリニアガイド71Aにつき2つ)、Y軸方向に所定間隔で固定されている。ガイド本体102aの上面の平面度調整は、複数のリブ102bとYスライダ71Bとの間にシムなどを適宜挿入して行うと良い。
Xガイド102の長手方向の両端部に設けられた上記板状部材には、図2に示されるように、それぞれXガイド102をY軸方向に所定のストロークで駆動するためのYリニアモータ82(図7参照)の要素であるY可動子72Aが、上述した一対のY固定子73(図3(C)参照)のそれぞれに所定のクリアランス(隙間/ギャップ)を介して対向して固定されている(図4参照。なお、理解を容易にするため、図4ではプレート76が不図示とされている)。各Y可動子72Aは、不図示のコイルユニットを有している。Xガイド102は、Y固定子73とY可動子72Aとをそれぞれ含む一対のYリニアモータ82により、Y軸方向に所定のストロークで駆動される。すなわち、本実施形態において、Xガイド102をY軸方向に駆動するための一対のYリニアモータ82、及びY粗動ステージ23YをY軸方向に駆動するためのYリニアモータYDMは、それぞれ共通の固定子73を用いている。
また、不図示であるが、上述した一対のベッド12のうちの一方には、Y軸方向を周期方向とするYスケールが固定され、Xガイド102には、Yスケールと共にXガイド102のY軸方向に関する位置情報を求めるためのYリニアエンコーダシステム104(図7参照)を構成するエンコーダヘッドが固定されている。Xガイド102、及びY粗動ステージ23Yは、主制御装置50(図7参照)により、上記エンコーダヘッドの出力に基づいて、Y軸方向に同期駆動される(ただし、必要であれば個別にY位置を制御することもできる)。
その他、基板ホルダPHの上面には、Y軸方向を長手方向とする矩形状のマーク板(不図示)が固定されている。このマーク板の高さは、その表面が基板ホルダPH上に載置される基板Pの表面とほぼ同一面になるように設定されている。そして、マーク板の表面には、複数、ここでは6つの基準マーク(不図示)がY軸方向に並んで形成されている。
また、基板ホルダPH(微動ステージ21)の内部には、6つの基準マークのそれぞれの下方(−Z側)に、レンズ系と撮像素子(CCD等)とを含む6つのマーク像検出系MD1〜MD6(図7参照)が配置されている。これらのマーク像検出系MD1〜MD6は、5つの投影光学系のそれぞれとレンズ系とによるマスクM上のアライメントマークの投影像と、レンズ系による基準マーク(不図示)の像とを同時に検出し、基準マークの像の位置を基準とするアライメントマークの像の位置を計測する。その計測結果は、主制御装置50に供給され、マスクMの位置合わせ(マスクアライメント)等に用いられる。
さらに、露光装置10には、6つの基準マーク及び基板P上のアライメントマークを検出するために、6つのオフアクシス方式のアライメント検出系AL1〜AL6(図7参照)が設けられている。6つのアライメント検出系は、投影光学系PLの+X側に、Y軸に沿って順に配置されている。
各アライメント検出系としては、画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが採用されている。FIA系のセンサは、例えば、基板P上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と指標(不図示)の像とを撮像素子(CCD)等を用いて撮像する。アライメント検出系AL1〜AL6の検出結果は、アライメント信号処理系(不図示)を介して主制御装置50に送られる。
なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出し、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを、単独であるいは適宜組み合わせて用いることも可能である。
図7には、露光装置10の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置50の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置50は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、露光装置10の構成各部を統括制御する。
次に、露光装置10における基板Pのロット処理について簡単に説明する。
複数(例えば、50枚又は100枚)の基板Pからなる処理対象のロットが、露光装置10にインライン接続されたコータ・デベロッパ(以下、「C/D」という)(不図示)に搬入されると、ロット内の基板が、順次、C/D内のコータ(レジスト塗布装置)によりレジストを塗布され、搬送系(不図示)により露光装置10に搬送される。また、主制御装置50の管理の下、不図示のマスク搬送装置(マスクローダ)によって、マスクステージMST上へのマスクMのロードが行われ、次いで前述のマスクアライメントが行われる。
そして、レジストが塗布された基板Pが基板ホルダPH上にロードされると、主制御装置50は、アライメント検出系AL1〜AL6を用いて基板ホルダPH上の基準マークを検出して、ベースライン計測を行う。
そして、主制御装置50は、前層以前の露光の際に基板P上にパターンとともに転写形成された複数のアライメントマークを、アライメント検出系AL1〜AL6を用いて検出して基板Pのアライメントを行う。
基板Pのアライメントの終了後、主制御装置50により、基板P上の複数のショット領域に、前述した走査露光によりマスクMのパターンを順次転写するためのステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
ここで、上記ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作では、基板P上に設けられた複数のショット領域に対して順次露光処理が行われる。基板Pは、スキャン動作時にはX軸方向に所定のストロークで等速駆動され(以下、Xスキャン動作と呼ぶ)、ステップ動作時(ショット領域間移動時)にはX軸方向、及び/又はY軸方向に適宜駆動される(以下、それぞれXステップ動作、Yステップ動作と呼ぶ)。
上記Xスキャン動作時、及びXステップ動作時に基板PをX軸方向に移動させる際、基板ステージ装置PSTでは、主制御装置50からのXリニアエンコーダシステムEXの計測値に基づく指示に応じて、Y粗動ステージ23Y上でX粗動ステージ23Xが一対(2つ)のXリニアモータXDMによりX軸方向に駆動されるとともに、主制御装置50からの基板干渉計システム92の計測値に基づく指示に応じて、複数のXボイスコイルモータ18Xにより微動ステージ21がX粗動ステージ23Xに同期駆動される。また、X粗動ステージ23XがX軸方向に移動すると、このX粗動ステージ23Xに牽引されることにより、重量キャンセル装置40がX粗動ステージ23Xと共にX軸方向に移動する。この際、重量キャンセル装置40は、Xガイド102上を移動する。なお、上記Xスキャン動作、及びXステップ動作時、X粗動ステージ23Xに対して微動ステージ21がY軸方向、及び/又はθz方向に微少駆動される場合があるが、重量キャンセル装置40のY位置は変化しないので、重量キャンセル装置40は、常にXガイド102上のみを移動する。
これに対し、上記Yステップ動作時、基板ステージ装置PSTでは、主制御装置50からのYリニアエンコーダシステムEYの計測値に基づく指示に応じて、Y粗動ステージ23Yが複数のYリニアモータYDMにより一対のベースフレーム14上でY軸方向に所定のストロークで駆動され、このY粗動ステージ23Yと一体的にX粗動ステージ23XがY軸方向に所定のストロークで移動する。また重量キャンセル装置40は、X粗動ステージ23Xと一体的にY軸方向に所定のストロークで移動する。この際、重量キャンセル装置40を下方から支持するXガイド102がY粗動ステージ23Yに同期駆動される。従って、重量キャンセル装置40は、常にXガイド102に下方から支持される。
以上説明したように、本実施形態に係る露光装置10によると、重量キャンセル装置40は、そのXY平面の位置に関わらず、常にXガイド102により下方から支持される。Xガイド102は、スキャン方向に延びる狭幅の板状部材から成るので、例えば重量キャンセル装置40の全移動範囲をカバーする広いガイド面を有するガイド部材(例えば石材により形成された定盤)を用いる場合に比べ、基板ステージ装置PSTを軽量化できる。また、上記広いガイド面を有するガイド部材は、基板が大型化した場合に加工、及び運搬が困難になるが、本実施形態のXガイド102は、X軸方向に延びる帯状のガイド面を有する狭幅の板状部材から成るので、加工及び運搬が容易である。
また、X軸方向に延びる部材であるXガイド102が、一対のベッド12により複数箇所で下方から支持されているので、Xガイド102の自重による、あるいは重量キャンセル装置40の荷重に起因する撓みが抑制される。また、ベッド12の数を2つにしたため、仮にベッド12を1つとする場合に比べ、2つのベッド12のそれぞれのサイズを小型化、軽量化できる。従って、ベッド12の加工、及び運搬が容易となり、かつ基板ステージ装置PST組立時の作業性が向上する。
また、Xガイド102、及びXガイド102をY軸方向に案内する一対のベッド12は、リブ構造とされているので、軽量であり、かつZ軸方向の剛性を容易に確保することができる。従って、基板ステージ装置PSTを組み立てる作業も、上記広いガイド面を有するガイド部材を用いる場合に比べ、作業性が良い。
また、重量キャンセル装置40がXガイド102上に非接触支持されているので、重量キャンセル装置40の移動に起因する振動がXガイド102に伝達しない。従って、Xガイド102,一対のベッド12,基板ステージ架台19などを介して振動が、例えば投影光学系PLなどに伝達せず、露光動作を高精度で行うことができる。また、Xガイド102は、一対のベースフレーム14に固定されたY固定子73を含む一対のYリニアモータ82により、そのZ軸方向に関する重心付近を駆動されるので、X軸周りのモーメント(ピッチングモーメント)が発生せず、また、その駆動力の反力が基板ステージ架台19に伝達しない。従って、露光動作を高精度で行うことができる。
また、Xガイド102のY軸方向移動は、高精度な位置決め精度が不要な上記Yステップ動作時に行われるため、仮にリニアガイド装置の摩擦抵抗力、あるいは駆動によるモーメントが重量キャンセル装置40、あるいはXガイド102に作用しても、そのYステップ動作後のXスキャン動作までには、上記モーメントに起因して発生する振動を収束させることができる。また、Xガイド102のY軸方向の駆動によるヨーイング運動(Z軸回りのモーメント)は、Xガイド102を駆動するための一対のYリニアモータ82の駆動力差によって厳密に制御して抑制することができる。
さらに、本実施形態の粗動ステージ23(XYステージ装置)は、Y粗動ステージ23Y上にX粗動ステージ23Xが搭載される構成であるので、例えばX粗動ステージ上にY粗動ステージが搭載される構成の従来のXYステージ装置に比べ、スキャン方向であるX軸方向に長ストロークで移動するX粗動ステージ23Xの慣性質量が小さい。従って、Xスキャン動作時に粗動ステージ23を通して床(床面)Fが受ける駆動反力は小さくなる。その結果、Xスキャン動作時には、装置全体に影響する床振動を抑制することができる。これに対し、Y粗動ステージ23YがY軸方向に移動するときの駆動質量及び駆動反力は、上記従来のXYステージ装置に比べ大きくなるが、高精度な位置決めを必要としないYステップ動作であるため、露光動作に対する床振動の影響は少ない。
また、粗動ステージ23において、Y粗動ステージ23Yが有する一対のXビーム101は、それぞれ一対のベッド12間に配置された補助ガイドフレーム103により、X方向中間部が支持され、自重、あるいはX粗動ステージ23Xの荷重に起因する撓みが抑制される。従って、一対のXビーム101上に固定されたXリニアガイド80Aの真直精度を向上させることができ、高精度でX粗動ステージ23XをX軸方向に直進案内することができる。また、両端部のみを支持する場合に比べて、一対のXビーム101それぞれを、撓み剛性確保のために頑丈な構造にする必要がなく(華奢な部材で良い)、軽量化することができる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図8〜図13に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一若しくは類似の符号を用いるとともに、その説明を簡略若しくは省略する。
図8には、第2の実施形態に係る露光装置110の構成が概略的に示されている。露光装置110は、液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)に用いられる基板Pを露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
図9には、図8の露光装置110が有する基板ステージ装置PSTaの平面図が示され、図10には、図9のD−D線断面図が示されている。また、図11には、微動ステージを除いた基板ステージ装置の平面図(図10のE−E線断面図)が示され、図12には、図9のF−F線断面図が示されている。また、図13には、基板ステージ装置PSTaが有する重量キャンセル装置の断面図が示されている。
図8〜図13と、前述の第1の実施形態に係る図1〜図6とを比較するとわかるように、本第2の実施形態に係る露光装置110では、前述の基板ステージ装置PSTに代えて、基板ステージ装置PSTaが設けられている点が、露光装置10と相違している。
基板ステージ装置PSTaは、全体的な構成は、基板ステージ装置PSTと同様になっているが、重量キャンセル装置40に代えて、重量キャンセル装置40’が設けられている点、及びXガイド102の駆動系の構成が、基板ステージ装置PSTと一部相違するなど、いくつかの点で、基板ステージ装置PSTと相違している。以下、相違点を中心として説明する。
基板ステージ装置PSTaでは、図8、図10等から分かるように、Y粗動ステージ23YとXガイド102とのZ軸方向(鉛直方向)に関する位置(高さ位置)が一部重複している。
具体的には、基板ステージ装置PSTaでは、図8及び図10に示されるように、一対のXビーム101それぞれの長手方向両側面(両端部近傍の下面ではない)には、前述のYキャリッジ75が固定されている。すなわち、Y粗動ステージ23Yは、例えば計4つのYキャリッジ75を有している。また、+X側の2つのYキャリッジ75の上面は、プレート76により機械的に連結され、−X側の2つのYキャリッジ75の上面も、同様にプレート76により機械的に連結されている。なお、理解を容易にするため、図11ではプレート76が不図示とされている。
また、重量キャンセル装置40’として、例えば図10に示されるように、Zスライダ43とレベリング装置57とが一体的に固定されたタイプの装置が用いられている。重量キャンセル装置40’は、Xガイド102上に搭載され、その下半部がX粗動ステージ23Xの開口部内に挿入されている。なお、図8、図10〜図12では、図面の錯綜を避ける観点から、重量キャンセル装置40’、及びレベリング装置57などが模式的に示されている(詳細な構成は、図13参照)。
重量キャンセル装置40’は、図13に示されるように、筐体41、空気ばね42,Zスライダ43などを有する。筐体41は、+Z側の面が開口した有底の筒状部材から成る。筐体41の下面には、軸受面が−Z側を向いた複数のベースパッド44が取り付けられている。筐体41の外壁面には、微動ステージ21の下面に固定された複数のZセンサ52のターゲット46を支持するための複数のアーム部材47が固定されている。空気ばね42は、筐体41の内部に収容されている。空気ばね42には、外部から加圧気体が供給される。Zスライダ43は、前述の第1の実施形態で用いられるZスライダに比べて高さの低い(背の低い)Z軸方向に延びる筒状の部材から成る。Zスライダ43は、筐体41内に挿入され、空気ばね42上に搭載されている。Zスライダ43は、Z軸方向に離間して配置された一対のXY平面に平行な板ばねを含む平行板ばね装置48により筐体41の内壁面に接続されている。平行板ばね装置48は、例えばZスライダ43の外周周り(θz方向)にほぼ均等な間隔で複数(例えば3つ、あるいは4つ)設けられている。Zスライダ43は、複数の板ばねの水平面に平行な方向の剛性(引張り剛性)により、筐体41と一体的にXY平面に沿って移動する。これに対し、Zスライダ43は、板ばねの柔軟性(可撓性)により、筐体41に対してZ軸方向に微少移動可能となっている。平行板ばね装置48の有する一対の板ばねは、Z軸方向に離間しているので、Zスライダ43は、倒れ(θxあるいはθy方向への回転)が抑制されており、実質的にZ軸方向にのみ微少ストロークで筐体41に対して移動可能となっている。
レベリング装置57は、微動ステージ21をチルト自在(XY平面に対してθx及びθy方向に揺動自在)に支持する装置であり、微動ステージ21の下面に形成された開口部21aを介して上半部が微動ステージ21内に挿入されている。重量キャンセル装置40’は、空気ばね42が発生する重力方向上向きの力により、Zスライダ43、及びレベリング装置57を介して微動ステージ21を含む系の重量(重力方向下向きの力)を打ち消す(キャンセルする)ことにより、複数のZボイスコイルモータ18Zの負荷を低減する。
レベリング装置57は、+Z側の面が開口したカップ状の部材から成るレベリングカップ49と、レベリングカップ49の内径側に挿入される多面体部材64と、レベリングカップ49の内壁面に取り付けられた複数のエアベアリング65とを含む。レベリングカップ49は、その下面がZスライダ43の上面にプレート68を介して一体的に固定されている。なお、微動ステージ21の天井面には、レベリングカップ49の脱落を防止する複数の脱落防止装置200が取り付けられている。多面体部材64は、三角錐状の部材から成り、その先端部がレベリングカップ49内に挿入されている。多面体部材64の底面(+Z側を向いた面)は、スペーサ51を介して微動ステージ21の天井面に固定されている。エアベアリング65は、レベリングカップ49の内壁面に、θz周りにほぼ均等な間隔で、例えば3つ設けられている。レベリング装置57は、複数のエアベアリング65から多面体部材64の側面に加圧気体を噴射することにより、微動ステージ21を含む系の重心位置CGを回転中心として微動ステージ21をチルト可能に微少なクリアランス(隙間/ギャップ)を介して非接触支持する。なお、図13には、理解を容易にするために、例えば3つのエアベアリング65のうちの2つの断面が示されている(すなわち図13は、レベリング装置57に関してはYZ平面に平行な断面の断面図ではない)。
ここで、微動ステージ21がXY平面に平行な方向に移動すると、多面体部材64が微動ステージ21と一体的にXY平面に平行な方向に移動する。この際、エアベアリング65の軸受面と多面体部材64との間に形成される気体膜の剛性(静圧)により、エアベアリング65が多面体部材64に押圧され、これにより微動ステージ21とレベリングカップ49とが一体的に微動ステージ21と同方向に移動する。そして、レベリングカップ49とZスライダ43がプレート68を介して固定されていることから、微動ステージ21とZスライダ43とは、一体的に水平面に平行な方向に移動する。また、上述したように、Zスライダ43と筐体41とが複数の平行板ばね装置48により接続されていることから、微動ステージ21と筐体41とが一体的に水平面に平行な方向に移動する。このように、微動ステージ21と重量キャンセル装置40’とは、複数のボイスコイルモータ18X、18Yにより微少駆動される場合を含み、常に一体的にXY平面に平行な方向に移動する。このため、本第2の実施形態では、重量キャンセル装置40’とX粗動ステージ23Xとの間に、前述した連結装置45は設けられていない。
また、本第2の実施形態では、ガイド本体102aのZ軸方向の寸法は、Xビーム101のZ軸方向の寸法と同等に設定されている。そして、図9、図10、及び図12から分かるように、ガイド本体102aは、一対のXビーム101間に挿入されている。すなわち、Xガイド102のZ位置(鉛直方向の位置)と、Y粗動ステージ23YのZ位置とは、一部重複している。
基板ステージ装置PSTaのその他の部分の構成は、前述の基板ステージ装置PSTと同様になっている。
上述のようにして構成された露光装置110では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作に際し、Xスキャン動作時、及びXステップ動作時に基板PをX軸方向に移動させる際、基板ステージ装置PSTaでは、基本的には、前述した第1の実施形態と同様のY粗動ステージ23Y上でX粗動ステージ23Xの駆動、微動ステージ21とX粗動ステージ23Xとの同期駆動が、主制御装置50からの指示に応じて行われる。ただし、基板ステージ装置PSTaでは、重量キャンセル装置40’は、X粗動ステージ23Xに牽引されることなく、微動ステージ21と共に重量キャンセル装置40’は、X軸方向に移動する。なお、上記Xスキャン動作、及びXステップ動作時、X粗動ステージ23Xに対して微動ステージ21がY軸方向に微少駆動され、重量キャンセル装置40’のY位置が微少に変化する場合があるが、Xガイド102の幅方向寸法は、重量キャンセル装置40’がY軸方向に微少駆動された場合であっても、ベースパッド44がXガイド102上から脱落しないように設定されている。
また、Yステップ動作時、基板ステージ装置PSTaでは、基本的には、前述した第1の実施形態と同様のY粗動ステージ23Y及びX粗動ステージ23XのY軸方向の駆動、並びにX粗動ステージ23Xと微動ステージ21との同期駆動が、主制御装置50からの指示に応じて行われる。ただし、基板ステージ装置PSTaでは、重量キャンセル装置40’は、微動ステージ21と共にY軸方向に移動する。この際、重量キャンセル装置40’を下方から支持するXガイド102がY粗動ステージ23Yに同期駆動される。従って、重量キャンセル装置40’は、常にXガイド102に下方から支持される。
以上説明した本第2の実施形態に係る露光装置110によると、前述した第1の実施形態に係る露光装置10と同等の効果を得ることができる。これに加え、露光装置110によると、Xガイド102のZ位置(鉛直方向位置)と、Y粗動ステージ23YのZ位置とは、一部重複しているため、例えば広いガイド面を有するガイド部材上に重量キャンセル装置40’が搭載される場合に比べ、重量キャンセル装置40’のZ軸方向寸法を短くできる。この場合、筐体41、及びZスライダ43のZ軸方向寸法を短くできるので、重量キャンセル装置40’を軽量化できる。また、重量キャンセル装置40’が軽量化されると、微動ステージ21を駆動するためのアクチュエータ(複数のリニアモータ、及び複数のボイスコイルモータ)を小型化できる。
また、重量キャンセル装置40’は、粗動ステージ23に対して振動的に分離されているので、粗動ステージ23からの振動伝達を完全になくすことができ、制御性能が向上する。さらに、重量キャンセル装置40’と微動ステージ21とを一体化することで、構造がシンプルになるため、より軽量化を図ることができるとともに、製造コストが下がり、また故障の確率も減る。また、重量キャンセル装置40’と微動ステージ21とが、一体化されたことにより、微動ステージ21の重心位置CGが下がるため、仮に基板ホルダPHが大型化しても、重心位置が上がることを防ぐことができる。
また、露光装置110によると、X軸方向に延びる部材であるXガイド102が、一対のベッド12により複数箇所で下方から支持されているので、Xガイド102の自重による、あるいは重量キャンセル装置40を含む微動ステージ21の荷重に起因する撓みが抑制される。
また、重量キャンセル装置40’が粗動ステージ23と分離されているので、重量キャンセル装置40の移動に起因する振動がXガイド102に伝達しない。従って、Xガイド102,一対のベッド12,基板ステージ架台19などを介して振動が、例えば投影光学系などに伝達せず、露光動作を高精度で行うことができる。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について図14〜図16に基づいて説明する。第3の実施形態に係る基板ステージ装置PSTbは、Xガイド102の駆動方法が異なる点を除き、上記第2の実施形態の基板ステージ装置PSTa(図9など参照)とほぼ同様の構成を有しているため、第2の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
上記第2の実施形態で、Yキャリッジ75がXビーム101の両側面に固定されていたのに対し、本第3の実施形態では、図15に示されるように、Yキャリッジ75は、前述した露光装置10と同様に、Xビーム101の下面に固定されている。このため、ベースフレーム14(便宜上同じ符号を用いる)は、上記第2の実施形態に比べて高さが低くなっている。これにより、基板ステージ装置PSTbをコンパクトに構成することができる。
また、上記第1、第2の実施形態でXガイド102が一対のYリニアモータ82により電磁的に駆動されたのに対し、本第3の実施形態では、Xガイド102は、図14に示されるように、長手方向の両端部近傍それぞれにおいて、接続部材199を介して一対のフレクシャ装置107と称される装置によりXビーム101に機械的に接続されている。なお、理解を容易にするため、図14では一対のXビーム101を連結する一対のプレート76(図9参照)、及び微動ステージ21(図8参照)が不図示とされている。
各フレクシャ装置107は、XY平面に平行に配置された、Y軸方向に延びる厚さの薄い鋼板(例えば、板ばね)を含み、ボールジョイントなどの滑節装置を介してXビーム101とXガイド102との間に架設されている。各フレクシャ装置107は、鋼板のY軸方向の剛性により、Y軸方向に関してXビーム101とXガイド102とを高剛性で連結する。従って、Xガイド102は、フレクシャ装置107を介して一対のXビーム101のいずれかに牽引されることにより、Y粗動ステージ23Yと一体的にY軸方向に移動する。これに対し、各フレクシャ装置107は、鋼板の柔軟性(あるいは可撓性)、及び滑節装置の作用により、Y軸方向を除く5自由度方向に関してXガイド102をXビーム101に対して拘束しないので、Xビーム101を介して振動がXガイド102に伝達し難くなっている。また、複数のフレクシャ装置107は、Xガイド102の重心位置を含むXY平面に平行な平面内で一対のXビーム101とXガイド102とを連結している。従って、Xガイド102を牽引する際、Xガイド102にθx方向のモーメントが作用しない。
本第3の実施形態に係る基板ステージ装置PSTbでは、第2の実施形態の基板ステージ装置PSTaで得られる効果に加え、フレクシャ装置107を介してXビーム101がXガイド102を牽引する構成としたので、例えばXガイド102を駆動するためのアクチュエータを設ける場合にくらべ低コストである。また、Xガイド102の位置情報を求めるための計測系(例えば、リニアエンコーダなど)も必要ない。また、Xガイド102は、第2の実施形態に比べ、X軸方向寸法を短くできるのでコストが下がる。さらに、一対のベースフレーム14が第2の実施形態に比べX軸方向両内側に配置されるので、装置がコンパクトになる。
また、フレクシャ装置107はY軸方向以外の剛性が極めて低い構造(形状及び材料)を有するため、Y軸方向以外の力の伝達による振動がXガイド102に伝わりにくく、微動ステージ21の制御性が良い。仮に、Y軸方向の振動がXガイド102に侵入した場合であっても、重量キャンセル装置40’の下面に設置した気体静圧軸受であるベースパッド44によって、Xガイド102と、重量キャンセル装置40’とは、水平方向の力のつながりが分断されているため、微動ステージ21に影響を与えることはない。またXガイド102とベッド12とは、Yリニアガイド71AによってY軸方向の力のつながりが抑えられている(Y軸方向の力が逃げる)ので、ベッド12(装置本体)に影響を与えることはない。同様に、一対のフレクシャ装置107を用いて、前述の第1の実施形態に係る基板ステージ装置PSTの一対のXビーム101とXガイド102とを接続しても良いことは勿論である。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態について図17に基づいて説明する。第4の実施形態に係る基板ステージ装置PSTcは、Xガイド102の駆動方法が異なる点を除き、上記第2の実施形態の基板ステージ装置PSTa(図9など参照)とほぼ同様の構成を有しているため、第2の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一若しくは類似の符号を用いると共にその説明を簡略若しくは省略する。
図17に示されるように、基板ステージ装置PSTcにおいて、一対のXビーム101のそれぞれは、互いに対向する対向面に、X軸方向に離間する2つのプッシャ装置108を有している。すなわち、プッシャ装置108は、合計4つ設けられている。各プッシャ装置108は、Xガイド102の+Y側の側面、あるいは−Y側の側面に対向する鋼球を有している。鋼球は、通常はXガイド102から離間しているが、基板ステージ装置PSTcでは、Y粗動ステージ23YがY軸方向に駆動されると、プッシャ装置108に押圧されることにより、Xガイド102が押圧され、これによりY粗動ステージ23YとXガイド102とが一体的にY軸方向に移動する。なお、各プッシャ装置108は、必ずしもXビーム101に設ける必要はなく、例えばYキャリッジ75のX軸方向内側かつY軸方向内側に設置し、Xガイド102を押すようにしても良い。
また、基板ステージ装置PSTcでは、Y粗動ステージ23Yは、Xガイド102を所定の位置までYステップ移動させた後、振動伝達防止のためにXガイド102から離間する方向に駆動され、これによりY粗動ステージ23YとXガイド102とが振動的に分離される。Y粗動ステージ23YとXガイド102とを振動的に分離する方法としては、例えばXビーム101を適宜微小駆動させても良いし、プッシャ装置108に鋼球をY軸方向に微少駆動する不図示のエアシリンダ等のアクチュエータを設けも良い。また、プッシャ装置としては、鋼球に替えてZ軸周り、又はX軸周りに約90°回転可能な回転楕円体を設け、その回転楕円体を適宜回転させることにより、Xガイド102とY粗動ステージ23YとのY軸方向の隙間を可変する(回転楕円体の回転量により接触状態と非接触状態とを切り替える)ようにしても良い。
本第4の実施形態では、Xガイド102のクロススキャン方向移動時を除く露光動作時では、Xビーム101と、Xガイド102との機械的な連結がなくなり、Xガイド102への外乱の進入を完全に防ぐことができる。同様に、前述の第1の実施形態に係る基板ステージ装置PSTにおいて、一対のXビーム101とXガイド102とのいずれかにプッシャ装置108を設けても良いことは勿論である。
なお、上記第1〜第4の実施形態の露光装置が備える基板ステージ装置の構成は、一例であって、その構成がこれらに限定されるものではない。以下、基板ステージ装置が有する重量キャンセル装置、及びレベリング装置の変形例について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化及び図示の便宜上から、レベリング装置と、重量キャンセル装置のみについて説明を行い、上記第2の実施形態と同様の構成を有するものについては、上記第2の実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
《第1の変形例》
図18には、第1の変形例に係る基板ステージ装置が有する、重量キャンセル装置40A及びレベリング装置57Aが示されている。第1の変形例では、レベリング装置57Aと、重量キャンセル装置40Aとは、第2の実施形態と同様の構成を有するが、レベリング装置57Aが重量キャンセル装置40Aを下方から支持する配置(すなわち、第2の実施形態においてレベリング装置57と重量キャンセル装置40’との配置が上下方向に関して入れ替わった形態)となっている。具体的には、多面体部材64の上面に筐体41の下面が接続されている。また、図18では省略されているが、重量キャンセル装置40AのZスライダ43の上面は、スペーサ51を介して微動ステージ21に固定されている。
第1の変形例に係る基板ステージ装置では、上記各実施形態に比べ、重量キャンセル装置40Aをレベリング装置57Aの上方に設置することで、多面体部材64と、ベースパッド44との間の部品が減少し重量が減ることで、スキャン時等の水平移動時における多面体部材64以下(多面体部材64からベースパッド44まで)の慣性質量が小さくなり、その重心位置が駆動点(多面体部材64とエアベアリング65が接する点)に近づくため、θx,θy方向の剛性が高くなる(振られにくくなる)ため、制御性が向上する。
《第2の変形例》
図19には、第2の変形例に係る基板ステージ装置が有する、重量キャンセル装置40B及びレベリング装置57Bが示されている。第2の変形例は、空気ばね42とZスライダ43(平行板ばね装置48も合わせて)との位置を上下方向に関して入れ替えた以外は、第1の変形例(図18参照)と同様の構成である。重量キャンセル装置40Bでは、筐体41Bは下面が開口した有底の筒状部材から成り、その上面が微動ステージ21(図19では不図示)に一体的に固定される。
第2の変形例に係る基板ステージ装置では、第1の変形例に係る基板ステージ装置で得られる効果に加えて、平行板ばね装置48の位置が下がり、より重量キャンセル装置40Bの重心に近い位置に配置されるため、露光動作の安定性が向上する。
《第3の変形例》
図20には、第3の変形例に係る基板ステージ装置が有する、重量キャンセル装置40Cが示されている。重量キャンセル装置40Cは、上面が開口した有底筒状部材のボディ41Cと、ボディ41C内に収容された空気ばね42と、空気ばね42の上面に接続されたレベリングカップ49と、複数のエアベアリング65と、不図示の微動ステージ21に固定された多面体部材64等から構成される。第3の変形例では、Zスライダが排除され、レベリングカップ49の下面を直接空気ばね42でZ軸方向に押すように構成される。ボディ41Cの外壁面にはターゲット46を支持するための複数のアーム部材47が固定されている。
レベリングカップ49は、上記第2の実施形態等と同様の役割に加え、上記第2の実施形態等におけるZスライダ43(図13参照)の役割も担う。そのため、レベリングカップ49の外周部の上端面及び下端面には、複数(例えば上端面及び下端面に、周方向均等にそれぞれ4つずつ)の平行板ばね67eが接続されている(ただし、±X側に配置した平行板ばね67eは図面の錯綜を避けるため不図示)。これにより、レベリングカップ49は、ボディ41Cに対し水平方向の相対移動が規制され、かつ上下スライドのみが可能となっている。
第3の変形例に係る基板ステージ装置では、上記各実施形態に比べ、Zスライダが不要となるため、重量キャンセル装置40Cの構造がよりシンプルになり、軽量かつ安価にて製造することができる。
また、多面体部材64の下部に設置され、稼動時に揺動される(振られる)部品の中で、比較的大きく、Z軸方向寸法の大きいレベリングカップ49の上下端面付近を平行板ばね67eにより、ボディ41Cに対して水平方向の相対移動ができないように接続するため、多面体部材64下部のθx、θy方向の剛性が高くなり、水平移動時の慣性による多面体部材64下部の部品の振れを抑えることで制御性が向上する。
また、平行板ばね67eの作用により、レベリングカップ49は、ボディ41Cに対して高い真直度を維持したままZ方向のみに移動するため、レベリングカップ49の底面と、空気ばね42の上面(金属プレート)とは固定しなくても良く、組立て及び分解が容易に行なえ作業性が向上する。
また、空気ばね42によるZ軸方向駆動と多面体部材64によるレベリング駆動(θx、θy)は、独立に制御できる(干渉しない)ので、制御性が良い。
なお、上記各変形例に係る重量キャンセル装置40A〜40Cは、XY2軸ステージに限らず、X軸(あるいはY軸)のみの1軸ステージ、あるいは、X粗動ステージ上にY粗動ステージが搭載される従来のXY2軸ステージ装置にも適用できる。
また、上記第2〜第4の実施形態(及び上記各変形例)では、重量キャンセル装置のZスライダ43若しくはレベリングカップ49は、平行板ばね装置48を複数配置することによってZ軸方向のみに移動できるようにしたが、これに限らず、例えばエアベアリング若しくはころがりガイドなどを用いても良い。
また、上記第2〜第4の実施形態(及び上記各変形例)では、Y粗動ステージ23Yの上にX粗動ステージ23Xを載置する構成としたが、これに限らず、重量キャンセル装置40を小型化し、微動ステージ21と一体化することだけに着目するならば、粗動ステージ23は従来装置と同様に、X粗動ステージ23Xの上にY粗動ステージ23Yを載置しても良い。この場合、本実施形態で用いたXガイド102をY軸方向が長手方向となるように配置した部材(仮にYガイドとする)上を、重量キャンセル装置40がY軸方向にステップ移動し、また、スキャン方向であるX軸方向にはYガイドごと移動することとなる。
また、上記第2〜第4の実施形態(及び上記各変形例)では、Xガイド102が一対のベッド12を介して装置本体(ボディ)の一部である基板ステージ架台19の上に設置されているが、これに限らず、図22に示される基板ステージ装置PSTdのように、基板ステージ架台19上に直接複数のYリニアガイド71Aが固定されていても良い。これにより、ベッド12(図8参照)を省略でき、露光装置全体の重量を更に軽量化でき、さらに全高(Z軸方向寸法)を低くすることができる。上記第1の実施形態においても、同様である。
また、上記第1ないし第4の実施形態のそれぞれ(以下、各実施形態と表記する)では、2つのベッド12によりXガイド102が下方から支持されたが、これに限らず、ベッド12の数は3つ以上でも良い。この場合、隣接するベッド12間に配置される補助ガイドフレーム103を増やしても良い。また、基板PのX軸方向に関する移動量が小さい場合(あるいは基板P自体が小型である場合)には、ベッド12は1つでも良い。また、ベッド12の形状はX軸方向の長さよりY軸方向の長さが長く設定されたが、これに限定されず、X方向の長さの方が長くても良い。さらに、複数のベッドは、X軸、及び/又はY軸方向に離間していても良い。
また、Xガイド102の撓みが無視できる程度に小さい場合には、補助ガイドフレーム103を設置しなくても良い。
また、上記各実施形態では一対のベッド12上にYリニアガイド71Aが複数固定され、Xガイド102がその複数のYリニアガイド71Aに沿ってY軸方向に移動するように構成されているが、これに限らず、例えばXガイド102の下面に気体静圧軸受、又はころなどの転動体を複数設け、ベッド12上を低摩擦で移動できるようにしても良い。ただし、Y可動子72Aと、Y固定子73との間隔を一定に保つために、Xガイド102の一対のベッド12に対するX軸方向への移動を制限する何らかの装置を設けておくことが好ましい。Xガイド102のX軸方向への移動を制限する装置としては、例えば気体静圧軸受、あるいは機械的な一軸ガイド装置などを用いることができる。これにより、複数のYリニアガイド71Aを互いに平行に配置するための位置調整作業が不要となり、基板ステージ装置の組立てが容易になる。
また、Xガイド102とYスライダ71BとをX軸方向に微少距離、相対移動可能にする装置(逃げ装置)を、例えばXガイド102とYスライダ71Bとの間に設けても良い。この場合、仮に複数のYリニアガイド71A同士が平行に配置されていない場合であっても、複数のYリニアガイド71A上をXガイド102がスムーズにY軸方向に直進することが可能となる。Xガイド102とYスライダ71BとをX軸方向に相対移動可能にする装置としては、例えばヒンジ装置などを用いることができる。同様な逃げ装置は、その他のリニアガイド装置に設けても良い。また、同様に一対のXビーム101とYキャリッジ75とをX軸方向に微少距離、相対移動可能にする装置を設けても良い。この場合、仮に一対のベースフレーム14が平行に配置されていない場合であっても、一対のXビーム101をスムーズにY軸方向に直進案内することが可能となる。
また、図21(A)に示されるように、上記第1又は第2の実施形態において、Xガイド102の両端部にXZ断面がそれぞれJ字状及び逆J字状の一対のYキャリッジ83を取り付け、それらのYキャリッジ83のそれぞれに更にY可動子72Aを固定しても良い。この場合、Y固定子73(図1、図8参照)が有する磁石ユニットとY可動子72Aが有するコイルユニットとの間の磁気吸引力が、均等にベースフレーム14に作用し、ベースフレーム14の倒れを防止できる。また、Xガイド102を駆動するための推力も向上する。なお、上記第1、第2の実施形態において、複数のリニアモータは、すべてムービングコイル方式であったが、これに限らずムービングマグネット方式でも良い。また、上記第2の実施形態以外の実施形態において、Yキャリッジ75をY軸方向に駆動する駆動装置としては、リニアモータに限らず、例えばボールねじ式駆動装置、ベルト式駆動装置、あるいはラック・アンド・ピニオン式駆動装置などを用いても良い。
また、上記第1、第2の実施形態ではベースフレーム14に固定されたY固定子73(図1、図8参照)が、Xガイド102を駆動するためのYリニアモータ、及びY粗動ステージ23Yを駆動するためのYリニアモータに共通に用いられたが、それぞれのYリニアモータを別個に構成しても良い。また、Y粗動ステージ23Yを駆動するためのYリニアモータのY固定子を補助ガイドフレーム103に固定し、補助キャリッジ78にY可動子を取り付けても良い。
また、上記第1、第2の実施形態では一対のXビーム101は、X方向両端部が、例えばプレート76により機械的に連結されたが、これに限らず、例えばXビーム101と同程度の断面積を有する部材により連結しても良い。また、Xガイド102(ガイド本体102a)のZ軸寸法は、一対のXビーム101それぞれのZ軸寸法よりも大きくても良い。この場合、重量キャンセル装置40のZ軸寸法をさらに短くできる。
また、上記第1、第2の実施形態ではY粗動ステージ23Yの+X側、及び−X側それぞれに、例えば2つ(計4つ)のYキャリッジ75が設けられたが、これに限らず、Yキャリッジ75は、Y粗動ステージ23Yの+X側、及び−X側それぞれに、例えば1つでも良い。この場合、Yキャリッジ75の長さをプレート76と同等にすれば、プレート76が不要となる。なお、この場合のYキャリッジには、Xガイド102のX軸方向の両端面に取り付けられたY可動子72Aが挿入される切り欠きが形成される。
また、上記各実施形態では、一対のXビーム101が機械的に連結されていたが、これに限らず、機械的に分離していても良い。この場合であっても、一対のXビーム101それぞれを同期制御すれば良い。
また、上記第4の実施形態において、Xガイド102は、プッシャ装置108を介してXビーム101に接触状態で押圧されたが、これに限らず、Xガイド102が非接触状態でXビーム101に押圧されるように構成しても良い。例えば、図21(B)に示されるように、Xビーム101(又はXガイド102)にスラスト型エアベアリング109(エアパッド)を取り付け、その軸受面から噴出される気体の静圧により、非接触でXガイド102が押圧されるようにすると良い。あるいは、図21(C)に示されるように、Xビーム101、及びXガイド102のそれぞれに、互いに対向する部分の磁極が同じとなるように永久磁石100a、100b(一組の永久磁石100)を取り付け、その対向する永久磁石100a、100b間に発生する斥力(反発力)により、非接触でXガイド102を押圧しても良い。このように一組の永久磁石100を用いる場合、加圧気体、電気などを供給する必要がないので、装置の構成が簡単になる。上記スラスト型エアベアリング109、一組の永久磁石100は、+Y側のXビーム101とXガイド102との間、及び−Y側のXビーム101とXガイド102との間それぞれに、X軸方向に離間して複数(例えば2つ)設けると良い。
《第5の実施形態》
次に、第5の実施形態を、図23〜図28に基づいて説明する。
本第5の実施形態に係る露光装置は、基板ステージ装置PSTに代えて、基板ステージ装置PSTeが設けられている点を除き、前述した第1の実施形態の露光装置10と同様に構成されている。
以下では、基板ステージ装置PSTeを中心として説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置10と同一若しくは同等の構成部分については同一若しくは類似の符号を用いるとともに、その説明を簡略若しくは省略する。
本第5の実施形態に係る露光装置では、前述の粗微動構成の基板ステージに代えて、図23及び図24に示されるように、X軸方向に移動するY軸方向を長手とする梁(ビーム)状のXステージSTXと、該XステージSTX上で基板(プレート)Pを保持してY軸方向に移動するYステージSTYと、を備えた所謂ガントリー型の2軸ステージ(基板ステージ)STを備えた基板ステージ装置PSTeが用いられる。基板ステージ装置PSTeは、不図示ではあるが、前述した基板ステージ装置PSTと同様に、投影光学系PL(図23及び図24では不図示、図1参照)の下方(−Z側)に配置されている。
基板ステージ装置PSTeは、基板ステージSTと、該基板ステージSTを駆動する基板ステージ駆動系PSD(図23及び図24では不図示、図25参照)とを備えている。基板ステージ駆動系PSDは、図24及び図25に示されるように、XステージSTXをX軸方向に駆動する一対のX軸駆動ユニットXD1,XD2と、XステージSTX上でYステージSTYをY軸方向に駆動するY軸駆動ユニットYDと、を備えている。基板ステージ駆動系PSDによって、基板Pを保持するYステージSTYは、X軸方向及びY軸方向に所定ストロークで駆動される。
詳述すると、基板ステージ装置PSTeは、図23及び図24に示されるように、露光装置が設置されたクリーンルームの床面F上にXY2次元方向に並んで設置された合計6つの脚部61a〜61f、各3つの脚部61a〜61c及び61d〜61fにそれぞれ支持された2つのベースブロック62a,62b、2つのベースブロック62a,62bのそれぞれに設けられた一対(2つ)のX軸駆動ユニットXD1,XD2、2つのX軸駆動ユニットXD1,XD2によりX軸方向に駆動されるXステージSTX、XステージSTX上に設けられたY軸駆動ユニットYD、及びY軸駆動ユニットYDによりY軸方向に駆動されるYステージSTY等を備えている。
脚部61a〜61cは、図23に示されるように、X軸方向に所定間隔を隔てて配列されている。同様に、脚部61d〜61fは、それぞれ脚部61a〜61cの+Y側(図23における紙面奥側)に、X軸方向に所定間隔を隔てて配列されている。脚部61a〜61fのそれぞれの裾部には、各4つの調整具61a0〜61f0が設けられている。図23及び図24から分かるように、例えば脚部61bには、その±Y側面の裾部に各2つの調整具61b0が設けられている。
脚部61a〜61c及び61d〜61fは、それぞれ、長手方向をX軸方向として、Y軸方向に所定距離隔てて互いに平行に配置されたベースブロック62a,62bを支持している。ベースブロック62a,62bは、例えば水準器を用いて各脚部61a〜61fに設けられた調整具61a0〜61f0が適宜調整されることにより、地軸(重力方向)に直交する平面に平行(水平面に対して平行)に、且つ床面Fから同一高さに支持されている。
ベースブロック62a,62bには、図24に示されるように、それぞれ、X軸駆動ユニットXD1,XD2が設けられている。X軸駆動ユニットXD1,XD2は、それぞれXステージSTXの−Y側端部及び+Y側端部を下方から支持して、XステージSTXをX軸方向に駆動する。
一方(−Y側)のX軸駆動ユニットXD1は、図23及び図24に示されるように、複数の固定部材63と1つの可動部材84と、X軸方向に駆動力を発生する一対のリニアモータXDM1,XDM2と、XステージSTXのX軸方向以外への移動を制限する一対のガイド装置XG1,XG2と、固定部材63(ベースブロック62a)に対する可動部材(XステージSTX)のX軸方向に関する位置を計測するリニアエンコーダEX1(図25参照)と、を含む。
ベースブロック62aの±Y側の端部には、図23及び図24に示されるように、複数(本実施形態では各10個)の固定部材63が、X軸方向に並んでそれぞれ固定されている。なお、理解を容易にするため、図23では、−Y側の複数の固定部材63(後述する固定子XD12を含む)のうちの一部が不図示とされ、あるいは破断して示されている。各固定部材63は、−Z端部が固定具(ボルト)630を用いてベースブロック62aの側面に固定されている。ここで、各固定部材63の内側面は、図26に示されるように、XZ平面に対して内向きに角π/2−θ傾斜している(XY平面に対して角θを成している)。この結果、ベースブロック62aと固定部材63とを組み合わせた部材のYZ断面の形状は、+Z側が開口した略U字状(ただし、一対の対向面間の間隔は、+Z側(開口側)が−Z側よりも狭い)となっている。
可動部材84は、図24に示されるように、等脚台形状のYZ断面を有する角柱部材から成り、その上面及び下面を水平に(XY平面に平行に)且つその長手方向を可動方向(X軸方向)として配置されている。可動部材84は、その上面に固定された矩形状のYZ断面を有するライザー(嵩上げ)ブロック85を介して、XステージSTXの−Y端部近傍の下面(−Z面)に固定具(ボルト)660により固定された固定板66に取り付けられている。
可動部材84は、ベースブロック62aと固定部材63とにより形成される空間内に配置されている。ここで、可動部材84の±Y側面は、XZ平面に対して角π/2−θ傾斜している(XY平面に対して角θを成している)。すなわち、可動部材84の+Y側の面は、+Y側の固定部材63の−Y側の面に対して平行で所定の隙間を隔てて対向し、可動部材84の−Y側の面は、−Y側の固定部材63の+Y側の面に対して平行で所定の隙間を隔てて対向している。可動部材84は、軽量化のために中空構造となっている。なお、可動部材84の±X端面は、必ずしも平行である必要はない。また、YZ断面は、必ずしも台形状である必要はない。また、後述する可動子XD11,XD21が固定される面がXZ面(Z軸)に対して角π/2−θ傾斜する形状であれば、可動部材84の角部を面取りする等しても良い。
図24に示されるように、リニアモータXDM1は、可動子XD11と固定子XD12とから構成され、リニアモータXDM2は、可動子XD21と固定子XD22とから構成されている。
上記一対の固定子XD12,XD22は、図24に示されるように、それぞれ±Y側の固定部材63の内側面に固定され、図23に示されるように、X軸方向に延設されている(図23では、固定子XD12は不図示)。なお、図23に示されるように、最も+X側、及び最も−X側の固定部材63には、固定子XD12,XD22(固定子XD12は図23では不図示)が固定されていない。上記一対の可動子XD11,XD21は、それぞれ可動部材84の±Y側の両側面に固定され、両側面がそれぞれ対向する固定部材63に固定された固定子XD12,XD22とZ軸(XZ平面)に対して角θを成す方向に僅かな間隙を挟んで対向する。
また、不図示であるが、可動子XD11,XD21のそれぞれの内部には、複数のコイルユニット(それぞれがコア(鉄心)に巻線が巻かれた複数のコイルを含む)がX軸方向に配列されている。固定子XD12,XD22のそれぞれの内部には、複数の磁石ユニット(それぞれが複数の永久磁石を含む)がX軸方向に配列されている。本第5の実施形態では、可動子XD11と固定子XD12とによってムービングコイル方式のリニアモータXDM1が構成され、可動子XD21と固定子XD22とによってムービングコイル方式のXDM2が構成されている。
ガイド装置XG1は、図23及び図24に示されるように、X軸リニアガイド(レール)XGR1と、2つのスライダXGS1とを含む。同様に、ガイド装置XG2は、X軸リニアガイド(レール)XGR2と、2つのスライダXGS2とを含む。
詳述すると、ベースブロック62aの上面にはX軸方向に延びる所定深さの凹溝が設けられ、該溝部の内部底面のY軸方向の中心から±Y側にほぼ同じ距離離れた位置にX軸方向に伸びるX軸リニアガイドXGR1,XGR2が互いに平行に固定されている。各2つのスライダXGS1,XGS2は、それぞれ、可動部材84の下面のX軸リニアガイドXGR1,XGR2に対向する位置に固定されている。ここで、スライダXGS1,XGS2は逆U字状の断面を有し、−Y側の2つのスライダXGS1がX軸リニアガイドXGR1に係合し、+Y側の2つのスライダXGS2がX軸リニアガイドXGR2に係合している。X軸リニアガイドXGR1,XGR2のそれぞれの±X端近傍には、図23に示されるように、XステージSTXのオーバーランを防止する停止装置88,89が設けられている。
リニアエンコーダEX1は、図24に示されるように、ヘッドEXh1とスケールEXs1とを含む。スケールEXs1は、X軸方向を周期方向とする反射型の回折格子がその表面に形成され、ベースブロック62aの凹溝の内部底面のY軸方向の中央にX軸リニアガイドXGR1,XGR2と平行に延設されている。ヘッドEXh1は、可動部材84の下面(あるいは+X側(又は−X側)の側面)に設けられている。ヘッドEXh1は、可動部材84(XステージSTX)のX軸方向の移動ストローク内でスケールEXs1と対向し、スケールEXs1に計測光を照射し、スケールEXs1からの反射回折光を受光することにより、ベースブロック62aに対する可動部材84(XステージSTXの−Y端部)のX軸方向に関する位置情報を計測する。その計測結果は、主制御装置50に転送される(図25参照)。
他方(+Y側)のX軸駆動ユニットXD2は、上述したX軸駆動ユニットXD1とほぼ同様に構成されている。ただし、X軸駆動ユニットXD2に含まれる可動部材84は、XステージSTXの+Y端部近傍の下面(−Z面)に固定具660を用いて固定された固定板66に、前述のライザー(嵩上げ)ブロック85に替えて設けられた平行板ばね86を介して取り付けられている。平行板ばね86は、XZ平面に平行なX軸方向を長手方向とするY軸方向に所定距離離間した一対の板ばねによって構成されている。平行板ばね86により、固定板66と可動部材84とは、Y軸方向に関して微少ストロークでの相対移動が許容されている。このため、仮にベースブロック62aとベースブロック62bとの平行度が低下しても、平行板ばね86の作用により、後述するガイド装置XG3(スライダXGS3とX軸リニアガイド(レール)XGR3とから構成される)への負荷が低減される。
また、固定部材63の上面には、上述の如く、固定板66と可動部材84とが、Y軸方向に関して微少ストロークで相対移動する際に生じる平行板ばね86の変形を許容し、かつ上面の開口を塞ぐカバー87が取り付けられている。同様に、前述のX軸駆動ユニットXD1側の固定部材63の上面には、平行板ばね86の変形に伴うライザーブロック85のY軸方向の移動を許容しかつ上面の開口を塞ぐカバー87が取り付けられている。これらのカバー87により、X軸駆動ユニットXD2、XD1のそれぞれが有する一対の可動子XD11,XD21内のコイルユニットから発生した熱のX軸駆動ユニットXD2、XD1外部への拡散を防ぐことができる。
X軸駆動ユニットXD2には、図24に示されるように、ガイド装置XG1,XG2と同様に1つのX軸リニアガイドXGR3とこれに係合する2つのスライダXGS3とから構成される1つのガイド装置XG3のみが設けられている。X軸駆動ユニットXD2には、前述のリニアエンコーダEX1と同様に、ヘッドEXh2とスケールEXs2とから構成されるリニアエンコーダEX2が設けられている。リニアエンコーダEX2は、ベースブロック62bに対する可動部材84のX軸方向に関する位置情報を計測する。その計測結果は、主制御装置50に転送される(図25参照)。
さらに、X軸駆動ユニットXD1,XD2のそれぞれは、図23に示されるように、−X側の端部、及び+X側の端部に、それぞれファン70A及びファン70Bを有している。ファン70Aは、X軸駆動ユニットの内部空間(ベースブロック(62a又は62b)と一対の固定部材63との間の空間)に外気(空気)を取り込む給気用のファンであり、ファン70Bは、X軸駆動ユニットの内部空間を通った空気を外部に排気する排気用のファンである。これらのファン70A、70Bによって、X軸駆動ユニットXD1,XD2のそれぞれの内部空間に設けられた一対の可動子XD11,XD21内のコイルユニットを効率良く冷却することができる。
ここで、X軸駆動ユニットXD1,XD2には、XステージSTX及びその上に支持されるYステージSTY等の荷重(及びそれらの移動に伴う慣性力)が加わる。また、X軸駆動ユニットXD1,XD2に含まれるリニアモータXDM1,XDM2では、それぞれの可動子と固定子との間に、駆動力の数倍もの磁気吸引力が発生する。ここで、固定子に対して可動子に働く磁気吸引力は、可動部材84にとって浮力(反重力方向の力)として作用する。X軸駆動ユニットXD1,XD2は、その磁気吸引力(浮力)を利用して上記荷重をほぼ相殺して、ガイド装置XG1〜XG3に大きな荷重(及び慣性力)が加わることなく、XステージSTXを支持し、駆動する。なお、X軸駆動ユニットXD1(XD2)における、XステージSTX等の荷重と、リニアモータXDM1,XDM2からの磁気吸引力(浮力)との相殺(釣り合い)については、後に詳述する。
XステージSTX上には、図23に示されるように、Y軸駆動ユニットYDの一部を構成するガイド装置YGを介して、YステージSTYが支持されている。YステージSTY上に、基板Pが保持されている。
Y軸駆動ユニットYDは、図23に示されるように、Y軸方向に駆動力を発生するリニアモータYDMと、YステージSTYのY軸方向以外への移動を制限するガイド装置YGと、XステージSTXに対するYステージSTYのY軸方向に関する位置を計測するリニアエンコーダEY(図25参照)と、を含む。
リニアモータYDMは、図23に示されるように、可動子YD1と固定子YD2とを含む。固定子YD2は、XステージSTX上面のX軸方向の中央に、Y軸方向に延設されている。可動子YD1は、固定子YD2とZ軸方向に対向して、YステージSTYの底面のX軸方向の中央に固定されている。
ガイド装置YGは、一対のY軸リニアガイド(レール)YGRと4つのスライダYGS(図23では、一部不図示)とを含む。一対のY軸リニアガイドYGRのそれぞれは、XステージSTX上面の−X側及び+X側の端部近傍に、互いに平行に、Y軸方向に延設されている。4つのスライダYGSは、それぞれ、YステージSTYの下面の4隅近傍に固定されている。ここで、4つのスライダYGSは逆U字状のXZ断面を有し、4つのうちの−X側に位置する2つのスライダYGSがXステージSTX上の−X側のY軸リニアガイドYGRに係合し、+X側に位置する2つのスライダYGSが+X側のY軸リニアガイドYGRに係合する(図24参照)。
リニアエンコーダEY(図25参照)は、ヘッドとスケールとから構成される。スケール(不図示)は、Y軸方向を周期方向とする反射型の回折格子がその表面に形成され、XステージSTX上にY軸リニアガイドYGRと平行に延設されている。ヘッド(不図示)は、YステージSTYの下面(あるいは+Y側(又は−Y側)の側面)に設けられている。ヘッドは、YステージSTYのY軸方向の移動ストローク内でスケールと対向し、スケールに計測光を照射し、スケールからの反射回折光を受光することにより、XステージSTXに対するYステージSTYのY軸方向に関する位置情報を計測する。その計測結果は、主制御装置50に転送される(図25参照)。
基板ステージST(YステージSTY)のXY平面内での位置情報(ヨーイング(θz方向の回転θz)を含む)は、上述のX軸駆動ユニットXD1,XD2のそれぞれに含まれるリニアエンコーダEX1,EX2と、Y軸駆動ユニットYDに含まれるリニアエンコーダEYとから構成されるエンコーダシステム20(図25参照)により、常時、計測される。
また、エンコーダシステム20と独立に、前述の基板干渉計システム92によって、YステージSTYに設けられた(あるいは形成された)反射面(不図示)を介して、YステージSTY(基板ステージST)のXY平面内での位置情報(θzを含む)及びZ軸に対する傾斜量情報(ピッチング(θx方向の回転量)及びローリング(θy方向の回転量))が計測されている。基板干渉計システム92の計測結果は、主制御装置50に供給されている(図25参照)。
主制御装置50は、エンコーダシステム20及び/又は基板干渉計システム92の計測結果に基づいて、基板ステージ駆動系PSD(図25参照)、より正確には、X軸駆動ユニットXD1,XD2、及びY軸駆動ユニットYDのそれぞれの一部を構成するリニアモータXDM1、XDM2、及びYDMを介して基板ステージST(YステージSTY及びXステージSTX)を駆動制御する。
図25には、本第5の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置50の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置50は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、露光装置の構成各部を統括制御する。
次に、上述のX軸駆動ユニットXD1(XD2)における、XステージSTX等の荷重と、リニアモータXDM1,XDM2からの磁気吸引力(浮力)との釣り合いについて説明する。なお、上記荷重と浮力との釣り合いは、X軸駆動ユニットXD1とX軸駆動ユニットXD2とで同じなので、以下ではX軸駆動ユニットXD1について説明する。
図26に示されるように、XステージSTX(図24参照)が静止した状態では、X軸駆動ユニットXD1の可動部材84には、鉛直方向下向き(白抜き矢印で示される方向)にXステージSTX、YステージSTY等の総重量の約1/2の荷重Wが、作用する。これと同時に、可動部材84には、リニアモータXDM1を構成する可動子XD11と固定子XD12間に発生する磁気吸引力F1が、Z軸に対して角θを成す方向に、リニアモータXDM2を構成する可動子XD21と固定子XD22間に発生する磁気吸引力F2が、Z軸に対して角−θを成す方向に、それぞれ作用する。なお、例えばYステージSTYが、その移動可能範囲の中央に位置している場合には、X軸駆動ユニットXD1、及びX軸駆動ユニットXD2の可動部材84には、それぞれXステージSTX、YステージSTY等の総重量の約半分の荷重Wがほぼ均等に作用するが、厳密には、可動部材84に作用する鉛直方向下向きの荷重(負荷)は、YステージSTYの位置により変化する。
ここで、リニアモータXDM1,XDM2のそれぞれにおいて発生する磁気吸引力F1,F2は、互いに等しい(すなわちF1=F2=F)と仮定する。従って、リニアモータXDM1,XDM2による磁気吸引力F1,F2の鉛直方向成分の合力P=Fz1+Fz2(=2Fcosθ)が、鉛直方向上向き(黒塗り矢印で示される方向)に可動部材84に作用する。合力Pは、荷重Wとほぼ等しくなるように角θが設定されている。従って、荷重Wよりはるかに小さい負荷(残力)|W−P|が、ガイド装置XG1,XG2に作用することとなる。なお、水平方向(Y軸方向)に関しては、磁気吸引力F1,F2のそれぞれの水平方向成分Fy1,Fy2が相殺されるため、可動部材84に合力は作用しない(零合力が作用する)。なお、ガイド装置XG1,XG2により、固定部材63と可動部材84とのZ軸方向(+Z方向、および−Z方向)の相対移動が制限されているので、上記合力Pと荷重Wとの関係は、P<Wであっても、P>Wであっても良い。
上述の構成のX軸駆動ユニットXD1(XD2)では、ガイド装置XG1,XG2の負荷容量に応じて可動部材84と固定部材63の互いに対向する側面の傾斜(傾斜角θ)を適宜定めることにより、リニアモータXDM1,XDM2の磁気吸引力F1,F2を利用して、可動部材84に水平方向の力を与えることなく、鉛直方向に働く荷重Wを相殺することができる。
一方、ベースブロック62aの−Y側に固定された固定部材63には、Z軸に対してθの方向にリニアモータXDM1により発生する磁気吸引力(−F1)が作用する。この吸引力は、固定部材63に対してせん断力と曲げモーメントを与える。同様に、ベースブロック62aの+Y側に固定された固定部材63には、Z軸に対して−θの方向にリニアモータXDM2により発生する磁気吸引力(−F2)が作用する。この吸引力は、固定部材63に対してせん断力と曲げモーメントを与える。従って、両固定部材63がベースブロック62aとの固定端に対して内向きに撓み、この結果、固定部材63と可動部材84との互いに対向する側面間の間隙のサイズが変化し得る。
固定部材63の撓みによる間隙のサイズの変化は、固定部材63の厚み(Y軸方向の幅)を最適化することにより、抑制することができる。
例えば、XステージSTXの駆動力(推力)が小さく、磁気吸引力F1,F2(正確には鉛直上向きの合力P=2Fcosθ)に対して荷重Wが大きい場合(W>P)、傾斜角θを小さく定める。これにより、合力P、すなわち可動部材84に加わる浮力が大きくなり、ガイド装置XG1,XG2に作用する負荷(残力)|W−P|が小さくなる。この場合、磁気吸引力が小さいために、固定部材63に作用するせん断力と曲げモーメントも小さくなる。そのため、固定部材63の厚みを小さく定めることができる。
逆に、XステージSTXの駆動力(推力)が大きく、磁気吸引力F1,F2(鉛直上向きの合力P=2Fcosθ)に対して荷重Wが小さい場合(W<P)、傾斜角θを大きく定める。これにより、合力Pと荷重Wの釣り合いを取る。この場合、大きな傾斜角θに対し、磁気吸引力が大きいために、固定部材63に作用するせん断力と曲げモーメントが大きくなる。そのため、固定部材63の厚みを大きく定める必要が生じる。
次に、図27を参照して、固定部材63の厚み(Y軸方向の幅)hの求め方について説明する。図27に示されるように、可動子XD11,XD21と固定子XD12,XD22の幅をs(Y軸方向の投影長a=scosθ)、可動部材84と固定部材63の互いに対向する側面の間隙のサイズをc(Y軸方向の投影長d=csinθ)、固定部材63のX軸方向の長さをb、固定部材63の固定端からの内側面の中心(固定子XD12、XD22の中心)までの高さ(Z軸方向の距離)をL=(s/2)sinθ+αとする。ただし、αは余裕寸法である。また、磁気吸引力はF1=F2=F、すなわち可動部材84に作用する浮力はP=2(Fcosθ)と仮定する。固定部材63のヤング率(縦弾性係数)及びたわみをそれぞれE及びwと表記すると、固定部材63の厚みhは、単純片持ち梁の先端に直角力が作用する場合のたわみの関係式を用いて、次式(1)のように求められる。
なお、X軸駆動ユニットXD1を小型化(より詳細には、X軸駆動ユニットXD1のY軸方向の幅寸法を短く)するには、a+d+hが小さくなるように、傾斜角θを定めれば良い。
ただし、前述の通り、固定部材63と可動部材84との間には、可動部材84の真直度誤差(Y並進誤差及びZ並進誤差)と回転・傾斜誤差、YステージSTYの移動に伴う反力等を抑えるために、ガイド装置XG1,XG2が設けられている。従って、可動部材84に加わる荷重Wは、リニアモータXDM1,XDM2からの浮力Pのみにより完全に相殺されなくても良い。
例えば、s=100 mm、b=500 mm、c=50 mm、E=16000 kgf/mm2、α=100 mm、F=2000 kgf、w=0.1 mm、W=800 kgfに対して、θ、a、d、h、a+d+h、浮力P(=2Fcosθ)の関係は、下の表1に示されるように求められる。
上記表1より、角θは、θ=70〜85度と定めると良い。荷重W=800 kgfに対して浮力P=1368.1〜348.6 kgf、すなわちガイド装置XG1,XG2に作用する残力は−568.1〜+451.4 kgfとなり、荷重Wをほぼ相殺できる。また、残力を極小さく調整できるので、ガイド装置XG1,XG2を小型化することができる。これにより、ガイド装置XG1,XG2を構成するX軸リニアガイドとスライダとの間の摩擦抵抗も小さくなる。すなわち、可動部材84(XステージSTX)を駆動するのに要する推力も小さくなり、例えば手動で可動部材84を移動でき、XステージSTXのメンテナンス等の作業効率も良くなる。また、傾斜角θを大きく定めることにより、固定部材63を、すなわちX軸駆動ユニットXD1を小型化することができる。
また、上述の構成のX軸駆動ユニットXD1,XD2では、可動子XD11,XD21と固定子XD12,XD22との隙間を、スペーサ等の調整板を用いることなく、容易に調整することができる。以下、調整手順を図28に基づいて説明する。調整では、作業者は、初めに可動部材84を、適当な固定具を用いてベースブロック62aに固定する。次に、作業者は、可動子XD11,XD21より適正ギャップ量g分大きな厚みを有する非磁性体ブロック69を、可動部材84の両側面に取り付ける。次に、作業者は、固定部材63の内側面に固定された固定子XD12,XD22を非磁性体ブロック69に接触させた状態で、固定部材63を固定具(ボルト)630を用いてベースブロック62aに固定する。ここで、固定部材63の内側面(Z軸に対して±角θ傾斜した面)に対して固定面(XZ平面に平行な面)が平行でないため、固定部材63を図28中に白抜き矢印で示される上下方向にスライドさせて固定位置(高さ)を調整することにより、隙間のサイズを調整することができる。ここで、かかる調整が可能なように、固定部材63には、固定具(ボルト)630が上下にスライドできるXZ断面が円に比べてZ軸方向に長い長穴が形成されている。
次いで、作業者は、可動部材84のX位置を変えつつ、同様に、全ての固定部材63(最も+X端、及び最も−X端の固定部材63を除く)を、ベースブロック62aに固定する。最後に、作業者は、可動部材84を+X端(あるいは−X端)に退避させた状態で、非磁性体ブロック69を、可動子XD11,XD21に交換した後、±X端の固定部材63をベースブロック62aに固定する。
これにより、固定子XD12,XD22を固定部材63の内側面の広い範囲に強固に固定でき、可動子XD11,XD21との間隙も容易に調整することができる。また、X軸駆動ユニットXD1,XD2の構造物の加工精度が緩くなるため、経済的でもある。この結果、駆動精度の高い基板ステージ装置PSTeを安価に構成することが可能となっている。また、固定子XD12,XD22(磁石ユニット)がX軸駆動ユニットXD1,XD2の内側(固定部材63の内側面)に固定されているので、固定部材63の外側面に磁性体を近づけても引き寄せられることがない。
上述のようにして構成された本第5の実施形態に係る露光装置では、詳細説明については省略するが、前述の第1の実施形態に係る露光装置10と同様の手順でロット処理が行われる。
以上説明したように、本第5の実施形態に係る露光装置によると、基板ステージST(XステージSTX)をX軸方向に駆動する一対のX軸駆動ユニットXD1,XD2がそれぞれ備える、第1可動子XD11と第1固定子XD12との間に働く引力Fz1と、第2可動子XD21と第2固定子XD22との間に働く引力Fz2との垂直分力の合力P、を浮上力として利用して基板ステージSTの自重を含むベースブロック62a,62bにかかる負荷を軽減するとともに、駆動性能を損なうことなく高精度な基板ステージST(XステージSTX)の駆動制御が可能となる。
また、本第5実施形態に係る露光装置によると、基板Pを保持する基板ステージST(より正確には、基板PをYステージSTYを介して保持するXステージSTX)を、基板Pの走査露光時に高精度で駆動することができることから、基板Pに対する高精度な露光が可能になる。
なお、上記第5の実施形態では、等脚台形状の断面を有する可動部材84を用いてX軸駆動ユニットXD1(XD2)が構成されていたが、これに代えて、以下の第1及び第2の変形例のように等脚台形ではない台形状の断面を有する可動部材84を用いてX軸駆動ユニットXD1(XD2)を構成することも可能である。
図29には、第1の変形例に係るX軸駆動ユニットXD1(XD2)の構成が示されている(ただし、ベースブロック62a、固定部材63、可動部材84については、便宜上上記第5の実施形態と同じ符号が付されている)。この図29の構成では、可動部材84の±Y側面の傾斜角は互いに異なる(θ1>θ2)。このため、リニアモータXDM1,XDM2の磁気吸引力F1,F2の水平方向成分同士は相殺されず、可動部材84には、−Y方向の合力Pyが作用する。
この図29のX軸駆動ユニットXD1(XD2)の構成では、ガイド装置として、スラスト型の静圧気体軸受装置XG3a,XG4が用いられている。ベースブロック62aの凹溝の内部底面及び両側面には、平坦度の高いガイド面XGG3,XGG4が形成されている(ガイド面XGG3,XGG4のそれぞれが、凹溝の底面と側面との直交する2つのガイド面を有する)。可動部材84の底面には、ガイド面XGG3,XGG4に対向する軸受面をそれぞれ有する複数の静圧気体軸受であるエアパッドXGP3,XGP4が取り付けられている。エアパッドXGP3,XGP4は、絞り(補償要素)を介して、それらの軸受け面とガイド面XGG3,XGG4との僅かな間隙(軸受隙間)内に高圧空気を噴出する。ここで、エアパッドXGP3,XGP4のそれぞれが、可動部材84のピッチング運動とヨーイング運動とを制限する2つのエアパッドの機能を有している。
スラスト型の静圧気体軸受装置XG3a,XG4では、エアパッドXGP3,XGP4の軸受け面をガイド面XGG3,XGG4に押し付けるように可動部材84に外力を加えることにより、隙間内の空気膜(エアパッド)の剛性を上げることができる。従って、可動部材84の±Y側面の傾斜角θ1,θ2を適当に定めて、リニアモータXDM1,XDM2の磁気吸引力F1,F2の鉛直方向成分の合力Pzと水平方向成分の合力Pyを調整して、エアパッドXGP3,XGP4に加わる鉛直方向の負荷と水平方向の負荷を調整することにより、各エアパッドの剛性を任意に調整することができる。
また、可動部材84の±Y側面の傾斜角θ1,θ2を適当に定めて合力Pyを調整し、エアパッドXGP3,XGP4に加わる水平方向の負荷を調整することにより、エアパッドXGP3,XGP4の一方の剛性を他方の剛性より高くすることができる。これにより、可動部材84を、一方のガイド面に沿って移動させることができる。従って、凹溝の両側面で形成されるガイド面XGG3,XGG4の平行度が悪い場合には、可動部材84を、剛性の高い方のエアパッドが対向するガイド面に沿って移動させることができる。また、凹溝の両側面で形成されるガイド面XGG3,XGG4の一方の真直度が悪い場合、ガイド面XGG3,XGG4の他方に対向するエアパッドの剛性を高くすることで、可動部材84を、剛性の高い方のエアパッドが対向する真直度が良い方のガイド面に沿って移動させることができる。
図30には、X軸駆動ユニットXD1(XD2)の第2の変形構成が示されている(ただし、ベースブロック62a、固定部材63、可動部材84については、便宜上上記第5の実施形態と同じ符号が付されている)。この図30の構成では、凹溝の−Y側には、その底面と側面とに前述のガイド面XGG3が形成されているが、凹溝の+Y側には、その底面にのみガイド面XGG4’が形成されている。そして、これらのガイド面XGG3、XGG4’にそれぞれ対向する軸受面を有するエアパッドXGP3,XGP4’が、可動部材84の底面に取り付けられている。この場合も、上記第1の変形例と同様にエアパッドXGP3が対向するガイド面XGG3に沿って、可動部材84を移動させることができる。
なお、ベースブロック62aの凹溝の両側面に平坦度の高いガイド面を形成することは一般に難しいので、ベースブロック62aを複数の分割部材を用いて構成して、凹溝の両側面にガイド面を設けることとしても良い。
なお、上記第5の実施形態では、2つのX軸駆動ユニットXD1,XD2が備えるリニアモータXDM1,XDM2のそれぞれにおいて、固定子(XD11、XD21)と可動子(XD12、XD22)との間に磁気吸引力が働き、その吸引力の鉛直方向成分が固定子側から可動子を引き上げる方向になっている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば上記第5の実施形態におけるリニアモータXDM1,XDM2のそれぞれで固定子(XD11、XD21)と可動子(XD12、XD22)との位置を入れ替えたような構成を採用しても良い。この場合には、固定子(XD11、XD21)と可動子(XD12、XD22)との間に、XステージSTXのX軸方向の駆動時に、磁気的な反発力(斥力)が働くようにし、その反発力(斥力)の鉛直方向成分が固定子側から可動子を押し上げる方向になるようにすれば良い。かかる場合にも、固定子(XD11、XD21)と可動子(XD12、XD22)との間に働く力の鉛直方向成分の合力を浮上力として利用することができ、上記第5の実施形態と同等の効果を得ることができる。この他、固定子(XD11、XD21)と可動子(XD12、XD22)との間に磁気力に加えてあるいは代えて、その他の吸引力(例えば真空吸引力など)、又は斥力(例えば気体の静圧など)が、少なくともXステージSTXのX軸方向の駆動時に働くようにしても良い。かかる場合にも、上記吸引力又は斥力の鉛直方向成分を浮上力として利用することができる。
なお、上記第5の実施形態では、YステージSTY上に基板Pが載置されたが、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるステージ装置のように、YステージSTYに対して6自由度方向に微少駆動される微動ステージを設け、その微動ステージ上に基板Pを載置しても良い。この場合、上記米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような重量キャンセル装置を設け、上記微動ステージを下方から支持しても良い。
なお、上記各実施形態に係る露光装置において、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、上記各実施形態では、投影光学系PLが、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
また、上記各実施形態に係る露光装置において、投影光学系は、投影光学系は、等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでも良いし、反射屈折系、反射系及び屈折系のいずれでも良い。また、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
なお、上記実施形態においては、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
なお、上記各実施形態に係る露光装置は、サイズ(外径、対角線、一辺の少なくとも1つを含む)が500mm以上の基板、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用の大型基板を露光する露光装置に対して適用することが特に有効である。
また、上記各実施形態は、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。また、特に、上記第5の実施形態は、例えば、静止型露光装置に適用することができる。
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。
なお、これまでの説明で引用した露光装置などに関する全ての公報、国際公開公報、米国特許出願公開明細書及び米国特許明細書の開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
《デバイス製造方法》
次に、上記各実施形態に係る露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。上記各実施形態に係る露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることができる。
〈パターン形成工程〉
まず、上記各実施形態に係る露光装置を用いて、パターン像を感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に形成する、いわゆる光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成される。
〈カラーフィルタ形成工程〉
次に、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列された、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。
〈セル組み立て工程〉
次に、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。例えば、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
〈モジュール組立工程〉
その後、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。
この場合、パターン形成工程において、上記各実施形態に係る露光装置を用いて高スループットかつ高精度でプレートの露光が行われるので、結果的に、液晶表示素子の生産性を向上させることができる。