JP2019175759A - 誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 - Google Patents
誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019175759A JP2019175759A JP2018064406A JP2018064406A JP2019175759A JP 2019175759 A JP2019175759 A JP 2019175759A JP 2018064406 A JP2018064406 A JP 2018064406A JP 2018064406 A JP2018064406 A JP 2018064406A JP 2019175759 A JP2019175759 A JP 2019175759A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating
- heating coil
- heated
- induction heating
- flange portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- General Induction Heating (AREA)
Abstract
【課題】フランジ部を含む被加熱物を容易かつ確実に着脱可能な誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法を提供する。【解決手段】筒状部、および、筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱するために用いられる誘導加熱装置であって、筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルと、フランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルと、を備える。【選択図】 図1
Description
本開示は、誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法に関する。
ポンプに用いられる軸継手や推力つばなどの、軸に装着される部材(軸装着部材)は、焼嵌めや焼外しにより、回転軸などの軸部材に着脱される。従来、軸装着部材の焼嵌めや焼外しは、バーナの燃焼により加熱するバーナ加熱により行われてきた。
しかし、バーナ加熱による焼嵌めや焼外しは、加熱要領、加熱時間および引抜きのタイミングなどにおいて、作業者の技量や経験に依存するものであった。バーナ加熱による軸装着部材の加熱が適切でないと以下の問題を生じる。すなわち、バーナ加熱による軸装着部材の加熱が十分でない場合には、嵌合部の隙間が確保できず、焼嵌めや焼外しが困難であるとともに、軸装着部材を引抜く際に軸装着部材や軸部材が噛り付く、いわゆる焼き付きが生じる虞がある。また、焼外し作業の際にバーナ加熱による軸装着部材の加熱が過剰である場合には、軸装着部材の焼嵌め部分が熱膨張する前に、軸部材に伝熱して軸部材が熱膨張する虞がある。この場合も嵌合部の隙間が確保できず、焼外しが困難となる。
ところで、高周波誘導加熱により配管の焼入れや焼なましなどの熱処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、導線が螺旋状に巻かれたコイルに、高周波電流を通電させることで配管の熱処理を行うことが開示されている。なお、特許文献1には、焼嵌めや焼外しの手法については開示されていない。
ここで、高周波誘導加熱とは、高周波電流を用いた電磁誘導により被加熱物を非接触で自己発熱させる方法である。高周波誘導加熱による加熱原理を以下に説明する。被加熱物の周囲に配置された加熱コイルに高周波電流(交流電流)を流すと、加熱コイルの周囲に交番磁界が発生する。該交番磁界下において導電体である被加熱物の内部で、該交番磁界を打ち消す原理、すなわち、電磁誘導により被加熱物の表面付近に高密度のうず電流が発生する。うず電流のジュール熱により被加熱物の表面が発熱する。
高周波誘導加熱により軸装着部材の焼嵌めや焼外しをする際には、誘導加熱装置として図8に示す構成が考えられる。図8は、比較例にかかる誘導加熱装置の構成を概略的に示す概略構成図である。図8に示す誘導加熱装置01は、被加熱物である軸装着部材02の焼外しをする際の構成である。軸装着部材02は、筒状部021と筒状部021よりも外径が大きいフランジ部022とを含む。軸装着部材02に形成された貫通孔023には、軸部材03が挿通されている。そして、軸装着部材02は、筒状部021の外周周りに装着された加熱コイル04に高周波電流が流されて、高周波誘導加熱により加熱される。
かかる誘導加熱装置01の場合、雰囲気温度に関わらず加熱コイル04により軸装着部材02(被加熱物)に対して一定の熱量を被加熱物表面近傍にのみ与えることができるので、バーナ加熱に比べて、急速加熱が可能である。急速加熱が可能であるので、誘導加熱装置01は、バーナ加熱に比べて、軸部材03の伝熱による温度上昇が抑制され、軸装着部材02と軸部材03との間の温度差を大きくできる。
焼外しを行うためには嵌合する部材(軸装着部材02,軸部材03)間の熱膨張差(温度差)を所定以上にする必要がある。しかし、加熱コイル04から加えられる熱量は、加熱コイル04と軸装着部材02との位置関係に依存するので、軸装着部材02の軸部材03に嵌合する部分に温度分布が発生し、軸装着部材02の引抜きが困難になる虞がある。図8に示す軸装着部材02においては、フランジ部022の内周側部分025、特に筒状部021から離れた内周縁部P1の温度上昇が、筒状部021の内周側部分024の温度上昇よりも遅れるので、軸装着部材02の引抜きが困難になる虞がある。また、図8に示す構成は焼外しに関するものであるが、高周波誘導加熱による軸装着部材の焼嵌めについても同様の問題が生じる虞がある。
上述した事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、フランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して容易かつ確実に着脱可能な誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態にかかる誘導加熱装置は、
筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱するために用いられる誘導加熱装置であって、
前記筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルと、
前記フランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルと、を備える。
筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱するために用いられる誘導加熱装置であって、
前記筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルと、
前記フランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルと、を備える。
上記(1)の構成によれば、誘導加熱装置は、被加熱物の筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルにより主に筒状部を、被加熱物のフランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルにより主にフランジ部を加熱することができる。このため、第1加熱コイルおよび第2加熱コイルにより被加熱物を加熱することで、軸部材に伝達される熱量が少ないうちに、筒状部の内周部分およびフランジ部の内周部分の温度を上昇させることができる。よって、上記の構成を備える誘導加熱装置によれば、被加熱物の軸部材に対する熱膨張量の差を大きくできるので、フランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して容易かつ確実に着脱可能である。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルに高周波電流を印加する高周波電源装置と、
前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルへの前記高周波電源装置からの前記高周波電流の通電を制御する制御装置と、をさらに備える。
前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルに高周波電流を印加する高周波電源装置と、
前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルへの前記高周波電源装置からの前記高周波電流の通電を制御する制御装置と、をさらに備える。
上記(2)の構成によれば、制御装置は、第1加熱コイルおよび第2加熱コイルへの高周波電源装置からの高周波電流の通電を制御することで、第1加熱コイルや第2加熱コイルの被加熱物に対する加熱を制御することができる。第1加熱コイルや第2加熱コイルの被加熱物に対する加熱を制御することで、軸部材に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部の内周部分および筒状部の内周部分の温度を上昇させることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記高周波電源装置と、前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルのうちの何れかと、を択一的に通電可能な切換装置をさらに備える。
前記高周波電源装置と、前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルのうちの何れかと、を択一的に通電可能な切換装置をさらに備える。
上記(3)の構成によれば、切換装置により高周波電源装置と、第1加熱コイルおよび第2加熱コイルのうちの何れかと、を択一的に通電可能であるので、一台の高周波電源装置により第1加熱コイルと第2加熱コイルの両方を加熱することができる。高周波電源装置を一台にできるので、誘導加熱装置の導入コストを抑制でき、且つ、誘導加熱装置の大型化を防止することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記高周波電源装置は、
前記第1加熱コイルに前記高周波電流を印加する第1高周波電源装置と、
前記第2加熱コイルに前記高周波電流を印加する第2高周波電源装置と、を含む。
前記高周波電源装置は、
前記第1加熱コイルに前記高周波電流を印加する第1高周波電源装置と、
前記第2加熱コイルに前記高周波電流を印加する第2高周波電源装置と、を含む。
上記(4)の構成によれば、加熱コイル毎に対応する高周波電源装置が設けられている。このため、上述した一台の高周波電源装置で複数の加熱コイルを加熱する場合とは異なり、複数の加熱コイルの加熱を同時的に行うことができる。複数の加熱コイルによる加熱を同時的に行うことで、一台の高周波電源装置で複数の加熱コイルを加熱する場合に比べて、筒状部の内周部分およびフランジ部の内周部分の温度を短時間で上昇をさせることができる。被加熱物の内周部分の温度を短時間で上昇をさせることで、被加熱物から軸部材に伝達される熱量を少なくでき、ひいては被加熱物の軸部材に対する熱膨張量の差を大きくすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の構成において、
前記第2加熱コイルは、前記フランジ部の外周周りに装着される部分が前記第1加熱コイルよりも巻き数が多い。
前記第2加熱コイルは、前記フランジ部の外周周りに装着される部分が前記第1加熱コイルよりも巻き数が多い。
筒状部よりも外径が大きいフランジ部は、筒状部よりも内周部分の温度を上昇させるのに時間がかかる。上記(5)の構成によれば、第2加熱コイルのフランジ部の外周周りに装着される部分の巻き数が、第1加熱コイルの筒状部の外周周りに装着される部分の巻き数よりも多い。このため、第2加熱コイルは、第1加熱コイルよりも多くの熱量を被加熱物に対して加えることにより、フランジ部の内周部分の温度を短時間で上昇させることができる。このような誘導加熱装置によれば、フランジ部の内周部分の温度を短時間で上昇をさせることで、被加熱物の筒状部やフランジ部から軸部材に伝達される熱量を少なくでき、ひいては被加熱物の軸部材に対する熱膨張量の差を大きくすることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記被加熱物は、ポンプの軸継手または推力つばの何れか一方である。
上記(6)の構成によれば、ポンプの軸継手または推力つばを軸部材に対して容易かつ確実に着脱可能である。
前記被加熱物は、ポンプの軸継手または推力つばの何れか一方である。
上記(6)の構成によれば、ポンプの軸継手または推力つばを軸部材に対して容易かつ確実に着脱可能である。
(7)本発明の少なくとも一実施形態にかかる誘導加熱による着脱方法は、
筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱する方法であって、
前記筒状部の外周周りに第1加熱コイルを装着するステップと、
前記フランジ部の外周周りに第2加熱コイルを装着するステップと、
前記第2加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第1加熱ステップと、
前記第1加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第2加熱ステップと、
前記第1加熱ステップおよび前記第2加熱ステップによって加熱された前記被加熱物を前記軸部材に対して着脱する着脱ステップと、を備える。
筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱する方法であって、
前記筒状部の外周周りに第1加熱コイルを装着するステップと、
前記フランジ部の外周周りに第2加熱コイルを装着するステップと、
前記第2加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第1加熱ステップと、
前記第1加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第2加熱ステップと、
前記第1加熱ステップおよび前記第2加熱ステップによって加熱された前記被加熱物を前記軸部材に対して着脱する着脱ステップと、を備える。
上記(7)の方法によれば、第1加熱ステップで、被加熱物のフランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルにより主にフランジ部を加熱することができる。また、第2加熱ステップで、被加熱物の筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルにより主に筒状部を加熱することができる。このため、第2加熱コイルおよび第1加熱コイルにより被加熱物を加熱することで、軸部材に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部の内周部分および筒状部の内周部分の温度を上昇させることができる。第1加熱ステップおよび第2加熱ステップにおいて、被加熱物の軸部材に対する熱膨張量の差を大きくできるので、着脱ステップでは、フランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して容易かつ確実に着脱可能である。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の方法において、
前記第1加熱ステップを前記第2加熱ステップよりも先に開始する。
上記(8)の方法によれば、筒状部よりも外径が大きいフランジ部は、外周部分から内周部分への熱伝達に時間がかかるのに対して、第1加熱ステップを第2加熱ステップよりも先に開始することで、フランジ部の内周部分と筒状部の内周部分に熱が伝達されるタイミングをあわせることができる。よって、上記の方法によれば、熱が伝達されるタイミングをあわせることで、被加熱物から軸部材に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部の内周部分および筒状部の内周部分の温度を上昇させることができる。
前記第1加熱ステップを前記第2加熱ステップよりも先に開始する。
上記(8)の方法によれば、筒状部よりも外径が大きいフランジ部は、外周部分から内周部分への熱伝達に時間がかかるのに対して、第1加熱ステップを第2加熱ステップよりも先に開始することで、フランジ部の内周部分と筒状部の内周部分に熱が伝達されるタイミングをあわせることができる。よって、上記の方法によれば、熱が伝達されるタイミングをあわせることで、被加熱物から軸部材に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部の内周部分および筒状部の内周部分の温度を上昇させることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、フランジ部を含む被加熱物を容易かつ確実に着脱可能な誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法を提供することにある。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」および「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」および「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態にかかる誘導加熱装置の構成を概略的に示す概略構成図である。図2は、図1に示した第1加熱コイルおよび第2加熱コイルを説明するための概略的な断面図である。図3は、図2に示した被加熱物について説明するための図であって、被加熱物が装着されたポンプの概略的な断面図である。図4は、一実施形態にかかる誘導加熱装置の構成を概略的に示す概略構成図である。ここで、図1〜4においては、焼外しをする際の構成を示しており、被加熱物2が軸部材3に対して装着されている。なお、図2、8、および後述する図6においては、説明の便宜上、被加熱物2の筒状部21とフランジ部22とを二点鎖線で区切って示しているが、筒状部21とフランジ部22とは一体的に形成されている。
図1〜4に示される幾つかの実施形態にかかる誘導加熱装置1(1A,1B)は、図1、4に示されるように、被加熱物2を、軸部材3に対して着脱するために用いられる装置である。該誘導加熱装置1は、図1、4に示されるように、第1加熱コイル4と、第2加熱コイル5と、高周波電源装置6と、制御装置7と、を備えている。
被加熱物2は、導電体であり、より詳細には磁性金属材料からなる。被加熱物2は、図1、2、4に示されるように、筒状部21、および筒状部21よりも外径が大きいフランジ部22を含む。より詳細には、被加熱物2は、図2に示されるように、被加熱物2の軸線A(図2参照)が延在する方向である軸線方向において、直径が段状に変化する段付き円筒状に形成されている。被加熱物2の筒状部21は、図2に示されるように、軸線方向に沿って延在する筒状に形成されている。被加熱物2のフランジ部22は、図2に示されるように、軸線方向に直交する方向に沿って延在するとともに、筒状部21よりも外径が大きい環状に形成されている。筒状部21とフランジ部22とは一定的に形成されている。また、被加熱物2には、軸線方向に沿って貫通する貫通孔23が内周側に形成されている。
第1加熱コイル4は、図1、2、4に示されるように、筒状部21の外周周りに装着される。より詳細には、第1加熱コイル4は、外周部が絶縁体により絶縁被覆された長尺状の導線であり、筒状部21の外周周りに、すなわち筒状部21に対して径方向外側の位置に、軸線方向に沿って螺旋状に巻き回されて筒状部21に装着される装着部41を有している。
第2加熱コイル5は、図1、2、4に示されるように、フランジ部22の外周周りに装着される。より詳細には、第2加熱コイル5は、外周部が絶縁体により絶縁被覆された長尺状の導線であり、フランジ部22の外周周りに、すなわちフランジ部22から径方向外側の位置に、軸線方向に沿って螺旋状に巻き回されてフランジ部22に装着される装着部51を有している。
高周波電源装置6は、図1、4に示されるように、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5に高周波電流RFを印加する装置である。図1、4に示される実施形態では、高周波電源装置6は、高周波電流RFを発生させる高周波発振器6Aと、高周波電流RFを好適な大きさに変流するための高周波変流器9と、を含む。
図1、4に示される実施形態では、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5の各々は、両端が高周波発振器6Aに接続されている。このため、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5は、高周波発振器6Aから高周波電流RFが印加されるように構成されている。第1加熱コイル4および第2加熱コイル5と、高周波発振器6Aと、の間には、高周波変流器9が接続されている。また、図1に示される実施形態では、上述した誘導加熱装置1は、高周波電源装置6と、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5のうちの何れかと、を択一的に通電可能な切換装置8をさらに備えている。該切換装置8は、高周波電源装置6と第1加熱コイル4との間、および高周波電源装置6と第2加熱コイル5との間に設けられている。
制御装置7は、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5への高周波電源装置6からの高周波電流RFの通電を制御する装置である。より詳細には、制御装置7は、高周波電源装置6に対して指示信号を送信することで、高周波電源装置6から第1加熱コイル4や第2加熱コイル5への高周波電流RFの通電量(出力)や周波数、通電のタイミングなどを制御する。また、図1に示される実施形態では、制御装置7は、切換装置8に対して指示信号を送信することで、高周波電源装置6からの高周波電流RFの通電先を、第1加熱コイル4と第2加熱コイル5の何れにするかを制御する。
制御装置7は、例えば図1に示されるように、高周波電源装置6や切換装置8に電気的に接続されている。「電気的に接続されている」とは、有線による物理的な接続だけでなく、無線による通信を含んでおり、接続された装置間における信号などの送受信が可能に構成されていることをいう。
制御装置7は、図1、4に示されるように、入出力装置71(入出力インターフェース、通信装置)、記憶装置72(ROM、RAM)、表示装置73(ディスプレイ)、演算装置74を含むマイクロコンピュータから構成されているが、一般的な構成および制御については適宜割愛することとする。制御装置7の入出力装置71、記憶装置72、表示装置73および演算装置74のそれぞれは、不図示のバスにより互いに電気的に接続されている。
制御装置7の入出力装置71は、誘導加熱装置1において用いられる各構成要素(高周波電源装置6など)からの各種情報が入力され、且つ、演算結果などに基づく各種情報を上述した各構成要素に出力する。また、入出力装置71は、キーボードやマウス、無線通信装置などを含んでいる。記憶装置72は、入力された各種情報や制御実施のために必要な各種プログラムや演算結果などを記憶可能に構成されている。演算装置74は、上述した各種情報に基づいて演算処理を行う。表示装置73は、入力された各種情報や上述した演算装置74による演算結果などの情報を表示する。
被加熱物2は、焼嵌めや焼外しにより軸部材3に着脱される。つまり、被加熱物2は、焼嵌めにより軸部材3に装着される。また、被加熱物2は、焼外しにより軸部材3から取外される。より詳細には、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5により加熱して、被加熱物2の貫通孔23を軸部材3に対して緩く挿通可能とすることで、被加熱物2を軸部材3に対して装着したり、取外したりすることができる。また、被加熱物2を軸部材3に対して装着した状態で被加熱物2が冷えると、被加熱物2の貫通孔23が収縮するので、被加熱物2は軸部材3に対して固く嵌合される。
上述したように、高周波誘導加熱とは、高周波電流を用いた電磁誘導により被加熱物を非接触で自己発熱させる方法である。被加熱物2の外周周りに配置された第1加熱コイル4や第2加熱コイル5に対して、高周波電源装置6により高周波電流RFを流すと、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5の周囲に不図示の交番磁界が発生する。該交番磁界下において導電体である被加熱物2の内部で電位差が生じ、電磁誘導により被加熱物2の表面付近に高密度のうず電流(不図示)が発生する。うず電流のジュール熱により被加熱物2の表面が発熱する。
以下、説明の便宜上、被加熱物2には、図2中二点鎖線で示されるような、軸線方向における筒状部21とフランジ部22との間を区切る仮想面28であって、軸線方向に対して直交する方向に延在する環状の仮想面28が形成されているとする。筒状部21とフランジ部22は、仮想面28を介して軸線方向における一端同士が互いに接続されている。
被加熱物2は、筒状部21の外周周りに装着された第1加熱コイル4に高周波電流RFを流すことで、筒状部21の外周面261を含む外周側表層である外周部分26が発熱する。筒状部21の外周部分26で生じた熱は、筒状部21の内周面241を含む内周側表層である内周部分24に伝達される。このため、第1加熱コイル4により筒状部21の内周部分24の温度を急速に上昇させることができる。この際、筒状部21の外周部分26で生じた熱の一部は、仮想面28を介してフランジ部22に伝達される。よって、内周部分24は、軸線方向におけるフランジ部22に隣接した側が、フランジ部22から離れた側よりも温度の上昇速度が遅い傾向がある。
また、被加熱物2は、フランジ部22の外周周りに装着された第2加熱コイル5に高周波電流RFを流すことで、フランジ部22の外周面271を含む外周側表層である外周部分27が発熱する。フランジ部22の外周部分27で生じた熱は、フランジ部22の内周面251を含む内周側表層である内周部分25に伝達される。このため、第2加熱コイル5によりフランジ部22の内周部分25の温度を急速に上昇させることができる。この際、フランジ部22の外周部分27で生じた熱の一部は、仮想面28を介して筒状部21に伝達される。よって、内周部分25は、軸線方向における筒状部21に隣接した側が、筒状部21から離れた側よりも温度の上昇速度が遅い傾向がある。
被加熱物2を第1加熱コイル4および第2加熱コイル5の両方で加熱することにより、被加熱物2の内周部分24や内周部分25の温度を急速に上昇させることができる。このため、内周部分24又は内周部分25から軸部材3に伝達される熱量が少ないうちに、筒状部21の内周部分24およびフランジ部22の内周部分25の温度を上昇させることができる。また、被加熱物2を第1加熱コイル4および第2加熱コイル5の両方で加熱することにより、第1加熱コイル4または第2加熱コイル5の何れか一方を用いて加熱する場合に比べて、被加熱物2の内周部分20(内周部分24,25)における温度のばらつきを抑制することができる。
幾つかの実施形態にかかる誘導加熱装置1は、上述した第1加熱コイル4と、上述した第2加熱コイル5と、を備えている。
上記の構成によれば、誘導加熱装置1は、被加熱物2の筒状部21の外周周りに装着される第1加熱コイル4により主に筒状部21を、被加熱物2のフランジ部22の外周周りに装着される第2加熱コイル5により主にフランジ部22を加熱することができる。このため、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5により被加熱物2を加熱することで、軸部材3に伝達される熱量が少ないうちに、筒状部21の内周部分24およびフランジ部22の内周部分25の温度を上昇させることができる。よって、上記の構成を備える誘導加熱装置1によれば、被加熱物2の軸部材3に対する熱膨張量の差を大きくできるので、フランジ部22を含む被加熱物2を軸部材3に対して容易かつ確実に着脱可能である。
幾つかの実施形態では、上述した誘導加熱装置1は、上述した高周波電源装置6と、上述した制御装置7と、をさらに備えている。この場合には、制御装置7は、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5への高周波電源装置6からの高周波電流の通電を制御することで、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5の被加熱物2に対する加熱を制御することができる。第1加熱コイル4や第2加熱コイル5の被加熱物2に対する加熱を制御することで、軸部材3に伝達される熱量が少ないうちに、筒状部21の内周部分24およびフランジ部22の内周部分25の温度を上昇させることができる。
幾つかの実施形態では、上述した誘導加熱装置1は、図1に示されるように、高周波電源装置6と、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5のうちの何れかと、を択一的に通電可能な上述した切換装置8をさらに備えている。
上記の構成によれば、切換装置8により高周波電源装置6と、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5のうちの何れかと、を択一的に通電可能であるので、一台の高周波電源装置6により第1加熱コイル4と第2加熱コイル5の両方を加熱することができる。高周波電源装置6を一台にできるので、誘導加熱装置1の導入コストを抑制でき、且つ、誘導加熱装置1の大型化を防止することができる。
幾つかの実施形態では、上述した高周波電源装置6は、図4に示されるように、第1加熱コイル4に高周波電流を印加する第1高周波電源装置61と、第2加熱コイル5に高周波電流を印加する第2高周波電源装置62と、を含む。図示される実施形態では、第1高周波電源装置61は、第1加熱コイル4の両端に接続される第1高周波発振器61Aと、第1高周波発振器61Aと第1加熱コイル4の装着部41との間に設けられる第1高周波変流器91と、を含む。また、第2高周波電源装置62は、第2加熱コイル5の両端に接続される第2高周波発振器62Aと、第2高周波発振器62Aと第2加熱コイル5の装着部51との間に設けられる第2高周波変流器92と、を含む。
上記の構成によれば、加熱コイル(第1加熱コイル4,第2加熱コイル5)毎に対応する高周波電源装置6(第1高周波電源装置61,第2高周波電源装置62)が設けられている。このため、上述した一台の高周波電源装置6で複数の加熱コイルを加熱する場合とは異なり、複数の加熱コイルの加熱を同時的に行うことができる。複数の加熱コイルによる加熱を同時的に行うことで、一台の高周波電源装置6で複数の加熱コイルを加熱する場合に比べて、筒状部21の内周部分24およびフランジ部22の内周部分25の温度を短時間で上昇をさせることができる。被加熱物2の内周部分20の温度を短時間で上昇をさせることで、被加熱物2から軸部材3に伝達される熱量を少なくでき、ひいては被加熱物2の軸部材3に対する熱膨張量の差を大きくすることができる。
幾つかの実施形態では、上述した誘導加熱装置1は、図1、4に示されるように、第1加熱コイル4および第2加熱コイル5の内部に、冷却水や空気などの流体を循環させるための流体循環装置10をさらに備えている。図4に示される実施形態では、流体循環装置10は、第1加熱コイル4の内部に冷却水や空気などの流体を循環させるための第1流体循環装置13と、第2加熱コイル5の内部に冷却水や空気などの流体を循環させるための第1流体循環装置14と、を含む。第1加熱コイル4や第2加熱コイル5は、導線が中空筒状に形成されており、内部に流体が循環可能になっている。ここで、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5は、高周波電流RFが流れることで発生する熱や、被加熱物2からの輻射熱による昇温する。上述した流体循環装置10により、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5の内部に流体を循環させることで、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5の昇温を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、上述した第2加熱コイル5は、フランジ部22の外周周りに装着される部分である装着部51の巻き数が、第1加熱コイル4の筒状部21の外周周りに装着される部分である装着部41の巻き数よりも多い。図示される実施形態では、第2加熱コイル5の装着部51の巻き数が二段であるのに対して、第1加熱コイル4の装着部41の巻き数は一段である。
筒状部21よりも外径が大きいフランジ部22は、筒状部21よりも外周部分から内周部分に熱が伝達するのに時間がかかるので、筒状部21よりも内周部分の温度を上昇させるのに時間がかかる。上記の構成によれば、第2加熱コイル5のフランジ部22の外周周りに装着される部分(装着部51)の巻き数が、第1加熱コイル4の筒状部21の外周周りに装着される部分(装着部41)の巻き数よりも多い。このため、第2加熱コイル5は、第1加熱コイル4よりも多くの熱量を被加熱物に対して加えることにより、フランジ部22の内周部分25の温度を短時間で上昇させることができる。このような誘導加熱装置1によれば、フランジ部22の内周部分25の温度を短時間で上昇をさせることで、被加熱物2の筒状部21やフランジ部22から軸部材3に伝達される熱量を少なくでき、ひいては被加熱物2の軸部材3に対する熱膨張量の差を大きくすることができる。
幾つかの実施形態では、上述した被加熱物2は、図3に示されるように、ポンプ11の軸継手2Aである。図示される実施形態では、軸部材3は、原子力ポンプや火力ポンプなどのポンプ11の内部に収納されるとともに、外周周りに装着された羽根車12とともに回転可能に支持される回転軸3Aである。軸継手2Aは、回転軸3Aに装着される。この場合には、誘導加熱装置1により、ポンプ11の軸継手2Aを回転軸3A(軸部材3)に対して容易かつ確実に着脱可能である。
また、他の幾つかの実施形態では、上述した被加熱物2は、図3に示されるように、ポンプ11の推力つば2Bである。図示される実施形態では、推力つば2Bは、上述した回転軸3Aに装着される。この場合には、誘導加熱装置1により、ポンプ11の推力つば2Bを回転軸3A(軸部材3)に対して容易かつ確実に着脱可能である。
また、他の幾つかの実施形態では、上述した被加熱物2は、ポンプ11の回転軸3Aを支持する不図示の軸受である。上述した幾つかの実施形態では、被加熱物2は、ポンプ11の回転軸3Aに装着される、軸継手2Aなどの軸装着部材であったが、回転軸3A以外の軸部材3に装着されてもよい。ただし、ポンプ11は、火気の使用がきわめて制限される発電所内に設置されるので、ポンプ11の回転軸3Aに装着される被加熱物2は、上述した実施形態が好適に使用される。
なお、上述した幾つかの実施形態では、被加熱物2は導電体であり、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5から被加熱物2が直接加熱される直接加熱方式であったが、被加熱物2は絶縁体であってもよい。この場合には、被加熱物2の外周に巻き付けられた導電体を、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5が加熱し、該導電体から伝熱される熱により被加熱物2が加熱される、いわゆる間接加熱方式により被加熱物2を加熱してもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、例えば図2に示されるように、第1加熱コイル4や第2加熱コイル5は、被加熱物2に密着して設けられているが、被加熱物2との間に間隔をあけて配置されてもよい。幾つかの実施形態では、後述する図6に示されるように、第1加熱コイル4と被加熱物2の筒状部21との間に、第1絶縁部材15を設けてもよいし、第2加熱コイル5と被加熱物2のフランジ部22の間に、第2絶縁部材16を設けてもよい。
以下、誘導加熱による着脱方法について説明する。誘導加熱による着脱方法とは、例えば、図2に示されるような上述した筒状部21およびフランジ部22を含む被加熱物2を軸部材3に対して着脱する方法である。
図5は、一実施形態にかかる誘導加熱による着脱方法の一例を示すフロー図である。図5に示されるように、幾つかの実施形態にかかる誘導加熱による着脱方法100は、筒状部21の外周周りに第1加熱コイル4を装着するステップS101と、フランジ部22の外周周りに第2加熱コイル5を装着するステップS102と、第2加熱コイル5に高周波電流RFを印加して被加熱物2を加熱する第1加熱ステップS103と、第1加熱コイル4に高周波電流RFを印加して被加熱物2を加熱する第2加熱ステップS104と、第1加熱ステップS103および第2加熱ステップS104によって加熱された被加熱物2を軸部材3に対して着脱する着脱ステップS105と、を備えている。
第1加熱ステップS103では、高周波電源装置6から第2加熱コイル5に高周波電流RFを流し、高周波誘導加熱により被加熱物2のフランジ部22を加熱する。一方、第2加熱ステップS104では、高周波電源装置6から第1加熱コイル4に高周波電流RFを流し、高周波誘導加熱により被加熱物2の筒状部21を加熱する。
着脱ステップS105は、図5に示されるように、被加熱物2を軸部材3に装着するステップS105A、または被加熱物2を軸部材3から取外すステップS105B、のうちの何れか一方を含む。なお、着脱ステップS105では、手動で被加熱物2を着脱してもよいし、機械により被加熱物2を着脱してもよい。
上記の方法によれば、第1加熱ステップS103で、被加熱物2のフランジ部22の外周周りに装着された第2加熱コイル5により、被加熱物2の主にフランジ部22が加熱される。また、第2加熱ステップS104で、被加熱物2の筒状部21の外周周りに装着された第1加熱コイル4により、被加熱物2の主に筒状部21が加熱される。このため、第2加熱コイル5および第1加熱コイル4により被加熱物2を加熱することで、被加熱物2から軸部材3に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部22の内周部分25および筒状部21の内周部分24の両方の温度を上昇させることができる。このため、第1加熱ステップS103および第2加熱ステップS104において、被加熱物2の軸部材3に対する熱膨張量の差を大きくできるので、第1加熱ステップS103や第2加熱ステップS104よりも後に行われる着脱ステップS105では、フランジ部22および筒状部21を含む被加熱物2を軸部材3に対して容易かつ確実に着脱可能である。
なお、第1加熱コイル4を装着するステップS101と、第2加熱コイル5を装着するステップS102とは、何れが先に行われてもよいし、二つのステップが同時的に行われてもよい。また、第1加熱ステップS103と、第2加熱ステップS104とは、何れを先に開始してもよいし、何れを先に終了してもよい。また、第1加熱ステップS103と、第2加熱ステップS104とは、何れか一方を後に開始して、他方より先に終了してもよい。また、第1加熱ステップS103と、第2加熱ステップS104とは、ステップにおける一部又は全体が、同時的に行われてもよい。
幾つかの実施形態では、図5に示されるように、第1加熱ステップS103を第2加熱ステップS104よりも先に開始する。この場合には、筒状部21よりも外径が大きいフランジ部22は、外周部分27から内周部分25への熱伝達に時間がかかるのに対して、第1加熱ステップS103を第2加熱ステップS104よりも先に開始することで、フランジ部22の内周部分25と筒状部21の内周部分24に熱が伝達されるタイミングをあわせることができる。よって、上記の方法によれば、熱が伝達されるタイミングをあわせることで、被加熱物2から軸部材3に伝達される熱量が少ないうちに、フランジ部22の内周部分25および筒状部21の内周部分24の温度を上昇させることができる。
(実施例)
上述した幾つかの実施形態にかかる誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法の実施例を説明する。図6は、実施例にかかる誘導加熱装置の構成を概略的に示す概略構成図である。図7は、実施例にかかる誘導加熱装置により被加熱物を加熱した際の、被加熱物の温度推移を示したグラフである。
実施例にかかる誘導加熱装置1(1C)は、図6に示されるように、上述した推力つば2B(被加熱物2)を回転軸3A(軸部材3)に対して着脱するために用いられるものであって、上述した第1加熱コイル4と、上述した第2加熱コイル5と、を備えている。第1加熱コイル4は、筒状部21の外周に巻き付けられた第1絶縁部材15の外周周りに装着されている。また、第2加熱コイル5は、フランジ部22の外周に巻き付けられた第2絶縁部材16の外周周りに装着されている。
上述した幾つかの実施形態にかかる誘導加熱装置、および誘導加熱による着脱方法の実施例を説明する。図6は、実施例にかかる誘導加熱装置の構成を概略的に示す概略構成図である。図7は、実施例にかかる誘導加熱装置により被加熱物を加熱した際の、被加熱物の温度推移を示したグラフである。
実施例にかかる誘導加熱装置1(1C)は、図6に示されるように、上述した推力つば2B(被加熱物2)を回転軸3A(軸部材3)に対して着脱するために用いられるものであって、上述した第1加熱コイル4と、上述した第2加熱コイル5と、を備えている。第1加熱コイル4は、筒状部21の外周に巻き付けられた第1絶縁部材15の外周周りに装着されている。また、第2加熱コイル5は、フランジ部22の外周に巻き付けられた第2絶縁部材16の外周周りに装着されている。
実施例にかかる誘導加熱装置1(1C)は、上述した高周波電源装置6(高周波発振器6Aおよび高周波変流器9)と、上述した制御装置7と、上述した切換装置8と、を備えている。
本実施例では、図7における期間T1中に第2加熱コイル5による被加熱物2の加熱を行い、期間T1の経過後の、期間T2中に第1加熱コイル4による被加熱物2の加熱を行った。すなわち、制御装置7により切換装置8における切り換えを制御し、第2加熱コイル5による加熱を行った後に第1加熱コイル4による加熱を行った。
本実施例では、被加熱物2は当該鋼材の機械的特性が変わらない加熱温度を400〜500℃を加熱上限として設定した。幾つかの実施形態でも材料の機械的特性が変わらない範囲で加熱上限温度を設定して加熱を行う。
被加熱物2の外面に温度計を取付け、上述した被加熱物2の加熱中、および加熱後の温度を計測した。図6におけるTC1〜TC6は、温度計が装着された位置を示している。位置TC1は、筒状部21の外周面261の、軸線方向におけるフランジ部22から離れた側の縁である。位置TC2は、筒状部21の外周面261の、軸線方向における中央である。位置TC3は、筒状部21の外周面261の、軸線方向におけるフランジ部22に隣接する側の縁である。位置TC4は、フランジ部22の筒状部21側とは反対側の端面の、径方向における中央である。位置TC5は、フランジ部22の外周面271の、軸線方向における中央である。位置TC6は、フランジ部22の筒状部21側とは反対側の端面の、径方向における内周側である。位置TC3と位置TC6は、被加熱物2の軸線から互いに同等の距離に位置している。
図8における横軸は、加熱を開始してからの時間(秒)を示している。図8における縦軸は、温度計が検出した温度(℃)を示している。図8の期間T1に示されるように、第2加熱コイル5による加熱により、フランジ部22の外周面271に位置する位置TC5における温度が急激に上昇する。フランジ部22の外周部分27から熱が伝達することで、位置TC4、TC6、TC3の順に温度が上昇する。期間T1中における位置TC3の温度と、位置TC6の温度と、を比較すると、筒状部21側である位置TC3の方が、筒状部21から離れた側にある位置TC6よりも温度上昇が緩やかである。
図8の期間T2に示されるように、第1加熱コイル4による加熱により、筒状部21の外周面261に位置する位置TC1〜TC3の温度が上昇する。この際、位置TC3における温度上昇は、位置TC1、TC2に比べて緩やかである。また、位置TC6における温度は、期間T2中も上昇している。
図8の期間T2の経過後は、熱が伝達されることで、位置TC1やTC2における温度が低下する。これに伴い、位置TC3における温度が緩やかに低下して位置TC6における温度と同程度の温度になる。
図8に示されるように、フランジ部22の筒状部21側に位置する位置TC3と、フランジ部22の筒状部21側に位置する位置TC6と、が似たような温度上昇傾向を示している。上述したように、位置TC3とTC6は、被加熱物2の軸線から互いに同等の距離に位置している。このため、フランジ部22の内周部分25の、筒状部21に近接する側と筒状部21から離れた側についても互いに似たような温度上昇傾向を示していると推認される。本実施例のように、フランジ部22の内周部分25における温度上昇のタイミングをあわせることで、フランジ部22を含む被加熱物2を軸部材3に対して容易かつ確実に着脱することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 誘導加熱装置
2 被加熱物
2A 軸継手
2B 推力つば
3 軸部材
3A 回転軸
4 第1加熱コイル
5 第2加熱コイル
6 高周波電源装置
6A 高周波発振器
7 制御装置
8 切換装置
9 高周波変流器
10 流体循環装置
11 ポンプ
12 羽根車
13 第1流体循環装置
14 第2流体循環装置
15 第1絶縁部材
16 第2絶縁部材
20,24,25 内周部分
21 筒状部
22 フランジ部
23 貫通孔
26,27 外周部分
28 仮想面
41,51 装着部
100 誘導加熱による着脱方法
A 軸線
RF 高周波電流
2 被加熱物
2A 軸継手
2B 推力つば
3 軸部材
3A 回転軸
4 第1加熱コイル
5 第2加熱コイル
6 高周波電源装置
6A 高周波発振器
7 制御装置
8 切換装置
9 高周波変流器
10 流体循環装置
11 ポンプ
12 羽根車
13 第1流体循環装置
14 第2流体循環装置
15 第1絶縁部材
16 第2絶縁部材
20,24,25 内周部分
21 筒状部
22 フランジ部
23 貫通孔
26,27 外周部分
28 仮想面
41,51 装着部
100 誘導加熱による着脱方法
A 軸線
RF 高周波電流
Claims (8)
- 筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱するために用いられる誘導加熱装置であって、
前記筒状部の外周周りに装着される第1加熱コイルと、
前記フランジ部の外周周りに装着される第2加熱コイルと、を備える誘導加熱装置。 - 前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルに高周波電流を印加する高周波電源装置と、
前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルへの前記高周波電源装置からの前記高周波電流の通電を制御する制御装置と、をさらに備える請求項1に記載の誘導加熱装置。 - 前記高周波電源装置と、前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルのうちの何れかと、を択一的に通電可能な切換装置をさらに備える請求項2に記載の誘導加熱装置。
- 前記高周波電源装置は、
前記第1加熱コイルに前記高周波電流を印加する第1高周波電源装置と、
前記第2加熱コイルに前記高周波電流を印加する第2高周波電源装置と、を含む請求項2に記載の誘導加熱装置。 - 前記第2加熱コイルは、前記フランジ部の外周周りに装着される部分が前記第1加熱コイルよりも巻き数が多い請求項1乃至4の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
- 前記被加熱物は、ポンプの軸継手または推力つばの何れか一方である請求項1乃至5の何れか1項に記載の誘導加熱装置。
- 筒状部、および、前記筒状部よりも外径が大きいフランジ部を含む被加熱物を軸部材に対して着脱する方法であって、
前記筒状部の外周周りに第1加熱コイルを装着するステップと、
前記フランジ部の外周周りに第2加熱コイルを装着するステップと、
前記第2加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第1加熱ステップと、
前記第1加熱コイルに高周波電流を印加して前記被加熱物を加熱する第2加熱ステップと、
前記第1加熱ステップおよび前記第2加熱ステップによって加熱された前記被加熱物を前記軸部材に対して着脱する着脱ステップと、を備える誘導加熱による着脱方法。 - 前記第1加熱ステップを前記第2加熱ステップよりも先に開始する請求項7に記載の誘導加熱による着脱方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018064406A JP2019175759A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018064406A JP2019175759A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019175759A true JP2019175759A (ja) | 2019-10-10 |
Family
ID=68167285
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018064406A Pending JP2019175759A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019175759A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102437571B1 (ko) * | 2021-12-07 | 2022-08-29 | 한전케이피에스 주식회사 | 펌프 터빈 샤프트 너트 잭 가열유도장치 |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018064406A patent/JP2019175759A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102437571B1 (ko) * | 2021-12-07 | 2022-08-29 | 한전케이피에스 주식회사 | 펌프 터빈 샤프트 너트 잭 가열유도장치 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| RU2671394C1 (ru) | Способ и устройство для демонтажа и монтажа кольцевого бандажа | |
| CN105557066B (zh) | 感应加热线圈和感应加热装置以及加热方法 | |
| EP1978112B1 (en) | Systems and methods for providing localized heat treatment of gas turbine components | |
| JP2017144728A (ja) | 熱可塑性複合材管の誘導加熱及び曲げ加工の装置並びにその使用法 | |
| JP2016047549A (ja) | 摩擦攪拌接合装置 | |
| CN100459818C (zh) | 内径表面感应加热线圈 | |
| JP2019175759A (ja) | 誘導加熱装置および誘導加熱による着脱方法 | |
| CN113136618A (zh) | 一种单晶炉热场及单晶炉 | |
| KR101838110B1 (ko) | 발전기 리테이닝 링의 유도가열 시스템 | |
| JP5795058B2 (ja) | ワーク、特にころがり軸受を加熱する装置 | |
| JP2008118731A (ja) | ステータコイル及びコアの加熱装置および加熱方法 | |
| JP4877579B2 (ja) | 回転子の製造方法とこの方法により製造された回転子およびこの回転子を用いたモータ | |
| US10794201B2 (en) | Method for assembling turbomachine parts and assembly used during such a method | |
| JP2007152517A (ja) | ロータ加熱装置およびロータの製造方法 | |
| JP5896106B2 (ja) | 高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法 | |
| JP2014162936A (ja) | 熱処理方法、加熱炉 | |
| CN107249227B (zh) | 一种电机油封热套的加热装置及加热方法 | |
| JP5586159B2 (ja) | 工具ホルダーの誘導加熱による工具の締付けおよび取外しのための装置 | |
| JP7106856B2 (ja) | コアの焼鈍方法、およびコア焼鈍システム | |
| JP6451108B2 (ja) | 高周波誘導加熱装置 | |
| CN205792087U (zh) | 铁芯与转轴的压接工装 | |
| JP2007253230A (ja) | ダイカストマシン用高周波誘導加熱装置 | |
| JP2005174671A (ja) | 高周波誘導加熱コイル | |
| JP2010125516A (ja) | 保温スリーブ | |
| JP6495772B2 (ja) | 回転電機の組立方法および回転電機のステータコイルエンドろう付け装置 |