JP2019173171A - ステンレス鋼の熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のステンレス鋼の熱処理方法においては、主としてステンレス鋼の硬度を高くすることを目的として、まず、ステンレス鋼の表面に窒素を固溶させる。このときに、窒化物および炭化物、すなわち、ステンレス鋼を構成するクロムと、窒素や炭素との化合物を、実質的に形成しないようにする。窒化物、炭化物が生成されると、それによる硬度の上昇は期待されるが、ステンレス鋼の特長であるところの、クロムによる不働態被膜の形成が妨げられることになり、その分だけ耐食性の低下を招くためである。窒素が固溶されていると、何らかの理由によって不働態被膜が破壊されてしまった場合でも、その固溶している窒素が不動態被膜の修復を促進することからも、素材のステンレス鋼を上回る耐食性を達成することができる。
ステンレス鋼がマルテンサイト系ステンレス鋼である場合には、高温での熱処理が終了したなら、その後に温度を下げたうえで、対象物を炉内から取り出す。そして、対象物を専用の設備に搬入して、0℃以下の温度で処理を行う。この処理を行うことで、対象物に所要の硬度を付与し、使用時の変寸を抑制することができる。具体的には、数十分程度の時間をかけて、炉内温度をマイナス数十℃程度まで低下させる。その後は、あまり長時間をおかずに、対象物の取り出しを行う。より詳細には、処理空間内に窒素を導入し、その圧力を1×105Pa程度とし、たとえば温度−75℃、時間60分程度で処理を行う。
サブゼロ処理が終了したなら、次に焼戻し熱処理を行う。この焼戻し熱処理を実施することによっても、ステンレス鋼の耐食性を向上させることができる。焼戻し熱処理に際しては、その処理温度を450℃以下とする。450℃を超えると、窒化物が形成されることで耐食性が低下するなどの弊害が生じる。具体的な処理温度は、処理対象物の材質や、製品に必要とされる性能などに応じて、適宜に変更することができる。処理炉は、一般的な大気炉を用いることができる。処理時間も、処理対象物の材質や、製品に必要とされる性能などに応じて、適宜に変更することができるが、一般的には数時間程度が好適である。処理後は、大気中で放冷する。
以上の処理をチャート化すると、図1に示すようになる。図1は、対象をマルテンサイト系ステンレス鋼としてサブゼロ処理を行う場合を示している。対象がフェライト系ステンレス鋼である場合には、サブゼロ処理が省略される場合と、同様にサブゼロ処理が実施される場合とがある。
本発明の方法による熱処理を施したステンレス鋼は、マルテンサイト鋼であっても、またフェライト鋼であっても、硬度と耐食性とを兼備することができる。
JIS G4303に規定されるSUS420J2マルテンサイト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては300℃と850℃とにおいて一時的に温度保持して、段階的に1100℃に到達させた。そして、1100℃で273分間保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために104Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために104Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
実施例1と比べて、1100℃で保持する時間を435分に変更し、また焼戻し温度を160℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度700以上、孔食電位0.24V以上を達成することができた。
実施例2と比べて、1100℃で保持する時間を595分に変更した。そして、それ以外は実施例2と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度700以上、孔食電位0.28V以上を達成することができた。
実施例1と比べて、本来の固溶処理の際の炉内の窒素圧力を2.0×105Paに変更した。そして、それ以外は実施例1と同じとして、処理を行った。その結果、十分な固溶処理が行われて、マイクロビッカース硬度700以上を達成することができた。
JISに規定されるSUS430フェライト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては850℃において一時的に温度保持したうえで1100℃に到達させた。そして、1100℃で215分保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために104Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために104Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
実施例5と比べて、熱処理温度を1150℃に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、対象フェライト鋼の表面マイクロビッカース硬度650以上を達成することができた。
実施例5と比べて、処理時間を335分に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、実施例5と比べて処理時間を長くしたことで、その分だけ十分な拡散処理を行うことが可能であった。対象フェライト鋼の表面マイクロビッカース硬度500以上を達成することができた。孔食電位は、実施例5の0.3Vを0.47V以上に向上させることができた。
本来の固溶処理の際の炉内の窒素圧力を実施例6と比べて低く設定した。そして、それ以外は実施例6と同じとして、処理を行った。その結果、十分な固溶処理が行われて、マイクロビッカース硬度600以上を達成することができた。
実施例5と比べて、熱処理温度を1200℃に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度650以上を達成することができた。
JISに規定されるSUS430フェライト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては300℃と850℃とにおいて一時的に温度保持したうえで1100℃に到達させた。そして、1100℃で335分保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために104Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために104Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
Claims (2)
- マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で240〜800分保持し、そのときの炉内圧力を1×104〜3×105Paとし、
その後に0℃以下の温度まで冷却し、
さらに、その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とするステンレス鋼の熱処理方法。 - フェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で180〜600分保持し、そのときの炉内圧力を1×104〜3×105Paとし、
その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とするステンレス鋼の熱処理方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2018059116 | 2018-03-27 | ||
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|---|---|
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| JP2019059543A Pending JP2019173171A (ja) | 2018-03-27 | 2019-03-27 | ステンレス鋼の熱処理方法 |
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| JP (1) | JP2019173171A (ja) |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH07278762A (ja) * | 1994-04-06 | 1995-10-24 | Fag Kugelfischer Georg Schaefer Ag | 窒素肌焼き用ステンレス鋼 |
| JP2007321198A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Nano Gijutsu Kenkyusho:Kk | 表面硬化遷移金属及びその製造方法 |
| JP2010138425A (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-24 | Minebea Co Ltd | マルテンサイト系ステンレス鋼 |
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| WO2017150738A1 (ja) * | 2016-03-04 | 2017-09-08 | 日立金属株式会社 | ステンレス鋼部材およびその製造方法、ならびに、ステンレス鋼部品およびその製造方法 |
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