JP2019168593A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着強度と耐久寿命とを両立できる定着装置を提供する。【解決手段】ニップ形成部材60は、ニップ部の出口側に、対向回転体56に向かって凸に湾曲する形状の凸曲面を有している。凸曲面に沿って湾曲する定着ベルト54の湾曲長さが0mm超1.3mm以下である。【選択図】図2
Description
本開示は、定着装置に関する。
従来の定着装置に関し、特開2001−356625号公報(特許文献1)には、定着ローラとエンドレスベルト、およびエンドレスベルトを介して定着ローラに押圧される圧力パッドとを備え、定着ローラの外周面形状に対し突出させた剥離ニップ部材によりニップ部の出口付近において定着ローラの歪みが局所的に大きくなるようにした構成が開示されている。
本発明者は、定着強度の向上を目的として定着パッドのニップ部の出口側を凸形状とした場合に、定着ベルトの耐久寿命が短くなる課題を見出した。
それゆえに、本開示では、定着強度と耐久寿命とを両立できる定着装置が提供される。
定着装置の技術分野においては、定着強度を高くするためにニップ部の出口の凸形状の曲面部の経路長は大きいほど良いと考えられていた。本発明者が鋭意検討した結果、ニップ部の出口を凸形状にすると、経時後に定着ベルトの表層摩耗が大きくなることで定着ベルトの耐久寿命が短くなるという新たな知見を得た。本発明者はさらに、所定の印刷枚数に対して定着ベルトの表層摩耗を一定以下に抑えるための検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本開示に係る定着装置は、回転可能な無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加熱する加熱源と、定着ベルトの内周側に配設されたニップ形成部材と、定着ベルトを介してニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを備えている。ニップ形成部材は、ニップ部の出口側に、対向回転体に向かって凸に湾曲する形状の凸曲面を有している。凸曲面に沿って湾曲する定着ベルトの湾曲長さが0mm超1.3mm以下である。
上記の定着装置において、凸曲面の経路長が1.0mm以下であってもよい。
上記の定着装置において、凸曲面は、円弧面形状であってもよい。
上記の定着装置において、凸曲面は、円弧面形状であってもよい。
上記の定着装置において、凸曲面の曲率半径は1mm以下であってもよい。
本開示に係る定着装置によれば、定着強度と耐久寿命とを両立することができる。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。
(画像形成装置100の構成)
図1は、実施の形態に係る画像形成装置100を示す概略図である。図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi−Functional Peripheral)であってもよい。
図1は、実施の形態に係る画像形成装置100を示す概略図である。図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi−Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、筐体80と、制御装置101とを主に備えている。
筐体80は、画像形成装置100の外殻を規定している。筐体80は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御装置101とを、内部に収容している。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40とは、画像形成部を構成している。この画像形成部は、後述する搬送経路41に沿って搬送される記録媒体としての用紙S上に、トナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備えている。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御装置101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。感光体10は、その表面にトナー像を担持する像担持体としての機能を有している。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、用紙Sがセットされる。用紙Sは、ピックアップローラー42によってカセット37から1枚ずつ繰り出され、タイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。
二次転写ローラー33は、ローラー形状を有しており、回転可能に構成されている。二次転写ローラー33は、トナー像と反対極性の転写電圧を搬送中の用紙Sに印加する。これにより、トナー像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像が転写される。二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。これにより、トナー像は用紙Sに定着する。定着装置50は、搬送経路41に沿って搬送される用紙S上のトナー画像を定着させる。トナー像が定着された用紙Sは、トレイ48に排紙される。
上記の説明では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式や直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13で構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナー像を現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナー像が用紙Sに直接転写される。
(定着装置50の構成)
図2を参照して、図1に示される定着装置50についてさらに説明する。図2は、実施の形態に係る定着装置50の内部構造を示す図である。
図2を参照して、図1に示される定着装置50についてさらに説明する。図2は、実施の形態に係る定着装置50の内部構造を示す図である。
図2に示されるように、定着装置50は、定着ベルト方式である。定着装置50は、加熱回転体51と、支持部材53と、定着ベルト54と、ニップ形成部材60と、対向回転体56とを備えている。
加熱回転体51の外径は、たとえば20mm〜30mmである。加熱回転体51は、たとえば、芯金と、表層とで構成されている。芯金は、たとえばアルミニウム製であり、円筒形状を有する中空回転体である。芯金の厚さは、たとえば2mmである。加熱回転体51の表層は、芯金の外周面に形成されている。好ましくは、加熱回転体51の表層は、耐熱性のPFA(パーフルオロアルキルエーテル)チューブで被覆されている。加熱回転体51は、ハードローラーとして構成されている。
加熱回転体51の内面に、定着ベルト54を加熱する加熱源として、ハロゲンヒーターなどのヒーター51Aが配置されている。加熱回転体51は、ヒーター51Aによって加熱され、ヒーター51Aから受けた熱を定着ベルト54に伝える。定着ベルト54は、ヒーター51Aによって、加熱回転体51を介して加熱される。
定着ベルト54は、柔軟性を有する無端状のベルトである。定着ベルト54は、加熱回転体51およびニップ形成部材60に張架されており、回転可能に構成されている。加熱回転体51およびニップ形成部材60は、定着ベルト54の内周側に配設されている。定着ベルト54は、回転することにより、定着ベルト54と対向回転体56との接触部分であるニップ部に、加熱回転体51から受けた熱を伝える。定着ベルト54と対向回転体56との間に形成されたニップ部を用紙Sが通過することで、用紙Sに転写されたトナー像が加熱および加圧されて用紙S上で融解する。これにより、トナー像は用紙Sに定着する。
定着ベルト54は、たとえば基層および弾性層で構成されている。定着ベルト54の基層は、ポリイミドなどの耐熱性の樹脂で構成されている。定着ベルト54の基層は、内径50mm、幅330mm、厚さ70μmを有している。定着ベルト54の弾性層は、シリコーンゴムなどの耐熱性材料で構成されている。定着ベルト54の弾性層の厚さは、たとえば200μmである。定着ベルト54の表面は、厚さ30μmのPFAチューブなどの、離型層で被覆されていてもよい。
ニップ形成部材60は、支持部材53に固定されている。支持部材53は、角張ったC字形状を有している。一例として、ニップ形成部材60は、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、または液晶ポリマーなどの耐熱性の樹脂で構成されている。
ニップ形成部材60は、定着ベルト54を間に挟んで対向回転体56に対向するように配置されており、定着ベルト54を対向回転体56に押し付けるように定着ベルト54を押圧する。これにより、対向回転体56の弾性層が変形し、定着ベルト54と対向回転体56との間にニップ部が形成される。ニップ形成部材60は、用紙Sの搬送方向下流側に進むに従って、すなわちニップ部の出口に近づくにつれて、対向回転体56側へ次第に突出する曲面になる、出口凸パッド形状になっている。
ニップ形成部材60は、加熱回転体51の軸方向において用紙Sの幅よりも長い。A3サイズの用紙Sが通過する装置の場合、ニップ形成部材60は、長手方向の長さ350mmを有している。
加圧部材の一例としての対向回転体56は、定着ベルト54の外周面に接触している。対向回転体56の外径は、たとえば20mm〜40mm程度である。対向回転体56は、図示しないモーターなどの駆動装置により駆動されることで、回転する。対向回転体56が回転することで、対向回転体56の回転力が定着ベルト54に伝えられる。これにより、定着ベルト54は、対向回転体56に従動回転する。対向回転体56は、定着ベルト54を介してニップ形成部材60を押圧する。
対向回転体56は、たとえば、芯金、中間層、表層で構成されている。芯金は、アルミニウムまたは鉄などの金属材料で構成された円筒である。芯金の厚さは、たとえば1mm〜5mm程度である。対向回転体56の中間層は、耐熱性を有する弾性体で構成されている。弾性体としては、たとえば厚さ3mmの耐熱性のシリコーンゴムなどが採用される。対向回転体56の表層には、離型性を有する材料が用いられる。対向回転体56の表層の材料としては、たとえば厚さ30μmのPFAチューブが用いられる。対向回転体56は、ソフトローラーとして構成されている。
図3は、ニップ形成部材60の拡大図である。図3に示すように、ニップ形成部材60は、支持面61と、摺動面62とを備えている。図2を併せて参照して、支持面61は、支持部材53に接触するニップ形成部材60の一部表面である。ニップ形成部材60は、支持面61において支持部材53によって支持されている。支持面61は、支持部材53に固着されている。
摺動面62は、定着ベルト54の内周面に接触して、定着ベルト54との間で摺動される面である。摺動面62は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの低摩擦性のコート、またはシート材で被覆されていてもよい。
図3中の矢印は、用紙Sを搬送するときに回転する定着ベルト54が摺動面62上を摺動する方向を示している。図3中の下側が用紙Sの搬送方向の上流側、図3中の上側が用紙Sの搬送方向の下流側である。上述したように定着ベルト54と対向回転体56との間にニップ部が形成される。ニップ部は、用紙Sの搬送方向の上流側(図3においては図中の下側)に入口を有し、用紙Sの搬送方向の下流側(図3においては図中の上側)に出口を有している。
ニップ形成部材60は、ニップ部の出口側に、対向回転体56に向かって突出する出口凸形状部63を有している。出口凸形状部63の表面は、対向回転体56に向かって凸に湾曲する形状の凸曲面63Aを構成している。凸曲面63Aは、滑らかに湾曲する曲面形状を有している。典型的には、凸曲面63Aは、円弧面形状である。図2,3に示すように、摺動面62は、全体として対向回転体56に向かって凹状に湾曲している。ニップ部の出口において摺動面62から変曲して対向回転体56に向かって凸に湾曲する面が、凸曲面63Aである。
(定着ベルト54の表層摩耗)
図4は、定着ベルト54の表層摩耗について示すグラフである。図4の横軸は、用紙Sと定着ベルト54とに速度差がついている時間を示し、図4の縦軸は、定着ベルト54の表層摩耗量を示す。図4に示すように、用紙Sが定着ベルト54に対して速度差がついている時間が長くなるにつれて、用紙Sが定着ベルト54を擦り、定着ベルト54の表層摩耗が大きくなる。用紙Sよりも定着ベルト54の表層のほうが硬さが小さいため、定着ベルト54の表層が摩耗する。したがって、定着ベルト54の表層摩耗を小さくするためには、定着ベルト54と用紙Sとの速度差がついている時間を短くする必要がある。
図4は、定着ベルト54の表層摩耗について示すグラフである。図4の横軸は、用紙Sと定着ベルト54とに速度差がついている時間を示し、図4の縦軸は、定着ベルト54の表層摩耗量を示す。図4に示すように、用紙Sが定着ベルト54に対して速度差がついている時間が長くなるにつれて、用紙Sが定着ベルト54を擦り、定着ベルト54の表層摩耗が大きくなる。用紙Sよりも定着ベルト54の表層のほうが硬さが小さいため、定着ベルト54の表層が摩耗する。したがって、定着ベルト54の表層摩耗を小さくするためには、定着ベルト54と用紙Sとの速度差がついている時間を短くする必要がある。
用紙Sと定着ベルト54との速度差が発生する原理について説明する。図5は、曲面における定着ベルト54と用紙Sとの搬送について示す図である。定着ベルト54および用紙Sが曲率がある部分を通るときに、用紙Sと定着ベルト54との速度差が発生する。
たとえば図3に示すニップ形成部材60を用いる場合に、定着ベルト54および用紙Sが凸曲面63Aに沿って搬送されるとき、定着ベルト54の搬送経路と用紙Sの搬送経路とに曲率半径の差が生じる。定着ベルト54の曲率半径をr1、用紙Sの曲率半径をr2とすると、図5に示すように用紙Sのほうが大回りするため、r2>r1である。定着ベルト54と用紙Sとの角速度をωとすると、定着ベルト54の搬送速度v1=r1×ω、用紙Sの搬送速度v2=r2×ωで表され、角速度ωが一定のとき、v2>v1である。このようにして、定着ベルト54と用紙Sとの速度差が発生する。
(定着ベルト54の表層摩耗量と経路長との関係)
定着ベルト54と用紙Sとの速度差がついている時間を短くするためには、ニップ形成部材60における曲率がある部分の経路長を短くして、当該曲率がある部分に沿って湾曲する定着ベルト54の湾曲長さを小さくする必要がある。図6は、通紙耐久の結果を示すグラフである。図6の横軸は、定着ベルト54が湾曲している部分の経路長(単位:mm)を示し、図6の縦軸は、40万枚通紙後の定着ベルト54の表層摩耗量(単位:μm)を示す。
定着ベルト54と用紙Sとの速度差がついている時間を短くするためには、ニップ形成部材60における曲率がある部分の経路長を短くして、当該曲率がある部分に沿って湾曲する定着ベルト54の湾曲長さを小さくする必要がある。図6は、通紙耐久の結果を示すグラフである。図6の横軸は、定着ベルト54が湾曲している部分の経路長(単位:mm)を示し、図6の縦軸は、40万枚通紙後の定着ベルト54の表層摩耗量(単位:μm)を示す。
図6により、定着ベルト54の湾曲している部分の経路長が1.3mm以下ならば、定着ベルト54の表層摩耗量が仕様内となることが示されている。この結果を根拠に、ニップ形成部材60の凸曲面63Aに沿って湾曲する定着ベルト54の湾曲長さを、1.3mm以下とする。また、定着ベルト54の湾曲長さ1.3mm以下を実現するために、ニップ形成部材60の凸曲面63Aの経路長を、1.0mm以下とする。
ニップ形成部材60の表面に凸曲面63Aを構成する湾曲する面が形成されているので、凸曲面63Aの経路長は0mm超であり、したがって定着ベルト54の湾曲長さも0mm超である。
定着ベルト54を対向回転体56に向かって凸に湾曲する形状にすることで、定着強度を確保することができる。定着ベルト54の湾曲長さを0mm超1.3mm以下にすることで、定着ベルト54の表層摩耗を小さく抑えて、定着ベルト54の耐久寿命を長くすることができる。凸曲面63Aの経路長を1.0mm以下にすることで、定着ベルト54の1.3mm以下の湾曲長さを、確実に実現することができる。
(凸曲面63Aの曲率半径)
図7は、定着ベルト54に作用する圧力を示すグラフである。図7の横軸は、凸曲面63Aに沿って湾曲する定着ベルト54の周方向の位置を示し、図7の縦軸は、各位置における定着ベルト54に作用する圧力の値(単位:kPa)を示す。図7中には、凸曲面63Aの曲率半径が1.0mmであるときのグラフを黒丸のプロットで示し、凸曲面63Aの曲率半径が2.0mmであるときのグラフを白丸のプロットで示す。図7に示される曲率半径が1.0mmの凸曲面63Aと曲率半径が2.0mmの凸曲面63Aとは、同じ経路長を有している。
図7は、定着ベルト54に作用する圧力を示すグラフである。図7の横軸は、凸曲面63Aに沿って湾曲する定着ベルト54の周方向の位置を示し、図7の縦軸は、各位置における定着ベルト54に作用する圧力の値(単位:kPa)を示す。図7中には、凸曲面63Aの曲率半径が1.0mmであるときのグラフを黒丸のプロットで示し、凸曲面63Aの曲率半径が2.0mmであるときのグラフを白丸のプロットで示す。図7に示される曲率半径が1.0mmの凸曲面63Aと曲率半径が2.0mmの凸曲面63Aとは、同じ経路長を有している。
定着強度を確保するためには、定着ベルト54に作用する圧力のピーク値を大きくする必要がある。図7に示すように、曲率半径の小さい凸曲面63Aは、曲率半径の大きい凸曲面63Aよりも、圧力のピーク値が大きい。曲率半径が1.0mmの凸曲面63Aは、圧力のピーク値が十分に大きく、したがって一定の定着強度が確保されている。一方、曲率半径が2.0mmの凸曲面63Aは、平面により近い形状であることから、圧力のピーク値が小さくなり、定着強度が弱くなっている。この結果を根拠に、凸曲面63Aの曲率半径を、1mm以下とする。
凸曲面63Aの曲率半径を1mm以下にすることで、定着ベルト54に作用する圧力のピーク値を十分に大きくできる。したがって、定着装置50の定着強度を高めることができる。
(凸曲面63Aの経路長の算出)
図8は、出口凸形状部63および定着ベルト54を模式的に示す図である。これまでに説明した通り、出口凸形状部63は、円筒の一部形状を有している。したがって凸曲面63Aは、円弧面形状である。定着ベルト54は、凸曲面63Aに沿って、円弧面状に湾曲している。
図8は、出口凸形状部63および定着ベルト54を模式的に示す図である。これまでに説明した通り、出口凸形状部63は、円筒の一部形状を有している。したがって凸曲面63Aは、円弧面形状である。定着ベルト54は、凸曲面63Aに沿って、円弧面状に湾曲している。
図9は、円弧状の凸曲面63Aの経路長の算出について説明する図である。凸曲面63Aをなす円弧面の軸方向に出口凸形状部63を見た場合、出口凸形状部63は図9に示すように扇形形状である。扇形の半径、すなわち凸曲面63Aの曲率半径をRとし、扇形の中心角をθとすると、凸曲面63Aの経路長Lは、L=2πR×(θ/360)として算出することができる。扇形の中心角θを、定着ベルト54の凸曲面63Aに対する巻き付き角度とも称する。
凸曲面63Aが円弧面形状であれば、凸曲面63Aの曲率半径Rと凸曲面63Aに対する定着ベルト54の巻き付き角度θとを用いて、L=2πR×(θ/360)の計算式に基づいて、凸曲面63Aの経路長Lを算出することができる。したがって、凸曲面63Aが円弧面形状であれば、経路長Lを容易に算出することができる。
なお、凸曲面63Aの形状は円弧面に限定されるものではない。凸曲面63Aは、対向回転体56に向かって凸に湾曲する形状であれば他の曲面形状であってもよく、たとえば楕円弧面形状であってもよい。
以上のように実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
50 定着装置、51 加熱回転体、51A ヒーター、53 支持部材、54 定着ベルト、56 対向回転体、60 ニップ形成部材、61 支持面、62 摺動面、63 出口凸形状部、63A 凸曲面、100 画像形成装置。
Claims (4)
- 回転可能な無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱源と、
前記定着ベルトの内周側に配設されたニップ形成部材と、
前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより前記定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを備え、
前記ニップ形成部材は、前記ニップ部の出口側に、前記対向回転体に向かって凸に湾曲する形状の凸曲面を有し、
前記凸曲面に沿って湾曲する前記定着ベルトの湾曲長さが0mm超1.3mm以下である、定着装置。 - 前記凸曲面の経路長が1.0mm以下である、請求項1に記載の定着装置。
- 前記凸曲面は、円弧面形状である、請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記凸曲面の曲率半径は1mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
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ID=68108231
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Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05257402A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-10-08 | Olivetti Canon Ind Spa | コピーマシーンのための定着装置 |
| JPH07199693A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-04 | Canon Inc | 加熱装置 |
| JP2008170677A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Seiko Epson Corp | 発熱体及び画像形成装置 |
| JP2017151465A (ja) * | 2017-05-01 | 2017-08-31 | 株式会社リコー | 定着装置および画像形成装置 |
-
2018
- 2018-03-23 JP JP2018056233A patent/JP2019168593A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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