JP2019167569A - 機械部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の機械的強度および寸法精度を具備した機械部品を低コストに提供する。
【解決手段】金属粉末の粒子7同士がネック結合することで形成された金属組織部4と、空孔部5と、を備えた多孔質の焼結体6からなり、150MPa以上の圧環強さを有する機械部品としてのすべり軸受1であって、空孔部5は、金属組織部4の粒界に存在する空孔9を主体としており、ネック結合の成長に伴って形成される球状化した空孔を含まないすべり軸受1である。
【選択図】図1
【解決手段】金属粉末の粒子7同士がネック結合することで形成された金属組織部4と、空孔部5と、を備えた多孔質の焼結体6からなり、150MPa以上の圧環強さを有する機械部品としてのすべり軸受1であって、空孔部5は、金属組織部4の粒界に存在する空孔9を主体としており、ネック結合の成長に伴って形成される球状化した空孔を含まないすべり軸受1である。
【選択図】図1
Description
本発明は、機械部品およびその製造方法に関し、より詳細には、焼結金属製の機械部品およびその製造方法に関する。
例えば、機械部品の一種であるすべり軸受としては、無数の内部空孔を有する多孔質体からなり、内部空孔に潤滑油を含浸させた、いわゆる含油軸受が好適に使用されている。このようなすべり軸受は、例えば、金属粉末を主成分とした原料粉末の圧粉体を得る圧縮成形工程、圧粉体に高強度化処理を施す高強度化処理工程、および高強度化された圧粉体の内部空孔に潤滑油を含浸させる含油工程などを順に経ることで得られる。上記の高強度化処理としては、金属粉末の粒子同士をネック結合させる焼結処理が広く採用されている。
上記の焼結処理は、通常、金属粉末の焼結温度以上(例えば、鉄系の金属粉末の場合、1100℃以上)に圧粉体を加熱することにより行われ、そのコストは、製造コスト全体の1/4〜1/2程度を占めるとされている。また、圧粉体を上記のような高温で加熱することにより得られる焼結体には、熱膨張および収縮に伴う大きな寸法変化が生じている。このため、焼結体の各部に機械部品として実用可能なレベルの寸法精度を確保するには、焼結体に対して金型によるサイジング(寸法矯正加工)や機械加工を追加的に施すことで焼結体を完成品形状に仕上げることが必要不可欠になる。以上のことから、高強度化処理として焼結処理を採用した場合、製造コストが嵩むという問題がある。
そこで、高強度化処理として、水蒸気黒化処理を採用する場合がある(例えば、下記の特許文献1)。水蒸気黒化処理とは、圧粉体を加熱しつつ、圧粉体を構成する金属粉末(酸化膜を形成可能な金属粉末)を水蒸気と反応させることにより、金属粉末の粒子表面(粒子間)に酸化膜を形成する処理であり、酸化膜が金属粒子同士を結合させるネッキングの役割を代替する。そして、水蒸気黒化処理は、その処理温度が焼結処理よりも低い。そのため、熱膨張および収縮に伴う圧粉体の寸法変化量を抑制することが可能となり、処理後の仕上げ加工を簡略化、または省略できるという利点がある。
特許文献1の方法によれば、「或る程度の強度、耐久性を有する焼結部品が製造される」とある(第2頁右上欄第8−9行)。しかしながら、具体的にどの程度の強度を有する焼結部品が得られるのか、については何ら言及されていない。特許文献1に開示された方法の適用対象は、実際のところは、磁性材料の部品のように「あまり強度が要求されないもの」に限定され(第2頁左上欄第6−7行)、すべり軸受などの機械部品のように、150MPa以上の圧環強さ(JIS Z 2507を参照)を有することが求められる部品を製造するための方法としては不適であると推察される。
そこで、本発明は、所望の機械的強度および寸法精度を具備した焼結金属製の機械部品を低コストに提供可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、金属粉末の粒子同士がネック結合することで形成された金属組織部と、空孔部と、を備えた多孔質の焼結体からなり、150MPa以上の圧環強さを有する機械部品であって、空孔部は、金属組織部の粒界に存在する空孔を主体としており、ネック結合の成長に伴って生成される球状化した空孔を含まないことを特徴とする。
ここで、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を加熱すると、加熱温度が上昇するのに伴って組織構造が以下のように変化する。まず、出発材である圧粉体は、原料粉末が押し固められたものに過ぎないため、図4(a)に示すように、金属粒子31間に大きな空隙(空孔)32が存在するといった組織構造を有する。次に、圧粉体を加熱し、その加熱温度が所定温度(焼結開始温度)を超えると、図4(b)に示すように、粒子31同士をネック結合した結合部33が形成される。これに伴い、粒子31間に存在する空隙32が縮小する。以降、加熱温度がさらに上昇すると、図4(c)に示すように、結合部33が成長して粒子31同士の結合強度が増加する一方、空隙32は一層縮小する。そして、加熱温度がより一層上昇すると、図4(d)に示すように、空隙32が一層縮小して(空隙32の一部が消失して)複数の粒子31が結合一体化した結晶粒34が形成される。結晶粒34が形成されるのに伴って、結晶粒34の内部には球状化した空孔(独立空孔)35が形成される。
なお、金属粉末の主成分元素が鉄の場合、図4(b)〜(d)に示すような組織構造となるのは、それぞれ、加熱温度が概ね600℃以上、800℃以上および1100℃以上になったときである。但し、図4(b)〜(d)に示すような組織構造になる温度は、金属粉末の組成等に応じて多少変化する。
上記のとおり、本発明に係る機械部品は、金属粉末の粒子同士がネック結合することで形成された金属組織部と、空孔部と、を備えた多孔質の焼結体からなり、空孔部は、金属組織の粒界に存在する空孔を主体としており、ネック結合の成長に伴って形成される球状化した空孔を含まない。これはすなわち、本発明に係る機械部品が、図4(b)又は図4(c)に示すような組織構造を有し、図4(d)に示すような組織構造は有していないことを意味する。この場合、圧粉体の加熱温度は、図4(d)に示すような組織構造を有する一般的な焼結体を得る場合に比べて低く設定することができるため、加熱(焼結)に伴う空隙32の縮小量(ワークの寸法変化量)を抑制することができる他、加熱に必要なエネルギー消費量を削減することができる。寸法変化量を抑制することができれば、焼結体に寸法矯正加工等の仕上げ加工を必ずしも施す必要がなくなることに加え、成形金型の設計も容易となる。その一方で、焼結体の金属組織部は、金属粒子同士がネック結合することで形成されたものであるから、機械部品として実用可能なレベルの機械的強度、具体的には150MPa以上の圧環強さを確保することができる。以上のことから、本発明によれば、所望の機械的強度および寸法精度を具備した機械部品を低コストに提供することができる。
金属粉末として、その主成分元素が鉄であるものを用いれば、150MPa以上の圧環強さを有する機械部品を容易に得ることができる。
本発明は、例えば、支持すべき軸を支持するための軸受面を有する機械部品、すなわち、軸受(焼結軸受)に好ましく適用することができる。このとき、上記軸受面に動圧発生部を型成形しておけば、いわゆる動圧軸受を容易に得ることができる。
焼結体の空孔部には潤滑油を含浸させることができる。この場合、機械部品の使用時には、その表面開孔を介して潤滑油を滲み出させることができるので、相手部材との摺動性や耐摩耗性に優れた機械部品を容易に得ることができる。
特にコスト面で問題がなければ、焼結体には、用途や目的に応じて種々の処理・加工を施しても良い。その具体例としては、焼結体の表面開孔を封孔する封孔処理を挙げることができる。
以上の構成を有する機械部品は、少なくとも、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を得る圧縮成形工程と、金属粉末の主成分元素の融点の45〜65%の温度域で圧粉体を加熱することにより上記焼結体を得る焼結工程と、を実施することによって製造することができる。
圧粉体の密度が低すぎると、圧粉体の取り扱い性が低下する、金属粉末の粒子間距離が大きいために金属粒子間に所定のネック結合を形成すること(所定の圧環強さを確保すること)が難しくなる、などといった懸念がある。そのため、圧縮成形工程では、寸法測定法により算出した密度に基づく相対密度が70%以上100%未満の圧粉体を作製するのが好ましい。なお、ここでいう「寸法測定法により算出した密度」とは、例えば圧粉体が円環状(円筒状)をなすものである場合、圧粉体の質量を、圧粉体の内径寸法、外径寸法および軸方向寸法の測定値に基づいて算出された圧粉体の体積で除すことにより算出される密度である。また、「相対密度」とは、上記の算出密度を真密度(理論密度)で除した値の百分率である。
以上より、本発明によれば、所望の機械的強度および寸法精度を具備した焼結金属製の機械部品を低コストに提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る機械部品を示す。同図に示す機械部品は、全体として円筒状をなし、内周に挿入される軸Sをラジアル方向に相対回転自在に支持するためのすべり軸受1である。従って、このすべり軸受1は、その内周面2に円筒状の軸受面(ラジアル軸受面)3を有する。
すべり軸受1は、金属粉末の粒子7同士がネック結合することで形成された金属組織部4と、空孔部5とを備えた多孔質の焼結体6からなり、150MPa以上の圧環強さを有する。すなわち、詳細は後述するが、すべり軸受1は、金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を所定温度以上に加熱することで形成される。本実施形態のすべり軸受1は、空孔部5に潤滑油(図示せず)を含浸させた、いわゆる含油状態で使用される。そのため、すべり軸受1と軸Sとが相対回転すると、これに伴って、すべり軸受1の空孔部5に保持された潤滑油がすべり軸受1の内周面2(ラジアル軸受面3)と軸Sの外周面との間のラジアル軸受隙間に滲み出して油膜を形成し、この油膜を介して軸Sがラジアル方向に相対回転自在に支持される。
すべり軸受1は、図4(b)又は図4(c)に示す組織構造と同様の組織構造を有する。すなわち、金属組織部4は、無数の金属粒子(ここではFe粒子)7と、隣接するFe粒子7同士を部分的にネック結合した結合部8とで構成される。また、空孔部5は、金属組織部4の粒界に存在する(隣接するFe粒子7間に形成された)空孔9を主体として構成されており、ネック結合(結合部8)の成長に伴って形成される球状化した空孔35(図4(d)を参照)を含まない。従って、金属組織部4は、ネック結合(結合部8)の成長に伴って形成される結晶粒34(図4(d)参照)を有さない。
以上の構成を有するすべり軸受1は、例えば、圧縮成形工程、脱脂工程、焼結工程および含油工程を順に経て製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
[圧縮成形工程]
圧縮成形工程では、例えば図2(a)(b)に示すような成形金型装置11を用いて原料粉末を圧縮成形することにより圧粉体10を得る。成形金型装置11は、圧粉体10の外周面を成形する円筒状のダイ12と、ダイ12の内周に配され、圧粉体10の内周面2を成形するコアピン13と、圧粉体10の一端面(下端面)および他端面(上端面)を成形する一対の下パンチ14および上パンチ15とを備え、コアピン13、下パンチ14および上パンチ15はダイ12に対して軸方向(上下)に相対移動可能にダイ12と同軸に配置されている。
圧縮成形工程では、例えば図2(a)(b)に示すような成形金型装置11を用いて原料粉末を圧縮成形することにより圧粉体10を得る。成形金型装置11は、圧粉体10の外周面を成形する円筒状のダイ12と、ダイ12の内周に配され、圧粉体10の内周面2を成形するコアピン13と、圧粉体10の一端面(下端面)および他端面(上端面)を成形する一対の下パンチ14および上パンチ15とを備え、コアピン13、下パンチ14および上パンチ15はダイ12に対して軸方向(上下)に相対移動可能にダイ12と同軸に配置されている。
以上の構成を有する成形金型装置11において、まず、図2(a)に示すように、ダイ12の内周にコアピン13を配置した状態で下パンチ14を下降させ、ダイ12の内周面、コアピン13の外周面および下パンチ14の上端面でキャビティ16を画成してから、キャビティ16に原料粉末Mを充填する。そして、図2(b)に示すように上パンチ15を下降移動させ、キャビティ16に充填した原料粉末Mを軸方向に圧縮すると、内周面にラジアル軸受面3となる円筒面が成形された円筒状の圧粉体10が得られる。
ここで、原料粉末Mは、金属粉末を主成分とし、これに所定量の固体潤滑剤を添加・混合した混合粉末である。原料粉末Mに固体潤滑剤を含めることにより、金属粒子同士の摩擦、さらには金属粒子と金型間の摩擦を低減して圧粉体10の成形性や離型性を高めることができる。固体潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウムやステアリン酸亜鉛等の金属石けん、脂肪酸、高級アルコール、グリセリン、エステル、アミンおよびその誘導体、脂肪酸アミドなどのワックス、各種樹脂などが使用できる。例示した固体潤滑剤は、一種のみを使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。
金属粉末としては、チタンやアルミニウムなどの難焼結性金属以外の金属を主成分とする粉末を使用することができる。金属粉末は、単一の元素を主成分とするものであっても良いし、複数種の元素を主成分とするものであっても良い。また、金属粉末としては、どのような製法で製造されたものであっても問題なく使用することができる。すなわち、例えば、ガスアトマイズや水アトマイズ等のアトマイズ法により製造されるアトマイズ粉、還元法により製造される還元粉、電解法により製造される電解粉、カルボニル法により製造されるカルボニル粉などが使用できる。なお、本実施形態では、機械的強度に優れたすべり軸受1を得る上で好適な純鉄粉末のうち、還元法により製造されたもの(純鉄還元粉末)を使用する。還元鉄粉は、海綿状をなすことから、含油性に優れたすべり軸受1を得る上で好適である。
原料粉末Mには、目的や用途に応じて固体潤滑剤以外の充填材を添加・混合することもできる。このような充填材としては、例えば、炭素固溶源としての炭素系粉末、被削性を向上するための硫化物、耐摩耗性を向上するための窒化物、発塵を抑制するためのバインダーなどを挙げることができる。
原料粉末Mの成形圧は、寸法測定法により算出した密度に基づく相対密度が70%以上100%未満の圧粉体10を得ることができるように調整される。金属粉末として純鉄粉末を使用する本実施形態では、密度が概ね5.5g/cm3以上の圧粉体10を得る。このような密度を有する圧粉体10は、上記の成形金型装置11による一軸加圧成形法であっても確実に得ることができる。一軸加圧成形法であれば、圧粉体10を得る際に利用できるその他の加圧成形法(例えば、多軸CNCプレスを用いた成形、冷間等方圧加圧法、熱間等方圧加圧法等)に比べて圧粉体10を低コストに得ることができるという利点がある。もちろん、一軸加圧成形法に替えて、多軸CNCプレスを用いた成形、冷間等方圧加圧法、熱間等方圧加圧法等を利用して圧粉体10を成形しても構わない。
[脱脂工程]
この脱脂工程では、圧粉体10に含まれる固体潤滑剤を分解・除去するための脱脂処理が実施される。脱脂処理は、不活性ガス、還元性ガスあるいは真空等の非酸化性ガス雰囲気下に配置した圧粉体10を、固体潤滑剤の分解温度以上(但し、後述する焼結工程における圧粉体10の加熱温度よりも低い温度が好ましい)で所定時間加熱することにより行われる。なお、この脱脂工程は、必ずしも後述する焼結工程と分離独立したかたちで実施する必要はなく、必要に応じて実施すれば足りる。
この脱脂工程では、圧粉体10に含まれる固体潤滑剤を分解・除去するための脱脂処理が実施される。脱脂処理は、不活性ガス、還元性ガスあるいは真空等の非酸化性ガス雰囲気下に配置した圧粉体10を、固体潤滑剤の分解温度以上(但し、後述する焼結工程における圧粉体10の加熱温度よりも低い温度が好ましい)で所定時間加熱することにより行われる。なお、この脱脂工程は、必ずしも後述する焼結工程と分離独立したかたちで実施する必要はなく、必要に応じて実施すれば足りる。
[焼結工程]
この工程では、脱脂工程と同様に、不活性ガス、還元性ガスあるいは真空等の非酸化性ガス雰囲気下に配置した圧粉体10を、その大きさや形状に応じて所定時間(例えば30分以上90分以下)加熱することにより、図1の拡大図中に示すような組織構造を有する焼結体6を得る。この焼結工程における圧粉体10の加熱温度は、金属粉末の主成分元素の融点の45〜65%の温度域とする。金属粉末として純鉄粉末を使用する本実施形態では、鉄の融点(1538℃)の45〜65%の温度域、具体的には、概ね700〜1000℃の温度域(例えば800℃)で圧粉体10を加熱する。なお、このような加熱温度は、金属粉末として純鉄粉末のみを使用して得た圧粉体を焼結するために採用される一般的な加熱温度(1100℃以上、好ましくは1200℃以上)よりも低い。
この工程では、脱脂工程と同様に、不活性ガス、還元性ガスあるいは真空等の非酸化性ガス雰囲気下に配置した圧粉体10を、その大きさや形状に応じて所定時間(例えば30分以上90分以下)加熱することにより、図1の拡大図中に示すような組織構造を有する焼結体6を得る。この焼結工程における圧粉体10の加熱温度は、金属粉末の主成分元素の融点の45〜65%の温度域とする。金属粉末として純鉄粉末を使用する本実施形態では、鉄の融点(1538℃)の45〜65%の温度域、具体的には、概ね700〜1000℃の温度域(例えば800℃)で圧粉体10を加熱する。なお、このような加熱温度は、金属粉末として純鉄粉末のみを使用して得た圧粉体を焼結するために採用される一般的な加熱温度(1100℃以上、好ましくは1200℃以上)よりも低い。
[含油工程]
この含油工程では、上記の焼結工程を経て得られた焼結体6の空孔部5に潤滑油を含浸させる。潤滑油の含浸方法としては、例えば真空含浸を採用することができる。これにより、図1に示す機械部品としてのすべり軸受1が得られる。なお、この含油工程は、必要に応じて実施すれば足り、含油状態で使用しない機械部品(すべり軸受1)の場合には省略することができる。
この含油工程では、上記の焼結工程を経て得られた焼結体6の空孔部5に潤滑油を含浸させる。潤滑油の含浸方法としては、例えば真空含浸を採用することができる。これにより、図1に示す機械部品としてのすべり軸受1が得られる。なお、この含油工程は、必要に応じて実施すれば足り、含油状態で使用しない機械部品(すべり軸受1)の場合には省略することができる。
以上で説明したように、本発明の一実施形態に係る機械部品としてのすべり軸受1は、Fe粒子7同士がネック結合することで形成された金属組織部4と、空孔部5と、を備えた焼結体6からなり、空孔部5は、金属組織部4の粒界に存在する空孔9を主体としており、粒子7同士をネック結合する結合部8の成長に伴って形成される球状化した空孔を含まない。これはすなわち、すべり軸受1が、図4(b)又は図4(c)に示す組織構造と同様の組織構造を有し(図1参照)、図4(d)に示すような組織構造は有していないことを意味する。
上記のような組織構造は、圧粉体10を焼結する際の加熱温度を、圧粉体10を構成する主成分元素の融点の45〜65%の温度域に設定することにより得ることができ、上記主成分元素が鉄である場合には700〜1000℃の温度域である。この場合、圧粉体10の加熱温度は、図4(d)に示すような組織構造を有する一般的な焼結体を得る場合の加熱温度(1100℃以上)に比べて格段に低く設定されることになる。そのため、圧粉体10の加熱(焼結)に伴う寸法変化を抑制することができる他、圧粉体10の加熱に必要なエネルギー消費量を削減することができる。寸法変化を抑制することができれば、焼結体6に寸法矯正加工等の仕上げ加工を必ずしも施す必要がなくなることに加え、成形金型装置11の設計も容易となる。その一方で、焼結体6の金属組織部4は、Fe粒子7同士が(部分的に)ネック結合することで形成されたものであるから、すべり軸受1として実用可能なレベルの機械的強度、具体的には150MPa以上の圧環強さを確保することができる。
以上のことから、本実施形態のすべり軸受1は、低コストに作製可能でありながら、所望の機械的強度および寸法精度を具備する、といった特長を有する。
ところで、焼結体の機械的強度(圧環強さ)は、金属粒子同士をネック結合した結合部の成長度合いに依存しており、結合部の成長が進行し、焼結体の組織全体に占める空孔の体積比率(空孔率)が小さくなるほど焼結体の圧環強さは高まる。そのため、同一条件で作製した圧粉体の加熱(焼結)温度を異ならせた場合、加熱温度が高いほど焼結体の圧環強さは高まる一方で、焼結体の空孔率は低くなる。
焼結体の空孔率は、例えば、多孔質のワークがその内部空孔を介してどの程度潤滑油を流通させることができるのかを定量的に示すためのパラメータ[単位:g/10min]である「通油度」によって評価することができ、空孔率が高くなるほど通油度は高くなり、空孔率が低くなるほど通油度は低くなる。このため、本発明に係る機械部品のように、図4(b)又は図4(c)に示すような組織構造を有する機械部品(空孔率が相対的に高いだけでなく連通孔が多い機械部品)は、図4(d)に示すような組織構造を有する機械部品(空孔率が相対的に低く連通孔よりも独立気孔(閉気孔)の方が多い機械部品)よりも通油度が高くなる。従って、本発明に係る機械部品であるか否かは、圧環強さを測定することによって判別可能である他、通油度を測定・算出することによっても判別可能である。
なお、通油度は、図5に示すような試験装置100を用いて測定・算出することができる。同図に示す試験装置100は、円筒状の試料Wを軸方向両側から挟持固定した筒状の保持部101,102と、油を貯留するタンク103と、タンク103内に貯留された油を保持部101に供給するための配管104とを備える。試料Wの軸方向両端部と保持部101,102との間は、図示しないシール体によりシールされている。以上の構成において、室温(26〜27℃)環境下でタンク103内に貯留された油に0.4MPaの加圧力を負荷し、潤滑油を、配管104の内部流路および保持部101の内部流路105を介して試験体Wの軸方向貫通孔に10分間供給し続ける。試料Wの下方には、紙製又は布製の吸油体106が配されており、上記態様で試料Wに潤滑油が供給されたときに試料Wの外径面に開口した表面開口から滲み出して滴下した油を吸油体106で採取する。そして、試験前後における吸油体106の重量差から通油度を算出する。
参考までに、内径寸法×外径寸法×軸方向寸法がφ1.5×φ3×3.3mmである円筒状の圧粉体を作製し、この圧粉体を1200℃で加熱することで得られた焼結体と、圧粉体を800℃で加熱することで得られた焼結体との間で通油度にどの程度の差が生じるかを確認した。前者の通油度は0.01g/10minであり、後者の通油度は0.04g/10minであった。
以上、本発明の一実施形態に係る機械部品としてのすべり軸受1およびその製造方法について説明を行ったが、本発明の実施の形態はこれに限定されない。
例えば、機械部品の用途や要求品質によっては、焼結体6に対してサイジング金型を用いた寸法矯正加工や機械加工を施しても構わない。なお、寸法矯正加工を施す場合でも、本発明に係る機械部品では焼結前後での寸法変化が抑制され、大幅な寸法矯正が必要なくなることから、寸法矯正加工を容易に実施することができる。
また、焼結体6に対しては、その表面開孔を封孔するための封孔処理を施すことも可能である。封孔処理としては、焼結体6の表層部に樹脂材料等の封孔材を含浸させる処理、焼結体6の表面開孔を封止するいわゆる目潰し処理、焼結体6の表面を覆うための皮膜を形成する皮膜形成処理などを挙げることができる。
また、以上では、ラジアル荷重を支持するために用いられるすべり軸受1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、ラジアル荷重およびスラスト荷重の双方を支持するために用いられるすべり軸受や、スラスト荷重のみを支持するために用いられるすべり軸受にも好ましく適用することができる。
また、本発明は、ラジアル軸受面3に、ラジアル軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させるための動圧発生部が設けられた、いわゆる動圧軸受を製造する際に適用することもできる。図3は、軸方向に離間した二箇所にラジアル軸受面3が設けられ、かつ両ラジアル軸受面3のそれぞれに動圧発生部21が設けられたすべり軸受1(動圧軸受)の一例である。図示例の動圧発生部21は、ヘリングボーン形状に配置された複数の動圧溝22で構成されている。なお、図3に示す動圧発生部21はあくまでも一例であり、ラジアル軸受隙間内の潤滑油に流体動圧を発生させ得るものであればその形態は特に問わない。また、図示は省略するが、本発明は、スラスト荷重を支持するためのスラスト軸受面に動圧発生部が設けられたすべり軸受1にも好ましく適用することができる。
また、本発明は、以上で述べたすべり軸受1のみならず、その他の機械部品(例えばシール材)にも好ましく適用することができる。
本発明の有用性を実証するため、(1)圧粉体の加熱温度、(2)圧粉体の密度、(3)金属粉末の材質(組成)、(4)脱脂処理の有無、および(5)圧粉体の加熱雰囲気のそれぞれが、圧粉体を加熱することで得られる焼結体(機械部品)の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認するための試験を実施した。なお、各試験では、リング状(円筒状)の試験片を使用した。機械的特性の評価方法および評価基準、並びに寸法変化率の評価方法および評価基準は以下のとおりである。
[機械的特性の評価方法]
JIS Z 2507に規定の方法に準拠して圧環強さ[単位:MPa]を測定し、この圧環強さに基づいて試験片の機械的特性を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう圧環強さは、同一条件で作製した試験片3個について測定した圧環強さの平均値である。圧環強さは、島津製作所社製のオートグラフAG−5000Aを用いて測定した。
[機械的特性の評価基準]
「◎」:圧環強さ200MPa以上
「○」:圧環強さ150MPa以上200MPa未満
「×」:圧環強さ150MPa未満
JIS Z 2507に規定の方法に準拠して圧環強さ[単位:MPa]を測定し、この圧環強さに基づいて試験片の機械的特性を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう圧環強さは、同一条件で作製した試験片3個について測定した圧環強さの平均値である。圧環強さは、島津製作所社製のオートグラフAG−5000Aを用いて測定した。
[機械的特性の評価基準]
「◎」:圧環強さ200MPa以上
「○」:圧環強さ150MPa以上200MPa未満
「×」:圧環強さ150MPa未満
[寸法変化率の評価方法]
圧粉体の内径寸法と、この圧粉体を加熱することで得られた焼結体の内径寸法とをボアゲージで測定することで寸法変化率[単位:%]を算出し、この算出値に基づいて寸法変化率を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう寸法変化率は、同一条件で作製した試験片3個について算出した寸法変化率の平均値であり、各試験片では、周方向の4箇所での寸法変化率の平均値を算出した。寸法変化率をσ、圧粉体の内径寸法をX、焼結体の内径寸法をX1とした場合、寸法変化率は以下の算出式で算出される。
σ=[(X−X1)/X1]×100
[寸法変化率の評価基準]
「◎」:−0.5%<σ<0.5%
「○」:−1.0%<σ≦−0.5%、又は0.5%≦σ<1.0%
「×」:σ≦−1.0%、又はσ≧1.0%
圧粉体の内径寸法と、この圧粉体を加熱することで得られた焼結体の内径寸法とをボアゲージで測定することで寸法変化率[単位:%]を算出し、この算出値に基づいて寸法変化率を「◎」、「○」および「×」の三段階で評価した。なお、ここでいう寸法変化率は、同一条件で作製した試験片3個について算出した寸法変化率の平均値であり、各試験片では、周方向の4箇所での寸法変化率の平均値を算出した。寸法変化率をσ、圧粉体の内径寸法をX、焼結体の内径寸法をX1とした場合、寸法変化率は以下の算出式で算出される。
σ=[(X−X1)/X1]×100
[寸法変化率の評価基準]
「◎」:−0.5%<σ<0.5%
「○」:−1.0%<σ≦−0.5%、又は0.5%≦σ<1.0%
「×」:σ≦−1.0%、又はσ≧1.0%
以下、各試験の実施態様および試験結果を説明する。
(1)第1の確認試験
圧粉体の加熱温度が、焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際して、8種類の試験片(実施例1−4および比較例1−4)を作製した。8種類の試験片は、圧粉体の加熱温度を相互に異ならせる以外は、同様の条件・手順で作製した。詳細は、以下のとおりである。
[試験片の作製手順]
まず、金属粉末(ここでは還元純鉄粉末が質量比で100%の金属粉末)に対し、アミドワックス系の潤滑剤粉末を0.5質量%添加・混合することで原料粉末を得た。次いで、SKD11製の成形金型に充填した上記原料粉末を一軸加圧成形法で圧縮成形することにより円筒状の圧粉体(内径寸法:φ6、外径寸法:φ12、軸方向寸法:5mm)を得た。次いで、圧粉体を窒素ガス雰囲気下で60分間加熱することにより、実施例1−4および比較例1−4に係る試験片を得た。
圧粉体の加熱温度が、焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際して、8種類の試験片(実施例1−4および比較例1−4)を作製した。8種類の試験片は、圧粉体の加熱温度を相互に異ならせる以外は、同様の条件・手順で作製した。詳細は、以下のとおりである。
[試験片の作製手順]
まず、金属粉末(ここでは還元純鉄粉末が質量比で100%の金属粉末)に対し、アミドワックス系の潤滑剤粉末を0.5質量%添加・混合することで原料粉末を得た。次いで、SKD11製の成形金型に充填した上記原料粉末を一軸加圧成形法で圧縮成形することにより円筒状の圧粉体(内径寸法:φ6、外径寸法:φ12、軸方向寸法:5mm)を得た。次いで、圧粉体を窒素ガス雰囲気下で60分間加熱することにより、実施例1−4および比較例1−4に係る試験片を得た。
この試験で用いた各試験片の作製条件および評価結果を下記の表1に示す。なお、表1中の「圧粉密度」とは、寸法測定法に基づいて算出した圧粉体の密度である。後掲する表2−表5においても同様である。また、この第1の確認試験および後述する第2−第5の確認試験では、圧環強さおよび寸法変化率に関する評価において、何れか一つにでも「×」の評価が付いた試験片については、要求特性を満足せず、そのままでは実使用できないものであるとして総合評価を「×」とした。一方、圧環強さおよび寸法変化率に関する評価において「◎」又は「○」の評価が付いた試験片については、そのままでも実使用できるものであるとして総合評価を「○」とした。
表1に示すとおり、圧粉体の加熱温度を700℃よりも低く設定した場合(比較例1−3)には、加熱後のワークに所望の圧環強さを確保することができず、圧粉体の加熱温度を1000℃よりも高く設定した場合(比較例4)には、加熱処理の前後でワークの寸法変化率が所望のレベルを超えていた。これに対し、圧粉体を700〜1000℃の範囲内で加熱した場合には、所望の機械的特性を具備しつつ、加熱処理の前後で寸法変化の小さい焼結体を得ることができた(実施例1−4)。上記の加熱温度を鉄の融点(1538℃)に対する百分率で表現すると、700℃:45.5%であり、1000℃:65%である。従って、当該第1の確認試験の試験結果から、圧粉体の加熱温度は、圧粉体を構成する金属粉末の主成分元素の融点の45〜65%の温度域に設定するのが好ましいことが理解される。
(2)第2の確認試験
圧粉体の密度が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに6種類の試験片(実施例5−9および比較例5)を準備した。新たに準備した6種類の試験片は、圧粉体の密度を異ならせる以外は、上記の実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
圧粉体の密度が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに6種類の試験片(実施例5−9および比較例5)を準備した。新たに準備した6種類の試験片は、圧粉体の密度を異ならせる以外は、上記の実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
この試験で用いた実施例および比較例に係る試験片の詳細および評価結果を下記の表2に示す。
表2からも明らかなように、圧粉体の密度が5.5g/cm3未満の場合(比較例5)、所望の圧環強さを有する焼結体が得られなかった。上記の密度を鉄の理論密度(7.87g/cm3)に対する百分率(相対密度)で表現すると約70%である。従って、当該第2の確認試験の試験結果から、圧粉体としては、相対密度が70%以上100%未満のものを使用するのが好ましく、相対密度が80%以上100%未満のものを使用するのが一層好ましいことが理解される(∵実施例7−9)。
(3)第3の確認試験
金属粉末の材質(組成)が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに3種類の試験片(実施例10−11および比較例6)を準備した。新たに準備した3種類の試験片は、使用する金属粉末の材質(組成)を異ならせる以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
金属粉末の材質(組成)が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに3種類の試験片(実施例10−11および比較例6)を準備した。新たに準備した3種類の試験片は、使用する金属粉末の材質(組成)を異ならせる以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
この試験で用いた各試験片の詳細および評価結果を下記の表3に示す。
表3に示す試験結果からも明らかなように、焼結体の形成材料として広く使用されている鉄基粉末を用いた場合には、所望の機械的特性を具備しつつ、加熱処理の前後で寸法変化の小さい焼結体を得ることができる。これに対し、難焼結性材料であるアルミニウムの粉末を用いた場合(比較例6)、加熱後のワークに所望の圧環強さを確保することができなかった。なお、アルミニウムの理論密度および融点は、それぞれ2.7g/cm3および660℃である。
(4)第4の確認試験
固体潤滑剤を含む原料粉末を用いて圧粉体を成形した場合、脱脂処理の有無(実施又は非実施)が、焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに1種類の試験片(実施例12)を準備した。新たに準備した実施例12に係る試験片は、圧粉体を800℃で加熱(焼結)するのに先立って圧粉体に脱脂処理を施した点以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。なお、脱脂処理の処理条件は、雰囲気:窒素ガス、処理温度:350℃、処理時間:60分とした。
固体潤滑剤を含む原料粉末を用いて圧粉体を成形した場合、脱脂処理の有無(実施又は非実施)が、焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに1種類の試験片(実施例12)を準備した。新たに準備した実施例12に係る試験片は、圧粉体を800℃で加熱(焼結)するのに先立って圧粉体に脱脂処理を施した点以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。なお、脱脂処理の処理条件は、雰囲気:窒素ガス、処理温度:350℃、処理時間:60分とした。
この試験の評価結果を下記の表4に示す。
表4に示す試験結果からも明らかなように、脱脂処理の実施/非実施は、圧粉体を加熱することで得られる焼結体の機械的特性や寸法変化率に大きな影響を及ぼさないことが理解される。
(5)第5の確認試験
圧粉体の加熱雰囲気が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに3種類の試験片(実施例13−14および比較例7)を準備した。新たに準備した試験片は、圧粉体を加熱するときの雰囲気を異ならせる以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
圧粉体の加熱雰囲気が焼結体の機械的特性および寸法変化率に与える影響を調査・確認した。この確認試験の実施に際しては、新たに3種類の試験片(実施例13−14および比較例7)を準備した。新たに準備した試験片は、圧粉体を加熱するときの雰囲気を異ならせる以外は、実施例2に係る試験片と同様の条件・手順で作製した。
各試験片の作製に際して採用した加熱雰囲気等を、各試験片についての評価とともに下記の表5に示す。
表5からも明らかなように、圧粉体の加熱処理を窒素ガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)、窒素ガスに水素ガスを添加した(添加量は10vol%)還元性ガス雰囲気、および真空雰囲気等、通常の焼結体を得る場合と同様の非酸化性ガス雰囲気下で実施すれば、所望の機械的特性を具備しつつ、加熱処理の前後で寸法変化の小さい焼結体を得ることができる。一方、圧粉体の加熱処理を水蒸気雰囲気下で実施することにより得られた比較例7に係る試験片では、圧粉体の加熱温度を500℃に設定したことにより寸法変化は抑えることができたが、所望の圧環強さを確保することができなかった。従って、特許文献1に開示されている水蒸気処理では、所望の圧環強さを有する機械部品を得ることが難しいと考えられる。
以上の確認試験結果から、本発明は、所望の機械的強度および寸法精度を具備した焼結金属製の機械部品を低コストに作製可能とする上で極めて有用であることが理解される。
1 すべり軸受(機械部品)
3 ラジアル軸受面
4 金属組織部
5 空孔部
6 焼結体
7 粒子
8 結合部
9 空孔
10 圧粉体
11 成形金型装置
34 結晶粒
35 球状化した空孔
M 原料粉末
S 軸
3 ラジアル軸受面
4 金属組織部
5 空孔部
6 焼結体
7 粒子
8 結合部
9 空孔
10 圧粉体
11 成形金型装置
34 結晶粒
35 球状化した空孔
M 原料粉末
S 軸
Claims (7)
- 金属粉末の粒子同士がネック結合することで形成された金属組織部と、空孔部と、を備えた多孔質の焼結体からなり、150MPa以上の圧環強さを有する機械部品であって、
前記空孔部は、前記金属組織部の粒界に存在する空孔を主体としており、前記ネック結合の成長に伴って形成される球状化した空孔を含まないことを特徴とする機械部品。 - 前記金属粉末の主成分元素が鉄である請求項1に記載の機械部品。
- 支持すべき軸を支持するための軸受面を有する請求項1又は2に記載の機械部品。
- 前記軸受面に形成された動圧発生部を有する請求項3に記載の機械部品。
- 前記空孔部に含浸された潤滑油を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の機械部品。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の機械部品を製造するための方法であって、
金属粉末を主成分とする原料粉末の圧粉体を得る圧縮成形工程と、
前記金属粉末の主成分元素の融点の45〜65%の温度域で前記圧粉体を加熱することにより前記焼結体を得る焼結工程と、を有することを特徴とする機械部品の製造方法。 - 前記圧粉体は、寸法測定法により算出した密度に基づく相対密度が70%以上100%未満である請求項6に記載の機械部品の製造方法。
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Legal Events
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