JP2019167261A - 亜ジチオン酸の保存方法および共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩を分解させることなく保存することができる保存方法を提供すること。【解決手段】亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の亜ジチオン酸化合物の水溶液を容器内に保存する保存方法であって、前記容器内の気相中の酸素濃度を5体積%以下とし、前記水溶液のpHを7以上とする保存方法を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、亜ジチオン酸または亜ジチオン酸塩の保存方法に関し、さらには、上記保存方法により保存された亜ジチオン酸または亜ジチオン酸塩を用いた共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
ニトリルゴム等の共役ジエン系重合体は、ゴム製品の製造原料として用いられている。
共役ジエン系重合体を、酸化剤と還元剤とを含む酸化還元系を用いた乳化重合により製造する際に、還元剤として、亜ジチオン酸塩を用いることが知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、亜ジチオン酸ナトリウムは、重合停止剤としても用いられている(たとえば、特許文献2参照)。
還元剤や重合停止剤を重合に用いる場合、還元剤や重合停止剤の水溶液を用いることも多い。しかしながら、亜ジチオン酸または亜ジチオン酸塩の水溶液を調製すると、調製直後からこれらの分解が開始し、使用時にはすでに多くが分解しており、所望の量を添加できていない可能性が見出された。特に、大規模な製造プラントでは、生産性を考慮すると、あらかじめ亜ジチオン酸または亜ジチオン酸塩の水溶液を調製しておき、必要なときに必要な量を、複数の重合槽に供給する必要があるため、亜ジチオン酸または亜ジチオン酸塩の分解は、生産性の向上を妨げる大きな問題である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩を分解させることなく保存することができる保存方法を提供することを目的とする。
このような実状に対し、本発明者等が鋭意検討を行ったところ、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩の分解は、水溶液のpHおよび保存容器中の気相部分の成分に影響を受けること、および、水溶液のpHおよび保存容器中の気相部分の酸素濃度を適切に管理すれば、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩の分解が抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明よれば、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の亜ジチオン酸化合物の水溶液を容器内に保存する保存方法であって、前記容器内の気相中の酸素濃度を5体積%以下とし、前記水溶液のpHを7以上とする保存方法が提供される。
本発明の保存方法において、前記水溶液の前記亜ジチオン酸化合物の濃度が、1〜20重量%であることが好ましい。
本発明の保存方法において、前記水溶液の温度が、1〜35℃であることが好ましい。
本発明の保存方法において、前記亜ジチオン酸化合物が、亜ジチオン酸ナトリウムであることが好ましい。
本発明は、また、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いて、共役ジエン系重合体を製造する共役ジエン系重合体の製造方法を提供する。
本発明の保存方法によれば、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩を分解させることなく保存することができる。これによって、たとえば、共役ジエン系重合体を、高い生産性で生産することができる。
本発明の保存方法は、亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の亜ジチオン酸化合物の水溶液を容器内に保存するための方法であり、容器内の気相中の酸素濃度を5体積%以下とし、水溶液のpHを7以上とするものである。
本発明の保存方法で保存する亜ジチオン酸化合物は、亜ジチオン酸(H2S2O4)であってもよいし、亜ジチオン酸の塩であってもよいが、本発明の保存方法の効果を十分に得られる点からは、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S2O4)が好ましい。
亜ジチオン酸化合物の水溶液を調製する方法は、特に限定されず、常法によればよい。水溶液の亜ジチオン酸化合物の濃度は、必要となる容器の大きさ、容器および水溶液の取り扱いやすさ、共役ジエン系重合体の生産効率などの観点から、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。本開示の保存方法によれば、亜ジチオン酸化合物を比較的高濃度で含有する水溶液であっても、亜ジチオン酸化合物の分解を抑制できる。
本発明の保存方法で用いる容器としては、亜ジチオン酸化合物を収容でき、なおかつ、容器内の気相中の酸素濃度を制御できる容器であれば、特に限定されない。たとえば、固体、液体および気体が容器内に侵入しない気密容器を用いてもよいし、酸素濃度が制御された気体を容器内に流通させることができるように、気体入口および気体出口を備える容器を用いてもよい。
本発明の保存方法においては、容器内の気相中の酸素濃度を5体積%以下に制御する。容器内の気相中の酸素濃度が5体積%を超えると、亜ジチオン酸化合物の分解が進行してしまい、亜ジチオン酸化合物を適切に保存することができない。容器内の気相中の酸素濃度は、好ましくは4体積%以下であり、より好ましくは3体積%以下であり、酸素濃度が0体積%であってもかまわない。
容器内の気相中の酸素濃度を制御する方法としては、水溶液を収容した容器の気相部分に、上記範囲内の酸素濃度を有する気体に注入し、容器を密閉する方法、容器内の気相部分に上記範囲内の酸素濃度を有する気体を流通させる方法などが挙げられる。
上記範囲内の酸素濃度を有する気体としては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。
本発明の保存方法においては、亜ジチオン酸化合物の水溶液のpHを7以上に調整する。水溶液のpHが7未満であると、亜ジチオン酸化合物の分解が進行してしまい、亜ジチオン酸化合物を適切に保存することができない。亜ジチオン酸化合物の水溶液のpHは、好ましくは8以上であり、より好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは10以上であり、特に好ましくは11以上であり、最も好ましくは12以上である。
亜ジチオン酸化合物の水溶液のpHを調整する方法としては、酸またはアルカリを添加する方法が挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いることができる。
本発明の保存方法においては、亜ジチオン酸化合物の水溶液の温度を1〜35℃に制御することが好ましい。保存温度を上記範囲とすることにより、亜ジチオン酸化合物の分解を十分に抑制できるとともに、冷却または加熱に要するコストも抑制できる。
本発明の保存方法を使用して、亜ジチオン酸化合物の水溶液を保存する期間は特に限定されない。本発明の保存方法を使用すれば、水溶液の調製から3日以上あるいは4日以上が経過した後であっても、調製時の亜ジチオン酸化合物の70%以上あるいは80%以上を分解させずに保存することができるので、保存期間は、1日以上であってよく、3日以上であってよく、4日以上であってよく、上限は特に限定されず、30日以下であってよい。
本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液は、染色助剤、還元剤、脱酸素剤、重合停止剤などの種々の用途に利用することができる。たとえば、本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物を用いて、共役ジエン系重合体を製造することができる。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いて、共役ジエン系重合体を製造するものである。本発明の製造方法は、特に、上記の保存方法により保存された水溶液中の亜ジチオン酸化合物を、脱酸素剤として用いるものであるか、重合開始剤と組み合わせる還元剤として用いるものであるか、あるいは、重合停止剤として用いるものであることが好ましい。上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液は、pHを調整してから製造に用いてもよいが、そのまま用いることも可能である。
共役ジエン系重合体としては、特に限定されないが、たとえば、天然ゴム;合成ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、合成ポリクロロプレン等の共役ジエン単量体の単独重合体もしくは共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体、ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体;アクリレート系(共)重合体等が挙げられる。これらのなかでも、本発明の製造方法を適用した場合における効果がより高いという観点より、共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体が好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体がより好ましい。
本発明の製造方法は、上述した保存方法により、亜ジチオン酸化合物の水溶液を保存する工程と、保存した亜ジチオン酸化合物を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体混合物を重合する工程を含むことが好ましい。
共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、本発明の製造方法において、重合に用いる単量体として、共役ジエン化合物とともに芳香族ビニル化合物を用いてもよい。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ジエチルアミノメチルスチレン、ジエチルアミノエチルスチレン、シアノエチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、スチレンが好ましい。
さらに、本発明の製造方法においては、共役ジエン化合物とともに、芳香族ビニル化合物以外の、共役ジエン化合物と共重合可能な化合物を用いてもよい。このような共役ジエン化合物と共重合可能な化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。
共役ジエン化合物を含む単量体混合物を重合させる際の重合法としては、特に限定されないが、乳化重合法が好ましい。
乳化重合法としては、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、上述した単量体混合物を乳化重合する際には、通常用いられる、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、キレート剤、酸素補足剤、分子量調整剤等の重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でもよい。
重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜2重量部である。
また、過酸化物開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物100重量部に対して3〜1000重量部であることが好ましい。
また、この還元剤として、本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いることができる。還元剤としての亜ジチオン酸化合物の使用量は、過酸化物100重量部に対して3〜1000重量部であることが好ましい。
乳化重合する際に使用する水の量は、使用する全単量体100重量部に対して、80〜600重量部が好ましく、100〜300重量部が特に好ましい。
さらに、乳化重合を行う際には、必要に応じて、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができ、これらは種類、使用量とも特に限定されない。
また、この脱酸素剤として、本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いることができる。脱酸素剤としての亜ジチオン酸化合物の使用量は、乳化重合する際に使用する水の量100重量部に対して、0.0001〜1重量部であることが好ましい。
本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を、還元剤として使用した場合でも、その一部を脱酸素剤として作用させることができる。還元剤としての機能とともに、脱酸素剤としての機能を期待する場合には、亜ジチオン酸化合物の水溶液を、脱酸素剤として上記した使用量の範囲内で、比較的多めの量で使用すればよい。
以上のように単量体混合物を乳化重合し、所定の重合転化率に達した時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合を停止する際の重合転化率は、特に限定されないが、好ましくは70重量%以上である。この重合転化率が低すぎると生産性が低下する傾向にある。重合温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜50℃、より好ましくは2〜35℃である。このように低温での重合を行う場合には、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物を、重合開始剤と組み合わせて、還元剤として用いることが特に好適である。
重合停止剤としては、特に限定されないが、たとえば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、ならびに、ヒドロキシジメチルベンゼンチオカルボン酸、ヒドロキシジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブチルベンゼンジチオカルボン酸などの芳香族ヒドロキシジチオカルボン酸およびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。重合停止剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.05〜2重量部である。
また、この重合停止剤として、本発明の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いることができる。重合停止剤としての亜ジチオン酸化合物の使用量としては、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.05〜2重量部である。
以上のようにして重合反応を行い、乳化液を得ることができる。なお、重合反応を停止して乳化液を得た後には、必要に応じて乳化液から未反応単量体を除去してもよい。
次に、本発明の保存方法について、図1に示す容器を用いる場合を例示しながら、説明する。図1は、亜ジチオン酸化合物の水溶液を保存するための容器を模式的に示す図である。図1に示す容器1は、容器1内に亜ジチオン酸化合物の水溶液12を収容するための容器本体11と、容器1内の気相部分13に気体を流入させるための気体入口14と、容器1内の気相部分13の気体を容器1外に流出させるための気体出口15と、容器1内の気相部分13の酸素濃度を測定するための酸素濃度計16と、を備えている。さらに、容器1には、亜ジチオン酸化合物の水溶液12を、容器1内に収容するための水溶液供給配管21と、保存した水溶液を、各ユースポイントに移送するための、水溶液移送配管22とが接続されている。
図1に示す容器1を用いた亜ジチオン酸化合物水溶液の保存方法について説明すると、まず、窒素ガスが気体供給路17を通って、気体入口14から容器1内の気相部分13に導入される。次いで、容器1内に導入された窒素ガスは、容器1内の気相部分13に含まれる酸素を同伴しながら、気体出口15から気体排出路18に排出される。このようにして、気相部分の酸素濃度が制御される。
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液は、水溶液供給配管21を通って、容器1内に供給される。この際、酸素を含む空気も容器1内に混入することがあるが、図1に示す容器1によれば、亜ジチオン酸化合物水溶液の供給と同時に、窒素ガスを容器1内に導入することが可能であることから、この場合においても、気相部分の酸素濃度が制御される。
図1に示す容器1には、さらに酸素濃度計16が備えられているので、気相中の酸素濃度を監視することができ、亜ジチオン酸化合物水溶液の保存状態を適切に管理することができる。また、酸素濃度計16により測定される酸素濃度が特定の値以下である場合には、窒素ガスの供給量を減らしたり、窒素ガスの供給を停止したり、逆に、酸素濃度が特定の値を超えた場合には、窒素ガスの供給量を増やすなどの操作を、自動的に行うことも可能である。
そして、容器1内で保存された亜ジチオン酸化合物水溶液は、必要に応じて、水溶液移送配管22を通って、各ユースポイントに移送され、重合に用いる脱酸素剤、還元剤、停止剤などとして消費される。
以上、本発明の保存方法について詳細に説明したが、本発明の保存方法は、図1に示す容器1を用いる態様に何ら限定されるものではない。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、このように、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いて、共役ジエン系重合体を製造するものであるので、極めて高い生産性で、共役ジエン系重合体を製造することができる。特に、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を、脱酸素剤として用いる場合には、重合系の酸素濃度を適切に制御することができ、高い生産性で、共役ジエン系重合体を製造することができる。また、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を、重合開始剤と組み合わせて、還元剤として用いる場合には、十分なラジカルを発生させることができ、所望の重合転化率を得ることができる。また、上記の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を、重合停止剤として用いる場合には、重合反応を適切に停止することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
<亜ジチオン酸ナトリウムの濃度>
ホルマリン(特級)100mLと水100mLとを混合した後、0.1mol/lの水酸化ナトリウム溶液を加え、pHを7に調整した。さらにフェノールフタレイン溶液(1重量%)を0.2g添加し、水溶液Aを得た。
水溶液Aが2.0g入った100mLの三角フラスコに、試料溶液を7.1g添加し、10分間静置した。静置後の三角フラスコに水16gを添加し、1mol/lの塩酸を混合液のpHが1.3になるまで撹拌しながら加えた。さらに指示薬としてでんぷん溶液を0.5g加えて撹拌し、水溶液Bを得た。
水溶液Bを撹拌しながら、0.05mol/lのよう素溶液を添加していき、水溶液が無色から暗紫色に変化した時点でのよう素溶液の添加量X(g)を測定した。
亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を、以下の式により算出した。
亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g)=X×0.05÷7.1
ホルマリン(特級)100mLと水100mLとを混合した後、0.1mol/lの水酸化ナトリウム溶液を加え、pHを7に調整した。さらにフェノールフタレイン溶液(1重量%)を0.2g添加し、水溶液Aを得た。
水溶液Aが2.0g入った100mLの三角フラスコに、試料溶液を7.1g添加し、10分間静置した。静置後の三角フラスコに水16gを添加し、1mol/lの塩酸を混合液のpHが1.3になるまで撹拌しながら加えた。さらに指示薬としてでんぷん溶液を0.5g加えて撹拌し、水溶液Bを得た。
水溶液Bを撹拌しながら、0.05mol/lのよう素溶液を添加していき、水溶液が無色から暗紫色に変化した時点でのよう素溶液の添加量X(g)を測定した。
亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を、以下の式により算出した。
亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g)=X×0.05÷7.1
上記にて測定した亜ジチオン酸ナトリウムの濃度に基づいて、亜ジチオン酸ナトリウムの残存率を次式により求めた。
(残存率(%))=(4日間保存した後の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g))/(調製直後の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g))×100
(残存率(%))=(4日間保存した後の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g))/(調製直後の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度(mmol/g))×100
<酸素濃度>
酸素濃度計(製品名:デジタル酸素濃度計XO−326IIs、新コスモス電機社製)を用いた。
酸素濃度計(製品名:デジタル酸素濃度計XO−326IIs、新コスモス電機社製)を用いた。
<実施例1>
亜ジチオン酸ナトリウムを水に溶解させ、さらに水酸化ナトリウムを添加して、pHが12.9の亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(濃度3重量%)を調製した。得られた亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を、容器の内容積300Lの85体積%が水溶液で満たされるように、容器に投入したのち、容器の気相部分に窒素ガスを注入して、容器を密閉した。気相部分の酸素濃度は2体積%であった。
亜ジチオン酸ナトリウムを水に溶解させ、さらに水酸化ナトリウムを添加して、pHが12.9の亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(濃度3重量%)を調製した。得られた亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を、容器の内容積300Lの85体積%が水溶液で満たされるように、容器に投入したのち、容器の気相部分に窒素ガスを注入して、容器を密閉した。気相部分の酸素濃度は2体積%であった。
次いで、密閉した容器を4日間、15℃に放置することにより、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
上記の方法にて、4日間保存された亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を用いて、ニトリルゴムのラテックスを製造した。すなわち、耐圧反応容器に、水200部、オレイン酸カリウム1.5部、アクリロニトリル30部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液0.33部(亜ジチオン酸ナトリウム換算で0.01部)、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム三水塩0.003部、エチレンジアミン四酢酸・ナトリウム0.008部を添加し、十分に脱気した後、1,3−ブタジエン70部を添加した。
次いで、重合開始剤としてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.02部を添加して、反応温度5℃で乳化重合を開始した。重合転化率が80%になった時点で、ジエチルヒドロキシルアミン0.25部および水5部からなる重合停止剤溶液を添加して重合反応を停止させて乳化液を得た。
<実施例2>
この実施例では、図1に示す容器1を用いて実験を行った。
この実施例では、図1に示す容器1を用いて実験を行った。
pHを12.8とした以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を調製した。得られた亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を、容器1の内容積500Lの85体積%が水溶液で満たされるように、水溶液供給配管21から容器1内に供給した。次いで、気体入口14からの窒素ガスの供給を開始し、気相中の酸素濃度を3体積%に調整した。さらに、気体入口14からの窒素ガスの供給(流速30L/分)と、気体出口15からの窒素ガスの排出とを連続的に行うことで、気相中の酸素濃度を一定に保った。このようにして、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を、4日間、15℃で保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例3>
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液のpHを10.1に変更し、気相部分の酸素濃度を3体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液のpHを10.1に変更し、気相部分の酸素濃度を3体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例4>
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液のpHを8.0に変更し、気相部分の酸素濃度を3体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液のpHを8.0に変更し、気相部分の酸素濃度を3体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した後、容器内の水溶液中の亜ジチオン酸ナトリウムの濃度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1>
pHを6.0に変更し、容器を密閉せず、容器上部を開放したままとした以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。なお、表1の比較例1および2に記載の酸素濃度は、大気中の酸素濃度である。
pHを6.0に変更し、容器を密閉せず、容器上部を開放したままとした以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。なお、表1の比較例1および2に記載の酸素濃度は、大気中の酸素濃度である。
<比較例2>
pHを12.9に変更した以外は、比較例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。
pHを12.9に変更した以外は、比較例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。
<比較例3>
pHを6.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。
pHを6.0に変更した以外は、実施例1と同様にして、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存した。結果を表1に示す。
表1に示すように、pHおよび酸素濃度を適切に制御して保存した場合、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を4日間保存した後でも、亜ジチオン酸ナトリウムはほとんど分解しておらず、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を適切に保存することができた(実施例1〜4)。
また、適切に保存した亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液は、ニトリルゴムの重合に用いることができ、十分な重合転化率と、良好な物性を有するニトリルゴムのラテックスを製造できた(実施例1)。
一方、pHおよび酸素濃度を適切に調整することなく、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存すると、亜ジチオン酸ナトリウムの大半が分解してしまい。ほとんど残留していなかった(比較例1)。
また、pHを適切に調整したとしても、酸素濃度を制御しない場合には、亜ジチオン酸ナトリウムの分解を十分に抑制できなかった(比較例2)。
また、酸素濃度を制御したとしても、pHを適切に調整しなかった場合には、亜ジチオン酸ナトリウムの分解を十分に抑制できなかった(比較例3)。
また、適切に保存した亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液は、ニトリルゴムの重合に用いることができ、十分な重合転化率と、良好な物性を有するニトリルゴムのラテックスを製造できた(実施例1)。
一方、pHおよび酸素濃度を適切に調整することなく、亜ジチオン酸ナトリウムの水溶液を保存すると、亜ジチオン酸ナトリウムの大半が分解してしまい。ほとんど残留していなかった(比較例1)。
また、pHを適切に調整したとしても、酸素濃度を制御しない場合には、亜ジチオン酸ナトリウムの分解を十分に抑制できなかった(比較例2)。
また、酸素濃度を制御したとしても、pHを適切に調整しなかった場合には、亜ジチオン酸ナトリウムの分解を十分に抑制できなかった(比較例3)。
Claims (5)
- 亜ジチオン酸および亜ジチオン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の亜ジチオン酸化合物の水溶液を容器内に保存する保存方法であって、
前記容器内の気相中の酸素濃度を5体積%以下とし、前記水溶液のpHを7以上とする
保存方法。 - 前記水溶液の前記亜ジチオン酸化合物の濃度が、1〜20重量%である請求項1に記載の保存方法。
- 前記水溶液の温度が、1〜35℃である請求項1または2に記載の保存方法。
- 前記亜ジチオン酸化合物が、亜ジチオン酸ナトリウムである請求項1〜3のいずれかに記載の保存方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の保存方法により保存された亜ジチオン酸化合物の水溶液を用いて、共役ジエン系重合体を製造する共役ジエン系重合体の製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2018055738A JP2019167261A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 亜ジチオン酸の保存方法および共役ジエン系重合体の製造方法 |
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| JP2019167261A true JP2019167261A (ja) | 2019-10-03 |
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Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4866181A (ja) * | 1972-12-06 | 1973-09-11 | ||
| WO2006007681A1 (en) * | 2004-07-22 | 2006-01-26 | Bann Química Ltda. | Equipment for preparing aqueous alkaline sodium hydrosulfite solution |
| JP2010528139A (ja) * | 2007-05-22 | 2010-08-19 | ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー | ニトリルゴム |
-
2018
- 2018-03-23 JP JP2018055738A patent/JP2019167261A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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| JP2010528139A (ja) * | 2007-05-22 | 2010-08-19 | ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー | ニトリルゴム |
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